説明

成分濃度測定用試料

【課題】本発明は、吸光度を測定するための成分濃度測定用試料において、入射窓14の位置ごとにおける透過光強度のばらつきを防ぐことによって、吸光度を測定する対象となる光吸収試料の吸光度を正確に測定可能とすることを目的とする。
【解決手段】上記目的を達成するため、本発明に係る成分濃度測定用試料91は、入射窓14の位置ごとにおける透過光強度のばらつきを防ぐ入射窓14を備えることを特徴とする。入射窓14の位置ごとにおける透過光強度のばらつきを防げば、光吸収試料11に入射する光を安定させることができる。そのため、本発明に係る成分濃度測定用試料91は、光吸収試料の吸光度を正確に測定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非侵襲な成分濃度測定装置に用いられる成分濃度測定用試料、特に、非侵襲に血液成分としてグルコースを測定対象として、その濃度、即ち血糖値を非侵襲で測定するための成分濃度測定用試料に関する。
【背景技術】
【0002】
非侵襲な成分濃度の測定方法として、現在までに、経皮的な電磁波の照射、または、輻射の観測に基づく様々の方法が試行されてきている。これらは何れも、対象とする血液成分、例えば、血糖値の場合はグルコース分子が有する特定の波長の電磁波との相互作用、すなわち吸収、または散乱を利用している。
【0003】
しかし、グルコースと電磁波との相互作用は小さく、また生体に安全に照射し得る電磁波の強度には制限があり、さらに生体が電磁波に対して散乱体であるために、生体の血糖値測定においては、十分な効果を挙げるに至っていない。
【0004】
上記のグルコースと電磁波との相互作用を利用する従来の技術の中で、電磁波を生体へ照射して生体内に発生する音波を観測する、光音響法が注目されている。
【0005】
光音響法とは生体にある量の電磁波を照射した場合、電磁波は生体に含有される分子に吸収され、電磁波を照射した部分を局所的に加熱して熱膨張を起こし音波を発生させるが、この音波の圧力は電磁波を吸収する分子の量に依存するので、音波の圧力を測定することにより、生体内の分子の量を測定する方法である。また、光音響法の中でも、光を照射した局部的な領域において熱が発生し、その熱が拡散することなく熱膨張を惹起し、それにより発生し伝搬する音波を利用する方法を直接光音響法と呼ぶ。
【0006】
音波は生体内を伝搬する圧力波であり、電磁波に比べ散乱しにくいという特質があり、上記の光音響法は生体の血液成分測定において注目すべき手法である(例えば、非特許文献1参照。)。しかし、光音響法を用いた生体の血液成分測定においては、まだ十分な精度が得られていない。
【0007】
そこで、光音響法を用いた生体の血液成分測定における精度を高める目的で、異なる波長の複数の光源を用いた測定が試みられている(例えば、特許文献1及び2参照。)。複数の光源の波長は全てグルコースの吸収波長に設定されており、各波長に対応する光音響信号の強度は、血液中に含まれるグルコースの量に対応した電気信号として測定される。
【0008】
ここで、予め光音響信号の測定値の強度と別途採血した血液によりグルコースの含有量を測定した値との関係を記憶しておいて、前記光音響信号の測定値からグルコースの濃度を測定している。
【特許文献1】特開平10−189号公報
【特許文献2】WO 2005/107592 A1
【非特許文献1】オウル大学(University of Oulu、Finland)学位論文「Pulse photoacoustic techniques and glucose determination in human blood and tissue」(IBS 951−42−6690−0、http://herkules.oulu.fi/isbn9514266900/、2002年)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、光音響信号の測定値が、予め測定した値との関係と異なる問題が生じていた。血液に含まれる水の吸光度が温度の影響を受けやすいために、血液の温度によって水の吸光度が変動するからである。この問題を解決するために、水の吸光度を別途測定することが考えられる。
【0010】
図5は、水の吸光度を測定するための成分濃度測定用試料の一例であり、(a)は概観図、(b)は縦断面の概略図を示す。吸光度を測定するための光吸収試料11は、遮光性容器12にて密閉されている。光吸収試料11が吸光度を測定する水である。遮光性容器12には、遮光性容器12内の光吸収試料11に光を入射するための入射窓13が設けられる。しかし、入射窓13には、入射窓13の位置ごとにおける厚み偏差がある。さらに、入射窓13の厚み偏差は、光の波長や成分濃度測定用試料の温度によっても生じる。入射窓13の厚み偏差によって透過光強度が安定しないために、光吸収試料11の吸光度を正確に測定できていない場合があることを、発明者らは発見した。
【0011】
図6は、成分濃度測定用試料を用いた吸光度の測定結果の一例である。光吸収試料11として水を用いている。図6は、厚み偏差に対する吸光度を表している。図6では、厚み偏差は、一定の厚みを真値とした厚み誤差となっている。また、吸光度は、光吸収試料11の吸光度を直接測定するのではなく、2つの波長の光を入射した差分音響信号となっている。ここで、2つの波長の光は、光吸収試料11たる水の呈する吸収が相等しい異なる波長の光である。2つの波長の光が水で吸収されることによって発生した差分音響信号を測定するため、2つの波長の光の強度はあらかじめ等しくしてある。この場合、入射窓に厚み偏差がなければ、差分音響信号は検出されず、差分音響信号の信号変化はゼロとなる。しかし、成分濃度測定用試料を用いた吸光度の測定の結果、0.1μmの入射窓の厚み偏差に対し、差分音響信号の信号変化が3%を超えることがわかった。
【0012】
そこで、本発明は、吸光度を測定するための成分濃度測定用試料において、透過光強度に対する入射窓の厚み偏差の影響を低減し、光吸収試料に入射する光を安定させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明に係る成分濃度測定用試料は、透過光強度に対する入射窓の厚み偏差の影響を低減する入射窓を備えることを特徴とする。入射窓の厚み偏差を低減するので、光吸収試料に入射する光を安定させることができる。
【0014】
具体的には、本発明に係る成分濃度測定用試料は、特定波長の光に対して特定の吸光度を有する光吸収試料と、前記光吸収試料を密閉する遮光性容器と、前記特定波長の光を透過し、前記遮光性容器の外から前記遮光性容器内の前記光吸収試料に入射させる入射窓と、を備え、前記入射窓は、前記特定波長の光が垂直入射した際の前記入射窓からの反射光に干渉縞が1本以上現れる径を有することを特徴とする。
【0015】
入射窓からの反射光に干渉縞が1本以上現れる場合、入射窓からの透過光にも干渉縞が現れている。入射窓からの透過光に干渉縞が1本以上現れる径の光を透過させることで、透過光強度に対する入射窓の厚み偏差の影響を低減することができる。そのため、本発明に係る成分濃度測定用試料は、光吸収試料に入射する光を安定させることができる。
【0016】
また、本発明に係る成分濃度測定用試料は、特定波長の光に対して特定の吸光度を有する光吸収試料と、前記光吸収試料を密閉する遮光性容器と、前記特定波長の光を透過し、前記遮光性容器の外から前記遮光性容器内の前記光吸収試料に入射させる入射窓と、を備え、前記入射窓にウエッジが設けられていることを特徴とする。
【0017】
入射窓にはウエッジが設けられているので、透過光強度に対する入射窓の厚み偏差の影響を低減することができる。そのため、本発明に係る成分濃度測定用試料は、光吸収試料に入射する光を安定させることができる。
【0018】
また、本発明に係る成分濃度測定用試料では、前記ウエッジが、前記入射窓に前記特定波長の光が垂直入射した際に、前記入射窓からの反射光に干渉縞が1本以上現れるウエッジ角を有することが好ましい。
【0019】
入射窓からの反射光に干渉縞が1本以上現れるので、入射窓からの透過光にも干渉縞が1本以上現れている。入射窓からの透過光に干渉縞が1本以上現れていることで、透過光強度に対する入射窓の厚み偏差の影響を低減することができる。
【0020】
また、本発明に係る成分濃度測定用試料は、特定波長の光に対して特定の吸光度を有する光吸収試料と、前記光吸収試料を密閉する遮光性容器と、前記特定波長の光を透過し、前記遮光性容器の外から前記遮光性容器内の前記光吸収試料に入射させる入射窓と、を備え、前記入射窓の少なくとも一方の面に、前記入射窓における前記特定波長の光の多重反射を減少させる反射防止膜が設けられていることを特徴とする。
【0021】
入射窓に反射防止膜が設けられているので、入射窓での多重反射を低減することができる。入射窓での多重反射が低減すれば、透過光強度に対する入射窓の厚み偏差の影響も低減する。そのため、本発明に係る成分濃度測定用試料は、光吸収試料に入射する光を安定させることができる。
【0022】
また、本発明に係る成分濃度測定用試料は、特定波長の光に対して特定の吸光度を有する光吸収試料と、前記光吸収試料を密閉する遮光性容器と、前記特定波長の光を透過し、前記遮光性容器の外から前記遮光性容器内の前記光吸収試料に入射させる入射窓と、を備え、前記入射窓が、前記特定波長の光によって発生する多重反射の反射光同士が重ならない角度で傾けられていることを特徴とする。
【0023】
特定波長の光によって発生する多重反射の反射光同士が重ならない場合、特定波長の光によって発生する多重反射の透過光同士が重なっていない。多重反射の透過光同士が重ならない角度で入射窓が傾けられているので、透過光強度に対する入射窓の厚み偏差の影響を低減することができる。そのため、本発明に係る成分濃度測定用試料は、光吸収試料に入射する光を安定させることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、本発明に係る成分濃度測定用試料は、透過光強度に対する入射窓の厚み偏差の影響を低減することができる。そのため、本発明に係る成分濃度測定用試料は、光吸収試料に入射する光を安定させ、光吸収試料の吸光度を正確に測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態は本発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。
【0026】
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る成分濃度測定用試料の模式図であり、(a)は特定波長の光のビーム径が小さい場合、(b)は特定波長の光のビーム径が大きい場合を示す。成分濃度測定用試料91は、光吸収試料11と、遮光性容器12と、入射窓14と、を備える。成分濃度測定用試料91は、例えば、光音響法を用いた成分濃度測定装置に用いられる試料である。成分濃度測定装置は、液体に対象成分が混合されてなる溶液における対象成分の濃度を測定する装置である。例えば、溶液が血液であれば、成分濃度測定装置91は、グルコースやコレステロールなどの血液成分の濃度を測定する。
【0027】
光吸収試料11は、特定波長の光20に対して特定の吸光度を有する。特定波長の光20は、成分濃度測定装置に用いられる波長の光である。特定の吸光度は、溶液のうちの液体又は対象成分の吸光度と等しい吸光度である。光吸収試料11は、例えば、成分濃度測定装置が血糖値を測定する血液成分濃度測定装置の場合、液体の吸光度と等しい吸光度を有する水、又は、対象成分の吸光度と等しい吸光度を有するブドウ糖の結晶である。特に、光吸収試料11は、血液と等温にした水を用いることが好ましい。温度による血液成分の濃度誤差を補正することができる。
【0028】
遮光性容器12は、光吸収試料11を密閉する。遮光性容器12の一部に入射窓14を設置するための開口部が設けられている場合、開口部は入射窓14にて密閉される。遮光性容器12は、光吸収試料11によって腐食しにくいものが好ましい。腐食しにくいものは、光吸収試料11が水であればステンレスなどの金属又は合成樹脂である。遮光性容器12の内壁面には、光吸収試料11の吸光度を検出するための音波検出手段、透過窓又は光検出手段が設けられることが好ましい。
【0029】
入射窓14は、特定波長の光20を透過し、特定波長の光20を遮光性容器12の外から遮光性容器12内の光吸収試料11に入射させる。入射窓14は、特定波長の光20に対して透明な材質であることが好ましい。特定波長の光20が赤外光であれば、入射窓14の材質は、例えば、ガラス、石英又はサファイアである。
【0030】
入射窓14は、特定波長の光20が垂直入射した際の入射窓14からの反射光に干渉縞が1本以上現れる入射窓14の径23を有することが好ましい。入射窓14の厚み偏差は、入射窓14の面積が広くなれば小さくなる。このため、特定波長の光20を、図1(a)に示すような小さなビーム径ではなく、図1(b)に示すような入射面21から出射される反射光に干渉縞が1本以上現れる大きさのビーム径とすることで、入射窓14からの透過光強度に対する入射窓14の厚み偏差の影響を小さくすることができる。特定波長の光20のビーム径を大きくするために、入射面21にビーム径を広げるためのレンズを設けてもよい。
【0031】
(実施形態2)
図2は、本実施形態に係る成分濃度測定用試料の概略構成図である。成分濃度測定用試料92は、光吸収試料11と、遮光性容器12と、入射窓15と、を備える。光吸収試料11及び遮光性容器12については、実施形態1で説明した光吸収試料11及び遮光性容器12と同様である。
【0032】
入射窓15は、特定波長の光20を透過し、特定波長の光20を遮光性容器12の外から遮光性容器12内の光吸収試料11に入射させる。本機能については、実施形態1で説明した入射窓14と共通する。
【0033】
さらに、入射窓15には、入射面21に対して透過面22が傾斜しているウエッジが設けられている。入射面21に対して透過面22が傾斜しているので、入射窓15からの透過光強度に対する入射窓15の厚み偏差の影響小さくすることができる。
【0034】
ここで、ウエッジ角24は、入射窓15に特定波長の光20が垂直入射した際に、入射窓15からの反射光に干渉縞が1本以上現れる角度であることが好ましい。入射窓15からの反射光に干渉縞が現れる場合、入射窓15からの透過光にも干渉縞が現れている。入射窓15からの透過光に干渉縞が1本以上現れていれば、入射窓15で多重反射が発生した場合であっても、透過光強度に対する入射窓15の厚み偏差の影響を低減することができる。そのため、成分濃度測定用試料92は、光吸収試料11に入射する光を安定させることができる。
【0035】
なお、成分濃度測定用試料92においてウエッジ角に制限がある場合には、さらに、実施形態1で説明した入射窓14を組み合わせてもよい。
【0036】
(実施形態3)
図3は、本実施形態に係る成分濃度測定用試料の概略構成図である。成分濃度測定用試料93は、光吸収試料11と、遮光性容器12と、入射窓16と、を備える。光吸収試料11及び遮光性容器12については、実施形態1で説明した光吸収試料11及び遮光性容器12と同様である。
【0037】
入射窓16は、特定波長の光20を透過し、遮光性容器12の外から遮光性容器12内の光吸収試料11に入射させる。本機能については、実施形態1で説明した入射窓14と共通する。
【0038】
さらに、入射窓16では、入射窓16の入射面21及び透過面22のうちの少なくとも一方の面に、入射窓16における特定波長の光20の多重反射を減少させる反射防止膜25が設けられている。反射防止膜25は、例えば、誘電体多層膜などの、光学干渉を利用して反射光強度を低減させるAR(Anti−Reflection)膜である。
【0039】
反射防止膜25が透過面22に設けられる場合、反射防止膜25は、入射面21から入射した光の透過面22での反射を低減する。反射防止膜25が入射面21に設けられる場合、反射防止膜25は、透過面22で反射された光の入射面21での反射を低減する。反射防止膜25が入射面21及び透過面22に設けられる場合、反射防止膜25は、入射面21から入射した光の透過面22での反射、透過面22で反射された光の入射面21での反射、及び、入射面21で反射された光の透過面22での反射を低減する。反射防止膜25が入射面21及び透過面22の少なくとも一方の面での反射を低減するので、入射窓16での多重反射を低減することができる。入射窓16での多重反射が低減すれば、透過光強度に対する入射窓16の厚み偏差の影響も低減する。そのため、成分濃度測定用試料93は、光吸収試料11に入射する光を安定させることができる。
【0040】
なお、成分濃度測定用試料93において、さらに透過光強度に対する入射窓16の厚み偏差の影響も低減したい場合には、実施形態1で説明した入射窓14、又は、実施形態2で説明した入射窓15を組み合わせてもよい。
(実施形態4)
図4は、本実施形態に係る成分濃度測定用試料の概略構成図である。成分濃度測定用試料94は、光吸収試料11と、遮光性容器12と、入射窓17と、を備える。光吸収試料11及び遮光性容器12については、実施形態1で説明した光吸収試料11及び遮光性容器12と同様である。
【0041】
入射窓17は、特定波長の光20を透過し、遮光性容器12の外から遮光性容器12内の光吸収試料11に入射させる。本機能については、実施形態1で説明した入射窓14と共通する。
【0042】
入射窓17は、特定波長の光20によって発生する多重反射の反射光同士が重ならない角度で傾けられている。ここで、「反射光同士」とは、反射面21から大気中へ出射されている反射光である。また、入射窓17の傾きの角度27は、例えば、遮光性容器12の底面26に対する透過面22の角度である。また、入射窓17の傾きの角度27は、入射窓17に対する特定波長の光20の入射方向の角度であってもよい。特定波長の光20によって発生する多重反射の反射光同士が重ならないので、透過面22から出射する透過光同士も重なっていない。入射窓17からの透過光同士が重ならない場合、特定波長の光20を一定強度で入射窓17に入射すれば、当該一定強度で定まる強度で入射窓17から透過させることができる。入射窓17からの透過光強度を均一にすることができるので、透過光強度に対する入射窓17の厚み偏差の影響を低減することができる。そのため、成分濃度測定用試料94は、光吸収試料11に入射する光を安定させることができる。
【0043】
なお、成分濃度測定用試料94において、入射窓17の傾きの角度27に制限がある場合は、実施形態1で説明した入射窓14、又は、実施形態2で説明した入射窓15、又は、実施形態3で説明した入射窓16をさらに組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本実施形態に係る成分濃度測定用試料は、液体中の成分濃度を測定する分野、例えば果実の糖度測定に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施形態1に係る成分濃度測定用試料の模式図であり、(a)は特定波長の光のビーム径が小さい場合、(b)は特定波長の光のビーム径が大きい場合を示す。
【図2】実施形態2に係る成分濃度測定用試料の概略構成図である。
【図3】実施形態3に係る成分濃度測定用試料の概略構成図である。
【図4】実施形態4に係る成分濃度測定用試料の概略構成図である。
【図5】水の吸光度を測定するための成分濃度測定用試料の一例であり、(a)は概観図、(b)は縦断面の概略図を示す。
【図6】成分濃度測定用試料を用いた吸光度の測定結果の一例である。
【符号の説明】
【0046】
11 光吸収試料
12 遮光性容器
13、14、15、16、17 入射窓
20 特定波長の光
21 入射面
22 透過面
23 入射窓の径
24 ウエッジ角
25 反射防止膜
26 遮光性容器の底面
27 入射窓の傾きの角度
90、91、92、93、94 成分濃度測定用試料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定波長の光に対して特定の吸光度を有する光吸収試料と、
前記光吸収試料を密閉する遮光性容器と、
前記特定波長の光を透過し、前記遮光性容器の外から前記遮光性容器内の前記光吸収試料に入射させる入射窓と、を備え、
前記入射窓は、前記特定波長の光が垂直入射した際の前記入射窓からの反射光に干渉縞が1本以上現れる径を有することを特徴とする成分濃度測定用試料。
【請求項2】
特定波長の光に対して特定の吸光度を有する光吸収試料と、
前記光吸収試料を密閉する遮光性容器と、
前記特定波長の光を透過し、前記遮光性容器の外から前記遮光性容器内の前記光吸収試料に入射させる入射窓と、を備え、
前記入射窓にウエッジが設けられていることを特徴とする成分濃度測定用試料。
【請求項3】
前記ウエッジが、前記入射窓に前記特定波長の光が垂直入射した際に、前記入射窓からの反射光に干渉縞が1本以上現れるウエッジ角を有することを特徴とする請求項2に記載の成分濃度測定用試料。
【請求項4】
特定波長の光に対して特定の吸光度を有する光吸収試料と、
前記光吸収試料を密閉する遮光性容器と、
前記特定波長の光を透過し、前記遮光性容器の外から前記遮光性容器内の前記光吸収試料に入射させる入射窓と、を備え、
前記入射窓の少なくとも一方の面に、前記入射窓における前記特定波長の光の多重反射を減少させる反射防止膜が設けられていることを特徴とする成分濃度測定用試料。
【請求項5】
特定波長の光に対して特定の吸光度を有する光吸収試料と、
前記光吸収試料を密閉する遮光性容器と、
前記特定波長の光を透過し、前記遮光性容器の外から前記遮光性容器内の前記光吸収試料に入射させる入射窓と、を備え、
前記入射窓が、前記特定波長の光によって発生する多重反射の反射光同士が重ならない角度で傾けられていることを特徴とする成分濃度測定用試料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−145133(P2009−145133A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−321253(P2007−321253)
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】