説明

排気浄化方法及び排気浄化装置

【課題】添加剤(還元剤)を選択還元触媒16に供給する場合に、その添加剤の供給量を適切に設定して、NOxの浄化に用いられない余剰の添加剤量を低減する。
【解決手段】選択還元触媒16に流入する流入NOx量を算出するとともに、エンジン1の運転状態に基づいて、選択還元触媒16によるNOxの推定浄化率を算出し、上記流入NOx量と上記推定浄化率とに基づいて、上記添加剤の供給量を設定し、上記流入NOx量と、流出NOx量検出手段(NOxセンサ24)により検出された流出NOx量とに基づいて、選択還元触媒16によるNOxの実浄化率を算出し、上記推定浄化率と上記実浄化率とに基づいて、上記添加剤の供給量の補正の要否の判定と該補正が必要であるとの判定の場合の該補正の実行とを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの排気通路上に配設された選択還元触媒に添加剤(還元剤)を供給することで該エンジンの排気ガスを浄化する排気浄化方法及び排気浄化装置に関する技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ディーゼルエンジンの排気通路上に、酸素共存下でもNOxを選択的に還元剤と反応させる選択還元触媒を配設して、該選択還元触媒によりエンジンの排気ガスを浄化する排気浄化装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この排気浄化装置では、選択還元触媒の上流側から上記還元剤となる尿素水を噴射して、この噴射した尿素水を選択還元触媒に供給する。尿素水は、排気ガスの熱により熱分解又は加水分解されてアンモニアと炭酸ガスとが生成される。このアンモニアにより排気ガス中のNOxが選択還元触媒上で還元される。
【0003】
また、特許文献1のものでは、現在のエンジンの運転状態に基づきNOxの発生量が推定され、この推定されたNOxの発生量に見合う尿素水の供給量が算出されて必要量の尿素水の添加が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−2662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記尿素水の供給量は、エンジンから排気されるNOx量(つまり選択還元触媒に流入するNOx量)と、選択還元触媒によるNOxの推定浄化率とから求めることができる。選択還元触媒に流入するNOx量は、特許文献1のようにエンジンの運転状態に基づいて算出してもよく、NOxセンサの検出値から算出してもよい。上記推定浄化率は、エンジンの運転状態に基づいて算出する。すなわち、選択還元触媒によるNOxの浄化率は、選択還元触媒を流れる排気ガスの流量や温度等で変わるため、エンジンの運転状態から排気ガスの流量や温度等を求めて、これら排気ガスの流量や温度等から推定浄化率を算出する。
【0006】
しかし、上記推定浄化率は、選択還元触媒によるNOxの実際の浄化率である実浄化率と必ずしも一致しないため、供給した尿素水から生じるアンモニア量が、NOxの浄化に用いられるアンモニア量よりも多くなる場合がある。この場合、NOxの浄化に用いられない余剰のアンモニアが大気中に放出されてしまう。
【0007】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、尿素水のような添加剤(還元剤)を選択還元触媒に供給する場合に、適切な量の添加剤を選択還元触媒に供給して、NOxの浄化に用いられない余剰の添加剤量を低減しようとすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明では、エンジンの排気通路上に配設された選択還元触媒に添加剤を供給する添加剤供給工程を備え、該添加剤供給工程で該添加剤の供給を受けた上記選択還元触媒により上記エンジンの排気ガスを浄化する排気浄化方法を対象として、上記選択還元触媒に流入する流入NOx量を算出する流入NOx量算出工程と、上記エンジンの運転状態に基づいて、上記選択還元触媒によるNOxの推定浄化率を算出する推定浄化率算出工程と、上記流入NOx量算出工程で算出した流入NOx量と上記推定浄化率算出工程で算出した推定浄化率とに基づいて、上記添加剤の供給量を設定する供給量設定工程と、上記流入NOx量算出工程で算出した流入NOx量と、上記選択還元触媒の下流側に配設されかつ該選択還元触媒から流出する流出NOx量を検出するための流出NOx量検出手段により検出された流出NOx量とに基づいて、上記選択還元触媒によるNOxの実浄化率を算出する実浄化率算出工程と、上記推定浄化率算出工程で算出した推定浄化率と上記実浄化率算出工程で算出した実浄化率とに基づいて、上記供給量設定工程で設定した添加剤の供給量の補正の要否の判定と該補正が必要であるとの判定の場合の該補正の実行とを行う補正工程とを備え、上記添加剤供給工程は、上記補正工程で上記添加剤の供給量を補正した場合には、上記添加剤を、該補正した供給量でもって上記選択還元触媒に供給する一方、上記補正工程で上記添加剤の供給量を補正しなかった場合には、上記添加剤を、上記供給量設定工程で設定した供給量でもって上記選択還元触媒に供給する工程であるものとした。
【0009】
このことにより、流入NOx量算出工程で流入NOx量を算出する。この流入NOx量は、エンジンの運転状態に基づいて算出してもよく、或いは、選択還元触媒の上流側に配設したNOxセンサのような流入NOx量検出手段による検出値に基づいて算出してもよい。また、推定浄化率算出工程で、エンジンの運転状態に基づいて、選択還元触媒によるNOxの推定浄化率を算出する。すなわち、エンジンの運転状態から、選択還元触媒を流れる排気ガスの流量や温度等を求めて、これら排気ガスの流量や温度等から、例えば、予め作成しておいたマップ等を用いて推定浄化率を算出する。そして、供給量設定工程で、上記流入NOx量と上記推定浄化率とに基づいて、添加剤の供給量を設定する。また、実浄化率算出工程で、上記流入NOx量と、流出NOx量検出手段により検出された流出NOx量とに基づいて、選択還元触媒によるNOxの実浄化率を算出する。ここで、流入NOx量が、エンジンの運転状態に基づいて算出したものであっても、流入NOx量検出手段による検出値に基づいて算出したものと大きな差異はなく、エンジンの運転状態に基づいて算出した流入NOx量と上記流出NOx量とに基づいて算出した浄化率は、実質的に実浄化率であるといえる。
【0010】
次いで、補正工程で、上記推定浄化率と上記実浄化率とに基づいて、上記添加剤の供給量の補正の要否の判定と該補正が必要であるとの判定の場合の該補正の実行とを行う。すなわち、上記推定浄化率が上記実浄化率と異なる場合に、その分だけ添加剤の供給量を補正することで、添加剤の供給量を適切に設定できるようになる。特に上記推定浄化率が上記実浄化率よりも大きい場合に、添加剤の供給量を減量することで、適切な量の添加剤を選択還元触媒に供給して、NOxの浄化に用いられない余剰の添加剤量を低減することができる。一方、上記推定浄化率が上記実浄化率よりも小さい場合には、NOxの浄化に用いられない余剰の添加剤量を低減するという観点からは、必ずしも補正する必要はないが、添加剤の供給量を増量するようにしてもよい。また、上記推定浄化率が上記実浄化率よりも大きい場合であっても、常に添加剤の供給量を補正する必要はなく、例えば、上記推定浄化率から上記実浄化率を引いた値が所定値よりも大きい場合に、添加剤の供給量を補正するようにしてもよい。
【0011】
そして、添加剤供給工程において、上記補正工程で添加剤の供給量を補正した場合には、上記添加剤を、該補正した供給量でもって上記選択還元触媒に供給する。こうしてNOxの浄化に用いられない余剰の添加剤量が低減する。一方、上記補正工程で添加剤の供給量を補正しなかった場合には、上記添加剤を、上記供給量設定工程で設定した供給量でもって上記選択還元触媒に供給することになる。
【0012】
上記排気浄化方法において、上記補正工程は、上記推定浄化率算出工程で算出した推定浄化率が上記実浄化率算出工程で算出した実浄化率よりも大きい場合に、上記補正が必要であると判定して、上記供給量設定工程で設定した添加剤の供給量を減量する工程であってもよい。
【0013】
このことで、添加剤の供給量を適切に設定して、NOxの浄化に用いられない余剰の添加剤量を低減することができる。
【0014】
上記排気浄化方法において、上記補正工程は、上記推定浄化率算出工程で算出した推定浄化率から上記実浄化率算出工程で算出した実浄化率を引いた値が所定値よりも大きい場合に、上記補正が必要であると判定して、上記供給量設定工程で設定した添加剤の供給量を減量する工程であってもよい。
【0015】
すなわち、上記推定浄化率が上記実浄化率よりも大きくなっても、その差が所定値以下では、余剰の添加剤が排気通路の外部(大気中)に直ちに放出されるわけではない。また、特に、添加剤が尿素水(アンモニア)である場合に、NOxの浄化に用いられない余剰のアンモニアを酸化触媒で酸化することも可能であり、このような酸化触媒を選択還元触媒の下流側に設けた場合には、上記所定値を比較的大きくすることができる。このことから、上記推定浄化率から上記実浄化率を引いた値(負の値になる場合もある)が所定値(正の値)を超えない限り、添加剤の供給量を減量する必要はなく、よって、添加剤を多い目に供給することができて、NOxの浄化を確実に行うことができる。
【0016】
上記排気浄化方法において、上記補正工程は、上記実浄化率算出工程で算出した実浄化率と上記流入NOx量算出工程で算出した流入NOx量とに基づいて、上記選択還元触媒に供給する添加剤のうちNOxの浄化に用いられる添加剤量を算出して、上記添加剤の供給量から該算出した添加剤量を引いた値である余剰量に基づいて、上記供給量設定工程で設定した添加剤の供給量の補正の要否の判定と該補正が必要であるとの判定の場合の該補正の実行とを行う工程であってもよい。
【0017】
このように余剰量に基づいて添加剤の供給量の補正の要否の判定と該補正が必要であるとの判定の場合の該補正の実行とを行うことでも、添加剤の供給量を適切に設定して、NOxの浄化に用いられない余剰の添加剤量を低減することができる。
【0018】
上記余剰量に基づいて添加剤の供給量の補正の要否の判定と該補正が必要であるとの判定の場合の該補正の実行とを行う場合、上記余剰量を積算する積算工程を更に備え、上記補正工程は、上記余剰量の積算量が所定量よりも大きい場合に、上記補正が必要であると判定して、上記供給量設定工程で設定した添加剤の供給量を減量する工程であってもよい。
【0019】
すなわち、余剰量の値が小さければ、余剰の添加剤が選択還元触媒の下流側に溜まり、或る程度溜まった段階で大気中に放出される。したがって、余剰量の積算量が所定量を超えるまでは、添加剤の供給量を減量する必要はなく、余剰量の積算量が所定量よりも大きい場合に添加剤の供給量を減量するようにすることで、添加剤を多い目に供給することができて、NOxの浄化を確実に行うことができる。
【0020】
本発明の別の態様では、エンジンの排気通路上に配設され、添加剤の供給を受けて該エンジンの排気ガスを浄化する選択還元触媒と、該選択還元触媒に上記添加剤を供給する添加剤供給手段とを備えた排気浄化装置が提供される。この排気浄化装置は、上記選択還元触媒に流入する流入NOx量を算出する流入NOx量算出部と、上記エンジンの運転状態に基づいて、上記選択還元触媒によるNOxの推定浄化率を算出する推定浄化率算出部と、上記流入NOx量算出部により算出された流入NOx量と上記推定浄化率算出部により算出された推定浄化率とに基づいて、上記添加剤の供給量を設定する供給量設定部と、上記選択還元触媒の下流側に配設され、該選択還元触媒から流出する流出NOx量を検出するための流出NOx量検出手段と、上記流入NOx量算出部により算出された流入NOx量と、上記流出NOx量検出手段により検出された流出NOx量とに基づいて、上記選択還元触媒によるNOxの実浄化率を算出する実浄化率算出部と、上記推定浄化率算出部により算出された推定浄化率と上記実浄化率算出部により算出された実浄化率とに基づいて、上記供給量設定工程で設定した添加剤の供給量の補正の要否の判定と該補正が必要であるとの判定の場合の該補正の実行とを行う補正部とを備え、上記添加剤供給手段は、上記補正部により上記添加剤の供給量が補正された場合には、上記添加剤を、該補正された供給量でもって上記選択還元触媒に供給する一方、上記補正部により上記添加剤の供給量が補正されなかった場合には、上記添加剤を、上記供給量設定部により設定された供給量でもって上記選択還元触媒に供給するように構成されているものである。
【0021】
この構成により、上記排気浄化方法と同様に、適切な量の添加剤を選択還元触媒に供給して、NOxの浄化に用いられない余剰の添加剤量を低減することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明によると、選択還元触媒に流入する流入NOx量を算出するとともに、エンジンの運転状態に基づいて、選択還元触媒によるNOxの推定浄化率を算出し、上記流入NOx量と上記推定浄化率とに基づいて、添加剤の供給量を設定し、上記流入NOx量と、流出NOx量検出手段により検出された流出NOx量とに基づいて、選択還元触媒によるNOxの実浄化率を算出し、上記推定浄化率と上記実浄化率とに基づいて、上記添加剤の供給量の補正の要否の判定と該補正が必要であるとの判定の場合の該補正の実行とを行うようにしたことにより、適切な量の添加剤を選択還元触媒に供給して、NOxの浄化に用いられない余剰の添加剤量を低減することができ、特に、添加剤が尿素水(アンモニア)である場合に、排気通路の出口から大気中に排出されるアンモニア量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係るエンジンの排気浄化装置を示す概略構成図である。
【図2】上記排気浄化装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図3】コントロールユニットによる尿素水噴射制御を示すフローチャートである。
【図4】選択還元触媒の温度と、余剰量の積算値に関する閾値である所定量との関係の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の実施形態に係るエンジン1の排気浄化装置10を示す。このエンジン1は、ディーゼルエンジンであって、吸気通路2と、排気通路3と、エンジン1の排気ガスの一部を吸気側へ還流するEGR通路4と、該EGR通路4上に配設されたEGRバルブ5とを備えている。
【0026】
上記排気通路3上には、上流側から順に、排気ガス中のNOを酸化する上流側酸化触媒11と、排気ガス中の微粒子を捕集するためのディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)12と、尿素水タンク14から供給される尿素水(本発明の添加剤(還元剤)に相当)を、排気通路3内に噴射して後述の選択還元触媒16に供給する添加剤供給手段としての尿素水噴射ノズル13と、この尿素水噴射ノズル13から噴射された尿素水と排気ガスとのミキシングを促進するためのミキシングプレート15と、上記尿素水の供給を受けて排気ガス中のNOxを選択還元することによって排気ガスを浄化する選択還元触媒16と、上記尿素水噴射ノズル13から噴射された尿素水から生成されたアンモニアのうちNOxの浄化に用いられなかった余剰のアンモニアが大気中に放出されるのを防ぐための下流側酸化触媒17とが配設されている。
【0027】
上記排気通路3には、更に、上流側酸化触媒11の上流側に配設されかつ上流側酸化触媒11に流入する排気ガスの温度を検出するための第1温度センサ21と、DPF12の下流側でかつ尿素水噴射ノズル13の上流側に配設され、当該配設部分の排気ガスの温度を検出するための第2温度センサ22と、選択還元触媒16の下流側でかつ下流側酸化触媒17の上流側に配設され、当該配設部分の排気ガス中のNOxの濃度を検出するためのNOxセンサ24とが配設されている。NOxセンサ24は、選択還元触媒から流出する流出NOx量を検出するための流出NOx量検出手段を構成する。
【0028】
上記ミキシングプレート15は、詳細な図示は省略するが、排気通路3を横断する本体部を有していて、該本体部の一部(排気通路3の中心軸回りの複数箇所)が切り込まれて下流側に折り曲げ加工されたものであり、その切り込まれた箇所を排気ガスが通過する際にガス流が乱れ、この乱れにより、ミキシングプレート15の上流側で噴射された尿素水と排気ガスとが撹拌されて尿素水が排気ガス中に十分に分散され、このように十分に分散された状態で、尿素水が選択還元触媒16に供給されることになる。
【0029】
上記排気浄化装置10による排気ガスの浄化反応機序は、以下の通りである。
【0030】
エンジン1から排出された排気ガスは、上流側酸化触媒11に流入し、上流側酸化触媒11によって、排気ガス中のNOの一部が酸化されてNOが生成される。この反応式は、
2NO+O→2NO
となる。この酸化反応により、排気ガス中においてNOが減少してNOが増大する。
【0031】
続いて、排気ガスはDPF12に流入し、ここで、排気ガスに含まれる微粒子が捕集される。この捕集された微粒子の炭素成分は、排気ガス中のNO(排気ガスに元々含まれているNO及び上流側酸化触媒11により生成されたNO)及びOの一部と反応して二酸化炭素に転化する。これらの反応式は、
C+2NO→2NO+CO
C+O→CO
となる。この反応により、排気ガス中においてNOが減少してNOが増大するが、DPF12の下流側における排気ガス中のNOのNOに対する濃度比は、上流側酸化触媒11の上流側のそれとは同じにはならない。但し、上流側酸化触媒11の上流側とDPF12の下流側とで、NOx量自体は同じである。すなわち、エンジン1から排気されるNOx量と、選択還元触媒16に流入する流入NOx量とは同じ値である。
【0032】
次いで、DPF12から流出した排気ガスに、尿素水噴射ノズル13から尿素水が噴射される。この尿素水中の尿素は、排気ガスの熱により熱分解反応を起こして、アンモニアとイソシアン酸とを生成する。この反応式は、
CO(NH→NH+HNCO
となる。上記熱分解反応は、135℃以上で起こり、主に尿素水噴射ノズル13から選択還元触媒16までの区間で起きる(選択還元触媒16内でも起きる)。
【0033】
また、上記熱分解反応で生成されたイソシアン酸は、加水分解反応を起こして、アンモニア及び二酸化炭素を生成する。この反応式は、
HNCO+HO→NH+CO
となる。この加水分解反応は、160℃以上で起こり、主に尿素水噴射ノズル13から選択還元触媒16までの区間で起きる(選択還元触媒16内でも起きる)。
【0034】
上記のように尿素から生成されたアンモニアは、200℃以上であるときに、選択還元触媒16によって、NO及びNOと脱硝反応を起こして、これらの窒素酸化物を窒素及び水に還元する。これらの反応式は、
4NO+4NH+O→4N+6H
2NO+4NH+O→3N+6H
NO+NO+2NH→2N+3H
となる。これら窒素酸化物還元反応は、選択還元触媒16内で起きる。
【0035】
上記窒素酸化物還元反応(つまりNOxの浄化)に用いられなかった余剰のアンモニアは、下流側酸化触媒17に流入して、該下流側酸化触媒17によって、酸化されて、窒素及び水に分解される。この反応式は、
4NH+3O→2N+6H
となる。
【0036】
また、およそ200℃以上では、上記反応に加えて、余剰のアンモニアを、下流側酸化触媒17によって、亜酸化窒素と水とに変化させる反応も行われる。この反応式は、
4NH+4NO+O→4NO+6H
となる。
【0037】
さらに、およそ400℃以上では、上記2つの反応に加えて、余剰のアンモニアを、下流側酸化触媒17によって、一酸化窒素と水とに変化させる反応も行われる。この反応式は、
4NH+5O→2NO+6H
となる。
【0038】
図2は、上記排気浄化装置10の制御系の構成を示す。コントロールユニット50は、周知のマイクロコンピュータをベースとする制御装置であって、プログラムを実行する中央演算処理装置(CPU)と、例えばRAMやROMにより構成されてプログラムおよびデータを格納するメモリと、種々の信号の入出力を行うための入出力(I/O)バスとを含む。このコントロールユニット50に、上記第1温度センサ21と、上記第2温度センサ22と、エンジン1の回転数を検出するエンジン回転数センサ31と、吸気通路2を流れる吸入空気量を検出する吸入空気量センサ32と、その他、エンジン1を制御するための不図示の複数のセンサとが接続されて、これらセンサからの検出信号が入力される。そして、コントロールユニット50は、これらの入力信号に基づいて、上記尿素水噴射ノズル13、エンジン1の燃料噴射弁33等の各種アクチュエータを制御する。
【0039】
上記コントロールユニット50は、上記尿素水噴射ノズル13に対して、間欠的に(本実施形態では、一定周期T(例えば0.3s)で)尿素水を噴射させるように指示する。尿素水噴射ノズル13による尿素水の噴射量(選択還元触媒16への供給量)は、コントロールユニット50に設けられた後述の噴射量設定部50cによって後述の如く設定され(但し、後述の補正部50eにより補正される場合もある)、尿素水噴射ノズル13は、尿素水を、その噴射量設定部50cにより設定された噴射量(補正部50eにより補正された場合には、その補正された噴射量)でもって噴射することになる。
【0040】
尿素水の噴射量を設定するために、コントロールユニット50には、選択還元触媒16に流入する流入NOx量を算出する流入NOx量算出部50aと、選択還元触媒16によるNOxの推定浄化率を算出する推定浄化率算出部50bと、尿素水噴射ノズル13による尿素水の噴射量を設定する噴射量設定部50c(供給量設定部)とが設けられている。
【0041】
また、コントロールユニット50には、噴射量設定部50cにより設定された噴射量を補正するために、選択還元触媒16によるNOxの実浄化率を算出する実浄化率算出部50dと、上記推定浄化率算出部50bにより算出された推定浄化率と上記実浄化率算出部50dにより算出された実浄化率とに基づいて、上記尿素水の噴射量の補正の要否の判定と該補正が必要であるとの判定の場合の該補正の実行とを行う補正部50eと、補正部50eにより算出される後述の余剰量を積算する積算部50fとが更に設けられている。
【0042】
上記コントロールユニット50による尿素水噴射制御について、図3のフローチャート(尿素水噴射制御ルーチン)により説明しながら、上記各部50a〜50fの動作を説明する。
【0043】
最初のステップS1で、上記各種センサからの信号を読み取り、次のステップS2で、流入NOx量算出部50aが、選択還元触媒16に流入する流入NOx量を算出する。すなわち、エンジン1から排気されるNOx量(つまり選択還元触媒16に流入するNOx量)は、エンジン回転数センサ31や吸入空気量センサ32等の入力信号から求まるエンジン1の運転状態(エンジン回転数や負荷等)でほぼ決まるので、該運転状態に基づいて、選択還元触媒16に流入する流入NOx量を算出する。
【0044】
本実施形態では、エンジン1の運転状態に基づいて、予め作成しておいたマップを用いてNOxの濃度C(単位:ppm)と排気ガスの流量Qg(単位:g/s)とを求めて、流入NOx量Qi(単位:g/s)を、NOx(NOのNOに対する濃度比を予め定めた設定値にしておく)の比重をγとして、
Qi=C×Qg×γ/1000000 …(1)
により算出する。
【0045】
尚、上記流入NOx量の算出方法に代えて、選択還元触媒16の上流側(上流側酸化触媒11よりも上流側、又は、DPF12と選択還元触媒16との間)に、NOxセンサ24と同様のNOxセンサを配設して、該NOxセンサからの入力信号(NOxセンサの検出値である、排気ガス中のNOx濃度)に基づいて流入NOx量を算出するようにしてもよい。
【0046】
次のステップS3では、推定浄化率算出部50bが、エンジン1の運転状態(エンジン回転数や負荷等)に基づいて、選択還元触媒16によるNOxの推定浄化率ηaを算出する。すなわち、エンジン1の運転状態から、選択還元触媒16を流れる排気ガスの流量や温度(該温度については、第2温度センサ22の検出値を考慮する)等を求めて、これら排気ガスの流量や温度等から、予め作成しておいたマップを用いて推定浄化率ηaを算出する。
【0047】
次のステップS4では、噴射量設定部50cが、上記流入NOx量算出部50aにより算出された流入NOx量Qiと、推定浄化率算出部50bにより算出された推定浄化率ηaとに基づいて、尿素水の噴射量Ia(単位:g/s)を、
Ia=Qi×ηa×k …(2)
により算出して設定する。ここで、上記式(2)中のkは、(Qi×ηa)だけのNOx(NOのNOに対する濃度比を上記設定値にしておく)と反応するのに必要な尿素水量に換算するための換算係数である。尚、換算係数kの値を変えれば、アンモニアの供給量を算出することができる。
【0048】
次のステップS5で、実浄化率算出部50dが、上記流入NOx量算出部50aにより算出された流入NOx量Qiと、NOxセンサ24により検出された流出NOx量Qo(単位:g/s)とに基づいて、選択還元触媒16によるNOxの実浄化率ηbを、
ηb=(Qi−Qo)/Qi …(3)
により算出する。尚、NOxセンサ24により検出されるのは、厳密には、排気ガス中のNOx濃度であるが、このNOx濃度を式(1)と同様にして流出NOx量に換算することができるので、NOxセンサ24により流出NOx量Qoが検出されると言える。
【0049】
そして、次のステップS6では、補正部50eが、選択還元触媒16に供給する尿素水(アンモニア)のうちNOxの浄化に用いられない余剰量を算出する。すなわち、最初に、上記実浄化率ηbと上記流入NOx量Qiとに基づいて(又は、尿素水の噴射量Ia、推定浄化率ηa及び実浄化率ηbに基づいて)、選択還元触媒16に供給する尿素水(アンモニア)のうちNOxの浄化に用いられる尿素水量Ib(アンモニア量)(単位:g/s)を、
Ib=Qi×ηb×k
=Ia×ηb/ηa …(4)
により算出する。
【0050】
続いて、上記噴射量Iaから、NOxの浄化に用いられる尿素水量Ibを引くことで、NOxの浄化に用いられない余剰量Ic(単位:g/s)を算出する。すなわち、
Ic=Ia−Ib …(5)
となる。尚、ηb>ηaの場合には、Ic=0とする。
【0051】
次のステップS7では、積算部50fが、余剰量Icを積算する。すなわち、前回の尿素水噴射制御ルーチンのステップS7で算出された積算値に、今回の余剰量Icを加算する。
【0052】
次のステップS8では、補正部50eが、上記余剰量Icの積算値が所定量よりも大きいか否かを判定する。つまり、余剰量Icに基づいて、ステップS4で設定された尿素水の噴射量の補正の要否を判定する。上記所定量は、これ以上余剰量Icの積算値が増えると、下流側酸化触媒17が処理しきれなくなってアンモニアが大気中に放出される可能性が高くなる量である。この所定量は、例えば図4に示すように、選択還元触媒16の温度(第2温度センサ22とエンジン1の運転状態とによって推定する)が高いほど低い値に設定される。したがって、上記余剰量Icの積算値が上記所定量よりも大きい場合には、尿素水の噴射量の補正が必要であると判定し、上記余剰量Icの積算値が上記所定量以下である場合には、尿素水の噴射量の補正は必要でないと判定することになる。
【0053】
上記ステップS8の判定がYESである場合(尿素水の噴射量の補正が必要である場合)には、ステップS9を経てステップS10に進む一方、ステップS8の判定がNOである場合(尿素水の噴射量の補正が必要でない場合)には、直にステップS10に進む。
【0054】
上記ステップS9では、補正部50eが、余剰量Icの積算値に応じた減算量(正の値)だけ、ステップS4で設定された尿素水の噴射量を減量(補正)する。上記減算量は、余剰量Icの積算値が大きいほど大きい値となるもので、予め作成しておいたマップや、余剰量Icの積算値と減算量との関係式等から求める。
【0055】
上記ステップS10では、ステップS4で設定された尿素水の噴射量、又は、ステップS9で減量(補正)された尿素水の噴射量でもって噴射するように、尿素水噴射ノズル13に噴射指令を送信する。この噴射指令を受けて、尿素水噴射ノズル13が、噴射指令に係る噴射量でもって尿素水を噴射する。すなわち、尿素水噴射ノズル13は、尿素水の噴射量が補正された場合には、尿素水を、該補正された噴射量でもって噴射する一方、尿素水の噴射量が補正されなかった場合には、尿素水を、ステップS4で設定された噴射量でもって噴射する。尚、本実施形態では、尿素水噴射ノズル13が尿素水を連続的に噴射しないで、一定周期Tで間欠的に噴射するので、尿素水噴射ノズル13が1回当たりに噴射すべき噴射量(単位:g)としては、上記ステップS4で設定された噴射量又は上記ステップS9で減量された噴射量(詳細には噴射流量(単位:g/s))に、噴射周期Tを掛けた値となる。
【0056】
上記ステップS10の実行で1回の尿素水噴射制御ルーチンが終了して、次の尿素水噴射制御ルーチンのステップS1へリターンする。
【0057】
したがって、本実施形態では、選択還元触媒16に供給する尿素水のうちNOxの浄化に用いられない余剰量に基づいて、尿素水の噴射量を減量(補正)したので、適切な量の尿素水を選択還元触媒16に供給して、NOxの浄化に用いられない余剰の尿素水量(アンモニア量)を低減することができ、排気通路3の出口から大気中に排出されるアンモニア量を低減することができる。
【0058】
尚、上記実施形態では、余剰量Icの積算量が所定量よりも大きい場合に、尿素水の噴射量の補正が必要であると判定して、尿素水の噴射量を減量するようにしたが、1回の尿素水噴射制御ルーチン毎に算出される余剰量Icが、予め設定された設定量よりも大きい場合に、尿素水の噴射量の補正が必要であると判定して、当該尿素水噴射制御ルーチンで、その余剰量Icに基づいて減算量を算出して、該減算量でもって尿素水の噴射量を減量するようにしてもよい。
【0059】
また、余剰量Icを算出するのではなくて、1回の尿素水噴射制御ルーチン毎に上記推定浄化率と上記実浄化率とを比較して、上記推定浄化率が上記実浄化率よりも大きい場合に、尿素水の噴射量の補正が必要であると判定して、当該ルーチンで、推定浄化率と実浄化率との差(推定浄化率から実浄化率を引いた値)に基づいて減算量を算出して、該減算量でもって尿素水の噴射量を減量するようにしてもよい。また、上記推定浄化率が上記実浄化率よりも大きい場合であっても、常に尿素水の噴射量を減量する必要はなく、上記推定浄化率から上記実浄化率を引いた値が所定値(正の値)よりも大きい場合に、尿素水の噴射量の補正が必要であると判定して、尿素水の噴射量を減量するようにしてもよい。上記所定値は、上記推定浄化率と上記実浄化率との差が、該所定値よりも大きい場合にアンモニアが大気中に放出される可能性が高くなる値に設定すればよい。
【0060】
さらに、補正部50eによる尿素水の噴射量の補正は、減量だけには限られない。例えば、1回の尿素水噴射制御ルーチン毎に、推定浄化率と実浄化率とに基づいて、補正が必要な場合に、尿素水の噴射量を増量又は減量するようにしてもよい。例えば、実浄化率が推定浄化率よりも大きい場合には、尿素水の噴射量を増量する一方、推定浄化率が実浄化率よりも大きい場合には、尿素水の噴射量を減量する。実浄化率が推定浄化率と同じであれば、補正は必要でないと判定すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、エンジンの排気通路上に配設された選択還元触媒に添加剤(還元剤)を供給することで該エンジンの排気ガスを浄化する排気浄化方法及び排気浄化装置に有用である。
【符号の説明】
【0062】
1 エンジン
3 排気通路
13 尿素水噴射ノズル(添加剤供給手段)
16 選択還元触媒
24 NOxセンサ(流出NOx量検出手段)
50 コントロールユニット
50a 流入NOx量算出部
50b 推定浄化率算出部
50c 噴射量設定部(供給量設定部)
50d 実浄化率算出部
50e 補正部
50f 積算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの排気通路上に配設された選択還元触媒に添加剤を供給する添加剤供給工程を備え、該添加剤供給工程で該添加剤の供給を受けた上記選択還元触媒により上記エンジンの排気ガスを浄化する排気浄化方法であって、
上記選択還元触媒に流入する流入NOx量を算出する流入NOx量算出工程と、
上記エンジンの運転状態に基づいて、上記選択還元触媒によるNOxの推定浄化率を算出する推定浄化率算出工程と、
上記流入NOx量算出工程で算出した流入NOx量と上記推定浄化率算出工程で算出した推定浄化率とに基づいて、上記添加剤の供給量を設定する供給量設定工程と、
上記流入NOx量算出工程で算出した流入NOx量と、上記選択還元触媒の下流側に配設されかつ該選択還元触媒から流出する流出NOx量を検出するための流出NOx量検出手段により検出された流出NOx量とに基づいて、上記選択還元触媒によるNOxの実浄化率を算出する実浄化率算出工程と、
上記推定浄化率算出工程で算出した推定浄化率と上記実浄化率算出工程で算出した実浄化率とに基づいて、上記供給量設定工程で設定した添加剤の供給量の補正の要否の判定と該補正が必要であるとの判定の場合の該補正の実行とを行う補正工程とを備え、
上記添加剤供給工程は、上記補正工程で上記添加剤の供給量を補正した場合には、上記添加剤を、該補正した供給量でもって上記選択還元触媒に供給する一方、上記補正工程で上記添加剤の供給量を補正しなかった場合には、上記添加剤を、上記供給量設定工程で設定した供給量でもって上記選択還元触媒に供給する工程であることを特徴とする排気浄化方法。
【請求項2】
請求項1記載の排気浄化方法において、
上記補正工程は、上記推定浄化率算出工程で算出した推定浄化率が上記実浄化率算出工程で算出した実浄化率よりも大きい場合に、上記補正が必要であると判定して、上記供給量設定工程で設定した添加剤の供給量を減量する工程であることを特徴とする排気浄化方法。
【請求項3】
請求項1記載の排気浄化方法において、
上記補正工程は、上記推定浄化率算出工程で算出した推定浄化率から上記実浄化率算出工程で算出した実浄化率を引いた値が所定値よりも大きい場合に、上記補正が必要であると判定して、上記供給量設定工程で設定した添加剤の供給量を減量する工程であることを特徴とする排気浄化方法。
【請求項4】
請求項1記載の排気浄化方法において、
上記補正工程は、上記実浄化率算出工程で算出した実浄化率と上記流入NOx量算出工程で算出した流入NOx量とに基づいて、上記選択還元触媒に供給する添加剤のうちNOxの浄化に用いられる添加剤量を算出して、上記添加剤の供給量から該算出した添加剤量を引いた値である余剰量に基づいて、上記供給量設定工程で設定した添加剤の供給量の補正の要否の判定と該補正が必要であるとの判定の場合の該補正の実行とを行う工程であることを特徴とする排気浄化方法。
【請求項5】
請求項4記載の排気浄化方法において、
上記余剰量を積算する積算工程を更に備え、
上記補正工程は、上記余剰量の積算量が所定量よりも大きい場合に、上記補正が必要であると判定して、上記供給量設定工程で設定した添加剤の供給量を減量する工程であることを特徴とする排気浄化方法。
【請求項6】
エンジンの排気通路上に配設され、添加剤の供給を受けて該エンジンの排気ガスを浄化する選択還元触媒と、該選択還元触媒に上記添加剤を供給する添加剤供給手段とを備えた排気浄化装置であって、
上記選択還元触媒に流入する流入NOx量を算出する流入NOx量算出部と、
上記エンジンの運転状態に基づいて、上記選択還元触媒によるNOxの推定浄化率を算出する推定浄化率算出部と、
上記流入NOx量算出部により算出された流入NOx量と上記推定浄化率算出部により算出された推定浄化率とに基づいて、上記添加剤の供給量を設定する供給量設定部と、
上記選択還元触媒の下流側に配設され、該選択還元触媒から流出する流出NOx量を検出するための流出NOx量検出手段と、
上記流入NOx量算出部により算出された流入NOx量と、上記流出NOx量検出手段により検出された流出NOx量とに基づいて、上記選択還元触媒によるNOxの実浄化率を算出する実浄化率算出部と、
上記推定浄化率算出部により算出された推定浄化率と上記実浄化率算出部により算出された実浄化率とに基づいて、上記供給量設定工程で設定した添加剤の供給量の補正の要否の判定と該補正が必要であるとの判定の場合の該補正の実行とを行う補正部とを備え、
上記添加剤供給手段は、上記補正部により上記添加剤の供給量が補正された場合には、上記添加剤を、該補正された供給量でもって上記選択還元触媒に供給する一方、上記補正部により上記添加剤の供給量が補正されなかった場合には、上記添加剤を、上記供給量設定部により設定された供給量でもって上記選択還元触媒に供給するように構成されていることを特徴とする排気浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−196310(P2011−196310A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−66245(P2010−66245)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】