説明

押圧スイッチ付回転式電子部品

【課題】回転式電子部品と押圧式電子部品の連続した操作を容易且つスムーズで瞬時に行うことができる押圧スイッチ付回転式電子部品を提供する。
【解決手段】回転つまみ180を回転することで電気的出力を変化させる回転式電子部品と、回転つまみ180の外周に設けた回転つまみ操作部191に押圧スイッチ用の押圧つまみ161を設置するとともに、押圧つまみ161によって押圧される位置に反転板60や押圧部材65等によって構成される押圧スイッチを設置してなる押圧式電子部品とを具備してなる押圧スイッチ付回転式電子部品1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転式電子部品の機能と押圧式電子部品の機能とを兼ね備えた押圧スイッチ付回転式電子部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、回転式電子部品の機能の他に押圧式電子部品の機能を一体に有する押圧スイッチ付回転式電子部品として、例えば特許文献1の図1〜図6に示す構造のものがある。この押圧スイッチ付回転式電子部品は、例えばその図4に示すように、回転つまみ(70)の中央にキートップ(60)を配置し、回転式電子部品として操作する場合は回転つまみ(70)の外周から突出する操作部(73)を左右に移動させることで回転つまみ(70)を回動(揺動)して操作し、一方押圧式電子部品として操作する場合は、キートップ(60)の上面を押圧してこれを下降させることで操作する。
【0003】
そして例えばこの押圧スイッチ付回転式電子部品をカメラの操作釦として使用する場合は、回転つまみ(70)を操作することによって被写体のズームを行い、キートップ(60)を操作することによってピントを合わせてシャッターを切る。つまりこの種の押圧スイッチ付回転式電子部品では、回転つまみ(70)の操作とキートップ(60)の操作とを連続して行うことが多い。つまり回転つまみ(70)の操作部(73)に指をかけて回転つまみ(70)を操作し、直後にその指をキートップ(60)の上面中央に戻してこれを押圧するように連続して操作を行うことが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−183135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら回転つまみ(70)の操作部(73)と、キートップ(60)の上面中央との間には離間距離があるため、両者を指で連続して操作する場合、指を前記離間距離分だけ移動しなければならず(指の置き換えが生じ)、煩雑であり、スムーズな操作が行えなかった。特に両者の操作を連続に瞬時に行いたいような場合、その要求に答えられなかった。
【0006】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、回転式電子部品と押圧式電子部品の連続した操作を容易且つスムーズで瞬時に行うことができる押圧スイッチ付回転式電子部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願請求項1に記載の発明は、回転つまみを回転することで電気的出力を変化させる回転式電子部品と、前記回転つまみの外周に設けた回転つまみ操作部に押圧スイッチ用の押圧つまみを設置するとともに、この押圧つまみによって押圧される押圧スイッチを設置してなる押圧式電子部品と、を具備することを特徴とする押圧スイッチ付回転式電子部品にある。
【0008】
本願請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の押圧スイッチ付回転式電子部品において、前記押圧つまみに設けた押圧部の移動軌跡上にこの押圧部によって押圧される押圧スイッチを設置し、前記押圧部が押圧スイッチに対向した際に押圧つまみを押圧することで押圧スイッチを動作させることを特徴とする押圧スイッチ付回転式電子部品にある。
【0009】
本願請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の押圧スイッチ付回転式電子部品において、前記押圧スイッチは、前記押圧つまみと一体に回転するスイッチ接点板と、このスイッチ接点板に設けた接点部が当接するスイッチパターンを形成した基板とを具備して構成され、前記スイッチ接点板にアーム部を設け、このアーム部に設けた前記接点部を前記基板に弾接し、前記押圧つまみを押圧して前記スイッチ接点板の接点部を基板上で移動させることで前記スイッチパターンへの当接状態を変化させて押圧スイッチをオンオフすることを特徴とする押圧スイッチ付回転式電子部品にある。
【0010】
本願請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の押圧スイッチ付回転式電子部品において、前記基板上に、前記押圧つまみを押圧した際に前記接点部が乗り上げることでクリック感覚を生じるクリック用突起部を設けたことを特徴とする押圧スイッチ付回転式電子部品にある。
【0011】
本願請求項5に記載の発明は、請求項1または2または3または4に記載の押圧スイッチ付回転式電子部品において、前記押圧つまみから可撓性を有するヒンジ部を引き出すとともに、前記ヒンジ部の端部に取付部を設け、この取付部を前記回転つまみの裏面に取り付けたことを特徴とする押圧スイッチ付回転式電子部品にある。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、回転つまみの回転つまみ操作部に押圧つまみを設置し、この押圧つまみによって押圧式電子部品の押圧スイッチをオンオフ操作する構成としたので、回転つまみ操作部の部分に指を置いたまま回転つまみの操作と押圧つまみの操作とを行うことができる。従って両者を操作する際に指の置き換えが生じず、両者の操作を容易に連続してスムーズに行うことができる。特に両者の操作を連続に瞬時に行いたいような場合でも十分その要求に答えられる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、回転つまみを所定の回転位置(例えば自動復帰位置)に位置させたときに、押圧式電子部品の押圧スイッチのオンオフ動作を行わせることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、回転つまみが何れの回転位置にある場合でも、押圧式電子部品の押圧スイッチのオンオフ動作を行わせることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、部品点数を増加させることなく、簡単な構造で容易に押圧式電子部品にクリック機能を持たせることができる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、回転つまみと押圧つまみとを容易に一体に回動することができるとともに、押圧つまみの押圧動作をスムーズに行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】外装ケース210,230を装着した状態の押圧スイッチ付回転式電子部品1の断面図(図2のA−A断面図)である。
【図2】外装ケース210,230を装着した状態の押圧スイッチ付回転式電子部品1の斜視図である。
【図3】外装ケース210,230及びプリント配線基板200を装着した状態の押圧スイッチ付回転式電子部品1を下側から見た斜視図である。
【図4】押圧スイッチ付回転式電子部品1(その上側の部品)の分解斜視図である。
【図5】押圧スイッチ付回転式電子部品1(その下側の部品)の分解斜視図である。
【図6】押圧スイッチ付回転式電子部品1(その上側の部品)を下側から見た分解斜視図である。
【図7】押圧スイッチ付回転式電子部品1(その下側の部品)を下側から見た分解斜視図である。
【図8】押圧スイッチ付回転式電子部品1にプリント配線基板200と外装ケース210,230とを装着する方法を示す図である。
【図9】外装ケース210,230を装着した状態の押圧スイッチ付回転式電子部品1−2の断面図である。
【図10】押圧スイッチ付回転式電子部品1−2(その上側の部品)の分解斜視図である。
【図11】押圧スイッチ付回転式電子部品1−2(その下側の部品)の分解斜視図である。
【図12】ケース10を別の角度から見た斜視図である。
【図13】スイッチ接点板300近傍部分の要部拡大概略断面図である。
【図14】スイッチ接点板300の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る押圧スイッチ付回転式電子部品1の断面図(図2のA−A断面図であり、外装ケース210,230を装着した状態を示している。図2、図3においても同様。)、図2は押圧スイッチ付回転式電子部品1の斜視図、図3は押圧スイッチ付回転式電子部品1を下側から見た斜視図、図4は押圧スイッチ付回転式電子部品1(その上側の部品)の分解斜視図、図5は押圧スイッチ付回転式電子部品1(その下側の部品)の分解斜視図、図6は押圧スイッチ付回転式電子部品1(その上側の部品)を下側から見た分解斜視図、図7は押圧スイッチ付回転式電子部品1(その下側の部品)を下側から見た分解斜視図である。なお以下の説明において、「上」とは基板40から押圧つまみ161を向く方向をいい、「下」とはその反対方向をいうものとする。
【0019】
これらの図に示すように押圧スイッチ付回転式電子部品1は、基板40を内蔵したケース10の押圧式電子部品収納部11内に反転板(可動接点板)60と押圧部材65とを収納し、一方回転式電子部品収納部13内に摺動子100を取り付けた回転体80と弾発バネ120とを収納し、さらにその上をカバー130で覆うとともに、その上部に押圧つまみ体160を取り付けた回転つまみ180を設置することで構成されている。以下各構成部品について説明する。
【0020】
ケース10は、合成樹脂を略矩形平板状に成形して構成されており、その上面の2か所には円形の凹部からなる押圧式電子部品収納部11と、回転式電子部品用収納部13とが形成されている。ケース10の内部には基板40と複数本(6本)の金属端子55とが内蔵(インサート成形)されている。基板40は可撓性を有する合成樹脂フイルム(例えばポリエチレンテレフタレートフイルムなど)の表面に、押圧式電子部品用のスイッチパターン41と、回転式電子部品用の可変抵抗用パターン43とを形成して構成されている。スイッチパターン41は押圧式電子部品収納部11の底面に露出し、可変抵抗用パターン43は回転式電子部品用収納部13の底面に露出している。スイッチパターン41は、中央の第1接点パターン41aと、その周囲を囲む第2接点パターン41bとによって構成されている。可変抵抗用パターン43は、同一円周上に位置する一対の円弧状の抵抗体パターン43aと導電体パターン43bとによって構成されている。
【0021】
各金属端子55はそれぞれ、スイッチパターン41,可変抵抗用パターン43から引き出した図示しない端子接続パターンにその一端側が接続された状態でケース10内に埋め込まれており、その先端側はケース10の外周側面から外部に突出している。各金属端子55のケース10から突出している部分は、この押圧スイッチ付回転式電子部品1が面実装できるように、ケース10の底面とほぼ同一面に位置するように屈曲されている。
【0022】
押圧式電子部品収納部11は反転板60と押圧部材65とをほぼぴったり収納できる寸法形状に形成されている。回転式電子部品用収納部13は摺動子100を取り付けた回転体80の本体部81を回動自在にほぼぴったり収納できる寸法形状に形成されており、可変抵抗用パターン43の中央には基板40とケース10を貫く円形の貫通孔からなる軸支部44が形成されている。回転式電子部品用収納部13の略180°対向するその外周側壁には、ケース10の上面を凹状に切り欠いてなる一対の凹部15が形成され、各凹部15の一方の側面がそれぞれ弾接片係止部17となっている。ケース10の上面の所定の2か所には、小突起状の係止部19が形成され、ケース10の下面の所定の2か所にも小突起状の係止部21が形成され、またケース10の下面の外周の所定の4か所には凹状の係合部23が形成され、さらにケース10の回転式電子部品用収納部13近傍の左右両外側面の所定の4か所には小突起状の係止部25が形成されている。
【0023】
反転板60は弾性金属板を上方向に凸となる略ドーム形状に形成して構成されている。押圧部材65は合成樹脂を略円板状に成形して構成されている。押圧部材65の下面中央には下方向に向かって突出する小突起状の押圧部67が設けられている。押圧部材65の上面中央は、この押圧部材65を押圧する被押圧部69となっている。反転板60と押圧部材65は略同一の径を有し、前記押圧式電子部品収納部11に収納される。
【0024】
回転体80は合成樹脂の成型品であり、略円板状の本体部81の上面中央から略円柱状(円筒状)のつまみ取付兼軸支部83を突出するとともに、その下面中央から小突起状の軸支部85を突出して構成されている。本体部81の上面の外周には、略リング状の突出部87が設けられ、その内側の凹部を弾発部材収納部89とし、また突出部87の2か所を切り欠くことで弾接片引出部91とし、突出部87の切り欠いた一方の円弧の両端部を弾接片弾接部93(図5ではその一方のみ示す)としている。また本体部81の外周から半径方向外方に向かって突出するとともに上方向に向かって屈曲するストッパー部95が設けられている。また本体部81の下面の軸支部85の両側には、小突起からなる摺動子取付部97が設けられている。
【0025】
摺動子100は弾性金属板を略楕円のリング状に形成して構成されており、その180°対向する位置に、接点部101を形成し、両接点部101間をつなぐ中間位置にそれぞれ取付部103を設け、両取付部103中に前記回転体80の摺動子取付部97を挿入する小孔からなる取付部105を設けて構成されている。
【0026】
弾発バネ120はねじりコイルバネであり、コイル状に巻き回したコイル本体部121から半径方向外方に向けて略直線状に弾接片123を突出して構成されている。
【0027】
カバー130は金属板を前記ケース10をほぼ覆う寸法の略矩形状に形成して構成されている。前記ケース10の回転式電子部品用収納部13の中央に対向する位置には、前記回転体80のつまみ取付兼軸支部83を軸支する円形の軸支孔131が設けられ、一方前記押圧式電子部品収納部11の中央に対向する位置には、円形の押圧部挿入孔133が設けられている。この押圧部挿入孔133は下記する押圧つまみ161に設けた押圧部171の移動軌跡上(移動軌跡の中央位置)に設置されている。カバー130の前記軸支孔131を設けている回転式電子部品形成面135と、前記押圧部挿入孔133を設けている押圧式電子部品形成面137との間には屈曲する段差部139があり、これによって両面間に高さ方向の段差を設けている。段差部139の部分の中央には貫通孔141が設けられており、この貫通孔141の上部に位置するようにU字状に屈曲するクリック弾発部143が配置されている。クリック弾発部143の両端は貫通孔141の内周辺(回転式電子部品形成面135側)に連結され、その中間部分には上方向に突出するように屈曲する弾発部145が形成されている。回転式電子部品形成面135の軸支孔131を囲む部分には円弧状の貫通孔からなるストッパー部挿入部147が設けられ、また前記ケース10の一対の係止部19に対向する位置にはこれらを挿入する位置決め孔149が設けられ、また回転式電子部品形成面135の左右両外周辺の2か所ずつ(前記ケース10の各係止部25に対向する位置)からは略L字状に外方に突出して下方向に折り曲げられる係止片151が設けられている。また押圧式電子部品形成面137の外周辺からは舌片状であって下方向に折り曲げられる4つの取付係止片153が設けられている。押圧式電子部品形成面137の上面は、押圧つまみ押圧規制面137aとなっている。
【0028】
押圧つまみ体160は合成樹脂製であり、押圧つまみ161と、押圧つまみ161から引き出される可撓性を有するヒンジ部163と、ヒンジ部163の端部に連結される取付部165とを一体に成形して構成されている。押圧つまみ161は、長円柱状のつまみ167の下部につば部169を設け、その下面に下方向に突出する押圧部171を設けて構成されている。押圧つまみ161とヒンジ部163の間には、幅方向(回転つまみ180の回転方向)に長尺なクリック形成部173が設けられ、クリック形成部173の下面には前記カバー130の弾発部145を弾接する凹凸状のクリック部177が形成されている。ヒンジ部163は一対の長尺な平板で構成されている。取付部165は略細長矩形状であり、その2か所に上下に貫通する取付孔179が設けられている。
【0029】
回転つまみ180は合成樹脂製であり、略円形で下面に凹部181を有し、またその外周下部から半径方向外方に向けてつば部183を突出して構成されている。回転つまみ180の外周側面のつば部183の上部には略リング状の凹部からなる外装ケース挿入部184が形成されている。回転つまみ180の凹部181の底面の中央からは下方向に向けて円柱状の軸取付部185が突出している。軸取付部185の先端面には円形凹状の回転体取付部186が形成されている。凹部181の底面の軸取付部185の近傍には、横断面略コ字状のストッパー係止部187が設けられ、ストッパー係止部187の両側には小突起からなるつまみ体取付部189が設けられている。回転つまみ180の外周には半径方向外方に向けて突出する回転つまみ操作部191が設けられている。回転つまみ操作部191は略台形状に突出しており、その内部には上下に貫通する押圧つまみ挿通部193が形成されている。押圧つまみ挿通部193はその孔の形状が略長円形状であり、前記押圧つまみ161のつまみ167を上下動自在にほぼぴったり挿入できる寸法に形成されている。
【0030】
次に押圧スイッチ付回転式電子部品1の組み立て方法を説明する。まず予め、回転体80の下面に摺動子100を配置し、回転体80の両摺動子取付部97を摺動子100の両取付部105に挿入し、両摺動子取付部97の先端を熱かしめする。これによって回転体80の下面に摺動子100が取り付けられる。一方回転つまみ180の凹部181内にその下側から押圧つまみ体160を挿入し、その際、押圧つまみ161のつまみ167を回転つまみ180の押圧つまみ挿通部193に挿入し、同時に回転つまみ180のつまみ体取付部189を取付部165の取付孔179に挿入してつまみ体取付部189の先端を熱かしめする(なお両者は圧入だけで熱かしめしなくても良い)。これによって回転つまみ180の下面に押圧つまみ体160が取り付けられ、つまみ167の上面が押圧つまみ挿通部193内に露出する。
【0031】
そしてまず、ケース10の押圧式電子部品収納部11内に反転板60と押圧部材65とを収納し、一方ケース10の回転式電子部品収納部13内に摺動子100を取り付けた回転体80の本体部81を収納し、さらに本体部81の弾発部材収納部89内に弾発バネ120を収納してその両弾接片123を回転体80の両弾接片弾接部93とケース10の両弾接片係止部17とに同時に弾接させる。
【0032】
次に前記ケース10の上にカバー130を被せ、その際回転体80のつまみ取付兼軸支部83をカバー130の軸支孔131から突出し、同時に回転体80のストッパー部95をカバー130のストッパー部挿入部147から突出し、またケース10の係止部19をカバー130の位置決め孔149に挿入する。そしてカバー130の各係止片151をケース10の各係止部25の下側に係止し、同時にカバー130の各取付係止片153の先端をケース10の下面側に折り曲げて係合部23に収納すれば、ケース10とカバー130間が固定される。そしてカバー130の上に前記押圧つまみ体160を取り付けた回転つまみ180を載せ、その際、回転つまみ180の回転体取付部186に回転体80のつまみ取付兼軸支部83を圧入して両者を一体に取り付け、同時に回転体80のストッパー部95を回転つまみ180のストッパー係止部187の凹状部分に係合する。これによって押圧スイッチ付回転式電子部品1が完成する。なお上記組立手順はその一例であり、他の各種異なる組立手順を用いて組み立てても良いことはいうまでもない。
【0033】
このとき弾発バネ120の一対の弾接片123はそれぞれケース10の一対の弾接片係止部17と回転体80の一対の弾接片弾接部93に同時に弾接し、これによって回転体80は中立位置(回転体80が回転する全範囲の中央位置)に自動的に位置する。そしてこのとき図1に示すように、カバー130の弾発部145は押圧つまみ体160のクリック部177に弾接し、押圧つまみ体160の押圧部171はカバー130の押圧部挿入孔133に露出している押圧部材65の上面中央に接近して対向している。
【0034】
この押圧スイッチ付回転式電子部品1は、図1に一点鎖線で示し、図3にその下面を示すように、プリント配線基板200上に取り付けられ、また図2,図3,図8に示すように、一対の外装ケース210,230に挟まれることで外装ケース210,230に装着される。プリント配線基板200は硬質で、所定位置に前記ケース10の下面に設けた係止部21を挿入して位置決めする貫通孔からなる一対の位置決め部201が設けられている。また図示はしないが、プリント配線基板200のケース10の各金属端子55に対向する位置には、それぞれ各金属端子55を半田付けなどする端子接続パターンが形成されており、プリント配線基板200上に載置された押圧スイッチ付回転式電子部品1の各金属端子55が半田付けされる。
【0035】
一方外装ケース210,230は、図8に示すように、それらの直線状の接合辺211,231の途中に半円形で凹状のつまみ挿入部213,233を設けて構成されている。両つまみ挿入部213,233は両外装ケース210,230の接合辺211,231を接合した際に、両つまみ挿入部213,233が1つの円を形成し、その円の中に押圧スイッチ付回転式電子部品1の回転つまみ180が配置され、その際この円の内周辺が回転つまみ180の外装ケース挿入部184内に挿入される。なお両外装ケース210,230間、及びこれら両外装ケース210,230とプリント配線基板200間は図示しない部分において固定される。
【0036】
以上のように構成された押圧スイッチ付回転式電子部品1において、押圧つまみ体160のつまみ167を押圧すると、ヒンジ部163が撓むことで押圧つまみ161が下降し、その押圧部171が押圧部材65を押圧して反転板60が反転し、一対のスイッチパターン41(41a,41b)間が導通し、この押圧スイッチがオンする。前記つまみ167への押圧を解除すると、ヒンジ部163と反転板60の弾性復帰力によって反転板60は元の形状に自動復帰し、この押圧スイッチはオフする。
【0037】
一方回転つまみ180の回転つまみ操作部191の部分を回転方向に押して回転つまみ180を回転すると、これと一体に押圧つまみ体160と回転体80及び摺動子100が回転し、接点部101が基板40の可変抵抗用パターン43(43a,43b)上を摺動し、回転式電子部品の電気的出力が変化する。回転体180を回転した際、カバー130の弾発部145が押圧つまみ体160のクリック部177に弾接してクリック感触を生じる。なお押圧スイッチの出力と回転式電子部品の出力は、それぞれそれらに対応した金属端子55に出力される。前記回転つまみ180の回転を中止すれば、前記弾発バネ120の弾発力によって回転つまみ180及びこれと一体に回転する摺動子100等が元の中立位置に自動復帰し、電気的出力も元の中立位置の状態に戻る。
【0038】
ところで回転つまみ180を中立位置から他の位置に回動した状態においては、押圧つまみ161の押圧部171の先端面はカバー130の押圧つまみ押圧規制面137aに対向する。このためこの位置(中立位置以外の位置)においては押圧つまみ161を押圧しても押圧部171が押圧つまみ押圧規制面137aを押圧するだけで下降しない。
【0039】
以上説明したように押圧スイッチ付回転式電子部品1は、回転つまみ180を回転することで電気的出力を変化させる回転式電子部品と、回転つまみ180の外周に設けた回転つまみ操作部191に押圧スイッチ用の押圧つまみ161を設置するとともに、この押圧つまみ161によって押圧される反転板60やスイッチパターン41や押圧部材65からなる押圧スイッチを設置してなる押圧式電子部品と、を具備して構成されている。つまり回転つまみ180の回転つまみ操作部191に押圧つまみ161を設置し、この押圧つまみ161によって押圧式電子部品の押圧スイッチをオンオフ操作する構成としたので、回転つまみ操作部191の部分に指を置いたまま回転つまみ180の操作と押圧つまみ161の操作とを行うことができる。従って両者を操作する際に指の置き換えが生じず、両者の操作を容易に連続してスムーズに行うことができ、特に両者の操作を連続に瞬時に行いたいような場合でも十分その要求に答えられる。
【0040】
なおこの押圧スイッチ付回転式電子部品1においては、回転つまみ180と回転体80と摺動子100と基板40と基板40上の可変抵抗用パターン43とによって回転式電子部品が構成され、押圧つまみ161と押圧部材65と反転板60と基板40と基板40上のスイッチパターン41とによって押圧式電子部品が構成されている。また反転板60と基板40と基板40上の一対のスイッチパターン41によって押圧スイッチが構成されている。
【0041】
また押圧つまみ161に設けた押圧部171の移動軌跡上に押圧式電子部品の押圧スイッチを設置し、押圧部171がこの押圧スイッチに対向した際に押圧つまみ161を押圧することで押圧スイッチを動作させる構成としたので、回転つまみ180を所定の回転位置(この実施形態では自動復帰位置)に位置させたときに、押圧式電子部品のオンオフ動作を確実に行わせることができる。
【0042】
また押圧つまみ161から可撓性を有するヒンジ部163を引き出すとともに、ヒンジ部163の端部に取付部165を設け、この取付部165を回転つまみ180の裏面に取り付けたので、回転つまみ180と押圧つまみ161とを容易に一体に回動することができるとともに、押圧つまみ161の押圧動作をスムーズに行わせることができる。
【0043】
図9は本発明の第2実施形態に係る押圧スイッチ付回転式電子部品1−2の断面図(図1と同一部分の断面図)、図10は押圧スイッチ付回転式電子部品1−2(その上側の部品)の分解斜視図、図11は押圧スイッチ付回転式電子部品1−2(その下側の部品)の分解斜視図である。これらの図に示す押圧スイッチ付回転式電子部品1−2において、前記図1〜図8に示す押圧スイッチ付回転式電子部品1と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記図1〜図8に示す実施形態と同じである。
【0044】
この押圧スイッチ付回転式電子部品1−2において前記押圧スイッチ付回転式電子部品1と相違する点は押圧スイッチの部分であり、具体的には押圧スイッチ付回転式電子部品1で用いた反転板60と押圧部材65とを省略し、その代りにスイッチ接点板300と接点板取付部材330とを設置し、またケース10とカバー130と押圧つまみ体160の形状の一部を変更している。
【0045】
図12は押圧スイッチ付回転式電子部品1−2のケース10を別の角度から見た斜視図である。押圧スイッチ付回転式電子部品1−2のケース10において、前記押圧スイッチ付回転式電子部品1のケース10と相違する点は、押圧式電子部品収納部11の構造と、基板40に形成するスイッチパターン41の形状と、金属端子55の数と、係止部19の数と、係合部23を省略した点と、係止部25を6か所に設けた点とである。
【0046】
即ちこのケース10の押圧式電子部品収納部11は略扇形の凹部となっており、下記する接点板取付部材330が円弧状にスライド移動できる寸法形状になっている。スイッチパターン41は、一対の円弧状の第1,第2接点パターン41a,41bを具備し、第1接点パターン41aはコモンの接点パターンであって内周側に位置し、第2接点パターン41bはオンオフ用の接点パターンであって外周側に位置する。第1,第2接点パターン41a,41bの間には、両者間を仕切るように、ケース10を構成する合成樹脂材を円弧線状に基板40上に突出してなるクリック用突起部45を形成している。またこの基板40においては、金属端子55の本数を4本とし、これら金属端子55にスイッチパターン41と可変抵抗用パターン43の出力を引き出すようにしている。またケース10に設ける係止部19は、ケース10上面の4つの角部近傍に4つ設けられている。一方スイッチ付回転式電子部品1のケース10に設けていた係合部23を設けず、その代りに係止部25を回転式電子部品用収納部13近傍の左右両外側面の4か所の他に、押圧式電子部品収納部11側の一側面の左右2か所に設けている。
【0047】
スイッチ接点板300は、弾性金属板を略楕円形のリング状に形成し、対向する2か所に取付部301を設けるとともに、両取付部301からU字状に延びる一対のアーム部303の中間位置に一対の接点部305を設けて構成されている。各取付部301には取付孔307が設けられている。各取付部301から接点部305に向かうアーム部303は、押圧つまみ161の押圧方向(真下方向、基板40に向かう方向)に対して斜めに傾斜しながら広がる方向に向けて伸びている。ここで斜めに傾斜している部分を傾斜部303aという。
【0048】
接点板取付部材330は合成樹脂を略矩形平板状に成形して構成されており、上面には円形で凹状の押圧部挿入部331を設け、下面には前記スイッチ接点板300の一対の取付孔307に挿入される小突起状の取付部335(図9,図13参照)を設けている。この接点板取付部材330の前後の側辺339,341は円弧状に湾曲しており、この接点板取付部材330が前記ケース10の押圧式電子部品収納部11に収納された際に、これら両側辺339,341は押圧式電子部品収納部11の円弧状に形成されている両側壁面上を摺接し、これによって接点板取付部材330が円弧状にスムーズにスライド移動できるように構成されている。
【0049】
カバー130においては、その押圧式電子部品形成面137に形成する押圧部挿入孔133の形状を円弧状に形成している。つまり押圧つまみ体160の押圧部171が回動する移動軌跡と一致させることで、回動する押圧部171が常に押圧部挿入孔133内で移動できる形状としている。そして前記押圧スイッチ付回転式電子部品1のカバー130に設けた段差部139と貫通孔141とクリック弾発部143と4つの取付係止片153とを省略し、回転式電子部品形成面135と押圧式電子部品形成面137とを同一面とし、カバー130の押圧式電子部品形成面137側の外周辺に下方向に折れ曲がる側壁部155を設け、側壁部155の左右両端部(前記ケース10の係止部25に対向する位置)に係止片151を設けている。またケース10の4つの係止部19に対向する位置にこれらを挿入する位置決め孔149を設けている。
【0050】
押圧つまみ体160において前記押圧スイッチ付回転式電子部品1の押圧つまみ体160と相違する点は、押圧部171の長さを少し長くした点と、クリック部177を形成していない点とである。
【0051】
次に押圧スイッチ付回転式電子部品1−2の組み立て方法を説明する。まず予め、押圧スイッチ付回転式電子部品1の場合と同様にして、回転体80の下面に摺動子100を取り付け、回転つまみ180の下面に押圧つまみ体160を取り付ける。また接点板取付部材330の下面にスイッチ接点板300を配置して接点板取付部材330の下面に設けた一対の取付部335をスイッチ接点板300の一対の取付孔307に挿入し、その先端を熱かしめし、これによって接点板取付部材330の下面にスイッチ接点板300を取り付ける。
【0052】
そして、ケース10の押圧式電子部品収納部11内に、スイッチ接点板300を取り付けた接点板取付部材330を収納し、一方ケース10の回転式電子部品収納部13内に摺動子100を取り付けた回転体80の本体部81を収納し、さらに本体部81の弾発部材収納部89内に弾発バネ120を収納してその両弾接片123を回転体80の両弾接片弾接部93とケース10の両弾接片係止部17とに同時に弾接させる。
【0053】
次にケース10の上にカバー130を被せ、その際回転体80のつまみ取付兼軸支部83をカバー130の軸支孔131から突出し、同時に回転体80のストッパー部95をカバー130のストッパー部挿入部147から突出し、またケース10の各係止部19をカバー130の各位置決め孔149に挿入する。そしてカバー130の各係止片151をケース10の各係止部25の下側に係止すれば(さらに各係止部19を熱かしめしても良い。)、ケース10とカバー130間が固定される。そしてカバー130の上に前記押圧つまみ体160を取り付けた回転つまみ180を載せ、その際、回転つまみ180の回転体取付部186に回転体80のつまみ取付兼軸支部83を圧入して両者を一体に取り付け、同時に回転体80のストッパー部95を回転つまみ180のストッパー係止部187の凹状部分に係合し、さらに同時に押圧つまみ体160の押圧部171をカバー130の押圧部挿入孔133を介して接点板取付部材330の押圧部挿入部331に挿入する。これによって押圧スイッチ付回転式電子部品1が完成する。
【0054】
このとき弾発バネ120の一対の弾接片123はそれぞれケース10の一対の弾接片係止部17と回転体80の一対の弾接片弾接部93に同時に弾接し、これによって回転体80及び回転つまみ180は中立位置(回転体80が回転する全範囲の中央位置)に自動的に位置する。図13はこのときのスイッチ接点板300近傍部分の要部拡大概略断面図である。同図に示すようにスイッチ接点板300の一方(回転体80に近い側)の接点部305は第1接点パターン41a上に当接し、他方の接点部305はクリック用突起部45の第1接点パターン41aを設けた側の基板40上の位置、すなわち第1,第2接点パターン41a,41bの何れにも当接していない基板40の面上に当接している。
【0055】
この押圧スイッチ付回転式電子部品1−2も、図9に一点鎖線で示すように、プリント配線基板200上に取り付けられ、また前記図8に示すと同様に、一対の外装ケース210,230に挟まれることで外装ケース210,230に装着される。
【0056】
以上のように構成された押圧スイッチ付回転式電子部品1−2において、押圧つまみ体160のつまみ167を押圧すると、ヒンジ部163が撓むことで押圧つまみ161が下降し、その押圧部171が接点板取付部材330及びスイッチ接点板300を押圧してこれらを押し下げ、これによって一対のアーム部303のなす角度が広がってゆき、図14に示すように両接点部305が基板40上を摺動して離れる方向(水平方向)に移動し、その際第1接点パターン41aに当接している接点部305はそのまま第1接点パターン41aへの当接を維持し、もう一方の接点部305はクリック用突起部45を乗り越える際にクリック感触を生じるとともに第2接点パターン41bに当接し、これによって第1,第2接点パターン41a,41b間が導通して押圧スイッチがオンする。前記つまみ167への押圧を解除するとヒンジ部163とスイッチ接点板300の弾性復帰力によって押圧つまみ161,接点板取付部材330,スイッチ接点板300は元の位置に押し上げられて自動復帰し、前記とは逆の動作によって図13に示す状態に戻り、押圧スイッチはオフする。
【0057】
一方回転つまみ180の回転つまみ操作部191の部分を回転方向に押して回転つまみ180を回転すると、これと一体に押圧つまみ体160と回転体80及び摺動子100が回転し、接点部101が基板40の可変抵抗用パターン43(43a,43b)上を摺動し、回転式電子部品の電気的出力が変化する。回転体180を回転した際、押圧つまみ体160の押圧部171はカバー130の押圧部挿入孔133内を移動する。同時にスイッチ接点板300の両接点部305は基板40上を摺動するが、回転体180が回転するどの位置に移動しても図13に示す状態は変化しない。従って回転体180がどの回転位置にあっても押圧つまみ161を押圧することができ、押圧スイッチをオンオフ操作することができる。前記回転つまみ180の回転を中止すれば、前記弾発バネ120の弾発力によって回転つまみ180及びこれと一体に回転する摺動子100等が元の中立位置に自動復帰し、電気的出力も元の中立位置の状態に戻る。
【0058】
以上説明したようにこの押圧スイッチ付回転式電子部品1−2においても、回転つまみ180を回転することで電気的出力を変化させる回転式電子部品と、回転つまみ180の外周に設けた回転つまみ操作部191に押圧スイッチ用の押圧つまみ161を設置するとともに、この押圧つまみ161によって押圧されるスイッチ接点板300や接点板取付部材330やスイッチパターン41からなる押圧スイッチを設置してなる押圧式電子部品と、を具備して構成されている。つまり回転つまみ180の回転つまみ操作部191に押圧つまみ161を設置し、この押圧つまみ161によって押圧式電子部品の押圧スイッチをオンオフ操作する構成としたので、回転つまみ操作部191の部分に指を置いたまま回転つまみ180の操作と押圧つまみ161の操作とを行うことができる。従って両者を操作する際に指の置き換えが生じず、両者の操作を容易に連続してスムーズに行うことができ、特に両者の操作を連続に瞬時に行いたいような場合でも十分その要求に答えられる。
【0059】
なおこの押圧スイッチ付回転式電子部品1−2においては、回転つまみ180と回転体80と摺動子100と基板40と基板40上の可変抵抗用パターン43とによって回転式電子部品が構成され、押圧つまみ161とスイッチ接点板300と接点板取付部材330と基板40と基板上のスイッチパターン41とによって押圧式電子部品が構成されている。またスイッチ接点板300と基板40と基板上のスイッチパターン41とによって押圧スイッチが構成されている。
【0060】
また押圧スイッチは、押圧つまみ161と一体に回転するスイッチ接点板300と、このスイッチ接点板300に設けた接点部305が当接するスイッチパターン41a,41bを形成した基板40とを具備して構成され、スイッチ接点板300にアーム部303を設け、このアーム部303に設けた接点部305を基板40に弾接し、押圧つまみ161を押圧してスイッチ接点板300の接点部305を基板40上で移動させることでスイッチパターン41a,41bへの当接状態を変化させて押圧スイッチをオンオフする構成としたので、回転つまみ180が何れの回転位置にある場合でも、押圧式電子部品の押圧スイッチのオンオフ動作を行わせることができる。
【0061】
なお上記例では具体的に、アーム部303は押圧つまみ161の押圧方向に対して斜めに傾斜する方向に向けて伸びていて、接点部305はアーム部303の弾性力によって基板40に弾接している。
【0062】
また基板40上に、押圧つまみ161を押圧した際に接点部305が乗り上げることでクリック感覚を生じるクリック用突起部45を設けたので、部品点数を増加させることなく、簡単な構造で容易に、押圧式電子部品にクリック機能を持たせることができる。
【0063】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、上記各実施形態では回転式電子部品を回転式可変抵抗器で構成したが、可変抵抗用パターン43の代りにスイッチパターンを形成することで回転式スイッチとして構成しても良い。また上記各実施形態では押圧つまみ161と反転板60(またはスイッチ接点板300)の間に押圧部材65(または接点板取付部材330)を設置したが、押圧部材65(または接点板取付部材330)を省略して直接押圧つまみ161に反転板60を対向させ(またはスイッチ接点板300を取り付け)ても良い。また基板40上に形成するスイッチパターン41a,41bの形状・構成も種々の変更が可能である。
【0064】
また上記スイッチ接点板300においては両アーム部303を広がる方向に傾斜させたが、逆に両アーム部を狭める方向に傾斜させても良い。また上記反転板60は可動接点板として用いているが、2枚の回路基板を重ね合わせて両者に設けたスイッチパターンを隙間を介して対向させてなるいわゆるメンブレンスイッチを用いる場合は、クリック感触を得るためのみの反転板として用いる。なおメンブレンスイッチの場合は必ずしも反転板を設置しなくても良い。
【0065】
また上記実施形態では押圧スイッチを1段式の押圧スイッチで構成したが、2段以上の複数段の押圧スイッチで構成しても良い。2段の押圧スイッチとは、押圧した際、1つのスイッチがオン又はオフし、さらに押圧するともう1つのスイッチもオン又はオフする機能を有する構成のものである。
【符号の説明】
【0066】
1 押圧スイッチ付回転式電子部品
10 ケース
11 押圧式電子部品収納部
13 回転式電子部品収納部
40 基板(押圧式電子部品、押圧スイッチ、回転式電子部品)
41(41a,41b) スイッチパターン(押圧式電子部品、押圧スイッチ)
43(43a,43b) 可変抵抗用パターン(回転式電子部品)
60 反転板(押圧式電子部品、押圧スイッチ)
65 押圧部材(押圧式電子部品)
80 回転体(回転式電子部品)
100 摺動子(回転式電子部品)
120 弾発バネ
130 カバー
143 クリック弾発部
160 押圧つまみ体
161 押圧つまみ(押圧式電子部品)
163 ヒンジ部
165 取付部
171 押圧部
180 回転つまみ(回転式電子部品)
191 回転つまみ操作部
1−2 押圧スイッチ付回転式電子部品
45 クリック用突起部
300 スイッチ接点板(押圧式電子部品、押圧スイッチ)
303 アーム部
305 接点部
330 接点板取付部材(押圧式電子部品)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転つまみを回転することで電気的出力を変化させる回転式電子部品と、
前記回転つまみの外周に設けた回転つまみ操作部に押圧スイッチ用の押圧つまみを設置するとともに、この押圧つまみによって押圧される押圧スイッチを設置してなる押圧式電子部品と、を具備することを特徴とする押圧スイッチ付回転式電子部品。
【請求項2】
請求項1に記載の押圧スイッチ付回転式電子部品において、
前記押圧つまみに設けた押圧部の移動軌跡上にこの押圧部によって押圧される押圧スイッチを設置し、前記押圧部が押圧スイッチに対向した際に押圧つまみを押圧することで押圧スイッチを動作させることを特徴とする押圧スイッチ付回転式電子部品。
【請求項3】
請求項1に記載の押圧スイッチ付回転式電子部品において、
前記押圧スイッチは、前記押圧つまみと一体に回転するスイッチ接点板と、このスイッチ接点板に設けた接点部が当接するスイッチパターンを形成した基板とを具備して構成され、
前記スイッチ接点板にアーム部を設け、このアーム部に設けた前記接点部を前記基板に弾接し、前記押圧つまみを押圧して前記スイッチ接点板の接点部を基板上で移動させることで前記スイッチパターンへの当接状態を変化させて押圧スイッチをオンオフすることを特徴とする押圧スイッチ付回転式電子部品。
【請求項4】
請求項3に記載の押圧スイッチ付回転式電子部品において、
前記基板上に、前記押圧つまみを押圧した際に前記接点部が乗り上げることでクリック感覚を生じるクリック用突起部を設けたことを特徴とする押圧スイッチ付回転式電子部品。
【請求項5】
請求項1または2または3または4に記載の押圧スイッチ付回転式電子部品において、
前記押圧つまみから可撓性を有するヒンジ部を引き出すとともに、前記ヒンジ部の端部に取付部を設け、この取付部を前記回転つまみの裏面に取り付けたことを特徴とする押圧スイッチ付回転式電子部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−134682(P2011−134682A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−295429(P2009−295429)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000215833)帝国通信工業株式会社 (262)
【Fターム(参考)】