搬送装置及び画像記録装置
【課題】シート、及び薄板形状の被記録部材を支持するトレイが搬送される搬送装置において、トレイによってシートを案内する面が傷つけられることなく、双方を経時的に安定して搬送することができる手段を提供する。
【解決手段】プリンタ部11は、湾曲部32及び直線部33を有する第1搬送路23と、直線部33から直線状に延びる第2搬送路24と、第1搬送路23と第2搬送路24との交差位置26に設けられたフラップ27と、フラップ27を、第1面によって記録用紙を案内する第1姿勢と、第2面によってトレイを案内する第2姿勢とに姿勢変化させる連動機構28と、を具備する。
【解決手段】プリンタ部11は、湾曲部32及び直線部33を有する第1搬送路23と、直線部33から直線状に延びる第2搬送路24と、第1搬送路23と第2搬送路24との交差位置26に設けられたフラップ27と、フラップ27を、第1面によって記録用紙を案内する第1姿勢と、第2面によってトレイを案内する第2姿勢とに姿勢変化させる連動機構28と、を具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート、及び薄板形状の被記録部材を支持するトレイが搬送される搬送装置、並びに当該搬送装置を備えた画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像記録装置は、被記録媒体を搬送して画像記録を行う。インクジェット方式の画像記録装置は、様々な被記録媒体に画像記録を行い得る。インクジェット方式の画像記録装置の被記録媒体として、記録用紙などのシートや、CDやDVDなどの薄板形状の部材が挙げられる。
【0003】
また、画像記録装置においては、被記録媒体は、搬送路と称される経路を搬送されつつ画像記録が行われる。この搬送路には、Uターンパスのように湾曲されたものがある。記録用紙などのシートは、湾曲した搬送路に沿って撓むことが可能である。CDやDVDなどは、定形の記録用紙に対応した搬送路に合致するトレイなどに載置されて、搬送路を搬送されつつ画像記録が行われる。このトレイの搬送路は、直線形状が採用される。このような直線形状の搬送路は、ストレートパスとも称される。
【0004】
従来より、前述されたような被記録媒体の種類に対応して2種類の搬送路を有し、これら2種類の搬送路の交差位置において姿勢変化可能なガイドが設けられて、当該ガイドによって、それぞれが対応する搬送路に被記録媒体又はトレイが案内される構成が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−144931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されたガイド部材は、記録用紙を案内する面と、CDなどが載置されるトレイを案内する面とが同一である。そのため、記録用紙などと比較して固いトレイが何度もガイド部材の面上を摺動すると、ガイド部材の面が傷つくおそれがある。特に、搬送路が湾曲している形態では、記録用紙に対する摺動摩擦を軽減するために、POMに代表されるような摩擦係数が小さな素材が採用されるが、ガイド部材の面が傷つくと、記録用紙との摺動摩擦が大きくなり、記録用紙が円滑に搬送されないおそれが生じる。
【0007】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シート、及び薄板形状の被記録部材を支持するトレイが搬送される搬送装置において、トレイによってシートを案内する面が傷つけることなく、双方を経時的に安定して搬送することができる手段を提供することにある。
【0008】
また、本発明は、トレイの搬送路の一部を形成するとともに開閉可能であり、開閉することによりトレイの搬送路の一部を外部に露出させる第3ガイド部材をトレイの搬送中においてロックできる手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 本発明に係る搬送装置は、シートの搬送方向に沿って、シートが湾曲されて案内される湾曲部、及びシートが直線状に延びて案内される直線部が配置された第1経路と、上記直線部から直線状に延びており、薄板形状の被記録部材を支持するトレイが案内される第2経路と、上記第1経路と上記第2経路との交差位置に設けられた第1ガイド部材と、上記第1ガイド部材を、上記第1経路を向く第1面によってシートを案内する第1姿勢と、上記第2経路を向く第2面によってトレイを案内する第2姿勢とに姿勢変化させる姿勢変化手段と、を具備する。
【0010】
シートは、第1経路の湾曲部から直線部へと搬送される。トレイは、第1経路の直線部から第2経路へ搬送される。なお、トレイが搬送される向きは、第1経路から第2経路であっても、第2経路から第1経路であってもよい。シートが搬送されるときには、姿勢変化手段が第1ガイド部材を第1姿勢にする。したがって、第1経路を搬送されるシートは、第1ガイド部材の第1面によって湾曲部から直線部へ案内される。
【0011】
トレイが搬送されるときには、姿勢変化手段が第1ガイド部材を第2姿勢にする。第1経路の直線部から交差位置へ向かって搬送されるトレイは、第1ガイド部材の第2面によって第2経路へ案内される。
【0012】
(2) 本発明に係る搬送装置は、上記第1経路の直線部に配置されてシート又はトレイを搬送する搬送ローラ対を更に有するものであってもよい。この搬送ローラ対は、その間隔が、シートを搬送するに適した第1間隔と、トレイを搬送するに適した第2間隔とに変動可能である。上記姿勢変化手段は、上記ローラ対の間隔の変動に連動して、上記ローラ対が第1間隔であるときに上記第1ガイド部材を第1姿勢にさせ、上記ローラ対が第2間隔であるときに上記第1ガイド部材を第2姿勢にする。
【0013】
シート又はトレイは、搬送ローラ対に挟持されつつ、搬送ローラ対の回転によって所定の向きへ搬送される。シートとトレイとは、一般に厚みが異なる。したがって、搬送ローラ対は、シートを搬送するときには第1間隔となり、トレイを搬送するときには第2間隔となる。姿勢変化手段は、この搬送ローラ対の間隔の変動に連動して、第1ガイド部材を姿勢変化させるので、トレイが搬送されるときには、トレイが通過可能な搬送路が確実に確保される。
【0014】
(3) 本発明に係る搬送装置は、上記第1経路と上記第2経路との交差位置付近に配置されてシート又はトレイを案内する一対の第2ガイド部材を更に有するものであってもよい。上記一対の第2ガイド部材は、少なくともいずれか一方の第2ガイド部材が、シートを案内する第3姿勢と、当該第3姿勢より一対の第2ガイド部材間の距離を拡げてトレイを案内する第4姿勢とに姿勢変化可能である。上記姿勢変化手段は、上記第2ガイド部材の姿勢変化に連動して、上記第2ガイド部材が第3姿勢であるときに上記第1ガイド部材を第1姿勢にさせ、上記第2ガイド部材が第4姿勢であるときに上記第1ガイド部材を第2姿勢にする。
【0015】
一対の第2ガイド部材は、その間を通過するシート又はトレイを所定の方向へ案内する。シートとトレイとは、一般に厚みが異なる。したがって、一対の第2ガイド部材は、シートを搬送するときには第3姿勢となり、トレイを搬送するときには第4姿勢となる。姿勢変化手段は、この一対の第2ガイド部材の姿勢変化に連動して、第1ガイド部材を姿勢変化させるので、トレイが搬送されるときには、トレイが通過可能な搬送路が確実に確保される。
【0016】
(4) 上記一対の第2ガイド部材の少なくともいずれか一方の第2ガイド部材は、上記搬送ローラ対の一方を回転可能に支持しており、第3姿勢から第4姿勢への姿勢変化によって、当該搬送ローラ対を第1間隔から第2間隔とするものであってもよい。
【0017】
これにより、一対の第2ガイド部材の姿勢変化と搬送ローラ対の姿勢変化とが連動される。
【0018】
(5) 上記一対の第2ガイド部材の少なくともいずれか一方の第2ガイド部材は、駆動源からカムを介して駆動伝達されることによって姿勢変化するものが挙げられる。上記姿勢変化手段は、上記第2ガイド部材の姿勢変化に連動する連動機構によって上記第1ガイド部材を姿勢変化させる。
【0019】
(6) 上記カムは、偏心カムであり、一方向の回転によって上記第1ガイド部材及び上記第2ガイド部材を連続的に姿勢変化させるものであってもよい。
【0020】
(7) 本発明に係る搬送装置は、上記第1経路の直線部から上記湾曲部へ、当該湾曲部に案内されて搬送されたシートを案内する第3経路を更に有するものであってもよい。
【0021】
第1経路の湾曲部から直線部へ搬送されたシートは、第3経路を通じて再び湾曲部へ進入する。このとき、第1ガイド部材は第1姿勢に維持されている。したがって、第1姿勢に維持された第1ガイド部材の第1面によって、1枚のシートが複数回案内され得る。
【0022】
(8) 本発明に係る搬送装置は、上記第1経路の湾曲部の湾曲外側のガイド面を構成し、上記第1ガイド部材を支持し、かつ上記第1経路の湾曲部を開放するように開閉可能な第3ガイド部材と、上記第3ガイド部材を閉姿勢に維持するロック姿勢、及び閉姿勢から開姿勢へ姿勢変化可能となるアンロック姿勢に姿勢変化可能であり、上記第3ガイド部材が閉姿勢において上記第1ガイド部材の姿勢変化に連動して、上記第1ガイド部材が第1姿勢にあるときにロック姿勢となり、第2姿勢にあるときにアンロック姿勢となるロック部材と、を備えるものであってもよい。
【0023】
第3ガイド部材をロックするロック部材は、第1ガイド部材の姿勢変化に連動して姿勢変化するから、姿勢変化手段により第3ガイド部材のロックを自由に制御できる。搬送されたトレイによりロック部材を押して姿勢変化させることにより第3ガイド部材のロックを行う従来の技術では、トレイの搬送開始後からトレイがロック部材に当接する前までは第3ガイド部材のロックを行うことができなかったが、本発明では、姿勢変化手段により第3ガイド部材のロックを自由に制御できるから、トレイの搬送を行うと同時に、または、トレイの搬送を行う前に第3ガイド部材をロックすることができる。
【0024】
また、姿勢変化手段を利用して第3ガイド部材を姿勢変化させるから、第3ガイド部材を姿勢変化させる駆動手段を新たに設ける必要が無く、少ない部品点数で第3ガイド部材のロックを行うことができる。
【0025】
(9) 上記ロック部材は上記第1ガイド部材に設けられたものであってもよい。
【0026】
ロック部材を第1ガイド部材に設けるから、第1ガイド部材の姿勢変化に連動してロック部材の姿勢を容易に変えることができる。
【0027】
(10) 本発明は、上記搬送装置と、上記第1経路の直線部に設けられて、当該直線部を搬送されるシート、又はトレイに支持された被記録部材に画像記録を行う記録部と、を具備する画像記録装置として捉えられてもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、シートが搬送されるときには、第1姿勢の第1ガイド部材の第1面によってシートが湾曲部から直線部へ案内され、トレイが搬送されるときには、第2姿勢の第1ガイド部材の第2面によってトレイが第2経路へ案内されるので、トレイによってシートを案内する第1ガイド部材の第1面が傷つけらることなく、シート及びトレイの双方を経時的に安定して搬送することができる。
【0029】
また、姿勢変化手段により第3ガイド部材をロックすることができるので、トレイの搬送中に第3ガイド部材が開かれて印刷が中断することがなく、また、トレイの損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態に係る複合機10の外観斜視図である。
【図2】プリンタ部11の内部構成を示す縦断面図である。
【図3】第1姿勢のフラップ27及び第3姿勢のガイド部材35を示す斜視図である。
【図4】第2姿勢のフラップ27及び第4姿勢のガイド部材35を示す斜視図である。
【図5】フラップ27の構成を示す正面図である。
【図6】連動機構28の構成を示す拡大図である。
【図7】トレイ16が搬送されている状態を示す縦断面図である。
【図8】トレイ16が搬送されている状態を示す縦断面図である。
【図9】連動機構28の構成を示す拡大図である。
【図10】変形例1を示すプリンタ部11の縦断面図である。
【図11】変形例2における第3ガイド部材91の斜視図であって、(A)はフラップ27が第1姿勢にある状態の斜視図で、(B)はフラップ27が第2姿勢にある状態の斜視図である。
【図12】変形例2におけるフラップ27の斜視図である。
【図13】変形例2におけるプリンタ部11の側面図であり、(A)はフラップ27が第1姿勢にある状態の側面図で、(B)はフラップ27が第2姿勢にある状態の側面図である。
【図14】変形例2におけるプリンタ部11の斜視図であり、(A)はフラップ27が第1姿勢にある状態の斜視図で(B)はフラップ27が第2姿勢にある状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、適宜図面が参照されつつ本発明の好ましい実施形態が説明される。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一実施形態にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲でこの実施形態が適宜変更されることは言うまでもない。
【0032】
[複合機10の概略構成]
図1に示されるように、複合機10は、下部に設けられたプリンタ部11と、上部に設けられたスキャナ部12と、正面上部に設けられた操作パネル14とを備えている。なお、本実施形態においては、矢印101で示される方向が複合機10の幅方向であり、矢印102で示される方向が複合機10の高さ方向であり、矢印103で示される方向が複合機10の奥行き方向である。また、図1においては、トレイ16が挿入される状態の複合機10が示されている。
【0033】
複合機10は、プリント機能、スキャン機能、ファクシミリ機能及びコピー機能などの各種の機能を有している。プリント機能は、プリンタ部11によって発揮される。このプリンタ部11は、インクジェット方式によって画像記録を行う。複合機10の特徴とするところは、記録用紙及びトレイ16をフラップ27によって安定して案内できる点にある。なお、複合機10においてプリント機能以外の機能は任意であり、例えば、スキャン機能やコピー機能、ファクシミリ機能を有しないプリント機能のみを有するプリンタとして本発明の画像記録装置が実施されてもよい。
【0034】
プリンタ部11の正面に開口13が形成されている。この開口13の内部に給紙カセット20が着脱可能に設けられている。給紙カセット20の詳細な構成については後述されるが、給紙カセット20に装填された記録用紙が、後述される搬送機構によってプリンタ部11内を搬送される。この搬送過程において、記録用紙に画像記録が行われる。
【0035】
スキャナ部12は、いわゆるフラットベッドスキャナとして構成されているが、スキャナ部12の構成は、本発明に直接に関係しないので、ここでは詳細な説明が省略される。
【0036】
操作パネル14は、プリンタ部11やスキャナ部12を操作するためのものであって、各種操作ボタンや液晶表示部を備えている。ユーザは、操作パネル14を操作することにより各種機能の設定や動作を実行することができる。例えば、ユーザは、記録用紙に画像記録を行うか、トレイ16に保持されたコンパクトディスク17(以下、「CD17」と略される。)に画像記録を行うかのモード設定などを操作パネル14への入力によって複合機10に指示することができる。CD17は、本発明における被記録部材の一例である。記録用紙は、本発明におけるシートの一例である。
【0037】
[プリンタ部11の内部構成]
図2に示されるように、プリンタ部11は、給紙カセット20と、給紙カセット20から給送された記録用紙が搬送される第1搬送路23と、トレイ16が搬送される第2搬送路24と、第1搬送路23に設けられた記録部25と、交差位置26に設けられたフラップ27と、フラップ27を姿勢変化させる連動機構28とを備えている。第1搬送路23、第2搬送路24、フラップ27及び連動機構28によって、本発明に係る搬送機構が構成されている。第1搬送路23が、本発明における第1経路に相当し、第2搬送路24が、本発明における第2経路に相当する。また、フラップ27が本発明における第1ガイド部材に相当し、連動機構28が本発明における姿勢変化手段に相当する。
【0038】
記録用紙は、第1搬送路23を搬送され、トレイ16は、第1搬送路23から第2搬送路24へ搬送される。記録用紙が搬送されるときには、連動機構28がフラップ27を第1姿勢にする。したがって、第1搬送路23を搬送される記録用紙は、フラップ27の第1面51(リブ53:図3参照)によって第1搬送路23に沿って案内される。トレイ16が搬送されるときには、連動機構28がフラップ27を第2姿勢にする。第1搬送路23から交差位置26を通じて第2搬送路24へ搬送されるトレイ16は、フラップ27の第2面52(図4参照)によって第2搬送路24へ案内される。
【0039】
[給紙カセット20]
給紙カセット20は、プリンタ部11の底側に配置されている。給紙カセット20は、上面の一部が開口された矩形の箱状である。給紙カセット20の内部空間21には、複数枚の記録用紙が積層された状態に載置される。給紙カセット20に積載された記録用紙は、給紙ローラ30によって第1搬送路23に給送される。
【0040】
排紙トレイ22は、給紙カセット20の上面の一部として構成されている。第1搬送路23から排出された記録用紙は、排紙トレイ22に積載される。
【0041】
[第1搬送路23]
図2に示されるように、第1搬送路23は、記録用紙が湾曲されて案内される湾曲部32と、記録用紙が直線状に延びて案内される直線部33とを有する。湾曲部32は、給紙カセット20の奥側から上方へ向かって延びながら装置正面側(図2における右側)へ湾曲している。直線部33は、湾曲部32から装置正面側へ向かって排紙トレイ22付近まで直線状に延びている。記録用紙は給紙カセット20から湾曲部32及び直線部33へ順次搬送される。つまり、湾曲部32及び直線部33は、記録用紙が搬送される向きに沿って順に連続して配置されている。この湾曲部32及び直線部33によって、第1搬送路23は、いわゆるUターンパスを形成している。
【0042】
湾曲部32は、後述される第2搬送路24と交差する交差位置26以外では、外側ガイド面と内側ガイド面とによって区画形成されている。なお、図2においては、外側ガイド面及び内側ガイド面を構成する各ガイド部材が省略されている。
【0043】
図2に示されるように、直線部33には、交差位置26付近にガイド部材34,35が設けられている。ガイド部材34,35は、ガイド部材34を上側として上下方向102に離間されて配置されている。上側に配置されているガイド部材34は固定されているが、下側に配置されているガイド部材35は回動によって上下方向102に姿勢変化される。このガイド部材35の姿勢変化によって、ガイド部材34,35間の距離が変化される。
【0044】
図3に示されるように、ガイド部材35は、搬送可能な記録用紙の幅(矢印101方向の長さ)より幅広な平板形状である。ガイド部材35の上面36が記録用紙やトレイ16を案内するガイド面である。ガイド部材35の幅方向の両端には、記録用紙などの搬送方向104に沿って延びる側壁37,38がそれぞれ設けられている。この側壁37,38は、上面36より上側へ突出されている。側壁38の外側には、搬送方向104に沿って延びる溝39が形成されている。この溝39に、連動機構28のリンク部材63が挿入されている。なお、図3には現れていないが、側壁37にも、溝39と同様の溝40(図6参照)が形成されている。
【0045】
ガイド部材35は、中間ローラ41側を軸側とし、搬送ローラ43側を自由端として自由端側が上下方向102に移動するように姿勢変化される。記録用紙が案内されるときには、図3に示されるように、ガイド部材35が上側に維持されてガイド部材34,35間の距離が短くなる。このときのガイド部材35の姿勢が第3姿勢と称される。トレイ16が案内されるときには、図4に示されるように、ガイド部材35が下側に維持されてガイド部材34,35間の距離が長くなる。このときのガイド部材35の姿勢が第4姿勢と称される。なお、第3姿勢におけるガイド部材34,35間の距離は、記録用紙を案内するに適した距離であり、本発明における第1間隔に相当する。第4姿勢におけるガイド部材34,35間の距離は、トレイ16を案内するに適した距離であり、本発明における第2間隔に相当する。トレイ16は、記録用紙より厚いので、第2間隔は第1間隔より広くなる。
【0046】
前述されたガイド部材35の姿勢変化は、偏心カム29によってなされる。図2から図4に示されるように、偏心カム29は、幅方向101を軸線方向としてフレーム60に回転自在に支持されている。偏心カム29は、軸59からの径が周期的に変化する円盤である。ガイド部材35は、偏心カム29に載置されるようにして支持されている。偏心カム29は、図に示されていないモータから駆動伝達されて回転される。偏心カム29が回転されると、その周面がガイド部材35に対して摺動される。偏心カム29の周面は、軸59からの径が周期的に変化するので、この変化によってガイド部材35が上下方向102へ移動する。このガイド部材35の上下方向102への移動によって、前述されたように、ガイド部材35が第3姿勢又は第4姿勢に連続的に姿勢変化される。
【0047】
[第2搬送路24]
図2に示されるように、第2搬送路24は、第1搬送路23の直線部33から装置奥側へ直線状に延びている。第2搬送路24も、交差位置26以外では、外側ガイド面と内側ガイド面とによって区画形成されているが、図2においては、外側ガイド面及び内側ガイド面を構成する各ガイド部材が省略されている。第2搬送路24は、ガイド部材35の中間ローラ41側の端付近で第1搬送路23と交差している。第1搬送路23と第2搬送路24とが交差する位置が交差位置26と称される。第2搬送路24は、トレイ16が案内される経路である。
【0048】
[搬送機構]
図2に示されるように、給紙ローラ30は、アーム31の先端に回転自在に軸支されている。給紙ローラ30は、アーム31の回動によって給紙カセット20の内部空間21へ進入して、内部空間21に積載された最上位置の記録用紙と接触する。給紙ローラ30は、図示されていないモータから駆動伝達されて回転される。給紙ローラ30が給紙カセット20の記録用紙に圧接された状態で給紙ローラ30が回転されると、給紙ローラ30との摩擦力によって、最上位置の記録用紙が第1搬送路23へ給送される。
【0049】
第1搬送路23の湾曲部32には、中間ローラ41及びピンチローラ42が設けられている。中間ローラ41及びピンチローラ42は対をなしており、ピンチローラ42が、中間ローラ41に対して接離可能であって、中間ローラ41に圧接するようにバネ付勢されている。中間ローラ41は、図示されていないモータから駆動伝達されて回転される。中間ローラ41及びピンチローラ42に挟持された記録用紙は、中間ローラ41の回転を受けて直線部33へ向かって搬送される。
【0050】
第1搬送路23の直線部33には、搬送ローラ43及びピンチローラが設けられている。搬送ローラ43及びピンチローラは、記録用紙の搬送向きにおいて記録部25より上流側に配置されている。搬送ローラ43及びピンチローラは対をなしている。図2においては、搬送ローラ43の下側に設けられているピンチローラが他の部材に隠れて現れていないが、ピンチローラはガイド部材35に支持されて搬送ローラ43に対向されている。ピンチローラは、搬送ローラ43に対して接離可能であって、搬送ローラ43に圧接するようにバネ付勢されている。搬送ローラ43は、図示されていないモータから駆動伝達されて回転される。搬送ローラ43及びピンチローラに挟持された記録用紙は、搬送ローラ43の回転を受けて記録部25へ向かって搬送される。この搬送ローラ43及びピンチローラが本発明における搬送ローラ対に相当する。
【0051】
第1搬送路23の直線部33には、排紙ローラ44及び拍車が設けられている。排紙ローラ44及び拍車は、記録用紙の搬送向きにおいて記録部25より下流側に配置されている。排紙ローラ44及び拍車は対をなしているが、図2においては、排紙ローラ44の上側に設けられている拍車が他の部材に隠れて現れていない。拍車は、排紙ローラ44に対して接離可能であって、排紙ローラ44に圧接するようにバネ付勢されている。排紙ローラ44は、図示されていないモータから駆動伝達されて回転される。排紙ローラ44の回転は搬送ローラ43の回転と同期されている。排紙ローラ44及び拍車に挟持された記録用紙は、排紙ローラ44の回転を受けて排紙トレイ22へ向かって搬送される。
【0052】
[記録部25]
図2に示されるように、記録部25は、第1搬送路23の直線部33に配置されており、キャリッジ46及びプラテン47を備えている。キャリッジ46は、直線部33を挟んでプラテン47の上側に配置されている。キャリッジ46には、記録ヘッド48が搭載されている。同図には現れていないが、記録ヘッド48は、インク滴を吐出するノズルを有している。このノズルの開口がプラテン47側へ露出された状態で、記録ヘッド48がキャリッジ46に搭載されている。キャリッジ46は、図示されていないモータから駆動伝達されて、記録ヘッド48とともに幅方向101(図2において紙面に垂直な方向)へ往復移動する。キャリッジ46が移動されながら、記録ヘッド48から微小なインク滴がプラテン47上の記録用紙へ向かって選択的に吐出される。吐出されたインク滴が記録用紙又はCD17に着弾することによって、記録用紙又はCD17に画像が記録される。なお、インクは、図示されていないインクカートリッジから記録ヘッド48へ供給される。
【0053】
[フラップ27]
図2に示されるように、第1搬送路23と第2搬送路24との交差位置26にはフラップ27設けられている。このフラップ27は、図3に示されるように、第1搬送路23を向く第1面51(リブ53)によって記録用紙を案内する第1姿勢と、図4に示されるように第2搬送路24を向く第2面52によってトレイ16を案内する第2姿勢とに姿勢変化する。図3に示されるように、第1姿勢のフラップ27は、上側へ回動された状態であり、第1面51が第1搬送路23の湾曲部32における外側ガイド面の一部を構成する。図4に示されるように、第2姿勢のフラップ27は、下側へ回動された状態であり、第2面52が第2搬送路24の下側のガイド面を構成する。
【0054】
図5に示されるように、フラップ27は、幅方向101の長尺の平板形状である。フラップ27の第1面51には、搬送方向104に沿って延びる複数のリブ53が所定の間隔で並べられている。本明細書において、記録用紙が第1面51によって案内されるとは、第1面51に設けられたリブ53によって記録用紙が案内されることが含まれる。
【0055】
フラップ27の幅方向101の両端には、軸54,55が幅方向101に沿って外側へ突出されている。この軸54,55が、図に示されていないフレームに軸支されて、フラップ27が軸54,55周りに回動可能に設けられている。
【0056】
軸54,55の先端には、当接部56,57がそれぞれ設けられている。当接部56,57は、L字に屈曲された棒材であり、図3,4に示されるように、軸54,55の先端から上方へ向かって延びて屈曲し、さらにガイド部材35側へ向かって延びている。この当接部56,57に後述されるリンク部材62,64がそれぞれ当接され、当接部56,57が軸54,55周りに回動されることによって、フラップ27が姿勢変化される。なお、各図には現れていないが、軸54,55にはネジリコイルバネがそれぞれ設けられている。このネジリコイルバネによって、フラップ27は、第1姿勢側へ弾性付勢されている。また、フラップ27は、図示されていないフレームに設けられた当接部材と当接することによって、第1姿勢と第2姿勢との間でのみ回動するように、軸54,55周りの回動範囲が制限されている。
【0057】
[連動機構28]
図6に示されるように、連動機構28は、主として、ガイド部材35の溝39,40と、フラップ27の当接部56,57と、リンク部材61〜64から構成されている。連動機構28は、ガイド部材35の姿勢変化に連動して、ガイド部材35が第3姿勢であるときにフラップ27を第1姿勢にさせ、ガイド部材35が第4姿勢であるときにフラップ27を第2姿勢にする。この連動機構28が、本発明における姿勢変化手段に相当する。
【0058】
リンク部材61,62と、リンク部材63,64と対をなしており、ガイド部材35の幅方向の両端に対称に配置されるものなので、リンク部材61,62を例に詳細な構成が説明され、リンク部材63,64の詳細な構成の説明は省略される。
【0059】
図6に示されるように、リンク部材61は、フレーム60に設けられた軸65に支持された棒状の部材である。リンク部材61は、軸65から2方向に延出されたアーム66,67を有する。アーム66は、L字形状に屈曲されており、その先端側がガイド部材35の溝40に嵌入されている。なお、図6においては、アーム66の先端側の一部が省略されている。アーム67は、リンク部材62へ向かって延びている。
【0060】
アーム66は、ガイド部材35の姿勢変化によって軸65周りに回動される。図6に示される第3姿勢のガイド部材35が、図9に示される第4姿勢となると、アーム66が時計回りに回動される。このアーム66の回動に伴って、アーム67も時計回りに回動する。
【0061】
図6に示されるように、リンク部材62は、フレーム60に設けられた軸68に支持された棒状の部材である。リンク部材62は、リンク部材61に対して斜め上側に配置されている。リンク部材62は、軸68から2方向に延出されたアーム69,70を有する。アーム69は、リンク部材61へ向かって延びており、リンク部材61のアーム66とアーム67との間に係合されている。アーム67よって、リンク部材61の時計回りの回動がアーム69に伝達され、アーム66によって、リンク部材61の反時計回りの回動がアーム69に伝達される。アーム70は、フラップ27の当接部57へ向かって延びている。
【0062】
リンク部材62は、リンク部材61の回動によって軸68周りに回転される。図6に示される第3姿勢のガイド部材35が、図9に示される第4姿勢となると、リンク部材61が時計回りに回動され、これに伴って、リンク部材62が反時計回りに回動される。このリンク部材62の回動によって、当接部57が軸55周りに時計回りに回動される。そうすると、フラップ27が第1姿勢から第2姿勢へ姿勢変化される。
【0063】
図9に示される第4姿勢のガイド部材35が、図6に示される第3姿勢となると、リンク部材61が反時計回りに回動され、これに伴って、リンク部材62が時計回りに回動される。リンク部材62のアーム70が当接部57から離れると、フラップ27はネジリコイルバネの付勢によって、第2姿勢から第1姿勢へ姿勢変化される。このようにして、ガイド部材35の姿勢変化とフラップ27の姿勢変化とが連動されている。
【0064】
[記録用紙への画像記録]
記録用紙に画像記録が行われるときには、図3に示されるように、偏心カム29がガイド部材35を第3姿勢となる回転位置に回転される。これにより、ガイド部材34,35間の距離は記録用紙の案内に適した距離となり、また、ピンチローラが搬送ローラ43に圧接された状態となる。また、図6に示されるように、第3姿勢へのガイド部材35の姿勢変化がリンク部材61〜64を介してフラップ27に伝達されて、図2に示されるように、フラップ27が第1姿勢になる。
【0065】
図示されていないモータの回転を受けて給紙ローラ30、中間ローラ41、搬送ローラ43及び排紙ローラ44が所定のタイミングで回転されて、給紙カセット20から第1搬送路23へ記録用紙が給送される。第1搬送路23の湾曲部32を搬送される記録用紙の先端が交差位置26へ到達すると、記録用紙の先端は、第1姿勢のフラップ27の第1面51(リブ53)に案内されて直線部33へ進入する。直線部33において搬送ローラ43及びピンチローラに挟持された記録用紙は、プラテン47上へ搬送される。プラテン47上に記録用紙が搬送されると、搬送ローラ43が間欠して回転される。搬送ローラ43が停止されている間に、キャリッジ46が幅方向101へ往復移動され、その往復移動の間に記録ヘッド48からプラテン47上の記録用紙へインク滴が選択的に吐出される。このような搬送ローラ43の間欠した回転とキャリッジの往復移動が繰り返されることによって、記録用紙の所望の位置に所望の画像が記録される。画像記録が行われた記録用紙は、排紙ローラ44及び拍車に挟持されて、排紙トレイ22上へ排出される。
【0066】
[CD17への画像記録]
図1に示されるように、CD17は、予めトレイ16に載置される。トレイ16は、CD17より大きな平板であり、その上面にトレイ16が嵌め込まれる凹嵌が形成されている。この凹嵌にCD17が嵌め込まれることによって、トレイ16にCD17が固定される。この固定状態において、CD17の上面は露出されている。
【0067】
CD17に画像記録が行われるときには、図4に示されるように、偏心カム29がガイド部材35を第4姿勢となる回転位置に回転される。これにより、ガイド部材34,35間の距離はトレイ16の案内に適した距離となり、また、ピンチローラが搬送ローラ43からトレイ16の厚み分だけ離間された状態となる。また、図9に示されるように、第4姿勢へのガイド部材35の姿勢変化がリンク部材61〜64を介してフラップ27に伝達されて、図7に示されるように、フラップ27が第2姿勢になる。なお、図7及び図8においては、給紙ローラ30及びアーム31が省略されている。
【0068】
図示されていないモータの回転を受けて搬送ローラ43及び排紙ローラ44が所定のタイミングで回転される。図1に示されるように、トレイ16は、装置の正面側の開口13から第1搬送路23の直線部24へ挿入されるので、搬送ローラ43及び排紙ローラ44が回転される向きは、記録用紙が搬送される向きと逆向きである。図7に示されるように、第1搬送路23の直線部24に挿入されたトレイ16は、排紙ローラ44及び拍車に挟持されて、プラテン47上へ搬送され、続いて搬送ローラ43及びピンチローラに挟持されて装置正面側から背面側(図7における左側)へ搬送される。
【0069】
トレイ16の先端(図7における左端)が交差位置26へ到達した後、図8に示されるように、トレイ16の先端は、第2姿勢のフラップ27の第2面52に案内されて第2搬送路24へ進入する。そして、トレイ16の後端(図8における右端)が、記録ヘッド48の直下を通過すると、搬送ローラ43及び排紙ローラ44が停止されて逆転される。これにより、トレイ16は、先端と後端とが逆転して、装置背面側から装置正面側(図8における右側)へ搬送される。トレイ16に載置されたCD17が記録ヘッド48の直下へ搬送されると、搬送ローラ43が間欠して回転される。搬送ローラ43が停止されている間に、キャリッジ46が幅方向101へ往復移動され、その往復移動の間に記録ヘッド48からトレイ16上のCD17へインク滴が選択的に吐出される。このような搬送ローラ43の間欠した回転とキャリッジの往復移動が繰り返されることによって、CD17の所望の位置に所望の画像が記録される。画像記録が行われたCD17は、トレイ16に載置された状態で、装置正面側へ排出される。
【0070】
[本実施形態の作用効果]
前述されたように、本実施形態に係る複合機10によれば、記録用紙が搬送されるときには、第1姿勢のフラップ27の第1面51(リブ53)によって記録用紙が湾曲部32から直線部33へ案内され、トレイ16が搬送されるときには、第2姿勢のフラップ27の第2面52によってトレイ16が第2搬送路24へ案内されるので、トレイ16によってフラップ27の第1面51が傷つけられることなく、記録用紙及びトレイ16の双方を経時的に安定して搬送することができる。
【0071】
また、搬送ローラ43とピンチローラとの距離が、記録用紙を搬送するに適した距離(第1間隔)と、トレイ16を搬送するに適した距離(第2間隔)とに変動可能であり、搬送ローラ43及びピンチローラ間の距離の変動に連動して、フラップ27が姿勢変化されるので、トレイ16が搬送されるときに、トレイ16が通過可能な搬送ローラ43とピンチローラとの距離が確実に確保される。
【0072】
また、ガイド部材35が、記録用紙を案内する第3姿勢とトレイ16を案内する第4姿勢とに姿勢変化され、このガイド部材35の姿勢変化に連動して、フラップ27が姿勢変化されるので、トレイ16が搬送されるときには、トレイ16が通過可能な第1搬送路23の直線部33が確実に確保される。
【0073】
また、ガイド部材35が、搬送ローラ43に圧接するピンチローラを回転可能に支持しており、第3姿勢から第4姿勢への姿勢変化によって、ピンチローラを搬送ローラ43から離間させるので、ガイド部材35の姿勢変化とピンチローラの姿勢変化とが連動される。
【0074】
[変形例1]
前述された複合機10のプリンタ部11は、記録用紙の両面に画像記録が可能なものであってもよい。例えば、図10に示されるように、第1搬送路23の直線部33から給紙カセット20へ記録用紙を案内するスイッチバック経路80が設けられていてもよい。このスイッチバック経路80が本発明における第3経路に相当する。
【0075】
直線部33とスイッチバック経路80との交差位置81には経路切替部82が設けられている。この経路切替部82は、図示されていないモータから駆動伝達されて、プラテン47から搬送された記録用紙を排紙トレイ22側へ案内する姿勢と、直線部33の排紙トレイ22側からスイッチバック搬送された記録用紙をスイッチバック経路80に案内する姿勢に姿勢変化される。図10においては、記録用紙をスイッチバック搬送路80に案内する姿勢の経路切替部82が示されており、この姿勢から排紙ローラ44側の端部が上方へ持ち上げられるように経路切替部82が回動されると、記録用紙を排紙トレイ22側へ案内する姿勢となる。
【0076】
両面記録において、記録部25において表面に画像記録が行われた記録用紙は、経路切替部82によって交差位置81を排紙トレイ22側へ案内される。そして、記録用紙の後端が交差位置81を通過すると、記録用紙がスイッチバック搬送されるとともに、経路切替部82によって、記録用紙がスイッチバック経路80に案内される。これにより、記録用紙は先端と後端とを逆転させてスイッチバック経路80に進入する。そして、記録用紙は、給紙ローラ25に搬送されて、給紙カセット20を通じて第1搬送路23の湾曲部32へ搬送される。このとき、フラップ27は第1姿勢に維持されている。したがって、第1姿勢に維持されたフラップ27の第1面51(リブ53)によって、記録用紙が再び記録部25へ案内されて、その裏面に画像記録が行われる。このようにして両面に画像記録が行われた記録用紙は、第1搬送路23の直線部33から排紙トレイ22へ排出される。
【0077】
前述された変形例のように記録用紙の両面に画像記録が行われる構成であっても、前述された実施形態と同様の作用効果が奏される。
【0078】
[変形例2]
本変形例では、複合機10の筐体の背面側の壁に図示しない開口が開設され、当該開口の開口面に、図11に示された第3ガイド部材91が配置される。
【0079】
[第3ガイド部材91]
第3ガイド部材91は、前述の第1搬送路23の湾曲部32に沿う曲面91Cを備えた、幅方向(矢印101で示す方向)における側面視が逆L字状に形成される。曲面91Cは、湾曲外側のガイド面になる。幅方向における第3ガイド部材91の両側面からは、それぞれ軸91Aが突出する。この軸91Aは、複合機10の筐体に設けられた図示しない軸受けにより支持される。すなわち、第3ガイド部材91は、軸91Aの周りに回動自在であって、開閉することができる。第3ガイド部材91が開かれることにより湾曲部32が外部に露出する。第3ガイド部材91は、例えば、複合機10のメンテナンスのために開かれる。
【0080】
この第3ガイド部材91には、トレイ16が通過可能な大きさの貫通孔91Bが、第3ガイド部材91が閉じた状態における奥行き方向(矢印103で示された方向)に貫設される。前述のフラップ27は、この貫通孔91Bに配置される。また、第3ガイド部材91には、フラップ27に設けられた前述の軸54、55を受ける軸受け(図示せず)が設けられ、フラップ27を回動自在に支持する。フラップ27は、前述のように偏心カム29の回転により第1姿勢と第2姿勢とに姿勢変化し、第2姿勢にあるときは、図11(B)に示されたように貫通孔91Bの周壁との間にトレイ16が通過する隙間を形成する。つまり、CD17の印刷を行う場合、トレイ16が貫通孔91Bから外部に突出する。
【0081】
[ロック部材92]
このフラップ27に設けた一対の軸54、55の先端には、図12に示されたようにロック部材92が一体に形成される。すなわち、ロック部材92は、フラップ27と一体で回転し、フラップ27の姿勢変化に連動して姿勢変化する。フラップ27が第1姿勢にあるときのロック部材92の姿勢はアンロック姿勢と称され、フラップ27が第2姿勢にあるときのロック部材92の姿勢はロック姿勢と称される。
【0082】
このロック部材92には、鉤状の引掛片92Aが設けられる。この引掛片92Aは、中間ローラ41の両端に配置されて中間ローラ41を支持する支持部材93に一体に設けられた棒状の受突起93A(図13参照)に、フラップ27が第2姿勢にあるとき(すなわち、ロック姿勢にあるとき)に引っ掛かる。
【0083】
[ロック部材92の動作]
図13(A)、(B)及び図14(A)、(B)を参照してロック部材92の動作が説明される。図13(A)、(B)にはフラップ27が第1姿勢にあるときの状態が示され、図14(A)、(B)にはフラップ27が第2姿勢にあるときの状態が示されている。なお、図14(B)においてはフラップ27及び中間ローラ41の一部が省略されている。
【0084】
フラップ27が第1姿勢にあるときは、ロック部材92の引掛片92Aは、支持部材93の受突起93Aの上方にあって受突起93Aと係合しない状態である。つまり、ロック部材92がアンロック姿勢にあるときは、第3ガイド部材91は開閉可能である。偏心カム29の回転によりフラップ27が第2姿勢に変化すると、ロック部材92がアンロック姿勢からロック姿勢に変化し、ロック部材92の引掛片92Aが下方に移動して支持部材93に設けた受突起93Aに引っ掛かる。引掛片92Aが受突起93Aに引っ掛かることによって第3ガイド部材91の開閉がロックされる。つまり、ロック部材92がロック姿勢にあるときは、第3ガイド部材91は開閉することができない。
【0085】
前述されたように、フラップ27は偏心カム29の回転により姿勢変化するから、偏心カム29を回転させることにより第3ガイド部材91のロックを行うことができる。
【0086】
搬送されるトレイ16に押されることにより姿勢変化するロック部材を用いて第3ガイド部材91をロックする従来の技術では、トレイ16の搬送を開始した後トレイ16がロック部材に当接するまでの間は第3ガイド部材91をロックすることができないが、本変形例では、偏心カム29を回転させることによりいつでも第3ガイド部材91をロックすることができる。つまり、トレイ16の搬送の開始と同時、または、トレイ16の搬送を開始する前に偏心カム29を回転させて第3ガイド部材91をロックすることができ、CD17への印刷中において第3ガイド部材91が開けられることによってトレイ16が貫通孔91Bに引っ掛かって印刷が中断したり、トレイ16が破損することがなくなる。
【0087】
フラップ27を姿勢変化させる偏心カム29を利用してロック部材92を姿勢変化させるから、ロック部材92を姿勢変化させる駆動手段を新たに設けることなく第3ガイド部材91のロックを行うことができる。
【0088】
ロック部材92をフラップ27に一体に形成し、受突起93Aを支持部材93に一体に形成するから、部品点数を増やすことなく第3ガイド部材91のロックを行うことができる。
【0089】
本変形例においては、中間ローラ41を支持する支持部材93に引掛片92Aが引っ掛かる受突起93Aを設けた構成が示されているが、受突起93Aは、他の部材、例えば複合機10の筐体の壁に設けられる構成であってもよい。
【0090】
また、本変形例においては、フラップ27にロック部材92を取り付け、支持部材93に受突起93Aを設けた構成が示されているが、ロック部材92をリンク部材61、62など偏心カム29の回転により姿勢変化する部材に取り付け、受突起93Aを第3ガイド部材91に設ける構成が採用されてもよい。偏心カム29の回転によりロック部材92が姿勢変化し、ロック部材92に設けた引掛片92Aが第3ガイド部材91に設けた受突起93Aに引っ掛かることにより、第3ガイド部材91がロックされる。
【0091】
さらに、本変形例においては、第3ガイド部材91が回転されて開閉する構成が示されているが、第3ガイド部材91としては、着脱により開閉する構成や、スライドさせて開閉する構成が採用され得る。
【符号の説明】
【0092】
11・・・プリンタ部(画像記録装置、搬送装置)
16・・・トレイ
17・・・CD(被記録部材)
23・・・第1搬送路(第1経路)
24・・・第2搬送路(第2経路)
25・・・記録部
26・・・交差位置
27・・・フラップ(第1ガイド部材)
28・・・連動機構(姿勢変化手段)
29・・・偏心カム
32・・・湾曲部
33・・・直線部
34,35・・・ガイド部材(第2ガイド部材)
43・・・搬送ローラ(搬送ローラ対)
80・・・スイッチバック経路(第3経路)
91・・・第3ガイド部材
91B・・・貫通孔
92・・・ロック部材
93・・・支持部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート、及び薄板形状の被記録部材を支持するトレイが搬送される搬送装置、並びに当該搬送装置を備えた画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像記録装置は、被記録媒体を搬送して画像記録を行う。インクジェット方式の画像記録装置は、様々な被記録媒体に画像記録を行い得る。インクジェット方式の画像記録装置の被記録媒体として、記録用紙などのシートや、CDやDVDなどの薄板形状の部材が挙げられる。
【0003】
また、画像記録装置においては、被記録媒体は、搬送路と称される経路を搬送されつつ画像記録が行われる。この搬送路には、Uターンパスのように湾曲されたものがある。記録用紙などのシートは、湾曲した搬送路に沿って撓むことが可能である。CDやDVDなどは、定形の記録用紙に対応した搬送路に合致するトレイなどに載置されて、搬送路を搬送されつつ画像記録が行われる。このトレイの搬送路は、直線形状が採用される。このような直線形状の搬送路は、ストレートパスとも称される。
【0004】
従来より、前述されたような被記録媒体の種類に対応して2種類の搬送路を有し、これら2種類の搬送路の交差位置において姿勢変化可能なガイドが設けられて、当該ガイドによって、それぞれが対応する搬送路に被記録媒体又はトレイが案内される構成が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−144931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されたガイド部材は、記録用紙を案内する面と、CDなどが載置されるトレイを案内する面とが同一である。そのため、記録用紙などと比較して固いトレイが何度もガイド部材の面上を摺動すると、ガイド部材の面が傷つくおそれがある。特に、搬送路が湾曲している形態では、記録用紙に対する摺動摩擦を軽減するために、POMに代表されるような摩擦係数が小さな素材が採用されるが、ガイド部材の面が傷つくと、記録用紙との摺動摩擦が大きくなり、記録用紙が円滑に搬送されないおそれが生じる。
【0007】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シート、及び薄板形状の被記録部材を支持するトレイが搬送される搬送装置において、トレイによってシートを案内する面が傷つけることなく、双方を経時的に安定して搬送することができる手段を提供することにある。
【0008】
また、本発明は、トレイの搬送路の一部を形成するとともに開閉可能であり、開閉することによりトレイの搬送路の一部を外部に露出させる第3ガイド部材をトレイの搬送中においてロックできる手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 本発明に係る搬送装置は、シートの搬送方向に沿って、シートが湾曲されて案内される湾曲部、及びシートが直線状に延びて案内される直線部が配置された第1経路と、上記直線部から直線状に延びており、薄板形状の被記録部材を支持するトレイが案内される第2経路と、上記第1経路と上記第2経路との交差位置に設けられた第1ガイド部材と、上記第1ガイド部材を、上記第1経路を向く第1面によってシートを案内する第1姿勢と、上記第2経路を向く第2面によってトレイを案内する第2姿勢とに姿勢変化させる姿勢変化手段と、を具備する。
【0010】
シートは、第1経路の湾曲部から直線部へと搬送される。トレイは、第1経路の直線部から第2経路へ搬送される。なお、トレイが搬送される向きは、第1経路から第2経路であっても、第2経路から第1経路であってもよい。シートが搬送されるときには、姿勢変化手段が第1ガイド部材を第1姿勢にする。したがって、第1経路を搬送されるシートは、第1ガイド部材の第1面によって湾曲部から直線部へ案内される。
【0011】
トレイが搬送されるときには、姿勢変化手段が第1ガイド部材を第2姿勢にする。第1経路の直線部から交差位置へ向かって搬送されるトレイは、第1ガイド部材の第2面によって第2経路へ案内される。
【0012】
(2) 本発明に係る搬送装置は、上記第1経路の直線部に配置されてシート又はトレイを搬送する搬送ローラ対を更に有するものであってもよい。この搬送ローラ対は、その間隔が、シートを搬送するに適した第1間隔と、トレイを搬送するに適した第2間隔とに変動可能である。上記姿勢変化手段は、上記ローラ対の間隔の変動に連動して、上記ローラ対が第1間隔であるときに上記第1ガイド部材を第1姿勢にさせ、上記ローラ対が第2間隔であるときに上記第1ガイド部材を第2姿勢にする。
【0013】
シート又はトレイは、搬送ローラ対に挟持されつつ、搬送ローラ対の回転によって所定の向きへ搬送される。シートとトレイとは、一般に厚みが異なる。したがって、搬送ローラ対は、シートを搬送するときには第1間隔となり、トレイを搬送するときには第2間隔となる。姿勢変化手段は、この搬送ローラ対の間隔の変動に連動して、第1ガイド部材を姿勢変化させるので、トレイが搬送されるときには、トレイが通過可能な搬送路が確実に確保される。
【0014】
(3) 本発明に係る搬送装置は、上記第1経路と上記第2経路との交差位置付近に配置されてシート又はトレイを案内する一対の第2ガイド部材を更に有するものであってもよい。上記一対の第2ガイド部材は、少なくともいずれか一方の第2ガイド部材が、シートを案内する第3姿勢と、当該第3姿勢より一対の第2ガイド部材間の距離を拡げてトレイを案内する第4姿勢とに姿勢変化可能である。上記姿勢変化手段は、上記第2ガイド部材の姿勢変化に連動して、上記第2ガイド部材が第3姿勢であるときに上記第1ガイド部材を第1姿勢にさせ、上記第2ガイド部材が第4姿勢であるときに上記第1ガイド部材を第2姿勢にする。
【0015】
一対の第2ガイド部材は、その間を通過するシート又はトレイを所定の方向へ案内する。シートとトレイとは、一般に厚みが異なる。したがって、一対の第2ガイド部材は、シートを搬送するときには第3姿勢となり、トレイを搬送するときには第4姿勢となる。姿勢変化手段は、この一対の第2ガイド部材の姿勢変化に連動して、第1ガイド部材を姿勢変化させるので、トレイが搬送されるときには、トレイが通過可能な搬送路が確実に確保される。
【0016】
(4) 上記一対の第2ガイド部材の少なくともいずれか一方の第2ガイド部材は、上記搬送ローラ対の一方を回転可能に支持しており、第3姿勢から第4姿勢への姿勢変化によって、当該搬送ローラ対を第1間隔から第2間隔とするものであってもよい。
【0017】
これにより、一対の第2ガイド部材の姿勢変化と搬送ローラ対の姿勢変化とが連動される。
【0018】
(5) 上記一対の第2ガイド部材の少なくともいずれか一方の第2ガイド部材は、駆動源からカムを介して駆動伝達されることによって姿勢変化するものが挙げられる。上記姿勢変化手段は、上記第2ガイド部材の姿勢変化に連動する連動機構によって上記第1ガイド部材を姿勢変化させる。
【0019】
(6) 上記カムは、偏心カムであり、一方向の回転によって上記第1ガイド部材及び上記第2ガイド部材を連続的に姿勢変化させるものであってもよい。
【0020】
(7) 本発明に係る搬送装置は、上記第1経路の直線部から上記湾曲部へ、当該湾曲部に案内されて搬送されたシートを案内する第3経路を更に有するものであってもよい。
【0021】
第1経路の湾曲部から直線部へ搬送されたシートは、第3経路を通じて再び湾曲部へ進入する。このとき、第1ガイド部材は第1姿勢に維持されている。したがって、第1姿勢に維持された第1ガイド部材の第1面によって、1枚のシートが複数回案内され得る。
【0022】
(8) 本発明に係る搬送装置は、上記第1経路の湾曲部の湾曲外側のガイド面を構成し、上記第1ガイド部材を支持し、かつ上記第1経路の湾曲部を開放するように開閉可能な第3ガイド部材と、上記第3ガイド部材を閉姿勢に維持するロック姿勢、及び閉姿勢から開姿勢へ姿勢変化可能となるアンロック姿勢に姿勢変化可能であり、上記第3ガイド部材が閉姿勢において上記第1ガイド部材の姿勢変化に連動して、上記第1ガイド部材が第1姿勢にあるときにロック姿勢となり、第2姿勢にあるときにアンロック姿勢となるロック部材と、を備えるものであってもよい。
【0023】
第3ガイド部材をロックするロック部材は、第1ガイド部材の姿勢変化に連動して姿勢変化するから、姿勢変化手段により第3ガイド部材のロックを自由に制御できる。搬送されたトレイによりロック部材を押して姿勢変化させることにより第3ガイド部材のロックを行う従来の技術では、トレイの搬送開始後からトレイがロック部材に当接する前までは第3ガイド部材のロックを行うことができなかったが、本発明では、姿勢変化手段により第3ガイド部材のロックを自由に制御できるから、トレイの搬送を行うと同時に、または、トレイの搬送を行う前に第3ガイド部材をロックすることができる。
【0024】
また、姿勢変化手段を利用して第3ガイド部材を姿勢変化させるから、第3ガイド部材を姿勢変化させる駆動手段を新たに設ける必要が無く、少ない部品点数で第3ガイド部材のロックを行うことができる。
【0025】
(9) 上記ロック部材は上記第1ガイド部材に設けられたものであってもよい。
【0026】
ロック部材を第1ガイド部材に設けるから、第1ガイド部材の姿勢変化に連動してロック部材の姿勢を容易に変えることができる。
【0027】
(10) 本発明は、上記搬送装置と、上記第1経路の直線部に設けられて、当該直線部を搬送されるシート、又はトレイに支持された被記録部材に画像記録を行う記録部と、を具備する画像記録装置として捉えられてもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、シートが搬送されるときには、第1姿勢の第1ガイド部材の第1面によってシートが湾曲部から直線部へ案内され、トレイが搬送されるときには、第2姿勢の第1ガイド部材の第2面によってトレイが第2経路へ案内されるので、トレイによってシートを案内する第1ガイド部材の第1面が傷つけらることなく、シート及びトレイの双方を経時的に安定して搬送することができる。
【0029】
また、姿勢変化手段により第3ガイド部材をロックすることができるので、トレイの搬送中に第3ガイド部材が開かれて印刷が中断することがなく、また、トレイの損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態に係る複合機10の外観斜視図である。
【図2】プリンタ部11の内部構成を示す縦断面図である。
【図3】第1姿勢のフラップ27及び第3姿勢のガイド部材35を示す斜視図である。
【図4】第2姿勢のフラップ27及び第4姿勢のガイド部材35を示す斜視図である。
【図5】フラップ27の構成を示す正面図である。
【図6】連動機構28の構成を示す拡大図である。
【図7】トレイ16が搬送されている状態を示す縦断面図である。
【図8】トレイ16が搬送されている状態を示す縦断面図である。
【図9】連動機構28の構成を示す拡大図である。
【図10】変形例1を示すプリンタ部11の縦断面図である。
【図11】変形例2における第3ガイド部材91の斜視図であって、(A)はフラップ27が第1姿勢にある状態の斜視図で、(B)はフラップ27が第2姿勢にある状態の斜視図である。
【図12】変形例2におけるフラップ27の斜視図である。
【図13】変形例2におけるプリンタ部11の側面図であり、(A)はフラップ27が第1姿勢にある状態の側面図で、(B)はフラップ27が第2姿勢にある状態の側面図である。
【図14】変形例2におけるプリンタ部11の斜視図であり、(A)はフラップ27が第1姿勢にある状態の斜視図で(B)はフラップ27が第2姿勢にある状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、適宜図面が参照されつつ本発明の好ましい実施形態が説明される。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一実施形態にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲でこの実施形態が適宜変更されることは言うまでもない。
【0032】
[複合機10の概略構成]
図1に示されるように、複合機10は、下部に設けられたプリンタ部11と、上部に設けられたスキャナ部12と、正面上部に設けられた操作パネル14とを備えている。なお、本実施形態においては、矢印101で示される方向が複合機10の幅方向であり、矢印102で示される方向が複合機10の高さ方向であり、矢印103で示される方向が複合機10の奥行き方向である。また、図1においては、トレイ16が挿入される状態の複合機10が示されている。
【0033】
複合機10は、プリント機能、スキャン機能、ファクシミリ機能及びコピー機能などの各種の機能を有している。プリント機能は、プリンタ部11によって発揮される。このプリンタ部11は、インクジェット方式によって画像記録を行う。複合機10の特徴とするところは、記録用紙及びトレイ16をフラップ27によって安定して案内できる点にある。なお、複合機10においてプリント機能以外の機能は任意であり、例えば、スキャン機能やコピー機能、ファクシミリ機能を有しないプリント機能のみを有するプリンタとして本発明の画像記録装置が実施されてもよい。
【0034】
プリンタ部11の正面に開口13が形成されている。この開口13の内部に給紙カセット20が着脱可能に設けられている。給紙カセット20の詳細な構成については後述されるが、給紙カセット20に装填された記録用紙が、後述される搬送機構によってプリンタ部11内を搬送される。この搬送過程において、記録用紙に画像記録が行われる。
【0035】
スキャナ部12は、いわゆるフラットベッドスキャナとして構成されているが、スキャナ部12の構成は、本発明に直接に関係しないので、ここでは詳細な説明が省略される。
【0036】
操作パネル14は、プリンタ部11やスキャナ部12を操作するためのものであって、各種操作ボタンや液晶表示部を備えている。ユーザは、操作パネル14を操作することにより各種機能の設定や動作を実行することができる。例えば、ユーザは、記録用紙に画像記録を行うか、トレイ16に保持されたコンパクトディスク17(以下、「CD17」と略される。)に画像記録を行うかのモード設定などを操作パネル14への入力によって複合機10に指示することができる。CD17は、本発明における被記録部材の一例である。記録用紙は、本発明におけるシートの一例である。
【0037】
[プリンタ部11の内部構成]
図2に示されるように、プリンタ部11は、給紙カセット20と、給紙カセット20から給送された記録用紙が搬送される第1搬送路23と、トレイ16が搬送される第2搬送路24と、第1搬送路23に設けられた記録部25と、交差位置26に設けられたフラップ27と、フラップ27を姿勢変化させる連動機構28とを備えている。第1搬送路23、第2搬送路24、フラップ27及び連動機構28によって、本発明に係る搬送機構が構成されている。第1搬送路23が、本発明における第1経路に相当し、第2搬送路24が、本発明における第2経路に相当する。また、フラップ27が本発明における第1ガイド部材に相当し、連動機構28が本発明における姿勢変化手段に相当する。
【0038】
記録用紙は、第1搬送路23を搬送され、トレイ16は、第1搬送路23から第2搬送路24へ搬送される。記録用紙が搬送されるときには、連動機構28がフラップ27を第1姿勢にする。したがって、第1搬送路23を搬送される記録用紙は、フラップ27の第1面51(リブ53:図3参照)によって第1搬送路23に沿って案内される。トレイ16が搬送されるときには、連動機構28がフラップ27を第2姿勢にする。第1搬送路23から交差位置26を通じて第2搬送路24へ搬送されるトレイ16は、フラップ27の第2面52(図4参照)によって第2搬送路24へ案内される。
【0039】
[給紙カセット20]
給紙カセット20は、プリンタ部11の底側に配置されている。給紙カセット20は、上面の一部が開口された矩形の箱状である。給紙カセット20の内部空間21には、複数枚の記録用紙が積層された状態に載置される。給紙カセット20に積載された記録用紙は、給紙ローラ30によって第1搬送路23に給送される。
【0040】
排紙トレイ22は、給紙カセット20の上面の一部として構成されている。第1搬送路23から排出された記録用紙は、排紙トレイ22に積載される。
【0041】
[第1搬送路23]
図2に示されるように、第1搬送路23は、記録用紙が湾曲されて案内される湾曲部32と、記録用紙が直線状に延びて案内される直線部33とを有する。湾曲部32は、給紙カセット20の奥側から上方へ向かって延びながら装置正面側(図2における右側)へ湾曲している。直線部33は、湾曲部32から装置正面側へ向かって排紙トレイ22付近まで直線状に延びている。記録用紙は給紙カセット20から湾曲部32及び直線部33へ順次搬送される。つまり、湾曲部32及び直線部33は、記録用紙が搬送される向きに沿って順に連続して配置されている。この湾曲部32及び直線部33によって、第1搬送路23は、いわゆるUターンパスを形成している。
【0042】
湾曲部32は、後述される第2搬送路24と交差する交差位置26以外では、外側ガイド面と内側ガイド面とによって区画形成されている。なお、図2においては、外側ガイド面及び内側ガイド面を構成する各ガイド部材が省略されている。
【0043】
図2に示されるように、直線部33には、交差位置26付近にガイド部材34,35が設けられている。ガイド部材34,35は、ガイド部材34を上側として上下方向102に離間されて配置されている。上側に配置されているガイド部材34は固定されているが、下側に配置されているガイド部材35は回動によって上下方向102に姿勢変化される。このガイド部材35の姿勢変化によって、ガイド部材34,35間の距離が変化される。
【0044】
図3に示されるように、ガイド部材35は、搬送可能な記録用紙の幅(矢印101方向の長さ)より幅広な平板形状である。ガイド部材35の上面36が記録用紙やトレイ16を案内するガイド面である。ガイド部材35の幅方向の両端には、記録用紙などの搬送方向104に沿って延びる側壁37,38がそれぞれ設けられている。この側壁37,38は、上面36より上側へ突出されている。側壁38の外側には、搬送方向104に沿って延びる溝39が形成されている。この溝39に、連動機構28のリンク部材63が挿入されている。なお、図3には現れていないが、側壁37にも、溝39と同様の溝40(図6参照)が形成されている。
【0045】
ガイド部材35は、中間ローラ41側を軸側とし、搬送ローラ43側を自由端として自由端側が上下方向102に移動するように姿勢変化される。記録用紙が案内されるときには、図3に示されるように、ガイド部材35が上側に維持されてガイド部材34,35間の距離が短くなる。このときのガイド部材35の姿勢が第3姿勢と称される。トレイ16が案内されるときには、図4に示されるように、ガイド部材35が下側に維持されてガイド部材34,35間の距離が長くなる。このときのガイド部材35の姿勢が第4姿勢と称される。なお、第3姿勢におけるガイド部材34,35間の距離は、記録用紙を案内するに適した距離であり、本発明における第1間隔に相当する。第4姿勢におけるガイド部材34,35間の距離は、トレイ16を案内するに適した距離であり、本発明における第2間隔に相当する。トレイ16は、記録用紙より厚いので、第2間隔は第1間隔より広くなる。
【0046】
前述されたガイド部材35の姿勢変化は、偏心カム29によってなされる。図2から図4に示されるように、偏心カム29は、幅方向101を軸線方向としてフレーム60に回転自在に支持されている。偏心カム29は、軸59からの径が周期的に変化する円盤である。ガイド部材35は、偏心カム29に載置されるようにして支持されている。偏心カム29は、図に示されていないモータから駆動伝達されて回転される。偏心カム29が回転されると、その周面がガイド部材35に対して摺動される。偏心カム29の周面は、軸59からの径が周期的に変化するので、この変化によってガイド部材35が上下方向102へ移動する。このガイド部材35の上下方向102への移動によって、前述されたように、ガイド部材35が第3姿勢又は第4姿勢に連続的に姿勢変化される。
【0047】
[第2搬送路24]
図2に示されるように、第2搬送路24は、第1搬送路23の直線部33から装置奥側へ直線状に延びている。第2搬送路24も、交差位置26以外では、外側ガイド面と内側ガイド面とによって区画形成されているが、図2においては、外側ガイド面及び内側ガイド面を構成する各ガイド部材が省略されている。第2搬送路24は、ガイド部材35の中間ローラ41側の端付近で第1搬送路23と交差している。第1搬送路23と第2搬送路24とが交差する位置が交差位置26と称される。第2搬送路24は、トレイ16が案内される経路である。
【0048】
[搬送機構]
図2に示されるように、給紙ローラ30は、アーム31の先端に回転自在に軸支されている。給紙ローラ30は、アーム31の回動によって給紙カセット20の内部空間21へ進入して、内部空間21に積載された最上位置の記録用紙と接触する。給紙ローラ30は、図示されていないモータから駆動伝達されて回転される。給紙ローラ30が給紙カセット20の記録用紙に圧接された状態で給紙ローラ30が回転されると、給紙ローラ30との摩擦力によって、最上位置の記録用紙が第1搬送路23へ給送される。
【0049】
第1搬送路23の湾曲部32には、中間ローラ41及びピンチローラ42が設けられている。中間ローラ41及びピンチローラ42は対をなしており、ピンチローラ42が、中間ローラ41に対して接離可能であって、中間ローラ41に圧接するようにバネ付勢されている。中間ローラ41は、図示されていないモータから駆動伝達されて回転される。中間ローラ41及びピンチローラ42に挟持された記録用紙は、中間ローラ41の回転を受けて直線部33へ向かって搬送される。
【0050】
第1搬送路23の直線部33には、搬送ローラ43及びピンチローラが設けられている。搬送ローラ43及びピンチローラは、記録用紙の搬送向きにおいて記録部25より上流側に配置されている。搬送ローラ43及びピンチローラは対をなしている。図2においては、搬送ローラ43の下側に設けられているピンチローラが他の部材に隠れて現れていないが、ピンチローラはガイド部材35に支持されて搬送ローラ43に対向されている。ピンチローラは、搬送ローラ43に対して接離可能であって、搬送ローラ43に圧接するようにバネ付勢されている。搬送ローラ43は、図示されていないモータから駆動伝達されて回転される。搬送ローラ43及びピンチローラに挟持された記録用紙は、搬送ローラ43の回転を受けて記録部25へ向かって搬送される。この搬送ローラ43及びピンチローラが本発明における搬送ローラ対に相当する。
【0051】
第1搬送路23の直線部33には、排紙ローラ44及び拍車が設けられている。排紙ローラ44及び拍車は、記録用紙の搬送向きにおいて記録部25より下流側に配置されている。排紙ローラ44及び拍車は対をなしているが、図2においては、排紙ローラ44の上側に設けられている拍車が他の部材に隠れて現れていない。拍車は、排紙ローラ44に対して接離可能であって、排紙ローラ44に圧接するようにバネ付勢されている。排紙ローラ44は、図示されていないモータから駆動伝達されて回転される。排紙ローラ44の回転は搬送ローラ43の回転と同期されている。排紙ローラ44及び拍車に挟持された記録用紙は、排紙ローラ44の回転を受けて排紙トレイ22へ向かって搬送される。
【0052】
[記録部25]
図2に示されるように、記録部25は、第1搬送路23の直線部33に配置されており、キャリッジ46及びプラテン47を備えている。キャリッジ46は、直線部33を挟んでプラテン47の上側に配置されている。キャリッジ46には、記録ヘッド48が搭載されている。同図には現れていないが、記録ヘッド48は、インク滴を吐出するノズルを有している。このノズルの開口がプラテン47側へ露出された状態で、記録ヘッド48がキャリッジ46に搭載されている。キャリッジ46は、図示されていないモータから駆動伝達されて、記録ヘッド48とともに幅方向101(図2において紙面に垂直な方向)へ往復移動する。キャリッジ46が移動されながら、記録ヘッド48から微小なインク滴がプラテン47上の記録用紙へ向かって選択的に吐出される。吐出されたインク滴が記録用紙又はCD17に着弾することによって、記録用紙又はCD17に画像が記録される。なお、インクは、図示されていないインクカートリッジから記録ヘッド48へ供給される。
【0053】
[フラップ27]
図2に示されるように、第1搬送路23と第2搬送路24との交差位置26にはフラップ27設けられている。このフラップ27は、図3に示されるように、第1搬送路23を向く第1面51(リブ53)によって記録用紙を案内する第1姿勢と、図4に示されるように第2搬送路24を向く第2面52によってトレイ16を案内する第2姿勢とに姿勢変化する。図3に示されるように、第1姿勢のフラップ27は、上側へ回動された状態であり、第1面51が第1搬送路23の湾曲部32における外側ガイド面の一部を構成する。図4に示されるように、第2姿勢のフラップ27は、下側へ回動された状態であり、第2面52が第2搬送路24の下側のガイド面を構成する。
【0054】
図5に示されるように、フラップ27は、幅方向101の長尺の平板形状である。フラップ27の第1面51には、搬送方向104に沿って延びる複数のリブ53が所定の間隔で並べられている。本明細書において、記録用紙が第1面51によって案内されるとは、第1面51に設けられたリブ53によって記録用紙が案内されることが含まれる。
【0055】
フラップ27の幅方向101の両端には、軸54,55が幅方向101に沿って外側へ突出されている。この軸54,55が、図に示されていないフレームに軸支されて、フラップ27が軸54,55周りに回動可能に設けられている。
【0056】
軸54,55の先端には、当接部56,57がそれぞれ設けられている。当接部56,57は、L字に屈曲された棒材であり、図3,4に示されるように、軸54,55の先端から上方へ向かって延びて屈曲し、さらにガイド部材35側へ向かって延びている。この当接部56,57に後述されるリンク部材62,64がそれぞれ当接され、当接部56,57が軸54,55周りに回動されることによって、フラップ27が姿勢変化される。なお、各図には現れていないが、軸54,55にはネジリコイルバネがそれぞれ設けられている。このネジリコイルバネによって、フラップ27は、第1姿勢側へ弾性付勢されている。また、フラップ27は、図示されていないフレームに設けられた当接部材と当接することによって、第1姿勢と第2姿勢との間でのみ回動するように、軸54,55周りの回動範囲が制限されている。
【0057】
[連動機構28]
図6に示されるように、連動機構28は、主として、ガイド部材35の溝39,40と、フラップ27の当接部56,57と、リンク部材61〜64から構成されている。連動機構28は、ガイド部材35の姿勢変化に連動して、ガイド部材35が第3姿勢であるときにフラップ27を第1姿勢にさせ、ガイド部材35が第4姿勢であるときにフラップ27を第2姿勢にする。この連動機構28が、本発明における姿勢変化手段に相当する。
【0058】
リンク部材61,62と、リンク部材63,64と対をなしており、ガイド部材35の幅方向の両端に対称に配置されるものなので、リンク部材61,62を例に詳細な構成が説明され、リンク部材63,64の詳細な構成の説明は省略される。
【0059】
図6に示されるように、リンク部材61は、フレーム60に設けられた軸65に支持された棒状の部材である。リンク部材61は、軸65から2方向に延出されたアーム66,67を有する。アーム66は、L字形状に屈曲されており、その先端側がガイド部材35の溝40に嵌入されている。なお、図6においては、アーム66の先端側の一部が省略されている。アーム67は、リンク部材62へ向かって延びている。
【0060】
アーム66は、ガイド部材35の姿勢変化によって軸65周りに回動される。図6に示される第3姿勢のガイド部材35が、図9に示される第4姿勢となると、アーム66が時計回りに回動される。このアーム66の回動に伴って、アーム67も時計回りに回動する。
【0061】
図6に示されるように、リンク部材62は、フレーム60に設けられた軸68に支持された棒状の部材である。リンク部材62は、リンク部材61に対して斜め上側に配置されている。リンク部材62は、軸68から2方向に延出されたアーム69,70を有する。アーム69は、リンク部材61へ向かって延びており、リンク部材61のアーム66とアーム67との間に係合されている。アーム67よって、リンク部材61の時計回りの回動がアーム69に伝達され、アーム66によって、リンク部材61の反時計回りの回動がアーム69に伝達される。アーム70は、フラップ27の当接部57へ向かって延びている。
【0062】
リンク部材62は、リンク部材61の回動によって軸68周りに回転される。図6に示される第3姿勢のガイド部材35が、図9に示される第4姿勢となると、リンク部材61が時計回りに回動され、これに伴って、リンク部材62が反時計回りに回動される。このリンク部材62の回動によって、当接部57が軸55周りに時計回りに回動される。そうすると、フラップ27が第1姿勢から第2姿勢へ姿勢変化される。
【0063】
図9に示される第4姿勢のガイド部材35が、図6に示される第3姿勢となると、リンク部材61が反時計回りに回動され、これに伴って、リンク部材62が時計回りに回動される。リンク部材62のアーム70が当接部57から離れると、フラップ27はネジリコイルバネの付勢によって、第2姿勢から第1姿勢へ姿勢変化される。このようにして、ガイド部材35の姿勢変化とフラップ27の姿勢変化とが連動されている。
【0064】
[記録用紙への画像記録]
記録用紙に画像記録が行われるときには、図3に示されるように、偏心カム29がガイド部材35を第3姿勢となる回転位置に回転される。これにより、ガイド部材34,35間の距離は記録用紙の案内に適した距離となり、また、ピンチローラが搬送ローラ43に圧接された状態となる。また、図6に示されるように、第3姿勢へのガイド部材35の姿勢変化がリンク部材61〜64を介してフラップ27に伝達されて、図2に示されるように、フラップ27が第1姿勢になる。
【0065】
図示されていないモータの回転を受けて給紙ローラ30、中間ローラ41、搬送ローラ43及び排紙ローラ44が所定のタイミングで回転されて、給紙カセット20から第1搬送路23へ記録用紙が給送される。第1搬送路23の湾曲部32を搬送される記録用紙の先端が交差位置26へ到達すると、記録用紙の先端は、第1姿勢のフラップ27の第1面51(リブ53)に案内されて直線部33へ進入する。直線部33において搬送ローラ43及びピンチローラに挟持された記録用紙は、プラテン47上へ搬送される。プラテン47上に記録用紙が搬送されると、搬送ローラ43が間欠して回転される。搬送ローラ43が停止されている間に、キャリッジ46が幅方向101へ往復移動され、その往復移動の間に記録ヘッド48からプラテン47上の記録用紙へインク滴が選択的に吐出される。このような搬送ローラ43の間欠した回転とキャリッジの往復移動が繰り返されることによって、記録用紙の所望の位置に所望の画像が記録される。画像記録が行われた記録用紙は、排紙ローラ44及び拍車に挟持されて、排紙トレイ22上へ排出される。
【0066】
[CD17への画像記録]
図1に示されるように、CD17は、予めトレイ16に載置される。トレイ16は、CD17より大きな平板であり、その上面にトレイ16が嵌め込まれる凹嵌が形成されている。この凹嵌にCD17が嵌め込まれることによって、トレイ16にCD17が固定される。この固定状態において、CD17の上面は露出されている。
【0067】
CD17に画像記録が行われるときには、図4に示されるように、偏心カム29がガイド部材35を第4姿勢となる回転位置に回転される。これにより、ガイド部材34,35間の距離はトレイ16の案内に適した距離となり、また、ピンチローラが搬送ローラ43からトレイ16の厚み分だけ離間された状態となる。また、図9に示されるように、第4姿勢へのガイド部材35の姿勢変化がリンク部材61〜64を介してフラップ27に伝達されて、図7に示されるように、フラップ27が第2姿勢になる。なお、図7及び図8においては、給紙ローラ30及びアーム31が省略されている。
【0068】
図示されていないモータの回転を受けて搬送ローラ43及び排紙ローラ44が所定のタイミングで回転される。図1に示されるように、トレイ16は、装置の正面側の開口13から第1搬送路23の直線部24へ挿入されるので、搬送ローラ43及び排紙ローラ44が回転される向きは、記録用紙が搬送される向きと逆向きである。図7に示されるように、第1搬送路23の直線部24に挿入されたトレイ16は、排紙ローラ44及び拍車に挟持されて、プラテン47上へ搬送され、続いて搬送ローラ43及びピンチローラに挟持されて装置正面側から背面側(図7における左側)へ搬送される。
【0069】
トレイ16の先端(図7における左端)が交差位置26へ到達した後、図8に示されるように、トレイ16の先端は、第2姿勢のフラップ27の第2面52に案内されて第2搬送路24へ進入する。そして、トレイ16の後端(図8における右端)が、記録ヘッド48の直下を通過すると、搬送ローラ43及び排紙ローラ44が停止されて逆転される。これにより、トレイ16は、先端と後端とが逆転して、装置背面側から装置正面側(図8における右側)へ搬送される。トレイ16に載置されたCD17が記録ヘッド48の直下へ搬送されると、搬送ローラ43が間欠して回転される。搬送ローラ43が停止されている間に、キャリッジ46が幅方向101へ往復移動され、その往復移動の間に記録ヘッド48からトレイ16上のCD17へインク滴が選択的に吐出される。このような搬送ローラ43の間欠した回転とキャリッジの往復移動が繰り返されることによって、CD17の所望の位置に所望の画像が記録される。画像記録が行われたCD17は、トレイ16に載置された状態で、装置正面側へ排出される。
【0070】
[本実施形態の作用効果]
前述されたように、本実施形態に係る複合機10によれば、記録用紙が搬送されるときには、第1姿勢のフラップ27の第1面51(リブ53)によって記録用紙が湾曲部32から直線部33へ案内され、トレイ16が搬送されるときには、第2姿勢のフラップ27の第2面52によってトレイ16が第2搬送路24へ案内されるので、トレイ16によってフラップ27の第1面51が傷つけられることなく、記録用紙及びトレイ16の双方を経時的に安定して搬送することができる。
【0071】
また、搬送ローラ43とピンチローラとの距離が、記録用紙を搬送するに適した距離(第1間隔)と、トレイ16を搬送するに適した距離(第2間隔)とに変動可能であり、搬送ローラ43及びピンチローラ間の距離の変動に連動して、フラップ27が姿勢変化されるので、トレイ16が搬送されるときに、トレイ16が通過可能な搬送ローラ43とピンチローラとの距離が確実に確保される。
【0072】
また、ガイド部材35が、記録用紙を案内する第3姿勢とトレイ16を案内する第4姿勢とに姿勢変化され、このガイド部材35の姿勢変化に連動して、フラップ27が姿勢変化されるので、トレイ16が搬送されるときには、トレイ16が通過可能な第1搬送路23の直線部33が確実に確保される。
【0073】
また、ガイド部材35が、搬送ローラ43に圧接するピンチローラを回転可能に支持しており、第3姿勢から第4姿勢への姿勢変化によって、ピンチローラを搬送ローラ43から離間させるので、ガイド部材35の姿勢変化とピンチローラの姿勢変化とが連動される。
【0074】
[変形例1]
前述された複合機10のプリンタ部11は、記録用紙の両面に画像記録が可能なものであってもよい。例えば、図10に示されるように、第1搬送路23の直線部33から給紙カセット20へ記録用紙を案内するスイッチバック経路80が設けられていてもよい。このスイッチバック経路80が本発明における第3経路に相当する。
【0075】
直線部33とスイッチバック経路80との交差位置81には経路切替部82が設けられている。この経路切替部82は、図示されていないモータから駆動伝達されて、プラテン47から搬送された記録用紙を排紙トレイ22側へ案内する姿勢と、直線部33の排紙トレイ22側からスイッチバック搬送された記録用紙をスイッチバック経路80に案内する姿勢に姿勢変化される。図10においては、記録用紙をスイッチバック搬送路80に案内する姿勢の経路切替部82が示されており、この姿勢から排紙ローラ44側の端部が上方へ持ち上げられるように経路切替部82が回動されると、記録用紙を排紙トレイ22側へ案内する姿勢となる。
【0076】
両面記録において、記録部25において表面に画像記録が行われた記録用紙は、経路切替部82によって交差位置81を排紙トレイ22側へ案内される。そして、記録用紙の後端が交差位置81を通過すると、記録用紙がスイッチバック搬送されるとともに、経路切替部82によって、記録用紙がスイッチバック経路80に案内される。これにより、記録用紙は先端と後端とを逆転させてスイッチバック経路80に進入する。そして、記録用紙は、給紙ローラ25に搬送されて、給紙カセット20を通じて第1搬送路23の湾曲部32へ搬送される。このとき、フラップ27は第1姿勢に維持されている。したがって、第1姿勢に維持されたフラップ27の第1面51(リブ53)によって、記録用紙が再び記録部25へ案内されて、その裏面に画像記録が行われる。このようにして両面に画像記録が行われた記録用紙は、第1搬送路23の直線部33から排紙トレイ22へ排出される。
【0077】
前述された変形例のように記録用紙の両面に画像記録が行われる構成であっても、前述された実施形態と同様の作用効果が奏される。
【0078】
[変形例2]
本変形例では、複合機10の筐体の背面側の壁に図示しない開口が開設され、当該開口の開口面に、図11に示された第3ガイド部材91が配置される。
【0079】
[第3ガイド部材91]
第3ガイド部材91は、前述の第1搬送路23の湾曲部32に沿う曲面91Cを備えた、幅方向(矢印101で示す方向)における側面視が逆L字状に形成される。曲面91Cは、湾曲外側のガイド面になる。幅方向における第3ガイド部材91の両側面からは、それぞれ軸91Aが突出する。この軸91Aは、複合機10の筐体に設けられた図示しない軸受けにより支持される。すなわち、第3ガイド部材91は、軸91Aの周りに回動自在であって、開閉することができる。第3ガイド部材91が開かれることにより湾曲部32が外部に露出する。第3ガイド部材91は、例えば、複合機10のメンテナンスのために開かれる。
【0080】
この第3ガイド部材91には、トレイ16が通過可能な大きさの貫通孔91Bが、第3ガイド部材91が閉じた状態における奥行き方向(矢印103で示された方向)に貫設される。前述のフラップ27は、この貫通孔91Bに配置される。また、第3ガイド部材91には、フラップ27に設けられた前述の軸54、55を受ける軸受け(図示せず)が設けられ、フラップ27を回動自在に支持する。フラップ27は、前述のように偏心カム29の回転により第1姿勢と第2姿勢とに姿勢変化し、第2姿勢にあるときは、図11(B)に示されたように貫通孔91Bの周壁との間にトレイ16が通過する隙間を形成する。つまり、CD17の印刷を行う場合、トレイ16が貫通孔91Bから外部に突出する。
【0081】
[ロック部材92]
このフラップ27に設けた一対の軸54、55の先端には、図12に示されたようにロック部材92が一体に形成される。すなわち、ロック部材92は、フラップ27と一体で回転し、フラップ27の姿勢変化に連動して姿勢変化する。フラップ27が第1姿勢にあるときのロック部材92の姿勢はアンロック姿勢と称され、フラップ27が第2姿勢にあるときのロック部材92の姿勢はロック姿勢と称される。
【0082】
このロック部材92には、鉤状の引掛片92Aが設けられる。この引掛片92Aは、中間ローラ41の両端に配置されて中間ローラ41を支持する支持部材93に一体に設けられた棒状の受突起93A(図13参照)に、フラップ27が第2姿勢にあるとき(すなわち、ロック姿勢にあるとき)に引っ掛かる。
【0083】
[ロック部材92の動作]
図13(A)、(B)及び図14(A)、(B)を参照してロック部材92の動作が説明される。図13(A)、(B)にはフラップ27が第1姿勢にあるときの状態が示され、図14(A)、(B)にはフラップ27が第2姿勢にあるときの状態が示されている。なお、図14(B)においてはフラップ27及び中間ローラ41の一部が省略されている。
【0084】
フラップ27が第1姿勢にあるときは、ロック部材92の引掛片92Aは、支持部材93の受突起93Aの上方にあって受突起93Aと係合しない状態である。つまり、ロック部材92がアンロック姿勢にあるときは、第3ガイド部材91は開閉可能である。偏心カム29の回転によりフラップ27が第2姿勢に変化すると、ロック部材92がアンロック姿勢からロック姿勢に変化し、ロック部材92の引掛片92Aが下方に移動して支持部材93に設けた受突起93Aに引っ掛かる。引掛片92Aが受突起93Aに引っ掛かることによって第3ガイド部材91の開閉がロックされる。つまり、ロック部材92がロック姿勢にあるときは、第3ガイド部材91は開閉することができない。
【0085】
前述されたように、フラップ27は偏心カム29の回転により姿勢変化するから、偏心カム29を回転させることにより第3ガイド部材91のロックを行うことができる。
【0086】
搬送されるトレイ16に押されることにより姿勢変化するロック部材を用いて第3ガイド部材91をロックする従来の技術では、トレイ16の搬送を開始した後トレイ16がロック部材に当接するまでの間は第3ガイド部材91をロックすることができないが、本変形例では、偏心カム29を回転させることによりいつでも第3ガイド部材91をロックすることができる。つまり、トレイ16の搬送の開始と同時、または、トレイ16の搬送を開始する前に偏心カム29を回転させて第3ガイド部材91をロックすることができ、CD17への印刷中において第3ガイド部材91が開けられることによってトレイ16が貫通孔91Bに引っ掛かって印刷が中断したり、トレイ16が破損することがなくなる。
【0087】
フラップ27を姿勢変化させる偏心カム29を利用してロック部材92を姿勢変化させるから、ロック部材92を姿勢変化させる駆動手段を新たに設けることなく第3ガイド部材91のロックを行うことができる。
【0088】
ロック部材92をフラップ27に一体に形成し、受突起93Aを支持部材93に一体に形成するから、部品点数を増やすことなく第3ガイド部材91のロックを行うことができる。
【0089】
本変形例においては、中間ローラ41を支持する支持部材93に引掛片92Aが引っ掛かる受突起93Aを設けた構成が示されているが、受突起93Aは、他の部材、例えば複合機10の筐体の壁に設けられる構成であってもよい。
【0090】
また、本変形例においては、フラップ27にロック部材92を取り付け、支持部材93に受突起93Aを設けた構成が示されているが、ロック部材92をリンク部材61、62など偏心カム29の回転により姿勢変化する部材に取り付け、受突起93Aを第3ガイド部材91に設ける構成が採用されてもよい。偏心カム29の回転によりロック部材92が姿勢変化し、ロック部材92に設けた引掛片92Aが第3ガイド部材91に設けた受突起93Aに引っ掛かることにより、第3ガイド部材91がロックされる。
【0091】
さらに、本変形例においては、第3ガイド部材91が回転されて開閉する構成が示されているが、第3ガイド部材91としては、着脱により開閉する構成や、スライドさせて開閉する構成が採用され得る。
【符号の説明】
【0092】
11・・・プリンタ部(画像記録装置、搬送装置)
16・・・トレイ
17・・・CD(被記録部材)
23・・・第1搬送路(第1経路)
24・・・第2搬送路(第2経路)
25・・・記録部
26・・・交差位置
27・・・フラップ(第1ガイド部材)
28・・・連動機構(姿勢変化手段)
29・・・偏心カム
32・・・湾曲部
33・・・直線部
34,35・・・ガイド部材(第2ガイド部材)
43・・・搬送ローラ(搬送ローラ対)
80・・・スイッチバック経路(第3経路)
91・・・第3ガイド部材
91B・・・貫通孔
92・・・ロック部材
93・・・支持部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートの搬送方向に沿って、シートが湾曲されて案内される湾曲部、及びシートが直線状に延びて案内される直線部が配置された第1経路と、
上記直線部から直線状に延びており、薄板形状の被記録部材を支持するトレイが案内される第2経路と、
上記第1経路と上記第2経路との交差位置に設けられた第1ガイド部材と、
上記第1ガイド部材を、上記第1経路を向く第1面によってシートを案内する第1姿勢と、上記第2経路を向く第2面によってトレイを案内する第2姿勢とに姿勢変化させる姿勢変化手段と、を具備する搬送装置。
【請求項2】
上記第1経路の直線部に配置されてシート又はトレイを搬送する搬送ローラ対を更に有し、
上記搬送ローラ対は、その間隔が、シートを搬送するに適した第1間隔と、トレイを搬送するに適した第2間隔とに変動可能であって、
上記姿勢変化手段は、上記ローラ対の間隔の変動に連動して、上記ローラ対が第1間隔であるときに上記第1ガイド部材を第1姿勢にさせ、上記ローラ対が第2間隔であるときに上記第1ガイド部材を第2姿勢にするものである請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
上記第1経路と上記第2経路との交差位置付近に配置されてシート又はトレイを案内する一対の第2ガイド部材を更に有し、
上記一対の第2ガイド部材は、少なくともいずれか一方の第2ガイド部材が、シートを案内する第3姿勢と、当該第3姿勢より一対の第2ガイド部材間の距離を拡げてトレイを案内する第4姿勢とに姿勢変化可能であって、
上記姿勢変化手段は、上記第2ガイド部材の姿勢変化に連動して、上記第2ガイド部材が第3姿勢であるときに上記第1ガイド部材を第1姿勢にさせ、上記第2ガイド部材が第4姿勢であるときに上記第1ガイド部材を第2姿勢にするものである請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
上記一対の第2ガイド部材の少なくともいずれか一方の第2ガイド部材は、上記搬送ローラ対の一方を回転可能に支持しており、第3姿勢から第4姿勢への姿勢変化によって、当該搬送ローラ対を第1間隔から第2間隔とするものである請求項3に記載の搬送装置。
【請求項5】
上記一対の第2ガイド部材の少なくともいずれか一方の第2ガイド部材は、駆動源からカムを介して駆動伝達されることによって姿勢変化するものであり、
上記姿勢変化手段は、上記第2ガイド部材の姿勢変化に連動する連動機構によって上記第1ガイド部材を姿勢変化させるものである請求項4に記載の搬送装置。
【請求項6】
上記カムは、偏心カムであり、一方向の回転によって上記第1ガイド部材及び上記第2ガイド部材を連続的に姿勢変化させるものである請求項5に記載の搬送装置。
【請求項7】
上記第1経路の直線部から上記湾曲部へ、当該湾曲部に案内されて搬送されたシートを案内する第3経路を更に有する請求項1から6のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項8】
上記第1経路の湾曲部の湾曲外側のガイド面を構成し、上記第1ガイド部材を支持し、かつ上記第1経路の湾曲部を開放するように開閉可能な第3ガイド部材と、
上記第3ガイド部材を閉姿勢に維持するロック姿勢、及び閉姿勢から開姿勢へ姿勢変化可能となるアンロック姿勢に姿勢変化可能であり、上記第3ガイド部材が閉姿勢において上記第1ガイド部材の姿勢変化に連動して、上記第1ガイド部材が第1姿勢にあるときにロック姿勢となり、第2姿勢にあるときにアンロック姿勢となるロック部材と、を備える請求項1から7のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項9】
上記ロック部材は上記第1ガイド部材に設けられたものである請求項8に記載の搬送装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の搬送装置と、
上記第1経路の直線部に設けられて、当該直線部を搬送されるシート、又はトレイに支持された被記録部材に画像記録を行う記録部と、を具備する画像記録装置。
【請求項1】
シートの搬送方向に沿って、シートが湾曲されて案内される湾曲部、及びシートが直線状に延びて案内される直線部が配置された第1経路と、
上記直線部から直線状に延びており、薄板形状の被記録部材を支持するトレイが案内される第2経路と、
上記第1経路と上記第2経路との交差位置に設けられた第1ガイド部材と、
上記第1ガイド部材を、上記第1経路を向く第1面によってシートを案内する第1姿勢と、上記第2経路を向く第2面によってトレイを案内する第2姿勢とに姿勢変化させる姿勢変化手段と、を具備する搬送装置。
【請求項2】
上記第1経路の直線部に配置されてシート又はトレイを搬送する搬送ローラ対を更に有し、
上記搬送ローラ対は、その間隔が、シートを搬送するに適した第1間隔と、トレイを搬送するに適した第2間隔とに変動可能であって、
上記姿勢変化手段は、上記ローラ対の間隔の変動に連動して、上記ローラ対が第1間隔であるときに上記第1ガイド部材を第1姿勢にさせ、上記ローラ対が第2間隔であるときに上記第1ガイド部材を第2姿勢にするものである請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
上記第1経路と上記第2経路との交差位置付近に配置されてシート又はトレイを案内する一対の第2ガイド部材を更に有し、
上記一対の第2ガイド部材は、少なくともいずれか一方の第2ガイド部材が、シートを案内する第3姿勢と、当該第3姿勢より一対の第2ガイド部材間の距離を拡げてトレイを案内する第4姿勢とに姿勢変化可能であって、
上記姿勢変化手段は、上記第2ガイド部材の姿勢変化に連動して、上記第2ガイド部材が第3姿勢であるときに上記第1ガイド部材を第1姿勢にさせ、上記第2ガイド部材が第4姿勢であるときに上記第1ガイド部材を第2姿勢にするものである請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
上記一対の第2ガイド部材の少なくともいずれか一方の第2ガイド部材は、上記搬送ローラ対の一方を回転可能に支持しており、第3姿勢から第4姿勢への姿勢変化によって、当該搬送ローラ対を第1間隔から第2間隔とするものである請求項3に記載の搬送装置。
【請求項5】
上記一対の第2ガイド部材の少なくともいずれか一方の第2ガイド部材は、駆動源からカムを介して駆動伝達されることによって姿勢変化するものであり、
上記姿勢変化手段は、上記第2ガイド部材の姿勢変化に連動する連動機構によって上記第1ガイド部材を姿勢変化させるものである請求項4に記載の搬送装置。
【請求項6】
上記カムは、偏心カムであり、一方向の回転によって上記第1ガイド部材及び上記第2ガイド部材を連続的に姿勢変化させるものである請求項5に記載の搬送装置。
【請求項7】
上記第1経路の直線部から上記湾曲部へ、当該湾曲部に案内されて搬送されたシートを案内する第3経路を更に有する請求項1から6のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項8】
上記第1経路の湾曲部の湾曲外側のガイド面を構成し、上記第1ガイド部材を支持し、かつ上記第1経路の湾曲部を開放するように開閉可能な第3ガイド部材と、
上記第3ガイド部材を閉姿勢に維持するロック姿勢、及び閉姿勢から開姿勢へ姿勢変化可能となるアンロック姿勢に姿勢変化可能であり、上記第3ガイド部材が閉姿勢において上記第1ガイド部材の姿勢変化に連動して、上記第1ガイド部材が第1姿勢にあるときにロック姿勢となり、第2姿勢にあるときにアンロック姿勢となるロック部材と、を備える請求項1から7のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項9】
上記ロック部材は上記第1ガイド部材に設けられたものである請求項8に記載の搬送装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の搬送装置と、
上記第1経路の直線部に設けられて、当該直線部を搬送されるシート、又はトレイに支持された被記録部材に画像記録を行う記録部と、を具備する画像記録装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−5849(P2011−5849A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−20918(P2010−20918)
【出願日】平成22年2月2日(2010.2.2)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月2日(2010.2.2)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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