説明

成膜用治具

【課題】枠状やリング状のような全周が繋がっている成膜パターンを形成することができる成膜用治具を提供する。
【解決手段】水晶ウエハ10を載置することが可能なベース部材20と、ベース部材20に載置され、水晶ウエハ10の少なくとも一部を露出することが可能な開口部31を有するガイド部材30と、開口部31より外形が小さく、平面視して開口部31内であって、開口部31の縁から全周にわたり隙間を設けて配置されたマスク部材40と、ガイド部材30とマスク部材40とを結合するブリッジ部材50と、を備え、ブリッジ部材50のうち、側面視して隙間上に配置された部分は、マスク部材40におけるベース部材20に対向する下面41より上方に、所定の間隔を空けて配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被成膜体に成膜パターンを形成する成膜用治具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、薄型の圧電素板の形状加工を行う際に、フォトリソグラフィ法を用いるのが一般的であった。すなわち、圧電素板全体に蒸着等によって金属膜を形成し、該金属膜全体にレジスト膜を形成する。次に、該レジスト膜を所望のパターンで露光現像してレジストマスクを形成する。その後、エッチング処理により、前記所望のパターンに圧電素板を加工する。最後に圧電素板上に残った金属膜とレジスト膜を剥離除去する。しかし、上記のようなフォトリソグラフィ法を採用した場合、使用する機器が増加し、製造工程が煩雑になるという問題を有していた。そこで、フォトリソグラフィ法に替えて蒸着やスパッタリングによって圧電素板を簡便に加工する方法が考案された。例えば、特許文献1では、圧電振動子に使用する圧電素板を製造する方法において、板厚の薄い振動部分の周囲に、前記振動部分より板厚の大きい補強部分を有する圧電素板を加工する方法が開示されている。この圧電素板のエッチング工程では、圧電素板上に蒸着によって金属膜を形成し、圧電素板のうち金属膜が覆っていない部分をエッチング処理する方法が記載されている。特許文献1では、該金属膜を形成する際に、成膜用治具が用いられている。
特許文献1の成膜用治具は、具体的には複数個の圧電素板を収納するためのスペーサと、該スペーサーの表裏両面に配置され、圧電素板の振動部分を被覆するパターンを有するマスクを備える。前記マスクは、圧電素板より僅かに大きい円孔部と、圧電素板の振動部分を被覆する被覆部と、円孔部外縁と被覆部とを結ぶ橋部とで構成されている。
【0003】
【特許文献1】特開平10−12944号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の成膜用治具は、圧電素板(以下、被成膜体という)にスペーサ及びマスクが装着された状態で、被覆部により被成膜体の振動部分を覆うとともに、被覆部に連結する橋部が被成膜体の一部を覆っている。
これにより、成膜用治具は、被覆部及び橋部で覆われた部分を除いて、蒸着によって被成膜体に金属膜の成膜パターンを形成することができる。
【0005】
しかしながら、成膜用治具は、被覆部を保持する橋部を有することから、橋部の下に金属膜が形成されず、したがって、被成膜体に、枠状又はリング状に全周が繋がっている成膜パターンを形成することができない。
【0006】
本発明は、上記の課題に着目し、枠状又はリング状に全周が繋がっている成膜パターンを形成することを可能とした成膜用治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る成膜用治具は、被成膜体の少なくとも一部に成膜パターンを形成するための成膜用治具において、被成膜体を載置することが可能なベース部材と、前記ベース部材に載置され、被成膜体の少なくとも一部を露出することが可能な開口部を有するガイド部材と、前記開口部より外形が小さく、平面視して前記開口部内であって、且つ前記開口部の縁から全周にわたり隙間を設けて配置されたマスク部材と、前記ガイド部材と前記マスク部材とを結合するブリッジ部材と、を備え、前記ブリッジ部材のうち、側面視して前記隙間上に配置された部分は、前記マスク部材における前記ベース部材に対向する面より上方に、所定の間隔を空けて配置されていることを特徴とする。
【0008】
上記によれば、成膜用治具は、ブリッジ部材の、上記隙間上に配置された部分は、マスク部材におけるベース部材に対向する面より上方に、所定の間隔を空けて配置されている。
このことから、成膜用治具は、被成膜体に成膜パターンを形成するときに、ブリッジ部材と被成膜体との間に成膜パターンの材料を回り込ませることができる。
これにより、本発明の成膜用治具は、枠状に全周が繋がっている成膜パターンを形成することができる。
【0009】
上記の発明に係る成膜用治具は、前記所定の間隔は、前記成膜パターンを形成するとき、前記成膜パターンの材料が前記ブリッジ部材の下方に回りこむ程度の大きさであることを特徴とする。
【0010】
上記によれば、成膜用治具は、上記所定の間隔が、成膜パターンを形成するとき、成膜パターンの材料がブリッジ部材の下方に回りこむ程度の大きさであることから、被成膜体に成膜パターンを形成するときに、ブリッジ部材と被成膜体との間に成膜パターンの材料を回り込ませることができる。
これにより、本発明の成膜用治具は、枠状に全周が繋がっている成膜パターンを形成することができる。
【0011】
上記の発明に係る成膜用治具は、前記ブリッジ部材は、弾性を有し、前記マスク部材が前記被成膜体を押圧可能に形成されていることを特徴とする。
【0012】
上記によれば、成膜用治具は、ブリッジ部材の弾性によりマスク部材が被成膜体を押圧することで、マスク部材の、被成膜体からの浮き上がりを防止することができる。
これにより、成膜用治具は、被成膜体に、輪郭ボケのない成膜パターンを形成することができる。
【0013】
上記の発明に係る成膜用治具は、前記マスク部材と前記ガイド部材と前記ブリッジ部材とが、板状に一体形成されていることを特徴とする。
【0014】
これにより、成膜用治具は、例えば、板材をエッチングで外形や板厚などを一体形成することで、製造工数の削減が可能となる。
また、成膜用治具は、上記各部材が一体形成されていることにより、上記各部材を位置合わせしながら組み立てる工程が不要となることから、各部材の位置精度が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る成膜用治具の実施形態について、被成膜体としての水晶ウエハ上に、蒸着やスパッタリングなどにより、金属膜などの成膜パターンを形成する成膜用治具について説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
《構成》
図1は、第1の実施形態にかかる成膜用治具の概略構成を示す構成図である。図1(a)は、展開斜視図、図1(b)は、図1(a)のA−A線での断面図である。なお、図1(b)では、構成を分かり易くするために、成膜用治具に水晶ウエハが装着された状態を表している。
【0017】
図1に示すように、成膜用治具1は、ベース部材20、ガイド部材30、マスク部材40、ブリッジ部材50から構成されている。
ベース部材20は、ステンレススチールなどの金属板からなり、中央近傍に被成膜体としての水晶ウエハ10より僅かに大きい凹部21が形成されている。凹部21には、水晶ウエハ10が載置される。
【0018】
なお、ベース部材20は、平板と、中央近傍に水晶ウエハ10より僅かに大きい貫通孔を有する薄板との積層構成で形成されていてもよい。
【0019】
ガイド部材30は、ステンレススチールなどの金属板からなり、ベース部材20上に載置される。ガイド部材30の中央近傍には、開口部31が水晶ウエハ10の外形より僅かに大きく形成されており、水晶ウエハ10が成膜用治具1に装着された状態では、水晶ウエハ10の少なくとも一部が露出可能になっている。
【0020】
マスク部材40は、ステンレススチールなどの金属板からなり、ガイド部材30の開口部31よりもその外形が小さく形成されている。マスク部材40は、平面視で、開口部31内であって、開口部31の縁から隙間を設けて配置されている。
なお、後述するように、マスク部材40の外形は、水晶ウエハ10に形成される成膜パターン11の形状により決められる。
【0021】
ブリッジ部材50は、ステンレススチールなどの金属ワイヤからなる。ブリッジ部材50は、溶接等の手段によって一端がガイド部材30と接合され他端がマスク部材40と接合されることにより、ガイド部材30とマスク部材40とを結合している。
図1(b)に示すように、ブリッジ部材50のうち、側面視してガイド部材30とマスク部材40との隙間の上に配置された部分は、マスク部材40のベース部材20に対向する下面41より上方に、アーチ状に形成されている。
【0022】
これにより、水晶ウエハ10が成膜用治具1に装着された状態で、ブリッジ部材50と水晶ウエハ10との間は、ブリッジ部材50の下方にも成膜パターンが形成される程度の間隔が空いている。
また、ブリッジ部材50は、金属ワイヤで構成されていることにより弾性を有するので、水晶ウエハ10が成膜用治具1に装着されたときに、マスク部材40が、水晶ウエハ10を押圧できるように形成されている。
【0023】
《作用・効果》
ここで、成膜用治具1の作用及び効果を、水晶ウエハ10の加工方法における成膜パターン11の形成工程に沿って説明する。
【0024】
図2は、成膜用治具を用いた水晶ウエハへの成膜パターンの形成工程を説明する断面図である。図3は、成膜パターンが形成された水晶ウエハの斜視図である。
図2(a)において、まず、ベース部材20の凹部21に、水晶ウエハ10を載置する。水晶ウエハ10は、予め所定の形状、厚さ、表面状態に形成しておく。本実施形態において、水晶ウエハ10の厚さは約100μmで、表面は鏡面加工がされている。なお、水晶ウエハ10の厚さ、表面状態は、これに限定するものではなく、用途に応じて適宜設定される。
【0025】
ついで、図2(b)において、ガイド部材30を、水晶ウエハ10の少なくとも一部が開口部31から露出するように、図示しない位置合わせ部により位置合わせをして、ベース部材20上に載置する。
この状態で、マスク部材40は、ブリッジ部材50の弾性により水晶ウエハ10を押圧する。したがって、マスク部材40の下面41は、水晶ウエハ10に密着する。
また、この状態で、ブリッジ部材50と水晶ウエハ10との間に十分な間隔が形成されている。
【0026】
ついで、図示しない蒸着装置やスパッタリング装置等により、成膜用治具1の上からCr/Auなどの金属膜を成膜して、成膜パターン11を形成する。
ブリッジ部材50と水晶ウエハ10との間に間隔を有するので、例えば、蒸着装置を用いて成膜パターン11を形成する場合、蒸着治具を斜めにしたり、回転させたりすることにより、成膜材料は、ブリッジ部材50の下方にも両側から回り込む。
したがって、上記のように蒸着方向を変えることにより、成膜パターン11は、水晶ウエハ10上のブリッジ部材50の下方部分にも形成される。
【0027】
また、マスク部材40が水晶ウエハ10に密着していることにより、マスク部材40が水晶ウエハ10から浮き上がらず、成膜パターン11はマスク部材40と開口部31との境界部分の輪郭がボケない状態で形成される。
【0028】
ついで、ベース部材20からガイド部材30を取り外した後、成膜パターン11が形成された水晶ウエハ10を取り出す。
図3に示すように、水晶ウエハ10は、マスク部材40で覆われていた中央部分12の外周に、枠状に全周が繋がっている成膜パターン11が形成されている。
【0029】
上述したように、従来の成膜用治具は、橋部に覆われた部分に成膜パターンを形成することができなかったが、第1の実施形態の成膜用治具1は、ブリッジ部の下部にも成膜パターンを形成することが可能となり、水晶ウエハ10に枠状の成膜パターン11を形成することができる。
また、第1の実施形態の成膜用治具1は、水晶ウエハ10に、輪郭ボケのない成膜パターン11を形成することができる。
【0030】
上記の成膜用治具1により、水晶ウエハ10に形成された成膜パターン11を用いて、例えば、以下のような水晶ウエハ10のエッチング加工が可能となる。
図4は、エッチング加工を行う前後の状態にある水晶ウエハの断面図であり、図4(a)は、エッチング前の断面図、図4(b)はエッチング後の断面図である。
【0031】
図4(a)に示すように、まず、前述の方法を用いて水晶ウエハ10上に、成膜パターン11を形成する。その後、水晶ウエハ10の各面のうち、成膜パターン11が形成された面以外にCr/Au膜などの耐食膜13を形成する。
これにより、水晶ウエハ10の中央部分12を除き、水晶ウエハ10を、成膜パターン11及び耐食膜13によりマスクした状態となる。
【0032】
ついで、水晶ウエハ10をフッ酸、又はフッ酸とフッ化アンモニウムの混合液などのエッチング液に浸漬して、中央部分12を、所定の厚みになるまでエッチングする。
これにより、図4(b)に示すように、水晶ウエハ10の中央部分12を、数10μm〜数μmの厚さまでエッチングすることができる。本実施形態では、中央部分12の厚みが4μm〜8μmになるように水晶ウエハ10をエッチングする。
また、水晶ウエハ10の壁面15は、前述したように、成膜パターン11にボケがなく、その輪郭14がシャープに形成されていることにより、略平滑にエッチングされている。
【0033】
ついで、水晶ウエハ10をストリップ液に浸漬して、成膜パターン11、耐食膜13を剥離し、剥離後、水晶ウエハ10を純水などで洗浄し、乾燥を行う。
これにより、中央部分12の厚さが薄い水晶ウエハ10を得ることができる。
【0034】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態の成膜用治具について、図5を参照して説明する。
図5は、第2の実施形態の成膜用治具の概略構成を示す構成図である。図5(a)は、展開斜視図、図5(b)は、図5(a)のB−B線での断面図である。なお、この図5では、構成を分かり易くするために、水晶ウエハがセットされている状態を表している。また、第1の実施形態との共通部分には同じ符号を附している。
【0035】
第2の実施形態の成膜用治具101は、第1の実施形態の成膜用治具1に対して、ガイド部材130、マスク部材140、ブリッジ部材150の構成が異なり、他の構成は共通である。このため、ここでは、上記の構成及び上記の構成に伴う特有の作用及び効果を中心に説明する。
【0036】
《構成》
図5に示すように、成膜用治具101は、ベース部材20、ガイド部材130、マスク部材140、ブリッジ部材150から構成されている。なお、ガイド部材130、マスク部材140、ブリッジ部材150は、ステンレススチールなどの金属板を用いて、外形形状や厚みを、エッチングなどにより加工して、後述のように、板状に一体で形成されている。
【0037】
ガイド部材130は、中央近傍に開口部131がエッチングなどにより形成されており、ベース部材20に載置される。ガイド部材130の開口部131は、水晶ウエハ10の外形より僅かに大きく形成されており、水晶ウエハ10が成膜用治具101にセットされた状態で、水晶ウエハ10の少なくとも一部が露出可能になっている。
【0038】
マスク部材140は、エッチングなどによりガイド部材130の開口部131より外形が小さく形成されている。また、マスク部材140は、平面視で、開口部131内であって、開口部131の縁から隙間を設けて配置されている。
なお、マスク部材140の外形の大きさは、水晶ウエハ10に形成される成膜パターン11の形状により決められる。
【0039】
ブリッジ部材150は、ガイド部材130とマスク部材140との間に配置され、エッチングなどでガイド部材130及びマスク部材140と一体で形成されている。
ブリッジ部材150は、厚み方向についてベース部材20側からハーフエッチングすることにより、マスク部材140のベース部材20に対向する下面141より上方に、この下面141から間隔を空けて形成されている。
【0040】
これにより、水晶ウエハ10が成膜用治具101にセットされた状態で、ブリッジ部材150と水晶ウエハ10との間は、間隔が空いている。
また、ブリッジ部材150は、ハーフエッチングで薄く形成されていることにより弾性を有し、水晶ウエハ10が成膜用治具101にセットされた状態で、マスク部材140が、水晶ウエハ10を押圧することができるように形成されている。
【0041】
《作用・効果》
ここで、第2の実施形態の成膜用治具101の作用及び効果について図3、図5を参照して説明する。
第2の実施形態の成膜用治具101を用い、第1の実施形態と同様の加工方法で、水晶ウエハ10に、図示しない蒸着装置やスパッタリング装置等により、成膜用治具101の上からCr/Auなどの金属膜を成膜して、図3に示すような成膜パターン11を形成する。
【0042】
図5(b)に示すように、ブリッジ部材150と水晶ウエハ10との間の間隔が空いていることにより、ブリッジ部材150の下方に成膜材料が回り込むことから、成膜パターン11は、水晶ウエハ10の、ブリッジ部材150の下方部分にも形成される。
また、ブリッジ部材150が弾性を有するためにマスク部材140が水晶ウエハ10から浮き上がらないことから、成膜パターン11はマスク部材140と開口部131との境界部分の輪郭がボケずに形成される。
【0043】
これらのことから、第2の実施形態の成膜用治具101は、水晶ウエハ10に、枠状に全周が繋がっている成膜パターン11を、輪郭ボケのない状態で形成することができる。
【0044】
また、上述したように、第2の実施形態の成膜用治具101は、ステンレススチールなどの金属板を用いて、ガイド部材130、マスク部材140、ブリッジ部材150が板状に一体形成されている。
このことから、成膜用治具101は、エッチングなどの一般的な加工方法により一体形成することで、製造工数を削減できる。
【0045】
また、第2の実施形態の成膜用治具101は、ガイド部材130、マスク部材140、ブリッジ部材150が、板状に一体形成されていることにより、上記3部材を位置合わせしながら組み立てる工程が不要となることから、各部材間の位置精度を向上することができる。
【0046】
以上、本発明の好適実施例について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において上記実施例に様々な変更・変形を加えて実施することができる。
例えば、第1及び第2の実施形態では、ブリッジ部材50、150は、弾性を有するとしたが、これに限定するものではなく、弾性を有していなくてもよい。
また、第1及び第2の実施形態では、水晶ウエハ10及びマスク部材40、140の外形形状を方形で図示したが、これに限定するものではなく、製造方法や用途などに応じて円形、楕円形、多角形などの外形形状でもよい。
【0047】
また、第1、第2の実施形態では、被成膜体を水晶ウエハ10としたが、これに限定するものではなく、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、石英、シリコン、ホウケイ酸ガラスなどとしてもよい。
【0048】
本発明の成膜用治具によって製造した薄型の水晶ウエハは、光学部品に加工することができる。例えば、液晶プロジェクタに適用し、高視野角フィルムとして用いることができる。
また、本発明の成膜用治具によって製造した薄型の水晶ウエハは、水晶振動子に用いることができる。例えば、厚みすべりモードで振動する振動片に加工することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1の実施形態における成膜用治具の概略構成を示す構成図。
【図2】本発明の第1の実施形態における成膜用治具を用いた成膜パターンの形成工程を示す断面図。
【図3】本発明の第1、第2の実施形態に係る成膜パターンを示す斜視図。
【図4】水晶ウエハのエッチング前後の状態を示す断面図。
【図5】本発明の第2の実施形態における成膜用治具の概略構成を示す構成図。
【符号の説明】
【0050】
1…成膜用治具、10…被成膜体としての水晶ウエハ、20…ベース部材、30…ガイド部材、31…ガイド部材の開口部、40…マスク部材、41…マスク部材のベース部材に対向する下面、50…ブリッジ部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被成膜体の少なくとも一部に成膜パターンを形成するための成膜用治具において、
被成膜体を載置することが可能なベース部材と、
前記ベース部材に載置され、被成膜体の少なくとも一部を露出することが可能な開口部を有するガイド部材と、
前記開口部より外形が小さく、平面視して前記開口部内であって、且つ前記開口部の縁から全周にわたり隙間を設けて配置されたマスク部材と、
前記ガイド部材と前記マスク部材とを結合するブリッジ部材と、を備え、
前記ブリッジ部材のうち、側面視して前記隙間上に配置された部分は、前記マスク部材における前記ベース部材に対向する面より上方に、所定の間隔を空けて配置されていることを特徴とする成膜用治具。
【請求項2】
前記所定の間隔は、前記成膜パターンを形成するとき、前記成膜パターンの材料が前記ブリッジ部材の下方に回りこむ程度の大きさであることを特徴とする請求項1に記載の成膜用治具。
【請求項3】
前記ブリッジ部材は、弾性を有し、前記マスク部材が前記被成膜体を押圧可能に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の成膜用治具。
【請求項4】
前記マスク部材と前記ガイド部材と前記ブリッジ部材とが、板状に一体形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の成膜用治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−169414(P2008−169414A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−2037(P2007−2037)
【出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【出願人】(000003104)エプソントヨコム株式会社 (1,528)
【Fターム(参考)】