説明

所在検出装置および所在検出方法

【課題】管理するエリアを広くしようとする場合に、システムの構成が複雑にならず、簡単なシステムの構成で、移動物の所在を検出することができる所在検出装置および所在検出方法を提供することを目的とする。
【解決手段】識別情報更新手段302が、メモリ305に格納された第1のICタグ221の識別情報に更新し、通信可否判断手段202、302が、第2のICタグ221との通信が不可と判断した場合に、出力制御手段302が、更新された第1のICタグ221の識別情報に応じて、出力手段を制御する。固定物に設けられた第2のICタグ221を利用して、ICタグ221が設けられた移動物の所在を見つけることが出来る。これにより、複数のリーダライタを必要としないので、たとえ管理するエリアを広くしようとする場合であっても、システムの構成を複雑にすることなく、移動物を見失った場所を容易に知ることが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動物の所在検出装置および所在検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の所在検出装置としては、ICタグを利用した種々のシステムが提案されており、例えばキャビネット内のファイルを容易に探すことができる、保管物の管理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この保管物の管理システムは、移動物である複数のファイルに各RFID(Radio Frequency IDentification)データキャリアであるRFIDタグを取り付ける一方、固定物である複数のキャビネットに各RFIDアンテナ(RFIDリーダライタ)を設置すると共に、これらRFIDアンテナを、コントローラを介してファイル管理コンピュータに接続するように構成されている。このようなシステムでは、ファイルがキャビネットから出し入れされる度に、引き出し番号が更新されるので、コンピュータ側でファイルの保管場所を管理することができ、ファイルの所在を容易に特定することができる。
【特許文献1】特開2000−128315号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述した所在検出装置では、固定物にRFIDリーダライタを設置する必要があるため、例えば、管理するエリアを広くしようとすると、その分、RFIDリーダライタを増設する必要があり、システムの構成を複雑化させる不都合があった。また、RFIDリーダライタが増設されるため、システムにおけるコストの増大を招く不都合があった。
【0004】
そこで、本発明は、管理するエリアを広くしようとする場合に、システムの構成が複雑にならず、簡単なシステムの構成で、移動物の所在を検出することができる所在検出装置および所在検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の所在検出装置は、互いに識別自在な識別情報を格納するICタグを用いて、移動物の所在を検出する所在検出装置であって、ICタグと通信する通信手段と、固定物に設けられた第1のICタグと通信手段が通信することにより、当該第1のICタグに格納された識別情報を検出する識別情報検出手段と、識別情報検出手段により検出された識別情報を格納するメモリと、識別情報検出手段により他の固定物に設けられた第1のICタグの識別情報が検出された場合に、メモリに格納された識別情報を、検出された識別情報に更新する識別情報更新手段と、移動物に設けられた第2のICタグとの通信手段による通信可否を判断する通信可否判断手段と、通信可否判断手段により第2のICタグとの通信が不可と判断された場合に、識別情報更新手段によりに更新された識別情報をメモリから読み出す識別情報読み出し手段と、識別情報読み出し手段により読み出された識別情報に応じて、出力手段を制御する出力制御手段とを有することを特徴とすることを主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の所在検出装置および所在検出方法によれば、固定物に設けられた第2のICタグを利用して、ICタグが設けられた移動物の所在を見つけることが出来る。これにより、複数のリーダライタを必要としないので、たとえ管理するエリアを広くしようとする場合であっても、システムの構成を複雑にすることなく、移動物を見失った場所を容易に知ることが出来るという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、互いに識別自在な識別情報を格納するICタグを用いて、移動物の所在を検出する所在検出装置であって、ICタグと通信する通信手段と、固定物に設けられた第1のICタグと通信手段が通信することにより、当該第1のICタグに格納された識別情報を検出する識別情報検出手段と、識別情報検出手段により検出された識別情報を格納するメモリと、識別情報検出手段により他の固定物に設けられた第1のICタグの識別情報が検出された場合に、メモリに格納された識別情報を、検出された識別情報に更新する識別情報更新手段と、移動物に設けられた第2のICタグとの通信手段による通信可否を判断する通信可否判断手段と、通信可否判断手段により第2のICタグとの通信が不可と判断された場合に、識別情報更新手段によりに更新された識別情報をメモリから読み出す識別情報読み出し手段と、識別情報読み出し手段により読み出された識別情報に応じて、出力手段を制御する出力制御手段とを有するものである。
【0008】
この構成によれば、固定物に設けられた第2のICタグを利用して、ICタグが設けられた移動物の所在を、出力手段を介して知らせることが出来る。これにより、複数のリーダライタを必要としないので、たとえ管理するエリアを広くしようとする場合であっても、システムの構成を複雑にすることなく、移動物を見失った場所を容易に知ることが出来るという利点がある。
【0009】
上記課題を解決するためになされた第2の発明は、上記第1の所在検出装置であって、更に、通信可否判断手段により第2のICタグとの通信が不可と判断された時点またはその時点を含む時間を示す時間情報を検出する時間情報検出手段を有し、出力制御手段は、識別情報読み出し手段により読み出された識別情報と、時間情報検出手段により検出された時間情報とに応じて、出力手段を制御するものである。
【0010】
この構成によれば、ICタグが設けられた移動物の所在と共に、移動物を見失った時点またはその時点を含む時間を示す時間情報を、出力手段を介して知らせることが出来る。これにより、移動物を見失った場所を、より確実に知ることができる。
【0011】
上記課題を解決するためになされた第3の発明は、上記第1または第2の所在検出装置であって、出力手段は、表示機能を有するものである。
【0012】
この構成によれば、ICタグが設けられた移動物の所在を、出力手段を介して表示させることが出来る。
【0013】
上記課題を解決するためになされた第4の発明は、上記第1ないし第3いずれかの所在検出装置であって、通信可否判断手段は、更に、固定物に設けられた第1のICタグとの通信手段による通信可否を判断し、出力制御手段は、更に、通信可否判断手段により第1のICタグとの通信が不可と判断した場合に、出力手段を制御するものである。
【0014】
この構成によれば、第1のICタグの電波が届かないことを出力手段を介して知らせることが出来るので、固定物から離れてしまわないようにすることが出来る。これにより、移動物を見失った場所が記録できなくなるような事態を、未然に回避することが出来るので、移動物を見失った場所を、より確実に知ることが出来る。
【0015】
上記課題を解決するためになされた第5の発明は、上記第1ないし第4いずれかの所在検出装置であって、更に、通信手段がICタグと通信可能な通信範囲を制御する通信範囲制御手段を有するものである。
【0016】
この構成によれば、ICタグが手の届く範囲にあることが未然に判ることが可能となり、見失った移動物の探索範囲を狭めることが出来、見失った移動物の場所を探す手間を少なくすることが出来る。
【0017】
上記課題を解決するためになされた第6の発明は、互いに識別自在な識別情報を格納するICタグを用いて、移動物の所在を検出する所在検出方法であって、ICタグと通信し、固定物に設けられた第1のICタグと通信することにより、当該第1のICタグに格納された識別情報を検出し、検出された識別情報をメモリに格納し、他の固定物に設けられた第1のICタグの識別情報が検出された場合に、メモリに格納された識別情報を、検出された識別情報に更新し、移動物に設けられた第2のICタグとの通信可否を判断し、第2のICタグとの通信が不可と判断された場合に、更新された識別情報をメモリから読み出し、読み出された識別情報に応じて、出力手段を制御するものである。
【0018】
この構成によれば、固定物に設けられた第2のICタグを利用して、ICタグが設けられた移動物の所在を、出力手段を介して知らせることが出来る。これにより、複数のリーダライタを必要としないので、たとえ管理するエリアを広くしようとする場合であっても、システムの構成を複雑にすることなく、移動物を見失った場所を容易に知ることが出来るという利点がある。
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、各図に基づいて説明する。
【0020】
なお、本発明はICタグを利用するものであるが、本明細書で定義する「ICタグ」とは、近接通信により物体の識別を行うことが出来る無線IC(Integrated Circuit)チップをいい、「RFID(Radio Frequency IDentification)タグ」、「電子タグ」、「非接触タグ」などと称される。「ICタグ」には、他のICタグと互いに識別自在なコード(以下、「RFID識別コード」と称す)が格納されている。「ICタグ」の「タグ」は、その形状を「札」状に限定するものでなく、例えば、ラベル型、カード型、コイン型、スティック型など、その形状は用途に応じて適宜変更可能である。また、この近接通信の通信距離は、13.56MHz帯や900MHz帯などの周波数帯域に応じて異なり、例えば、数mm程度のものから数10mのものがある。また、本明細書では、後述する固定物に貼りつけられるICタグを、「キータグ」と称し、後述する移動物に貼りつけられるICタグを、「検索タグ」と称する。なお、キータグは、「第1のICタグ」と機能し、検索タグは、「第1のICタグ」と機能する。RFID識別コードは、ICタグに格納する、互いに識別自在な「識別情報」として機能する。
【0021】
(実施の形態1)
先ず、本発明の実施の形態1について、図1ないし図7を用いて説明する。
【0022】
図1は、実施の形態1における所在検出装置を示す外観図、図2は、実施の形態1における所在検出装置の機能ブロック図、図3は、実施の形態1における制御部のハード構成図、図4は、RAMに格納されるメモリマップの一例を示す図、図5は、キータグテーブルの内容の一例を示す図、図6は、実施の形態1における検索タグテーブルの内容の一例を示す図、図7は、実施の形態1におけるCPUの動作例を示すフローチャートである。
【0023】
図1において、所在検出装置1aの筐体101には、検索ボタン102と、登録ボタン103と、第一〜四の検索タグ検索ボタン104、105、106、107と、第一〜四のキータグ登録ボタン108、109、110、111、第一〜四のキータグ表示ランプ112、113、114、115とが設けられている。第一〜四のキータグ表示ランプ112、113、114、115は、LED(発光ダイオード)で構成されるが、発光する素子であれば、特にLEDである必要はない。なお、第一〜四のキータグ表示ランプ112、113、114、115は、表示機能を有する「出力手段」として機能する。
【0024】
入力部201は、図2に示すように、図1に示した検索ボタン102、登録ボタン103、第一〜四の検索タグ検索ボタン104、105、106、107、第一〜四のキータグ登録ボタン108、109、110、111である。無線タグリーダ部202は、図示しない、アンテナ及びRF(Radio Frequency)回路を備え、ICタグ221に格納されたRFID識別コードを検出して、ICタグ221の存在を確認する。無線タグリーダ部202は、「通信手段」、「識別情報検出手段」、「通信可否判断手段」として機能する。
【0025】
また、図2において、251は、検索タグおよびキータグ登録検索入出力信号、252は、検索タグおよびキータグの電波受信状況を示すタグ受信状況信号、253は、第一〜四のキータグ表示ランプ112、113、114、115に点灯状態を出力する結果出力信号である。
【0026】
制御部203は、図3に示すように、CPU203、スイッチ入力ポート301、シリアル通信IO(入出力)303、LED出力ポート304、RAM305、ROM306を有しており、所在検出装置1aの一連の動作を制御する。出力部204は、第一〜四のキータグ表示ランプ112、113、114、115である。
【0027】
図3において、スイッチ入力ポート301は、図1に示す検索ボタン102、登録ボタン103、第一〜四の検索タグ検索ボタン104、105、106、107、第一〜四のキータグ登録ボタン108、109、110、111の各スイッチの状態をCPU302に読み込ませるものである。CPU302は、所在検出装置1aの一連の動作を制御するプログラムを実行する。受信バッファ付シリアル通信IO303は、無線タグリーダ部202のICタグ信号受信状況を入力する。CPU302は、「識別情報更新手段」、「通信可否判断手段」、「識別情報読み出し手段」、「出力制御手段」、「時間情報検出手段」、「通信範囲制御手段」として機能する。
【0028】
LED出力ポート304は、第一〜四のキータグ表示ランプ112、113、114、115のランプ点灯消灯を制御する。RAM(Random Access Memory)305は、所在検出装置1aの一連の動作を制御するために必要な情報を格納するメモリ、ROM(Read Only Memory)306は、所在検出装置1aの一連の動作を制御するために必要なプログラム及び固定値などの各種のパラメータを格納するメモリである。システムバス351は、CPU302とスイッチ入力ポート301、受信バッファ付きのシリアル通信IO303、LED出力ポート304、RAM305、ROM306を物理的に電気接続するバスである。シリアルバス352は、無線タグリーダ部202と、シリアル通信IO303を物理的に電気接続するバスである。
【0029】
図4に示すメモリマップMPは、RAM305に格納され、キータグテーブルTB1、検索タグテーブルTB2、及び現在地テーブルTB3で構成される。
【0030】
キータグテーブルTB1は、比較的移動する頻度が少ない対象物(以下、「固定物」と称す)に貼られたキータグのRFID識別コードを、図5に示すように、第一〜四のキータグRFID識別コードIDk1、IDk2、IDk3、IDk4として格納するようになっている。なお、初期状態は何も書き込まれていないものとする。また、キータグテーブルTB1に格納できるRFID識別コードは必ずしも4つである必要はなく、3つ以下、5つ以上のいくつでもよい。
【0031】
検索タグテーブルTB2は、比較的移動する頻度が多い対象物(以下、「移動物」と称す)に貼られた検索タグのRFID識別コードを、図6に示すように、第一〜四の検索タグRFID識別コードIDs1、IDs2、IDs3、IDs4として格納するようになっている。なお、初期状態は何も書き込まれていないものとする。また、検索タグテーブルTB2には、第一〜四の検索タグRFID識別コードIDs1、IDs2、IDs3、IDs4にそれぞれ対応して、第一〜四のキータグインデックス番号KN1、KN2、KN3、KN4が格納されるようになっている。なお、初期状態は何も書き込まれていないものとする。また、検索タグテーブルTB2に格納できるRFID識別コードは、必ずしも4つである必要はなく、3つ以下、5つ以上のいくつでもよい。同様に、検索タグテーブルTB2に格納できるキータグインデックス番号は、必ずしも4つである必要はなく、3つ以下、5つ以上のいくつでもよい。
【0032】
現在地テーブルTB3には、所在検出装置1aが現在位置するエリア内のキータグに対応する、第一〜四のキータグインデックス番号KN1、KN2、KN3、KN4のいずれかを格納するようになっている。なお、初期状態は何も書き込まれていないものとする。
【0033】
以上の構成において、実施の形態1における一連の動作について、図7を用いて説明する。
【0034】
ここでは、固定物として、例えば、「テーブル」、「テレビ台」、「キッチン」、及び「本箱」があるものとする。これら固定物は、一般的に床に載置される対象物であり、宅内において、互いに離れた場所に設けられている。即ち、宅内は、「テーブル」が占めるエリア、「テレビ台」が占めるエリア、「キッチン」が占めるエリア、及び「本箱」が占める領域の、4つの場所を有している。そして、これら、「テーブル」、「テレビ台」、「キッチン」、及び「本箱」には、それぞれ、RFID識別コードを格納するキータグが貼られている。
【0035】
一方、移動物として、例えば、「自動車鍵」、「TVリモコン」、「エアコンリモコン」、「筆箱」があるものとする。これら、「自動車鍵」、「TVリモコン」、「エアコンリモコン」、「筆箱」には、それぞれ、RFID識別コードを格納する検索タグが貼られている。
【0036】
ユーザが、所在検出装置1aの電源を入れると、リセットステップ401によりCPU302がリセットされる。このとき、キータグが未登録の状態なので(図4に示すキータグテーブルTB1は、何も書き込まれていないので)、キータグ受信ステップ402で、キータグは見つからない。現在地テーブル更新ステップ403で、CPU302は、図4に示す現在地テーブルTB3に不明のコードを書き込む。即ち、所在検出装置1aの無線タグリーダ部202の通信範囲に、キータグが存在しない場合、例えば、所在検出装置1aを携帯するユーザが「テーブル」、「テレビ台」、「キッチン」、及び「本箱」の固定物のいずれにも近づいていない場合、所在検出装置1aが位置する「現在地」は不明のままである。
【0037】
検索タグ未検出判定ステップ404では、後述する検索タグの登録処理が終わっていないため、検索タグの電波を受信できなくなる「通信切れ」は起こらず(ステップ404のNo)、検索モード分岐ステップ405に移る。検索モード分岐ステップ405では、検索ボタン102が押下されていないと(ステップ405のNo)、登録モード分岐ステップ406に移る。登録モード分岐ステップ406では、登録ボタン103が押下されていないと(ステップ406のNo)、キータグ受信ステップ402に移り、登録ボタンが押下されるまで、この動作を繰り返す。
【0038】
次いで、ユーザが、図1に示す登録ボタン103を押下すると(ステップ406のYes)、CPU302は、検索識別コード入力ステップ407に遷移する。検索識別コード入力ステップ407では、図1に示す、第一〜四の検索タグ検索ボタン104、105、106、107、及び、第一〜四のキータグ登録ボタン108、109、110、111、の入力待ちとなる。第一〜四の検索タグ検索ボタン104〜107、及び、第一〜四のキータグ登録ボタン108〜111のいずれかが押下されると、ICタグリーダ感度調整ステップ408に遷移する。
【0039】
例えば、ユーザが、キータグを登録するために、第一のキータグ登録ボタン108を押下したとする。ICタグリーダ感度調整ステップ408では、無線タグリーダ部202の受信範囲を狭くし、受信待機ステップ409に遷移する。
【0040】
受信待機ステップ409では、キータグとして登録するICタグの受信を行う。無線タグリーダ部202がCIタグ221の信号を受信した場合(ステップ409のYes)、ICタグリーダ感度調整ステップ410で、受信範囲を通常の広い状態に戻し、キー登録判断ステップ411に遷移する。キー登録判断ステップ411では、押下されたボタンがキータグ登録なのか検索タグ登録なのかを判定し、処理を分ける。押下されたボタンは、上述したように、第一のキータグ登録ボタン108なので、キータグ情報登録ステップ412に遷移する(ステップ411のYes)。なお、無線タグリーダ部202とICタグとの通信は、間欠的、連続的、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。
【0041】
キータグ情報登録ステップ412では、CPU302が、受信したキータグのRFID識別コードを、押下されたボタンに対応した、図5に示す、第一〜四のキータグRFID識別コードIDk1〜IDk4のいずれかとして、キータグテーブルTB1に書き込む。これら、第一〜四のキータグRFID識別コードIDk1〜IDk4は、それぞれ、第一〜四のキータグインデックス番号KN1、KN2、KN3、KN4に対応して、キータグテーブルTB1に格納される。即ち、押下されたボタンは、第一のキータグ登録ボタン108なので、CPU302は、受信したキータグのRFID識別コードを、第一のキータグRFID識別コードIDk1として、キータグテーブルTB1に書き込まれ、第一のキータグRFID識別コードIDk1は、第一のキータグインデックス番号KN1に対応して、キータグテーブルTB1に格納される。
【0042】
例えば、ユーザが、「テーブル」に貼りつけられたキータグを第一のキータグとして登録するために、無線タグリーダ部202の通信範囲に、「テーブル」に貼りつけられたキータグが入るまで、「テーブル」に近づいたとする。すると、無線タグリーダ部202は、「テーブル」に貼りつけられたキータグのRFID識別コードを受信するので、CPU302は、受信したキータグのRFID識別コードを、第一のキータグRFID識別コードIDk1として、キータグテーブルTB1に書き込み、第一のキータグRFID識別コードIDk1は、第一のキータグインデックス番号KN1に対応して、キータグテーブルTB1に格納される。即ち、「テーブル」に貼りつけられたキータグが第一のキータグとして登録される。
【0043】
同様にして、ユーザは、他の固定物である、「テレビ台」、「キッチン」、及び「本箱」に順次近づき、それぞれについて、上述した登録処理を行ったとする。すると、第二のキータグRFID識別コードIDk2として、「テレビ台」に貼りつけられたキータグのRFID識別コードが書き込まれ、第二のキータグRFID識別コードIDk2は、第二のキータグインデックス番号KN2に対応して、キータグテーブルTB1に格納される。第三のキータグRFID識別コードIDk3として、「キッチン」に貼りつけられたキータグのRFID識別コードが書き込まれ、第三のキータグRFID識別コードIDk3は、第三のキータグインデックス番号KN3に対応して、キータグテーブルTB1に格納される。第四のキータグRFID識別コードIDk4として、「本箱」に貼りつけられたキータグのRFID識別コードが書き込まれ、第四のキータグRFID識別コードIDk4は、第四のキータグインデックス番号KN4に対応して、キータグテーブルTB1に格納される。こうして、4つのエリアに載置された固定物に貼りつけられた全キータグが登録されることになる。
【0044】
次に、ユーザが、検索タグを登録するために、登録ボタン103を押下したとする。するとCPU302は、登録モード分岐ステップ406で、既に述べたように、検索識別コード入力ステップ407に遷移させ、第一〜四の検索タグ検索ボタン103〜107のいずれかが押下されると、ICタグリーダ感度調整ステップ408に遷移させる。
【0045】
例えば、ユーザが、検索タグを登録するために、第一の検索タグ検索ボタン103を押下したとする。ICタグリーダ感度調整ステップ408では、既に述べたように、無線タグリーダ部202の受信範囲を狭くし、受信待機ステップ409に遷移する。なお、受信待機ステップ409、及びICタグリーダ感度調整ステップ410は、既に説明したのでここでは省略する。キー登録判断ステップ411では、押下されたボタンが、上述したように、第一の検索タグ検索ボタン103なので、検索タグ情報登録ステップ413に遷移する(ステップ411のNo)。
【0046】
検索タグ情報登録ステップ413では、CPU302が、受信した検索タグのRFID識別コードを、押下されたボタンに対応した、図6に示す、第一〜四の検索タグRFID識別コードIDs1〜IDs4のいずれかとして、キータグテーブルTB2に書き込む。押下されたボタンは、第一の検索タグ検索ボタン103なので、CPU302は、受信した検索タグのRFID識別コードを、第一の検索タグRFID識別コードIDs1として、キータグテーブルTB2に書き込む。
【0047】
例えば、ユーザが、「自動車鍵」に貼りつけられた検索タグを第一の検索タグとして登録するために、無線タグリーダ部202の通信範囲に、「自動車鍵」に貼りつけられた検索タグが入るまで、「自動車鍵」に近づいたとする。すると、無線タグリーダ部202は、「自動車鍵」に貼りつけられた検索タグのRFID識別コードを受信するので、CPU302は、受信した検索タグのRFID識別コードを、第一の検索タグRFID識別コードIDs1として、キータグテーブルTB2に書き込む。即ち、「自動車鍵」に貼りつけられた検索タグが第一の検索タグとして登録される。またこの際、CPU302は、未検出のコードを、第一のキータグインデックス番号KN1として、キータグテーブルTB2に書き込む。
【0048】
同様に、ユーザは、他の移動物である、「TVリモコン」、「エアコンリモコン」、及び「筆箱」に順次近づき、それぞれについて、上述した登録処理を行ったとする。すると、第二の検索タグRFID識別コードIDs2として、「TVリモコン」に貼りつけられた検索タグのRFID識別コードが書き込まれる。第三の検索タグRFID識別コードIDs3として、「エアコンリモコン」に貼りつけられた検索タグのRFID識別コードが書き込まれる。第四の検索タグRFID識別コードIDs4として、「筆箱」に貼りつけられた検索タグのRFID識別コードが書き込まれる。こうして、4つの移動物に貼りつけられた全検索タグが登録されることになる。またこの際、CPU302は、未検出のコードを、第二〜四のキータグインデックス番号KN2、KN3、KN4として、キータグテーブルTB2に書き込む。
【0049】
こうして、登録処理が終わり、登録されたキータグの電波を受信すると、キータグ受信ステップ402で、現在地テーブル更新ステップ403に遷移し、キータグテーブルTB1を参照して、受信したキータグに対応する、第一〜四のキータグインデックス番号KN1、KN2、KN3、KN4のいずれかを、図4に示す現在地テーブルTB3に書き込む。
【0050】
例えば、ユーザが、所在検出装置1aを携帯したまま宅内を移動し、「テーブル」の近くにいる場合、無線タグリーダ部202は、「テーブル」に貼りつけられたキータグのRFID識別コードを受信するので、CPU302は、「テーブル」に貼りつけられたキータグのRFID識別コードを、キータグテーブルTB1から読み出す。「テーブル」に貼りつけられたキータグのRFID識別コードは、第一のキータグRFID識別コードIDk1として、キータグテーブルTB1に格納されているので、CPU302は、第一のキータグRFID識別コードIDk1に対応する第一のキータグインデックス番号KN1を読み出す。そして、読み出した第一のキータグインデックス番号KN1を、現在地テーブルTB3に書き込む。即ち、所在検出装置1aが現在所在する位置が、「テーブル」が占めるエリアに含まれているという情報が、現在地テーブルTB3に格納されることになる。
【0051】
ユーザが、更に「テーブル」から「テレビ台」の方に移動すると、無線タグリーダ部202は、「テレビ台」に貼りつけられたキータグのRFID識別コードを受信するので、CPU302は、現在地テーブルTB3に格納されたキータグインデックス番号が、第一のキータグインデックス番号KN1から、第二のキータグインデックス番号KN2に更新される。即ち、「テーブル」、「テレビ台」、「キッチン」、及び「本箱」の近くに、ユーザを行き来する度に、現在地テーブルTB3に格納されるキータグインデックス番号が順次更新されることになる。
【0052】
なお、無線タグリーダ部202が、キータグ受信ステップ402で、キータグの電波が受信できなかったときには、CPU302は、エリア不定ということで、Nullまたは0を、現在地テーブルTB3に書き込む。
【0053】
次に、CPU302は、検索タグとの通信可否を判断しており、検索タグ未検出判定ステップ404で、CPU302は、今まで受信できていた検索タグの電波が受信できなくなったとき、即ち、ユーザが宅内を移動して、所在検出装置1aが検索タグから離れたとき、通信切れとして判断し(ステップ404のYes)、検索タグテーブル参照ステップ414に遷移する。具体的には、無線タグリーダ部202は、受信を開始したときと、システムバス351に対し、その接続・切断の状態とRFID識別コードとを返しており、CPU302は、受信バッファ付シリアル通信IO303を通して、特定のICタグの通信切れを知ることができる。
【0054】
検索タグテーブル参照ステップ414では、CPU302は、受信できなくなったICタグのRFID識別コードと、検索タグテーブルTB2に格納されている第一〜四の検索タグRFID識別コードIDk1〜IDk4のいずれかとが、一致するか否かを比較する。一致するものがない場合、CPU302は、受信できなくなったICタグが、検索タグで無いと判断し、キータグ受信ステップ402に返る。
【0055】
一方、一致するものがある場合には、タグ情報テーブル更新ステップ416で、一致する検索タグRFID識別コードに対応したキータグインデックス番号に、現在地テーブルTB3に書き込まれているキータグインデックス番号を書き込む。
【0056】
例えば、ユーザが、「自動車鍵」を「テレビ台」に近くに忘れて、「テレビ台」から離れた場合に、CPU302は、「自動車鍵」に貼りつけられた検索タグが受信切断されたと判断し、タグ情報テーブル更新ステップ416に遷移する。タグ情報テーブル更新ステップ416では、CPU302は、その検索タグのRFID識別コードに対応したキータグインデックス番号KN1として、検索タグテーブルTB2に書き込む。
【0057】
この状態で、例えば、ユーザが、検索ボタン102を押下すると(ステップ405のYes)、検索タグコード入力ステップ417に遷移する。検索タグコード入力ステップ417で、第一〜四の検索タグ検索ボタン104、105、106、107うち何れか1つの押下を待って、検索タグテーブル参照ステップ418に遷移する。検索タグテーブル参照ステップ418では、押下されたボタンに対応した検索タグの位置を示すキータグインデックス番号を検索タグテーブルTB2より読み出す。
【0058】
例えば、ユーザが、「自動車鍵」を見失ったとして、「自動車鍵」の所在を検索するために、第一の検索タグ検索ボタン104を押下したとすると、検索タグテーブル参照ステップ418で、CPU302は、第一の検索タグ検索ボタン104に対応する、第一のキータグインデックス番号KN1を、検索タグテーブルTB2から読み出し、キータグ表示ステップ419に遷移する。キータグ表示ステップ419では、読み出されたキータグインデックス番号に対応した、図1に示すキータグ表示ランプ112、113、114、115を点灯させる。なお、第一〜四のキータグインデックス番号KN1〜KN4は、それぞれ、キータグ表示ランプ112、113、114、115に対応するようになっている。
【0059】
従って、キータグ表示ステップ419で、CPU302は、LED出力ポート304を介して、所定の電圧を第一のキータグ表示ランプ112に印加し、第一のキータグ表示ランプ112が点灯することとなる。第一のキータグ表示ランプ112が点灯することにより、ユーザは、図1に示すように、「テーブル」と表示された、第一のキータグ登録ボタン108の図中左方のランプが点灯したことで、「自動車鍵」を「テレビ台」に近く見失ったことを知る。
【0060】
以上のように、本実施の形態1では、複数のリーダライタを必要としないので、たとえ管理するエリアを広くしようとする場合であっても、システムの構成を複雑にすることなく、移動物を見失った場所を容易に知ることができる。
【0061】
上述した実施の形態1では、出力手段の一例として、第一〜四のキータグ表示ランプ112、113、114、115を示したが、特に発光する素子である必要はなく、例えば、画像を表示するようにしてもよい。この場合、出力制御手段として機能するCPU302が、表示する画像態様を制御することも可能である。例えば、予め、固定物と移動物との画像データを準備しておき、検索される移動物と、見失った場所に対応する固定物とを、現した画像(例えば「自動車鍵」が「テレビ台」に置いてある画像)を生成して表示させることも可能である。
【0062】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について、図8ないし図12を用いて説明する。
【0063】
図8は、実施の形態2における所在検出装置を示す外観図、図9は、実施の形態2における所在検出装置の機能ブロック図、図10は、実施の形態2における制御部のハード構成図、図11は、実施の形態2における検索タグテーブルの内容の一例を示す図、図12は、実施の形態2におけるCPUの動作例を示すフローチャートである。
【0064】
図8において、本実施の形態2における所在検出装置1bには、出力部204として、日時表示部502が設けられている。日時表示部502は、各種の発光素子で構成され、例えば、液晶や有機EL(エレクトロルミネセンス)などで構成される。日時表示部502は、「出力手段」として機能する。なお、その他の構成については、図1に示した実施の形態1の構成と同じであるので、同一の符号を付して説明を省略する。
【0065】
また、図9及び図10において、図2に示した実施の形態1と異なるところは、所在検出装置1bに、現在の日時を示す内蔵時計601が設けられていることである。内蔵時計601は、「時間情報検出手段」として機能する。651は、現在の日時の時計信号である。その他の構成は、図2と同じであるので、同一の符号を付して説明を省略する。図10のRAM305内には、メモリマップMPとして、上述の図4に示すように、キータグテーブルTB1と、検索タグテーブルTB2と、現在地テーブルTB3とが設けられている。その他の構成は、図3と同じであるので、同一の符号を付して説明を省略する。
【0066】
検索タグテーブルTB2は、図11に示すように、第一〜四の最終検知タイムTM1、TM2、TM3、TM4を格納するようになっている。これらには、初期状態では何も書き込まれていないものとする。その他の構成については、図6と同じであるので、同一の符号を付して説明を省略する。なお、また、検索タグテーブルTB2に格納できる最終検知タイムは、必ずしも4つである必要はなく、3つ以下、5つ以上のいくつでもよい。
【0067】
以上の構成において、実施の形態2における一連の動作を、図12を用いて説明する。なお、図7に示した実施の形態1のフローチャートとの相違点は、タグ情報テーブル更新ステップ801と、検索タグテーブル参照ステップ802と、キータグ表示ステップ803とを含む点である。
【0068】
図12において、検索タグ未検出判定ステップ404で、CPU302が、通信切れとして判断すると(ステップ404のYes)、検索タグテーブル参照ステップ414で、CPU302は、受信できなくなったICタグのRFID識別コードと、検索タグテーブルTB2に格納されている第一〜四の検索タグRFID識別コードIDk1〜IDk4のいずれかとが、一致するか否かを比較する。一致するものがない場合、CPU302は、受信できなくなったICタグが、検索タグで無いと判断し、キータグ受信ステップ402に返る。
【0069】
一方、一致するものがある場合には、タグ情報テーブル更新ステップ801で、一致する検索タグRFID識別コードに対応したキータグインデックス番号に、現在地テーブルTB3に書き込まれているキータグインデックス番号を書き込むと共に、内蔵時計601から読み出した現在の日時を(つまり通信切れとなった日時を)時間情報として、一致する検索タグRFID識別コードに対応した、第一〜四の最終検知タイムTM1〜TM4のいずれかとして書き込む。
【0070】
例えば、ユーザが、3月20日16時30分に、「自動車鍵」を「テレビ台」に近くで忘れた場合に、CPU302は、「自動車鍵」に貼りつけられた検索タグが受信切断されたと判断し、タグ情報テーブル更新ステップ801に遷移する。タグ情報テーブル更新ステップ801では、CPU302は、その検索タグのRFID識別コードに対応したキータグインデックス番号KN1として、検索タグテーブルTB2に書き込むと共に、現在の日時「3月20日16時30分」を示すデータを、その検索タグRFID識別コードに対応した最終検知タイムTM1して書き込む。
【0071】
この状態で、例えば、ユーザが、検索ボタン102を押下すると(ステップ405のYes)、検索タグテーブル参照ステップ802で、押下されたボタンに対応した、検索タグの位置を示すキータグインデックス番号と、最終検知タイムとを、検索タグテーブルTB2より読み出す。
【0072】
例えば、ユーザが、「自動車鍵」の所在を検索するために、第一の検索タグ検索ボタン104を押下したとすると、検索タグテーブル参照ステップ802で、CPU302は、第一の検索タグ検索ボタン104に対応する、第一のキータグインデックス番号KN1と、第一の最終検知タイムTM1とを、検索タグテーブルTB2から読み出し、キータグ表示ステップ803に遷移する。
【0073】
キータグ表示ステップ803では、CPU302は、LED出力ポート304を介して、所定の電圧を第一のキータグ表示ランプ112に印加し、第一のキータグ表示ランプ112が点灯する。また、CPU302は、第一の最終検知タイムTM1が示す、現在の日時「3月20日16時30分」を、日時表示部502に表示させる。この場合、日時表示部502には、「03201630」が表示される。
【0074】
以上のように、本実施の形態2では、移動物を見失った場所と共に、見失った日時が、表示されるので、ユーザは見失った移動物について詳細な情報を入手することが出来る。これにより、ユーザは移動物を見失った場所を、より確実に知ることができる。
【0075】
なお、上述した実施の形態2において、通信切れとなった日時を記録する場合について説明したが、通信切れとなった時点、または、通信切れとなった時点を含む時間(ある時刻から他の時刻までの長さ)を示す時間情報を記録するものであれば、これに限らない。例えば、秒単位までの「時点」であってもよく、あるいは、時・分・秒を含まない、日付のみの「時間」であってもよい。
【0076】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について、図13及び図14を用いて説明する。
【0077】
図13は、実施の形態3における所在検出装置の外観を示す図、図14は、実施の形態3におけるCPUの動作例を示すフローチャートである。なお、図13において、本実施の形態3における所在検出装置1cには、全てのキータグとの通信が切断されたときに点灯するキータグ未検知ランプ902が設けられている。キータグ未検知ランプ902は、「出力手段」として機能する。その他の構成は、図1と同じであるので、同一の符号を付して説明を省略する。
【0078】
以上の構成において、実施の形態3における一連の動作を、図14を用いて説明する。なお、図7に示した実施の形態1のフローチャートとの相違点は、全てのキータグの通信が切断されていることを判定するキータグ未検出判定ステップ1001と、キータグが見つからないことを表示するキータグ未検出表示ステップ1002とを含む点である。
【0079】
図14において、キータグ受信ステップ402で、無線タグリーダ部202が、登録されたキータグの電波を受信すると、現在地テーブル更新ステップ403に遷移する。更新ステップ403で、CPU302は、受信した登録済みのキータグのキータグインデックス番号を、現在地テーブルTB3に書き込む。キータグの電波が受信できなかったときには、エリア不定ということで、Nullまたは0を、現在地テーブルTB3に書き込む。
【0080】
キータグ未検出判定ステップ1001で、CPU302は、現在地テーブルTB3を参照して、キータグインデックス番号が格納されていない場合、即ち、Nullまたは0が格納されている場合は、キータグ未検出表示ステップ1002に遷移する。キータグ未検出表示ステップ1002で、CPU302は、LED出力ポート304を介して、図13に示すキータグ未検知ランプ902を点灯させる。
【0081】
以上のように、本実施の形態3では、キータグの電波が届かないことをユーザに伝えることが出来るので、ユーザが全て固定物から離れてしまわないようにすることが出来る。これにより、移動物を見失った場所が記録できなくなるような事態を、未然に回避することが出来るので、ユーザは移動物を見失った場所を、より確実に知ることが出来る。
【0082】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について、図15ないし図18を用いて説明する。
【0083】
図15は、実施の形態4における所在検出装置の外観を示す図、図16は、実施の形態4における所在検出装置の機能ブロック図、図17は、実施の形態4における制御部のハード構成図、図18は、実施の形態4におけるCPUの動作例を示すフローチャートである。
【0084】
なお、図15において、本実施の形態4における所在検出装置1dには、全てのキータグとの通信が切断されたときにブザー音を発生する、キータグ未検知ブザー1102が設けられている。キータグ未検知ブザー1102は、「出力手段」として機能する。その他の構成については、図1と同じであるので、同一の符号を付して説明を省略する。
【0085】
また、図16及び図17において、図2に示した実施の形態1と異なるところは、キータグ未検知ブザー1102を設けたことである。その他の構成は、図16は図2と同じであり、図17は図3と同じあるので、同一の符号を付して説明を省略する。
【0086】
以上の構成において、実施の形態4における一連の動作を、図18を用いて説明する。なお、図7に示した実施の形態1のフローチャートとの相違点は、キータグ未検出判定ステップ1001と、キータグが見つからないことをブザー音で知らせるキータグ未検出音発生ステップ1401とを含む点である。
【0087】
現在地テーブルTB3に、Nullまたは0が格納されている場合に、キータグ未検出音発生ステップ1401で、CPU302は、キータグ未検知ブザー1102に音発生させる。
【0088】
以上のように、本実施の形態4では、キータグの電波が届かないことをユーザに伝えることが出来るので、ユーザが全て固定物から離れてしまわないようにすることが出来る。これにより、移動物を見失った場所が記録できなくなるような事態を、未然に回避することが出来るので、ユーザは移動物を見失った場所を、より確実に知ることが出来る。
【0089】
なお、上述した実施の形態4において、キータグが見つからないことを音声で知らせる場合について説明したが、実施の形態3で説明したキータグ未検知ランプ902と併用させることも可能である。即ち、キータグが見つからないことを音声及び視覚を介してユーザに知らせることで、ユーザは移動物を見失った場所を、更に確実に知ることが出来る。
【0090】
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5について、図19及び図20を用いて説明する。
【0091】
図19は、実施の形態5における所在検出装置を示す外観図、図20は、実施の形態5におけるCPUの動作例を示すフローチャートである。なお、図19において、本実施の形態5における所在検出装置1eには、検索タグ至近距離検出ランプ1502が設けられている。その他の構成については、図1と同じであるので、同一の符号を付して説明を省略する。
【0092】
以上の構成において、実施の形態5における一連の動作を、図20を用いて説明する。なお、図7に示した実施の形態1のフローチャートとの相違点は、ICタグリーダ感度調整ステップ1601と、受信待機ステップ1602と、ICタグリーダ感度調整ステップ1603と、キー登録判断ステップ1604と、検索タグ至近距離検出表示ステップ1605とを含む点である。
【0093】
図20において、ユーザが検索ボタン102を押下すると、検索タグコード入力ステップ417で、第一〜四の検索タグ検索ボタン104、105、106、107のうち、何れか1つの押下を待って、ICタグリーダ感度調整ステップ1601に遷移する。
【0094】
ICタグリーダ感度調整ステップ1601で、CPU302は、無線タグリーダ部202の受信範囲を狭くする。受信待機ステップ1602で、無線タグリーダ部202は、検索タグコード入力ステップ417で押下されたボタンに対応した検索タグの電波を一定時間受信する。ICタグリーダ感度調整ステップ1603で、CPU302は、受信範囲を通常の広い状態に戻し、キー登録判断ステップ1604で、検索タグコード入力ステップ417で指定された検索タグの電波受信が可能であるか否かを判定する。電波受信が可能であると判定した場合は、検索タグ至近距離検出表示ステップ1605で、CPU302は、LED出力ポート304を介して、図19に示す検索タグ至近距離検出ランプ1502を点灯させる。
【0095】
以上のように、本実施の形態5では、検索タグが手の届く範囲にあることが未然に判ることが可能となり、ユーザが見失った移動物の探索範囲を狭めることが出来、見失った移動物の場所を探す手間を少なくすることが出来る。
【0096】
なお、上述した実施の形態1〜5において、所在検出装置1a〜1eは、RFIDリーダライタとして実施することができるが、それ以外にも、PDA(Personal Digital Assistant)や携帯電話などの情報端末にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、簡単なシステムの構成で、移動物の所在を検出することができる特定物の所在検出装置および所在検出方法として、保管物の管理、家庭における移動物の管理等に広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】実施の形態1における所在検出装置を示す外観図
【図2】実施の形態1における所在検出装置の機能ブロック図
【図3】実施の形態1における制御部のハード構成図
【図4】RAMに格納されるメモリマップの一例を示す図
【図5】キータグテーブルの内容の一例を示す図
【図6】実施の形態1における検索タグテーブルの内容の一例を示す図
【図7】実施の形態1におけるCPUの動作例を示すフローチャート
【図8】実施の形態2における所在検出装置を示す外観図
【図9】実施の形態2における所在検出装置の機能ブロック図
【図10】実施の形態2における制御部のハード構成図
【図11】実施の形態2における検索タグテーブルの内容の一例を示す図
【図12】実施の形態2におけるCPUの動作例を示すフローチャート
【図13】実施の形態3における所在検出装置の外観を示す図
【図14】実施の形態3におけるCPUの動作例を示すフローチャート
【図15】実施の形態4における所在検出装置の外観を示す図
【図16】実施の形態4における所在検出装置の機能ブロック図
【図17】実施の形態4における制御部のハード構成図
【図18】実施の形態4におけるCPUの動作例を示すフローチャート
【図19】実施の形態5における所在検出装置を示す外観図
【図20】実施の形態5におけるCPUの動作例を示すフローチャート
【符号の説明】
【0099】
1a、1b、1c、1d、1e 所在検出装置
112 第一のキータグ表示ランプ(出力手段)
113 第二のキータグ表示ランプ(出力手段)
114 第三のキータグ表示ランプ(出力手段)
115 第四のキータグ表示ランプ(出力手段)
202 無線タグリーダ部(通信手段、識別情報検出手段、通信可否判断手段)
221 ICタグ
302 CPU(識別情報更新手段、通信可否判断手段、識別情報読み出し手段、出力制御手段、時間情報検出手段、通信範囲制御手段)
305 RAM(メモリ)
502 日時表示部(出力手段)
601 内蔵時計(時間情報検出手段)
902 キータグ未検知ランプ(出力手段)
1102 キータグ未検知ブザー(出力手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに識別自在な識別情報を格納するICタグを用いて、移動物の所在を検出する所在検出装置であって、
前記ICタグと通信する、通信手段と、
固定物に設けられた第1の前記ICタグと前記通信手段が通信することにより、当該第1のICタグに格納された前記識別情報を検出する、識別情報検出手段と、
前記識別情報検出手段により検出された識別情報を格納する、メモリと、
前記識別情報検出手段により他の固定物に設けられた第1のICタグの識別情報が検出された場合に、前記メモリに格納された識別情報を、検出された識別情報に更新する、識別情報更新手段と、
前記移動物に設けられた第2の前記ICタグとの前記通信手段による通信可否を判断する、通信可否判断手段と、
前記通信可否判断手段により第2のICタグとの通信が不可と判断された場合に、前記識別情報更新手段によりに更新された識別情報を前記メモリから読み出す、識別情報読み出し手段と、
前記識別情報読み出し手段により読み出された識別情報に応じて、出力手段を制御する、出力制御手段とを有する、
ことを特徴とする所在検出装置。
【請求項2】
請求項1記載の所在検出装置であって、更に、
前記通信可否判断手段により第2のICタグとの通信が不可と判断された時点またはその時点を含む時間を示す、時間情報を検出する、時間情報検出手段を有し、
前記出力制御手段は、前記識別情報読み出し手段により読み出された識別情報と、前記時間情報検出手段により検出された時間情報とに応じて、前記出力手段を制御する、
ことを特徴とする所在検出装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の所在検出装置であって、
前記出力手段は、表示機能を有する、
ことを特徴とする所在検出装置。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれか1項に記載の所在検出装置であって、
前記通信可否判断手段は、更に、前記固定物に設けられた第1のICタグとの前記通信手段による通信可否を判断し、
前記出力制御手段は、更に、前記通信可否判断手段により第1のICタグとの通信が不可と判断した場合に、前記出力手段を制御する、
ことを特徴とする所在検出装置。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれか1項に記載の所在検出装置であって、更に、
前記通信手段が前記ICタグと通信可能な通信範囲を制御する、通信範囲制御手段を有する、
ことを特徴とする所在検出装置。
【請求項6】
互いに識別自在な識別情報を格納するICタグを用いて、移動物の所在を検出する所在検出方法であって、
前記ICタグと通信し、
固定物に設けられた第1の前記ICタグと通信することにより、当該第1のICタグに格納された前記識別情報を検出し、
検出された前記識別情報をメモリに格納し、
他の固定物に設けられた第1のICタグの識別情報が検出された場合に、前記メモリに格納された識別情報を、検出された識別情報に更新し、
前記移動物に設けられた第2の前記ICタグとの通信可否を判断し、
前記第2のICタグとの通信が不可と判断された場合に、更新された前記識別情報を前記メモリから読み出し、
読み出された前記識別情報に応じて、出力手段を制御する、
ことを特徴とする所在検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−34770(P2007−34770A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−218281(P2005−218281)
【出願日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】