搬送体の自動積荷システム及び積荷方法
搬送体の自動的な積荷及び除荷のための方法及びシステムが開示される。第1の案内システムは、搬送体近傍の位置へ向かう走行路に従い、次いでセンサが搬送体を検出してデータを作成する。それによって、搬送路が決定され、自動案内車両が該搬送路に沿って搬送体へと移動して物品を引渡す。又、物品の引渡し、ならびに配置の後に、該自動案内車両は搬送体から出る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2004年5月3日出願の米国予備出願の利益を請求する2005年5月2日出願の米国特許出願第11/119,588号の一部継続出願の優先的利益を請求するものである。
【0002】
本願は、概して物品取扱い車両に係り、特に、トラクタ・トレーラ、レールカー、フラットベッド・トレーラあるいは積出しコンテナなどの搬送体に対して自動的に積荷(ローディング)及び除荷(アンローディング)を可能とする自動案内車両に関する。
【背景技術】
【0003】
自動案内車両(以下、「AGV」とも称する)は、物品を搬送するための物品取扱い業界において全般的に使用されている。任意の複数の自動案内システムを有する頑丈に設計された車両に対して一般に自動案内車両(AGV)の用語が用いられる。これに対して、上記と類似するが、より簡単な適用条件に対応した頑丈さを重視しない車両に対して一般に自動案内カート(AGC)の用語が用いられる。しかしながら、本願において用いられる「自動案内車両」の用語は、これらAGV、AGCの両方を含む意味で用いられるとともに該用語は、その他の自動的に案内される車両をも含むものである。
【0004】
現今、設計される自動案内車両は、おおむねフレームの四隅に配置される旋回キャスターを有するフレームを備えるのが特徴である。他の特徴は、該車両ないしカートの方向制御のための固定キャスターと駆動ホイール・アセンブリとを備えることである。現今の車両設計の1つにおいては、フレームに2つの固定キャスターが取付けられるとともに、これらキャスターが該車両ないしカートの各側にある旋回キャスターのおおむね中間位置に配置されている。これら2対の旋回キャスター軸と固定キャスター軸は、おおむね互いに平行をなす。操縦可能な駆動装置(ユニット)は、ヒンジ連結されたプレートにより車両ないしカートに取付けられるとともに、該プレートは操縦可能な駆動ホイールが支持面に対して適切な粘着摩擦を保持し得るように、車両フレームからバネ負荷されている。車両設計の他の構成例では、固定された駆動ホイールが自動案内車両を推進するとともに操縦可能なキャスター・ホイールが該車両の運動方向を決める。
【0005】
自動案内車両は、その運動を制御する案内システムを備える。今日、用いられている公知の案内システムとして、ワイヤー、レーザー、磁気テープ、オドメーター、慣性及び光学を利用した方式のものがあるが、これらは夫々それ自体の利点及び欠点がある。例えば、慣性利用の案内システムでは、該自動案内車両によって測定した走行距離と方向が実際の走行距離及び方向と相違するような追従(トラッキング)エラーが生じ易い。このエラーは極力小さくできるが、走行距離が長くなれば増大し、従って、このエラーを修正するために、例えば、指定走行路に沿って配置される磁気ペイント、無線周波数認識でタグ(RFID)等の中間地点参照マーカーを利用するなどしなければならない。
【0006】
レーザー方式の案内システムでは、自動案内車両が感知し、走行制御に使用する特別の複数のマーカーが設けられる。しかし、この方式の案内システムでは、いかなる走行状態においてもマーカーの存在が求められるので、場合によって、マーカーが障害物になりかねない。もし該車両の走行路の変更がある場合、これらマーカーを物理的に移動させなければならない。更に、この方式の案内システムを備えた自動案内車両は、このような特別のマーカーを有する領域においてしか走行できないので、これを本発明で採用した場合、積荷(ローディング)又は、除荷(アンローディング)される搬送体のいずれかにもマーカーを設ける必要が生じる。
【0007】
搬送体の自動的な積荷及び除荷に関連する1つの困難な問題は、固定されたローディングドック位置に対して搬送体の位置が変化することである。搬送体は、通常、例えばこれがトラックの場合、ドライバーによる手動操作で位置づけられる。しかし、この手動操作による位置づけは、該搬送体に不知の位置変化を結果としてもたらす。ドライバーがトレーラをローディングドックに位置づける際、該ドックのドアに対してトレーラを完全に直角に位置づけることは困難である。従って、トレーラがドックのドアに対して傾斜した角度でもって対応してしまうことが起こり得る。そして、その傾斜角度は不知であるとともに該ドックに対する位置づけ作業の度に変化してしまうので、自動案内車両は、このトレーラの傾きを検出して補償することが出来なければトレーラ内の物品を効果的に案内し分配することが出来ない。この問題の解決のために、従来においては、搬送体をローディングドックに対して位置づけるために、滑り板ないしスキッドプレートの使用が提案されているが、これは費用がかかるとともに、その効果も不十分であった。トレーラをドックのドアに対する最適位置からオフセットしたところに位置づける
ことも提案されている。しかし、自動案内車両によって幅広の物品の積荷(ローディング)の場合、1インチ(2.540cm)ほどの小さいオフセットでも積荷作業の間に問題を生じさせるのであった。
【0008】
搬送体の自動的な積荷及び除荷に関連する他の困難な問題は、搬送体とドックとの間の高さの相違を自動案内車両が克服しなければならないことである。この高さの相違は、種々の型式の搬送体があり、又、同じ型式の搬送体でもその形態が異なることにより生じる。又、ある1つの搬送体であっても、その高さは一定でない。例えば、トレーラに積荷が行われるにつれ、サスペンションが圧縮され、その結果、その高さが変化する。従って、確実な動作を遂行するためには、自動案内車両が搬送体の高さ変化、すなわち搬送体とドックとの間の高さの相違の変化に対応して動作しなければならない。この問題の解決のために、従来において流体圧作動等のジャッキを用いて搬送体のレベルを安定させることが提案されているが、これも費用がかさむとともにその動作効率も不十分であった。
【0009】
ドックと搬送体の間の物品の移動を容易にするために、該ドックと搬送体との間に積荷傾斜路(ローディングランプ)がしばしば使用される。しかし、このようなドックと搬送体の間の急激な上り傾斜あるいは下り傾斜が物品の案内作業を困難にしている。例えば、レーザ方式の案内システムを用いる自動案内車両は、上り傾斜や下り傾斜を移動するにつれて目標物(ターゲット)を見失う恐れがある。これは、この場合レーザが目標物の上または下を指向する事実があるからである。
【0010】
搬送体の位置の変化がトラックの自動積荷を妨げ、その作業効率を大幅に低下させる。例えば、効率の良い積荷処理においては、物品(ロード)が相互に近接状態に位置づけられるが、搬送体の予定位置が変化すると物品相互の分離が増大する。
【0011】
このように、自動案内車両の走行制御のために案内システムを用いるにも拘らず、従来においては、未だ搬送体への積荷あるいはそれからの除荷の処理作業は満足のいくものでなかった。
【発明の概要】
【0012】
上記の観点から、搬送体の自動的積荷及び除荷を遂行するために種々異なる案内システムの使用を効率良く組合わせた自動案内車両の設計が必要とされる。特に、予定された位置にない搬送体に対して積荷及び除荷を可能とする自動案内車両の設計が必要とされる。
【0013】
本発明は、上記の必要性に鑑み、自動案内車両(AGV)によって搬送体の積荷及び除荷を遂行する方法及びシステムを提案するものである。本発明の1つの具体的構成において、当該自動案内車両(AGV)は、まず、物品(ロード)と係合する。この係合した物品を有する自動案内車両は、第1の案内システムによって既知の位置に案内され、この位置から第2の案内システムが作動して、該車両は搬送体上の適切な積荷位置へと案内される。この位置において、物品(ロード)が引渡しないし分配される。次いで、第2の案内システムは、該車両を上述の既知位置へおおむね戻すように案内するために用いられる。そして、ここにおいて第1の案内システムが該車両の走行制御のために作動を再開する。
【0014】
本発明の他の具体的構成において、自動案内車両(AGV)は、まず物品(ロード)に係合し、その係合した物品を有する該車両が既知の位置まで第1の案内システムによって案内される。この位置から、該案内システムは搬送体上の適切な位置を決定し、該車両をその位置に案内するようにそれ自体を調整し、該物品を引渡しないし分配する。次いで、この調整された案内システムは、おおむね上述の既知位置へ該車両を戻すように案内するために用いられ、これにおいて、調整されない当初の案内システムが該車両の走行制御のために作動を再開する。
【0015】
本発明の及ぶ範囲及び適用性については、本願の明細書、特許請求の範囲及び図面から明らかとなる。しかし、明細書等に開示した実施形態は本発明の好ましい具体例を示すものではあるが、本発明はこの開示範囲に入る種々の変形例をも包含するものであることは当業者にとって自明のことである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る自動案内車両の上面図である。
【図2】本発明に係る図1に示す自動案内車両の側面図である。
【図3】本発明に係る図1に示す自動案内車両の正面図である。
【図4a】本発明に係る積荷された搬送体の一態様を示す上面図である。
【図4b】本発明に係る積荷された搬送体の他の態様を示す上面図である。
【図4c】本発明に係る積荷された搬送体の更に他の態様を示す上面図である。
【図4d】本発明に係る積荷された搬送体の更に他の態様を示す上面図である。
【図4e】本発明に係る積荷された搬送体の更に他の態様を示す上面図である。
【図5】積荷処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係る他の形態の自動案内車両の上面図である。
【図7】図6に示す本発明の他の形態の側面図である。
【図8】自動案内車両のシステム及び積荷領域に対する搬送体の態様を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る自動案内車両10は、図1−4に示されている。本発明において搬送体の自動的積荷及び除荷の適用は図示の自動案内車両(AGV)以外にも広く採用し得る。例えば、本発明は、種々の形態の自動案内車両や他の物品取扱車両においても採用される。
【0018】
自動案内車両(AGV)10は、該車両を推進及び操縦するために用いられる操縦機構及び駆動機構を備える。図示の通り、両機構は、駆動ホイール12と操縦ホイール14を有し、これら両ホイールは案内システムに連結されるとともに該車両10の推進及び操縦のために用いられる。案内システムは、該車両10が推進される際に、操縦ホイール14を回動させ、これによって該車両10の操縦がなされる。駆動ホイール12は、電位差を生じさせるようにワイヤーで直列に連結された2重駆動ホイールの構成が望ましい。又、異なる推進システム、例えば、旋回キャスターを備えた差動または「パンツアー」(panzer)操縦手段あるいは駆動ホイールのマスター/スレーブモータコントローラの使用を介在したものも使用可能である。
【0019】
案内システムは、公知のシステムのいずれかを採用し得る。好ましい態様において、以下に詳述の通り、2つの案内システムが用いられる。主たる案内システムは慣性方式の案内システムである。該システムはプログラム化された走行路を用いるのが望ましい。操縦可能なホイール14の位置は知られており、操作可能である。該車両10による走行方向と距離は軌道ホイールによって測定されるのが望ましいが必須ではない。各駆動ホイール上のエンコーダと操縦エンコーダを備えたシステムを、軌道ホイールと連携して、あるいはこれと別に用いることができる。これによって該車両10の走行方向と距離を追跡し探知する。該車両10が走行すると、操縦可能なホイール14が任意の距離のところで任意の位置に回される。このようにして、該車両10は、操縦可能なホイール14の位置と、その位置までに走行した距離を正しく特定することにより、あらゆる走行面にわたって走行し得る。本願において、その詳細は図示のみでなされているが、種々異なる型式の案内システム、例えば、レーザー方式の案内システムや基本的な案内システムの使用も本発明に包含される。
【0020】
自動案内車両(AGV)10は、更にクランプや図示のような、物品に係合させて使用する2対のフォークないしはフォークペア16などの物品捕捉機構を有する。物品は、よく知られているように、フォークペア16と係合するために、通常パレットと一体のフォークポケットを有する。フォークペア16は昇降機構18の手段により縦方向に調整可能となっている。この昇降機構18により、物品は、例えば互いに積み上げた状態等、種々の高さ位置に移動される。好ましい実施形態において、該車両10は、2組の距離センサとして、後方距離測定装置20及び前方距離測定装置30を有する。両組の距離測定装置20,30は、後述の通り、該車両10の案内のための操縦及び駆動機構と作動連結されている。
【0021】
上述の物品捕捉機構は、側方シフト機構22によって、係合させた物品を水平方向に移動ないしシフトさせることが望ましい。図3に示す好ましい実施形態において、昇降機構18は、2対のフォークペア16を備えている。各フォークペア16は、別のフォーク・キャリッジ17に取付けられ、各フォーク・キャリッジ17は昇降機構18に取付けられている。昇降機構18は、フォークペア16及び/又は物品を縦方向に移動させる必要に応じて該フォーク・キャリッジ17を一緒に上下動させることができる。該フォーク・キャリッジ17は、又、縦方向スライド15上に取り付けられるとともに流体圧シリンダを備え、それにより、フォークペア16当たり6インチ(15.24cm)の独立した持ち上げ能力を可能にしている。この独立した持ち上げ動作によって、該車両10が走行して、そのフォークペア16を近接する一対の物品(ロード)に位置づけることができる。一方のフォークペア16のみを6インチ(15.24cm)上昇させることにより、該車両16により近接した一対の物品から1つの物品を取上げることができる。側方シフト機構22とともに同じ動作が該車両により横方向に並んだ2つの物品を配置し、あるいは単一の保管ラック内に配置することを可能とする。チェーン25はフォーク・キャリッジ17を所望位置へ引張る。好ましい実施形態において、キャリッジ・スライドレール26はフォーク・キャリッジ17が該車両の中心位置に物品を落下させることができるように該中心を越えて走行することを許容する構成となっている。このために、一方のフォークペア16は一側にシフトするとともに通路から外れる。これによって他方のフォークペア16は該車両10の中心に位置することができる。
【0022】
側方シフト機構22は、昇降機構18及び該車両10の前方及び後方走行と関連して、物品が該車両10の物品捕捉機構と係合したとき、該物品を3次元の全ての位置に調整することができる。図1に示す好ましい実施形態において、フォークペア16の各々は、それぞれ独立して水平方向に、すなわち矢印31の方向に移動可能である。更に、側方シフト機構22の各々は、フォークペア16の移動を追跡するエンコーダをそれぞれ有する。これらエンコーダ23は、フォークペア16が水平方向における位置及びその位置における変化速度を追跡できることが望ましい。そして、これらエンコーダ23は該車両10の案内システムと連携しており、フォークペア16を正しく位置づけるのに用いられる。フォークペア16の水平方向のシフトないし移動は、搬送体50に対する積荷動作に関連して後述する。
【0023】
上述した自動案内車両10は、搬送体50の自動的な積荷(ローディング)及び除荷(アンローディング)に関連して用いられる。この処理作業は、工場の積荷ドック位置にある搬送体としてのトラックトレーラとの関連で以下、説明する。しかし、同様の処理作業は、フラットベット型トレーラあるいはレールカー等の同様の搬送体50についても説明可能である。
【0024】
搬送体の自動積荷処理作業
【0025】
搬送体50に積荷するために、自動案内車両10は、まず、物品(ロード)に係合しなければならない。上述した好ましい実施形態において、これは通常、パレットと一体となった物品のフォークポケットに合致する該車両10のフォークペア16の使用及び該物品を接地面(グランド)から持上げる昇降機構18の使用によって達成される。フォークポケットに対するフォークペア16の合致(マッチング)は難しい操作であり精度が求められる。物品は比較的高い精度で既知の場所に置かれるのが望ましい。該車両10の案内システムはこの既知の場所にある物品と対応するようにプログラムされ、フォークペア16とフォークポケットは相互に適切に合致する。もし、既知の場所に該物品を精確に位置づけることが困難あるいは非実用的である場合、該車両10は、より広範な領域での物品の位置づけを許すようにプログラムの変更がなされる。例えば、フォークペア16の頂部又はその近傍に光学センサをそれぞれ設け、これらによって物品のフォークポケットを検出するようにできる。該車両10が積荷位置に近付いたとき、これらの光学センサが動作オンの状態に切換り、物品のフォークポケットを見出すことができる。このように、フォークポケットの検出位置を基準として、該車両10は、その走行路を変更するか、あるいは、好ましくはフォークペア16がフォークポケットと対応するように側方シフト機構22によって調整することができる。
【0026】
自動案内車両(AGV)10において積荷がなされると、該車両10は走行して工場の積荷ドック領域に移動する。本実施形態においてトラックトレーラよりなる搬送体50は積荷ドックの近傍に位置する。場合によっては、該ドックから搬送体50までの該車両10の移動ないし転移を容易にするために積荷傾斜路(ローディングランプ)が用いられる。この積荷傾斜路は、2つの異なる面の間の該車両10の移動ないし転移を容易にするよう構成されている。この移動ないし転移は、いくらか不均一であるので、もし追跡ホイール(トラックホイール)が用いられているなら、該ホイールは引上げておき、損傷を受けて動作不能になることを回避しなければならない。
【0027】
自動案内車両(AGV)10は、その第1の、主たる案内システムを用い、物品を搬送体の近傍の積荷ドックに搬送する。好ましい実施形態において、該車両10は、搬送体50の開口の入口部52まで移動するために、その第1の主たる案内システムを用いる。そして、この位置で該車両10の第2の案内システムが動作可能とされて、該車両10を予定する積荷位置へと案内するのに用いられる。好ましい実施形態において、該第2の案内システムは、上述した2組の距離測定装置20,30を備える。後方距離測定装置20は、該車両10が前方へ走行するときに動作し、前方距離測定装置30は、該車両10が後方へ走行するときに動作する。これら距離測定装置は、アナログ音響センサが望ましい。但し、レーザー方式、可動ビームレーザースキャナ方式、あるいは光学/視覚システムを代わりに用いることもできる。各組の距離測定装置は、該車両10が搬送体50の中間部ないし中央部を目指すように動作する。これは、センサを以下のように用いることにより達成される。すなわち、1つのセンサから搬送体50の側部ないし側壁54までの距離は、他方のセンサから該搬送体50の他方の側部ないし側壁54までの距離が引かれて、+/-エラー信号を創生するようにこれらセンサーを用いることである。この+/-エラー信号は、該信号をゼロとするように、該車両10を適宜の方向に案内するために該車両10の操縦機構によって用い得る。このようにして、該車両10は搬送体50の中間部ないし中央部を目指し、従って、積荷ドックに対する搬送体50の位置づけにおける傾きを補償する。もし、積荷される各搬送体50が既知の幅を有する場合、各組内において単一のセンサを用いることも可能である。この実施形態において、1つのセンサからの距離は、+/-エラー信号を得るために搬送体の中間部ないし中央部にある該車両10と関連する既知の距離が引かれねばならない。これが、+/-エラー信号をゼロとするために該車両10を適宜の方向へ案内するように該車両10の操縦機構によって用い得る。他の実施形態においては、該車両10が搬送体の中間部ないし中央部を追跡せず、代わりに該搬送体50の側部ないし側壁54の1つから特定の距離を維持する。
【0028】
自動案内車両10は、第2の案内システムによって予定された積荷位置に案内される。この予定積荷位置は、搬送体50の前側の殆ど占有されない部分である。好ましい実施形態において、該車両10は、搬送体50の端部ないし端壁56あるいは以前に搬送体50上に積荷された物品(ロード)を検出するまで、該搬送体50のおおむね中間部ないし中央部に向って前進する。上記の検出は、適宜構成された1個または複数の圧力センサによって達成される。この圧力センサは、搬送体50の端壁56または他の物品との接触を検出するためにフォークペア16の一端部上に位置づけられる。又、好ましい実施形態では、1つの圧力センサがフォークペア16の他端部に配置され、それによって物品自体が該端壁56又は他の物品と接触するときに該物品と対応する。該車両10は、予定の積荷位置に近付くにつれて低速に走行速度を下げ、該物品が搬送体50の端部ないし端壁56あるいは他の物品との衝突を検出する。この検出は該車両10のモータの駆動電流をモニターすることによりなされる。走行抵抗が増大する場合、例えば、比較的不動の対象物が該車両10と接触したような場合、該走行抵抗の増大につれて該車両10の電動モータへの電流も同様に増大する。この電流の増大が、その予定された積荷位置に到達したことを示す指標として用いられる。
【0029】
自動案内車両10が予定積荷位置に達すると、該車両10は物品を引離す。好ましい実施形態において、この作業は、まず昇降機構18によって物品を搬送体上に下降させ、次いでフォークペア16をフォークポケットとの係合から外れるように動かす動作を含む。物品を引渡すステップには、該物品を引渡す前に側方シフト機構22によって搬送体50の側部ないし側壁に向って外方向へ、係合した物品とともに、フォークペア16を移動ないしシフトする動作も含まれる。物品(ロード)には、2つの独立したパレットが含まれ、その各々は図1に示されたフォークペア16の1つに係合する。この実施形態において、該車両10がその走行方向において予定の積荷位置に近付いたとき、側方シフト機構22が始動してフォークペア16を移動ないしシフトさせ、次いで係合した独立のパレットを搬送体50の両方の側部ないし側壁54に向って外方へそれぞれ移動させて互いに分離する。この側方へのシフト動作の間、フォークペア16の位置変化がエンコーダ23により追跡される。好ましい実施形態において、フォークペア16の位置がもはや変化しないことを該エンコーダ23が検出すると、該物品は搬送体50の側部ないし側壁54と接触したものと推定され、そして、該車両10は、上述のごとく、搬送体50の端部ないし端壁56あるいは搬送体50上に以前に積荷された物品を検出するまで前進を続ける。そして、該検出があったところで物品が予定位置に到達し、搬送体50の基台ないしベース上に降ろされる。
【0030】
以上、説明した実施形態について本発明の請求範囲を逸脱することなく、種々の変形例が考えられる。例えば、本発明に係る方法において、フォークペア16を唯1つ有する自動案内車両(AGV)10を用い得る。この変形例では、フォークペア16は、それぞれの物品が搬送体50の側部ないし側壁54に配置されるように側方シフト機構22によって移動ないしシフトされる。このようにして、搬送体50には、これら物品を1つの物品として一度に積荷作業をなすことができる。もし望むならば、該物品が分配ないし配置される搬送体50の側部ないし側壁54を該車両10により交互とすることもできる。更に、本発明においては、該車両10により搬送体50への積荷を任意の積荷状態でなし得る。例えば、図4aに示すごとく、搬送体50の前後方向に沿って2つの物品が互いに並置された積荷状態に、あるいは図4bに示すごとく、搬送体50の前後方向に沿って2つの物品が互いに並置された状態とこれらの間において中間位置に1つの物品を配置した状態を混在した積荷状態に、あるいはその他の考え得る積荷のレイアウトを設定し得る。物品が非対称形状の場合には、図4c及び図4dで示すごとく、1つの物品を他の物品に対して回転させて配置する。図4cにおいては、60’で示した物品が物品60の並びに対して90°回転している。図4dにおいては、複数の物品60が風車の態様で配置される。図4a〜4dで示した種々のレイアウトにおいては、矩形状の物品のものを示したが、いずれの形状のものでも、本発明において、同様に配置し得る。
【0031】
上記のように、自動案内車両(AGV)10により物品の配置位置を柔軟に行ない得るので、積荷された搬送体50の形態を最適になし得る。通常の共通する配置構成では、空間スペース、すなわち、物品がない空間部を最小とするように積荷されるが、しかし重量の大きい物品の場合、このような一般的な配置構成では搬送体の重量制限を超える恐れがある。このような場合や搬送体上に満杯に積荷するよりも少ない場合に、本発明においては、搬送体50における物品の移動ないしシフトを最小にするように該物品のレイアウトを可能とする。ここにおいて、本発明に係る自動案内車両(AGV)10及び積荷処理方法が、搬送体50の所望の積荷作業を達成するために利用される。
【0032】
物品が引渡されて配置された後、第2の案内システムが作動し、これを用いて自動案内車両10をおおむね同じ位置に戻すように案内する。好ましい実施形態において、上記の位置は、搬送体50の入口部52である。この位置に戻ると、第1の主たる案内システムが作動し、該車両10を案内して走行させ、他の物品を取上げる作業を遂行させる。もし、追跡ホイール(トラックホイール)が用いられている場合、該ホイールは下降して再び接地し、慣性方式等の最初の案内システムによって利用される。
【0033】
好ましい実施形態において、第1の主たる案内システムは、該車両10が第2の案内システムによって案内されているとき、該車両10の動きを継続して追跡する。この継続的追跡により、第1の主たる案内システムの再開動作をより精確になし得る。
【0034】
搬送体の自動除荷処理作業
【0035】
搬送体50の除荷処理は上述した積荷処理と極めて似ている。この主たる違いは、取上げられるべき物品が搬送体50上の正しい位置にあることの確認が難しいことである。従って、該車両10は物品の位置の変動にも対応して、これを補償し得るよう構成されなければならない。好ましい本発明の方法においては、該車両10を搬送体50の近く、特に好ましくは搬送体50の開口の入口部52のところに位置付けるように第1の主たる案内システムで案内するステップを含む。このように位置付けられたところにおいて、好ましくはアナログ音響センサよりなる上述した第2の案内システムが該車両10を物品(ロード)に合致するように案内する。上述のように、該車両10は、物品のフォークポケットを検出するために用いられる、フォークないしフォークペア16上あるいはその近傍に複数の光学センサを備えることによって、より広い範囲での物品の位置付けを許容するように構成することができる。該車両10が搬送体50上の積荷位置ないし物品位置に近付くと、これらの光学センサが動作状態に切換ってフォークポケットを見出す。このフォークポケットの検出位置情報に基づいて、該車両10はその走行路を変更する。あるいは好ましくは、フォークないしフォークペア16は、上述の側方シフト機構22及び縦方向スライド15よりなるフォークシフタによって調整され該車両10とは独立してフォークペア16の動きを許容し、これによってフォークペア16とフォークポケットとが相互に対応するように構成し得る。こうしてフォークペアとフォークポケットとが係合すると、物品は該車両10の昇降機構18によって持ち上げられる。次いで、第2の案内システムが該車両10を案内し、該車両の案内を始めたところと概ね同じ位置、すなわち搬送体50の開口の入口部52まで戻す。ここにおいて、第1の主たる案内システムが用いられ、該車両の走行案内がなされる。好ましい実施形態において、第1の主たる案内システムは第2の案内システムによる車両の案内がなされているときに該車両の動きを継続して追跡するので、第1の主たる案内システムによる案内をより精確に再開することができる。
【0036】
本発明に係る他の実施形態においては、最初の自動案内車両10が搬送体50に入る前に搬送走行路を決定することによって該搬送体50内でのナビゲートないし操縦を可能とするように第1の主たる案内システムを使用することができる。搬送走行路を決定するにおいて、該案内システムは、積荷ドックベイ82のセンターからの搬送体開口入口部のセンターの横方向のオフセット乃至ずれ、ならびに積荷ドックに対しての搬送体50の傾斜を決定しなければならない。上述のように、好ましい実施形態においては、該車両10が慣性方式の案内システムよりなる第1の主たる案内システムを利用し、それによって該車両10を積荷されるべき搬送体50の開口の入口部52へ案内する。既に上述した方法と異なり、該車両10は第2の案内システムに切換える必要がなく、それに代えて、該搬送体50の入口部52の近傍において、当該システムは該車両10の搬送走行路を決定する。例えば、可動ビームレーザを有するセンサ又は光学システムを用いることによって、例えば、搬送体50の側壁の位置を決定することによって搬送体50をスキャンないし走査するために該搬送走行路を決定する。この走行路が決定された状態で、慣性方式等の第1の主たる案内システムが利用され、これにより、上述の例と極めて類似した態様で搬送体50の積荷あるいは除荷が遂行される。
【0037】
自動案内車両(AGV)10は、搬送体50の外側から該搬送体50の内部のデータ・プロフィールを創生するために単一のセンサ100又は多重のセンサを用いる。この変形例の実施形態において、搬送体50のデータ・プロフィールの創生は、該車両10の大部分が物品(ロード)60を内部に配置する搬送体50により形成された空間部に入る前、特に該物品60が該搬送体50に入れられる前になされる。搬送体50の横方向のずれや傾き等の、予定された配置からの偏位を確認するために該搬送体50のデータ・プロフィールの創生によって、該車両10は搬送体50に入る前に、該搬送体50内での物品60の配置にとって最適の走行路を取るように容易に操作される。特に、オペレータの操作ミスにより、物品が配置される搬送体50、特にセミ・トレーラの場合には、積荷領域80へ戻る際に、適正位置に揃わないことが典型的に生じ、従って、横方向へのオフセット乃至ずれや傾き状態となり同位置に正確に整合しないのである。図8に示すように積荷領域あるいはドック80は、積荷ドック壁83により区画されたベイ開口部82を有し、該開口部82は搬送体50の幅よりも広くなっているので、オペレータの操作ミスによる若干のずれをカバーすることができる。しかし、このようにオペレータの操作ミスが許容されるといっても、図4eで示すごとく、搬送体50の幅いっぱいに物品60を収納するようにシステムを設定した場合には、少しのずれでも該車両10に問題を引起こす。従って、この解消のために、該車両10はセンサ100を使用し、該物品60が搬送体50内に入る前に、該搬送体50のデータ・プロフィールを創生する。これによって、該車両10は、図8に示すごとく、搬送体50が予定位置から横方向に偏位している場合でも、側壁54に対して物品を接触させることなく該搬送体50に入ることができる。図8においてオペレータが搬送体50を適正に整合させた場合には、該搬送体50の破線で示す長手軸線51は、予定された鎖線で示す長手軸線84に整合する。しかし、図8に示すように、該搬送体50は、その入口部52のところで予定された長手軸84から横方向に偏位しているのみならず、該予定された長手軸84に対して角度をもって傾斜している。
【0038】
自動案内車両(AGV)は、搬送体50へ入る際にその側壁54との接触の危険を回避するために、発明の名称「レーザ障害物センサを利用したドライバーレス車両のための慣性ナビゲーション案内システム」の米国特許公開第2006/0276958号に記載されたセンサ100を使用し、該車両の簡単化し追加的センサを不要とすることによって製造コストを削減するとともに積荷作業時間を減少するために、+/-エラー信号を創生するように一対のセンサからの距離を差引くことによって該搬送体50の中間部ないし中央部を目指す上述した第2の案内システムを使用することができるが、本発明は、搬送体50の横方向の偏位ないし、ずれ及び該搬送体に対して角度をもっての傾斜を単一のステップで遂行する搬送体50のデータ・プロフィールを創生するためのセンサ100を使用する。これは又、搬送体の傾き調整のために2つのセンサ・システムによって求められる継続的算出作業と調整作業を不要とし、それによって、該車両10の迅速動作を可能とするとともに積荷作業時間を減少させる。このように、搬送体50の積荷作業時間の減少によって、当該システムに使用される自動案内車両の数を減少し得るとともに当該システムの初期コストならびにその後の作業コストを大幅に削減することができる。
【0039】
本発明の好ましい実施形態において、第1の主たる案内システムのための搬送路を創生するためにセンサ100を使用することにより、第2の案内システムを不要としたが、場合によっては、第2の案内システムも用いられる。好ましい実施形態において、自動案内車両10は、図8に示す位置Aに対する操縦ないしナビゲート及び搬送路に沿う操縦ないしナビゲートの両方を同じナビゲーション・システムで遂行する。上述のように、この案内システムは、慣性方式、ワイヤー方式、視覚方式、テープ方式、レーザ・ターゲット方式あるいはレーザー方式等、公知の方式のシステムでよい。しかし、ワイヤー方式、視覚方式、テープ方式あるいはレーザ方式のものが用いられると、慣性方式あるいは推測航法(dead reckoning)方式の案内システムも搬送体の走行のために含まれる。上述のように、特に段落(0023)〜(0032)で述べたように、自動案内車両10は、第1の主たる案内システムを用いて、物品を所望通りに得るように動作するとともに、次いで、これによって図8に位置Aとして示すように搬送体50の外側の位置ないし点に該車両が案内される。
【0040】
位置Aは搬送体50の外側ないし外部にあり、その搬送体の入口部52からの距離は、物品60のサイズ、該車両10の操縦性、及び、もしセンサ100が該車両上にある場合は、該センサ100の感度に依存して変化する。詳述すれば、この位置Aは搬送体50の外側のいずれのところにでも設定し得、センサ100によって搬送体50の正確なデータ・プロフィールをなし得、もし、センサ100が該車両100上にあるとき、側壁54の位置を正確に決定し、これによって、搬送体50が予定位置から横方向に偏位ないし、ずれているか、及びそれがどの程度であるか、更には図8に示すごとく搬送体の角度ないし傾きがあるか、及びそれがどの程度であるかを決定する。このデータ・プロフィールから該車両が進むべき走行路が算出される。
【0041】
注目すべき重要なことは、搬送データ・プロフィールが、自動案内車両をして、又、いくつかの実施形態では、中央コントローラをして、搬送体50を該車両の走行通路ないしルート及び作動システム内におくことができ、これは搬送体の積荷及び除荷のために該搬送体に対する適切な走行路を決定し、加算することによってなされる。勿論、当業者であれば、人的オペレータが、当該システムに対する搬送体の適用性や搬送体の予定位置に関するデータを確認し当該システムに提供し、それによって該車両が、いつ特定の搬送体50に積荷するか、どの物品60を選び、どの程度の量とするかなどを認識することが認められる。又、認められることは、用語「予定位置」(expected position)あるいは「理想的位置」(ideal position)は、適切な位置付けからの搬送体50の偏位ないし、ずれについて言及した場合に用いられる。該車両を作動させるシステムは、必ずしもこの予定位置に関するデータを含むものではない。これに代えて、センサ100が搬送体のデータ・プロフィールを創生ないし形成し、次いで、該車両のために当該システム内への適正な走行路を算出し、加算し、これによって、該車両は搬送体が物品に満たされるとともに当該システムから取外されるまで走行作動する。従って、コントローラ又は自動案内車両は、各積荷ベイにおいて位置Aから搬送体50に対する走行路を加える。該位置Aは最適なポイントとしての各積荷ドアに対するものとして当該システムが認識し、作動システムを用いて、当該システムにおける走行路またはルートの間に各搬送体について算出され、これら追加された部分ないし走行路に切換えられる。該車両は、位置Aから搬送体内に該走行路に従い、物品を分配ないし引渡したとき、該車両は位置Aへ戻るとともに、該搬送体50内で決められたルート又はデータ・プロフィールを用いて、次位の作業のための標準のシステム走行路またはルートに切換えられる。
【0042】
位置Aは、当該システムのセットアップにおいて搬送体の入口部52に極力近接したポイントに設定されるのが望ましい。これにより、該車両10が、搬送体50の長手軸51である搬送体をなすトレーラへの最適ルートに、それ自体で整合するように操作されるので、該物品60がトレーラの入口部52の外側に留まることが許容される。該車両10を搬送体50と極力近接して配置することにより、もしセンサ100が該車両上にある場合には、該車両によって、より良好な搬送体のデータ・プロフィールを得ることができる。
【0043】
例えば、センサ位置を最適にした状態で、搬送体50の入口部52を物品(ロード)60が横切る前に、搬送体50への所望の走行路に該車両をそれ自体で整合させるに十分な操縦スペースを得るためには、もし、該物品が約3フィート(91.44cm)の奥行を有する場合、該車両に必要とされる平均的操縦スペースは搬送体の入口部52から約5フィート(182.88cm)又はそれより若干長いことが求められる。もし、センサ100が該車両上にない場合、該入口部からの位置Aの距離をより大きくとることが望ましい。これによって、より広い操縦スペースが確保でき、より早い速度で該車両における位置の調整ならびに所望の走行路に合致した走行路の調整が可能となる。これは物品(ロード)60が搬送体50に入る前になされ、従って積荷作業時間の短縮をもたらす。
【0044】
もし、該自動案内車両10が、搬送体の態様(オリエンテーション)に関して該車両に情報を伝えるコントローラ又は中央コントローラを搭載していない場合、該車両10は、搬送体としてのトレーラ上でイメージ、マップあるいは他のデータ・プロフィールを創生ないし形成する。これによって、搬送体の態様(オリエンテーション)が決定される。この搬送体の態様の決定において重要なことは、入口部52、特に各入口部52の側壁54がどの程度、予定位置(代表的に積荷ベイ84のセンター)からオフセットないし離間しているか、あるいは、入ってくる物品60が側壁54と接触しないように該側壁54の位置を確認することと共に該側壁54により決められる搬送体としてのトレーラの角度ないし傾きである。センサ100は、必ずしも必要とされないが、端壁56の位置を決定するのにも用い得る。この決定は、搬送体が空状態のときである。もし、該搬送体が部分的に物品で満たされている場合、該センサ100は搬送体内の物品あるいはパレットに対する距離を決定するのに用い得る。端壁56又は任意の物品の位置により、該車両10又はシステム・コントローラは、該車両が最初の物品60を見出すのに搬送体としてのトレーラに対して、どの程度の距離、走行すべきかを算出することができる。走行路の長さの算出により、該車両は該物品が下降されて最終位置に押出される前に、搬送体としてのトレーラへ向って更に走行することが許容される。搬送体への物品の押出し距離を最小化することによって、該車両10のバッテリーは再チャージを要するまで、より長持ちする。しかし、該車両10が搬送体としてのトレーラのおおよその長さを認識して物品60を配置するような場合は、該車両がどの程度の距離、搬送体に向って走行すべきかを決定する他の方法も用い得る。
【0045】
搬送体への自動案内車両10の搬送路ないし走行路を決定する上において、該車両10は搬送体のデータ・プロフィールを集めるとともに側壁54を分析し、搬送体の実際の長手軸におおむね沿う走行ラインを決定する。更に言えば、該車両10は、予定の長手軸84に沿ったある位置まで積荷ベイ82に近づく。次いで、レーザセンサ100が搬送体50をイメージしてデータ・プロフィールを創生ないし形成し、搬送体50の実際の長手軸51に沿う予定の走行路を決定する。この実際の長手軸は、搬送体のこれら側壁54を数学的に平均して算出され、これによって搬送体50へ向うセンター走行路を創生ないし形成する。
【0046】
もし、センサ100が自動案内車両100上にあり、この車両10が位置Aにあるとき、該車両は停止して搬送体50をセンサ100でプロフィールないし輪郭を把握する。これは位置Aより前の位でもなし得る。物品(ロード)60が搬送体50に入る前において、もし、位置Aが操作に要する最小距離よりも大きい距離にあるほど該位置Aが搬送体の入口部52から十分に離間しているなら、該車両は停止することなくセンサ100で搬送体50をプロフィールないし輪郭を把握することができる。図8における位置Aは、最も理想的な位置を示したものである。この位置において搬送体の内部を検出し、及び/又は搬送路に続く該車両10の切換をなし、更に、搬送路に沿う正しい位置に該車両を操縦し、物品60が側壁54と接触することなしに搬送体内に入るようにする。従って、案内システム間の切換が生じた際にセンサ20,30が搬送体内にある以前に説明した実施形態と比較して、この実施形態においては、搬送体への新たなルートが算出されてそのルート使用に切換えられる前では、センサ100は搬送体より完全に外側にある。従って、もしセンサ100が該車両上にある場合に、位置Aへ達する第1の車両は搬送体50のデータ・プロフィールを得る。該車両又は中央コントローラはこのデータ・プロフィールを用いて搬送体50への最適ルート(搬送路)及び該物品の型式、搬送体50の幅寸法及び長さを考慮して、物品(ロード)60の最適な配置を算出する。次いで、該車両は搬送路に沿って位置Aから搬送体へと移動し、物品60を引渡すとともに、その後、該搬送路に沿って搬送体から出て位置Aまで戻る。位置Aにおいて、この搬送路から次位の作業のために当該システムで用いられているルートへと切換わる。
【0047】
センサ100は、搬送体50の端壁56、側壁54及び入口部52を検出するような搬送体の内部をイメージするレーザセンサが望ましい。場合によっては、特に、搬送体内に高い寸法の物品が積荷されるときには、該センサは搬送体の天井部(図示せず)に関する情報を与えるものが望ましく、これによって搬送体に入る物品60の上端と搬送体の天井部との間の間隔が十分か否かを確実に把握できる。図6,7に示すように、センサ100はフォークペア16の間において該車両上で、そのセンターないし中央部に配置されている。この配置は、物品60の間を見ることにより搬送体50の天井の高さ及び側壁54の測定を可能とする。しかし、種々の作動要請に従って、該センサ100は他の位置に配置することもある。例えば、ある工場では、テーブル、家具あるいは他の装置など、通常のものより2倍も幅広で長いパレットを用いる大型の物品を扱うこともある。従って、この場合、もしセンサ100が天井部を検出するか、あるいは側壁54を検出する必要がある場合、これに応じて幅広あるいは長尺のパレットが用いられることになるので、該車両上のセンサの位置の変更も必要とされる。
【0048】
好ましい実施形態において、第2の自動案内車両は、当該システム内において搬送体の態様(オリエンテーション)ないしは位置Aから搬送体へ、及び物品を引渡した後の位置Aへ戻る搬送路に関する情報を既に得ている。このように該車両は搬送路を既に知っており、前に走行した車両に従う。そして該車両は停止することなく位置Aから搬送体へと入る。これは該車両が従うルートの切換がなされているからである。作業効率を最大とするために、位置Aの前に所望の搬送路への切換えをなし、これによって、より長い操縦時間を確保でき、又、より高速で望ましい搬送路に合致するように対応できる。例えば、該車両を図8に示す位置Aへ移動させるのに慣性方式の案内システムが用いられる。そして、位置Aに達する前、あるいはその際に、中央コントローラが該車両に対して望ましい搬送路を提供する。該車両は継続してこの慣性案内システムを用い、該搬送路に沿うようにそれ自体で調整し、搬送体に入って物品60をその適切な位置に引渡し、ないし配置する。該車両は位置Aへ戻る場合も該慣性方式の案内システムを用い、この戻った位置Aにおいて、新たな作業のための走行路への移動に切換わる。
【0049】
各自動案内車両は、センサ100とコントローラを有し、これらは、まず搬送体の検出のために個々に動作する。そして、データ・プロフィールを創生ないし形成するとともに望ましい搬送路を算出する。この搬送路は、物品60を配置するための該搬送体50の実際の長手軸51に沿う。該車両が物品60の配置のために搬送体50に近づく毎に、該車両は望ましい搬送路を再度算出してもよいし、又、前に決定された走行路を用いることもある。このようにして、最初の1〜3台の自動案内車両が搬送路を算出していくと、平均して該搬送路が決まり、より正確なルートとしてのデータ・プロフィールを得ることができ、以降、該車両はこれに従う。しかし、搬送体50が物品60で満杯の場合、該車両が搬送体に入る前の分析は、目的達成にマイナスになる可能性がある。それは、センサ100が該車両に搭載されているとき、搬送体の側壁をあまり検出し得ず、従って、測定すべき側壁に関するデータ・プロフィールが乏しい状態での再分析ないし再算出は、望ましい搬送路設定に大きなエラーをもたらす恐れがある。
【0050】
オプションとしてのステップとして、該センサ100が搬送体としてのトレーラの内部を走査したとき、他の1つのセンサが積荷ベイ領域80内の固定の対象物を走査して当該システム内の位置を修正する。すなわち、該車両10が図8に示す位置Aにまで走行し、搬送体50の内部の走査のときに位置Aから1/2インチ(1.27cm)離間した積荷ドックベイ82及び積荷ドック壁83の位置に基づいて決定される。該車両は、物品を引渡した後に位置Aへ戻るが、ここで予定された位置と実際の位置との間の以前の食い違いが調整される。従って、該車両10は、追加的ステップあるいは他のポイントでの修正を要することなく、その位置を容易に修正できる。第1の主たる実施形態において、搬送体50の長手軸51に沿って新たな搬送路が決定されると、該車両は、その第1の案内システムを用いて搬送体としてのトレーラへ向って走行し、物品60を引渡す。別の、あるいは異なる案内システムの代わりに慣性方式の案内システムを用いることによって、低コストで自動案内車両を製作し得る。しかし、本発明においては、これに限らず、他の案内システム、例えば、推測航法方式、レーザ方式、観察方式、テープ方式、ワイヤー方式等が用い得る。慣性方式の案内システムを用いる場合、ジャイロスコープは、水平面で動作するように調整され、縦方向の動作には対応しない。従って、積荷ドックに対する搬送体50の縦方向の不一致は、該車両が搬送体50に入る際に該案内システムに影響を与えない。いくつかの実施形態において、各自動案内車両が搬送体について各自のデータ・プロフィールを創生ないし形成して何等の修正も除去すること、あるいは物品(ロード)からの重量の増加に応じて搬送体を処理するために、より高い物品も搬送体の天井部に接触しないことを確実にするには当業者においても認められるところである。又、いくつかの実施形態において、ある特定ポイントで慣性方式の案内システムを再修正することが望まれるとき、搬送体及び積荷領域80上の特定の固定位置のデータ・プロフィールを創生ないし形成し、該車両に当該システムに対して修正を与えることが望ましい。
【0051】
自動案内車両は、該車両の後部におかれた物品及びフォークとともに前進する。従って、図8に示す位置Aに到達する前に、該車両は、物品60又はフォーク16が搬送体50と対面するように操縦される。次いで、該車両が搬送体を検出し、データ・プロフィールを創生ないし形成し、搬送路を検出して物品60と共に搬送体50に向って走行して該搬送体へと入る。物品60を引渡しないし配置すると、該車両が搬送体から位置Aへと戻る。そして、ここでデータ・プロフィールないしシステムの切換がなされるが該車両の走行速度は低下せず、又、停止もせず、次位の物品にピックアップのために動作を継続し、位置Aを少し過ぎたところで、フォークが該車両の後方になるように旋回する。センサ100は、搬送体としてのトレーラのデータ・プロフィールを作成するのに、より見易いようにフォークの両側に配置することもできる。この実施形態において、位置Aは、該車両が180°回転し、それ自体で搬送路と整合し、物品60を側壁54と接触させることなく搬送体50に入るように、該入口部52から十分に離間した位置をとる。
【0052】
自動案内車両は、物品の配置を最大化するように搬送体に積荷を行うので、該車両はその算出された搬送路の端部に達したときに物品を下降させるとともに該物品を搬送体の床に沿って残りの距離だけ押す。駆動ホイール上に電流センサを用いることにより、いつ物品が前の物品と接触したか、ならびに搬送体上でこれら先行の物品と密に配置されたかを決定することができる。
【0053】
いくつかの実施形態において、当該システムは自動案内車両上にセンサ100を備えないが、その代り、該センサは積荷ドック上に備えられ、搬送体50の内部を十分に検出し得る。例えば、1つのセンサが搬送体に対面する各積荷ベイの外側、約6フィート(182.88cm)のところに配置され、積荷ベイのドア及び搬送体に対するドアを開くと、該センサが実際位置のデータ・プロフィールを自動的に創生ないし形成する。該データ・プロフィールには予定された位置に対する搬送体50のオフセット及び傾きを含む。そして、この更新データ・プロフィールは中央コントローラにおかれ、該コントローラは各車両のための搬送路ないし走行ルートを提供する。従って、少なくとも最初の自動案内車両が搬送体の位置に関するデータ・プロフィールを作成し、次いで中央コントローラを更新し、該車両の走行路を決定するステップを省くことができる。このため、中央コントローラは望ましい走行路を創生ないし形成し得、該車両は、車両の走行路の標準データ・プロフィールを用いる慣性方式の案内システムで位置Aを走行し、位置Aに達した際に、停止することなく、あるいは若干、速度を落として搬送体50へと継続して走行する。位置Aでは予定された走行路から搬送体50へ向う実際の走行路へと、そのデータ・プロフィールが切換えられる。センサが自動案内車両の外部におかれる場合、該センサは積荷ベイ領域80の内側、又は外側、例えば搬送体としての各トレーラの間またはその上方におかれる。該車両の更新されたデータ・プロフィールを付与するために、搬送体50の傾斜ならびに横方向のオフセットのみが決定される必要がある。
【0054】
自動案内車両は図示のように、2重ないし2対のフォークペアを備え、これが搬送体へ対をなすパレットを運ぶ。しかし、場合によっては、該車両は、単に一対のフォークを備え、物品を横方向に並置するために、新たな搬送路を決定することができる。
【0055】
本発明は、極めて幅広の物品の処理に特に有利であり、この幅広の物品は、ダブル・パレット型式のように搬送体の両側壁とパレットの各側部との間に最小の間隙しか残さない。算出された搬送路を用いて、該車両10は搬送体内へ、物品と側壁との間が1/2インチ(1.27cm)よりも小さい間隙の状態で入って予定位置まで走行し、該物品60を搬送体50の両側壁に接触させることなく配置することができる。
【0056】
上述のシステムは、搬送体の自動的積荷及び除荷のために用いられる。該搬送体の除荷の作業方法は、上述のように該搬送体の積荷の場合とおおむね類似している。しかし、搬送体50の入口部52に近接しておかれた物品としてのパレットで搬送体50が満杯の場合、該自動案内車両は、データ・プロフィールを作成するために該搬送体50を検出することなしにこのパレットを除荷する。第1のパレットが取り除かれ、あるいは該搬送体50が満杯でなくなると、該車両は、搬送体としてのトレーラの側壁及び位置を検出し、該搬送体50の横方向のオフセット及び傾きを決定する。物品60が連続して該車両から取外されると、それに続く各車両は搬送体のデータ・プロフィールを創生ないし形成しデータ・プロフィール内のエラーを減少させる。これは、部分的に積荷された搬送体上で該搬送体の側壁がセンサ100によって最初に測定されるからである。物品としての各々のパレットが搬送体50から取除かれるにつれ、側壁54のより多くの部分がセンサから見える状態になるので、より正確なデータ・プロフィールが得られる。以前のデータ・プロフィールと、その後のデータ・プロフィールとの間のエラーが限界値(スレスホールド)を下回った際は、当該システムによって搬送体の傾き及びオフセットならびに、その後に続く自動案内車両のための望ましい搬送路が決定される。搬送体としてのトレーラ上での物品としてのパレットの正確な配置をなすために、パレット・ポケットを検出する公知のセンサ装置を用いることができ、これによって、フォークないしフォーク・ペアがパレット・ポケットと整合する。センサ100が該車両から離れていて、例えば、積荷領域80の天井部から吊り下げられた構成の実施形態においては、搬送体の除荷において、該センサ100が物品60の上端を越えて見ることができるので、搬送体の内部について最小のエラーで完全なデータ・プロフィールを創生ないし形成し得、これによって、搬送体が満杯の場合であっても該搬送体の傾きや横方向のオフセットを正確に決定することができる。センサを該車両から離れて配置することにより、各車両が搬送体50のデータ・プロフィールを作成する必要がなく、より効率的システムを提供できる。
【0057】
センサ100が自動案内車両上に搭載されている場合、該センサは物品60の下部ならびに上部を共に見ることができる位置に配置されるのが望ましい。該センサは、物品60の下部を見ることができるとともに搬送体50の内部を検出できるように該車両の下側に配置するのが望ましい。代表例としての配置構成では、該センサは地面から少なくとも4インチ(10.16cm)ないし6インチ(15.24cm)離れたところであり、2重フォーク式の車両では、該車両の両側の中間、すなわち概ねセンター位置で、地面から7.5インチ(19.05cm)離れたところが望ましい。勿論、該センサはどの位置でも配置し得るが、必要なことは、搬送体50の両側壁54の位置を読むことができ、望ましくは搬送体50の入口部を区画する両側の端壁を読むことができることである。該センサ100が物品60の通常の支持位置の下方におかれる状態において、該車両が移動してる間に搬送体としてのトレーラのデータ・プロフィールを創生ないし形成する。従って、該車両は停止することなく位置Aにおいてセンサによって与えられた新たなデータ・プロフィールにより決定され更新されたデータ・プロフィールに切換えられる。
【0058】
以上、本発明の実施形態及び変形例を説明したが、本発明は、本願の明細書、特許請求の範囲及び添付図面から当業者であれば、その他の種々の変形構成をも想起し得るものであり、従って、ここに説明した内容に限定されるものでないことは言うまでもない。
【技術分野】
【0001】
本願は、2004年5月3日出願の米国予備出願の利益を請求する2005年5月2日出願の米国特許出願第11/119,588号の一部継続出願の優先的利益を請求するものである。
【0002】
本願は、概して物品取扱い車両に係り、特に、トラクタ・トレーラ、レールカー、フラットベッド・トレーラあるいは積出しコンテナなどの搬送体に対して自動的に積荷(ローディング)及び除荷(アンローディング)を可能とする自動案内車両に関する。
【背景技術】
【0003】
自動案内車両(以下、「AGV」とも称する)は、物品を搬送するための物品取扱い業界において全般的に使用されている。任意の複数の自動案内システムを有する頑丈に設計された車両に対して一般に自動案内車両(AGV)の用語が用いられる。これに対して、上記と類似するが、より簡単な適用条件に対応した頑丈さを重視しない車両に対して一般に自動案内カート(AGC)の用語が用いられる。しかしながら、本願において用いられる「自動案内車両」の用語は、これらAGV、AGCの両方を含む意味で用いられるとともに該用語は、その他の自動的に案内される車両をも含むものである。
【0004】
現今、設計される自動案内車両は、おおむねフレームの四隅に配置される旋回キャスターを有するフレームを備えるのが特徴である。他の特徴は、該車両ないしカートの方向制御のための固定キャスターと駆動ホイール・アセンブリとを備えることである。現今の車両設計の1つにおいては、フレームに2つの固定キャスターが取付けられるとともに、これらキャスターが該車両ないしカートの各側にある旋回キャスターのおおむね中間位置に配置されている。これら2対の旋回キャスター軸と固定キャスター軸は、おおむね互いに平行をなす。操縦可能な駆動装置(ユニット)は、ヒンジ連結されたプレートにより車両ないしカートに取付けられるとともに、該プレートは操縦可能な駆動ホイールが支持面に対して適切な粘着摩擦を保持し得るように、車両フレームからバネ負荷されている。車両設計の他の構成例では、固定された駆動ホイールが自動案内車両を推進するとともに操縦可能なキャスター・ホイールが該車両の運動方向を決める。
【0005】
自動案内車両は、その運動を制御する案内システムを備える。今日、用いられている公知の案内システムとして、ワイヤー、レーザー、磁気テープ、オドメーター、慣性及び光学を利用した方式のものがあるが、これらは夫々それ自体の利点及び欠点がある。例えば、慣性利用の案内システムでは、該自動案内車両によって測定した走行距離と方向が実際の走行距離及び方向と相違するような追従(トラッキング)エラーが生じ易い。このエラーは極力小さくできるが、走行距離が長くなれば増大し、従って、このエラーを修正するために、例えば、指定走行路に沿って配置される磁気ペイント、無線周波数認識でタグ(RFID)等の中間地点参照マーカーを利用するなどしなければならない。
【0006】
レーザー方式の案内システムでは、自動案内車両が感知し、走行制御に使用する特別の複数のマーカーが設けられる。しかし、この方式の案内システムでは、いかなる走行状態においてもマーカーの存在が求められるので、場合によって、マーカーが障害物になりかねない。もし該車両の走行路の変更がある場合、これらマーカーを物理的に移動させなければならない。更に、この方式の案内システムを備えた自動案内車両は、このような特別のマーカーを有する領域においてしか走行できないので、これを本発明で採用した場合、積荷(ローディング)又は、除荷(アンローディング)される搬送体のいずれかにもマーカーを設ける必要が生じる。
【0007】
搬送体の自動的な積荷及び除荷に関連する1つの困難な問題は、固定されたローディングドック位置に対して搬送体の位置が変化することである。搬送体は、通常、例えばこれがトラックの場合、ドライバーによる手動操作で位置づけられる。しかし、この手動操作による位置づけは、該搬送体に不知の位置変化を結果としてもたらす。ドライバーがトレーラをローディングドックに位置づける際、該ドックのドアに対してトレーラを完全に直角に位置づけることは困難である。従って、トレーラがドックのドアに対して傾斜した角度でもって対応してしまうことが起こり得る。そして、その傾斜角度は不知であるとともに該ドックに対する位置づけ作業の度に変化してしまうので、自動案内車両は、このトレーラの傾きを検出して補償することが出来なければトレーラ内の物品を効果的に案内し分配することが出来ない。この問題の解決のために、従来においては、搬送体をローディングドックに対して位置づけるために、滑り板ないしスキッドプレートの使用が提案されているが、これは費用がかかるとともに、その効果も不十分であった。トレーラをドックのドアに対する最適位置からオフセットしたところに位置づける
ことも提案されている。しかし、自動案内車両によって幅広の物品の積荷(ローディング)の場合、1インチ(2.540cm)ほどの小さいオフセットでも積荷作業の間に問題を生じさせるのであった。
【0008】
搬送体の自動的な積荷及び除荷に関連する他の困難な問題は、搬送体とドックとの間の高さの相違を自動案内車両が克服しなければならないことである。この高さの相違は、種々の型式の搬送体があり、又、同じ型式の搬送体でもその形態が異なることにより生じる。又、ある1つの搬送体であっても、その高さは一定でない。例えば、トレーラに積荷が行われるにつれ、サスペンションが圧縮され、その結果、その高さが変化する。従って、確実な動作を遂行するためには、自動案内車両が搬送体の高さ変化、すなわち搬送体とドックとの間の高さの相違の変化に対応して動作しなければならない。この問題の解決のために、従来において流体圧作動等のジャッキを用いて搬送体のレベルを安定させることが提案されているが、これも費用がかさむとともにその動作効率も不十分であった。
【0009】
ドックと搬送体の間の物品の移動を容易にするために、該ドックと搬送体との間に積荷傾斜路(ローディングランプ)がしばしば使用される。しかし、このようなドックと搬送体の間の急激な上り傾斜あるいは下り傾斜が物品の案内作業を困難にしている。例えば、レーザ方式の案内システムを用いる自動案内車両は、上り傾斜や下り傾斜を移動するにつれて目標物(ターゲット)を見失う恐れがある。これは、この場合レーザが目標物の上または下を指向する事実があるからである。
【0010】
搬送体の位置の変化がトラックの自動積荷を妨げ、その作業効率を大幅に低下させる。例えば、効率の良い積荷処理においては、物品(ロード)が相互に近接状態に位置づけられるが、搬送体の予定位置が変化すると物品相互の分離が増大する。
【0011】
このように、自動案内車両の走行制御のために案内システムを用いるにも拘らず、従来においては、未だ搬送体への積荷あるいはそれからの除荷の処理作業は満足のいくものでなかった。
【発明の概要】
【0012】
上記の観点から、搬送体の自動的積荷及び除荷を遂行するために種々異なる案内システムの使用を効率良く組合わせた自動案内車両の設計が必要とされる。特に、予定された位置にない搬送体に対して積荷及び除荷を可能とする自動案内車両の設計が必要とされる。
【0013】
本発明は、上記の必要性に鑑み、自動案内車両(AGV)によって搬送体の積荷及び除荷を遂行する方法及びシステムを提案するものである。本発明の1つの具体的構成において、当該自動案内車両(AGV)は、まず、物品(ロード)と係合する。この係合した物品を有する自動案内車両は、第1の案内システムによって既知の位置に案内され、この位置から第2の案内システムが作動して、該車両は搬送体上の適切な積荷位置へと案内される。この位置において、物品(ロード)が引渡しないし分配される。次いで、第2の案内システムは、該車両を上述の既知位置へおおむね戻すように案内するために用いられる。そして、ここにおいて第1の案内システムが該車両の走行制御のために作動を再開する。
【0014】
本発明の他の具体的構成において、自動案内車両(AGV)は、まず物品(ロード)に係合し、その係合した物品を有する該車両が既知の位置まで第1の案内システムによって案内される。この位置から、該案内システムは搬送体上の適切な位置を決定し、該車両をその位置に案内するようにそれ自体を調整し、該物品を引渡しないし分配する。次いで、この調整された案内システムは、おおむね上述の既知位置へ該車両を戻すように案内するために用いられ、これにおいて、調整されない当初の案内システムが該車両の走行制御のために作動を再開する。
【0015】
本発明の及ぶ範囲及び適用性については、本願の明細書、特許請求の範囲及び図面から明らかとなる。しかし、明細書等に開示した実施形態は本発明の好ましい具体例を示すものではあるが、本発明はこの開示範囲に入る種々の変形例をも包含するものであることは当業者にとって自明のことである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る自動案内車両の上面図である。
【図2】本発明に係る図1に示す自動案内車両の側面図である。
【図3】本発明に係る図1に示す自動案内車両の正面図である。
【図4a】本発明に係る積荷された搬送体の一態様を示す上面図である。
【図4b】本発明に係る積荷された搬送体の他の態様を示す上面図である。
【図4c】本発明に係る積荷された搬送体の更に他の態様を示す上面図である。
【図4d】本発明に係る積荷された搬送体の更に他の態様を示す上面図である。
【図4e】本発明に係る積荷された搬送体の更に他の態様を示す上面図である。
【図5】積荷処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係る他の形態の自動案内車両の上面図である。
【図7】図6に示す本発明の他の形態の側面図である。
【図8】自動案内車両のシステム及び積荷領域に対する搬送体の態様を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る自動案内車両10は、図1−4に示されている。本発明において搬送体の自動的積荷及び除荷の適用は図示の自動案内車両(AGV)以外にも広く採用し得る。例えば、本発明は、種々の形態の自動案内車両や他の物品取扱車両においても採用される。
【0018】
自動案内車両(AGV)10は、該車両を推進及び操縦するために用いられる操縦機構及び駆動機構を備える。図示の通り、両機構は、駆動ホイール12と操縦ホイール14を有し、これら両ホイールは案内システムに連結されるとともに該車両10の推進及び操縦のために用いられる。案内システムは、該車両10が推進される際に、操縦ホイール14を回動させ、これによって該車両10の操縦がなされる。駆動ホイール12は、電位差を生じさせるようにワイヤーで直列に連結された2重駆動ホイールの構成が望ましい。又、異なる推進システム、例えば、旋回キャスターを備えた差動または「パンツアー」(panzer)操縦手段あるいは駆動ホイールのマスター/スレーブモータコントローラの使用を介在したものも使用可能である。
【0019】
案内システムは、公知のシステムのいずれかを採用し得る。好ましい態様において、以下に詳述の通り、2つの案内システムが用いられる。主たる案内システムは慣性方式の案内システムである。該システムはプログラム化された走行路を用いるのが望ましい。操縦可能なホイール14の位置は知られており、操作可能である。該車両10による走行方向と距離は軌道ホイールによって測定されるのが望ましいが必須ではない。各駆動ホイール上のエンコーダと操縦エンコーダを備えたシステムを、軌道ホイールと連携して、あるいはこれと別に用いることができる。これによって該車両10の走行方向と距離を追跡し探知する。該車両10が走行すると、操縦可能なホイール14が任意の距離のところで任意の位置に回される。このようにして、該車両10は、操縦可能なホイール14の位置と、その位置までに走行した距離を正しく特定することにより、あらゆる走行面にわたって走行し得る。本願において、その詳細は図示のみでなされているが、種々異なる型式の案内システム、例えば、レーザー方式の案内システムや基本的な案内システムの使用も本発明に包含される。
【0020】
自動案内車両(AGV)10は、更にクランプや図示のような、物品に係合させて使用する2対のフォークないしはフォークペア16などの物品捕捉機構を有する。物品は、よく知られているように、フォークペア16と係合するために、通常パレットと一体のフォークポケットを有する。フォークペア16は昇降機構18の手段により縦方向に調整可能となっている。この昇降機構18により、物品は、例えば互いに積み上げた状態等、種々の高さ位置に移動される。好ましい実施形態において、該車両10は、2組の距離センサとして、後方距離測定装置20及び前方距離測定装置30を有する。両組の距離測定装置20,30は、後述の通り、該車両10の案内のための操縦及び駆動機構と作動連結されている。
【0021】
上述の物品捕捉機構は、側方シフト機構22によって、係合させた物品を水平方向に移動ないしシフトさせることが望ましい。図3に示す好ましい実施形態において、昇降機構18は、2対のフォークペア16を備えている。各フォークペア16は、別のフォーク・キャリッジ17に取付けられ、各フォーク・キャリッジ17は昇降機構18に取付けられている。昇降機構18は、フォークペア16及び/又は物品を縦方向に移動させる必要に応じて該フォーク・キャリッジ17を一緒に上下動させることができる。該フォーク・キャリッジ17は、又、縦方向スライド15上に取り付けられるとともに流体圧シリンダを備え、それにより、フォークペア16当たり6インチ(15.24cm)の独立した持ち上げ能力を可能にしている。この独立した持ち上げ動作によって、該車両10が走行して、そのフォークペア16を近接する一対の物品(ロード)に位置づけることができる。一方のフォークペア16のみを6インチ(15.24cm)上昇させることにより、該車両16により近接した一対の物品から1つの物品を取上げることができる。側方シフト機構22とともに同じ動作が該車両により横方向に並んだ2つの物品を配置し、あるいは単一の保管ラック内に配置することを可能とする。チェーン25はフォーク・キャリッジ17を所望位置へ引張る。好ましい実施形態において、キャリッジ・スライドレール26はフォーク・キャリッジ17が該車両の中心位置に物品を落下させることができるように該中心を越えて走行することを許容する構成となっている。このために、一方のフォークペア16は一側にシフトするとともに通路から外れる。これによって他方のフォークペア16は該車両10の中心に位置することができる。
【0022】
側方シフト機構22は、昇降機構18及び該車両10の前方及び後方走行と関連して、物品が該車両10の物品捕捉機構と係合したとき、該物品を3次元の全ての位置に調整することができる。図1に示す好ましい実施形態において、フォークペア16の各々は、それぞれ独立して水平方向に、すなわち矢印31の方向に移動可能である。更に、側方シフト機構22の各々は、フォークペア16の移動を追跡するエンコーダをそれぞれ有する。これらエンコーダ23は、フォークペア16が水平方向における位置及びその位置における変化速度を追跡できることが望ましい。そして、これらエンコーダ23は該車両10の案内システムと連携しており、フォークペア16を正しく位置づけるのに用いられる。フォークペア16の水平方向のシフトないし移動は、搬送体50に対する積荷動作に関連して後述する。
【0023】
上述した自動案内車両10は、搬送体50の自動的な積荷(ローディング)及び除荷(アンローディング)に関連して用いられる。この処理作業は、工場の積荷ドック位置にある搬送体としてのトラックトレーラとの関連で以下、説明する。しかし、同様の処理作業は、フラットベット型トレーラあるいはレールカー等の同様の搬送体50についても説明可能である。
【0024】
搬送体の自動積荷処理作業
【0025】
搬送体50に積荷するために、自動案内車両10は、まず、物品(ロード)に係合しなければならない。上述した好ましい実施形態において、これは通常、パレットと一体となった物品のフォークポケットに合致する該車両10のフォークペア16の使用及び該物品を接地面(グランド)から持上げる昇降機構18の使用によって達成される。フォークポケットに対するフォークペア16の合致(マッチング)は難しい操作であり精度が求められる。物品は比較的高い精度で既知の場所に置かれるのが望ましい。該車両10の案内システムはこの既知の場所にある物品と対応するようにプログラムされ、フォークペア16とフォークポケットは相互に適切に合致する。もし、既知の場所に該物品を精確に位置づけることが困難あるいは非実用的である場合、該車両10は、より広範な領域での物品の位置づけを許すようにプログラムの変更がなされる。例えば、フォークペア16の頂部又はその近傍に光学センサをそれぞれ設け、これらによって物品のフォークポケットを検出するようにできる。該車両10が積荷位置に近付いたとき、これらの光学センサが動作オンの状態に切換り、物品のフォークポケットを見出すことができる。このように、フォークポケットの検出位置を基準として、該車両10は、その走行路を変更するか、あるいは、好ましくはフォークペア16がフォークポケットと対応するように側方シフト機構22によって調整することができる。
【0026】
自動案内車両(AGV)10において積荷がなされると、該車両10は走行して工場の積荷ドック領域に移動する。本実施形態においてトラックトレーラよりなる搬送体50は積荷ドックの近傍に位置する。場合によっては、該ドックから搬送体50までの該車両10の移動ないし転移を容易にするために積荷傾斜路(ローディングランプ)が用いられる。この積荷傾斜路は、2つの異なる面の間の該車両10の移動ないし転移を容易にするよう構成されている。この移動ないし転移は、いくらか不均一であるので、もし追跡ホイール(トラックホイール)が用いられているなら、該ホイールは引上げておき、損傷を受けて動作不能になることを回避しなければならない。
【0027】
自動案内車両(AGV)10は、その第1の、主たる案内システムを用い、物品を搬送体の近傍の積荷ドックに搬送する。好ましい実施形態において、該車両10は、搬送体50の開口の入口部52まで移動するために、その第1の主たる案内システムを用いる。そして、この位置で該車両10の第2の案内システムが動作可能とされて、該車両10を予定する積荷位置へと案内するのに用いられる。好ましい実施形態において、該第2の案内システムは、上述した2組の距離測定装置20,30を備える。後方距離測定装置20は、該車両10が前方へ走行するときに動作し、前方距離測定装置30は、該車両10が後方へ走行するときに動作する。これら距離測定装置は、アナログ音響センサが望ましい。但し、レーザー方式、可動ビームレーザースキャナ方式、あるいは光学/視覚システムを代わりに用いることもできる。各組の距離測定装置は、該車両10が搬送体50の中間部ないし中央部を目指すように動作する。これは、センサを以下のように用いることにより達成される。すなわち、1つのセンサから搬送体50の側部ないし側壁54までの距離は、他方のセンサから該搬送体50の他方の側部ないし側壁54までの距離が引かれて、+/-エラー信号を創生するようにこれらセンサーを用いることである。この+/-エラー信号は、該信号をゼロとするように、該車両10を適宜の方向に案内するために該車両10の操縦機構によって用い得る。このようにして、該車両10は搬送体50の中間部ないし中央部を目指し、従って、積荷ドックに対する搬送体50の位置づけにおける傾きを補償する。もし、積荷される各搬送体50が既知の幅を有する場合、各組内において単一のセンサを用いることも可能である。この実施形態において、1つのセンサからの距離は、+/-エラー信号を得るために搬送体の中間部ないし中央部にある該車両10と関連する既知の距離が引かれねばならない。これが、+/-エラー信号をゼロとするために該車両10を適宜の方向へ案内するように該車両10の操縦機構によって用い得る。他の実施形態においては、該車両10が搬送体の中間部ないし中央部を追跡せず、代わりに該搬送体50の側部ないし側壁54の1つから特定の距離を維持する。
【0028】
自動案内車両10は、第2の案内システムによって予定された積荷位置に案内される。この予定積荷位置は、搬送体50の前側の殆ど占有されない部分である。好ましい実施形態において、該車両10は、搬送体50の端部ないし端壁56あるいは以前に搬送体50上に積荷された物品(ロード)を検出するまで、該搬送体50のおおむね中間部ないし中央部に向って前進する。上記の検出は、適宜構成された1個または複数の圧力センサによって達成される。この圧力センサは、搬送体50の端壁56または他の物品との接触を検出するためにフォークペア16の一端部上に位置づけられる。又、好ましい実施形態では、1つの圧力センサがフォークペア16の他端部に配置され、それによって物品自体が該端壁56又は他の物品と接触するときに該物品と対応する。該車両10は、予定の積荷位置に近付くにつれて低速に走行速度を下げ、該物品が搬送体50の端部ないし端壁56あるいは他の物品との衝突を検出する。この検出は該車両10のモータの駆動電流をモニターすることによりなされる。走行抵抗が増大する場合、例えば、比較的不動の対象物が該車両10と接触したような場合、該走行抵抗の増大につれて該車両10の電動モータへの電流も同様に増大する。この電流の増大が、その予定された積荷位置に到達したことを示す指標として用いられる。
【0029】
自動案内車両10が予定積荷位置に達すると、該車両10は物品を引離す。好ましい実施形態において、この作業は、まず昇降機構18によって物品を搬送体上に下降させ、次いでフォークペア16をフォークポケットとの係合から外れるように動かす動作を含む。物品を引渡すステップには、該物品を引渡す前に側方シフト機構22によって搬送体50の側部ないし側壁に向って外方向へ、係合した物品とともに、フォークペア16を移動ないしシフトする動作も含まれる。物品(ロード)には、2つの独立したパレットが含まれ、その各々は図1に示されたフォークペア16の1つに係合する。この実施形態において、該車両10がその走行方向において予定の積荷位置に近付いたとき、側方シフト機構22が始動してフォークペア16を移動ないしシフトさせ、次いで係合した独立のパレットを搬送体50の両方の側部ないし側壁54に向って外方へそれぞれ移動させて互いに分離する。この側方へのシフト動作の間、フォークペア16の位置変化がエンコーダ23により追跡される。好ましい実施形態において、フォークペア16の位置がもはや変化しないことを該エンコーダ23が検出すると、該物品は搬送体50の側部ないし側壁54と接触したものと推定され、そして、該車両10は、上述のごとく、搬送体50の端部ないし端壁56あるいは搬送体50上に以前に積荷された物品を検出するまで前進を続ける。そして、該検出があったところで物品が予定位置に到達し、搬送体50の基台ないしベース上に降ろされる。
【0030】
以上、説明した実施形態について本発明の請求範囲を逸脱することなく、種々の変形例が考えられる。例えば、本発明に係る方法において、フォークペア16を唯1つ有する自動案内車両(AGV)10を用い得る。この変形例では、フォークペア16は、それぞれの物品が搬送体50の側部ないし側壁54に配置されるように側方シフト機構22によって移動ないしシフトされる。このようにして、搬送体50には、これら物品を1つの物品として一度に積荷作業をなすことができる。もし望むならば、該物品が分配ないし配置される搬送体50の側部ないし側壁54を該車両10により交互とすることもできる。更に、本発明においては、該車両10により搬送体50への積荷を任意の積荷状態でなし得る。例えば、図4aに示すごとく、搬送体50の前後方向に沿って2つの物品が互いに並置された積荷状態に、あるいは図4bに示すごとく、搬送体50の前後方向に沿って2つの物品が互いに並置された状態とこれらの間において中間位置に1つの物品を配置した状態を混在した積荷状態に、あるいはその他の考え得る積荷のレイアウトを設定し得る。物品が非対称形状の場合には、図4c及び図4dで示すごとく、1つの物品を他の物品に対して回転させて配置する。図4cにおいては、60’で示した物品が物品60の並びに対して90°回転している。図4dにおいては、複数の物品60が風車の態様で配置される。図4a〜4dで示した種々のレイアウトにおいては、矩形状の物品のものを示したが、いずれの形状のものでも、本発明において、同様に配置し得る。
【0031】
上記のように、自動案内車両(AGV)10により物品の配置位置を柔軟に行ない得るので、積荷された搬送体50の形態を最適になし得る。通常の共通する配置構成では、空間スペース、すなわち、物品がない空間部を最小とするように積荷されるが、しかし重量の大きい物品の場合、このような一般的な配置構成では搬送体の重量制限を超える恐れがある。このような場合や搬送体上に満杯に積荷するよりも少ない場合に、本発明においては、搬送体50における物品の移動ないしシフトを最小にするように該物品のレイアウトを可能とする。ここにおいて、本発明に係る自動案内車両(AGV)10及び積荷処理方法が、搬送体50の所望の積荷作業を達成するために利用される。
【0032】
物品が引渡されて配置された後、第2の案内システムが作動し、これを用いて自動案内車両10をおおむね同じ位置に戻すように案内する。好ましい実施形態において、上記の位置は、搬送体50の入口部52である。この位置に戻ると、第1の主たる案内システムが作動し、該車両10を案内して走行させ、他の物品を取上げる作業を遂行させる。もし、追跡ホイール(トラックホイール)が用いられている場合、該ホイールは下降して再び接地し、慣性方式等の最初の案内システムによって利用される。
【0033】
好ましい実施形態において、第1の主たる案内システムは、該車両10が第2の案内システムによって案内されているとき、該車両10の動きを継続して追跡する。この継続的追跡により、第1の主たる案内システムの再開動作をより精確になし得る。
【0034】
搬送体の自動除荷処理作業
【0035】
搬送体50の除荷処理は上述した積荷処理と極めて似ている。この主たる違いは、取上げられるべき物品が搬送体50上の正しい位置にあることの確認が難しいことである。従って、該車両10は物品の位置の変動にも対応して、これを補償し得るよう構成されなければならない。好ましい本発明の方法においては、該車両10を搬送体50の近く、特に好ましくは搬送体50の開口の入口部52のところに位置付けるように第1の主たる案内システムで案内するステップを含む。このように位置付けられたところにおいて、好ましくはアナログ音響センサよりなる上述した第2の案内システムが該車両10を物品(ロード)に合致するように案内する。上述のように、該車両10は、物品のフォークポケットを検出するために用いられる、フォークないしフォークペア16上あるいはその近傍に複数の光学センサを備えることによって、より広い範囲での物品の位置付けを許容するように構成することができる。該車両10が搬送体50上の積荷位置ないし物品位置に近付くと、これらの光学センサが動作状態に切換ってフォークポケットを見出す。このフォークポケットの検出位置情報に基づいて、該車両10はその走行路を変更する。あるいは好ましくは、フォークないしフォークペア16は、上述の側方シフト機構22及び縦方向スライド15よりなるフォークシフタによって調整され該車両10とは独立してフォークペア16の動きを許容し、これによってフォークペア16とフォークポケットとが相互に対応するように構成し得る。こうしてフォークペアとフォークポケットとが係合すると、物品は該車両10の昇降機構18によって持ち上げられる。次いで、第2の案内システムが該車両10を案内し、該車両の案内を始めたところと概ね同じ位置、すなわち搬送体50の開口の入口部52まで戻す。ここにおいて、第1の主たる案内システムが用いられ、該車両の走行案内がなされる。好ましい実施形態において、第1の主たる案内システムは第2の案内システムによる車両の案内がなされているときに該車両の動きを継続して追跡するので、第1の主たる案内システムによる案内をより精確に再開することができる。
【0036】
本発明に係る他の実施形態においては、最初の自動案内車両10が搬送体50に入る前に搬送走行路を決定することによって該搬送体50内でのナビゲートないし操縦を可能とするように第1の主たる案内システムを使用することができる。搬送走行路を決定するにおいて、該案内システムは、積荷ドックベイ82のセンターからの搬送体開口入口部のセンターの横方向のオフセット乃至ずれ、ならびに積荷ドックに対しての搬送体50の傾斜を決定しなければならない。上述のように、好ましい実施形態においては、該車両10が慣性方式の案内システムよりなる第1の主たる案内システムを利用し、それによって該車両10を積荷されるべき搬送体50の開口の入口部52へ案内する。既に上述した方法と異なり、該車両10は第2の案内システムに切換える必要がなく、それに代えて、該搬送体50の入口部52の近傍において、当該システムは該車両10の搬送走行路を決定する。例えば、可動ビームレーザを有するセンサ又は光学システムを用いることによって、例えば、搬送体50の側壁の位置を決定することによって搬送体50をスキャンないし走査するために該搬送走行路を決定する。この走行路が決定された状態で、慣性方式等の第1の主たる案内システムが利用され、これにより、上述の例と極めて類似した態様で搬送体50の積荷あるいは除荷が遂行される。
【0037】
自動案内車両(AGV)10は、搬送体50の外側から該搬送体50の内部のデータ・プロフィールを創生するために単一のセンサ100又は多重のセンサを用いる。この変形例の実施形態において、搬送体50のデータ・プロフィールの創生は、該車両10の大部分が物品(ロード)60を内部に配置する搬送体50により形成された空間部に入る前、特に該物品60が該搬送体50に入れられる前になされる。搬送体50の横方向のずれや傾き等の、予定された配置からの偏位を確認するために該搬送体50のデータ・プロフィールの創生によって、該車両10は搬送体50に入る前に、該搬送体50内での物品60の配置にとって最適の走行路を取るように容易に操作される。特に、オペレータの操作ミスにより、物品が配置される搬送体50、特にセミ・トレーラの場合には、積荷領域80へ戻る際に、適正位置に揃わないことが典型的に生じ、従って、横方向へのオフセット乃至ずれや傾き状態となり同位置に正確に整合しないのである。図8に示すように積荷領域あるいはドック80は、積荷ドック壁83により区画されたベイ開口部82を有し、該開口部82は搬送体50の幅よりも広くなっているので、オペレータの操作ミスによる若干のずれをカバーすることができる。しかし、このようにオペレータの操作ミスが許容されるといっても、図4eで示すごとく、搬送体50の幅いっぱいに物品60を収納するようにシステムを設定した場合には、少しのずれでも該車両10に問題を引起こす。従って、この解消のために、該車両10はセンサ100を使用し、該物品60が搬送体50内に入る前に、該搬送体50のデータ・プロフィールを創生する。これによって、該車両10は、図8に示すごとく、搬送体50が予定位置から横方向に偏位している場合でも、側壁54に対して物品を接触させることなく該搬送体50に入ることができる。図8においてオペレータが搬送体50を適正に整合させた場合には、該搬送体50の破線で示す長手軸線51は、予定された鎖線で示す長手軸線84に整合する。しかし、図8に示すように、該搬送体50は、その入口部52のところで予定された長手軸84から横方向に偏位しているのみならず、該予定された長手軸84に対して角度をもって傾斜している。
【0038】
自動案内車両(AGV)は、搬送体50へ入る際にその側壁54との接触の危険を回避するために、発明の名称「レーザ障害物センサを利用したドライバーレス車両のための慣性ナビゲーション案内システム」の米国特許公開第2006/0276958号に記載されたセンサ100を使用し、該車両の簡単化し追加的センサを不要とすることによって製造コストを削減するとともに積荷作業時間を減少するために、+/-エラー信号を創生するように一対のセンサからの距離を差引くことによって該搬送体50の中間部ないし中央部を目指す上述した第2の案内システムを使用することができるが、本発明は、搬送体50の横方向の偏位ないし、ずれ及び該搬送体に対して角度をもっての傾斜を単一のステップで遂行する搬送体50のデータ・プロフィールを創生するためのセンサ100を使用する。これは又、搬送体の傾き調整のために2つのセンサ・システムによって求められる継続的算出作業と調整作業を不要とし、それによって、該車両10の迅速動作を可能とするとともに積荷作業時間を減少させる。このように、搬送体50の積荷作業時間の減少によって、当該システムに使用される自動案内車両の数を減少し得るとともに当該システムの初期コストならびにその後の作業コストを大幅に削減することができる。
【0039】
本発明の好ましい実施形態において、第1の主たる案内システムのための搬送路を創生するためにセンサ100を使用することにより、第2の案内システムを不要としたが、場合によっては、第2の案内システムも用いられる。好ましい実施形態において、自動案内車両10は、図8に示す位置Aに対する操縦ないしナビゲート及び搬送路に沿う操縦ないしナビゲートの両方を同じナビゲーション・システムで遂行する。上述のように、この案内システムは、慣性方式、ワイヤー方式、視覚方式、テープ方式、レーザ・ターゲット方式あるいはレーザー方式等、公知の方式のシステムでよい。しかし、ワイヤー方式、視覚方式、テープ方式あるいはレーザ方式のものが用いられると、慣性方式あるいは推測航法(dead reckoning)方式の案内システムも搬送体の走行のために含まれる。上述のように、特に段落(0023)〜(0032)で述べたように、自動案内車両10は、第1の主たる案内システムを用いて、物品を所望通りに得るように動作するとともに、次いで、これによって図8に位置Aとして示すように搬送体50の外側の位置ないし点に該車両が案内される。
【0040】
位置Aは搬送体50の外側ないし外部にあり、その搬送体の入口部52からの距離は、物品60のサイズ、該車両10の操縦性、及び、もしセンサ100が該車両上にある場合は、該センサ100の感度に依存して変化する。詳述すれば、この位置Aは搬送体50の外側のいずれのところにでも設定し得、センサ100によって搬送体50の正確なデータ・プロフィールをなし得、もし、センサ100が該車両100上にあるとき、側壁54の位置を正確に決定し、これによって、搬送体50が予定位置から横方向に偏位ないし、ずれているか、及びそれがどの程度であるか、更には図8に示すごとく搬送体の角度ないし傾きがあるか、及びそれがどの程度であるかを決定する。このデータ・プロフィールから該車両が進むべき走行路が算出される。
【0041】
注目すべき重要なことは、搬送データ・プロフィールが、自動案内車両をして、又、いくつかの実施形態では、中央コントローラをして、搬送体50を該車両の走行通路ないしルート及び作動システム内におくことができ、これは搬送体の積荷及び除荷のために該搬送体に対する適切な走行路を決定し、加算することによってなされる。勿論、当業者であれば、人的オペレータが、当該システムに対する搬送体の適用性や搬送体の予定位置に関するデータを確認し当該システムに提供し、それによって該車両が、いつ特定の搬送体50に積荷するか、どの物品60を選び、どの程度の量とするかなどを認識することが認められる。又、認められることは、用語「予定位置」(expected position)あるいは「理想的位置」(ideal position)は、適切な位置付けからの搬送体50の偏位ないし、ずれについて言及した場合に用いられる。該車両を作動させるシステムは、必ずしもこの予定位置に関するデータを含むものではない。これに代えて、センサ100が搬送体のデータ・プロフィールを創生ないし形成し、次いで、該車両のために当該システム内への適正な走行路を算出し、加算し、これによって、該車両は搬送体が物品に満たされるとともに当該システムから取外されるまで走行作動する。従って、コントローラ又は自動案内車両は、各積荷ベイにおいて位置Aから搬送体50に対する走行路を加える。該位置Aは最適なポイントとしての各積荷ドアに対するものとして当該システムが認識し、作動システムを用いて、当該システムにおける走行路またはルートの間に各搬送体について算出され、これら追加された部分ないし走行路に切換えられる。該車両は、位置Aから搬送体内に該走行路に従い、物品を分配ないし引渡したとき、該車両は位置Aへ戻るとともに、該搬送体50内で決められたルート又はデータ・プロフィールを用いて、次位の作業のための標準のシステム走行路またはルートに切換えられる。
【0042】
位置Aは、当該システムのセットアップにおいて搬送体の入口部52に極力近接したポイントに設定されるのが望ましい。これにより、該車両10が、搬送体50の長手軸51である搬送体をなすトレーラへの最適ルートに、それ自体で整合するように操作されるので、該物品60がトレーラの入口部52の外側に留まることが許容される。該車両10を搬送体50と極力近接して配置することにより、もしセンサ100が該車両上にある場合には、該車両によって、より良好な搬送体のデータ・プロフィールを得ることができる。
【0043】
例えば、センサ位置を最適にした状態で、搬送体50の入口部52を物品(ロード)60が横切る前に、搬送体50への所望の走行路に該車両をそれ自体で整合させるに十分な操縦スペースを得るためには、もし、該物品が約3フィート(91.44cm)の奥行を有する場合、該車両に必要とされる平均的操縦スペースは搬送体の入口部52から約5フィート(182.88cm)又はそれより若干長いことが求められる。もし、センサ100が該車両上にない場合、該入口部からの位置Aの距離をより大きくとることが望ましい。これによって、より広い操縦スペースが確保でき、より早い速度で該車両における位置の調整ならびに所望の走行路に合致した走行路の調整が可能となる。これは物品(ロード)60が搬送体50に入る前になされ、従って積荷作業時間の短縮をもたらす。
【0044】
もし、該自動案内車両10が、搬送体の態様(オリエンテーション)に関して該車両に情報を伝えるコントローラ又は中央コントローラを搭載していない場合、該車両10は、搬送体としてのトレーラ上でイメージ、マップあるいは他のデータ・プロフィールを創生ないし形成する。これによって、搬送体の態様(オリエンテーション)が決定される。この搬送体の態様の決定において重要なことは、入口部52、特に各入口部52の側壁54がどの程度、予定位置(代表的に積荷ベイ84のセンター)からオフセットないし離間しているか、あるいは、入ってくる物品60が側壁54と接触しないように該側壁54の位置を確認することと共に該側壁54により決められる搬送体としてのトレーラの角度ないし傾きである。センサ100は、必ずしも必要とされないが、端壁56の位置を決定するのにも用い得る。この決定は、搬送体が空状態のときである。もし、該搬送体が部分的に物品で満たされている場合、該センサ100は搬送体内の物品あるいはパレットに対する距離を決定するのに用い得る。端壁56又は任意の物品の位置により、該車両10又はシステム・コントローラは、該車両が最初の物品60を見出すのに搬送体としてのトレーラに対して、どの程度の距離、走行すべきかを算出することができる。走行路の長さの算出により、該車両は該物品が下降されて最終位置に押出される前に、搬送体としてのトレーラへ向って更に走行することが許容される。搬送体への物品の押出し距離を最小化することによって、該車両10のバッテリーは再チャージを要するまで、より長持ちする。しかし、該車両10が搬送体としてのトレーラのおおよその長さを認識して物品60を配置するような場合は、該車両がどの程度の距離、搬送体に向って走行すべきかを決定する他の方法も用い得る。
【0045】
搬送体への自動案内車両10の搬送路ないし走行路を決定する上において、該車両10は搬送体のデータ・プロフィールを集めるとともに側壁54を分析し、搬送体の実際の長手軸におおむね沿う走行ラインを決定する。更に言えば、該車両10は、予定の長手軸84に沿ったある位置まで積荷ベイ82に近づく。次いで、レーザセンサ100が搬送体50をイメージしてデータ・プロフィールを創生ないし形成し、搬送体50の実際の長手軸51に沿う予定の走行路を決定する。この実際の長手軸は、搬送体のこれら側壁54を数学的に平均して算出され、これによって搬送体50へ向うセンター走行路を創生ないし形成する。
【0046】
もし、センサ100が自動案内車両100上にあり、この車両10が位置Aにあるとき、該車両は停止して搬送体50をセンサ100でプロフィールないし輪郭を把握する。これは位置Aより前の位でもなし得る。物品(ロード)60が搬送体50に入る前において、もし、位置Aが操作に要する最小距離よりも大きい距離にあるほど該位置Aが搬送体の入口部52から十分に離間しているなら、該車両は停止することなくセンサ100で搬送体50をプロフィールないし輪郭を把握することができる。図8における位置Aは、最も理想的な位置を示したものである。この位置において搬送体の内部を検出し、及び/又は搬送路に続く該車両10の切換をなし、更に、搬送路に沿う正しい位置に該車両を操縦し、物品60が側壁54と接触することなしに搬送体内に入るようにする。従って、案内システム間の切換が生じた際にセンサ20,30が搬送体内にある以前に説明した実施形態と比較して、この実施形態においては、搬送体への新たなルートが算出されてそのルート使用に切換えられる前では、センサ100は搬送体より完全に外側にある。従って、もしセンサ100が該車両上にある場合に、位置Aへ達する第1の車両は搬送体50のデータ・プロフィールを得る。該車両又は中央コントローラはこのデータ・プロフィールを用いて搬送体50への最適ルート(搬送路)及び該物品の型式、搬送体50の幅寸法及び長さを考慮して、物品(ロード)60の最適な配置を算出する。次いで、該車両は搬送路に沿って位置Aから搬送体へと移動し、物品60を引渡すとともに、その後、該搬送路に沿って搬送体から出て位置Aまで戻る。位置Aにおいて、この搬送路から次位の作業のために当該システムで用いられているルートへと切換わる。
【0047】
センサ100は、搬送体50の端壁56、側壁54及び入口部52を検出するような搬送体の内部をイメージするレーザセンサが望ましい。場合によっては、特に、搬送体内に高い寸法の物品が積荷されるときには、該センサは搬送体の天井部(図示せず)に関する情報を与えるものが望ましく、これによって搬送体に入る物品60の上端と搬送体の天井部との間の間隔が十分か否かを確実に把握できる。図6,7に示すように、センサ100はフォークペア16の間において該車両上で、そのセンターないし中央部に配置されている。この配置は、物品60の間を見ることにより搬送体50の天井の高さ及び側壁54の測定を可能とする。しかし、種々の作動要請に従って、該センサ100は他の位置に配置することもある。例えば、ある工場では、テーブル、家具あるいは他の装置など、通常のものより2倍も幅広で長いパレットを用いる大型の物品を扱うこともある。従って、この場合、もしセンサ100が天井部を検出するか、あるいは側壁54を検出する必要がある場合、これに応じて幅広あるいは長尺のパレットが用いられることになるので、該車両上のセンサの位置の変更も必要とされる。
【0048】
好ましい実施形態において、第2の自動案内車両は、当該システム内において搬送体の態様(オリエンテーション)ないしは位置Aから搬送体へ、及び物品を引渡した後の位置Aへ戻る搬送路に関する情報を既に得ている。このように該車両は搬送路を既に知っており、前に走行した車両に従う。そして該車両は停止することなく位置Aから搬送体へと入る。これは該車両が従うルートの切換がなされているからである。作業効率を最大とするために、位置Aの前に所望の搬送路への切換えをなし、これによって、より長い操縦時間を確保でき、又、より高速で望ましい搬送路に合致するように対応できる。例えば、該車両を図8に示す位置Aへ移動させるのに慣性方式の案内システムが用いられる。そして、位置Aに達する前、あるいはその際に、中央コントローラが該車両に対して望ましい搬送路を提供する。該車両は継続してこの慣性案内システムを用い、該搬送路に沿うようにそれ自体で調整し、搬送体に入って物品60をその適切な位置に引渡し、ないし配置する。該車両は位置Aへ戻る場合も該慣性方式の案内システムを用い、この戻った位置Aにおいて、新たな作業のための走行路への移動に切換わる。
【0049】
各自動案内車両は、センサ100とコントローラを有し、これらは、まず搬送体の検出のために個々に動作する。そして、データ・プロフィールを創生ないし形成するとともに望ましい搬送路を算出する。この搬送路は、物品60を配置するための該搬送体50の実際の長手軸51に沿う。該車両が物品60の配置のために搬送体50に近づく毎に、該車両は望ましい搬送路を再度算出してもよいし、又、前に決定された走行路を用いることもある。このようにして、最初の1〜3台の自動案内車両が搬送路を算出していくと、平均して該搬送路が決まり、より正確なルートとしてのデータ・プロフィールを得ることができ、以降、該車両はこれに従う。しかし、搬送体50が物品60で満杯の場合、該車両が搬送体に入る前の分析は、目的達成にマイナスになる可能性がある。それは、センサ100が該車両に搭載されているとき、搬送体の側壁をあまり検出し得ず、従って、測定すべき側壁に関するデータ・プロフィールが乏しい状態での再分析ないし再算出は、望ましい搬送路設定に大きなエラーをもたらす恐れがある。
【0050】
オプションとしてのステップとして、該センサ100が搬送体としてのトレーラの内部を走査したとき、他の1つのセンサが積荷ベイ領域80内の固定の対象物を走査して当該システム内の位置を修正する。すなわち、該車両10が図8に示す位置Aにまで走行し、搬送体50の内部の走査のときに位置Aから1/2インチ(1.27cm)離間した積荷ドックベイ82及び積荷ドック壁83の位置に基づいて決定される。該車両は、物品を引渡した後に位置Aへ戻るが、ここで予定された位置と実際の位置との間の以前の食い違いが調整される。従って、該車両10は、追加的ステップあるいは他のポイントでの修正を要することなく、その位置を容易に修正できる。第1の主たる実施形態において、搬送体50の長手軸51に沿って新たな搬送路が決定されると、該車両は、その第1の案内システムを用いて搬送体としてのトレーラへ向って走行し、物品60を引渡す。別の、あるいは異なる案内システムの代わりに慣性方式の案内システムを用いることによって、低コストで自動案内車両を製作し得る。しかし、本発明においては、これに限らず、他の案内システム、例えば、推測航法方式、レーザ方式、観察方式、テープ方式、ワイヤー方式等が用い得る。慣性方式の案内システムを用いる場合、ジャイロスコープは、水平面で動作するように調整され、縦方向の動作には対応しない。従って、積荷ドックに対する搬送体50の縦方向の不一致は、該車両が搬送体50に入る際に該案内システムに影響を与えない。いくつかの実施形態において、各自動案内車両が搬送体について各自のデータ・プロフィールを創生ないし形成して何等の修正も除去すること、あるいは物品(ロード)からの重量の増加に応じて搬送体を処理するために、より高い物品も搬送体の天井部に接触しないことを確実にするには当業者においても認められるところである。又、いくつかの実施形態において、ある特定ポイントで慣性方式の案内システムを再修正することが望まれるとき、搬送体及び積荷領域80上の特定の固定位置のデータ・プロフィールを創生ないし形成し、該車両に当該システムに対して修正を与えることが望ましい。
【0051】
自動案内車両は、該車両の後部におかれた物品及びフォークとともに前進する。従って、図8に示す位置Aに到達する前に、該車両は、物品60又はフォーク16が搬送体50と対面するように操縦される。次いで、該車両が搬送体を検出し、データ・プロフィールを創生ないし形成し、搬送路を検出して物品60と共に搬送体50に向って走行して該搬送体へと入る。物品60を引渡しないし配置すると、該車両が搬送体から位置Aへと戻る。そして、ここでデータ・プロフィールないしシステムの切換がなされるが該車両の走行速度は低下せず、又、停止もせず、次位の物品にピックアップのために動作を継続し、位置Aを少し過ぎたところで、フォークが該車両の後方になるように旋回する。センサ100は、搬送体としてのトレーラのデータ・プロフィールを作成するのに、より見易いようにフォークの両側に配置することもできる。この実施形態において、位置Aは、該車両が180°回転し、それ自体で搬送路と整合し、物品60を側壁54と接触させることなく搬送体50に入るように、該入口部52から十分に離間した位置をとる。
【0052】
自動案内車両は、物品の配置を最大化するように搬送体に積荷を行うので、該車両はその算出された搬送路の端部に達したときに物品を下降させるとともに該物品を搬送体の床に沿って残りの距離だけ押す。駆動ホイール上に電流センサを用いることにより、いつ物品が前の物品と接触したか、ならびに搬送体上でこれら先行の物品と密に配置されたかを決定することができる。
【0053】
いくつかの実施形態において、当該システムは自動案内車両上にセンサ100を備えないが、その代り、該センサは積荷ドック上に備えられ、搬送体50の内部を十分に検出し得る。例えば、1つのセンサが搬送体に対面する各積荷ベイの外側、約6フィート(182.88cm)のところに配置され、積荷ベイのドア及び搬送体に対するドアを開くと、該センサが実際位置のデータ・プロフィールを自動的に創生ないし形成する。該データ・プロフィールには予定された位置に対する搬送体50のオフセット及び傾きを含む。そして、この更新データ・プロフィールは中央コントローラにおかれ、該コントローラは各車両のための搬送路ないし走行ルートを提供する。従って、少なくとも最初の自動案内車両が搬送体の位置に関するデータ・プロフィールを作成し、次いで中央コントローラを更新し、該車両の走行路を決定するステップを省くことができる。このため、中央コントローラは望ましい走行路を創生ないし形成し得、該車両は、車両の走行路の標準データ・プロフィールを用いる慣性方式の案内システムで位置Aを走行し、位置Aに達した際に、停止することなく、あるいは若干、速度を落として搬送体50へと継続して走行する。位置Aでは予定された走行路から搬送体50へ向う実際の走行路へと、そのデータ・プロフィールが切換えられる。センサが自動案内車両の外部におかれる場合、該センサは積荷ベイ領域80の内側、又は外側、例えば搬送体としての各トレーラの間またはその上方におかれる。該車両の更新されたデータ・プロフィールを付与するために、搬送体50の傾斜ならびに横方向のオフセットのみが決定される必要がある。
【0054】
自動案内車両は図示のように、2重ないし2対のフォークペアを備え、これが搬送体へ対をなすパレットを運ぶ。しかし、場合によっては、該車両は、単に一対のフォークを備え、物品を横方向に並置するために、新たな搬送路を決定することができる。
【0055】
本発明は、極めて幅広の物品の処理に特に有利であり、この幅広の物品は、ダブル・パレット型式のように搬送体の両側壁とパレットの各側部との間に最小の間隙しか残さない。算出された搬送路を用いて、該車両10は搬送体内へ、物品と側壁との間が1/2インチ(1.27cm)よりも小さい間隙の状態で入って予定位置まで走行し、該物品60を搬送体50の両側壁に接触させることなく配置することができる。
【0056】
上述のシステムは、搬送体の自動的積荷及び除荷のために用いられる。該搬送体の除荷の作業方法は、上述のように該搬送体の積荷の場合とおおむね類似している。しかし、搬送体50の入口部52に近接しておかれた物品としてのパレットで搬送体50が満杯の場合、該自動案内車両は、データ・プロフィールを作成するために該搬送体50を検出することなしにこのパレットを除荷する。第1のパレットが取り除かれ、あるいは該搬送体50が満杯でなくなると、該車両は、搬送体としてのトレーラの側壁及び位置を検出し、該搬送体50の横方向のオフセット及び傾きを決定する。物品60が連続して該車両から取外されると、それに続く各車両は搬送体のデータ・プロフィールを創生ないし形成しデータ・プロフィール内のエラーを減少させる。これは、部分的に積荷された搬送体上で該搬送体の側壁がセンサ100によって最初に測定されるからである。物品としての各々のパレットが搬送体50から取除かれるにつれ、側壁54のより多くの部分がセンサから見える状態になるので、より正確なデータ・プロフィールが得られる。以前のデータ・プロフィールと、その後のデータ・プロフィールとの間のエラーが限界値(スレスホールド)を下回った際は、当該システムによって搬送体の傾き及びオフセットならびに、その後に続く自動案内車両のための望ましい搬送路が決定される。搬送体としてのトレーラ上での物品としてのパレットの正確な配置をなすために、パレット・ポケットを検出する公知のセンサ装置を用いることができ、これによって、フォークないしフォーク・ペアがパレット・ポケットと整合する。センサ100が該車両から離れていて、例えば、積荷領域80の天井部から吊り下げられた構成の実施形態においては、搬送体の除荷において、該センサ100が物品60の上端を越えて見ることができるので、搬送体の内部について最小のエラーで完全なデータ・プロフィールを創生ないし形成し得、これによって、搬送体が満杯の場合であっても該搬送体の傾きや横方向のオフセットを正確に決定することができる。センサを該車両から離れて配置することにより、各車両が搬送体50のデータ・プロフィールを作成する必要がなく、より効率的システムを提供できる。
【0057】
センサ100が自動案内車両上に搭載されている場合、該センサは物品60の下部ならびに上部を共に見ることができる位置に配置されるのが望ましい。該センサは、物品60の下部を見ることができるとともに搬送体50の内部を検出できるように該車両の下側に配置するのが望ましい。代表例としての配置構成では、該センサは地面から少なくとも4インチ(10.16cm)ないし6インチ(15.24cm)離れたところであり、2重フォーク式の車両では、該車両の両側の中間、すなわち概ねセンター位置で、地面から7.5インチ(19.05cm)離れたところが望ましい。勿論、該センサはどの位置でも配置し得るが、必要なことは、搬送体50の両側壁54の位置を読むことができ、望ましくは搬送体50の入口部を区画する両側の端壁を読むことができることである。該センサ100が物品60の通常の支持位置の下方におかれる状態において、該車両が移動してる間に搬送体としてのトレーラのデータ・プロフィールを創生ないし形成する。従って、該車両は停止することなく位置Aにおいてセンサによって与えられた新たなデータ・プロフィールにより決定され更新されたデータ・プロフィールに切換えられる。
【0058】
以上、本発明の実施形態及び変形例を説明したが、本発明は、本願の明細書、特許請求の範囲及び添付図面から当業者であれば、その他の種々の変形構成をも想起し得るものであり、従って、ここに説明した内容に限定されるものでないことは言うまでもない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動案内車両で搬送体の積荷を遂行する。以下のステップよりなる方法であって、
該自動案内車両に物品を係合させるステップと、
案内システムで該自動案内車両を、該搬送体の外側におかれた位置Aまで案内するステップと、
該搬送体上に、予定の積荷位置において、該物品を引渡すための搬送路を決定するステップと、
該案内システムで該自動案内車両を、前記決定された搬送路に沿って前記予定の積荷位置まで案内するステップと、
前記予定の積荷位置において該搬送体上に該物品を引渡すステップと、
を備えてなる方法。
【請求項2】
前記物品を引渡すステップの後、該自動案内車両を前記決定された搬送路に沿って前記予定の積荷位置から前記位置Aまで案内するステップを更に備えてなる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記予定の積荷位置から位置Aまで前記決定された搬送路に沿って該自動案内車両を案内するステップの後、位置Aにおいて、前記決定された搬送路からシステム走行路へ切換えるステップを更に備えてなる請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記搬送路を決定するステップは、
前記搬送体の両側の側壁を検出するサブステップと、
これら側壁の間の走行路を決定するサブステップと、
を含んでなる請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記側壁を検出するサブステップは、レーザセンサにより実行される請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記側壁を検出するサブステップは、該自動案内車両から離間したセンサによって実行される請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記側壁を検出するサブステップは、該自動案内車両に搭載されたセンサによって実行されてなる請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記搬送路を決定するステップと、前記自動案内車両を決定された搬送路に沿って案内するステップとの間に、該搬送路に沿って該自動案内車両を位置付けるステップを更に備えてなる請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記案内システムは慣性方式の案内システムよりなる請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記物品を引渡すステップは、
積荷位置に到達する前に該物品を下降させるサブステップと、
該物品を該搬送体の床に沿って前記予定の積荷位置まで押すサブステップと、
該物品を該予定の積荷位置まで押すに必要な圧力を測定するサブステップと、
測定された圧力が所定値を超えたときに該物品を押すのを停止するサブステップと、
を含んでなる請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記圧力を測定するサブステップは、該自動案内車両上のモータに供給される電流をモニターすることによって実行される請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記自動案内車両を位置Aまで案内するステップは、該自動案内車両を位置Aに到達する前に、180°回転するサブステップを含んでなる請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記搬送路を決定するステップは、該自動案内車両が通って該搬送体に入る開口の入口部を区画する側壁ならびに該側壁の端部を検出するサブステップを含んでなる請求項1に記載の方法。
【請求項14】
該搬送体の傾き及びオフセットを決定するステップを更に備えてなる請求項13に記載の方法。
【請求項15】
搬送路を算出する中央コントローラに該搬送体の側壁に関するセンサからの情報を提供するステップを更に備えてなる請求項13に記載の方法。
【請求項16】
算出された搬送路を該自動案内車両上の案内システムに伝達するステップを更に備えてなる請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記自動案内車両を位置Aへ案内するステップの後、該自動案内車両の実際位置を修正するステップを更に備えてなる請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記修正するステップは、該搬送体の近傍にある固定の対象物のデータを集めるとともに、該固定の対象物に対する該自動案内車両の実際位置と該固定の対象物に対する該自動案内車両の予定位置とを比較するサブステップを含んでなる請求項17に記載の方法。
【請求項19】
該自動案内車両の実際位置で、前記案内システムを更新するステップを更に備えてなる請求項18に記載の方法。
【請求項20】
自動案内車両で搬送体の積荷を遂行する、以下のステップよりなる方法であって、
該自動案内車両に物品を係合させるステップと、
慣性方式の案内システムで該自動案内車両を位置Aへ案内するステップと、
該搬送体上で、前記位置Aから予定の積荷位置まで、搬送路を決定するステップと、
該自動案内車両と前記決定された搬送路とを整合させるステップと、
前記位置Aから予定の積荷位置へ該慣性方式の案内システムを用いて前記決定された搬送路に沿って該自動案内車両を案内するステップと、
該物品を引渡すステップと、
前記予定の積荷位置から位置Aへ該慣性方式の案内システムを用いて該搬送路に沿って該自動案内車両を案内するステップと、
を備えてなる方法。
【請求項21】
前記位置Aからの搬送路を決定するステップは、
該搬送体の側壁を検出するサブステップと、
該搬送体の両側壁間に該自動案内車両が移動する最適の走行路を決定するサブステップと、
を含んでなる請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記搬送体の側壁を検出するサブステップは、該自動案内車両が走行する、前記両側壁によって区画された搬送体の開口部の位置を決定するサブステップを含んでなる請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記搬送路を決定するステップは、該自動案内車両が位置Aへ案内される際に実行されてなる請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記搬送路を決定するステップは、該自動案内車両がおおむね位置Aにあるときに実行されてなる請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記搬送路を決定するステップの間に、該自動案内車両の位置を修正するステップを更に備えてなる請求項20に記載の方法。
【請求項26】
複数の自動案内車両で該各車両上に車両用のコントローラ及び中央コントローラを有する車両用のシステムを用いて、搬送体の積荷を遂行する方法であって、
該自動案内車両を、物品と係合させるとともに、積荷ベイ・ドアの近傍におかれた位置Aへシステム走行路に沿って走行させるステップと、
前記位置Aの近傍における積荷ベイ・ドアにおかれた搬送体の側壁の位置を検出するステップと、
該自動案内車両が該搬送体へ向って移動する搬送路を決定するステップと、
該搬送路を、前記中央コントローラ内のシステム走行路へ加えるステップと、
該自動案内車両を予定の積荷位置まで該搬送路に沿って案内するステップと、
該物品を引渡すステップと、
を備えてなる方法。
【請求項27】
該物品を引渡した後、該自動案内車両を予定の積荷位置から位置Aへ案内するステップと、
前記車両用コントローラを前記中央コントローラからの新たなシステム走行路で更新するステップと、
前記位置Aの近傍で該搬送路から該新たなシステム走行路へ切換えるステップと、
を更に備えてなる請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記決定された搬送路で、第2の自動案内車両上の第2の車両用コントローラを更新するステップと、
該自動案内車両をシステム走行路に沿って位置Aへ案内するステップと、
前記位置Aの近傍において、該システム走行路から前記予定の搬送路へ切換えるステップと、
前記予定の搬送路に沿って位置Aから予定の積荷位置へ該自動案内車両を案内するステップと、
を更に備えてなる請求項28に記載の方法。
【請求項29】
前記自動案内車両のための搬送路を決定するステップは、
前記搬送体の側壁を検出するステップの間に、センサから受けた情報を、該中央コントローラへ更新するサブステップと、
該搬送体の両側壁の間の最適な車両用走行路を決定するサブステップと、
を更に含んでなる請求項26に記載の方法。
【請求項30】
第2の自動案内車両をシステム走行路に沿って位置Aへ向けるステップと、
該第2の自動案内車両上のセンサで該搬送体の側壁を検出するステップと、
第2の搬送路を決定するステップと、
前記側壁を検出するステップから受けた情報と該自動案内車両上のセンサで側壁を検出するステップから受けた情報を平均化する更新された搬送路を決定するステップと、
該第2の自動案内車両を該更新された搬送路に沿って位置Aから案内するステップと、
を更に、備えてなる請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記搬送体の側壁を検出するステップは、該自動案内車両上のセンサによって実行されてなる請求項26に記載の方法。
【請求項32】
該搬送体上に全ての物品が配置されたことの決定に基づいて、該中央コントローラから該搬送路を除去するステップを更に備えてなる請求項26に記載の方法。
【請求項33】
自動案内車両で搬送体の積荷を遂行する方法であって、
該自動案内車両を位置Aに向けるステップと、
センサで、搬送体内の第1の物品のおおむねの位置と該搬送体の側壁を検出するとともに、該側壁の位置に関し該センサから受けた情報をコントローラに提供するステップと、
前記コントローラで搬送路を決定するステップと、
該自動案内車両を該決定された搬送路に沿って該第1の物品に向けるステップと、
該自動案内車両を該決定された搬送路に沿って位置Aに向けるステップと、
該自動案内車両をシステム走行路で更新するステップと、
該自動案内車両がおおむね位置Aに到達したときに該システム走行路に切換えるステップと、
該自動案内車両を該システム走行路に向けるステップと、
を備えてなる方法。
【請求項34】
自動案内車両を位置Aへ向けるステップと、
センサで、搬送体の側壁及び該搬送体内の次位の物品のおおむねの位置を検出するとともに該センサの側壁の位置に関して該センサから受けた情報をコントローラへ提供するステップと、
前記側壁を検出するステップが実行される毎に、センサから受ける情報を平均化することによって、該コントローラで更新した搬送路を決定するステップと、
前記更新された搬送路に沿って次位の物品へ該自動案内車両を向けるステップと、
該次位の物品に係合するステップと、
該自動案内車両を該更新された搬送路に沿って位置Aに向けるステップと、
該自動案内車両をシステム走行路で更新するステップと、
該自動案内車両が位置Aに到達したときに、該システム走行路に切換えるステップと、
該自動案内車両を該システム走行路に沿って向けるステップと、
を更に備えてなる請求項33に記載の方法。
【請求項1】
自動案内車両で搬送体の積荷を遂行する。以下のステップよりなる方法であって、
該自動案内車両に物品を係合させるステップと、
案内システムで該自動案内車両を、該搬送体の外側におかれた位置Aまで案内するステップと、
該搬送体上に、予定の積荷位置において、該物品を引渡すための搬送路を決定するステップと、
該案内システムで該自動案内車両を、前記決定された搬送路に沿って前記予定の積荷位置まで案内するステップと、
前記予定の積荷位置において該搬送体上に該物品を引渡すステップと、
を備えてなる方法。
【請求項2】
前記物品を引渡すステップの後、該自動案内車両を前記決定された搬送路に沿って前記予定の積荷位置から前記位置Aまで案内するステップを更に備えてなる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記予定の積荷位置から位置Aまで前記決定された搬送路に沿って該自動案内車両を案内するステップの後、位置Aにおいて、前記決定された搬送路からシステム走行路へ切換えるステップを更に備えてなる請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記搬送路を決定するステップは、
前記搬送体の両側の側壁を検出するサブステップと、
これら側壁の間の走行路を決定するサブステップと、
を含んでなる請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記側壁を検出するサブステップは、レーザセンサにより実行される請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記側壁を検出するサブステップは、該自動案内車両から離間したセンサによって実行される請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記側壁を検出するサブステップは、該自動案内車両に搭載されたセンサによって実行されてなる請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記搬送路を決定するステップと、前記自動案内車両を決定された搬送路に沿って案内するステップとの間に、該搬送路に沿って該自動案内車両を位置付けるステップを更に備えてなる請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記案内システムは慣性方式の案内システムよりなる請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記物品を引渡すステップは、
積荷位置に到達する前に該物品を下降させるサブステップと、
該物品を該搬送体の床に沿って前記予定の積荷位置まで押すサブステップと、
該物品を該予定の積荷位置まで押すに必要な圧力を測定するサブステップと、
測定された圧力が所定値を超えたときに該物品を押すのを停止するサブステップと、
を含んでなる請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記圧力を測定するサブステップは、該自動案内車両上のモータに供給される電流をモニターすることによって実行される請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記自動案内車両を位置Aまで案内するステップは、該自動案内車両を位置Aに到達する前に、180°回転するサブステップを含んでなる請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記搬送路を決定するステップは、該自動案内車両が通って該搬送体に入る開口の入口部を区画する側壁ならびに該側壁の端部を検出するサブステップを含んでなる請求項1に記載の方法。
【請求項14】
該搬送体の傾き及びオフセットを決定するステップを更に備えてなる請求項13に記載の方法。
【請求項15】
搬送路を算出する中央コントローラに該搬送体の側壁に関するセンサからの情報を提供するステップを更に備えてなる請求項13に記載の方法。
【請求項16】
算出された搬送路を該自動案内車両上の案内システムに伝達するステップを更に備えてなる請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記自動案内車両を位置Aへ案内するステップの後、該自動案内車両の実際位置を修正するステップを更に備えてなる請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記修正するステップは、該搬送体の近傍にある固定の対象物のデータを集めるとともに、該固定の対象物に対する該自動案内車両の実際位置と該固定の対象物に対する該自動案内車両の予定位置とを比較するサブステップを含んでなる請求項17に記載の方法。
【請求項19】
該自動案内車両の実際位置で、前記案内システムを更新するステップを更に備えてなる請求項18に記載の方法。
【請求項20】
自動案内車両で搬送体の積荷を遂行する、以下のステップよりなる方法であって、
該自動案内車両に物品を係合させるステップと、
慣性方式の案内システムで該自動案内車両を位置Aへ案内するステップと、
該搬送体上で、前記位置Aから予定の積荷位置まで、搬送路を決定するステップと、
該自動案内車両と前記決定された搬送路とを整合させるステップと、
前記位置Aから予定の積荷位置へ該慣性方式の案内システムを用いて前記決定された搬送路に沿って該自動案内車両を案内するステップと、
該物品を引渡すステップと、
前記予定の積荷位置から位置Aへ該慣性方式の案内システムを用いて該搬送路に沿って該自動案内車両を案内するステップと、
を備えてなる方法。
【請求項21】
前記位置Aからの搬送路を決定するステップは、
該搬送体の側壁を検出するサブステップと、
該搬送体の両側壁間に該自動案内車両が移動する最適の走行路を決定するサブステップと、
を含んでなる請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記搬送体の側壁を検出するサブステップは、該自動案内車両が走行する、前記両側壁によって区画された搬送体の開口部の位置を決定するサブステップを含んでなる請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記搬送路を決定するステップは、該自動案内車両が位置Aへ案内される際に実行されてなる請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記搬送路を決定するステップは、該自動案内車両がおおむね位置Aにあるときに実行されてなる請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記搬送路を決定するステップの間に、該自動案内車両の位置を修正するステップを更に備えてなる請求項20に記載の方法。
【請求項26】
複数の自動案内車両で該各車両上に車両用のコントローラ及び中央コントローラを有する車両用のシステムを用いて、搬送体の積荷を遂行する方法であって、
該自動案内車両を、物品と係合させるとともに、積荷ベイ・ドアの近傍におかれた位置Aへシステム走行路に沿って走行させるステップと、
前記位置Aの近傍における積荷ベイ・ドアにおかれた搬送体の側壁の位置を検出するステップと、
該自動案内車両が該搬送体へ向って移動する搬送路を決定するステップと、
該搬送路を、前記中央コントローラ内のシステム走行路へ加えるステップと、
該自動案内車両を予定の積荷位置まで該搬送路に沿って案内するステップと、
該物品を引渡すステップと、
を備えてなる方法。
【請求項27】
該物品を引渡した後、該自動案内車両を予定の積荷位置から位置Aへ案内するステップと、
前記車両用コントローラを前記中央コントローラからの新たなシステム走行路で更新するステップと、
前記位置Aの近傍で該搬送路から該新たなシステム走行路へ切換えるステップと、
を更に備えてなる請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記決定された搬送路で、第2の自動案内車両上の第2の車両用コントローラを更新するステップと、
該自動案内車両をシステム走行路に沿って位置Aへ案内するステップと、
前記位置Aの近傍において、該システム走行路から前記予定の搬送路へ切換えるステップと、
前記予定の搬送路に沿って位置Aから予定の積荷位置へ該自動案内車両を案内するステップと、
を更に備えてなる請求項28に記載の方法。
【請求項29】
前記自動案内車両のための搬送路を決定するステップは、
前記搬送体の側壁を検出するステップの間に、センサから受けた情報を、該中央コントローラへ更新するサブステップと、
該搬送体の両側壁の間の最適な車両用走行路を決定するサブステップと、
を更に含んでなる請求項26に記載の方法。
【請求項30】
第2の自動案内車両をシステム走行路に沿って位置Aへ向けるステップと、
該第2の自動案内車両上のセンサで該搬送体の側壁を検出するステップと、
第2の搬送路を決定するステップと、
前記側壁を検出するステップから受けた情報と該自動案内車両上のセンサで側壁を検出するステップから受けた情報を平均化する更新された搬送路を決定するステップと、
該第2の自動案内車両を該更新された搬送路に沿って位置Aから案内するステップと、
を更に、備えてなる請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記搬送体の側壁を検出するステップは、該自動案内車両上のセンサによって実行されてなる請求項26に記載の方法。
【請求項32】
該搬送体上に全ての物品が配置されたことの決定に基づいて、該中央コントローラから該搬送路を除去するステップを更に備えてなる請求項26に記載の方法。
【請求項33】
自動案内車両で搬送体の積荷を遂行する方法であって、
該自動案内車両を位置Aに向けるステップと、
センサで、搬送体内の第1の物品のおおむねの位置と該搬送体の側壁を検出するとともに、該側壁の位置に関し該センサから受けた情報をコントローラに提供するステップと、
前記コントローラで搬送路を決定するステップと、
該自動案内車両を該決定された搬送路に沿って該第1の物品に向けるステップと、
該自動案内車両を該決定された搬送路に沿って位置Aに向けるステップと、
該自動案内車両をシステム走行路で更新するステップと、
該自動案内車両がおおむね位置Aに到達したときに該システム走行路に切換えるステップと、
該自動案内車両を該システム走行路に向けるステップと、
を備えてなる方法。
【請求項34】
自動案内車両を位置Aへ向けるステップと、
センサで、搬送体の側壁及び該搬送体内の次位の物品のおおむねの位置を検出するとともに該センサの側壁の位置に関して該センサから受けた情報をコントローラへ提供するステップと、
前記側壁を検出するステップが実行される毎に、センサから受ける情報を平均化することによって、該コントローラで更新した搬送路を決定するステップと、
前記更新された搬送路に沿って次位の物品へ該自動案内車両を向けるステップと、
該次位の物品に係合するステップと、
該自動案内車両を該更新された搬送路に沿って位置Aに向けるステップと、
該自動案内車両をシステム走行路で更新するステップと、
該自動案内車両が位置Aに到達したときに、該システム走行路に切換えるステップと、
該自動案内車両を該システム走行路に沿って向けるステップと、
を更に備えてなる請求項33に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図4e】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図4e】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公表番号】特表2010−530837(P2010−530837A)
【公表日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513434(P2010−513434)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【国際出願番号】PCT/US2008/067625
【国際公開番号】WO2008/157749
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(595057306)ジエービス・ビー・ウエブ・インターナショナル・カンパニー (7)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【国際出願番号】PCT/US2008/067625
【国際公開番号】WO2008/157749
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(595057306)ジエービス・ビー・ウエブ・インターナショナル・カンパニー (7)
【Fターム(参考)】
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