説明

成形材料

【課題】ポリエステル樹脂及びフィラーからなる制振材料と該ポリエステル樹脂以外の熱可塑性樹脂及び/ または熱硬化性樹脂を混合させてなる成形材料であって、より優れた制振性を発揮する成形材料を提供する。
【解決手段】ジカルボン酸成分構成単位とジオール成分構成単位からなるポリエステル樹脂(X)に二酸化チタン(Y)及びマイカ鱗片(Z)を分散させた樹脂組成物からなる制振材料(α)とポリエステル樹脂(X)以外の熱可塑性樹脂及び/または熱硬化性樹脂を混合させることからなる成形材料であって、ポリエステル樹脂(X)の全ジカルボン酸成分構成単位数(A0)と全ジオール成分構成単位数(B0)の合計量に対する主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位数(A1)と主鎖中の炭素原子数が奇数であるジオール成分構成単位数(B1)の合計量の比率[(A1+B1)/(A0+B0)]が0.5〜1.0の範囲内であり、且つ制振材料(α)のポリエステル樹脂(X)、二酸化チタン(Y)及びマイカ鱗片(Z)の質量比率(X:Y:Z)が、15〜40:5〜30:30〜80の範囲内であることを特徴とする成形材料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は制振性を発揮する成形材料及び成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
パソコン、OA機器、AV機器、携帯電話などの電気・電子機器、光学機器、精密機器、玩具、家庭・事務電気製品などの部品やハウジング、さらには自動車、航空機、船舶の部品に利用される成形材料には、耐衝撃性、耐熱性、強度、寸法安定性等の一般的な材料特性の他に、制振性(振動エネルギーを吸収する性質)が要求されている。制振性は成形品の形状に依存する部分も大きいが、使用する材料の弾性率や制振性にも依存する。これら多くの要求性能を単一の材料で全て満足させることは極めて困難であるため、複数の材料を複合化、例えば各種ポリマーのブレンドや、有機材料と無機材料の複合化、異種材料の積層等、して使用される。特に弾性率と制振性は互いに相反する性能であるため、弾性率の高い材料と制振材料を組み合わせて使用する必要がある。
【0003】
従来、制振材料のような振動エネルギーを吸収する材料として、塩化ビニル系樹脂に可塑剤を添加した軟質の塩化ビニル系樹脂が知られている。この軟質塩化ビニル系樹脂は、振動エネルギーを樹脂内部において摩擦熱として消費することで、振動エネルギーの減衰が計られるようになっていたが、十分な振動エネルギーの吸収、減衰ができなかった。
【0004】
また、加工性、機械的強度、材料コストの面から優れる制振材料としてブチルゴムやNBRブタジエンアクリルニトリルゴムなどのゴム材料が多く用いられている。ところがこれらのゴム材料は、一般の高分子材料の中では最も減衰性(振動エネルギーの伝達絶縁性能、あるいは伝達緩和性能)に優れてはいるものの、ゴム材料単独で制振材料として使用するには制振性が低く、例えば建造物や機器類の防振構造には、ゴム材料と鋼板とを積層した積層体、あるいはこれに塑性変形して振動エネルギーを吸収する鉛コアやオイルダンパーを組み合わせた制振構造体という複合形態で使用されていた。
【0005】
従来の制振材料としてのゴム材料は、上記の如く単独では使用できず、複合化を余儀な
くされていたので、必然的にその防振構造も複雑なものとなってしまうことから、制振材
料自身、ゴム材料自身の高制振性化が求められていた。
【0006】
また、制振材料として、主鎖のエステル結合間の炭素数が奇数である部分を持つポリエステル樹脂組成物が開示されている(特許文献1)。このポリエステル樹脂組成物は室温付近での制振性能に優れており、制振材料として有望な材料であるが、ポリエステル樹脂に導電性材料であるカーボン粉末が主に用いられ、マイカ粉末等と共に分散させるために、制振材料は黒色や茶色となり、制振性能を維持向上させながら多彩な色調を求められる用途や箇所には使用し難いという問題がある。
【0007】
これらの制振材料の積層方法には、接着剤や粘着剤、両面テープでの張り合わせ、ラミネートや塗布、プレスによる接着、もしくは自己粘着型制振材料の張り合わせなどの方法があるが、工程が複雑になりコストの上昇につながること、また成形品の形状によっては積層できない場合や、空間上の制約を受けるなどの欠点を有する。
【0008】
さらにポリプロピレン樹脂やABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリアセタール樹脂などの熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂に代表される成形材料とのブレンドは、ゴム材料が熱可塑性では無いため溶融ブレンドや材料のリサイクルに限界がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−052377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、優れた制振性を発揮する成形材料および成形品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記目的を達成する為に鋭意検討した結果、ポリエステル樹脂及びフィラーからなる制振材料と該ポリエステル樹脂以外の熱可塑性樹脂及び/または熱硬化性樹脂を混合させてなる成形材料において、該ポリエステル樹脂を特定することにより成形材料の制振性が著しく改善されることを見出し、本発明に至ったものである。すなわち、本発明は、ジカルボン酸成分構成単位とジオール成分構成単位からなるポリエステル樹脂(X)に二酸化チタン(Y)及びマイカ鱗片(Z)を分散させた樹脂組成物からなる制振材料(α)とポリエステル樹脂(X)以外の熱可塑性樹脂及び/または熱硬化性樹脂を混合させてなる成形材料であって、ポリエステル樹脂(X)の全ジカルボン酸成分構成単位数(A0)と全ジオール成分構成単位数(B0)の合計量に対する主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位数(A1)と主鎖中の炭素原子数が奇数であるジオール成分構成単位数(B1)の合計量の比率[(A1+B1)/(A0+B0)]が0.5〜1.0の範囲内であり、且つポリエステル樹脂(X)、二酸化チタン(Y)及びマイカ鱗片(Z)の質量比率(X:Y:Z)が、15〜40:5〜30:30〜80の範囲内であることを特徴とする成形材料に関する。
本発明はさらに、上記成形材料を用いた成形品に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の成形材料及び成形品によれば、簡便に製造可能で、より優れた制振性を発揮する成形品及び成形材料を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の成形材料は、ジカルボン酸成分構成単位とジオール成分構成単位からなるポリエステル樹脂(X)に二酸化チタン(Y)及びマイカ鱗片(Z)を分散させた樹脂組成物からなる制振材料(α)とポリエステル樹脂(X)以外の熱可塑性樹脂及び/または熱硬化性樹脂を混合させてなる成形材料である。
ポリエステル樹脂(X)については、ジカルボン酸成分構成単位とジオール成分構成単位からなり、全ジカルボン酸成分構成単位数(A0)と全ジオール成分構成単位数(B0)の合計量に対する主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位数(A1)と主鎖中の炭素原子数が奇数であるジオール成分構成単位数(B1)の合計量の比率[(A1+B1)/(A0+B0)]が0.5〜1.0の範囲内であることを要件とする。
ここで、“ジカルボン酸成分構成単位(又はジオール成分構成単位)の主鎖中の炭素原子数”とは、一つのエステル結合〔−C(=O)−O−〕と次のエステル結合に挟まれたモノマー単位において、ポリエステル樹脂の主鎖に沿った最短経路上に存在する炭素原子数である。なお、各成分の構成単位数は、後述するH−NMRスペクトル測定結果の積分値の比から算出できる。
【0014】
本発明において、ポリエステル樹脂(X)の全ジカルボン酸成分構成単位数(A)と全ジオール成分構成単位数(B)の合計量に対する主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位数(A)と主鎖中の炭素原子数が奇数であるジオール成分構成単位数(B)の合計量の比率〔(A+B)/(A+B)〕が0.5〜1.0の範囲であり、0.7〜1.0の範囲が好ましい。また、上記のジカルボン酸成分構成単位の主鎖中の炭素原子数及びジオール成分構成単位の主鎖中の炭素原子数は、1、3、5、7、9が好ましい。
【0015】
ポリエステル樹脂(X)の主鎖中の炭素原子数が奇数となるジカルボン酸成分構成単位の例としては、イソフタル酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ブラシル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸などに由来する構成単位が挙げられる。中でも、イソフタル酸、アゼライン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸に由来する構成単位が好ましく、イソフタル酸に由来する構成単位がさらに好ましい。ポリエステル樹脂(X)は、上記ジカルボン酸に由来する1種または2種以上の構成単位を含んでいてもよい。また、2種以上の構成単位を含む際には、イソフタル酸及びアゼライン酸に由来する構成単位を含むことが好ましい。
【0016】
ポリエステル樹脂(X)の主鎖中の炭素原子数が奇数であるジオール成分構成単位の例としては、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ペンタンジオール、1−メチル−1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ヘキサンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2−エチル−1,5−ペンタンジオール、2−プロピル−1,5−ペンタンジオール、メタキシレングリコール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンなどに由来する構成単位が挙げられる。中でも、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、メタキシレングリコール及び1,3−シクロヘキサンジオールに由来する構成単位が好ましく、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール及びネオペンチルグリコールに由来する構成単位がさらに好ましい。ポリエステル樹脂(X)は、上記ジオールに由来する1種または2種以上の構成単位を含んでいてもよい。
【0017】
さらに、本発明の成形材料は、ポリエステル樹脂(X)の全ジカルボン酸成分構成単位数(A)に対する主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位数(A)の比率(A/A)が0.5〜1.0の範囲であることが好ましく、該比率(A/A)が0.7〜1.0の範囲であることが更に好ましい。
また、本発明の制振材料は、ポリエステル樹脂(X)の全ジオール成分構成単位数(B)に対するジオールに由来する構成単位数(B)の比率(B/B)が0.5〜1.0の範囲であることが好ましく、該比率(B/B)が0.7〜1.0の範囲であることがさらに好ましい。
【0018】
本発明の成形材料においては、ポリエステル樹脂(X)は、(1)トリクロロエタン/フェノールの質量比40/60の混合溶媒中、25℃で測定した固有粘度が0.2〜2.0dL/gであり、且つ(2)示差走査熱量計で測定した降温時結晶化発熱ピークの熱量が5J/g以下であることが好ましい。上記(1)及び(2)を満足することにより、より高い制振性を得ることができる。
【0019】
本発明で用いられるポリエステル樹脂(X)は、前記したジカルボン酸成分構成単位及びジオール成分構成単位に加えて、本発明の効果を損なわない程度に他の構成単位が含まれていても良い。その種類に特に制限はなく、ポリエステル樹脂を形成し得るすべてのジカルボン酸及びそのエステル(これを「他のジカルボン酸類」と云う。)、ジオール(これを「他のジオール類」と云う。)或いはヒドロキシカルボン酸及びそのエステル(これを「ヒドロキシカルボン酸類」と云う。)に由来する構成単位を含むことができる。
【0020】
他のジカルボン酸類の例としてはテレフタル酸、オルトフタル酸、2−メチルテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸、ペンタシクロドデカンジカルボン酸、イソホロンジカルボン酸、3,9−ビス(2−カルボキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどのジカルボン酸あるいはジカルボン酸エステル;トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリカルバリル酸などの三価以上の多価カルボン酸、或いはその誘導体が挙げられる。
【0021】
また、他のジオール類の例としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどの脂肪族ジオール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどのポリエーテル化合物類;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコール類;1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,3−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,4−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,5−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,6−デカヒドロナフタレンジメタノール、2,7−デカヒドロナフタレンジメタノール、テトラリンジメタノール、ノルボルナンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサン、ペンタシクロドデカンジメタノール、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンなどの脂環族ジオール類;4,4’−(1−メチルエチリデン)ビスフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール(ビスフェノールZ)、4,4’−スルホニルビスフェノール(ビスフェノールS)などのビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物;ヒドロキノン、レゾルシン、4,4’―ジヒドロキシビフェニル、4,4’―ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’―ジヒドロキシジフェニルベンゾフェノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物のアルキレンオキシド付加物などが挙げられる。
【0022】
ヒドロキシカルボン酸類としては、例えばヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシイソフタル酸、ヒドロキシ酢酸、2,4−ジヒドロキシアセトフェノン、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、4−ヒドロキシフタル酸、4,4’−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、3,4−ジヒドロキシ桂皮酸などが挙げられる。
【0023】
本発明で用いられるポリエステル樹脂(X)を製造する方法に特に制限はなく、従来公知の方法を適用することができる。一般的には原料であるモノマーを重縮合することにより製造できる。例えばエステル交換法、直接エステル化法などの溶融重合法または溶液重合法を挙げることができる。エステル交換触媒、エステル化触媒、エーテル化防止剤、また重合に用いる重合触媒、熱安定剤、光安定剤などの各種安定剤、重合調整剤なども従来既知のものを用いることができる。エステル交換触媒として、マンガン、コバルト、亜鉛、チタン、カルシウムなどの金属を含む化合物、またエステル化触媒として、マンガン、コバルト、亜鉛、チタン、カルシウムなどの金属を含む化合物、またエーテル化防止剤としてアミン化合物などが例示される。重縮合触媒としてはゲルマニウム、アンチモン、スズ、チタンなどの金属を含む化合物、例えば酸化ゲルマニウム(IV);酸化アンチモン(III)、トリフェニルスチビン、酢酸アンチモン(III);酸化スズ(II);チタン(IV)テトラブトキシド、チタン(IV)テトライソプロポキシド、チタン(IV)ビス(アセチルアセトナート)ジイソプロポキシドなどのチタン酸エステル類が例示される。また熱安定剤としてリン酸、亜リン酸、フェニルホスホン酸などの各種リン化合物を加えることも有効である。その他光安定剤、帯電防止剤、滑剤、酸化防止剤、離型剤などを加えても良い。また、原料となるジカルボン酸成分は、前記のジカルボン酸成分構成単位が由来するジカルボン酸の他にそれらのジカルボン酸エステル、ジカルボン酸塩化物、活性アシル誘導体、ジニトリルなどのジカルボン酸誘導体を用いることもできる。
【0024】
本発明の成形材料に用いられる制振材料(α)にはポリエステル樹脂(X)に振動エネルギー吸収を向上させる目的で二酸化チタン(Y)及びマイカ鱗片(Z)を分散させる。ポリエステル樹脂(X)に分散させる二酸化チタン(Y)の形態としては、特に制限はなくルチル型のみやアナターゼ型のみを含む二酸化チタン、ルチル型及びアナターゼ型が混合された二酸化チタンが使用できる。また、二酸化チタンが有する光触媒活性を抑制するための表面被覆処理剤としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛などの表面処理剤が挙げられる。また、導電性粉末を含むことで導電性を有する二酸化チタンも、本発明の制振材料に使用することができる。二酸化チタン(Y)はレーザ−回折法により求めた平均粒子径(体積平均粒子径)が0.01〜0.5μmのものが好適である。本発明においては、特に二酸化チタンを用いることで、高い制振性能を有する成形材料が得られる。ポリエステル樹脂(X)に分散させるマイカ鱗片(Z)の種類に特に限定されないが、振動エネルギー吸収効果の高い鱗片状のマイカである白マイカが好ましい。また、分散させたマイカが制振材料内部で配向し易いため、本発明の制振材料中のマイカの平均粒子径が25〜500μmのものが好適である。
【0025】
本発明の成形材料に用いられる制振材料(α)におけるポリエステル樹脂(X)、二酸化チタン(Y)及びマイカ鱗片(Z)の質量比率(X:Y:Z)は15〜40:5〜30:30〜80の範囲であり、好ましくは15〜25:15〜25:50〜70の範囲である。
制振材料(α)におけるポリエステル樹脂(X) の該質量比率を15以上とすることにより成形性を失うことなく、二酸化チタン及びマイカ鱗片による制振性向上効果が十分得られ、該質量比率を40以下とすることにより成形性を失うことなく、制振性向上効果が顕著に現れる含有量の二酸化チタン及びマイカ鱗片を分散させることが可能となる。
また、制振材料(α)における二酸化チタン(Y) の該質量比率を5以上とすることにより二酸化チタンによる制振性の向上効果が顕著に現れるようになり、二酸化チタン(Y) の該質量比率が30を超えると二酸化チタンの含有量が多いわりに制振性があまり向上しない。
さらに、制振材料(α)におけるマイカ鱗片(Z)の該質量比率30以上とすることにより制振性の向上効果が得られ、該質量比率を80以下とすることにより成形性を失うことなく、マイカ含有量の増加によって制振性を向上させることができる。
【0026】
本発明の成形材料に用いられる制振材料(α)はポリエステル樹脂(X)、二酸化チタン(Y)及びマイカ鱗片(Z)を混合することで得られるが、混合方法は既知の方法を用いることができる。例えば、熱ロール、バンバリーミキサー、二軸混練機、押出機などの装置を用いて溶融混合する方法が挙げられる。その他、ポリエステル樹脂を溶剤に溶解或いは膨潤させ、二酸化チタン及びマイカ鱗片を混入させた後に乾燥する方法、各成分を微粉末状で混合する方法なども採用することができる。なお、二酸化チタン、マイカ鱗片、添加剤などの添加方法、添加順序などは特に限定されない。
【0027】
本発明に用いられるポリエステル樹脂(X)以外の熱可塑性樹脂としては例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン− 酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリイソプレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、スチレン− アクリロニトリル共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂(X)以外のポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリアセタール樹脂、及びこれら樹脂の繊維強化材などが挙げられるがこれに限定されない。中でもポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリイソプレン樹脂、ABS樹脂、スチレン− アクリロニトリル共重合体樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂(X)以外のポリエステル樹脂、ガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂が好ましい。さらに中でも、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂としてはフェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられるがこれに限定されない。ポリエステル樹脂(X)以外の熱可塑性樹脂及び/または熱硬化性樹脂は1種もしくは2種以上の混合物でも良い。
【0028】
本発明の成形材料中の制振材料(α)の含有割合が高くなると制振性も高くなる。特に制振材料(α)の含有割合が1〜70質量%である場合に成形材料として物性のバランスが良く好ましく、より好ましくは5〜60質量%、さらに好ましくは10〜50質量%である。
【0029】
本発明の成形材料はポリエステル樹脂(X)に二酸化チタン(Y)及びマイカ鱗片(Z)を分散させた樹脂組成物からなる制振材料(α)とポリエステル樹脂(X)以外の熱可塑性樹脂及び/または熱硬化性樹脂を混合させてなる成形材料であるが、必要に応じて、1種以上の添加剤、例えば、分散剤、相溶化剤、界面活性剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、難燃剤、架橋剤、酸化防止剤、老化防止剤、耐候剤、耐熱剤、加工助剤、光沢剤、着色剤(顔料、染料)発泡剤、発泡助剤、導電性材料、無機充填材などを本発明の効果を阻害しない範囲で添加することができる。
【0030】
本発明の成形材料は、ポリエステル樹脂(X)に二酸化チタン(Y)及びマイカ鱗片(Z)を分散させた樹脂組成物からなる制振材料(α)とポリエステル樹脂(X)以外の熱可塑性樹脂及び/または熱硬化性樹脂を混合し、必要に応じてその他の添加剤を混合することで得られるが、混合方法は既知の方法を用いることができる。例えば、熱ロール、バンバリーミキサー、二軸混練機、押出機などの装置を用いて溶融混合する方法が挙げられる。またポリエステル樹脂(X)に二酸化チタン(Y)及びマイカ鱗片(Z)を分散させた樹脂組成物からなる制振材料(α)をポリエステル樹脂(X)以外の熱可塑性樹脂及び/または熱硬化性樹脂にドライブレンドした後に成形してもよい。なおその他添加剤などの添加方法、添加順序などは特に限定されない。
【0031】
本発明の成形品は、上記成形材料を射出成形することにより得られるが、押出成形、プレス成形など他の既知の方法で成形して得ても良い。本発明の成形品は、パソコン、OA機器、AV機器、携帯電話などの電気・電子機器、光学機器、精密機器、玩具、家庭・事務電気製品などの部品やハウジング、さらには自動車、航空機、船舶などの部品に好適に利用することができる。
【実施例】
【0032】
以下に実施例を示すが本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
ポリエステル樹脂及び制振材料の評価は以下の方法によった。
(1)ポリエステル樹脂の各構成単位のモル比:〔(A+B)/(A+B)〕、(A/A)、(B/B):400MHz−H−NMRスペクトル測定結果の積分値の比から算出した。
【0033】
(2)ポリエステル樹脂の固有粘度([η]):
ポリエステル樹脂の固有粘度([η])は、トリクロロエタン/フェノール=40/60(質量比)混合溶媒にポリエステル樹脂を溶解させ25℃に保持して、キャノンフェンスケ型粘度計を使用して測定した。
【0034】
(3)ポリエステル樹脂の降温時結晶化発熱ピークの熱量(ΔHc):
ポリエステル樹脂の降温時結晶化発熱ピークの熱量(ΔHc)は、島津製作所製DSC/TA−50WS型示差走査熱量計を使用して測定した。試料約10mgをアルミニウム製非密封容器に入れ、窒素ガス気流中(30ml/分)、昇温速度20℃/分で280℃まで昇温、280℃で1分間保持した後、10℃/分の降温速度で降温した際に現れる発熱ピークの面積から求めた。
【0035】
(4)制振材料の損失係数:
制振材料(α)ならびにポリエステル樹脂(X)以外の熱可塑性樹脂及び/または熱硬化性樹脂からなる成形材料を射出成形機により成形し、厚み約4mmのダンベル試験片(JIS K 7162 試験片タイプ1A)とした。得られたダンベル試験片を損失係数測定装置(株式会社小野測器製)を用いて、測定温度範囲が0〜80℃の条件で中央加振法により500Hz反共振点での損失係数を測定した。上記の測定温度範囲において得られた損失係数のうち20℃における損失係数を比較することで制振性を評価した。なお、損失係数が大きいほど制振性が高い。
【0036】
実施例1
充填塔式精留塔、攪拌翼、分縮器、全縮器、コールドトラップ、温度計、加熱装置及び窒素ガス導入管を備えた内容積30リットル(L)のポリエステル製造装置に、イソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル・ケミカル株式会社製)9950g(60.3モル)、アゼライン酸(コグニス社製、商品名:EMEROX1144、本商品はアゼライン酸を93.3モル%含み、ジカルボン酸の合計量は99.97%である。)5376g(29.7モル)、2−メチル−1,3−プロパンジオール(大連化学工業株式会社製)14600g(162モル)を加え、常圧、窒素雰囲気下で225℃迄昇温して3.0時間エステル化反応を行った。溜去される縮合水の量をモニターしながらイソフタル酸及びアゼライン酸の反応転化率が85モル%以上となった後、チタン(IV)テトラブトキシド・モノマー(和光純薬株式会社製)14.3g(総仕込み原料質量から縮合水質量を除いた初期縮合反応生成物の全質量に対するチタンの濃度が70.5ppm)を加え、昇温と減圧を徐々に行い、2−メチル−1,3−プロパンジオールを系外に抜き出しつつ、最終的に240〜250℃、0.4kPa以下で重縮合反応を行った。徐々に反応混合物の粘度と攪拌トルク値が上昇し、適度な粘度に到達した時点あるいは2−メチル−1,3−プロパンジオールの留出が停止した時点で反応を終了した。
得られたポリエステル樹脂の性状は[η]=0.71(dL/g)、ΔHc=0(J/g)、H−NMR〔400MHz,CDCl,内部標準TMS):δ(ppm)=7.5〜8.9(Ph−,4H);3.5〜4.6(−C−CH(CH)−C−,6H);1.0〜2.6(−CH(CH)CH−,−CHCH(C)CH−,−CO(CCO−,13H〕であった。
このポリエステル樹脂〔(A1+B1)/(A0+B0)=1.0;(A/A)=1.0;(B1/B)=1.0〕22.2質量%、二酸化チタン粉末(石原産業株式会社製、商品名:タイペークCR−80)17.5質量%及びマイカ鱗片(山口雲母株式会社製、商品名:CS−060DC)60質量%、カーボン粉末(ケッチェンブラックインターナショナル株式会社製:ケッチェンブラックEC) 0.3質量%を二軸混練機を用いて200℃で混練して制振材料(α)を得た。
得られた制振材料(α)10質量%とポリプロピレン(日本ポリプロ株式会社製:MG03B)90質量%をドライブレンドし、さらに射出成形機を用いて成形して成形品を得た。得られた成形材料の物性を第1表に示す。
【0037】
実施例2
制振材料(α)30質量%とポリプロピレン(MG03B)70質量%をドライブレンドし、さらに射出成形機を用いて成形して成形品を得た。得られた成形材料の物性を第1表に示す。
【0038】
実施例3
制振材料(α)50質量%とポリプロピレン(MG03B)50質量%をドライブレンドし、さらに射出成形機を用いて成形して成形品を得た。得られた成形材料の物性を第1表に示す。
【0039】
比較例1
ポリプロピレン(MG03B)を射出成形機を用いて成形して成形品を得た。物性を第1表に示す。
【0040】
【表1】

【0041】
実施例4
制振材料(α)10質量%とABS(UMG−ABS株式会社製:サイコラックFu23)90質量%をドライブレンドし、射出成形機を用いて成形して成形品を得た。得られた成形材料の物性を第2表に示す。
【0042】
実施例5
制振材料(α)30質量%とABS(サイコラックFu23)70質量%をドライブレンドし、さらに射出成形機を用いて成形して成形品を得た。得られた成形材料の物性を第2表に示す。
【0043】
実施例6
制振材料(α)50質量%とABS(サイコラックFu23)50質量%をドライブレンドし、さらに射出成形機を用いて成形して成形品を得た。得られた成形材料の物性を第2表に示す。
【0044】
比較例2
ABS(サイコラックFu23) を射出成形機を用いて成形して成形品を得た。物性を第2表に示す。
【0045】
【表2】

【0046】
実施例7
制振材料(α)10質量%とガラス繊維強化ポリプロピレン(いその株式会社製:PHG−30SH)90質量%をドライブレンドし、さらに射出成形機を用いて成形して成形品を得た。得られた成形材料の物性を第3表に示す。
【0047】
実施例8
制振材料(α)30質量%とガラス繊維強化ポリプロピレン(PHG−30SH)70質量%をドライブレンドし、さらに射出成形機を用いて成形して成形品を得た。得られた成形材料の物性を第3表に示す。
【0048】
実施例9
制振材料(α)50質量%とガラス繊維強化ポリプロピレン(PHG−30SH)50質量%をドライブレンドし、さらに射出成形機を用いて成形して成形品を得た。得られた成形材料の物性を第3表に示す。
【0049】
比較例3
ガラス繊維強化ポリプロピレン(PHG−30SH) を射出成形機を用いて成形して成形品を得た。物性を第3表に示す。
【0050】
【表3】

【0051】
第1表、第2表及び第3表 に示すように、実施例の制振材料(α)ならびにポリエステル樹脂(X)以外の熱可塑性樹脂及び/または熱硬化性樹脂を混合させてなる成形材料は、比較例のポリプロピレン樹脂(比較例1)、ABS樹脂(比較例2)及びガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂(比較例3)と比べて制振性が高い。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の成形材料は成形品として、パソコン、OA機器、AV機器、携帯電話などの電気・電子機器、光学機器、精密機器、玩具、家庭・事務電気製品などの部品やハウジング、さらには自動車、航空機、船舶などの部品として振動の発生する箇所に好適に利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジカルボン酸成分構成単位とジオール成分構成単位からなるポリエステル樹脂(X)に二酸化チタン(Y)及びマイカ鱗片(Z)を分散させた樹脂組成物からなる制振材料(α)とポリエステル樹脂(X)以外の熱可塑性樹脂及び/または熱硬化性樹脂を混合させることからなる成形材料であって、ポリエステル樹脂(X)の全ジカルボン酸成分構成単位数(A0)と全ジオール成分構成単位数(B0)の合計量に対する主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位数(A1)と主鎖中の炭素原子数が奇数であるジオール成分構成単位数(B1)の合計量の比率[(A1+B1)/(A0+B0)]が0.5〜1.0の範囲内であり、且つ制振材料(α)のポリエステル樹脂(X)、二酸化チタン(Y)及びマイカ鱗片(Z)の質量比率(X:Y:Z)が、15〜40:5〜30:30〜80の範囲内であることを特徴とする成形材料。
【請求項2】
ポリエステル樹脂(X)の主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位が、イソフタル酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ブラシル酸及び1,3−シクロヘキサンジカルボン酸からなる群より選ばれたジカルボン酸に由来する構成単位である請求項1に記載の成形材料。
【請求項3】
ポリエステル樹脂(X)の主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位が、イソフタル酸及び/またはアゼライン酸に由来する構成単位である請求項1に記載の成形材料。
【請求項4】
ポリエステル樹脂(X)の全ジカルボン酸成分構成単位数(A0)中の主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位数(A1)の割合(A1/A0)が0.5〜1.0の範囲内である請求項1に記載の成形材料。
【請求項5】
ポリエステル樹脂(X)の主鎖中の炭素原子数が奇数であるジオール成分構成単位が、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、メタキシレングリコール及び1,3−シクロヘキサンジオールからなる群より選ばれたジオールに由来する構成単位である請求項1に記載の成形材料。
【請求項6】
ポリエステル樹脂(X)の主鎖中の炭素原子数が奇数であるジオール成分構成単位が、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール及びネオペンチルグリコールからなる群より選ばれたジオールに由来する構成単位である請求項1に記載の成形材料。
【請求項7】
ポリエステル樹脂(X)の全ジオール成分構成単位数(B0)中の主鎖中の炭素原子数が奇数であるジオール成分構成単位数(B1)の割合(B1/B0)が0.5〜1.0の範囲内である請求項1に記載の成形材料。
【請求項8】
ポリエステル樹脂(X)が、トリクロロエタン/フェノールの質量比40/60の混合溶媒中、25℃で測定した固有粘度が0.2〜2.0dL/gであり、且つ示差走査熱量計で測定した降温度結晶化発熱ピークの熱量が5J/g以下である請求項1に記載の成形材料。
【請求項9】
熱可塑性樹脂及び/または熱硬化性樹脂がポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリイソプレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリアセタール樹脂、及びこれら樹脂の繊維強化材からなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の成形材料。
【請求項10】
熱可塑性樹脂及び/または熱硬化性樹脂がポリプロピレン樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の成形材料。
【請求項11】
熱可塑性樹脂及び/または熱硬化性樹脂がABS樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の成形材料。
【請求項12】
熱可塑性樹脂及び/または熱硬化性樹脂がガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂であることを特徴とする請求項1記載の成形材料。
【請求項13】
熱可塑性樹脂及び/または熱硬化性樹脂がフェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、及び不飽和ポリエステル樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の成形材料。
【請求項14】
成形材料中の制振材料(α)の含有量が1〜70質量%である請求項1に記載の成形材料。
【請求項15】
成形材料中の制振材料(α)の含有量が5〜60質量%である請求項1に記載の成形材料。
【請求項16】
成形材料中の制振材料(α)の含有量が10〜50質量%である請求項1に記載の成形材料。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれかに記載の成形材料からなる成形品。
【請求項18】
請求項1〜16のいずれかに記載の成形材料を射出成形してなる成形品。

【公開番号】特開2011−68722(P2011−68722A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−219165(P2009−219165)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000004466)三菱瓦斯化学株式会社 (1,281)
【Fターム(参考)】