説明

抗癌組み合わせ

【課題】抗腫瘍活性を有する化合物の新規な組み合わせによる、増強作用を示す癌の治療方法と、医薬製剤の提供。
【解決手段】抗血管形成剤の1つである化合物5,6−ジメチルキサンテノン−4−酢酸(DMXAA)またはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルと、白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される化合物の相乗的な組み合わせからなる、癌の治療方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗腫瘍活性を有する化合物5,6−ジメチルキサンテノン−4−酢酸(DM
XAA)と、白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、ト
ポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される化
合物の相乗的な組み合わせに関する。好ましくは、本発明は、化合物5,6−ジメチルキ
サンテノン−4−酢酸(DMXAA)と、カルボプラチン、ゲムシタビン、シスプラチン
、5−フルオロウラシル、シクロホスファミド、エトポシド、ビンクリスチン、ドキソル
ビシンおよびイリノテカンから選択される化合物との相乗的な組み合わせに関する。さら
に詳細には、本発明は、癌を治療する際のこのような組み合わせの使用と、このような組
み合わせを含有する医薬組成物とに関する。
【背景技術】
【0002】
5,6−ジメチルキサンテノン−4−酢酸(DMXAA)は以下の式で表される。
【化1】

【0003】
DMXAAの第I相臨床試験は最近終了し、動的MRI(磁気共鳴画像形成)は、DM
XAAは耐用量で腫瘍の血流の有意な低下を誘導することを示している。従って、DMX
AAは、活性(腫瘍血流の不可逆的な阻害)がヒト腫瘍において証明された最初の抗血管
形成剤の1つである。これらの所見は、抗血管形成作用が腫瘍の長期血流阻止を生じ、広
範な出血性壊死領域を生じることを示した、腫瘍またはヒト腫瘍異種移植片を使用した前
臨床試験と一致している。しかし、この研究によれば 、腫瘍は、潅流が十分な周辺部に
生存している細胞からすぐに再増殖する。ほとんどの前臨床試験において見られる一過的
な腫瘍増殖阻止は、第I相臨床研究において見られる腫瘍の退行がないことに一致し、D
MXAAが単一の薬剤として臨床的有用性を有する可能性がないことを示唆している。
【0004】
カルボプラチン(パラプラチン(登録商標))は、白金が配位した癌化学療法剤である
。カルボプラチンの化学名は、ジアミン[1,1−シクロブタンジカルボキシラト(2−
)−0,0’]−,(SP−4−2)白金である。
【0005】
シスプラチン(プラチノール(登録商標))は、種々の腫瘍種を治療するために使用さ
れる白金抗悪性腫瘍剤である。
【0006】
ゲムシタビン(ジェムザール(登録商標))(HCl)は、抗腫瘍作用を示すヌクレオ
チド類似体である代謝拮抗剤である。ゲムシタビンHClは2’−デオキシ−2’,2’
−ジフルオロシチジン一塩酸塩(b異性体)である。
【0007】
5−フルオロウラシル(Adrucil(登録商標))は注射用抗悪性腫瘍代謝拮抗剤
である。その化学名は5−フルオロ−2,4−(1H,3H)−ピリミヂンジオンである

【0008】
シクロホスファミド(シトキサン(登録商標))は、注射用凍結乾燥ケーキまたは経口
使用錠剤として利用可能である。シクロホスファミドは、ナイトロジェンマスタードに化
学的に関連のある合成抗悪性腫瘍剤である。シクロホスファミドの化学名は、2−[ビス
(2−クロロエチル)アミノ]テトラヒドロ−2H−13,2−オキサザホスホリン−2
−オキシド一水和物である。
【0009】
ドキソルビシンHCl(アドリアマイシン(登録商標))は、Streptomyce
s peucetius var. caesiusから単離された細胞毒性アントラサ
イクリン系抗生物質である。それは、化学名、(8S、10S)−10−[(3−アミノ
−2,3,6−トリデオキシ−a−L−リキソ−ヘキソピラノシル)オキシ]−8−グリ
コリル−7,8,9,10−テトラヒドロ−6,8,11−トリヒドロキシ−1−メトキ
シ−5,12−ナフタセンジオン塩酸塩を持つ。
【0010】
ビンクリスチン(オンコビン(登録商標)、VincasarPFS(登録商標))、
Vincrex(登録商標))はビンカアルカロイド抗悪性腫瘍剤である。
【0011】
エトポシド(ベペシド(登録商標、これは、VP−16としても一般に周知である)は
トポイソメラーゼII阻害剤である。それはポドフィロトキシンの半合成誘導体であり、
4’−デメチルエピポドフィロトキシン−9−[4,6−0(R)−エチリデン−(β)
−D−グルコピラノシドである。エトポシドは経口または静脈内投与用として利用可能で
ある。
【0012】
イリノテカン(カンプト(登録商標)、カンプトサール(登録商標))はトポイソメラ
ーゼI阻害剤である。それは、カンプトテシンの半合成誘導体である。化学名は、(S)
−4,11−ジエチル−3,4,12,14−テトラヒドロ−4−ヒドロキシ−3,14
−ジオキソ−1H−ピラノ[3’,4’:6,7]−インドリジノール[1,2−b]キ
ノリン−9−イル−[1,4’−ビピペリジン]−1’−カルボキシレート一塩酸塩三水
和物である。
【発明の概要】
【0013】
驚くべきことに、DMXAAと、白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、ア
ントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻
害剤、好ましくは、カルボプラチン、ゲムシタビン、シスプラチン、5−フルオロウラシ
ル、シクロホスファミド、エトポシド、ビンクリスチン、ドキソルビシンおよびイリノテ
カンから選択される化合物とを同時投与または逐次投与により併用することによって抗腫
瘍作用の増強が得られることが見出された。
【0014】
従って、第1の態様において、本発明は、癌を治療する方法であって、治療を必要とし
ているヒトを含む哺乳類に有効量のDMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは
エステルを投与するステップと、白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アン
トラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害
剤から選択される有効量の化合物を同時または逐次的に投与するステップとを含む方法を
提供する。
【0015】
別の態様において、本発明は、癌を治療するための、白金化合物、ビンカアルカロイド
、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびト
ポイソメラーゼII阻害剤から選択される化合物を同時または逐次投与するための医薬品を
製造するためのDMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルの使用を提
供する。
【0016】
さらに別の態様において、本発明は、癌を治療するための、DMXAAまたはその薬学
的に許容可能な塩もしくはエステルと同時または逐次投与するための医薬品を製造するた
めの白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメ
ラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される化合物の使
用を提供する。
【0017】
さらに別の態様において、本発明は、DMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もし
くはエステルと、白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン
、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択され
る化合物との組み合わせを提供する。
【0018】
本発明のさらに別の態様によると、DMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしく
はエステルと、白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、
トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される
化合物を、別個に投与するために関連して含むキットが提供される。
【0019】
好適な白金化合物の例は、シスプラチンおよびカルボプラチンである。
【0020】
好適なビンカアルカロイドの例は、ビンクリスチンである。
【0021】
好適なアルキル化剤の例は、シクロホスファミドである。
【0022】
好適なアントラサイクリンはドキソルビシンである。
【0023】
好適なトポイソメラーゼII阻害剤の例は、エトポシドである。
【0024】
好適な代謝拮抗剤の例は、ゲムシタビンおよび5−フルオロウラシルである。
【0025】
好適なトポイソメラーゼI阻害剤の例は、イリノテカンである。
【0026】
従って、本発明において、白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラ
サイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤か
ら選択される化合物は、例えば、カルボプラチン、ゲムシタビン、シスプラチン、5−フ
ルオロウラシル、シクロホスファミド、エトポシド、ビンクリスチン、ドキソルビシンお
よびイリノテカンから選択される化合物であってもよい。
【0027】
本発明の一実施態様において、白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アン
トラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害
剤から選択される化合物はカルボプラチン、ゲムシタビン、シスプラチン、5−フルオロ
ウラシル、シクロホスファミド、エトポシド、ビンクリスチンおよびドキソルビシンから
選択される化合物である。
【0028】
本発明の別の実施態様において、白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、ア
ントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻
害剤から選択される化合物はカルボプラチン、ゲムシタビン、シスプラチン、シクロホス
ファミド、エトポシド、ビンクリスチンおよびイリノテカンから選択される化合物である

【0029】
本発明の別の実施態様において、白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、ア
ントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻
害剤から選択される化合物は、カルボプラチン、ゲムシタビン、シスプラチン、シクロホ
スファミド、エトポシドおよびビンクリスチンから選択される化合物である。
【0030】
本発明の別の実施態様において、白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、ア
ントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻
害剤から選択される化合物は、ゲムシタビン、シスプラチン、5−フルオロウラシル、ド
キソルビシンおよびイリノテカンから選択される化合物である。
【0031】
本発明の別の実施態様において、白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、ア
ントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻
害剤から選択される化合物はゲムシタビン、シスプラチンおよびイリノテカンから選択さ
れる化合物である。
【0032】
本発明の別の実施態様において、白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、ア
ントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻
害剤から選択される化合物はゲムシタビン、シスプラチン、5−フルオロウラシルおよび
ドキソルビシンから選択される化合物である。
【0033】
本発明の別の実施態様において、抗体が存在しない場合に、DMXAAは使用されるか
もしくは存在し、またはDMXAAおよび白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化
剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラー
ゼII阻害剤から選択される化合物は使用されるかまたは存在する。
【0034】
本発明の別の実施態様において、白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、ア
ントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻
害剤から選択される化合物が5−フルオロウラシルまたはドキソルビシンである場合、抗
体が存在しない場合に、DMXAAは使用されるかもしくは存在し、またはDMXAAお
よび白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメ
ラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される化合物は使
用されるかまたは存在する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】化学療法剤単独(i.p.)(○)または薬剤とDMXAA(80μmol/kg)の同時投与(●)でマウスを治療した後のMDAH−Mca−4腫瘍の増殖遅延を例示する。値は、6〜8匹のマウスからなる群の平均±semであり、数を括弧内に示す死亡数(d)または治癒数(c)を無視する。*および**は、対応する対照と比較した増殖遅延の有意さについて、それぞれp<0.05および<0.01を示す(±DMXAA)。
【図2】左側のパネル:カルボプラチン単独(316μmol/kg)の投与(●)またはDMXAA(80μmol/kg)(○)との同時投与後の遊離白金の血漿中濃度である。右側のパネル:カルボプラチン単独(316μmol/kg)の投与(●)またはDMXAA(80μmol/kg)(○)との同時投与後の総白金の腫瘍内濃度である。
【0036】
DMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルと、白金化合物、ビンカ
アルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮
抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される化合物は、同時投与または逐次投与
されてもよい。好ましくは、DMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステ
ルと、白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソ
メラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される化合物は
同時投与される。
【0037】
好ましくは、DMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルと、白金化
合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻
害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される化合物とが増強作用を
示す比率で存在する。
【0038】
「増強作用を示す比率」という用語は、本明細書において、DMXAAまたはその薬学
的に許容可能な塩もしくはエステルと、白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤
、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼI
I阻害剤から選択される化合物は、組み合わせの抗腫瘍作用が、DMXAA単独の抗腫瘍
作用または白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポ
イソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される化合
物単独の抗腫瘍作用または個々の成分の作用に基づいて組み合わせについて予測される付
加的な作用の抗腫瘍作用より大きくなるような比率で存在することを示すために使用され
る。従って、個々の成分は、増強作用を示す比率で存在する場合には、組み合わせにおい
て相乗的に作用する。
【0039】
DMXAAと、代謝拮抗剤、例えば、ゲムシタビンおよび5−フルオロウラシルの、癌
を治療するための使用が成功する可能性がある増強作用を示す比率は、DMXAA:代謝
拮抗剤が1:1000〜1:2の範囲である。好適には、増強作用を示す比率は、1:7
5〜1:5の範囲である。さらに別の増強作用を示す比率は、1:50〜1:10の範囲
である。好ましい増強作用を示す比率は、1:30〜1:15の範囲であり、さらに好ま
しくは、DMXAA:代謝拮抗剤1:25〜1:20の範囲である。
【0040】
DMXAAと白金化合物、例えば、カルボプラチンまたはシスプラチンの、癌を治療す
るための使用が成功する可能性がある増強作用を示す比率は、20:1〜1:20の範囲
である。例えば、カルボプラチンの場合では、癌を治療するための使用が成功する可能性
がある増強作用を示す比率は、DMXAA:カルボプラチンが、1:20〜1:1の範囲
である。好適には、カルボプラチンの場合では、増強作用を示す比率は、1:16〜1:
2の範囲である。カルボプラチンの場合のさらに別の増強作用を示す比率は、1:10〜
1:2の範囲である。カルボプラチンの場合の好ましい増強作用を示す比率は、1:8〜
1:3の範囲であり、さらに好ましくは、DMXAA:カルボプラチンが、1:6〜1:
4の範囲である。同様に、シスプラチンの場合には、癌を治療するための使用が成功する
可能性がある増強作用を示す比率は、DMXAA:シスプラチンが、20:1〜1:1の
範囲である。好適には、シスプラチンの場合には、増強作用を示す比率は、10:1〜1
:1の範囲である。シスプラチンの場合のさらに別の増強作用を示す比率は、8:1〜1
:1の範囲である。シスプラチンの場合の好ましい増強作用を示す比率は、6:1〜2:
1の範囲であり、さらに好ましくはDMXAA:シスプラチンが、4:1〜2:1の範囲
である。
【0041】
DMXAAとアルキル化剤、例えば、シクロホスファミドの、癌を治療するための使用
が成功する可能性がある増強作用を示す比率は、DMXAA:アルキル化剤が、1:10
0〜1:2の範囲である。好適には、増強作用を示す比率は、1:50〜1:5の範囲で
ある。さらに別の増強作用を示す比率は、1:30〜1:5の範囲である。好ましい増強
作用を示す比率は、1:20〜1:8の範囲であり、さらに好ましくはDMXAA:アル
キル化剤が、1:16〜1:12の範囲である。
【0042】
DMXAAとトポイソメラーゼII阻害剤、例えば、エトポシドの、癌を治療するため
の使用が成功する可能性がある増強作用を示す比率は、DMXAA:トポイソメラーゼI
I阻害剤が、10:1〜1:10の範囲である。好適には、増強作用を示す比率は、5:
1〜1:5の範囲である。さらに別の増強作用を示す比率は、5:1〜1:3の範囲であ
る。好ましい増強作用を示す比率は、3:1〜1:2の範囲であり、さらに好ましくは、
DMXAA:トポイソメラーゼII阻害剤が、2:1〜1:2の範囲である。
【0043】
DMXAAとビンカアルカロイド、例えば、ビンクリスチンの、癌を治療するための使
用が成功する可能性がある増強作用を示す比率は、DMXAA:ビンカアルカロイドが、
200:1〜5:1の範囲である。好適には増強作用を示す比率は、150:1〜10:
1の範囲である。さらに別の増強作用を示す比率は、100:1〜40:1の範囲である
。好ましい増強作用を示す比率は、100:1〜60:1の範囲であり、さらに好ましく
はDMXAA:ビンカアルカロイドが、90:1〜70:1の範囲である。
【0044】
DMXAAとアントラサイクリン、例えば、ドキソルビシンの、癌を治療するための使
用が成功する可能性がある増強作用を示す比率は、DMXAA:アントラサイクリンが、
50:1〜1:1の範囲である。好適には、増強作用を示す比率は、25:1〜1:1の
範囲である。さらに別の増強作用を示す比率は、16:1〜2:1の範囲である。好まし
い増強作用を示す比率は、8:1〜2:1の範囲であり、さらに好ましくは、DMXAA
:アントラサイクリンが、6:1〜4:1の範囲である。
【0045】
好ましくは、DMXAAの製薬学的に許容されうる塩はナトリウム塩である。
【0046】
一実施態様において、白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイ
クリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選
択される化合物はカルボプラチンである。
【0047】
一実施態様において、白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイ
クリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選
択される化合物はゲムシタビンである。
【0048】
一実施態様において、白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイ
クリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選
択される化合物はシスプラチンである。
【0049】
一実施態様において、白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイ
クリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選
択される化合物は5−フルオロウラシルである。
【0050】
一実施態様において、白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイ
クリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選
択される化合物はシクロホスファミドである。
【0051】
一実施態様において、白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイ
クリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選
択される化合物はエトポシドである。
【0052】
一実施態様において、白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイ
クリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選
択される化合物はビンクリスチンである。
【0053】
一実施態様において、白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイ
クリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選
択される化合物はドキソルビシンである。
【0054】
一実施態様において、白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイ
クリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選
択される化合物はイリノテカンである。
【0055】
抗癌剤として有効であるのに必要とされる、DMXAAまたはその薬学的に許容可能な
塩もしくはエステルと、白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイ
クリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選
択される化合物との組み合わせの量は当然のことながら異なり、最終的には医療担当者の
判断による。考慮される因子には、投与経路および製剤の性質、哺乳類の体重、年齢およ
び全身の状態並びに治療対象の疾患の性質および重傷度が挙げられる。
【0056】
癌を治療するために、DMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルを
、白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラ
ーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される化合物ととも
にヒトに同時投与または逐次投与するのに好適な有効量は、例えば、500〜4900m
g/m2の範囲である。例えば、600〜4900mg/m2の範囲であり、好適には60
0〜3100mg/m2の範囲であり、さらに好適には1000〜2500mg/m2の範
囲であり、特に1100〜1500mg/m2の範囲である。または、DMXAAまたは
その薬学的に許容可能な塩もしくはエステルの量は、例えば、2500〜4000mg/
2の範囲であってもよく、好適には1200〜3500mg/m2の範囲であってもよく
、さらに好適には2000〜3000mg/m2の範囲であってもよく、よりさらに好適
には1200〜2500mg/m2の範囲であってもよく、特に2500〜3500mg
/m2の範囲であってもよく、さらに特に2250〜2750mg/m2の範囲であっても
よい。好ましくは、DMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルは1週
間ごとまたは3週間ごとに1回静脈内投与される。
【0057】
癌を治療するために、DMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルと
ともにヒトに同時投与または逐次投与するための白金化合物、例えば、カルボプラチンま
たはシスプラチンの好適な有効量は、例えば、10〜500mg/m2の範囲である。
【0058】
カルボプラチンの場合、癌を治療するためにDMXAAまたはその薬学的に許容可能な
塩もしくはエステルとともにヒトに同時投与または逐次投与するための好適な有効量は、
例えば、100〜500mg/m2の範囲である。例えば、100〜300mg/m2の範
囲であり、好適には250〜400mg/m2の範囲であり、さらに好適には150〜3
50mg/m2の範囲であり、特に150〜250mg/m2の範囲であり、さらに特に1
75〜225mg/m2の範囲である。
【0059】
同様に、シスプラチンの場合、癌を治療するためにDMXAAまたはその薬学的に許容
可能な塩もしくはエステルとともにヒトに同時投与または逐次投与するための好適な有効
量は、例えば、10〜200mg/m2の範囲である。例えば、20〜150mg/m2
範囲であり、好適には30〜120mg/m2の範囲であり、さらに好適には40〜10
0mg/m2の範囲であり、特に40〜80mg/m2の範囲であり、さらに特に60〜1
00mg/m2の範囲であり、好ましくは75〜100mg/m2の範囲である。
【0060】
好ましくは、白金化合物、例えば、カルボプラチンまたはシスプラチンは、4週間ごと
に1回静脈内投与される。
【0061】
癌を治療するためにDMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルとと
もにヒトに同時投与または逐次投与するための代謝拮抗剤、例えば、ゲムシタビンまたは
5−フルオロウラシルの好適な有効量は、例えば、400〜2000mg/m2の範囲で
ある。例えば、500〜1500mg/m2の範囲であり、好適には600〜1200m
g/m2の範囲であり、さらに好適には600〜1000mg/m2の範囲であり、特に8
00〜1200mg/m2の範囲mg/m2の範囲であり、さらに特に800〜1000m
g/m2の範囲であり、好ましくは750〜980mg/m2の範囲であり、さらに好まし
くは750〜965mg/m2の範囲である。
【0062】
癌を治療するためにDMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルとと
もにヒトに同時投与または逐次投与するための代謝拮抗剤、例えば、ゲムシタビンまたは
5−フルオロウラシルの好適な有効量は、例えば、2〜20mg/kgの範囲である。例
えば、2〜15mg/kgの範囲であり、好適には2〜8mg/kgの範囲であり、さら
に好適には6〜12mg/kgの範囲であり、特に4〜10mg/kgの範囲であり、好
ましくは4〜6mg/kgの範囲である。
【0063】
好ましくは、ゲムシタビンは毎週1回静脈内投与され、好ましくは、5−フルオロウラ
シル約2週間にわたって隔日投与される。
【0064】
癌を治療するためにDMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルとと
もにヒトに同時投与または逐次投与するためのアルキル化剤、例えば、シクロホスファミ
ドの好適な有効量は、例えば、100〜1000mg/m2の範囲である。例えば、20
0〜800mg/m2の範囲であり、好適には200〜500mg/m2の範囲であり、さ
らに好適には350〜700mg/m2の範囲であり、特に450〜650mg/m2の範
囲であり、さらに特に500〜600mg/m2の範囲であり、好ましくは550〜65
0mg/m2の範囲である。
【0065】
好ましくは、アルキル化剤、例えば、シクロホスファミドは4週間ごとに1回静脈内投
与される。
【0066】
癌を治療するためにDMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルとと
もにヒトに同時投与または逐次投与するためのトポイソメラーゼII阻害剤、例えば、エ
トポシドの好適な有効量は、例えば、5〜150mg/m2の範囲である。例えば、5〜
120mg/m2の範囲であり、好適には10〜100mg/m2の範囲であり、さらに好
適には15〜50mg/m2の範囲であり、特に60〜120mg/m2の範囲であり、さ
らに特に35〜75mg/m2の範囲であり、好ましくは30〜60mg/m2の範囲であ
る。
【0067】
好ましくは、トポイソメラーゼII阻害剤は、例えば、4〜7日間毎日静脈内投与され
る。
【0068】
癌を治療するためにDMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルとと
もにヒトに同時投与または逐次投与するためのビンカアルカロイド、例えば、ビンクリス
チンの好適な有効量は、例えば、0.1〜2.0mg/m2の範囲である。例えば、0.
125〜1.75mg/m2の範囲であり、好適には0.15〜1.5mg/m2の範囲で
あり、さらに好適には0.2〜1.4mg/m2の範囲であり、特に0.6〜1.4mg
/m2の範囲であり、さらに特に0.8〜1.4mg/m2の範囲であり、好ましくは0.
5〜1.0mg/m2の範囲である。
【0069】
好ましくは、ビンカアルカロイド、例えば、ビンクリスチンは毎週1回静脈内投与され
る。
【0070】
癌を治療するためにDMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルとと
もにヒトに同時投与または逐次投与するためのアントラサイクリン、例えば、ドキソルビ
シンの好適な有効量は、例えば、5〜100mg/m2の範囲である。例えば、10〜8
0mg/m2の範囲であり、好適には20〜60mg/m2の範囲であり、さらに好適には
40〜75mg/m2の範囲であり、特に20〜50mg/m2の範囲であり、さらに特に
15〜35mg/m2の範囲であり、好ましくは40〜60mg/m2の範囲である。
【0071】
好ましくは、アントラサイクリン、例えば、ドキソルビシンは3〜4週間ごとに1回静
脈内投与される。
【0072】
DMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルと、白金化合物、ビンカ
アルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮
抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される化合物は任意の好適な形態で投与さ
れうる。しかし、本発明により使用するためには、DMXAAまたはその薬学的に許容可
能な塩もしくはエステルと白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサ
イクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から
選択される化合物との組み合わせは、好ましくは、医薬製剤として提供される。
【0073】
医薬製剤は、作用成分(すなわち、DMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしく
はエステルと、白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、
トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される
化合物との組み合わせ)、1つ以上の薬学的に許容可能な担体、必要に応じて他の治療用
および/または予防用成分を含む。担体は、製剤の他の成分と適合性であり、レシピエン
トに有害でないという意味において許容可能でなければならない。
【0074】
従って、本発明は、DMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルと、
白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラー
ゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される化合物との組み
合わせを、1つ以上の薬学的に許容可能な担体と関連して含む医薬製剤を提供する。
【0075】
本発明は、DMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルと、白金化合
物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害
剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される化合物との組み合わせに
1つ以上の薬学的に許容可能な担体を関連させるステップを含む、医薬製剤を調製する方
法をさらに提供する。
【0076】
医薬製剤は、経口、局所(皮膚、口腔内および舌下を含む)、経直腸および非経口(皮
下、皮内、筋肉内および静脈内を含む)投与並びに経鼻胃管による投与に好適なものを含
む。製剤は、適当な場合には、別個の投与単位で都合よく提供されてもよく、薬学分野に
おいて既知の方法のいずれかによって調製されうる。方法は全て、作用成分に薬学的に許
容可能な担体、例えば、液体担体または細分割された固形担体または両者と関連させるス
テップと、必要な場合には、生成物を望ましい剤形に形成するステップとを含む。
【0077】
好ましくは、医薬製剤は非経口投与用に適合され、最も好ましくは静脈内投与用に適用
される。例えば、化合物は、当技術分野において既知の各化合物用の製剤を使用して静脈
内に投与することができる。
【0078】
担体が固形である経口投与に好適な医薬製剤は、最も好ましくは、各々が所定の量の作
用成分を含有するボーラス、カプセルまたは錠剤などの単位用量製剤として提供される。
錠剤は、必要に応じて1つ以上の補助成分と共に圧縮または成形することによって製造す
ることができる。圧縮錠剤は、必要に応じて結合剤、潤滑剤、不活性な希釈剤、潤滑剤、
界面活性剤または分散剤と混合した粉末または顆粒などの自由流動形態の作用化合物を好
適な機械で圧縮することによって製造することができる。成形錠剤は、不活性な液体希釈
剤を成形することによって製造することができる。錠剤は、必要に応じて、コーティング
されてもよく、コーティングしない場合には、必要に応じて、分割してもよい。カプセル
は、作用成分単独または1つ以上の補助成分をカプセルシェルに充填し、次いでそれらを
通常の方法で密封することによって製造することができる。カシェ剤はカプセルに類似し
ており、作用成分および任意の補助成分がライスペーパー外皮内に密封されている。DM
XAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルと、白金化合物、ビンカアルカ
ロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤お
よびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される化合物との組み合わせは、別個の顆粒とし
て製剤化されてもよく、例えば、投与前に水に懸濁してもまたは食物に振りかけてもよい
。顆粒は、例えば、小袋に包装されてもよい。担体が液体である経口投与に好適な製剤は
、水性液体もしくは非水性液体の溶液もしくは懸濁液または水中油型エマルジョンとして
提供することができる。
【0079】
経口投与用の製剤は、作用成分が適当な放出制御マトリックスで製剤化されているまた
は好適な放出制御フィルムでコーティングされている徐放性剤形、例えば、錠剤を含む。
このような製剤は、予防的な使用に特に都合が良い場合がある。
【0080】
作用成分はまた、経鼻胃管を介した投与に好適な溶液または懸濁液として製剤化するこ
ともできる。
【0081】
担体が固形である直腸投与に好適な医薬製剤は、最も好ましくは、単位用量の坐剤とし
て提供される。好適な担体には、カカオ脂および当技術上通常使用される他の材料が挙げ
られる。坐剤は、活性な組み合わせに軟化または融解した担体を混合し、次に冷却し、成
形することによって好適に製造することができる。
【0082】
非経口投与に好適な医薬製剤は、活性な組み合わせの水性または油性基剤の滅菌溶液ま
たは懸濁液を含む。注射用製剤は1回大量注射または持続注入用に適合させることができ
る。このような製剤は、便利なことに、製剤の導入時から使用時まで密封されている単位
用量または多数回用量容器で提供される。または、作用成分は、使用時に発熱物質を含有
しない滅菌水などの好適な基剤で構成される粉末形態であってもよい。
【0083】
医薬製剤は、例えば、リポソーム製剤の形態であってもよい。
【0084】
DMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルと、白金化合物、ビンカ
アルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮
抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される化合物との組み合わせは、筋肉内注
射または例えば、皮下もしくは筋肉内への埋め込みによって投与することができる長時間
作用型の持続製剤として製剤化することもできる。持続製剤は、例えば、好適なポリマー
もしくは疎水性材料またはイオン交換樹脂を含んでもよい。このような長時間作用型の製
剤は、予防的な使用に特に便利である。
【0085】
上記の担体成分以外に、上記の種々の投与経路用の医薬製剤は、適宜、希釈剤、緩衝剤
、矯味矯臭剤、結合剤、界面活性剤、増粘剤、潤滑剤、保存剤(抗酸化剤を含む)等およ
び製剤を、目的のレシピエントの血液と等張にする目的で加える物質などの追加の担体成
分を1つ以上含むことができることが理解されるべきである。
【0086】
DMXAAは、引用することにより本明細書の一部をなすものとする、Journal
of Medicinal Chemistry 34(1):217−22、199
1年1月に記載されている方法により製造することができる。
【0087】
白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラ
ーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤、例えば、カルボプラチン、
ゲムシタビン、シスプラチン、5−フルオロウラシル、シクロホスファミド、エトポシド
、ビンクリスチン、ドキソルビシンおよびイリノテカンは既知の化合物であり、当業者に
既知の方法によって製造することができる。
【0088】
本発明は、上記の好適で好ましい群の組み合わせ全てを含むことが理解されるべきであ
る。
【0089】
本発明により治療することができる癌には、充実性腫瘍、例えば、非小細胞肺癌、小細
胞肺癌、乳癌、膵臓癌、卵巣癌、結腸直腸癌、前立腺癌および胃癌が挙げられるが、これ
らに限定されない。
【0090】
本発明は、ここで、以下の実施例によって例示されるが、限定する意図のものではない

[実施例]
【実施例1】
【0091】
[材料と方法]
化合物:
Aukland Cancer Society Research Centreで
合成したDMXAAの原液は、リン酸緩衝生理食塩液中で調製し、遮光して、凍結保存し
た。シスプラチン(Sigma Chemical Co.,ミズーリ州セントルイス)
は0.9%生理食塩液に溶解した。カルボプラチンおよび5−フルオロウラシル(Bri
stol Myers Squibb、Sermonita、イタリア)並びにシクロホ
スファミド(Mead Johnson Oncology Products、ニュー
ジャージー州プリンストン)の原液は滅菌水で稀釈した。ドキソルビシン(Farmit
alia Carlo Erba Pty Ltd,クレイトンノース、オーストラリア
)、エトポシドおよびビンクリスチン(Bristol−Myers Squibb、S
ermonita、イタリア)は、0.9%の生理食塩液を使用して稀釈した。全ての化
合物は、0.01ml/体重1gの量を腹腔内注射によってマウスに投与した。
【0092】
動物と腫瘍:
マウス乳癌MDAH−Mca−4腫瘍は、第6移植世代で液体窒素中で保存したストッ
クから増殖させた。腫瘍(使用時には第8移植世代)は20μlの細胞懸濁液(7mgの
濃縮細胞)から増殖させ、雌C3H/HeNマウス(処理時22〜25g)の右腓腹筋に
筋肉内接種した。マウスは、腫瘍+脚の径が10〜11mm(0.5〜0.7gの腫瘍)
に達したとき開始した治療群に無作為に割り付けた。
【0093】
宿主毒性および抗腫瘍作用:
予測したMTD(パイロット実験または文献から推定した最大耐用量)まで1.33倍
ずつ増加した容量範囲の化学療法剤でマウスを治療した。毒性は、治療の4日後に測定し
た死亡率および体重低下として評価した。瀕死状態の動物は実験を終了にし、分析では薬
剤による死亡として処理した。腫瘍を有する脚の径は、治療後週3回測定した。抗腫瘍作
用は、治療群および対照群について13mm(1.5gの腫瘍)のエンドポイントに達す
る時間の差として規定される腫瘍増殖遅延から評価した。治療の120日後に動物に明ら
かな腫瘍が認められない場合には、応答は治癒と分類した。腫瘍増殖阻止の統計学的有意
さは、治療群間の差のp−値を評価するためのダネット検定を用いた、Windows(登録商標)用SASを使用したANOVAによって試験した。治癒(治療後120日を越えても腫瘍が認められない)の実質的な数を用いた実験では、統計学的有意さはWindows(登録商標)用のSASを使用したクラスカル・ワリスノンパラメトリック分散分析によって試験し、治療群と対照群の差は、Sigmastat v2.0を使用したDunn’s検定によって試験した。用量−応答曲線の勾配および標準誤差は、Sigmastatを使用した直線回帰によって求め、DMF(用量調節因子)はDMXAAを併用した場合の勾配/DMXAAを併用しない場合の勾配として算出した。
【0094】
腫瘍血流阻止:
腫瘍血流は、薬物治療から種々の経過時間に静脈内投与した蛍光潅流マーカーHoec
hst 33342(8mg/mlの生理食塩液溶液)を使用して評価した。マウスを2
分後に犠牲にし、凍結切片(14μm)を各腫瘍の遠位、中心および近位領域から調製し
た。UV−1Aフィルターブロック(励起365nm、バリアフィルター400nmおよ
びダイクロイックミラー400nm)を使用したNikon落射蛍光顕微鏡を用いて10
倍で切片を調査した。染色点のスコアリングのために81スクエア(100×100μm
)のグリッドを使用した。周辺領域と(潅流が十分でない)中心領域の偏りを回避するた
めに、各切片の全領域をスコアリングした。正常な組織は除外したが、壊死領域は対象と
した。スチューデントのt−検定(Sigma Stat、バージョン−2.0、Jan
del Scientific Limited)を使用して群間の差を有意さについて
処理した。
【0095】
薬物動態:
MDAH−Mca−4腫瘍(0.5〜0.7g)を有する雌C3H/HeNマウスにカ
ルボプラチン(316μmol/kg)、DMXAA(80μmol/kg)を腹腔内に
注射するか、または同じ用量のカルボプラチンおよびDMXAAを同時に投与した。種々
の経過時に、麻酔したマウスの後眼窩静脈叢からヘパリン処理した試験管に採血し、遠心
分離によって血漿を分離した。腫瘍を速やかに切開し、−80℃で凍結した。2〜5匹の
マウスからなる群を各経過時点に使用した。
【0096】
白金のICP−MS(誘導結合型プラズマ−質量分析)分析:
血漿および腫瘍中の白金濃度は以下の以前に報告されたICP−MS方法を使用して測
定した。腫瘍は重量を測定し、70%の硝酸(Riedel−de−Haen、Seel
ze、ドイツ)の1mlを含有する15mlのスクリューキャップ付き試験管に入れ、室
温において終夜放置した。翌日、ドラフトチャンバにおいた、砂を入れた電気式フライパ
ン中で90℃において2時間腫瘍を消化した。冷却後、溶解化した腫瘍組織を、Mill
i−Q水を使用して10mlの容量フラスコで容量を合わせ、ICP−MSに導入した。
血漿は、血漿タンパク質をメタノール沈殿させることによって分析用に調製した。血漿を
等容量の氷冷メタノールに添加し、混合して、−20℃において18時間放置した。試料
を遠心分離し、少量の上清を0.1%の硝酸で稀釈(1:40)してから、ICP−MS
に導入した。
【0097】
ICP−MSシステムは、ニッケルサンプリングコーン付きHewlett Pack
ard HP 4500 ICP−MS、Babington(v型溝)ネブライザーお
よび2℃に維持されたScottダブルパススプレーチャンバーを備えた。白金は、滞留
時間100msおよび反復時間(replicate time)6000msで195amuで読んだ
。検量線は広い範囲(0.5〜5000ng/ml)にわたって直線(r2>0.98)
であった。アッセイ内およびアッセイ間変動並びに回収率は許容限界内であった。定量限
界は、血漿1mlあたり12.5pgの白金であり、腫瘍組織1gあたり10ngの白金
であった。
【0098】
DMXAAのHPLC分析:
血漿中のDMXAA濃度は、以下のように測定した。少量の血漿(50μl)を1ml
の氷冷したアセトニトリル:メタノール(3:1v/v)で処理し、遠心分離し、得られ
た上清を、Speed−Vac溶媒濃縮器(Savant Instruments,ニ
ューヨーク)を使用して留去した。残渣を10mMの酢酸アンモニウム緩衝液(pH5)
の200μlに溶解し、25μlを、ダイオードアレイ検出器(278nm)および蛍光
検出器を備えたHP1100システムを使用したHPLCで分析した。使用したカラムは
、3.2mm×150mm C8 5μmカラム(Alltima Associate
s Inc.イリノイ州デアフィールド)で、流速は0.7ml/分であり、移動相は1
6%アセトニトリル(v/v)の10mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5)であった。
DMXAAの保持時間は7.3分であった。対照血漿の上昇は、0.1〜100μMにお
けるアッセイの直線性(r2=0.999)を示した。アッセイ内およびアッセイ間精度
および正確さにより、変動係数は<7%であり、平均回収率は70%であった。蛍光によ
る検出感度の下限(シグナル:ノイズ比は3)は0.1μMであった。
【0099】
薬物動態モデル化:
薬物動態データのモデル化は、ModelMakerバージョン4.0(Cherwl
l Scientific Limited,The Magdalen Center
,Oxford Science Park,Oxford OX4 4GA,英国)を
使用して実施した。以下の薬物動態パラメーターを使用した。Kabsは中心コンパートメ
ント内の1次吸収速度定数、Clは全身クリアランス、Clinterはコンパートメント間
のクリアランス、Vdは中心コンパートメントのみかけの分布体積、Vd2は第2のコンパ
ートメントのみかけの分布体積、Kmはミカエリス・メンテン定数、Vmaxは理論的な最大
速度、AUCは濃度−時間曲線下面積である。全ての化合物について、投与した用量は全
て中心コンパートメントに達したと仮定した(すなわち、バイオアベイラビリティ100
%)。曲線全体を比較し、F検定を使用して治療群間の差を検定し、この差が有意である
場合には(すなわち、p?0.05)、両群の個々のモデルパラメーター各々の推定値を
、両側t−検定を使用して検定した。血漿および腫瘍中の遊離および総白金濃度は、薬物
動態が直線であると仮定して、1コンパートメントオープンモデルを当てはめた。DMX
AAの血漿濃度は、飽和(ミカエリス・メンテン)排泄動態の1コンパートメントオープ
ンモデルを使用して当てはめた。
【0100】
[結果]
MDAH−Mca−4腫瘍に対するDMXAA+化学療法剤の作用 DMXAA/細胞
毒性薬剤の組み合わせの抗腫瘍作用および宿主毒性は、毒性限界まで化学療法剤の用量を
変更し、一定のDMXAA用量(80μmol/kg、約MTDの80%)を同時投与し
、図1に例示するように、その後の腫瘍増殖遅延を評価することによって評価した。検討
した7つの薬剤のうち、4つ(ドキソルビシン、5−フルオロウラシル、シクロホスファ
ミドおよびシスプラチン)は、用量応答関係によって示されるようにこの腫瘍に対してか
なりの作用を示し、(表1に記録する)MTDでは直線回帰による有意な勾配および約1
0日のかなり有意な増殖遅延を提供した。他の3つの化合物(カルボプラチン、エトポシ
ドおよびビンクリスチン)は本質的に不活性であり、個々の治療群は有意な作用を示さな
かった(しかし、カルボプラチンは直線回帰によって弱い正の用量応答を示した)。
【0101】
DMXAA単独は、80μmol/kgの単独薬剤としてかなりの作用を示し、一過的
な退行および3.5〜8.3日(全体平均は6.6±0.6日)の平均腫瘍増殖遅延を示
した。この用量のDMXAAの同時投与は、ドキソルビシンの宿主毒性を増加し、化学療
法剤のMTDは、組み合わせにおいて1用量レベル(1.33倍)低下した(表1)。他
の化合物では、DMXAAの同時投与は正規のMTDを変更しなかったが、組み合わせに
おいて体重低下が大きかったことによって示されるように、いくつかの追加の毒性が明ら
かになった。
【0102】
宿主毒性に対するこの小さな影響とは異なり、DMXAAの同時投与は、腫瘍増殖遅延
の大きな延長を生じた(表1)。DMXAAの寄与は、直線回帰によって各用量応答曲線
の勾配を求めることによって評価し、DMXAAのDMFは、DMXAAを併用する場合
およびDMXAAを併用しない場合の勾配の比として算出した。この基準によると、相乗
作用の大きさは、ビンクリスチン>(カルボプラチン、シスプラチン、シクロホスファミ
ド、エトポシド、ドキソルビシン)>5−フルオロウラシルの順で低下した。これらの化
合物の各々については、後者を除いて、DMFは単一より有意に大きかった。別の基準と
して、組み合わせのMTDで得られる最大腫瘍増殖遅延も、全ての化合物の相乗作用を示
し、増殖遅延は15〜30日であった。
【0103】
DMXAAおよびカルボプラチンの薬物動態:
薬物動態的な相互作用がDMXAAとカルボプラチンの相乗的治療相互作用の基礎とな
るかどうかを推定するための研究を実施した。この研究は、治療についての研究と同じサ
イズのMDAH−Mca−4腫瘍を有するC3Hマウスにおいて実施した。カルボプラチ
ン(316μmol/kg、i.p.)の投与後の血漿からのPtのクリアランス(除タ
ンパク質後、ICP−MSによって測定)は2相性であり、DMXAAの同時投与による
影響を受けなかった(図2)。腫瘍中の総Ptも2相性の動態を示し、DMXAAの同時
投与による影響を受けなかった。DMXAAの影響がないのは、直線の薬物動態の2コン
パートメントオープンモデルとして腫瘍の薬物動態を用いて血漿をモデル化することによ
って確認し、表2のモデルのパラメーターを提供し、DMXAAの有意な影響がないこと
を示した。
【0104】
この研究は、DMXAAなどの抗血管形成剤は、固形腫瘍を治療する際に従来の細胞毒
性薬剤と相乗的に併用する可能性を有するという仮説を試験している。この比較研究に使
用した早期継代乳癌MDAH−Mca−4は、(単一薬剤投与を使用して)試験した細胞
毒性薬剤のほとんどに適度に不応性であったが、ドキソルビシン、5−フルオロウラシル
、シクロホスファミドおよびシスプラチンに有意な応答を示した。DMXAA単独は、こ
れら4つの薬剤とほぼ同じ大きさの単一薬剤として一定の作用を示したが、化学療法剤も
DMXAAも長期退行または治癒を示さなかった。
【0105】
しかし、DMXAAと細胞毒性薬剤の同時投与は応答の顕著な増加を生じた(図1)。
この相互作用は、DMXAAを追加する結果、細胞毒性薬剤の用量応答曲線の勾配の増加
に基づいて相乗性(超相加性:super-additive)であると分類することができる。この相
互作用は、DMF(DMXAAを併用する場合およびDMXAAを併用しない場合の直線
回帰勾配の比)として定量するとき、5−フルオロウラシルを除いて、全ての薬剤の単一
の場合より有意に大きかった。DMXAAとの相互作用は、単一薬剤の任意の作用を示さ
なかったいくつかの化合物に実質的な活性を生じたことは注目すべきである。
【0106】
【表1】

【0107】
【表2】

【実施例2】
【0108】
[材料と方法]
雌MF1ヌードマウスの右側横腹に5×106細胞を皮下注射することによって、ヒト
腫瘍異種移植片(PSN1)を樹立した。PSN1は膵臓癌である。治療前に、腫瘍を直
径6〜8mmまで増殖させた(約0.15cm3の体積)。治療日に各群の平均体積が統
計学的に差がないような方法で治療群を無作為に割り付けた。DMXAAおよびゲムシタ
ビン(Eli Lilly&Company、インディアナ)を生理食塩液で稀釈し、側
方の尾静脈を介して、腫瘍を有するヌードマウスに静脈内注射した。組み合わせ治療のた
めに、2箇所の側方の尾静脈に逐次的に注射することによって2つの薬剤を投与した。対
照マウスは治療しなかった。
【0109】
腫瘍は、週に2〜3回、直行する3つの次元で測定し、体積は、治療日の体積と比較し
た腫瘍体積として表した。体積が少なくとも3倍になるまで腫瘍を測定した。エンドポイ
ントは、腫瘍体積が3倍になる時間とした。
【0110】
[結果]
以下の表は、カラムに見出し「中央値」、DMXAAを併用したゲムシタビンまたはD
MXAAを併用しないゲムシタビンで治療したPSN1膵臓癌異種移植片の腫瘍体積が3
倍になる時間の中央値を示す。列の見出し「治療−対照」は、治療群の3倍になる時間マ
イナス対照群の3倍になる時間、すなわち、未治療の腫瘍を上回る薬剤または薬剤併用の
利点を示す。
【0111】
ゲムシタビンのデータは、体積が2倍になる時間および3倍になる時間として分析した
。両方の場合において、2つの薬剤の併用は相乗的であり、併用について治療マイナス対
照は、単独で投与した各薬剤の合計より大きかった。
【0112】
【表3】

【0113】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
癌を治療する方法であって、治療を必要としているヒトを含む哺乳類に有効量のDMX
AAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルを投与するステップと、白金化合
物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害
剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される有効量の化合物を同時ま
たは逐次的に投与するステップとを含む方法。
【請求項2】
前記DMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルと、白金化合物、ビ
ンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代
謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される前記化合物とを、増強作用が生
じる比率で投与する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記DMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルと、白金化合物、ビ
ンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代
謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される前記化合物とを同時に投与する
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記DMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルと、白金化合物、ビ
ンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代
謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される前記化合物を逐次的に投与する
請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラ
ーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される前記化合物が
、カルボプラチン、ゲムシタビン、シスプラチン、5−フルオロウラシル、シクロホスフ
ァミド、エトポシド、ビンクリスチン、ドキソルビシンおよびイリノテカンから選択され
る化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラ
ーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される前記化合物が
、カルボプラチン、ゲムシタビン、シスプラチン、5−フルオロウラシル、シクロホスフ
ァミド、エトポシド、ビンクリスチンおよびドキソルビシンから選択される化合物である
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
癌を治療するための、白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイ
クリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選
択される化合物を同時または逐次投与するための医薬品を製造するためのDMXAAまた
はその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルの使用。
【請求項8】
癌を治療するための、DMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルと
同時または逐次投与するための医薬品を製造するための白金化合物、ビンカアルカロイド
、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびト
ポイソメラーゼII阻害剤から選択される化合物の使用。
【請求項9】
前記DMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルと、白金化合物、ビ
ンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代
謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される前記化合物とが、増強作用を示
す比率で存在する請求項7または8に記載の使用。
【請求項10】
前記DMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルと、白金化合物、ビ
ンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代
謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される前記化合物とを同時に投与する
請求項7〜9のいずれかに記載の使用。
【請求項11】
前記DMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルと、白金化合物、ビ
ンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代
謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される前記化合物とを逐次的に投与す
る請求項7〜9のいずれかに記載の使用。
【請求項12】
白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラ
ーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される前記化合物が
、カルボプラチン、ゲムシタビン、シスプラチン、5−フルオロウラシル、シクロホスフ
ァミド、エトポシド、ビンクリスチン、ドキソルビシンおよびイリノテカンから選択され
る化合物である請求項7〜11のいずれかに記載の使用。
【請求項13】
白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラ
ーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される前記化合物が
、カルボプラチン、ゲムシタビン、シスプラチン、5−フルオロウラシル、シクロホスフ
ァミド、エトポシド、ビンクリスチンおよびドキソルビシンから選択される化合物である
請求項12に記載の使用。
【請求項14】
DMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルと、白金化合物、ビンカ
アルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮
抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される化合物との組み合わせ。
【請求項15】
前記DMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルと、白金化合物、ビ
ンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代
謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される前記化合物とが、増強作用を示
す比率で存在する請求項14に記載の組み合わせ。
【請求項16】
白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラ
ーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される前記化合物が
、カルボプラチン、ゲムシタビン、シスプラチン、5−フルオロウラシル、シクロホスフ
ァミド、エトポシド、ビンクリスチン、ドキソルビシンおよびイリノテカンから選択され
る化合物である請求項14または15に記載の組み合わせ。
【請求項17】
白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラ
ーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される前記化合物が
、カルボプラチン、ゲムシタビン、シスプラチン、5−フルオロウラシル、シクロホスフ
ァミド、エトポシド、ビンクリスチンおよびドキソルビシンから選択される化合物である
請求項16に記載の組み合わせ。
【請求項18】
DMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルと、白金化合物、ビンカ
アルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮
抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される化合物との組み合わせを、1つ以上
の薬学的に許容可能な担体と関連させて含む医薬製剤。
【請求項19】
前記製剤が静脈内投与用に適用される請求項18に記載の医薬製剤。
【請求項20】
前記DMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルと、白金化合物、ビ
ンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代
謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される前記化合物とが、増強作用を示
す比率で存在する請求項18または19に記載の医薬製剤。
【請求項21】
白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラ
ーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される前記化合物が
、カルボプラチン、ゲムシタビン、シスプラチン、5−フルオロウラシル、シクロホスフ
ァミド、エトポシド、ビンクリスチン、ドキソルビシンおよびイリノテカンから選択され
る化合物である請求項18〜20のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項22】
白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラ
ーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される前記化合物が
、カルボプラチン、ゲムシタビン、シスプラチン、5−フルオロウラシル、シクロホスフ
ァミド、エトポシド、ビンクリスチンおよびドキソルビシンから選択される化合物である
請求項21に記載の医薬製剤。
【請求項23】
DMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルと、白金化合物、ビンカ
アルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮
抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される化合物との組み合わせに、1つ以上
の薬学的に許容可能な担体を関連させるステップを含む、医薬製剤の調製方法。
【請求項24】
前記DMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルと、白金化合物、ビ
ンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代
謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される前記化合物とが、増強作用を示
す比率で存在する請求項23に記載の方法。
【請求項25】
白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラ
ーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される前記化合物が
、カルボプラチン、ゲムシタビン、シスプラチン、5−フルオロウラシル、シクロホスフ
ァミド、エトポシド、ビンクリスチン、ドキソルビシンおよびイリノテカンから選択され
る化合物である請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラ
ーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される前記化合物が
、カルボプラチン、ゲムシタビン、シスプラチン、5−フルオロウラシル、シクロホスフ
ァミド、エトポシド、ビンクリスチンおよびドキソルビシンから選択される化合物である
請求項25に記載の方法。
【請求項27】
DMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルと、白金化合物、ビンカ
アルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代謝拮
抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される化合物とを、別個に投与するために
関連して含むキット。
【請求項28】
前記DMXAAまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルと、白金化合物、ビ
ンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI阻害剤、代
謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される前記化合物とが、増強作用を示
す比率で存在する請求項27に記載のキット。
【請求項29】
白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラ
ーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される前記化合物が
、カルボプラチン、ゲムシタビン、シスプラチン、5−フルオロウラシル、シクロホスフ
ァミド、エトポシド、ビンクリスチン、ドキソルビシンおよびイリノテカンから選択され
る化合物である請求項27または28に記載のキット。
【請求項30】
白金化合物、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、アントラサイクリン、トポイソメラ
ーゼI阻害剤、代謝拮抗剤およびトポイソメラーゼII阻害剤から選択される前記化合物が
、カルボプラチン、ゲムシタビン、シスプラチン、5−フルオロウラシル、シクロホスフ
ァミド、エトポシド、ビンクリスチンおよびドキソルビシンから選択される化合物である
請求項29に記載のキット。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−270124(P2010−270124A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−151115(P2010−151115)
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【分割の表示】特願2003−524567(P2003−524567)の分割
【原出願日】平成14年9月3日(2002.9.3)
【出願人】(598176569)キャンサー・リサーチ・テクノロジー・リミテッド (57)
【氏名又は名称原語表記】CANCER RESEARCH TECHNOLOGY LIMITED
【Fターム(参考)】