説明

手振れ補正ズームレンズ

【課題】F2.8程度と明るく、手振れ補正機構を組み込むことができる、標準域・広角域を含む明るい手振れ補正ズームレンズを提供すること。
【解決手段】被写体側から、正の第1レンズ群、負の第2レンズ群、正の第3レンズ群、正の第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍時に第1レンズ群と第2レンズ群の間隔が広がり、第2レンズ群と第3レンズ群の間隔が狭まり、第3レンズ群と第4レンズ群の間隔が狭まるように移動し、前記第3レンズ群は、物体側から順に、正の第3前レンズ群と、負の第3中レンズ群と、正の第3後レンズ群からなり、手振れ補正を第3中レンズ群を光軸と垂直の方向へ移動させることで行い、下記の条件式(1)を満足する手振れ補正ズームレンズ。
0.7<(F12W×F12T)/(F34W×F34T)<1.2

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、F2.8と明るく、手振れ補正機構を組み込むことができる、広角域を含む標準画角の明るい手振れ補正ズームレンズに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の光学設計及び製造技術の進歩により、広角域を含む標準画角のズームレンズは、Fナンバーが小さい以下のズームレンズが提案させている。ここで、広角域とは、一般に半画角31°〜45°を示す。望遠域とは、一般に半画角10°〜19°を示す。標準画角とは、一般的に半画角20°〜30°を示す。
【0003】
従来のズームレンズの一つは、
物体側から順に、正第1レンズ群G1と負第2レンズ群G2と正又は負第3レンズ群G3と正第4レンズ群G4を有し、レンズ群G1とG2、及びG2とG3、及びG3とG4との空気間隔を変化させることによって変倍するズームレンズにおいて、第2レンズ群G2は物体側から順に像側に凹面を向けた負レンズを含む負レンズL21、物体側に凹面を向けた負レンズを有する負レンズL22、正レンズL2pと負レンズL2nの接合よりなり、物体側に対して凸面を向けた接合正レンズL2pnを含む正レンズL23、物体側に凹面を向けた負レンズL24とを有し、第4レンズ群G4は物体側から順に正レンズL41と少なくとも1枚の非球面レンズLaspを備える負レンズL42とを有し、非球面レンズLaspは所定の条件を満足する(例えば、特許文献1参照)である。
【0004】
従来技術の他のズームレンズとしては、
正、負、正、正の4群ズーム方式で、広角端での撮影画角が約75度、全ズーム域でのFナンバーが約2.8、変倍比が約2.5倍を実現し、尚且つ一眼レフレックスカメラの標準ズームレンズに近い大きさ(レンズ全長:95mm前後、対物側フィルター径:φ67mm)で、光学性能の優れた、特に一眼レフレックスカメラ等の標準ズームレンズとして好適な大口径ズームレンズ(例えば、特許文献2参照)である。
【0005】
従来技術の他のズームレンズとしては、
物体側から順に、正の屈折力を持つ第1レンズ群、負の屈折力をもつ第2レンズ群、正の屈折力を持つ第3レンズ群、正の屈折力をもつ第4レンズ群を有し、広角端から望遠端への変倍により第1レンズ群と第2レンズ群の間隔が広がり、第2レンズ群と第3レンズ群の間隔が狭まり、第3レンズ群と第4レンズ群の間隔が狭まるように移動し、前記第3レンズ群が、物体側から順に、正の屈折力を持つ第3前群と、負の屈折力を持つ第3後群とからなり、手振れ発生時の像面補正は第3後群のみを光軸と直交する方向へ移動させることで行い、前記第4レンズ群が最も物体側に凹レンズを有する大口径ズームレンズ(例えば、特許文献3参照)である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−321497号
【特許文献2】特開2004−101739号
【特許文献3】特開2010−266534号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されているズームレンズは、Fナンバーが2.8程度であって明るいが、手振れ補正機構を配置する空間を作ることが困難であるため、手振れ補正機構を有していない。
【0008】
特許文献2に開示されたズームレンズは、焦点距離が24からのズームレンズであり、広角である。しかし、このズームレンズも手振れ補正機構を配置する空間を作ることが困難であるため、手振れ補正機構を有していない。
【0009】
特許文献3に開示されたズームレンズは、手振れ補正機構を有する。しかし、手振れ補正のために光軸と直交する方向に移動させるレンズの直径が大きく、手振れ補正機構の作動力を大きく、従って手振れ機構が大型で消費電力も大きいという問題がある。
【0010】
(発明の目的)
本発明は、従来のズームレンズの上述した問題点に鑑みてなされたものであって、F2.8程度と明るく、手振れ補正機構を組み込むことができる、広角域を含む標準画角の明るい手振れ補正ズームレンズを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、
被写体側から、正の第1レンズ群、負の第2レンズ群、正の第3レンズ群、正の第4レンズ群からなり、
広角端から望遠端への変倍時に第1レンズ群と第2レンズ群の間隔が広がり、第2レンズ群と第3レンズ群の間隔が狭まり、第3レンズ群と第4レンズ群の間隔が狭まるように移動し、
前記第3レンズ群は、物体側から順に、正の第3前レンズ群と、負の第3中レンズ群と、正の第3後レンズ群からなり、
手振れ補正を第3中レンズ群を光軸と垂直の方向へ移動させることで行い、下記の条件式(1)を満足する手振れ補正ズームレンズ。
0.7<(F12W×F12T)/(F34W×F34T)<1.2 ・・・・(1)
但し F12W: 広角端での第1レンズ群と第2レンズ群の合成焦点距離
F12T: 望遠端での第1レンズ群と第2レンズ群の合成焦点距離
F34W: 広角端での第3レンズ群と第4レンズ群の合成焦点距離
F34T: 望遠端での第3レンズ群と第4レンズ群の合成焦点距離
である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の手振れ補正ズームレンズによれば、F2.8程度と明るく、広角域を含む標準画角で、手振れ補正機構を組み込むことができる手振れ補正ズームレンズを構成できる。
【0013】
(本発明の実施態様1)
上述した本発明の手振れ補正ズームレンズおいて、さらに下記の条件式(2)〜(4)を満足することを特徴とする手振れ補正ズームレンズ。
0.5<|BX1/F3|<0.9 ・・・・(2)
BX1<0 ・・・・(3)
F3>0 ・・・・(4)
但し BX1; 防振群(第3中群)の焦点距離
F3 ; 第3群の焦点距離
【0014】
(本発明の実施態様2)
上述した本発明の手振れ補正ズームレンズおいて、さらに下記の条件式(5)を満足することを特徴とする手振れ補正ズームレンズ。
3.2<ST_W/Fw<4 ・・・・(5)
但し ST_W: 広角端で絞りと結像面の距離
FW : 広角端の全系焦点距離
【0015】
(本発明の実施態様3)
上述した本発明の手振れ補正ズームレンズおいて、らに下記の条件式(6)を満足することを特徴とする手振れ補正ズームレンズ。
1.0<F3/F4<1.8 ・・・・(6)
但し F3: 第3レンズ群の焦点距離
F4: 第4レンズ群の焦点距離
【0016】
(本発明の実施態様4)
上述した本発明の手振れ補正ズームレンズおいて、さらに下記の条件式(7)を満足することを特徴とする手振れ補正ズームレンズ。
0.9 <|BX1/F34T|< 1.3 ・・・・(7)
但し BX1 : 第3中レンズ群の焦点距離
F34T: 望遠端での第3レンズ群と第4レンズ群の合成焦点距離
【0017】
(条件式1の作用効果)
条件式(1)の上限を超えると、第1レンズ群と第2レンズ群の合成焦点距離が短くなって、第3レンズ群と第4レンズ群を小型化するためには有利であるが、第1レンズ群と第2レンズの有効径が大きくなり、鏡筒の被写体側部分の小径化が困難となる。
条件式(1)の下限を超えると、鏡筒の被写体側部分の小径化には有利であるが、第3レンズ群と第4レンズ群の有効径が大きくなり、さらに手振れ補正機構の小型化が困難となる。
【0018】
(条件式2〜4の作用効果)
手振れ補正のために第3中レンズ群を光軸と垂直の方向へ移動させるが、条件式(2)〜(4)は、第3中レンズ群を正のレンズ群で挟み、手振れ補正のために移動させる第3中レンズ群を小径化するための条件である。従って、条件式(2)〜(4)を外れると、手振れ補正のために移動させる第3中レンが大径化し、手振れ補正機構のために好ましくない。
【0019】
(条件式5の作用効果)
条件式(5)の上限を超えると、第3レンズ群と第4レンズ群の半径方向のサイズを小さくできるが、絞りと結像面が近付くため、手振れ補正機構の駆動系、絞り駆動系、フォーカス駆動系を納める空間を形成することが困難になる。
条件式(5)の下限を超えると、絞りと結像面の間隔が大きくなり、第3レンズ群と第4レンズ群の有効径が大きくなり、手振れ補正機構が大型化する。
【0020】
(条件式6の作用効果)
条件式(6)の上限を超えると、広角端でレンズバック(バックフォーカス)が取り易いが、第4レンズ群の有効径が大きくなる。
条件式(6)の下限を超えると、第4レンズ群の小型化には有利だが、広角端でレンズバック(バックフォーカス)が小さくなる。
【0021】
(条件式7の作用効果)
手振れ補正のために第3中レンズ群を光軸と垂直の方向へ移動させるが、条件式(7)の上限を超えると、第3中レンズ群の屈折力が小さくなり、手振れ補正のために移動させる第3中レンズ群を小径化できない。
条件式(7)の下限を超えると、手振れ補正のために移動させる第3中レンズ群を小径化できるが、第3中レンズ群を手振れ補正のために光軸直交方向へ移動させたときの収差補正が困難になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態の手振れ補正ズームレンズの望遠端及び広角端のレンズ配置図である。
【図2】本発明の第1実施形態の手振れ補正ズームレンズの望遠端の球面収差図、非点収差図、横色収差図及び歪曲収差図である。
【図3】本発明の第1実施形態の手振れ補正ズームレンズの広角端の球面収差図、非点収差図、横色収差図及び歪曲収差図である。
【図4】本発明の第2実施形態の手振れ補正ズームレンズの望遠端及び広角端のレンズ配置図である。
【図5】本発明の第2実施形態の手振れ補正ズームレンズの望遠端の球面収差図、非点収差図、横色収差図及び歪曲収差図である。
【図6】本発明の第2実施形態の手振れ補正ズームレンズの広角端の球面収差図、非点収差図、横色収差図及び歪曲収差図である。
【図7】本発明の第3実施形態の手振れ補正ズームレンズの望遠端及び広角端のレンズ配置図である。
【図8】本発明の第3実施形態の手振れ補正ズームレンズの望遠端の球面収差図、非点収差図、横色収差図である。
【図9】本発明の第3実施形態の手振れ補正ズームレンズの広角端の球面収差図、非点収差図、横色収差図及び歪曲収差図である。
【0023】
前記球面収差図において、dはd線、fはf線、cはc線を示す。前記非点収差図において、sはサジタル、mはメリジオナルを示す。横色収差図において、fはf線、cはc線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の手振れ補正ズームレンズは、正の第1レンズ群LG1、負の第2レンズ群LG2、正の第3レンズ群LG3、正の第4レンズ群LG4からなり、各レンズ面NSの曲率半径R(mm)、各レンズ中心厚及びレンズの空気間隔D(mm)、各レンズのd線における屈折率Nd及びアッベ数ABVの値を以下に示す。
NS R D Nd ABV
1 287.4507 1.5000 1.92286 20.88
2 119.1356 7.0000 1.77250 49.62
3 963.8287 0.2000
4 64.7537 7.0000 1.72916 54.67
5 158.5256 D( 5)
6 ASPH 1000.0000 0.2000 1.51409 49.72
7 80.0000 1.0000 1.80400 46.57
8 18.1865 7.5702
9 -73.3842 0.8000 1.77250 49.62
10 60.6123 0.1500
11 47.3950 4.2000 1.90366 31.32
12 -423.2752 3.8000
13 ASPH -21.8417 1.0000 1.58313 59.46
14 150.0793 3.0000 1.90366 31.32
15 -47.0962 D(15)
16 STOP INF 1.0000
17 ASPH 36.5643 0.3500 1.51409 49.72
18 35.0000 5.0000 1.48749 70.24
19 -55.5339 4.0000
20 73.3223 4.0000 1.49700 81.55
21 -93.2550 3.0000
22 ASPH -36.4863 0.8000 1.62263 58.16
23 73.6915 2.0000 1.84666 23.78
24 60.4001 1.5000
25 49.2634 6.0000 1.49700 81.55
26 -49.6333 0.8000 1.72825 28.32
27 246.0122 D(27)
28 27.4223 8.0000 1.49700 81.55
29 -101.2715 0.1000
30 102.0516 5.0000 1.54814 45.78
31 -63.6573 0.1000
32 ASPH 328.9319 1.7000 1.82080 42.71
33 ASPH 57.9834 D(33)
34 INF 2.0000 1.51633 64.14
【0025】
上記数値表において、ASPHは、下記非球面式で示される非球面である。
非球面の式

【0026】
非球面係数の値は、以下のとおりである。
ASPH κ A46810
6 1.0000 1.70512E-005 -5.38646E-008 2.28612E-010 -5.65148E-013
13 1.0768 -4.39419E-006 5.89726E-008 -4.31684E-010 8.79568E-013
17 0.8347 -4.74729E-006 -6.31485E-009 -6.82357E-012 1.91883E-013
22 1.0000 8.72905E-006 -2.71141E-008 2.96450E-010 -1.30281E-012
32 1.0000 -1.12207E-005 -1.71815E-008 5.59223E-011 -1.08265E-013
33 1.0000 8.51859E-006 -2.48782E-010 1.21200E-010 -1.26208E-013
【0027】
ASPH A12
6 6.22424E-016
13 4.77335E-016
17 -4.11272E-016
22 1.85418E-015
32 -1.49218E-016
33 -2.75597E-016
【0028】
ズーム作動の各焦点距離 F(mm)におけるレンズ間隔の変化は、以下の通りである。
F 24.5008 37.3628 69.0533
D( 5) 2.0361 18.0000 42.4804
D(15) 19.0515 10.0047 1.1691
D(27) 5.1612 2.6000 0.9308
D(33) 39.3200 47.0950 56.7130
【0029】
条件式の値は、以下の通りである。
条件式(1) (F12W×F12T)/(F34W×F34T)=1.104
条件式(2) |BX1/F3|=0.524
条件式(3) BX1=-35.277
条件式(4) F3=67.342
条件式(5) ST_W/Fw=3.670
条件式(6) F3/F4=1.713
条件式(7) |BX1/F34T|=1.005
【0030】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態の手振れ補正ズームレンズは、正の第1レンズ群LG1、負の第2レンズ群LG2、正の第3レンズ群LG3、正の第4レンズ群LG4からなり、各レンズ面NSの曲率半径R(mm)、各レンズ中心厚及びレンズの空気間隔D(mm)、各レンズのd線における屈折率Nd及びアッベ数ABVの値を以下に示す。
NS R D Nd ABV
1 223.1651 1.5000 1.92286 20.88
2 100.2046 7.0000 1.77250 49.62
3 339.8399 0.2000
4 56.7549 8.0000 1.72916 54.67
5 165.9540 D( 5)
6 ASPH 1000.0000 0.2000 1.51409 49.72
7 150.0000 1.0000 1.80400 46.57
8 17.9357 7.5702
9 942.9752 0.8000 1.77250 49.62
10 31.7530 0.1500
11 28.9203 4.2000 1.90366 31.32
12 113.5656 3.8000
13 ASPH -22.4782 1.0000 1.58313 59.46
14 58.9885 3.0000 1.90366 31.32
15 -69.1412 D(15)
16 STOP INF 1.0000
17 ASPH 32.8511 0.3500 1.51409 49.72
18 35.0000 5.0000 1.48749 70.24
19 -37.5800 3.0000
20 -133.2637 4.0000 1.49700 81.55
21 -42.0453 3.0000
22 ASPH -48.2790 0.8000 1.62263 58.16
23 70.5105 2.0000 1.84666 23.78
24 61.6089 1.5000
25 45.9605 6.0000 1.49700 81.55
26 -40.0659 0.8000 1.72825 28.32
27 231.4397 D(27)
28 36.3952 6.0000 1.49700 81.55
29 -103.3691 0.1000
30 70.3078 5.0000 1.71300 53.94
31 66.4761 2.0000
32 ASPH -493.0896 1.7000 1.82080 42.71
33 ASPH 406.6728 2.0000
34 -249.2405 4.0000 1.74330 49.22
35 -62.1510 D(35)
36 INF 2.0000 1.51633 64.14
【0031】
非球面係数の値は、以下のとおりである。
ASPH κ A46810
6 1.0000 1.33339E-005 -4.39872E-008 2.15884E-010 -5.49249E-013
13 1.1767 -1.23471E-007 -2.01656E-008 -5.96305E-010 8.93894E-012
17 -0.8625 -8.54206E-006 2.75687E-008 -7.79109E-011 -4.89326E-013
22 1.0000 3.60858E-006 -1.86711E-008 3.22380E-010 -1.15650E-012
32 1.0000 -4.29373E-006 6.09566E-010 5.44054E-011 -1.14750E-013
33 1.0000 7.77635E-006 -1.72392E-009 1.06308E-010 -2.40997E-013
【0032】
ASPH A12
6 6.09401E-016
13 -4.76688E-014
17 -5.19705E-015
22 4.62677E-016
32 5.52462E-017
33 1.92308E-016
【0033】
ズーム作動の各焦点距離 F(mm)におけるレンズ間隔の変化は、以下の通りである。
F 24.7010 38.9697 68.9013
D( 5) 3.9327 18.0000 35.0000
D(15) 19.8795 10.0047 1.1691
D(27) 4.9258 2.6000 1.8350
D(35) 33.0000 42.2290 54.0530
【0034】
条件式の値は、以下の通りである。
条件式(1) (F12W×F12T)/(F34W×F34T)=0.987
条件式(2) |BX1/F3|=0.828
条件式(3) BX1=-42.242
条件式(4) F3=51.032
条件式(5) ST_W/Fw=3.570
条件式(6) F3/F4=1.130
条件式(7) |BX1/F34T|=1.212
【0035】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態の手振れ補正ズームレンズは、正の第1レンズ群LG1、負の第2レンズ群LG2、正の第3レンズ群LG3、正の第4レンズ群LG4からなり、各レンズ面NSの曲率半径R(mm)、各レンズ中心厚及びレンズの空気間隔D(mm)、各レンズのd線における屈折率Nd及びアッベ数ABVの値を以下に示す。
NS R D Nd ABV
1 225.0268 1.5000 1.92286 20.88
2 99.4457 7.0000 1.77250 49.62
3 346.0720 0.2000
4 55.9284 8.0000 1.72916 54.67
5 162.0901 D( 5)
6 ASPH 1000.0000 0.2000 1.51409 49.72
7 150.0000 1.0000 1.80400 46.57
8 18.0777 7.5702
9 510.3727 0.8000 1.77250 49.62
10 27.7062 4.2000 1.90366 31.32
11 121.4131 3.8000
12 ASPH -22.0943 1.0000 1.58313 59.46
13 54.7665 3.0000 1.90366 31.32
14 -68.5400 D(14)
15 STOP INF 1.0000
16 ASPH 32.7486 0.3500 1.51409 49.72
17 35.0000 5.0000 1.48749 70.24
18 -37.6072 3.0000
19 -123.3617 4.0000 1.49700 81.55
20 -40.9128 3.0000
21 ASPH -48.4806 0.8000 1.62263 58.16
22 70.6648 2.0000 1.84666 23.78
23 61.6827 1.5000
24 45.8636 6.0000 1.49700 81.55
25 -40.1696 0.8000 1.72825 28.32
26 233.5844 D(26)
27 36.3963 6.0000 1.49700 81.55
28 -102.8223 0.1000
29 70.1580 5.0000 1.71300 53.94
30 66.7691 2.0000
31 ASPH -423.0056 1.7000 1.82080 42.71
32 ASPH 476.0939 2.0000
33 -320.8170 4.0000 1.74330 49.22
34 -64.9235 D(34)
35 INF 2.0000 1.51633 64.14
【0036】
非球面係数の値は、以下のとおりである。
ASPH κ A46810
6 1.0000 1.28351E-005 -4.49291E-008 2.14600E-010 -5.50852E-013
12 1.1025 7.92379E-007 -1.71997E-008 -6.00310E-010 8.90481E-012
16 -0.8879 -8.63391E-006 2.69462E-008 -9.01939E-011 -5.13682E-013
21 1.0000 3.75402E-006 -1.74418E-008 3.20941E-010 -5.00000E-013
31 1.0000 -4.29111E-006 5.46940E-010 5.44506E-011 -1.50000E-013
32 1.0000 7.77216E-006 -1.72772E-009 1.05976E-010 -2.43316E-013
【0037】
非球面係数の値は、以下のとおりである。
ASPH A12
6 6.10862E-016
12 -4.68955E-014
16 -5.27721E-015
21 1.81374E-015
31 5.17611E-017
32 1.87768E-016
【0038】
ズーム作動の各焦点距離 F(mm)におけるレンズ間隔の変化は、以下の通りである。
F 23.8334 37.2362 65.5157
D( 5) 4.0884 18.0000 35.0000
D(14) 20.8266 11.1313 2.3926
D(26) 5.1400 2.6000 1.6949
D(34) 32.0120 40.7710 51.4620
【0039】
条件式の値は、以下の通りである。
条件式(1) (F12W×F12T)/(F34W×F34T)=0.975
条件式(2) |BX1/F3|=0.827
条件式(3) BX1=-42.147
条件式(4) F3=50.988
条件式(5) ST_W/Fw=3.605
条件式(6) F3/F4=1.159
条件式(7) |BX1/F34T|=1.221
【符号の説明】
【0040】
S 絞り
GL1 第1レンズ群
GL2 第2レンズ群
GL3 第3レンズ群
GL4 第4レンズ群
1 第1面
2 第2面
3 第3面
4 第4面
5 第5面
6 第6面
7 第7面
8 第8面
9 第9面
10 第10面
11 第11面
12 第12面
13 第13面
14 第14面
15 第15面
16 第16面
17 第17面
18 第18面
19 第19面
20 第20面
21 第21面
22 第22面
23 第23面
24 第24面
25 第25面
25 第25面
26 第26面
27 第27面
28 第28面
29 第29面
30 第30面
31 第31面
32 第32面
33 第33面
34 第34面
35 第35面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体側から、正の第1レンズ群、負の第2レンズ群、正の第3レンズ群、正の第4レンズ群からなり、
広角端から望遠端への変倍時に第1レンズ群と第2レンズ群の間隔が広がり、第2レンズ群と第3レンズ群の間隔が狭まり、第3レンズ群と第4レンズ群の間隔が狭まるように移動し、
前記第3レンズ群は、物体側から順に、正の第3前レンズ群と、負の第3中レンズ群と、正の第3後レンズ群からなり、
手振れ補正を第3中レンズ群を光軸と垂直の方向へ移動させることで行い、下記の条件式(1)を満足する手振れ補正ズームレンズ。
0.7<(F12W×F12T)/(F34W×F34T)<1.2 ・・・・(1)
但し F12W: 広角端での第1レンズ群と第2レンズ群の合成焦点距離
F12T: 望遠端での第1レンズ群と第2レンズ群の合成焦点距離
F12T: 望遠端での第3レンズ群と第4レンズ群の合成焦点距離
【請求項2】
請求項1に記載の手振れ補正ズームレンズおいて、さらに下記の条件式(2)〜(4)を満足することを特徴とする手振れ補正ズームレンズ。
0.5<|BX1/F3|<0.9 ・・・・(2)
BX1<0 ・・・・(3)
F3>0 ・・・・(4)
但し BX1; 防振群(第3中群)の焦点距離
F3 ; 第3群の焦点距離
【請求項3】
請求項2に記載の手振れ補正ズームレンズおいて、さらに下記の条件式(5)を満足することを特徴とする手振れ補正ズームレンズ。
3.2<ST_W/Fw<4 ・・・・(5)
但し ST_W: 広角端で絞りと結像面の距離
FW : 広角端の全系焦点距離
【請求項4】
請求項3に記載の手振れ補正ズームレンズおいて、さらに下記の条件式(6)を満足することを特徴とする手振れ補正ズームレンズ。
1.0<F3/F4<1.8 ・・・・(6)
但し F3: 第3レンズ群の焦点距離
F4: 第4レンズ群の焦点距離
【請求項5】
請求項4に記載の手振れ補正ズームレンズおいて、さらに下記の条件式(7)を満足することを特徴とする手振れ補正ズームレンズ。
0.9 <|BX1/F34T|< 1.3 ・・・・(7)
但し BX1 : 第3中レンズ群の焦点距離
F34T: 望遠端での第3レンズ群と第4レンズ群の合成焦点距離

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−45039(P2013−45039A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184438(P2011−184438)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(000133227)株式会社タムロン (355)
【Fターム(参考)】