説明

折曲部を有する軟性回路基板及びその製造方法{FPCBhavingbendingpartandmethodthesame}

【課題】折曲部を有する軟性回路基板において、カバーレイ及び接着層によりスプリングバック現象が生じるのを抑制し、折曲された状態が維持されるようにする。
【解決手段】折曲部Aを有する軟性回路基板において、折曲部Aを間に置いて互いに分離されたカバーレイ32,34を二つに形成し、折曲維持性に優れたインク印刷層50を二つのカバーレイの間に回路パターン層24の上に直接塗布する。このように二つのカバーレイの間にインク印刷層50を形成することで、インク印刷層によって折曲された状態が維持される効果を有することになる。特に、異方導電性フィルムによる接合部24aが隣接する部位に使用する場合に、スプリングバック特性等の物理的影響を少なく受けるようにできるので、他伝導部位に接着された状態を維持できるので、接触不良等の問題を解決することができる効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折曲部を有する軟性回路基板(FPCB)及びその製造方法に関するものであって、特に、液晶表示パンネルと連結するACF(Anisotropic Conductive Film-ACF)ボンディング部位に隣接した軟性回路基板を折曲して使用するのに最適するようにした技術に特徴を置いた折曲部を有する軟性回路基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、個人携帯用機器等に必須的に使用されるLCDモジュールには、LCD駆動に必要な駆動回路として集積回路素子及びその周辺素子等を実装する印刷回路基板を備えるようになり、このような印刷回路基板には軟性回路基板を多く使用している趨勢である。
【0003】
このようなLCDモジュールの軟性回路基板は、ナノサイズ高分子粒子異方導電性フィルム(Anisotropic Conductive Film-ACF、以下、ACFと称する)ボンディングを用いる電気的連結手段を通じてLCDパンネルと連結してLCD駆動信号を転送するようにしている。
【0004】
ところで、LCDモジュールの軟性回路基板とLCDパンネルの連結のためには、生産する製品ケース形態や構造によって前記LCDモジュールの軟性回路基板を折曲する必要がある場合が非常に多い。これは、LCDモジュールの軟性回路基板とユーザーセットのメイン回路基板との間の連結方向が一直線に一致されない場合が多いためである。
【0005】
したがって、従来にはACFボンディング部(以下で、層断面状を表現するときには、層構造説明のために‘ACF回路パターン層’と称する)を有する軟性回路基板を折曲する場合に図1aに示された軟性回路基板(100)を図1bのような構造になるように折曲するようになる。
【0006】
図で、図面符号100は、軟性回路基板である。軟性回路基板(100)には回路パターン層(24)が形成され、回路パターン層(24)の一部分は軟性回路基板の端部に回路パターンとしてACF回路パターン層(24a)として電気的に連結されるようになり、回路パターン層(24)の上部には接着層(128)を媒介としてカバーレイ(132)が付着される。
【0007】
未説明符号の図面符号10は、ポリイミド層(12)とここに銅が張られた銅層(14、14’)から積層された一般的な銅箔積層板である。
ACF回路パターン層(24a)の隣接した適当な位置に折曲部を選定して図1bのように軟性回路基板を折曲するようになるが、この際、カバーレイ(132)と接着層(128)から積層された多層構造によって互いに異なる引張率が作用するようになり、カバーレイ及び接着層そのものの固有物性によって折曲された部分が再び張られる方向に原状復帰されようとする力の作用、即ち、スプリングバック特性が現れるようになる。これは、ACF回路パターン層(24a)が電気的に接触されるようにACFを他の回路に接着する際にも連結作業が容易でないようにする原因として作用することになり、連結した以降にも電気的接触不良等の問題を引き起こす原因になる。
【0008】
したがって、従来の軟性回路基板では、折曲された部分が折曲状態をそのまま維持できるようにする技術的手段が求められた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平9−064489号公報
【特許文献2】特開平8−116140号公報
【特許文献3】特開2002−151823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前述した従来の問題に鑑みて、案出されたものであって、軟性回路基板の折曲された状態を維持できるようにするカバーレイの部分的代替の技術的手段を提供することを目的とし、特に、軟性回路基板のACF部位に隣接したところに適用の際に非常に有用に活用できる折曲部を有する軟性回路基板とその製造方法を提供するのに目的を置いている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するための本発明の折曲部を有する軟性回路基板は、ポリイミド層と銅層とが積層されてなる一般的な銅箔積層板に回路パターン層が備えられ、その上部に接着層によってカバーレイが付着される軟性回路基板において、前記軟性回路基板のうち、折曲が必要な折局部には前記回路パターン層が露出するように前記カバーレイ及び接着層がない空白部(Blank)を形成して互いに分離された第1のカバーレイと第2のカバーレイとを設け、前記空白部位にインクを塗布して熱硬化したインク印刷層を形成するが、前記インク印刷層は、前記空白部位の両側に位置した前記第1のカバーレイ及び第2のカバーレイの上部を一部分覆う構造であることを特徴とする。
【0012】
また、前述した構成において、前記第2のカバーレイは、狭い幅に形成されたものであり、前記軟性回路基板は、インク印刷層から前記第2のカバーレイの狭い幅を超えた位置に他の回路装置と連結するためのACF回路パターン層が露出するように形成されたものであることを特徴とする。
【0013】
一方、本発明の折曲部を有する軟性回路基板の製造方法は、銅箔積層板(10)に回路パターン層を形成する第1段階;前記銅箔積層板の折曲部に対応する位置に鑑みて‘ロ’字型の空白部(BLANK)を設けるようにカバーレイを切断加工する第2段階;前記空白部が設けられたカバーレイを回路パターン層の上部に接着する第3段階;前記空白部に隣接する前記カバーレイの側端部の一部分を軽く覆う程度にインクを印刷して塗布し、硬化してインク印刷層を形成する第4段階;前記第4段階が済ませられた銅箔積層板乃至カバーレイを含む軟性回路基板を所望の形態でカッティングする第5段階;前記インク印刷層部位を折曲する第6段階;で行なうことを特徴とする。
【0014】
ここで、前記第5段階でカバーレイカッティングの際に、カッティングされた後のカバーレイは前記第1のカバーレイと前記第2のカバーレイとして互いに分離されるが、前記カッティングされる以前のカバーレイは前記第2段階で前記第2のカバーレイが狭い幅に形成できるようにする位置として空白部の位置を配置して切断することで空白部を設けることと併せて前記第3段階で前記空白部がある前記カバーレイを付着したことを特徴とする。
【0015】
前記第2のカバーレイ側方向の軟性回路基板の端部には、前記第1段階で他の回路装置と連結するためのACF回路パターン層が形成されることを特徴とする。
前記第4段階で使用する前記インクは、無水物酸(Acid anhydride)15〜30重量%、エポキシ樹脂(Epoxy Resin)15〜30重量%、硫酸バリウム(Barium Sulfate)15〜30重量%、シリケート化合物(Silicate Compound)15〜30重量%、フェノールレジン(Phenol Resin)15重量%以下、オーガニックピグメント(Organic Pigment)15重量%以下、シリコンポリマー(Silicon Polymer)15重量%以下、の組成を含めてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
このように構成される本発明の折曲部を有する軟性回路基板は、折曲部を間に置き、互いに分離されたカバーレイを二つに形成し、前記二つのカバーレイの間にインク印刷層を形成することで、インク印刷層によってカバーレイの機能をしながら折曲された状態が維持される効果を有することになる。
【0017】
前記インク印刷層は、既存従来のカバーレイそのもの及び接着層そのものに比べてスプリングバック現象が著しく少ない特性のものを採用できるものであり、このような折曲維持性に優れたインク印刷層を二つのカバーレイの間に回路パターン層の上に直接塗布することで、インク印刷層の比較的少ないスプリングバック特性を除いては、既存従来のカバーレイ及び接着層のスプリングバック特性による作用を除去できるようになる。したがって、折曲状態はそのまま維持される優れた折曲維持特性を有することになる。これと同時に、カバーレイ機能代替としての絶縁保護機能を維持することは勿論である。
【0018】
一方、このような軟性回路基板を製造する方法段階において、本発明は、カバーレイを別の二つのものに分離させるための工程技術とインク塗布の際にインクがACF回路パターン層の上に塗布されないように制限する技術が存在する。
【0019】
前記第2のカバーレイは、インク印刷層を形成するためにインクを塗布する際、インクがACF回路パターン層に超えないようにするダムの役割をする。
即ち、本発明は、硬化される以前の液体状態のインク印刷層をなすために塗布された液体状態のインク液が第2のカバーレイと銅箔積層板(CCL)との間に存在する段差によって生じた段差溝(図3dで、図面符号‘B’で示された部分)で表面張力(界面張力)によってインク液が第2のカバーレイを超えないようにする。
【0020】
これは、一般的な界面現象において、分子の移動が自由な液体は角に位置した分子の数を最小化するために球のような形態をなすようになる特性と、角構造に従って移動するようになる表面張力と、固体−液体付着力の組合せの特性を利用したものである。前記表面張力(界面張力)は、液体と気体、或いは液体と固体等、互いに異なる状態の物質が接している際、その境界面に生じる面積を最小化するために作用する力で定義される自然法則上の理論であり、現象である。
【0021】
また、前述したように、製造される軟性回路基板は、インク印刷層によって折曲部位がその折曲された状態を維持することが既存カバーレイを使用したときに比べて数倍以上優れた特性を有するようになるので、液晶表示パンネルとACFボンディング状態とを維持させ、長時間後にも接触不良が生じないようにする効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1a】従来の折曲部を有する軟性回路基板を例示した層断面図。
【図1b】折曲された状態を示した層断面図。
【図2】本発明の実施例による軟性回路基板を示した平面図。
【図3a】本発明の軟性回路基板の層構造を製造順序に従って示した層断面図。
【図3b】本発明の軟性回路基板の層構造を製造順序に従って示した層断面図。
【図3c】本発明の軟性回路基板の層構造を製造順序に従って示した層断面図。
【図3d】本発明の軟性回路基板の層構造を製造順序に従って示した層断面図。
【図3e】本発明の軟性回路基板の層構造を製造順序に従って示した層断面図。
【図3f】本発明の軟性回路基板の層構造を製造順序に従って示した層断面図。
【図4】本発明の軟性回路基板の製造方法で軟性回路基板に付着されて互いに離隔された2つのカバーレイを作るためにカバーレイそのものに事前に空白部を設けた模様を例示したカバーレイの平面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施例について図を参照して具体的に説明することにする。
図3a乃至図3fに示されたように、本発明は、ポリイミド層(12)と銅層(14)が積層されてなる銅箔積層板(10)に回路パターン層(24)が備えられ、その上部に接着層(28)によってカバーレイ(30)が付着された軟性回路基板に限定される。前記カバーレイ(30)は、本発明の特徴に関連した上部面のカバーレイであり、未説明符号42は、下部面のカバーレイとして折曲部(A)において下部面のカバーレイはその付着が不要なものであるので、図のように下部面に回路がある場合、保護のために必要によって部分的に取られることができる。本発明は、折曲部の下部面にカバーレイがないことを前提とし、強いて不要な下部面のカバーレイについて特許請求範囲に言及しないことにする。
【0024】
図2及び図3a乃至図3fを参照すれば、本発明は、前記軟性回路基板(1)のうち、折曲が必要な折曲部(A)には、前記回路パターン層(24)が露出するように前記カバーレイ(30)及び接着層(28)がない空白部(C;Blank)を置いて第1のカバーレイ(32)と第2のカバーレイ(34)を分離させた構造である。前記空白部は、図3a乃至図3cでは、前記第1のカバーレイと第2のカバーレイとの間にカバーレイ及び接着層がない部分に該当し、図4では、図面符号‘C’で示されている。
【0025】
前述した構造と併せて、本発明は、前記空白部(C)にインクを塗布して熱硬化したインク印刷層(50)を形成するが、前記インク印刷層(50)は、図2、図3e及び図3fに示されたように、前記空白部の両側に位置した前記第1のカバーレイ(32)及び第2のカバーレイ(34)の上部を一部分覆う構造になったものである。
【0026】
このように、一部分覆う構造になると、折曲の際にインク印刷層(50)がカバーレイ(32、34)らから容易に剥離されないようにする作用をする。
また、本発明は、硬化される以前の液体状態のインク印刷層(50)をなすために塗布された液体状態のインク液が第2のカバーレイ(32)と銅箔積層板(10;CCL)との間に存在する段差によって生じた段差溝(図3dで、図面符号‘B’で示された部分)で表面張力(界面張力)によってインク液が第2のカバーレイ(34)を容易に超えないようになる。液状のインクは、前記段差溝(B)に沿って縦に流れるようになり、段差溝(B)を横切って容易く超えないようになるので、一部分を覆う構造が維持できるのである。
【0027】
インク印刷層は、カバーレイの厚さに準じてその厚さを決定すれば良く、カバーレイ及びインク印刷層の厚さが薄いほど軟性回路基板としての可撓性に有利であると言える。
図2、図3d及び図4を参照すれば、前記第2のカバーレイ(34)の幅(P34)は、第1のカバーレイ(32)の幅(P32)に比べて狭いものであり、前記軟性回路基板(1)には、インク印刷層(50)から前記第2のカバーレイ(34)の幅(P34)を超えた位置に他の回路装置と連結するためのACF回路パターン層(24a)が外部露出するように形成された構造であるものである。即ち、本発明は、本出願の請求項1のように折曲が必要な全ての軟性回路基板を対象とすることもでき、請求項2のようにACFを有する軟性回路基板のACF隣接部位に限定して適用することもできる。
【0028】
このような構造になる本発明の軟性回路基板は、次のような工程によって生産できる。
図3a乃至図3fを参照すれば、銅箔積層板(10)に回路パターン層(24)を形成する第1段階;前記銅箔積層板(10)の折曲部(A)に対応する位置に‘ロ’字型の空白部(C、図面の図4参照)を設けて、カバーレイ(30)を切断加工する第2段階;前記空白部(C)が設けられたカバーレイ(30)を回路パターン層(24)の上部に接着層(28)を媒介として接着する第3段階;前記空白部(C)に隣接する前記カバーレイ(30)の側端部の上部面を一部分覆うようにインクを印刷して塗布し、硬化することでインク印刷層(50)を形成する第4段階;前記第4段階を済ませた軟性回路基板(1)を予め定めた形態でカッティングするが、前記カバーレイ(30)の‘ロ’字模様の両側面をカッティングしてなくすことで、第1のカバーレイ(32)と第2のカバーレイ(34)とに互いに分離されるようにする第5段階;及び前記軟性回路基板を前記インク印刷層(50)部位で折曲する第6段階;で行なってなる。図3a乃至図3fの図で未説明符号22はビアホールであり、未説明符号26はエッチングされた部分である。
【0029】
前記第5段階の‘ロ’字模様の両側面をカッティングするのは、図4で‘D’である切断ライン部分を切断するようになることに該当するものであって、この際に銅箔積層板(10)及びインク印刷層(50)もともに切断され、これによってカバーレイ(30)は、図2のようにインク印刷層(50)を間に置いた第1のカバーレイ(32)と第2のカバーレイ(34)とに分離される。
【0030】
既存カバーレイ(C/L)の場合、約27〜37umの厚さになることが通常的である。
前記インク印刷層の場合、10〜20umの厚さに形成することが好ましく、このような厚さを形成することにおいて、インク組成及び組成比の特性が影響する。
【0031】
前記第4段階で、前記インク印刷層を形成するための液状のインクは、以下の組成成分を含むことが好ましい。
以下、表1は、インク組成及び比率である。
【0032】
【表1】

前記無水物酸(Acid anhydride)は、硬化促進のために使用し、その量が多いと、低い温度で硬化ができるようにする作用をし、硬化された状態で本発明にてスプリングバック特性、即ち折曲状態を維持するのに有用な作用をする。
【0033】
前記エポキシ樹脂(Epoxy Resin)は、接着性及び折曲状態維持性のために使用される。エポキシ樹脂は、分子内にエポキシ基を有している。このエポキシ基は、下記硬化剤であるフェノールレジンと反応して架橋結合をした3次元的高分子構造を作るようになる。
【0034】
前記硫酸バリウム(Barium Sulfate)は、顔料の分散役割のために使用される。
前記シリケート化合物(Silicate Compound)は、インク印刷層の絶縁特性を高めるために使用される。
【0035】
前記フェノールレジン(Phenol Resin)は、インクが熱硬化されるようにするために使用される。
前記オーガニックピグメント(Organic Pigment)は、インク印刷層の色相具現のために添加される顔料として使用される。
【0036】
前記シリコンポリマー(Silicon Polymer)は、粘着性と気体の透過性のために使用され、また、軟性の特性によって本発明が追求する軟性回路基板の折曲性及び折曲維持性のために使用される。
【0037】
上記のような方法で製造される本発明は、折曲部を有する軟性回路基板に適用されるものであるが、特に好ましくはACFを有する軟性回路基板でACF隣接部位に適用することが好ましい。
【0038】
このために、前記第2のカバーレイ(34)方向の前記軟性回路基板(1)の端部には、前記製造方法の第1段階で他の回路装置と連結するためのACF回路パターン層(24a)が形成されるものとして限定して特許請求範囲の権利に特定した。
【0039】
ここで、前記ACF回路パターン層(24a)は、その回路パターンの上部にナノサイズ高分子粒子異方導電性フィルム(Anisotropic Conductive Film-ACF)を載せることができるが、これは本発明の製造方法の後工程で行なわれることが一般的であるが、前記第1段階工程直後や他の段階直後に行なうことができる。
【0040】
このように、本発明で提供する全ての構造と方法を適用して製造された軟性回路基板を本発明が目的する折曲状態維持性能を実験した。これは、軟性回路基板が折曲状態で張られる状態に原状復帰しようとするスプリングバック(Spring Back)特性を実験したものである。
【0041】
以下の表2は、本原因が既存カバーレイの際とスプリングバック特性実験データである。
【0042】
【表2】

試料は、同一の軟性回路基板ベース(CCL)にカバーレイとインクとを比較テストした。
【0043】
試料を前記表2の備考写真のように丸く巻いて右側板を左側に押したとき、右側方向に受ける力を測定した実験である。即ち、曲がった状態で張られようとする力をグラム(g)で測定したものである。
【0044】
試料でインク印刷層の場合、10〜20umの厚さ、カバーレイ(C/L)の場合、約27〜37umの厚さで行なった。
前記表2の実験でカバーレイ及びインク印刷層で製造した軟性回路基板の試料1乃至試料5をスプリングバック特性実験した際、既存のようにカバーレイ使用の際に比べてインク印刷層を使用した際にスプリングバック特性について本発明が目標とする課題でその性能がさらに4倍乃至5倍近く優れていたことが確認できた。
【0045】
したがって、本発明のように軟性回路基板でインク印刷層を形成すると曲がる状態を容易く維持できるようになるので、ACF部位のように折曲される部分に適用の際に非常に有用であることが分かる。
【符号の説明】
【0046】
1…軟性回路基板、10…銅箔積層板、12…ポリイミド層、14…銅層、24…回路パターン層、24a…ACF回路パターン層、28…接着層、30…カバーレイ、32…第1のカバーレイ、34…第2のカバーレイ、42…下部面カバーレイ、50…インク印刷層、A…折曲部、B…段差溝、C…空白部、D…切断ライン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリイミド層と銅層とが積層されてなる銅箔積層板に回路パターン層が備えられ、その上部に接着層によってカバーレイが付着された、折曲部を有する軟性回路基板において、
前記軟性回路基板のうち、折曲が必要な折曲部には、前記回路パターン層が露出するように前記カバーレイ及び接着層がない空白部を置いて、第1のカバーレイと第2のカバーレイとを分離させ、前記空白部にインクを塗布して熱硬化したインク印刷層を形成し、前記インク印刷層は前記空白部の両側に位置した前記第1のカバーレイ及び第2のカバーレイの上部を一部分覆う構造になったことを特徴とする軟性回路基板。
【請求項2】
前記第2のカバーレイの幅は、前記第1のカバーレイの幅に比べて狭いものであり、前記軟性回路基板には前記インク印刷層から前記第2のカバーレイの幅を超えた位置で他の回路装置と連結するためのACF回路パターン層が外部露出するように形成された構造であることを特徴とする請求項1に記載の折曲部を有する軟性回路基板。
【請求項3】
銅箔積層板に回路パターン層を形成する第1段階;
前記銅箔積層板の折曲部に対応する位置で、‘ロ’字型の空白部を設けてカバーレイを切断加工する第2段階;
前記空白部が設けられたカバーレイを回路パターン層の上部に接着層を媒介として接着する第3段階;
前記空白部に隣り合う前記カバーレイの側端部の上部面を一部分覆うようにインクを印刷して塗布し、硬化することでインク印刷層を形成する第4段階;
前記第4段階を済ませた軟性回路基板をカッティングするが、前記カバーレイの‘ロ’字状の両側面をカッティングしてなくすことで、第1のカバーレイと第2のカバーレイとに互いに分離されるようにする第5段階;及び
第5段階を通じて製造された軟性回路基板をインク印刷層部位で折曲する第6段階
を含めることを特徴とする折曲部を有する軟性回路基板の製造方法。
【請求項4】
前記第2のカバーレイ方向の前記軟性回路基板の端部には、前記第1段階で他の回路装置と連結するためのACF回路パターン層が形成されることを特徴とする請求項3に記載の折曲部を有する軟性回路基板の製造方法。
【請求項5】
前記第4段階で使用する前記インクは、
無水物酸(Acid anhydride)15〜30重量%、エポキシ樹脂(Epoxy Resin)15〜30重量%、硫酸バリウム(Barium Sulfate)15〜30重量%、シリケート化合物(Silicate Compound)15〜30重量%、フェノールレジン(Phenol Resin)15重量%以下、オーガニックピグメント(Organic Pigment)15重量%以下、シリコンポリマー(Silicon Polymer)15重量%以下の組成成分を含むことを特徴とする請求項3に記載の軟性回路基板の製造方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図3f】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−38379(P2013−38379A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−16755(P2012−16755)
【出願日】平成24年1月30日(2012.1.30)
【出願人】(510286031)フレックスコム インコーポレイテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】FLEXCOM INC.
【Fターム(参考)】