説明

搬送装置及び露光装置

【課題】 フィルム状のワークTを弛ませた箇所で、ワークTの幅方向の位置を規制するとともにワークTが摩擦なく送り出すことができる搬送装置を提供する。
【解決手段】 搬送装置(FE)は、所定幅の長尺のフィルム状のワーク(T)を巻回した供給リール(2)と、供給リールから送り出された長尺のフィルム状のワークを巻き取る巻取リール(5)と、供給リールから巻取リールまでの間に配置され、長尺のフィルム状のワークに弛み領域を持たせる第1ガイドローラ(32a)及び第2ガイドローラ(32b)と、第1ガイドローラと第2ガイドローラとの間で長尺のフィルム状のワークに弛みを持たせたワークの所定幅方向の少なくとも一方の端部と交差するように配置し、ワークの送り方向に回転可能な回転ガイド(21)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を搭載する長尺のフィルム状のワークの搬送装置及びその搬送装置を備える露光装置に係り、特にフィルム状のワークが弛んだ領域(撓み領域)でワークを保護する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子部品を搭載するプリント基板は薄層化しており、利用範囲の拡大に伴って、その寸法も厚さ20〜100μm、幅100〜250mmと多様化している。このような基板は、取扱いの容易さや生産性の高さから、長尺のフィルム状のワークとして形成されている。 このフィルム状のワークは、長尺であるために、露光・洗浄・エッチング・検査・組立等の各処理工程間は、リールに巻回された状態で取り扱われている。
【0003】
特許文献1は、このような長尺のフィルム状のワークから電子回路基板を製造する露光装置を開示している。フィルム状のワークは、搬送の途中に弛んで左右の縁が反る問題点が発生するため、確実にワークをハンドリングできるようにしてワークを水平な状態で搬送している。特許文献1に開示される搬送装置は、紫外光を使ってマスクのパターンをフィルム状のワークに露光する露光装置に組み込まれており、ワークを1コマずつ間欠的に露光ステージに搬送できるように構成されている。
【0004】
そして搬送装置は、露光ステージにワークを余分な張力をかけずに静定するために、長尺のフィルム状のワークの一部をU字型に垂れ下げている。U字型に垂れ下げる領域に張力を調整するため、複数の吸引孔が形成された箱体が設けられており、その吸引孔からワークを吸引してワークの張力を調整している。
【特許文献1】特許第3663421号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された搬送装置では、箱体の内側側面にワークの端面が接触し、ワークを損傷せしめると共にワーク張力を不安定にすることになる。このため、ワークに負荷をかけない搬送方法が要求されていた。
【0006】
また、巻き取りリールに巻き回されるワークは、その表面に異物が付着することを防止するため、ワークと略同形状の保護シートが介装されるようになっている。このような保護シートに対しても、保護シートの端面が箱体に接触してしまうことを防ぐ必要があるとともに、ワークと保護シートとを正確に重ね合わせて巻き取りリールで巻き取る必要性がある。
【0007】
そこで、本発明では、これらの問題点を解消し、長尺のフィルム状のワークに負荷をかけることなく安定した状態で搬送することが可能な搬送装置を提供し、さらに、ワークと保護シートとをバランスよく巻取ることができる搬送装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの課題を解決するため、第一の観点の搬送装置は、所定幅の長尺のフィルム状のワークを巻回した供給リールと、供給リールから送り出された長尺のフィルム状のワークを巻き取る巻取リールと、供給リールから巻取リールまでの間に配置され、長尺のフィルム状のワークに弛み領域を持たせる第1ガイドローラ及び第2ガイドローラと、第1ガイドローラと第2ガイドローラとの間で長尺のフィルム状のワークに弛みを持たせこのワークの所定幅方向の少なくとも一方の端部と交差するように配置し、ワークの送り方向に回転可能な回転ガイドと、を備える。
【0009】
このような構成によれば、第1ガイドローラと第2ガイドローラとの間でワークが弛んだ領域において、回転ガイドがワークの幅方向の位置を規制することができる。
そして、回転ガイドがワークの送り方向に回転できるため、ワークの端面が回転ローラに接触しても、ワークが損傷することがなくまたワークの張力を安定させることができる。
【0010】
第二の観点の搬送装置は、弛み領域で、ワークの上からワークに対してエアを吹き付けるノズルを備える。
このような構成によれば、ワークに一定の張力を与えることができるとともに、弛んだワークの弛み量を正確に把握することができる。
【0011】
第三の観点の搬送装置は、第1ガイドローラ及び第2ガイドローラの両側にはフランジが形成されておらず、回転ガイドはワークの所定幅方向の両端部に配置されている。
このような構成によれば、ガイドローラにフランジを設ける必要がなく製造コストが下がるとともに、フランジにワークの端面が接触してワークが損傷したりまたワークの張力が不安定になったりすることがない。
【0012】
第四の観点では、弛み領域に配置され、ワークの弛み状態を検出する弛み検出部と、弛み検出部からの信号に基づき、第1ガイドローラ、第2ガイドローラ、供給リール又は巻取リールの少なくともいずれかの回転量を制御する回転量制御部と、を備える。
このような構成によれば、フィルム状のワークTの弛み量を一定にすることができる。そのため回転ガイドの回転方向とワークの送り方向とをほぼ一致させることができる。
【0013】
第五の観点では、回転ガイドを保持するローラ保持部と、ローラ保持部をワークの所定幅方向に距離を調節する調節部と、を備える。
ワークの幅は80mm程度から250mm程度あるが、本構成によれば、ワークの幅に合わせて回転ガイドの位置を調整できるため、ワークを所定範囲内に規制できる。
【0014】
第六の観点では、回転ガイドは、第1ガイドローラ及び第2ガイドローラからワークの弛みの最下点までの途中で、回転ガイドはワークの端部と交差する軸基準で回転する。
このような構成によれば、ワークの端部と交差する箇所が左右2箇所以上になるため、安定してワークの幅方向を規制することができる。
【0015】
第七の観点では、回転ガイドはワークの弛みの最下点と交差するように、鉛直方向に伸びる軸基準で回転する。
このような構成によれば、弛んだワークの最下点の一箇所でワークの幅方向を規制することができるため、コストを低減することができる。
【0016】
第八の観点では、長尺のフィルム状のワークは、レジストが塗布されたフィルム又はこのフィルムと対面するように巻き回された保護シートを含む。
搬送装置はレジストが塗布されたフィルム又は保護シートの搬送に適している。
【0017】
第九の観点では、供給リールは、ワークに対面するように巻き回された保護シートを送り出し、巻取リールはワークと保護シートを巻き取り、供給リールから巻取リールまでの間に配置され、保護シートに弛み領域を持たせる第3ガイドローラ及び第4ガイドローラと、第3ガイドローラと第4ガイドローラとの間で保護シートに弛みを持たせ、保護シートの所定幅方向の少なくとも一方の端部と交差するように配置した第2回転ガイドと、を備える。
このような構成によれば、供給リールから巻取リールまで安定してワークと保護シートとを飯総することができる。
【0018】
第十の観点の露光装置は、所定幅の長尺のフィルム状のレジストが塗布されたワークを1ブロックずつ送り方向に送りながら、露光ステージで1ブロックごとにワークを紫外光で露光する露光装置において、長尺のフィルム状のワークを巻回した供給リールと、供給リールから送り出された長尺のフィルム状のワークを巻き取る巻取リールと、供給リールから巻取リールまでの間に配置され、長尺のフィルム状のワークに弛み領域を持たせる第1ガイドローラ及び第2ガイドローラと、第1ガイドローラと第2ガイドローラとの間で長尺のフィルム状のワークに弛みを持たせこのワークの所定幅方向の少なくとも一方の端部と交差するように配置した回転ガイドと、を備える。
露光ステージに1ブロックごとワークを送っているとワークが幅方向にずれたりするが、そのワークの端部を損傷することなくまた張力を安定したまま、ワークを露光ステージに搬送することができる。
【0019】
第十一の観点では、弛み領域に配置され、ワークの弛み状態を検出する弛み検出部と、弛み検出部からの信号に基づき、第1ガイドローラ、第2ガイドローラ、供給リール又は巻取リールの少なくともいずれかの回転量を制御する回転量制御部と、を備える。
フィルム状のワークTの弛み量を一定にすることができる。そのため回転ガイドの回転方向とワークの送り方向とをほぼ一致させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る搬送装置又は露光装置によれば、ワークの端部を損傷することなくまたワークに負荷をかけないで搬送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る搬送部FEと露光部を有する露光装置100の全体斜視図であり、図2は、本実施形態に係る搬送部FEと露光部EXを示す概略図である。
【0022】
図1に示すように、本実施形態に係る露光装置100は、送り出すフィルム状のワークTと保護シートSのうち、フィルム状のワークTのみを露光部EXの露光ステージ14に搬送する装置である。まず、フィルム状のワークTと保護シートS、露光装置100について順番に説明する。
【0023】
<フィルム状のワークT、保護シートSの構成>
フィルム状のワークTは、露光、洗浄、エッチング、検査等の各処理工程を経て電子部品を搭載するフレキシブルプリント基板となる。ここでは、露光工程において露光部EXにかけられるフィルム状のワークとして説明するが、フィルム状のワークTは有機EL基板などの表示装置の基板であってもよい。このフィルム状のワークTは、例えば、幅250mm、厚み25μm、長さ200mの寸法を有している。
また、保護シートSは、フィルム状のワークTの表面を保護する薄い紙などで形成されたシートであり、リールに巻回されるフィルム状のワークTの間に介装されるものである。この保護シートSは、フィルム状のワークTと略同一の形状に形成されている。
【0024】
<露光装置100の構成>
露光部EXは、搬送部FEによって1単位である1ブロックずつ搬送されるフィルム状のワークTに、マスクMのパターンを露光する装置である。この露光部EXは、光源系11と、この光源系の光軸上に配置するマスクMを保持するマスク保持枠12と、このマスク保持枠12から所定距離を空けて配置される投影光学系13とを備えている。さらに露光部EXは、この投影光学系13から送られてくる照射光の光路上に配置された露光ステージ14と、露光に先行してフィルム状のワークTのアライメントマーク(図示せず)とマスクMのアライメントマーク(図示せず)とを観察するカメラ15とを備えている。
【0025】
マスク保持枠12は、マスクMを鉛直方向に立てた状態で保持する支持枠であり、投影光学系13に対向するように設置されている。マスク保持枠12は、マスクMを投影光学系13の入射光軸に対して直交する垂直方向に移動させるための駆動機構を有している。マスクMには、フィルム状のワークTに投影する1ブロック分の回路パターン及びアライメントマーク等が描画されている。
【0026】
投影光学系13は、入射光および出射光の光軸がレンズ中心に一致するように設けられた入射側凸レンズ13aおよび出射側凸レンズ13bを備えている。この投影光学系13は、例えばダイソン光学系又は縮小投影光学系が使用され、マスクMの回路パターンが、入射側凸レンズ13aと出射側凸レンズ13bとを透過して出射側凸レンズ13bから出射しフィルム状のワークTに照射される。
【0027】
露光ステージ14は、図示しない真空ポンプの配管が接続されており、フィルム状のワークTを吸着して固定するように構成されている。露光ステージ14では、フィルム状のワークTが1ブロック搬送され、フィルム状のワークTとマスクMの位置合わせが終了した後、露光が行われるようになっている。
【0028】
カメラ15は、フィルム状のワークTのアライメントマークとマスクMのアライメントマークとを観察するため、ハーフミラーおよびCCD等で構成されている。このカメラ15は露光時には退避して、光路から外れた位置に配置されるようになっている。
【0029】
<搬送部FEの構成>
次に、搬送部FEの構成について説明する。
図1および図2に示すように、搬送部FEは、供給リール2と、フィルム状のワークTが搬送されるワーク搬送系30と、保護シートSが搬送される保護シート搬送系40と、巻取リール5とを備えている。
【0030】
≪供給リール2と巻取リール5≫
供給リール2には、フィルム状のワークTが巻回されるとともに、このフィルム状のワークTに対面するように保護シートSが巻回されている。この供給リール2は、例えば、直径600mmのリールである。この供給リール2は、図示しない駆動軸がモータ等で駆動され、時計回りに回転するようになっている。これにより、供給リール2から送り出されたフィルム状のワークTと保護シートSは、ワーク搬送系30と保護シート搬送系40とを介して、巻取リール5に至るようになっている。
【0031】
巻取リール5は、供給リール2の下方に配置され、図示しない駆動軸がモータ等で駆動されることで時計回りに回転するようになっている。巻取リール5は、ワーク搬送系30から搬送されたフィルム状のワークTと保護シート搬送系40から搬送された保護シートSとを同時に巻き取る。
【0032】
供給リール2から送り出されるフィルム状のワークTは、露光ステージ14でアライメントマークにより位置決めされて正確に送り出すために、U字型に垂れ下がった領域である第1張力調整領域31を設けることが必要である。また、露光ステージ14から巻取リール5へと送り出されるワークTも、過度な張力がワークTにかからぬようにU字型に垂れ下がった領域である第2張力調整領域33を設けることが必要である。保護シートSは、ワークTと同時に巻き取られるためU字型に垂れ下がった領域である第3張力調整領域41を設けることが必要である。
【0033】
<第1実施形態>
≪ワーク搬送系30≫
図2に示すように、フィルム状のワーク搬送系30は、供給リール2から露光部EXを経由して巻取リール5に至るフィルム状のワークTを搬送する系である。
【0034】
第1張力調整領域31は、一対のガイドローラ32a,32bとの間に設けられたフィルム状のワークTの張力を調整する領域である。第1張力調整領域31では、一対のガイドローラ32a,32bに巻き掛けられたフィルム状のワークTを自重でU字形に弛ませることで、露光部EXに送られるフィルム状のワークTの張力を調整するようになっている。これにより、フィルム状のワークTに過度の負荷や弛みが発生しないようになっている。
【0035】
一対のガイドローラ32a,32bは、不図示のベアリングと円筒部とから構成され、円筒部はフランジ部を有していない。この円筒部は樹脂又はステンレスなどの金属によって形成されている。
第1張力調整領域31には、一対のガイドローラ32a,32bの中間に回転軸が垂直方向に伸びる第1回転ガイド21が設けられている。第1回転ガイド21の回転軸は自重でU字形に弛んだワークTの最下点付近に配置されている。第1回転ガイド21について詳細は後述する。
【0036】
ステージガイドローラ34a,34bは、露光ステージ14の上方および下方に配置されており、フィルム状のワークTを露光部EXの露光ステージ14のステージ面に案内するようになっている。
【0037】
図2に示すように、第2張力調整領域33は、第1張力調整領域31の下方に配置されており、一対のガイドローラ36a,36bの間に設けられたフィルム状のワークTの張力を調整する領域である。第1張力調整領域31では、一対のガイドローラ32a,32bに巻き掛けられたフィルム状のワークTを自重でU字形に弛ませることで、巻取リール5に搬送されるフィルム状のワークTの張力を調整するようになっている。これにより、フィルム状のワークTに過度の負荷や弛みが発生しないようになっている。ガイドローラ36a,36bも、ガイドローラ32a,32bと同様な構成になっている。
【0038】
第2張力調整領域33には、一対のガイドローラ36a,36bの中間に回転軸が垂直方向に伸びる第2回転ガイド23が設けられている。第2回転ガイド23の回転軸は自重でU字形に弛んだワークTの最下点付近に配置されている。第2回転ガイド23も第1回転ガイド21と同じ構成である。
【0039】
≪保護シート搬送系40≫
保護シート搬送系40は、供給リール2からフィルム状のワーク搬送系30が送り出されるとは異なる方向に保護シートSを送り出す。保護シートSに塵埃が付着していたとしても、その塵埃がフィルム状のワーク搬送系30に設けられた露光部EXの露光ステージ14に飛散することを防止することができる。この保護シート搬送系40は、第3張力調整領域41を有している。
【0040】
第3張力調整領域41は、供給リール2の左斜め下方に配置された一対のガイドローラ42a,42bの間に保護シートSの張力を調整する領域である。第3張力調整領域41では、ガイドローラ42a,42bに巻き掛けられた保護シートSを自重によりU字形に弛ませることで、巻取リール5に搬送される保護シートSの張力を調整するようになっている。これにより、保護シートSに過度の負荷や弛みが発生しないようになっている。なお、第3張力調整領域41は、第1張力調整領域31および第2張力調整領域33よりも保護シートSを長めに弛ませることができるように構成されている。
【0041】
第3張力調整領域41には、一対のガイドローラ42a,42bの中間に回転軸が垂直方向に伸びる第3回転ガイド25が設けられている。第3回転ガイド25の回転軸も自重でU字形に弛んだワークTの最下点付近に配置されている。第3回転ガイド25も第1回転ガイド21と同じ構成であるが、保護シートSを長めに弛ませるために第3回転ガイド25の軸長さが長くなっている。
【0042】
≪第1実施形態の張力弛緩領域≫
図3は、第1実施形態に係る第1張力調整領域31を示す概略図である。図3(a)はその正面図であり、(b)は断面図である。
上述したように、テープ搬送系30に第1張力調整領域31及び第2張力調整領域33並びに保護シート搬送系40に第3張力調整領域41が設けられている。これらの張力調整領域における構造は全く相似であり、特にテープ搬送系30の第1張力調整領域31及び第2張力調整領域33は大きさも同じ構成となる。このため、第2張力調整領域33及び第3張力調整領域41の説明を割愛する。
【0043】
図3(a)に示すように、ガイドローラ32a及びガイドローラ32bの間において、フィルム状のワークTは自重でU字形に弛ませてある。ガイドローラ32a及びガイドローラ32bは高さ方向(Z方向)にほぼ同じ位置に配置してある。このため、ガイドローラ32aとガイドローラ32bとの水平方向(Y方向)の中央付近にフィルム状のワークTは最下点がくる。ガイドローラ32bの高さが、ガイドローラ32aの高さよりも多少低くてもよい。
【0044】
また、ガイドローラ32a及びガイドローラ32bは樹脂又は金属性のローラに回転軸を取り付けた構造であり、またローラは同一直径でありローラの両側にフランジなどを形成する必要はない。ガイドローラ32a及びガイドローラ32bはステッピングモータなど回転量を制御できるモータ32Mに接続されており、不図示のベアリングなどを介して回転する。
【0045】
第1張力調整領域31にはエアノズルANが配置されており、エアノズルANはちょうどフィルム状のワークTは最下点に向けて圧縮空気を噴出できる位置に配置されている。エアノズルANは1本でも複数本でもよいが、フィルム状のワークTの幅に合わせてちょうどワークTの最下点に均等に圧縮空気を噴出できるように、エアノズルANはY方向に位置を移動できるように構成することが望ましい。薄いフィルム状のワークTでも、フィルム状のワークTの弛みがきれいなU字形となるとともに必要な張力を与えることができ、さらに以下に説明するセンサなどによって弛み量を正確に観察できる。
【0046】
図3(a)に示すように、ガイドローラ32a及びガイドローラ32bの下には、一対のセンサプレート26が配置されている。センサプレート26はフィルム状のワークTの弛み状態を確認するため高さ方向(Z方向)に少なくとも4つの光電センサ(S1〜S4)が配置されており、一方が発光型のセンサであり他方が受光型のセンサである。これらの光電センサ(S1〜S4)はフィルム状のワークTの弛み状態を観察している。
【0047】
一番上の光電センサS1は、フィルム状のワークTの弛みが少なくなり、これ以上弛みが少なくとなると搬送部FEの動作が停止する。また、一番下の光電センサS4は、フィルム状のワークTの弛みが多くなり、これ以上弛みが多くなると搬送部FEの動作が停止する。光電センサS2は、フィルム状のワークTの弛みが少なくなりつつあることを検出する。また、光電センサS3は、フィルム状のワークTの弛みが多くなりつつあることを検出する。フィルム状のワークTの弛み量が観察できるものであればセンサの種類は問わない。
【0048】
図3(a)及び(b)に示すように、ガイドローラ32aとガイドローラ32bとから弛んだワークTの最下点で、且つワークTの両側に第1回転ガイド21が配置されている。第1回転ガイド21のワークTの内側の最外周は、ワークTがガイドローラ32a及びガイドローラ32bより外側にはみ出ないように、ガイドローラの端部より内側に配置されている。このため、ガイドローラ32a及びガイドローラ32bにフランジなどがなくても、ワークTは第1回転ガイド21の最外周の内側に規制されている。またこの第1回転ガイド21は、ワークTの両端部から数mm離れて配置されている。第1張力調整領域31で正常にフィルム状のワークTが弛んでいる場合には、ワークTの端部は第1回転ガイド21に接触することはない。
【0049】
第1回転ガイド21は弛んだワークTの最下点から垂直に伸び、第1回転ガイド21の上端は前述の光電センサS1まで伸びており、下端は前述の光電センサS4まで伸びている。ワークTの最下点では、ワークTが送り出される方向と第1回転ガイド21の回転方向とがほぼ一致している。第1回転ガイド21は、直径φL1(例えばφ22mm)の樹脂若しくは金属製の中空ローラ21Rを直径φL2(例えばφ15mm)の回転軸22に結合した構造になっている。この中空ローラ21Rと回転軸22との間には、中空ローラ21Rがよどみなく回転するように樹脂もしくは金属のブッシュを挿入しておいてもよい。この第1回転ガイド21の両回転軸22はガイド支持フレーム28で支えられている。
【0050】
ガイド支持フレーム28には調整孔28aが形成されており、この調整孔28aに第1回転ガイド21の回転軸22が嵌め込まれている。この調整孔28aはワークTの幅方向(X方向)に長孔に形成されている。つまり、ワークTの幅に合わせて第1回転ガイド21が調整可能となっており、調整後に、ボルトBTによってガイド支持フレーム28と回転軸22とが固定される。調整孔28aとボルトBTとによってガイド支持フレーム28の位置を手動で調整するのではなく、モータとリニアガイドによって電動で位置調整できるようにしてもよい。
【0051】
本実施形態では中空ローラ21Rと回転軸22との間に回転しやすいようにブッシュを挿入したが、中空ローラ21Rと回転軸22とを一体の構造にしても良い。この場合には、回転軸22とボルトBTとの間にベアリング又はブッシュなどの回転機構を設ける必要がある。また、中空ローラ21Rは所定の固定長さであってもよいが、中空ローラ21Rが二重又は三重になっており高さ方向(Z方向)に調整できるような例えば多重筒状の構造としておいてもよい。
【0052】
≪張力弛緩領域における回転ガイドの調整≫
搬送部FEに装着するワークTの幅に応じて、回転ガイド21がガイド支持フレーム28の長孔の調整孔28aに沿ってボルトBTで仮固定される。この一対の回転ガイド21の幅(X方向)は、搬送するワークTの幅より若干広めに調整されている。その後、ワークTがU字型になるように自重で弛ませる。この自重でU字型に弛んだ状態で、ワークTが一対の回転ガイド21の間に配置されていることが確認されたら、仮固定した回転ガイド21がボルトBTで完全に固定される。次にエアノズルANがワークTは最下点に向けて圧縮空気を噴出し、フィルム状のワークTに所定の張力を加える。この状態でフィルム状のワークTの最下点が光電センサS2と光電センサS4との間になるように、ガイドローラ32a及びガイドローラ32bを回転させてワークTの弛み量を調整する。その後、搬送部FE及び露光部EXの動作が開始される。
【0053】
<露光部EXおよび搬送部FEの動作>
再び図2を使って露光部EXおよび搬送部FEの動作を説明する。供給リール2から送り出されたフィルム状のワークTは、右斜め下方の第1張力調整領域31に搬送される。フィルム状のワークTは、第1張力調整領域31ではガイドローラ32a,32bによって張力が調整されて、ステージガイドローラ34aに向かう。ステージガイドローラ34a,34bがフィルム状のワークTを保持する位置を調整し、露光ステージ14上でカメラ15が1ブロックのワークTの位置をアライメントする。
【0054】
露光する1ブロックごとの搬送・停止を繰り返すと、搬送度合いが少しずつ変化してカメラ15の視野を外れてワークTが搬送される問題が生じることがあるが、第1張力調整領域31でフィルム状のワークTの張力を調整することで、ワークTの送り方向の位置ずれを解消できる。また、ワークTの送り方向だけでなくワークTの幅方向にも位置がずれてくるが、ワークTの幅方向の位置ずれは、一対の回転ガイド21で所定範囲に規制することができる。つまり、ワークTが幅方向に位置ずれして蛇行したりした場合にワークTが回転ガイド21に接触すると、回転ガイド21の中空ローラ21Rは搬送方向に回転してワークTの位置を規制する。ワークTが回転ガイド21に接触した場合に回転ガイド21が回転するためワークTの端部が損傷することがなく、またワークTの片側の端部が金属箱などの固定物に接する際の片側の端部のみに生じる摩擦などがなくなるためのワークTの張力が案定する。従って、露光部EXに搬送されまでにフィルム状のワークTの張力の不均衡を防止することができる。
【0055】
そして、フィルム状のワークTは、露光部EXの露光ステージ14で一時的に真空吸着されて固定され、投影光学系13から露光光を照射される。これにより、フィルム状のワークTの露光が完了する。そして、露光処理がなされたフィルム状のワークTは、次のフィルム状のワークの露光処理に影響しない位置まで搬送される。
【0056】
続けて、フィルム状のワークTは、下側のステージガイドローラ34bとガイドローラ36aに案内されることで、左斜め上方向に搬送方向が変換され、第2張力調整領域33に搬送される。フィルム状のワークTは、第2張力調整領域33で保護シートSときれいに重なり合うように調整されてから巻取リール5に巻き取られる。
【0057】
フィルム状のワークTの張力は、露光処理でフィルム状のワークTの位置を制御されたり、フィルム状のワークT間に保護シートSを介装したりすることで、不均一になるが、本実施形態では、第2張力調整領域33で、フィルム状のワークTの張力が調整されているので、フィルム状のワークTの巻取りを安定して行うことができる。また、これにより、巻取リール5での巻姿を楕円状ではなく、円形にすることができる。
【0058】
一方、供給リール2から送り出された保護シートSは第3張力調整領域41に搬送される。保護シートSは、第3張力調整領域41でガイドローラ42a,42bによってその張力を調整されてから巻取リール5に向かう。幅方向の位置が調整された保護シートSは、フィルム状のワークT間に介装されるように、フィルム状のワークTとともに巻取リール5に巻き取られる。このようにして、フィルム状のワークTと保護シートSとが均一な張力の下で巻取リール5に巻き取られる。これにより、両者の巻取りバランスを良好に保持することができる。
【0059】
保護シートSを送り出すときに保護シートSに張力を強くかけると、肝心のフィルム状のワークTの送り出し量に影響し、露光処理後のフィルム状のワークTを安定して巻き取ることができなくなる。しかし、本実施形態では、第3張力調整領域41でフィルム状のワークTの張力を調整するので、巻取リール5の巻取り動作に影響を与えないようにすることができる。
【0060】
フィルム状のワークTは、露光部EXに搬送される前に、第1張力調整領域31により張力を調整されているため、品質の高い露光処理を行うことができ、品質の高い製品を安定して製造することができる。また、第2張力調整領域33と第3張力調整領域41により、均一な張力に調整されたフィルム状のワークTと保護シートSが、巻取リール5に巻き取られるため、安定した張力の下で、両者の巻取りバランスを良好にすることができる。また、フィルム状のワークTと保護シートSとが幅方向にきれいに一致して巻き取ることができる。
【0061】
<第2実施形態>
図4は、フィルム状のワーク搬送系30が供給リール2から露光部EXを経由して巻取リール5に至るフィルム状のワークTを搬送する系を示した図である。第1実施形態と同じ部材には同じ符号を付し、第1実施形態と異なる箇所を説明する。
【0062】
第1張力調整領域31には、一対のガイドローラ32a,32bの中間に回転軸が垂直方向に伸びる第4回転ガイド61が設けられている。第4回転ガイド61の回転軸はガイドローラ32a,32bとワークTの最下点との中間に配置されている。第4回転ガイド61について詳細は後述する。
【0063】
図4に示すように、第2張力調整領域33は、第1張力調整領域31の下方に配置されており、一対のガイドローラ36a,36bの間に設けられたフィルム状のワークTの張力を調整する。第2張力調整領域33には、一対のガイドローラ36a,36bの中間に回転軸が垂直方向に伸びる第5回転ガイド63が設けられている。第5回転ガイド63の回転軸はガイドローラ36a,36bとワークTの最下点との中間に配置されている。
【0064】
≪保護シート搬送系40≫
【0065】
第3張力調整領域41には、一対のガイドローラ42a,42bの中間に回転軸が垂直方向に伸びる第6回転ガイド65が設けられている。第6回転ガイド65の回転軸もガイドローラ42a,42bとワークTの最下点との中間に配置されている。第6回転ガイド65も第4回転ガイド61と同じ構成であるが、保護シートSを長めに弛ませるために第6回転ガイド65の軸長さが長くなっている。
【0066】
≪第2実施形態の張力弛緩領域≫
図5は、第2実施形態に係る第1張力調整領域31を示す概略図である。図5(a)はその正面図であり、(b)は断面図である。
第1張力調整領域31、第2張力調整領域33及び第3張力調整領域41における構造は全く相似であるため、第2張力調整領域33及び第3張力調整領域41の説明を割愛する。
【0067】
図5(a)に示すように、ガイドローラ32a及びガイドローラ32bの間において、フィルム状のワークTは自重でU字形に弛ませてある。ガイドローラ32aとガイドローラ32bとの水平方向(Y方向)の中央付近にフィルム状のワークTは最下点がくる。ガイドローラ32bの高さが、ガイドローラ32aの高さよりも多少低くてもよい。
【0068】
また、ガイドローラ32a及びガイドローラ32bは同一直径でありローラの両側にフランジなどを形成する必要はない。ガイドローラ32a及びガイドローラ32bはステッピングモータなど回転量を制御できるモータ32Mに接続されており、不図示のベアリングなどを介して回転する。
【0069】
第1張力調整領域31にはエアノズルANが配置されており、エアノズルANはちょうどフィルム状のワークTは最下点に向けて圧縮空気を噴出できる位置に配置されている。エアノズルANは1本でも複数本でもよい。
【0070】
図5(a)に示すように、ガイドローラ32a及びガイドローラ32bの下には、一対のセンサプレート26が配置されている。センサプレート26はフィルム状のワークTの弛み状態を確認するため高さ方向(Z方向)に少なくとも4つの光電センサ(S1〜S4)が配置されている。光電センサSは第1実施形態と同じようにフィルム状のワークTの弛み量が観察できる。
【0071】
図5(a)及び(b)に示すように、ガイドローラ32a又はガイドローラ32bからワークTの最下点までの途中で且つワークTの両側に第4回転ガイド61が配置されている。第4回転ガイド61のワークTの内側の最外周は、ガイドローラ32a及びガイドローラ32bの端部より内側に配置されている。このため、ガイドローラ32a及びガイドローラ32bにフランジなどがなくても、ワークTは第4回転ガイド61の最外周の内側に規制されている。またこの第4回転ガイド61は、ワークTの両端部から数mm離れて配置されている。第1張力調整領域31で正常にフィルム状のワークTが弛んでいる場合には、ワークTの端部は第4回転ガイド61に接触することはない。
【0072】
第4回転ガイド61の回転軸は、ガイドローラ32a又はガイドローラ32bからワークTの最下点までに弛んでいるワークTと交差するように伸びている。このため、第4回転ガイド61の回転軸は水平面から約10度から30度ぐらいまで上方に傾いた角度に伸びている。そのため中空ローラ61Rの回転する方向にワークTが送り出される。
【0073】
また、ガイドローラ32aによるワークTの送り量が少なくなったりすると弛み量が少なくなり第4回点ガイド61から外れてしまうおそれがある。このため、第4回転ガイド61の軸方向の長さは上方にいくに従って長くして、下方から上方までの各第4回点ガイド61はほぼガイドローラ32aとガイドローラ32bとの間まで伸びている。なお、光電センサS2と光電センサS3との間隔を短くし、ワークTの弛み量がほぼ一定にできるならば、第4回転ガイド61の軸方向の長さはすべて同じ長さであっても問題ない。
【0074】
図5(a)では片側に第4回転ガイド61が同じ角度で4列並んでいるが、5列でも3列でもよく、また各列の回転軸が異なる角度であってもよい。第4回転ガイド61は、樹脂若しくは金属製の中空ローラ61Rを回転軸62に結合した構造になっている。この中空ローラ61Rと回転軸62との間には、中空ローラ61Rがよどみなく回転するように樹脂もしくは金属のブッシュを挿入しておいてもよい。この第4回転ガイド61の回転軸62はガイド支持フレーム68で支えられている。
【0075】
ガイド支持フレーム68には不図示の調整孔が形成されており、この調整孔に第4回転ガイド61の回転軸62が嵌め込まれている。そして、ワークTの幅に合わせて第4回転ガイド61が調整可能となっており、調整後に、ボルトBTによってガイド支持フレーム68と回転軸62とが固定される。ボルトではなく、モータとリニアガイドによって電動で位置調整できるようにしてもよい。
【0076】
≪第3実施形態の張力弛緩領域≫
図6A及び図6Bは、第3実施形態に係る第1張力調整領域31を示す概略図である。図6A(a)はその正面図であり、(b)は断面図であり、図6B(c)は側面図である。
第1張力調整領域31、第2張力調整領域33及び第3張力調整領域41における構造は全く相似であるため、第2張力調整領域33及び第3張力調整領域41の説明を割愛する。また、第2実施形態と異なる点を説明する。
【0077】
図6A(b)及び図6B(c)に示すように、ガイドローラ32c及びガイドローラ32dはX方向の一端側にフランジ32fを形成している。第3実施形態では第7回転ガイド71が片側にのみ配置されているので、第7回転ガイド71が配置されていない片側にフランジ32fを形成することで、フランジ32fがワークTを規制している。他方側には固定フレーム77が配置されている。
【0078】
図6Aに示すように、ガイドローラ32c又はガイドローラ32dからワークTの最下点までの途中に第7回転ガイド71が配置されている。図6Bに示すように、第7回転ガイド71のワークTの内側の最外周は、ワークTの片側の端部から内側に数mm離れて配置されている。
【0079】
図6Aでは、第7回転ガイド71の軸方向は、ガイドローラ32c又はガイドローラ32dからワークTの最下点までに弛んでいるワークTと交差するように水平に伸びている。つまり、第7回転ガイド71の回転軸72は水平面であり、この回転軸72は例えば直径φ10mmである。第7回転ガイド71の中空ローラ71Rは例えば直径φ22mmである。この中空ローラ71Rは樹脂もしくは摺動抵抗がなく且つ磨耗しにくいクロム膜等をコートされたステンレス鋼である。
【0080】
第7回転ガイド71の中央部は、中空ローラ71Rの直径がφ20mmと細くしたり又は回転軸72のみが配置されるようにしたりする。なぜならワークTの最下点付近はワークTがほぼ水平方向に送り出されるため、中空ローラ71Rの回転方向と直交してしまい摩擦がワークTの端面に生じるからである。
φ10mmの回転軸72と外径φ22mmの中空ローラ71Rとの間にはベアリングを介して自由に回転できる構造としても良い。また回転軸72とガイド支持フレーム78との間にベアリングを装着しても構わない。
【0081】
図6Cに示すように、ガイド支持フレーム78は4本のロッド79(図6Bでは2本のロッドが見える)に接続されており、4本のロッド79の他方側は固定フレーム77に固定されている。4本のロッド79にはネジ部が長い調整ボルトABTとナットNTが取り付けられており、調整ボルトABTをX方向に回転させることでガイド支持フレーム78の位置が移動する。その後ナットNTで締めることにより、ガイド支持フレーム78の位置を固定する。このようにして、ワークTの幅に合わせて第7回転ガイド71が調整可能となっている。もちろん電動で位置調整できるようにしてもよい。
【0082】
図7(a)〜(c)は、本実施形態の変形例に係る搬送装置および露光装置の一部を示す概略図である。第1実施形態から第3実施形態では、搬送部FEにおいて供給リール2と巻取リール5をそれぞれ時計回りに回転させる構成としたが、各リールの回転方向は限定されるものではない。
【0083】
図7(a)に示すように、搬送部FE1において、供給リール2Aを時計回り、巻取リール5Aを反時計回りに回転させる構成してもよい。また、図7(b)に示すように、搬送部FE2において、供給リール2Bおよび巻取リール5Bをともに反時計回りに回転させる構成としてもよい。さらに、図7(c)に示すように、搬送部FE3において、供給リール2Cを反時計回り、巻取リール5Cを時計回りに回転させる構成としてもよい。
【0084】
以上、本実施形態に係る搬送部FEについて説明したが、本発明は実施形態に限定されず種々の形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】第1実施形態に係る露光装置を示す全体斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る搬送部FEを示す概略図である。
【図3】(a)は、第1実施形態に係る第1張力調整領域31を示す正面図であり、(b)はその断面図である。
【図4】第2実施形態に係る搬送部FEを示す概略図である。
【図5】(a)は、第2実施形態に係る第1張力調整領域31を示す正面図であり、(b)はその断面図である。
【図6A】(a)は、第3実施形態に係る第1張力調整領域31を示す正面図であり、(b)はその断面図である。
【図6B】第3実施形態に係る第1張力調整領域31を示す側面図である。
【図7】(a)〜(c)は、第1実施形態の変形例に係る搬送部を示す概略図である。
【符号の説明】
【0086】
2,2A,2B、2C 供給リール
5,5A,5B、5C 巻取リール
21,23,25 第1回転ガイド,第2回転ガイド,第3回転ガイド
21R,61R,71R,中空ローラ
22,62,72 回転軸
30 フィルム状のワーク搬送系
31 第1張力調整領域
32a,32b,32c,32d ガイドローラ
32f フランジ
34a,32b ステージガイドローラ
33 第2張力調整領域
36a,36b ガイドローラ
40 保護シート搬送系
41 第3張力調整領域
42a,42b ガイドローラ
51a,51b 第1、第2センサ
61,63,65 第4回転ガイド,第5回転ガイド,第6回転ガイド
71 第7回転ガイド
BT ボルト
EX 露光部
FE 搬送部
S 保護シート
T フィルム状のワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定幅の長尺のフィルム状のワークを巻回した供給リールと、
前記供給リールから送り出された前記長尺のフィルム状のワークを巻き取る巻取リールと、
前記供給リールから前記巻取リールまでの間に配置され、前記長尺のフィルム状のワークに弛み領域を持たせる第1ガイドローラ及び第2ガイドローラと、
前記第1ガイドローラと第2ガイドローラとの間で前記長尺のフィルム状のワークに弛みを持たせ、このワークの所定幅方向の少なくとも一方の端部と交差するように配置し、前記ワークの送り方向に回転可能な回転ガイドと、
を備えることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記弛み領域で、前記ワークの上からワークに対してエアを吹き付けるノズルを備えることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記第1ガイドローラ及び第2ガイドローラの両側にはフランジが形成されておらず、前記回転ガイドは、前記ワークの所定幅方向の両端部に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記弛み領域に配置され、前記ワークの弛み状態を検出する弛み検出部と、
前記弛み検出部からの信号に基づき、前記第1ガイドローラ、前記第2ガイドローラ、前記供給リール又は巻取リールの少なくともいずれかの回転量を制御する回転量制御部と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記回転ガイドを保持するローラ保持部と、
前記ローラ保持部を前記ワークの所定幅方向に距離を調節する調節部と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記回転ガイドは、前記第1ガイドローラ及び前記第2ガイドローラから前記ワークの弛みの最下点までの途中で、前記前記ワークの端部と交差する軸基準で回転することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記回転ガイドは前記ワークの弛みの最下点と交差するように、鉛直方向に伸びる軸基準で回転することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記長尺のフィルム状のワークは、レジストが塗布されたフィルム又はこのフィルムと対面するように巻き回された保護シートを含むことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項9】
前記供給リールは、前記ワークに対面するように巻き回された前記保護シートを送り出し、前記巻取リールは前記ワークと前記保護シートを巻き取り、
前記供給リールから前記巻取リールまでの間に配置され、前記保護シートに弛み領域を持たせる第3ガイドローラ及び第4ガイドローラと、
前記第3ガイドローラと第4ガイドローラとの間で前記保護シートに弛みを持たせ、前記保護シートの所定幅方向の少なくとも一方の端部と交差するように配置した第2回転ガイドと、
を備えることを特徴とする請求項8に記載の搬送装置。
【請求項10】
所定幅の長尺のフィルム状のレジストが塗布されたワークを1ブロックずつ送り方向に送りながら、露光ステージで前記1ブロックごとに前記ワークを紫外光で露光する露光装置において、
前記長尺のフィルム状のワークを巻回した供給リールと、
前記供給リールから送り出された前記長尺のフィルム状のワークを巻き取る巻取リールと、
前記供給リールから前記巻取リールまでの間に配置され、前記長尺のフィルム状のワークに弛み領域を持たせる第1ガイドローラ及び第2ガイドローラと、
前記第1ガイドローラと第2ガイドローラとの間で前記長尺のフィルム状のワークに弛みを持たせ、このワークの所定幅方向の少なくとも一方の端部と交差するように配置した回転ガイドと、
を備えることを特徴とする露光装置。
【請求項11】
前記弛み領域に配置され、前記ワークの弛み状態を検出する弛み検出部と、
前記弛み検出部からの信号に基づき、前記第1ガイドローラ、前記第2ガイドローラ、前記供給リール又は巻取リールの少なくともいずれかの回転量を制御する回転量制御部と、
を備えることを特徴とする請求項10に記載の露光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−149427(P2009−149427A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−330094(P2007−330094)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(000128496)株式会社オーク製作所 (175)
【Fターム(参考)】