説明

掘削機の3D集積レーザおよび無線測位誘導システム

掘削機の3D集積レーザおよび無線測位誘導システム(Ex_3D_ILRPGS)は、掘削機(14)の2D水平座標を得るよう構成された移動無線測位システム受信機(12);掘削機のブーム(36)、スティック(38)およびバケット(40)の座標を得るよう構成されたバケット−機械本体測位システム(16);少なくとも1本のレーザビーム(26)を受信するよう構成され、実質的に高い精度で局所的な垂直座標を与えるよう構成されたレーザ検出器(24);移動無線測位システム受信機によって得られた掘削機の2D水平座標と、バケット−機械本体測位システムによって得られた掘削機のブーム、スティックおよびバケットの座標と、レーザ検出器によって得られた局所的な垂直座標とを受信して統合するよう構成され、実質的に高い垂直精度で掘削機のバケットの切刃を誘導するよう構成されたオンボードナビゲーションシステム(28)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
この発明は、位置追跡および機械制御システムに関し、より具体的には、先行技術のシステムがもつ追跡および機械制御能力を最適化するために、互いに補完するよう構成されたレーザシステムと無線測位システムとの組合せに関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
近年、無線測距または疑似衛星機械制御システムの分野において進歩が見られた。しかしながら、無線測距または疑似衛星機械制御システムでは、精度がセンチメートルまでに制限されている。
【0003】
たとえば、トリンブル(Trimble)が導入してきた機械制御システムの系列には、単独昇降制御を備えたGCS300、複式昇降制御を備えたGCS400、横断勾配制御を備えたGCS500、横断勾配および昇降制御を備えたGCS600、そして最後に、センチメートルまでの精度で完全な3D制御を行うGCS900が含まれる。別の例においては、トリンブルはまた、SiteVision HEX機械制御システムを投入した。トリンブルのSiteVisionシステム(バージョン5.0)は、ブルドーザ、スクレーパ、モータグレーダ、圧縮機および掘削機上で使用される3D機械誘導および制御システムを含む。SiteVision HEX機械制御システムはGPS技術を用いる。ブルドーザまたはグレーダ上に設置されたGPS受信機は、機械のブレードの各々の端部に設置されたGPSアンテナの正確な位置を絶えず算出する。オンボードコンピュータは、各々のブレード先端の正確な位置を判定し、その位置を立面図設計と比較し、次いで、勾配に合わせて切削または充填を算出する。この情報は、運転室内のスクリーンに表示され、切削/充填データがSiteVisionのライトバーに伝えられ、これにより、勾配の上下や規定された並びの左右にオペレータを誘導する。
【0004】
近年、面レーザを含む回転レーザシステムおよび扇形レーザシステムにおいても進歩が見られた。面レーザは光の基準面を与える。扇形レーザは、軸を中心として回転する光の1つ以上の面を与え、ここから高度差を得ることができる。高度差を導き出すための一般的な技術は、2つ以上の扇形ビームが検出される時間の差を判定することによるものである。トリンブル・レーザステーション(Trimble Laser Station)およびトプコン・レーザ・ゾーン・システム(Topcon Laser Zone System)などのこれらのシステムにより、ミリメートルまでの正確な高度差が得られる。掘削作業中の掘削機にとっては、垂直精度が重要な精度となる。
【0005】
無線測距システムをレーザベースのシステムと組合せて、ミリメートルまでの垂直精度を有する掘削機を提供することが必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
発明の開示
この発明は、掘削機の3D集積レーザならびに無線測位および誘導のためのシステムおよび方法を提供する。掘削機は、トレッド部材を中心として水平に回動するキャブ部材を含むフレームと、第1の回動手段によって基端がキャブに回動可能に取付けられたブームと、第2の回動手段によって基端がブームの遠端に回動可能に取付けられたスティックと、第3の回動手段によって基端がスティックの遠端に回動可能に取付けられたバケットとを含む。バケットの遠端は、フレームに向かうバケットの動きに応じて土を掘削するのに
用いられる切刃を規定する。
【0007】
この発明の一局面は、掘削機の3D集積レーザおよび無線測位誘導システム(Ex_3D_ILRPGS)に向けられている。
【0008】
一実施例においては、この発明の掘削機の3D集積レーザおよび無線測位誘導システム(Ex_3D_ILRPGS)は、掘削機の2D水平座標を得るよう構成された移動無線測位システム受信機;機械本体に対する掘削機のブーム、スティックおよびバケットの位置座標を決定するよう構成されたバケット−機械本体測位システム;少なくとも1本のレーザビームを受信するよう構成され、実質的に高い精度で局所的な垂直座標を与えるよう構成されたレーザ検出器;ならびに、移動無線測位システム受信機によって得られた掘削機の2D水平座標と、バケット−機械本体測位システムによって得られた掘削機のブーム、スティックおよびバケットの位置座標と、レーザ検出器によって得られた局所的な垂直座標とを受信して統合するよう構成され、かつ、実質的に高い垂直精度で掘削機のバケットの切刃を誘導するよう構成されたオンボードナビゲーションシステムを含む。
【0009】
この発明の一実施例においては、移動無線測位システム受信機は、自律型衛星受信機、仮想基準局(VRS:Virtual Reference Station)ベースの差動衛星測位システム受信機、広域補強サービス(WAAS:Wide Area Augmentation Service)ベースの差動衛星測位システム受信機、リアルタイムキネマティック(RTK:Real Time Kinematic)ベースの衛星測位システム受信機、OmniSTAR高性能(HP:High Performance)ベースの差動衛星測位システム受信機、および、擬似衛星受信機からなる群から選択される。
【0010】
この発明の一実施例においては、衛星受信機は、全地球測位システム(GPS:Global
Positioning System)受信機、GLONASS受信機、全地球的航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)受信機、および、複合型GPS−GLONASS受信機からなる群から選択される。
【0011】
この発明の一実施例においては、バケット−機械本体測位システムは、角度(傾斜)センサ、シリンダ内測定センサ、ポテンショメータセンサ、および、ケーブルエンコーダからなる群から選択される。
【0012】
この発明の一実施例においては、レーザ検出器はさらに、片傾斜面レーザ送信機から片傾斜面レーザビームを受信するよう構成された片傾斜面レーザ検出器を含む。
【0013】
この発明の別の実施例においては、レーザ検出器はさらに、両傾斜面レーザ送信機から両傾斜面レーザビームを受信するよう構成された両傾斜面レーザ検出器を含む。
【0014】
この発明の付加的な実施例においては、レーザ検出器はさらに、片傾斜扇形レーザ送信機から片傾斜扇形レーザビームを受信するよう構成された片傾斜扇形レーザ検出器を含む。
【0015】
さらに、この発明の1つ以上の実施例においては、レーザ検出器はさらに、扇形レーザ送信機から少なくとも2本の扇形レーザビームを受信するよう構成された扇形レーザ検出器を含む。この発明のこの実施例においては、オンボードナビゲーションシステムは、Ex_3D_ILRPGSシステムの垂直精度を高めるよう、扇形レーザ送信機と扇形レーザ検出器との高さの差を算出するよう構成される。
【0016】
この発明の一実施例においては、オンボードナビゲーションシステムはさらに、バケッ
トの切刃の実際の位置と設計表面との差を計算するよう構成され、かつ、バケットの切刃を操作するよう構成された液圧バルブを制御することによってバケットの切刃の位置を制御するよう構成されたオンボードコンピュータを含む。
【0017】
一実施例においては、この発明の掘削機の3D集積レーザおよび無線測位誘導システム(Ex_3D_ILRPGS)はさらに、掘削機のバケットの動きを表示するよう構成されたオンボードディスプレイシステムを含み、バケットの切刃の垂直座標が、レーザビームの垂直精度と実質的に同様の精度で表示される。
【0018】
一実施例においては、この発明の掘削機の3D集積レーザおよび無線測位誘導システム(Ex_3D_ILRPGS)はさらに、掘削機を遠隔操作するよう構成された遠隔設置された制御局、および、遠隔設置された制御局とEx_3D_ILRPGSシステムのオンボードナビゲーションシステムとをリンクするよう構成された通信リンクを含む。この発明のこの実施例においては、オンボードナビゲーションシステムは、掘削機の実時間位置データを、当該通信リンクを介して、遠隔設置された制御局に送信するよう構成され、オンボードナビゲーションシステムは、少なくとも1つの制御信号を、遠隔設置された制御局から当該通信リンクを介して受信するよう構成される。無線通信リンクは、セルラー式リンク、無線、専用無線帯域、SiteNet900の専用無線ネットワーク、無線インターネット、衛星無線通信リンク、および、光無線リンクからなる群から選択される。
【0019】
この発明のこの実施例においては、遠隔設置された制御局はさらに、遠隔制御される掘削機のバケットの動きを表示するよう構成されたディスプレイを含む。
【0020】
この発明の別の局面は、Ex_3D_ILRPGSシステムを用いることによって実質的に高い垂直精度で掘削機を操作する方法に向けられている。
【0021】
一実施例においては、この発明の方法は、移動無線測位システム受信機を用いることによって掘削機の2D水平座標を得るステップ(A);バケット−機械本体測位システムを用いることによって機械本体に対する掘削機のブーム、スティックおよびバケットの位置座標を決定するステップ(B);レーザ送信機から少なくとも1本のレーザビームを受信するよう構成されたレーザ検出器を用いることによって実質的に高い精度で局所的な垂直座標を得るステップ(C);移動無線測位システム受信機によって得られた掘削機の2D水平座標と、バケット−機械本体測位システムによって得られた掘削機のブーム、スティックおよびバケットの位置座標と、オンボードナビゲーションシステムを用いることによってレーザ検出器によって得られた局所的な垂直座標とを受信して統合するステップ(D);ならびに、オンボードナビゲーションシステムを用いることによって実質的に高い垂直精度で掘削機のバケットの切刃を誘導するステップ(E)を含む。
【0022】
この発明の一実施例においては、ステップ(A)はさらに、自律型衛星受信機、仮想基準局(VRS)ベースの差動衛星測位システム受信機、広域補強サービス(WAAS)ベースの差動衛星測位システム受信機、リアルタイムキネマティック(RTK)ベースの衛星測位システム受信機、OmniSTAR高性能(HP)ベースの差動衛星測位システム受信機、および、擬似衛星受信機からなる群から移動無線測位システム受信機を選択するステップ(A1)を含む。この発明のこの実施例においては、ステップ(A)はさらに、全地球測位システム(GPS)受信機、GLONASS受信機、全地球的航法衛星システム(GNSS)受信機、および、複合型GPS−GLONASS受信機からなる群から衛星受信機を選択するステップ(A2)を含む。
【0023】
この発明の一実施例においては、移動無線測位システム受信機は、衛星受信機および擬似衛星受信機をさらに含み、ステップ(A)はさらに、衛星受信機を用いることによって
掘削機の第1の水平座標を得るステップと、擬似衛星受信機を用いることによって掘削機の第2の水平座標を得るステップとを含む。
【0024】
この発明の一実施例においては、ステップ(B)はさらに、傾斜センサ、シリンダ内測定センサ、ポテンショメータ、および、ケーブルエンコーダからなる群から少なくとも1つの位置センサを選択するステップ(B1)を含む。
【0025】
この発明の一実施例においては、ステップ(C)はさらに、片傾斜面レーザ検出器を用いることによって片傾斜面レーザ送信機から片傾斜面レーザビームを受信するステップ(C1)を含む。この発明の別の実施例においては、ステップ(C)はさらに、両傾斜面レーザ検出器を用いることによって両傾斜面レーザ送信機から両傾斜面レーザビームを受信するステップ(C2)を含む。この発明の1つ以上の実施例においては、ステップ(C)はさらに、片傾斜扇形レーザ検出器を用いることによって片傾斜扇形レーザ送信機から片傾斜扇形レーザビームを受信するステップ(C3)を含む。さらに、この発明の付加的な実施例においては、ステップ(C)はさらに、扇形レーザ検出器を用いることによって扇形レーザ送信機から少なくとも2本の扇形レーザビームを受信するステップ(C4)を含み、オンボードナビゲーションシステムは、Ex_3D_ILRPGSシステムの垂直精度を高めるよう、扇形レーザ送信機と扇形レーザ検出器との高さの差を算出するよう構成される。
【0026】
この発明の一実施例においては、ステップ(D)はさらに、オンボードコンピュータを用いて、バケットの切刃の実際の位置と設計表面との差を計算するステップ(D1)を含む。
【0027】
この発明の一実施例においては、ステップ(E)はさらに、オンボードナビゲーションシステムを用いて、バケットの切刃を操作するよう構成された液圧バルブを制御することによってバケットの切刃の位置を制御するステップ(E1)を含む。この発明の別の実施例においては、ステップ(E)はさらに、遠隔設置された制御局を用いて掘削機を遠隔操作するステップ(E2)を含む。この発明の1つ以上の実施例においては、ステップ(E)はさらに、通信リンクを用いて、遠隔設置された制御局とEx_3D_ILRPGSシステムのオンボードナビゲーションシステムとを接続するステップ(E3)と、掘削機の実時間位置データを、当該通信リンクを介して、遠隔設置された制御局に送信するステップ(E4)と、遠隔設置された制御局から当該通信リンクを介して少なくとも1つの制御信号を受信するステップ(E5)とを含む。この発明のこの実施例においては、ステップ(E3)はさらに、セルラー式リンク、無線、専用無線帯域、SiteNet900の専用無線ネットワーク、無線インターネット、衛星無線通信リンク、および、光無線リンクからなる群から無線通信リンクを選択するステップ(E3,1)を含む。
【0028】
一実施例においては、掘削機はさらに、オンボードディスプレイシステムを含み、この発明の方法はさらに、オンボードディスプレイシステムを用いることによって掘削機のバケットの動きを表示するステップ(F)を含み、バケットの切刃の垂直座標は、レーザビームの垂直精度と実質的に同様の精度で表示される。
【0029】
一実施例においては、遠隔設置された制御局はさらにディスプレイシステムを含み、この発明の方法はさらに、制御局ディスプレイシステムを用いることによって掘削機のバケットの動きを表示するステップ(H)を含み、バケットの切刃の垂直座標は、レーザビームの垂直精度と実質的に同様の精度で表示される。
【0030】
この発明の1つ以上の局面は、Ex_3D_ILRPGSシステムを用いることによって、改善された垂直精度で掘削機を操作する方法に向けられており、掘削機の3D座標は
、移動無線測位システム受信機を用いることによって得られ、局所的な垂直座標は、レーザ送信機から少なくとも1本のレーザビームを受信するよう構成されたレーザ検出器を用いることによって実質的に高い精度で得られる。
【0031】
一実施例においては、この発明の方法は、移動無線測位システム受信機を用いることによって掘削機の3D座標を得るステップ(A);バケット−機械本体測位システムを用いることによって機械本体に対する掘削機のブーム、スティックおよびバケットの位置座標を決定するステップ(B);レーザ送信機から少なくとも1本のレーザビームを受信するよう構成されたレーザ検出器を用いることによって実質的に高い精度で局所的な垂直座標を得るステップ(C);移動無線測位システム受信機の垂直精度を改善させるために、移動無線測位システム受信機によって得られた掘削機の3D座標と、バケット−機械本体測位システムによって得られた機械本体に対する掘削機のブーム、スティックおよびバケットの位置座標と、オンボードナビゲーションシステムを用いることによってレーザ検出器によって得られた局所的な垂直座標とを受信して統合するステップ(D);オンボードナビゲーションシステムを用いることによって、改善された垂直精度で掘削機のバケットの切刃を誘導するステップ(E)を含む。
【0032】
また、この発明の1つ以上の局面は、Ex_3D_ILRPGSシステムを用いることにより、かつ、重み関数を異なる測定値に割当てることによって、改善された垂直精度で掘削機を操作する方法に向けられている。
【0033】
この発明の一実施例においては、当該方法は、移動無線測位システム受信機を用いることにより、複数の測定値を生成することによって掘削機の3D座標測定値の組を得るステップ(A);バケット−機械本体測位システムを利用することによって掘削機のブーム、スティックおよびバケットの位置座標を得るステップ(B);レーザ送信機から少なくとも1本のレーザビームを受信するよう構成されたレーザ検出器を用いることによって複数の測定値を生成することにより、実質的に高い精度で局所的な垂直座標測定値の組を得るステップ(C);移動無線測位システム受信機を用いることによって得られた3D測定値の組に3D重み関数を割当てるよう構成され、レーザ検出器を用いることによって得られた局所的な垂直座標測定値の組に垂直重み関数を割当てるよう構成された重み関数を選択するステップ(D);移動無線測位システム受信機の垂直精度を改善させるために、オンボードナビゲーションシステムを用いることにより、3D重み関数を備えた掘削機の3D座標測定値の組と、垂直重み関数を備えた局所的な垂直座標測定値の組とを統合するステップ(E);ならびに、オンボードナビゲーションシステムを用いることによって、改善された垂直精度で掘削機のバケットの切刃を誘導するステップ(F)を含む。
【0034】
添付の図面は、この明細書において援用され、この明細書の一部を形成するものであり、この発明の実施例を例示し、その記載とともに、発明の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明のための、面レーザ送信機を利用する掘削機の3D集積レーザおよび無線測位誘導システム(Ex_3D_ILRPGS)を示す図である。
【図2】この発明のための、扇形レーザ送信機を利用する掘削機の3D集積レーザおよび無線測位誘導システム(Ex_3D_ILRPGS)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
発明を実施するための最適なモード
ここで、この発明の好ましい実施例を詳細に参照する。それらの例は、添付の図面に示される。この発明は好ましい実施例に関連付けて説明されるが、それが、この発明がそれらの実施例に限定されることを意図したものではないことが理解されるだろう。逆に、こ
の発明は、添付の特許請求の範囲に規定されるとおり、この発明の精神および範囲内に含まれ得る代替例、変更例および同等例を包含するよう意図されたものである。さらに、この発明の以下の詳細な説明においては、この発明を完全に理解できるようにするために、多くの具体的な詳細が述べられる。しかしながら、これらの具体的な詳細なしにこの発明が実施可能であることは当業者には明らかになるだろう。他の場合においては、この発明の局面を不必要にあいまいにしないようにするために、周知の方法、手順、構成要素および回路は詳細には説明していない。
【0037】
以下の詳細な説明のうちいくつかの部分は、移動無線測位システム受信機、レーザベースの測位システム、およびオンボードナビゲーションシステムに関して示されている。これらの説明および図示は、ナビゲーションシステムの分野の当業者が、当該技術分野の他の当業者に対して自身の所業の内容を最も有効に伝えるのに用いる手段である。
【0038】
この発明の一実施例においては、図1は、掘削機の3D集積レーザおよび無線測位誘導システム(Ex_3D_ILRPGS)10を示す。(図1の)典型的な掘削機14は、トレッド部材34を中心として水平に回動するキャブ部材32を含むフレーム33と、第1の回動手段42によって基端がキャブ32に回動可能に取付けられたブーム36と、第2の回動手段44によって基端がブーム36の遠端に回動可能に取付けられたスティック38と、第3の回動手段46によって基端がスティック38の遠端に回動可能に取付けられたバケット40とを含む。バケット40の遠端は、フレーム33に向かうバケット40の動きに応じて土を掘削するのに用いられる切刃30を規定する。
【0039】
この発明の一実施例においては、掘削機の3D集積レーザおよび無線測位誘導システム(Ex_3D_ILRPGS)10はさらに、掘削機14の2D水平座標を得るよう構成された移動無線測位システム受信機12と、機械本体33に対するバケット切刃30の位置を決定するよう構成されたバケット−機械本体測位システム16とを含む。
【0040】
図1をさらに参照すると、この発明の一実施例においては、掘削機の3D集積レーザおよび無線測位誘導システム(Ex_3D_ILRPGS)10はさらに、少なくとも1本のレーザビーム26を受信するよう構成され、実質的に高い精度で局所的な垂直座標をもたらすよう構成されたレーザ検出器24、ならびに、移動無線測位システム受信機12によって得られた掘削機の2D水平座標と、バケット−機械本体測位システム16によって得られた掘削機14のブーム36、スティック38およびバケット40の座標と、レーザ検出器24によって得られた局所的な垂直座標とを受信して統合するよう構成され、実質的に高い垂直精度で掘削機14のバケット30の切刃を誘導するよう構成されたオンボードナビゲーションシステム28を含む。
【0041】
この発明の一実施例においては、衛星受信機(図示せず)は、全地球測位システム(GPS)受信機、GLONASS受信機、全地球的航法衛星システム(GNSS)受信機、および、複合型GPS−GLONASS受信機からなる群から選択される。
【0042】
全地球測位システム(GPS)は、衛星信号送信機のシステムであり、当該システムが送信する情報から、観測者の現在の位置および/または観測時間を決定することができる。GPSシステムは、引用によりこの明細書中に援用されている資料ICD−GPS−200:GPSインターフェイス制御資料(GPS Interface Control Document)(ARINC Research、1997年、GPS共同計画事務所(GPS Joint Program Office))において十分に説明されている。
【0043】
別の衛星ベースのナビゲーションシステムは、全地球的航法衛星システム(GLONASS:Global Orbiting Navigational System)と称されており、代替的または補助的な
システムとして動作し得る。GLONASSシステムは、旧ソビエト連邦によって軌道に配置され、現在ではロシア共和国によって管理されている。
【0044】
欧州委員会の「2010年に向けての欧州運輸政策白書(White Paper on European transport policy for 2010)」に記載されているとおり、欧州連合は、全地球的航法衛星のインフラ(GNSS)の一環として独立した衛星ナビゲーションシステムGALILEOを開発しようとしている。
【0045】
この明細書中で言及される無線測位システム(RADPS)は、全地球測位システム(GPS)、全地球的航法衛星システム(GLONASS)、GALILEOシステム、および、観測者の位置および観測時間を決定するのに役立ち、そのすべてがこの発明の要件を満たしている情報を与える他の互換性のある全地球的航法衛星システム(GNSS)衛星ベースのシステム、さらには、1つ以上の擬似衛星送信機を含むシステムなどの地上ベースの無線測位システムを指している。
【0046】
RADPS受信機は、送信された天体暦のパラメータを復調することによってi番目の衛星の座標を決定した後、その未知の座標(x0,y0,Z0)および未知の時間バイアス誤差(cb)について連立方程式の組の解を得ることができる。RADPS受信機はまた、移動プラットフォームの速度を判断することができる。
【0047】
図1をさらに参照すると、この発明の一実施例においては、移動無線測位システム受信機12は、自律型衛星受信機、仮想基準局(VRS)ベースの差動衛星測位システム受信機、広域補強サービス(WAAS)ベースの差動衛星測位システム受信機、リアルタイムキネマティック(RTK)ベースの衛星測位システム受信機、OmniSTAR高性能(HP)ベースの差動衛星測位システム受信機、および、擬似衛星受信機からなる群から選択される。
【0048】
一実施例においては、(図1の)移動無線測位システム受信機12は、ディファレンシャルGPS受信機を含む。ディファレンシャル位置判定の際、RADPS信号の誤差の多くは、絶対位置の判定の精度を損なうものであるが、物理的に接近している局の場合には大きさが類似している。したがって、ディファレンシャル位置判定の精度に対するこれらの誤差の影響は、部分的な誤差相殺のプロセスによって実質的に減らされる。こうして、ディファレンシャル測位方法は、これらの局間の距離が、通常の場合のように、これらの局から衛星までの距離よりも実質的に短いとすれば、絶対位置決め方式よりもはるかに正確になる。ディファレンシャル測位を用いることにより、絶対的に数センチメートルの範囲内の精度で位置座標および距離を提供することができる。ディファレンシャルGPSは、(a)実時間コードディファレンシャルGPS;(b)後処理ディファレンシャルGPS;ならびに、(c)コードおよびキャリアRTKディファレンシャルGPS受信機を含むリアルタイムキネマティック(RTK)ディファレンシャルGPSを含み得る。
【0049】
ディファレンシャルGPS受信機は、さまざまな源からディファレンシャル補正を得ることができる。図1をさらに参照すると、この発明の一実施例においては、ディファレンシャルGPS受信機12は、基地局(図示せず)からディファレンシャル補正を得ることができる。
【0050】
既知の位置に配置された固定された基地局(BS:Base Station)により、受信された各々のGPS信号におけるレンジおよびレンジレート測定誤差が決定され、ローカルのユーザによって適用されるべき補正として、これらの測定誤差が伝えられる。基地局(BS)は、クロックバイアスCBBASEを持つそれ自体の不正確なクロックを有している。結果として、ローカルのユーザは、基地局の位置および基地局のクロックに対してより正確な
ナビゲーション結果を得ることができる。適切に設置されていれば、基地局から数百キロメートルの距離で5メートルの相対精度が可能となるはずである。
【0051】
図1をさらに参照すると、この発明の一実施例においては、移動無線測位システム受信機12は、無線通信装置(図示せず)および無線通信リンク(図示せず)を用いることによって、300kHz帯域放送で使われていない米国沿岸警備隊からのディファレンシャル補正を得るTRIMBLE Ag GPS−132受信機を用いることによって実現可能となる。この実施例においては、移動無線測位システム受信機12は、米国沿岸警備隊の基地局から(2〜300)マイル内に配置されなければならない。このディファレンシャルGPS方法の精度は約50cmである。
【0052】
図1をさらに参照すると、この発明の一実施例においては、ディファレンシャル補正は、広域補強システム(WAAS)から得ることができる。WAASシステムは、衛星(最初に静止衛星GEO)を用いて、GPSの保全および補正データをGPSユーザに同報通信する基地局のネットワークを含む。WAASは、GPSを補強する測距信号を与える。すなわち、WAAS測距信号は、標準的なGPS受信機のハードウェアの変更を最小限にするよう設計されている。WAAS測距信号は、粗捕捉(C/A)PRNコードだけを含むGPSタイプの変調およびGPS周波数を利用する。加えて、コード位相タイミングをGPS時間に同期させて、測距能力を与える。位置解を得るために、WAAS衛星は、衛星選択アルゴリズムにおける他の如何なるGPS衛星としても使用可能である。WAASは、WAASに適合しているユーザには無料でディファレンシャル補正を行なう。この方法の精度は1メートルを上回っている。
【0053】
図1をさらに参照すると、この発明の一実施例においては、リアルタイムキネマティック(RTK)ディファレンシャルGPS受信機を含む移動無線測位システム受信機12を用いることにより、2cm未満の精度で位置選定を行うことができる。RTKは、GPS信号補正が、既知の位置にある基準受信機から1つ以上の遠方のローバ受信機に実時間で送信されるプロセスである。RTK対応のGPSシステムを使用することにより、大気遅延、軌道誤差およびGPSジオメトリにおける他の変動を補償することができ、センチメートルの範囲内まで測位精度が高められる。技術者、地形学者、測量技師および他の専門家によって用いられるRTKは、精度が最重要視される応用例において用いられる技術である。RTKは、土木工学や浚渫などの応用例において、精密測位機器としてだけではなく、ナビゲーションシステムまたは自動機械誘導のための中核としても用いられる。これにより、他の従来の測位および追跡方法に勝る利点が得られ、生産性および精度が高められる。最も正確なGPS情報を送達するキャリア位相に加え、GPS信号のコード位相を用いて、RTKはディファレンシャル補正を行なって、最も正確なGPS測位をもたらす。RTKプロセスは予備的なアンビギュイティ決定から始まる。これは、特にローバ受信機の速度が実現可能な性能またはシステム全体の信頼性を低下させるべきではない実時間においては、いかなるキネマティックシステムにとっても重要な局面となる。米国特許第5,602,741号を参照されたい。
【0054】
図1をさらに参照すると、この発明の一実施例においては、ディファレンシャルGPS受信機を含む移動無線測位システム受信機12は、無線通信装置(図示せず)および無線通信リンク(図示せず)を用いることにより、仮想基地局(VBS)(図示せず)からディファレンシャル補正を得ることができる。
【0055】
実際には、仮想基地局(VBS)は、単一のセルラー式接続および無線伝送または同報通信システムからなる連結された通信リンクを介して、多数のローバに対し、ネットワークで作成された補正データを送達するよう構成される。無線送信システムの位置は、局所的な仮想基準局の位置として指定されたGPS基地局と同じ場所に配置することができる
。このGPS基地局は、GPSを用いてその位置を決定し、その位置を、局所的なGPS基地局とVRS基地局との間のセルラー式リンクを介してVRS基地局に送信する。これにより、このようなディファレンシャル補正が実在のGPS基地局位置で実際に引起こされているかのように、VRS基地局がディファレンシャル補正を引起こすことが可能となる。VRSをより詳細に説明している、Ulrich Vollath、Alois Deking、Herbert Landau、およびChristian Pagelsによる論文「仮想基準局を用いた長距離RTK測位(Long-Range RTK Positioning Using Virtual Reference Stations)」は、その全体が引用によりこの明細書中に援用されており、次のURL:http://trl.trimble.com/dscgi/ds.py/Get/File-93152/KIS2001-Paper-LongRange.pdfでアクセスすることができる。
【0056】
図1をさらに参照すると、この発明の一実施例においては、移動無線測位システム受信機12は、EZ−Guide Plusのライトバー誘導システムをAgGPS 252の多機能受信機とを組合わせたトリンブル(Trimble)(登録商標)のAgGPS(登録商標)EZ−Guide(登録商標)252システムを用いることによって実現可能である。EZ−Guide252のライトバー誘導システムにより、掘削機オペレータが所望のレベルのGPS精度を選択して、掘削機を手動で操縦することが可能となる。2インチを上回る精度を実現するために、OmniSTAR高機能(HP)衛星サービスを用いることもできる。
【0057】
OmniSTAR−HP(高機能)ソリューションは、ローバストで確実な高性能のGPS測位を提供する二重周波数GPS補強サービスである。二重周波数GPS観測を用いることにより、OmniSTAR―HPは、基準局およびユーザ位置で真の電離層誤差を測定して、位置決め精度におけるこの影響を実質的になくすことができる。GPS受信機のキャリア位相データに含まれる他の情報とともにイオンフリーのこれらの測定値を用いると、OmniSTAR−HPソリューションは、選択された区域において無比の精度および性能をもつ広域測位ソリューションをもたらすことができる。公開されている精度は0.2メートルの水平(Hz)および0.3メートルの垂直(Z)である。
【0058】
図1をさらに参照すると、この発明の一実施例においては、移動無線測位システム受信機12は、疑似衛星を用いることによって実現可能である。疑似衛星は、900MHZ、2.4GHzもしくは5.8GHz帯域のISM帯域を含むISM(Industrial scientific medical:工業・科学・医療)の無認可の動作帯域およびGPS周波数を含むがこれらに限定されないいかなる無線周波数でも作動するか、または、(9.5〜10)GHz帯域などの無線位置帯域で作動する地上ベースの無線測位システムを含む。疑似衛星は、高い精度、完全性および利用可能性を与えることによりGPSを向上させるのに用いることができる。GPS帯域における疑似衛星送信機の包括的な説明は、Bradford W. ParkinsonおよびJames J. Spilker Jr.によって編集され、1966年に米国航空宇宙学会(American Institute of Aeronautic and Astronautics, Inc.)により「宇宙航空学における発展(PROGRESS IN ASTRONAUTICS AND AERONAUTICS)」の第164巻で発表された「全地球測位システム:理論と応用;第II巻(Global Positioning System: Theory and Applications; Volume II)」に見出すことができる。この発明のために、ロカタ(Locata)(オーストラリア(Australia)、キャンベラ(Canberra))およびノバリアント(Novariant)(カリフォルニア州(California)、メンロパーク(Menlo Park))によって製造された疑似衛星を用いることができる。
【0059】
図1をさらに参照すると、この発明の一実施例においては、移動無線測位システム受信機12の移動無線測位システムは、掘削機14の位置座標を得るために、複数の可視衛星から衛星信号を受信するよう構成された衛星受信機(図示せず)と複数の利用可能な疑似衛星から疑似衛星信号を受信するよう構成された疑似衛星受信機(図示せず)との組合せを用いることによって実現することができる。無線測位システムとしての疑似衛星は、I
SM帯域で動作するよう構成され得る。こうして、この実施例においては、ユーザは、900MHZ、2.4GHzまたは5.8GHzの帯域を含むISM通信システムの両端を所有することができる。ISM技術は、カリフォルニア州、サニーベール(Sunnyvale)にあるトリンブル・ナビゲーション・リミテッド(Trimble Navigation Limited)、カリフォルニア州、ロスガトス(Los Gatos)にあるメトリコム(Metricom)、およびカリフォルニア州、サンタバーバラ(Santa Barbara)にあるユーティリコム(Utilicom)によって製造される。
【0060】
以下の説明ではGPS受信機に焦点を合わせているが、GLONASS受信機、GPS/GLONASS複合型受信機、GALILEO受信機または他の任意のRADPS受信機のために同じ手法を用いることができる。
【0061】
図1をさらに参照すると、この発明の一実施例においては、バケット−機械本体測位システム16は、機械本体33に対するバケット切刃30の位置を決定するよう構成される。これは複数の異なる方法を用いて行うことができる。
【0062】
この発明の一実施例においては、バケット−機械本体測位システム16は、ブーム36に取付けられた傾斜(角度)センサ18、スティック38に取付けられた傾斜(角度)センサ20、およびバケット40に取付けられた傾斜(角度)センサ22を用いることにより、機械本体33に対するバケット切刃30の位置を決定するよう構成される。
【0063】
米国、03766、ニューハンプシャー州(New Hampshire)、レバノン(Lebanon)にあるシグナルクエスト社(SignalQuest, Inc.)によって製造される傾斜センサは、この発明のために用いることができる。シグナルクエスト社は、埋込み型マイクロセンサを製造する。たとえば、SQ−SEN−00lPシリーズセンサは、動作中には連続的にオン・オフ接点を閉じ、停止中には、開いた状態または閉じた状態になる。当該センサは、傾斜(静的加速)および振動(動的加速)の両方に影響を受けやすい。当該センサは、電流を制限するために単一の抵抗器を用いて、一連のCMOSまたはTTLレベルの論理パルスを生成するのに容易に用いることができる。この信号は、マイクロコントローラを遮断(ウェイクアップ(wake up))するのに使用可能であるか、または、活動の量および期間を推定するようカウント可能である。当該センサは、完全に受動的であり、信号調整を必要とせず、0.25uAの連続電流を得るマイクロコントローラ遮断回路において容易に用いることができる。シグナルクエスト社によって製造される別のセンサには、SQ−SI−360DAソリッドステート(Solid-State)MEMS傾斜計がある。SQ−SI−360DAソリッドステートMEMS傾斜計は、360εのピッチ角または±80εのピッチおよびロール角のフルスケールレンジに直接対応するデジタルシリアル出力およびアナログ電圧出力をともに与える。
【0064】
この発明の一実施例においては、バケット−機械本体測位システム16は、液圧ラムの拡張を測定するケーブルエンコーダ(図示せず)を用いることにより、機械本体33に対するバケット切刃30の位置を決定するよう構成される。トリンブル・ナビゲーション・リミテッドは、ケーブルエンコーダを用いるCE21を製造する。
【0065】
この発明のためのケーブルエンコーダは、光学インクリメンタルエンコーダを用いることにより実現可能である。光学インクリメンタルエンコーダは、動きを検知するのに光および光学部品を用いる線形/角度位置センサである。光学エンコーダは、位置情報を高速で提供することができる。大抵の回転式光学エンコーダは、等間隔をあけて印が付けられたガラス円板で構成されており、円板の一方側に光源が搭載され、反対側に光検出器が搭載されている。回転式光学エンコーダの構成要素は、典型的には、過酷な産業環境にしばしば存在する塵や他の材料から光路および電子機器を保護する堅牢な密閉型ハウジングに
パッケージされている。円板が回転すると、円板上の印は光の経路を一時的に不明瞭にして、エンコーダにパルスを出力させる。1回転当たりにエンコーダが生成するパルスの数により、エンコーダの分解能が決定される。エンコーダの分解能(それらのPPR、1回転当たりのパルス)は、典型的には、数PPRから数10万PPRほどまでの範囲にわたる。円板上の印が均一に分散されるので、エンコーダは常に、適所での既知の漸進的な動きに応じてパルスを生成する。次いで、物体の位置は、エンコーダがパルスを生成するたびに増分または減分するカウンタにエンコーダの出力を接続することによって測定することができる。カウンタの値は、エンコーダの分解能に量子化される物体の位置を示す。すなわち、エンコーダが1回転当たり10のパルスを生成する場合、位置測定の分解能は1回転の10分の1ほどになり得る。
【0066】
運動方向を検出し、エンコーダの有効分解能を高めるために、第2の光検出器を追加し、マスクをガラス円板と光検出器(図示せず)との間に挿入する。2つの光検出器およびマスクは、エンコーダシャフトの回転時に(90°位相がずれている)2つの正弦波が生成されるように配置される。これらのいわゆる直交信号は、アナログ正弦波信号として直接エンコーダから送出されるか、またはコンパレータを用いて2乗されて、デジタル出力を生成する。エンコーダの分解能を高めるために、補間と称される方法が、正弦波出力または方形波出力のいずれかまたは両方に適用される。補間により、典型的には、高められたエンコーダ分解能がガラス円板の基本分解能の2〜25倍になる。単にエンコーダからの直交信号のタイミングを調べることにより方向が得られる。
【0067】
標準的な回転エンコーダについての変形例には中空軸エンコーダがある。中空軸エンコーダは軸のない内蔵型エンコーダである。中空軸エンコーダは、位置を測定するためにシャフトに結合するのではなく、単に、測定されるべき軸にわたって搭載される。続いて、中空軸エンコーダは、連結に伴う共振をなくし、困難な位置合わせを単純にする。線形の光学エンコーダは直線的な動きを検知する。リニアエンコーダは、等間隔を空けて印が付けられた静止しているスケールと回転している円板とを取替える。リニアエンコーダのスケールは、ガラス、金属またはテープ(金属、プラスチック…)から構成され得る。スケール上の印は、光源および光検出器を含む移動ヘッドアセンブリで読取られる。リニアエンコーダの分解能は距離の単位で特定され、印間の距離で決定される。リニアエンコーダは、数センチメートルから数百メートルの長さで、ミクロン(以下)ほどの分解能で利用可能である。
【0068】
レーザ光学エンコーダは別のタイプの運動センサである。これらの装置は、内部で異なる測定方法を用いるが、標準的なエンコーダと同じ機能を提供する。利用可能なさまざまな運動センサのうち、エンコーダは、適正価格で最適な精度および速度を提供し、多数の製造業者から容易に入手可能である。
【0069】
この発明の一実施例においては、バケット−機械本体測位システム16は、位置検知シリンダ(シリンダ内測定)を用いることにより、機械本体33に対するバケット切刃30の位置を決定するよう構成されており、この場合、シリンダの長さは、飛行時間のような方法または他の方法を用いて、シリンダの一方の端部から他方の端部までの距離を測定することによって決定される。
【0070】
この発明の一実施例においては、バケット−機械本体測位システム16は、電圧を測定するための一種のブリッジ回路であるポテンショメータを用いることにより、機械本体33に対するバケット切刃30の位置を決定するよう構成される。本来のポテンショメータは4つの主要な部類、すなわち、定抵抗ポテンショメータ、定電流ポテンショメータ、マイクロボルト・ポテンショメータおよび熱電対ポテンショメータに分類される。
【0071】
たとえば、ブーム上のポテンショメータ、(レーザ検出器が一体化された)スティック上の傾斜センサ、およびバケット上の位置検知シリンダの組合せを用いたシステムも開発されている。「バケット−機械本体」サブシステムの製造業者には、Mikrofyn、Prolec、AxiomaticおよびTrimbleが含まれる。
【0072】
図1をさらに参照すると、この発明の一実施例においては、レーザ検出器24はさらに、片傾斜面レーザ送信機50から片傾斜面レーザビーム26を受信するよう構成された片傾斜面レーザ検出器を含む。GL700などの同様の片傾斜面レーザ送信機製品は、Trimbleによって製造される。
【0073】
より具体的には、米国特許第6,433,866号に従うと、(図1の)レーザ送信機50は回転レーザシステム(図示せず)を含む。回転レーザシステムにおいては、レーザ源は水平面(またはZ面)で(機械的または光学的に)回転する。回転レーザは、ミリメートルの精度で正確な基準面を与えるレーザビームを発する。しかしながら、回転レーザビームの利点を見つけて獲得するために、潜在的なユーザは、垂直範囲内に位置していなければならず、また、回転レーザビームを受信することのできるレーザ検出器(またはレーザ受信機)を備えていなければならない。機械的な実施例においては、モータはレーザと、これによりレーザビームとを物理的に回転させる。光学的な実施例においては、鏡は、物理的に回転しないレーザが回転レーザビームを発するように回転する。
【0074】
この発明の別の実施例においては、図1をさらに参照すると、レーザ検出器24はさらに、両傾斜面レーザ送信機50から両傾斜面レーザビーム(図示せず)を受信するよう構成された両傾斜面レーザ検出器を含む。
【0075】
この発明の一実施例においては、図2は、扇形レーザ送信機72を用いる掘削機の3D集積レーザおよび無線測位誘導システム(Ex_3D_ILRPGS)70を示す。この発明のこの実施例においては、レーザ検出器78はさらに、片傾斜面扇形レーザ送信機72から片傾斜面扇形レーザビーム76(または74)を受信するよう構成された片傾斜面扇形レーザ検出器を含む。このような扇形レーザ送信機72は、引用により全体がこの明細書中に援用されている「レーザシステムおよびグローバルナビゲーション衛星システムの組合せ(COMBINATION LASER SYSTEM AND GLOBAL NAVIGATION SATELLITE SYSTEM)」と題された、継続中の公開された米国特許出願US−2006−0012777において詳細に説明されている。継続中の米国特許出願US−2006−0012777は、この特許出願の譲受人に譲渡されている。
【0076】
図2をさらに参照すると、この発明の一実施例においては、レーザ検出器78はさらに、扇形レーザ送信機72から少なくとも2本の扇形レーザビーム(74および76)を受信するよう構成された扇形レーザ検出器を含む。この発明のこの実施例においては、オンボードナビゲーションシステム28は、Ex_3D_ILRPGSシステムの垂直精度を高めるよう、扇形レーザ送信機72と扇形レーザ検出器78との間の高さの差を計算するよう構成される。トリンブル・ナビゲーション・リミテッドは、(図2の)2つの回転する扇形レーザビーム74および76を生成する3Dレーザステーション72を製造する。
【0077】
この発明の一実施例においては、オンボードナビゲーションシステム(図1の28または図2の80)はさらに、バケットの切刃の実際の位置(図1の30または図2の82)と設計表面(図示せず)との差を計算するよう構成され、かつ、バケットの切刃(図1の30または図2の82)を操作するよう構成された液圧バルブ(図1の47または図2の84)を制御することによってバケットの切刃の位置を制御するよう構成されたオンボードコンピュータ(図示せず)を含む。
【0078】
一実施例においては、この発明の掘削機の3D集積レーザおよび無線測位誘導システム(Ex_3D_ILRPGS)はさらに、掘削機のバケットの動き(図1の40または図2の83)を表示するよう構成されたオンボードディスプレイシステム(図1の29または図2の86)を含む。バケットの切刃(図1の30または図2の82)の垂直座標は、レーザビーム(図1の26または図2の74、76)の垂直精度と実質的に同様の精度で表示される。
【0079】
一実施例においては、この発明の掘削機の3D集積レーザおよび無線測位誘導システム(Ex_3D_ILRPGS)はさらに、掘削機を遠隔操作するよう構成された遠隔設置された制御局(図1の60または図2の88)、および、遠隔設置された制御局とEx_3D_ILRPGSシステムのオンボードナビゲーションシステムとをリンクするよう構成された通信リンク(図1の62または図2の90)を含む。この発明のこの実施例においては、オンボードナビゲーションシステムは、掘削機の実時間位置データを、当該通信リンクを介して、遠隔設置された制御局に送信するよう構成され、オンボードナビゲーションシステムは、少なくとも1つの制御信号を、遠隔設置された制御局から当該通信リンクを介して受信するよう構成される。無線通信リンク(図1の62または図2の90)は、セルラー式リンク、無線、専用無線帯域、SiteNet900の専用無線ネットワーク、無線インターネット、衛星無線通信リンク、および、光無線リンクからなる群から選択される。
【0080】
この発明の一実施例においては、図1をさらに参照すると、遠隔設置された制御局60はさらに、遠隔制御された掘削機のバケット40の動きを表示するよう構成されたディスプレイ64を含む。同様に、図2に図示のとおり、遠隔設置された制御局88はさらに、遠隔制御された掘削機のバケット83の動きを表示するよう構成されたディスプレイ92を含む。
【0081】
この発明の一実施例においては、無線通信リンク(図1の62または図2の90)は、TrimbleのSiteNet(登録商標)900の専用無線ネットワークを用いることによって実現することができる。TrimbleのSiteNet(登録商標)900専用無線ネットワークは、特に建設および採掘業界用に設計された堅牢なマルチネットワークの900MHz無線モデムであり、これは、実時間で高精度にGPSを適用するためのロバストな無線データ放送網を確立するのに用いられる。この汎用性のあるTrimbleの無線機は、902〜928MHzの周波数範囲で作動して、TrimbleのGPS受信機によって用いられる実時間データを同報通信、反復および受信する。最適条件下では、見通し線および受信可能範囲が最大で10km(6.2マイル)までとなるSiteNet900の無線放送データは、マルチリピータのネットワークを用いることによって向上させることができる。リピータとしてSiteNet900無線機を用いることにより、以前にはアクセスできなかった位置または遮断された位置に受信可能範囲を与えることが可能となる。SiteNet900無線機には汎用性があるので、いかなるネットワーク構成にも適するようその動作モードを容易に変更することができる。これにより費用が低減され、可用時間が最大限にされる。加えて、SiteNet900はアメリカ合衆国およびカナダでは許可が要らないため、携帯可能性が非常に高くなり、また、ライセンス供与の煩わしさや制約なしにプロジェクトごとに移動させることができる。SiteNet900無線機は、他の多くの製品および技術ではなし得なかった要求の厳しいRF環境において確実に作動するように設計されている。感度およびジャミング耐性の高いGPS向けに最適化されたSiteNet900無線機は、エラー訂正および高速データレートを有しており、最大限の性能を保証している。SiteNet900無線機は、TrimbleのSiteVision(登録商標)GPS勾配制御システムとともに使用するのに特に適しており、信頼性が重要となるすべてのGPS機械制御応用例には理想的である。堅牢な機械ユニットは、特に過酷な建築および採掘環境のために設計および構築さ
れたものである。塵、雨、飛沫および噴霧に対して完全に封止されているので、SiteNet900無線機はあらゆる天候でも依然として確実性が維持される。無線機の堅牢性および確実性により、作業休止時間が最小限になり、所有経費が低減される。TrimbleのSiteNet900無線機は、MS750、MS850、MS860および5700の受信機を含むTrimbleの如何なるGPS受信機とも使用可能である。
【0082】
この発明の一実施例においては、無線通信リンク(図1の62または図2の90)は、パーソナル通信サービス(PCS)をサポートする1.8GHz帯域を用いることによって実現可能である。PCSは国際規格DCS−1800を用いる。しかし、1つ以上の実施例においては、無線通信リンクは実時間回路交換式無線通信リンクを含み得る。たとえば、実時間回路交換式無線通信リンクを採用している無線通信リンクは、モトローラ(Motorola)(イリノイ州(Illinois)、ショームバーグ(Schaumburg))によって製造されたイリジウム衛星システムを含み得る。
【0083】
付加的な一実施例においては、無線通信リンク(図1の62または図2の90)は、デジタルパケットデータを格納および転送するのに用いることができる低地球軌道衛星(LEOS:Low Earth Orbiting Satellites)のシステム、中地球軌道衛星(MEOS:Medium Earth Orbiting Satellites)のシステムまたは静止地球軌道衛星(GEOS:Geostationary Earth Orbiting Satellites)のシステムを用いることによって実現することができる。たとえば、(20〜30)GHzの範囲内にあるLEOSシステムは、ワシントン州(Washington)、レドモンド(Redmond)にあるセルラー・コミュニケーションズ(Cellular Communications)によって製造され、(1.6〜2.5)GHzの範囲内にあるLEOSシステムは、カリフォルニア州、サンディエゴ(San Diego)にあるローラル/クオルコム(Loral/Qualcomm)によって製造される。
【0084】
この発明を目的とした無線通信リンク(図1の62または図2の90)は、携帯電話通信手段、ページング信号受信手段、無線メッセージ通信サービス、無線アプリケーションサービス、無線WAN/LAN局、または、少なくとも1つの衛星を用いて電波信号を中継する地球−衛星−地球通信モジュールを用いることによって実現可能である。無線通信リンクはまた、モデムを備えた高度携帯電話システム(AMPS:Advanced Mobile Phone System)を含み得る携帯電話通信手段を含み得る。モデムは、800MHZ範囲内のDSP(デジタル信号プロセッサ)モデム、または、800MHZ範囲内のセルラー式デジタルパケットデータ(CDPD)モデムを含み得る。セルラー式デジタル通信手段は、形式IS−54を採用する時分割多重アクセス(TDMA)システム、形式IS−95を採用する符号分割多重アクセス(CDMA)システム、または周波数分割多重アクセス(FDMA)を用いた、無線リンクにわたるデジタルデータの変調手段を含む。欧州で用いられるTDMAシステムは、フランス語でgroupe special mobile(GSM)と称される。
【0085】
この発明の一実施例においては、携帯電話通信手段は、たとえば、特別なウェブサイト上の自己調査型レーザ送信機の位置の実時間座標を同報通信するために、インターネットに無線でアクセスするのに用いることができる。
【0086】
この発明のための無線通信装置(図1の63または図2の94)は、セルラー式リンク、無線リンク、専用無線帯域リンク、SiteNet900の専用無線ネットワークリンク、無線インターネットへのリンク、および衛星無線通信リンクを提供するよう構成され得るいかなる装置を用いることによっても実現することができる。当業者であればこれらのすべての装置を容易に識別することができる。上述の説明を参照されたい。
【0087】
この発明の一実施例においては、無線通信装置(図1の63または図2の94)は、無線通信リンク(図1の62または図2の90)を介して送信されたモバイル機器(図示せ
ず)からの特定の要求に応答するよう構成される。
【0088】
この発明の別の局面は、実質的に高い垂直精度で掘削機を操作する方法に向けられている。この発明の方法は、面レーザ50からレーザビームを受信するよう構成された図1の掘削機の3D集積レーザおよび無線測位誘導システム(Ex_3D_ILRPGS)10を用いることにより、または、扇形レーザ72から少なくとも1本の扇形レーザビームを受信するよう構成された図2の掘削機の3D集積レーザおよび無線測位誘導システム(Ex_3D_ILRPGS)70を用いることにより実行され得る。
【0089】
一実施例においては、この発明の方法は、移動無線測位システム受信機(図1の12または図2の96)を用いることによって、掘削機の2D水平座標を得るステップ(A);バケット−機械本体測位システム(図1の16または図2の98)を利用することにより、掘削機のブーム、スティックおよびバケットの位置座標を得るステップ(B);レーザ送信機(図1の50または図2の72)から少なくとも1本のレーザビームを受信するよう構成されたレーザ検出器(図1の24または図2の78)を用いることによって実質的に高い精度で局所的な垂直座標を得るステップ(C);移動無線測位システム受信機によって得られる掘削機の2D水平座標と、バケット―機械本体測位システムによって得られる掘削機のブーム、スティックおよびバケットの位置座標と、オンボードナビゲーションシステム(図1の28または図2の80)を用いることによってレーザ検出器によって得られる局所的な垂直座標とを受信して統合するステップ(D);ならびに、オンボードナビゲーションシステム(図1の28または図2の80)を用いることによって、実質的に高い垂直精度で掘削機のバケットの切刃(図1の30または図2の82)を誘導するステップ(E)、を含む(図示せず)。
【0090】
この発明の一実施例においては、ステップ(A)はさらに:自律型衛星受信機、仮想基準局(VRS)ベースのディファレンシャル衛星測位システム受信機、広域補強サービス(WAAS)ベースの差動衛星測位システム受信機、リアルタイムキネマティック(RTK)ベースの衛星測位システム受信機、OmniSTAR高性能(HP)ベースの差動衛星測位システム受信機、および、擬似衛星受信機からなる群から移動無線測位システム受信機(図1の12または図2の96)を選択するステップ(A1)を含む(図示せず。上述の説明を参照されたい)。この発明のこの実施例においては、ステップ(A)はさらに、全地球測位システム(GPS)受信機、GLONASS受信機、全地球的航法衛星システム(GNSS)受信機、および、複合型GPS−GLONASS受信機からなる群から衛星受信機(図1の12または図2の96)を選択するステップ(A2)を含む(図示せず。上述の説明を参照されたい)。
【0091】
この発明の一実施例においては、移動無線測位システム受信機(図1の12または図2の96)は、衛星受信機および擬似衛星受信機をさらに含み、ステップ(A)はさらに、衛星受信機を用いることによって掘削機の第1の水平座標を得るステップと、擬似衛星受信機を用いることによって掘削機の第2の水平座標を得るステップとを含む。
【0092】
この発明の一実施例においては、ステップ(B)はさらに、傾斜センサ、シリンダ内測定センサおよびケーブルエンコーダからなる群からバケット−機械本体測位システム(図1の16または図2の98)を選択するステップ(B1)を含む。上述の説明を参照されたい。
【0093】
この発明の一実施例においては、より具体的には、実質的に高い精度で局所的な垂直座標を得るステップ(C)は、さらに、片傾斜面レーザ検出器(図1の24)を用いることによって片傾斜面レーザ送信機(図1の50)から片傾斜面レーザビーム(図1の26)を受信するステップ(C1)を含む。
【0094】
この発明の一実施例においては、より具体的には、実質的に高い精度で局所的な垂直座標を得るステップ(C)はさらに、両傾斜面レーザ検出器(図1の24)を用いることによって両傾斜面レーザ送信機(図1の50)から両傾斜面レーザビーム(図示せず)を受信するステップ(C2)を含む。
【0095】
この発明の一実施例においては、より具体的には、実質的に高い精度で局所的な垂直座標を得るステップ(C)はさらに、片傾斜扇形レーザ検出器(図2の78)を用いることによって片傾斜扇形レーザ送信機(図2の72)から片傾斜扇形レーザビーム(図2の76)を受信するステップ(C3)を含む。
【0096】
この発明の一実施例においては、より具体的には、実質的に高い精度で局所的な垂直座標を得るステップ(C)はさらに、扇形レーザ検出器(図2の78)を用いることによって扇形レーザ送信機(図2の72)から少なくとも2本の扇形レーザビーム(図2の74および76)を受信するステップ(C4)を含み、オンボードナビゲーションシステム(図2の80)は、Ex_3D_ILRPGSシステムの垂直精度を高めるよう、扇形レーザ送信機(図2の72)と扇形レーザ検出器(図2の78)との高さの差を算出するよう構成される。
【0097】
この発明の一実施例においては、移動無線測位システム受信機によって得られた掘削機の2D水平座標と、バケット−機械本体測位システムによって得られた掘削機のブーム、スティックおよびバケットの位置座標と、レーザ検出器によって得られた局所的な垂直座標とを受信して統合するステップ(D)は、オンボードコンピュータ(図示せず)を用いて、バケットの切刃(図1の30または図2の82)の実際の位置と設計表面(図示せず)との差を計算するステップ(D1)を含む。
【0098】
この発明の一実施例においては、実質的に高い垂直精度で掘削機のバケットの切刃を誘導するステップ(E)はさらに、オンボードナビゲーションシステム(図1の28または図2の80)を用いて、バケットの切刃(図1の30または図2の82)を操作するよう構成された液圧バルブを制御することによってバケットの切刃の位置を制御するステップ(E1)を含む。
【0099】
この発明の一実施例においては、実質的に高い垂直精度で掘削機のバケットの切刃(図1の30または図2の82)を誘導するステップ(E)はさらに、遠隔設置された制御局(図1の60または図2の88)を用いて掘削機を遠隔操作するステップ(E2)を含む。この発明のこの実施例においては、ステップ(E)はさらに、通信リンク(図1の62または図2の90)を用いて、遠隔設置された制御局(図1の60または図2の88)とEx_3D_ILRPGSシステムのオンボードナビゲーションシステム(図1の28または図2の80)とをリンクするステップ(E3)と、掘削機の実時間位置データを、当該通信リンクを介して、遠隔設置された制御局に送信するステップ(E4)と、遠隔設置された制御局から当該通信リンクを介して少なくとも1つの制御信号を受信するステップ(E5)とを含む。この発明のこの実施例においては、ステップ(E3)はさらに、セルラー式リンク、無線、専用無線帯域、SiteNet900の専用無線ネットワーク、無線インターネット、衛星無線通信リンク、および、光無線リンクからなる群から無線通信リンクを選択するステップ(E3,1)を含む。上述の説明を参照されたい。
【0100】
一実施例においては、掘削機はさらにオンボードディスプレイシステム(図1の29または図2の86)を含み、この発明の方法は、オンボードディスプレイシステム(図1の29または図2の86)を用いることによってバケットの切刃(図1の30または図2の82)の動きを表示するステップ(F)を含み、バケットの切刃の垂直座標は、レーザビ
ームの垂直精度と実質的に同様の精度で表示される。
【0101】
一実施例においては、遠隔設置された制御局(図1の60または図2の88)はさらにディスプレイシステム(図1の64または図2の92)を含み、この発明の方法は、制御局ディスプレイシステムを用いることによって掘削機のバケットの動きを表示するステップ(H)を含み、バケットの切刃の垂直座標は、レーザビームの垂直精度と実質的に同様の精度で表示される。
【0102】
この発明の1つ以上の局面は、Ex_3D_ILRPGSシステムを用いることによって、改善された垂直精度で掘削機を操作する方法に向けられており、掘削機の3D座標は、移動無線測位システム受信機を用いることによって得られ、局所的な垂直座標は、レーザ送信機から少なくとも1本のレーザビームを受信するよう構成されたレーザ検出器を用いることによって実質的に高い精度で得られる。
【0103】
この発明の一実施例においては、当該方法は、移動無線測位システム受信機を用いることによって掘削機の3D座標を得るステップ(A);バケット−機械本体測位システムを用いることによって掘削機のブーム、スティックおよびバケットの位置座標を得るステップ(B);レーザ送信機から少なくとも1本のレーザビームを受信するよう構成されたレーザ検出器を用いることによって実質的に高い精度で局所的な垂直座標を得るステップ(C);移動無線測位システム受信機の垂直精度を改善させるために、移動無線測位システム受信機によって得られた掘削機の3D水平座標と、バケット−機械本体測位システムによって得られた掘削機のブーム、スティックおよびバケットの座標と、オンボードナビゲーションシステムを用いることによってレーザ検出器によって得られた局所的な垂直座標とを受信して統合するステップ(D);ならびに、オンボードナビゲーションシステムを用いることによって、改善された垂直精度で掘削機のバケットの切刃を誘導するステップ(E)を含む(図示せず)。
【0104】
また、この発明の1つ以上の局面は、Ex_3D_ILRPGSシステムを用い、そして、重み関数を異なる測定値に割当てることによって、改善された垂直精度で掘削機を操作する方法に向けられている。
【0105】
重み関数は、いくつかの要素に他の要素よりも多くの「重み」を与えるために、和、積分または平均を実行する際に用いられる数学的装置である。これらは、統計および分析時にしばしば発生するものであり、測定の概念と密接に関連している。重み関数は離散的および連続的な設定で構築することができる。
【0106】
離散的な設定においては、重み関数
【0107】
【数1】

【0108】
は、典型的には有限または可算である離散的なセットA上で規定された正関数である。重み関数w(a):=1は、すべての要素の重みが等しくなる重み付けされていない状況に対応する。この重みをさまざまな概念に適用することができる。
【0109】
【数2】

【0110】
数値関数であれば、A上のfの重み付けされていないは、
【0111】
【数3】

【0112】
となるが、重み関数が
【0113】
【数4】

【0114】
の場合には、重み付けされた和が、
【0115】
【数5】

【0116】
となる。
重み付けされた和についての1つの共通の応用例が、数値積分において生じる。
【0117】
BがAの有限部分集合である場合、Bの重み付けされていない濃度|B|を重み付けされた濃度
【0118】
【数6】

【0119】
と置換えることができる。
Aが有限の非空集合であれば、重み付けされていない中間値または平均値
【0120】
【数7】

【0121】
重み付けされた中間値または重み付けされた平均値
【0122】
【数8】

【0123】
と置換えることができる。
この場合、相対的な重みだけが関連している。重み付けされた中間値は、一般に、バイアスの存在を補償するために統計において用いられる。
【0124】
重み関数という語は力学から生じたものであり、てこ上にn個の物体の集合を有する場合、重みは、
【0125】
【数9】

【0126】
となり(この場合、重みはここでは物理的な意味で解釈される)、位置は、
【0127】
【数10】

【0128】
となり、さらに、レバーの支点質量中心にあれば、レバーは均衡が取れた状態になるだろう。
【0129】
【数11】

【0130】
これはまた、位置xiの重み付けされた平均値である。
一実施例においては、この発明の方法は、移動無線測位システム受信機を用いることによって複数の測定値を生成することにより掘削機の3D座標測定値の組を得るステップ(A);バケット−機械本体測位システムを利用することにより掘削機のブーム、スティックおよびバケットの位置座標を得るステップ(B);レーザ送信機から少なくとも1本のレーザビームを受信するよう構成されたレーザ検出器を用いることによって複数の測定値を生成することにより実質的に高い精度で局所的な垂直座標測定値の組を得るステップ(C);移動無線測位システム受信機を用いることによって得られる3D測定値の組に3D重み関数を割当てるよう構成され、レーザ検出器を用いることによって得られる局所的な垂直座標測定値に垂直重み関数を割当てるよう構成された重み関数を選択するステップ(D);移動無線測位システム受信機の垂直精度を改善させるために、オンボードナビゲーションシステムを用いることにより、3D重み関数を備えた掘削機の3D座標測定値の組と、垂直重み関数を備えた局所的な垂直座標測定値の組とを統合するステップ(E);ならびに、オンボードナビゲーションシステムを用いることにより、改善された垂直精度で掘削機のバケットの切刃を誘導するステップ(F)を含む。
【0131】

1)既知の高さの或る地点で段切りし、ビームを捉えて、平坦面および傾斜面の両方に対するビーム上での既知の高さを得る。
【0132】
2)ビームにおいて停止し、ビームを基準にしていくつかのGPSの位置を平均して、ビーム上の仰角(または、傾斜するビーム上の仰角および向き)を得る。
【0133】
この発明の特定の実施例についての上述の記載は、例示および説明を目的として呈示された。これらは、網羅的であるよう意図されたものではなく、または、開示された厳密な形状に本発明を限定するよう意図されたものではなく、上述の教示に照らしてみると、明らかに多くの変更例および変形例が実現可能である。実施例は、発明の原理およびその実際の適用例を最適に説明するために選択および記載されており、これにより、企図される特定用途に適するように、当業者が当該発明およびさまざまな実施例をさまざまな変更例とともに最適に利用することが可能となる。発明の範囲が、添付の特許請求の範囲およびそれらの同等例によって規定されることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘削機の3D集積レーザおよび無線測位誘導システム(Ex_3D_ILRPGS)であって、掘削機はさらに、トレッド部材を中心として水平に回動するキャブ部材を含むフレームと、第1の回動手段によって基端が前記キャブに回動可能に取付けられたブームと、第2の回動手段によって基端が前記ブームの遠端に回動可能に取付けられたスティックと、第3の回動手段によって基端が前記スティックの遠端に回動可能に取付けられたバケットとを含み、前記バケットの遠端は、前記フレームに向かう前記バケットの動きに応じて土を掘削するのに用いられる切刃を規定し、前記Ex_3D_ILRPGSは、
前記掘削機の2D水平座標を得るよう構成された移動無線測位システム受信機と、
前記掘削機の前記ブーム、前記スティックおよび前記バケットの位置座標を得るよう構成されたバケット−機械本体測位システムと、
少なくとも1本のレーザビームを受信するよう構成され、実質的に高い精度で局所的な垂直座標を与えるよう構成されたレーザ検出器と、
前記移動無線測位システム受信機によって得られた前記掘削機の前記2D水平座標と、前記バケット−機械本体測位システムによって得られた前記掘削機の前記ブーム、前記スティックおよび前記バケットの前記位置座標と、前記レーザ検出器によって得られた前記局所的な垂直座標とを受信して統合するよう構成され、かつ、実質的に高い垂直精度で前記掘削機の前記バケットの前記切刃を誘導するよう構成されたオンボードナビゲーションシステムとを含む、掘削機の3D集積レーザおよび無線測位誘導システム。
【請求項2】
前記移動無線測位システム受信機は、自律型衛星受信機、仮想基準局(VRS)ベースの差動衛星測位システム受信機、広域補強サービス(WAAS)ベースの差動衛星測位システム受信機、リアルタイムキネマティック(RTK)ベースの衛星測位システム受信機、OmniSTAR高性能(HP)ベースの差動衛星測位システム受信機、および、擬似衛星受信機からなる群から選択され、前記衛星受信機は、全地球測位システム(GPS)受信機、GLONASS受信機、全地球的航法衛星システム(GNSS)受信機、および、複合型GPS−GLONASS受信機からなる群から選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記バケット−機械本体測位システムは、傾斜センサ、シリンダ内測定センサ、ポテンショメータ、および、ケーブルエンコーダからなる群から選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記レーザ検出器はさらに、片平面レーザ送信機から片平面レーザビームを受信するよう構成された片傾斜面レーザ検出器を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記レーザ検出器はさらに、片傾斜面レーザ送信機から片傾斜面レーザビームを受信するよう構成された片傾斜面レーザ検出器を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記レーザ検出器はさらに、両傾斜面レーザ送信機から両傾斜面レーザビームを受信するよう構成された両傾斜面レーザ検出器を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記レーザ検出器はさらに、
片傾斜扇形レーザ送信機から片傾斜扇形レーザビームを受信するよう構成された片傾斜扇形レーザ検出器を含み、前記オンボードナビゲーションシステムは、前記Ex_3D_ILRPGSシステムの垂直精度を高めるよう、前記扇形レーザ送信機と前記扇形レーザ検出器との高さの差を算出するよう構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記レーザ検出器はさらに、
扇形レーザ送信機から少なくとも2本の扇形レーザビームを受信するよう構成された扇形レーザ検出器を含み、前記オンボードナビゲーションシステムは、前記Ex_3D_ILRPGSシステムの垂直精度を高めるよう、前記扇形レーザ送信機と前記扇形レーザ検出器との高さの差を算出するよう構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記掘削機の前記バケットの動きを表示するよう構成されたオンボードディスプレイシステムをさらに含み、前記バケットの切刃の垂直座標は、前記レーザビームの垂直精度と実質的に同様の精度で表示される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記オンボードナビゲーションシステムはさらに、
前記バケットの前記切刃の実際の位置と設計表面との差を計算するよう構成されたオンボードコンピュータを含み、前記オンボードディスプレイシステムは、前記設計表面に対する前記バケットの前記切刃の前記実際の位置を表示するよう構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記オンボードナビゲーションシステムはさらに、
前記バケットの前記切刃の実際の位置と設計表面との差を計算するよう構成され、かつ、前記バケットの前記切刃を操作するよう構成された液圧バルブを制御することによって前記バケットの前記切刃の前記位置を制御するよう構成されたオンボードコンピュータを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記掘削機を遠隔操作するよう構成された遠隔設置された制御局と、
前記遠隔設置された制御局と前記Ex_3D_ILRPGSシステムの前記オンボードナビゲーションシステムとをリンクするよう構成された通信リンクとをさらに含み、
前記オンボードナビゲーションシステムは、掘削機の実時間位置データを、前記通信リンクを介して、前記遠隔設置された制御局に送信するよう構成され、前記オンボードナビゲーションシステムは、少なくとも1つの制御信号を、前記遠隔設置された制御局から前記通信リンクを介して受信するよう構成され、前記無線通信リンクは、セルラー式リンク、無線、専用無線帯域、SiteNet900の専用無線ネットワーク、無線インターネット、衛星無線通信リンク、および、光無線リンクからなる群から選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記遠隔設置された制御局はさらに、
前記遠隔制御される掘削機を表示するよう構成されたディスプレイを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
Ex_3D_ILRPGSシステムを用いることによって実質的に高い垂直精度で掘削機を操作する方法であって、
前記掘削機はさらに、トレッド部材を中心として水平に回動するキャブ部材を含むフレームと、第1の回動手段によって基端が前記キャブに回動可能に取付けられたブームと、第2の回動手段によって基端が前記ブームの遠端に回動可能に取付けられたスティックと、第3の回動手段によって基端が前記スティックの遠端に回動可能に取付けられたバケットとを含み、前記バケットの遠端は、前記フレームに向かう前記バケットの動きに応じて土を掘削するのに用いられる切刃を規定し、
前記Ex_3D_ILRPGSシステムは、移動無線測位システム受信機、バケット−機械本体測位システム、レーザ検出器、および、オンボードナビゲーションシステムを含み、前記方法は、
前記移動無線測位システム受信機を用いることによって前記掘削機の2D水平座標を得るステップ(A)と、
前記バケット−機械本体測位システムを用いることによって前記掘削機の前記ブーム、
前記スティックおよび前記バケットの位置座標を得るステップ(B)と、
レーザ送信機から少なくとも1本のレーザビームを受信するよう構成された前記レーザ検出器を用いることによって実質的に高い精度で局所的な垂直座標を得るステップ(C)と、
前記移動無線測位システム受信機によって得られた前記掘削機の前記2D水平座標と、前記バケット−機械本体測位システムによって得られた前記掘削機の前記ブーム、前記スティックおよび前記バケットの前記位置座標と、前記オンボードナビゲーションシステムを用いることによって前記レーザ検出器によって得られた前記局所的な垂直座標とを受信して統合するステップ(D)と、
前記オンボードナビゲーションシステムを用いることによって実質的に高い垂直精度で前記掘削機の前記バケットの前記切刃を誘導するステップ(E)とを含む、方法。
【請求項15】
前記移動無線測位システム受信機を用いることによって前記掘削機の2D水平座標を得る前記ステップ(A)は、
自律型衛星受信機、仮想基準局(VRS)ベースの差動衛星測位システム受信機、広域補強サービス(WAAS)ベースの差動衛星測位システム受信機、リアルタイムキネマティック(RTK)ベースの衛星測位システム受信機、OmniSTAR高性能(HP)ベースの差動衛星測位システム受信機、および、擬似衛星受信機からなる群から前記移動無線測位システム受信機を選択するステップ(A1)と、
全地球測位システム(GPS)受信機、GLONASS受信機、全地球的航法衛星システム(GNSS)受信機、および、複合型GPS−GLONASS受信機からなる群から前記衛星受信機を選択するステップ(A2)とを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記移動無線測位システム受信機はさらに、衛星受信機および疑似衛星受信機を含み、
前記衛星受信機は、前記掘削機の第1の水平座標を得るよう構成され、前記疑似衛星受信機は、前記掘削機の第2の水平座標を得るよう構成され、
前記移動無線測位システム受信機を用いることによって前記掘削機の2D水平座標を得る前記ステップ(A)は、
自律型衛星受信機、仮想基準局(VRS)ベースの差動衛星測位システム受信機、広域補強サービス(WAAS)ベースの差動衛星測位システム受信機、リアルタイムキネマティック(RTK)ベースの衛星測位システム受信機、および、OmniSTAR高性能(HP)ベースのディファレンシャル衛星測位システム受信機からなる群から前記移動無線測位システム受信機を選択するステップ(A3)と、
全地球測位システム(GPS)受信機、GLONASS受信機、全地球的航法衛星システム(GNSS)受信機、および、複合型GPS−GLONASS受信機からなる群から前記衛星受信機を選択するステップ(A4)とを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記ステップ(B)はさらに、傾斜センサ、シリンダ内測定センサ、ポテンショメータ、および、ケーブルエンコーダからなる群から前記バケット−機械本体測位システムを選択するステップ(B1)を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記実質的に高い精度で前記局所的な垂直座標を得る前記ステップ(C)はさらに、
片傾斜面レーザ検出器を用いることによって片傾斜面レーザ送信機から片傾斜面レーザビームを受信するステップ(C1)を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記実質的に高い精度で前記局所的な垂直座標を得る前記ステップ(C)はさらに、
両傾斜面レーザ検出器を用いることによって両傾斜面レーザ送信機から両傾斜面レーザビームを受信するステップ(C2)を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記実質的に高い精度で前記局所的な垂直座標を得る前記ステップ(C)はさらに、
片傾斜扇形レーザ検出器を用いることによって片傾斜扇形レーザ送信機から片傾斜扇形レーザを受信するステップ(C3)を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記実質的に高い精度で前記局所的な垂直座標を得る前記ステップ(C)はさらに、
扇形レーザ検出器を用いることによって扇形レーザ送信機から少なくとも2本の扇形レーザビームを受信するステップ(C4)を含み、前記オンボードナビゲーションシステムは、前記Ex_3D_ILRPGSシステムの垂直精度を高めるよう、前記扇形レーザ送信機と前記扇形レーザ検出器との高さの差を算出するよう構成される、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記ステップ(D)はさらに、
オンボードコンピュータを用いて、前記バケットの前記切刃の実際の位置と設計表面との差を計算するステップ(D1)を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項23】
実質的に高い垂直精度で前記掘削機の前記バケットの前記切刃を誘導する前記ステップ(E)はさらに、
前記オンボードナビゲーションシステムを用いて、前記バケットの前記切刃を操作するよう構成された液圧バルブを制御することによって前記バケットの前記切刃の前記位置を制御するステップ(E1)を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項24】
実質的に高い垂直精度で前記掘削機の前記バケットの前記切刃を誘導する前記ステップ(E)はさらに、
遠隔設置された制御局を用いて前記掘削機を遠隔操作するステップ(E2)を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項25】
実質的に高い垂直精度で前記掘削機の前記バケットの前記切刃を誘導する前記ステップ(E)はさらに、
通信リンクを用いて、前記遠隔設置された制御局と前記Ex_3D_ILRPGSシステムの前記オンボードナビゲーションシステムとをリンクするステップ(E3)と、
掘削機の実時間位置データを、前記通信リンクを介して、前記遠隔設置された制御局に送信するステップ(E4)と、
前記遠隔設置された制御局から前記通信リンクを介して少なくとも1つの制御信号を受信するステップ(E5)とを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項26】
前記ステップ(E3)はさらに、
セルラー式リンク、無線、専用無線帯域、SiteNet900の専用無線ネットワーク、無線インターネット、衛星無線通信リンク、および、光無線リンクからなる群から前記無線通信リンクを選択するステップ(E3,1)を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
オンボードディスプレイシステムを用いることによって前記掘削機の前記バケットの動きを表示するステップ(F)をさらに含み、前記バケットの切刃の垂直座標は、前記レーザビームの垂直精度と実質的に同様の精度で表示される、請求項14に記載の方法。
【請求項28】
制御局ディスプレイシステムを用いることによって掘削機のバケットの動きを表示するステップ(H)をさらに含み、前記バケットの切刃の垂直座標は、前記レーザビームの垂直精度と実質的に同様の精度で表示される、請求項14に記載の方法。
【請求項29】
Ex_3D_ILRPGSシステムを用いることによって、改善された垂直精度で掘削機を操作する方法であって、前記掘削機はさらに、トレッド部材を中心として水平に回動するキャブ部材を含むフレームと、第1の回動手段によって基端が前記キャブに回動可能
に取付けられたブームと、第2の回動手段によって基端が前記ブームの遠端に回動可能に取付けられたスティックと、第3の回動手段によって基端が前記スティックの遠端に回動可能に取付けられたバケットとを含み、前記バケットの遠端は、前記フレームに向かう前記バケットの動きに応じて土を掘削するのに用いられる切刃を規定し、前記Ex_3D_ILRPGSシステムは、移動無線測位システム受信機、バケット−機械本体測位システム、レーザ検出器、およびオンボードナビゲーションシステムを含み、前記掘削機の3D座標は、前記移動無線測位システム受信機を用いることによって得られ、局所的な垂直座標は、レーザ送信機から少なくとも1本のレーザビームを受信するよう構成された前記レーザ検出器を用いることによって実質的に高い精度で得られ、前記方法は、
前記移動無線測位システム受信機を用いることによって前記掘削機の3D座標を得るステップ(A)と、
前記バケット−機械本体測位システムを用いることによって前記掘削機の前記ブーム、前記スティックおよび前記バケットの位置座標を決定するステップ(B)と、
レーザ送信機から少なくとも1本のレーザビームを受信するよう構成された前記レーザ検出器を用いることによって実質的に高い精度で局所的な垂直座標を得るステップ(C)と、
前記移動無線測位システム受信機の垂直精度を改善させるために、前記移動無線測位システム受信機によって得られた前記掘削機の前記3D水平座標と、前記バケット−機械本体測位システムによって得られた前記掘削機の前記ブーム、前記スティックおよび前記バケットの前記座標と、オンボードナビゲーションシステムを用いることによって前記レーザ検出器によって得られた前記局所的な垂直座標とを受信して統合するステップ(D)と、
前記オンボードナビゲーションシステムを用いることによって、改善された垂直精度で前記掘削機の前記バケットの前記切刃を誘導するステップ(E)とを含む、方法。
【請求項30】
前記移動無線測位システム受信機はさらに、衛星受信機および疑似衛星受信機を含み、前記衛星受信機は、前記掘削機の少なくとも1つの座標を得るよう構成され、前記疑似衛星受信機は、前記掘削機の少なくとも1つの座標を得るよう構成され、前記移動無線測位システム受信機は、前記掘削機の3D座標を得るよう構成され、前記移動無線測位システム受信機を用いることによって前記掘削機の3D座標を得る前記ステップ(A)はさらに、
自律型衛星受信機、仮想基準局(VRS)ベースの差動衛星測位システム受信機、広域補強サービス(WAAS)ベースの差動衛星測位システム受信機、リアルタイムキネマティック(RTK)ベースの衛星測位システム受信機、および、OmniSTAR高性能(HP)ベースの差動衛星測位システム受信機からなる群から前記移動無線測位システム受信機を選択するステップ(A1)と、
全地球測位システム(GPS)受信機、GLONASS受信機、全地球的航法衛星システム(GNSS)受信機、および、複合型GPS−GLONASS受信機からなる群から前記衛星受信機を選択するステップ(A2)とを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
Ex_3D_ILRPGSシステムを用い、重み関数を異なる測定値に割当てることによって、改善された垂直精度で掘削機を操作する方法であって、前記掘削機はさらに、トレッド部材を中心として水平に回動するキャブ部材を含むフレームと、第1の回動手段によって基端が前記キャブに回動可能に取付けられたブームと、第2の回動手段によって基端が前記ブームの遠端に回動可能に取付けられたスティックと、第3の回動手段によって基端が前記スティックの遠端に回動可能に取付けられたバケットとを含み、前記バケットの遠端は、前記フレームに向かう前記バケットの動きに応じて土を掘削するのに用いられる切刃を規定し、前記Ex_3D_ILRPGSシステムは、移動無線測位システム受信機、バケット−機械本体測位システム、レーザ検出器、およびオンボードナビゲーションシステムを含み、前記方法は、
前記移動無線測位システム受信機を用いることによって、複数の測定値を生成することにより前記掘削機の3D座標測定値の組を得るステップ(A)と、
前記バケット−機械本体測位システムを利用することによって前記掘削機の前記ブーム、前記スティックおよび前記バケットの位置座標を得るステップ(B)と、
レーザ送信機から少なくとも1本のレーザビームを受信するよう構成された前記レーザ検出器を用いることによって複数の測定値を生成することにより、実質的に高い精度で局所的な垂直座標測定値の組を得るステップ(C)と、
前記移動無線測位システム受信機を用いることによって得られた3D測定値の前記組に3D重み関数を割当てるよう構成され、前記レーザ検出器を用いることによって得られた局所的な垂直座標測定値の前記組に垂直重み関数を割当てるよう構成された重み関数を選択するステップ(D)と、
前記移動無線測位システム受信機の垂直精度を改善させるために、前記オンボードナビゲーションシステムを用いることにより、前記3D重み関数を備えた前記掘削機の3D座標測定値の前記組と、前記垂直重み関数を備えた局所的な垂直座標測定値の前記組とを統合するステップ(E)と、
前記オンボードナビゲーションシステムを用いることによって、改善された垂直精度で前記掘削機の前記バケットの前記切刃を誘導するステップ(F)とを含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−501751(P2010−501751A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525783(P2009−525783)
【出願日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/076648
【国際公開番号】WO2008/091395
【国際公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(506196063)キャタピラー トリンブル コントロール テクノロジーズ、 エルエルシー (5)
【Fターム(参考)】