説明

押圧突起を備えたメタルドームシート及び押し釦スイッチ

【課題】押圧突起とメタルドームの頂部とを正確に位置決め可能な押し釦スイッチ用の部材を提供する。
【解決手段】キートップ16の押動操作により弾性変形して基板2上に設けられた接点6と電気的に導通し、該押動操作が解除されると変形状態から復元して接点との間の導通を解除するメタルドーム8が取り付けられたシートであって、キートップ16側から加えられた押圧力をメタルドーム8の頂部8aへ伝達する弾性を有する押圧突起12を備えたメタルドームシート10を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
携帯電話や携帯情報端末装置(PDA:Personal Digital Assistance)を始めとする携帯用電子機器の押し釦スイッチに用いられる部材に関し、特に、メタルドームが取り付けられたメタルドームシート及びこのメタルドームシートを用いた押し釦スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話や携帯情報端末装置(PDA)を始めとする携帯用電子機器が普及し、これらの携帯用電子機器に用いる押し釦スイッチが広く用いられるようになっている。このような押し釦スイッチは、多くの場合、基板上に設けられた固定側の接点と、その接点を覆うように配置された弾性変形可能なメタルドーム(メタルドームは可動接点として機能する)と、このメタルドームの上部に配置されたキートップ部材とを備える。(以下の説明においては、押し釦スイッチの基板側を下側、操作面側を上側として説明する。)
【0003】
このような構成の押し釦スイッチにおいて、操作者がキートップの上面を押動操作すると、その押圧力がメタルドームに伝達されて、メタルドームが弾性変形して基板上に設けられた接点と導通する。また、操作者がこの押動操作を終了すると、メタルドームに加えられていた押圧力が解除されて、メタルドームが変形状態から復元して、接点との間の導通を解除する。このような押動操作及び操作解除によって、押し釦スイッチがオンオフスイッチとして機能する。
【0004】
この押動操作によって生じた押圧力を、キートップ側からメタルドームに伝達するとき、操作時の良好なクリック感を得るため、多くの場合、各キートップの下側に弾性部材、特に、押し子とも呼ばれる弾性材料からなる押圧突起が備えられる。
また、個々の押し釦スイッチごとにメタルドームを備える必要があるので、1つの基板上に複数の押し釦スイッチを設ける場合には、個々のメタルドームを個々の押し釦スイッチの設置場所に配置する必要がある。これに対応するため、多くの場合、複数のメタルドームを予め一体成形されたメタルドームシートに取り付け、このメタルドームシートを基板に装着することによって、各メタルドームを基板上の所定位置に配置できるようにしている。
【0005】
一方、このような押し釦スイッチの中には、押し釦スイッチの機能性、装飾性を高めるため、キートップの下側から照光を透過させて、押し釦に設けられた文字、数字等を浮かび上がらせるバックライトを用いた押し釦スイッチが広く用いられている。また、このようなバックライトを用いた押し釦スイッチの中には、バックライトを供給するための光源の数を減らすため、1つの光源から供給される照光を複数のキートップへ導くための導光板を備えた押し釦スイッチが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−324253号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述に示すような、キートップの下側に押圧突起を備えた押し釦スイッチの組み立てにおいては、予めメタルドームが取り付けられたメタルド−ムシートを基板に装着し、組み立ての最終工程において、基板上の個々のメタルドームに対応した位置に、押圧突起を備えたキートップ部材を装着する。この場合、良好なクリック感を得るためには、各メタルドームの頂部に正確に押圧突起を配置すること重要である。しかし、既に多くの部材が装着された組み立ての最終工程において、各押圧突起の位置と各メタルドームの頂部の位置とが一致するように、キートップ部材を装着することは非常に困難な作業である。よって、良好なクリック感を有する押し釦スイッチを安定的に製造することが困難である。
【0007】
また、特許文献1に記載の押し釦スイッチにおいては、キートップの下部に設けられた押圧突起を有する弾性部分が、照光を導く導光板の機能も果たすようになっており、新たな導光板を追加する必要がないようになっている。
しかし、この押し釦スイッチにおいても、上述と同様に、組み立ての最終工程において、予め基板上に装着された各メタルドームに対応した位置に、押圧突起を備えたキートップ部材を装着する必要がある。
よって、上述と同様に、各押圧突起の位置と各メタルドームの頂部の位置とが一致するように、キートップ部材を装着することは非常に困難であり、新たな導光板のコストを節減することはできたとしても、良好なクリック感を有する押し釦スイッチを安定的に製造することは困難である。
【0008】
従って、本発明の目的は、上述の問題を解決して、押圧突起とメタルドームの頂部とを正確に位置決め可能な押し釦スイッチ用の部材を提供することにあり、また、バックライト用の照光を導く導光板の機能を更に有する押し釦スイッチ用の部材を提供することにある。
本発明のその他の目的は、この押し釦スイッチ用の部材を用いた押し釦スイッチ、及びこの押し釦スイッチの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するため、本発明に係る押し釦スイッチ用部材の1つの実施態様として、キートップの押動操作により弾性変形して基板上に設けられた接点と電気的に導通し、該押動操作が解除されると変形状態から復元して前記接点との間の導通を解除するメタルドームが取り付けられたシートであって、前記キートップ側から加えられた押圧力を前記メタルドームの頂部へ伝達する弾性を有する押圧突起を備えたメタルドームシートが考えられる。
【0010】
本実施態様のメタルドームシートを用いた押し釦スイッチの1つとして、基板側を下側、操作面側を上側として、基板上に接点が設けられ、その上側に、メタルドームが取り付けられた押圧突起を有するメタルドームシートが装着され、その上側の個々のメタルドームに対応した位置に、キートップ部材が装着された構成が例示できる。ここで、キートップ部材とは、キートップ及びこのキートップの下側に取り付けられたキーベースから構成される部材を意味する。
また、個々のメタルドームの頂部の位置と押圧突起の位置が一致するように、メタルドームがメタルドームシートに取り付けられている。ここで、押圧突起は、キートップ側からの押圧力をメタルドームの頂部へ伝達するようになっており、1つの押し釦スイッチに関する上下方向の配置は、下から上の順番で、基板上の接点、メタルドーム、メタルドームシート、メタルドームシートの一部である押圧突起、キーベース、キートップの順に配置されている。
【0011】
このような構成の押し釦スイッチにおいて、操作者がキートップの上面(操作面)を押動操作すると、キーベースを介して、その押圧力が下側に配置された押圧突起に伝達され、更に、押圧突起はメタルドームの頂部を押圧する。この押圧力により、メタルドームは弾性変形して、基板上に設けられた接点と電気的に導通して、スイッチオンの状態になる。一方、操作者がキートップの押圧操作を停止すれば、この押圧力は解除され、弾性力によって、メタルドームは変形状態から復元して接点との間の導通を解除する。これによって、スイッチオフの状態となる。なお、キートップを押圧操作したときに、良好なクリック感が得られるようにするには、押圧突起は所定の弾性を有する必要がある。
【0012】
ここで、「キートップ」は、押し釦スイッチの押し釦に該当する部材であり、スイッチの押し釦として機能させるため、通常、キートップに文字、数字、記号、図形等が表示される。また、後述するように、これらの文字、数字等を所謂抜き文字で表して、キートップの下面側からの照光(バックライト)をこの抜き文字部分を透過させることによって、これらの文字、数字等を浮かび上がらせることもできる。このキートップの材料としては、例えば、金属を用いることもでるし、樹脂を用いることもできる。
【0013】
また、「メタルドーム」とは、キートップの押動操作により、押圧力を加えることによって弾性変形可能な接点として機能するドーム状の金属部材である。このメタルドームの材質としては、所定の強度、弾性、電気伝導度、加工性を有する金属であればあらゆる金属を用いることができる。また、鍍金やコーティング等により、接点部分に電気伝導度の高い層を設けることができれば、メタルドームの材料として、更に幅広い材料を用いることができる。
【0014】
メタルドームは、個々の押し釦スイッチごとに設ける必要があるので、複数のメタルドームを1枚の「メタルドームシート」に取り付けることによって、各メタルドームを各キートップに対応する位置に配置することができる。ここで、メタルドームをメタルドームシートに取り付ける方法としては、例えば、接着剤を用いて取り付けることが考えられ、その他、溶着、締結部材を用いる方法を始めとする様々な固定方法を用いることができる。
【0015】
キートップ側から加えられた押圧力をメタルドームの頂部へ伝達する弾性を有する「押圧突起」は押し子とも呼ばれ、キートップとメタルドームの間にあって、キートップを押動操作するときに、適度なクリック感を付与する機能を有する。従って、クリック感を与えるだけの弾性を有するため、ある一定の厚み寸法(押動方向の寸法)を有する必要がある。
【0016】
本実施態様では、メタルドームシートに押圧突起が備えられているが、この押圧突起をメタルドームシートに備える態様としては、押圧突起をメタルドームシートと共に一体成形することにより実現することもできるし、押圧突起とメタルドームシートを個別に形成して、接着や融着等を用いて押圧突起及びメタルドームシートを接合することにより実現することもできる。
このメタルドームシートの材料としては、押圧突起と一体成形する場合であれば、弾性材料を用いることが望ましく、例えば、紫外線硬化樹脂、シリコーンゴム、熱可塑性エストラマー等を用いることが考えられる。一方、押圧突起とメタルドームシートとを個別に形成して接合する場合であれば、押圧突起部分を上述の弾性材料で形成し、メタルドームシート部分を、キートップと同様の樹脂材料で形成することが考えられる。
【0017】
従来の押圧突起がキートップの下側に取り付けられた押し釦スイッチを組み立てる場合を考えると、組み立ての最終工程において、押圧突起を備えたキートップ部材を、基板上の個々のメタルドームに対応した位置に装着する必要がある。この場合、既に多くの部材が装着された状態において、各押圧突起の位置と各メタルドームの頂部の位置とを一致させるようにキートップ部材を装着することは、非常に困難である。
【0018】
一方、本実施態様によれば、基板に装着する前に、単品のメタルドームをメタルドームシートに取り付けることができるので、各メタルドームの頂部の位置とメタルドームシートに備えられた押圧突起の位置とが一致するように、メタルドームをメタルドームシートに取り着けることは比較的容易にできる。この場合、治具を用いて位置合わせを行なうこともできる。また、エンボス加工等によりメタルドームに予め凹凸パターンを設け、メタルドームシートにも予め凹凸パターンを形成しておいて、両方の凹凸を嵌合させることによって正確な位置決めを実現することもできる。
【0019】
本実施態様においても、押し釦スイッチ組み立ての最終工程において、各キートップを各キードームの上側に装着する必要があるが、既にメタルドームの頂部と押圧突起との間の位置合わせは完了しており、また、押圧突起に比べてかなり大きな底面積を有するキートップをメタルドームに対応する領域に配置するだけでよいので、従来のような厳しい位置決め精度を要しない。
従って、本実施態様によれば、押圧突起の位置を正確に各メタルドームの頂部に位置決めして押し釦スイッチを組み立てることができるので、良好なクリック感を有する押し釦スイッチを安定的に製造することができる。
【0020】
本発明に係る押し釦スイッチ用部材のその他の実施態様として、照光を供給する少なくとも1つの光源が取り付けられ、前記キートップが配置される領域に、前記照光の少なくとも一部を前記キートップの方向へ反射させる反射手段を備えた、導光板として機能するメタルドームシートが考えられる。
【0021】
ここで、「導光板」はライトガイドとも呼ばれ、1つの光源から発生させた光を、減衰を抑制しながら、複数のキートップに供給するための部材である。導光板の材料としては、透明または透光性を有するものであれば、樹脂、ガラスを始めとする様々な材料を用いることができる。
また、照光を供給する「光源」としては、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が用いることが考えられ、また、冷陰極管を始めとするその他のあらゆる光源を用いることもできる。
【0022】
また、照光の少なくとも一部をキートップの方向へ反射させる「反射手段」とは、導光板内を進む照光の少なくとも一部を乱反射させることにより、その進行方向を変更させて、照光をキートップへ入射させる手段である。この反射手段の具体的な態様としては、例えば、導光板として機能するメタルドームシートの下面に白色インクで反射ドットを印刷することによって形成することもできるし、メタルドームシートの下面にスタンパーやインジェクションで凹凸を付けることによって形成することもできるし、メタルドームシートの下面に反射板をドット状の粘着材で貼り付けて形成することもできる。その他、光を反射させる手段であれば、あらゆる反射手段を用いることができる。
【0023】
本実施態様によれば、メタルドームシートが導光板の機能も果たすので、専用の導光板を追加することなく、バックライトを用いた押し釦スイッチの光源の数を削減することができる。また、キートップの下側に接合されたキーベース部分を導光板に用いる場合に比べて、本実施態様では、基板上に光源を備えることができるので、スペース効率のよい光源の配置が可能であり、また、無駄の少ない配線を行なうことができる。更に、この光源の配置を利用して、光源にバックライト供給以外の機能を持たせることも考えられる。
【0024】
本発明に係る押し釦スイッチ用部材のその他の実施態様として、前記反射手段が設けられた領域に着色層を有するメタルド−ムシートが考えられる。
【0025】
本実施態様においてはメタルドームシートの反射手段が設けられた領域であれば任意の領域に、着色層を設けることができる。例えば、反射手段がメタルドームシートの下面側に設けられているのであれば、メタルドームシートの上面側に着色層を設けることもできるし、反射手段が設けられたメタルドームシートの下面側に着色層を設けることもできるし、メタルドームシートの内部に着色層を設けることもできる。つまり、反射手段によって、キートップ側へ入射していく照光が通過する位置であれば、任意の位置に着色層を設けることができる。なお、着色層を設ける方法としては、印刷を始めとするあらゆる加色手段を用いることができる。
【0026】
本実施態様によれば、光源から白色光を発生させた場合であっても、着色層を通過させることによって、所望の色彩を有する照光を、バックライトとしてキートップに供給することができるので、様々な色の光でキートップが照らし出された、装飾性に富む押し釦スイッチを提供することができる。なお、キートップ部分に着色層を設けることによっても、様々な色の光でキートップを照らし出すことが可能であるが、着色層をキートップに設けた場合には、照光を消したときであっても、キートップは着色層の色で示される。
一方、着色層をメタルドームシートに設けた場合には、照光を付けたときにだけ、キートップが着色層の色で照らし出されるので、操作者に意外性や強い印象を与えることが可能であり、操作者に魅了的な押し釦スイッチを提供することができる。
【0027】
本発明に係る押し釦スイッチの1つの実施態様として、キートップと、前記キートップの押動操作により弾性変形して基板上に設けられた接点と電気的に導通し、該押動操作が解除されると変形状態から復元して前記接点との間の導通を解除するメタルドームと、前記メタルドームが取り付けられた弾性材料からなるシートであって、前記キートップ側から加えられた押圧力を前記メタルドームの頂部へ伝達する押圧突起を備え、更に照光を供給する少なくとも1つの光源が取り付けられ、前記キートップが配置される領域に、前記照光の少なくとも一部を前記キートップの方向へ反射させる反射手段を備えた、導光板として機能するメタルベースシートと、を備えたことが考えられる。
【0028】
本実施態様によれば、上述と同様に、押圧突起の位置を正確に各メタルドームの頂部に位置決めして押し釦スイッチを組み立てることができるので、良好なクリック感を有する押し釦スイッチを安定的に製造することができ、また、メタルドームシートが導光板の機能も果たすので、専用の導光板のような新たな部材を追加することなく、光源の数を削減可能な押し釦スイッチを提供することができる。
【0029】
本発明に係る押し釦スイッチの製造方法の1つの実施態様として、押圧突起を備えたメタルドームシートを用いた押し釦スイッチの製造方法であって、メタルドームの頂部の位置と前記押圧突起の位置とが一致するようにメタルドームを前記メタルドームシートに取り付ける工程1と、前記メタルドームが取り付けられた前記メタルドームシートを基板に装着する工程2と、前記メタルドームシートが装着された前記基板の前記メタルドームが配置された位置に、キートップ部材を装着する工程3と、を含むことが考えられる。
【0030】
本実施態様によれば、上述と同様に、押圧突起の位置を正確に各メタルドームの頂部に位置決めして押し釦スイッチを組み立てることができるので、良好なクリック感を有する押し釦スイッチを安定的に製造することができる。
【発明の効果】
【0031】
以上のように、本発明に係るメタルドームシート、このメタルドームを用いる押し釦スイッチ、及びこの押し釦スイッチの製造方法によって、押圧突起の位置を正確に各メタルドームの頂部に位置決めして押し釦スイッチを組み立てることができるので、良好なクリック感を有する押し釦スイッチを安定的に製造することができる。
また、メタルドームシートが導光板の機能も果たす場合には、専用の導光板のような新たな部材を追加することなく、光源の数を削減可能な押し釦スッチを提供することができ、更に、光源を基板に設けることができるので、配置、配線、機能の面で様々な利点を有する。
また、着色層を反射手段の領域に設ける場合には、所望の色の照光をバックライトとしてキートップに供給することができるので、様々な色の光でキートップが照らし出された装飾性に富む押し釦スイッチを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明に係るメタルドームシート、及びこのメタルドームを用いた押し釦スイッチの実施形態について、以下に図面を用いながら詳細に説明する。
【0033】
(本発明に係るメタルドームシート及び押し釦スイッチの実施形態の説明)
<本発明に係る押し釦スイッチの全体構造の説明>
まず、図1を用いて、本発明に係るメタルドームシートを用いた押し釦スイッチの1つの実施形態についてその全体構造を説明する。図1は、本発明に係るメタルドームシートを用いた押し釦スイッチ4を側面から見た側面断面図である。なお、以降の説明においては、押し釦スイッチ4操作面側(キートップ上面側)を上側、基板側を下側として説明する。
【0034】
図1に示す実施形態では、基板2の上に2個の押し釦スイッチ4が設けられているところを示しているが、実際には、基板2上に任意の数の押し釦スイッチ4を設けることができる。図1に示す個々の押し釦スイッチ4において、基板2の上に固定側の接点6が設けられており、その上方に接点6を覆うように、ドーム状の金属部品であるメタルドーム8が配置されている。なお、本実施形態では、個々のメタルドーム8は、接着剤を用いて、その上方に配置された1つのメタルドームシート10に取り付けられている。このメタルドームシート10の上面には、シート部分と一体成形された弾性を有する押圧突起(押し子)12が備えられている。そして、この押圧突起12の上側には、個々のキートップ16が1枚のシート状のキーベース18に取り付けられたキートップ部材16、18が配置されている。
【0035】
図1から明らかなように、1つの押し釦スイッチ4ごとに、メタルドーム8及びキートップ16が備えられており、複数の押し釦スイッチ4を設ける場合には、複数のメタルドーム8及び複数のキートップ16を、押し釦スイッチ4が配置される位置に装着する必要がある。そこで、本実施形態では、基板2に装着する前に、複数のメタルドーム8が、予め接着剤で共通シートであるメタルドームシート10に取り付けられ、複数のキートップ16が、予め接着剤で共通シートであるキーベース18に取り付けられている。これにより、予めメタルドーム8及びキートップ16の配置が定まり、容易に基板2上の所定位置に装着できるようになっている。ただし、これに限られるものではなく、メタルドーム8やキートップ16を個々に基板2上に装着することも考えられる。
【0036】
以上のような構成の押し釦スイッチ4において、操作者がキートップ16の上面(操作面)16aを押動操作すると、その押圧力が、キーベース18を介してその下側に配置された押圧突起12に伝達される。そして、押圧突起12はその押圧力を更に下方に伝達して、メタルドーム8の頂部8aを押圧する。この押圧力により、メタルドーム8は下方に弾性変形して、基板2上に設けられた接点6と電気的に導通して、押し釦スイッチ4がオンの状態になる。一方、操作者がキートップ16の押圧操作を停止すれば、この押圧力は解除され、弾性力によって、メタルドーム8は変形位置から初期位置に戻り、接点6との間の導通が停止する。これによって、押し釦スイッチ4がオフの状態となる。
【0037】
また、本実施形態のメタルドームシート10は、バックライトとしてキートップへ照光を供給するため、光源からの照光を伝達する導光板としても機能する。図1に示すように、メタルドームシート10の紙面左端に光源30が取り付けられており、光源30から生じた照光が、図1の矢印に示すように、メタルドームシート10の内部を紙面左側から右側へ略水平方向に進む。そして、紙面左側の押し釦スイッチ4が配置された位置に到達したとき、照光の一部が、メタルドームシート10の下面側に設けられた反射手段14によって乱反射する。そして、乱反射した照光の一部が、図1の矢印に示すように、上方のキートップ12の方向へ進んでいき、キーベース18を通過してキートップ16へ入射する。入射した照光は、キートップ16の内部を上方へ進み、抜き文字で表した数字、文字、記号、図形等26を通過して、キートップ16の上面に達する。以上により、キートップ16に示された文字、数字等26はこの照光により鮮やかに浮かび上がり、押し釦スイッチ4は照光式キーとして機能する。
【0038】
また、上述の反射手段14によって乱反射しなかった照光は、更にメタルドームシート10の内部を紙面左側から右側へ略水平方向に進み、紙面右側の押し釦スイッチ4が配置された位置に到達する。そして、上述と同様に、照光の一部が、メタルドームシート10の下面側に設けられた反射手段14によって乱反射し、乱反射した照光の一部は、図1の矢印に示すように、キートップ16に入射して、キートップ16に示された文字、数字等26を鮮やかに浮かび上がらせる。以上によって、紙面右側の押し釦スイッチ4も照光式キーとして機能する。
なお、図1では、2個の押し釦スッチ4だけが示されているが、他の押し釦スイッチ4が配置されている場合には、上述と同様に、全てのキートップ16に均等な照光を供給することができる。なお、各キートップ16に均等な照光を供給するための手段については後述する。
【0039】
以上のように、反射手段14がメタルドームシート10の下面側に設置されているが、本実施形態では、メタルドームシート10の反射手段14が設けられた領域の上面側に、更に着色層24が設けられている。この着色層24によって、仮に、光源30から白色光が供給されたとしても、キーベース16へ入射する照光が、この着色層24を通過することによって、着色層24に応じた所望の色彩を有する光でキートップを照らし出すことができる。
更に、本実施形態では、キートップ12と電子機器の筐体20との間の隙間20aから、照光が漏れるのを防ぐため、キートップ16とキートップ16との間に、マスクシート22が配置されている。このマスクシートの材料としては、例えば、樹脂材料を用いることができる。また、マスクシートを用いずに、キーベース16の上面又は下面の遮光したい領域に直接、遮光塗料を用いて印刷や塗装によって遮光層を形成しても良い。
【0040】
ここで、キートップ16の材料としては、金属を用いることもできるし、樹脂を用いることもできるし、その他の様々な材料を用いることができる。仮に、キートップ16の材料として樹脂を用いる場合には、例えば、ポリカーボネイト(PC)系樹脂、ポリエチレンテフタレート(PET)系樹脂を始めする様々な樹脂を用いることができ、これらの樹脂の混合物を用いることもできる。また、キーベース18の材料としては、キートップ16と同様な材料を用いることもできるし、クリック感を得るための助けになるように、弾性材料を用いることもできる。この場合、シリコーンゴム、熱可塑性エストラマー、紫外線硬化樹脂等を用いることが考えられる。
なお、キートトップ16の厚み寸法としては、0.2mm〜5mmが例示でき、キーベース18の厚み寸法としては、0.1mm〜0.2mmが例示できるが、これに限られるものではない。
【0041】
<本発明に係るメタルドームシートの説明>
次に、図1〜図6を用いて、本発明に係るメタルドームシートの1つの実施形態の説明を更に詳細に行なう。
<<組み立て方法に関する説明>>
まず、本発明に係るメタルドームシートを用いた押し釦スイッチを組み立てる場合の説明を、従来の押し釦スイッチの組み立て方法と比較して説明する。
始めに、図2を用いて、従来の押し釦スイッチ102の構造を説明する。図2に示す押し釦スイッチ102では、押圧突起112が、キートップ116の下面に取り付けられたキーベース118に一体的に形成されている。また、基板102上に接点106が設けられ、その上方に、メタルドームシート110に取り付けられたメタルドーム108が配置されている。しかし、このメタルドームシート110には、押圧突起が備えられていない。
【0042】
このような構成の押し釦スイッチ102を操作者が押動操作する場合、もし、図2(a)に示すように、押圧突起112の位置とメタルドーム108の頂部108aの位置が一致するように押し釦スイッチ104が組み立てられている場合には、メタルドーム108は押圧力によって均等に変形して、操作者に良好なクリック感を与えることができる。
一方、もし、図2(b)に示すように、押圧突起112の位置とメタルドーム108の頂部108aの位置が一致していない状態で押し釦スイッチ104が組み立てられている場合には、メタルドーム108は押圧力によってひずんだ形状に変形して、操作者に良好なクリック感を与えることができない。
【0043】
次に、従来の押し釦スイッチ102を組み立てる場合を考えると、予め基板102上に、メタルドーム108が取り付けられたメタルドームシート110を装着し、図3に示すように、組み立ての最終工程において、押圧突起112を備えたキートップ部材116、118を、基板102上の個々のメタルドーム108に対応した位置に装着する必要がある。
ここで、基板102に部材を組み付ける作業をオンライン作業と称し、オンライン作業を行なう前の事前作業をオフライン作業と称するとすると、従来の押し釦スイッチ102では、オンライン作業で、押圧突起112を備えたキートップ部材116、118を、基板102に装着する必要がある。
【0044】
この場合、既に多くの部材が基板102上に装着された状態において、各押圧突起112の位置と各メタルドーム108の頂部108aの位置とが一致するように、キートップ部材116、118を装着する必要がある。押圧突起112の底面積は小さく、各メタルドーム108の頂部108aは基本的に一点なので、両者の位置を合わせながら装着する作業は、非常に困難な作業である。従って、実際には、図2(a)に示すような組み立て状態ではなく、図2(b)に示すような組み立て状態になる恐れが高い。
【0045】
また、このような押圧突起112とメタルドーム108の頂部108aの位置ずれを回避するため、図4に示すように、筐体120に、キートップ部材116、118の位置を一定範囲内に収めるためのガイド機構を設けることが考えられるが、キートップ部材116、118及び筐体120の開口部に、厳しい寸法精度の加工を行なう必要があり、高い製造コストを要することになる。また、デザインの自由度においても制約が生じるので、意匠的な観点からも好ましくない。
【0046】
一方、図1に示す本発明に係る押し釦スイッチ4を組み立てる工程を図5に示す。
まず、図5(a)に示すように、基板2に装着する前に、オフライン作業で、メタルドーム8を、接着剤28を用いてメタルドームシート10に取り付ける。この場合、オフラインで、メタルドームシート10に単品のメタルドーム8を取り付ける作業なので、メタルドーム8の頂部8aの位置とメタルドームシート8に備えられた押圧突起12の位置とを一致させながら両部材を取り付けることは、比較的容易であるといえる。また、この作業において、治具を用いて位置合わせを行なうことにより、より確実に位置合わせを行なうこともできる。
【0047】
更に、図6に示すように、エンボス加工等によってメタルドーム8に予め凹パターン40を設けておき、メタルドームシート10に予め凹パターン40に対応した形状の凸パターン42を形成しておくこともできる。そして、メタルドーム8及びメタルドームシート10の取り付け時においては、メタルドーム8に設けられた凹パターン40と、メタルドームシート10に設けられた凸パターン42とを嵌合させることによって、正確な位置決めを実現することができる。
なお、キートップ部材の方についても、基板2に装着する前に、オフラインで、キートップ16を接着剤を用いてキーベース18に取り付ける作業を行なう。
【0048】
図5(a)に示すようにメタルドーム8をメタルドームシート10に取り付けた後、図5(b)に示すように、このメタルドーム8が取り付けられたメタルドームシート10を、接点6が設けられた基板2の所定位置に装着する。そして、図5(c)に示すように、基板2にメタルドーム10が装着された状態で、上方から、キートップ部材16、18(つまり、キートップ16が取り付けられたキーベース18)を装着する。
【0049】
この場合、メタルドーム8及びキートップ16の位置ずれについては、既に、押圧突起12の位置とメタルドーム8の頂部8aの位置とが一致するように配置されており、通常、人の指で操作するキートップ16の底面積は、押圧突起12の底面積に比べてかなり大きいので、従来の押圧突起の位置決めのような厳しい精度を要しない。
従って、図5に示す本発明に係る押し釦スイッチ4の組み立て方法によれば、押圧突起12の位置を正確に各メタルドーム8の頂部8aに位置決めして押し釦スイッチ4を組み立てることができるので、良好なクリック感を有する押し釦スイッチ4を安定的に製造することができる。
【0050】
<<メタルドームシートの詳細な構造の説明>>
次に、図1に示す実施形態のメタルドームシート10の構造について、更に詳細な説明を行なう。
図1に示すように、メタルドーム8はドーム形状をした金属部材である。メタルドーム8の材質としては、所定の強度、弾性、電気伝導度、加工性を有する金属であればあらゆる金属を用いることができる。また、鍍金やコーティング等により、接点部分に電気伝導度の高い層を設けることができれば、メタルドーム8の材料として更に幅広い材料を用いることができる。
【0051】
メタルドーム8をメタルドームシート10に取り付ける方法としては、上述の図5を用いた説明では、接着剤28を用いて取り付けている。取り付けに用いる接着剤としては、金属材料と、樹脂またはゴム材料との接着に適した材料であれば、あらゆる種類の接着剤を用いることができる。
また、メタルドーム8をメタルドームシート10に取り付ける方法としては、これに限られるものではなく、溶着を用いることもできる。
【0052】
また、押圧突起12の材料としては、良好なクリック感を得るためある程度の弾性を有する必要があるため、弾性材料を用いることが望ましい。よって、例えば、紫外線硬化樹脂、シリコーンゴム、熱可塑性エストラマー等を用いることが考えられる。また、キートップ16側から加えられた押圧力をメタルドーム8の頂部8aへ伝達するときに、良好なクリック感を得られるだけの弾性を有するため、ある一定の厚み寸法(押動方向の寸法)を有する必要がある。具体的な寸法としては、0.1mm〜0.2mmの寸法が例示できるが、これに限られるものではない。
【0053】
また、押圧突起12をメタルドームシート10に備える態様としては、図1に示すように、押圧突起12とメタルドームシート10とを一体成形することが考えられる。ただし、これに限られるものではなく、押圧突起12とメタルドームシート10を個別に形成して、接着や融着等によって、押圧突起12とメタルドームシート10とを接合することも考えられる。
このメタルドームシート10の材料としては、押圧突起12と一体成形する場合であれば、弾性材料を用いることが望ましく、例えば、紫外線硬化樹脂、シリコーンゴム、熱可塑性エストラマー等を用いることが考えられる。一方、押圧突起12とメタルドームシート10とを個別に形成して接合する場合であれば、押圧突起部分を上述の弾性材料で形成し、メタルドームシート部分を、キートップと同様の樹脂材料で形成することが考えられる。
【0054】
<<導光板として機能する場合の説明>>
次に、図1に示す実施形態のメタルドームシート10が、キートップにバックライトを供給するため、照光を伝達する導光板として機能する場合の詳細な説明を行なう。
本実施態様のメタルドームシート10は、照光をその減衰を最小限に抑えながら伝達することが可能なように、透明または透光性を有する材料からなり、材質としては、例えば、樹脂、ガラス等を例示することができる。また、照光を供給する光源30としては、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が用いることが考えられ、また、冷陰極管を始めとするその他のあらゆる光源を用いることもできる。
【0055】
また、照光の少なくとも一部をキートップ16の方向へ反射させる反射手段14の具体的な構成とてしは、図1に示すように、導光板として機能するメタルドームシート10の下面に白色インクで反射ドットを印刷することによって形成することができる。
ここで、メタルドームシート10の内部を進む照光の更に詳細な動きを説明すると、図1の矢印に示すように、光源30から発した照光は、メタルドームシート10の上面(内面)と下面(内面)との間を反射しながら、全体的な進行方向として略水平方向に進んでいく。このように進む照光の一部が、メタルドームシート10の下面の反射ドットに達したとき、一部の照光が、反射ドットで反射されて、上方のキートップ16の方向へ進むようになる。
【0056】
なお、反射手段14の具体的な実施形態は、反射ドットに限られるものではなく、例えば、メタルドームシートの下面にスタンパーやインジェクションで凹凸を付けることによって形成することもできるし、メタルドームシートの下面に反射板をドット状の粘着材で貼り付けて形成することもできる。
【0057】
また、本実施形態のメタルドームシート10では、1つの光源30から供給された照光を、多数のキートップ16へ均等に供給するための手段が施されている。具体的には、光源30からの距離に応じて、反射手段14で照光を反射させる強さを変更している。つまり、光源30の近くに設けられた反射手段14の反射の強さを弱くして、光源30から遠い反射手段14の反射の強さを強くしている。反射の強さを変更する具体的な方法としては、反射ドットを用いるのであれば、反射ドットの数や反射ドットの密度を変更することが考えられるし、凹凸を用いる場合であれば、凹凸の数、大きさ、深さ等を変更することが考えられる。
【0058】
以上のように、本実施形態のメタルドームシート10では、メタルドームシート10が導光板の機能も果たすので、専用の導光板を追加する必要がなく、バックライトを供給するための光源の数を削減することができる。また、従来のキートップの下側に接合されたキーベース部分を導光板に用いる場合に比べて、本実施形態のメタルドームシート10では、基板2上に光源30を備えることができるので、スペース効率のよい光源の配置が可能であり、また、無駄の少ない配線を行なうことができる。更に、この光源30の配置を利用して、光源30にバックライト供給以外の機能を持たせることも考えられる。
【0059】
更に、本実施形態のメタルドームシート10では、図1に示すように、メタルドームシート10の下面側に反射手段14が設けられた領域において、メタルドームシート10の上面側に着色層24が設けられている。従って、反射手段14によって反射されて、上方のキーベース16へ入射する照光が、この着色層24を通過することによって、着色層24に応じた色彩を有する光を用いてキートップ16を照らし出すことができる。なお、着色層24を設ける位置は、図1に示すようなメタルドームシート10の上面側に限られるものではなく、反射手段14が設けられたメタルドームシート10の下面側に設けることもできるし、メタルドームシート10の内部に設けることもできる。ただし、着色層24をメタルドームシート10の内部に設ける場合には、メタルドームシート10内を通過して他のキートップ16に入射する照光に影響を与えないようにする必要がある。
なお、着色層を設ける方法としては、各種印刷方法を始めとするあらゆる加色手段を用いることができる。
【0060】
以上のように、本実施形態のメタルドームシート10では、光源30から白色光を発生させた場合であっても、着色層24を通過させることによって、所望の色彩を有する照光を、バックライトとしてキートップ16に供給することができるので、様々な色の光でキートップが照らし出された装飾性に富んだ押し釦スイッチ4を提供することができる。
なお、キートップ16に着色層24を設けることによっても、様々な色の光でキートップを照らし出すことが可能となるが、着色層24をキートップ16に設けた場合には、照光を消したときでも、キートップ16が着色層に応じた色で示される。
一方、着色層24をメタルドームシート10に設けた場合には、照光を付けたときにだけ、キートップ16が着色層の色で照らし出されるので、操作者に驚きや強い印象を与えることができるので、更に魅力的な押し釦スイッチ4を提供することができる。
【0061】
(本発明に係るメタルドームシート及びこのメタルドームシートを用いた押し釦スイッチのその他の実施形態の説明)
本発明に係るメタルドームシート及びこのメタルドームシートを用いた押し釦スイッチは、上述の実施形態に限られるものではなく、その他の様々な実施形態が本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係るメタルドームシートを用いた押し釦スイッチの構造を示す側面断面図である。
【図2】従来の押し釦スイッチにおいて、押圧突起によりメタルドームの頂点を押圧する様子を模式的に表した図である。
【図3】従来の押し釦スイッチの組み立てにおいて、押圧突起を備えたキートップ部材をメタルドーム上に装着する様子を模式的に表した図である。
【図4】従来の押し釦スイッチのその他の構造を示す図である。
【図5】本発明に係るメタルドームシートを用いた押し釦スイッチの組み立てにおける主要な工程を示す図である。
【図6】本発明に係るメタルドームシートの組み立てにおいて、メタルドームをメタルドームシートに取り付けるときの1つの実施例を示す図である。
【符号の説明】
【0063】
2 基板
4 押し釦スイッチ
6 接点
8 メタルドーム
8a 頂点
10 メタルドームシート
12 押圧突起
14 反射手段
16 キートップ
16a 上面(操作面)
18 キーベース
20 筐体
20a 隙間
22 マスクシート
24 着色層
26 抜き文字による文字、数字等
28 接着剤
30 基板
102 基板
104 押し釦スイッチ
106 接点
108 メタルドーム
108a 頂点
110 メタルドームシート
112 押圧突起
116 キートップ
118 キーベース
120 筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キートップの押動操作により弾性変形して基板上に設けられた接点と電気的に導通し、該押動操作が解除されると変形状態から復元して前記接点との間の導通を解除するメタルドームが取り付けられたシートであって、
前記キートップ側から加えられた押圧力を前記メタルドームの頂部へ伝達する弾性を有する押圧突起を備えたことを特徴とするメタルドームシート。
【請求項2】
照光を供給する少なくとも1つの光源が取り付けられ、
前記キートップが配置される領域に、前記照光の少なくとも一部を前記キートップの方向へ反射させる反射手段を備えた、
導光板として機能することを特徴とする請求項1に記載のメタルドームシート。
【請求項3】
前記反射手段が設けられた領域に着色層を有することを特徴とする請求項2に記載のメタルド−ムシート。
【請求項4】
キートップと、
前記キートップの押動操作により弾性変形して基板上に設けられた接点と電気的に導通し、該押動操作が解除されると変形状態から復元して前記接点との間の導通を解除するメタルドームと、
前記メタルドームが取り付けられたシートであって、前記キートップ側から加えられた押圧力を前記メタルドームの頂部へ伝達する弾性を有する押圧突起を備え、更に照光を供給する少なくとも1つの光源が取り付けられ、前記キートップが配置される領域に、前記照光の少なくとも一部を前記キートップの方向へ反射させる反射手段を備えた、導光板として機能するメタルベースシートと
を備えたことを特徴とする押し釦スイッチ。
【請求項5】
押圧突起を備えたメタルドームシートを用いた押し釦スイッチの製造方法であって、
メタルドームの頂部の位置と前記押圧突起の位置とが一致するようにメタルドームを前記メタルドームシートに取り付ける工程1と、
前記メタルドームが取り付けられた前記メタルドームシートを基板に装着する工程2と、
前記メタルドームシートが装着された前記基板の前記メタルドームが配置された位置に、キートップ部材を装着する工程3と、
を含む押し釦スイッチの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−269864(P2008−269864A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−108939(P2007−108939)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【出願人】(390001487)サンアロー株式会社 (58)
【Fターム(参考)】