説明

抗ウイルス薬のブースターとしてのアミド化合物

本発明は、CYP450阻害特性を有しかつ従ってある種の薬物のブースターとして有用である(すなわちそれらは共投与される場合にある種の薬物の薬物動態変数の最低1種を増大させることが可能である)化合物に関する。本発明はさらに、ある種の薬物の生物学的利用率の改良剤としての前記化合物の使用を提供する。本発明の化合物および製薬学的組成物の製造方法もまた提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CYP450阻害特性を有しかつ従ってある種の薬物のブースター(booster)として有用である(すなわちそれらは共投与される場合にある種の薬物の薬物動態変数の最低1種を増大させることが可能である)化合物に関する。本発明はさらに、ある種の薬物の生物学的利用率の改良剤としての前記化合物の使用を提供する。本発明の化合物およびこれらの化合物を含んでなる製薬学的組成物の製造方法もまた提供される。
【背景技術】
【0002】
数種のHIVプロテアーゼ阻害剤(PI)および非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)を包含する多くの薬物は、チトクロームP450系により代謝される。チトクロームP450系は肝および腸管に見出される一群の酵素であり、ヒト身体中で多数の機能を有する。チトクロームP450の活性は個体間および集団間で異なる。小さな遺伝的変動が、どのくらい多くの特定の酵素が発現されるか、および従って薬物がどのくらい迅速に代謝されるかに影響し得る。
【0003】
特定の一遺伝子に由来するチトクロームP450酵素はアイソフォームと呼ばれる。それらの化学構成の類似性に基づき、アイソフォームはファミリーおよびサブファミリーに分割される。酵素バリアントは数および文字体系により記述され、それらはそれらの化学および遺伝子構造を反映する。
【0004】
CYP3A4ともまた称されるチトクロームP450、サブファミリーIIIA(ニフェジピン酸化酵素)、ポリペプチド4は、薬剤(medication)および他の物質の分解および排除に使用される特定の一代謝経路である。
【0005】
チトクロームP450系によるある種の薬物の代謝は、頻繁に、不都合な薬物動態を有する前記薬物、ならびに最も望ましいよりも頻繁かつより高用量の必要性をもたらす。チトクロームP450系による代謝を阻害する剤とのこうした薬物の投与が薬物の薬物動態を改善しうる。この点に関して、ある種の薬物の薬物動態の改良方法が公表されている。例えば特許文献1;非特許文献1を参照されたい。
【0006】
特許文献2に、治療上有効な量のヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラニル含有HIVプロテアーゼ阻害剤および治療上有効な量のチトクロームP450阻害剤の組み合わせをそれの必要なヒトに投与することを含んでなる、ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラニル含有HIVプロテアーゼ阻害剤の薬物動態の改良方法が開示されている。
【0007】
臨床治療における大部分のHIVプロテアーゼ阻害剤は、現在、曝露を改良しかつそれにより臨床的有効性を高めるためにリトナビルと組合せられている。この型の適用される薬物−薬物相互作用は「ブースティング(boosting)」と称される。ブースティングは、錠剤の負担(pill burden)および1日の摂取の頻度の低減により、現在のPIの単純化された処置レジメンもまた支援する。
【0008】
不幸なことに、PIレジメンのリトナビル増強は、低用量であってもリスクなしではない。リトナビルはそれ自体がHIVプロテアーゼ阻害剤である。リトナビルに対する耐性は、いくつかの耐性突然変異の1種若しくはそれ以上の選択を伴う。リトナビルにより選択される耐性突然変異は、頻繁に、他のプロテアーゼ阻害剤に対する耐性を賦与するか若しくはそれに寄与する。多様な突然変異が多様な薬物に対する交差耐性を伴う。例えば、M46Iは、インジナビル、ネルフィナビルおよびホスアンプレナビルに対する交差耐性
を伴う(がしかしサキナビルに対しては伴わない)。V82A,F,T,S単独はインジナビルに対する交差耐性を伴うが、しかし、他の突然変異と組合せ物で、ネルフィナビル、ホスアンプレナビルおよびサキナビルに対する耐性もまた賦与し、そしてI84Vは全部の利用可能なプロテアーゼ阻害剤に対する耐性に寄与する。これらの突然変異のいかなる単一のものもロピナビルに対する完全な耐性を伴わない一方、それぞれは部分的耐性に寄与し、および、数種の変異体の存在が一緒になって耐性を賦与し得る。インジナビルに対する応答はリトナビルに対する耐性の状況でありそうでない。
【0009】
であるから、有効かつ安全な抗HIV処置におけるブースティング剤としてのリトナビルに対する代替物に対する高い医学的必要性が存在する。ブースティング剤による耐性発生の可能性が排除される、有効かつ安全な抗HIV処置におけるブースティング剤としてのリトナビルに対する代替物に対する高い医学的もまた存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第6,037,157号明細書
【特許文献2】第WO03/049746号明細書
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】D.E.Kempfら Antimicrob.Agents Chemother.、41、pp.654−660(1997)
【発明の概要】
【0012】
[発明の要約]
本発明により、今や、式(I)の以下の化合物がCYP450阻害特性を有しかつブースティング剤として有用であることが見出された。これらの化合物は、式
【0013】
【化1】

【0014】
それらの塩および立体異性体
により表され、ここで
RはH、フェニル、ピリジル、C1−6アルキル若しくは
【0015】
【化2】

【0016】
であり、
AおよびBは、相互に独立に、H;アルキニル、ヘテロアリール、またはC1−6アルキルで場合によっては置換されている窒素、酸素若しくはイオウから選択されるヘテロ原子で場合によっては置換されているC1−6アルキルであるか、あるいは、AおよびBは、それらが結合されている窒素と一緒になって、窒素、酸素若しくはイオウからそれぞれ独
立に選択される1ないし4個のヘテロ原子を含有する5若しくは6員の飽和、部分的に若しくは完全に不飽和の複素環を形成し、前記ヘテロ原子はC1−6アルキルで場合によっては置換されており;

【0017】
【化3】

【0018】
を含んでなる群から選択され;
は、OH、アミノアルキル、ピロリジニル、モルホリニル、アルキニル、若しくはハロゲンで場合によっては置換されているC3−7シクロアルキルで場合によっては置換されているC1−6アルキルであり;
はOHであり;
はH若しくはアルキルであり;
はハロゲンで場合によっては置換されているピリジル若しくはフェニルであり;
XはC1−6アルキルで場合によっては置換されているO、S若しくはNである。
【0019】
好ましい化合物はそれぞれ式(II)、(III)および(IV)をもつか;あるいはそれぞれ下でC1、C6およびC7と記述される以下の化合物である。
【0020】
【化4】

【発明を実施するための形態】
【0021】
[発明の詳細な記述]
式(I)、(II)、(III)および(IV)の化合物は、HIVに対する最小限の耐性を賦与するか若しくは耐性を賦与しないことが見出されており、そして従ってHIV阻害剤のブースターとしてのリトナビル(RTV)に対する有用な代替物である。
【0022】
式(I)の化合物が、例えばHCVおよび/若しくはRSV阻害剤のような他のウイルス阻害剤のブースティング剤として有用であることもまた見出されている。式(I)の化合物およびHIV、HCV若しくはRSV阻害剤のような他の薬物の組合せ物は、安全であり、有効であり、そして抗ウイルス薬を単独で投与するとみられる場合に比較してこうした抗ウイルス薬のより少ない治療上有効な用量を可能にする感染患者への治療の提供をそれが可能にするために有益である。より低用量は毒性および錠剤の負担に関して常に望ましく、それによりそれぞれ有害作用の発生率を低下させかつ治療コンプライアンスを増加させる。式(I)の化合物およびHIV若しくは他のウイルス阻害剤の組合せ物は、それの必要な患者への前記組合せ物の投与に際してこれらの抗ウイルス薬に対する相乗効果を提供する。
【0023】
別の方法で示されない限り、上および下で使用されるところの以下の定義が当てはまる。
【0024】
本発明の化合物の定義において「置換されている」という用語が使用される場合はいつも、「置換されている」を使用する表現で挙げられ若しくはそれに含まれる原子上の1個若しくはそれ以上の水素が、示される基からの一選択肢で置き換えられていることを示すことを意味しているが、但し、前記原子の通常の原子価が超えられず、かつ、置換が化学的に安定な化合物、すなわち時間の便宜的な量を通じて有用な程度の純度でその構造および分子の同一性を維持する化合物をもたらす。時間の便宜的な量は応用の分野に依存することができる。
【0025】
ハロ(ゲン)という用語はフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードに包括的なものである。
【0026】
基若しくは基の一部としての本明細書で使用されるところの「C1−4アルキル」は、例えばメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピルのような1から4個までの炭素原子を有する直鎖若しくは分枝状鎖飽和炭化水素基を定義し;
「C1−6アルキル」は、C1−4アルキル基、および例えば1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、2−メチル−1−ブチル、2−メチル−1−ペンチル、2−エチル−1−ブチル、3−メチル−2−ペンチルなどのような5若しくは6個の炭素原子を有するそれらの高級な相同物を包含する。C1−6アルキルのなかでC1−4アルキルとりわけイソブチルが興味深い。
【0027】
3−7シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルに包括的なものである。
【0028】
「ヘテロアリール」は技術に認識され、かつ、1若しくは2個の(縮合)芳香環を含有する単環若しくは二環系を指し;前記環系は窒素、酸素若しくはイオウから選択される最低1個のヘテロ原子を含有し、また、前記ヘテロ原子はC1−6アルキルで場合によっては置換されている。
【0029】
該定義で使用されるいかなる分子部分上の基の位置も、それが化学的に安定である限りはこうした部分のどこであってもよいことに注目すべきである。
【0030】
変数の定義で使用される基は、別の方法で示されない限り全部の可能な異性体を包含する。例えば、ピリジルは2−ピリジル、3−ピリジルおよび4−ピリジルを包含する。
【0031】
下で「例えば式(I)の化合物」、「本化合物」、「本発明の化合物」という用語若しくは類似の用語が使用される場合はいつでも、式(I)の化合物およびそれらのいずれかのサブグループ、下の表および実施例で描かれるところの化合物、ならびに上の化合物のいずれかのプロドラッグ、立体化学異性体、ラセミ混合物、エステル、付加塩、溶媒和物、四級アミン、N−オキシド、金属錯体および代謝物を包含することを意味している。一態様は、式(I)の化合物若しくは本明細書に明記されるそれらのいずれかのサブグループ、ならびにそれらのN−オキシド、塩ならびに可能な立体異性体を含んでなる。
【0032】
下で使用される場合はいつでも、「HIV抗ウイルス薬(1種若しくは複数)」および「HIV阻害剤(1種若しくは複数)」という用語は互換性であり、そして現在の記述の文脈で同一の意味を有する。
【0033】
式(I)の化合物は、それらの置換基中に中心性キラリティを包含することができ、そして従って立体化学異性体として存在する。「立体化学異性体」、「立体異性体」という用語、および本明細書で使用されるところの同等な専門用語は、式(I)の化合物が有しうる、結合の同一の順序により結合されているがしかし互換性でない異なる三次元構造を有する同一原子から構成される全部の可能な化合物を定義する。
【0034】
(R)若しくは(S)、または、あるいは、()により示されるが一置換基内のキラル原子の絶対配置を呼称するのに使用される場合に関して、該呼称は、化合物全体を考慮してなされ、そして置換基単独でない。
【0035】
別の方法で挙げられ若しくは示されない限り、化合物の化学的呼称は、前記化合物が有しうる全部の可能な立体化学異性体の混合物を包含する。前記混合物は前記化合物の基本的分子構造の全部のジアステレオマーおよび/若しくは鏡像異性体を含有しうる。純粋な形態の若しくは相互と混合されたの双方の本発明の化合物の全部の立体化学異性体が本発明の範囲内に包含されることを意図している。
【0036】
本明細書で挙げられるところの化合物および中間体の純粋な立体異性体は、前記化合物若しくは中間体の同一の基本的分子構造の他の鏡像異性体若しくはジアステレオマーを実質的に含まない異性体と定義する。とりわけ、「立体異性的に純粋な」という用語は、最低80%の立体異性的過剰(すなわち最低90%の一方の異性体および最高10%の他の可能な異性体)から100%までの立体異性的過剰(すなわち100%の一方の異性体および他方なし)を有する化合物若しくは中間体、より具体的には、90%から100%までの立体異性的過剰を有する、なおより具体的には94%から100%までの立体異性的過剰を有する、および最も具体的には97%から100%までの立体異性的過剰を有する化合物若しくは中間体に関する。「鏡像異性的に純粋な」および「ジアステレオマー的に純粋な」という用語は同様の方法で、しかしその場合は問題の混合物のそれぞれ鏡像異性的過剰およびジアステレオマー的過剰を考慮して理解されるべきである。
【0037】
本発明の化合物および中間体の純粋な立体異性体は技術既知の手順の適用により得ることができる。例えば、鏡像異性体は、光学活性の酸若しくは塩基とのそれらのジアステレオマー塩の選択的結晶化により相互から分離しうる。それらの例は、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸およびカンファースルホン酸である。あるいは、鏡像異性
体はキラル固定相を使用するクロマトグラフィー技術により分離しうる。前記純粋な立体化学異性体は、対応する純粋な立体化学異性体の適切な出発原料にもまた由来しうるが、但し該反応が立体特異的に起こる。好ましくは、特定の立体異性体が望ましい場合は、前記化合物を立体特異的製造方法により合成することができる。これらの方法は、有利には鏡像異性的に純粋な出発原料を使用することができる。
【0038】
本発明の化合物のジアステレオマーのラセミ化合物は慣習的方法により個別に得ることができる。有利に使用されうる適切な物理的分離方法は、例えば、選択的結晶化およびクロマトグラフィー、例えばカラムクロマトグラフィーである。
【0039】
本発明のある種の化合物、それらのプロドラッグ、N−オキシド、塩、溶媒和物、四級アミン若しくは金属錯体、およびそれらの製造で使用される中間体について、絶対的立体化学配置は実験的に決定されない。当業者は、例えばX線回折のような技術既知の方法を使用して、こうした化合物の絶対配置を決定することが可能である。
【0040】
本発明はまた、本化合物に存在する原子の全部の同位元素を包含することも意図している。同位元素は同一の原子番号しかし異なる質量数を有する原子を包含する。一般的な例としてかつ制限なしに、水素の同位元素はトリチウムおよび重水素を包含する。炭素の同位元素はC−13およびC−14を包含する。
【0041】
本本文を通じて使用されるところの「プロドラッグ」という用語は、誘導体の生じるin vivo生体内変換生成物が式(I)の化合物で定義されるところの有効成分であるような、エステル、アミドおよびリン酸塩のような薬理学的に許容できる誘導体を意味している。プロドラッグを全般に記述するGoodmanとGilmanによる参考文献(The Pharmacological Basis of Therapeutics、第8版、McGraw−Hill,国際版 1992、“Biotransformation of Drugs”、p13−15)がここに組み込まれる。プロドラッグは、好ましくは、優れた水溶解性、増大された生物学的利用率を有し、そしてin vivoで活性の阻害剤に容易に代謝される。本発明の化合物のプロドラッグは、化合物中に存在する官能基を、修飾が慣例の操作によるか若しくはin vivoでのいずれかで親化合物に切断されるような方法で修飾することにより製造しうる。
【0042】
in vivoで加水分解可能でありかつヒドロキシ若しくはカルボキシル基を有する式(I)の化合物由来である製薬学的に許容できるエステルプロドラッグが好ましい。in vivoで加水分解可能なエステルは、ヒト若しくは動物の身体中で加水分解されて親酸若しくはアルコールを産生するエステルである。カルボキシに適する製薬学的に許容できるエステルは、C1−6アルコキシメチルエステル例えばメトキシメチル、C1−6アルカノイルオキシメチルエステル例えばピバロイルオキシメチル、フタリジルエステル、C3−8シクロアルコキシカルボニルオキシC1−6アルキルエステル例えば1−シクロヘキシルカルボニル−オキシエチル;1,3−ジオキソレン−2−オニルメチルエステル例えば5−メチル−1,3−ジオキソレン−2−オニルメチル;およびC1−6アルコキシカルボニルオキシエチルエステル、例えば本発明の化合物中のいずれのカルボキシ基でも形成されうる1−メトキシカルボニルオキシエチルを包含する。
【0043】
ヒドロキシ基を含有する式(I)の化合物のin vivoで加水分解可能なエステルは、リン酸エステルおよびα−アシルオキシアルキルエーテルのような無機エステル、ならびに、エステルのin vivo加水分解の結果として分解して親ヒドロキシ基を生じる関連化合物を包含する。α−アシルオキシアルキルエーテルの例はアセトキシ−メトキシおよび2,2−ジメチルプロピオニルオキシ−メトキシを包含する。ヒドロキシのin
vivoで加水分解可能なエステル形成基の選択肢は、アルカノイル、ベンゾイル、フ
ェニルアセチルならびに置換ベンゾイルおよびフェニルアセチル、アルコキシカルボニル(アルキル炭酸エステルを生じる)、ジアルキルカルバモイルおよびN−(ジアルキルアミノエチル)−N−アルキルカルバモイル(カルバミン酸エステルを生じる)、ジアルキルアミノアセチルならびにカルボキシアセチルを包含する。ベンゾイル上の置換基の例は、ベンゾイル環の3若しくは4位にメチレン基を介して環窒素原子から結合されているモルホリノおよびピペラジノを包含する。
【0044】
治療的使用のため、式(I)の化合物の塩は対イオンが製薬学的に許容できるものである。しかしながら、製薬学的に許容できない酸および塩基の塩もまた、例えば製薬学的に許容できる化合物の製造若しくは精製で使用を見出しうる。全部の塩は、製薬学的に許容できようとそうでなかろうと本発明の範囲内に包含される。
【0045】
上で挙げられたところの製薬学的に許容できる酸および塩基付加塩は、式(I)の化合物が形成することが可能である治療上活性の非毒性の酸および塩基付加塩の形態を含んでなることを意味している。製薬学的に許容できる酸付加塩は、こうした適切な酸で塩基の形態を処理することにより便宜的に得ることができる。適切な酸は、例えば、ハロ水素酸、例えば塩酸若しくは臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸および類似の酸のような無機酸;または例えば酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸(すなわちエタン二酸)、マロン酸、コハク酸(すなわちブタン二酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸(すなわちヒドロキシブタン二酸)、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サイクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パルモ酸(palmoic)および類似の酸のような有機酸を含んでなる。
【0046】
逆に、前記塩の形態は、適切な塩基での処理により遊離塩基の形態に転化し得る。
【0047】
酸性プロトンを含有する式(I)の化合物は、適切な有機および無機塩基での処理によりそれらの非毒性の金属若しくはアミン付加塩にもまた転化しうる。適切な塩基塩の形態は、例えば、アンモニウム塩、アルカリおよびアルカリ土類金属塩、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム塩など、有機塩基との塩、例えばベンザチン、N−メチル−D−グルカミン、ヒドラバミン塩、ならびに例えばアルギニン、リシンなどのようなアミノ酸との塩を含んでなる。
【0048】
「溶媒和物」という用語は、i)本発明の化合物ならびにそれらの塩、ならびにii)1種若しくはそれ以上の製薬学的に許容できる溶媒分子、例えばエタノール、イソプロパノール、1−メチル−2−プロパノール、メタノール、アセトン、ジクロロメタン、酢酸エチル、アニソール、テトラヒドロフラン若しくはメシル酸塩を含んでなる分子複合体を記述するのに本明細書で使用する。「水和物」という用語は、前記溶媒が水である場合に使用する。
【0049】
上で使用されるところの「四級アミン」という用語は、式(I)の化合物の塩基性窒素と、例えば場合によっては置換されているアルキルハロゲン化物、アリールハロゲン化物若しくはアリールアルキルハロゲン化物、例えばヨウ化メチル若しくはヨウ化ベンジルのような適切な四級化剤の間の反応により式(I)の化合物が形成することが可能である四級アンモニウム塩を定義する。トリフルオロメタンスルホン酸アルキル、メタンスルホン酸アルキルおよびp−トルエンスルホン酸アルキルのような、良好な脱離基をもつ他の反応体もまた使用しうる。四級アミンは正に荷電した窒素を有する。製薬学的に許容できる対イオンはクロロ、ブロモ、ヨード、トリフルオロ酢酸イオンおよび酢酸イオンを包含する。選択すべき対イオンはイオン交換樹脂を使用して導入し得る。
【0050】
本化合物のN−オキシドの形態は、1個若しくは数個の窒素原子がいわゆるN−オキシドに酸化されている式(I)の化合物を含んでなることを意味している。
【0051】
式(I)の化合物は、金属結合、キレート結合、複合体形成特性を有することができ、そして従って金属錯体若しくは金属キレートとして存在しうることが認識されるであろう。式(I)の化合物のこうしたメタル化(metalated)誘導体は本発明の範囲内に包含されることを意図している。
【0052】
式(I)の化合物のいくつかはそれらの互変異性体でもまた存在しうる。こうした形態は、上の式中で明確に示されないとは言え、本発明の範囲内に包含されることを意図している。
【0053】
式(I)の化合物は、下で*により描かれるところの2個の非対称中心を有する。
【0054】
【化5】

【0055】
好ましくは、式(I)の化合物は下の式(I−a)の構造で示されるところの立体化学を有する。
【0056】
【化6】

【0057】
本発明の式(I)の化合物は、表1、表2、表3若しくは表4の以下の化合物のいずれか1種から選択し得る。置換パターン(R、R、RおよびXにより示される)と並んでLC−MSデータ(m/z(M+1)および保持時間(R)を報告する。示される結果および実施例は本発明を例示するために提示され、そして本発明の範囲を制限すると解釈されるべきでない。
【0058】
【表1−1】

【0059】
【表1−2】

【0060】
【表1−3】

【0061】
【表1−4】

【0062】
【表2】

【0063】
【表3】

【0064】
【表4】

【0065】
好ましい化合物は化合物C1、C6およびC7である。
【0066】
本発明の好ましい一態様において、(a)式(I)の化合物、その塩若しくは立体異性体;および(b)HIV抗ウイルス薬若しくはその製薬学的に許容できる塩を含んでなる組合せ物が提供され;式(I)の化合物はC1、C6若しくはC7から選択される。
【0067】
本発明の好ましい一態様において、(a)式(I)の化合物、その塩若しくは立体異性体;および(b)ときにHIV阻害剤と呼ばれるHIV抗ウイルス薬、若しくはその製薬学的に許容できる塩を含んでなる組合せ物が提供され;式(I)の化合物はC1、C6若しくはC7から選択され;また、HIV抗ウイルス薬若しくはHIV阻害剤は、例えば、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NRTI)、例えばジドブジン(AZT)、ジダノシン(ddI)、ザルシタビン(ddC)、ラミブジン(3TC)、スタブジン(d4T)、エムトリシタビン(FTC)、アバカビル(ABC)、アプリシタビン(AVX−754)、エルブシタビン(ACH−126,443)、ホスファジド(phosphazide)、KP−1461、MIV−210、ラシビル(PSI−5004)など;若しくは、デラビルジン(DLV)、エファビレンズ(EFV)、ネビラピン(NVP)、カプラビリン(CPV)、カラノリド(calanolide)A、ダピビリン(TMC120)、エトラビリン(TMC125)、リルピビリン(TMC278)、アロブジン(MIV−310)、UC−781などのような非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI);またはヌクレオチド逆転写酵素阻害剤(NtRTI)、例えばテノホビルおよびテノホビルジソプロキシルフマル酸塩(TDF)など;またはTAT阻害剤、例えばRO−5−3335、BI−201のようなトランス活性化タンパク質の阻害剤;REV阻害剤;あるいはプロテアーゼ阻害剤、例えばリトナビル(RTV)、サキナビル(SQV)、ロピナビル(ABT−378若しくはLPV)、インジナビル(IDV)、アンプレナビル(VX−478)、TMC−126、ネルフィナビル(AG−1343)、アタザナビル(BMS−232632)、現在PrezistaTMとして上市されているダルナビル(TMC−114)、SPI−256、ホスアンプレナビル(GW433908若しくはVX−175)、P−1946、MK−8122(PPL−100)、チプラナビル(PNU−140690)、または化学名(1−ベンジル−3−{[2−(1−シクロペンチル−ピペリジン−4−イルアミノ)−ベンゾチアゾール−6−スルホニル]−イソブチル
−アミノ}−2−ヒドロキシ−プロピル)カルバミン酸ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルエステルをもつプロテアーゼ阻害剤など;あるいはウイルスインテグラーゼ阻害剤、例えばラルテグラビル(MK−518)、エルビテグラビル(GS−9137;JTK−303)、BMS−538,158など;あるいは、融合阻害剤(例えばT−20若しくはエンフビルチド、T−1249)、接着阻害剤および補助受容体阻害剤を含んでなる侵入阻害剤;後者はCCR5アンタゴニストおよびCXR4アンタゴニスト(例えばAMD−3100)を含んでなり;侵入阻害剤の例は、PRO−140、PRO−542、TBR−220(TAK−220)、TBR−652(TAK−652)、ビクリビロック(SCH−417,690)、TNX−355、マラビロック(UK−427,857)、BMS−488,043、BMS−806であり;成熟阻害剤は例えばベビリマット(bevirimat)(PA−457)であり;リボヌクレオチド還元酵素阻害剤(細胞阻害剤)、例えばヒドロキシ尿素など;あるいは上のいずれかの組合せ物から選択される。
【0068】
最も好ましい態様は、(a)C1、C6若しくはC7から選択される化合物、それらの塩若しくは立体異性体;および(b)ダルナビル、若しくは化学名(1−ベンジル−3−{[2−(1−シクロペンチル−ピペリジン−4−イルアミノ)−ベンゾチアゾール−6−スルホニル]−イソブチル−アミノ}−2−ヒドロキシ−プロピル)カルバミン酸ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルエステルをもつ化合物から選択されるHIV抗ウイルス薬を含んでなる組合せ物である。
【0069】
化合物が(2S,3R)−4−(2−(エチル(メチル)アミノ)−N−イソブチルベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド)−3−ヒドロキシ−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチルであり、およびHIV阻害剤が(1−ベンジル−3−{[2−(1−シクロペンチル−ピペリジン−4−イルアミノ)−ベンゾチアゾール−6−スルホニル]−イソブチル−アミノ}−2−ヒドロキシ−プロピル)カルバミン酸ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルエステルである組合せ物が最も好ましい。
【0070】
本発明の一態様において、式(I)の化合物若しくはその製薬学的に許容できる塩、およびHIV抗ウイルス薬若しくはその製薬学的に許容できる塩を組合せる段階を含んでなる、本明細書に記述されるところの組合せ物の製造方法が提供される。本発明の代替の一態様は、組合せ物が本明細書に記述されるところの1種若しくはそれ以上の付加的な剤を含んでなる方法を提供する。
【0071】
本発明の組合せ物、しかしまた本発明の化合物それら自身を薬剤として使用し得る。医薬(medicine)若しくは薬剤(medicament)としての前記使用は、HIVに感染した被験体へのHIVと関連する状態と戦うのに有効な量の全身投与を含んでなる。本発明の化合物、より具体的には式(II)〜(IV)の化合物は、哺乳動物における抗ウイルス性化合物のような他の化学的実体の増強における剤としてとりわけ有用である。
【0072】
結果、本発明の組合せ物は、哺乳動物におけるHIV感染に関連する感染症若しくは疾患を処置する、予防する若しくはそれらと戦うのに有用な薬剤の製造で使用し得る。
【0073】
本発明の一態様において、本明細書に記述される態様のいずれか1種の組合せ物および製薬学的に許容できる賦形剤を含んでなる製薬学的組成物が提供される。とりわけ、本発明は、(a)治療上有効な量の式(I)の化合物若しくはその製薬学的に許容できる塩、(b)治療上有効な量のHIV抗ウイルス薬若しくはその製薬学的に許容できる塩、および(c)製薬学的に許容できる賦形剤を含んでなる製薬学的組成物を提供する。場合によ
っては、該製薬学的組成物は、HIV抗ウイルス薬から選択される付加的な剤をさらに含んでなる。
【0074】
本明細書で使用されるところの「組成物」という用語は、指定される成分を含んでなる生成物、ならびに該指定される成分の組合せ物から直接若しくは間接的に生じるいかなる生成物も包含することを意図している。
【0075】
本明細書で使用されるところの「治療上有効な量」という用語は、処置されている疾患の症状の軽減を包含する、研究者、獣医師、医師若しくは他の臨床家により本発明に照らして探究されている組織、系、動物若しくはヒトで生物学的若しくは医学的応答を導き出す有効成分若しくは成分若しくは製薬学的剤の量を意味している。本発明は2種若しくはそれ以上の剤を含んでなる組合せ物を指すため、「治療上有効な量」は、複合効果が所望の生物学的若しくは医学的応答を導き出すように一緒にされる剤の量である。例えば、(a)式(I)の化合物および(b)HIV抗ウイルス薬を含んでなる組成物の治療上有効な量は、式(I)の化合物の量、および一緒にされる場合に治療上有効である複合効果を有するHIV抗ウイルス薬の量であるとみられる。
【0076】
製薬学的組成物は、本質的に当業者に既知の様式で製造し得る。この目的上、1種若しくはそれ以上の固体若しくは液体の製薬学的賦形剤と一緒の、および所望の場合は他の製薬学的有効成分と組合せ物の式(I)の化合物若しくはそのいずれかのサブグループの最低1種およびHIV抗ウイルス薬を、適する投与形態すなわち剤形にもたらし、それをその後ヒトの医学若しくは獣医学で医薬品として使用し得る。
【0077】
一態様において、本発明の組合せ物は、HIV治療における同時、別個の若しくは連続使用のため複合製剤としてもまた適切なように処方しうる。こうした場合、一般式(I)の化合物若しくはそのいずれかのサブグループを、他の製薬学的に許容できる賦形剤を含有する製薬学的組成物中で処方し、そして、適切なHIV抗ウイルス薬を、他の製薬学的に許容できる賦形剤を含有する製薬学的組成物中で別個に処方する。便宜的には、これら2種の別個の製薬学的組成物が同時、別個の若しくは連続使用のためのキットの一部となり得る。
【0078】
従って、本発明の組合せ物の個々の成分は、分割された若しくは単一の組合せ物の形態で、治療の経過の間の異なる時点で別個に若しくは同時に投与し得る。本発明は従って、同時の若しくは交互の処置の全部のこうしたレジメンを包含すると理解されるべきであり、そして、「投与すること」という用語は相応して解釈されるべきである。好ましい一態様において、別個の剤形がほぼ同時に投与される。
【0079】
本発明の組合せ物を含んでなる組成物若しくは生成物は、単一製剤に共処方されようと同時、別個若しくは連続使用のため処方されようと、経口で(懸濁剤、カプセル剤、錠剤、小袋、溶液、懸濁剤、乳剤を包含する)、舌下で、非経口で(皮下注入、静脈内、筋肉内、皮内注入(injection)若しくは注入(infusion)技術を包含する)、局所で、直腸で(坐剤を包含する)、膣で、埋め込まれたリザーバーを介して、慣習的な非毒性の製薬学的に許容できる担体、補助剤およびベヒクルを含有する投与単位製剤で投与しうる。
【0080】
好ましい組成物若しくは生成物は、式(I)〜(IV)のいずれかの化合物およびHIV阻害剤を含んでなり、該阻害剤がダルナビル、若しくは化学名(1−ベンジル−3−{[2−(1−シクロペンチル−ピペリジン−4−イルアミノ)−ベンゾチアゾール−6−スルホニル]−イソブチル−アミノ}−2−ヒドロキシ−プロピル)カルバミン酸ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルエステルをもつ化合物である。
【0081】
本発明によれば、(2S,3R)−4−(2−(エチル(メチル)アミノ)−N−イソブチルベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド)−3−ヒドロキシ−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチルを含んでなり、かつ、HIV阻害剤が(1−ベンジル−3−{[2−(1−シクロペンチル−ピペリジン−4−イルアミノ)−ベンゾチアゾール−6−スルホニル]−イソブチル−アミノ}−2−ヒドロキシ−プロピル)カルバミン酸ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルエステルである組成物若しくは生成物が最も好ましい。
【0082】
経口投与形態のため、本発明の組成物を賦形剤、安定剤若しくは不活性希釈剤のような適する添加物と混合し得、そして、通例の方法によって、錠剤、コーティング錠剤、硬カプセル剤、水性、アルコール性若しくは油性溶液のような適する投与形態にもたらし得る。適する不活性担体の例は、アラビアゴム、マグネシア、炭酸マグネシウム、リン酸カリウム、乳糖、ブドウ糖若しくはデンプン、とりわけトウモロコシデンプンである。この場合、製造法は乾式としておよび湿式顆粒としての双方で実施し得る。適する油性賦形剤若しくは溶媒は、ヒマワリ油若しくはタラ肝油のような植物若しくは動物油である。水性若しくはアルコール性溶液の適する溶媒は水、エタノール、糖溶液若しくはそれらの混合物である。ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールもまた他の投与形態のさらなる補助物質として有用である。即時放出錠剤として、これらの組成物は、結晶セルロース、第二リン酸カルシウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウムおよび乳糖、ならびに/若しくは当該技術分野で既知の他の賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、希釈剤および滑沢剤を含有しうる。
【0083】
本発明の組合せ物の経口投与は、適しては、場合によっては微粉固体担体もまた包含する粉末の形態の適量の各成分を一緒に均一にかつ緊密に混和すること、および例えば硬ゼラチンカプセルに該混和物を被包化することにより達成される。固体担体は、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、着色剤などとして作用する1種若しくはそれ以上の物質を包含し得る。適する固体担体は、例えば、リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖類、乳糖、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、ポリビニルピロリドン、低融点蝋およびイオン交換樹脂を包含する。
【0084】
本発明の組合せ物の経口投与は、場合によっては上述されたところの固体担体と混和された所望の量の式(I)の化合物のみを含有するカプセル剤若しくは錠剤、および所望の量のHIV抗ウイルス薬のみを含有するカプセル剤を製造することによってもまた達成し得る。式(I)の化合物を含有する圧縮錠は、上述されたような固体担体と有効成分を均一にかつ緊密に混合して必要な圧縮特性を有する混合物を提供すること、およびその後該混合物を所望の形状および大きさまで適する機械で圧縮成形することにより製造し得る。湿製錠(molded tablet)は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末にされた式(I)の化合物の混合物を適する機械で成型することにより作成しうる。経口投与は、たった今記述したところの式(I)の化合物を含有する圧縮若しくは湿製錠を製造すること、標準的カプセル(例えば硬ゼラチンカプセル)への挿入に適する大きさの錠剤、およびその後適する量のHIV抗ウイルス薬粉末を含有するカプセルに該錠剤を挿入することによってもまた達成し得る。
【0085】
皮下若しくは静脈内投与のためには、所望の場合は可溶化剤、乳化剤若しくはさらなる補助物質のようなそのための通例の物質を含む組成物の有効成分を溶液、懸濁剤若しくは乳剤に至らせる。組成物の成分はまた凍結乾燥することもでき、そして得られる凍結乾燥物を例えば注入(injection)若しくは注入(infusion)製剤の製造に使用し得る。適する溶媒は、例えば、水、生理学的塩水溶液若しくはアルコール、例えばエタノール、プロパノール、グリセロール、加えてまたブドウ糖若しくはマンニトール溶
液のような糖溶液、または、あるいは、挙げられた多様な溶媒の混合物である。注入可能な溶液若しくは懸濁剤は、マンニトール、1,3−ブタンジオール、水、リンゲル液若しくは等張塩化ナトリウム溶液のような適する非毒性の非経口で許容できる希釈剤若しくは溶媒、または、合成モノ若しくはジグリセリドを包含する無菌の無刺激性の固定油のような適する分散助剤若しくは湿潤剤および懸濁化剤、ならびにオレイン酸を包含する脂肪酸を使用して、既知技術に従って処方しうる。
【0086】
本発明の製薬学的組成物は、とりわけ処置の標的が眼、皮膚若しくは下部消化管の疾患を包含する局所適用により容易に接近可能である領域若しくは器官を包含する場合に、局所でもまた投与しうる。適する局所製剤はこれらの領域若しくは器官のそれぞれのために容易に製造される。下部消化管のための局所適用は、直腸坐剤製剤(下を参照されたい)で若しくは適する浣腸製剤で遂げることができる。局所経皮貼付剤もまた使用しうる。
【0087】
局所適用のためには、製薬学的組成物を、1種若しくはそれ以上の担体に懸濁若しくは溶解した有効成分を含有する適する軟膏剤に処方しうる。本発明の化合物の局所投与のための担体は、限定されるものでないが、鉱物油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化蝋および水を挙げることができる。あるいは、製薬学的組成物は、1種若しくはそれ以上の製薬学的に許容できる担体に懸濁若しくは溶解した有効成分を含有する適するローション剤若しくはクリーム剤に処方しうる。適する担体は、限定されるものでないが鉱物油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステル蝋、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水を挙げることができる。
【0088】
坐剤の形態で直腸投与される場合、これらの製剤は、通常温度で固体であるがしかし直腸腔中で液化(liquidify)かつ/若しくは溶解して薬物を放出するカカオバター、合成グリセリドエステル若しくはポリエチレングリコールのような適する非刺激性の賦形剤と本発明の組成物の個々の成分を混合することにより製造しうる。
【0089】
本発明の方法の別の態様において、投与は食物(例えば高脂肪食)とともに若しくは食物を伴わずに実施しうる。「食物とともに」という用語は、本発明の組合せ物の一方若しくは双方の成分の投与中または投与前若しくは後約1時間以内のいずれかの食事の消費を意味している。
【0090】
一態様において、本発明の組合せ物は、HIV阻害剤若しくは抗ウイルス薬が単独で投与される場合の生物学的利用率に関して前記HIV阻害剤若しくは抗ウイルス薬の生物学的利用率を臨床上向上させるのに十分である、ある量の式(I)の化合物若しくはその製薬学的に許容できる塩を含有する。
【0091】
別の態様において、本発明の組合せ物は、例えば12時間のt1/2、Cmin、Cmax、Css、AUC若しくは例えば24時間のAUCから選択されるHIV阻害剤の薬物動態変数の最低1種を、前記HIV阻害剤が単独で投与される場合の前記最低1種の薬物動態変数に関して増大させるのに十分である、ある量の式(I)の化合物若しくはその製薬学的に許容できる塩を含有する。
【0092】
さらなる一態様は、治療上有効な量の前記組合せ物の各成分を含んでなる本明細書で定義されるところの組合せ物を、こうした改善の必要な個体に投与することを含んでなる、HIV阻害剤の生物学的利用率の改良方法に関する。
【0093】
さらなる一態様において、本発明は、例えば12時間のt1/2、Cmin、Cmax、Css、AUC若しくは例えば24時間のAUCから選択されるHIV阻害剤の薬物動
態変数の最低1種の改良剤としての式(I)の化合物若しくはその製薬学的に許容できる塩の使用に関するが;但し、前記使用がヒト若しくは動物の身体で実施されない。
【0094】
本明細書で使用されるところの「個体」という用語は、処置、観察若しくは実験の対象であった動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを指す。
【0095】
生物学的利用率は全身循環に達する投与された用量の一部と定義する。t1/2は半減期すなわち血漿濃度がその元の値の半分に低下するのにかかる時間を表す。Cssは定常状態濃度、すなわち薬物の投入速度が排出速度に等しい濃度である。Cminは投与間隔の間に測定される最低(最小限の)濃度と定義する。Cmaxは、投与間隔の間に測定される最高(最大限の)濃度を表す。AUCは、定義された時間、例えば12時間若しくは24時間の血漿濃度時間曲線下面積と定義する。
【0096】
本発明の組合せ物は、前記組合せ物に含まれる各成分に特有の投薬量範囲でヒトに投与し得る。前記組合せ物に含まれる成分は一緒に若しくは別個に投与し得る。HIV阻害剤、および式(I)の化合物またはその製薬学的に許容できる塩若しくはエステルは、1日あたり0.02ないし5.0グラムの投薬量レベルを有しうる。
【0097】
HIV阻害剤若しくは抗ウイルス薬および式(I)の化合物を組合せ物で投与する場合、式(I)の化合物に対するHIV阻害剤の重量比は、適しては、約40:1から約1:15まで、若しくは約30:1から約1:15まで、若しくは約15:1から約1:15まで、典型的には約10:1から約1:10まで、およびより典型的には約8:1から約1:8までの範囲にある。約6:1から約1:6まで、若しくは約4:1から約1:4まで、若しくは約3:1から約1:3まで、若しくは約2:1から約1:2まで、若しくは約1.5:1から約1:1.5までの範囲にわたる式(I)の化合物に対するHIV阻害剤の重量比もまた有用である。一局面において、HIV阻害剤の重量による量は式(I)の化合物のものに等しいか若しくはそれより大きく、ここで、式(I)の化合物に対するHIV阻害剤の重量比は、適しては、約1:1から約15:1まで、典型的には約1:1から約10:1まで、およびより典型的には約1:1から約8:1までの範囲にある。約1:1から約6:1まで、若しくは約1:1から約5:1まで、若しくは約1:1から約4:1まで、若しくは約3:2から約3:1まで、若しくは約1:1から約2:1まで、若しくは約1:1から約1.5:1までの範囲にわたる式(I)の化合物に対するHIV阻害剤の重量比もまた有用である。
【0098】
一態様によれば、HIV阻害剤および式(I)の化合物は、1日1回若しくは2回、週に1回、2回、3、4、5若しくは6回、好ましくは経口で共投与することができ、用量あたりのHIV阻害剤の量は約10から約2500mgまでであり、また、用量あたりの式(I)の化合物の量は10から約2500mgまでである。別の態様において、1日1回若しくは2回共投与のための用量あたりの量は、約50から約1500mgまでのHIV阻害剤および約50から約1500mgまでの式(I)の化合物である。なお別の態様において、連日若しくは週1回の共投与のための用量あたりの量は、約100から約1000mgまでのHIV阻害剤および約100から約800mgまでの式(I)の化合物である。なお別の態様において、連日若しくは週1回の共投与のための用量あたりの量は、約150から約800mgまでのHIV阻害剤および約100から約600mgまでの式(I)の化合物である。なお別の態様において、連日若しくは週1回の共投与のための用量あたりの量は、約200から約600mgまでのHIV阻害剤および約100から約400mgまでの式(I)の化合物である。なお別の態様において、連日若しくは週1回の共投与のための用量あたりの量は、約200から約600mgまでのHIV阻害剤および約20から約300mgまでの式(I)の化合物である。なお別の態様において、連日若しくは週1回の共投与のための用量あたりの量は、約100から約400mgまでのHI
V阻害剤および約40から約100mgまでの式(I)の化合物である。
【0099】
1日2回投薬量のHIV阻害剤(mg)/式(I)の化合物(mg)の例示的組合せ物は、50/100、100/100、150/100、200/100、250/100、300/100、350/100、400/100、450/100、50/133、100/133、150/133、200/133、250/133、300/133、50/150、100/150、150/150、200/150、250/150、50/200、100/200、150/200、200/200、250/200、300/200、50/300、80/300、150/300、200/300、250/300、300/300、200/600、400/600、600/600、800/600、1000/600、200/666、400/666、600/666、800/666、1000/666、1200/666、200/800、400/800、600/800、800/800、1000/800、1200/800、200/1200、400/1200、600/1200、800/1200、1000/1200および1200/1200を包含する。1日2回投薬量のHIV阻害剤(mg)/式(I)の化合物(mg)の他の例示的組合せ物は、1200/400、800/400、600/400、400/200、600/200、600/100、500/100、400/50、300/50および200/50を包含する。
【0100】
しかしながら、いずれかの特定の患者の特定の用量レベルおよび投薬の頻度は変動することがあり、そして、使用される特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用長さ;患者の齢、体重、全般的健康状態、性および食餌;投与様式および投与時刻、排泄速度、薬物の組合せ物、特定の状態の重症度、ならびに治療を受けている患者の型を包含する多様な因子に依存することができることが理解されるであろう。
【0101】
本発明の一態様において、HIV感染症を処置するのに有効な組成物;およびHIVによる感染症を処置するのに該組成物を使用し得ることを示すラベルを含んでなる包装資材を含んでなる製品が提供され;該組成物は本明細書に記述されるところの組合せ物を含んでなる。
【実施例】
【0102】
表5は、化合物C1〜C55を多様なin vitroアッセイで試験する場合に得られる結果の概要を示す。これらのアッセイについての詳細は表の下に示す。示される結果および実施例は本発明を例示するために提示され、そして本発明の範囲を制限すると解釈されるべきでない。
【0103】
【表5−1】

【0104】
【表5−2】

【0105】
【表5−3】

【0106】
アッセイ1および2:抗ウイルス活性/毒性
本発明の化合物を、以下の手順に従って実施した細胞アッセイで抗ウイルス活性について試験した。
【0107】
ヒトT細胞株MT4を、緑色蛍光タンパク質(GFP)およびHIV特異的プロモーターHIV−1末端反復配列(LTR)で工作する。この細胞株をMT4 LTR−EGFPと呼称し、そして研究化合物の抗HIV活性のin vitro評価に使用し得る。HIV−1感染細胞中で、LTRプロモーターを上方制御しかつGFPレポーター産生の刺激に最終的に至り進行中のHIV感染を蛍光で測定することを可能にするTatタンパク質を産生させる。
【0108】
同様に、MT4細胞をGFPおよび構成的サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターで工作する。本細胞株をMT4 CMV−EGFPと呼称し、そして研究化合物の細胞傷害性のin vitro評価に使用し得る。本細胞株におけるGFPレベルは感染MT4 LTR−EGFP細胞のものに比較可能にある。細胞傷害性の研究化合物は偽似感染させたMT4 CMV−EGFP細胞のGFPレベルを低下させる。
【0109】
50%有効濃度(EC50)のような有効濃度値を測定し得かつ通常μMで表す。EC50値は、HIV感染細胞の蛍光を50%低下させる試験化合物の濃度と定義する。50%細胞傷害濃度(CC50(μM))は偽似感染させた細胞の蛍光を50%低下させる試験化合物の濃度と定義する。EC50に対するCC50の比を選択性指数(SI)と定義し、そして阻害剤の抗HIV活性の選択性の指標である。HIV−1感染および細胞傷害性の究極的モニタリングは走査型顕微鏡を使用して行う。画像解析はウイルス感染の非常に感受性の検出を可能にする。測定は、感染後約5日で通常起こる細胞壊死前に行い、具体的には測定は感染3日後に実施する。
【0110】
表5は、選択された数の本発明の化合物の野生型HIV−1 IIIB株に対するpEC50値ならびにpCC50値を列挙する。pEC50値は−log10(EC50)に対応する。pCC50値は−log10(CC50)に対応する。
【0111】
4.00未満ないし最大4.88 pEC50のpEC50値を有する化合物を列挙する。商業的に入手可能なHIVプロテアーゼ阻害剤ダルナビルは8.17というpEC50を有する。<4ないし4.88のpEC50範囲は、8.17に比較した場合に抗ウイルス活性に関して有意により低く、従って、本発明の化合物がHIVに対する最小限の耐性を賦与するか若しくは耐性を賦与しないことを示す。同様に、4.00未満ないし最大4.86 pCC50の範囲の本発明の化合物について報告された毒性値は、これらの化合物の低い若しくは最低限の毒性を示す。
【0112】
アッセイ3:試験化合物の代謝安定性(HLM15’)
細胞内組織調製物は、Gorrodら(Xenobiotica、5、pp.453−462(1975))に従い、組織の機械的均質化後の遠心分離により作成する。ヒト肝組織を氷冷0.1Mトリス−HCl(pH7.4)緩衝液ですすいで過剰な血液を洗浄する。組織をその後ブロット乾燥し(blotted dry)、秤量し、そして外科用鋏を使用して粗く刻む。組織片は、テフロン乳棒を装備したPotter−S(Braun、イタリア)若しくはSorvall Omni−Mixホモジェナイザーいずれかを使用して、3容量の氷冷0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)中で7×10秒間均質化する。双方の場合に容器を均質化過程の間氷中/上に保つ。組織ホモジェネートを、Sorvall遠心機若しくはBeckman超遠心機を使用して4℃で9000×gで20分間遠心分離する。生じる上清を−80℃に保存し得そして「S9」と呼称する。S9画分はBeckman超遠心機を使用して4℃で100,000×gで60分間遠心分離する。生じる上清を慎重に吸引し、等分しそして「サイトゾル」と呼称する。ペレットを0.5gの元の組織重量あたり1mlの最終容量の0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)に再懸濁し、そして「ミクロソーム」と呼称する。全部の細胞内画分を等分し、即座に液体窒素
中で凍結しかつ使用まで−80℃で保存する。
【0113】
試験化合物およびNADPH生成系を、0.1Mリン酸緩衝液(pH=7.4)に懸濁したヒト肝ミクロソーム(「ミクロソーム」画分、タンパク質濃度1mg/ml)に添加して、5μM試験化合物、0.8mM D−グルコース−6−リン酸、0.8mM MgClおよび0.8U/mlグルコース−6−リン酸脱水素酵素の最終反応混合物濃度を得た。熱不活性化(95℃で10分)「S9」若しくはミクロソームをブランク実験に使用した。反応混合物を37℃で5分間インキュベートし、その後0.8mM β−NADPの添加により反応を開始した。反応を0若しくは15分間インキュベートした。次に、2容量のDMSO(若しくはアセトニトリル)の添加により反応を停止した。サンプルを遠心分離(10分、900×g)しかつLC−MSにより分析した。
【0114】
アッセイ4:CYP450阻害
多様なCYP P450イソ酵素による試験化合物の代謝の阻害を、それらの特異的基質を蛍光分子に転化する大腸菌(E.coli)に発現させたタンパク質(3A4、2C9、2D6、1A2および2C19)を使用して測定した(表6)。この蛍光分子は蛍光プレートリーダー(Victor2(Wallac)若しくはFluoroskan(Labsystems))を使用して測定した。該酵素反応を阻害する化合物は蛍光シグナルの減少をもたらすことができる。CYP P450酵素は社内で調製したか若しくは商業的に購入し、そして−80℃で保存した。
【0115】
【表6】

【0116】
該アッセイは黒色96ウェルCostarプレートで実施した。試験化合物を、NADPH生成系の存在下にCYP P450酵素溶液に添加した。37℃で5分のプレインキュベーション後に、新たに調製したリン酸緩衝(pH7.4)基質溶液を添加した。既知のCYP P450阻害剤を陽性対照として使用し、陰性対照はCYP P450酵素なしで実施した。最終反応混合物濃度については表7を参照されたい。反応混合物は、37℃でそれぞれ30分(CYP3A4−BFC)、30分(CYP3A4−BQ)、10分(CYP3A4−DBF)、15分(CYP1A2−CEC)、30分(CYP2C9−
MFC、CYP2C19−CEC)若しくは45分(CYP2D6−AMMC)間インキュベートした。その後、200μlのアセトニトリルの添加により反応を停止し、そして蛍光シグナルを検出した。
【0117】
【表7】

【0118】
CYP P450イソ酵素阻害の計算(%阻害):
活性%=(100/(陽性対象平均−陰性対照平均))×(サンプル平均−陰性対照平均)
阻害%=100−活性%
【0119】
アッセイ5:代謝阻害%:TMC114代謝の阻害
ダルナビル(PrezistaTMとして現在上市されているTMC114)および試験されるブースター化合物を、リン酸カリウム緩衝液(pH=7.4)に懸濁したヒト肝ミクロソーム(「ミクロソーム」画分、タンパク質濃度1mg/ml)に添加して、3μMダルナビルおよび3μM試験化合物の最終反応混合物濃度を得た。増強しない同時の反応では試験化合物を添加しなかった。
【0120】
沸騰させたヒト肝ミクロソームをブランク実験に使用した。2%NaHCO中β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(β−NADP、0.5ml/ml、653.2μM)、D−グルコース−6−リン酸(2mg/ml、7.1mM)、グルコース−6−リン酸脱水素酵素(1.5U/ml)からなるNADPH生成混合物の添加(1:3(v/v)の比で)後に、反応混合物を37℃で30若しくは120分間インキュベートし、その後温度を95℃に増大させることにより反応を停止した。HPLC−MSを使用してダルナビル濃度を測定した。増強していない反応(=試験化合物の非存在)で残存するTMC114のパーセンテージを測定する場合に得られる対照値は12%(10実験の中央値)である。
【0121】
「ブースティング能力」(=ダルナビルの薬物動態を増強する化合物の能力)をin
vivoで試験するため、代表的実施例C1、C6およびC7を、摂食雄性ビーグル犬の1群(n=3)に5mg/kg体重のダルナビルの投与15分前に5mg/kg体重の用量で(例えばPEG400−またはPEG400/30%食塩水若しくはHpβCDのような適するベヒクル中で)経口投与した。経口投与は胃管栄養により行った。全部の時点で、イヌに水への自由なかつ継続的接近を与えた。用量投与0(=投与前)、0.5、1、2、4、7および24時間後に頸静脈から血液サンプルを収集した。サンプルを5℃で1900×gで10分間遠心分離して血漿分離を可能にした。分離された血漿は血液サンプルリング後2時間以内に冷凍庫に保存した。全部の時点で、血液および血漿サンプルを融氷上に置きかつ光から保護した。個々の血漿サンプルをLC−MS/MSによってダルナビルおよびブースター化合物について分析した。ダルナビルの薬物動態パラメータは、ノンコンパートメント解析、WinNonLinソフトウェア バージョン5.0、Pharsightを使用して計算し、そして表8に列挙する。列挙される値は3イヌの平均である。変化の倍数(FC)値は、5mg/kgのダルナビルのみを投与した対照実験との差違を示す。
【0122】
【表8】

【0123】
実験
試薬は商業的供給源から購入しかつ受領されたとおり使用した。薄層クロマトグラフィーはシリカゲル60 F254プレート(Merck)で実施した。LC−MS分析は以下の方法のいずれか1種を使用して行った。化合物C1〜C55のデータを表1に列挙する(上を参照されたい)。
【0124】
LCMS法1
HPLC装置:Waters Alliance 2695(ポンプおよびオートサンプラー)、Waters 996(フォトダイオードアレイ検出器)
カラム:Waters XTerra MS C18 2.5μm 50×4.6mm
温度:55℃
移動相:A:HO中10mM HCOONH+0.1%HCOOH
B:CH3CN
勾配:0分:15%B、3分:95%B、4.2分:95%B
平衡化時間:1.2分
流速:2ml/分
注入容量:0.5mg/ml溶液5μl
MS検出器:Waters ZQ
イオン化:陽イオンおよび陰イオンモードのエレクトロスプレー
【0125】
LCMS法2
HPLC装置:Waters Alliance 2790(ポンプおよびオートサンプラー)、Waters 996(フォトダイオードアレイ検出器)
カラム:Waters SunFire C18 3.5μm 100×4.6mm
温度:55℃
移動相:A:H2O中10mM NH4OOCH+0.1%HCOOH
B:アセトニトリル
勾配:0分:5%B、5.4分:95%B、7.2分:95%B
平衡化時間:1.8分
流速:1.5ml/分
注入容量:0.5mg/ml溶液5μl
MS検出器:Waters LCT
イオン化:陽イオンおよび陰イオンモードのエレクトロスプレー
【0126】
NMRスペクトルは400MHzで作動するBruker Advance 400分光計で記録した。化学シフトはppmで、およびJ値はHzで示す。多重度は以下の略語、すなわち二重項についてd、三重項についてt、多重項についてmなどを使用して示す。化合物名はChemdraw Ultra、バージョン9.0.7(CambridgeSoft)を使用して生成した。
【0127】
化学
式(I)の化合物は、スキーム1、2および3に提供される一般的方法1、2および3に従って製造した。詳細な手順を下述する。
【0128】
【化7】

【0129】
【化8】

【0130】
【化9】

【0131】
スキーム4および5は、それらが商業的に入手可能でなかった場合のある種の中間体カ
ルボン酸(上のスキーム中でI1として示される)の製造法を具体的に説明している。これらのスキームは具体的説明であることを意味しており、そして決して制限でない。
【0132】
【化10】

【0133】
化合物4.1(1.10g)および1,1,1−トリメトキシエタン(5ml)の溶液を電子レンジ中100℃で5分間加熱した。反応混合物を減圧下に濃縮して1.26gの化合物4.2(95%純粋)を褐色粉末として提供した。H NMR(400MHz、DMSO−d)δppm 2.66(s、3H)、7.74(d、J=8.4Hz、1H)、7.96(dd、J=8.3、1.4Hz、1H)、8.16(d、J=1.4Hz、1H)、13.07(s(br)、1H)。
【0134】
【化11】

【0135】
氷浴中の無水MeHO(4L)の攪拌溶液に10℃より下でCHCOCl(490mL)を一滴ずつ添加した。その後化合物4.1(486g、3.17mol)を添加した。混合物を室温で2日間攪拌した。TLC(EtOAc/石油エーテル=1:1)は反応が完了したことを示した。MeOHを真空中で除去した。水(4L)を混合物に添加した。KCOをpH=10までゆっくりと添加した。有機層を分離し、NaSOで乾燥しかつ濃縮して化合物5.2(460g、80%)を褐色固形物として生じた。
【0136】
ピリジン(3L)中の化合物5.2(393g、2.35mol)およびo−エチルキサントゲン酸カリウム(393g、2.45mol)の懸濁液を還流に12時間加熱した。TLC(EtOAc/石油エーテル=1:2)は反応が完了したことを示した。混合物を室温に冷却しかつ濃HCl上の1600mlおよび10Lの氷水を含有する4個の5L
フラスコに注いだ。混合物を5分間攪拌し、そして固体生成物を濾過により回収した。固形物を1Lの水で洗浄しかつ30分間乾燥した。固形物を10L酢酸エチルに溶解し、2Lの1N HClおよび1Lの塩水で洗浄し、NaSOで乾燥しかつ濃縮して化合物5.3(390g、79.3%)を桃色固形物として提供した。
【0137】
EtOAc(3L)中の化合物5.3(320g、1.53mol)およびKCO(276g、2mol)の懸濁液に20℃より下でMeI(238.9g、1.68mol)を添加した。混合物を室温で12時間攪拌した。TLC(EtOAc/石油エーテル=1:3)は反応が完了したことを示した。水(2L)を混合物に添加した。有機層を分離し、NaSOで乾燥しかつ濃縮して5.4(320g、93.8%)を桃色固形物として生じた。
【0138】
化合物5.4(5g)を75mLのTHFに溶解した。N−メチル−N−エチルアミン(13.2g、10等量)を添加し、そしてLC−MSが反応の完了を示すまで混合物を70℃で攪拌した。混合物を乾固まで蒸発させ、そして化合物5.5(5.25g、99%)をそれ自体次の反応で使用した。
【0139】
化合物5.5(5.25g)をTHF−水 1:1(100mL)に溶解した。LiOH(5.36g、10等量)を添加した。混合物を70℃で一夜攪拌した。沈殿が見られるまで濃HClを添加した。混合物を100mLの2−Me−THFで3回抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥した。濾過、次いで溶媒の蒸発が5.6を帯黄色固形物として生じた。化合物を真空中で一夜乾燥した。4.33g(88%)を得た。H NMR(400MHz、DMSO−d)δppm 1.20(t、J=7.2Hz、3H)、3.15(s、3H)、3.58(q、J=7.1Hz、2H)、7.29(d、J=8.4Hz、1H)、7.80(dd、J=8.3、1.5Hz、1H)、7.84(d、J=1.5Hz、1H)、12.65(s(br)、1H)
【0140】
方法1を介して作成される最終化合物の代表的実施例
【0141】
【化12】

【0142】
イソプロパノール(150mL)中の(S)−1−((S)−オキシラン−2−イル)−2−フェニルエチルカルバミン酸tert−ブチル(25.0g)(6.1)およびイソブチルアミン(10.0等量)の混合物を室温で一夜攪拌した。反応混合物を減圧下に濃縮して定量的な6.2を生じた。粗生成物を高真空下で乾燥しかつそれ自体次の段階で使用した。
【0143】
ジクロロメタン中の(2S,3R)−3−ヒドロキシ−4−(イソブチルアミノ)−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸tert−ブチル(6.2)(31.0g)を、ジクロロメタン(500mL)中のベンゾチアゾール−6−カルボン酸(1.05等量)、トリエチルアミン(1.5等量)およびHATU(ヘキサフルオロリン酸2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム、1.05等量)の溶液に添加した。反応混合物を室温で一夜攪拌した。水を添加しそして層を分離した。有機層を飽和水性NaCO溶液、塩水で3回洗浄し、MgSOで乾燥しかつ減圧下に濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン→ジクロロメタン/メタノール 95:5)により精製して定量的な化合物6.3を提供した。
【0144】
クロロトリメチルシラン(3等量)を、アセトニトリル(300mL)中の(2S,3R)−3−ヒドロキシ−4−(N−イソブチルベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド)−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸tert−ブチル(6.3)(45g)およびヨウ化ナトリウム(4等量)の溶液に添加した。反応混合物を室温で2時間攪拌した。水性2M NaOH溶液を添加し、そして攪拌を追加の30分間継続した。塩水およびジクロロメタンを反応混合物に添加した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、MgSOで乾燥しかつ減圧下に濃縮した。化合物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン→ジクロロメタン/メタノール 9:1)により精製して26.6g(74%)の6.4を白色固形物として得た。
【0145】
2−メチル−テトラヒドロフラン(300mL)中のN−((2R,3S)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチル)−N−イソブチルベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド(6.4)(20.9g)、炭酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イルチアゾル−5−イルメチル(1.0等量)およびトリエチルアミン(1.2等量)の溶液を室温で3時間攪拌した。反応混合物を飽和水性NaCO溶液で洗浄し、MgSOで乾燥しかつ減圧下に濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン→ジクロロメタン/メタノール 95:5)により精製して24.0g(85%)の純粋な化合物C7を提供した。
H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 0.63−0.80(m、6H)、1.71−1.86(m、1H)、2.90−3.02(m、1H)、3.02−3.23(m、3H)、3.41−3.53(m、1H)、3.82−4.06(m、3H)、4.86(s(br)、1H)、4.99−5.08(m、1H)、5.16−5.33(m、2H)、7.17−7.33(m、5H)、7.53(d、J=8.2Hz、1H)、7.82(s、1H)、8.02(s、1H)、8.17(d、J=8.3Hz、1H)、8.78(s、1H)、9.09(s、1H)
【0146】
(2S,3R)−4−(2−(エチル(メチル)アミノ)−N−イソブチルベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド)−3−ヒドロキシ−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチル(C1)
【0147】
【化13】

【0148】
H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 0.58−0.84(s(br)、6H)、1.28(t、J=7.1Hz、3H)、1.77(s(br)、1H)、2.90−2.99(m、1H)、3.00−3.41(m、3H)、3.17(s、3H)、3.42(d(br)、J=13.9Hz、1H)、3.62(q、J=7.2Hz、2H)、3.71−4.05(m、3H)、5.05−5.34(m、4H)、7.14−7.37(m、8H)、7.79(s、1H)、8.76(s、1H)
【0149】
(2S,3R)−3−ヒドロキシ−4−(N−イソブチル−2−(ピペリジン−1−イル)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド)−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチル(C3)
【0150】
【化14】

【0151】
H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 0.71(s(br)、6
H)、1.64−1.80(m、6H)、2.82−3.27(m、4H)、3.4(d、J=12.9Hz、1H)、3.69(s、4H)、3.75−4.07(m 3H)、4.92−5.3(m、4H)、7.14−7.32(m、8H)、7.78(s、1H)、8.75(s、1H)
【0152】
(2S,3R)−4−(2−(エチル(メチル)アミノ)−N−イソブチルベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド)−3−ヒドロキシ−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸ピリジン−4−イルメチル(C10)
【0153】
【化15】

【0154】
H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 0.75(s(br)、6H)、1.25(t、J=7.2Hz、3H)、1.75(s、1H)、2.90−2.99(m、1H)、3.0−3.40(m、3H)、3.20(s、3H)、3.42(d、J=12.6Hz、1H)、3.62(q、J=7.2、2H)、3.71−4.05(m、3H)、4.94(d、J=14.3Hz、1H)、5.07(d、J=14.8Hz、1H)、5.07(s(br)、1H)、5.23(s(br)、1H)、7.09(d、J=4.6、2H)、7.1−7.3(m、8H)、8.53(d、J=5.9、2H)
【0155】
(2S,3R)−4−(2−(エチル(メチル)アミノ)−N−メチルベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド)−3−ヒドロキシ−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチル(C19)
【0156】
【化16】

【0157】
H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 1.27(t、J=7.1Hz、3H)、2.85−3.96(m、1H)、2.98−3.09(m、4H)、3.18(s、3H)、3.37−3.48(m、1H)、3.61(q、J=7.1Hz、2H)、3.77−4.01(m、3H)、5.03(s(br)、1H)、5.12−5.25(m、2H)、5.37(s(br)、1H)、7.10−7.32(m、7H)、7.10(s、1H)、7.78(s、1H)、8.75(s、1H)
【0158】
(2S,3S)−3−ヒドロキシ−4−(N−イソブチル−2−(ピロリジン−1−イル)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド)−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチル(C51)
【0159】
【化17】

【0160】
H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 0.50−0.70(m、6H)、1.48−1.62(m、1H)、1.98−2.09(m、4H)、2.83−2.95(m、2H)、3.03−3.20(m、3H)、3.64(t、J=6.6Hz、4H)、3.79−4.07(m、3H)、5.18−5.30(m、2H)、5.42(s(br)、1H)、5.66(s(br)、1H)、7.05−7.34(m、8H)、7.83(s、1H)、8.74(s、1H)
【0161】
(2S,3R)−4−(N−エチル−2−(エチル(メチル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド)−3−ヒドロキシ−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチル(C29)
【0162】
【化18】

【0163】
H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 1.10(t、J=6.7Hz、3H)、1.28(t、J=7.1Hz、3H)、2.84−2.96(m、1H)、2.98−3.10(m、1H)、3.21(s、3H)、3.28−3.43(m、3H)、3.64(q、J=7.2Hz、2H)、3.72−4.03(m、3H)、5.14−5.33(m、3H)、7.14−7.29(m、6H)、7.30−7.39(m、2H)、7.79(s、1H)、8.76(s、1H)
【0164】
(2S,3R)−4−(N−エチル−2−(ピロリジン−1−イル)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド)−3−ヒドロキシ−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチル(C30)
【0165】
【化19】

【0166】
H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 1.02−1.17(s、3H)、2.03(t、J=6.6Hz、4H)、2.82−3.07(m、1H)、3
.07−3.13(m、1H)、3.28−3.44(m、3H)、3.65(t、J=6.5Hz、4H)、3.70−4.03(m、3H)、5.10−5.30(m、3H)、5.41−5.55(m、1H)、7.08−7.42(m、8H)、7.77(s、1H)、8.75(s、1H)
【0167】
(2S,3S)−4−(2−(エチル(メチル)アミノ)−N−イソブチルベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド)−3−ヒドロキシ−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチル(C52)
【0168】
【化20】

【0169】
H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 0.52−0.71(m、6H)、1.27(t、J=7.1Hz)、1.47−1.61(m、1H)、2.86−2.97(m、2H)、3.02−3.22(m、6H)、3.61(q、J=7.2Hz、2H)、3.78−4.06(m、3H)、5.09−5.30(s、2H)、5.42(s(br)、1H)、5.56(s(br)、1H)、7.06−7.33(m、8H)、7.84(s、1H)、8.79(s、1H)
【0170】
(2S,3R)−4−(N−(シクロヘキシルメチル)−2−(ピロリジン−1−イル)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド)−3−ヒドロキシ−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチル(C31)
【0171】
【化21】

【0172】
H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 0.44−0.65(m、2H)、0.90−1.20(m、3H)、1.36−1.50(m、2H)、1.50−1.70(m、4H)、2.04(t、J=6.6Hz、4H)、2.81−2.96(m、1H)、2.96−3.10(m、1H)、3.10−3.21(m、1H)、3.21−3.34(m、1H)、3.45−3.56(m、1H)、3.58−4.04(m、7H)、5.08−5.28(m、3H)、5.38−5.51(m、1H)、7.09−7.36(m、8H)、7.77(s、1H)、8.75(s、1H)
【0173】
(2S,3R)−4−(N−(シクロヘキシルメチル)−2−(エチル(メチル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド)−3−ヒドロキシ−1−フェニルブ
タン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチル(C32)
【0174】
【化22】

【0175】
H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 0.46−0.68(m、2H)、0.92−1.18(m、3H)、1.27(t、J=7.1Hz、3H)、1.36−1.50(m、2H)、1.50−1.76(m、4H)、2.83−2.97(m、1H)、2.97−3.10(m、1H)、3.10−3.23(m、4H)、3.23−3.33(m、1H)、3.40−3.52(m、1H)、3.61(q、J=7.1Hz、2H)、3.69−4.03(m、3H)、5.07−5.25(m、3H)、5.25−5.39(m、1H)、7.08−7.35(m、8H)、7.78(s、1H)、8.76(s、1H)
【0176】
(2S,3R)−3−ヒドロキシ−1−フェニル−4−(N−(プロプ−2−イニル)−2−(ピロリジン−1−イル)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド)ブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチル(C33)
【0177】
【化23】

【0178】
H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 2.06(t、J=7.0Hz、4H)、2.37(t、J=2.2Hz、1H)、3.0(s(br)、2H)、3.58(d、J=13.3Hz、1H)、3.68(t、J=6.7Hz、4H)、3.8−4.15(m、3H)、4.18−4.22(m、1H)、5.05(s、1H)、5.15−5.26(m、2H)、7.19−7.30(m、6H)、7.34(d、J=8.1Hz、1H)、7.43(d、J=8.0Hz、1H)、7.52(s、1H)、8.77(s、1H)
【0179】
(2S,3R)−4−(2−(エチル(メチル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド)−3−ヒドロキシ−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチル(C34)
【0180】
【化24】

【0181】
H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 1.27(t、J=7.1、3H)、1.71(s、6H)、2.6−3.15(m、3H)、3.19(s、3H)、3.62(q、J=7.1Hz、2H)、3.4−4.3(m、5H)、5.19(s(br)、3H)、7.14−7.25(m、7H)、7.29(d、J=7.8Hz、1H)、7.79(s、1H)、8.77(s、1H)(2プロトン観察されず)
【0182】
(2S,3R)−4−(2−(エチル(メチル)アミノ)−N−(プロプ−2−イニル)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド)−3−ヒドロキシ−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチル(C35)
【0183】
【化25】

【0184】
H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 2.37(t、J=2.26Hz、1H)、3.00(s(br)、2H)、3.23(s、3H)、3.56(d、J=13.2Hz、1H)、3.63(q、J=7.1Hz、4H)、3.85−4.15(m、4H)、4.18−4.25(m、1H)、5.04(s(br)、1H)、5.05−5.4(m、2H)、7.15−7.30(m、5H)、7.33(d、J=8.1Hz、1H)、7.44(s、1H)、7.51(s、1H)、7.81(s、1H)、8.77(s、1H)
【0185】
(2S,3R)−4−(2−(エチル(メチル)アミノ)−N−イソブチルベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド)−1−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチル(C53)
【0186】
【化26】

【0187】
H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 0.58−0.84(s(br)、6H)、1.28(t、J=7.0Hz、3H)、1.77(s(br)、1H)、2.90−3.28(m、4H)、3.20(s、3H)、3.36−3.88(m、1H)、3.63(q、J=7.2Hz、2H)、3.85−3.94(m、3H)、4.95(s(br)、1H)、5.18−5.25(m、3H)、6.94(t、J=8.6Hz、2H)、7.15−7.20(m、3H)、7.31(s、1H)、7.32(d、J=8.0Hz、1H)、7.82(s、1H)、8.78(s、1H)
【0188】
(2S,3R)−4−(2−(エチルアミノ)−N−(プロプ−2−イニル)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド)−3−ヒドロキシ−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチル(C42)
【0189】
【化27】

【0190】
H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 2.34(t、J=2.4Hz、1H)、2.37(s(br)、1H)、2.84−3.15(m、2H)、3.6(d、J=13.4Hz、1H)、3.8−4.2(m、6H)、4.24(d、J=2.4Hz、2H)、5.16−5.23(m、3H)、7.1−7.3(m、5H)、7.39(d、J=8.0Hz、1H)、7.4−7.5(m、1H)、7.52(s、1H)、7.8(s、1H)、8.79(s、1H)(1プロトン観察されず)
【0191】
(2S,3R)−3−ヒドロキシ−4−(N−イソブチルベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド)−1−(ピリジン−3−イル)ブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチル(C55)
【0192】
【化28】

【0193】
H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 0.0−0.74(m、6H)、1.71−1.86(m、1H)、2.92−2.98(m、1H)、3.08−3.22(m、3H)、3.45−3.49(m、1H)、3.89−3.98(m、3H)、4.86(s(br)、1H)、5.04(s(br)、1H)、5.10(d(br)、J=9.2Hz、1H)、4.99−5.08(m、1H)、5.17−5.28(m、2H)、7.18−7.20(m、1H)、7.53(d、J=7.6Hz、1H)、7.60(d(br)、1H)、7.82(s、1H)、8.03(s、1H)、
8.17(d、J=8.4Hz、1H)、8.47(s(br)、2H)、8.78(s、1H)、9.10(s、1H)
【0194】
(2S,3R)−4−(2−(エチル(メチル)アミノ)−N−イソブチルベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド)−3−ヒドロキシ−1−(ピリジン−3−イル)ブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチル(C54)
【0195】
【化29】

【0196】
H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 0.73(s(br)、6H)、1.28(t、J=7.2Hz、3H)、1.78(s(br)、1H)、2.92−2.94(m、1H)、3.04−3.15(m、2H)、3.20(s、3H)、3.26(dd、J=14.0、8.4Hz、1H)、3.39(d、J=12.4Hz、1H)、3.63(q、J=7.1Hz、2H)、3.87−3.94(m、3H)、5.00(s(br)、1H)、5.16−5.30(m、3H)、7.18−7.21(m、2H)、7.31(s、1H)、7.32(d、J=8.0Hz、1H)、7.58−7.60(s、1H)、7.82(s、1H)、8.47(s(br)、2H)、8.78(s、1H)
【0197】
方法2を介して作成される化合物の代表的実施例
【0198】
【化30】

【0199】
ジクロロメタン(200mL)中の(2R,3S)−3−(ジベンジルアミノ)−1−(イソブチルアミノ)−4−フェニルブタン−2−オール(7.1)(29.5g)の溶液を、ジクロロメタン(500mL)中の2−(エチル(メチル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボン酸(1.05等量)、トリエチルアミン(2.0等量)およびBOP(ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾリルN−オキシトリスジメチルアミノホスホニウム、1.05等量)の溶液に添加した。反応混合物を室温で4時間攪拌した。水を添加しかつ層を分離した。有機層を飽和水性NaCO溶液で3回洗浄し、MgSOで乾燥しかつ減圧下に濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン/酢酸エチル 6:4→酢酸エチル)により精製して38g(87%)の化合物7.2を提供した。
【0200】
パラジウム/炭素(5g、10%w/w Pd/C)をメタノール(400mL)中のN−((2R,3S)−3−(ジベンジルアミノ)−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチル)−2−(エチル(メチル)アミノ)−N−イソブチルベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド(7.2)(18g)の溶液に添加した。反応混合物を、LCMSが完全な転化を示すまでH雰囲気下室温で攪拌した。混合物をセライト(Celite)で濾過した。濾液の蒸発後に10.6g(83%)の化合物7.3を得た。
【0201】
DMF(10mL)中のN−((2R,3S)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチル)−2−(エチル(メチル)アミノ)−N−イソブチルベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド(7.3)(416mg)、炭酸ベンゾ[d][1,3]ジオキソル−5−イルメチル4−ニトロフェニル(1.05等量)、DMAP(0.2等量)およびトリエチルアミン(1.0等量)の溶液を室温で一夜攪拌した。水を添加しかつ層を分離した。有機層を飽和水性NaCO溶液で3回洗浄し、MgSOで乾燥しかつ減圧下に濃縮した。反応混合物を飽和水性NaCO溶液で洗浄し、MgSOで乾燥しかつ減圧下に濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール 99:1→97:3)により精製して263mg(45%)の純粋な化合物(C36)を提供した。H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 0.72(s、6H)、1.28(t、J=7.2Hz、3H)、1.77(s(br)、1H)、2.94−3.26(s+m、3H+4H)、3.40−3.43(m、1H)、3.63(q、J=7.1Hz、2H)、3.84−3.97(m、3H)、4.88−3.93(m、3H)、5.15(s(br)、1H)、5.95(s、2H)、6.75−6.77(m、3H)、7.18−7.32(m、8H)
【0202】
(2S,3R)−3−ヒドロキシ−4−(N−イソブチル−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキサミド)−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチル(C8)
【0203】
【化31】

【0204】
H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 0.61−0.78(m、6H)、1.70−1.85(m、1H)、2.90−3.02(m、1H)、3.02
−3.28(m、3H)、3.39−3.53(m、1H)、3.86(s、3H)、3.76−4.07(m、3H)、5.00−5.30(m、4H)、7.17−7.32(m、6H)、7.51(s、1H)、7.76−7.84(m、2H)、7.94(s、1H)、8.78(s、1H)
【0205】
方法3を介して作成される化合物の代表的実施例
【0206】
【化32】

【0207】
ジクロロメタン(1000mL)中の(2R,3S)−3−(ジベンジルアミノ)−1−(イソブチルアミノ)−4−フェニルブタン−2−オール(8.1)のシュウ酸塩(60.0g)、二炭酸ジtert−ブチル(0.99等量)およびトリエチルアミン(3.3等量)の溶液を室温で一夜攪拌した。反応混合物を飽和水性NaHCO溶液で洗浄し、MgSOで乾燥しかつ減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン)により精製して60.3g(99%)の純粋な化合物8.2を提供した。
【0208】
パラジウム/炭素(12.4g、10%w/w Pd/C)を、メタノール(400mL)中の(2R,3S)−3−(ジベンジルアミノ)−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチル(イソブチル)カルバミン酸tert−ブチル(8.2)(60.3g)の溶液に添加した。反応混合物を、LCMSが完全な転化を示すまでH雰囲気下室温で攪拌した。混合物をセライト(Celite)で濾過しかつ減圧下に濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン→ジクロロメタン/メタノール(NH)93:7)により精製して32.6g(83%)の純粋な化合物8.3を提供した。
【0209】
2−メチル−テトラヒドロフラン(600mL)中の(2R,3S)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチル(イソブチル)−カルバミン酸tert−ブチル(8.3)、炭酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イルチアゾル−5−イルメチル(1.0等量)およびトリエチルアミン(1.01等量)の溶液を室温で3時間攪拌した。反応混合物を飽和水性NaHCO溶液で洗浄し、MgSOで乾燥しかつ減圧下に濃縮した。粗生成物(8.4)をそれ自体次の段階で使用した。
【0210】
ジクロロメタン(400mL)中の(2R,3S)−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタン−1,3−ジイルジカルバミン酸tert−ブチルチアゾル−5−イルメチル(8.4)(46.3g)の溶液に、イソプロパノール(100mL)中のHCl(5〜6N)を添加した。反応混合物を、LCMSが完全な転化を示すまで室温で活発に攪拌した。反応混合物を減圧下に濃縮した。残渣を飽和水性NaHCO溶液で洗浄し、MgSOで乾燥しかつ減圧下に濃縮して33.9g(92%)の純粋な化合物8.5を提供した。
【0211】
(2S,3R)−3−ヒドロキシ−4−(イソブチルアミノ)−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチル(8.5)(1125mg)を、ジクロロメタン(10mL)中の2−(エチルアミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボン酸(1.0等量)、トリエチルアミン(3.0等量)およびBOP(ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾリルN−オキシトリスジメチルアミノホスホニウム、1.0等量)の混合物に添加した。反応混合物を室温で一夜攪拌した。水を添加しかつ層を分離した。有機層を飽和水性NaHCO溶液で3回洗浄し、MgSOで乾燥しかつ減圧下に濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン→ジクロロメタン/メタノール(NH)98:2)により精製して1165mg(66%)の純粋な化合物C27を提供した。H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 0.56−0.81(m、6H)、1.31(t、J=7.1Hz、3H)、1.65−1.85(m、1H)、2.80−3.30(m、4H)、3.31−3.58(m、3H)、3.70−4.04(m、3H)、5.04−5.35(m、4H)、5.61(s(br)、1H)、7.04−7.42(m、8H)、7.79(s、1H)、8.76(s、1H)
【0212】
(2S,3R)−4−(2−アミノ−N−イソブチルベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド)−3−ヒドロキシ−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチル(C6)
【0213】
【化33】

【0214】
H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 0.58−0.84(m、6H)、1.70(s(br)、1H)、2.80−2.95(m、1H)、2.97−3.17(m、3H)、3.33(d、J=13.6Hz、1H)、3.8−4.0(m、3H)、4.9−5.1(m、2H)、5.11−5.23(m、2H)、5.41(s(br)、2H)、7.14−7.37(m、6H)、7.44(d、J=8.2Hz、1H)、7.57(s、1H)、7.74(s、1H)、8.70(s、1H)
【0215】
(2S,3R)−3−ヒドロキシ−4−(N−イソブチル−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド)−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチル(C15)
【0216】
【化34】

【0217】
H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 0.63−0.78(m、6H)、1.68−1.85(m、1H)、2.36(s、3H)、2.45−2.60(m、4H)、2.83−2.98(m、1H)、2.98−3.29(m、3H)、3.35−3.48(m、1H)、3.70−3.78(m、4H)、3.79−4.09(m、3H)、4.94−5.30(m、4H)、7.10−7.38(m、8H)、7.80(s、1H)、8.77(s、1H)
【0218】
(2S,3R)−4−(2−(2−(ジメチルアミノ)エチルアミノ)−N−イソブチルベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド)−3−ヒドロキシ−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチル(C16)
【0219】
【化35】

【0220】
H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 0.62−0.80(m、6H)、1.65−1.85(m、1H)、2.29(s、6H)、2.55−2.62(m、2H)2.85−3.27(m、4H)、3.35−3.43(m、1H)、3.54(s、2H)、3.75−4.04(m、3H)、4.93−5.30(m、4H)、5.86(s(br)、1H)、7.11−7.38(m、8H)、7.81(s、1H)、8.78(s、1H)
【0221】
(2S,3R)−3−ヒドロキシ−4−(N−イソブチル−2−(メチルアミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド)−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチル(C26)
【0222】
【化36】

【0223】
H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 0.58−0.80(m、6H)、1.65−1.85(m、1H)、2.79−3.31(m、7H)、3.36−3.52(m、1H)、3.71−4.07(m、3H)、5.05−5.38(m、4H)、5.76(s(br)、1H)、7.06−7.42(m、8H)、7.79(s、1H)、8.76(s、1H)
【0224】
(2S,3R)−3−ヒドロキシ−4−(N−イソブチルベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド)−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチル(C38)
【0225】
【化37】

【0226】
H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 0.62−0.80(m、6H)、1.65−1.86(m、1H)、2.82−2.98(m、1H)、2.99−3.22(m、3H)、3.38−3.58(m、1H)、3.62−4.10(m、3H)、4.70−5.35(m、4H)、7.05−7.33(m、5H)、7.34−7.43(m、1H)、7.65(s、1H)、7.72−7.87(m、2H)、8.17(s、1H)、8.76(s、1H)
【0227】
(2S,3R)−4−(2−エチル−N−イソブチルベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド)−3−ヒドロキシ−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチル(C39)
【0228】
【化38】

【0229】
H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 0.61−0.80(m、6H)、1.46(t、J=7.5Hz、3H)、1.64−1.85(m、1H)、2
.83−3.23(m、6H)、3.38−3.57(m、1H)、3.72−4.05(m、3H)、4.82−5.04(m、1H)、5.07−5.37(m、3H)、7.03−7.36(m、6H)、7.54(s、1H)、7.59−7.72(m、1H)、7.79(s、1H)、8.76(s、1H)
【0230】
(2S,3R)−3−ヒドロキシ−4−(N−イソブチル−2−メチルベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド)−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチル(C40)
【0231】
【化39】

【0232】
H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 0.62−0.79(m、6H)、1.66−1.86(m、1H)、2.66(s、3H)、2.83−2.98(m、1H)、2.99−3.23(m、3H)、3.37−3.53(m、1H)、3.76−4.06(m、3H)、4.85−4.96(m、1H)、5.05−5.33(m、3H)、7.10−7.36(m、6H)、7.54(s、1H)、7.60−7.70(m、1H)、7.80(s、1H)、8.76(s、1H)
【0233】
(2S,3R)−3−ヒドロキシ−4−(N−イソブチル−2−フェニルベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド)−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチル(C41)
【0234】
【化40】

【0235】
H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 0.58−0.80(m、6H)、1.69−1.86(m、1H)、2.88−3.00(m、1H)、3.00−3.26(m、3H)、3.39−3.55(m、1H)、3.77−4.07(m、3H)、4.78−5.32(m、4H)、7.10−7.33(m、5H)、7.38(d、J=8.3Hz、1H)、7.50−7.60(m、3H)、7.65(s、1H)、7.70−7.84(m、2H)、8.21−8.34(m、2H)、8.77(s、1H)
【0236】
(2S,3R)−3−ヒドロキシ−4−(N−イソブチル−2−イソプロピルベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド)−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチル(C45)
【0237】
【化41】

【0238】
H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm 0.62−0.80(m、6H)、1.48(d、J=6.9Hz、6H)、1.68−1.86(m、1H)、2.89−3.01(m、1H)、3.01−3.22(m、3H)、3.27(hept、J=7.0Hz、1H)、3.34−3.49(m、1H)、3.79−4.05(m、3H)、4.85−5.02(m、2H)、5.13−5.32(m、2H)、7.15−7.36(m、6H)、7.53(s、1H)、7.70(d、J=8.2Hz、1H)、7.82(s、1H)、8.78(s、1H)

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

の化合物、それらの塩および立体異性体であって、
RはH、フェニル、ピリジル、C1−6アルキル若しくは
【化2】

であり
AおよびBは、相互と独立に、H;アルキニル、ヘテロアリール、またはC1−6アルキルで場合によっては置換されている窒素、酸素若しくはイオウから選択されるヘテロ原子で場合によっては置換されているC1−6アルキルであるか;あるいは、AおよびBは、それらが結合されている窒素と一緒になって、窒素、酸素若しくはイオウからそれぞれ独立に選択される1ないし4個のヘテロ原子を含有する5若しくは6員の飽和、部分的若しくは完全に不飽和の複素環を形成し、前記ヘテロ原子はC1−6アルキルで場合によっては置換されており;

【化3】

を含んでなる群から選択され;
は、OH、アミノアルキル、ピロリジニル、モルホリニル、アルキニル、若しくはハロゲンで場合によっては置換されているC3−7シクロアルキルで場合によっては置換されているC1−6アルキルであり;
はOHであり;
はH若しくはアルキルであり;
はハロゲンで場合によっては置換されているピリジル若しくはフェニルであり;
XはC1−6アルキルで場合によっては置換されているO、S若しくはNである、化合物。
【請求項2】

【化4】

を有する請求項1に記載の化合物。
【請求項3】

【化5】

を有する請求項1に記載の化合物。
【請求項4】

【化6】

を有する請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
薬剤としての使用のための請求項1〜4のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項6】
HIV抗ウイルス薬を増強するための薬剤の製造のための請求項1〜4のいずれか1つに記載の化合物の使用。
【請求項7】
a)請求項1〜4のいずれか1つに記載の化合物、および
b)HIV阻害剤若しくはその製薬学的に許容できる塩
を含んでなる組合せ物。
【請求項8】
HIV阻害剤が、ダルナビル、若しくは化学名(1−ベンジル−3−{[2−(1−シクロペンチル−ピペリジン−4−イルアミノ)−ベンゾチアゾール−6−スルホニル]−イソブチル−アミノ}−2−ヒドロキシ−プロピル)カルバミン酸ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルエステルをもつ化合物である、請求項7に記載の組合せ物。
【請求項9】
化合物が(2S,3R)−4−(2−(エチル(メチル)アミノ)−N−イソブチルベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド)−3−ヒドロキシ−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチルであり、かつ、HIV阻害剤が、ダルナビル、若しくは化学名(1−ベンジル−3−{[2−(1−シクロペンチル−ピペリジン−4−イルアミノ)−ベンゾチアゾール−6−スルホニル]−イソブチル−アミノ}−2−ヒドロキシ−プロピル)カルバミン酸ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルエステルをもつ化合物である、請求項8に記載の組合せ物。
【請求項10】
化合物が、(2S,3R)−4−(2−(エチル(メチル)アミノ)−N−イソブチルベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド)−3−ヒドロキシ−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチルであり、かつ、HIV阻害剤が、化学名(1−ベンジル−3−{[2−(1−シクロペンチル−ピペリジン−4−イルアミノ)−ベンゾチアゾール−6−スルホニル]−イソブチル−アミノ}−2−ヒドロキシ−プロピル)カルバミン酸ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルエステルをもつ化合物である、請求項9に記載の組合せ物。
【請求項11】
薬剤としての使用のための請求項7〜10のいずれか1つに記載の組合せ物。
【請求項12】
HIV感染症を処置若しくは予防するための薬剤の製造のための請求項7〜10のいずれか1つに記載の組合せ物の使用。
【請求項13】
式(I)〜(IV)の化合物若しくはそれらの製薬学的に許容できる塩のいずれかの量が、HIV阻害剤の生物学的利用率を、前記HIV阻害剤が単独で投与される場合の生物学的利用率に関して臨床上向上させるのに十分である、請求項7〜10のいずれか1つに記載の組合せ物。
【請求項14】
式(I)〜(IV)の化合物若しくはそれらの製薬学的に許容できる塩のいずれかの量が、12時間のt1/2、Cmin、Cmax、Css、AUC若しくは24時間のAUCから選択されるHIV阻害剤の薬物動態変数の最低1種を、該HIV阻害剤が単独で投与される場合の前記最低1種の薬物動態変数に関して増大させるのに十分である、請求項7〜10のいずれか1つに記載の組合せ物。
【請求項15】
請求項7〜10のいずれか1つに記載の組合せ物および製薬学的に許容できる賦形剤を含んでなる製薬学的組成物。
【請求項16】
HIV治療における同時、別個の若しくは連続使用のための複合製剤としての、請求項1〜4のいずれか1つに記載の式(I)〜(IV)のいずれかの化合物、およびHIV阻害剤若しくはその製薬学的に許容できる塩を含有する生成物。
【請求項17】
HIV阻害剤が、ダルナビル、若しくは化学名(1−ベンジル−3−{[2−(1−シクロペンチル−ピペリジン−4−イルアミノ)−ベンゾチアゾール−6−スルホニル]−イソブチル−アミノ}−2−ヒドロキシ−プロピル)カルバミン酸ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルエステルをもつ化合物である、請求項16に記載の生成物。
【請求項18】
化合物が(2S,3R)−4−(2−(エチル(メチル)アミノ)−N−イソブチルベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド)−3−ヒドロキシ−1−フェニルブタン−2−イルカルバミン酸チアゾル−5−イルメチルであり、かつ、HIV阻害剤が(1−ベンジル−3−{[2−(1−シクロペンチル−ピペリジン−4−イルアミノ)−ベンゾチアゾール−6−スルホニル]−イソブチル−アミノ}−2−ヒドロキシ−プロピル)カルバミン酸ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルエステルである、請求項1
7に記載の生成物。

【公表番号】特表2011−506291(P2011−506291A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536465(P2010−536465)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【国際出願番号】PCT/EP2008/066847
【国際公開番号】WO2009/071650
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(509350217)
【Fターム(参考)】