説明

投影画像領域検出装置

【課題】投影装置と、投影対象物と、撮影装置との位置関係が相対的にずれてしまった場合であっても、このずれに追従するように撮影画像から投影画像が映された投影画像領域を検出することができる投影画像領域検出装置を提供すること。
【解決手段】模様の配色が時間経過とともに変化するマーカをマーカ画像30として生成し、生成したマーカ画像30を投影画像の4隅に付加し、マーカ画像が付加された投影画像を投影させるよう、この投影画像を投影装置に供給し、撮影画像のなかで模様の配色が時間経過とともに変化し続ける領域をマーカ画像領域として検出することにより、投影画像領域を撮影画像から検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影画像領域検出装置に関し、特に、投影装置によって投影対象物に投影された画像を撮影装置で撮影し、撮影画像から投影画像が映された領域を検出する投影画像領域検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、投影画像の4隅を特定するためのマーカ画像を投影画像に付加した画像を投影装置でホワイトボード等の投影対象物に投影し、この投影画像を撮影装置で撮影した撮影画像からマーカ画像が映された領域を検出することにより、撮影画像の射影歪みを補正して遠隔地にある表示装置に表示させたり、投影対象物上でポインティングされた座標を実画像上の座標に変換して記録したりするものが既に知られている。
【0003】
例えば、投影された画像上でポインティングされた座標を実画像上の座標に変換して記録するものとして、図18に示すように、投影画像上の4隅のマーカ画像90a〜90dに加えて、補助のマーカ画像90eを投影装置に投影させることにより、マーカ画像90a〜90dの誤検出を防止し、座標の変換精度を向上させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の技術は、投影装置と、投影対象物と、撮影装置との設置が完了した状態で、撮影画像から投影画像が映された投影画像領域を検出した後に、震動等の影響により、投影装置と、投影対象物と、撮影装置との位置関係が相対的にずれてしまった場合には、ユーザの操作に応じて、投影画像領域を再度検出し直すまで、投影画像領域を誤認識した状態になってしまうといった課題があった。
【0005】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたもので、投影装置と、投影対象物と、撮影装置との位置関係が相対的にずれてしまった場合であっても、このずれに追従するように撮影画像から投影画像が映された投影画像領域を検出することができる投影画像領域検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の投影画像領域検出装置は、投影画像を含む領域が撮影された撮影画像のなかで前記投影画像が映された領域の4隅を特定するためのマーカ画像領域を検出する投影画像領域検出部を備えた投影画像領域検出装置において、前記投影画像領域検出部は、配色が時間経過とともに変化し続ける領域を前記マーカ画像領域として検出する構成を有している。
【0007】
この構成により、本発明の投影画像領域検出装置は、撮影画像のなかで配色が時間経過とともに変化し続ける領域をマーカ画像領域として検出するため、投影装置と、投影対象物と、撮影装置との位置関係が相対的にずれてしまった場合であっても、このずれに追従するように撮影画像から投影画像領域を検出することができる。
【0008】
なお、本発明の投影画像領域検出装置は、特定領域の配色が時間経過とともに変化するマーカをマーカ画像としてマーカ画像生成部と、前記マーカ画像生成部によって生成されたマーカ画像を前記投影画像に付加するマーカ画像付加部と、前記マーカ画像が付加された投影画像を投影装置に供給する画像供給部と、を備えるようにしてもよい。
【0009】
また、前記マーカ画像生成部は、前記撮影画像のなかで識別できる程度に模様が単純で、周期性がないマーカを前記マーカ画像として生成するようにしてもよい。
【0010】
この構成により、本発明の投影画像領域検出装置は、投影画像領域検出部において、模様の周期と撮影画像に映されたマーカ画像のずれ量とが一致したときに、ずれが生じていないものと誤認識されることを防止することができる。
【0011】
また、前記マーカ画像生成部は、前記特定領域の予め定められた色成分が時間経過とともに変化するマーカを前記マーカ画像として生成し、前記投影画像領域検出部は、前記撮影画像のなかで該色成分が時間経過とともに変化し続ける領域を前記マーカ画像領域として検出するようにしてもよい。
【0012】
この構成により、本発明の投影画像領域検出装置は、マーカ画像の予め定められた領域の予め定められた色成分を時間経過とともに変化させるため、ユーザに対して模様の配色の変化に違和感を与えないマーカ画像を投影画像に付加することができる。
【0013】
また、前記投影画像領域検出部は、前記撮影画像の差分画像から前記マーカ画像領域を検出するようにしてもよい。
【0014】
この構成により、本発明の投影画像領域検出装置は、撮影装置によって撮影された撮影画像の差分画像を用いることにより、模様の配色が時間経過とともに変化するマーカ画像を検出することができる。
【0015】
また、本発明の投影画像領域検出装置は、前記投影画像領域検出部によって検出されたマーカ画像領域に基づいて、前記投影画像の画像領域を検出し、検出した投影画像の画像領域の射影歪みを補正する画像補正部を備えるようにしてもよい。
【0016】
この構成により、本発明の投影画像領域検出装置は、射影歪みが補正された撮影画像を得ることができる。
【0017】
また、前記投影画像領域検出部は、前記マーカ画像領域の最も外側の角を検出することにより前記マーカ画像領域を検出する初期検出モードと、前記画像補正部によって補正された画像間の差分画像のなかで予め定められたテンプレート画像とテンプレートマッチングを行うことにより前記マーカ画像領域を検出する動的検出モードと、の2つのモードをとるようにしてもよい。
【0018】
この構成により、本発明の投影画像領域検出装置は、撮影画像間の差分画像のなかで予め定められたテンプレート画像とテンプレートマッチングを行うため、より正確なマーカ画像領域を検出することができる。
【0019】
また、前記投影画像領域検出部は、前記初期検出モードにおいて、前記撮影画像の各角の二等分線を副走査方向として斜めに走査していくことにより前記マーカ画像領域を検出するようにしてもよい。
【0020】
また、前記投影画像領域検出部は、前記動的検出モードにおいて、検出済みのマーカ画像領域の周囲に対して前記テンプレートマッチングを行うようにしてもよい。
【0021】
この構成により、本発明の投影画像領域検出装置は、動的検出モードにおいて、テンプレートマッチングの実行時間を短縮することができる。
【0022】
また、前記投影画像領域検出部は、前記初期検出モードで検出したマーカ画像領域に基づいて、前記テンプレート画像の大きさを決定するようにしてもよい。
【0023】
この構成により、本発明の投影画像領域検出装置は、動的検出モードにおいて、最適なサイズのテンプレート画像を用いたテンプレートマッチングを行うことができる。
【0024】
また、前記マーカ画像生成部は、前記動的検出モードにおけるマーカ画像が前記初期検出モードにおけるマーカ画像より小さくなるよう前記マーカ画像を生成するようにしてもよい。
【0025】
この構成により、本発明の投影画像領域検出装置は、動的検出モードにおけるマーカ画像を初期検出モードにおけるマーカ画像より目立たなくするため、投影画像の視認性を向上させることがきる。
【0026】
また、前記マーカ画像生成部は、前記動的検出モードにおけるマーカ画像が前記初期検出モードにおけるマーカ画像よりコントラストが低くなるよう前記マーカ画像を生成するようにしてもよい。
【0027】
この構成により、本発明の投影画像領域検出装置は、動的検出モードにおけるマーカ画像を初期検出モードにおけるマーカ画像より目立たなくするため、投影画像の視認性を向上させることがきる。
【0028】
また、前記マーカ画像生成部は、前記動的検出モードにおけるマーカ画像が前記初期検出モードにおけるマーカ画像より色の変化量が少なくなるよう前記マーカ画像を生成する前記マーカ画像を生成するようにしてもよい。
【0029】
この構成により、本発明の投影画像領域検出装置は、動的検出モードにおけるマーカ画像を初期検出モードにおけるマーカ画像より目立たなくするため、投影画像の視認性を向上させることがきる。
【0030】
また、本発明の投影画像領域検出装置は、外部装置から供給された投影画像を投影対象物に投影する投影部と、前記投影対象物に投影された画像を含む領域を撮影する撮影部と、前記投影装置に投影させる投影画像の4隅を特定するためのマーカ画像が映されたマーカ画像領域を前記撮影装置によって撮影された撮影画像から検出することにより前記投影画像が映された投影画像領域を前記撮影画像から検出する投影画像領域検出部と、を備えた投影画像領域検出装置において、特定領域の配色が時間経過とともに変化するマーカを前記マーカ画像として生成するマーカ画像生成部と、前記マーカ画像生成部によって生成されたマーカ画像を前記投影画像に付加するマーカ画像付加部と、を備え、前記投影部は、前記マーカ画像が付加された投影画像を投影し、前記投影画像領域検出部は、前記撮影画像のなかで配色が時間経過とともに変化し続ける領域を前記マーカ画像領域として検出することにより、前記投影画像領域を前記撮影画像から検出する構成を有している。
【0031】
この構成により、本発明の投影画像領域検出装置は、特定領域の配色が時間経過とともに変化するマーカ画像を投影部に投影させることにより、撮影画像のなかで配色が時間経過とともに変化し続ける領域をマーカ画像領域として検出するため、投影画像領域検出装置と、投影対象物との位置関係が相対的にずれてしまった場合であっても、このずれに追従するように撮影画像から投影画像領域を検出することができる。
【0032】
また、本発明の投影画像領域検出システムは、投影対象物に画像を投影する投影装置と、前記投影対象物に投影された画像を含む領域を撮影する撮影装置と、前記投影装置に投影させる投影画像の4隅を特定するためのマーカ画像が映されたマーカ画像領域を前記撮影装置によって撮影された撮影画像から検出することにより前記投影画像が映された投影画像領域を前記撮影画像から検出する投影画像領域検出部を有する投影画像領域検出装置と、を備えた投影画像領域検出システムにおいて、前記投影画像領域検出装置は、特定領域の配色が時間経過とともに変化するマーカを前記マーカ画像として生成するマーカ画像生成部と、前記マーカ画像生成部によって生成されたマーカ画像を前記投影画像に付加するマーカ画像付加部と、前記マーカ画像が付加された投影画像を投影させるよう該投影画像を前記投影装置に供給する画像供給部と、を有し、前記投影画像領域検出部は、前記撮影画像のなかで配色が時間経過とともに変化し続ける領域を前記マーカ画像領域として検出することにより、前記投影画像領域を前記撮影画像から検出する構成を有している。
【0033】
この構成により、本発明の投影画像領域検出システムは、特定領域の配色が時間経過とともに変化するマーカ画像を投影装置に投影させることにより、撮影画像のなかで配色が時間経過とともに変化し続ける領域をマーカ画像領域として検出するため、投影装置と、投影対象物と、撮影装置との位置関係が相対的にずれてしまった場合であっても、このずれに追従するように撮影画像から投影画像領域を検出することができる。
【0034】
また、本発明の投影画像領域検出方法は、投影画像を含む領域が撮影された撮影画像のなかで前記投影画像が映された領域の4隅を特定するためのマーカ画像領域を検出する投影画像領域検出装置を用いた投影画像領域検出方法において、配色が時間経過とともに変化し続ける領域を前記投影画像領域検出装置が前記マーカ画像領域として検出する投影画像領域検出ステップを有する。
【0035】
したがって、本発明の投影画像領域検出方法は、撮影画像のなかで配色が時間経過とともに変化し続ける領域をマーカ画像領域として検出するため、投影装置と、投影対象物と、撮影装置との位置関係が相対的にずれてしまった場合であっても、このずれに追従するように撮影画像から投影画像領域を検出することができる。
【0036】
また、本発明の投影画像領域検出方法は、特定領域の配色が時間経過とともに変化するマーカを前記投影画像領域検出装置がマーカ画像としてマーカ画像生成ステップと、前記マーカ画像生成ステップで生成されたマーカ画像を前記投影画像領域検出装置が前記投影画像に付加するマーカ画像付加ステップと、前記マーカ画像が付加された投影画像を前記投影画像領域検出装置が投影装置に供給する画像供給ステップと、を有してもよい。
【0037】
また、前記マーカ画像生成ステップでは、前記撮影画像のなかで識別できる程度に模様が単純で、周期性がないマーカを前記投影画像領域検出装置が前記マーカ画像として生成するようにしてもよい。
【0038】
したがって、本発明の投影画像領域検出方法は、投影画像領域検出ステップにおいて、模様の周期と撮影画像に映されたマーカ画像のずれ量とが一致したときに、ずれが生じていないものと誤認識されることを防止することができる。
【0039】
また、前記マーカ画像生成ステップでは、前記特定領域の予め定められた色成分が時間経過とともに変化するマーカを前記投影画像領域検出装置が前記マーカ画像として生成し、前記投影画像領域検出ステップでは、前記撮影画像のなかで該色成分が時間経過とともに変化し続ける領域を前記投影画像領域検出装置が前記マーカ画像領域として検出するようにしてもよい。
【0040】
したがって、本発明の投影画像領域検出方法は、マーカ画像の予め定められた領域の予め定められた色成分を時間経過とともに変化させるため、ユーザに対して模様の配色の変化に違和感を与えないマーカ画像を投影画像に付加することができる。
【0041】
また、前記投影画像領域検出ステップでは、前記撮影画像の差分画像から前記投影画像領域検出装置が前記マーカ画像領域を検出するようにしてもよい。
【0042】
したがって、本発明の投影画像領域検出方法は、撮影装置によって撮影された撮影画像の差分画像を用いることにより、模様の配色が時間経過とともに変化するマーカ画像を検出することができる。
【0043】
また、本発明の投影画像領域検出方法は、前記投影画像領域検出ステップで検出されたマーカ画像領域に基づいて、前記投影画像領域検出装置が、前記投影画像の画像領域を検出し、検出した投影画像の画像領域の射影歪みを補正する画像補正ステップを有するようにしてもよい。
【0044】
したがって、本発明の投影画像領域検出方法は、射影歪みが補正された撮影画像を得ることができる。
【0045】
また、前記投影画像領域検出ステップでは、前記マーカ画像領域の最も外側の角を検出することにより、前記投影画像領域検出装置が前記マーカ画像領域を検出する初期検出ステップと、前記画像補正部によって補正された画像間の差分画像のなかで予め定められたテンプレート画像とテンプレートマッチングを行うことにより、前記投影画像領域検出装置が前記マーカ画像領域を検出する動的検出ステップと、を含むようにしてもよい。
【0046】
したがって、本発明の投影画像領域検出方法は、撮影画像間の差分画像のなかで予め定められたテンプレート画像とテンプレートマッチングを行うため、より正確なマーカ画像領域を検出することができる。
【0047】
また、前記初期検出ステップでは、前記撮影画像の各角の二等分線を副走査方向として斜めに走査していくことにより、前記投影画像領域検出装置が前記マーカ画像領域を検出するようにしてもよい。
【0048】
前記動的検出ステップでは、前記投影画像領域検出装置が、検出済みのマーカ画像領域の周囲に対して前記テンプレートマッチングを行うようにしてもよい。
【0049】
したがって、本発明の投影画像領域検出方法は、動的検出モードにおいて、テンプレートマッチングの実行時間を短縮することができる。
【0050】
また、前記動的検出ステップでは、前記初期検出ステップで検出されたマーカ画像領域に基づいて、前記投影画像領域検出装置が、前記テンプレート画像の大きさを決定するようにしてもよい。
【0051】
したがって、本発明の投影画像領域検出方法は、動的検出モードにおいて、最適なサイズのテンプレート画像を用いたテンプレートマッチングを行うことができる。
【0052】
また、前記マーカ画像生成ステップでは、前記動的検出モードにおけるマーカ画像が前記初期検出モードにおけるマーカ画像より小さくなるよう前記投影画像領域検出装置が前記マーカ画像を生成するようにしてもよい。
【0053】
したがって、本発明の投影画像領域検出方法は、動的検出モードにおけるマーカ画像を初期検出モードにおけるマーカ画像より目立たなくするため、投影画像の視認性を向上させることがきる。
【0054】
また、前記マーカ画像生成ステップでは、前記動的検出モードにおけるマーカ画像が前記初期検出モードにおけるマーカ画像よりコントラストが低くなるよう前記投影画像領域検出装置が前記マーカ画像を生成するようにしてもよい。
【0055】
したがって、本発明の投影画像領域検出方法は、動的検出モードにおけるマーカ画像を初期検出モードにおけるマーカ画像より目立たなくするため、投影画像の視認性を向上させることがきる。
【0056】
また、前記マーカ画像生成ステップでは、前記動的検出モードにおけるマーカ画像が前記初期検出モードにおけるマーカ画像より色の変化量が少なくなるよう前記投影画像領域検出装置が前記マーカ画像を生成するようにしてもよい。
【0057】
したがって、本発明の投影画像領域検出方法は、動的検出モードにおけるマーカ画像を初期検出モードにおけるマーカ画像より目立たなくするため、投影画像の視認性を向上させることがきる。
【0058】
また、本発明の投影画像領域検出プログラムは、投影画像を含む領域が撮影された撮影画像のなかで前記投影画像が映された領域の4隅を特定するためのマーカ画像領域を検出する投影画像領域検出装置に実行させるための投影画像領域検出プログラムにおいて、配色が時間経過とともに変化し続ける領域を前記マーカ画像領域として検出させる投影画像領域検出ステップを有する。
【0059】
したがって、本発明の投影画像領域検出プログラムは、撮影画像のなかで配色が時間経過とともに変化し続ける領域をマーカ画像領域として検出させるため、投影装置と、投影対象物と、撮影装置との位置関係が相対的にずれてしまった場合であっても、このずれに追従するように撮影画像から投影画像領域を検出させることができる。
【発明の効果】
【0060】
本発明は、投影装置と、投影対象物と、撮影装置との位置関係が相対的にずれてしまった場合であっても、このずれに追従するように撮影画像から投影画像が映された投影画像領域を検出することができる投影画像領域検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1の実施の形態としての投影画像領域検出システムの実装図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態としての投影画像領域検出システムを構成する投影画像領域検出装置のハードウェア構成図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態としての投影画像領域検出システムを構成する投影画像領域検出装置の機能ブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る投影画像領域検出装置のマーカ画像生成部によって生成されるマーカ画像の例を示す概念図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る投影画像領域検出装置のマーカ画像生成部によって生成されるマーカ画像の他の例を示す概念図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る投影画像領域検出装置のマーカ画像部によってマーカ画像が付加された投影画像の例を示す概念図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る投影画像領域検出装置のマーカ画像生成部によって生成されるマーカ画像の他の例を示す概念図であり、(a)は、三角形のマーカ画像、(b)は、歪んだ三角形のマーカ画像を示している。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る投影画像領域検出装置の投影画像領域検出部によって差分画像を生成する際に参照される関数の一例を示すグラフである。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る投影画像領域検出装置の投影画像領域検出部によって撮影画像からマーカ画像が映されたマーカ画像領域を検出する例を示す概念図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る投影画像領域検出装置の投影画像領域検出部によって実行されるテンプレートマッチングに用いられるテンプレート画像の一例を示す概念図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係る投影画像領域検出装置の投影画像領域検出部によって実行されるテンプレートマッチングを説明するための概念図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係る投影画像領域検出装置の投影画像供給動作を説明するためのフローチャートである。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係る投影画像領域検出装置の初期検出モードにおける補正係数算出動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明の第1の実施の形態に係る投影画像領域検出装置の動的検出モードにおける補正係数算出動作を説明するためのフローチャートである。
【図15】本発明の第2の実施の形態としての投影画像領域検出システムの実装図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態としての投影画像領域検出システムを構成する投影画像領域検出装置のハードウェア構成図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態としての投影画像領域検出システムを構成する投影画像領域検出装置の機能ブロック図である。
【図18】従来のプロジェクタシステムによって投影される画像の例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0063】
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態としての投影画像領域検出システム1は、投影対象物としてのホワイトボード2に画像を投影する投影装置3と、ホワイトボード2に投影された画像を含む領域を撮影する撮影装置4と、投影画像が映された投影画像領域を撮影画像から検出する投影画像領域検出装置5とを備えている。
【0064】
ここで、本実施の形態においては、投影対象物としてホワイトボードを適用した例について説明するが、本発明においては、投影対象物としてスクリーンや紙等を適用してもよい。
【0065】
投影装置3は、例えば、汎用的なプロジェクタによって構成され、投影画像領域検出装置5から送信された画像を投影するようになっている。ここで、投影装置3は、ホワイトボード2の描画領域に投影範囲が含まれるよう設置される。
【0066】
撮影装置4は、例えば、汎用的なカメラによって構成され、0.5秒間に1回、または、1秒間に15回等の予め設定された時間間隔で撮影したホワイトボード2に表示された画像を投影画像領域検出装置5に送信するようになっている。ここで、撮影装置4は、投影装置3の投影領域を撮影できるよう設置される。
【0067】
投影画像領域検出装置5は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)10と、RAM(Random Access Memory)11と、ROM(Read Only Memory)12と、ハードディスク装置13と、キーボードやポインティングデバイス等よりなる入力装置14と、液晶ディスプレイ等よりなる表示装置15と、投影装置3および撮影装置4等の外部機器との間で通信を行うためのデバイス通信モジュール16と、ネットワークを介して接続された外部機器との間で通信を行うためのネットワーク通信モジュール17とを備えた汎用的なコンピュータ装置によって構成されている。
【0068】
ROM12およびハードディスク装置13には、当該コンピュータ装置を投影画像領域検出装置5として機能させるためのプログラムが記憶されている。すなわち、CPU10がRAM11を作業領域としてROM12およびハードディスク装置13に記憶されたプログラムを実行することにより、当該コンピュータ装置は、投影画像領域検出装置5として機能する。
【0069】
投影画像領域検出装置5は、図3に示すように、投影装置3に投影させる投影画像の4隅を特定するためのマーカ画像を生成するマーカ画像生成部20と、マーカ画像生成部20によって生成されたマーカ画像を投影画像に付加するマーカ画像付加部21と、マーカ画像が付加された投影画像を投影装置3に供給する画像供給部22と、撮影装置4によって撮影された撮影画像から投影画像が映された投影画像領域を検出する投影画像領域検出部23と、投影画像領域検出部23によって検出された投影画像領域に基づいて、撮影画像の射影歪みを補正する画像補正部24と、画像補正部24によって補正された撮影画像から投影画像が映された投影画像領域を切り出す投影画像切り出し部25とを備えている。
【0070】
ここで、マーカ画像生成部20、マーカ画像付加部21、投影画像領域検出部23、画像補正部24および投影画像切り出し部25は、CPU10によって構成され、画像供給部22は、デバイス通信モジュール16によって構成される。
【0071】
また、本実施の形態において、投影画像は、表示装置15の表示画面を表すものとするが、投影画像領域検出装置5を構成するコンピュータによって実行されるプレゼンテーションソフトウェア等のアプリケーションによって作成された画像であってもよい。また、投影画像は、遠隔地にある他の投影画像領域検出装置5のような外部機器からネットワーク通信モジュール17を介して受信された画像であってもよい。
【0072】
マーカ画像生成部20は、図4に示すように、模様の配色が時間経過とともに変化するマーカをマーカ画像30として生成するようになっている。なお、図4は、マーカ画像生成部20によって生成されたマーカ画像30の予め定められた特定領域31の配色(R(赤成分),G(緑成分),B(青成分))が時間経過とともに(255,0,0)、(235,20,0)、(215,40,0)、(195,60,0)といったように、1フレーム毎にR成分が20ずつ減少し、G成分が20ずつ増加していく様子を示している。
【0073】
ここで、マーカ画像生成部20は、特定領域31の何れかの色成分が0未満になるか、255を超える場合には、特定領域31を最初の配色(255,0,0)に戻すようになっている。
【0074】
なお、マーカ画像生成部20は、撮影画像のなかで識別できる程度に模様が単純で、模様に周期性がないマーカをマーカ画像として生成するようになっている。例えば、図5において、マーカ画像40、41は、マーカ画像生成部20に生成させる画像として好ましい。
【0075】
一方、マーカ画像42、43は、模様に周期性があるため、投影画像領域検出部23において、模様の周期と撮影画像に映されたマーカ画像のずれ量とが一致したときに、ずれが生じていないものと誤認識される可能性があるため、マーカ画像生成部20によって生成されるマーカ画像として好ましくない。
【0076】
図3において、マーカ画像付加部21は、図6に示すように、投影画像50の4隅にマーカ画像51a〜51dを付加するようになっている。なお、図6において、各マーカ画像51a〜51dは、図4に示したように矩形をなしているが、本発明におけるマーカ画像は、他の形状をなすものでもよい。
【0077】
例えば、マーカ画像は、図7(a)に示すように、三角形をなすものでもよい。また、マーカ画像は、投影画像の4隅に対応する頂点を有するものであれば、図7(b)に示すように、歪んだ形状をなすものでもよい。ただし、マーカ画像は、投影画像の4隅を識別しやすくするために、投影画像の4隅に対応する頂点を有する三角形および四角形等の多角形ならびに扇形等が好ましい。
【0078】
また、図6において、各マーカ画像51a〜51dは、投影画像50の4隅に内接するように付加されているが、マーカ画像付加部21は、投影画像50の4隅を特定することができる位置であれば、投影画像50内の何れの位置に各マーカ画像51a〜51dを付加するようにしてもよい。
【0079】
また、図6において、各マーカ画像51a〜51dは、同一のマーカを表しているが、マーカ画像生成部20は、マーカ画像51a〜51dに対して、それぞれ異なるマーカを表す画像を生成するようにしてもよい。
【0080】
図3において、画像供給部22は、マーカ画像が付加された投影画像を投影させるよう投影装置3に供給するようになっている。
【0081】
投影画像領域検出部23は、マーカ画像が映されたマーカ画像領域を撮影装置4によって撮影された撮影画像から検出することにより、投影画像が映された投影画像領域を撮影画像から検出するようになっている。
【0082】
マーカ画像領域を検出するときに、投影画像領域検出部23は、初期検出モードと、動的検出モードとの2つのモードをとるようになっている。ここで、投影画像領域検出部23は、最初に初期検出モードになり、その後、動的検出モードに遷移するようになっている。
【0083】
初期検出モードにおいて、投影画像領域検出部23は、撮影された時刻が異なる2つの撮影画像(例えば、連続して撮影された2フレームの撮影画像)を読み込み、読み込んだ撮影画像間の差分画像を生成するようになっている。
【0084】
以下、撮影画像が撮影された時刻をtと表し、画素の座標を(x,y)と表し、時刻tに撮影された撮影画像の各画素の各色成分の値をR(t,x,y)、G(t,x,y)、B(t,x,y)と表す。
【0085】
また、時刻t1、t2でそれぞれ撮影された撮影画像間の各画素の各色成分の差分値を|R(t1,x,y)−R(t2,x,y)|、|G(t1,x,y)−G(t2,x,y)|、|B(t1,x,y)−B(t2,x,y)|と表す。
【0086】
投影画像領域検出部23は、撮影画像間の各画素の各色成分の差分値|R(t1,x,y)−R(t2,x,y)|、|G(t1,x,y)−G(t2,x,y)|、|B(t1,x,y)−B(t2,x,y)|が予め定められた条件を満たす画素の値を有効色(例えば、黒)とし、当該条件を満たさない画素を無効色(例えば、白)とした差分画像を生成するようになっている。
【0087】
例えば、投影画像領域検出部23は、特定の色成分(R、G、Bの何れか、または、これらの組み合わせ。以下、単に「特定色成分」という)の差分値が予め定められた閾値THより高い画素の値を有効色とし、それ以外の画素を無効色とした差分画像を生成するようになっている。
【0088】
この場合には、マーカ画像生成部20は、特定領域の特定色成分がフレーム毎に閾値THを超えて変化し、特定領域以外の特定色成分がフレーム毎に閾値THを超えて変化しないマーカをマーカ画像として生成するように構成される。
【0089】
また、投影画像領域検出部23は、特定色成分の差分値が予め定められた第1の閾値TH1より高く、他の色成分(以下、単に「非特定色成分」という。)の差分値が第2の閾値TH2より低い画素の値を有効色とし、それ以外の画素を無効色とした差分画像を生成するように構成してもよい。
【0090】
この場合には、マーカ画像生成部20は、特定領域の特定色成分がフレーム毎に閾値TH1を超えて変化し、非特定色成分がフレーム毎に閾値TH2以上変化しない一方、特定領域以外の特定色成分がフレーム毎に閾値TH1を超えて変化しないか、非特定色成分がフレーム毎に閾値TH2以上変化するマーカをマーカ画像として生成するように構成される。
【0091】
また、投影画像領域検出部23は、第1の特定色成分の差分値が予め定められた閾値TH3より高い画素の値を第1の有効色(例えば、赤)とし、第2の特定色成分の差分値が予め定められた閾値TH3より高い画素の値を第2の有効色(例えば、青)とし、それ以外の画素を無効色(例えば、白)とした差分画像を生成するように構成してもよい。
【0092】
この場合には、マーカ画像生成部20は、第1の特定領域の第1の特定色成分がフレーム毎に閾値TH3を超えて変化し、第2の特定領域の第2の特定色成分がフレーム毎に閾値TH3を超えて変化し、第1および第2の特定領域以外の第1または第2の特定色成分がフレーム毎に閾値TH3を超えて変化しないマーカをマーカ画像として生成するように構成される。
【0093】
また、投影画像領域検出部23は、差分画像を生成する際に、特定色成分の差分値と閾値とを単純に比較する他に、図8に示すように、閾値付近の傾きが滑らかな関数によって得られる値から差分画像を生成するようにしてもよい。
【0094】
なお、本実施の形態においては、投影画像領域検出部23は、R成分の差分値が閾値THより高い画素の値を有効色である黒とし、それ以外の画素を無効色である白とした差分画像を生成するものとする。
【0095】
差分画像を生成すると、投影画像領域検出部23は、黒画素よりなる領域の外接矩形を抽出し、抽出した外接矩形のなかで、面積が予め定められた上限値以上のものと、予め定められた下限値以下のものを差分画像から除外するようになっている。ここで、上限値および下限値は、投影画像に対するマーカ画像の面積の比率と、撮影画像の面積とに基づいて概ね算出されるマーカ画像領域の面積に応じて予め定められているものとする。
【0096】
外接矩形の除外が完了すると、投影画像領域検出部23は、マーカ画像の角や線を検出することによって、投影画像領域を検出するようになっている。例えば、図9に示すように、差分画像の各角の二等分線52を副走査方向として斜めに走査していくことにより各マーカ画像53が映されたマーカ画像領域を検出し、検出したマーカ画像領域に基づいて投影画像領域を検出するようになっている。
【0097】
また、初期検出モードにおいて、投影画像領域検出部23は、Harrisのオペレーターを用いた角検出やエッジを用いた多角形検出を用いて、各マーカ画像53が映されたマーカ画像領域の角を検出し、検出したマーカ画像領域の角に基づいて投影画像領域を検出するようにしてもよい。
【0098】
図3にもどり、動的検出モードにおいて、投影画像領域検出部23は、撮影された時刻が異なる2つの撮影画像を読み込み、読み込んだ撮影画像の射影歪みが画像補正部24によって補正された補正画像間の差分画像を初期検出モードと同様に生成するようになっている。
【0099】
なお、本実施の形態においては、投影画像領域検出部23は、動的検出モードにおいても、R成分の差分値が閾値THより高い画素の値を有効色である黒とし、それ以外の画素を無効色である白とした差分画像を生成するものとする。
【0100】
差分画像を生成すると、投影画像領域検出部23は、差分画像のなかで予め定められたテンプレート画像とテンプレートマッチングを行うようになっている。例えば、テンプレート画像は、図10に示すように、各マーカ画像に対して、特定領域54が有効色(例えば、黒)に配色され、それ以外の領域55が無効色(例えば、白)に配色されている。
【0101】
なお、投影画像領域検出部23は、テンプレートマッチングを行う前に、初期検出モードで検出したマーカ画像領域とテンプレート画像とのサイズが同一になるよう、テンプレート画像を拡縮しておくようになっている。
【0102】
また、投影画像領域検出部23は、各マーカ画像領域に対して、例えば、図11に示すように、初期検出モードにおいて検出されたマーカ画像領域または動的検出モードにおいて前回に検出されたマーカ画像領域(以下、「検出済マーカ画像領域」という)の位置56から徐々にテンプレート画像を移動させていきながらテンプレートマッチングを行っていき、予め定められた移動量を移動した後、すなわち、予め定められた領域を探索した後に、最も相関値が高かったテンプレート画像の領域をマーカ画像領域として検出するようになっている。
【0103】
図3において、画像補正部24は、投影画像領域検出部23によって検出された投影画像領域を長方形にするための射影歪み補正の係数を算出し、算出した係数を用いて撮影画像の射影歪み補正を行うようになっている。これにより、マーカ画像の射影歪みも補正されるため、投影画像領域検出部23によるテンプレートマッチングの精度も向上する。
【0104】
投影画像切り出し部25は、画像補正部24によって補正された撮影画像から投影画像領域を切り出すようになっている。本実施の形態において、投影画像領域検出装置5は、投影画像切り出し部25によって切り出された画像を遠隔地に設けられた表示装置6(図1参照)にネットワーク通信モジュール17を介して送信し、表示装置6に表示させるものとする。
【0105】
ここで、投影画像領域検出装置5は、投影画像切り出し部25によって切り出された画像を遠隔地にある他の投影画像領域検出装置5のような外部機器にネットワーク通信モジュール17を介して送信するようにしてもよい。
【0106】
また、投影画像領域検出装置5は、投影画像切り出し部25によって切り出された画像を外部の記録装置にネットワーク通信モジュール17を介して送信し、当該記録装置に表示させるようにしてもよく、ハードディスク装置13に記録するようにしてもよい。
【0107】
このように構成された投影画像領域検出装置5について、図12乃至図14を用いてその動作を説明する。
【0108】
図12は、投影画像領域検出装置5の投影画像供給動作を説明するためのフローチャートである。なお、以下に説明する投影画像供給動作は、入力装置14等による入力操作に応じて実行される。
【0109】
まず、フレーム毎に模様の配色を変化させたマーカを表すマーカ画像がマーカ画像生成部20によって生成される(ステップS1)。次いで、表示装置15の表示画面を表す投影画像の4隅にマーカ画像生成部20によって生成されたマーカ画像がマーカ画像付加部21によって付加され(ステップS2)、マーカ画像が付加された投影画像が画像供給部22によって投影装置3に供給される(ステップS3)。
【0110】
ここで、入力装置14等による入力操作によって投影画像供給動作の終了が指示されている場合には、投影画像供給動作は終了し、投影画像供給動作の終了が指示されていない場合には、投影画像供給動作はステップS1に戻る(ステップS4)。
【0111】
図13および図14は、投影画像領域検出装置5の補正係数算出動作を説明するためのフローチャートである。図13は、初期検出モードにおける投影画像領域検出装置5の補正係数算出動作を説明するためのフローチャートである。
【0112】
まず、マーカ画像生成部20によって生成されるマーカ画像の配色の変化が一巡するまでに、撮影装置4によって撮影された2つの撮影画像が投影画像領域検出部23によって読み込まれる(ステップS11)。
【0113】
次いで、読み込まれた2つの撮影画像の差分画像が投影画像領域検出部23によって生成され(ステップS12)、有効色である黒画素よりなる領域の外接矩形が差分画像から抽出される(ステップS13)。
【0114】
次いで、抽出された外接矩形のなかで、面積が上限値以上のものと、下限値以下のものが投影画像領域検出部23によって差分画像から除外される(ステップS14)。次いで、差分画像の各角の二等分線を副走査方向として斜めに走査していくことにより各マーカ画像が映されたマーカ画像領域が投影画像領域検出部23によって検出される(ステップS15)。
【0115】
ここで、投影画像領域の4隅に対応するマーカ画像領域が検出されたか否かが投影画像領域検出部23によって判断される(ステップS16)。ここで、投影画像領域の4隅に対応するマーカ画像領域が検出されなかった場合には、補正係数算出動作は、ステップS1に戻る。
【0116】
一方、投影画像領域の4隅に対応するマーカ画像領域が検出された場合には、検出されたマーカ画像領域に基づいて投影画像領域検出部23によって投影画像領域が検出され(ステップS17)、検出された投影画像領域を射影歪み補正するための係数が画像補正部24によって算出される(ステップS18)。
【0117】
図14は、動的検出モードにおける投影画像領域検出装置5の補正係数算出動作を説明するためのフローチャートである。なお、以下に説明する補正係数算出動作は、予め定められた時間間隔で実行されてもよく、連続して実行されてもよい。
【0118】
まず、マーカ画像生成部20によって生成されるマーカ画像の配色の変化が一巡するまでに、撮影装置4によって撮影された2つの撮影画像が投影画像領域検出部23によって読み込まれる(ステップS21)。
【0119】
次いで、読み込まれた各撮影画像に対して、算出済みの係数を用いた射影歪み補正が画像補正部24によって行われ(ステップS22)、射影歪みの補正結果として得られた補正画像間の差分画像が生成される(ステップS23)。
【0120】
次いで、差分画像のなかで各検出済マーカ画像領域の位置からテンプレートマッチングを行うことにより、各マーカ画像領域が投影画像領域検出部23によって検出される(ステップS24)。
【0121】
ここで、投影画像領域の4隅に対応するマーカ画像領域が検出されたか否かが投影画像領域検出部23によって判断される(ステップS25)。ここで、投影画像領域の4隅に対応するマーカ画像領域が検出されなかった場合には、補正係数算出動作は、ステップS21に戻る。
【0122】
一方、投影画像領域の4隅に対応するマーカ画像領域が検出された場合には、検出されたマーカ画像領域に基づいて投影画像領域検出部23によって投影画像領域が検出される(ステップS26)。
【0123】
ここで、差分画像に対して、ステップS22で行った射影歪み補正の逆変換が行われ(ステップS27)、逆変換された差分画像における投影画像領域を射影歪み補正するための係数が画像補正部24によって算出される(ステップS28)。
【0124】
このように、投影画像領域検出装置5の補正係数算出動作が実行される一方で、撮影装置4によって撮影された撮影画像は、初期検出モードまたは動的検出モードにおいて算出された係数に基づいて、画像補正部24によって射影歪みが補正され、補正された撮影画像から投影領域が投影画像切り出し部25によって切り出される。そして、切り出された画像は、遠隔地に設けられた表示装置6にネットワーク通信モジュール17を介して送信される。
【0125】
以上に説明したように、本発明の第1の実施の形態としての投影画像領域検出システム1は、模様の配色が時間経過とともに変化するマーカ画像を投影装置3に投影させることにより、撮影画像のなかで模様の配色が時間経過とともに変化し続ける領域をマーカ画像領域として検出するため、投影装置3と、ホワイトボード2と、撮影装置4との位置関係が相対的にずれてしまった場合であっても、このずれに追従するように撮影画像から投影画像領域を検出することができる。
【0126】
なお、本実施の形態において、マーカ画像生成部20は、図4に示すようなマーカ画像30を生成するものとして説明したが、本発明において、マーカ画像生成部20は、動的検出モードにおけるマーカ画像が初期検出モードにおけるマーカ画像より小さくなるようマーカ画像を生成するようにしてもよい。
【0127】
このように構成することにより、動的検出モードにおけるマーカ画像を初期検出モードにおけるマーカ画像より目立たなくするため、投影画像の視認性を向上させることがきる。
【0128】
また、投影画像の視認性を向上させるため、マーカ画像生成部20は、動的検出モードにおけるマーカ画像が初期検出モードにおけるマーカ画像よりコントラストが低くなるようマーカ画像を生成するようにしてもよい。
【0129】
また、投影画像の視認性を向上させるため、マーカ画像生成部20は、動的検出モードにおけるマーカ画像が初期検出モードにおけるマーカ画像より色の変化量が少なくなるようマーカ画像を生成するようにしてもよい。
【0130】
(第2の実施の形態)
図15に示すように、本発明の第2の実施の形態としての投影画像領域検出装置は、本発明の第1の実施の形態における投影装置3と、撮影装置4と、投影画像領域検出装置5とを一体化した構成を有している。したがって、本実施の形態において、本発明の第1の実施の形態と同一のものには、同一の符号を付して説明を省略する。
【0131】
図16に示すように、投影画像領域検出装置60は、CPU10と、RAM11と、ROM12と、ハードディスク装置13と、入力装置14と、ネットワーク通信モジュール17と、プロジェクタ70と、カメラ71とを備えている。
【0132】
ROM12およびハードディスク装置13には、当該装置を投影画像領域検出装置60として機能させるためのプログラムが記憶されている。すなわち、CPU10がRAM11を作業領域としてROM12およびハードディスク装置13に記憶されたプログラムを実行することにより、当該装置は、投影画像領域検出装置60として機能する。
【0133】
投影画像領域検出装置60は、図17に示すように、マーカ画像生成部20と、マーカ画像付加部21と、マーカ画像が付加された投影画像を投影する投影部80と、ホワイトボード2に投影された画像を含む領域を撮影する撮影部81と、撮影部81によって撮影された撮影画像から投影画像が映された領域を検出する投影画像領域検出部23と、画像補正部24と、投影画像切り出し部25とを備えている。
【0134】
ここで、マーカ画像生成部20、マーカ画像付加部21、投影画像領域検出部23、画像補正部24および投影画像切り出し部25は、CPU10によって構成され、投影部80は、プロジェクタ70によって構成され、撮影部81は、カメラ71によって構成される。
【0135】
本実施の形態において、投影画像は、投影画像領域検出装置60に接続された画像供給装置61によって供給される。画像供給装置61は、例えば、汎用的なコンピュータ装置によって構成される。
【0136】
投影画像としては、画像供給装置61を構成するコンピュータ装置の表示画面を表す画像、当該コンピュータ装置によって実行されるプレゼンテーションソフトウェア等のアプリケーションによって作成された画像、または、当該コンピュータ装置に他の外部機器から受信された画像等がある。
【0137】
なお、画像供給装置61の各動作については、本発明の第1の実施の形態における投影画像領域検出装置5の動作説明に基づいて、容易に想到できるため、その説明を省略する。
【0138】
以上に説明したように、本発明の第2の実施の形態としての投影画像領域検出装置60は、模様の配色が時間経過とともに変化するマーカ画像を投影部80に投影させることにより、撮影画像のなかで模様の配色が時間経過とともに変化し続ける領域をマーカ画像領域として検出するため、投影画像領域検出装置60と、ホワイトボード2との位置関係が相対的にずれてしまった場合であっても、このずれに追従するように撮影画像から投影画像領域を検出することができる。
【符号の説明】
【0139】
1 投影画像領域検出システム
2 ホワイトボード
3 投影装置
4 撮影装置
5、60 投影画像領域検出装置
6、15 表示装置
10 CPU
11 RAM
12 ROM
13 ハードディスク装置
14 入力装置
16 デバイス通信モジュール
17 ネットワーク通信モジュール
20 マーカ画像生成部
21 マーカ画像付加部
22 画像供給部
23 投影画像領域検出部
24 画像補正部
25 投影画像切り出し部
61 画像供給装置
70 プロジェクタ
71 カメラ
80 投影部
81 撮影部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0140】
【特許文献1】特開2008−225553号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影画像を含む領域が撮影された撮影画像のなかで前記投影画像が映された領域の4隅を特定するためのマーカ画像領域を検出する投影画像領域検出部を備えた投影画像領域検出装置において、
前記投影画像領域検出部は、配色が時間経過とともに変化し続ける領域を前記マーカ画像領域として検出することを特徴とする投影画像領域検出装置。
【請求項2】
特定領域の配色が時間経過とともに変化するマーカをマーカ画像としてマーカ画像生成部と、
前記マーカ画像生成部によって生成されたマーカ画像を前記投影画像に付加するマーカ画像付加部と、
前記マーカ画像が付加された投影画像を投影装置に供給する画像供給部と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の投影画像領域検出装置。
【請求項3】
前記マーカ画像生成部は、前記撮影画像のなかで識別できる程度に模様が単純で、周期性がないマーカを前記マーカ画像として生成することを特徴とする請求項2に記載の投影画像領域検出装置。
【請求項4】
前記マーカ画像生成部は、前記特定領域の予め定められた色成分が時間経過とともに変化するマーカを前記マーカ画像として生成し、
前記投影画像領域検出部は、前記撮影画像のなかで該色成分が時間経過とともに変化し続ける領域を前記マーカ画像領域として検出することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の投影画像領域検出装置。
【請求項5】
前記投影画像領域検出部は、前記撮影画像の差分画像から前記マーカ画像領域を検出することを特徴とする請求項1に記載の投影画像領域検出装置。
【請求項6】
前記投影画像領域検出部によって検出されたマーカ画像領域に基づいて、前記投影画像の画像領域を検出し、検出した投影画像の画像領域の射影歪みを補正する画像補正部を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の投影画像領域検出装置。
【請求項7】
前記投影画像領域検出部は、前記マーカ画像領域の最も外側の角を検出することにより前記マーカ画像領域を検出する初期検出モードと、前記画像補正部によって補正された画像間の差分画像のなかで予め定められたテンプレート画像とテンプレートマッチングを行うことにより前記マーカ画像領域を検出する動的検出モードと、の2つのモードをとることを特徴とする請求項6に記載の投影画像領域検出装置。
【請求項8】
前記投影画像領域検出部は、前記初期検出モードにおいて、前記撮影画像の各角の二等分線を副走査方向として斜めに走査していくことにより前記マーカ画像領域を検出することを特徴とする請求項7に記載の投影画像領域検出装置。
【請求項9】
前記投影画像領域検出部は、前記動的検出モードにおいて、検出済みのマーカ画像領域の周囲に対して前記テンプレートマッチングを行うことを特徴とする請求項7に記載の投影画像領域検出装置。
【請求項10】
前記投影画像領域検出部は、前記初期検出モードで検出したマーカ画像領域に基づいて、前記テンプレート画像の大きさを決定することを特徴とする請求項7乃至請求項9の何れかに記載の投影画像領域検出装置。
【請求項11】
前記マーカ画像生成部は、前記動的検出モードにおけるマーカ画像が前記初期検出モードにおけるマーカ画像より小さくなるよう前記マーカ画像を生成することを特徴とする請求項7乃至請求項10の何れかに記載の投影画像領域検出装置。
【請求項12】
前記マーカ画像生成部は、前記動的検出モードにおけるマーカ画像が前記初期検出モードにおけるマーカ画像よりコントラストが低くなるよう前記マーカ画像を生成することを特徴とする請求項7乃至請求項11の何れかに記載の投影画像領域検出装置。
【請求項13】
前記マーカ画像生成部は、前記動的検出モードにおけるマーカ画像が前記初期検出モードにおけるマーカ画像より色の変化量が少なくなるよう前記マーカ画像を生成することを特徴とする請求項7乃至請求項12の何れかに記載の投影画像領域検出装置。
【請求項14】
外部装置から供給された投影画像を投影対象物に投影する投影部と、
前記投影対象物に投影された画像を含む領域を撮影する撮影部と、
前記投影装置に投影させる投影画像の4隅を特定するためのマーカ画像が映されたマーカ画像領域を前記撮影装置によって撮影された撮影画像から検出することにより前記投影画像が映された投影画像領域を前記撮影画像から検出する投影画像領域検出部と、を備えた投影画像領域検出装置において、
特定領域の配色が時間経過とともに変化するマーカを前記マーカ画像として生成するマーカ画像生成部と、
前記マーカ画像生成部によって生成されたマーカ画像を前記投影画像に付加するマーカ画像付加部と、を備え、
前記投影部は、前記マーカ画像が付加された投影画像を投影し、
前記投影画像領域検出部は、前記撮影画像のなかで配色が時間経過とともに変化し続ける領域を前記マーカ画像領域として検出することにより、前記投影画像領域を前記撮影画像から検出することを特徴とする投影画像領域検出装置。
【請求項15】
投影対象物に画像を投影する投影装置と、
前記投影対象物に投影された画像を含む領域を撮影する撮影装置と、
前記投影装置に投影させる投影画像の4隅を特定するためのマーカ画像が映されたマーカ画像領域を前記撮影装置によって撮影された撮影画像から検出することにより前記投影画像が映された投影画像領域を前記撮影画像から検出する投影画像領域検出部を有する投影画像領域検出装置と、を備えた投影画像領域検出システムにおいて、
前記投影画像領域検出装置は、
特定領域の配色が時間経過とともに変化するマーカを前記マーカ画像として生成するマーカ画像生成部と、
前記マーカ画像生成部によって生成されたマーカ画像を前記投影画像に付加するマーカ画像付加部と、
前記マーカ画像が付加された投影画像を投影させるよう該投影画像を前記投影装置に供給する画像供給部と、を有し、
前記投影画像領域検出部は、前記撮影画像のなかで配色が時間経過とともに変化し続ける領域を前記マーカ画像領域として検出することにより、前記投影画像領域を前記撮影画像から検出することを特徴とする投影画像領域検出システム。
【請求項16】
投影画像を含む領域が撮影された撮影画像のなかで前記投影画像が映された領域の4隅を特定するためのマーカ画像領域を検出する投影画像領域検出装置を用いた投影画像領域検出方法において、
配色が時間経過とともに変化し続ける領域を前記投影画像領域検出装置が前記マーカ画像領域として検出する投影画像領域検出ステップを有することを特徴とする投影画像領域検出方法。
【請求項17】
特定領域の配色が時間経過とともに変化するマーカを前記投影画像領域検出装置がマーカ画像としてマーカ画像生成ステップと、
前記マーカ画像生成ステップで生成されたマーカ画像を前記投影画像領域検出装置が前記投影画像に付加するマーカ画像付加ステップと、
前記マーカ画像が付加された投影画像を前記投影画像領域検出装置が投影装置に供給する画像供給ステップと、を有することを特徴とする請求項16に記載の投影画像領域検出方法。
【請求項18】
前記マーカ画像生成ステップでは、前記撮影画像のなかで識別できる程度に模様が単純で、周期性がないマーカを前記投影画像領域検出装置が前記マーカ画像として生成することを特徴とする請求項17に記載の投影画像領域検出方法。
【請求項19】
前記マーカ画像生成ステップでは、前記特定領域の予め定められた色成分が時間経過とともに変化するマーカを前記投影画像領域検出装置が前記マーカ画像として生成し、
前記投影画像領域検出ステップでは、前記撮影画像のなかで該色成分が時間経過とともに変化し続ける領域を前記投影画像領域検出装置が前記マーカ画像領域として検出することを特徴とする請求項17または請求項18に記載の投影画像領域検出方法。
【請求項20】
前記投影画像領域検出ステップでは、前記撮影画像の差分画像から前記投影画像領域検出装置が前記マーカ画像領域を検出することを特徴とする請求項16に記載の投影画像領域検出方法。
【請求項21】
前記投影画像領域検出ステップで検出されたマーカ画像領域に基づいて、前記投影画像領域検出装置が、前記投影画像の画像領域を検出し、検出した投影画像の画像領域の射影歪みを補正する画像補正ステップを有することを特徴とする請求項16乃至請求項20の何れかに記載の投影画像領域検出方法。
【請求項22】
前記投影画像領域検出ステップでは、前記マーカ画像領域の最も外側の角を検出することにより、前記投影画像領域検出装置が前記マーカ画像領域を検出する初期検出ステップと、前記画像補正部によって補正された画像間の差分画像のなかで予め定められたテンプレート画像とテンプレートマッチングを行うことにより、前記投影画像領域検出装置が前記マーカ画像領域を検出する動的検出ステップと、を含むことを特徴とする請求項21に記載の投影画像領域検出方法。
【請求項23】
前記初期検出ステップでは、前記撮影画像の各角の二等分線を副走査方向として斜めに走査していくことにより前記マーカ画像領域を検出することを特徴とする請求項22に記載の投影画像領域検出方法。
【請求項24】
前記動的検出ステップでは、前記投影画像領域検出装置が、検出済みのマーカ画像領域の周囲に対して前記テンプレートマッチングを行うことを特徴とする請求項22に記載の投影画像領域検出方法。
【請求項25】
前記動的検出ステップでは、前記初期検出ステップで検出されたマーカ画像領域に基づいて、前記投影画像領域検出装置が、前記テンプレート画像の大きさを決定することを特徴とする請求項22乃至請求項24の何れかに記載の投影画像領域検出方法。
【請求項26】
前記マーカ画像生成ステップでは、前記動的検出モードにおけるマーカ画像が前記初期検出モードにおけるマーカ画像より小さくなるよう前記投影画像領域検出装置が前記マーカ画像を生成することを特徴とする請求項22乃至請求項25の何れかに記載の投影画像領域検出方法。
【請求項27】
前記マーカ画像生成ステップでは、前記動的検出モードにおけるマーカ画像が前記初期検出モードにおけるマーカ画像よりコントラストが低くなるよう前記投影画像領域検出装置が前記マーカ画像を生成することを特徴とする請求項22乃至請求項26の何れかに記載の投影画像領域検出方法。
【請求項28】
前記マーカ画像生成ステップでは、前記動的検出モードにおけるマーカ画像が前記初期検出モードにおけるマーカ画像より色の変化量が少なくなるよう前記投影画像領域検出装置が前記マーカ画像を生成することを特徴とする請求項22乃至請求項27の何れかに記載の投影画像領域検出方法。
【請求項29】
投影画像を含む領域が撮影された撮影画像のなかで前記投影画像が映された領域の4隅を特定するためのマーカ画像領域を検出する投影画像領域検出装置に実行させるための投影画像領域検出プログラムにおいて、
配色が時間経過とともに変化し続ける領域を前記マーカ画像領域として検出させる投影画像領域検出ステップを有することを特徴とする投影画像領域検出プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−81775(P2011−81775A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−166943(P2010−166943)
【出願日】平成22年7月26日(2010.7.26)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】