説明

振動式粉粒体排出装置

【課題】 排出能力を低減させることなく、フラッシング性の高い粉粒体のフラッシングを防止することができる振動式粉粒体排出装置を提供する。
【解決手段】 粉粒体を貯槽する貯槽装置の下側に配置され、貯槽装置に貯槽された粉粒体を排出する振動式粉粒体排出装置であって、底面に排出口を有する本体と、本体内部の排出口の貯槽装置側に配置され、貯槽装置側に凸で、排出口の開口径よりも大きい外径を備える障壁部材と、本体に所定の振動を与える加振手段と、加振手段を制御する制御部とを有し、本体の底面の排出口周りに配置され、粉粒体の流動方向を案内し、粉粒体の流れを減速させる制流手段を少なくとも1つ備えることにより、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に振動を与えることにより、容器から粉粒体を排出する振動式粉粒体排出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、粉粒体の排出装置としては、サークルフィーダ、テーブルフィーダ等の排出装置が知られているが、粉粒体を貯槽するサイロ(タンク)底部から粉粒体を排出する(切り出す)装置としては、一般にバイブロディスチャージャー(VD)と呼ばれる振動式粉粒体排出装置が用いられている。
ここで、振動式粉粒体排出装置は、基本的にサイロの底部に設けられ、粉粒体を排出する排出口付近を振動させて粉粒体を排出する装置であり、下記に示すような種々の装置が提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3および特許文献4)。
【0003】
図7は、特許文献1に開示された振動フィーダー200の概略構成を示す断面図である。
振動フィーダー200は、タンク202の底部に適当な弾性部材204を介して取り付けられ、漏斗部材206と、その上方にこれと同心的に配置された上向きに凸の、すなわち円錐型の障壁部材208から構成されている。漏斗部材206は、上方斜壁部215、水平環状部212および下方斜壁部214を備えている。上方斜壁部215の上端部216と下方斜壁部214の下端部218は、垂直に形成され、それぞれタンク202と図示していないスクリューフィーダーへの連結が容易に出来るようになっている。また、水平環状部212の外径は、障壁部材208の下端部の直径よりも小さい。このような振動フィーダー200に、図には示されていない適宜の振動手段により振動を与えることで、流動化した粉粒体が矢印方向に流れ出す。
【0004】
また、引用文献2には、下端を開口してなる上位筒体部、同上位筒体を床面(地面)上に固定支持するホッパ支持柱、上位筒体部の真下に配設されてなる円錐形の下位コーン部、下位コーン部を上位筒体部から自由揺動状態に吊支する吊支機構および下位コーン部の外周縁上であってかつ半径方向に対向する二位置に取り付けられる揺動モータ等の振動発生装置より構成される。さらに、上記構成において上位筒体部には、中央部にブリッジ防止用コーンが取り付けられ、一方その下端がキャンバス等の可とう性素材よりなる環状連結体を介して下位コーン部と連結されている振動ホッパが開示されている。
特許文献2の振動ホッパでは、下位ホッパ部を振動させることで、たとえホッパ本体内にブリッジが生じていても同ブリッジは容易に崩壊し材料排出口より円滑に排出され、また、ホッパ本体の内部にブリッジ防止用コーンを有することで、その排出をさらに円滑なものにすることができると開示されている。
また、特許文献3には、障壁部材が同心的に所定間隔離間して2箇所に配置された材料流れ促進装置が開示されている。
【0005】
また、特許文献4には、材料供給の停止後毎に排出開口を塞ぐ必要はなく、しかも振動上、構造強度上好ましい振動ホッパーを提供することを目的として、底部に一方向に延びる排出開口を形成させ、振動可能に支持されたホッパー本体と、排出開口の上方で、該排出開口に平行に延びホッパー本体に固定された材料直圧受け板と、該材料直圧受け板の延在方向に振動力を与えるべくホッパー本体に取り付けられた加振機と、ホッパー本体の底部に対し摺動可能に、かつ排出開口の両側に配設された一対のゲート板とを具備し、材料直圧受け板の両側縁から排出用開口の両側縁にまで引いた各直線が水平線に対して成す角度が該ホッパー本体内に貯蔵する材料の安息角より小となるように調節可能としたことを特徴とする振動ホッパーが開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開昭59−223628号公報
【特許文献2】特開昭56−57668号公報
【特許文献3】特開昭56−161973号公報
【特許文献4】特開昭59−108627号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、粉粒体の排出時に排出装置自身を振動させることで、粉粒体がブリッジ等を形成することを防止し、効率よく粉粒体を排出することができる。
ここで、現在、特に食品製造業においては、一つの製造ラインで異なる製品を作る、いわゆる多品種製造が多くなってきており、製造する製品に応じて製造ラインに対応したサイロ(タンク)に貯槽される粉粒体の種類も変更されることが多い。そのため、振動式粉粒体排出装置は、サイロに貯槽されている種々の粉粒体、フラッシング性の高い粉粒体や、逆にフラッシング性の低い粉粒体に対応する必要がある。ここで、フラッシングとは、粉粒体があたかも液体のような挙動を示し、流路が繋がっていれば装置内を通過して粉粒体が排出口から流出することをいう。
【0008】
しかしながら、フラッシング性の高い粉粒体を貯槽した場合、上記特許文献1、特許文献2および特許文献3に開示の排出装置では、フラッシングを食い止めることができず流出を免れなかったため、後段に別の遮蔽装置を設ける必要があった。この遮蔽装置としてよく使用される手段としては、排出装置の直下にスクリューコンベアを置くものが挙げられる。これにより、スクリューコンベアを起動しない限り、粉粒体はスクリューコンベアのトラフ内で停滞し、フラッシングを防ぐことができるが、スクリューコンベアという余分な装置が必要となる。
また、上記特許文献1、特許文献2および特許文献3に開示の排出装置では、障壁部材の下端と底部開口を接近させることでフラッシングを防止するとしているが、障壁部材と底部開口との間隔を変えることはできないので、高フラッシング性粉粒体のフラッシングを防止することができる狭い間隔に設定すると排出能力が低下するという問題点がある。
【0009】
また、特許文献4に開示の振動ホッパーは、ゲート板の位置を調節することで、ゲート板の側縁部(排出口)と材料直圧受け板(障壁部材)との間隙を調節することができ、各種の材料に適用できるとしている。しかしながら、位置を調整したゲート板をナットで固定する必要があるため、位置を調節するのが難しく、また、ナットを弛め、ゲート板の位置を調節し、ナットを締めるという工程を手作業で行わなければならないという問題点がある。
【0010】
さらに、上述のように製造する製品に応じた種類の異なる粉粒体を同一のサイロに貯槽するため、コンタミネーション防止の見地から貯槽される粉粒体の種類を変更する時に完全清掃が必要となる場合がある。
しかしながら、上記特許文献に開示された振動式粉粒体排出装置は、一度サイロに接続されると、サイロと振動式粉粒体排出装置は密閉構造となり、また、装置自体も重いため、装置自体を取り外して清掃することは、非常に手間がかかり困難であるという問題点もある。
【0011】
また、上記特許文献に開示された振動式粉粒体排出装置は、排出量を調整する機能を備えていないため、後段にスクリューコンベア等の粉粒体の排出量を制御する排出量調整装置を設置していた。このため、装置構成が複雑になり、装置コストがかかるという問題がある。
【0012】
本発明の第1の目的は、上記従来技術の問題を解決し、排出能力を低減させることなく、フラッシング性の高い粉粒体のフラッシングを防止することができる振動式粉粒体排出装置を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、装置内の清掃を容易に行うことができる振動式粉粒体排出装置を提供することにある。
さらに、本発明の第3の目的は、スクリューコンベア等の排出量を調節する装置を用いることなく、排出量を調節することができる振動式粉粒体排出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記第1の目的を達成するために、本発明は、粉粒体を貯槽する貯槽装置の下側に配置され、前記貯槽装置に貯槽された粉粒体を排出する振動式粉粒体排出装置であって、底面に排出口を有する本体と、前記本体内部の前記排出口の前記貯槽装置側に配置され、前記貯槽装置側に凸で、前記排出口の開口径よりも大きい外径を備える障壁部材と、前記本体に所定の振動を与える加振手段と、前記加振手段を制御する制御部とを有し、前記本体の底面の前記排出口周りに配置され、粉粒体の流動方向を案内し、粉粒体の流れを減速させる制流手段を少なくとも1つ備えることを特徴とする振動式粉粒体排出装置を提供する。
ここで、本発明において、制流手段とは、通常、本体の底面に垂直に所定間隔離間して配置された板状部材のことをいう。
また、前記制流手段は、前記排出口の接線上に配置されていることが好ましい。
さらに、前記本体は、上部と下部に分離可能な構造であることが好ましい。
さらに、前記上部および前記下部の外壁の所定部分に回転軸となる支点部を有し、前記支点部を回転軸として、前記上部と前記下部とを、前記上部と前記下部との接触面と平行な方向に相対的に回動させ、前記上部と前記下部とを分離させることが可能であることが好ましい。
【0014】
また、前記制御部は、前記加振手段の加振周波数を調整し、排出量を制御することが好ましい。
さらに、前記制御部は、前記貯槽装置の開口部からの粉粒体の供給停止後、所定時間前記本体を粉粒体排出時に加振する方向と同じ方向に振動させ、その後、粉粒体排出時に加振する方向とは逆方向に前記本体を振動させるように前記加振手段を制御することが好ましい。
【0015】
上記第2の目的を達成するために、本発明は、粉粒体を貯槽する貯槽装置の下側に配置され、前記貯槽装置に貯槽された粉粒体を排出する振動式粉粒体排出装置であって、底面に排出口を有する本体と、前記本体内部の前記排出口の前記貯槽装置側に配置され、前記貯槽装置側に凸で、前記排出口の外径よりも大きい外径を備える障壁部材と、前記本体に所定周波数の振動を与える加振手段と、前記加振手段を制御する制御部とを有し、前記本体は、上部と下部に分離可能な構造であることを特徴とする振動式粉粒体排出装置を提供する。
【0016】
上記第3の目的を達成するために、本発明は、粉粒体を貯槽する貯槽装置の下側に配置され、前記貯槽装置に貯槽された粉粒体を排出する振動式粉粒体排出装置であって、底面に排出口を有する本体と、前記本体内部の前記排出口の前記貯槽装置側に配置され、前記貯槽装置側に凸で、前記排出口の外径よりも大きい外径を備える障壁部材と、前記本体に所定周波数の振動を与える加振手段と、前記加振手段を制御する制御部とを有し、前記制御部は、前記加振手段の加振周波数を調整し、排出量を制御することを特徴とする振動式粉粒体排出装置を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、振動式粉粒体排出装置の本体底面に制流手段を設けることで、障壁部材の底面と排出口との距離が従来よりも大きい場合でもフラッシングを防止することができ、さらに、障壁部材の底面と排出口との距離を従来よりも大きくすることができ、排出流量を一定以上に維持することができる。すなわち、排出能力を低減させることなく、かつフラッシング性の高い粉粒体であってもフラッシングを低減することができる。
【0018】
また、本発明によれば、振動式粉粒体排出装置の本体を上部と下部とに分離可能にすることで、内部の清掃を容易に行うことができる。
【0019】
さらに、本発明によれば、加振手段の加振周波数を調整し、排出量を調整することで、必要に応じた量の粉粒体を排出させることができる。つまり、スクリューコンベア等の排出量を調節する装置を用いることなく、排出量を調節することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の振動式粉粒体排出装置について、添付の図面に示される好適実施例を基に、詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係る振動式粉粒体排出装置(以下、単に排出装置ともいう)をサイロに取付けた粉粒体切り出し装置10の概略構成を示す模式図である。
【0022】
粉粒体切り出し装置10は、粉粒体が貯槽されるサイロ12と、サイロ12に貯槽された粉粒体を排出する排出装置14と、サイロ12および排出装置14を支持する支持体16と、排出装置14と支持体16とを接続する防振装置20と、サイロ12と排出装置14とを接続するフレキシブルな接続部材22とを有する。
【0023】
サイロ12は、例えば、上側は所定径、所定高さの円筒形状、下側は底部に向かうに従って徐々に径が小さくなる漏斗形状である。また、この漏斗形状の下端つまりサイロ12の底部は、所定径の開口部となっており、図示していないが、上部には粉粒体を投入する投入口が形成されている。この投入口から投入された粉粒体がサイロ12内部に貯槽される。この他、サイロ12は、下側に漏斗形状を持たない、一様の寸胴型であってもよい。また、サイロ12は、底部の開口部にスライドゲートを備え、スライドを開閉させて、排出装置14への粉粒体の供給状態、供給停止状態を切り替える。
【0024】
本発明における実施形態である排出装置14は、図1に示すように、その上面にサイロ12の底部の開口部と略同じ形状の開口を有し、その開口部は接続部材22を介してサイロ12の底部の開口部と接続されている。このように排出装置14は、サイロ12の底部の開口部と接続部材22を介して接続され、サイロ12に貯槽された粉粒体は、サイロ12の底部の開口部および接続部材22の内部を通過して排出装置14に供給される。さらに、排出装置14を振動させることで、粉粒体は、排出装置14から排出される。本発明の排出装置14については、後ほど図2および図3に基づいて詳細に説明する。
【0025】
支持体16は、サイロ12を所定位置に支持し、また、排出装置14を、防振装置20を介して、支持している。
ここで、防振装置20は、防振ゴム等により構成され、排出装置14から支持体16への振動の伝達を抑制している。
【0026】
接続部材22は、布等の剛性の低いフレキシブルな材料で形成され、サイロ12の底部の開口部よりも大きい径の直胴形状であり、その上側の開口は、サイロ12の底部の開口部を覆うように設置され、下側の開口は、排出装置14の上面に形成された開口部に接続されている。これにより、サイロ12の底部の開口部から排出される粉粒体を、外部に漏らすことなく排出装置14に送り込むことができる。さらに、剛性の低い材料で形成されることで、排出装置14の振動がサイロ12に伝達することを抑制することができる。
【0027】
上述のように、排出装置14は、接続部材22および防振装置20を介してその他の部材と接続されている。これにより、排出装置14は、排出装置14で発生する振動が外部に伝達しないフローティング状態となり、排出装置14の振動によって、サイロ12と、支持体16とが振動させられることを抑制することができる。
【0028】
次に、本発明の一実施形態に係る振動式粉粒体排出装置14について詳細に説明する。
図2は、振動式粉粒体排出装置14の概略構成を示す模式的上面図であり、図3は、図2のII−II線断面図である。
【0029】
振動式粉粒体排出装置14は、サイロ12の下側に配置され、サイロ12に貯槽された粉粒体を排出するものであり、上下2つに分割された本体の上側部分の上部本体30および下側部分の下部本体32と、上部本体30の内部に配置され、粉粒体を中心から外側に案内する障壁部材34と、上部本体30および下部本体32を振動させる加振手段36と、下部本体32の底面に配置され粉粒体の流出を防止する制流板38と、上部本体30と下部本体32とを開閉させる開閉手段40と、上部本体30と下部本体32との間を密閉するシール部材42とを有する。
【0030】
上部本体30は、上述したサイロ12の底部の開口部と略同じ大きさの径の円筒形状を有し、サイロ12の底部の下側に、サイロ12の底部の開口部と同心的に配置されている。上部本体30の上側の開口部は、接続部材22を介してサイロ12の底部の開口部と接続されている。
また、上部本体30は、その外壁に所定間隔離間して受け板56を備え、それぞれ上述した支持体16に防振装置20を介して固定されている。
【0031】
下部本体32は、上面に上部本体30の直胴部分の内径と同じ内径の開口部と、底面に上部本体30の開口部よりも小さい開口部の排出口50とを備え、かつ底面が扁平な容器形状を有し、後述する締付けボルト76によって上部本体30に固定されている。下部本体32は、側面と底面との接続部分は曲面形状であり、角のない滑らかな形状になっている。
また、本実施形態の上部本体30および下部本体32は、互いの接触面の外側にそれぞれフランジ部分を有する。
ここで、上部本体30および下部本体32の形状は、本実施形態に限定されず、サイロ12側から排出口50に向うに従って徐々にその径が小さくなる形状、下部本体の底面が所定角度傾斜した漏斗形状等、種々の形状とすることができる。
【0032】
障壁部材34は、上部本体30の内部に設けられ、バッフルプレート60と、ステー62とで構成される。バッフルプレート60は、サイロ12側(図3中上側)に凸でかつ、その底面の外径が排出口50の開口径よりも大きい円錐形状であり、上部本体30の内壁の4ヶ所から中心部に向って設けられたステー62によって支持され、上部本体30の内部に、上部本体30と同心的に配置されている。
【0033】
本実施形態では、障壁部材を円錐形状としたが、これに限定されず、上方に凸な形状であればよく、半球形、流線形等種々の形状とすることができる。
このような障壁部材34を設けることで、サイロ12から供給される粉粒体は、排出口50の垂直方向の延長線上よりも外側に移動され、その後、障壁部材34の底面と排出口50で形成される空間から排出される。
【0034】
ここで、障壁部材34の底面外縁部と排出口50とを結んだ線と下部本体32の底面との成す角が粉粒体の安息角より小さい場合は、上部本体30および下部本体32に粉粒体が充填している場合であっても、粉粒体の非排出時は、排出口50周りの粉粒体が形成する傾斜角が安息角以下の角度となり、排出口50周りに粉粒体が安定して堆積し、排出口50から粉粒体は排出されない。
このように、排出口50の上側に障壁部材34を設け、障壁部材34と排出口50の距離、大きさを所定値とすることで、排出口50にスライドゲートを設けることなく、排出口50からの粉粒体の排出を防止することができる。
【0035】
加振手段36は、上部本体30および下部本体32を振動させるもの(本実施形態では、振動モータ)であり、上部本体30の外壁に設置されている。
加振手段36によって、上部本体30を振動させることで、排出装置14全体が振動する。排出装置14が振動することで、排出口50周りで安息角以下の角度で安定して堆積していた粉粒体も振動させられ、排出口50から粉粒体が排出される。
また、加振手段36には制御部80が接続されている。この制御部80は、加振手段36の加振周波数、回転方向等を制御する。
ここで、本実施形態では、加振手段36として振動モーターを上部本体30に1つ設置したが、これに限定されず、振動モーターを複数設置してもよく、また、配置位置も、上部本体30に限定されず、下部本体32に設置してもよい。加振手段としては、振動モータに限定されず、例えば、電磁式バイブレータ等、従来公知の加振手段を用いることができる。
【0036】
次に、本発明の特徴である制流板38について詳細に説明する。
制流板38は、板状部材で構成され、排出口50の縁の接線方向に、下部本体32の底面に垂直に、排出口50を中心として円周上に6枚が等間隔に配置されている。制流板38は、上辺がバッフルプレート60の底面と平行な直線形状であり、下辺は下部本体32の底面および側面に接合されている。
【0037】
このような制流板38を下部本体32の底面に設けることで、下部本体32内の粉粒体が制流板38に沿って移動し、粉粒体の流速が減速される。これにより、バッフルプレート60の底面と排出口50との距離が従来よりも大きく、バッフルプレート60の底面外縁部と排出口50とを結んだ線と下部本体32の底面との成す角が粉粒体の安息角より大きい場合でも、排出装置14の内部に安定して粉粒体を堆積させることができ、フラッシング性の高い粉粒体のフラッシングを防止することができる。さらに、サイロ12から排出装置14への粉粒体の初期投入時等、粉粒体が貯槽されていない排出装置14に大量の粉粒体が一度に供給された場合も、粉粒体が制流板に沿って移動し、減速されることで、排出口から粉粒体が流出することを防止でき、排出装置14内に粉粒体を効率よく堆積させることができる。
さらに、バッフルプレート60の底面と排出口50との距離を従来よりも大きくできるので、排出流量も高く維持することができる。
【0038】
ここで、本実施形態では、平板形状の制流板を等間隔に6枚配置したが、本発明の排出装置としては、少なくとも、排出装置の底面に配置され、本体側面から中心に向う線から所定角度傾斜を有し、隣接する制流板の間隔(制流板の排出口側の先端と隣接する制流板との最短距離)が排出口の直径以下であればよく、配置位置、配置枚数、配置角度、高さ、長さに限定はなく、求める性能に応じて、例えば、図4(a)〜(e)に示すように、種々の形状とすることができ、図4(b)に示すように大きさの異なる制流板を配置してもよく、図4(d)に示すように、制流板を曲面形状としてもよい。なお、図4(a)〜(c)および図4(e)の形状については、後で具体的実施例とともに詳細に説明する。
【0039】
さらに、本実施形態の排出装置14は、上部本体30と下部本体32とを相対的に回動させ、上部本体30と下部本体32とを分離する開閉手段40を有する。
図5を用いて開閉手段について詳細に説明する。図5(a)は、排出装置14を閉じた状態を示す模式図であり、図5(b)は、上部本体30と下部本体32とを分離し、排出装置14を開いた状態を示す模式図である。
開閉手段40は、上部本体30のフランジに設けられた上支点部70と、下部本体32のフランジの上支点部70に対向する位置に設けられた下支点部72と、上支点部70と下支点部72を貫通し、回転軸となるシャフト74と、上部本体30と下部本体32との接触部を密閉状態にする締付けボルト76とを有する。
【0040】
上支点部70は、上部本体30のフランジの加振手段36とは反対側に上部本体30の下側の開口と平行に設けられ、下支点部72は、下部本体32の加振手段36とは反対側のフランジに上支点部70に対向して設けられている。また、上支点部70および下支点部72は、上部本体30と下部本体32との接合面と同一平面上で接触している。
シャフト74は、上部本体30と下部本体32との接触面に対して垂直に上支点部70および下支点部72を貫通して設けられ、上支点部70および下支点部72を水平方向に回動可能に支持している。
【0041】
これにより、シャフト74を回転軸として上支点部70に対して下支点部72を回動させることができ、下支点部72に接続されている下部本体32を、水平方向に回動させることができる。
【0042】
以上より、図5(a)に示すように上部本体30と下部本体32とが接触された密閉状態から、シャフト74を支点として上部本体30および下部本体32を相対的に回動させることで、図5(b)に示すように上部本体30の下側の開口部と下部本体32の上側の開口部を露出させた状態とすることができる。
これにより、排出装置14を粉粒体切り出し装置10から取り外すことなく、上部本体30の内面、下部本体32の内面および障壁部材34等の排出装置14の内部を清掃することができ、サイロに貯槽される粉粒体の種類が頻繁に変更される場合であっても、排出装置14の内部を容易に清掃することができ、コンタミネーションを防止することができる。
【0043】
次に、図2および図3とともに、開閉手段40の締付けボルト76について説明する。
締付けボルト76は、下部本体32のフランジに複数(本実施形態では3箇所)配置され、上部本体30と下部本体32とのフランジ部分を圧接し、上部本体30と下部本体32との接触部を密閉状態とする。粉粒体排出時は、締付けボルト76によって上部本体30と下部本体32は、密閉状態となっている。
ここで、締付けボルト76は、取り外しが可能な構造であり、清掃時に、上部本体30と下部本体32との締付けを緩め、上部本体30と下部本体32とを開放状態にして、上部本体30と下部本体32とを回動可能な状態にすることができる。
【0044】
シール部材42は、Oリング等のパッキン材であり、下部本体32の上部本体30との接触面のフランジに形成された溝に嵌入されている。ここで、シール部材42は下部本体32に形成された溝の深さよりも背の高いパッキン材である。シール部材42を、溝から所定高(さ)露出させることで、上部本体30と下部本体32との封止時に、その露出部分が押圧されて変形する。これにより上部本体30と下部本体32との接触部の機密性を確保し、接触部からの粉粒体の漏れを防止する。
【0045】
また、本実施形態では、下部本体を水平方向に移動させたが、本発明はこれに限定されず、例えば、上部本体と下部本体とをちょうつがい等で接続させ、下部本体をハッチ式で開閉させるようにしてもよい。
ここで、本実施形態では、清掃が容易にできる点から上部本体と下部本体を分離可能な構造とすることが好ましいが、本発明はこれに限定されず、上下を分離しない一体構造の本体の底面に制流板を設置することもできる。
【0046】
このように、本発明では、粉粒体の流れを案内し、その流速を減速させる制流板を下部本体に設けることで、排出性能を低減させることなく、フラッシングを防止することができる。さらに、上部本体と下部本体とを分離可能にすることで、制流板を設けることで装置内部の形状が複雑になった場合でも、上部本体および下部本体の内部を容易に清掃することができる。
【0047】
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明について、より詳細に説明する。
【実施例】
【0048】
図2および図3に示す排出装置14を用いて、バッフルプレートと本体下部の底面との距離、排出口径、制流板の大きさ、制流板の枚数、下部本体の底面形状、粉粒体量を変更して、それぞれの場合のフラッシング性の高い粉粒体におけるスライド開放時の排出量および、フラッシング性の低い粉粒体の排出流量を確認した。
【0049】
[実施例1]
本実施例では、排出装置のバッフルプレート60の底面の外径Dを250mm、バッフルプレート60の底面と排出口50との距離Lを75mm、排出口50の径Dを200mm、下部本体32に6枚の制流板を配置し、下部本体32の底面形状は表面を研磨加工していない平板とした。ここで、制流板38の高さLは30mmであり、図4(a)に示すように、排出口50付近で、隣接する制流板との間隔d、つまり制流板38の排出口側の先端と隣接する制流板との最短距離が50mmとなるように配置した。また、サイロ12の底部の開口部には、図示されていないスライド(ゲート)が備えられている。
上記構成の排出装置におけるフラッシング性の高い粉粒体(以下、粉粒体1とする)のスライド開放時の排出量を以下のようにして測定した。
まず、スライド(ゲート)を閉じた状態で、サイロ12の上方より一定量の粉粒体1を投入した。次に、スライドを全開にすると、ある程度の量の粉粒体1が排出装置内へ流出した。この時、流出した粉粒体1を回収し、その質量を測定した。
ここで、スライド開放前にサイロ12に貯槽される粉粒体の量は140kgとした。
このように測定した結果、粉粒体1のスライド開放時の排出量は、8.1kgであった。
【0050】
[実施例2]
下部本体32に配置する制流板の大きさ、配置位置を変更したこと以外は、実施例1の排出装置と同様の構成、形状で粉粒体1のスライド開放時の排出量および粉粒体2の排出流量の測定を行った。ここで、本実施例の制流板は、図4(b)に示すように、図4(a)に示した制流板と同様の形状の制流板と、その制流板の長手方向の長さをほぼ半分にした形状の制流板が交互に配置されており、短い制流板の排出口側の先端と隣接する長い制流板との最短距離dが115mm、長い制流板の排出口側の先端と隣接する短い制流板との最短距離dが50mmとなるように配置した。
その結果、粉粒体1のスライド開放時の排出量は24.7kgであった。
【0051】
また、本実施例では、フラッシング性の低い粉粒体(以下、粉粒体2とする)の排出流量について、以下に示す方法で測定した。
スライド(ゲート)を閉じた状態で、サイロ12の上方より粉粒体2を140kg投入した。次にスライドを全開にし、加振手段である振動モータを起動した。排出口50から排出される粉粒体2を10秒間ずつ、次々と袋取りした。各袋内の粉粒体2の質量を測定し、その平均値から粉粒体2の排出流量を算出した。
このようにして測定した結果、粉粒体2の排出流量は8.4ton/hであった。
【0052】
[実施例3]
下部本体32に配置する制流板の枚数を4枚にし、さらに制流板の形状を変更したこと以外は、実施例1の排出装置と同様の構成、形状で粉粒体1のスライド開放時の排出量および粉粒体2の排出流量の測定を行った。ここで、本実施例では、4枚の制流板を、図4(e)に示すように、制流板の排出口側の先端と隣接する制流板との距離が全ての制流板の間で同一距離となるように配置した。また、制流板の形状は、図4(f)に示すように、下部本体の側面側の高さL3が85mm、排出口側の高さL4が30mm、長さL5が160mmの台形形状とした。
その結果、粉粒体1のスライド開放時の排出量は15.1kg、粉粒体2の排出流量は7.5ton/hであった。
【0053】
[実施例4]
下部本体32に配置する制流板の大きさ、配置位置を変更し、下部本体32の底面形状をバフ#400研磨した平鏡板としたこと以外は、実施例1の排出装置と同様の構成、形状で粉粒体1のスライド開放時の排出量および粉粒体2の排出流量の測定を行った。ここで、制流板は、図4(c)に示すように、排出口付近の隣接した制流板の間隔dが80mmとなるように配置した。
また、本実施例では、粉粒体1のスライド開放時の排出量の測定時に、サイロに貯槽する粉粒体の量を120kgとした。上記条件で測定した結果、粉粒体1のスライド開放時の排出量は16.3kg、粉粒体2の排出流量は7.3ton/hであった。
【0054】
[比較例1]
本比較例では、下部本体32に制流板を配置せず、バッフルプレートと排出口との距離Lを25mmとし、排出口径Dを150mmとしたこと以外は、実施例1の排出装置と同様の構成、形状で、粉粒体1のスライド開放時の排出量および粉粒体2の排出流量の測定を行った。ここで、本実施例では、粉粒体1のスライド開放時の排出量の測定時に、サイロに貯槽する粉粒体の量を120kgとした。その結果、粉粒体1のスライド開放時の排出量は13.4kg、粉粒体2の排出流量は、測定時にほとんど排出されず計測できなかった。
【0055】
[比較例2]
本比較例では、下部本体32に制流板を配置せず、排出口径Dを150mmとしたこと以外は、実施例1の排出装置と同様の構成、形状で、粉粒体1のスライド開放時の排出量および粉粒体2の排出流量の測定を行った。ここで、本実施例では、粉粒体1のスライド開放時の排出量の測定時に、サイロに貯槽する粉粒体の量を120kgとした。その結果、粉粒体1のスライド開放時の排出量は56.5kg、粉粒体2の排出流量は7.8ton/hであった。
このように、この比較例2では、フラッシングを防止できなかった。
【0056】
[比較例3]
本比較例では、下部本体32に制流板を配置せず、バッフルプレートと排出口との距離Lを25mmとし、下部本体の底面形状をバフ#400研磨した平鏡板としたこと以外は、実施例1の排出装置と同様の構成、形状で、粉粒体1のスライド開放時の排出量および粉粒体2の排出流量の測定を行った。ここで、本実施例では、粉粒体1のスライド開放時の排出量の測定時に、サイロに貯槽する粉粒体の量を120kgとした。その結果、粉粒体1のスライド開放時の排出量はほぼ全量であった。
このように、この比較例3の場合では、バッフルプレートと排出口との距離を短くしたが、フラッシングを防止できなかった。
【0057】
以上の、バッフルプレートと排出口との距離、排出口径、制流板の枚数、底面形状、粉粒体量、および、測定結果をまとめて、下記表1に示す。
【0058】
【表1】

【0059】
表1に示すように、下部本体の底面に制流板を設置する本発明によれば、粉粒体を排出する振動式粉粒体排出装置において、フラッシング性の高い粉粒体のスライド開放時の排出口からの流出を低減することができ、安息角が大きくフラッシング性が低く流動性の低い粉粒体であっても一定以上の排出流量とすることができる。これにより、フラッシング性の高い粉粒体であってもフラッシングを低減することができ、さらに、フラッシング性の低い粉粒体であっても排出量も高く維持することができる。
【0060】
ところで、上述したように、従来の振動式粉粒体排出装置は、排出流量を調整するために、後段にスクリューフィーダ等の排出流量調整装置を設ける必要があり、装置構成が複雑になり、装置コストがかかるという問題があった。
そこで、本発明者らは、排出流量調整装置を用いることなく、排出流量を調整する方法について鋭意検討した結果、排出装置の加振手段を制御することで、排出流量を調整できることを見出した。
【0061】
さらに、排出装置を振動させる加振手段の加振周波数が排出装置の共振周波数以上となる周波数領域では、加振手段の加振周波数に比例して排出流量が変化することを見出した。
これにより、本発明の振動式粉粒体排出装置では、貯槽されている粉粒体、所望する排出流量に応じて、加振周波数を調整することで、所望の排出流量に調整することができる。
【0062】
以下、粉粒体の排出量の調整方法を具体的実施例とともに詳細に説明する。
ここで、本実施形態では、振動式粉粒体排出装置として上述した排出装置14を用い、排出する粉粒体として、粉粒体2(フラッシング性の低い粉粒体)を用いる。
まず、排出装置14を用いて、粉粒体2を排出させたときの加振周波数と排出流量との関係を以下のようにして測定した。
サイロ12には、140kgの粉粒体2が貯槽されており、排出装置14の排出口50から排出された粉粒体2は、コンベアにより
サイロ12上に持ち上げられ投入される。こうして循環経路が形成された中、スライドを開放し、加振周波数をまず30Hzに設定し、振動モータを起動した。排出装置14からの排出流量が安定した時点で、一定時間に排出される粉粒体の質量を測定し、排出流量に換算する。ここで、振動モータの設定は2通りとした。すなわち、加振ウェイトを最大加振力の80%と設定した場合と100%とした場合である。
測定した結果を図6に示す。ここで、図6は、縦軸を排出装置14の排出流量[ton/h]、横軸を加振周波数[Hz]とした。
図6のグラフに示すように、排出装置14の共振周波数となる30Hz以上の周波数領域では、加振手段36の加振周波数と排出流量の関係が比例関係となる。
【0063】
以上より、本実施形態では、30Hz以上の周波数領域で加振周波数を調整することにより、所望の流量の粉粒体を排出させることができる。
【0064】
さらに、上記実施形態と同様にして、予め種々の粉粒体について加振周波数と排出流量との関係を測定しておくことで、サイロに貯槽される粉粒体の種類、所望される排出性能に応じて、加振手段36の加振周波数を調整することができる。
このように、本発明では、加振手段36の加振周波数を調整することで、スクリューフィーダ等の排出量調整装置を用いることなく、排出流量を調整することができる。
ここで、このような制御は、上述した制御部80に粉粒体毎の加振周波数と排出流量の関係を記憶させておき、サイロ12に貯槽されている粉粒体、所望する排出流量に応じて、加振周波数を制御することで、粉粒体の物性に係わらず排出流量の調整を行うことができる。
【0065】
このように、本発明では、振動式粉粒体排出装置の底面に制流板を設けることで、排出流量を落とすことなく、粉粒体のフラッシングを防止することができ、さらに、加振手段の加振周波数を制御することで、排出流量を調整することができる。これにより、スクリューフィーダ、スライドゲート等の装置が不要になり、装置構成を簡単にすることができ、装置コストを低減させることができる。
【0066】
また、貯槽する粉粒体を変更する際は、サイロ12から排出装置14への粉粒体の供給停止後、粉粒体の排出が無くなるまで、所定時間加振手段36の振動モータを回転させて上部本体30および下部本体32を振動させて空運転を行い、その後、粉粒体排出時とは逆方向に振動モータを回転させる。
このように、粉粒体の供給停止後、振動モータを空運転、逆回転させることで、上部本体30および下部本体32の内部に残留する粉粒体を低減させることができ、貯槽する粉粒体の変更時のコンタミネーションを防止することができる。また、残留する粉粒体を低減させることで上部本体30および下部本体32の内部の清掃をより簡易に行うことができる。
【0067】
なお、本実施形態では、制流板を備えた排出装置を用いて説明したが、底面に制流板を備えない排出装置であっても、共振周波数以上の周波数で加振周波数を調整することで、上記実施形態と同様に、排出流量を調整することができる。
【0068】
以上、本発明の振動式粉粒体排出装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施態様に限定はされず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の振動式粉粒体排出装置を備える粉粒体切り出し装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】本発明の振動式粉粒体排出装置の概略構成を示す模式的上面図である。
【図3】図2のII−II線矢視図である。
【図4】(a)〜(e)は、制流板の形状の他の一例を示した模式図であり、(f)は、(e)の制流板の形状を示す模式図である。
【図5】(a)、(b)は、開閉手段による振動式粉粒体排出装置本体の開閉について説明するための説明図である。
【図6】加振周波数と排出流量との関係の一例を示すグラフである。
【図7】従来の振動フィーダの概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0070】
10 粉粒体切り出し装置
12 サイロ
14 振動式粉粒体排出装置(排出装置)
16 支持体
20 防振装置
22 接続部材
30 上部本体
32 下部本体
34 障壁部材
36 加振手段
38 制流板
40 開閉手段
42 シール部材
50 排出口
56 受け板
60 バッフルプレート
62 ステー
70 上支点部
72 下支点部
74 シャフト
76 締付けボルト
80 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体を貯槽する貯槽装置の下側に配置され、前記貯槽装置に貯槽された粉粒体を排出する振動式粉粒体排出装置であって、
底面に排出口を有する本体と、
前記本体内部の前記排出口の前記貯槽装置側に配置され、前記貯槽装置側に凸で、前記排出口の開口径よりも大きい外径を備える障壁部材と、
前記本体に所定の振動を与える加振手段と、
前記加振手段を制御する制御部とを有し、
前記本体の底面の前記排出口周りに配置され、粉粒体の流動方向を案内し、粉粒体の流れを減速させる制流手段を少なくとも1つ備えることを特徴とする振動式粉粒体排出装置。
【請求項2】
前記制流手段は、前記排出口の接線上に配置されている請求項1に記載の振動式粉粒体排出装置。
【請求項3】
前記本体は、上部と下部に分離可能な構造である請求項1または2に記載の振動式粉粒体排出装置。
【請求項4】
さらに、前記上部および前記下部の外壁の所定部分に回転軸となる支点部を有し、前記支点部を回転軸として、前記上部と前記下部とを、前記上部と前記下部との接触面と平行な方向に相対的に回動させ、前記上部と前記下部とを分離させることが可能な請求項3に記載の振動式粉粒体排出装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記加振手段の加振周波数を調整し、排出量を制御する請求項1〜4のいずれかに記載の振動式粉粒体排出装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記貯槽装置の開口部から粉粒体の供給停止後、所定時間前記本体を粉粒体排出時に加振する方向と同じ方向に振動させ、その後、粉粒体排出時に加振する方向とは逆方向に前記本体を振動させるように前記加振手段を制御する請求項1〜5のいずれかに記載の振動式粉粒体排出装置。
【請求項7】
粉粒体を貯槽する貯槽装置の下側に配置され、前記貯槽装置に貯槽された粉粒体を排出する振動式粉粒体排出装置であって、
底面に排出口を有する本体と、
前記本体内部の前記排出口の前記貯槽装置側に配置され、前記貯槽装置側に凸で、前記排出口の外径よりも大きい外径を備える障壁部材と、
前記本体に所定周波数の振動を与える加振手段と、
前記加振手段を制御する制御部とを有し、
前記本体は、上部と下部に分離可能な構造であることを特徴とする振動式粉粒体排出装置。
【請求項8】
粉粒体を貯槽する貯槽装置の下側に配置され、前記貯槽装置に貯槽された粉粒体を排出する振動式粉粒体排出装置であって、
底面に排出口を有する本体と、
前記本体内部の前記排出口の前記貯槽装置側に配置され、前記貯槽装置側に凸で、前記排出口の外径よりも大きい外径を備える障壁部材と、
前記本体に所定周波数の振動を与える加振手段と、
前記加振手段を制御する制御部とを有し、
前記制御部は、前記加振手段の加振周波数を調整し、排出量を制御することを特徴とする振動式粉粒体排出装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2006−232537(P2006−232537A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−53855(P2005−53855)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(398012306)日清フーズ株式会社 (139)
【Fターム(参考)】