説明

搬送機構、記録媒体駆動装置及び電子機器

【課題】大径ディスクと小径ディスクの両方に対応したディスク搬送機構を提供する。
【解決手段】大径ディスク及び小径ディスクを装置本体の内外に搬送するローディングレバー51及びイジェクトレバー52と、大径ディスクが挿入された場合と小径ディスクが挿入された場合で、ローディングレバー51の回動範囲を変えるローディングカム及びイジェクトレバー52の回動範囲を変えるイジェクトカム115とを有するスライダー54と、スライダー54を駆動するスライダー駆動手段56と、大径ディスクが挿入されたときと、小径ディスクが挿入されたときの、スライダー駆動手段56の、各起動タイミングを検出する検出手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行うディスクドライブ装置に関し、特に光ディスクを直接装置本体内に挿入することにより自動的に装着される、いわゆるスロットインタイプのディスクドライブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスクとしては、従来よりCD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)BD(Blue-ray Disk)といった光ディスク、MO(Magneto optical)やMD(Mini Disk)等の光磁気ディスクが広く知られており、これらディスクやディスクカートリッジ等に対応した各種のディスクドライブ装置が登場している。
【0003】
ディスクドライブ装置には、筐体に設けられた蓋や扉を開放し、そこから臨むターンテーブルにディスクを直接装着するタイプ、筐体から水平方向に出し入れされるディスクトレイにディスクを載置することで、ディスクトレイが引き込まれた際にディスクが筐体内部のターンテーブルに自動的に装着されるタイプ、或いはこのディスクトレイに設けられたターンテーブルにディスクを直接装着するタイプ等がある。しかしながら、何れのタイプも操作者にとって、蓋や扉を開閉したり、ディスクトレイを出し入れしたり、ターンテーブルにディスクを装着したりといった操作を必要とする。
【0004】
これに対して、筐体の前面に設けられたディスク挿脱口からディスクを挿入するだけでディスクが自動的にターンテーブルに装着される、いわゆるスロットイン型のディスクドライブ装置がある。このスロットイン型のディスクドライブ装置には、ディスク挿脱口から挿入されたディスクを挟み込む相対向する一対のガイドローラを備え、これら一対のガイドローラを互いに逆向きに回転させることによって、ディスク挿脱口から挿入されたディスクを筐体の内部へと引き込むローディング動作と、このディスク挿脱口からディスクを筐体の外部へと排出するイジェクト動作とを行うものがある。
【0005】
また、ディスクドライブ装置が搭載される、例えばノート型パーソナルコンピュータ等のモバイル機器では、更なる小型軽量薄型化が求められており、それに伴うディスクドライブ装置の小型軽量薄型化の要求が高まっている背景から、スロットイン型のディスクドライブ装置では、フロントパネルのディスク挿脱口から挿入されたディスクの外周部に当接される当接部が先端部に設けられ、基端部が回動可能に支持された複数の回動アームを配置し、これら回動アームを当該ディスクと平行な面内で回動させながら、ディスクをディスク挿脱口から筐体の内部へと引き込むローディング動作と、ディスクをディスク挿脱口から筐体の外部へと排出するイジェクト動作とを行うディスクドライブ装置が供給されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0006】
この種のディスクドライブ装置においては、回動レバーをカム形状で回動させるスライダーを備え、スライダーを装置本体で前後にスライドさせることにより回動レバーを回動させ、ディスクの挿排出を行うものが多い。しかし、かかるスライダーのスライド動作に応じて回動レバーを回動させてディスクの挿排出を行うディスクドライブ装置には、例えば直径が約12cmの大径ディスクと、直径が約8cmの小径ディスクの両方に対応しようとすると、ディスク搬送機構の構成が複雑となってしまう。
【0007】
すなわち、大径ディスクと小径ディスクのいずれが挿入された場合でも、ディスクの中心孔がターンテーブル上に位置するセンタリング位置まで搬送する必要があり、そのためには、大径ディスクと小径ディスクとで使用するレバーを変えたり、各回動レバーの回動範囲を大径ディスクと小径ディスクとで変化させる必要がある。一方で、装置本体の小型化、薄型化の要請もあるため、ディスク搬送機構の部品点数や、配置スペースにも制約がある。
【0008】
【特許文献1】特開2005−100595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、装置本体の小型化、薄型化を図るとともに、第1の記録媒体と第1の記録媒体と大きさの異なる第2の記録媒体の両方に対応した搬送機構、この搬送機構を有する記録媒体駆動装置及びこの記録媒体駆動装置が組み込まれた電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明に係る搬送機構は、第1の記録媒体及び上記第1の記録媒体と大きさの異なる第2の記録媒体を装置本体の内外に亘って搬送する搬送機構において、装置本体内に回動自在に支持され、上記第1の記録媒体及び第2の記録媒体を装置本体内に引き込む引き込み部材と、上記装置本体内に回動自在に支持され、上記第1の記録媒体及び第2の記録媒体を装置本体外へ排出する排出部材と、上記第1の記録媒体が挿入されたときと、上記第2の記録媒体が挿入されたときとで、上記引き込み部材の回動範囲を変える第1のカム溝と、上記第1の記録媒体が挿入されたときと、上記第2の記録媒体が挿入されたときとで、上記排出部材の回動範囲を変える第2のカム溝とを有し、上記装置本体内を移動することにより、上記引き込み部材及び排出部材を駆動する移動部材と、上記移動部材を駆動する駆動手段と、上記第1の記録媒体が挿入されたときと、上記第2の記録媒体が挿入されたときの、上記駆動手段の、各起動タイミングを検出する検出手段とを備えるものである。
【0011】
また、本発明に係る記録媒体駆動装置は、第1の記録媒体及び上記第1の記録媒体と大きさの異なる第2の記録媒体が搬送される装置本体と、上記装置本体内に搬送された第1の記録媒体及び第2の記録媒体を回転自在に保持すると共に、情報の記録及び/又は再生を行う記録再生ユニットと、装置本体内に回動自在に支持され、上記第1の記録媒体及び第2の記録媒体を装置本体内に引き込む引き込み部材と、上記装置本体内に回動自在に支持され、上記第1の記録媒体及び第2の記録媒体を装置本体外へ排出する排出部材と、上記第1の記録媒体が挿入されたときと、上記第2の記録媒体が挿入されたときとで、上記引き込み部材の回動を規制する第1のカム溝と、上記第1の記録媒体が挿入されたときと、上記第2の記録媒体が挿入されたときとで、上記排出部材の回動を規制する第2のカム溝とを有し、上記装置本体内を移動することにより、上記引き込み部材及び排出部材を駆動する移動部材と、上記移動部材を駆動する駆動手段と、上記第1の記録媒体が挿入されたときと、上記第2の記録媒体が挿入されたときとで、上記駆動手段の、起動タイミングを検出する検出手段とを備えるものである。
【0012】
また、本発明に係る電子機器は、記録媒体駆動装置が組み込まれた電子機器において、上記記録媒体駆動装置は、第1の記録媒体及び上記第1の記録媒体と大きさの異なる第2の記録媒体が搬送される装置本体と、上記装置本体内に搬送された第1の記録媒体及び第2の記録媒体を回転自在に保持すると共に、情報の記録及び/又は再生を行う記録再生ユニットと、装置本体内に回動自在に支持され、上記第1の記録媒体及び第2の記録媒体を装置本体内に引き込む引き込み部材と、上記装置本体内に回動自在に支持され、上記第1の記録媒体及び第2の記録媒体を装置本体外へ排出する排出部材と、上記第1の記録媒体が挿入されたときと、上記第2の記録媒体が挿入されたときとで、上記引き込み部材の回動を規制する第1のカム溝と、上記第1の記録媒体が挿入されたときと、上記第2の記録媒体が挿入されたときとで、上記排出部材の回動を規制する第2のカム溝とを有し、上記装置本体内を移動することにより、上記引き込み部材及び排出部材を駆動する移動部材と、上記移動部材を駆動する駆動手段と、上記第1の記録媒体が挿入されたときと、上記第2の記録媒体が挿入されたときとで、上記駆動手段の、起動タイミングを検出する検出手段とを備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る搬送機構、記録媒体駆動装置及び電子機器によれば、第1の記録媒体が挿入された場合と第2の記録媒体が挿入された場合とで、駆動手段の起動タイミングが変えられる。したがって、移動部材が移動されるタイミングに応じて引き込み部材及び排出部材が別々のカムにガイドされて回動されるため、いずれの記録媒体が挿入された場合にも、装置本体内に引き込み、また、所定位置まで排出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明にかかる搬送機構、記録媒体駆動装置及び電子機器をディスクドライブ装置に適用した場合について、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明が適用されたディスクドライブ装置は、例えば図1に示すように、ノート型パーソナルコンピュータ1000の装置本体1001に搭載されたスロットイン型のディスクドライブ装置1である。このディスクドライブ装置1は、装置全体が薄型化された構造を有しており、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)、BD(Blue-ray Disc)といった光ディスク2に対して情報信号の記録・再生を行うことが可能となっている。またディスクドライブ装置1は、例えば直径が12cmの大径ディスク2Aと、直径が8cmの小径ディスク2Bの挿排出と、これら大径ディスク2A及び小径ディスク2Bに対する情報信号の記録及び/又は再生とが可能とされている。
【0015】
このディスクドライブ装置1は、図2乃至図4に示すように、装置本体の外筐となる筐体3を備え、この筐体3は、下部筐体である略扁平箱状のボトムケース4と、このボトムケース4の上部開口部を覆う天板であるトップカバー5とから構成されている。
【0016】
トップカバー5は、図4に示すように、薄い板金からなり、ボトムケース4の上部開口部を閉塞するものである。トップカバー5の略中央部には、略円形状の開口部7が形成されている。この開口部7は、後述するチャッキング動作時に光ディスク2の中心孔2aに係合されるターンテーブル23aの係合突部33aを外部に臨ませるためのものである。なお、トップカバー5の開口部7の周囲は、ターンテーブル23a上に保持された光ディスク2の中心孔2aの周囲と当接されるように、筐体3の内側に向かって僅かに突出した当接突部を形成している。
【0017】
ボトムケース4は、前面4a及び天面が開放され略扁平箱状に形成された板金からなる。ボトムケース4は、開放された前面4aに後述するフロントパネル18が取り付けられ、またこの前面4a側には、中央から右側面にかけて、駆動制御回路を構成するICチップ等の電子部品や、各部の電気的な接続を図るためのコネクタ、各部の動作を検出するための検出スイッチ等が配置された回路基板40がネジ止め等により取り付けられている。
【0018】
またボトムケース4は、底面4dにベースユニット22の配設領域に対応して開口部11が形成されている。ボトムケース4は、ベースユニット22の配設領域を開口することで、筐体3全体の厚みを抑えることができる。また、ボトムケース4の開口部11の左側壁4e側には、後述するスライダー54の、前面4a側から背面壁4c側に亘るスライドをガイドする一対のガイド突起12,12が、離間して突設されている。
【0019】
このボトムケース4には、上記トップカバー5がネジ止めにより取り付けられている。具体的に、トップカバー5の側縁部に形成された側板部5bにネジを貫通させる複数の貫通孔が形成されている。一方、ボトムケース4の側壁には、トップカバー5の貫通孔に対応したネジ孔が形成されている。そして、ボトムケース4にトップカバー5を取り付ける際は、トップカバー5の側板部に形成された貫通孔とボトムケース4のネジ孔とを連通させ、ネジで螺合する。これにより、トップカバー5がボトムケース4の上部開口部を閉塞した状態となる。
【0020】
また、ボトムケース4の右側壁4b及び背面壁4cには、後述するベースユニット22を回動自在に支持する支持片16,17が形成されている。支持片16,17は、それぞれ、右側壁4b及び背面壁4cよりボトムケース4の内側に向かって折り曲げられることにより略相対向される。そして支持片16,17は、ベースユニット22のベースシャーシ27に突設されている回動支持ピン28,29が挿通される挿通孔16a,17aが穿設されている。これにより支持片16,17は、ベースユニット22を昇降可能に支持する。
【0021】
筐体3の前面には、図2に示すように、略矩形平板状のフロントパネル18が取り付けられている。このフロントパネル18には、光ディスク2が水平方向に出し入れされる矩形状のディスク挿脱口19が設けられている。すなわち、光ディスク2は、このディスク挿脱口19から筐体3の内部へと挿入したり、或いはこのディスク挿脱口19から筐体3の外部へと排出したりすることが可能となっている。ディスク挿脱口19には、長手方向と直交する方向の両辺部に図示しないパネルカーテンが形成されている。パネルカーテンは、長尺状に切断された不織布等からなりフロントパネル18の背面側に接着剤等によって貼着されることにより、筐体3内に塵埃等が侵入することを防止すると共に、光ディスク2が挿脱される際にディスク表面に摺接し、これにより光ディスク2に付着した塵埃等を除去することができる。
【0022】
次いで、このドライブ本体を構成するベースユニット22について説明する。このベースユニット22は、図3及び図5に示すように、ボトムケース4の略中央部から背面壁4c及び右側壁4bとが当接されてなる右奥角部にかけて配設される。ベースユニット22は、略矩形状のフレーム体からなるベースシャーシ27を有し、長手方向の一端側をボトムケース4の略中央部に位置され、他端側をボトムケース4の右奥角部に位置される。
【0023】
ベースユニット22は、ボトムケース4の略中央部に位置するベースシャーシ27の一端側に、ディスク挿脱口19から筐体3の内部に挿入された光ディスク2が装着されるディスク装着部23と、このディスク装着部23に装着された光ディスク2を回転駆動するディスク回転駆動機構24とが設けられている。また、ベースユニット22は、ベースシャーシ27がボトムケース4の右側壁4b及び背面壁4cの支持片16,17に支持されている。そしてベースユニット22は、支持片16,17に支持されるとともに、後述するベース昇降機構140によって操作されることにより、ディスク装着部23が、光ディスク2のチャッキング位置と、記録再生位置と、チャッキング解除位置に亘って昇降される。
【0024】
またベースユニット22は、ディスク回転駆動機構24により回転駆動される光ディスク2に対して信号の書き込み又は読み出しを行う光ピックアップ25と、この光ピックアップ25を長手方向に亘って搬送することにより光ディスク2の半径方向に送り動作させるピックアップ送り機構26とを有し、これらがベースシャーシ27に一体に設けられている。
【0025】
ベースシャーシ27は、板金を所定の形状に打ち抜き、その周囲を僅かに下方に折り曲げて形成されている。ベースシャーシ27の主面には、後述するディスク装着部23のターンテーブル23aを上方へと臨ませる略半円状のテーブル用開口部27aと、後述する光ピックアップ25の対物レンズ25aを上方へと臨ませる略矩形状のピックアップ用開口部27bと、ピックアップ送り機構26の送りモータ32が配設される略円弧状の送りモータ用開口部27cとが連続するように形成されている。
【0026】
またベースシャーシ27は、長手方向の他端側に、ボトムケース4の右側壁4bの支持片16に穿設された挿通孔16aに挿通される回動支持ピン28と、ボトムケース4の背面壁4cの支持片17に穿設された挿通孔17aに挿通される回動支持ピン29とが突設されている。またベースシャーシ27は、長手方向の一端側に、後述するスライダー54に係合される第1のカムピン30及び昇降レバー142に挿通支持される第2のカムピン31が勘合する嵌合凹部38が形成されている。
【0027】
ベースシャーシ27は、光ディスク2の搬送に応じてスライダー54がスライド操作されるとともに昇降レバー142が回動操作されると、第1,第2のカムピン30,31がそれぞれスライダー54の昇降カム141及び昇降レバー142によって昇降されることにより、回動支持ピン28,29を支点にディスク装着部23側が昇降操作される。これによりベースシャーシ27は、ボトムケース4の略中央部に位置するディスク装着部23を光ディスク2に対して近接又は離間させることができる。
【0028】
具体的に、ベースシャーシ27は、光ディスク2が筐体3内に挿入されていない光ディスク2の挿入待機状態では、ディスク装着部23が下降され、ディスク搬送領域上から退避されている。光ディスク2が挿入され、センタリング位置まで引き込まれると、ベースシャーシ27は光ディスク2をディスク装着部23のターンテーブル23aとトップカバー5に開口された開口部7の当接突部とで挟持するディスクチャッキング位置まで上昇される。ディスクチャッキングが終了すると、ベースシャーシ27は、記録再生位置に下降される。ベースシャーシ27は、光ディスク2の排出時には、ボトムケース4側に下降されてディスク装着部23と光ディスク2との係合が解除されるとともに、光ディスク2の搬送領域上から退避される。
【0029】
なおベースシャーシ27は、詳細を省略する付勢部材によってターンテーブル23a側の端部がボトムケース4の底面4d側に付勢されている。そしてベースシャーシ27は、後述するベース昇降機構140によって、かかる付勢部材による底面4d側への付勢力を受けながら昇降操作される。したがってベースシャーシ27は、昇降操作の際にがたつくことなく昇降位置に固定される。
【0030】
ディスク装着部23は、ディスク回転駆動機構24により回転駆動されるターンテーブル23aを有し、このターンテーブル23aの中心部には、光ディスク2を装着するためのチャッキング機構33が設けられている。このチャッキング機構33は、光ディスク2の中心孔2aに係合される係合突部33aと、この係合突部33aに係合された光ディスク2の中心孔2aの周囲を係止する複数の係止爪33bとを有し、光ディスク2をターンテーブル23a上に保持する。
【0031】
ディスク回転駆動機構24は、光ディスク2をターンテーブル23aと一体に回転駆動する扁平状のスピンドルモータ24aを有し、このスピンドルモータ24aは、上面部に設けられたターンテーブル23aがベースシャーシ27のテーブル用開口部27aから僅かに突出するように、支持板を介してベースシャーシ27の下面にネジ止めにより取り付けられている。
【0032】
光ピックアップ25は、光源となる半導体レーザから出射された光ビームを対物レンズ25aにより集光させて光ディスク2の信号記録面に照射し、この光ディスク2の信号記録面で反射された戻りの光ビームを受光素子等からなる光検出器により検出する光学ブロックを有し、光ディスク2に対する信号の書き込み又は読み出しを行うようになされている。
【0033】
また、この光ピックアップ25は、対物レンズ25aを光軸方向(フォーカシング方向という。)と、光ディスクの記録トラックと直交する方向(トラッキング方向という。)とに変位駆動する2軸アクチュエータ等の対物レンズ駆動機構を有し、上述した光検出器により検出された光ディスク2からの検出信号に基づいて、この2軸アクチュエータにより対物レンズ25aをフォーカシング方向及びトラッキング方向に変位させながら、光ディスク2の信号記録面上に対物レンズ25aの焦点を合わせるフォーカスサーボや、対物レンズ25aにより集光される光ビームのスポットを記録トラックに追従させるトラッキングサーボ等の駆動制御を行うようになされている。なお、対物レンズ駆動機構としては、このようなフォーカシング制御及びトラッキング制御に加えて、対物レンズ25aにより集光された光ビームを光ディスク2の信号記録面に垂直に照射させるように、光ディスク2の信号記録面に対する対物レンズ25aの傾き(スキュー)を調整可能とする3軸アクチュエータを用いてもよい。
【0034】
ピックアップ送り機構26は、光ピックアップ25が搭載されたピックアップベース34と、このピックアップベース34を光ディスク2の半径方向にスライド可能に支持する一対のガイド軸35a,35bと、これら一対のガイド軸35a,35bに支持されたピックアップベース34を光ディスク2の半径方向に駆動する送りモータ32とを有している。
【0035】
ピックアップベース34には、一対のガイド軸35a,35bのうち、一方のガイド軸35aを挿通するガイド孔が形成された一対のガイド片37a,37bと、他方のガイド軸35bを挟み込むガイド溝が形成されたガイド片36とが互いに反対の側面から突出形成されている。これにより、ピックアップベース34は、一対のガイド軸35a,35bにスライド可能に支持されている。
【0036】
一対のガイド軸35a,35bは、ベースシャーシ27の下面に光ディスク2の半径方向に亘って互いに平行となるように配置されており、ベースシャーシ27のピックアップ用開口部27bから臨むピックアップベース34を光ディスク2の内外周に亘って案内する。
【0037】
送りモータ32は、回転駆動をピックアップベース34に設けられたラック42を介して直線駆動に変換し、ピックアップベース34を一対のガイド軸35a,35bに沿った方向、すなわち光ディスク2の半径方向に駆動させるものであり、ギヤ列41を介してリードスクリュー43と連結されている。リードスクリュー43には、ピックアップベース34に設けられたラック42が係合され、送りモータ32によって回転されると、回転数に応じてピックアップベース34を軸方向へ搬送する。
【0038】
また、ボトムケース4の底面4dには、図3に示すようにチャッキング機構33に係止された光ディスク2を、ターンテーブル23aから取り外すチャッキング解除ピン39が立設されている。チャッキング解除ピン39は、ディスク装着部23がボトムケース4側に下降されると、頂部が光ディスク2の裏面に当接し、ターンテーブル23aより突き上げる。これにより光ディスク2は、チャッキング機構33との係合が解除され、後述するディスク搬送機構50によって筐体3より排出可能となる。なおチャッキング解除ピン39は、光ディスク2の内周側で非信号記録領域と当接する位置に立設されている。
【0039】
またディスクドライブ装置1は、ディスク挿脱口19から光ディスク2が挿入され、筐体3の内部への引き込みが開始される引き込み位置(図16、図25)と、ディスク装着部23のターンテーブル23aに位置合わせされ光ディスク2が装着されるセンタリング位置(図19、図28)と、記録再生動作の終了後、光ディスク2がディスク挿脱口19より排出される排出位置(図22、図33)との間で光ディスク2の搬送を行うディスク搬送機構50を備えている。
【0040】
ディスク搬送機構50は、光ディスク2の主面と平行な面内で回動可能に支持され光ディスク2の引き込み又は排出を行うローディングレバー51及びイジェクトレバー52と、光ディスク2の主面と平行な面内でスライド可能に支持され光ディスク2の外周を支持するガイドレバー53と、これらローディングレバー51、イジェクトレバー52及びガイドレバー53を駆動するスライダー54と、ガイドレバー53及びローディングレバー51を支持するガイドプレート55と、スライダー54をスライド操作する駆動モータ56とを有している。
【0041】
またディスク搬送機構50は、大径ディスク2A及び小径ディスク2Bの搬送が可能とされ、挿入される光ディスク2の径に応じて異なるローディングレバー51及びイジェクトレバー52の回動位置と、スライダー54の起動タイミングとを制御することによって、これらローディングレバー51及びイジェクトレバー52の動作を変える。これによりディスク搬送機構50は大小径の異なる光ディスク2A,2Bを一つのディスク装着部23に搬送し、またディスク挿脱口19へ排出する。
【0042】
以下、かかるディスク搬送機構50の各構成部材について詳細に説明する。
【0043】
ローディングレバー51は、光ディスク2をディスク装着部23上に引き込むものであり、略矩形状に形成されたレバー本体51aがボトムケース4の左側壁4e側であって、ディスク装着部23よりもディスク挿脱口19側に回動自在に支持され、先端部が図3中矢印a方向及び矢印a方向に回動可能とされている。具体的に、ローディングレバー51は、図6(a)及び図6(b)に示すように、平板状の板金からなるレバー本体51aを備え、このレバー本体51aの一端部に挿通孔60が穿設され、この挿通孔60が後述するガイドプレート55に回動自在にビス止めされている。これにより、ローディングレバー51は、挿通孔60を支点にガイドプレート55上を、光ディスク2を引き込む図3中矢印a方向及び光ディスク2をイジェクトする図3中矢印a方向へ回動可能に支持されている。
【0044】
またローディングレバー51は、挿通孔60を境とした背面壁4c側の一端にバネ係止片61が形成されている。バネ係止片61は、一端がボトムケース4に形成されたバネ掛け片62に係止されたコイルバネ63の他端が前面4a側から係止される。これによりローディングレバー51は、光ディスク2を筐体3内に引き込む図3中矢印a方向に回動付勢されている。
【0045】
またローディングレバー51は、挿通孔60を境とした前面4a側の他端に光ディスク2の外周部に当接して支持する当接部64が形成されている。当接部64は、ローディングレバー51の先端に挿通された支軸に小径の回転ローラ64aが回転可能に取り付けられることにより形成されている。回転ローラ64aは、光ディスク2よりも柔らかい樹脂からなり、ディスク挿脱口19から挿入された光ディスク2の外周部と当接される中央部分が内側に湾曲し、その両端部が拡径されたフランジ部として光ディスク2の高さ方向の移動を規制する略鼓形形状を有している。
【0046】
さらにローディングレバー51は、スライダー54に形成されたローディングガイド溝114の第1,第2のローディングカム116,117と係合する第1のガイドピン66及び第2のガイドピン67とが突設されている。ローディングレバー51は、これら第1,第2のガイドピン66,67が、大径ディスク2Aが挿入された場合にはスライダー54の第1のローディングカム116にガイドされ、小径ディスク2Bが挿入された場合には第2のローディングカム117にガイドされることにより、大径ディスク2Aあるいは小径ディスク2Bをディスク装着部23上へ引き込むように回動される。
【0047】
なお、光ディスク2の挿入待機状態において、コイルバネ63の付勢力によって矢印a方向へ回動付勢されたローディングレバー51は、第1のガイドピン66が後述するスライダー54に形成されたカム溝120に係止されることにより、その回動位置が規制されるとともに矢印a方向への回動が防止され、ディスク挿脱口19から挿入された光ディスク2が当接部64に当接することにより矢印a方向へ回動可能とされている。
【0048】
また、ローディングレバー51は、小径ディスク2Bの排出時に、後述するガイドレバー53に押圧されて矢印a方向への回動が規制される押圧片68が形成されている。押圧片68は、小径ディスク2Bの排出時にローディングレバー51が矢印a方向へ回動されることにより、当接部64が排出方向の前面側を押圧して小径ディスク2Bを引き込み方向に付勢することを防止するものである。
【0049】
イジェクトレバー52は、ディスク装着部23から光ディスク2をディスク挿脱口19外へ排出するものであり、略矩形状に形成されたレバー本体52aがボトムケース4に左側壁4e側であってディスク装着部23よりも背面壁4c側に回動自在に支持されている。このイジェクトレバー52は、図7(a)及び図7(b)に示すように、矩形平板状の板金からなるレバー本体52aを備え、このレバー本体52aの一端部に挿通孔70が穿設され、挿通孔70が後述する駆動モータ56の支持プレート58に回動自在にビス止めされている。これによりイジェクトレバー52は、挿通孔70を支点に支持プレート58上を、光ディスク2の挿入方向である図3中矢印b方向及び光ディスク2を排出する図3中矢印b方向へ回動可能に支持されている。
【0050】
またイジェクトレバー52は、バネ係止片71が形成されている。バネ係止片71は、一端がボトムケース4に形成されたバネ掛け片72に係止されたコイルバネ73の他端がボトムケース4の前面4a側から係止される。これによりイジェクトレバー52は、光ディスク2を筐体3外へ排出する図3中矢印b方向に回動付勢されている。
【0051】
またイジェクトレバー52は、挿通孔70が形成された一端部と反対側の他端部に光ディスク2の外周部に当接して支持する当接部74が形成されている。当接部74は、イジェクトレバー52の先端に挿通された支軸に小径の回転ローラ74aが回転可能に取り付けられている。回転ローラ74aは、光ディスク2よりも柔らかい樹脂からなり、ディスク挿脱口19から挿入された光ディスク2の外周部と当接される中央部分が内側に湾曲し、その両端部が拡径されたフランジ部として光ディスク2の高さ方向の移動を規制する略鼓形形状を有している。
【0052】
さらにイジェクトレバー52は、スライダー54に形成されたイジェクトガイド溝115の第1,第2のイジェクトカム118,119と係合する第1のガイドピン76が突設されている。イジェクトレバー52は、この第1のガイドピン76が、大径ディスク2Aが挿入された場合にはスライダー54の第1のイジェクトカム118にガイドされ、小径ディスク2Bが挿入された場合には第2のイジェクトカム119にガイドされることにより、大径ディスク2Aあるいは小径ディスク2Bをディスク装着部23上へ搬送するように回動される。
【0053】
なお、光ディスク2の挿入待機状態において、コイルバネ73の付勢力によって矢印b方向へ回動付勢されたイジェクトレバー52は、第1のガイドピン76が後述するスライダー54に形成されたカム溝121に係止されることにより、その回動位置が規制され、矢印b方向への回動が防止されると共に、ディスク挿脱口19から挿入された光ディスク2が当接部74に当接することにより矢印b方向へ回動可能とされている。
【0054】
ガイドレバー53は、ローディングレバー51及びイジェクトレバー52とを光ディスク2の搬送方向と略直交する図3中矢印c方向及びc方向に亘って筐体3の左右側壁4e,4bの間をスライド自在とされることにより、光ディスク2の右側壁4b側の外周部を支持するものである。このガイドレバー53は、図8に示すように、矩形平板状に板金を打ち抜き形成され後述するガイドプレート55にスライド自在に支持されたレバー本体53aと、レバー本体53aの一端に取り付けられ光ディスク2の外周部を支持するガイドレール53bとを有する。ガイドレバー53は、レバー本体53aの長手方向を光ディスク2の搬送方向と略直交する方向として筐体3内に配設され、その右端部にガイドレール53bが取り付けられている。
【0055】
レバー本体53aには、スライダー54に突設されたガイド凸部130によってスライド操作されるスライドカム溝81と、ガイドプレート55に突設されたガイドピン102,102が挿通される第1、第2のガイド溝83,84と、コイルバネ90が係止されるバネ係止片85が形成されている。
【0056】
スライドカム溝81は、スライダー54のガイド凸部130がスライドすることによりレバー本体53aがスライド操作されるものであり、図8に示すように、レバー本体53aの左側端部に形成され、スライダー54のスライド方向、すなわちディスクドライブ装置1においては筐体3の前後方向に亘って、第1のスライドカム部86と第2のスライドカム部87とが形成されている。第1,第2のスライドカム部86,87は、所定の距離を隔てて平行に形成されるとともに、ボトムケース4の前面4a側に形成された横断カム部88を介して連続されている。
【0057】
左側壁4e側に形成された第1のスライドカム部86は、大径ディスク2Aが挿入された場合にスライダー54のガイド凸部130にスライドされる。この第1のスライドカム部86は、背面壁4c側に延設されガイドレール53bが大径ディスク2Aの外周部を支持するようにガイドされるガイド部86aと、ガイド部86aより左側壁4e側に傾斜する傾斜部86bと、傾斜部86bより背面壁4c側に延設されガイドレール53bが大径ディスク2Aの外周部と離間するリリース部86cとが形成されている。そして第1のスライドカム部86は、スライダー54が背面壁4c側にスライドされることにより、ガイド凸部130がガイド部86aからリリース部86cへ移動する。これによりガイドレバー53は、大径ディスク2Aの搬送時においてはレバー本体53aが図3中矢印c方向にスライド操作され、ガイドレール53bが外周部を支持し、記録再生時にはレバー本体53aが図3中矢印c方向にスライド操作され、ガイドレール53bが外周部より離間する。
【0058】
右側壁4b側に形成された第2のスライドカム部87は、小径ディスク2Bが挿入された場合にスライダー54のガイド凸部130にスライドされる。第2のスライドカム部87も、第1のスライドカム部86と同様に、背面壁4c側に延設されガイドレール53bが小径ディスク2Bの外周部を支持するようにガイドされるガイド部87aと、ガイド部87aより左側壁4e側に傾斜する傾斜部87bと、傾斜部87bより背面壁4c側に延設されガイドレール53bが小径ディスク2Bの外周部と離間するリリース部87cとが形成されている。そして第2のスライドカム部87は、スライダー54が背面壁4c側にスライドされることにより、ガイド凸部130がガイド部87aからリリース部87cへ移動する。これによりガイドレバー53は、小径ディスク2Bの搬送時においてはレバー本体53aが図3中矢印c方向にスライド操作され、ガイドレール53bが外周部を支持し、記録再生時にはレバー本体53aが図3中矢印c方向にスライド操作され、ガイドレール53bが外周部より離間する。
【0059】
横断カム部88は、スライダー54のガイド凸部130を第1のスライドカム部86と第2のスライドカム部87との間に亘って移動させるものである。この横断カム部88は、スライダー54が背面壁4c側へのスライドを開始する前において、ガイドレール53bがディスク挿脱口19より挿入された光ディスク2に押圧されてレバー本体53aが図3中矢印c方向へスライドされると、スライダー54のガイド凸部130が第1のスライドカム部86と第2のスライドカム部87との間に亘って移動する。
【0060】
第1、第2のガイド溝83,84は、ガイドレバー53の筐体3の左右方向に亘るスライドをガイドするものであり、それぞれレバー本体53aの長手方向に亘って形成されるとともに、ガイドプレート55に突設されたガイドピン102,102が挿通されている。このうち、右側壁4b側に設けられた第2のガイド溝84は、右側壁4b側の端部にレバー本体53aを回動させる回動ガイド部89が形成されている。回動ガイド部89は、第2のガイド溝84より背面壁4c側に延設されており、ガイドピン102が挿通することにより、レバー本体53aが前面4a側に回動可能とする。これによりガイドレバー53は、ガイドレール53bによって小径ディスク2Bを筐体3外へ押し出すことができる。
【0061】
バネ係止片85は、レバー本体53aの右端部に形成され、ガイドプレート55との間に左側壁4e側で、且つ前面4a側からコイルバネ90が架け渡される。これによりガイドレバー53は、常時コイルバネ90によって左側壁4e側に付勢される。またガイドレバー53は、コイルバネ90によって前面4a側へ付勢されるため、レバー本体53aが矢印c方向へスライドされると、ガイドピン102が回動ガイド部89を挿通するとともにレバー本体53aが前面4a側に回動される。
【0062】
なおレバー本体53aには、ローディングレバー51に形成された押圧片68と当接される押圧突部91が形成されている。押圧突部91は、小径ディスク2Bの排出時に、ローディングレバー51の当接部64が小径ディスク2Bの排出方向前面側を引き込み方向に押圧することを防止するものであり、ローディングレバー51の押圧突部91と当接されることによりローディングレバー51の矢印a方向への回動を規制する。
【0063】
またレバー本体53aには、小径ディスク2Bが筐体3内の左右何れかに偏倚して挿入された場合に、小径ディスク2Bの挿入方向を規制する規制片92が形成されている。規制片92は、第1のスライドカム部86のリリース部86cの直上に形成され、先端が右側壁4b側に曲げられた鉤状をなす。また規制片92は、光ディスク2の挿入待機状態において、ローディングレバー51の第2のガイドピン67の近傍に位置されている。
【0064】
かかる規制片92は、ガイドレバー53が矢印c方向へスライドされると、挿入待機状態にあるローディングレバー51の第2のガイドピン67と当接される。ローディングレバー51は、第1のガイドピン66がスライダー54のカム溝120に係止されることにより矢印a方向への回動が規制されているため、規制片92が第2のガイドピン67に当接されることにより、ガイドレバー53の矢印c方向へのスライドを防止する(図34)。したがって、規制片92は、小径ディスク2Bがガイドレバー53側に偏倚して挿入された場合に、ガイドレバー53の矢印c方向へのスライドを防止して小径ディスク2Bをローディングレバー51側へ導き、イジェクトレバー52を回動させることができる。
【0065】
また規制片92は、ガイドレバー53が挿入待機状態にあるときに、ローディングレバー51が矢印a方向へ回動されると、第2のガイドピン67が係止される。ガイドレバー53は、挿入待機状態では、第1、第2のガイド溝83,84にガイドピン102が係止されることにより矢印c方向へのスライドが規制されているため、第2のガイドピン67が規制片92に係止されることにより、ローディングレバー51の矢印a方向への回動を防止する(図36)。これにより、規制片92は、小径ディスク2Bがローディングレバー51側へ偏倚して挿入された場合に、ローディングレバー51の矢印a方向への回動を防止して、後述する第1のスイッチSW1が押圧されることを防止する。
【0066】
なお、かかる小径ディスク2Bが筐体3内の左右何れかに偏倚して挿入された場合における挿入工程については、後に詳述する。
【0067】
ガイドレール53bは、光ディスク2の外周部を支持するものであり、合成樹脂を成型することにより形成されている。ガイドレール53bは、断面略コ字状に形成されたガイド溝形状をなし光ディスク2の外周部を上下面及び側壁で支持する。またガイドレール53bは、レバー本体53aの右端部に穿設されている取付孔(図示せず)に嵌合される嵌合凸部(図示せず)が突設され、レバー本体53aに取り付けられることにより、光ディスク2の搬送方向に亘って延設される。
【0068】
またレバー本体53aに取り付けられたガイドレール53bは、略く字状に形成されることにより、光ディスク2をボトムケース4の背面壁4c側に押圧する引き込みガイド部94と、光ディスク2をボトムケース4の前面4a側に押圧する排出ガイド部95とが形成されている。引き込みガイド部94は、排出ガイド部95との接点を境に背面壁4c側が右側壁4b側に向かって傾斜されている。これにより引き込みガイド部94は、光ディスク2が筐体3内に引き込まれる際に、光ディスク2の外周部をボトムケース4の前面4a側に押圧するとともに、光ディスク2のセンタリングを行う。また排出ガイド部95は、引き込みガイド部94との接点を境に前面4a側が右側壁4b側に向かって傾斜されている。これにより排出ガイド部95は、光ディスク2を筐体3の外へ排出する際に、光ディスク2の外周部をボトムケース4の前面4a側に押圧するとともに、光ディスク2のうち小径ディスク2Bを所定の排出位置まで押し出す。
【0069】
かかるガイドレバー53を支持するガイドプレート55は、ボトムケース4の前面4a側に回路基板40と一部重なるように配設されている。ガイドプレート55は、図9に示すように、ボトムケース4の左側壁4e側に、ローディングレバー51を支持する支持アーム101と、ガイドレバー53を支持するガイドピン102が立設されたガイドアーム103とが形成されている。
【0070】
支持アーム101は、後述するスライダー54上を跨いで左側壁4e側へ延設されている。支持アーム101の先端には、支持アーム101をスライダー54よりも高い位置に保持するための支持ピン104が挿通されている。支持ピン104は、支持アーム101を挿通し、ボトムケース4の底面4eに設けられたボスに係合されている。
【0071】
また支持アーム101は、スライダー54より左側壁4e側の位置に、ローディングレバー51を回動自在に支持している。支持アーム101は、ローディングレバー51をスライダー54よりも高い位置で支持することで、スライダー54のスライド領域上にローディングレバー51を回動させることができ、またスライダー54の主面に形成された第1,第2のローディングカム116,117に、第1,第2のガイドピン66,67を係合させることができる。
【0072】
なお、支持アーム101は、起端側に後述するベース昇降機構140上を跨ぐ高架部101aが形成されている。
【0073】
ガイドアーム103は、先端にガイドレバー53の第1のガイド溝83に挿通されるガイドピン102が立設される。
【0074】
またガイドプレート55は、主面の略中央にガイドレバー53の第2のガイド溝84に挿通されるガイドピン102が立設されている。またガイドプレート55は、ガイドレバー53のバネ係止片85との間に架け渡されるコイルバネ90の一端が係止されるバネ係止部105が形成されている。
【0075】
次いで、スライダー54について説明する。スライダー54は、ボトムケース4を前面4aと背面壁4cとの間に亘ってスライド操作されることにより、ローディングレバー51、イジェクトレバー52及びガイドレバー53を駆動するとともに、ベースユニット22のベースシャーシ27を昇降操作するものである。
【0076】
スライダー54は、駆動モータ56によってスライドされる。駆動モータ56は、図3に示すように、ボトムケース4の背面壁4c側で、左側壁4e近傍に配設され、支持プレート58に配設されたギヤ列57を介してスライダー54と連結されている。この駆動モータ56は、光ディスク2が所定位置まで挿入され、ローディングレバー51及びイジェクトレバー52によってボトムケース4に配設された第1、第2のスイッチSW1、SW2が押圧されると、スライダー54を背面壁4c側である図3中矢印d方向へスライドさせる正転方向に駆動される。また駆動モータ56は、光ディスク2のイジェクト操作がされると、スライダー54を図3中矢印d方向にへスライドさせる逆転方向に駆動される。
【0077】
駆動モータ56は、ギヤ列57を介することにより回転運動が直線運動に変換され、スライダー54を矢印d方向及び矢印d方向へスライドさせることができる。スライダー54は、光ディスク2の挿入及び引き込み、あるいは排出動作に応じて図3中矢印d方向及び矢印d方向へスライドされることにより、ディスク搬送機構50のローディングレバー51、イジェクトレバー52あるいはガイドレバー53移動させ、またベースシャーシ27の昇降操作を行う。
【0078】
かかるスライダー54は、図10に示すように、全体が矩形平板状に形成された樹脂部材からなり、長手方向に離間して一対のスライド孔111,111が形成されている。スライド孔111,111は、スライダー54のスライド方向を長手方向とする長孔であり、ボトムケース4に立設されているスライドピン112,112が挿通される。スライダー54は、スライド孔111,111がスライドピン112,112に挿通することにより、矢印d方向及び矢印d方向へのスライドがガイドされる。
【0079】
またスライダー54は、ローディングレバー51の第1、第2のガイドピン66,67と係合されることにより、スライドに応じてローディングレバー51を回動させるローディングガイド溝114と、イジェクトレバー52の第1のガイドピン76と係合されることにより、スライドに応じてイジェクトレバー52を回動させるイジェクトガイド溝115とが形成されている。
【0080】
ローディングガイド溝114は、大径ディスク2Aが挿入された場合にローディングレバー51をガイドする第1のローディングカム116と、小径ディスク2Bが挿入された場合にローディングレバー51をガイドする第2のローディングカム117とを有する。
【0081】
また、第1のローディングカム116は、スライダー54の前後に離間して形成されることにより、光ディスク2の引き込み前半においてローディングレバー51をガイドする先行カム部116aと、大径ディスク2Aの引き込み後半においてローディングレバー51をガイドする後行カム部116bとを有する。同様に、第2のローディングカム117は、スライダー54の前後に離間して形成されることにより、小径ディスク2Bの引き込み前半においてローディングレバー51をガイドする先行カム部117aと、小径ディスク2Bの引き込み後半においてローディングレバー51をガイドする後行カム部117bとを有する。
【0082】
またイジェクトガイド溝115は、ローディングガイド溝114と同様に、大径ディスク2Aが挿入された場合にイジェクトレバー52をガイドする第1のイジェクトカム118と、小径ディスク2Bが挿入された場合にイジェクトレバー52をガイドする第2のイジェクトカム119とを有する。
【0083】
ローディングガイド溝114は、スライダー54の長手方向の略中央から前面4a側にかけて形成されている。第1のローディングカム116の先行カム部116a及び第2のローディングカム117の先行カム部117aは、ともにローディングレバー51の第1のガイドピン66をガイドするものであり、スライダー54の略中央部に形成されているカム壁122の一面側が先行カム部116aとされ、他面側が先行カム部117aとされる。
【0084】
また第1のローディングカム116の後行カム部116b及び第2のローディングカム117の後行カム部117bは、ともにローディングレバー51の第2のガイドピン67をガイドするものであり、スライダー54の前面4a側にかけて略平行に形成されている。スライダー54の左側壁4e側には、大径ディスク2Aが挿入された場合にローディングレバー51の第2のガイドピン67をガイドする第1のローディングカム116の後行カム部116bが形成され、その右側に、小径ディスク2Bが挿入された場合に第2のガイドピン67をガイドする第2のローディングカムの後行カム部117bが形成されている。各後行カム部116b,117bは、ローディングレバー51を光ディスク2の引き込み方向となる矢印a方向へ回動させる引き込み部123と、スライダー54のスライド方向に亘って形成され光ディスク2のセンタリング位置においてローディングレバー51の回動を規制する回動規制部124と、回動規制部124よりも左側壁4e側に形成されローディングレバー51を光ディスク2の外周から離間させるリリース部125と、回動規制部124及びリリース部125を接続する傾斜部126とが形成されている。
【0085】
同様に、第1のイジェクトカム118及び第2のイジェクトカム119は、スライダー54のスライド方向に亘って形成され光ディスク2のセンタリング位置においてイジェクトレバー52の回動を規制する回動規制部127と、回動規制部127よりも左側壁4e側に形成されイジェクトレバー52を光ディスク2の外周から離間させるリリース部128と、回動規制部127及びリリース部128を接続する傾斜部129とが形成されている。
【0086】
これによりローディングレバー51及びイジェクトレバー52は、光ディスク2の挿入に伴いそれぞれa方向、b方向へ回動され、ディスク径に応じて異なる回動位置においてスライダー54が背面壁4c側である矢印d方向へスライドされると、第1,第2のガイドピン66,67が第1又は第2のローディングカム116,117にガイドされ、また第1のガイドピン76が第1又は第2のイジェクトカム118,119にガイドされて回動する。
【0087】
かかるスライダー54は、大径ディスク2Aが挿入された場合と、小径ディスク2Bが挿入された場合とで、ローディングレバー51及びイジェクトレバー52のガイドを行うローディングガイド溝114及びイジェクトガイド溝115のカムを変える。これによりスライダー54は、ローディングレバー51及びイジェクトレバー52の挙動を、大径ディスク2Aが挿入された場合と小径ディスク2Bが挿入された場合とで異ならせ、いずれの場合も、背面壁4c側にスライドされることで、各ディスク2A,2Bをディスク装着部23まで搬送させ、また前面4a側にスライドされることで各ディスク2A,2Bをディスク挿脱口19より所定量だけ排出させることができる。
【0088】
ローディングレバー51及びイジェクトレバー52の挙動は、大径ディスク2A又は小径ディスク2Bが挿入された際の両レバー51,52の回動位置に応じてスライダー54の起動タイミングを変えることにより異ならせることができる。スライダー54の起動タイミングは、大径ディスク2Aが挿入された場合と小径ディスク2Bが挿入された場合とで、ローディングレバー51及びイジェクトレバー52が回動することによって押圧される第1のスイッチSW1及び第2のスイッチSW2の押圧状態の違いを識別し、それぞれ異なる位置に回動されたタイミングで駆動モータ56が駆動されることで異なることとなる。ローディングレバー51及びイジェクトレバー52は、回動位置が異なるタイミングでスライダー54のスライドが開始されることから、各ガイドピン66,67,76は回動位置に応じて第1のローディングカム116又は第2のローディングカム117、あるいは第1のイジェクトカム118又は第2のイジェクトカム119に導かれ、各カム形状に応じた挙動をとることになる。
【0089】
具体的に、スライダー54を駆動する駆動モータ56は、第1のスイッチSW1及び第2のスイッチSW2が共に開状態となったときに起動される。
【0090】
先ず大径ディスク2Aが挿入された場合を説明すると、図13に示すように、光ディスク2の挿入を待機している状態において、スライダー54は前面4a側に位置されている。また、ローディングレバー51は、コイルバネ63により矢印a方向へ回動付勢されるとともに第1のガイドピン66がスライダー54のカム溝120に係止されることにより当接部64が光ディスク2の外周と当接すると矢印a方向へ回動可能な位置に保持されている。またイジェクトレバー52は、コイルバネ73により矢印b方向へ回動付勢されるとともに第1のガイドピン76がスライダー54のカム溝121に係止されることにより当接部74が光ディスク2の外周と当接すると矢印b方向へ回動可能な位置に保持されている。
【0091】
また光ディスク2の挿入待機状態において、ローディングレバー51に押圧操作される第1のスイッチSW1は開放されており、イジェクトレバー52に押圧操作される第2のスイッチSW2はイジェクトレバー52に当接されることにより閉じられている(SW1:開、SW2:閉)。
【0092】
そして図14に示すように、大径ディスク2Aが挿入されると、当設部64がディスク外周に押されて、ローディングレバー51は、矢印b方向へ回動される。これによりローディングレバー51は、第1のスイッチSW1を押圧して開→閉へスイッチさせる(SW1:閉、SW2:閉)。
【0093】
さらに大径ディスク2Aが挿入されていくと、イジェクトレバー52の当接部74に大径ディスク2Aの外周が押されて、イジェクトレバー52が矢印b方向へ回動される。これにより、図15に示すように、イジェクトレバー52は、第2のスイッチSW2の押圧状態を解いて、閉→開へスイッチさせる(SW1:閉、SW2:開)。
【0094】
さらに大径ディスク2Aが挿入されていくと、図16に示すように、大径ディスク2Aの中心孔2aが当接部64を通過した後、ローディングレバー51は、コイルバネ63の付勢力によって矢印b方向へ回動されていき、第1のスイッチSW1の押圧状態を解いて、閉→開へスイッチさせる(SW1:開、SW2:開)。これにより第1、第2のスイッチSW1、SW2がとも開状態となるため、駆動モータ56が起動し、スライダー54のd方向へのスライドが開始され大径ディスク2Aが引き込まれていく。
【0095】
この状態でスライダー54がd方向にスライドされることにより、ローディングレバー51は、第1のガイドピン66に第1のローディングカム116の先行カム部116aが摺動し、スライダー54のスライドに応じて矢印a方向へ回動される。これによりローディングレバー51は、当接部64が大径ディスク2Aの中心孔2aよりも挿入方向後方部を押圧するため、スライダー54のスライドに応じて、大径ディスク2Aを筐体3内に引き込んでいく。
【0096】
スライダー54のd方向へのスライドが進むと、図18に示すように、ローディングレバー51は、第1のガイドピン66と先行カム部116aとの摺動が終了するとともに、第2のガイドピン67が第1のローディングカム116の後行カム部116bに摺動される。ローディングレバー51は、第2のガイドピン67が後行カム部116bの引き込み部123に摺動されることにより、矢印a方向へ回動され、大径ディスク2Aを中心孔2aがほぼディスク装着部23上に位置するセンタリング位置まで引き込んだ後、回動規制部124にガイドされて回動が規制される。このとき大径ディスク2Aは、図19に示すように、後述するベース昇降機構140によってターンテーブル23aにチャッキングされ、回転可能とされる。さらにスライダー54がd方向へスライドすることにより、図21に示すように、ローディングレバー51は、第2のガイドピン67が傾斜部126を経てリリース部125にガイドされるため、矢印a方向へ回動されて当接部64が大径ディスク2Aの外周から離間される。
【0097】
また、イジェクトレバー52は、ローディングレバー51よって引き込まれていく大径ディスク2Aに押圧されて矢印b方向へ回動されていき、大径ディスク2Aのセンタリング位置まで回動されると、第1のガイドピン76が第1のイジェクトカム118の回動規制部127にガイドされ、回動が規制される(図19)。このとき大径ディスク2Aはターンテーブル23aにチャッキングされる。さらにスライダー54がd方向へスライドすることにより、イジェクトレバー52は、第1のガイドピン76が傾斜部129を経てリリース部128にガイドされるため、矢印b方向へ回動されて当接部74が大径ディスク2Aの外周部から離間される(図21)。
【0098】
次いで、小径ディスク2Bが挿入された場合について説明する。上述したように、光ディスク2の挿入待機状態においては、図23に示すように、ローディングレバー51に押圧操作される第1のスイッチSW1は開放されており、イジェクトレバー52に押圧操作される第2のスイッチSW2はイジェクトレバー52に当接されることにより閉じられている(SW1:開、SW2:閉)。
【0099】
そして図25に示すように、小径ディスク2Bが挿入されていくと、ローディングレバー51は、当接部64がディスク外周に押圧されて、矢印a方向へ回動されるものの、ディスク外径が短いため、回動量は小さく、第1のスイッチSW1を閉じるまでには及ばない。一方、イジェクトレバー52は、当接部74がディスク外周に押圧されるため、矢印b方向へ回動される。これによりイジェクトレバー52は、第2のスイッチSW2の押圧状態を解いて、閉→開へスイッチさせる(SW1:開、SW2:開)。これにより第1、第2のスイッチSW1、SW2がとも開状態となるため、駆動モータ56が起動し、スライダー54のd方向へのスライドが開始され小径ディスク2Bが引き込まれていく。
【0100】
この状態でスライダー54がd方向へスライドされることにより、ローディングレバー51は、第1のガイドピン66に第2のローディングカム117の先行カム部117aが摺動し、スライダー54のスライドに応じて矢印a方向へ回動される。このときローディングレバー51は、当接部64が小径ディスク2Bの中心孔2aよりも挿入方向後方部を押圧するため、スライダー54のスライドに応じて、小径ディスク2Bを筐体3内に引き込んでいく。
【0101】
スライダー54のd方向へのスライドが進むと、図27に示すように、ローディングレバー51は、第1のガイドピン66と先行カム部117aとの摺動が終了するとともに、第2のガイドピン67が第2のローディングカム117の後行カム部117bに摺動される。ローディングレバー51は、第2のガイドピン67が後行カム部117bの引き込み部123に摺動されることにより、矢印a方向へ回動され、小径ディスク2Bを中心孔2aがほぼディスク装着部23上に位置するセンタリングまで引き込んだ後、回動規制部124にガイドされて回動が規制される。このとき小径ディスク2Bは、図28に示すように、ベース昇降機構140によってターンテーブル23aにチャッキングされ、回転可能とされる。さらにスライダー54がd方向にスライドすることにより、図30に示すように、ローディングレバー51は、第2のガイドピン67が傾斜部126を経てリリース部125にガイドされるため、矢印a方向へ回動されて当接部64が小径ディスク2Bの外周から離間される。
【0102】
またイジェクトレバー52は、ローディングレバー51によって引き込まれていく小径ディスク2Bに押圧されて矢印b方向へ回動されていき、小径ディスク2Bのセンタリング位置まで回動されると、第1のガイドピン76が第2のイジェクトカム119の回動規制部127にガイドされ、回動が規制される(図28)。このとき小径ディスク2Bはターンテーブル23aにチャッキングされる。さらにスライダー54がd方向へスライドすることにより、イジェクトレバー52は、第1のガイドピン76が傾斜部129を経てリリース部129にガイドされるため、矢印b方向へ回動されて当接部74が小径ディスク2Bの外周部から離間される(図30)。
【0103】
このように、ディスク搬送機構50は、大径ディスク2Aが挿入されたときと、小径ディスク2Bが挿入されたときで、スライダー54の起動タイミングとなる第1のスイッチSW1及び第2のスイッチSW2が共に開状態となるローディングレバー51及びイジェクトレバー52の回動位置が異なる。これによりディスク搬送機構50は、ローディングレバー51及びイジェクトレバー52を、ローディングガイド溝114及びイジェクトガイド溝115に形成された別々のカムにガイドすることができ、両レバー51,52の挙動を、大径ディスク2Aが挿入された場合と、小径ディスク2Bが挿入された場合とで異ならせることができる。したがってディスク搬送機構50は、スライダー54が前面4a側から背面壁4c側にスライドされる間に、大小ディスク2A,2Bのいずれが挿入された場合にも、センタリング位置まで搬送するとともに、ディスクチャッキングを経て、両レバー51,52をディスク外周よりリリースさせることができる。
【0104】
ここで、上述したように、ローディングレバー51には、第1のガイドピン66と第2のガイドピン67とを備える。また、ローディングレバー51をガイドするローディングガイド溝114は、第1のローディングカム116、第2のローディングカム117のいずれも、第1のガイドピン66をガイドする先行カム部116a,117aと、第2のガイドピン67をガイドする後行カム部116b,117bとが形成され、ローディングレバー51を2つのカム部により分割してガイドしている。
【0105】
このようにローディングレバー51に第1のガイドピン66と第2のガイドピン67とを設けると共に、ローディングガイド溝114を先行カム部116a,117aと後行カム部116b,117bとに分割し、各ガイドピン66,67をガイドすることにより、一つのカム部によって一つのガイドピンをガイドする構成に比べて、カム部を短くすることができ、スライダー54の幅を狭小化することができる。
【0106】
すなわち、スライダー54が矢印d方向及びd方向へスライドすることにより、スライダー54に形成されたガイド溝によってローディングレバー51に突設されたガイドピンをガイドし、ローディングレバー51をa方向及びa方向へ回動させる際、一つのガイド溝によって一つのガイドピンをガイドしようとすると、ローディングレバー51の回動領域に亘ってガイドピンをガイド溝に摺動させるために、ガイド溝を長く確保する必要があり、スライダー54の大型化に繋がる。
【0107】
この点、ディスク搬送機構50においては、ローディングレバー51を回動させる第1、第2のローディングカム116,117のいずれも、先行カム部116a,117aと、後行カム部116b,117bとに分割し、またローディングレバー51にも第1、第2のガイドピン66,67を設けている。これにより、ディスク搬送機構50は、ローディングレバー51の回動当初は先行カム部116a,117aが第1のガイドピン66をガイドし、回動後半は後行カム部116b,117bが第2のガイドピン67をガイドすることで、ローディングレバー51の回動領域の前半と後半とで、スライダー54のカムを分割させてガイドすることとしている。
【0108】
したがって、スライダー54は、上面に形成される各カム部の長さを短くすることができ、幅を狭小化することができる。これにより、ディスクドライブ装置1は、ボトムケース4内の省スペース化、筐体3の小型化を図ることができる。また、ディスク搬送機構50は、ローディングレバー51の回動中に、ローディングガイド溝114の第1、第2のローディングカム116,117や、ローディングレバー51の第1、第2のガイドピン66,67にかかる負荷を分散させることができる。
【0109】
なお、スライダー54には、前面4a側にガイドレバー53をスライドさせるガイド凸部130が突設されている。ガイド凸部130は、ガイドレバー53のレバー本体53aに形成されたスライドカム溝81に挿通されることにより、スライダー54の矢印d方向あるいはd方向へのスライド動作に応じて、ガイドレバー53を左右方向となる矢印c方向あるいはc方向へスライドさせる。これによりガイドレバー53は、ディスク搬送中はガイドレール53bによって光ディスク2の外周を支持し、ディスクの記録再生中はガイドレール53bを光ディスク2の外周から離間させる。
【0110】
次いで、かかるスライダー54のスライド動作に応じてベースユニットのベースシャーシ27を昇降させるベース昇降機構140について説明する。ベース昇降機構140は、ボトムケース4の右側壁4b及び背面壁4cの支持片16,17に他端側が回動支持されているベースシャーシ27の一端側を昇降させることにより、ベースシャーシ27を光ディスク2のチャッキング位置と、記録再生位置と、チャッキング解除位置に亘って昇降させるものである。
【0111】
かかるベース昇降機構140は、図11に示すように、スライダー54に側面に形成され、ベースシャーシ27に突設された第1のカムピン30をガイドする昇降カム141と、スライダー54と連動することによりベースシャーシ27に嵌合された第2のカムピン31を昇降させる昇降レバー142と、スライダー54の側面に形成され、昇降レバー142の係合ピン151をガイドして昇降操作するレバーガイドカム150とを備える。
【0112】
昇降カム141は、スライダー54の右側面に形成され、第1のカムピン30と係合されることにより、スライダー54のスライドに応じて第1のカムピン30を昇降操作するものである。この昇降カム141は、第1のカムピン30を下降させることによりベースシャーシ27をチャッキング解除位置に保持する下降部145と、第1のカムピン30を上昇させることによりベースシャーシ27をチャッキング位置に持ち上げる上昇部146と、第1のカムピン30を下降部145と上昇部146との間の高さまで下降させることによりベースシャーシ27を記録再生位置に保持する中間部147とを有し、スライダー54の長手方向に沿って連続して形成されている。
【0113】
下降部145は、スライダー54の底面よりも若干上方に張り出すように形成され、下側に第1のカムピン30が挿通可能とされている。下降部145は、下側に第1のカムピン30が挿通されることにより、ベースシャーシ27をチャッキング解除位置に降下させることができる。また下降部145は、スライダー54の長手方向に沿って所定の長さを有しており、スライダー54がスライドされても、光ディスク2がセンタリング位置に搬送されるまでの間は、第1のカムピン30を下降させておく。また下降部145は、スライダー54の前面4a側にかけて上面側に向かう傾斜面145aが形成され、上昇部146とともに第1のカムピン30を上昇させる。
【0114】
上昇部146は、下降部145と連続して形成され、スライダー54の前面4a側に向かって、底面から上面側に傾斜する第1の傾斜面148と、第1の傾斜面148の頂部から底面側に傾斜する第2の傾斜面149とを有する。第1の傾斜面148は、下降部145の傾斜面と所定のクリアランスを隔てて略平行に形成され、下降部145を摺動してきた第1のカムピン30を下降部145の傾斜面145aとともに支持して頂部までガイドする。第1の傾斜面148は、第1のカムピン30を頂部までガイドすることにより、ベースシャーシ27を光ディスク2のチャッキング位置に上昇させることができる。また第2の傾斜面149は、第1の傾斜面148の頂部から中間部147にかけて形成され、第1のカムピン30を頂部と中間部147との間に亘ってガイドするものである。
【0115】
中間部147は、第2の傾斜面149と連続して形成され、スライダー54の底面と上昇部146の頂部との間の高さに形成されている。また中間部147は、スライダー54の前面4a側に向かって所定の長さを有し、ローディングレバー51及びイジェクトレバー52の各当接部64,74やガイドレバー53のガイドレール53bが光ディスク2の外周から離間するまでの間、第1のカムピン30を支持した状態で、スライダー54のスライドを可能とする。中間部147は、第1のカムピン30を支持することにより、ベースシャーシ27を光ディスク2の記録再生位置に保持することができる。
【0116】
ベースシャーシ27に嵌合された第2のカムピン31を昇降させる昇降レバー142は、長手方法の略中間部をボトムケース4の底面4dに立設された支持壁143に回動自在に支持される支持部142aを有し、この支持部142aを境に、長手方向の一端にベースシャーシ27の嵌合凹部38と勘合される第2のカムピン31が挿通支持され、他端にスライダー54の側面に形成されたレバーガイドカム150と係合される係合ピン151が形成されている。昇降レバー142は、スライダー54がスライドされることにより、レバーガイドカム150に係合されている係合ピン151が昇降されると、支持部142aを支点に、第2のカムピン31が挿通されている一端側が昇降される。
【0117】
なお、昇降レバー142は、嵌合凹部を昇降レバー142側に設け、ベースシャーシ27より突設されたカムピンと嵌合されるようにしてもよい。この場合、昇降レバー142の一端側に形成された嵌合凹部は、トップカバー5側が凹設されスライダー54によって上昇されるとベースシャーシ27より突設されているカムピンを上昇させる。
【0118】
ここで係合ピン151が係合されるレバーガイドカム150について説明する。このレバーガイドカム150は、スライダー54の昇降カム141よりもさらに前面4a側に形成され、係合ピン151が上昇可能な切欠き部152と、切欠き部152と連続して形成され係合ピン151を下降させる下降部153と、係合ピン151を切欠き部152と下降部153との中間に支持する中間部154とを有する。
【0119】
切り欠き部152は、スライダー54の右側面に形成され、係合ピン151の上方を開放して昇降レバー142の他端を上昇可能とする。なお図3に示すように、係合ピン151は、上方に上記ガイドプレート55の支持アーム101が位置され、切り欠き部152が位置するときにも、この支持アーム101に当接することによりさらなる上昇が規制され、下降部153と摺接可能とされている。
【0120】
下降部153は、切り欠き部152よりも右側方に張り出し形成されることにより係合ピン151と摺接可能とされている。この下降部153は、スライダー54の前面4a側に向かって下方に傾斜する第1の傾斜面155と、第1の傾斜面155の頂部から中間部154に向かって傾斜する第2の傾斜面156とを有する。第1の傾斜面155は、係合ピン151が摺接されることにより頂部までガイドし、昇降レバー142の他端を下降させる。これにより昇降レバー142は、第2のカムピン31が設けられている一端側が上昇されベースシャーシ27をチャッキング位置に上昇させることができる。また第2の傾斜面156は、第1の傾斜面155の頂部から中間部154にかけて形成され、係合ピン151を頂部と中間部154との間に亘ってガイドするものである。
【0121】
中間部154は、第2の傾斜面156と連続して形成され、スライダー54の上面と頂部との間の高さに形成されている。また中間部154は、スライダー54の前面4a側に向かって所定の長さを有し、ローディングレバー51及びイジェクトレバー52の各当接部64,74やガイドレバー53のガイドレール53bが光ディスク2の外周から離間するまでの間、係合ピン151を支持した状態で、スライダー54のスライドを可能とする。中間部154は、係合ピン151を支持することにより、ベースシャーシ27を光ディスク2の記録再生位置に保持する高さに昇降レバー142を回動することができる。
【0122】
かかるレバーガイドカム150の切欠き部152、下降部153及び中間部154は、それぞれ上述した昇降カム141の下降部145、上昇部146及び中間部147と対をなし、それぞれ第1のカムピン30あるいは係合ピン151の昇降を同期して行う。すなわち図18及び図27に示すように、ベース昇降機構140は、ベースシャーシ27の第1のカムピン30が昇降カム141の下降部145に摺接されているとき、係合ピン151がレバーガイドカム150の切り欠き部152に位置する。したがってベース昇降機構140は、下降部145によって第1のカムピン30を下降させるとともに、切欠き部152に係合ピン151が位置されるため、昇降レバー142の一端を下降させる。これによりベース昇降機構140は、ベースシャーシ27をチャッキング解除位置に下降させる。
【0123】
同様に、ベース昇降機構140は、第1のカムピン30が上昇部146を摺動するとき、係合ピン151が下降部153を摺動し、図20及び図29に示すように、上昇部146によって第1のカムピン30を頂部に位置させたとき、下降部153によって係合ピン151を頂部に位置させる。これによりベース昇降機構140は、ベースシャーシ27をチャッキング位置に上昇させる。
【0124】
また同様に、図21及び図30に示すように、ベース昇降機構140は、第1のカムピン30が中間部147に支持されるとき、係合ピン151も中間部154に支持される。これによりベース昇降機構140は、ベースシャーシ27を記録再生位置に保持することができる。
【0125】
以上のようにベース昇降機構140は、スライダー54のスライド動作に応じて第1のカムピン30を昇降させるとともに、昇降レバー142を介して第2のカムピン31を昇降させるものであり、スライダーに連動してベースシャーシに突設されたカムピンを昇降させるサブスライダーを用いていない。サブスライダーは、一般にスライダー54とレバー部材を介して連結され、このレバー部材がスライダー上面に形成されたカム溝にガイドされることにより回動されてスライド操作される。そしてサブスライダーは、スライダー54に形成された昇降カム141と同様のカムが形成され、スライド操作されるとカム形状によりベースシャーシのカムピンを昇降させる。
【0126】
ここで、ディスクドライブ装置1は、スライダー54のスライド動作に応じて光ディスク2の搬送やベースシャーシ27の昇降を行うものであり、スライダー54の前面4a側から背面壁4c側への限られた搬送ストローク内で、ローディングレバー51、イジェクトレバー52及びガイドレバー53を回動させて光ディスク2を搬送し、次いでベースシャーシ27をチャッキング解除位置からチャッキング位置を経て記録再生位置まで昇降操作することにより光ディスク2をターンテーブル23aにチャッキングさせ、その後各レバー51,52,53を光ディスク2の外周からリリースさせる作業を行わせるものである。したがって、スライダー54は、各作業に要するストロークはなるべく短くして、搬送ストロークを効率よく使用する必要がある。
【0127】
一方で、サブスライダーを用いたベース昇降機構は、サブスライダーをスライドさせるレバー部材を回動させるために要するスライダーのストロークが長くなってしまう。これは、レバー部材を回動させるカム溝の角度をスライダーの搬送方向に対して大きく取った場合、スライダーのストロークは短くてもレバー部材の回動量が増えてサブスライダーのストロークを大きく取ることができるが、レバー部材を回動させるために大きなトルクが必要となり、駆動モータ56のトルク不足やスライダーの搬送不良、レバー部材などの強度などの面で問題がでるためである。またスライダー54の昇降カム141と同様のカムを備えたサブスライダーをスライド自在に配置するため、ボトムケース4内の省スペース化を図ることも困難となる。さらに、レバー部材は、スライダーの上面に形成されたカム溝に係合されるため、スライダー上に重畳して配置されることから、筐体3の薄型化を阻害してしまう。
【0128】
この点、本発明が適用されたベース昇降機構140は、昇降レバー142をボトムケース4より立設された支持壁143に回動自在に支持させ、その長手方向の一端にベースシャーシ27に嵌合される第2のカムピン31を取り付け、他端に係合ピン151を設ける。そしてベース昇降機構140は、スライダー54のスライド動作に応じて係合ピン151を昇降操作することにより、支持部142aを支点に梃子の原理で第2のカムピン31を昇降させている。
【0129】
このようにベース昇降機構140は、サブスライダー及びスライダーと連結されサブスライダーをスライドさせるレバー部材を有しないため、ボトムケース4の省スペース化が図られ、筐体3の小型化、薄型化も容易となる。
【0130】
またベース昇降機構140は、昇降レバー142を梃子の原理によって回動させるものであるため、支持部142aを支点とした係合ピン151側の距離と、第2のカムピン31側の距離を調整することで、チャッキング解除位置からチャッキング位置までに要するスライダー54の搬送ストロークや、昇降時に係合ピン151やレバーガイドカム150にかかる負荷を調整することができ、サブスライダーを用いる場合に比して、ベースシャーシ27の昇降に要するスライダー54のストロークを短く調整すると共に負荷調整を行うことが容易となる。
【0131】
なお、スライダー54の短ストロークでベースシャーシ27の昇降操作を終えるためには、例えば昇降カム141の上昇部146の第1の傾斜面148及びレバーガイドカム150の下降部153の第1の傾斜面155を急峻に形成したり、あるいは昇降レバー142の支持部142aから係合ピン151までの距離を短くする等の方法もある。しかし、各第1の傾斜面148,155を急峻に形成すると、第1のカムピン30及び係合ピン151を昇降させる際に、スライダー54や両ピン30,151にかかる負荷が増大し、駆動モータ56のトルク不足や昇降操作不良、構成部品の耐久性などといった面で問題が残る。
【0132】
そこで、ベース昇降機構140は、スライダー54の限られたストローク内で、ベースシャーシ27の昇降に要する分をなるべく短くすると共に、スライダー54やベース昇降機構140にかかる負荷を調整する。このとき、ベース昇降機構140は、昇降レバー142の支持部142aを境にして係合ピン151側の距離と、第2のカムピン31側の距離を調整することで、チャッキング解除位置からチャッキング位置までに要するスライダー54の搬送ストロークや、昇降時に係合ピン151やレバーガイドカム150にかかる負荷を調整することができる。
【0133】
また、ベース昇降機構140は、昇降レバー142の支点の位置を調整することで、昇降カム141による第1のカムピン30を上昇部146の頂部にガイドするタイミングと、昇降レバー142による係合ピン151を下降部153の頂部にガイドするタイミングとを合わせることできる。これにより、ベース昇降機構140は、第1のカムピン30と第2のカムピン31を同時に持ち上げ、ターンテーブル23aを光ディスク2の中心孔2aに圧入させることができる。なお、第1のカムピン30と第2のカムピン31との上昇タイミングをあえてずらすことで、ターンテーブル23aを光ディスク2の中心孔2aに圧入する場合にも、昇降レバー142の支点位置を変えることで、第1、第2のカムピン30,31の上昇タイミングを容易にずらすことができる。
【0134】
ところで、かかるベース昇降機構140によって昇降操作されるベースシャーシ27は、上述したように、ボトムケース4の右側壁4bに形成された支持片16、及び背面壁4cに形成された支持片17に、回動支持ピン28,29が回動自在に支持されることによってボトムケース4に支持されている。そしてベースシャーシ27は、回動支持ピン28と回動支持ピン29とが、両ピン28,29を結ぶ線が、センタリング位置に搬送された大径ディスク2Aと略接する位置に形成されている。
【0135】
すなわち、ベースシャーシ27は、回動支持ピン28,29がベースシャーシ27の回動支点となるため、回動支持ピン28,29を境に、ターンテーブル23aが形成された長手方向の一端側が下降するチャッキング解除位置に回動されると、他端側が上昇する。ここで、ベースシャーシ27は、チャッキング解除位置に下降された状態で光ディスク2が搬送されるため、チャッキング解除位置に下降されているとき、光ディスク2の搬送領域上には障害物があってはならない。したがって、ベースシャーシ27は、回動支持ピン28,29を結ぶ線が、最もボトムケース4の背面壁4c側まで搬送される大径ディスク2Aの投影面外に位置するように形成し、一端側がチャッキング解除位置に下降されたときに、回動支持ピン28,29を境とした他端側が光ディスク2の搬送領域上に上昇することを防止している。
【0136】
また、ベースシャーシ27は、一端側に形成された第1のカムピン30及び嵌合凹部38に嵌合される第2のカムピン31がベース昇降機構140によって昇降されることにより、回動支持ピン28,29を支点に昇降操作されるものである。したがって、ベースシャーシ27は、回動支点となる回動支持ピン28,29をできるだけ一端側に近接させることで、昇降に要する負荷、及びターンテーブル23aと光ディスク2とのチャッキングに要する負荷を軽減することができる。そこで、ベースシャーシ27は、回動支持ピン28,29を、両ピン28,29を結ぶ線がセンタリング位置に搬送された大径ディスク2Aの外周と略接する位置に形成し、これにより、回動支点をディスク搬送領域外で、かつ最も一端側に近接した位置に設けることができ、チャッキング解除位置からチャッキング位置まで上昇させるために要する負荷、及びターンテーブル23aと光ディスク2とのチャッキングに要する負荷を軽減している。
【0137】
かかるディスクドライブ装置1は、ベースシャーシ27が長手方向をボトムケース4の略中央から右側壁4bと背面壁4c側とからなる右奥角部にかけて配設されることから、ディスク搬送領域にベースシャーシ27に支持されたピックアップベース34等の構成部品が存在しない。したがって搬送中の光ディスク2とベースシャーシ27の構成部品との衝突を回避するためのクリアランスを設けたり、傷防止用のコーティングの塗布あるいは不織布などの緩衝材を貼着する必要がなく筐体3の薄型化を図ることができる。
【0138】
またディスクドライブ装置1は、ベースシャーシ27がボトムケース4の右奥角部にかけて形成されていることから、前面4a側に回路基板40の配置スペースを確保することができる。回路基板40には、図12に示すように、右側壁4b側に面して外部機器との接続用のインタフェース用コネクタ45が形成さてれもよい。この場合、右側壁4bには、コネクタを外部に臨ませるコネクタ用開口部が形成される。
【0139】
なお、背面壁4cにコネクタ用開口部を形成し、インタフェース用コネクタ45を背面壁4c側に配設する場合には、図12に示すように、インタフェース用コネクタ45と回路基板40の回路とをフレキシブル配線板46によって接続するとともに、当該フレキシブル配線板46をベースシャーシ27の下部に配設するようにする。
【0140】
また回路基板40が前面4a側に配設されることから、上述したガイドプレート55及びガイドレバー53は、回路基板40上に重畳して設けられる。この場合にも、ガイドプレート55やガイドレバー53は平板状に形成されているため、筐体3の薄型化を阻害することはない。またガイドレバー53は、回路基板40上に配設されていることから、ローディングレバー51やイジェクトレバー52のように回動されることなく、左右方向にスライド自在とされている。
【0141】
また回路基板40は、ボトムケース4の底面4dにおいて、左側壁4e側には配設されず、左側壁4e側には、ローディングレバー51、イジェクトレバー52及びスライダー54が配設されている。
【0142】
なお、ベース昇降機構140は、スライダー54に昇降カム141及びレバーガイドカム150を形成し、ベースシャーシ27の第1のカムピン30及び昇降レバー142の係合ピン151をガイドする構成としたが、反対に、スライダー54に第1のカムピン30に相当するカムピンや係合ピン151に相当する係合ピンを突設し、ベースシャーシ27にカムピンをガイドする昇降カム141に相当するカム溝を形成し、昇降レバー142に係合ピンをガイドするレバーガイドカム150に相当するカム溝を形成してもよい。かかる構成によっても、スライダー54が矢印d方向又はd方向へスライドされることにより、ベースシャーシ27を昇降操作することができる。
【0143】
次いで、以上のように構成されるディスクドライブ装置1の光ディスク2の挿排出工程について説明する。先ず、大径ディスク2Aの挿入工程について説明する。ディスクドライブ装置1は、光ディスク2の挿入待機状態においては、スライダー54がボトムケース4の前面4a側にスライドされている。
【0144】
このとき、ローディングレバー51は、図13に示すように、第1のガイドピン66がスライダー54のカム溝120に係止されることにより、コイルバネ63の付勢力に対抗して矢印a方向へ回動され、当接部64がディスク挿脱口19近傍に位置されている。また、イジェクトレバー52は、コイルバネ73に付勢されることにより矢印b方向へ回動されるとともに、第1のガイドピン76がスライダー54に形成されたカム溝121に係止されている。さらに、ガイドレバー53は、コイルバネ90に付勢されることにより矢印c方向へスライドされ、回動ガイド部89にガイドピン102が挿通されている。
【0145】
ローディングレバー51及びイジェクトレバー52が挿入待機位置に回動されているとき、ローディングレバー51に押圧操作される第1のスイッチSW1は開放されており、イジェクトレバー52に押圧操作される第2のスイッチSW2はイジェクトレバー52に当接されることにより閉じられている(SW1:開、SW2:閉)。またスライダー54が前面4a側にスライドされているとき、回路基板40に実装されている第3〜第5のスイッチSW3〜SW5は、最も前面4a側に位置する第3のスイッチSW3のみが閉じられ、他は開放されている。
【0146】
図14に示すように、ユーザにより大径ディスク2Aがディスク挿脱口19より挿入されると、ローディングレバー51は、当接部64がディスク外周に押圧されて、コイルバネ63の付勢力に対抗しながら矢印a方向へ回動される。またガイドレバー53は、ガイドレール53bがディスク外周に押圧されて、背面壁4c側へ揺動し、ガイドピン102と回動ガイド部89との係合が解除されると共に、コイルバネ90の付勢力に対抗しながら矢印c方向へスライドされる。これによりガイドレバー53は、横断カム部88をスライダー54に形成されたガイド凸部130が第2のスライドカム部87側から第1のスライドカム部86側へ移動していく。
【0147】
ローディングレバー51は、大径ディスク2Aが挿入され矢印a方向へ回動されることにより、第1のスイッチSW1を押圧して開→閉へスイッチさせる(SW1:閉、SW2:閉)。また、ローディングレバー51は、矢印a方向へ回動されることにより、第1のガイドピン66が、ガイド溝120から先行カム部116a側に回動されていく。
【0148】
さらに大径ディスク2Aが挿入されていくと、イジェクトレバー52の当接部74に大径ディスク2Aの外周が押されて、イジェクトレバー52が矢印b方向へ回動される。これにより、図15に示すように、イジェクトレバー52は、第2のスイッチSW2の押圧状態を解いて、閉→開へスイッチさせる(SW1:閉、SW2:開)。
【0149】
さらに大径ディスク2Aが挿入されていくと、図16に示すように、大径ディスク2Aの中心孔2aが当接部64を通過した後、ローディングレバー51は、コイルバネ63の付勢力によって矢印b方向へ回動されていき、第1のスイッチSW1の押圧状態を解いて、閉→開へスイッチさせる(SW1:開、SW2:開)。これにより第1、第2のスイッチSW1、SW2がとも開状態となるため、駆動モータ56が起動し、スライダー54のd方向へのスライドが開始される。
【0150】
この状態でスライダー54がd方向にスライドされることにより、図17に示すように、ローディングレバー51は、第1のガイドピン66が第1のローディングカム116の先行カム部116aにガイドされ、矢印a方向へ回動される。これによりローディングレバー51は、当接部64が大径ディスク2Aの中心孔2aよりも挿入方向後方部を押圧するため、スライダー54のスライドに応じて、大径ディスク2Aを筐体3内に引き込んでいく。また、イジェクトレバー52は、大径ディスク2Aに押圧されてさらに矢印b方向へ回動されることにより、第1のガイドピン76がイジェクトガイド溝115の第1のイジェクトカム118側へ回動される。
【0151】
また、スライダー54がd方向にスライドされることにより、図17に示すように、ガイドレバー53は、スライダー54に形成されたガイド凸部130が第1のスライドカム部86をスライドするため、この第1のスライドカム部86の形状に応じてスライドする。
【0152】
スライダー54のd方向へのスライドが進むと、図18に示すように、ローディングレバー51は、第1のガイドピン66と先行カム部116aとの摺動が終了するとともに、第2のガイドピン67が第1のローディングカム116の後行カム部116bにガイドされる。そして、ローディングレバー51は、第2のガイドピン67が後行カム部116bの引き込み部123に摺動されることにより、矢印a方向へ回動され、大径ディスク2Aを中心孔2aがほぼディスク装着部23上に位置するセンタリング位置まで引き込んだ後、図19に示すように、回動規制部124にガイドされて回動が規制される。
【0153】
このとき、イジェクトレバー52は、第1のガイドピン76が第1のイジェクトカム118の回動規制部127にガイドされて回動が規制され、またガイドレバー53は、スライダー54のガイド凸部130が第1のスライドカム部86のガイド部86aにガイドされてスライドが規制されている。このようにディスク搬送機構50は、大径ディスク2Aの中心孔2aがディスク装着部23上に位置するセンタリング位置まで引き込んだ状態で、ローディングレバー51及びイジェクトレバー52の回動、並びにガイドレバー53のスライドが規制され、大径ディスク2Aの位置決めを図る。
【0154】
大径ディスク2Aがセンタリング位置に位置決めされた状態で、さらにスライダー54がd方向へスライドされると、図20に示すように、それまで昇降カム140の下降部145に摺動されていた第1のカムピン30が上昇部146にガイドされ、またレバーガイドカム150の切り欠き部152に位置していた係合ピン151が下降部153にガイドされ、それぞれ頂部に位置される。
【0155】
これにより、ベースシャーシ27は、第1のカムピン30及び昇降レバー142に設けられた第2のカムピンと嵌合されている嵌合凹部38が上昇されるため、チャッキング解除位置からチャッキング位置へ上昇される。チャッキング位置では、ターンテーブル23aとトップカバー5の当接突部8とによって大径ディスク2Aが挟持されることにより、大径ディスク2Aの中心孔2aにターンテーブル23aが圧入され、大径ディスク2Aがチャッキングされる。
【0156】
このとき、ベースシャーシ27は、昇降の支点となる回動支持ピン28,29を結ぶ線が、大径ディスク2Aの投影面外に位置するように形成し、一端側がチャッキング解除位置に下降されたときに、回動支持ピン28,29を境とした他端側が大径ディスク2Aの搬送領域上に上昇することがない。したがって、大径ディスク2Aは、搬送領域に障害物がないため、スムーズなローディングを行うことができる。またベースシャーシ27は、回動支点となる回動支持ピン28,29をできるだけ一端側に近接させることで、力点となるスライダー54と支点となる回動支持ピン28,29とが近接され、昇降に要する負荷を軽減することができる。
【0157】
その後、さらにスライダー54が矢印d方向へスライドされると、第1のカムピン30及び昇降レバー142の係合ピン151がそれぞれ中間部147,154に支持され、ベースシャーシ27が大径ディスク2Aの記録再生位置に下降される。
【0158】
さらにスライダー54が矢印d方向にスライドされると、図21に示すように、ローディングレバー51は、第2のガイドピン67が傾斜部126を経てリリース部125にガイドされるため、センタリング位置からさらに矢印a方向へ回動されて当接部64が大径ディスク2Aの外周から離間される。また、イジェクトレバー52は、第1のガイドピン76が傾斜部129を経てリリース部128にガイドされるため、センタリング位置からさらに矢印b方向へ回動されて当接部74が大径ディスク2Aの外周部から離間される。さらに、ガイドレバー53は、スライダー54のガイド凸部130が傾斜部86bを経てリリース部86cへスライドするため、センタリング位置からさらに矢印c方向へスライドされてガイドレール53bが大径ディスク2Aの外周部から離間される。
【0159】
大径ディスク2Aが各レバーからリリースされる位置までスライダー54がスライドされると、第5のスイッチSW5がスライダー54に閉じられ、駆動モータ56が停止される。その後、ディスクドライブ装置1は、大径ディスク2Aに対する情報信号の記録又は再生が行われる。
【0160】
次いで、このディスク搬送機構50による大径ディスク2Aの排出工程について説明する。大径ディスク2Aは、挿入工程と逆の工程を経ることにより排出されることとなる。大径ディスク2Aが筐体3内に搬送された状態において、スライダー54は、ボトムケース4の背面壁4c側にスライドされ、停止されている。
【0161】
大径ディスク2Aに対する情報信号の記録あるいは再生動作が終了し、ディスクの排出が指示されると、駆動モータ56が逆転駆動され、スライダー54がボトムケース4の背面壁4cから前面4a側へ、矢印d方向へスライドされる。
【0162】
スライダー54が矢印d方向へスライドされると、イジェクトレバー52は、第1のガイドピン76が第1のイジェクトカム118をリリース部128から回動規制部127を通過しすることにより、当接部74が大径ディスク2Aの外周部を支持するとともに、矢印b方向への回動が可能となる。また、ローディングレバー51は、第2のガイドピン67が後行カム部116bをリリース部125から回動規制部124を経て引き込み部123に至ることにより、当設部64が大径ディスク2Aの外周部を支持するとともに、矢印a方向への回動が可能となる。さらにガイドレバー53は、スライダー54のガイド凸部130が第1のスライドカム部86をリリース部86cからガイド部86aを経て横断カム部88に移動することにより、ガイドレール53bが大径ディスク2Aの外周部を支持するとともに、大径ディスク2Aの排出に付随して、コイルバネ90の付勢力によって矢印c方向へのスライドが可能となる。
【0163】
また図19に示すように、各レバーが大径ディスク2Aの外周部を支持するタイミングで、スライダー54が矢印d方向へスライドされることにより、第1のカムピン30が昇降カム141の中間部147から上昇部146を経て下降部145にガイドされ、また係合ピン151がレバーガイドカム150の中間部154から下降部153を経て切り欠き部152にガイドされる。これによりベースシャーシ27は、記録再生位置からチャッキング解除位置へ下降されるため、ターンテーブル23aにチャッキングされていた大径ディスク2Aがボトムケース4の底面4dより立設されているチャッキング解除ピン39によって突き上げられ、ターンテーブル23aとの係合が解除されて排出可能となる。またベースシャーシ27は、ターンテーブル23aが形成された一端側がチャッキング解除位置まで下降することにより、ディスクの搬送領域から退避されるため、ディスク排出の障害とはならない。
【0164】
大径ディスク2Aとターンテーブル23aとの係合が解除された後、第1のガイドピン76が回動規制部127を通過することにより、イジェクトレバー52は、コイルバネ73の付勢力によって矢印b方向へ回動付勢されるため、大径ディスク2Aを外部へ押し出していく。そして、イジェクトレバー52は、スライダー54の前面4a側へのスライドが停止すると、第1のガイドピン76がカム溝121に係止され、矢印b方向への回動が規制される。
【0165】
また、ローディングレバー51は、第2のガイドピン67が後行カム部116bにガイドされ、また第1のガイドピン66が先行カム部116aにガイドされることにより、スライダー54のスライドに応じて矢印a方向へ回動される。したがって、大径ディスク2Aは、スライダー54のスライドに応じてローディングレバー51が矢印a方向へ回動されるにしたがって、イジェクトレバー52の付勢力によって排出されていく。このとき、ローディングレバー51は、大径ディスク2Aを引き込む矢印a方向へ付勢されていることから、イジェクトレバー52に押圧されている大径ディスク2Aの排出方向の前面側を支持しながら矢印a方向へ回動される。したがって、大径ディスク2Aは、イジェクトレバー52によって押し出されると共に、ローディングレバー51によって排出方向の前面側を支持されることとなるため、ディスク挿脱口19からの急な飛び出しが防止されている。
【0166】
スライダー54の前面4a側へのスライドが停止すると、第1のガイドピン66の先行カム部116aによるガイドが終わるため、ローディングレバー51は、矢印a方向及びa方向へ回動可能となる。このとき、ローディングレバー51は、コイルバネ63の付勢力によって矢印a方向へ回動付勢されているが、コイルバネ63の付勢力よりコイルバネ73の付勢力が勝るため、イジェクトレバー52に押圧された大径ディスク2Aとともに排出方向となるa方向へ回動される。その後、ローディングレバー51は、当接部64を大径ディスク2Aの中心孔2aが通過すると、当接部64が大径ディスク2Aの排出方向背面側と当接するため、矢印a方向へ回動付勢されることにより大径ディスク2Aを排出方向へ押圧する。
【0167】
同様に、ガイドレバー53は、スライダー54のガイド凸部130が第1のスライドカム部86にガイドされるため、コイルバネ90の付勢力による矢印c方向へのスライドが規制されている。したがってガイドレバー53は、ガイドレール53bによる引き込み方向あるいは排出方向への付勢力を大径ディスク2Aに作用させない。
【0168】
そして、スライダー54の前面4a側へのスライドが停止すると、ガイド凸部130が第1のスライドカム部86より横断カム部88に移動されるため、ガイドレバー53は、矢印c方向及びc方向へ回動可能となる。このとき、ガイドレバー53は、コイルバネ90の付勢力によってc方向へ回動付勢されるとともに、ガイドレール53bの引き込みガイド部94が大径ディスク2Aと当接されているため、大径ディスク2Aを筐体3内へ引き込む方向に付勢しているが、コイルバネ90の付勢力よりコイルバネ73の付勢力が勝るため、イジェクトレバー52に押圧された大径ディスク2Aによって矢印c方向へスライドされる。その後、ガイドレバー53は、ガイドレール53bの排出ガイド部95が大径ディスク2Aの排出方向背面側と当接されると、矢印c方向へ付勢されることにより大径ディスク2Aを排出方向へ押圧する。
【0169】
このように、図22に示すように、大径ディスク2Aは、イジェクトレバー52の第1のガイドピン76がスライダー54のカム溝121に係止されb方向への回動が停止された後は、ローディングレバー51及びガイドレバー53に押圧されることにより、中心孔2aがディスク挿脱口19より臨まされる排出位置まで押し出され、筐体3からの取り出しが容易となる。ローディングレバー51は、第1のガイドピン66がスライダー54のカム溝120に係止されることにより矢印b方向への回動が停止される。またガイドレバー53は、ガイドピン102が第1のガイド溝84の回動ガイド部89及び、第2のガイド溝84の右端部に当接することによりスライドが停止される。
【0170】
なお、スライダー54は、前面4a側までスライドされると、第3のスイッチSW3を押圧し、これによりスライダー54が初期位置までスライドされたことが検出され、駆動モータ56によるスライドが停止される。
【0171】
次いで、小径ディスク2Bの挿入工程について説明する。図23に示すように、ディスクドライブ装置1は、小径ディスク2Bの挿入待機状態においても、上記大径ディスク2Aの挿入待機状態と同様に、スライダー54がボトムケース4の前面4a側にスライドされ、またローディングレバー51、イジェクトレバー52及びガイドレバー53が所定位置に保持され、また第1のスイッチSW1は開放、第2のスイッチSW2は閉じられている(SW1:開、SW2:閉)。
【0172】
図24に示すように、ユーザにより小径ディスク2Bがディスク挿脱口19より挿入されると、ローディングレバー51は、当接部64がディスク外周に押圧されて、コイルバネ63の付勢力に対抗しながら矢印a方向へ回動されるが、大径ディスク2Aの場合と異なり、最もa方向へ回動されたときにも第1のスイッチSW1を押圧することがない。また、ガイドレバー53は、ガイドレール53bがディスク外周に押圧されて、背面壁4c側へ揺動し、ガイドピン102と回動ガイド部89との係合が解除されるが、矢印c方向へはほとんどスライドされることがない。したがって、ガイドレバー53は、スライダー54に形成されたガイド凸部130は、ほぼ第2のスライドカム部87側近傍に位置されている。
【0173】
さらに小径ディスク2Bが挿入されると、ローディングレバー51は、第1のガイドピン66が、ガイド溝120から第2のローディングカム117の先行カム部117a側に回動されていく。また、小径ディスク2Bが挿入されイジェクトレバー52が矢印b方向へ回動されると、図25に示すように、第2のスイッチSW2が開放され、閉→開へスイッチされる(SW1:開、SW2:開)。これにより第1、第2のスイッチSW1、SW2がともに開状態となるため、駆動モータ56が起動し、スライダー54のd方向へのスライドが開始される。
【0174】
この状態でスライダー54がd方向にスライドされることにより、図26に示すように、ローディングレバー51は、第1のガイドピン66が第2のローディングカム117の先行カム部117aにガイドされ、矢印a方向へ回動される。これによりローディングレバー51は、当接部64が小径ディスク2Bの中心孔2aよりも挿入方向後方部を押圧するため、スライダー54のスライドに応じて、小径ディスク2Bを筐体3内に引き込んでいく。また、イジェクトレバー52は、小径ディスク2Bに押圧されてさらに矢印b方向へ回動されることにより、第1のガイドピン76がイジェクトガイド溝115の第2のイジェクトカム119側へ回動される。
【0175】
また、スライダー54がd方向にスライドされることにより、図26に示すように、ガイドレバー53は、スライダー54に形成されたガイド凸部130が第2のスライドカム部87をスライドするため、この第2のスライドカム部87の形状に応じてスライドする。
【0176】
スライダー54のd方向へのスライドが進むと、図27に示すように、ローディングレバー51は、第1のガイドピン66と先行カム部117aとの摺動が終了するとともに、第2のガイドピン67が第2のローディングカム117の後行カム部117bにガイドされる。そして、ローディングレバー51は、第2のガイドピン67が後行カム部117bの引き込み部123に摺動されることにより、矢印a方向へ回動され、小径ディスク2Bを中心孔2aがほぼディスク装着部23上に位置するセンタリング位置まで引き込んだ後、図28に示すように、回動規制部124にガイドされて回動が規制される。
【0177】
このとき、イジェクトレバー52は、第1のガイドピン76が第2のイジェクトカム119の回動規制部127にガイドされて回動が規制され、またガイドレバー53は、スライダー54のガイド凸部130が第2のスライドカム部87のガイド部87aにガイドされてスライドが規制されている。このようにディスク搬送機構50は、小径ディスク2Bの中心孔2aがディスク装着部23上に位置するセンタリング位置まで引き込んだ状態で、ローディングレバー51及びイジェクトレバー52の回動、並びにガイドレバー53のスライドが規制され、小径ディスク2Bの位置決めを図る。
【0178】
小径ディスク2Bがセンタリング位置に位置決めされた状態で、さらにスライダー54がd方向へスライドされると、図29に示すように、それまで昇降カム140の下降部145に摺動されていた第1のカムピン30が上昇部146にガイドされ、またレバーガイドカム150の切り欠き部152に位置していた係合ピン151が下降部153にガイドされ、それぞれ頂部に位置される。
【0179】
これにより、ベースシャーシ27は、第1のカムピン30及び昇降レバー142に設けられた第2のカムピンと嵌合されている嵌合凹部38が上昇されるため、チャッキング解除位置からチャッキング位置へ上昇される。チャッキング位置では、ターンテーブル23aとトップカバー5の当接突部8とによって小径ディスク2Bが挟持されることにより、小径ディスク2Bの中心孔2aにターンテーブル23aが圧入され、小径ディスク2Bがチャッキングされる。
【0180】
このとき、ベースシャーシ27は、昇降の支点となる回動支持ピン28,29を結ぶ線が、小径ディスク2Bの投影面外に位置するように形成し、一端側がチャッキング解除位置に下降されたときに、回動支持ピン28,29を境とした他端側が小径ディスク2Bの搬送領域上に上昇することがない。したがって、小径ディスク2Bは、搬送領域に障害物がないため、スムーズなローディングを行うことができる。またベースシャーシ27は、回動支点となる回動支持ピン28,29をできるだけ一端側に近接させることで、力点となるスライダー54と支点となる回動支持ピン28,29とが近接され、昇降に要する負荷を軽減することができる。
【0181】
その後、さらにスライダー54が矢印d方向へスライドされると、第1のカムピン30及び昇降レバー142の係合ピン151がそれぞれ中間部147,154に支持され、ベースシャーシ27が小径ディスク2Bの記録再生位置に下降される。
【0182】
さらにスライダー54が矢印d方向にスライドされると、図30に示すように、ローディングレバー51は、第2のガイドピン67が傾斜部126を経てリリース部125にガイドされるため、センタリング位置からさらに矢印a方向へ回動されて当接部64が小径ディスク2Bの外周から離間される。また、イジェクトレバー52は、第1のガイドピン76が傾斜部129を経てリリース部128にガイドされるため、センタリング位置からさらに矢印b方向へ回動されて当接部74が小径ディスク2Bの外周部から離間される。さらに、ガイドレバー53は、スライダー54のガイド凸部130が傾斜部87bを経てリリース部87cへスライドするため、センタリング位置からさらに矢印c方向へスライドされてガイドレール53bが小径ディスク2Bの外周部から離間される。
【0183】
小径ディスク2Bが各レバーからリリースされる位置までスライダー54がスライドされると、第5のスイッチSW5がスライダー54に閉じられ、駆動モータ56が停止される。その後、ディスクドライブ装置1は、小径ディスク2Bに対する情報信号の記録又は再生が行われる。
【0184】
次いで、このディスク搬送機構50による小径ディスク2Bの排出工程について説明する。小径ディスク2Bは、挿入工程とほぼ逆工程を経ることにより排出されることとなる。小径ディスク2Bが筐体3内に搬送された状態において、スライダー54は、ボトムケース4の背面壁4c側にスライドされ、停止されている。
【0185】
小径ディスク2Bに対する情報信号の記録あるいは再生動作が終了し、ディスクの排出が指示されると、駆動モータ56が逆転駆動され、スライダー54がボトムケース4の背面壁4cから前面4a側へ、矢印d方向へスライドされる。
【0186】
スライダー54が矢印d方向へスライドされると、イジェクトレバー52は、第1のガイドピン76が第2のイジェクトカム119をリリース部128から回動規制部127を通過することにより、当接部74が小径ディスク2Bの外周部を支持するとともに、矢印b方向への回動が可能となる。また、ローディングレバー51は、第2のガイドピン67が後行カム部117bをリリース部125から回動規制部124を経て引き込み部123に至ることにより、当設部64が小径ディスク2Bの外周部を支持するとともに、矢印a方向への回動が可能となる。さらにガイドレバー53は、スライダー54のガイド凸部130が第2のスライドカム部87をリリース部87cからガイド部87aを経て横断カム部88に移動することにより、ガイドレール53bが小径ディスク2Bの外周部を支持するとともに、小径ディスク2Bの排出に付随して、コイルバネ90の付勢力によって矢印c方向へのスライドが可能となる。
【0187】
また図28に示すように、各レバーが小径ディスク2Bの外周部を支持するタイミングで、スライダー54が矢印d方向へスライドされることにより、第1のカムピン30が昇降カム141の中間部147から上昇部146を経て下降部145にガイドされ、また係合ピン151がレバーガイドカム150の中間部154から下降部153を経て切り欠き部152にガイドされる。これによりベースシャーシ27は、記録再生位置からチャッキング解除位置へ下降されるため、ターンテーブル23aにチャッキングされていた小径ディスク2Bがボトムケース4の底面4dより立設されているチャッキング解除ピン39によって突き上げられ、ターンテーブル23aとの係合が解除されて排出可能となる。またベースシャーシ27は、ターンテーブル23aが形成された一端側がチャッキング解除位置まで下降することにより、ディスクの搬送領域から退避されるため、ディスク排出の障害とはならない。
【0188】
小径ディスク2Bとターンテーブル23aとの係合が解除された後、第1のガイドピン76が回動規制部127を通過することにより、イジェクトレバー52は、コイルバネ73の付勢力によって矢印b方向へ回動付勢されるため、小径ディスク2Bを外部へ押し出していく。そして、イジェクトレバー52は、スライダー54の前面4a側へのスライドが停止すると、第1のガイドピン76がカム溝121に係止され、矢印b方向への回動が規制される。
【0189】
また、ローディングレバー51は、第2のガイドピン67が後行カム部117bにガイドされ、また第1のガイドピン66が先行カム部117aにガイドされることにより、スライダー54のスライドに応じて矢印a方向へ回動される。したがって、小径ディスク2Bは、スライダー54のスライドに応じてローディングレバー51が矢印a方向へ回動されるにしたがって、イジェクトレバー52の付勢力によって排出されていく。このとき、ローディングレバー51は、小径ディスク2Bを引き込む矢印a方向へ付勢されていることから、イジェクトレバー52に押圧されている小径ディスク2Bの排出方向の前面側を支持しながら矢印a方向へ回動される。したがって、小径ディスク2Bは、イジェクトレバー52によって押し出されると共に、ローディングレバー51によって排出方向の前面側を支持されることとなるため、ディスク挿脱口19からの急な飛び出しが防止されている。
【0190】
ローディングレバー51は、スライダー54の前面4a側へのスライドが停止されるまでに、第1のガイドピン66の先行カム部117aによるガイドが終わるため、矢印a方向及びa方向へ回動可能となる。このとき、ローディングレバー51は、コイルバネ63の付勢力によって矢印a方向へ回動付勢されているが、図31に示すように、当接部64が小径ディスク2Bの中心孔2aを通過するまでの間は、押圧片68が、ガイドレバー53に形成された押圧突部91に矢印c方向へ押圧されることにより、矢印b方向への回動が規制されている。したがって、小径ディスク2Bは、ローディングレバー51の当接部64によって排出方向前面側を引き込み方向へ付勢されることが防止され、ガイドレバー53の付勢力によって排出される。
【0191】
その後、ローディングレバー51は、当接部64を小径ディスク2Bの中心孔2aが通過すると、図32に示すように、押圧片68と、ガイドレバー53の押圧突部91との当接が解除され矢印a方向へ回動可能とされるとともに、当接部64が小径ディスク2Bの排出方向背面側と当接する。これによりローディングレバー51は、矢印a方向へ回動付勢されることにより小径ディスク2Bを排出方向へ押圧する。
【0192】
同様に、ガイドレバー53は、スライダー54のガイド凸部130が第2のスライドカム部87にガイドされるため、コイルバネ90の付勢力による矢印c方向へのスライドが規制されている。したがってガイドレバー53は、ガイドレール53bによる引き込み方向あるいは排出方向への付勢力を小径ディスク2Bに作用させない。
【0193】
そして、スライダー54の前面4a側へのスライドが停止されるまでに、ガイド凸部130が第2のスライドカム部87より横断カム部88に移動されるため、ガイドレバー53は、矢印c方向及びc方向へ回動可能となる。このとき、ガイドレバー53は、コイルバネ90の付勢力によってc方向へ回動付勢されるとともに、ガイドレール53bの引き込みガイド部94が小径ディスク2Bと当接されているため、小径ディスク2Bを筐体3内へ引き込む方向に付勢しているが、コイルバネ90の付勢力よりコイルバネ73の付勢力が勝るため、イジェクトレバー52に押圧された小径ディスク2Bによって矢印c方向へスライドされる。その後、ガイドレバー53は、ガイドレール53bの排出ガイド部95が小径ディスク2Bの排出方向背面側と当接されると、矢印c方向へ付勢されることにより小径ディスク2Bを排出方向へ押圧する。
【0194】
このとき、図33に示すように、ガイドレバー53は、ガイドピン102が回動ガイド部89に挿通されることにより、第2のガイド溝84に挿通されているガイドピン102を支点に、前面4a側に若干回動するため、排出ガイド部95によって小径ディスク2Bを前面4a側に押し出す。これにより、ガイドレバー53は、小径ディスク2Bを、中心孔2aがディスク挿脱口19から外方に臨まされる排出位置まで押し出すことができる。
【0195】
このように、小径ディスク2Bは、イジェクトレバー52の第1のガイドピン76がスライダー54のカム溝121に係止されb方向への回動が停止された後は、ローディングレバー51及びガイドレバー53に押圧されることにより、中心孔2aがディスク挿脱口19より臨まされる排出位置まで押し出され、筐体3からの取り出しが容易となる。ローディングレバー51は、第1のガイドピン66がスライダー54のカム溝120に係止されることにより矢印b方向への回動が停止される。またガイドレバー53は、ガイドピン102が第1のガイド溝84の回動ガイド部89及び、第2のガイド溝84の右端部に当接することによりスライドが停止される。
【0196】
なお、スライダー54は、前面4a側までスライドされると、第3のスイッチSW3を押圧し、これによりスライダー54が初期位置までスライドされたことが検出され、駆動モータ56によるスライドが停止される。
【0197】
以上のように、ディスクドライブ装置1は、スライダー54に、大径ディスク2Aが挿入された場合にローディングレバー51をガイドする第1のローディングカム116及び小径ディスク2Bが挿入された場合にローディングレバー51をガイドする第2のローディングカム117を有するローディングガイド溝114を形成し、また大径ディスク2Aが挿入された場合にイジェクトレバー52をガイドする第1のイジェクトカム118及び小径ディスク2Bが挿入された場合にイジェクトレバー52をガイドする第2のイジェクトカム119を有するイジェクトガイド溝115を形成している。また大径ディスク2Aが挿入された場合と小径ディスク2Bが挿入された場合とで、ローディングレバー51及びイジェクトレバー52の回動位置に対する駆動モータ56の起動タイミングが変えられ、別々のカムにガイドされる。これにより、ディスクドライブ装置1は、スライダー54が前面4a側から背面壁4c側にスライドされると、大小いずれのディスクが挿入された場合にも、筐体3内に引き込み、センタリング位置まで搬送してターンテーブル23aにチャッキングさせることができる。また、ディスクドライブ装置1は、スライダー54が背面壁4cから前面4a側にスライドされると、大小いずれのディスクが挿入されている場合にも、筐体3内より押し出し、ディスク挿脱口19から取り出せる所定位置まで排出することができる。
【0198】
次いで、小径ディスク2Bがボトムケース4の右側壁4b側あるいは左側壁4e側に偏倚して挿入された場合において、ディスク搬送機構50を駆動させる工程について説明する。上述したように、ディスク搬送機構50は、光ディスク2がディスク挿脱口19から挿入され、ローディングレバー51及びイジェクトレバー52が回動されることにより、第1、第2のスイッチSW1,SW2がそれぞれ開状態とされると駆動モータ56が駆動されてスライダー54による引き込み動作が開始する。
【0199】
ディスク搬送機構50は、大径ディスク2Aが挿入された場合には、ディスク挿脱口19の幅いっぱいに亘って挿入されることから、ローディングレバー51及びイジェクトレバー52が十分に回動され、第1、第2のスイッチSW1,SW2が確実に開状態とされる。しかし、ディスク搬送機構50は、小径ディスク2Bが挿入された場合には、筐体3内の左右何れかに偏倚して挿入されると、ローディングレバー51あるいはイジェクトレバー52の回動量が不足あるいは過剰に回動され、第1、第2のスイッチSW1,SW2が共に開状態とならずに引き込み動作を開始することができないおそれがある。またディスク搬送機構50は、引き込み動作が開始できない状態で筐体3内にディスク全体が挿入されると、引き込み動作が行われないまま小径ディスク2Bが筐体3内に取り残されてしまうおそれがある。
【0200】
そこで、ディスク搬送機構50は、小径ディスク2Bが筐体3内の左右何れかに偏倚して挿入された場合にも、第1、第2のスイッチSW1,SW2が確実に開状態とされるように、小径ディスク2Bの挿入方向を規制する。
【0201】
先ず、小径ディスク2Bが右側壁4b側に偏倚して挿入された場合について説明する。図23に示すように、光ディスク2の挿入待機状態においては、駆動モータ56の起動タイミングを検出する第1、第2のスイッチSW1,SW2は、第1のスイッチSW1は開、第2のスイッチSW2は閉とされている(SW1:開、SW2:閉)。そして、小径ディスク2Bは、ディスク挿脱口19より挿入されると、ガイドレバー53のガイドレール53bに形成された排出ガイド部95に外周部が支持される。
【0202】
なお小径ディスク2Bは、ディスク挿脱口19の右端に偏倚して挿入されると、ディスク外周がガイドレール53bに当接されるため、筐体3内へ押し込むことができない。したがって小径ディスク2Bは、ディスク挿脱口19より筐体3内へ挿入されると、必ずガイドレール53bに外周部が支持される。
【0203】
その後、小径ディスク2Bが右側壁4b側へ押し込まれると、図34に示すように、ガイドレバー53は、矢印c方向へスライドされ、規制片92がローディングレバー51の第2のガイドピン67に当接される。ローディングレバー51は、第1のガイドピン66がスライダー54のカム溝120に係止されることにより矢印a方向への回動が規制されている。したがってガイドレバー53は、規制片92が第2のガイドピン67に当接されることにより矢印c方向へのスライドが規制される。
【0204】
これにより、小径ディスク2Bは、右側壁4b側へ押し込むことができず、ガイドレール53bの排出ガイド部95にガイドされて左側壁4e側へ移動されていく。その後、小径ディスク2Bは、さらに筐体3内へ挿入されることにより、図35に示すように、イジェクトレバー52を矢印b方向へ回動させ、第2のスイッチSW2を閉→開へスイッチさせる(SW1:開、SW2:開)。ディスク搬送機構50は、第1、第2のスイッチSW1、SW2がともに開状態となるため、駆動モータ56が起動し、スライダー54のd方向へのスライドが開始される。
【0205】
次いで、小径ディスク2Bが左側壁4e側に偏倚して挿入された場合について説明する。図23に示すように、光ディスク2の挿入待機状態において、第1のスイッチSW1は開、第2のスイッチSW2は閉とされている(SW1:開、SW2:閉)。そして、小径ディスク2Bは、ディスク挿脱口19より挿入されると、ローディングレバー51の当接部64に外周部が支持される。なお小径ディスク2Bは、ディスク挿脱口19の左端に偏倚して挿入されると、ディスク外周がローディングレバー51の当接部64に当接され、またローディングレバー51は第2のガイドピン67がカム溝120に係合されることにより矢印a方向への回動が規制されているため、筐体3内へ押し込むことができない。したがって小径ディスク2Bは、ディスク挿脱口19に挿入されると、必ずローディングレバー51の当接部64に外周部が支持される。
【0206】
その後、小径ディスク2Bが左側壁4e側へ押し込まれると、図36に示すように、ローディングレバー51が矢印a方向へ回動され、第2のガイドピン67がガイドレバー53の規制片92に係止される。ガイドレバー53は、ガイドピン102,102が、第1のガイド溝83の右端及び第2のガイド溝84の回動ガイド部89にそれぞれ係止されることにより矢印c方向へのスライドが規制されている。したがってローディングレバー51は、第2のガイドピン67が規制片92に係止されることにより矢印a方向への回動が規制される。
【0207】
このとき、ローディングレバー51は、第1のスイッチSW1を押圧する位置までは回動されていない。そしてローディングレバー51の回動が規制されることにより、小径ディスク2Bは、左側壁4e側へ押し込むことができず、右側壁4b側へ移動されていく。その後、小径ディスク2Bは、さらに筐体3内へ挿入されることにより、図37に示すように、イジェクトレバー52を矢印b方向へ回動させ、第2のスイッチSW2を閉→開へスイッチさせる(SW1:開、SW2:開)。ディスク搬送機構50は、第1、第2のスイッチSW1、SW2がともに開状態となるため、駆動モータ56が起動し、スライダー54のd方向へのスライドが開始される。
【図面の簡単な説明】
【0208】
【図1】本発明に係るディスクドライブ装置が組み込まれた電子機器を示す斜視図である。
【図2】本発明に係るディスクドライブ装置の筐体を示す斜視図である。
【図3】本発明が適用されたディスクドライブ装置を示す斜視図である。
【図4】本発明が適用されたディスクドライブ装置を示す分解斜視図である。
【図5】ベースユニットを示す平面図である。
【図6】ローディングレバーを示す斜視図である。
【図7】イジェクトレバーを示す斜視図である。
【図8】ガイドレバーを示す斜視図である。
【図9】ガイドプレートを示す斜視図である。
【図10】スライダを示す斜視図である。
【図11】ベース昇降機構を示す側面図である。
【図12】インタフェース用コネクタを備えたディスクドライブ装置を示す平面図である。
【図13】ディスク挿入待機状態において大径ディスクが挿入された状態を示す平面図及び側面図である。
【図14】ローディングレバーが大径ディスクに押圧されて第1のスイッチが押圧された状態を示す平面図及び側面図である。
【図15】イジェクトレバーが大径ディスクに押圧されて第2のスイッチが開放された状態を示す平面図及び側面図である。
【図16】ローディングレバーが回動されて第1のスイッチが開放され、スライダーのスライドが開始された状態を示す平面図及び側面図である。
【図17】ローディングレバーの第1のガイドピンが先行カム部にガイドされている状態を示す平面図及び側面図である。
【図18】ローディングレバーの第2のガイドピンが後行カム部にガイドされている状態を示す平面図及び側面図である。
【図19】大径ディスクがセンタリング位置まで搬送された状態を示す平面図及び側面図である。
【図20】ベースシャーシが上昇されて大径ディスクがターンテーブルにチャッキングされている状態を示す平面図及び側面図である。
【図21】大径ディスクの外周から各レバーがリリースされた状態を示す平面図及び側面図である。
【図22】大径ディスクが排出位置まで搬送された状態を示す平面図及び側面図である。
【図23】ディスク挿入待機状態において小径ディスクが挿入された状態を示す平面図及び側面図である。
【図24】小径ディスクが挿入されてローディングレバーを回動させている状態を示す平面図及び側面図である。
【図25】イジェクトレバーが大径ディスクに押圧されて第2のスイッチが開放され、スライダーのスライドが開始された状態を示す平面図及び側面図である。
【図26】ローディングレバーの第1のガイドピンが先行カム部にガイドされている状態を示す平面図及び側面図である。
【図27】ローディングレバーの第2のガイドピンが後行カム部にガイドされている状態を示す平面図及び側面図である。
【図28】小径ディスクがセンタリング位置まで搬送された状態を示す平面図及び側面図である。
【図29】ベースシャーシが上昇されて小径ディスクがターンテーブルにチャッキングされている状態を示す平面図及び側面図である。
【図30】小径ディスクの外周から各レバーがリリースされた状態を示す平面図及び側面図である。
【図31】ガイドレバーによってローディングレバーの回動が規制されている状態を示す平面図及び側面図である。
【図32】ガイドレバーによる規制が解除され、ローディングレバーが回動自在とされた状態を示す平面図及び側面図である。
【図33】ガイドレバーが前面側に回動されることにより小径ディスクが押し出された状態を示す平面図及び側面図である。
【図34】小径ディスクがガイドレバー側に偏倚して挿入された状態を示す平面図である。
【図35】小径ディスクの挿入方向が規制されることによりイジェクトレバーが回動され、スライダーのスライドが開始された状態を示す平面図である。
【図36】小径ディスクがローディングレバー側に偏倚して挿入された状態を示す平面図である。
【図37】小径ディスクの挿入方向が規制されることによりイジェクトレバーが回動され、スライダーのスライドが開始された状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0209】
1 ディスクドライブ装置、2 光ディスク、2A 大径ディスク、2B 小径ディスク、3 筐体、4 ボトムケース、5 トップカバー、16 支持片、16a 挿通孔、17 支持片、17a 挿通孔、19 ディスク挿脱口、22 ベースユニット、23 ディスク装着部、23a ターンテーブル、25 光ピックアップ、27 ベースシャーシ、28,29 回動支持ピン、30,31 カムピン、40 回路基板、50 ディスク搬送機構、51 ローディングレバー、52 イジェクトレバー、53 ガイドレバー、54 スライダー、55 ガイドプレート、56 駆動モータ、66,67 ガイドピン、76 第1のガイドピン、81 スライドカム溝、83,84 ガイド溝、86,87 スライドカム部、88 横断カム部、89 回動ガイド部、91 押圧突部、92 規制片、94 引き込みガイド部、95 排出ガイド部、114 ローディングガイド溝、115 イジェクトガイド溝、116 第1のローディングカム、117 第2のローディングカム、118 第1のイジェクトカム、119 第2のイジェクトカム、140 ベース昇降機構、141 昇降カム、142 昇降レバー、143 支持壁、151 係合ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の記録媒体及び上記第1の記録媒体と大きさの異なる第2の記録媒体を装置本体の内外に亘って搬送する搬送機構において、
装置本体内に回動自在に支持され、上記第1の記録媒体及び第2の記録媒体を装置本体内に引き込む引き込み部材と、
上記装置本体内に回動自在に支持され、上記第1の記録媒体及び第2の記録媒体を装置本体外へ排出する排出部材と、
上記第1の記録媒体が挿入されたときと、上記第2の記録媒体が挿入されたときとで、上記引き込み部材の回動範囲を変える第1のカム溝と、上記第1の記録媒体が挿入されたときと、上記第2の記録媒体が挿入されたときとで、上記排出部材の回動範囲を変える第2のカム溝とを有し、上記装置本体内を移動することにより、上記引き込み部材及び排出部材を駆動する移動部材と、
上記移動部材を駆動する駆動手段と、
上記第1の記録媒体が挿入されたときと、上記第2の記録媒体が挿入されたときの、上記駆動手段の、各起動タイミングを検出する検出手段とを備える搬送機構。
【請求項2】
上記検出手段の起動タイミングは、上記第1の記録媒体が挿入されたときと、上記第2の記録媒体が挿入されたときとで、上記引き込み部材及び/又は排出部材の回動位置が異なることを特徴とする請求項1記載の搬送機構。
【請求項3】
上記検出手段は、上記引き込み部材及び/又は排出部材の回動領域上に配置されたレバースイッチであることを特徴とする請求項2記載の搬送機構。
【請求項4】
上記第1のカム溝は、複数箇所に分割されて形成されていることを特徴とする請求項1記載の搬送機構。
【請求項5】
第1の記録媒体及び上記第1の記録媒体と大きさの異なる第2の記録媒体が搬送される装置本体と、
上記装置本体内に搬送された第1の記録媒体及び第2の記録媒体を回転自在に保持すると共に、情報の記録及び/又は再生を行う記録再生ユニットと、
装置本体内に回動自在に支持され、上記第1の記録媒体及び第2の記録媒体を装置本体内に引き込む引き込み部材と、
上記装置本体内に回動自在に支持され、上記第1の記録媒体及び第2の記録媒体を装置本体外へ排出する排出部材と、
上記第1の記録媒体が挿入されたときと、上記第2の記録媒体が挿入されたときとで、上記引き込み部材の回動を規制する第1のカム溝と、上記第1の記録媒体が挿入されたときと、上記第2の記録媒体が挿入されたときとで、上記排出部材の回動を規制する第2のカム溝とを有し、上記装置本体内を移動することにより、上記引き込み部材及び排出部材を駆動する移動部材と、
上記移動部材を駆動する駆動手段と、
上記第1の記録媒体が挿入されたときと、上記第2の記録媒体が挿入されたときとで、上記駆動手段の、起動タイミングを検出する検出手段とを備える記録媒体駆動装置。
【請求項6】
記録媒体駆動装置が組み込まれた電子機器において、
上記記録媒体駆動装置は、
第1の記録媒体及び上記第1の記録媒体と大きさの異なる第2の記録媒体が搬送される装置本体と、
上記装置本体内に搬送された第1の記録媒体及び第2の記録媒体を回転自在に保持すると共に、情報の記録及び/又は再生を行う記録再生ユニットと、
装置本体内に回動自在に支持され、上記第1の記録媒体及び第2の記録媒体を装置本体内に引き込む引き込み部材と、
上記装置本体内に回動自在に支持され、上記第1の記録媒体及び第2の記録媒体を装置本体外へ排出する排出部材と、
上記第1の記録媒体が挿入されたときと、上記第2の記録媒体が挿入されたときとで、上記引き込み部材の回動を規制する第1のカム溝と、上記第1の記録媒体が挿入されたときと、上記第2の記録媒体が挿入されたときとで、上記排出部材の回動を規制する第2のカム溝とを有し、上記装置本体内を移動することにより、上記引き込み部材及び排出部材を駆動する移動部材と、
上記移動部材を駆動する駆動手段と、
上記第1の記録媒体が挿入されたときと、上記第2の記録媒体が挿入されたときとで、上記駆動手段の、起動タイミングを検出する検出手段とを備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2008−159092(P2008−159092A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−343243(P2006−343243)
【出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】