説明

押釦スイッチ

【課題】押圧操作時における舌片部の振動に伴う不所望の振動音の発生を防止すること。
【解決手段】押圧操作を受け付けるステム5と、ステム5に対する押圧操作に応じて駆動されるラバースプリング4と、ラバースプリング4の駆動により駆動される可動接点板3と、ステム5、ラバースプリング4及び可動接点板3を収納可能な収納部21、並びに、可動接点板3と導通する固定接点22を備えたケース2とを具備する押釦スイッチ1において、可動接点板3は、固定接点22との接点部を形成する舌片部32を有し、この舌片部32には、固定接点22と対向する側に突出する複数の突起部34が形成される一方、ラバースプリング4と対向する側に突出する突出部35が形成され、突起部34及び突出部35を除く領域にラバースプリング4との貼り付きを防止する切り欠き部36a、36bが設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押釦スイッチに関し、特に、各種電子機器に装備され、基部が周辺固定接点に常時接触する可動接点体の舌片部を、弾性体の押圧によって中央固定接点に接触させてスイッチングを行う押釦スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種電子機器に装備され、基部が周辺固定接点に常時接触する可動接点体の舌片部を、弾性体の押圧によって中央固定接点に接触させてスイッチングを行う押釦スイッチにおいて、中央固定接点部に対する接触安定性を向上するために舌片部に複数の凸部を設け、これらの凸部の全部又は一部を中央固定接点に点接触可能とするものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−103375号公報、図4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような従来の押釦スイッチにおいては、押圧操作時に弾性体の下面と舌片部の上面とが密着し、舌片部が弾性体に貼り付く事態が発生し得る。そして、押圧操作の解除に応じて弾性体が初期位置に復帰する際、弾性体の移動に伴って舌片部が持ち上げられた後に解放されることで舌片部が振動し、不所望の振動音が発生し得るという問題がある。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、押圧操作時における舌片部の振動に伴う不所望の振動音の発生を防止することができる押釦スイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の押釦スイッチは、押圧操作を受け付ける操作部材と、前記操作部材に対する押圧操作に応じて駆動される弾性体と、前記弾性体の駆動により駆動される可動接点体と、前記操作部材、弾性体及び可動接点体を収納可能な収納部、並びに、前記可動接点体と導通する固定接点を備えたケースとを具備し、前記可動接点体は、前記固定接点との接点部を形成する舌片部を有し、当該舌片部には、前記固定接点と対向する側に突出する複数の突起部が形成される一方、前記弾性体と対向する側に突出する突出部が形成され、前記突起部及び突出部を除く領域に前記弾性体との貼り付きを防止する貼り付き防止部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
上記押釦スイッチによれば、貼り付き防止部により舌片部が弾性体に貼り付くのを防止できることから、操作部材に対する押圧操作が解除され、弾性体の復帰動作に伴って舌片部が持ち上げられる現象を防止できるので、舌片部が振動する事態を防止でき、不所望な振動音が発生するのを防止することが可能となる。
【0008】
例えば、上記押釦スイッチにおいて、前記貼り付き防止部は、前記複数の突起部間を切り欠いた切り欠き部からなる。この場合には、舌片部に切り欠き部が形成されることから、弾性体に対する舌片部の接触面積を減らすことができるので、舌片部が弾性体に貼り付くのを効果的に防止することが可能となる。また、前記貼り付き防止部は、前記複数の突起部間に形成した凹部からなるようにしても良く、表面の凹凸形状により形成されるようにしても良い。この場合においても、切り欠き部を形成する場合と同様に、弾性体に対する舌片部の接触面積を減らすことができるので、舌片部が弾性体に貼り付くのを効果的に防止することが可能である。
【0009】
また、上記押釦スイッチにおいて、前記可動接点体は、前記舌片部、環状部及び前記舌片部と前記環状部とを接続する接続部とを有し、前記複数の突起部は、等間隔に離間して設けられた3つの突起からなり、前記舌片部における前記接続部に近い側に2つ設けられる一方、前記舌片部における前記接続部から遠い側に1つ設けられることが好ましい。舌片部が平板形状を有する場合、舌片部の加工状態に応じて固定接点に安定して接触することができないという事態が発生し得る。本発明のように、舌片部に複数の突起部を設けることにより、舌片部の加工状態に左右されずに突起部の頂部で固定接点に接触することができるので、固定接点に対する舌片部の接触安定性を向上することが可能となる。さらに、3つの突起部を配置することにより、固定接点に対する接触部分を複数確保することができるので、固定接点に対する舌片部の接触安定性を更に向上することが可能となる。
【0010】
特に、上記押釦スイッチにおいて、前記突出部は、前記3つの突起部の中央に配置され、当該突出部の直径は、前記複数の突起部の直径よりも大きくなっていることが好ましい。この場合には、突出部及び複数の突起部が同一の直径で設計され、且つ、これらの中心点の位置関係が本発明と同一の位置関係を有する舌片部に比べて、突出部と複数の突起部との間の距離を縮めることができるので、これらの間の平坦面を縮小でき、弾性体に対する接触面積を低減することが可能となる。
【0011】
また、上記押釦スイッチにおいて、前記3つの突起部の中央に配置され、当該突出部の突出量は、前記複数の突起部の突出量よりも大きくなっていることが好ましい。この場合には、突出部及び複数の突起部の突出量が同一に設計され、且つ、これらの中心点の位置関係が本発明と同一の位置関係を有する舌片部に比べて、弾性体を突出部の頂部により離間させる距離を長くすることができるので、突出部の周縁部近傍において弾性体との非接触部を形成でき、弾性体に対する接触面積を低減することが可能となる。
【0012】
さらに、上記押釦スイッチにおいて、前記切り欠き部は、前記3つの突起部の頂点部を結ぶ仮想円の内周側に入り込んで形成されていることが好ましい。このように切り欠き部を形成することにより、舌片部における弾性体に対する接触面積を確実に低減することができ、舌片部が弾性体に貼り付くのをより効果的に防止することが可能となる。
【0013】
本発明の押釦スイッチは、押圧操作を受け付ける操作部材と、前記操作部材に対する押圧操作に応じて駆動される可動接点体と、前記操作部材及び可動接点体を収納可能な収納部、並びに、前記可動接点体と導通する固定接点を備えたケースとを具備し、押圧操作に応じて前記操作部材を前記ケースの側壁面に沿って摺動可能とした押釦スイッチであって、前記ケースの側壁面に摺接する前記操作部材の摺接部における当該側壁面に対する下端部側の距離を、上端部側の距離よりも短くしたことを特徴とする。
【0014】
上記押釦スイッチによれば、操作部材の摺接部におけるケースの側壁面に対する下端部側の距離を、上端部側の距離よりも短くしたことから、押圧操作に伴って操作部材を傾かせる力が作用した場合に、最も移動量が大きい操作部材の下端部をその上端部よりも先にケースの側壁面に当接させることができるので、押圧操作に伴う操作部材の傾きを軽減でき、操作部材におけるがたつきを防止することが可能となる。
【0015】
上記押釦スイッチにおいては、前記操作部材の上端部から下端部までの中間部まで内側に傾斜する傾斜面を前記摺接部に設け、前記摺接部の下端部を前記傾斜面の傾斜角度に沿った仮想線よりも外側位置に配置する一方、前記ケースの側壁面に前記摺接部の傾斜面の傾斜に沿った傾斜面を設けることが好ましい。このようにケースの側壁面に摺接部の傾斜面の傾斜に沿った傾斜面を設ける一方、摺接部の下端部を当該摺接部の傾斜面の傾斜角度に沿った仮想線よりも外側位置に配置することにより、操作部材の外形寸法を大きくすることなく、ケースの側壁面との間で操作部材の上端部側の距離よりも下端部側の距離を短くすることが可能となる。
【0016】
特に、上記押釦スイッチにおいては、前記摺接部に、当該摺接部の傾斜面の下方側に延出する脚部を設けると共に、前記摺接部の傾斜面を前記脚部の付け根部分よりも下方側まで延在させることが好ましい。この場合には、傾斜面の終端部を支点として脚部を撓ませ易くすることができるので、ケースの側壁面との当接に伴って脚部に作用する力を適度に逃しながら操作部材の傾きを軽減することが可能となる。
【0017】
また、上記押釦スイッチにおいては、前記摺接部の脚部における当該摺接部の傾斜面の下方側部分を直線形状とすることが好ましい。この場合には、脚部における傾斜面の下方側部分が直線形状とされることから、当該部分にケースの側壁面側に傾斜する傾斜面を形成する場合などに比べて、金型の構造を複雑にすることなく操作部材を製造することができるので、金型製造に要するコストを低減することが可能となる。
【0018】
なお、上記押釦スイッチにおいては、前記摺接部の下端部側を上端部側よりも外側の位置に配置させるようにしても良い。この場合には、摺接部の下端部を上端部よりも内側に配置する場合と比べて厳格な加工精度を要求することなく、摺接部におけるケースの側壁面に対する下端部側の距離を、上端部側の距離よりも確実に短くできることから、押圧操作に伴って操作部材を傾かせる力が作用した場合に、確実に操作部材の下端部側をその上端部側よりも先にケースの側壁面に当接させることが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、貼り付き防止部により舌片部が弾性体に貼り付くのを防止できることから、操作部材に対する押圧操作が解除され、弾性体の復帰動作に伴って舌片部が持ち上げられる現象を防止できるので、舌片部が振動する事態を防止でき、不所望な振動音が発生するのを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施の形態に係る押釦スイッチの分解斜視図である。
【図2】上記実施の形態に係る押釦スイッチの外観を示す斜視図である。
【図3】上記実施の形態に係る押釦スイッチの外観を示す上面図である。
【図4】図3に示す実線A−Aにおける押釦スイッチの側断面図である。
【図5】図3に示す実線B−Bにおける押釦スイッチの側断面図である。
【図6】上記実施の形態に係る押釦スイッチが有するステムの摺接部の近傍の模式図である。
【図7】上記実施の形態に係る押釦スイッチが有する可動接点板の平面図(a)及び側面図(b)である。
【図8】上記実施の形態の参照例に係る可動接点板の平面図である。
【図9】上記実施の形態に係る押釦スイッチが有する可動接点板の舌片部のラバースプリングに対する接触面積を説明するための図である。
【図10】図9に示す実線E−Eにおける側断面図である。
【図11】上記実施の形態の参照例に係る可動接点板の舌片部のラバースプリングに対する接触面積を説明するための図である。
【図12】図11に示す実線F−Fにおける側断面図である。
【図13】上記実施の形態の変形例に係る押釦スイッチが有するステムの摺接部の近傍の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る押釦スイッチ1の分解斜視図である。図2及び図3は、本実施の形態に係る押釦スイッチ1の外観を示す斜視図及び上面図である。図4は、図3に示す実線A−Aにおける押釦スイッチ1の側断面図である。図5は、図3に示す実線B−Bにおける押釦スイッチ1の側断面図である。なお、図2〜図5においては、押釦スイッチ1が押圧操作を受けていない初期状態について示している。
【0022】
図1に示すように、本実施の形態に係る押釦スイッチ1は、スイッチの構成部品を収納する収納部21を有するケース2と、このケース2内に収納される可動接点体としての可動接点板3、弾性体としてのラバースプリング4及び操作部材としてのステム5とを含んで構成されている。本実施の形態に係る押釦スイッチ1は、例えば、自動車用のハンドルの一部に装備され、オーディオ装置のチャンネル操作や音量調節などに好適に用いられる。
【0023】
ケース2は、例えば、絶縁性の樹脂材料を成形して形成され、概して上方に開口した箱形状を有している。ケース2は、押釦スイッチ1の底面を構成する底面部22と、底面部22の側縁部から立設される側壁面としての側面部23とを有し、その内部に収納部21が設けられている。底面部22には、周辺固定接点24a及び中央固定接点24bからなる固定接点24がインサート成形されている(図4参照)。これらの周辺固定接点24a及び中央固定接点24bは、その一部が底面部22から露出するように埋設されている。中央固定接点24bは、底面部22の中央に配置されており、周辺固定接点24aは、この中央固定接点24bの外側に配置され、コモン固定接点を構成する。また、周辺固定接点24aの一部は、側壁面23の下端部近傍から外部に導出され、不図示のプリント回路基板などの表面に半田付け可能に構成されている。
【0024】
また、対向する一対の側面部23の上端部近傍の中央部には、後述するステム5の突出片54と係合可能に設けられた係合片25が設けられている。この係合片25は、ラバースプリング4により上方側に付勢されるステム5の一定位置以上の移動を規制する。さらに、各側面部23におけるケース2の角部近傍の内壁には、側面部23の上端部から下端部に向けて僅かに内側に傾斜する傾斜面26が設けられている。この傾斜面26は、ステム5を収納部21に収納する際の作業性を確保するためのテーパ面として機能するものである。
【0025】
可動接点板3は、例えば、ステンレス又はリン青銅などのばね性を有する金属材により形成されている。可動接点板3は、円環形状を有する環状部31と、この環状部31の内縁部から内側に延出する舌片部32と、これらの環状部31と舌片部32とを接続する接続部33とで構成されている。環状部31は、ケース2に埋設された周辺固定接点24aに対応する径に設けられており、その外縁部には、ケース2の内壁面との関係で位置決めするための位置決め片31aが設けられている。舌片部32は、環状部31の中心位置に対応する位置に設けられ、概して、その一部が略扇形状に切り欠かれた円形状を有している。
【0026】
ラバースプリング4は、例えば、絶縁性の弾性材料で形成されている。ラバースプリング4は、ステム5を介して押圧を受ける被押圧部41と、この被押圧部41から延出して設けられる脚部42と、被押圧部41の裏面側に設けられる押圧部43とを有している(押圧部43については図4参照)。被押圧部41は、概して円盤形状を有しており、その上面に後述するステム5の押圧部53に面接触する平面部41aを有している。脚部42は、被押圧部53の周縁部からやや外側に向けて下方側に延出する形状を有している。押圧部43は、被押圧部41の裏面から下方側に突出して設けられ、ケース2の底面部22に配置された可動接点板3の舌片部32に対向して配置されている。
【0027】
ステム5は、例えば、絶縁性の樹脂材料を成形して形成され、概して下方側に開口した箱形状を有している。ステム5は、操作者による押圧操作を受ける上面部51と、この上面部51の側縁部から垂下する側面部52とを有している。上面部51の裏面側には、ラバースプリング4の平面部41を押圧する押圧部53が設けられている(押圧部53については図4参照)。対向する一対の側面部52には、その下端部の中央部分で外側に突出する突出片54が設けられている。これらの突出片54は、ケース2の側面部23に設けられた係合片25と係合する位置に配置されている。また、各側面部52におけるステム5の角部近傍には、側面部52の中央部分よりも僅かに外側に突出する摺接部55が設けられている。摺接部55は、上方側から下方側に向けて僅かに内側に傾斜する傾斜面55aと、この傾斜面55aの下方側に形成された脚部55bとを有している。なお、この摺接部55の構成については後述する。
【0028】
これらの構成部品を有する押釦スイッチ1を組み立てると、図2に示すように、可動接点板3及びラバースプリング4が収納部21内に収納され、ステム5がその一部を露出した状態で収納部21内に収納される。このように組み立てられる押釦スイッチ1において、ケース2から露出するステム5の一部で押圧操作を受け付け可能とされ、押圧操作に応じてステム5がケース2の側面部23に沿って摺動し、ラバースプリング4を駆動する構成となっている。
【0029】
収納部21内において、可動接点板3は、図4に示すように、環状部31が周辺固定接点24aに載置され、その上方にラバースプリング4の脚部42が載置されている。舌片部32は、中央固定接点24bの僅かに上方側の位置で対向して配置されている。ラバースプリング4の押圧部43は、一定距離を空けて舌片部32に臨む位置に配置されている。ステム5は、その押圧部53がラバースプリング4の被押圧部41の平面部41aに載置され、その付勢力により上方側に付勢された状態となっている。
【0030】
ステム5は、図3に示すように、それぞれの角部近傍の2箇所において、摺接部55がケース2の側面部23の傾斜面26に対向して配置された状態で収納部21に収納されている。摺接部55においては、図5に示すように、傾斜面55aと脚部55bの側面とが、僅かな間隙を挟んでケース2の傾斜面26に対向して配置されている。図5に示すように、脚部55bは、摺接部55の下方側部分において、下方側に延出して設けられており、傾斜面55aが形成される部分よりもその肉厚が薄く設けられている。
【0031】
ここで、ステム5の摺接部55の構成について説明する。図6は、本実施の形態に係る押釦スイッチ1が有するステム5の摺接部55の近傍の模式図である。なお、図6においては、図5と同一位置(すなわち、図3に示す実線B−B)における断面を示している。また、図6においては、ケース2に埋設される固定接点24、並びに、可動接点板3及びラバースプリング4を省略している。
【0032】
図6に示すように、ケース2の側面部23に設けられる傾斜面26は、上方部から下端部に向けて僅かに内側に傾斜している。一方、摺接部55の傾斜面55aは、ステム5の上端部から中間部(より具体的には、中央部よりも下方側の部分)まで僅かに内側に傾斜している。摺接部55の傾斜面55aは、ケース2の傾斜面26と対向して配置されており、傾斜面26と略同一の傾斜角度を有している。脚部55bは、摺接部55の下方側部分に設けられている。傾斜面55aは、脚部55bの付け根部分よりも下方側に位置する箇所Cまで延在している。そして、傾斜面55aの下方側に位置する脚部55bの側面は、ケース2の底面部22と垂直な面で構成されている。このように構成することにより、摺接部55においては、ケース2の傾斜面26に対する上端部側の距離(L1)よりも、下端部側の距離(L2)の方が短く構成される。また、脚部55bの下端部の外側部分は、傾斜面55aの傾斜角度に沿って形成される仮想線Dよりも外側の位置に配置される。このような傾斜面26及び摺接部55を設けたのは、押圧操作に伴うステム5の傾きを軽減し、そのがたつきを防止するためである。なお、このようなステム5のがたつきを防止するための構成については後述する。
【0033】
このような構成を有する押釦スイッチ1において、操作者からステム5に押圧操作を受けると、ラバースプリング4の付勢力に抗してステム5が押し下げられる。ラバースプリング4の押圧部43が可動接点板3の舌片部32に到達し、更にステム5が押し下げられると、舌片部32の下面が中央固定接点22bに接触する。これにより、舌片部32を介して周辺固定接点22aと、中央固定接点22bとが導通状態とされ、ケース2から導出された固定接点22の一部からスイッチオン信号が外部出力される。
【0034】
一方、ステム5に対する押圧操作が解除されると、ラバースプリング4の付勢力に応じてステム5が押し上げられ、初期位置(図3に示す位置)に復帰する。この場合、可動接点板3の舌片部32は、ラバースプリング4の押圧部43の押圧力から解放され、初期位置(図3に示す位置)に復帰する。これにより、舌片部32を介した周辺固定接点22aと中央固定接点22bとの導通状態が解除され、スイッチオン信号の出力が停止される。
【0035】
ここで、本実施の形態に係る押釦スイッチ1が有する可動接点板3の構成について説明する。図7(a)、(b)は、それぞれ本実施の形態に係る押釦スイッチ1が有する可動接点板3の平面図、側面図である。なお、図7(a)、(b)においては、押釦スイッチ1が押圧操作を受けていない初期状態における可動接点板3を示している。
【0036】
図7(b)に示すように、可動接点板3の舌片部32及び接続部33は、水平に配置される環状部31から僅かに上方側に延出するように設けられている。そして、ラバースプリング4の駆動に伴う押圧部43の接触/離間により、舌片部32が中央固定接点24bに接離可能に構成されている。舌片部32の下面には、ケース2の底面部に埋設された固定接点24側(すなわち、図7(b)に示す下方側)に突出する複数(本実施の形態では3つ)の突起部34(34a〜34c)が設けられている。一方、舌片部32の上面には、ラバースプリング4側(すなわち、図7(b)に示す上方側)に突出する突出部35が設けられている。複数の突起部34は、可動接点板3の舌片部32における中央固定接点24bに対する接触安定性を向上するために設けられている。一方、突出部35は、押圧操作に伴って舌片部32がラバースプリング4の押圧部42に貼り付くのを防止するために設けられている。
【0037】
これらの突起部34及び突出部35は、例えば、可動接点板3にプレス加工を施すことで形成され、球体の一部を構成する形状に設けられている。図7(a)に示すように、突出部35は、舌片部32の中央部に設けられている。一方、3つの突起部34a〜34cは、舌片部32の下面において等間隔に配置されている。これらの3つの突起部34a〜34cのうち、2つの突起部34a、34bは、接続部33に近い位置に設けられている。残りの突起部34cは、接続部33から遠い位置に設けられ、平面視にて突出部35を挟んで接続部33と反対側の位置に設けられている。このように3つの突起部34a〜34cを配置することにより、中央固定接点24bに対する接触部分を複数確保することができるので、中央固定接点24bに対する舌片部32の接触安定性を更に向上することが可能となる。
【0038】
舌片部32は、図7(a)に示すように、概して円形状を有しており、その一部に貼り付き防止部としての一対の切り欠き部36a、36bが形成されている。切り欠き部36a、36bは、略扇形状を有しており、舌片部32における3つの突起部34a〜34c及び突出部35を除く領域に形成されている。具体的には、切り欠き部36aが突起部34aと突起部34cとの間に形成され、切り欠き部36bが突起部34bと突起部34cとの間に形成されている。なお、これらの切り欠き部36a、36bの一部は、3つの突起部34a〜34cの頂点部を結んだ仮想円(図7(a)に示す点線参照)の内側に入り込むように形成されている。
【0039】
これらの切り欠き部36a、36bは、舌片部32自体の表面積を削減するものである。このように舌片部32に切り欠き部36a、36bを形成することにより、ラバースプリング4の押圧部43に対する舌片部32の接触面積を低減することができ、舌片部32が押圧部43に貼り付くのを防止することができる。この結果、ステム5に対する押圧操作が解除され、ラバースプリング4が初期位置に復帰する際、ラバースプリング4の移動に伴って舌片部32が持ち上げられる現象を防止できるので、舌片部32が振動する事態を防止でき、不所望な振動音が発生するのを防止することが可能となる。
【0040】
特に、本実施の形態に係る舌片部32においては、3つの突起部34a〜34cの頂点部を結んだ仮想円の内側に一部が入り込むように切り欠き部36a、36bを形成している。このように切り欠き部36a、36bを形成することにより、ラバースプリング4の押圧部43に対する接触面積を大幅に低減することができ、舌片部32がラバースプリング4の押圧部43に貼り付く事態を効果的に防止することができるものとなっている。
【0041】
この場合において、突出部35の直径は、突起部34a〜34cの直径よりも大きく設計されている。これにより、突出部35及び突起部34a〜34cが同一の直径で設計され、且つ、これらの中心点の位置関係が本実施の形態と同一の位置関係を有する舌片部32´に比べて、突出部35と突起部34a〜34cとの間の距離を縮めることができるので、これらの間の平坦面を縮小でき、ラバースプリング4の押圧部43に対する接触面積を低減することが可能となる。
【0042】
また、突出部35における突出量は、突起部34a〜34cにおける突出量よりも大きく設計されている。これにより、突出部35及び突起部34a〜34cの突出量が同一に設計され、且つ、これらの中心点の位置関係が本実施の形態と同一の位置関係を有する舌片部32´に比べて、ラバースプリング4の押圧部43を突出部35の頂部により離間させる距離を長くすることができるので、突出部35の周縁部近傍において当該押圧部43との非接触部を形成でき、ラバースプリング4の押圧部43に対する接触面積を低減することが可能となる。
【0043】
ここで、本実施の形態に係る可動接点板3の舌片部32と類似する舌片部32´を有する可動接点板3´を参照しながら、本実施の形態に係る可動接点板3で得られる上記効果について説明する。図8は、本実施の形態の参照例に係る可動接点板3´の平面図である。なお、図8に示す可動接点板3´において、突起部34a´〜34c´の直径は、本実施の形態に係る舌片部32の突起部34a〜34cの直径と同一寸法に設計されている。また、図8に示す可動接点板3´においては、説明の便宜上、本実施の形態に係る可動接点板3と共通する構成について、語尾に「´」を付与することで識別するものとする。
【0044】
図8に示す可動接点板3´の舌片部32´においては、突起部34a´〜34c´及び突出部35´が同一寸法の直径で設計されると共に、同一の突出量に設計され、且つ、これらの中心点の位置関係が本実施の形態に係る舌片部32と同一の位置関係を有している。なお、図8に示す舌片部32´においては、本実施の形態に係る舌片部32と異なり、切り欠き部36a、36bは、形成されていない。
【0045】
図9は、本実施の形態に係る押釦スイッチ1が有する可動接点板3の舌片部32のラバースプリング4に対する接触面積を説明するための図である。図10は、図9に示す実線E−Eにおける側断面図である。図11は、本実施の形態の参照例に係る可動接点板3´の舌片部32´のラバースプリング4に対する接触面積を説明するための図である。図12は、図11に示す実線F−Fにおける側断面図である。なお、図9〜図12においては、ラバースプリング4により押圧された状態の可動接点板3、3´について示している。また、図9及び図11においては、ラバースプリング4に対する接触領域を斜線部で示している。
【0046】
本実施の形態に係る可動接点板3の舌片部32においては、図9に示すように、突出部35の頂部の一部領域と、舌片部32における接続部33側の一部領域と、突起部34a〜34cの外側の一部領域とでラバースプリング4の押圧部43に接触した状態となっている。これに対し、参照例に係る可動接点板3´の舌片部32´においては、図11に示すように、突出部35´の周縁部の一部領域を除き、舌片部32´の略全領域でラバースプリング4の押圧部43に接触した状態となっている。このように本実施の形態に係る可動接点板3の舌片部32においては、参照例に係る可動接点板3´の舌片部32´に比べてラバースプリング4の押圧部43に対する接触面積を大幅に低減することができ、ラバースプリング4の復帰動作に伴って舌片部32が持ち上げられる現象を防止することが可能となる。
【0047】
このようなラバースプリング4の押圧部43に対する舌片部32の接触面積の低減は、一対の切り欠き部36a、36bを舌片部32に形成したことに加え、突出部35の直径を突起部34a〜34cの直径よりも大きく設計したこと、並びに、突出部35の突出量を突起部34a〜34cの突出量よりも大きく設計したことにより実現されている。
【0048】
すなわち、図10に示すように、突出部35の直径を突起部34a〜34cよりも大きく設計した場合には、突出部35と突起部34との間のクリアランスC1を小さくすることができる。また、突出部35の突出量を突起部34a〜34cの突出量よりも大きく設計した場合には、舌片部32の平坦部と突出部35の頂部とのギャップG1を大きく取ることができる。これにより、突出部35の頂部によりラバースプリング4の押圧部43が持ち上げられる量が大きいことから、突出部35の周縁部近傍に押圧部43との非接触部NC1を形成することができる。また、突出部35の周縁部から近い位置に突起部34a〜34cが配置されていることから、突起部34a〜34cの上面(凹面)に押圧部43の一部が入り込むのを防止することができる。この結果、ラバースプリング4の押圧部43に対する舌片部32の接触面積を低減可能となっている。
【0049】
例えば、本実施の形態に係る舌片部32において、ラバースプリング4の押圧部43に対する接触面積を低減するためには、以下の条件を満たすことが望ましい。ここでは、説明の便宜上、突出部35の直径を「D1」と呼び、突起部34の直径を「D2」と呼ぶものとする。
i)突出部35の直径D1/クリアランスC1=0.33以上であること
iia)突出部35の直径D1/突起部34の直径D2=1.1以上であること
iib)突出部35の直径D1/クリアランスC1=1.5以上であること
このような条件を満たす場合には、ラバースプリング4の押圧部43に対する接触面積の低減を実現でき、ラバースプリング4の復帰動作に伴って舌片部32が持ち上げられる現象を効果的に防止することが可能となる。
【0050】
一方、図12に示すように、突起部34a´〜34c´の直径を突出部35´の直径と同一寸法に設計した場合には、突出部35´と突起部34´との間のクリアランスC2が、上記クリアランスC1に比べて大きくなる。また、突出部35´の突出量を突起部34a´〜34c´の突出量と同一量に設計した場合には、舌片部32´の平坦部と突出部35´の頂部とのギャップG2が、上記ギャップG1に比べて小さくなる。この場合、突出部35´の頂部によりラバースプリング4の押圧部43が持ち上げられる量が小さいことから、突出部35´の周縁部近傍に小さな非接触部NC2が形成されるものの、図10に示す非接触部NC1ほど大きな非接触部が形成されることはない。また、突出部35´の周縁部から遠い位置に突起部34a´〜34c´が配置されていることから、突起部34a´〜34c´の上面(凹面)に押圧部43の一部が入り込むのを防止することができていない。この結果、ラバースプリング4の押圧部43に対して舌片部32´の略全領域で接触することとなり、押圧部43に対する接触面積を低減することができていない。
【0051】
このように本実施の形態に係る押釦スイッチ1においては、可動接点板3の舌片部32に、例えば、切り欠き部36a、36bからなる貼り付き防止部を形成したことから、舌片部32がラバースプリング4の押圧部43に貼り付くのを防止することができる。これにより、ステム5に対する押圧操作が解除され、ラバースプリング4の復帰動作に伴って舌片部32が持ち上げられる現象を防止できるので、舌片部32が振動する事態を防止でき、不所望な振動音が発生するのを防止することが可能となる。
【0052】
なお、本実施の形態に係る押釦スイッチ1においては、上述のように、ケース2の側面部23に傾斜面26を設ける一方、ステム5の側面部52に傾斜面55a及び脚部55bを有する摺接部55を設けることにより、押圧操作に伴うステム5のがたつきを防止している。例えば、このような押圧操作に伴うステムのがたつきを防止するものとして、ステムの下端部に設けられた脚部を延出させ、ケースに設けられた凹部内に挿入させる押釦スイッチが提案されている(特開2007−323967号公報)。しかしながら、このような構成を有する従来の押釦スイッチにおいては、ステムが初期位置に配置される場合において、ステムと凹部の壁面とがステムの移動方向に重なる部分が必要となり、ステムの移動量が制限されてしまう。
【0053】
本実施の形態に係る押釦スイッチ1においては、ケース2の側面部23に傾斜面26を設ける一方、ステム5の側面部52に傾斜面55a及び脚部55bを有する摺接部55を設けることにより、ステム5の摺接部55の上端部側と下端部側とでケース2の側面部23の内壁面からの距離を異ならせ、上端部側の距離(図6に示す「L1」)よりも下端部側の距離(図6に示す「L2」)を短くしている。これにより、押圧操作に伴ってステム5を傾かせる力が作用した場合に、最も移動量が大きいステム5の下端部をその上端部よりも先にケース2の側面部23の内壁面に当接させることができるので、押圧操作に伴うステム5の傾きを軽減でき、ステム5におけるがたつきを防止することが可能となっている。
【0054】
特に、摺接部55の上方側部分に上方側から下方側に向けて僅かに内側に傾斜する傾斜面55aを設けると共に、摺接部55の下方側部分にその側面がケース2の底面部22と垂直面を構成する脚部55bを設け、脚部55bの下端部を仮想線D(図6参照)よりも外側に配置する一方、ケース2の側面部23に摺接部55の傾斜面55aに沿った傾斜面26を設けている。これにより、ステム5の外形寸法を大きくすることなく、ケース2の側面部23の内壁面との間でステム5の上端部側の距離よりも下端部側の距離を短くすることが可能となっている。
【0055】
また、摺接部55においては、脚部55bの付け根部分よりも下方側に位置する箇所Cまで傾斜面55aを延在させていることから、当該箇所Cを支点として脚部55bを撓ませ易くすることができるので、ケース2の側面部23の内壁面との当接に伴って脚部55bに作用する力を適度に逃しながらステム5の傾きを軽減することが可能となっている。
【0056】
さらに、摺接部55においては、傾斜面55aの下方側に配置される部分、すなわち、脚部55bの側面部の一部を直線形状としていることから、当該部分にケース2の側面部23側に傾斜する傾斜面等を形成する場合と比べて、金型の構造を複雑にすることなくステム5を製造することができるので、金型製造に要するコストを低減することが可能となっている。
【0057】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0058】
例えば、上記実施の形態においては、可動接点板3の舌片部32に貼り付き防止部として一対の切り欠き部36a、36bを形成する場合について説明しているが、貼り付き防止部の構成については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、切り欠き部36a、36bに対応する位置に舌片部32の平坦部よりも下方側に配置される凹部により貼り付き防止部を構成するようにしても良い。また、舌片部32の表面に形成した凹凸形状により貼り付き防止部を構成することも可能である。これらのように貼り付き防止部を構成したいずれの場合においても、舌片部32とラバースプリング4の押圧部43との接触面積を低減することができ、片部32が押圧部43に貼り付くのを防止することが可能である。
【0059】
また、上記実施の形態においては、ステム5の摺接部55において、その上端部側が下端部側よりも外側に配置される構成を前提として説明しているが、摺接部55の構成については、これに限定されるものではなく、その上端部側よりも下端部側が外側に配置される構成としても良い。例えば、このような摺接部55の構成は、脚部55bにおける底面部22との垂直面を構成する側面を、下方側に向かってケース2の側面部23側に傾斜する傾斜面に変更することで実現される。
【0060】
図13は、本実施の形態の変形例に係る押釦スイッチ1が有するステム5の摺接部55の近傍の模式図である。なお、図13においては、図6と同一位置における断面を示しており、ケース2に埋設される固定接点24、並びに、可動接点板3及びラバースプリング4を省略している。
【0061】
図13に示す摺接部55においては、脚部55bにおける傾斜面55aの下方側における側面が、下方側に向かってケース2の側面部23側に傾斜する傾斜面55cを有する点で上記実施の形態に係る摺接部55と相違する。この場合において、傾斜面55cを有する脚部55bの下端部の外側部分は、摺接部55(傾斜面55a)の上端部よりも外側に配置されている。
【0062】
図13に示す摺接部55においては、ケース2の側面部23に傾斜面26を設ける一方、ステム5の側面部52に傾斜面55a及び傾斜面55cを有する摺接部55を設けることにより、ステム5の摺接部55における上端部側の距離(図13に示すL1)よりも下端部側の距離(図13に示すL2´)を短くしている。この場合には、上記実施の形態のように、摺接部55の下端部側を上端部側よりも内側に配置する場合と比べて厳格な加工精度を要求することなく、摺接部55におけるケース2の側面部23の内壁面に対する下端部側の距離を、上端部側の距離よりも確実に短くできるので、押圧操作に伴ってステム5を傾かせる力が作用した場合に、確実にステム5の下端部側をその上端部側よりも先にケース2の側面部23の内壁面に当接させることができ、押圧操作に伴うステム5の傾きを軽減することが可能となる。
【符号の説明】
【0063】
1 押釦スイッチ
2 ケース
21 収納部
22 底面部
23 側面部
24 固定接点
24a 周辺固定接点
24b 中央固定接点
25 係合片
26 傾斜面
3 可動接点板
31 環状部
32 舌片部
33 接続部
34、34a〜34c 突起部
35 突出部
36a、36b 切り欠き部
4 ラバースプリング
41 被押圧部
41a 平面部
42 脚部
43 押圧部
5 ステム
51 上面部
52 側面部
53 押圧部
54 突出片
55 摺接部
55a 傾斜面
55b 脚部
55c 傾斜面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
押圧操作を受け付ける操作部材と、前記操作部材に対する押圧操作に応じて駆動される弾性体と、前記弾性体の駆動により駆動される可動接点体と、前記操作部材、弾性体及び可動接点体を収納可能な収納部、並びに、前記可動接点体と導通する固定接点を備えたケースとを具備し、
前記可動接点体は、前記固定接点との接点部を形成する舌片部を有し、当該舌片部には、前記固定接点と対向する側に突出する複数の突起部が形成される一方、前記弾性体と対向する側に突出する突出部が形成され、前記突起部及び突出部を除く領域に前記弾性体との貼り付きを防止する貼り付き防止部が設けられていることを特徴とする押釦スイッチ。
【請求項2】
前記貼り付き防止部は、前記複数の突起部間を切り欠いた切り欠き部からなることを特徴とする請求項1記載の押釦スイッチ。
【請求項3】
前記貼り付き防止部は、前記複数の突起部間に形成した凹部からなることを特徴とする請求項1記載の押釦スイッチ。
【請求項4】
前記貼り付き防止部は、表面の凹凸形状により形成されていることを特徴とする請求項1記載の押釦スイッチ。
【請求項5】
前記可動接点体は、前記舌片部、環状部及び前記舌片部と前記環状部とを接続する接続部とを有し、前記複数の突起部は、等間隔に離間して設けられた3つの突起からなり、前記舌片部における前記接続部に近い側に2つ設けられる一方、前記舌片部における前記接続部から遠い側に1つ設けられることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の押釦スイッチ。
【請求項6】
前記3つの突起部の中央に配置され、当該突出部の直径は、前記複数の突起部の直径よりも大きくなっていることを特徴とする請求項5記載の押釦スイッチ。
【請求項7】
前記3つの突起部の中央に配置され、当該突出部の突出量は、前記複数の突起部の突出量よりも大きくなっていることを特徴とする請求項5又は請求項6押釦スイッチ。
【請求項8】
前記切り欠き部は、前記3つの突起部の頂点部を結ぶ仮想円の内周側に入り込んで形成されていることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれかに記載の押釦スイッチ。
【請求項9】
押圧操作を受け付ける操作部材と、前記操作部材に対する押圧操作に応じて駆動される可動接点体と、前記操作部材及び可動接点体を収納可能な収納部、並びに、前記可動接点体と導通する固定接点を備えたケースとを具備し、押圧操作に応じて前記操作部材を前記ケースの側壁面に沿って摺動可能とした押釦スイッチであって、
前記ケースの側壁面に摺接する前記操作部材の摺接部における当該側壁面に対する下端部側の距離を、上端部側の距離よりも短くしたことを特徴とする押釦スイッチ。
【請求項10】
前記操作部材の上端部から下端部までの中間部まで内側に傾斜する傾斜面を前記摺接部に設け、前記摺接部の下端部を前記傾斜面の傾斜角度に沿った仮想線よりも外側位置に配置する一方、前記ケースの側壁面に前記摺接部の傾斜面の傾斜に沿った傾斜面を設けたことを特徴とする請求項9記載の押釦スイッチ。
【請求項11】
前記摺接部に、当該摺接部の傾斜面の下方側に延出する脚部を設けると共に、前記摺接部の傾斜面を前記脚部の付け根部分よりも下方側まで延在させたことを特徴とする請求項10記載の押釦スイッチ。
【請求項12】
前記摺接部の脚部における当該摺接部の傾斜面の下方側部分を直線形状としたことを特徴とする請求項11記載の押釦スイッチ。
【請求項13】
前記摺接部の下端部を上端部よりも外側の位置に配置させたことを特徴とする請求項9から請求項12のいずれかに記載の押釦スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−100678(P2011−100678A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−256002(P2009−256002)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】