手書き情報の電子的記録のためのシステム及び装置
【課題】ホワイトボード上に書かれたものの全て、及びボードから消されたものの全ては、電子的に記録され、リアルタイムに又は後から、ホワイトボードにどのように情報が生成され、変更されたかを、正確にコンピュータ・スクリーン上に表示させることができる装置を、比較的に簡単で安価な方法で実現する。
【解決手段】情報を表示するためのシステムであって、光学的に読み取り可能な位置符号化パターンを備えた書き込みボードと、前記光学的に読み取り可能な位置符号化パターンに基づいて、前記書き込みボード上に書かれる情報の電子的象徴を生成するよう適合された第1の装置と、前記光学的に読み取り可能な位置符号化パターンに基づいて、イレイサーを用いて前記書き込みボードから消される情報の電子的象徴を生成するよう適合された第2の装置とを備える。
【解決手段】情報を表示するためのシステムであって、光学的に読み取り可能な位置符号化パターンを備えた書き込みボードと、前記光学的に読み取り可能な位置符号化パターンに基づいて、前記書き込みボード上に書かれる情報の電子的象徴を生成するよう適合された第1の装置と、前記光学的に読み取り可能な位置符号化パターンに基づいて、イレイサーを用いて前記書き込みボードから消される情報の電子的象徴を生成するよう適合された第2の装置とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手書き情報の電子的記録のためのシステムに関する。更に、本発明は、これに関連して使用される書き込みボード及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
いろいろなサイズの書き込みボードがあり、いろいろな状況、例えば、講義の中で、或いは、数人のグループがミーティングを開いて、各種の問題に対する解決策を発表し、議論するときに用いられている。多くの状況において、一人が書き込みボード上に書き込みを行い、その間に他の人たちが自分のノートブックに書き込みボードに書かれているものを書き取る。
【0003】
しかしながら、多くの人は、講義で話されていることに集中し、同時にノートを取ることが、大変なことであると感じている。その結果として、講義の一部を聴き損ね、講義で既に説明された課題について、後で質問する必要に迫られる。また、ノートに間違いが書かれるというリスクがある。この問題を解決するために、電子式書き込みボードと呼ばれるものが、近年開発されている。電子式書き込みボードは、ボード上に書かれた全てのものがコンピュータに「記録される」という特性を有する書き込みボードであり、これによって、講義の内容は、講義の最中又はその後で、聴講者に電子的に配送できる。聴講者が講義の内容をダウンロードすると、聴講者はリアルタイムでこれを再現し又はその一部を修正することができ、更に、自身の情報を追加し、これによって、自分自身の講義ノートを作成することができる。実際の講義の間で話された話題について同じ情報が聴講者全員に配送可能であり、講義の間にノートを取る必要がない。これは、聴講者が、講義で話されていること及びボードに書かれていることに、完全に集中できることを意味する。
【0004】
電子式書き込みボードに関する多数の基本原理がある。第1の基本原理は、接触感応表面と呼ばれるものに基づいている。この原理は、しばしば、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれるもので用いられ、ペンが書き込みボードの表面に対して、ボード
の書き込み面が書き込み面に近接して配置した下層面に接触するよう十分に大きな力で、置かれたときに書き込み位置の座標対が生成されるというアイディアに基づいている。ペンが置かれた位置は、電圧分離を用いてアナログ的に測定され、アナログからディジタルに変換され、次いで、処理され、これによって、座標の対、例えば、単一のペン位置のx及びy座標が得られる。位置は、1秒間に数百回測定され、これにより、書き込みボード上で線がどのように引かれているかを追跡できるようになる。接触感応表面の技術に基づく電子式書き込みボードに関連する1つの問題は、書き込みボードのサイズが大型化したときのその表面の平面度に関連して発生する。ペンが書き込みボードに置かれたときに、互いに接触する2つの表面間の距離は、しばしば、1mm又はそれ以下のオーダーとなる。書き込みボードのサイズが大型化したとき、書き込みボードの垂直方向における強度は弱くなり、これが書き込みボードを外部の機械的な影響に対し、より敏感なものにする。一方の表面が歪むと、表面間のショートにより、書き込みボードが使用できなくなる。更に、接触感応式の電子書き込みボードのコストは、そのエリアサイズに比例して増加する。
【0005】
電子式書き込みボード上のペンの位置を記録する他の基本原理は、書き込みボードの表面から近い距離のところで、書き込みボードの表面を横切る光ビームに基づくものであり、この光ビームは、ペン先が電子式書き込みボード上に置かれたときに、切られる。この方法は、古くからあるタッチスクリーンに類似のものである。次いで、プロセッサは、光ビームが切られた位置に基づいて座標対を計算し、連続的な位置測定により、ペンの動き
を追う。更に他の基本原理は、ペンの位置を決定するために、無線周波数範囲における音や波による三角測量を用いている。三角測量を用いたシステムに関する欠点は、電子式書き込みボードが隣り合わせて複数配置されたときに、電子式書き込みボード間での干渉が起こる可能性があることである。
【0006】
更に、三角測量や接触感応表面のようなアナログ式システムには、共通の問題がある。このような問題の1つは、電子式書き込みボードを使用する前に、そのキャリブレーションを行なう必要があることである。また、解像度に関しても制限があり、これは、センサーにより位置を測定できる精度に依存している。アナログ式システムにおいて、解像度は、通常、それぞれ、縦及び横方向における全長の1パーセントのオーダーである。前述の全ての電子式書き込みボードに関連する他の主要な問題は、それらが、信頼性が高く且つ高精度で動作できる必要がある高価な部品を、多く含んでいることであり、これが製造を困難にし、高価なものとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−141104号公報
【特許文献2】特開平8−036452号公報
【特許文献3】特開平11−212691号公報
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、前述の問題を解決し、又は緩和することにある。
【0009】
第1の側面によれば、本発明は、手書き情報の電子的記録のためのシステムに関し、このシステムは、光学的に読み取り可能な位置符号化パターンを備えた製品、前記光学的に読み取り可能な位置符号化パターンに基づいて、前記製品上に書かれている情報を電子的に表現したデータを生成するよう構成された第1の装置、及び前記光学的に読み取り可能な位置符号化パターンに基づいて、イレイサーを用いて前記製品から消去されている情報を電子的に表現したデータを生成するよう構成された第2の装置を備える。
【0010】
前記製品は、好ましくは、書き込みボードであるが、例えば、プラスティック・フィルムであってもよい。後者の場合、プラスティック・フィルムが、光学的に読み取り可能な位置符号化パターンを備えており、使用に際し、書き込みボード上に置かれる。
【0011】
前記製品上に書かれたものの全て、及び前記製品から消されたものの全ては、電子的に記録されているので、このシステムは、例えば、講義の間にホワイトボード上で起こったことを「記録する」ために用いることができ、リアルタイムに又は後から、ホワイトボードにどのように情報が生成され、変更されたかを、正確にコンピュータ・スクリーン上に表示させることができるようになる。これが、比較的に簡単で安価な方法で実現できることになる。
【0012】
情報の消去を記録することの可能性は、ボード上に書かれている情報の記録だけをする場合に生じる情報の重なり合いの問題を解決するので、特に価値がある。
【0013】
この消去は、前記書き込みと全く同じ方法、すなわち、消去ペンを用いて、消去する既に書かれた情報の筆跡を追うことによって実行し得る。しかしながら、イレイサーの消去面は、通常、書き込みペンの書き込み面より十分に大きく、これによって、より効果的な消去操作が提供できる。これは、前記製品から情報が消去されるときには、製品に情報が書き込まれるときのような単一のペンの位置の代わりに、消去エリアを追跡すればよいことを意味する。
【0014】
前記書き込みボードは、特に、白又は淡い色の書き込み表面を備えたホワイトボードのタイプで、ホワイトボード・ペンを使用して書くことができるものとすることができる。
【0015】
本発明によるシステムと従来のシステムとの本質的な違いは、前者が、光学的に読み取り可能な位置符号化パターンを備えていることであり、これが、情報がどこに書かれているか、更には、何が書かれているかの判断を可能とする。更に詳細には、前記位置符号化パターンに基づいて、情報が書かれている間に、ペンの極めて多数の連続した位置を識別することによって、ペン先が位置符号化パターン上に置かれた瞬間から、それがそこから持ち上げられるまでのペンの動きを追跡することが可能となり、従って、位置符号化パターン上に書かれ乃至描かれた全てのものの電子的記録ができる。
【0016】
このパターンが光学的に読み取り可能な手段であるという事実は、その光を反射、吸収、放射、透過する能力が、その背景のそれとは異なっていることを示しており、これによって、このパターンは光感応検出器によって検出可能となる。しかしながら、パターンを可視光で読み取れるようにする必要はない。これは、例えば、赤外線の範囲で読めるものであってよい。このようにして、位置符号化パターンを、ユーザに見えないようにすることができ、これによって、ユーザは目障りにならないであろう。更に、ペンによりボードに適用されるインクや他の物質を、赤外光に対し透過にすることができ、これによって、インクや他の物質が、位置符号化パターンと干渉しない。
【0017】
位置符号化パターンは、書き込みボードに対して、その製造の時に適用しても、又は、例えば、後に書き込みボードに適用するプラスティック・フィルム上に印刷してもよい。
【0018】
更に、位置符号化パターンを書き込みボードに適用する費用、又は位置符号化パターンを備えた書き込みボードを製造する費用は、極めて安価である。
【0019】
したがって、あらゆるサイズ、特に、大きなエリアをもった書き込みボードは、背景説明に記述したタイプの電子式書き込みボードに比して、より安く製造できる。
【0020】
その解像度は、従来技術に比して改善可能である。これは、光学的に読み取り可能な位置符号化パターンを用いることにより、書き込みボード上のペンの位置のアナログ的測定により提供される精度よりも、高い精度が得られるためである。
【0021】
位置符号化パターンは、異なる書き込みボード間で違うものとすることができ、これによって、現在の情報が書かれ乃至描かれている書き込みボードを自動的に追跡できるようになる。これに代えて、情報の電子的記録のための装置にスイッチを備え、ユーザが書き込みボードを変えたときに、これを切り替えるようにしてもよい。書き込みボードは受動的なものなので、前述した、近接して置かれた複数の動作中の書き込みボードにおける相互の干渉の問題を回避することができる。
【0022】
前記第1及び第2の装置は、2つの分離したカバー内の2つの物理的に分離した装置として実装することができ、これらは、本質的に、同じ部品を備え、本質的に同じように動作する。この実施形態は、最も一般的なホワイトボード・システムが、分離したホワイトボード・ペンとイレイサーとを有しているということから有利である。
【0023】
これに代えて、前記第1及び第2の装置は、1つのカバー内に統合することもできる。この統合は、カバー内に、それぞれが各機能に供される同じ部品の2つのセットを備えるよう、単に物理的な統合とすることができる。また、装置が、選択的に両機能のために使用できる共通の部品セットを有するように、機能的な統合としてもよい。後者の場合、ユ
ーザは、その機能が切り替えられるときを指示しなければならず、これによって、一方の機能(装置)のみがその時に使用できるようにする。以上の場合、前記第1及び第2の装置は、一つの同じ装置として実装されることになる。更に別の実施形態として、幾つかの部品は2セット用意し、幾つかは共有するようにしてもよい。
【0024】
本発明の好適な実施形態においては、前記第1及び第2の装置のそれぞれは、前記製品上の現在の位置に関する位置符号化パターンを検出するよう構成された光感応検出器と、前記光感応検出器により検出された前記現在の位置に関する位置符号化パターンに基づく位置情報を、少なくとも1つの外部ユニットへ転送するよう構成された通信手段と、を備える。
【0025】
前記検出器は、位置符号化パターンを記録する能力のあるあらゆるタイプのものであってよい。しかしながら、好ましくは、位置符号化パターンの画像を記録するエリアセンサーを備えるものがよい。
【0026】
前記通信手段は、前記位置情報を無線転送するための送信機又はトランシーバ、例えば、赤外線送信機、超音波送信機又は無線周波数送信機などとして実装できる。好ましくは、ブルートゥース規格に従って動作する短距離無線トランシーバがよい。前記外部ユニットは、好ましくは、コンピュータであり、前記第1及び第2の装置から前記位置情報を受信する受信機を備えている。次いで、情報は、前記外部ユニットから、聴講者や、書き込みボード上の情報に精通したい他の個人へ配送することができる。この配送は、例えばイントラネットやインターネットなどのコンピュータネットワークによって、相応に実施できる。前記位置情報は、また、聴講者のコンピュータなどの複数の外部ユニットに直接転送することができ、これによって、書き込みボード上に情報が書かれている間に、これらのユニットに直接その情報を記憶させることができる。
【0027】
前記装置は、それが本質的に、外部ユニットへ、前記検出器で検出した位置符号化パターンを転送するためだけのものとして、設計することができる(この場合、外部ユニットが、位置符号化パターンを解釈する)。しかしながら、これには、極めて大量の帯域幅及び高速送信が必要とされる。送信に関連して必要とされる帯域幅の量を少なくするために、ある程度の位置情報の処理、例えば、位置符号化パターン内のシンボルの場所を求める処理を、前記装置内で実行することが好ましい。好適な実施形態においては、前記第1及び第2の装置はプロセッサを備え、これが、前記検出器により検出した位置符号化パターンを解釈し、これを現在の位置の座標対に変換するよう構成されており、前記通信手段により転送される位置情報は、前記座標対を含む。
【0028】
前記装置は、好ましくは、連続する現在位置に対する位置情報を記憶するためのメモリーを備え、これによって、前記書き込みボードに書かれ又は消されている情報の少なくとも一部の記憶を可能とする。このようにして、前記外部ユニットへの送信の障害を許容できる。要求されるメモリーのサイズを縮小するために、前記検出器からの情報を解釈して少ないメモリーで足りるフォーマットに変換可能なプロセッサを備えることが、前記装置にとっての利点となる。
【0029】
更に、前記外部ユニットに転送しなければならない情報の量を削減するために、前記第1及び第2の装置内の前記プロセッサは、好ましくは、元となる連続する現在位置の座標対を、一連のポリゴンに変換するよう構成されており、前記通信手段により転送される位置情報は、前記一連のポリゴンを含む。
【0030】
より具体的には、プロセッサは、最初に、検出位置の座標対を転送し、次いで、次の検出位置に対する距離及び方向を示す1又は複数のベクトルを転送し、これに次いで、検出
位置の座標対を再度転送してよい。ユーザが直線を描いたとき、プロセッサは、線の開始から終りまでの各位置の座標対を転送する必要はなく、線の開始位置の座標対と、その終りを示すベクトルとを転送するだけでよい。座標対、すなわち絶対位置は、書かれた情報の正確な再現物を得るために、好ましくは、少なくとも1秒間隔で転送すべきである。
【0031】
情報を電子的に表現したデータは、従って、位置符号化パターンを電子的に表現したデータであってもよいし、ボード上のペン又はイレイサーの動きを記述する圧縮されたデータであってもよいし、前者から後者までの間のどのようなデータであってもよい。
【0032】
前記プロセッサは、また、位置情報を検出した時間を転送してもよく、これによって、位置情報が同時に記録された他の情報と同期できる。
【0033】
1つの実施形態において、前記製品上の位置符号化パターンは、絶対位置符号化パターンの第1のサブセットを備え、この第1のサブセットは、仮想表面上の第1の座標エリア内の点の座標を符号化している。前記仮想表面は、前記絶対位置符号化パターンが符号化可能な全ての点を備えるものである。この仮想表面上で、前記第1の座標エリアは、手書き情報を受け取るという特定用途のために専用に取り分けられている。
【0034】
このように、前記製品上の位置符号化パターンは、書き込みボード上で必要とされる位置の数よりも多い位置を符号化できるように、設計されることが可能である。特に、これは、情報取り扱いシステムの一部であってよく、このシステムでは、異なる座標エリアは異なる目的のために専用に取り分けられたものである。このようにして、書き込みボードからの電子位置情報は、常に、前記絶対座標を用いて認識され、それに応じて取り扱われる。
【0035】
更に他の実施形態において、前記位置符号化パターンにより符号化される少なくとも1つの位置は、手書き情報の電子的記録に関連して実行される機能のために専用に取り分けられたものである。
【0036】
ユーザは、特定のコマンドやメッセージを、位置情報を受け取る外部ユニットに送信することを望むかもしれない。これは、特に、この目的のために専用に取り分けられて前記製品上に予め定義された1又は複数の位置における位置符号化パターンを読むことによって、スムーズに達成し得る。ユーザは、例えば、書き込みボード上の全ての情報を消去することを望むかもしれない。イレイサーを使用して書き込みボード全域の全ての位置の消去を記録することに代えて、ユーザは、書き込みボード上の特定の位置にペンを置くことによって、新たな白紙のページに変わるように外部ユニットに指示することができる。前記外部ユニットが、この位置における位置符号化パターンにより符号化された座標対を受け取ると、この座標対を、新しいページに変えるためのコマンドとして認識する(ゆえに、書き込みボード上に書かれた情報の一部としては認識しない)。
【0037】
このようにして、多くの機能を実装できる。書き込みボードに書き込みを行なうときに使用するペンの色を、外部ユニットに知らせる色替え機能は、特に有用であろう。書き込みボード上のペン・ストロークの属性を変更する他の機能、例えば、ペン先の太さやカリグラフィ・ペンの使用などの属性を変更する機能もまた、有用であろう。
【0038】
有用な実施形態において、前記機能のために専用に取り分けられた少なくとも1つの位置は、広大な絶対位置符号化パターンの第2のサブセットにより符号化され、この第2のサブセットは、前記仮想表面上の第2の座標エリア内の少なくとも1つの点の座標を符号化している。前記第2の座標エリアは、前記機能のために専用に取り分けられている。
【0039】
この第2のセブセットは、前記第1のサブセットにより符号化される位置と連続する位置を符号化する必要はない。のみならず、これらは、いずれも、書き込みボード上における実際の位置と如何なる関連を持つ必要もない。
【0040】
前記第1の装置は、好適には、一般的な書き込みボード・ペンやホワイトボード・ペンに装着される装置として実装可能である。この目的のために、第1の装置は、好適には、この種のペン用の、ホルダーを備える。この実施形態における利点は、この装置を異なるペン間で移動できることであり、これは、1又は複数のユーザが、異なるペンの使用を望む場合や、幾つかのペンが使えなくなり、その交換が必要となるときでも、各書き込みボードに対し、ただ1つの装置があればよいことを意味している。
【0041】
前記ホルダーは、これにペンを装着し又はこれと逆にペンをホルダーに装着するのに適したあらゆるホルダーであってよい。これは、機械式ホルダー、磁気式ホルダー、接着ホルダーなどとすることができる。
【0042】
これに代えて、前記第1の装置は、書き込みボード上に書き込みを行なうペンをも備えるよう構成できる。この場合、ペンは、装置の一体化した部分を構成する。この実施形態における利点は、ペンと前記検出器との相対的位置を容易に固定できることにある。
【0043】
同様に、前記第2の装置は、イレイサーに装着される装置として実装することもできるし、あるいは、イレイサーを一体化した部分として備える装置として実装することもできる。
【0044】
本システムは、好ましくは、また、書き込みボード上の情報を、スクリーンに表示するソフトウェアを備え、この表示は、書き込みボード上に書かれ又は消されている情報を電子的に表現したデータに基づいて行なう。このソフトウェアは、従って、記録したペン及びイレイサーの位置に基づいて、書き込みボード上の情報を画像化する電子画像又は画像シーケンスを生成する。このソフトウェアは、複数の人が同じスクリーンを見れるように、大型のスクリーンに接続された中央装置にインストールすることができ、また、各聴講者が書き込みボード上に書かれたメモの個人用コピーを得られるように、各聴講者のコンピュータにインストールすることもできる。あるいは、スクリーン上に情報を表示可能な他の何らかのコンピュータにインストールすることもできる。この情報は、好ましくは、一連のポリゴンの形で配送され、これによって、少量のデータの転送だけで済む。次いで、ソフトウェアは、転送された一連のポリゴンを、書き込みボード上の情報の、生成された電子的表現における曲線、すなわち「画像」として表す。
【0045】
好適な実施形態において、本システムは、また、書き込みボード上の情報の書き込み又は消去に関連してスピーチを記録するマイクロフォン、及びこの記録したスピーチを外部ユニットに転送する手段を備える。これは、例えば、書き込みボードに書かれている情報の講義者による説明を、記録することを可能とし、更に、これを、聴講者に配送する目的で外部ユニットに転送することを可能とする。必要ならば、本システムには、書き込みボードに書き込みを行なっている人物の動きを記録するカメラを備え付けてもよい。このようにして、補足的な画像情報を、後で講義の最善の再現を得る目的で、配送することができる。
【0046】
好適には、本システムは、また、書き込みボード上に補足的な情報を投影するよう構成されたプロジェクタを備える。この補足的な情報は、例えば、講義者が後から書き込みボード上に追加した手書きメモの全体画像又は部分画像からなってよく、これにより、プレゼンテーションの自由度が高まる。
【0047】
前記プロジェクタは、好適には、第2の遠隔システム内の第2の書き込みボード上で電子的に記録された情報を補足的な情報として表示するよう構成されている。前記第2のシステム内の書き込みボード上でなされたメモのペン及びイレイサーの各位置は、コンピュータの中継によって、前記第1のシステム内のプロジェクタに転送され、第1のシステムのボード上に現れる。その逆の場合も同様である。これは、「互いに相手の書き込みボード上に書く」ことを可能とし、地理的に十分離れていても、連帯会議やミーティングを実現可能とする。各書き込みボード上の完全な情報は、1又は複数の外部ユニットに転送され、その全てがここに保持される。異なる書き込みボード上の情報についても、もちろん、各書き込みボードのユーザのスピーチ及び画像を補足的に付けることができる。
【0048】
本発明の第2の側面によれば、本発明は、手書き情報のための表面を備える書き込みボードに関し、その表面は、ここに書かれている情報を電子的に表現したデータを生成するための光学的に読み取り可能な位置符号化パターンを備えている。
【0049】
本発明の第3の側面によれば、本発明は、ペンを用いて製品上に書かれている情報を、電子的に表現したデータを生成するための装置に関し、これは、ペンの現在位置に関し、製品上の位置符号化パターンを検出するよう構成されている光感応検出器と、前記ペンの現在位置に関して前記検出器により検出された前記位置符号化パターンに基づく位置情報を、少なくとも1つの外部ユニットに転送するよう構成されている通信手段と、を備える。
【0050】
本発明の第4の側面によれば、本発明は、イレイサーを用いて製品から消されている情報を、電子的に表現したデータを生成するための装置に関し、これは、現在のイレイサー位置に関し、製品上の位置符号化パターンを検出するよう構成されている光感応検出器と、前記イレイサーの現在位置に関して前記検出器により検出された前記位置符号化パターンに基づく位置情報を、少なくとも1つの外部ユニットに転送するよう構成されている通信手段と、を備える。
【0051】
本発明の第2〜第4の側面による前記書き込みボード及び前記装置の利点は、本システムに関する前述の説明より明らかである。当然、前記書き込みボード及び前記装置の異なる特性に関連する前記記述は、また、本発明の第2〜第4の側面にも適用される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
本発明の好適な実施形態を、添付の図面を参照して、以下に詳細に説明する。
【0053】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る書き込みボードを図示している。
【図2】図2は、図1の書き込みボードの部分拡大図を示している。
【図3】図3は、位置符号化パターンのシンボルをデザインする方法を図示している。
【図4】図4は、1つの位置を符号化するために用いる4×4のシンボルの例を示している。
【図5a】図5aは、異なる位置符号化パターンのサブセットを備えたホワイトボード、及び仮想表面上の対応する座標エリアを図示している。
【図5b】図5bは、異なる位置符号化パターンのサブセットを備えたホワイトボード、及び仮想表面上の対応する座標エリアを図示している。
【図6】図6は、本発明の一実施形態に係る第1の装置を図示している。
【図7】図7は、本発明の一実施形態に係る第2の装置を図示している。
【図8】図8は、第1及び第2の装置が、一つの同じ装置として実装された実施形態を図示している。
【図9】図9は、本発明の一実施形態に係るシステムの構成部品のブロック図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1は、書き込みボード1を示しており、これは、ホワイトボードでよく、書き込み面2を備えている。書き込み面2は、位置符号化パターン3を備えており、これは、以下でより詳細に説明される方法で配列された小さいドット7で構成されている。明確にする目的で、位置符号化パターンは、書き込み面の一部にのみ、しかも拡大されて、図示されている。
【0055】
実際の実施形態において、位置符号化パターン3は、書き込み面の全域に渡って広がっており、前記ドットは、良好な位置解像度を得るよう、より小さいものである。
【0056】
位置符号化パターンは、各種の方法で生成することができる。各位置を単一のシンボルで符号化した位置符号化パターンの一つの方法が、米国特許第5,852,434号に記述されている。しかしながら、本発明においては、各位置が、好適には、複数のシンボルで符号化され、その符号化が、位置符号化パターンの各シンボルが2以上の位置の符号化に寄与するようなものである。これは、2つの隣り合う位置が、幾つかのシンボルを共有することを意味する。このようにして、個々のシンボルをより複雑でなくできるので、より高い解像度が達成され、検出がより容易になる。この種のオーバーラップ又はフローティング位置符号化パターンは、コンピュータを用いて提供することができる。このようなフローティング位置符号化パターンの特別な生成方法が、出願人による1999年5月28日出願のスウェーデン特許出願第9901954−9号に記述され、参照としてここに組み込まれている。
【0057】
以下に、好適な位置符号化パターンを、図2〜4を参照することにより記述する。この位置符号化パターンは、1999年10月1日出願の出願人によるスウェーデン特許出願第9903541−2号の対象であり、参照としてここに組み込まれている。
【0058】
図2は、書き込みボードの拡大した部分を示しており、その表面2には、位置決定を可能とする、光学的に読み取り可能な位置符号化パターン3が備えられる。
【0059】
位置符号化パターンは、仮想ラスターと、複数のシンボル4とを備える。仮想ラスターは、人間の目に見えず、しかもこの表面上の位置を決定する装置によって直接検出することもできないものである。各シンボルは、以下に記述されるように、4つの値「1〜4」の1つを有すると解することができる。
【0060】
位置符号化パターンは、後述する仮想表面上の点の絶対座標が、書き込み面の部分表面上のシンボルによって符号化されるよう、配列されている。第1及び第2の部分表面5a、5bが、図2において点線により示されている。
【0061】
第1の部分表面5aで見つけられる位置符号化パターンのその部分(この例では、4×4のシンボル)は、前記仮想表面の第1の点の座標を符号化し、第2の部分表面5bで見つけられる位置符号化パターンのその部分は、仮想表面の第2の点の座標を符号化する。従って、位置符号化パターンは、隣接する第1及び第2の点により、部分的に共有される。このような位置符号化パターンを、この出願においては、「フローティング」と言う。
【0062】
図3a〜dに、本発明に従う位置符号化パターン内で使用されるシンボルの一実施形態を示す。シンボルは、ラスター線の交差によって表される仮想ラスター点6と、ドットの形をしたマーキング7を備える。シンボルの値は、マーキングが配置される場所に依存する。図3の例では、4種類の場所が可能であり、それぞれは、ラスター点から伸ばした各
ラスター線上にある。ラスター点からのずれ量は、全ての値に対して等しい。次のように、図3aのシンボルは値1、図3bでは値2、図3cでは値3、そして、図3dでは値4になる。言い換えると、シンボルの4つの異なる型が存在する。
【0063】
また、このマーキングやシンボルが、異なる形態を有してもよいことに言及すべきである。例えば、異なるサイズの4つのドット又は異なる形状の4つのドットを、規則的なラスターに配列してもよい。
【0064】
このように、各シンボルは、4つの値「1〜4」を表すことができる。これは、位置符号化パターンが、X座標のための第1の位置コードとY座標のための第2の位置コードに分割できることを意味している。この分割は、以下のようになる。
【0065】
【表1】
【0066】
このように、各シンボル値は、Xコード用の第1の数(この場合はビット)、及びYコード用の第2の数(この場合はビット)に変換される。この方法で、2つの完全に独立したビットパターンが得られる。これらのビットパターンは、図3に従う複数のシンボルによりグラフィカルに符号化される共通パターンに統合することができる。
【0067】
各位置は、複数のシンボルにより符号化される。この例では、二次元、すなわち、X座標とY座標の位置を符号化するために、4×4のシンボルを使用する。
【0068】
位置コードは、1と0の数字列から構成されるが、その数字列には、その数字列内で同じ4ビットの並びが1度しか現れないという特性がある。数字列は循環的なものであり、数字列の終わりを数字列の先頭に結合した場合にも、同様にその特性が適用される。従って、4ビットの並びは、常時、数字列内で一意に決まった位置を持っている。
【0069】
数字列が4ビットの並びに対して前述した特性を持っている場合、その数字列は最大16ビット長にできる。しかし、この例では、以下のように7ビット長の数字列を使用する。
「0001010」
この数字列は、数字列内の位置を以下のように符号化する、7つの一意な4ビットの並びを含む。
【0070】
【表2】
【0071】
X座標の符号化では、符号化される表面全域に渡って、数字列は縦列内に順に書き込まれる。符号化は、隣り合う縦列間における数字の差、すなわち数字列内における位置の離隔に基づく。差の大きさは、縦列を始めるにあたり数字列内におけるどの位置からにするか(すなわち、どの並びを使用するか)によって決まる。具体的には、第1の縦列内の4ビットの並びにより符号化され、従って値(位置)0〜6を持てる数字と、隣り合う縦列内の対応する数字(同じ「レベル」(高さ)にある4ビットの並び)との間の、7を法とする差を取る。そうすると、その結果は、前記2つの縦列に沿ってそのどこで比較がなされたかに拘わらず、同じになる。従って、2つの縦列の差を使用して、Y座標の全てに対して一定であるX座標を符号化できる。
【0072】
この例では、表面上の各位置が4×4のシンボルを使用して符号化されているので、前述したように3個の差(値0〜6を持った)が、X座標の符号化に利用できる。次に、3個の差が、1つは常に値1または2になり、他の2つは3〜6の範囲の値になるように、符号化を行う。結果的に、Xコード内では差が0になるものは許容されない。言い換えると、Xコードは、その差が、(3〜6)(3〜6)(1〜2)(3〜6)(3〜6)(1〜2)(3〜6)(3〜6)(1〜2)…となるように構築される。従って、各X座標は、3と6の間からなる2つの数字、これに続く1つの数字、すなわち1又は2、を使用して符号化される。大きい数字から3を差し引き、小さい数字から1を差し引くと、混合基数の数字が得られ、この数字は直接X方向の位置を与える。そして、この位置から、X座標が、直接決定できる。以上の処理が行われる例について、後述する。
【0073】
前述した原理により、X座標0,1,2...を、3個の差を表す数字を用いて符号化できる。これらの差が、上記の数字列に基づいたビットパターンを使用して符号化される。ビットパターンは最終的に、図2のシンボルを使用してグラフィカルに符号化される。
【0074】
多くの場合、4×4のシンボルを読み込んだとき、X座標を符号化する1つの完全な数字を生成することはできないが、2つの数字の一部ずつを生成することはできる。これらの数字の最下位の部分は、常に1か2であるので、1つの完全な数字を容易に再構築することができる。
【0075】
Y座標は、X座標で使用したのと同じ原理に従って符号化される。循環型の数字列は、位置を符号化する表面に渡って水平行に繰り返して、書き込まれる。X座標の場合とちょうど同じ様に、この行は、数字列内の異なった位置から始める、すなわち、異なる並びを使用して始めることができる。しかし、Y座標に対しては差を使用せず、各行のその数字列の開始位置に基づいた数字を使用して座標を符号化する。4×4のシンボルのX座標が決定された後、4×4のシンボル内のYコード内に含まれている行の数字列内の開始位置を実際に決定できる。Yコードにおいて、最上位桁は、これを特定の範囲内の値を持つただ1つの数にすることによって、判断される。この例では、4つの行の内の1つの行を、その行がY座標の最下位桁に関係していることを示すために、数字列内の位置0〜1から
始め、他の3つの行を数字列内の位置2〜6から始める。従って、Y方向に、(2〜6)(2〜6)(2〜6)(0〜1)(2〜6)(2〜6)(2〜6)(0〜1)(2〜6)…の数字列が存在する。従って、各Y座標は、2と6の間の3個の数字、並びにこれに続く0と1の間の数字を使用して符号化される。
【0076】
小さい数字から0を差し引き、大きい数字から2を差し引くと、X方向と同様な方法で、混合基数でY方向の位置が得られ、この位置からY座標を直接決定できる。
【0077】
上記の方法を使用して、X方向の4×4×2=32個の位置を符号化できる。このような位置のそれぞれは、3個の差に対応しており、3×32=96個の位置を与える。更に、Y方向に5×5×5×2=250個の位置を符号化できる。このような位置のそれぞれは、4行に対応し、4×250=1000個の位置を与える。このように、合計して96000個の位置を符号化できる。しかし、Xの符号化は差に基づいているので、1番目の数字列が始まる位置を選択できる。この1番目の数字列が7個の異なった位置から始められることを考慮すると、7×96000=672000個の位置を符号化できる。X座標が決定された場合、1番目の縦列にある1番目の数字列の開始位置が計算できる。1番目の数字列の前述した7個の異なる開始位置は、紙の異なるシートや、製品上の異なる書き込み面を符号化することも可能である。
【0078】
この実施形態により本発明を更に説明するために、次に、前述した位置コードの実施形態に基づく具体的な例を示す。
図4は、位置を決定する装置によって読み込まれる4×4のシンボルを含む画像の一例を示している。
【0079】
これらの4×4のシンボルは、次の値を持っている。
4 4 4 2
3 2 3 4
4 4 2 4
1 3 2 4
【0080】
これらの値は、次の2進XコードとYコードを表している。
Xコード: Yコード:
0 0 0 0 0 0 0 1
1 0 1 0 0 1 0 0
0 0 0 0 0 0 1 0
1 1 0 0 1 0 1 0
【0081】
縦方向のX並びは、数字列内の位置2 0 4 6を符号化している。縦列間の差は−2 4 2であり、7を法とする剰余は5 4 2になる。これは、混合基数で、(5−3)×8+(4−3)×2+(2−1)=16+2+1=19という位置を符号化する。最初に符号化されるXの位置は位置0であるので、1〜2の範囲内にあって4×4のシンボル内に1つ見られるべきこの差は、20番目の差になる。更に、このような差のそれぞれに対する3つの縦列を合計したものが存在し、開始の縦列が存在するので、4×4のXコードの一番右の縦方向の並びがXコードの61番目(3×20+1=61)の縦列に属し、一番左の縦方向の並びが58番目に属する。
【0082】
横方向のY並びは、数字列内の位置0 4 1 3を符号化する。これらの数字列は、58番目の縦列から始まるので、行の開始位置は、これらの数字から57を引いたものの7を法とする剰余であり、開始位置が6 3 0 2になる。混合基数の数に変換すると、これは6−2、3−2、0−0、2−2=4 1 0 0になる。ここで、3番目の桁
が注目している数字内の最下位桁である。4番目の桁はそうすると次の数字内の最上位桁である。この場合、これは、注目している数字内のものと同じにならなければならない(注目している数字が位置の全てで取り得る最大の数から構成される場合に、例外が発生する。その場合、次の数字の始まりが、注目している数字の始まりよりも1大きくなることが分かる)。
【0083】
そうすると、4桁の数字の位置が、混合基数で、0×50+4×10+1×2+0×1=42になる。
従って、Yコードの3番目の行が、43番目になり、これは0か1の開始位置を持ち、そして、このような行のそれぞれについて全部で4行あるので、3番目の行が43×4=172番になる。
従って、この例で、4×4のシンボルグループに対する一番左上の角の位置が(58,170)になる。
【0084】
4×4のグループのX並びが行170上で始まるので、全パターンのX縦列は、数字列の位置((2 0 4 6)−169)mod7=1 6 3 5から始まる。最後の開始位置(5)と最初の開始位置の間で、数字0〜19が混合基数で符号化され、混合基数での数字0〜19の表記を合計することによって、これらの縦列の間の合計差を得る。これを行なう簡単なアルゴリズムがこれら20個の数字を生成し、直接それらの数を合計することになる。結果の総和をsと呼ぶことにすると、紙のシートや書き込み面は、(5−s)mod7によって得られる。
【0085】
上記の例で、一実施形態が説明され、その中で、各位置は4×4のシンボルを使用して符号化され、7ビットの数字列が使用された。もちろん、これは、ほんの一例にすぎない。位置は、より多くのまたはより少ない数のシンボルを使用して符号化できる。シンボルの数を両方の方向で同じにする必要もない。数字列を異なった長さにし、2進数以外にしても良いし、他の基数に基づくことも可能である。X方向の符号化とY方向の符号化に異なった数字列を使用可能である。シンボルは、異なる個数の値を持つことも可能である。
【0086】
上記の例で、マーキングをドットとしているが、もちろん、別の外観にすることもできる。例えば、マーキングは、仮想ラスター点から始まり、そこから所定の位置に伸びるダッシュから構成できる。また、長方形、三角形、その他の簡単な幾何学形状とすることができる。マーキングは、塗り潰されたものでも、そうでないものでもよい。
【0087】
上記の例では、正方形の形の部分表面内のシンボルが、位置の符号化に使用されている。部分表面は例えば、六角形などの別の形にすることも可能である。シンボルは、互いに90度の角度の行と列に沿って配置される必要はなく、他の方法で配置され得る。
【0088】
位置コードを検出するには、仮想ラスターが決定されなければならない。これは、異なるマーキング間の距離を調べることによって行う。2つのマーキングの間の最も短い距離が、値1と3(水平)又は値2と4(垂直)を持つ2つの隣接したシンボルから導かれなければならない。これによって、これらのマーキングが2つのラスター点の間の1つのラスター線上にあることが特定される。このようなマーキングの組みが検出された場合に、関連するラスター点が、ラスター点間の距離とラスター点からのマーキングのずれ量の知識を使用して決定され得る。1度、2つのラスター点が配置されると、他のマーキングへの測定された距離を使用して、ラスター点間の距離の知識から、次のラスター点が決定できる。
【0089】
極めて多くの一意の位置、より具体的には、これらの位置の絶対座標は、前述の位置符号化パターンによって符号化される。位置符号化パターンを用いて符号化できる全ての位
置乃至点が集まって仮想表面が作られる。この仮想表面の異なる部分は、異なった用途専用にできる。仮想表面のある部分は、例えば、書き込み面専用、更には、ホワイトボードの書き込み面専用にできる。他の部分は、他の機能専用にできる。そして、位置符号化パターンの対応するサブセットは、その特定の機能を実装するために、前記製品上に配置される。このサブセットは、製品の如何なる位置に配置してもよい。つまり、このサブセットにより符号化される1又は複数の位置が、製品上の位置に関連付けられる必要はない。現在の好適な実施形態において、ドット間の公称スペースは、0.3mmである。6×6のドットを含む位置符号化パターンの部分は、それがどこのものであっても、仮想表面上の点の絶対座標を定義する。仮想表面上の各点は、従って、位置符号化パターンの1.8mm×1.8mmのサブセットにより定義される。パターンを読むのに使用される装置のセンサー上で、6×6のドットの位置を決定することによって、仮想表面上の位置は、0.03mmの解像度で、補間により計算することができる。各位置は、それぞれが4つの値のうちの1つを取り得る6×6の点で符号化されているので、全部で、272の位置を符号化できる。これは、上述の点の間の公称スペースを用いた場合、460万km2の表
面に対応する。
【0090】
標準オフセット印刷技術を、位置符号化パターンを印刷するために用いることができる。一般的なカーボンベースのインク、または赤外線光を吸収する他の印刷インクが好適に用いられる。こうすることによって、他の色を、絶対位置符号化パターン上に、そこからの読み取りを妨げることなく、使用できる。
【0091】
前述の位置符号化パターンを備えた表面は、少し灰色がかった表面(濃度1−3%)に見える。
【0092】
上記で説明したよりも多数又は少数のドットが、仮想表面上の各点を定義するのに使用でき、ドット間の距離としてより長いまたは短いものが、パターン内で使用できることは言うまでもない。ここに挙げた例は、位置符号化パターンの現時点における好適な実施形態を示すためだけのものである。
【0093】
既に触れたように、書き込みボードは、位置符号化パターンの第1のサブセットを備えることができる。この第1のサブセットは、図1における書き込みボード上の広い部分に備えられる。しかしながら、書き込みボードは、また、位置符号化パターンの第2のサブセットを備えてよく、この第2のサブセットは、少なくとも1つの座標対、好適には、複数の座標対を符号化しており、手書き情報の部分として解釈されるのではなく、機能又はコマンドとして解釈されるものである。図1において、位置符号化パターンの第2のサブセットは、ボックス8として破線で印されている。好ましくは、第2のサブセットの範囲及び意味が、例えば、テキストによりユーザに明確に示される。書き込みボードは、このような機能/コマンド・ボックスを複数備えることができ、これらには、位置符号化パターンの他の専用サブセットが複数用意される。座標対は、位置符号化パターンを読む装置、又は、その位置情報が送られる外部ユニットの何れかで、コマンド/機能として認識されることができる。
【0094】
図5aは、位置符号化パターンを備えた書き込みボード1を示している。図においては、位置符号化パターンの異なるサブセットが、異なる種類の模様で示されている。書き込みボードは、位置符号化パターンの第1のサブセットを備えた書き込み面3と、位置符号化パターンの第2〜第4のサブセットを備えた3つのコマンド・ボックス8a〜cを有している。図5bは、仮想表面I上の対応する異なる座標エリアを示しており、この対応するエリアは、ダッシュ文字付きの同じ参照符号で示されている。仮想表面は、座標エリア(0,0 ; Xn,0 ; Xn,Ym ; 0,Ym)からなる。位置コードは、書き込みボード全体に渡って連続的なものではなく、異なる座標エリアが、仮想表面の異なる部分に対応し
ていることが明らかにされている。仮想表面上の異なる座標エリアは、異なる機能又はコマンド専用である。これは、書き込み面からの位置情報を解釈する装置の変更を何ら必要とせずに、書き込みボードの新しいレイアウトを生成することが可能になるという利点がある。
【0095】
これに代えて、書き込みボードの全体に、仮想表面上の一つのまとまった座標エリア内における点の座標を符号化する位置符号化パターンのサブセットを備え得る。
【0096】
図6は、第1の位置感知装置の実施形態を示しており、これは、図1の書き込みボード上に、この装置が装着されるペン10を用いて書かれ乃至描かれるものを、電子的に記録するために用いられる。前記装置は、一方の端に開口12を有するケース11を備える。ケース11は、基本的に、光学部品、電子回路部品及び電源を包んでいる。
【0097】
前記光学部品は、書き込みボードの表面1を照明する少なくとも1つの発光ダイオード13、及び、位置符号化パターンを検出するための、CCDやCMOSセンサーなどの光感応検出器14を備える。更に詳細には、検出器は、位置符号化パターン3を含む二次元画像を記録するように構成されている。光学部品は、また、レンズ系(図示せず)を備えてよい。
装置の電源は、ケース11の分離した区画に取り付けられた電池15から供給される。
【0098】
電子回路部品は、信号処理プロセッサ16を含んでおり、これは、検出器14から、好適には1秒間に100画像の周期で、画像を読み、これらの画像に基づいて位置決定を実行するようプログラムされる。更に詳細には、プロセッサは、最初に、画像内のドットの場所を特定し、次いで、この点に対応する座標対を決定する。更に、プロセッサ16は、座標対のつながりを一連のポリゴンに変形し、これによって、位置情報をより効率的に記憶し、転送できるようにする。
プロセッサは、また、時計を備え、これによって、位置情報には、時の指標を付加することができる。
【0099】
更に、前記電子回路部品は、座標対の形式で、又は一連のポリゴンの形式で、更には、他の適当な方法で、位置情報を記憶するメモリー17を備える。電子回路部品は、また、この例においては、トランシーバ20として実装される通信手段を備えており、好適には、ブルートゥース規格に従う短距離無線リンクを使用して、位置情報を、本装置からコンピュータのような外部ユニットに転送する。位置情報は、メモリー17から取り出されるが、情報は、送信障害やエラーが生じた場合に再送できるよう、送信後の所定時間ここに残される。コンピュータへの転送に関連して、ペン10の色に関する情報を、転送することができ、これによって、コンピュータ内のソフトウェアが、書き込みボード1上のテキストの電子コピーを、同じ色を使って生成できるようにする。色情報は、特定の色を示すものとして予め定義されている1又は複数の座標対の形式で送信することができる。また、予め定義されたコマンド、例えば、現在の情報を記憶し、新しいページを開始する、又は、イレイサー・モードからペン・モードに変更するなどのコマンドを、座標対の形式で、コンピュータへ送信できる。
【0100】
更に、前記装置は、ホルダー22を備え、図6において破線で示されるように、ペン10が装着できる。ホルダーは、多くの異なる方法、特に、ペンの種類に依存して、設計することができる。
装置は、また、この装置を起動するためのボタン19を備える。
【0101】
図7は、第2の位置感知装置を示しており、これは、図1の書き込みボードからイレイサー30を使用して消されたものを、電子的に記録するために使用されるよう意図されて
いる。イレイサー30は、破線で示されている。本装置の構成は、図6における装置と同じである。対応する部品は、同じ参照符号により参照される。書き込みボード上の消去されたエリアは、センサー上の位置符号化パターンの角度を有する位置に基づくと共に、イレイサーの消去面のサイズの知識を使用して、決定し得る。
【0102】
ただ1つの装置を使用し、必要とされるときに、ペンからイレイサーへ移し変えることも可能である。この実施形態では、ホルダーが、ペンとイレイサーとの両方に適合できることが前提とされる。この装置は、また、これがイレイサーに使われるのか又はペンに使われるのかを示す何らかの手段、例えば、簡単なスイッチを備えなければならない。イレイサー・モードとペン・モードとの切り替えは、スイッチの代わりに、書き込みボード上の「機能」を使用することによっても実行し得る。すなわち、前記位置感知装置をイレイサーと共に使用するのかそれともペンと共に使用するのかを示すために専用に取り分けられた位置符号化パターンのサブセットを検出することによっても、実行し得る。
【0103】
更に他の可能性は、組み込み式のイレイサーを持ったペンを活用することである。ペンは、一方の端部にペン先を備え、他方の端部にイレイサーを備えることができる。この例においては、位置感知装置は、各端部に1つずつの2つのセンサーを備え、この場合、ペン先とイレイサーのいずれが書き込みボードに向けられているかによって、センサーを選択的に使用する。この例においては、各検出器は1つの目的のために使用されるので、スイッチは必要ない。
【0104】
2つの検出器を備えた位置感知装置は、後部にイレイサーを備えた通常のペンシルと共に使用することもでき、この場合、ペンシルとイレイサーは、紙などの通常の書き込み面に、前記位置符号化パターンを備えたものの上で使用される。
【0105】
図8は、2つの検出器14’及び14”を備えた位置感知装置の実施形態を示しており、これらの検出器は、それぞれペン先30及びイレイサー31の現在位置を検出する。本装置の構成及び機能は、2つの検出器と、これに関連する2つの発光ダイオード13’及び13”があることを除いて、実質的に、図6における装置のそれと同じである。対応する部品は、同じ参照符号によって参照されている。
【0106】
前記ペン先及び前記イレイサーは、また、ペンの同じ側に配置してもよい。このような例においては、単一の検出器を、現在のイレイサーの位置の記録及び現在のペンの位置の記録に、選択的に使用することができる。この場合、イレイサー・モードとペン・モードとを切り替える手段が必要である。
【0107】
図9は、ディスプレイシステムを図示している。このシステムは、書き込みボード40と、関係付けられたペンを用いてボード40上に書かれる情報を記録する第1の位置感知装置41と、関係付けられたイレイサーを用いてボード40から消去される情報を記録する第2の位置感知装置42とを備えている。このシステムは、更に、プロジェクタ43と、記録した位置情報を画像又は画像シーケンスに変換するソフトウェアを備えた外部ユニットとを備え、これによって、手書き情報をディジタル形式で、前記書き込みボード上に表示する。書き込みボード40並びに位置感知装置41及び42については、先に詳細に説明した。プロジェクタ43は、標準的仕様のものであり、全ての「一般的な」プロジェクタの動作を実行できる。これは、コンピュータ、例えば、外部ユニット44に接続されており、外部ユニットは、コンピュータに入力された位置データに基づいて、画像の生成を実現するソフトウェア45を備えている。
【0108】
以下は、本システム内の前記ユニット群が、どのように協働するかを示す簡単な例である。今、講義者が、前述のシステムを設置した講義ホールで、聴講者に講義をし、一人の
生徒が自宅の部屋にいる場合を考える。講義者が、装置41を使用して、書き込みボード40上に”Hello”という語を書くとする。講義者が書き込みボード40上にペン先を置くと、前記装置は、ペンの現在位置における書き込みボードの画像の記録を開始する。画像の連続的な記録が行なわれ、前記装置内のプロセッサは、各画像内に画像化された位置符号化パターンを識別する。前記位置符号化パターンの各記録された画像に基づいて、座標対が生成されるが、これは、書き込みボード上で各画像が取られたところの絶対位置、すなわちペンの現在位置を記述する。このようにして、多数の位置の指標すなわち「点」の形式での描写が得られ、これは、ペンが書き込みボード上をどのように移動したかを示す。この描写は、書かれた情報をディジタルで表現したデータを構成する。規則的な間隔で、これらの点に、多項式が適用される。前述の例で、講義者が注意深く書き込みを行なえば、文字Hは、例えば、それぞれが特定の開始点と終了点をもつ線分で表される3つの一次多項式を生起させる。これらの多項式は、ペンの色を記述した信号と共に、無線通信により講義ホール内の外部ユニット44へ転送される。外部ユニットはインターネットに接続されており、自宅にいる生徒は、従って、外部ユニットに接続でき、リアルタイムで、書き込みボード上に書かれている情報を見ることも、また、後でこの情報をダウンロードすることもできる。自宅にいる生徒が、講義の全ての利益を得られるようにするために、本システムは、また、マイクロフォン46を、講義で話されていることを記録するために備えることができ、また、カメラ47を、離れたところから講義を写すために備えることもでき、これによって、書き込みボードに書かれたメモを補う講義者の話し言葉及び身振りを、同様に記録することができる。外部ユニットを介した生徒の自宅までの通信経路は、書かれた情報のためのものと同じであり、音声及び画像の情報に関するこれらの実装は、当業者であれば容易に達成できる。
【0109】
本システムが、離れたところから参加する人との打ち合わせに使用される場合、共有書き込みボードを生成でき、ここで、遠隔の参加者は、同様に書き込みが行なえる。詳細に言えば、遠隔の参加者は、各人の書き込みボードに書かれる情報を記録するための同種のシステムを有している。この遠隔システムからの情報は、講義ホールの外部ユニット44に転送される。このユニットは、プロジェクタが、講義ホール内の書き込みボード上に、前記第2のシステムからの情報を投影するようにする。同様に、前記第2のシステムは、講義ホール内の書き込みボードからの情報を表示するプロジェクタを備えることができる。プロジェクタを、位置符号化パターンを用いて、例えば、ペンをボードの左上のコーナーから右下のコーナーへ移動することにより、書き込みボードに対してキャリブレーションすることができる。こうして、コンピュータとプロジェクタは、投影される画像を、書き込みボードに合わせることができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、手書き情報の電子的記録のためのシステムに関する。更に、本発明は、これに関連して使用される書き込みボード及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
いろいろなサイズの書き込みボードがあり、いろいろな状況、例えば、講義の中で、或いは、数人のグループがミーティングを開いて、各種の問題に対する解決策を発表し、議論するときに用いられている。多くの状況において、一人が書き込みボード上に書き込みを行い、その間に他の人たちが自分のノートブックに書き込みボードに書かれているものを書き取る。
【0003】
しかしながら、多くの人は、講義で話されていることに集中し、同時にノートを取ることが、大変なことであると感じている。その結果として、講義の一部を聴き損ね、講義で既に説明された課題について、後で質問する必要に迫られる。また、ノートに間違いが書かれるというリスクがある。この問題を解決するために、電子式書き込みボードと呼ばれるものが、近年開発されている。電子式書き込みボードは、ボード上に書かれた全てのものがコンピュータに「記録される」という特性を有する書き込みボードであり、これによって、講義の内容は、講義の最中又はその後で、聴講者に電子的に配送できる。聴講者が講義の内容をダウンロードすると、聴講者はリアルタイムでこれを再現し又はその一部を修正することができ、更に、自身の情報を追加し、これによって、自分自身の講義ノートを作成することができる。実際の講義の間で話された話題について同じ情報が聴講者全員に配送可能であり、講義の間にノートを取る必要がない。これは、聴講者が、講義で話されていること及びボードに書かれていることに、完全に集中できることを意味する。
【0004】
電子式書き込みボードに関する多数の基本原理がある。第1の基本原理は、接触感応表面と呼ばれるものに基づいている。この原理は、しばしば、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれるもので用いられ、ペンが書き込みボードの表面に対して、ボード
の書き込み面が書き込み面に近接して配置した下層面に接触するよう十分に大きな力で、置かれたときに書き込み位置の座標対が生成されるというアイディアに基づいている。ペンが置かれた位置は、電圧分離を用いてアナログ的に測定され、アナログからディジタルに変換され、次いで、処理され、これによって、座標の対、例えば、単一のペン位置のx及びy座標が得られる。位置は、1秒間に数百回測定され、これにより、書き込みボード上で線がどのように引かれているかを追跡できるようになる。接触感応表面の技術に基づく電子式書き込みボードに関連する1つの問題は、書き込みボードのサイズが大型化したときのその表面の平面度に関連して発生する。ペンが書き込みボードに置かれたときに、互いに接触する2つの表面間の距離は、しばしば、1mm又はそれ以下のオーダーとなる。書き込みボードのサイズが大型化したとき、書き込みボードの垂直方向における強度は弱くなり、これが書き込みボードを外部の機械的な影響に対し、より敏感なものにする。一方の表面が歪むと、表面間のショートにより、書き込みボードが使用できなくなる。更に、接触感応式の電子書き込みボードのコストは、そのエリアサイズに比例して増加する。
【0005】
電子式書き込みボード上のペンの位置を記録する他の基本原理は、書き込みボードの表面から近い距離のところで、書き込みボードの表面を横切る光ビームに基づくものであり、この光ビームは、ペン先が電子式書き込みボード上に置かれたときに、切られる。この方法は、古くからあるタッチスクリーンに類似のものである。次いで、プロセッサは、光ビームが切られた位置に基づいて座標対を計算し、連続的な位置測定により、ペンの動き
を追う。更に他の基本原理は、ペンの位置を決定するために、無線周波数範囲における音や波による三角測量を用いている。三角測量を用いたシステムに関する欠点は、電子式書き込みボードが隣り合わせて複数配置されたときに、電子式書き込みボード間での干渉が起こる可能性があることである。
【0006】
更に、三角測量や接触感応表面のようなアナログ式システムには、共通の問題がある。このような問題の1つは、電子式書き込みボードを使用する前に、そのキャリブレーションを行なう必要があることである。また、解像度に関しても制限があり、これは、センサーにより位置を測定できる精度に依存している。アナログ式システムにおいて、解像度は、通常、それぞれ、縦及び横方向における全長の1パーセントのオーダーである。前述の全ての電子式書き込みボードに関連する他の主要な問題は、それらが、信頼性が高く且つ高精度で動作できる必要がある高価な部品を、多く含んでいることであり、これが製造を困難にし、高価なものとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−141104号公報
【特許文献2】特開平8−036452号公報
【特許文献3】特開平11−212691号公報
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、前述の問題を解決し、又は緩和することにある。
【0009】
第1の側面によれば、本発明は、手書き情報の電子的記録のためのシステムに関し、このシステムは、光学的に読み取り可能な位置符号化パターンを備えた製品、前記光学的に読み取り可能な位置符号化パターンに基づいて、前記製品上に書かれている情報を電子的に表現したデータを生成するよう構成された第1の装置、及び前記光学的に読み取り可能な位置符号化パターンに基づいて、イレイサーを用いて前記製品から消去されている情報を電子的に表現したデータを生成するよう構成された第2の装置を備える。
【0010】
前記製品は、好ましくは、書き込みボードであるが、例えば、プラスティック・フィルムであってもよい。後者の場合、プラスティック・フィルムが、光学的に読み取り可能な位置符号化パターンを備えており、使用に際し、書き込みボード上に置かれる。
【0011】
前記製品上に書かれたものの全て、及び前記製品から消されたものの全ては、電子的に記録されているので、このシステムは、例えば、講義の間にホワイトボード上で起こったことを「記録する」ために用いることができ、リアルタイムに又は後から、ホワイトボードにどのように情報が生成され、変更されたかを、正確にコンピュータ・スクリーン上に表示させることができるようになる。これが、比較的に簡単で安価な方法で実現できることになる。
【0012】
情報の消去を記録することの可能性は、ボード上に書かれている情報の記録だけをする場合に生じる情報の重なり合いの問題を解決するので、特に価値がある。
【0013】
この消去は、前記書き込みと全く同じ方法、すなわち、消去ペンを用いて、消去する既に書かれた情報の筆跡を追うことによって実行し得る。しかしながら、イレイサーの消去面は、通常、書き込みペンの書き込み面より十分に大きく、これによって、より効果的な消去操作が提供できる。これは、前記製品から情報が消去されるときには、製品に情報が書き込まれるときのような単一のペンの位置の代わりに、消去エリアを追跡すればよいことを意味する。
【0014】
前記書き込みボードは、特に、白又は淡い色の書き込み表面を備えたホワイトボードのタイプで、ホワイトボード・ペンを使用して書くことができるものとすることができる。
【0015】
本発明によるシステムと従来のシステムとの本質的な違いは、前者が、光学的に読み取り可能な位置符号化パターンを備えていることであり、これが、情報がどこに書かれているか、更には、何が書かれているかの判断を可能とする。更に詳細には、前記位置符号化パターンに基づいて、情報が書かれている間に、ペンの極めて多数の連続した位置を識別することによって、ペン先が位置符号化パターン上に置かれた瞬間から、それがそこから持ち上げられるまでのペンの動きを追跡することが可能となり、従って、位置符号化パターン上に書かれ乃至描かれた全てのものの電子的記録ができる。
【0016】
このパターンが光学的に読み取り可能な手段であるという事実は、その光を反射、吸収、放射、透過する能力が、その背景のそれとは異なっていることを示しており、これによって、このパターンは光感応検出器によって検出可能となる。しかしながら、パターンを可視光で読み取れるようにする必要はない。これは、例えば、赤外線の範囲で読めるものであってよい。このようにして、位置符号化パターンを、ユーザに見えないようにすることができ、これによって、ユーザは目障りにならないであろう。更に、ペンによりボードに適用されるインクや他の物質を、赤外光に対し透過にすることができ、これによって、インクや他の物質が、位置符号化パターンと干渉しない。
【0017】
位置符号化パターンは、書き込みボードに対して、その製造の時に適用しても、又は、例えば、後に書き込みボードに適用するプラスティック・フィルム上に印刷してもよい。
【0018】
更に、位置符号化パターンを書き込みボードに適用する費用、又は位置符号化パターンを備えた書き込みボードを製造する費用は、極めて安価である。
【0019】
したがって、あらゆるサイズ、特に、大きなエリアをもった書き込みボードは、背景説明に記述したタイプの電子式書き込みボードに比して、より安く製造できる。
【0020】
その解像度は、従来技術に比して改善可能である。これは、光学的に読み取り可能な位置符号化パターンを用いることにより、書き込みボード上のペンの位置のアナログ的測定により提供される精度よりも、高い精度が得られるためである。
【0021】
位置符号化パターンは、異なる書き込みボード間で違うものとすることができ、これによって、現在の情報が書かれ乃至描かれている書き込みボードを自動的に追跡できるようになる。これに代えて、情報の電子的記録のための装置にスイッチを備え、ユーザが書き込みボードを変えたときに、これを切り替えるようにしてもよい。書き込みボードは受動的なものなので、前述した、近接して置かれた複数の動作中の書き込みボードにおける相互の干渉の問題を回避することができる。
【0022】
前記第1及び第2の装置は、2つの分離したカバー内の2つの物理的に分離した装置として実装することができ、これらは、本質的に、同じ部品を備え、本質的に同じように動作する。この実施形態は、最も一般的なホワイトボード・システムが、分離したホワイトボード・ペンとイレイサーとを有しているということから有利である。
【0023】
これに代えて、前記第1及び第2の装置は、1つのカバー内に統合することもできる。この統合は、カバー内に、それぞれが各機能に供される同じ部品の2つのセットを備えるよう、単に物理的な統合とすることができる。また、装置が、選択的に両機能のために使用できる共通の部品セットを有するように、機能的な統合としてもよい。後者の場合、ユ
ーザは、その機能が切り替えられるときを指示しなければならず、これによって、一方の機能(装置)のみがその時に使用できるようにする。以上の場合、前記第1及び第2の装置は、一つの同じ装置として実装されることになる。更に別の実施形態として、幾つかの部品は2セット用意し、幾つかは共有するようにしてもよい。
【0024】
本発明の好適な実施形態においては、前記第1及び第2の装置のそれぞれは、前記製品上の現在の位置に関する位置符号化パターンを検出するよう構成された光感応検出器と、前記光感応検出器により検出された前記現在の位置に関する位置符号化パターンに基づく位置情報を、少なくとも1つの外部ユニットへ転送するよう構成された通信手段と、を備える。
【0025】
前記検出器は、位置符号化パターンを記録する能力のあるあらゆるタイプのものであってよい。しかしながら、好ましくは、位置符号化パターンの画像を記録するエリアセンサーを備えるものがよい。
【0026】
前記通信手段は、前記位置情報を無線転送するための送信機又はトランシーバ、例えば、赤外線送信機、超音波送信機又は無線周波数送信機などとして実装できる。好ましくは、ブルートゥース規格に従って動作する短距離無線トランシーバがよい。前記外部ユニットは、好ましくは、コンピュータであり、前記第1及び第2の装置から前記位置情報を受信する受信機を備えている。次いで、情報は、前記外部ユニットから、聴講者や、書き込みボード上の情報に精通したい他の個人へ配送することができる。この配送は、例えばイントラネットやインターネットなどのコンピュータネットワークによって、相応に実施できる。前記位置情報は、また、聴講者のコンピュータなどの複数の外部ユニットに直接転送することができ、これによって、書き込みボード上に情報が書かれている間に、これらのユニットに直接その情報を記憶させることができる。
【0027】
前記装置は、それが本質的に、外部ユニットへ、前記検出器で検出した位置符号化パターンを転送するためだけのものとして、設計することができる(この場合、外部ユニットが、位置符号化パターンを解釈する)。しかしながら、これには、極めて大量の帯域幅及び高速送信が必要とされる。送信に関連して必要とされる帯域幅の量を少なくするために、ある程度の位置情報の処理、例えば、位置符号化パターン内のシンボルの場所を求める処理を、前記装置内で実行することが好ましい。好適な実施形態においては、前記第1及び第2の装置はプロセッサを備え、これが、前記検出器により検出した位置符号化パターンを解釈し、これを現在の位置の座標対に変換するよう構成されており、前記通信手段により転送される位置情報は、前記座標対を含む。
【0028】
前記装置は、好ましくは、連続する現在位置に対する位置情報を記憶するためのメモリーを備え、これによって、前記書き込みボードに書かれ又は消されている情報の少なくとも一部の記憶を可能とする。このようにして、前記外部ユニットへの送信の障害を許容できる。要求されるメモリーのサイズを縮小するために、前記検出器からの情報を解釈して少ないメモリーで足りるフォーマットに変換可能なプロセッサを備えることが、前記装置にとっての利点となる。
【0029】
更に、前記外部ユニットに転送しなければならない情報の量を削減するために、前記第1及び第2の装置内の前記プロセッサは、好ましくは、元となる連続する現在位置の座標対を、一連のポリゴンに変換するよう構成されており、前記通信手段により転送される位置情報は、前記一連のポリゴンを含む。
【0030】
より具体的には、プロセッサは、最初に、検出位置の座標対を転送し、次いで、次の検出位置に対する距離及び方向を示す1又は複数のベクトルを転送し、これに次いで、検出
位置の座標対を再度転送してよい。ユーザが直線を描いたとき、プロセッサは、線の開始から終りまでの各位置の座標対を転送する必要はなく、線の開始位置の座標対と、その終りを示すベクトルとを転送するだけでよい。座標対、すなわち絶対位置は、書かれた情報の正確な再現物を得るために、好ましくは、少なくとも1秒間隔で転送すべきである。
【0031】
情報を電子的に表現したデータは、従って、位置符号化パターンを電子的に表現したデータであってもよいし、ボード上のペン又はイレイサーの動きを記述する圧縮されたデータであってもよいし、前者から後者までの間のどのようなデータであってもよい。
【0032】
前記プロセッサは、また、位置情報を検出した時間を転送してもよく、これによって、位置情報が同時に記録された他の情報と同期できる。
【0033】
1つの実施形態において、前記製品上の位置符号化パターンは、絶対位置符号化パターンの第1のサブセットを備え、この第1のサブセットは、仮想表面上の第1の座標エリア内の点の座標を符号化している。前記仮想表面は、前記絶対位置符号化パターンが符号化可能な全ての点を備えるものである。この仮想表面上で、前記第1の座標エリアは、手書き情報を受け取るという特定用途のために専用に取り分けられている。
【0034】
このように、前記製品上の位置符号化パターンは、書き込みボード上で必要とされる位置の数よりも多い位置を符号化できるように、設計されることが可能である。特に、これは、情報取り扱いシステムの一部であってよく、このシステムでは、異なる座標エリアは異なる目的のために専用に取り分けられたものである。このようにして、書き込みボードからの電子位置情報は、常に、前記絶対座標を用いて認識され、それに応じて取り扱われる。
【0035】
更に他の実施形態において、前記位置符号化パターンにより符号化される少なくとも1つの位置は、手書き情報の電子的記録に関連して実行される機能のために専用に取り分けられたものである。
【0036】
ユーザは、特定のコマンドやメッセージを、位置情報を受け取る外部ユニットに送信することを望むかもしれない。これは、特に、この目的のために専用に取り分けられて前記製品上に予め定義された1又は複数の位置における位置符号化パターンを読むことによって、スムーズに達成し得る。ユーザは、例えば、書き込みボード上の全ての情報を消去することを望むかもしれない。イレイサーを使用して書き込みボード全域の全ての位置の消去を記録することに代えて、ユーザは、書き込みボード上の特定の位置にペンを置くことによって、新たな白紙のページに変わるように外部ユニットに指示することができる。前記外部ユニットが、この位置における位置符号化パターンにより符号化された座標対を受け取ると、この座標対を、新しいページに変えるためのコマンドとして認識する(ゆえに、書き込みボード上に書かれた情報の一部としては認識しない)。
【0037】
このようにして、多くの機能を実装できる。書き込みボードに書き込みを行なうときに使用するペンの色を、外部ユニットに知らせる色替え機能は、特に有用であろう。書き込みボード上のペン・ストロークの属性を変更する他の機能、例えば、ペン先の太さやカリグラフィ・ペンの使用などの属性を変更する機能もまた、有用であろう。
【0038】
有用な実施形態において、前記機能のために専用に取り分けられた少なくとも1つの位置は、広大な絶対位置符号化パターンの第2のサブセットにより符号化され、この第2のサブセットは、前記仮想表面上の第2の座標エリア内の少なくとも1つの点の座標を符号化している。前記第2の座標エリアは、前記機能のために専用に取り分けられている。
【0039】
この第2のセブセットは、前記第1のサブセットにより符号化される位置と連続する位置を符号化する必要はない。のみならず、これらは、いずれも、書き込みボード上における実際の位置と如何なる関連を持つ必要もない。
【0040】
前記第1の装置は、好適には、一般的な書き込みボード・ペンやホワイトボード・ペンに装着される装置として実装可能である。この目的のために、第1の装置は、好適には、この種のペン用の、ホルダーを備える。この実施形態における利点は、この装置を異なるペン間で移動できることであり、これは、1又は複数のユーザが、異なるペンの使用を望む場合や、幾つかのペンが使えなくなり、その交換が必要となるときでも、各書き込みボードに対し、ただ1つの装置があればよいことを意味している。
【0041】
前記ホルダーは、これにペンを装着し又はこれと逆にペンをホルダーに装着するのに適したあらゆるホルダーであってよい。これは、機械式ホルダー、磁気式ホルダー、接着ホルダーなどとすることができる。
【0042】
これに代えて、前記第1の装置は、書き込みボード上に書き込みを行なうペンをも備えるよう構成できる。この場合、ペンは、装置の一体化した部分を構成する。この実施形態における利点は、ペンと前記検出器との相対的位置を容易に固定できることにある。
【0043】
同様に、前記第2の装置は、イレイサーに装着される装置として実装することもできるし、あるいは、イレイサーを一体化した部分として備える装置として実装することもできる。
【0044】
本システムは、好ましくは、また、書き込みボード上の情報を、スクリーンに表示するソフトウェアを備え、この表示は、書き込みボード上に書かれ又は消されている情報を電子的に表現したデータに基づいて行なう。このソフトウェアは、従って、記録したペン及びイレイサーの位置に基づいて、書き込みボード上の情報を画像化する電子画像又は画像シーケンスを生成する。このソフトウェアは、複数の人が同じスクリーンを見れるように、大型のスクリーンに接続された中央装置にインストールすることができ、また、各聴講者が書き込みボード上に書かれたメモの個人用コピーを得られるように、各聴講者のコンピュータにインストールすることもできる。あるいは、スクリーン上に情報を表示可能な他の何らかのコンピュータにインストールすることもできる。この情報は、好ましくは、一連のポリゴンの形で配送され、これによって、少量のデータの転送だけで済む。次いで、ソフトウェアは、転送された一連のポリゴンを、書き込みボード上の情報の、生成された電子的表現における曲線、すなわち「画像」として表す。
【0045】
好適な実施形態において、本システムは、また、書き込みボード上の情報の書き込み又は消去に関連してスピーチを記録するマイクロフォン、及びこの記録したスピーチを外部ユニットに転送する手段を備える。これは、例えば、書き込みボードに書かれている情報の講義者による説明を、記録することを可能とし、更に、これを、聴講者に配送する目的で外部ユニットに転送することを可能とする。必要ならば、本システムには、書き込みボードに書き込みを行なっている人物の動きを記録するカメラを備え付けてもよい。このようにして、補足的な画像情報を、後で講義の最善の再現を得る目的で、配送することができる。
【0046】
好適には、本システムは、また、書き込みボード上に補足的な情報を投影するよう構成されたプロジェクタを備える。この補足的な情報は、例えば、講義者が後から書き込みボード上に追加した手書きメモの全体画像又は部分画像からなってよく、これにより、プレゼンテーションの自由度が高まる。
【0047】
前記プロジェクタは、好適には、第2の遠隔システム内の第2の書き込みボード上で電子的に記録された情報を補足的な情報として表示するよう構成されている。前記第2のシステム内の書き込みボード上でなされたメモのペン及びイレイサーの各位置は、コンピュータの中継によって、前記第1のシステム内のプロジェクタに転送され、第1のシステムのボード上に現れる。その逆の場合も同様である。これは、「互いに相手の書き込みボード上に書く」ことを可能とし、地理的に十分離れていても、連帯会議やミーティングを実現可能とする。各書き込みボード上の完全な情報は、1又は複数の外部ユニットに転送され、その全てがここに保持される。異なる書き込みボード上の情報についても、もちろん、各書き込みボードのユーザのスピーチ及び画像を補足的に付けることができる。
【0048】
本発明の第2の側面によれば、本発明は、手書き情報のための表面を備える書き込みボードに関し、その表面は、ここに書かれている情報を電子的に表現したデータを生成するための光学的に読み取り可能な位置符号化パターンを備えている。
【0049】
本発明の第3の側面によれば、本発明は、ペンを用いて製品上に書かれている情報を、電子的に表現したデータを生成するための装置に関し、これは、ペンの現在位置に関し、製品上の位置符号化パターンを検出するよう構成されている光感応検出器と、前記ペンの現在位置に関して前記検出器により検出された前記位置符号化パターンに基づく位置情報を、少なくとも1つの外部ユニットに転送するよう構成されている通信手段と、を備える。
【0050】
本発明の第4の側面によれば、本発明は、イレイサーを用いて製品から消されている情報を、電子的に表現したデータを生成するための装置に関し、これは、現在のイレイサー位置に関し、製品上の位置符号化パターンを検出するよう構成されている光感応検出器と、前記イレイサーの現在位置に関して前記検出器により検出された前記位置符号化パターンに基づく位置情報を、少なくとも1つの外部ユニットに転送するよう構成されている通信手段と、を備える。
【0051】
本発明の第2〜第4の側面による前記書き込みボード及び前記装置の利点は、本システムに関する前述の説明より明らかである。当然、前記書き込みボード及び前記装置の異なる特性に関連する前記記述は、また、本発明の第2〜第4の側面にも適用される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
本発明の好適な実施形態を、添付の図面を参照して、以下に詳細に説明する。
【0053】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る書き込みボードを図示している。
【図2】図2は、図1の書き込みボードの部分拡大図を示している。
【図3】図3は、位置符号化パターンのシンボルをデザインする方法を図示している。
【図4】図4は、1つの位置を符号化するために用いる4×4のシンボルの例を示している。
【図5a】図5aは、異なる位置符号化パターンのサブセットを備えたホワイトボード、及び仮想表面上の対応する座標エリアを図示している。
【図5b】図5bは、異なる位置符号化パターンのサブセットを備えたホワイトボード、及び仮想表面上の対応する座標エリアを図示している。
【図6】図6は、本発明の一実施形態に係る第1の装置を図示している。
【図7】図7は、本発明の一実施形態に係る第2の装置を図示している。
【図8】図8は、第1及び第2の装置が、一つの同じ装置として実装された実施形態を図示している。
【図9】図9は、本発明の一実施形態に係るシステムの構成部品のブロック図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1は、書き込みボード1を示しており、これは、ホワイトボードでよく、書き込み面2を備えている。書き込み面2は、位置符号化パターン3を備えており、これは、以下でより詳細に説明される方法で配列された小さいドット7で構成されている。明確にする目的で、位置符号化パターンは、書き込み面の一部にのみ、しかも拡大されて、図示されている。
【0055】
実際の実施形態において、位置符号化パターン3は、書き込み面の全域に渡って広がっており、前記ドットは、良好な位置解像度を得るよう、より小さいものである。
【0056】
位置符号化パターンは、各種の方法で生成することができる。各位置を単一のシンボルで符号化した位置符号化パターンの一つの方法が、米国特許第5,852,434号に記述されている。しかしながら、本発明においては、各位置が、好適には、複数のシンボルで符号化され、その符号化が、位置符号化パターンの各シンボルが2以上の位置の符号化に寄与するようなものである。これは、2つの隣り合う位置が、幾つかのシンボルを共有することを意味する。このようにして、個々のシンボルをより複雑でなくできるので、より高い解像度が達成され、検出がより容易になる。この種のオーバーラップ又はフローティング位置符号化パターンは、コンピュータを用いて提供することができる。このようなフローティング位置符号化パターンの特別な生成方法が、出願人による1999年5月28日出願のスウェーデン特許出願第9901954−9号に記述され、参照としてここに組み込まれている。
【0057】
以下に、好適な位置符号化パターンを、図2〜4を参照することにより記述する。この位置符号化パターンは、1999年10月1日出願の出願人によるスウェーデン特許出願第9903541−2号の対象であり、参照としてここに組み込まれている。
【0058】
図2は、書き込みボードの拡大した部分を示しており、その表面2には、位置決定を可能とする、光学的に読み取り可能な位置符号化パターン3が備えられる。
【0059】
位置符号化パターンは、仮想ラスターと、複数のシンボル4とを備える。仮想ラスターは、人間の目に見えず、しかもこの表面上の位置を決定する装置によって直接検出することもできないものである。各シンボルは、以下に記述されるように、4つの値「1〜4」の1つを有すると解することができる。
【0060】
位置符号化パターンは、後述する仮想表面上の点の絶対座標が、書き込み面の部分表面上のシンボルによって符号化されるよう、配列されている。第1及び第2の部分表面5a、5bが、図2において点線により示されている。
【0061】
第1の部分表面5aで見つけられる位置符号化パターンのその部分(この例では、4×4のシンボル)は、前記仮想表面の第1の点の座標を符号化し、第2の部分表面5bで見つけられる位置符号化パターンのその部分は、仮想表面の第2の点の座標を符号化する。従って、位置符号化パターンは、隣接する第1及び第2の点により、部分的に共有される。このような位置符号化パターンを、この出願においては、「フローティング」と言う。
【0062】
図3a〜dに、本発明に従う位置符号化パターン内で使用されるシンボルの一実施形態を示す。シンボルは、ラスター線の交差によって表される仮想ラスター点6と、ドットの形をしたマーキング7を備える。シンボルの値は、マーキングが配置される場所に依存する。図3の例では、4種類の場所が可能であり、それぞれは、ラスター点から伸ばした各
ラスター線上にある。ラスター点からのずれ量は、全ての値に対して等しい。次のように、図3aのシンボルは値1、図3bでは値2、図3cでは値3、そして、図3dでは値4になる。言い換えると、シンボルの4つの異なる型が存在する。
【0063】
また、このマーキングやシンボルが、異なる形態を有してもよいことに言及すべきである。例えば、異なるサイズの4つのドット又は異なる形状の4つのドットを、規則的なラスターに配列してもよい。
【0064】
このように、各シンボルは、4つの値「1〜4」を表すことができる。これは、位置符号化パターンが、X座標のための第1の位置コードとY座標のための第2の位置コードに分割できることを意味している。この分割は、以下のようになる。
【0065】
【表1】
【0066】
このように、各シンボル値は、Xコード用の第1の数(この場合はビット)、及びYコード用の第2の数(この場合はビット)に変換される。この方法で、2つの完全に独立したビットパターンが得られる。これらのビットパターンは、図3に従う複数のシンボルによりグラフィカルに符号化される共通パターンに統合することができる。
【0067】
各位置は、複数のシンボルにより符号化される。この例では、二次元、すなわち、X座標とY座標の位置を符号化するために、4×4のシンボルを使用する。
【0068】
位置コードは、1と0の数字列から構成されるが、その数字列には、その数字列内で同じ4ビットの並びが1度しか現れないという特性がある。数字列は循環的なものであり、数字列の終わりを数字列の先頭に結合した場合にも、同様にその特性が適用される。従って、4ビットの並びは、常時、数字列内で一意に決まった位置を持っている。
【0069】
数字列が4ビットの並びに対して前述した特性を持っている場合、その数字列は最大16ビット長にできる。しかし、この例では、以下のように7ビット長の数字列を使用する。
「0001010」
この数字列は、数字列内の位置を以下のように符号化する、7つの一意な4ビットの並びを含む。
【0070】
【表2】
【0071】
X座標の符号化では、符号化される表面全域に渡って、数字列は縦列内に順に書き込まれる。符号化は、隣り合う縦列間における数字の差、すなわち数字列内における位置の離隔に基づく。差の大きさは、縦列を始めるにあたり数字列内におけるどの位置からにするか(すなわち、どの並びを使用するか)によって決まる。具体的には、第1の縦列内の4ビットの並びにより符号化され、従って値(位置)0〜6を持てる数字と、隣り合う縦列内の対応する数字(同じ「レベル」(高さ)にある4ビットの並び)との間の、7を法とする差を取る。そうすると、その結果は、前記2つの縦列に沿ってそのどこで比較がなされたかに拘わらず、同じになる。従って、2つの縦列の差を使用して、Y座標の全てに対して一定であるX座標を符号化できる。
【0072】
この例では、表面上の各位置が4×4のシンボルを使用して符号化されているので、前述したように3個の差(値0〜6を持った)が、X座標の符号化に利用できる。次に、3個の差が、1つは常に値1または2になり、他の2つは3〜6の範囲の値になるように、符号化を行う。結果的に、Xコード内では差が0になるものは許容されない。言い換えると、Xコードは、その差が、(3〜6)(3〜6)(1〜2)(3〜6)(3〜6)(1〜2)(3〜6)(3〜6)(1〜2)…となるように構築される。従って、各X座標は、3と6の間からなる2つの数字、これに続く1つの数字、すなわち1又は2、を使用して符号化される。大きい数字から3を差し引き、小さい数字から1を差し引くと、混合基数の数字が得られ、この数字は直接X方向の位置を与える。そして、この位置から、X座標が、直接決定できる。以上の処理が行われる例について、後述する。
【0073】
前述した原理により、X座標0,1,2...を、3個の差を表す数字を用いて符号化できる。これらの差が、上記の数字列に基づいたビットパターンを使用して符号化される。ビットパターンは最終的に、図2のシンボルを使用してグラフィカルに符号化される。
【0074】
多くの場合、4×4のシンボルを読み込んだとき、X座標を符号化する1つの完全な数字を生成することはできないが、2つの数字の一部ずつを生成することはできる。これらの数字の最下位の部分は、常に1か2であるので、1つの完全な数字を容易に再構築することができる。
【0075】
Y座標は、X座標で使用したのと同じ原理に従って符号化される。循環型の数字列は、位置を符号化する表面に渡って水平行に繰り返して、書き込まれる。X座標の場合とちょうど同じ様に、この行は、数字列内の異なった位置から始める、すなわち、異なる並びを使用して始めることができる。しかし、Y座標に対しては差を使用せず、各行のその数字列の開始位置に基づいた数字を使用して座標を符号化する。4×4のシンボルのX座標が決定された後、4×4のシンボル内のYコード内に含まれている行の数字列内の開始位置を実際に決定できる。Yコードにおいて、最上位桁は、これを特定の範囲内の値を持つただ1つの数にすることによって、判断される。この例では、4つの行の内の1つの行を、その行がY座標の最下位桁に関係していることを示すために、数字列内の位置0〜1から
始め、他の3つの行を数字列内の位置2〜6から始める。従って、Y方向に、(2〜6)(2〜6)(2〜6)(0〜1)(2〜6)(2〜6)(2〜6)(0〜1)(2〜6)…の数字列が存在する。従って、各Y座標は、2と6の間の3個の数字、並びにこれに続く0と1の間の数字を使用して符号化される。
【0076】
小さい数字から0を差し引き、大きい数字から2を差し引くと、X方向と同様な方法で、混合基数でY方向の位置が得られ、この位置からY座標を直接決定できる。
【0077】
上記の方法を使用して、X方向の4×4×2=32個の位置を符号化できる。このような位置のそれぞれは、3個の差に対応しており、3×32=96個の位置を与える。更に、Y方向に5×5×5×2=250個の位置を符号化できる。このような位置のそれぞれは、4行に対応し、4×250=1000個の位置を与える。このように、合計して96000個の位置を符号化できる。しかし、Xの符号化は差に基づいているので、1番目の数字列が始まる位置を選択できる。この1番目の数字列が7個の異なった位置から始められることを考慮すると、7×96000=672000個の位置を符号化できる。X座標が決定された場合、1番目の縦列にある1番目の数字列の開始位置が計算できる。1番目の数字列の前述した7個の異なる開始位置は、紙の異なるシートや、製品上の異なる書き込み面を符号化することも可能である。
【0078】
この実施形態により本発明を更に説明するために、次に、前述した位置コードの実施形態に基づく具体的な例を示す。
図4は、位置を決定する装置によって読み込まれる4×4のシンボルを含む画像の一例を示している。
【0079】
これらの4×4のシンボルは、次の値を持っている。
4 4 4 2
3 2 3 4
4 4 2 4
1 3 2 4
【0080】
これらの値は、次の2進XコードとYコードを表している。
Xコード: Yコード:
0 0 0 0 0 0 0 1
1 0 1 0 0 1 0 0
0 0 0 0 0 0 1 0
1 1 0 0 1 0 1 0
【0081】
縦方向のX並びは、数字列内の位置2 0 4 6を符号化している。縦列間の差は−2 4 2であり、7を法とする剰余は5 4 2になる。これは、混合基数で、(5−3)×8+(4−3)×2+(2−1)=16+2+1=19という位置を符号化する。最初に符号化されるXの位置は位置0であるので、1〜2の範囲内にあって4×4のシンボル内に1つ見られるべきこの差は、20番目の差になる。更に、このような差のそれぞれに対する3つの縦列を合計したものが存在し、開始の縦列が存在するので、4×4のXコードの一番右の縦方向の並びがXコードの61番目(3×20+1=61)の縦列に属し、一番左の縦方向の並びが58番目に属する。
【0082】
横方向のY並びは、数字列内の位置0 4 1 3を符号化する。これらの数字列は、58番目の縦列から始まるので、行の開始位置は、これらの数字から57を引いたものの7を法とする剰余であり、開始位置が6 3 0 2になる。混合基数の数に変換すると、これは6−2、3−2、0−0、2−2=4 1 0 0になる。ここで、3番目の桁
が注目している数字内の最下位桁である。4番目の桁はそうすると次の数字内の最上位桁である。この場合、これは、注目している数字内のものと同じにならなければならない(注目している数字が位置の全てで取り得る最大の数から構成される場合に、例外が発生する。その場合、次の数字の始まりが、注目している数字の始まりよりも1大きくなることが分かる)。
【0083】
そうすると、4桁の数字の位置が、混合基数で、0×50+4×10+1×2+0×1=42になる。
従って、Yコードの3番目の行が、43番目になり、これは0か1の開始位置を持ち、そして、このような行のそれぞれについて全部で4行あるので、3番目の行が43×4=172番になる。
従って、この例で、4×4のシンボルグループに対する一番左上の角の位置が(58,170)になる。
【0084】
4×4のグループのX並びが行170上で始まるので、全パターンのX縦列は、数字列の位置((2 0 4 6)−169)mod7=1 6 3 5から始まる。最後の開始位置(5)と最初の開始位置の間で、数字0〜19が混合基数で符号化され、混合基数での数字0〜19の表記を合計することによって、これらの縦列の間の合計差を得る。これを行なう簡単なアルゴリズムがこれら20個の数字を生成し、直接それらの数を合計することになる。結果の総和をsと呼ぶことにすると、紙のシートや書き込み面は、(5−s)mod7によって得られる。
【0085】
上記の例で、一実施形態が説明され、その中で、各位置は4×4のシンボルを使用して符号化され、7ビットの数字列が使用された。もちろん、これは、ほんの一例にすぎない。位置は、より多くのまたはより少ない数のシンボルを使用して符号化できる。シンボルの数を両方の方向で同じにする必要もない。数字列を異なった長さにし、2進数以外にしても良いし、他の基数に基づくことも可能である。X方向の符号化とY方向の符号化に異なった数字列を使用可能である。シンボルは、異なる個数の値を持つことも可能である。
【0086】
上記の例で、マーキングをドットとしているが、もちろん、別の外観にすることもできる。例えば、マーキングは、仮想ラスター点から始まり、そこから所定の位置に伸びるダッシュから構成できる。また、長方形、三角形、その他の簡単な幾何学形状とすることができる。マーキングは、塗り潰されたものでも、そうでないものでもよい。
【0087】
上記の例では、正方形の形の部分表面内のシンボルが、位置の符号化に使用されている。部分表面は例えば、六角形などの別の形にすることも可能である。シンボルは、互いに90度の角度の行と列に沿って配置される必要はなく、他の方法で配置され得る。
【0088】
位置コードを検出するには、仮想ラスターが決定されなければならない。これは、異なるマーキング間の距離を調べることによって行う。2つのマーキングの間の最も短い距離が、値1と3(水平)又は値2と4(垂直)を持つ2つの隣接したシンボルから導かれなければならない。これによって、これらのマーキングが2つのラスター点の間の1つのラスター線上にあることが特定される。このようなマーキングの組みが検出された場合に、関連するラスター点が、ラスター点間の距離とラスター点からのマーキングのずれ量の知識を使用して決定され得る。1度、2つのラスター点が配置されると、他のマーキングへの測定された距離を使用して、ラスター点間の距離の知識から、次のラスター点が決定できる。
【0089】
極めて多くの一意の位置、より具体的には、これらの位置の絶対座標は、前述の位置符号化パターンによって符号化される。位置符号化パターンを用いて符号化できる全ての位
置乃至点が集まって仮想表面が作られる。この仮想表面の異なる部分は、異なった用途専用にできる。仮想表面のある部分は、例えば、書き込み面専用、更には、ホワイトボードの書き込み面専用にできる。他の部分は、他の機能専用にできる。そして、位置符号化パターンの対応するサブセットは、その特定の機能を実装するために、前記製品上に配置される。このサブセットは、製品の如何なる位置に配置してもよい。つまり、このサブセットにより符号化される1又は複数の位置が、製品上の位置に関連付けられる必要はない。現在の好適な実施形態において、ドット間の公称スペースは、0.3mmである。6×6のドットを含む位置符号化パターンの部分は、それがどこのものであっても、仮想表面上の点の絶対座標を定義する。仮想表面上の各点は、従って、位置符号化パターンの1.8mm×1.8mmのサブセットにより定義される。パターンを読むのに使用される装置のセンサー上で、6×6のドットの位置を決定することによって、仮想表面上の位置は、0.03mmの解像度で、補間により計算することができる。各位置は、それぞれが4つの値のうちの1つを取り得る6×6の点で符号化されているので、全部で、272の位置を符号化できる。これは、上述の点の間の公称スペースを用いた場合、460万km2の表
面に対応する。
【0090】
標準オフセット印刷技術を、位置符号化パターンを印刷するために用いることができる。一般的なカーボンベースのインク、または赤外線光を吸収する他の印刷インクが好適に用いられる。こうすることによって、他の色を、絶対位置符号化パターン上に、そこからの読み取りを妨げることなく、使用できる。
【0091】
前述の位置符号化パターンを備えた表面は、少し灰色がかった表面(濃度1−3%)に見える。
【0092】
上記で説明したよりも多数又は少数のドットが、仮想表面上の各点を定義するのに使用でき、ドット間の距離としてより長いまたは短いものが、パターン内で使用できることは言うまでもない。ここに挙げた例は、位置符号化パターンの現時点における好適な実施形態を示すためだけのものである。
【0093】
既に触れたように、書き込みボードは、位置符号化パターンの第1のサブセットを備えることができる。この第1のサブセットは、図1における書き込みボード上の広い部分に備えられる。しかしながら、書き込みボードは、また、位置符号化パターンの第2のサブセットを備えてよく、この第2のサブセットは、少なくとも1つの座標対、好適には、複数の座標対を符号化しており、手書き情報の部分として解釈されるのではなく、機能又はコマンドとして解釈されるものである。図1において、位置符号化パターンの第2のサブセットは、ボックス8として破線で印されている。好ましくは、第2のサブセットの範囲及び意味が、例えば、テキストによりユーザに明確に示される。書き込みボードは、このような機能/コマンド・ボックスを複数備えることができ、これらには、位置符号化パターンの他の専用サブセットが複数用意される。座標対は、位置符号化パターンを読む装置、又は、その位置情報が送られる外部ユニットの何れかで、コマンド/機能として認識されることができる。
【0094】
図5aは、位置符号化パターンを備えた書き込みボード1を示している。図においては、位置符号化パターンの異なるサブセットが、異なる種類の模様で示されている。書き込みボードは、位置符号化パターンの第1のサブセットを備えた書き込み面3と、位置符号化パターンの第2〜第4のサブセットを備えた3つのコマンド・ボックス8a〜cを有している。図5bは、仮想表面I上の対応する異なる座標エリアを示しており、この対応するエリアは、ダッシュ文字付きの同じ参照符号で示されている。仮想表面は、座標エリア(0,0 ; Xn,0 ; Xn,Ym ; 0,Ym)からなる。位置コードは、書き込みボード全体に渡って連続的なものではなく、異なる座標エリアが、仮想表面の異なる部分に対応し
ていることが明らかにされている。仮想表面上の異なる座標エリアは、異なる機能又はコマンド専用である。これは、書き込み面からの位置情報を解釈する装置の変更を何ら必要とせずに、書き込みボードの新しいレイアウトを生成することが可能になるという利点がある。
【0095】
これに代えて、書き込みボードの全体に、仮想表面上の一つのまとまった座標エリア内における点の座標を符号化する位置符号化パターンのサブセットを備え得る。
【0096】
図6は、第1の位置感知装置の実施形態を示しており、これは、図1の書き込みボード上に、この装置が装着されるペン10を用いて書かれ乃至描かれるものを、電子的に記録するために用いられる。前記装置は、一方の端に開口12を有するケース11を備える。ケース11は、基本的に、光学部品、電子回路部品及び電源を包んでいる。
【0097】
前記光学部品は、書き込みボードの表面1を照明する少なくとも1つの発光ダイオード13、及び、位置符号化パターンを検出するための、CCDやCMOSセンサーなどの光感応検出器14を備える。更に詳細には、検出器は、位置符号化パターン3を含む二次元画像を記録するように構成されている。光学部品は、また、レンズ系(図示せず)を備えてよい。
装置の電源は、ケース11の分離した区画に取り付けられた電池15から供給される。
【0098】
電子回路部品は、信号処理プロセッサ16を含んでおり、これは、検出器14から、好適には1秒間に100画像の周期で、画像を読み、これらの画像に基づいて位置決定を実行するようプログラムされる。更に詳細には、プロセッサは、最初に、画像内のドットの場所を特定し、次いで、この点に対応する座標対を決定する。更に、プロセッサ16は、座標対のつながりを一連のポリゴンに変形し、これによって、位置情報をより効率的に記憶し、転送できるようにする。
プロセッサは、また、時計を備え、これによって、位置情報には、時の指標を付加することができる。
【0099】
更に、前記電子回路部品は、座標対の形式で、又は一連のポリゴンの形式で、更には、他の適当な方法で、位置情報を記憶するメモリー17を備える。電子回路部品は、また、この例においては、トランシーバ20として実装される通信手段を備えており、好適には、ブルートゥース規格に従う短距離無線リンクを使用して、位置情報を、本装置からコンピュータのような外部ユニットに転送する。位置情報は、メモリー17から取り出されるが、情報は、送信障害やエラーが生じた場合に再送できるよう、送信後の所定時間ここに残される。コンピュータへの転送に関連して、ペン10の色に関する情報を、転送することができ、これによって、コンピュータ内のソフトウェアが、書き込みボード1上のテキストの電子コピーを、同じ色を使って生成できるようにする。色情報は、特定の色を示すものとして予め定義されている1又は複数の座標対の形式で送信することができる。また、予め定義されたコマンド、例えば、現在の情報を記憶し、新しいページを開始する、又は、イレイサー・モードからペン・モードに変更するなどのコマンドを、座標対の形式で、コンピュータへ送信できる。
【0100】
更に、前記装置は、ホルダー22を備え、図6において破線で示されるように、ペン10が装着できる。ホルダーは、多くの異なる方法、特に、ペンの種類に依存して、設計することができる。
装置は、また、この装置を起動するためのボタン19を備える。
【0101】
図7は、第2の位置感知装置を示しており、これは、図1の書き込みボードからイレイサー30を使用して消されたものを、電子的に記録するために使用されるよう意図されて
いる。イレイサー30は、破線で示されている。本装置の構成は、図6における装置と同じである。対応する部品は、同じ参照符号により参照される。書き込みボード上の消去されたエリアは、センサー上の位置符号化パターンの角度を有する位置に基づくと共に、イレイサーの消去面のサイズの知識を使用して、決定し得る。
【0102】
ただ1つの装置を使用し、必要とされるときに、ペンからイレイサーへ移し変えることも可能である。この実施形態では、ホルダーが、ペンとイレイサーとの両方に適合できることが前提とされる。この装置は、また、これがイレイサーに使われるのか又はペンに使われるのかを示す何らかの手段、例えば、簡単なスイッチを備えなければならない。イレイサー・モードとペン・モードとの切り替えは、スイッチの代わりに、書き込みボード上の「機能」を使用することによっても実行し得る。すなわち、前記位置感知装置をイレイサーと共に使用するのかそれともペンと共に使用するのかを示すために専用に取り分けられた位置符号化パターンのサブセットを検出することによっても、実行し得る。
【0103】
更に他の可能性は、組み込み式のイレイサーを持ったペンを活用することである。ペンは、一方の端部にペン先を備え、他方の端部にイレイサーを備えることができる。この例においては、位置感知装置は、各端部に1つずつの2つのセンサーを備え、この場合、ペン先とイレイサーのいずれが書き込みボードに向けられているかによって、センサーを選択的に使用する。この例においては、各検出器は1つの目的のために使用されるので、スイッチは必要ない。
【0104】
2つの検出器を備えた位置感知装置は、後部にイレイサーを備えた通常のペンシルと共に使用することもでき、この場合、ペンシルとイレイサーは、紙などの通常の書き込み面に、前記位置符号化パターンを備えたものの上で使用される。
【0105】
図8は、2つの検出器14’及び14”を備えた位置感知装置の実施形態を示しており、これらの検出器は、それぞれペン先30及びイレイサー31の現在位置を検出する。本装置の構成及び機能は、2つの検出器と、これに関連する2つの発光ダイオード13’及び13”があることを除いて、実質的に、図6における装置のそれと同じである。対応する部品は、同じ参照符号によって参照されている。
【0106】
前記ペン先及び前記イレイサーは、また、ペンの同じ側に配置してもよい。このような例においては、単一の検出器を、現在のイレイサーの位置の記録及び現在のペンの位置の記録に、選択的に使用することができる。この場合、イレイサー・モードとペン・モードとを切り替える手段が必要である。
【0107】
図9は、ディスプレイシステムを図示している。このシステムは、書き込みボード40と、関係付けられたペンを用いてボード40上に書かれる情報を記録する第1の位置感知装置41と、関係付けられたイレイサーを用いてボード40から消去される情報を記録する第2の位置感知装置42とを備えている。このシステムは、更に、プロジェクタ43と、記録した位置情報を画像又は画像シーケンスに変換するソフトウェアを備えた外部ユニットとを備え、これによって、手書き情報をディジタル形式で、前記書き込みボード上に表示する。書き込みボード40並びに位置感知装置41及び42については、先に詳細に説明した。プロジェクタ43は、標準的仕様のものであり、全ての「一般的な」プロジェクタの動作を実行できる。これは、コンピュータ、例えば、外部ユニット44に接続されており、外部ユニットは、コンピュータに入力された位置データに基づいて、画像の生成を実現するソフトウェア45を備えている。
【0108】
以下は、本システム内の前記ユニット群が、どのように協働するかを示す簡単な例である。今、講義者が、前述のシステムを設置した講義ホールで、聴講者に講義をし、一人の
生徒が自宅の部屋にいる場合を考える。講義者が、装置41を使用して、書き込みボード40上に”Hello”という語を書くとする。講義者が書き込みボード40上にペン先を置くと、前記装置は、ペンの現在位置における書き込みボードの画像の記録を開始する。画像の連続的な記録が行なわれ、前記装置内のプロセッサは、各画像内に画像化された位置符号化パターンを識別する。前記位置符号化パターンの各記録された画像に基づいて、座標対が生成されるが、これは、書き込みボード上で各画像が取られたところの絶対位置、すなわちペンの現在位置を記述する。このようにして、多数の位置の指標すなわち「点」の形式での描写が得られ、これは、ペンが書き込みボード上をどのように移動したかを示す。この描写は、書かれた情報をディジタルで表現したデータを構成する。規則的な間隔で、これらの点に、多項式が適用される。前述の例で、講義者が注意深く書き込みを行なえば、文字Hは、例えば、それぞれが特定の開始点と終了点をもつ線分で表される3つの一次多項式を生起させる。これらの多項式は、ペンの色を記述した信号と共に、無線通信により講義ホール内の外部ユニット44へ転送される。外部ユニットはインターネットに接続されており、自宅にいる生徒は、従って、外部ユニットに接続でき、リアルタイムで、書き込みボード上に書かれている情報を見ることも、また、後でこの情報をダウンロードすることもできる。自宅にいる生徒が、講義の全ての利益を得られるようにするために、本システムは、また、マイクロフォン46を、講義で話されていることを記録するために備えることができ、また、カメラ47を、離れたところから講義を写すために備えることもでき、これによって、書き込みボードに書かれたメモを補う講義者の話し言葉及び身振りを、同様に記録することができる。外部ユニットを介した生徒の自宅までの通信経路は、書かれた情報のためのものと同じであり、音声及び画像の情報に関するこれらの実装は、当業者であれば容易に達成できる。
【0109】
本システムが、離れたところから参加する人との打ち合わせに使用される場合、共有書き込みボードを生成でき、ここで、遠隔の参加者は、同様に書き込みが行なえる。詳細に言えば、遠隔の参加者は、各人の書き込みボードに書かれる情報を記録するための同種のシステムを有している。この遠隔システムからの情報は、講義ホールの外部ユニット44に転送される。このユニットは、プロジェクタが、講義ホール内の書き込みボード上に、前記第2のシステムからの情報を投影するようにする。同様に、前記第2のシステムは、講義ホール内の書き込みボードからの情報を表示するプロジェクタを備えることができる。プロジェクタを、位置符号化パターンを用いて、例えば、ペンをボードの左上のコーナーから右下のコーナーへ移動することにより、書き込みボードに対してキャリブレーションすることができる。こうして、コンピュータとプロジェクタは、投影される画像を、書き込みボードに合わせることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手書き情報を電子的に記録するためのシステムにおいて、光学的に読み取り可能な位置符号化パターンを備えた製品(1,40)と、前記光学的に読み取り可能な位置符号化パターンに基づいて、前記製品上に書かれる情報の電子的象徴を生成するよう適合された第1の装置(41)と、前記光学的に読み取り可能な位置符号化パターンに基づいて、イレイサーを用いて前記製品から消される情報の電子的象徴を生成するよう適合された第2の装置(42)と、を備えたことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記製品が、書き込みボードである請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1及び第2の装置のそれぞれが、現在位置に関する前記製品上の位置符号化パターンを検出するよう適合された光感性検出器(14)と、前記現在位置に関する前記検出器により検出された前記位置符号化パターンに基づいて、位置情報を、少なくとも1つの外部ユニット(44)に転送するよう適合された通信手段(20)とを備える請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1及び第2の装置のそれぞれが、前記検出器(14)により検出された前記位置符号化パターンを解釈し、これを前記現在位置の座標対に変換するよう適合されたプロセッサ(16)を備え、前記通信手段(20)により転送される前記位置情報が、前記座標対を備える請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1及び第2の装置のそれぞれが、更に、連続する現在位置に対する位置情報を記憶するメモリー(17)を備える請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記プロセッサ(16)が、少なくとも幾つかの前記連続する現在位置の座標対を、多角形のつながりに変換するよう適合されており、前記通信手段(20)により転送される前記位置情報が、前記多角形のつながりを備える請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記製品の前記位置符号化パターンが、絶対位置符号化パターンの第1のサブセットを備え、前記第1のサブセットが、仮想表面上の第1の座標エリア内の点の座標を符号化しており、前記仮想表面が、前記絶対位置符号化パターンが符号化する全ての点を備えており、前記第1の座標エリアが、手書き情報の受け取り専用とされている請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
少なくとも1つの位置が、前記手書き情報の電子的記録に関連して実行される機能専用のものである先行する請求項の何れか1つに記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの位置が、前記絶対位置符号化パターンの第2のサブセットにより符号化されており、該第2のサブセットは、前記機能専用である前記仮想表面上の第2の座標エリア内の少なくとも1つの点の座標を符号化している請求項7及び8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の装置が、更に、前記書き込みボードに書き込みを行なうペン用のホルダー(22)を備える先行する請求項の何れか1つに記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の装置が、前記書き込みボードに書き込みを行なうペンを備える請求項1〜9の何れか1つに記載のシステム。
【請求項12】
前記第2の装置(41)が、前記書き込みボードから情報を消すためのイレイサー用の
ホルダーを備える先行する請求項の何れか1つに記載のシステム。
【請求項13】
前記第2の装置が、更に、前記書き込みボード上の消去を行なうイレイサーを備える請求項1〜11の何れか1つに記載のシステム。
【請求項14】
前記書き込みボード上に書かれ又はここから消された前記情報の電子的象徴に基づいて、前記書き込みボード上の情報を、スクリーン上に表示するためのソフトウェアを更に備える先行する請求項の何れか1つに記載のシステム。
【請求項15】
前記前記書き込みボード上の書かれている又は消されている情報に関連して、スピーチを記録するマイクロフォン(46)と、前記記録したスピーチを、前記外部ユニットへ転送する手段とを更に備える請求項2〜14の何れか1つに記載のシステム。
【請求項16】
前記書き込みボード上に補足情報を投影するよう適合されたプロジェクタ(43)を更に備える先行する請求項の何れか1つに記載のシステム。
【請求項17】
前記プロジェクタは、第2の遠隔システムの第2の書き込みボード上に電子的に記録されている補足情報を表示するよう適合された請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1及び第2の装置が、同一の装置である先行する請求項の何れか1つに記載のシステム。
【請求項19】
手書き情報のための表面を備えた書き込みボードであって、前記表面に、該表面上に書かれる情報の電子的象徴を生成するための光学的に読み取り可能な位置符号化パターンを備えている書き込みボード。
【請求項20】
ペンを用いて書き込みボード上に書かれる情報の、電子的象徴を生成する装置であって、現在のペン位置に関し前記書き込みボード上の位置符号化パターンを検出するよう適合された光感性検出器と、前記現在のペン位置に関して前記検出器により検出された前記位置符号化パターンに基づく位置情報を、少なくとも1つの外部ユニットへ転送するよう適合された通信手段とを備える装置。
【請求項21】
前記光感性検出器が、また、現在のイレイサー位置に関し前記書き込みボード上の前記位置符号化パターンを検出するよう適合されており、前記通信手段が、また、前記現在のイレイサー位置に関して前記検出器により検出された前記位置符号化パターンに基づく位置情報を、前記少なくとも1つの外部ユニットへ転送するよう適合されている請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記現在のペン位置に関して前記書き込みボード上の前記位置符号化パターンを検出する第1のモードと、前記現在のイレイサー位置に関して前記書き込みボード上の前記位置符号化パターンを検出する第2のモードとの間で前記装置を切り替えるためのスイッチを更に備える請求項21に記載の装置。
【請求項23】
現在のイレイサー位置に関し前記書き込みボード上の位置符号化パターンを検出するよう適合された第2の光感性検出器を更に備えた請求項20に記載の装置。
【請求項24】
イレイサーを用いて書き込みボードから消される情報の、電子的象徴を生成する装置であって、現在のイレイサー位置に関し前記書き込みボード上の位置符号化パターンを検出するよう適合された光感性検出器と、前記現在のイレイサー位置に関して前記検出器により検出された前記位置符号化パターンに基づく位置情報を、少なくとも1つの外部ユニッ
トへ転送するよう適合された通信手段とを備える装置。
【請求項1】
手書き情報を電子的に記録するためのシステムにおいて、光学的に読み取り可能な位置符号化パターンを備えた製品(1,40)と、前記光学的に読み取り可能な位置符号化パターンに基づいて、前記製品上に書かれる情報の電子的象徴を生成するよう適合された第1の装置(41)と、前記光学的に読み取り可能な位置符号化パターンに基づいて、イレイサーを用いて前記製品から消される情報の電子的象徴を生成するよう適合された第2の装置(42)と、を備えたことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記製品が、書き込みボードである請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1及び第2の装置のそれぞれが、現在位置に関する前記製品上の位置符号化パターンを検出するよう適合された光感性検出器(14)と、前記現在位置に関する前記検出器により検出された前記位置符号化パターンに基づいて、位置情報を、少なくとも1つの外部ユニット(44)に転送するよう適合された通信手段(20)とを備える請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1及び第2の装置のそれぞれが、前記検出器(14)により検出された前記位置符号化パターンを解釈し、これを前記現在位置の座標対に変換するよう適合されたプロセッサ(16)を備え、前記通信手段(20)により転送される前記位置情報が、前記座標対を備える請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1及び第2の装置のそれぞれが、更に、連続する現在位置に対する位置情報を記憶するメモリー(17)を備える請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記プロセッサ(16)が、少なくとも幾つかの前記連続する現在位置の座標対を、多角形のつながりに変換するよう適合されており、前記通信手段(20)により転送される前記位置情報が、前記多角形のつながりを備える請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記製品の前記位置符号化パターンが、絶対位置符号化パターンの第1のサブセットを備え、前記第1のサブセットが、仮想表面上の第1の座標エリア内の点の座標を符号化しており、前記仮想表面が、前記絶対位置符号化パターンが符号化する全ての点を備えており、前記第1の座標エリアが、手書き情報の受け取り専用とされている請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
少なくとも1つの位置が、前記手書き情報の電子的記録に関連して実行される機能専用のものである先行する請求項の何れか1つに記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの位置が、前記絶対位置符号化パターンの第2のサブセットにより符号化されており、該第2のサブセットは、前記機能専用である前記仮想表面上の第2の座標エリア内の少なくとも1つの点の座標を符号化している請求項7及び8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の装置が、更に、前記書き込みボードに書き込みを行なうペン用のホルダー(22)を備える先行する請求項の何れか1つに記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の装置が、前記書き込みボードに書き込みを行なうペンを備える請求項1〜9の何れか1つに記載のシステム。
【請求項12】
前記第2の装置(41)が、前記書き込みボードから情報を消すためのイレイサー用の
ホルダーを備える先行する請求項の何れか1つに記載のシステム。
【請求項13】
前記第2の装置が、更に、前記書き込みボード上の消去を行なうイレイサーを備える請求項1〜11の何れか1つに記載のシステム。
【請求項14】
前記書き込みボード上に書かれ又はここから消された前記情報の電子的象徴に基づいて、前記書き込みボード上の情報を、スクリーン上に表示するためのソフトウェアを更に備える先行する請求項の何れか1つに記載のシステム。
【請求項15】
前記前記書き込みボード上の書かれている又は消されている情報に関連して、スピーチを記録するマイクロフォン(46)と、前記記録したスピーチを、前記外部ユニットへ転送する手段とを更に備える請求項2〜14の何れか1つに記載のシステム。
【請求項16】
前記書き込みボード上に補足情報を投影するよう適合されたプロジェクタ(43)を更に備える先行する請求項の何れか1つに記載のシステム。
【請求項17】
前記プロジェクタは、第2の遠隔システムの第2の書き込みボード上に電子的に記録されている補足情報を表示するよう適合された請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1及び第2の装置が、同一の装置である先行する請求項の何れか1つに記載のシステム。
【請求項19】
手書き情報のための表面を備えた書き込みボードであって、前記表面に、該表面上に書かれる情報の電子的象徴を生成するための光学的に読み取り可能な位置符号化パターンを備えている書き込みボード。
【請求項20】
ペンを用いて書き込みボード上に書かれる情報の、電子的象徴を生成する装置であって、現在のペン位置に関し前記書き込みボード上の位置符号化パターンを検出するよう適合された光感性検出器と、前記現在のペン位置に関して前記検出器により検出された前記位置符号化パターンに基づく位置情報を、少なくとも1つの外部ユニットへ転送するよう適合された通信手段とを備える装置。
【請求項21】
前記光感性検出器が、また、現在のイレイサー位置に関し前記書き込みボード上の前記位置符号化パターンを検出するよう適合されており、前記通信手段が、また、前記現在のイレイサー位置に関して前記検出器により検出された前記位置符号化パターンに基づく位置情報を、前記少なくとも1つの外部ユニットへ転送するよう適合されている請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記現在のペン位置に関して前記書き込みボード上の前記位置符号化パターンを検出する第1のモードと、前記現在のイレイサー位置に関して前記書き込みボード上の前記位置符号化パターンを検出する第2のモードとの間で前記装置を切り替えるためのスイッチを更に備える請求項21に記載の装置。
【請求項23】
現在のイレイサー位置に関し前記書き込みボード上の位置符号化パターンを検出するよう適合された第2の光感性検出器を更に備えた請求項20に記載の装置。
【請求項24】
イレイサーを用いて書き込みボードから消される情報の、電子的象徴を生成する装置であって、現在のイレイサー位置に関し前記書き込みボード上の位置符号化パターンを検出するよう適合された光感性検出器と、前記現在のイレイサー位置に関して前記検出器により検出された前記位置符号化パターンに基づく位置情報を、少なくとも1つの外部ユニッ
トへ転送するよう適合された通信手段とを備える装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2011−138519(P2011−138519A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−331(P2011−331)
【出願日】平成23年1月5日(2011.1.5)
【分割の表示】特願2001−520346(P2001−520346)の分割
【原出願日】平成12年8月30日(2000.8.30)
【出願人】(506145326)アノト アクティエボラーク (49)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−331(P2011−331)
【出願日】平成23年1月5日(2011.1.5)
【分割の表示】特願2001−520346(P2001−520346)の分割
【原出願日】平成12年8月30日(2000.8.30)
【出願人】(506145326)アノト アクティエボラーク (49)
【Fターム(参考)】
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