説明

排水処理方法および排水処理装置

【課題】難分解性の有機フッ素化合物を効果的に微生物によって分解することができる排水処理装置を提供する。
【解決手段】原水槽1に導入された有機フッ素化合物を含有する排水は、濾過器4によって濾過されてから、第1中継槽5で微生物、マイクロナノバブル発生助剤および栄養剤を混合されると共にマイクロナノバブル発生機7によってマイクロナノバブルを含有されて、被処理水が作成される。上記被処理水は、活性炭塔14に供給されて、上記被処理水中の上記有機フッ素化合物が、上記微生物によって分解される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、半導体工場や液晶工場のみならず、有機フッ素化合物を製造または使用する工場における排水処理方法および排水処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機フッ素化合物は化学的に安定な物質である。特に、上記有機フッ素化合物は、耐熱性および耐薬品性の観点から優れた性質を有することから、界面活性剤等の用途に用いられている。
【0003】
しかしながら、上記有機フッ素化合物は、化学的に安定な物質であるが故に、微生物によって分解され難い。例えば、上記有機フッ素化合物としてのパーフルオロオクタスルホン酸(PFOS)やパーフルオロオクタン酸(PFOA)は、生態系での分解が進まないことから、生態系への影響が懸念されている。すなわち、上記パーフルオロオクタスルホン酸(PFOS)や上記パーフルオロオクタン酸(PFOA)は、化学的に安定なため、熱分解させるためには、約1000℃以上の高温を必要としていた(特開2001−302551号公報:特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−302551号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、この発明の課題は、難分解性の有機フッ素化合物を効果的に微生物によって分解することができる排水処理方法および排水処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、この発明の排水処理方法は、
マイクロナノバブルおよび栄養剤で活性化した微生物を活性炭に繁殖させる工程と、
有機フッ素化合物を含有する排水を、上記活性炭に接触させて、上記排水中の上記有機フッ素化合物を、上記活性炭に吸着させると共に、上記微生物によって、上記活性炭に吸着した上記有機フッ素化合物を分解する工程と
を備えることを特徴としている。
【0006】
ここで、上記マイクロナノバブルとは、10μmから数百nm前後の直径を有する気泡をいう。上記栄養剤とは、微生物が活性化する際に必要な栄養素をいう。上記有機フッ素化合物とは、例えば、パーフルオロオクタスルホン酸(PFOS)やパーフルオロオクタン酸(PFOA)やペルフルオロ化スルホン酸アルキル類(PFAS)をいう。
【0007】
この発明の排水処理方法によれば、マイクロナノバブルおよび栄養剤で活性化した微生物を活性炭に繁殖させる工程と、有機フッ素化合物を含有する排水を、上記活性炭に接触させて、上記排水中の上記有機フッ素化合物を、上記活性炭に吸着させると共に、上記微生物によって、上記活性炭に吸着した上記有機フッ素化合物を分解する工程とを有するので、上記排水に含まれる難分解性の有機フッ素化合物(例えば、パーフルオロオクタスルホン酸(PFOS)やパーフルオロオクタン酸(PFOA)やペルフルオロ化スルホン酸アルキル類(PFAS))を効果的に微生物によって分解することができる。
【0008】
また、上記活性炭に吸着した上記有機フッ素化合物を、上記微生物によって分解するので、上記活性炭を自動的に再生できる。つまり、上記活性炭の再生の必要性がなくなって、メンテナンスコストおよびランニングコストを低減できる。
【0009】
また、この発明の排水処理装置は、
マイクロナノバブルおよび栄養剤で活性化した微生物が繁殖された活性炭を備え、
上記活性炭は、有機フッ素化合物を含有する排水が接触されて、上記排水中の上記有機フッ素化合物を吸着すると共に、この吸着した上記有機フッ素化合物を上記微生物によって分解されることを特徴としている。
【0010】
ここで、上記マイクロナノバブルとは、10μmから数百nm前後の直径を有する気泡をいう。上記栄養剤とは、微生物が活性化する際に必要な栄養素をいう。上記有機フッ素化合物とは、例えば、パーフルオロオクタスルホン酸(PFOS)やパーフルオロオクタン酸(PFOA)やペルフルオロ化スルホン酸アルキル類(PFAS)をいう。
【0011】
この発明の排水処理装置によれば、マイクロナノバブルおよび栄養剤で活性化した微生物が繁殖された活性炭を有し、上記活性炭は、有機フッ素化合物を含有する排水が接触されて、上記排水中の上記有機フッ素化合物を吸着すると共に、この吸着した上記有機フッ素化合物を上記微生物によって分解されるので、上記排水に含まれる難分解性の有機フッ素化合物(例えば、パーフルオロオクタスルホン酸(PFOS)やパーフルオロオクタン酸(PFOA)やペルフルオロ化スルホン酸アルキル類(PFAS))を効果的に微生物によって分解することができる。
【0012】
また、上記活性炭は、上記活性炭に吸着した上記有機フッ素化合物を上記微生物によって分解されるので、上記活性炭を自動的に再生できる。つまり、上記活性炭の再生の必要性がなくなって、メンテナンスコストおよびランニングコストを低減できる。
【0013】
また、この発明の排水処理方法は、
有機フッ素化合物を含有する排水を濾過する工程と、
この濾過した排水に、微生物、マイクロナノバブル発生助剤および栄養剤を混合すると共にマイクロナノバブルを含有させて、被処理水を作成する工程と、
上記被処理水を、活性炭が収容された活性炭塔に供給して、上記被処理水中の上記有機フッ素化合物を、上記微生物によって分解する工程と
を備えることを特徴としている。
【0014】
ここで、上記マイクロナノバブルとは、10μmから数百nm前後の直径を有する気泡をいう。上記マイクロナノバブル発生助剤とは、マイクロナノバブルの発生状態を安定して維持できるものをいう。上記栄養剤とは、微生物が活性化する際に必要な栄養素をいう。上記有機フッ素化合物とは、例えば、パーフルオロオクタスルホン酸(PFOS)やパーフルオロオクタン酸(PFOA)やペルフルオロ化スルホン酸アルキル類(PFAS)をいう。
【0015】
この発明の排水処理方法によれば、有機フッ素化合物を含有する排水を濾過する工程と、この濾過した排水に、微生物、マイクロナノバブル発生助剤および栄養剤を混合すると共にマイクロナノバブルを含有させて、被処理水を作成する工程と、上記被処理水を、活性炭が収容された活性炭塔に供給して、上記被処理水中の上記有機フッ素化合物を、上記微生物によって分解する工程とを有するので、上記微生物を、上記微生物の固定化担体である上記活性炭塔の上記活性炭に繁殖させて、上記マイクロナノバブルと上記栄養剤によって一層活性化し、上記有機フッ素化合物を合理的に分解処理できる。また、上記マイクロナノバブル発生助剤を添加することによって、上記微生物を活性化する上記マイクロナノバブルを、最適量発生できる。
【0016】
したがって、上記排水に含まれる難分解性の有機フッ素化合物(例えば、パーフルオロオクタスルホン酸(PFOS)やパーフルオロオクタン酸(PFOA)やペルフルオロ化スルホン酸アルキル類(PFAS))を効果的に微生物によって分解することができる。
【0017】
また、上記活性炭に吸着した上記有機フッ素化合物を、上記微生物によって分解できるので、上記活性炭を自動的に再生できる。つまり、上記活性炭の再生の必要性がなくなって、メンテナンスコストおよびランニングコストを低減できる。
【0018】
また、この発明の排水処理装置は、
有機フッ素化合物を含有する排水を濾過する濾過器と、
活性炭を収容する活性炭塔と
を備え、
上記有機フッ素化合物を含有する排水は、上記濾過器によって濾過されてから、微生物、マイクロナノバブル発生助剤および栄養剤を混合されると共にマイクロナノバブルを含有されて、被処理水が作成され、
上記被処理水は、上記活性炭塔に供給されて、上記被処理水中の上記有機フッ素化合物が、上記微生物によって分解されることを特徴としている。
【0019】
ここで、上記マイクロナノバブルとは、10μmから数百nm前後の直径を有する気泡をいう。上記マイクロナノバブル発生助剤とは、マイクロナノバブルの発生状態を安定して維持できるものをいう。上記栄養剤とは、微生物が活性化する際に必要な栄養素をいう。上記有機フッ素化合物とは、例えば、パーフルオロオクタスルホン酸(PFOS)やパーフルオロオクタン酸(PFOA)やペルフルオロ化スルホン酸アルキル類(PFAS)をいう。
【0020】
この発明の排水処理装置によれば、有機フッ素化合物を含有する排水を濾過する濾過器と、活性炭を収容する活性炭塔とを有し、上記有機フッ素化合物を含有する排水は、上記濾過器によって濾過されてから、微生物、マイクロナノバブル発生助剤および栄養剤を混合されると共にマイクロナノバブルを含有されて、被処理水が作成され、上記被処理水は、上記活性炭塔に供給されて、上記被処理水中の上記有機フッ素化合物が、上記微生物によって分解されるので、上記微生物を、上記微生物の固定化担体である上記活性炭塔の上記活性炭に繁殖させて、上記マイクロナノバブルと上記栄養剤によって一層活性化し、上記有機フッ素化合物を合理的に分解処理できる。また、上記マイクロナノバブル発生助剤を添加することによって、上記微生物を活性化する上記マイクロナノバブルを、最適量発生できる。
【0021】
したがって、上記排水に含まれる難分解性の有機フッ素化合物(例えば、パーフルオロオクタスルホン酸(PFOS)やパーフルオロオクタン酸(PFOA)やペルフルオロ化スルホン酸アルキル類(PFAS))を効果的に微生物によって分解することができる。
【0022】
また、上記活性炭に吸着した上記有機フッ素化合物を、上記微生物によって分解できるので、上記活性炭を自動的に再生できる。つまり、上記活性炭の再生の必要性がなくなって、メンテナンスコストおよびランニングコストを低減できる。
【0023】
また、一実施形態の排水処理装置では、マイクロナノバブル発生機を収容する排ガス処理槽を備え、
上記排ガス処理槽に導入された水は、微生物、マイクロナノバブル発生助剤および栄養剤を添加されると共に上記マイクロナノバブル発生機によってマイクロナノバブルを含有されて、洗浄水が作成され、
上記活性炭塔で上記被処理水中の上記有機フッ素化合物を上記微生物によって分解することで発生する排ガスは、上記排ガス処理槽に導入されて、上記洗浄水によって処理される。
【0024】
この実施形態の排水処理装置によれば、マイクロナノバブル発生機を収容する排ガス処理槽を有し、上記排ガス処理槽に導入された水は、微生物、マイクロナノバブル発生助剤および栄養剤を添加されると共に上記マイクロナノバブル発生機によってマイクロナノバブルを含有されて、洗浄水が作成され、上記活性炭塔で上記被処理水中の上記有機フッ素化合物を上記微生物によって分解することで発生する排ガスは、上記排ガス処理槽に導入されて、上記洗浄水によって処理されるので、上記排ガス中のフッ素を、上記洗浄水中の活性化した上記微生物によって、合理的に処理できる。
【0025】
また、一実施形態の排水処理装置では、上記濾過器に接続されると共に上記有機フッ素化合物を含有する排水が導入される原水槽と、
上記濾過器と上記活性炭塔との間に接続されると共に上記マイクロナノバブル発生機を有する第1中継槽と、
上記活性炭塔および上記排ガス処理槽に接続された第2中継槽と
を備え、
上記原水槽に導入された上記有機フッ素化合物を含有する排水は、上記濾過器によって濾過されてから、上記第1中継槽で上記微生物、上記マイクロナノバブル発生助剤および上記栄養剤を混合されると共に上記マイクロナノバブル発生機によって上記マイクロナノバブルを含有されて、上記被処理水が作成され、
上記被処理水は、上記活性炭塔に供給され、上記活性炭塔を通過した上記被処理水および上記排ガスは、上記第2中継槽または上記原水槽に導入されて、上記被処理水と上記排ガスとに分離され、
上記排ガスは、上記排ガス処理槽に導入される。
【0026】
この実施形態の排水処理装置によれば、上記活性炭塔を通過した上記被処理水および上記排ガスは、上記第2中継槽または上記原水槽に導入されて、上記被処理水と上記排ガスとに分離されるので、上記被処理水および上記排ガスを個別に確実に処理できる。
【0027】
また、上記活性炭塔を通過した上記被処理水および上記排ガスを、上記原水槽に導入する場合、上記被処理水を再度繰り返し処理できる。
【0028】
また、一実施形態の排水処理装置では、上記排ガス処理槽は、
下部に配置されると共に、上記マイクロナノバブル発生機を収容して上記洗浄水を貯水する下部貯水部と、
上部に配置されると共に、上記下部貯水部から汲み上げられた上記洗浄水を散水する上部散水部と
を有し、
上記上部散水部から散水された上記洗浄水は、上記排ガスを洗浄して、上記下部貯水部に貯水され、再度、上記上部散水部に汲み上げられる。
【0029】
この実施形態の排水処理装置によれば、上記上部散水部から散水された上記洗浄水は、上記排ガスを洗浄して、上記下部貯水部に貯水され、再度、上記上部散水部に汲み上げられるので、上記洗浄水を上記上部散水部と上記下部貯水部との間を循環して利用することができる。
【0030】
また、一実施形態の排水処理装置では、上記活性炭塔は、上記活性炭に加えて、充填材を収容している。
【0031】
この実施形態の排水処理装置によれば、上記活性炭塔は、上記活性炭に加えて、充填材を収容しているので、上記充填材に上記微生物を繁殖させて、この微生物によって、上記活性炭が吸着した上記有機フッ素化合物を効率よく分解処理できる。
【0032】
また、一実施形態の排水処理装置では、上記第2中継槽は、マイクロナノバブル発生機を収容している。
【0033】
この実施形態の排水処理装置によれば、上記第2中継槽は、マイクロナノバブル発生機を収容するので、上記活性炭塔を通過した上記被処理水中の微量の上記有機フッ素化合物に対しても、上記第2中継槽で微生物を活性化して分解処理できる。
【0034】
また、一実施形態の排水処理装置では、上記充填材は、ポリ塩化ビニリデン充填材である。
【0035】
この実施形態の排水処理装置によれば、上記充填材は、ポリ塩化ビニリデン充填材であるので、上記ポリ塩化ビニリデン充填材に活性化した微生物を高濃度に培養できて、上記活性炭が吸着した上記有機フッ素化合物を一層効率よく処理できる。また、上記ポリ塩化ビニリデン充填材は、市販されているので、容易に低価格で調達可能である。
【0036】
また、一実施形態の排水処理装置では、上記ポリ塩化ビニリデン充填材は、ひも状である。
【0037】
この実施形態の排水処理装置によれば、上記ポリ塩化ビニリデン充填材は、ひも状であるので、多くの上記ポリ塩化ビニリデン充填材を、上記活性炭塔に、収容することができる。
【0038】
また、一実施形態の排水処理装置では、上記ポリ塩化ビニリデン充填材は、リング状である。
【0039】
この実施形態の排水処理装置によれば、上記ポリ塩化ビニリデン充填材は、リング状であるので、上記ポリ塩化ビニリデン充填材を、上記活性炭塔に、簡単に収容することができる。
【0040】
また、一実施形態の排水処理装置では、上記第1中継槽は、充填材を収容している。
【0041】
この実施形態の排水処理装置によれば、上記第1中継槽は、充填材を収容するので、上記充填材に上記微生物を固定化しつつ繁殖させることができて、この微生物によって、上記活性炭塔に供給される前の上記被処理水中の上記有機フッ素化合物を分解処理できる。
【0042】
また、一実施形態の排水処理装置では、上記充填材は、ポリ塩化ビニリデン充填材である。
【0043】
この実施形態の排水処理装置によれば、上記充填材は、ポリ塩化ビニリデン充填材であるので、上記ポリ塩化ビニリデン充填材に活性化した微生物を高濃度に培養できて、上記第1中継槽内で上記被処理水中の上記有機フッ素化合物を一層効率よく処理できる。また、上記ポリ塩化ビニリデン充填材は、市販されているので、容易に低価格で調達可能である。
【0044】
また、一実施形態の排水処理装置では、上記ポリ塩化ビニリデン充填材は、ひも状である。
【0045】
この実施形態の排水処理装置によれば、上記ポリ塩化ビニリデン充填材は、ひも状であるので、多くの上記ポリ塩化ビニリデン充填材を、上記第1中継槽に、収容することができる。
【0046】
また、一実施形態の排水処理装置では、上記ポリ塩化ビニリデン充填材は、リング状である。
【0047】
この実施形態の排水処理装置によれば、上記ポリ塩化ビニリデン充填材は、リング状であるので、上記ポリ塩化ビニリデン充填材を、上記第1中継槽に、簡単に収容することができる。
【0048】
また、一実施形態の排水処理装置では、上記排ガス処理槽の上記下部貯水部は、充填材を収容している。
【0049】
この実施形態の排水処理装置によれば、上記排ガス処理槽の上記下部貯水部は、充填材を収容するので、上記充填材に上記微生物が繁殖して、上記排ガス中の有機物を吸収した上記洗浄水を、上記下部貯水部で、処理できる。つまり、上記充填材に繁殖して活性化した微生物によって、上記洗浄水中の有機フッ素化合物を分解できる。
【0050】
また、一実施形態の排水処理装置では、上記充填材は、ポリ塩化ビニリデン充填材である。
【0051】
この実施形態の排水処理装置によれば、上記充填材は、ポリ塩化ビニリデン充填材であるので、上記ポリ塩化ビニリデン充填材に活性化した微生物を高濃度に培養できて、上記排ガス処理槽内で上記被処理水中の上記有機フッ素化合物を一層効率よく処理できる。また、上記ポリ塩化ビニリデン充填材は、市販されているので、容易に低価格で調達可能である。
【0052】
また、一実施形態の排水処理装置では、上記ポリ塩化ビニリデン充填材は、ひも状である。
【0053】
この実施形態の排水処理装置によれば、上記ポリ塩化ビニリデン充填材は、ひも状であるので、多くの上記ポリ塩化ビニリデン充填材を、上記排ガス処理槽に、収容することができる。
【0054】
また、一実施形態の排水処理装置では、上記ポリ塩化ビニリデン充填材は、リング状である。
【0055】
この実施形態の排水処理装置によれば、上記ポリ塩化ビニリデン充填材は、リング状であるので、上記ポリ塩化ビニリデン充填材を、上記排ガス処理槽に、簡単に収容することができる。
【0056】
また、一実施形態の排水処理装置では、上記濾過器、上記第1中継槽、上記活性炭塔、上記第2中継槽および上記排ガス処理槽は、ユニット台に、載置されている。
【0057】
この実施形態の排水処理装置によれば、上記濾過器、上記第1中継槽、上記活性炭塔、上記第2中継槽および上記排ガス処理槽は、ユニット台に、載置されているので、上記濾過器、上記第1中継槽、上記活性炭塔、上記第2中継槽および上記排ガス処理槽を、上記ユニット台ごと、トラック等で容易に運搬できる。そして、短時間で設置できて、立ち上げ時間が早くなる。
【0058】
また、一実施形態の排水処理装置では、上記濾過器、上記第1中継槽、上記活性炭塔、上記第2中継槽および上記排ガス処理槽は、樹脂でつくられている。
【0059】
この実施形態の排水処理装置によれば、上記濾過器、上記第1中継槽、上記活性炭塔、上記第2中継槽および上記排ガス処理槽は、樹脂でつくられているので、上記濾過器、上記第1中継槽、上記活性炭塔、上記第2中継槽および上記排ガス処理槽を、軽量にできて、一層容易に移動できる。
【0060】
また、一実施形態の排水処理装置では、上記マイクロナノバブル発生機は、水中ポンプ型のマイクロナノバブル発生機である。
【0061】
この実施形態の排水処理装置によれば、上記マイクロナノバブル発生機は、水中ポンプ型のマイクロナノバブル発生機であるので、簡単な構成で多量のマイクロナノバブルを発生できる。
【発明の効果】
【0062】
この発明の排水処理方法によれば、マイクロナノバブルおよび栄養剤で活性化した微生物を活性炭に繁殖させる工程と、有機フッ素化合物を含有する排水を、上記活性炭に接触させて、上記排水中の上記有機フッ素化合物を、上記活性炭に吸着させると共に、上記微生物によって、上記活性炭に吸着した上記有機フッ素化合物を分解する工程とを有するので、難分解性の有機フッ素化合物を効果的に微生物によって分解することができる。
【0063】
この発明の排水処理装置によれば、マイクロナノバブルおよび栄養剤で活性化した微生物が繁殖された活性炭を有し、上記活性炭は、有機フッ素化合物を含有する排水が接触されて、上記排水中の上記有機フッ素化合物を吸着すると共に、この吸着した上記有機フッ素化合物を上記微生物によって分解されるので、難分解性の有機フッ素化合物を効果的に微生物によって分解することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0064】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0065】
(第1の実施形態)
図1は、この発明の排水処理装置の第1の実施形態である模式図を示している。この排水処理装置は、有機フッ素化合物を含有する排水が導入される原水槽1と、上記排水を濾過する濾過器4と、マイクロナノバブル発生機7を有する第1中継槽5と、活性炭を収容する活性炭塔14と、第2中継槽18と、マイクロナノバブル発生機29を収容する排ガス処理槽22とを有する。
【0066】
上記原水槽1は、上記濾過器4に接続される。上記第1中継槽5は、上記濾過器4と上記活性炭塔14との間に接続される。上記第2中継槽18は、上記活性炭塔14および上記排ガス処理槽22に接続される。
【0067】
そして、上記原水槽1に導入された上記排水は、上記濾過器4によって濾過されてから、上記第1中継槽5で微生物、マイクロナノバブル発生助剤および栄養剤を混合されると共に上記マイクロナノバブル発生機7によってマイクロナノバブルを含有されて、被処理水が作成される。
【0068】
上記被処理水は、上記活性炭塔14に供給されて、上記被処理水中の上記有機フッ素化合物が、上記微生物によって分解される。
【0069】
つまり、上記活性炭塔14の上記活性炭には、上記マイクロナノバブルおよび上記栄養剤で活性化した微生物が繁殖されている。上記活性炭は、上記排水が接触されて、上記排水中の上記有機フッ素化合物を吸着すると共に、この吸着した上記有機フッ素化合物を上記微生物によって分解される。
【0070】
上記活性炭塔14を通過した上記被処理水および上記排ガスは、上記第2中継槽18に導入されて、上記被処理水と上記排ガスとに分離され、上記排ガスは、上記排ガス処理槽22に導入される。
【0071】
上記排ガス処理槽22に導入された水は、微生物、マイクロナノバブル発生助剤および栄養剤を添加されると共に上記マイクロナノバブル発生機29によってマイクロナノバブルを含有されて、洗浄水が作成される。
【0072】
上記活性炭塔14で上記被処理水中の上記有機フッ素化合物を上記微生物によって分解することで発生する排ガスは、上記排ガス処理槽22に導入されて、上記洗浄水によって処理される。
【0073】
ここで、上記マイクロナノバブル発生助剤とは、マイクロナノバブルの発生状態を安定して維持できるものをいう。上記栄養剤は、例えば、窒素やリンを主成分として、カリウム、マグネシウムやカルシウムを微量に含み、微生物が活性化する際に必要な栄養素をいう。上記有機フッ素化合物とは、例えば、パーフルオロオクタスルホン酸(PFOS)やパーフルオロオクタン酸(PFOA)やペルフルオロ化スルホン酸アルキル類(PFAS)をいう。
【0074】
上記原水槽1には、原水槽ポンプ2が設置されており、バルブ3で流量を調整して、上記濾過器4に上記排水を導入している。上記濾過器4は、例えば、急速濾過器であり、石炭系のろ過材としてのアンスラサイトを充填している。
【0075】
上記第1中継槽5には、上記微生物を含有している水、上記マイクロナノバブル発生助剤を含有している水、および、上記栄養剤を含有している水が、バルブ3で流量を調整されて導入される。上記第1中継槽5には、上記濾過器4から上記排水が導入される。
【0076】
上記マイクロナノバブル発生機7は、上記第1中継槽5内に設けられた架台9上に固定されている。なお、上記マイクロナノバブル発生機7を、上記第1中継槽5の底面に設置してもよい。
【0077】
上記マイクロナノバブル発生機7は、水中ポンプ型のマイクロナノバブル発生機である。なお、上記マイクロナノバブル発生機7として、水中ポンプを具備しないマイクロナノバブル発生機であってもよいが、この場合、循環ポンプが必要になる。
【0078】
上記マイクロナノバブル発生機7には、空気吸い込み管10が接続され、上記マイクロナノバブル発生機7は、上記空気吸い込み管10から空気を吸い込んで、水と空気が超高速で旋回流を起こして、結果的に一定時間後にマイクロナノバブルを発生する。
【0079】
上記マイクロナノバブル発生機7としては、市販されているものならば、メーカーを限定するものではなく、具体的には、野村電子工業株式会社や株式会社オーラテックの商品がある。
【0080】
ここで、上記マイクロナノバブルとは、10μmから数百nm前後の直径を有する気泡をいう。なお、通常のバブル(気泡)は、水の中を上昇して、ついには表面でパンとはじけて消滅する。また、マイクロバブルとは、10μm〜数十μmの気泡径を有する気泡をいい、水中で縮小していき、ついには消滅(完全溶解)してしまう。また、ナノバブルとは、数百nm以下の直径を有する気泡をいい、いつまでも水の中に存在できる。そして、マイクロナノバブルは、マイクロバブルとナノバブルとが混合したバブルであるといえる。
【0081】
そして、上記第1中継槽5内では、上記マイクロナノバブル発生助剤の添加によって、上記マイクロナノバブル発生機7から、一定時間後に最適なマイクロナノバブルが発生している。
【0082】
上記マイクロナノバブル発生機7から吐出される微細な泡によって、水流8が発生し、この水流8が、上記第1中継槽5の循環水流となって、上記第1中継槽5内を攪拌している。つまり、上記水流8は、上記有機フッ素化合物含有排水、上記マイクロナノバブル発生助剤、上記微生物および上記栄養剤を混合する。マイクロナノバブルによって活性化した微生物は、上記栄養剤の添加によって、一層活性化する。
【0083】
上記第1中継槽5の外部には、第1中継槽ポンプ6が設置されており、上記第1中継槽5内の上記被処理水は、バルブ13で流量を調整されてから、上記第1中継槽ポンプ6によって、上記活性炭塔14の上部に導入される。
【0084】
上記活性炭塔14は、活性炭層15を有し、この活性炭層15に、上記活性炭が充填されている。この活性炭は、例えば、ヤシガラ活性炭または石炭系の活性炭である。ヤシガラ活性炭を選定するか、石炭系の活性炭を選定するかは、処理実験を実施して、活性炭の種類や形状、または、上記被処理水の導入量などを決定すれば良い。
【0085】
上記活性炭塔14内の上記活性炭には、マイクロナノバブルによって活性化した微生物が繁殖し、この微生物が上記有機フッ素化合物を分解する。上記有機フッ素化合物を分解すると、フッ素を含むガスを発生するが、上記被処理水と共に、上記活性炭塔14の下部から流出する。
【0086】
上記活性炭に微生物が繁殖していない場合、上記活性炭に水を導入し続けると、上記活性炭の有機物を吸着する能力が減少する。しかし、上記活性炭に繁殖した微生物の活性度が強力であると、上記活性炭が吸着した有機物を分解し、あたかも上記活性炭が再生された状態となる。
【0087】
従来、水道に関する浄水場では、流入水の有機物負荷が低いので、上記活性炭が微生物によって再生されていたが、排水では、有機物負荷がある程度高いので、上記活性炭の再生は稀であった。
【0088】
そこで、本発明では、マイクロナノバブルで、上記被処理水中の微生物を活性化し、固定化担体としての上記活性炭で微生物を繁殖させると、排水で有機物負荷があっても、強力で自動再生能力のある、いわゆる生物活性炭となり、上記活性炭塔14の活性炭の再生が不要で、メンテナンスコストおよびランニングコストの低減が可能となる。
【0089】
上記第1中継槽5および上記第2中継槽18は、ダクト21を介して、上記排ガス処理槽22に接続している。上記第1中継槽5および上記第2中継槽18は、配管を介して、上記活性炭塔4に接続している。
【0090】
上記活性炭塔14は、下流側に、分岐配管を有し、上記分岐配管の一方側は、第1中継槽行きバルブ16を介して、上記第1中継槽5に接続し、上記分岐配管の他方側は、第2中継槽行きバルブ17を介して、上記第2中継槽18に接続する。
【0091】
そして、上記活性炭塔14から排出された上記被処理水と上記フッ素を含む排ガスとは、その一部が上記第1中継槽5に返送されると同時に、その他が上記第2中継槽18に導入される。
【0092】
上記第2中継槽18への被処理水の導入量は、上記第2中継槽18への上記活性炭塔14からの被処理水を分析して、目的値以上の悪い水質ならば、上記バルブ16,17を調整して、上記第1中継槽5への返送量を多くする。また、目的値以下の良い水質ならば、上記バルブ16,17を調整して、上記第2中継槽18への導入量を多くする。
【0093】
上記中継槽5を出た上記被処理水は、上記被処理水の内容(すなわち水質)によって、次工程排水処理設備で処理される。この次工程排水処理設備では、フッ素含有排水の処理となる場合が多い。
【0094】
一方、上記第1中継槽5および上記第2中継槽18内のフッ素を含む(矢印で示す)排ガス12は、上記ダクト21を経由して、ファン20により、上記排ガス処理槽22に導入される。
【0095】
上記排ガス処理槽22は、下部に配置される下部貯水部24と、上部に配置される上部散水部23とを有する。
【0096】
上記下部貯水部24は、上記マイクロナノバブル発生機22を収容して上記洗浄水を貯水する。上記上部散水部23は、上記下部貯水部24から汲み上げられた上記洗浄水を散水する。
【0097】
上記上部散水部23から散水された上記洗浄水は、上記排ガスを洗浄して、上記下部貯水部24に貯水され、再度、散水ポンプ34を介して、上記上部散水部23に汲み上げられる。
【0098】
上記上部散水部23は、下から上に順に、多孔板28、プラスチック充填材27(例えば、商品名テラレット)および散水ノズル26を有する。上記上部散水部23には、上記散水ノズル26の上部に、排気出口35が設けられている。
【0099】
そして、上記フッ素を含む排ガスは、上記上部散水部23と上記下部貯水部24との間に設けられた上記ダクト21から、上記排ガス処理槽22に流入し、上記散水ノズル26から散水される上記洗浄水によって洗浄されて、上記排気出口35から排出される。
【0100】
上記下部貯水部24には、上記マイクロナノバブル発生機29が収容されている。上記マイクロナノバブル発生機29は、上記マイクロナノバブル発生機7と同様の構成であるので、その説明を省略する。
【0101】
上記マイクロナノバブル発生機29は、上記排ガス処理槽22内に設けられた架台30上に固定されている。
【0102】
上記マイクロナノバブル発生機29には、空気吸い込み管31が接続され、上記マイクロナノバブル発生機29は、上記空気吸い込み管31から空気を吸い込んで、水と空気が超高速で旋回流を起こして、結果的にマイクロナノバブルを発生する。
【0103】
上記排ガス処理槽22の上記下部貯水部24には、上記マイクロナノバブル発生助剤を含有する水、上記微生物を含有する水、および、上記栄養剤を含有する水が、バルブ3によって流量を調整されて、導入される。
【0104】
上記排ガス処理槽22内では、上記マイクロナノバブル発生助剤の添加によって、上記マイクロナノバブル発生機29から、最適なマイクロナノバブルが発生している。
【0105】
上記マイクロナノバブル発生機29から吐出される微細な泡によって、水流32が発生し、この水流32が、上記排ガス処理槽22の循環水流となって、上記排ガス処理槽22内を攪拌している。つまり、上記水流32は、上記洗浄水、上記マイクロナノバブル発生助剤、上記微生物および上記栄養剤を混合する。マイクロナノバブルによって活性化した微生物は、上記栄養剤の添加によって、一層活性化する。
【0106】
上記下部貯水部24内の上記洗浄水は、上記散水ポンプ34によって、洗浄水配管25を経由して、上記上部散水部23の上記散水ノズル26より、散水される。
【0107】
そして、マイククロナノバブルを含んだ洗浄水を、マイクロナノバブルを含んでいない洗浄水と比較すると、マイクロナノバブルを含んだ洗浄水の方が、上記有機フッ素化合物の除去率が良いことが、実験により確認できた。
【0108】
この理由として、マイクロナノバブルを含んだ洗浄水の気体中の汚れ成分に対する洗浄効果の拡大が考えられる。
【0109】
よって、蒸発性またはガス化しやすい有機フッ素化合物が発生した場合、洗浄水に吸収されて、上記下部貯水部24でマイクロナノバブルによって活性化した微生物により分解されることになる。
【0110】
従来は、工業用水等が補給水として一般に利用されていたが、本発明では、スクラバー方式の排ガス処理槽22の補給水として、多種微生物を含有している微生物含有水を利用した。
【0111】
そして、上記排ガス処理槽22の洗浄水は、運転開始とともに、水分が上記排気出口35より、蒸発または飛散によって、減少してくるが、微生物含有水である補給水を自動的に補給するボールタップ48が設置されて、補給水を自動的に補給し、上記下部貯水部24の液面が維持される。なお、上記排ガス処理槽22で処理されたフッ素を含む排ガスは、洗浄水に溶解して、洗浄水は、フッ素含有排水となり、次工程排水処理設備でフッ素が処理されることとなる。
【0112】
次工程排水処理設備とは、上記被処理水および上記洗浄水中のフッ素濃度が低い場合は、キレート樹脂塔による処理があり、または、上記被処理水および上記洗浄水中のフッ素濃度が高い場合は、カルシウム剤添加による凝集沈澱設備による処理がある。つまり、上記被処理水および上記洗浄水のフッ素濃度によって、方式を決定すれば良い。
【0113】
上記濾過器4、上記第1中継槽5、上記活性炭塔14、上記第2中継槽18および上記排ガス処理槽22は、ユニット台36に、載置されている。上記濾過器4、上記第1中継槽5、上記活性炭塔14、上記第2中継槽18および上記排ガス処理槽22は、好ましくは、樹脂でつくられている。
【0114】
次に、上記構成の排水処理装置を用いて、排水を処理する方法を説明する。
【0115】
有機フッ素化合物を含有する排水を濾過する。この濾過した排水に、微生物、マイクロナノバブル発生助剤および栄養剤を混合すると共にマイクロナノバブルを含有させて、被処理水を作成する。そして、上記被処理水を、活性炭が収容された活性炭塔14に供給して、上記被処理水中の上記有機フッ素化合物を、上記微生物によって分解する。
【0116】
つまり、上記マイクロナノバブルおよび上記栄養剤で活性化した微生物を活性炭に繁殖させる。そして、上記有機フッ素化合物を含有する排水を、上記活性炭に接触させて、上記排水中の上記有機フッ素化合物を、上記活性炭に吸着させると共に、上記微生物によって、上記活性炭に吸着した上記有機フッ素化合物を分解する。
【0117】
上記構成の排水処理装置によれば、マイクロナノバブルおよび栄養剤で活性化した微生物が繁殖された活性炭を有し、上記活性炭は、有機フッ素化合物を含有する排水が接触されて、上記排水中の上記有機フッ素化合物を吸着すると共に、この吸着した上記有機フッ素化合物を上記微生物によって分解されるので、上記排水に含まれる難分解性の有機フッ素化合物(例えば、パーフルオロオクタスルホン酸(PFOS)やパーフルオロオクタン酸(PFOA)やペルフルオロ化スルホン酸アルキル類(PFAS))を効果的に微生物によって分解することができる。
【0118】
また、上記活性炭は、上記活性炭に吸着した上記有機フッ素化合物を上記微生物によって分解されるので、上記活性炭を自動的に再生できる。つまり、上記活性炭の再生の必要性がなくなって、メンテナンスコストおよびランニングコストを低減できる。
【0119】
また、有機フッ素化合物を含有する排水を濾過する濾過器4と、活性炭を収容する活性炭塔14とを有し、上記有機フッ素化合物を含有する排水は、上記濾過器4によって濾過されてから、微生物、マイクロナノバブル発生助剤および栄養剤を混合されると共にマイクロナノバブルを含有されて、被処理水が作成され、上記被処理水は、上記活性炭塔14に供給されて、上記被処理水中の上記有機フッ素化合物が、上記微生物によって分解されるので、上記微生物を、上記微生物の固定化担体である上記活性炭塔14の上記活性炭に繁殖させて、上記マイクロナノバブルと上記栄養剤によって一層活性化し、上記有機フッ素化合物を合理的に分解処理できる。また、上記マイクロナノバブル発生助剤を添加することによって、上記微生物を活性化する上記マイクロナノバブルを、最適量発生できる。
【0120】
したがって、上記排水に含まれる難分解性の有機フッ素化合物(例えば、パーフルオロオクタスルホン酸(PFOS)やパーフルオロオクタン酸(PFOA)やペルフルオロ化スルホン酸アルキル類(PFAS))を効果的に微生物によって分解することができる。
【0121】
また、上記活性炭に吸着した上記有機フッ素化合物を、上記微生物によって分解できるので、上記活性炭を自動的に再生できる。つまり、上記活性炭の再生の必要性がなくなって、メンテナンスコストおよびランニングコストを低減できる。
【0122】
また、マイクロナノバブル発生機29を収容する排ガス処理槽22を有し、上記排ガス処理槽22に導入された水は、微生物、マイクロナノバブル発生助剤および栄養剤を添加されると共に上記マイクロナノバブル発生機29によってマイクロナノバブルを含有されて、洗浄水が作成され、上記活性炭塔14で上記被処理水中の上記有機フッ素化合物を上記微生物によって分解することで発生する排ガスは、上記排ガス処理槽22に導入されて、上記洗浄水によって処理されるので、上記排ガス中のフッ素を、上記洗浄水中の活性化した上記微生物によって、合理的に処理できる。
【0123】
また、上記活性炭塔14を通過した上記被処理水および上記排ガスは、上記第2中継槽18に導入されて、上記被処理水と上記排ガスとに分離されるので、上記被処理水および上記排ガスを個別に確実に処理できる。
【0124】
また、上記上部散水部23から散水された上記洗浄水は、上記排ガスを洗浄して、上記下部貯水部24に貯水され、再度、上記上部散水部23に汲み上げられるので、上記洗浄水を上記上部散水部23と上記下部貯水部24との間を循環して利用することができる。
【0125】
また、上記濾過器4、上記第1中継槽5、上記活性炭塔14、上記第2中継槽18および上記排ガス処理槽22は、ユニット台36に、載置されているので、上記濾過器4、上記第1中継槽5、上記活性炭塔14、上記第2中継槽18および上記排ガス処理槽22を、上記ユニット台36ごと、トラック等で容易に運搬できる。そして、短時間で設置できて、立ち上げ時間が早くなる。
【0126】
また、上記濾過器4、上記第1中継槽5、上記活性炭塔14、上記第2中継槽18および上記排ガス処理槽22は、樹脂でつくられているので、上記濾過器4、上記第1中継槽5、上記活性炭塔14、上記第2中継槽18および上記排ガス処理槽22を、軽量にできて、一層容易に移動できる。
【0127】
また、上記マイクロナノバブル発生機7,29は、水中ポンプ型のマイクロナノバブル発生機であるので、簡単な構成で多量のマイクロナノバブルを発生できる。
【0128】
(第2の実施形態)
図2は、この発明の排水処理装置の第2の実施形態を示している。図1に示す上記第1の実施形態と相違する点を説明すると、この第2の実施形態では、上記活性炭塔14は、上記活性炭に加えて、充填材としてのリング状ポリ塩化ビニリデン充填材37を収容している。なお、この第2の実施形態において、上記第1の実施形態と同一の部分には、同一の参照番号を付して、詳細な説明を省略する。
【0129】
つまり、上記活性炭層15の上部に上記リング状ポリ塩化ビニリデン充填材37を充填している。したがって、マイクロナノバブルによって、活性化した微生物が、上記リング状ポリ塩化ビニリデン充填材37に多量に繁殖する。
【0130】
また、上記リング状ポリ塩化ビニリデン充填材37に高濃度に繁殖した微生物は、一部上記リング状ポリ塩化ビニリデン充填材37から剥離して上記活性炭層15に移行して、上記活性炭層15の活性炭にも多量に繁殖することになる。
【0131】
要するに、上記有機フッ素化合物を、上記活性炭に吸着させて、その後活性化した微生物によって、分解できることを見出したので、上記活性炭塔14内で、上部を上記リング状ポリ塩化ビニリデン充填材37、下部を上記活性炭層15の組み合わせが上記有機フッ素化合物の分解に効果が上がることになる。また、上記被処理水を上記第1中継槽5と上記活性炭塔14との間で、通水を繰り返し、循環通水することに効果がある。
【0132】
したがって、上記活性炭塔14は、上記活性炭に加えて、上記リング状ポリ塩化ビニリデン充填材37を収容しているので、上記リング状ポリ塩化ビニリデン充填材37に上記微生物を繁殖させて、この微生物によって、上記活性炭が吸着した上記有機フッ素化合物を効率よく分解処理できる。
【0133】
また、上記リング状ポリ塩化ビニリデン充填材37に活性化した微生物を高濃度に培養できて、上記活性炭が吸着した上記有機フッ素化合物を一層効率よく処理できる。また、上記リング状ポリ塩化ビニリデン充填材37は、市販されているので、容易に低価格で調達可能である。
【0134】
また、上記リング状ポリ塩化ビニリデン充填材37は、リング状であるので、上記リング状ポリ塩化ビニリデン充填材37を、上記活性炭塔14に、簡単に収容することができる。
【0135】
(第3の実施形態)
図3は、この発明の排水処理装置の第3の実施形態を示している。図1に示す上記第1の実施形態と相違する点を説明すると、この第3の実施形態では、上記活性炭塔14は、上記活性炭に加えて、充填材としてのひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38を収容している。なお、この第3の実施形態において、上記第1の実施形態と同一の部分には、同一の参照番号を付して、詳細な説明を省略する。
【0136】
つまり、上記活性炭層15の上部に上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38を充填している。したがって、マイクロナノバブルによって、活性化した微生物が、上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38に多量に繁殖する。
【0137】
また、上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38に高濃度に繁殖した微生物は、一部上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38から剥離して上記活性炭層15に移行して、上記活性炭層15の活性炭にも多量に繁殖することになる。
【0138】
要するに、上記有機フッ素化合物を、上記活性炭に吸着させて、その後活性化した微生物によって、分解できることを見出したので、上記活性炭塔14内で、上部を上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38、下部を上記活性炭層15の組み合わせが上記有機フッ素化合物の分解に効果が上がることになる。また、上記被処理水を上記第1中継槽5と上記活性炭塔14との間で、通水を繰り返し、循環通水することに効果がある。
【0139】
したがって、上記活性炭塔14は、上記活性炭に加えて、上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38を収容しているので、上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38に上記微生物を繁殖させて、この微生物によって、上記活性炭が吸着した上記有機フッ素化合物を効率よく分解処理できる。
【0140】
また、上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38に活性化した微生物を高濃度に培養できて、上記活性炭が吸着した上記有機フッ素化合物を一層効率よく処理できる。また、上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38は、市販されているので、容易に低価格で調達可能である。
【0141】
また、上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38は、ひも状であるので、多くの上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38を、上記活性炭塔14に、収容することができる。
【0142】
(第4の実施形態)
図4は、この発明の排水処理装置の第4の実施形態を示している。図1に示す上記第1の実施形態と相違する点を説明すると、この第4の実施形態では、上記第1中継槽5は、充填材としてのひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38を収容している。なお、この第4の実施形態において、上記第1の実施形態と同一の部分には、同一の参照番号を付して、詳細な説明を省略する。
【0143】
したがって、マイクロナノバブルによって、活性化した微生物が、上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38に多量に繁殖する。
【0144】
また、上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38に高濃度に繁殖した微生物は、一部上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38から剥離して上記活性炭層15に移行して、上記活性炭層15の活性炭にも多量に繁殖することになる。
【0145】
要するに、上記有機フッ素化合物は、上記活性炭に吸着させて、その後活性化した微生物によって、分解できることを見出したので、上記第1中継槽5内を上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38を充填して、多量の活性化した微生物を繁殖させて、その後上記活性炭層15に移行させて処理するシステムが上記有機フッ素化合物の分解に効果が上がることになる。また、上記被処理水を上記第1中継槽5と上記活性炭塔14との間で、通水を繰り返し、循環通水することに効果がある。
【0146】
したがって、上記第1中継槽5は、上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38を収容しているので、上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38に上記微生物を繁殖させて、この微生物によって、上記活性炭塔14に供給される前の上記被処理水中の上記有機フッ素化合物を効率よく分解処理できる。
【0147】
また、上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38に活性化した微生物を高濃度に培養できて、上記第1中継槽5内で上記被処理水中の上記有機フッ素化合物を一層効率よく処理できる。また、上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38は、市販されているので、容易に低価格で調達可能である。
【0148】
また、上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38は、ひも状であるので、多くの上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38を、上記第1中継槽5に、収容することができる。
【0149】
(第5の実施形態)
図5は、この発明の排水処理装置の第5の実施形態を示している。図1に示す上記第1の実施形態と相違する点を説明すると、この第5の実施形態では、上記活性炭塔14を通過した上記被処理水および上記排ガスは、上記第1中継槽5ではなく上記原水槽1に導入されて、上記被処理水と上記排ガスとに分離される。なお、この第5の実施形態において、上記第1の実施形態と同一の部分には、同一の参照番号を付して、詳細な説明を省略する。
【0150】
具体的に述べると、上記原水槽1は、ダクト51,21を介して、上記排ガス処理槽22に接続している。上記原水槽1は、配管を介して、上記活性炭塔4に接続している。
【0151】
上記活性炭塔14の下流の上記第1中継槽行きバルブ16の下流側に、分岐配管を設け、上記分岐配管の一方側は、他の第1中継槽行きバルブ40を介して、上記第1中継槽5に接続され、上記分岐配管の他方側は、原水槽行きバルブ41を介して、上記原水槽1に接続される。
【0152】
そして、上記活性炭塔14から排出された上記被処理水と上記フッ素を含む排ガスとを、上記他の第1中継槽行きバルブ40を閉とし、上記原水槽行きバルブ41を開として、上記第1中継槽5に返すのではなく、上記原水槽1に返している。
【0153】
上記原水槽1で分離された上記排ガスは、上記ダクト51,21を介して、上記排ガス処理槽22に導入される。一方、上記原水槽1で分離された上記被処理水は、上記マイクロナノバブルで活性化した微生物を含んでいるので、上記有機フッ素化合物を少ない除去率で処理できる。つまり、上記活性炭塔14を通過した上記被処理水を、上記原水槽1に導入して、再度繰り返し処理できる。
【0154】
(第6の実施形態)
図6は、この発明の排水処理装置の第6の実施形態を示している。図1に示す上記第1の実施形態と相違する点を説明すると、この第6の実施形態では、上記第2中継槽18に、マイクロナノバブル発生機42が収容されている。なお、この第6の実施形態において、上記第1の実施形態と同一の部分には、同一の参照番号を付して、詳細な説明を省略する。
【0155】
上記マイクロナノバブル発生機42は、上記第2中継槽18内に設けられた架台44上に固定されている。上記マイクロナノバブル発生機42は、図1に示す上記第1の実施形態の上記マイクロナノバブル発生機7と同様の構成であるので、その説明を省略する。
【0156】
上記マイクロナノバブル発生機42には、空気吸い込み管45が接続され、上記マイクロナノバブル発生機42は、上記空気吸い込み管45から空気を吸い込んで、水と空気が超高速で旋回流を起こして、結果的にマイクロナノバブルを発生する。
【0157】
そして、上記第2中継槽18内では、上記マイクロナノバブル発生機42から吐出される微細な泡によって、水流43が発生し、この水流43が、上記第2中継槽18の循環水流となって、上記第2中継槽18内を攪拌している。
【0158】
そして、マイククロナノバブルを含んだ被処理水は、含んでいない被処理水と比較すると、含んだ被処理水の方が、有機フッ素化合物の除去率が良いことが、実験により確認できた。
【0159】
この理由としては、マイクロナノバブルを含んだ被処理水は、マイクロナノバブルによって、微生物が活性化し、残存している有機フッ素化合物を分解するためである。
【0160】
したがって、上記第2中継槽18は、上記マイクロナノバブル発生機42を収容するので、上記活性炭塔14を通過した上記被処理水中の微量の上記有機フッ素化合物に対しても、上記第2中継槽18で微生物を活性化して分解処理できる。
【0161】
(第7の実施形態)
図7は、この発明の排水処理装置の第7の実施形態を示している。図1に示す上記第1の実施形態と相違する点を説明すると、この第7の実施形態では、上記第2中継槽18に、マイクロナノバブル発生機42、および、充填材としてのひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38が収容されている。なお、この第7の実施形態において、上記第1の実施形態と同一の部分には、同一の参照番号を付して、詳細な説明を省略する。
【0162】
上記マイクロナノバブル発生機42は、上記第2中継槽18内に設けられた架台44上に固定されている。上記マイクロナノバブル発生機42は、図1に示す上記第1の実施形態の上記マイクロナノバブル発生機7と同様の構成であるので、その説明を省略する。
【0163】
上記マイクロナノバブル発生機42には、空気吸い込み管45が接続され、上記マイクロナノバブル発生機42は、上記空気吸い込み管45から空気を吸い込んで、水と空気が超高速で旋回流を起こして、結果的にマイクロナノバブルを発生する。
【0164】
そして、上記第2中継槽18内では、上記マイクロナノバブル発生機42から吐出される微細な泡によって、水流43が発生し、この水流43が、上記第2中継槽18の循環水流となって、上記第2中継槽18内を攪拌している。
【0165】
そして、マイククロナノバブルを含んだ被処理水は、含んでいない被処理水と比較すると、含んだ被処理水の方が、有機フッ素化合物の除去率が良いことが、実験により確認できた。
【0166】
この理由としては、マイクロナノバブルを含んだ被処理水は、マイクロナノバブルによって、微生物が活性化し、残存している有機フッ素化合物を分解するためである。
【0167】
したがって、上記第2中継槽18は、上記マイクロナノバブル発生機42を収容するので、上記活性炭塔14を通過した上記被処理水中の微量の上記有機フッ素化合物に対しても、上記第2中継槽18で微生物を活性化して分解処理できる。
【0168】
また、上記第2中継槽18は、上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38を収容しているので、上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38に上記微生物を繁殖させて、この微生物によって、上記第2中継槽18から排出される前の上記被処理水中の上記有機フッ素化合物を効率よく分解処理できる。
【0169】
また、上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38に活性化した微生物を高濃度に培養できて、上記第2中継槽18内で上記被処理水中の上記有機フッ素化合物を一層効率よく処理できる。また、上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38は、市販されているので、容易に低価格で調達可能である。
【0170】
また、上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38は、ひも状であるので、多くの上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38を、上記第2中継槽18に、収容することができる。
【0171】
(第8の実施形態)
図8は、この発明の排水処理装置の第8の実施形態を示している。図1に示す上記第1の実施形態と相違する点を説明すると、この第8の実施形態では、上記排ガス処理槽22の上記下部貯水部24に、充填材としてのひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38が収容されている。なお、この第8の実施形態において、上記第1の実施形態と同一の部分には、同一の参照番号を付して、詳細な説明を省略する。
【0172】
したがって、上記排ガス処理槽22に、上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38が収容されているので、上記マイクロナノバブルで活性化した上記微生物を、上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38に固定しつつ繁殖させることができる。
【0173】
よって、微生物濃度が高まり、微生物が活性化しているので、フッ素を含む排ガスを散水処理した時に、同時に上記洗浄水に吸収移行する有機物を効率的に微生物処理することができる。
【0174】
すなわち、有機フッ素化合物の分解過程でガス化した有機フッ素化合物を、上記洗浄水によって洗浄しつつ吸収し、上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38に繁殖した活性化微生物によって微生物分解する。
【0175】
また、多くの上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38を、上記排ガス処理槽22の上記下部貯水部24に、収容することができる。
【0176】
(実験例)
図1の第1の実施形態に対応する実験装置を製作した。この実験装置において、上記原水槽1の容量を約4mとし、上記濾過器4の容量を1mとし、上記第1中継槽5の容量を1mとし、上記活性炭塔14の容量を2mとし、上記第2中継槽18の容量を1mとし、上記排ガス処理槽22の全体容量を約3mとして、1ケ月、上記原水槽1に、有機フッ素化合物含有排水を導入し、上記第1中継槽5と上記排ガス処理槽22の上記下部貯水部24とに、上記微生物含有水、上記マイクロナノバブル発生助剤含有水および上記栄養剤含有水を導入して、試運転をおこなった。
【0177】
試運転後、上記原水槽1の入口におけるPFOS(パーフルオロオクタンスルホン散)濃度と上記第2中継槽18の出口におけるPFOSの濃度とを測定し、PFOSの除去率を測定したところ、96%であった。つまり、難分解性のPFOSを微生物によって効果的に分解することができる。
【0178】
なお、この発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、上記第4,7,8の実施形態において、上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38の代わりに、リング状ポリ塩化ビニリデン充填材を用いてもよく、このリング状ポリ塩化ビニリデン充填材を、上記第1中継槽5、上記第2中継槽18や上記排ガス処理槽22に、簡単に収容することができる。また、上記第1〜上記第8の実施形態において、上記第1中継槽5、上記第2中継槽18および上記排ガス処理槽22の少なくとも一つに、上記ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材38や上記リング状ポリ塩化ビニリデン充填材を収容してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0179】
【図1】本発明の排水処理装置の第1実施形態を示す模式図である。
【図2】本発明の排水処理装置の第2実施形態を示す模式図である。
【図3】本発明の排水処理装置の第3実施形態を示す模式図である。
【図4】本発明の排水処理装置の第4実施形態を示す模式図である。
【図5】本発明の排水処理装置の第5実施形態を示す模式図である。
【図6】本発明の排水処理装置の第6実施形態を示す模式図である。
【図7】本発明の排水処理装置の第7実施形態を示す模式図である。
【図8】本発明の排水処理装置の第8実施形態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0180】
1 原水槽
2 原水槽ポンプ
3 バルブ
4 濾過器
5 第1中継槽
6 第1中継槽ポンプ
7 マイクロナノバブル発生機
8 水流
12 排ガス
14 活性炭塔
15 活性炭層
18 第2中継槽
21 ダクト
22 排ガス処理槽
23 上部散水部
24 下部貯水部
29 マイクロナノバブル発生機
32 水流
35 排気出口
36 ユニット台
37 リング状ポリ塩化ビニリデン充填材
38 ひも状ポリ塩化ビニリデン充填材
42 マイクロナノバブル発生機
43 水流
48 ボールタップ
51 ダクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロナノバブルおよび栄養剤で活性化した微生物を活性炭に繁殖させる工程と、
有機フッ素化合物を含有する排水を、上記活性炭に接触させて、上記排水中の上記有機フッ素化合物を、上記活性炭に吸着させると共に、上記微生物によって、上記活性炭に吸着した上記有機フッ素化合物を分解する工程と
を備えることを特徴とする排水処理方法。
【請求項2】
マイクロナノバブルおよび栄養剤で活性化した微生物が繁殖された活性炭を備え、
上記活性炭は、有機フッ素化合物を含有する排水が接触されて、上記排水中の上記有機フッ素化合物を吸着すると共に、この吸着した上記有機フッ素化合物を上記微生物によって分解されることを特徴とする排水処理装置。
【請求項3】
有機フッ素化合物を含有する排水を濾過する工程と、
この濾過した排水に、微生物、マイクロナノバブル発生助剤および栄養剤を混合すると共にマイクロナノバブルを含有させて、被処理水を作成する工程と、
上記被処理水を、活性炭が収容された活性炭塔に供給して、上記被処理水中の上記有機フッ素化合物を、上記微生物によって分解する工程と
を備えることを特徴とする排水処理方法。
【請求項4】
有機フッ素化合物を含有する排水を濾過する濾過器と、
活性炭を収容する活性炭塔と
を備え、
上記有機フッ素化合物を含有する排水は、上記濾過器によって濾過されてから、微生物、マイクロナノバブル発生助剤および栄養剤を混合されると共にマイクロナノバブルを含有されて、被処理水が作成され、
上記被処理水は、上記活性炭塔に供給されて、上記被処理水中の上記有機フッ素化合物が、上記微生物によって分解されることを特徴とする排水処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の排水処理装置において、
マイクロナノバブル発生機を収容する排ガス処理槽を備え、
上記排ガス処理槽に導入された水は、微生物、マイクロナノバブル発生助剤および栄養剤を添加されると共に上記マイクロナノバブル発生機によってマイクロナノバブルを含有されて、洗浄水が作成され、
上記活性炭塔で上記被処理水中の上記有機フッ素化合物を上記微生物によって分解することで発生する排ガスは、上記排ガス処理槽に導入されて、上記洗浄水によって処理されることを特徴とする排水処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の排水処理装置において、
上記濾過器に接続されると共に上記有機フッ素化合物を含有する排水が導入される原水槽と、
上記濾過器と上記活性炭塔との間に接続されると共に上記マイクロナノバブル発生機を有する第1中継槽と、
上記活性炭塔および上記排ガス処理槽に接続された第2中継槽と
を備え、
上記原水槽に導入された上記有機フッ素化合物を含有する排水は、上記濾過器によって濾過されてから、上記第1中継槽で上記微生物、上記マイクロナノバブル発生助剤および上記栄養剤を混合されると共に上記マイクロナノバブル発生機によって上記マイクロナノバブルを含有されて、上記被処理水が作成され、
上記被処理水は、上記活性炭塔に供給され、上記活性炭塔を通過した上記被処理水および上記排ガスは、上記第2中継槽または上記原水槽に導入されて、上記被処理水と上記排ガスとに分離され、
上記排ガスは、上記排ガス処理槽に導入されることを特徴とする排水処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の排水処理装置において、
上記排ガス処理槽は、
下部に配置されると共に、上記マイクロナノバブル発生機を収容して上記洗浄水を貯水する下部貯水部と、
上部に配置されると共に、上記下部貯水部から汲み上げられた上記洗浄水を散水する上部散水部と
を有し、
上記上部散水部から散水された上記洗浄水は、上記排ガスを洗浄して、上記下部貯水部に貯水され、再度、上記上部散水部に汲み上げられることを特徴とする排水処理装置。
【請求項8】
請求項4に記載の排水処理装置において、
上記活性炭塔は、上記活性炭に加えて、充填材を収容していることを特徴とする排水処理装置。
【請求項9】
請求項6に記載の排水処理装置において、
上記第2中継槽は、マイクロナノバブル発生機を収容していることを特徴とする排水処理装置。
【請求項10】
請求項8に記載の排水処理装置において、
上記充填材は、ポリ塩化ビニリデン充填材であることを特徴とする排水処理装置。
【請求項11】
請求項10に記載の排水処理装置において、
上記ポリ塩化ビニリデン充填材は、ひも状であることを特徴とする排水処理装置。
【請求項12】
請求項10に記載の排水処理装置において、
上記ポリ塩化ビニリデン充填材は、リング状であることを特徴とする排水処理装置。
【請求項13】
請求項6に記載の排水処理装置において、
上記第1中継槽は、充填材を収容していることを特徴とする排水処理装置。
【請求項14】
請求項13に記載の排水処理装置において、
上記充填材は、ポリ塩化ビニリデン充填材であることを特徴とする排水処理装置。
【請求項15】
請求項14に記載の排水処理装置において、
上記ポリ塩化ビニリデン充填材は、ひも状であることを特徴とする排水処理装置。
【請求項16】
請求項14に記載の排水処理装置において、
上記ポリ塩化ビニリデン充填材は、リング状であることを特徴とする排水処理装置。
【請求項17】
請求項7に記載の排水処理装置において、
上記排ガス処理槽の上記下部貯水部は、充填材を収容していることを特徴とする排水処理装置。
【請求項18】
請求項17に記載の排水処理装置において、
上記充填材は、ポリ塩化ビニリデン充填材であることを特徴とする排水処理装置。
【請求項19】
請求項18に記載の排水処理装置において、
上記ポリ塩化ビニリデン充填材は、ひも状であることを特徴とする排水処理装置。
【請求項20】
請求項18に記載の排水処理装置において、
上記ポリ塩化ビニリデン充填材は、リング状であることを特徴とする排水処理装置。
【請求項21】
請求項6に記載の排水処理装置において、
上記濾過器、上記第1中継槽、上記活性炭塔、上記第2中継槽および上記排ガス処理槽は、ユニット台に、載置されていることを特徴とする排水処理装置。
【請求項22】
請求項21に記載の排水処理装置において、
上記濾過器、上記第1中継槽、上記活性炭塔、上記第2中継槽および上記排ガス処理槽は、樹脂でつくられていることを特徴とする排水処理装置。
【請求項23】
請求項6に記載の排水処理装置において、
上記マイクロナノバブル発生機は、水中ポンプ型のマイクロナノバブル発生機であることを特徴とする排水処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−326009(P2007−326009A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−157955(P2006−157955)
【出願日】平成18年6月7日(2006.6.7)
【特許番号】特許第3974929号(P3974929)
【特許公報発行日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】