搬送制御装置及び画像形成装置
【課題】ロータリーエンコーダによって直接搬送モータの回転を検出することなく搬送ベルトの移動距離を検出し、搬送ベルトを高精度で停止させることができるようにする。
【解決手段】搬送ベルト4の裏にリニアスケール41を取り付け、また、搬送ベルト4がどれだけ移動したか読み取ることができるエンコーダセンサ7も取り付ける。エンコーダセンサ7からの出力信号は制御部6のLD電流決定部61へ送られ、LD電流決定部61で計測したパルス数を分析し、LDへ供給する電流値(入力電流の大きさ)を決定する。これにより搬送ベルト4の超微小移動距離に対応した出力信号を出すことができるLDと、LDからの出力信号を正確に受信することができるPDとによって前記分析結果を駆動モータの出力信号へフィードバックすることが可能となる。
【解決手段】搬送ベルト4の裏にリニアスケール41を取り付け、また、搬送ベルト4がどれだけ移動したか読み取ることができるエンコーダセンサ7も取り付ける。エンコーダセンサ7からの出力信号は制御部6のLD電流決定部61へ送られ、LD電流決定部61で計測したパルス数を分析し、LDへ供給する電流値(入力電流の大きさ)を決定する。これにより搬送ベルト4の超微小移動距離に対応した出力信号を出すことができるLDと、LDからの出力信号を正確に受信することができるPDとによって前記分析結果を駆動モータの出力信号へフィードバックすることが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙、PCBの部品などの被搬送物を高精度で搬送するための搬送制御装置、この搬送制御装置を備えた画像形成理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術として、例えば特許文献1に開示された発明が公知である。この発明は、記録紙を印字部に搬送する搬送ベルトの縁に沿って設けられたスケール部の符号発生部に等間隔で設けたスリットをエンコーダセンサで検出して出力するパルス数により副走査方向の印字開始位置を指定し、副走査方向の印字位置のずれを防ぎ、色ずれのない画像を形成するように意図されたものである。
【特許文献1】特開2004−17505公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述のように現在の画像処理装置では紙送り量を測定する手段としてモータと連動して回転するロータリーエンコーダを用いて測定している。しかし、ロータリーエンコーダを回転させる軸を寸分の狂いなく真中に設置することは難しく、停止位置精度を確保することが難しい。この問題を回避し、紙搬送距離を精密に測定し、停止位置精度を確保するためには直接紙搬送ベルトの移動距離を測定することが望ましい。
【0004】
本発明は、このような背景に鑑みてなされたもので、その目的は、前記ロータリーエンコーダによって直接搬送モータの回転を検出することなく搬送ベルトの移動距離を検出し、搬送ベルトを高精度で停止させることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため、第1の手段に係る搬送制御装置は、搬送ベルトの移動距離と連動したセンサ類から前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段と、前記出力する手段から出力された出力信号を精密な単位で読み取る手段と、前記読み取る手段によって読み取った前記出力信号を前記搬送ベルトを駆動するモータにフィードバックする手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
第2の手段は、第1の手段において、前記搬送ベルトを駆動するモータにフィードバックする手段が、前記出力信号を精密な単位で読み取る手段により得られた信号が予め設定した値に達したとき停止信号を前記モータに送り、前記モータが意図する位置に停止しなかった場合、前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段からの出力動作と、前記出力手段から出力された出力信号を精密な単位で読み取る手段の読み取り動作と、読み取った前記出力信号を前記搬送ベルトを駆動するモータにフィードバックする動作とを繰り返し、目的位置への前記搬送ベルトの停止を可能とすることを特徴とする。
【0007】
第3の手段は、第1または第2の手段において、前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段が、前記搬送ベルトに細かく等間隔に描かれた縞模様の本数を読み取るセンサからの出力信号を分析し、レーザダイオードの入力電流の大きさに連動させることを特徴とする。
【0008】
第4の手段は、第1または第2の手段において、前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段が、前記モータへの入力信号をパラレルで受け取って分析し、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの入力電流の大きさに連動させることを特徴とする。
【0009】
第5の手段は、第1または第2の手段において、前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段が、前記モータの歯車と連動し、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの入力電流の大きさに連動させることを特徴とする。
【0010】
第6の手段は、第1または第2の手段において、前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段が、前記搬送ベルトに細かく等間隔に描かれた縞模様の本数を読み取るセンサからの出力信号を分析し、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの出力光が投射される回折格子に取り付けられたピエゾアクチェータへの印加電圧の大きさに連動させることを特徴とする。
【0011】
第7の手段は、第1または第2の手段において、前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段が、前記モータへの入力信号をパラレルで受け取り分析し、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの出力光が投射される回折格子に取り付けられたピエゾアクチュエータへの印加電圧の大きさに連動させることを特徴とする。
【0012】
第8の手段は、第1または第2の手段において、前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段が、前記モータの歯車と連動し、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの出力光が投射される回折格子に取り付けられたピエゾアクチュエータへの印加電圧の大きさに連動させることを特徴とする。
【0013】
第9の手段は、第1または第2の手段において、前記出力信号を精密な単位で読み取る手段が、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの内部にあるフォトダイオードの値の変化から搬送ベルトの移動距離を読み取ることを特徴とする。
【0014】
第10の手段は、第1または第2の手段において、前記出力信号を精密な単位で読み取る手段が、レーザダイオードの出力光、レーザダイオードの出力光が投射される回折格子からの透過光、およびレーザダイオードの出力光が投射される回折格子からの反射光の少なくとも1つを受光し、ホモダインで直接光の周波数を測定することにより前記搬送ベルトの移動距離を光の周波数に置き換えて測定することを特徴とする。
【0015】
第11の手段は、第1または第2の手段において、前記出力信号を精密な単位で読み取る手段が、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの出力光、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの出力光が投射される回折格子からの透過光、および前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの出力光が投射される回折格子からの反射光の少なくとも1つを受光し、参照光を用いてヘテロダインで直接光の周波数を測定することにより前記搬送ベルトの移動距離を光の周波数に置き換えて測定することを特徴とする。
【0016】
第12の手段は、第11の手段において、前記参照光が光周波数combを含むことを特徴とする。
【0017】
第13の手段は、第11の手段において、印字ヘッドを保持するキャリッジの移動位置を移動距離を検出するための第2のレーザダイオードの入力電流の大きさに連動させる手段をさらに備え、前記搬送ベルト移動距離測定に使用する移動距離を検出するための第1のレーザダイオードとは異なる周波数帯で前記移動距離を検出するための第2のレーザダイオードによるキャリッジ移動距離測定を行うことにより紙搬送ベルト移動距離、キャリッジ移動距離の同時測定を1つのヘテロダイン周波数測定器で行うことを特徴とする。
【0018】
第14の手段は、第3ないし第5のいずれかの手段において、前記レーザダイオードの特性が変化した場合、または前記レーザダイオードの特性にバラツキが生じた場合、前記レーザダイオードの温度の設定温度を変更することを特徴とする。
【0019】
第15の手段は、第1ないし第14のいずれかの手段に係る搬送制御装置を画像形成装置が備えていることを特徴とする。
【0020】
なお、以下の実施形態において、センサ類はエンコーダセンサ7、LD11あるいはPZT14に、精密な単位で読み取る手段はPD11a、ホモダイン周波数計測部15あるいはヘテロダイン周波数計測部16に、搬送ベルトの移動距離を出力する手段、モータにフィードバックする手段、およびレーザダイオードの入力電流の大きさに連動させる手段は制御部6に、レーザダイオードの温度の設定温度を変更する手段はLD温度設定部70にそれぞれ対応する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ロータリーエンコーダによって直接搬送モータの回転を検出することなく搬送ベルトの移動距離を検出し、搬送ベルトを高精度で停止させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0023】
図1は本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す図である。インクジェット記録装置1は、インクジェットヘッド2と、2段の給紙段を備えた給紙部3と、用紙搬送部4と、排紙部5とからなり、インクジェットヘッド2が主走査方向に移動し、給紙部3から給紙された用紙は用紙搬送部4で副走査方向に搬送され、用紙に対して印字が行われる。用紙搬送部4はこの実施形態では、静電吸着式の搬送ベルトからなり、用紙を吸着した状態で用紙を搬送する。
【0024】
図2は図1のインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。インクジェット記録装置1は、制御部6と、この制御部6に接続されたエンコーダセンサ7、ドライバ8を介して接続された駆動モータ9、ヘッド制御部10を介して接続されたインクジェットヘッド2とから基本的に構成され、制御部6には、外部機器として例えばパーソナルコンピュータPCが外部から接続されている。制御部6は図示しないROMに格納されたプログラムに従って、図示しないRAMをワークエリアとして使用しながら前記プログラムを実行し、所定の制御を行う。なお、制御部6には、搬送ベルトの速度検知のためのLD(レーザダイオード)11および/またはPZT(ピエゾアクチェータ)14が接続され、さらに、LD11の発光を検知するためのPD(フォトダイオード)11aも接続されている。
【0025】
図3は制御部6の処理手順を示すフローチャートである。この処理では、搬送ベルト4の移動距離に連動しながら電装品(LD11、PZT14)への入力電流、印加電圧が変化するので(ステップS101,S102)、前記電装品からの出力信号を受信、分析(LD11のPD出力、周波数測定器からの測定結果を搬送ベルト制御部にて分析)し(ステップS103)、駆動モータ9への出力信号にフィードバックする(ステップS104)ことにより紙搬送の超精密制御を実現している。
【0026】
図4は、上記制御のための構成を示す図である。ここでは、搬送ベルト4の移動距離と連動したセンサ類から搬送ベルト4の移動距離を出力するために、搬送ベルト4に細かく等間隔に描かれた縞模様の本数を読み取るエンコーダセンサ7からの出力信号(パルス数)を分析し、LD11の入力電流の大きさに連動させる。そこで、本実施形態では、搬送ベルト(図では紙搬送ベルトと表示)4の裏にリニアスケール41を取り付け、また、搬送ベルト4がどれだけ移動したか読み取ることができるエンコーダセンサ(図では単にエンコーダと表示)7も取り付ける。エンコーダセンサ7からの出力信号は制御部6のLD電流決定部61へ送られ、LD電流決定部61で計測したパルス数を分析し、LD(レーザダイオード)11へ供給する電流値(入力電流の大きさ)を決定する。
【0027】
このように構成すると、搬送ベルト4の超微小移動距離に対応した出力信号を出すことができる電装品(LD11)とその電装品(LD11)からの出力信号を正確に受信することができる電装品(PD11a)とによって前記分析結果を駆動モータ9の出力信号へフィードバックすることが可能となる。これにより、紙搬送ベルト4の超精密制御によって色ずれを防ぐことができる。
【0028】
図5は駆動モータ(図では搬送用モータと表示)9へ送られる制御信号からLD11へ供給する電流量を決定する構成を示す図である。搬送ベルト4の移動距離に連動したセンサ類から搬送ベルト4の移動距離を出力する際、搬送ベルト4を回転させる駆動モータ9への入力信号をパラレルで受け取って分析し、LD11の入力電流の大きさに連動させる。この構成では駆動モータ9へ送られる制御信号9aをLD電流決定部61にパラレルで引き込み、制御信号9aから搬送ベルト4の移動距離を分析する。そして搬送ベルト4の移動距離に応じて変化するLD11aへの供給電流量を決定する。
【0029】
このように構成すると、紙搬送ベルト4の裏に取り付けられたリニアスケール41をエンコーダセンサ7によってカウントしたパルス数から搬送ベルト4の移動距離を認識し、LD11への入力電流量を変化させているので、微小な搬送ベルト4の移動量まで、LD11のPD出力パワー(PD11a出力)、発振周波数の変化として出力することができる。
【0030】
図6は駆動モータ9の回転数を測定してLD11へ供給する電流量を決定する構成を示す図である。搬送ベルト4の移動距離と連動したセンサ類から搬送ベルト4の移動距離を出力する際、搬送ベルト4を回すモータの歯車の回転数をLD11の入力電流の大きさに連動させる。この構成では、駆動モータ9の回転数を直接測定し、制御部6のLD電流決定部61においてLD11への供給電流量を決定する。
【0031】
このように構成すると、搬送ベルト4を駆動するモータ9への出力信号から搬送ベルト4の移動距離を分析し、LD11への入力電流量を変化させているので、微小な搬送ベルト4の移動量まで、LD11のPD出力パワー(PD11a出力)、発振周波数の変化として出力することができる。
【0032】
図7はエンコーダ出力からPZT(ピエゾアクチェータ)14に印加される電圧を決定する構成を示す図である。搬送ベルト4の移動距離と連動したセンサ類から搬送ベルト4の移動距離を出力する際、搬送ベルト4に細かく等間隔に描かれた縞模様の本数を読み取るセンサ(エンコーダセンサ7)からの出力信号(パルス数)を分析し、LD11の出力光が当る回折格子13に取り付けられたPZT(ピエゾアクチェータ)14への印加電圧の大きさに連動させる。この構成では、搬送ベルト4の裏にリニアスケール41を取り付け、また、搬送ベルト4がどれだけ移動したか読み取ることができるエンコーダセンサ7も取り付ける。エンコーダセンサ7からの出力信号は制御部6のPZT印加電圧決定部62へ送られ、エンコーダセンサ7によって検出したパルス数からPZT14へ印加する電圧値を決定する。
【0033】
このように構成すると、搬送ベルト4の移動距離を紙搬送ベルト4の裏に取り付けられたリニアスケール41をエンコーダセンサ7によってカウントしたパルス数として換算し、PZT14の印加電圧を変化させれば搬送ベルト4の移動距離を直接出力することと同等になり、大規模な機械的構造を使用することなく低コストで微小な搬送ベルト14の移動量を制御することができる。
【0034】
図8は駆動モータ9へ送られる制御信号からPZT14へ印加する電圧を決定する構成を示す図である。搬送ベルト4の移動距離は駆動モータ9の入力信号で決定される。そこで、この構成では、駆動モータ9へ送られる制御信号9aを制御部6のPZT印加電圧決定部62へパラレルで引き込み、制御信号9aから搬送ベルト4の移動距離を分析する。そして、搬送ベルト4の移動距離に応じて変化するPZT14への印加電圧値を決定する。
【0035】
このように構成すると、搬送ベルト4を駆動するモータ9への入力信号に応じて搬送ベルト4の移動距離を認識し、PZT14の印加電圧を変化させているので、微小な搬送ベルトの移動量を制御まで、回折格子の反射光または透過光の周波数の変化として出力することができる。
【0036】
図9は駆動モータ9の回転数を測定してPZT14へ印加する電圧を決定する構成を示す図である。搬送ベルト4の移動距離と連動したセンサ類から搬送ベルト4の移動距離を出力する際、搬送ベルト4を回す駆動モータ9の歯車と連動し、LD11の出力光が当る回折格子に取り付けられたPZT14への印加電圧の大きさに連動させる。この構成では、駆動モータ9の回転数を直接測定し、制御部6のPZT印加電圧決定部62においてPZT14への印加電圧値を決定する。
【0037】
このように構成すると、搬送ベルト4を駆動するモータ9への出力信号から搬送ベルト4の移動距離を分析し、PZT14への印加電圧を変化させているので、微小な搬送ベルト4の移動量まで、回折格子の反射光または透過光の周波数の変化として出力することができる。
【0038】
図10はLD11への電流値を変化させた場合のPD(フォトダイオード)11aの出力信号に基づいてI−V変換する構成を示す図である。この構成では、搬送ベルト4の移動距離によってLD11への電流値を変化させた場合、PD出力と搬送ベルト移動距離は1:1で対応する。そこで、測定結果をフィードバック制御するためにI−V変換を変換部12で行う。
【0039】
このように構成すると、光のパワーをLD11内部のPD11aで測定するので、機械的構成は不要となり、低コストで微小な搬送ベルト4の移動量まで出力することができる。
【0040】
図11は、LD11の出力光11bまたはLD11の回折格子からの反射光11cまたは透過光11dを受光し、ホモダインで直接光の周波数を測定することにより搬送ベルト4の移動距離を光の周波数に置き換えて測定する構成を示す図である。この構成では、ホモダイン周波数計測部15にLD11の出力光11bが直接的に入力し、あるいは回折格子13によって反射した反射光11cが、あるいは回折格子13を透過した透過光11dが入力し、ホモダイン周波数計測部15で入力された光の周波数を測定する。すなわち、搬送ベルト4の移動距離によってLD11の供給電流、回折格子13に取り付けられたPZT14の印加電圧により回折格子13の傾きが変化する。その結果、LD11の出力光11b、回折格子13の反射光11c、透過光11dの周波数が変化する。そこで、その周波数を計測することによって搬送ベルト4の移動距離が非常に精密な単位まで測定できる。周波数はホモダイン周波数計測部15でホモダイン計測により測定することができる。
【0041】
このように構成すると、搬送モータ9の移動距離を受光した光の周波数変化として認識し、搬送ベルト4の移動距離をLD11の出力光11bの発振周波数変化または回折格子13の反射光11cもしくは透過光11dの周波数変化をホモダイン周波数測定法で測定するので、参照光なしで周波数測定つまり搬送ベルト4の移動距離測定を行うことができる。
【0042】
図12はLD11の出力光11bまたはLD11の回折格子13からの反射光11cまたは透過光11dを受光し、光周波数combなどを含む参照光を用いてヘテロダインで直接光の周波数を測定することにより搬送ベルト4の移動距離を光の周波数に置き換えて測定する構成を示す図である。この構成では、ヘテロダイン周波数計測部16にLD11の出力光11bが直接、あるいは回折格子13によって反射した反射光11cが、あるいは回折格子13を透過した透過光11dが入力し、ホモダイン周波数計測部15で入力された光の周波数を測定する。すなわち、搬送ベルト4の移動距離によってLD11の供給電流、回折格子13に取り付けられたPZT14の印加電圧により回折格子13の傾きが変化する。その結果、LD11の出力光11b、回折格子13の反射光11c、透過光11dの周波数が変化する。その周波数を計測することによって搬送ベルト4の移動距離が非常に精密な単位まで測定できる。周波数は例えばヘテロダイン周波数計測部16でヘテロダイン計測により計測する。ヘテロダイン計測では参照光が必要となるが、任意の周波数を測定するため、本実施形態では、ヘテロダイン周波数計測部16には光周波数comb発生器17を設置している。これにより、超精密な周波数測定、つまり搬送ベルト4の移動量測定が可能となる。
【0043】
このように構成すると、搬送ベルト4の移動距離をLD11の直接光11bの発振周波数変化または回折格子13の反射光11dもしくは透過光11cの周波数変化を光周波数combなどの参照光を用いてヘテロダイン周波数測定法で測定するので、ホモダイン周波数測定法よりも更に超精密な周波数測定つまり搬送ベルト4の移動距離測定を行うことができる。その際、搬送ベルト移動距離分析結果を搬送ベルト駆動モータ9へフィードバックし搬送ベルト移動距離の微調整を行う制御部6は、搬送ベルト4の移動距離を直接測定していることと同等なので、駆動モータ9の特性、性能のバラツキなどによって生じる搬送ベルト4の移動距離誤差を補完することができる。
【0044】
上述のように、搬送ベルト4の移動距離に連動してLD11の入力電流、回折格子13の傾きを変化させるPZT印加電圧が変化する。そしてLD11のパワーまたは周波数を測定することにより搬送ベルト4の移動距離を測定する。そして搬送ベルト移動前に設定した移動距離と合うまで搬送ベルト4の前後微調整移動は繰り返される。LD11の入力電流によるPD11a出力、周波数、PZT14の印加電圧によるPZT14の長さ変化にはヒステリシス特性があるので制御部6においてこのことを考慮した制御が行われる。
【0045】
図13はLD11のPD11a出力を利用してフィードバック制御を行う制御手順を示すフローチャートである。
この制御手順では、まず、搬送ベルト4の移動距離を搬送ベルト制御部(制御部6に同じ)に設定し(ステップS201)、搬送ベルト移動距離信号をLD11の入力電流にフィードバックし(ステップS202)、PD11aの出力を測定する(ステップS203)。そして、I−V変換部12でI−V変換を行い(ステップS204)、搬送ベルト制御部6において現在の搬送ベルト移動距離を測定する(ステップS205)。次いで、停止後に測定された搬送ベルト4の移動距離が初期設定の移動距離と等しいかどうかをチェックし(ステップS207)、等しくなければステップS203に戻り、等しければ、1スキャン分の印字を終了させ(ステップS208)、これを最終スキャン分まで繰り返し、プリントが全て終了した(ステップS209)時点でこの処理を終える。
【0046】
図14はLD出力光の周波数を利用してフィードバック制御を行う制御手順を示すフローチャートである。
この制御手順では、まず、搬送ベルト4の移動距離を搬送ベルト制御部6に設定し(ステップS301)、搬送ベルト移動距離信号をLD11の入力電流にフィードバックし(ステップS302)、ホモダインあるいはヘテロダイン周波数計測部15,16でLD出力光の周波数を計測する(ステップS303)。そして、搬送ベルト制御部6において現在の搬送ベルト移動距離を測定した後(ステップS304)、ベルト停止処理を開始する(ステップS305)。次いで、停止後に測定された搬送ベルトの移動距離が初期設定の移動距離と等しいかどうかをチェックし(ステップS306)、等しくなければステップS303に戻り、等しければ1スキャン分の印字を終了させ(ステップS307)、これを最終スキャン分まで繰り返し、プリントが全て終了した(ステップS308)時点でこの処理を終える。
【0047】
図15は回折格子反射光あるいは回折格子透過光の周波数を利用してフィードバック制御を行う制御手順を示すフローチャートである。
この制御手順では、まず、搬送ベルト4の移動距離を搬送ベルト制御部6に設定し(ステップS401)、搬送ベルト移動距離信号を回折格子13の傾きを変えるPZT14の印加電圧にフィードバックし(ステップS402)、ホモダインあるいはヘテロダイン周波数計測部15,16でLD11出力光の周波数を計測する(ステップS403)。そして、搬送ベルト制御部6において現在の搬送ベルト移動距離を測定した後(ステップS404)、ベルト停止処理を開始する(ステップS405)。次いで、停止後に測定された搬送ベルト4の移動距離が初期設定の移動距離と等しいかどうかをチェックし(ステップS406)、等しくなければステップS403に戻り、等しければ1スキャン分の印字を終了させ(ステップS407)、これを最終スキャン分まで繰り返し、プリントが全て終了した(ステップS408)時点でこの処理を終える。
【0048】
LD11の特性が変化した場合、あるいはLD11の特性にバラツキが生じた場合、LD11の温度(起動中は一定温度に保ってある)の設定温度を変更することにより長期使用による特性変化、個々のLD特性のバラツキを補正することができる。このための構成を図16に示す。
【0049】
図16において、LD特性のバラつきを補正する補正回路は、LD温度設定部70と、LD11に取り付けられたサーミスタ71と、ペルチェ素子72とから構成されている。画像処理装置起動時にはLD11の温度は常に設定温度に保たれている必要がある。そのためにLD11に取り付けられたサーミスタ71からの信号をLD温度設定部70で確認し、LD11に接触して取り付けられた高熱伝導性の素材にペルチェ素子72も取り付け、熱の出し入れを常に行い、設定温度に保つ。そして、LD11の特性が変化した場合にはLD温度設定部70で設定温度を変更し、LD11の特性変化、個々のLD特性のバラツキを補正する。
【0050】
また、搬送ベルト4の移動距離と連動し周波数が変動するLD11の入力電流、PZT14の印加電圧と同時にキャリッジ移動距離と連動し変化するLD11の入力電流、PZT14の印加電圧を利用する際、紙搬送ベルト移動距離測定で使用するLD11とは異なる周波数帯のLDをキャリッジ移動距離測定で利用することによって、1つのヘテロダイン周波数測定器16で同時に周波数測定することにより紙搬送ベルト移動距離、キャリッジ移動距離の測定を行うことができる。この構成を図17に示す。
【0051】
図17において、周波数間隔fGHzで光周波数combが生成され、搬送ベルト4の移動はAバンド内で、キャリッジの移動はBバンド内で行われるようなLD11の周波数帯をあらかじめ決めておく。このように設定することにより、2つの測定結果が同バンド内に入り込むことを防ぎ、1つのヘテロダイン周波数測定器17で同時測定が可能となる。
【0052】
なお、本実施形態では、画像形成装置の用紙搬送を例に取って説明しているが、このほかにPCB作成における自動部品実装装置や画像形成装置のキャリッジ移動方向(主走査方向)の精密駆動制御などにも適用することができる。
【0053】
以上のように、本実施形態によれば、搬送ベルト4の超微小移動距離に対応した出力信号を出すことのできる電装品(LD11、PZT14)とそのLD11からの出力信号を正確に受信することができる電装品(PD11a)とを備え、LD出力結果を分析し、分析結果を搬送モータ9の出力信号へフィードバックすることができるので、搬送ベルト4の超精密制御が可能となり、これにより色ずれを防ぐことができ、また、微調整も行いながら意図する場所で搬送ベルトを停止させることができる。
【0054】
また、制御部6は、搬送ベルト4の裏に取り付けられたリニアスケールのパルス数から搬送ベルトの移動距離を認識し、LD11への入力電流量を変化させているので、微小な搬送ベルトの移動量まで、LD11のPD出力パワー(PD出力)、発振周波数の変化として出力することができる。
【0055】
また、制御部6は、搬送ベルト4を駆動する搬送モータ6への出力信号から搬送ベルト4の移動距離を分析しLD11への入力電流量を変化させているので、微小な搬送ベルト4の移動量まで、LD11のPD出力パワー(PD出力)、発振周波数の変化として出力することができる。
【0056】
また、制御部6は、搬送ベルト4を移動させる歯車から搬送ベルト4の移動距離を分析し、LD11への入力電流量を変化させているので、微小な搬送ベルト4の移動量まで、LD11のPD出力パワー(PD出力)、発振周波数の変化として出力することができる。
【0057】
また、制御部6は、搬送ベルト4の裏に取り付けられたリニアスケール41のパルス数から搬送ベルト4の移動距離を認識し、PZT14の印加電圧を変化させているので、微小な搬送ベルト4の移動量まで、回折格子13の反射光または透過光の周波数の変化として出力することができる。
【0058】
また、制御部6は、搬送ベルト4を駆動する搬送モータ9への出力信号から搬送ベルト4の移動距離を分析し、PZT14への印加電圧を変化させているので、微小な搬送ベルトの移動量まで、回折格子13の反射光または透過光の周波数の変化として出力することができる。
【0059】
また、制御部6は、搬送ベルト4を移動させる歯車から搬送ベルト4の移動距離を分析しPZT14への印加電圧を変化させているので、微小な搬送ベルト4の移動量まで、回折格子13の反射光または透過光の周波数の変化として出力することができる。
【0060】
また、制御部6は、搬送ベルト4の移動距離によってLD11への入力電流が変動するので、搬送ベルト4の移動距離をLD11内のPD11a出力で認識することができる。
【0061】
また、制御部6は、搬送ベルト4の移動距離をLD11の発振周波数変化または回折格子13の反射光もしくは透過光の周波数変化をホモダイン周波数測定法で測定するので参照光なしで周波数測定つまり搬送ベルト4の移動距離測定を行うことができる。
【0062】
また、制御部6は、搬送ベルト4の移動距離をLD11の発振周波数変化または回折格子13の反射光もしくは透過光の周波数変化を光周波数combなどの参照光を用いヘテロダイン周波数測定法で測定するので、ホモダイン周波数測定法よりも更に超精密な周波数測定つまり搬送ベルト4の移動距離測定を行うことができる。
【0063】
また、制御部6はベルト移動距離分析結果を搬送ベルト4を駆動する搬送モータ9へフィードバックするが、その際、ベルト移動距離の分析は、搬送ベルト4の移動距離を直接測定していることと同等なので、モータの特性、性能のバラツキなどによって生じる搬送ベルト4の移動距離誤差を補完することができる。
【0064】
また、LD温度設定部70は、サーミスタ71でLD11の温度を直接測定し、ペルチェ素子72で常に熱の出し入れを行ってLD11の温度を一定に保つことが可能で、設定温度も自由に変更ができるので、長時間使用によるLD11の特性変化、LD製造における特性のバラツキを設定温度調整によって補完することができる。その際、周波数帯域を同時利用することが可能なので1つのヘテロダイン周波数測定器で紙搬送ベルト移動距離、キャリッジ移動距離の2つ同時測定を行うことができる。
【0065】
さらに、搬送ベルト移動距離およびキャリッジ移動距離を同時に測定する際、測定で使用するLD11の周波数帯が異なるため光周波数comb上の重ならない部分の周波数帯域を同時利用することが可能であり、1つのヘテロダイン周波数測定器16で紙搬送ベルト移動距離、キャリッジ移動距離の2つ同時測定を行うことができる。
【0066】
なお、本実施形態においてはインクジェット記録装置を例にとっているが、この他にPCB作成における自動部品実装装置や印字ヘッドを搭載して主走査方向に精密駆動する駆動装置などにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1のインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。
【図3】制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】エンコーダを使用してLD電流決定部でLDに供給する電流量を決定する構成を示す図である。
【図5】駆動モータへ送られる制御信号からLDへ供給する電流量を決定する構成を示す図である。
【図6】駆動モータの回転数を測定してLDへ供給する電流量を決定する構成を示す図である。
【図7】エンコーダ出力からPZTに印加される電圧を決定する構成を示す図である。
【図8】駆動モータへ送られる制御信号からPZTへ印加する電圧を決定する構成を示す図である。
【図9】駆動モータの回転数を測定してPZTへ印加する電圧を決定する構成を示す図である。
【図10】LDへの電流値を変化させた場合のPDの出力信号に基づいてI−V変換する構成を示す図である。
【図11】LDの出力光または回折格子からの透過光または反射光を受光し、ホモダインで直接光の周波数を測定することにより搬送ベルトの移動距離を光の周波数に置き換えて測定する構成を示す図である。
【図12】LDの出力光または回折格子からの透過光または反射光を受光し、光周波数combなどを含む参照光用いヘテロダインで直接光の周波数を測定することにより搬送ベルトの移動距離を光の周波数に置き換えて測定する構成を示す図である。
【図13】LDのPD出力を利用してフィードバック制御を行う制御手順を示すフローチャートである。
【図14】LD出力光の周波数を利用してフィードバック制御を行う制御手順を示すフローチャートである。
【図15】回折格子反射光あるいは回折格子透過光の周波数を利用してフィードバック制御を行う制御手順を示すフローチャートである。
【図16】LD特性のバラつきを補正する補正回路を示す図である。
【図17】紙搬送ベルト移動距離、キャリッジ移動距離の同時測定を1つのヘテロダイン周波数測定器で同時に周波数測定を行うときの状態を示す図である。
【符号の説明】
【0068】
1 インクジェット記録装置
2 インクジェットヘッド
3 給紙部
4 用紙搬送部(搬送ベルト)
5 排紙部
6 制御部
7 エンコーダセンサ
8 ドライバ
9 駆動(搬送)モータ
10 ヘッド制御部
11 LD
11a PD
12 I−V変換部
13 回折格子
14 PZT
15 ホモダイン周波数計測部
16 ヘテロダイン周波数計測部
17 光周波数comb発生器
41 リニアスケール
61 LD電流決定部
62 PZT印加電圧決定部
70 LD温度設定部
71 サーミスタ
72 ペルチェ素子
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙、PCBの部品などの被搬送物を高精度で搬送するための搬送制御装置、この搬送制御装置を備えた画像形成理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術として、例えば特許文献1に開示された発明が公知である。この発明は、記録紙を印字部に搬送する搬送ベルトの縁に沿って設けられたスケール部の符号発生部に等間隔で設けたスリットをエンコーダセンサで検出して出力するパルス数により副走査方向の印字開始位置を指定し、副走査方向の印字位置のずれを防ぎ、色ずれのない画像を形成するように意図されたものである。
【特許文献1】特開2004−17505公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述のように現在の画像処理装置では紙送り量を測定する手段としてモータと連動して回転するロータリーエンコーダを用いて測定している。しかし、ロータリーエンコーダを回転させる軸を寸分の狂いなく真中に設置することは難しく、停止位置精度を確保することが難しい。この問題を回避し、紙搬送距離を精密に測定し、停止位置精度を確保するためには直接紙搬送ベルトの移動距離を測定することが望ましい。
【0004】
本発明は、このような背景に鑑みてなされたもので、その目的は、前記ロータリーエンコーダによって直接搬送モータの回転を検出することなく搬送ベルトの移動距離を検出し、搬送ベルトを高精度で停止させることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため、第1の手段に係る搬送制御装置は、搬送ベルトの移動距離と連動したセンサ類から前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段と、前記出力する手段から出力された出力信号を精密な単位で読み取る手段と、前記読み取る手段によって読み取った前記出力信号を前記搬送ベルトを駆動するモータにフィードバックする手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
第2の手段は、第1の手段において、前記搬送ベルトを駆動するモータにフィードバックする手段が、前記出力信号を精密な単位で読み取る手段により得られた信号が予め設定した値に達したとき停止信号を前記モータに送り、前記モータが意図する位置に停止しなかった場合、前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段からの出力動作と、前記出力手段から出力された出力信号を精密な単位で読み取る手段の読み取り動作と、読み取った前記出力信号を前記搬送ベルトを駆動するモータにフィードバックする動作とを繰り返し、目的位置への前記搬送ベルトの停止を可能とすることを特徴とする。
【0007】
第3の手段は、第1または第2の手段において、前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段が、前記搬送ベルトに細かく等間隔に描かれた縞模様の本数を読み取るセンサからの出力信号を分析し、レーザダイオードの入力電流の大きさに連動させることを特徴とする。
【0008】
第4の手段は、第1または第2の手段において、前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段が、前記モータへの入力信号をパラレルで受け取って分析し、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの入力電流の大きさに連動させることを特徴とする。
【0009】
第5の手段は、第1または第2の手段において、前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段が、前記モータの歯車と連動し、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの入力電流の大きさに連動させることを特徴とする。
【0010】
第6の手段は、第1または第2の手段において、前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段が、前記搬送ベルトに細かく等間隔に描かれた縞模様の本数を読み取るセンサからの出力信号を分析し、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの出力光が投射される回折格子に取り付けられたピエゾアクチェータへの印加電圧の大きさに連動させることを特徴とする。
【0011】
第7の手段は、第1または第2の手段において、前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段が、前記モータへの入力信号をパラレルで受け取り分析し、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの出力光が投射される回折格子に取り付けられたピエゾアクチュエータへの印加電圧の大きさに連動させることを特徴とする。
【0012】
第8の手段は、第1または第2の手段において、前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段が、前記モータの歯車と連動し、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの出力光が投射される回折格子に取り付けられたピエゾアクチュエータへの印加電圧の大きさに連動させることを特徴とする。
【0013】
第9の手段は、第1または第2の手段において、前記出力信号を精密な単位で読み取る手段が、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの内部にあるフォトダイオードの値の変化から搬送ベルトの移動距離を読み取ることを特徴とする。
【0014】
第10の手段は、第1または第2の手段において、前記出力信号を精密な単位で読み取る手段が、レーザダイオードの出力光、レーザダイオードの出力光が投射される回折格子からの透過光、およびレーザダイオードの出力光が投射される回折格子からの反射光の少なくとも1つを受光し、ホモダインで直接光の周波数を測定することにより前記搬送ベルトの移動距離を光の周波数に置き換えて測定することを特徴とする。
【0015】
第11の手段は、第1または第2の手段において、前記出力信号を精密な単位で読み取る手段が、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの出力光、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの出力光が投射される回折格子からの透過光、および前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの出力光が投射される回折格子からの反射光の少なくとも1つを受光し、参照光を用いてヘテロダインで直接光の周波数を測定することにより前記搬送ベルトの移動距離を光の周波数に置き換えて測定することを特徴とする。
【0016】
第12の手段は、第11の手段において、前記参照光が光周波数combを含むことを特徴とする。
【0017】
第13の手段は、第11の手段において、印字ヘッドを保持するキャリッジの移動位置を移動距離を検出するための第2のレーザダイオードの入力電流の大きさに連動させる手段をさらに備え、前記搬送ベルト移動距離測定に使用する移動距離を検出するための第1のレーザダイオードとは異なる周波数帯で前記移動距離を検出するための第2のレーザダイオードによるキャリッジ移動距離測定を行うことにより紙搬送ベルト移動距離、キャリッジ移動距離の同時測定を1つのヘテロダイン周波数測定器で行うことを特徴とする。
【0018】
第14の手段は、第3ないし第5のいずれかの手段において、前記レーザダイオードの特性が変化した場合、または前記レーザダイオードの特性にバラツキが生じた場合、前記レーザダイオードの温度の設定温度を変更することを特徴とする。
【0019】
第15の手段は、第1ないし第14のいずれかの手段に係る搬送制御装置を画像形成装置が備えていることを特徴とする。
【0020】
なお、以下の実施形態において、センサ類はエンコーダセンサ7、LD11あるいはPZT14に、精密な単位で読み取る手段はPD11a、ホモダイン周波数計測部15あるいはヘテロダイン周波数計測部16に、搬送ベルトの移動距離を出力する手段、モータにフィードバックする手段、およびレーザダイオードの入力電流の大きさに連動させる手段は制御部6に、レーザダイオードの温度の設定温度を変更する手段はLD温度設定部70にそれぞれ対応する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ロータリーエンコーダによって直接搬送モータの回転を検出することなく搬送ベルトの移動距離を検出し、搬送ベルトを高精度で停止させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0023】
図1は本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す図である。インクジェット記録装置1は、インクジェットヘッド2と、2段の給紙段を備えた給紙部3と、用紙搬送部4と、排紙部5とからなり、インクジェットヘッド2が主走査方向に移動し、給紙部3から給紙された用紙は用紙搬送部4で副走査方向に搬送され、用紙に対して印字が行われる。用紙搬送部4はこの実施形態では、静電吸着式の搬送ベルトからなり、用紙を吸着した状態で用紙を搬送する。
【0024】
図2は図1のインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。インクジェット記録装置1は、制御部6と、この制御部6に接続されたエンコーダセンサ7、ドライバ8を介して接続された駆動モータ9、ヘッド制御部10を介して接続されたインクジェットヘッド2とから基本的に構成され、制御部6には、外部機器として例えばパーソナルコンピュータPCが外部から接続されている。制御部6は図示しないROMに格納されたプログラムに従って、図示しないRAMをワークエリアとして使用しながら前記プログラムを実行し、所定の制御を行う。なお、制御部6には、搬送ベルトの速度検知のためのLD(レーザダイオード)11および/またはPZT(ピエゾアクチェータ)14が接続され、さらに、LD11の発光を検知するためのPD(フォトダイオード)11aも接続されている。
【0025】
図3は制御部6の処理手順を示すフローチャートである。この処理では、搬送ベルト4の移動距離に連動しながら電装品(LD11、PZT14)への入力電流、印加電圧が変化するので(ステップS101,S102)、前記電装品からの出力信号を受信、分析(LD11のPD出力、周波数測定器からの測定結果を搬送ベルト制御部にて分析)し(ステップS103)、駆動モータ9への出力信号にフィードバックする(ステップS104)ことにより紙搬送の超精密制御を実現している。
【0026】
図4は、上記制御のための構成を示す図である。ここでは、搬送ベルト4の移動距離と連動したセンサ類から搬送ベルト4の移動距離を出力するために、搬送ベルト4に細かく等間隔に描かれた縞模様の本数を読み取るエンコーダセンサ7からの出力信号(パルス数)を分析し、LD11の入力電流の大きさに連動させる。そこで、本実施形態では、搬送ベルト(図では紙搬送ベルトと表示)4の裏にリニアスケール41を取り付け、また、搬送ベルト4がどれだけ移動したか読み取ることができるエンコーダセンサ(図では単にエンコーダと表示)7も取り付ける。エンコーダセンサ7からの出力信号は制御部6のLD電流決定部61へ送られ、LD電流決定部61で計測したパルス数を分析し、LD(レーザダイオード)11へ供給する電流値(入力電流の大きさ)を決定する。
【0027】
このように構成すると、搬送ベルト4の超微小移動距離に対応した出力信号を出すことができる電装品(LD11)とその電装品(LD11)からの出力信号を正確に受信することができる電装品(PD11a)とによって前記分析結果を駆動モータ9の出力信号へフィードバックすることが可能となる。これにより、紙搬送ベルト4の超精密制御によって色ずれを防ぐことができる。
【0028】
図5は駆動モータ(図では搬送用モータと表示)9へ送られる制御信号からLD11へ供給する電流量を決定する構成を示す図である。搬送ベルト4の移動距離に連動したセンサ類から搬送ベルト4の移動距離を出力する際、搬送ベルト4を回転させる駆動モータ9への入力信号をパラレルで受け取って分析し、LD11の入力電流の大きさに連動させる。この構成では駆動モータ9へ送られる制御信号9aをLD電流決定部61にパラレルで引き込み、制御信号9aから搬送ベルト4の移動距離を分析する。そして搬送ベルト4の移動距離に応じて変化するLD11aへの供給電流量を決定する。
【0029】
このように構成すると、紙搬送ベルト4の裏に取り付けられたリニアスケール41をエンコーダセンサ7によってカウントしたパルス数から搬送ベルト4の移動距離を認識し、LD11への入力電流量を変化させているので、微小な搬送ベルト4の移動量まで、LD11のPD出力パワー(PD11a出力)、発振周波数の変化として出力することができる。
【0030】
図6は駆動モータ9の回転数を測定してLD11へ供給する電流量を決定する構成を示す図である。搬送ベルト4の移動距離と連動したセンサ類から搬送ベルト4の移動距離を出力する際、搬送ベルト4を回すモータの歯車の回転数をLD11の入力電流の大きさに連動させる。この構成では、駆動モータ9の回転数を直接測定し、制御部6のLD電流決定部61においてLD11への供給電流量を決定する。
【0031】
このように構成すると、搬送ベルト4を駆動するモータ9への出力信号から搬送ベルト4の移動距離を分析し、LD11への入力電流量を変化させているので、微小な搬送ベルト4の移動量まで、LD11のPD出力パワー(PD11a出力)、発振周波数の変化として出力することができる。
【0032】
図7はエンコーダ出力からPZT(ピエゾアクチェータ)14に印加される電圧を決定する構成を示す図である。搬送ベルト4の移動距離と連動したセンサ類から搬送ベルト4の移動距離を出力する際、搬送ベルト4に細かく等間隔に描かれた縞模様の本数を読み取るセンサ(エンコーダセンサ7)からの出力信号(パルス数)を分析し、LD11の出力光が当る回折格子13に取り付けられたPZT(ピエゾアクチェータ)14への印加電圧の大きさに連動させる。この構成では、搬送ベルト4の裏にリニアスケール41を取り付け、また、搬送ベルト4がどれだけ移動したか読み取ることができるエンコーダセンサ7も取り付ける。エンコーダセンサ7からの出力信号は制御部6のPZT印加電圧決定部62へ送られ、エンコーダセンサ7によって検出したパルス数からPZT14へ印加する電圧値を決定する。
【0033】
このように構成すると、搬送ベルト4の移動距離を紙搬送ベルト4の裏に取り付けられたリニアスケール41をエンコーダセンサ7によってカウントしたパルス数として換算し、PZT14の印加電圧を変化させれば搬送ベルト4の移動距離を直接出力することと同等になり、大規模な機械的構造を使用することなく低コストで微小な搬送ベルト14の移動量を制御することができる。
【0034】
図8は駆動モータ9へ送られる制御信号からPZT14へ印加する電圧を決定する構成を示す図である。搬送ベルト4の移動距離は駆動モータ9の入力信号で決定される。そこで、この構成では、駆動モータ9へ送られる制御信号9aを制御部6のPZT印加電圧決定部62へパラレルで引き込み、制御信号9aから搬送ベルト4の移動距離を分析する。そして、搬送ベルト4の移動距離に応じて変化するPZT14への印加電圧値を決定する。
【0035】
このように構成すると、搬送ベルト4を駆動するモータ9への入力信号に応じて搬送ベルト4の移動距離を認識し、PZT14の印加電圧を変化させているので、微小な搬送ベルトの移動量を制御まで、回折格子の反射光または透過光の周波数の変化として出力することができる。
【0036】
図9は駆動モータ9の回転数を測定してPZT14へ印加する電圧を決定する構成を示す図である。搬送ベルト4の移動距離と連動したセンサ類から搬送ベルト4の移動距離を出力する際、搬送ベルト4を回す駆動モータ9の歯車と連動し、LD11の出力光が当る回折格子に取り付けられたPZT14への印加電圧の大きさに連動させる。この構成では、駆動モータ9の回転数を直接測定し、制御部6のPZT印加電圧決定部62においてPZT14への印加電圧値を決定する。
【0037】
このように構成すると、搬送ベルト4を駆動するモータ9への出力信号から搬送ベルト4の移動距離を分析し、PZT14への印加電圧を変化させているので、微小な搬送ベルト4の移動量まで、回折格子の反射光または透過光の周波数の変化として出力することができる。
【0038】
図10はLD11への電流値を変化させた場合のPD(フォトダイオード)11aの出力信号に基づいてI−V変換する構成を示す図である。この構成では、搬送ベルト4の移動距離によってLD11への電流値を変化させた場合、PD出力と搬送ベルト移動距離は1:1で対応する。そこで、測定結果をフィードバック制御するためにI−V変換を変換部12で行う。
【0039】
このように構成すると、光のパワーをLD11内部のPD11aで測定するので、機械的構成は不要となり、低コストで微小な搬送ベルト4の移動量まで出力することができる。
【0040】
図11は、LD11の出力光11bまたはLD11の回折格子からの反射光11cまたは透過光11dを受光し、ホモダインで直接光の周波数を測定することにより搬送ベルト4の移動距離を光の周波数に置き換えて測定する構成を示す図である。この構成では、ホモダイン周波数計測部15にLD11の出力光11bが直接的に入力し、あるいは回折格子13によって反射した反射光11cが、あるいは回折格子13を透過した透過光11dが入力し、ホモダイン周波数計測部15で入力された光の周波数を測定する。すなわち、搬送ベルト4の移動距離によってLD11の供給電流、回折格子13に取り付けられたPZT14の印加電圧により回折格子13の傾きが変化する。その結果、LD11の出力光11b、回折格子13の反射光11c、透過光11dの周波数が変化する。そこで、その周波数を計測することによって搬送ベルト4の移動距離が非常に精密な単位まで測定できる。周波数はホモダイン周波数計測部15でホモダイン計測により測定することができる。
【0041】
このように構成すると、搬送モータ9の移動距離を受光した光の周波数変化として認識し、搬送ベルト4の移動距離をLD11の出力光11bの発振周波数変化または回折格子13の反射光11cもしくは透過光11dの周波数変化をホモダイン周波数測定法で測定するので、参照光なしで周波数測定つまり搬送ベルト4の移動距離測定を行うことができる。
【0042】
図12はLD11の出力光11bまたはLD11の回折格子13からの反射光11cまたは透過光11dを受光し、光周波数combなどを含む参照光を用いてヘテロダインで直接光の周波数を測定することにより搬送ベルト4の移動距離を光の周波数に置き換えて測定する構成を示す図である。この構成では、ヘテロダイン周波数計測部16にLD11の出力光11bが直接、あるいは回折格子13によって反射した反射光11cが、あるいは回折格子13を透過した透過光11dが入力し、ホモダイン周波数計測部15で入力された光の周波数を測定する。すなわち、搬送ベルト4の移動距離によってLD11の供給電流、回折格子13に取り付けられたPZT14の印加電圧により回折格子13の傾きが変化する。その結果、LD11の出力光11b、回折格子13の反射光11c、透過光11dの周波数が変化する。その周波数を計測することによって搬送ベルト4の移動距離が非常に精密な単位まで測定できる。周波数は例えばヘテロダイン周波数計測部16でヘテロダイン計測により計測する。ヘテロダイン計測では参照光が必要となるが、任意の周波数を測定するため、本実施形態では、ヘテロダイン周波数計測部16には光周波数comb発生器17を設置している。これにより、超精密な周波数測定、つまり搬送ベルト4の移動量測定が可能となる。
【0043】
このように構成すると、搬送ベルト4の移動距離をLD11の直接光11bの発振周波数変化または回折格子13の反射光11dもしくは透過光11cの周波数変化を光周波数combなどの参照光を用いてヘテロダイン周波数測定法で測定するので、ホモダイン周波数測定法よりも更に超精密な周波数測定つまり搬送ベルト4の移動距離測定を行うことができる。その際、搬送ベルト移動距離分析結果を搬送ベルト駆動モータ9へフィードバックし搬送ベルト移動距離の微調整を行う制御部6は、搬送ベルト4の移動距離を直接測定していることと同等なので、駆動モータ9の特性、性能のバラツキなどによって生じる搬送ベルト4の移動距離誤差を補完することができる。
【0044】
上述のように、搬送ベルト4の移動距離に連動してLD11の入力電流、回折格子13の傾きを変化させるPZT印加電圧が変化する。そしてLD11のパワーまたは周波数を測定することにより搬送ベルト4の移動距離を測定する。そして搬送ベルト移動前に設定した移動距離と合うまで搬送ベルト4の前後微調整移動は繰り返される。LD11の入力電流によるPD11a出力、周波数、PZT14の印加電圧によるPZT14の長さ変化にはヒステリシス特性があるので制御部6においてこのことを考慮した制御が行われる。
【0045】
図13はLD11のPD11a出力を利用してフィードバック制御を行う制御手順を示すフローチャートである。
この制御手順では、まず、搬送ベルト4の移動距離を搬送ベルト制御部(制御部6に同じ)に設定し(ステップS201)、搬送ベルト移動距離信号をLD11の入力電流にフィードバックし(ステップS202)、PD11aの出力を測定する(ステップS203)。そして、I−V変換部12でI−V変換を行い(ステップS204)、搬送ベルト制御部6において現在の搬送ベルト移動距離を測定する(ステップS205)。次いで、停止後に測定された搬送ベルト4の移動距離が初期設定の移動距離と等しいかどうかをチェックし(ステップS207)、等しくなければステップS203に戻り、等しければ、1スキャン分の印字を終了させ(ステップS208)、これを最終スキャン分まで繰り返し、プリントが全て終了した(ステップS209)時点でこの処理を終える。
【0046】
図14はLD出力光の周波数を利用してフィードバック制御を行う制御手順を示すフローチャートである。
この制御手順では、まず、搬送ベルト4の移動距離を搬送ベルト制御部6に設定し(ステップS301)、搬送ベルト移動距離信号をLD11の入力電流にフィードバックし(ステップS302)、ホモダインあるいはヘテロダイン周波数計測部15,16でLD出力光の周波数を計測する(ステップS303)。そして、搬送ベルト制御部6において現在の搬送ベルト移動距離を測定した後(ステップS304)、ベルト停止処理を開始する(ステップS305)。次いで、停止後に測定された搬送ベルトの移動距離が初期設定の移動距離と等しいかどうかをチェックし(ステップS306)、等しくなければステップS303に戻り、等しければ1スキャン分の印字を終了させ(ステップS307)、これを最終スキャン分まで繰り返し、プリントが全て終了した(ステップS308)時点でこの処理を終える。
【0047】
図15は回折格子反射光あるいは回折格子透過光の周波数を利用してフィードバック制御を行う制御手順を示すフローチャートである。
この制御手順では、まず、搬送ベルト4の移動距離を搬送ベルト制御部6に設定し(ステップS401)、搬送ベルト移動距離信号を回折格子13の傾きを変えるPZT14の印加電圧にフィードバックし(ステップS402)、ホモダインあるいはヘテロダイン周波数計測部15,16でLD11出力光の周波数を計測する(ステップS403)。そして、搬送ベルト制御部6において現在の搬送ベルト移動距離を測定した後(ステップS404)、ベルト停止処理を開始する(ステップS405)。次いで、停止後に測定された搬送ベルト4の移動距離が初期設定の移動距離と等しいかどうかをチェックし(ステップS406)、等しくなければステップS403に戻り、等しければ1スキャン分の印字を終了させ(ステップS407)、これを最終スキャン分まで繰り返し、プリントが全て終了した(ステップS408)時点でこの処理を終える。
【0048】
LD11の特性が変化した場合、あるいはLD11の特性にバラツキが生じた場合、LD11の温度(起動中は一定温度に保ってある)の設定温度を変更することにより長期使用による特性変化、個々のLD特性のバラツキを補正することができる。このための構成を図16に示す。
【0049】
図16において、LD特性のバラつきを補正する補正回路は、LD温度設定部70と、LD11に取り付けられたサーミスタ71と、ペルチェ素子72とから構成されている。画像処理装置起動時にはLD11の温度は常に設定温度に保たれている必要がある。そのためにLD11に取り付けられたサーミスタ71からの信号をLD温度設定部70で確認し、LD11に接触して取り付けられた高熱伝導性の素材にペルチェ素子72も取り付け、熱の出し入れを常に行い、設定温度に保つ。そして、LD11の特性が変化した場合にはLD温度設定部70で設定温度を変更し、LD11の特性変化、個々のLD特性のバラツキを補正する。
【0050】
また、搬送ベルト4の移動距離と連動し周波数が変動するLD11の入力電流、PZT14の印加電圧と同時にキャリッジ移動距離と連動し変化するLD11の入力電流、PZT14の印加電圧を利用する際、紙搬送ベルト移動距離測定で使用するLD11とは異なる周波数帯のLDをキャリッジ移動距離測定で利用することによって、1つのヘテロダイン周波数測定器16で同時に周波数測定することにより紙搬送ベルト移動距離、キャリッジ移動距離の測定を行うことができる。この構成を図17に示す。
【0051】
図17において、周波数間隔fGHzで光周波数combが生成され、搬送ベルト4の移動はAバンド内で、キャリッジの移動はBバンド内で行われるようなLD11の周波数帯をあらかじめ決めておく。このように設定することにより、2つの測定結果が同バンド内に入り込むことを防ぎ、1つのヘテロダイン周波数測定器17で同時測定が可能となる。
【0052】
なお、本実施形態では、画像形成装置の用紙搬送を例に取って説明しているが、このほかにPCB作成における自動部品実装装置や画像形成装置のキャリッジ移動方向(主走査方向)の精密駆動制御などにも適用することができる。
【0053】
以上のように、本実施形態によれば、搬送ベルト4の超微小移動距離に対応した出力信号を出すことのできる電装品(LD11、PZT14)とそのLD11からの出力信号を正確に受信することができる電装品(PD11a)とを備え、LD出力結果を分析し、分析結果を搬送モータ9の出力信号へフィードバックすることができるので、搬送ベルト4の超精密制御が可能となり、これにより色ずれを防ぐことができ、また、微調整も行いながら意図する場所で搬送ベルトを停止させることができる。
【0054】
また、制御部6は、搬送ベルト4の裏に取り付けられたリニアスケールのパルス数から搬送ベルトの移動距離を認識し、LD11への入力電流量を変化させているので、微小な搬送ベルトの移動量まで、LD11のPD出力パワー(PD出力)、発振周波数の変化として出力することができる。
【0055】
また、制御部6は、搬送ベルト4を駆動する搬送モータ6への出力信号から搬送ベルト4の移動距離を分析しLD11への入力電流量を変化させているので、微小な搬送ベルト4の移動量まで、LD11のPD出力パワー(PD出力)、発振周波数の変化として出力することができる。
【0056】
また、制御部6は、搬送ベルト4を移動させる歯車から搬送ベルト4の移動距離を分析し、LD11への入力電流量を変化させているので、微小な搬送ベルト4の移動量まで、LD11のPD出力パワー(PD出力)、発振周波数の変化として出力することができる。
【0057】
また、制御部6は、搬送ベルト4の裏に取り付けられたリニアスケール41のパルス数から搬送ベルト4の移動距離を認識し、PZT14の印加電圧を変化させているので、微小な搬送ベルト4の移動量まで、回折格子13の反射光または透過光の周波数の変化として出力することができる。
【0058】
また、制御部6は、搬送ベルト4を駆動する搬送モータ9への出力信号から搬送ベルト4の移動距離を分析し、PZT14への印加電圧を変化させているので、微小な搬送ベルトの移動量まで、回折格子13の反射光または透過光の周波数の変化として出力することができる。
【0059】
また、制御部6は、搬送ベルト4を移動させる歯車から搬送ベルト4の移動距離を分析しPZT14への印加電圧を変化させているので、微小な搬送ベルト4の移動量まで、回折格子13の反射光または透過光の周波数の変化として出力することができる。
【0060】
また、制御部6は、搬送ベルト4の移動距離によってLD11への入力電流が変動するので、搬送ベルト4の移動距離をLD11内のPD11a出力で認識することができる。
【0061】
また、制御部6は、搬送ベルト4の移動距離をLD11の発振周波数変化または回折格子13の反射光もしくは透過光の周波数変化をホモダイン周波数測定法で測定するので参照光なしで周波数測定つまり搬送ベルト4の移動距離測定を行うことができる。
【0062】
また、制御部6は、搬送ベルト4の移動距離をLD11の発振周波数変化または回折格子13の反射光もしくは透過光の周波数変化を光周波数combなどの参照光を用いヘテロダイン周波数測定法で測定するので、ホモダイン周波数測定法よりも更に超精密な周波数測定つまり搬送ベルト4の移動距離測定を行うことができる。
【0063】
また、制御部6はベルト移動距離分析結果を搬送ベルト4を駆動する搬送モータ9へフィードバックするが、その際、ベルト移動距離の分析は、搬送ベルト4の移動距離を直接測定していることと同等なので、モータの特性、性能のバラツキなどによって生じる搬送ベルト4の移動距離誤差を補完することができる。
【0064】
また、LD温度設定部70は、サーミスタ71でLD11の温度を直接測定し、ペルチェ素子72で常に熱の出し入れを行ってLD11の温度を一定に保つことが可能で、設定温度も自由に変更ができるので、長時間使用によるLD11の特性変化、LD製造における特性のバラツキを設定温度調整によって補完することができる。その際、周波数帯域を同時利用することが可能なので1つのヘテロダイン周波数測定器で紙搬送ベルト移動距離、キャリッジ移動距離の2つ同時測定を行うことができる。
【0065】
さらに、搬送ベルト移動距離およびキャリッジ移動距離を同時に測定する際、測定で使用するLD11の周波数帯が異なるため光周波数comb上の重ならない部分の周波数帯域を同時利用することが可能であり、1つのヘテロダイン周波数測定器16で紙搬送ベルト移動距離、キャリッジ移動距離の2つ同時測定を行うことができる。
【0066】
なお、本実施形態においてはインクジェット記録装置を例にとっているが、この他にPCB作成における自動部品実装装置や印字ヘッドを搭載して主走査方向に精密駆動する駆動装置などにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1のインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。
【図3】制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】エンコーダを使用してLD電流決定部でLDに供給する電流量を決定する構成を示す図である。
【図5】駆動モータへ送られる制御信号からLDへ供給する電流量を決定する構成を示す図である。
【図6】駆動モータの回転数を測定してLDへ供給する電流量を決定する構成を示す図である。
【図7】エンコーダ出力からPZTに印加される電圧を決定する構成を示す図である。
【図8】駆動モータへ送られる制御信号からPZTへ印加する電圧を決定する構成を示す図である。
【図9】駆動モータの回転数を測定してPZTへ印加する電圧を決定する構成を示す図である。
【図10】LDへの電流値を変化させた場合のPDの出力信号に基づいてI−V変換する構成を示す図である。
【図11】LDの出力光または回折格子からの透過光または反射光を受光し、ホモダインで直接光の周波数を測定することにより搬送ベルトの移動距離を光の周波数に置き換えて測定する構成を示す図である。
【図12】LDの出力光または回折格子からの透過光または反射光を受光し、光周波数combなどを含む参照光用いヘテロダインで直接光の周波数を測定することにより搬送ベルトの移動距離を光の周波数に置き換えて測定する構成を示す図である。
【図13】LDのPD出力を利用してフィードバック制御を行う制御手順を示すフローチャートである。
【図14】LD出力光の周波数を利用してフィードバック制御を行う制御手順を示すフローチャートである。
【図15】回折格子反射光あるいは回折格子透過光の周波数を利用してフィードバック制御を行う制御手順を示すフローチャートである。
【図16】LD特性のバラつきを補正する補正回路を示す図である。
【図17】紙搬送ベルト移動距離、キャリッジ移動距離の同時測定を1つのヘテロダイン周波数測定器で同時に周波数測定を行うときの状態を示す図である。
【符号の説明】
【0068】
1 インクジェット記録装置
2 インクジェットヘッド
3 給紙部
4 用紙搬送部(搬送ベルト)
5 排紙部
6 制御部
7 エンコーダセンサ
8 ドライバ
9 駆動(搬送)モータ
10 ヘッド制御部
11 LD
11a PD
12 I−V変換部
13 回折格子
14 PZT
15 ホモダイン周波数計測部
16 ヘテロダイン周波数計測部
17 光周波数comb発生器
41 リニアスケール
61 LD電流決定部
62 PZT印加電圧決定部
70 LD温度設定部
71 サーミスタ
72 ペルチェ素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送ベルトの移動距離と連動したセンサ類から前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段と、
前記出力する手段から出力された出力信号を精密な単位で読み取る手段と、
前記読み取る手段により読み取った前記出力信号を前記搬送ベルトを駆動するモータにフィードバックする手段と、
を備えたことを特徴とする搬送制御装置。
【請求項2】
前記搬送ベルトを駆動するモータにフィードバックする手段は、前記出力信号を精密な単位で読み取る手段により得られた信号が予め設定した値に達したとき停止信号を前記モータに送り、前記モータが意図する位置に停止しなかった場合、前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段からの出力動作と、前記出力手段から出力された出力信号を精密な単位で読み取る手段の読み取り動作と、読み取った前記出力信号を前記搬送ベルトを駆動するモータにフィードバックする動作とを繰り返し、目的位置への前記搬送ベルトの停止を可能とすることを特徴とする請求項1記載の搬送制御装置。
【請求項3】
前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段は、前記搬送ベルトに細かく等間隔に描かれた縞模様の本数を読み取るセンサからの出力信号を分析し、レーザダイオードの入力電流の大きさに連動させることを特徴とする請求項1または2記載の搬送制御装置。
【請求項4】
前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段は、前記モータへの入力信号をパラレルで受け取って分析し、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの入力電流の大きさに連動させることを特徴とする請求項1または2記載の搬送制御装置。
【請求項5】
前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段は、前記モータの歯車と連動し、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの入力電流の大きさに連動させることを特徴とする請求項1または2記載の搬送制御装置。
【請求項6】
前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段は、前記搬送ベルトに細かく等間隔に描かれた縞模様の本数を読み取るセンサからの出力信号を分析し、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの出力光が投射される回折格子に取り付けられたピエゾアクチェータへの印加電圧の大きさに連動させることを特徴とする請求項1または2記載の搬送制御装置。
【請求項7】
前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段は、前記モータへの入力信号をパラレルで受け取り分析し、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの出力光が投射される回折格子に取り付けられたピエゾアクチュエータへの印加電圧の大きさに連動させることを特徴とする請求項1または2記載の搬送制御装置。
【請求項8】
前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段は、前記モータの歯車と連動し、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの出力光が投射される回折格子に取り付けられたピエゾアクチュエータへの印加電圧の大きさに連動させることを特徴とする請求項1または2記載の搬送制御装置。
【請求項9】
前記出力信号を精密な単位で読み取る手段は、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの内部にあるフォトダイオードの値の変化から搬送ベルトの移動距離を読み取ることを特徴とする請求項1または2記載の搬送制御装置。
【請求項10】
前記出力信号を精密な単位で読み取る手段は、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの出力光、レーザダイオードの出力光が投射される回折格子からの透過光、およびレーザダイオードの出力光が投射される回折格子からの反射光の少なくとも1つを受光し、ホモダインで直接光の周波数を測定することにより前記搬送ベルトの移動距離を光の周波数に置き換えて測定することを特徴とする請求項1または2記載の搬送制御装置。
【請求項11】
前記出力信号を精密な単位で読み取る手段は、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの出力光、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの出力光が投射される回折格子からの透過光、および前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの出力光が投射される回折格子からの反射光の少なくとも1つを受光し、参照光を用いてヘテロダインで直接光の周波数を測定することにより前記搬送ベルトの移動距離を光の周波数に置き換えて測定することを特徴とする請求項1または2記載の搬送制御装置。
【請求項12】
前記参照光が光周波数combを含むことを特徴とする請求項11記載の搬送制御装置。
【請求項13】
印字ヘッドを保持するキャリッジの移動位置を移動距離を検出するための第2のレーザダイオードの入力電流の大きさに連動させる手段をさらに備え、前記搬送ベルト移動距離測定に使用する移動距離を検出するための第1のレーザダイオードとは異なる周波数帯で前記移動距離を検出するための第2のレーザダイオードによるキャリッジ移動距離測定を行うことにより紙搬送ベルト移動距離、キャリッジ移動距離の同時測定を1つのヘテロダイン周波数測定器で行うことを特徴とする請求項11記載の搬送制御装置。
【請求項14】
前記レーザダイオードの特性が変化した場合、または前記レーザダイオードの特性にバラツキが生じた場合、前記レーザダイオードの温度の設定温度を変更することを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の搬送制御装置。
【請求項15】
請求項1ないし14のいずれか1項に記載の搬送制御装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
搬送ベルトの移動距離と連動したセンサ類から前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段と、
前記出力する手段から出力された出力信号を精密な単位で読み取る手段と、
前記読み取る手段により読み取った前記出力信号を前記搬送ベルトを駆動するモータにフィードバックする手段と、
を備えたことを特徴とする搬送制御装置。
【請求項2】
前記搬送ベルトを駆動するモータにフィードバックする手段は、前記出力信号を精密な単位で読み取る手段により得られた信号が予め設定した値に達したとき停止信号を前記モータに送り、前記モータが意図する位置に停止しなかった場合、前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段からの出力動作と、前記出力手段から出力された出力信号を精密な単位で読み取る手段の読み取り動作と、読み取った前記出力信号を前記搬送ベルトを駆動するモータにフィードバックする動作とを繰り返し、目的位置への前記搬送ベルトの停止を可能とすることを特徴とする請求項1記載の搬送制御装置。
【請求項3】
前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段は、前記搬送ベルトに細かく等間隔に描かれた縞模様の本数を読み取るセンサからの出力信号を分析し、レーザダイオードの入力電流の大きさに連動させることを特徴とする請求項1または2記載の搬送制御装置。
【請求項4】
前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段は、前記モータへの入力信号をパラレルで受け取って分析し、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの入力電流の大きさに連動させることを特徴とする請求項1または2記載の搬送制御装置。
【請求項5】
前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段は、前記モータの歯車と連動し、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの入力電流の大きさに連動させることを特徴とする請求項1または2記載の搬送制御装置。
【請求項6】
前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段は、前記搬送ベルトに細かく等間隔に描かれた縞模様の本数を読み取るセンサからの出力信号を分析し、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの出力光が投射される回折格子に取り付けられたピエゾアクチェータへの印加電圧の大きさに連動させることを特徴とする請求項1または2記載の搬送制御装置。
【請求項7】
前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段は、前記モータへの入力信号をパラレルで受け取り分析し、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの出力光が投射される回折格子に取り付けられたピエゾアクチュエータへの印加電圧の大きさに連動させることを特徴とする請求項1または2記載の搬送制御装置。
【請求項8】
前記搬送ベルトの移動距離を出力する手段は、前記モータの歯車と連動し、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの出力光が投射される回折格子に取り付けられたピエゾアクチュエータへの印加電圧の大きさに連動させることを特徴とする請求項1または2記載の搬送制御装置。
【請求項9】
前記出力信号を精密な単位で読み取る手段は、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの内部にあるフォトダイオードの値の変化から搬送ベルトの移動距離を読み取ることを特徴とする請求項1または2記載の搬送制御装置。
【請求項10】
前記出力信号を精密な単位で読み取る手段は、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの出力光、レーザダイオードの出力光が投射される回折格子からの透過光、およびレーザダイオードの出力光が投射される回折格子からの反射光の少なくとも1つを受光し、ホモダインで直接光の周波数を測定することにより前記搬送ベルトの移動距離を光の周波数に置き換えて測定することを特徴とする請求項1または2記載の搬送制御装置。
【請求項11】
前記出力信号を精密な単位で読み取る手段は、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの出力光、前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの出力光が投射される回折格子からの透過光、および前記移動距離を検出するためのレーザダイオードの出力光が投射される回折格子からの反射光の少なくとも1つを受光し、参照光を用いてヘテロダインで直接光の周波数を測定することにより前記搬送ベルトの移動距離を光の周波数に置き換えて測定することを特徴とする請求項1または2記載の搬送制御装置。
【請求項12】
前記参照光が光周波数combを含むことを特徴とする請求項11記載の搬送制御装置。
【請求項13】
印字ヘッドを保持するキャリッジの移動位置を移動距離を検出するための第2のレーザダイオードの入力電流の大きさに連動させる手段をさらに備え、前記搬送ベルト移動距離測定に使用する移動距離を検出するための第1のレーザダイオードとは異なる周波数帯で前記移動距離を検出するための第2のレーザダイオードによるキャリッジ移動距離測定を行うことにより紙搬送ベルト移動距離、キャリッジ移動距離の同時測定を1つのヘテロダイン周波数測定器で行うことを特徴とする請求項11記載の搬送制御装置。
【請求項14】
前記レーザダイオードの特性が変化した場合、または前記レーザダイオードの特性にバラツキが生じた場合、前記レーザダイオードの温度の設定温度を変更することを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の搬送制御装置。
【請求項15】
請求項1ないし14のいずれか1項に記載の搬送制御装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2006−56194(P2006−56194A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−242539(P2004−242539)
【出願日】平成16年8月23日(2004.8.23)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月23日(2004.8.23)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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