説明

搬送装置

【課題】カセットの搬送過程においても、カセットの姿勢を正常な状態に維持することができる搬送装置を提供する。
【解決手段】搬送装置は、第1搬送台110および第2搬送台111と、カセット200の第1側面との間の距離を検知可能なセンサと、センサからの出力に基づいて第1ローラと第2ローラの回転速度を調整する制御部260とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カセットの搬送装置に関し、特に液晶のガラス基板を収容するカセットを搬送する搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から各種搬送物を搬送する搬送装置が提案されている。
たとえば、特開平11−292242号公報に記載された搬送装置は、複数のベルトコンベアを備えた搬送装置が記載されている。
【0003】
この搬送装置は、1つのベルトコンベアを駆動させる主動モータと、他のベルトコンベアを駆動させる従動モータと、従動モータの回転速度を主動モータの回転速度に一致させる制御装置とを備えている。
【0004】
特開平8−83455号公報に記載されたカセットオートチェンジャは、複数のカセット収容部および第1のカセット搬送手段を含む第1のコンソールと、記録再生装置を含む第2のコンソールと、第1のコンソールおよび第2のコンソール間を移動して、カセットを搬送するカセット搬送部とを備えている。
【0005】
さらに、カセット搬送部のカセット移動経路に沿って、カセットの位置を検出する複数のセンサとを備え、センサからの出力に基づいて、カセットがカセット搬送部からのはみ出し量を検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−292242号公報
【特許文献2】特開平8−83455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特開平11−292242号公報に記載された搬送装置を用いて、仮に、ガラス基板を搬送するカセットを搬送したとすると、カセットの底面の状態および各ベルトコンベアの表面の状態によっては、カセットの右側と左側とで搬送速度にずれが生じる場合がある。
【0008】
この場合、初期状態において、カセットを正常に配置したとしても、カセットは、搬送方向に搬送されながらも回転する。
【0009】
このため、カセットからガラス基板を取り出したり、ガラス基板をカセット内に差し込んだりする際に、カセットの開口部が所定の方向に向いておらず、ガラス基板を取り出したりするフォークがカセットと接触する等の問題が生じる。
【0010】
なお、上記特開平8−83455号公報に記載されたカセットチェンジャにおいては、カセットの傾きの状態を検知することはできない。
【0011】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、カセットの搬送過程においても、カセットの姿勢を正常な状態に維持することができる搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る搬送装置は、幅方向に配列する第1側面および第2側面を含むカセットを搬送する搬送装置である。カセットの底面のうち、第1側面側に位置する部分が配置され、搬送方向に延びる第1搬送台と、第1搬送台の上面に回転可能に設けられ、カセットを搬送する複数の第1ローラと、第1ローラを回転させる第1駆動部と、カセットの底面のうち、第2側面側に位置する部分が配置され、第1搬送台と平行に延びる第2搬送台と、第2搬送台の上面に回転可能に設けられ、カセットを搬送する複数の第2ローラと、第2ローラを回転させる第2駆動部と、第1側面との距離を検知可能な検知部と、検知部からの出力に基づいて第1駆動部および第2駆動部を制御して、第1ローラと第2ローラの回転速度を調整する制御部とを備える。上記検知部は、第1側面に位置する第1検出位置との間の第1距離と、第1側面のうち、第1検出位置よりも搬送方向前方側に位置する第2検出位置との間の第2距離とを検知し、制御部は、第1距離と第2距離との差が所定の閾値より小さくなるように、第1ローラと、第2ローラとの少なくとも一方の回転速度を上昇または低下させる。
【0013】
好ましくは、上記検知部は、搬送方向に延びる第1仮想基準線と第1側面との間の距離を測定可能とされる。
【0014】
好ましくは、上記検知部は、第1センサと、第1センサよりも搬送方向前方側に位置する第2センサとを含み、第1センサおよび第2センサとは、第1仮想基準線上に配列される。
【0015】
好ましくは、上記制御部は、検知部からの出力の変動率が基準変動率を超えたときを初期基準時とし、制御部は、初期基準時から第1期間経過した第1基準時における検知部の出力を第1距離とし、制御部は、初期基準時から第2期間経過した第2基準時における検知部の出力を第2距離とする。
【0016】
好ましくは、制御部は、第1距離が第2距離よりも大きいと判断すると、第1ローラの回転速度を上昇させ、第2距離が第1距離よりも大きいと判断すると、第2ローラの回転速度を上昇させる。
【0017】
好ましくは、上記制御部は、第1距離が第2距離よりも大きいと判断すると、第2ローラの回転速度を低下させ、第2距離が第1距離よりも大きいと判断すると、第1ローラの回転速度を低下させる。
【0018】
好ましくは、上記検知部は、第2側面に位置する第3検出位置との間の第3距離と、第2側面のうち、第3検出位置よりも搬送方向前方側に位置する第4検出位置との間の第4距離とを検知する。上記制御部は、第3距離と第4距離との差が所定の閾値よりも大きいと判断すると、第3距離と第4距離との差が所定の閾値より小さくなるように、第1ローラと、第2ローラとの少なくとも一方の回転速度を上昇または低下させる。
【0019】
好ましくは、上記制御部は、第3距離が第4距離よりも大きいと判断すると、第1ローラの回転速度を低下させ、制御部は、第4距離が第3距離よりも大きいと判断すると、第2ローラの回転速度を低下させる。
【0020】
本発明に係る搬送装置は、他の局面では、カセットを搬送する搬送装置であって、搬送方向に延びる第1搬送台と、第1搬送台の上面に回転可能に設けられ、カセットを搬送する複数の第1ローラと、第1ローラを回転させる第1駆動部と、第1搬送台と平行に延びる第2搬送台と、第2搬送台の上面に回転可能に設けられ、カセットを搬送する複数の第2ローラと、第2ローラを回転させる第2駆動部と、第1ローラに加えられる荷重を計測可能な荷重センサと、荷重センサからの出力に基づいて第1ローラと第2ローラの回転速度を調整する制御部とを備える。
【0021】
本発明に係る搬送装置は、他の局面では、幅方向に配列する第1側面および第2側面と正面および背面とを含むカセットを搬送する搬送装置であって、カセットの底面のうち、第1側面側に位置する部分が配置され、搬送方向に延びる第1搬送台と、第1搬送台の上面に回転可能に設けられ、カセットを搬送する複数の第1ローラと、第1ローラを回転させる第1駆動部と、カセットの底面のうち、第2側面側に位置する部分が配置され、第1搬送台と平行に延びる第2搬送台と、第2搬送台の上面に設けられ、カセットを搬送する複数の第2ローラと、第2ローラを回転させる第2駆動部と、カセットの上方に配置され、第1搬送台および第2搬送台の配列方向に配列する第1正面検知部、および第1正面検知部よりも第2搬送台側に位置する第2正面検知部と、第1正面検知部および第2正面検知部からの出力に基づいて、第1駆動部および第2駆動部を制御し、第1ローラと第2ローラの回転速度を調整する制御部とを備える。上記第1正面検知部は、該第1正面検知部の下方を正面が通過したことを検知可能とされ、第2正面検知部は、該第2正面検知部の下方を正面が通過したことを検知可能とされる。上記制御部は、正面が第1正面検知部を第2正面検知部よりも先に通過した場合に、第1ローラの回転速度を低下させると共に、第2ローラの回転速度を上昇させ、正面が第1正面検知部を第2正面検知部よりも後に通過した場合に、第1ローの回転速度を上昇させると共に、第2ローラの回転速度を低下させる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る搬送装置によれば、カセットの搬送過程にカセットの姿勢が崩れることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態に係る搬送装置の正面図である。
【図2】カセット200の斜視図である。
【図3】第2搬送台111を模式的に示す斜視図である。
【図4】搬送装置100の平面図である。
【図5】カセットの姿勢を矯正する過程を示す平面図である。
【図6】第2搬送台111の一部を断面視した正面図である。
【図7】ベアリングおよびその周囲の構成を示す斜視図である。
【図8】本実施の形態2に係る搬送装置100の平面図である。
【図9】本実施の形態3に係る搬送装置100の正面図である。
【図10】図9に示す搬送装置100を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1から図10を用いて、本発明の実施の形態に係る搬送装置について説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態に係る搬送装置の正面図である。この図1に示すように、搬送装置100は、カセット200を搬送するカセット搬送装置である。
【0025】
搬送装置100は、カセット200の搬送方向に延びる第1搬送台110と、第1搬送台110からカセット200の幅方向に間隔をあけて設けられ、第1搬送台110と平行に延びる第2搬送台111とを備えている。
【0026】
第1搬送台110は、第1搬送台110の上面に設けられると共に、第1搬送台110と第2搬送台111との配列方向に延びる回転中心線を中心に回転可能に設けられたローラ112を含む。
【0027】
第2搬送台111は、第2搬送台111の上面に設けられると共に、第2搬送台111と第1搬送台110との配列方向に延びる回転中心線を中心に回転可能に設けられたローラ113を含む。
【0028】
カセット200は、ローラ112およびローラ113に跨るように配置される。このようにカセット200が載置された状態で、ローラ112およびローラ113が回転することで、カセット200が搬送される。
【0029】
図2は、カセット200の斜視図である。この図2に示すように、カセット200は、蓋201が設けられた側面部204と、側面部204に対して反対側に位置する側面部205と、正面部202と、正面部202と反対側に位置する背面部207と、底部203と、天面部206とを少なくともを含む。搬送装置100上にカセット200を搭載した状態では、正面部202が搬送方向前方側に向くように配置される。
【0030】
カセット200の高さは、たとえば、2.5m程度とされており、蓋201の幅は、たとえば、3mm程度とされ、正面部202の幅は、3m程度とされている。
【0031】
蓋201は、取り外し可能に設けられており、カセット200内にガラス基板を収容したり、カセット200内に収容されたガラス基板を取り出す際には、蓋201はカセット200から外される。
【0032】
図3は、第2搬送台111を模式的に示す斜視図であり、図3に示すように、第2搬送台111は、カセット200の搬送方向に長尺に延びている。第2搬送台111は、台座117と、台座117の上面に固定された筐体118とを含む。筐体118には、複数のローラ113が回転可能に設けられている。ローラ113は、第2搬送台111の延在方向に間隔をあけて配列している。
【0033】
なお、図1に示す第1搬送台110も第2搬送台111と同様に構成されている。具体的には、第1搬送台110は、搬送方向に延びる台座114と、この台座114の上面に固定され、台座114の延在方向に延びる筐体115と、筐体115を台座114の上面に固定する固定部材116とを備えている。
【0034】
そして、筐体115の上面には、第1搬送台110の延在方向に間隔をあけて複数のローラ112が設けられている。そして、図2に示すように、ローラ113は、円柱状に形成されており、第1搬送台110および第2搬送台111の配列方向に延びる回転中心線を中心に回転可能に設けられている。筐体118は、固定部材119によって台座117の上面に固定されている。
【0035】
第2搬送台111は、ローラ113を回転させるモータ等の駆動部131をさらに備え、第1搬送台110は、ローラ112を回転させるモータ等の駆動部130をさらに備える。
【0036】
図4は、搬送装置100の平面図である。この図4に示すように、第1搬送台110より搬送方向P前方側には、第3搬送台210が連設されている。第2搬送台111よりも搬送方向P前方側には、第4搬送台211が連設されている。
【0037】
第3搬送台210の上面にも、複数のローラ212が回転可能に配置されており、第4搬送台211の上面にも、ローラ213が回転可能に配置されている。
【0038】
第1搬送台110の外側面には、センサ150が配置されており、センサ150より搬送方向P前方側に位置する第1搬送台110の外側面には、センサ151が配置されている。センサ150は、第1基準位置Q1に位置しており、センサ151は、第2基準位置Q2に位置している。
【0039】
センサ150およびセンサ151は、搬送方向Pに延びる第1仮想基準線F1上に配列している。
【0040】
この図4に示す例においては、第1搬送台110と第2搬送台111は、直線状に形成されているため、第1仮想基準線F1は、第1搬送台110の外側面に沿って直線状に延びている。
【0041】
センサ150は、カセット200の側面部205の第1検査位置Q11と第1基準位置Q1との間の第1距離L1を検知する。センサ151は、カセット200の側面部205の第2検査位置Q12と、第2基準位置Q2との間の距離を測定している。この図4に示す例においては、第1基準位置Q1と、第2基準位置Q2とは、第1仮想基準線F1上に配列している。
【0042】
このため、センサ150およびセンサ151は、第1検査位置Q11と第1仮想基準線F1との間の距離と、第2検査位置Q12と第1仮想基準線F1との間の距離を測定する。具体的には、センサ150は、第1搬送台110および第2搬送台111の配列方向における第1基準位置Q1と第1検査位置Q11との間の距離を測定する。同様に、センサ151は、第1搬送台110と第2搬送台111との配列方向における第2基準位置Q2と第2検査位置Q12との間の距離を測定する。
【0043】
センサ151は、センサ150よりも搬送方向P前方側に配置されているため、上記第2検査位置Q2は、第1検査位置Q1よりも搬送方向P前方側に位置する。
【0044】
センサ151とセンサ150とは、同時に、各第1距離L1および第2距離L2を検知している。センサ150およびセンサ151が各距離を計測するタイミングとしては、たとえば、センサ150がカセット200を検知してから、所定時間経過後とする。
【0045】
センサ150は、測定値を制御部260に常時出力している。制御部260は、センサ150の出力値の変動率が所定の基準変動率を超えたときには、カセット200がセンサ150の前方に達したものと判断する。制御部260は、カセット200がセンサ150の前方に達したと判断してから、所定時間経過後に、センサ150およびセンサ151からの出力値を格納する。
【0046】
カセット200は、センサ150の前方側に達してから所定時間経過するまでの間、搬送方向P前方側に搬送される。このため、上記所定時間は、カセット200がセンサ150の前方側に達してから通過するまでに要する通過時間よりも短い時間とされる。
【0047】
センサ150(第1基準位置Q1)とセンサ151(第2基準位置Q2)との距離は、カセット200の正面202および背面間の長さよりも短くなるように設定される。さらに好ましくは、カセット200の正面202および背面間の距離の半分の長さよりも長くなるように設定される。
【0048】
制御部260は、第1距離L1と第2距離L2との差が所定の閾値Tよりも小さくなるようにローラ112およびローラ113の回転速度を調整する。
【0049】
これにより、カセット200の側面部205の延在方向が、搬送方向Pと略一致させることができ、カセット200の姿勢を矯正することができる。
【0050】
ここで、第1距離L1が第2距離L2よりも大きく、第1距離L1と第2距離L2との差が閾値Tよりも大きいときには、図4に示すように、側面部205は、搬送方向P前方側に向かうにつれて、第2搬送台111から離れるように傾斜している。
【0051】
そこで、制御部260は、ローラ112の回転速度が上昇するように駆動部130の駆動を制御する。このように、ローラ112の回転速度を上昇させることで、図5に示すように、側面部205が第1仮想基準線F1に沿うように変位する。
【0052】
第2距離L2の方が第1距離L1よりも大きく、第2距離L2と第1距離L1との差が、閾値Tよりも大きいときには、側面部205は、搬送方向P前方側に向かうにしたがって、第2搬送台111に近接するように傾斜している。この場合には、制御部260は、ローラ113の回転速度を上昇させるように、駆動部131の駆動を制御する。
【0053】
なお、第1距離L1が第2距離L2よりも大きい時には、ローラ113の回転速度を低下させるように駆動部131を駆動してもよい。さらに、第2距離L2の方が第1距離L1よりも大きい時には、ローラ112の回転速度を低下させるように、駆動部130の駆動を制御してもよい。
【0054】
このように、制御部260がローラ112およびローラ113の回転速度を調整することで、短時間でカセット200の姿勢を矯正することができる。
【0055】
また、ローラ112とローラ113の回転速度の差の絶対値および回転速度の加速度は、第1距離L1および第2距離L2の差の絶対値に基づいて設定される。たとえば、ローラ112とローラ113の回転速度の差の絶対値を第1距離L1および第2距離L2の差の絶対値に比例するように設定してもよい。このため、第1距離L1と第2距離L2との差が大きいときには、ローラ112とローラ113との回転速度の差が大きくなり、カセット200の回転速度が大きくなる。これにより、カセット200の姿勢の傾きが大きいとき場合であっても、速やかにカセット200の姿勢を矯正することができる。
【0056】
また、ローラ112,113の回転速度の加速度の絶対値は、第1距離L1および第2距離L2の差の絶対値に比例するように設定してもよい。これにより、カセット200の姿勢が大きく傾いているときには、ローラ112,113の回転の加速度が大きくなり、短時間でローラ112,113の回転速度を目標値とすることができる。
【0057】
なお、この図4に示す例においては、搬送装置100は、第2搬送台111の外側面に設けられたセンサ152と、このセンサ152に対して搬送方向P前方側に配置されたセンサ153とをさらに備える。
【0058】
ここで、第2搬送台111は、直線状に延びており、第2搬送台111の延在方向と搬送方向Pとは一致している。このため、搬送方向Pと平行に延びる第2仮想基準線F2は、第2搬送台111の外側面上に延びている。
【0059】
センサ152は、側面部204上に位置する第3検査位置Q13と、第3基準位置Q3との間の第3距離L3を測定する。センサ153は、側面部204上に位置する第3検査位置Q14と、第4基準位置Q4との間の第4距離L4を測定する。センサ152は、第3基準位置Q3に位置している。センサ153は第4基準位置Q4に位置している。この図4に示す例においては、第3基準位置Q3と第4基準位置Q4とは、第2仮想基準線F2上に配列している。このため、センサ152およびセンサ153とは、第2仮想基準線F2と第3検査位置Q13までの距離と、第2仮想基準線F2と第3検査位置Q14までの距離を測定している。
【0060】
なお、センサ152、153は、上記センサ150,151と同時に、各距離を検知している。
【0061】
そして、制御部260は、第3距離L3と第4距離L4との差が、閾値Tよりも小さくなるように、ローラ113およびローラ112の回転速度を制御する。
【0062】
ここで、第4距離L4が第3距離L3よりも大きく、第4距離L4と第3距離L3との差が閾値Tよりも大きいときには、図4に示すように、側面部204は、搬送方向P前方側に向かうにつれて、第1搬送台110に近接するように傾斜している。
【0063】
そこで、制御部260は、ローラ112の回転速度が上昇するように駆動部130の駆動を制御する。このように、ローラ112の回転速度を上昇させることで、図5に示すように、側面部205が第1仮想基準線F1に沿うように変位する。
【0064】
第3距離L3の方が第4距離L4よりも大きく、第3距離L3と第4距離L4との差が、閾値Tよりも大きいときには、側面部204は、搬送方向P前方側に向かうにしたがって、第1搬送台110から離れるように傾斜している。この場合には、制御部260は、ローラ113の回転速度を上昇させるように、駆動部131の駆動を制御する。
【0065】
なお、第4距離L4が第3距離L3よりも大きいときには、ローラ113の回転速度を低下させるように駆動部131を駆動してもよい。さらに、第3距離L3の方が第4距離L4よりも大きいときには、ローラ112の回転速度を低下させるように駆動部130の駆動を制御してもよい。これにより、短時間で、カセット200の姿勢を矯正することができる。
【0066】
このように、ローラ112およびローラ113の回転速度を調整することで、カセット200を搬送しながら、カセット200を回転させることができる。
【0067】
これにより、初期状態において、カセット200が正常な位置に配置されている場合には、カセット200を正常な姿勢に戻すことができる。
【0068】
この結果、第1距離L1と第2距離L2と第3距離L3と第4距離L4とが略等しくなる。第1距離L1と第3距離L3との間の距離が等しくなく、さらに、第2距離L2と第4距離L4との距離が等しくない場合には、カセット200が幅方向にずれていることになる。たとえば、カセット200が、第1搬送台110側にオフセットしている場合には、所定時間、ローラ112の回転速度をローラ113の回転速度よりも速くする。これにより、カセット200は回転しながら第2搬送台111側に変位する。所定時間経過後、姿勢が傾斜したカセット200の姿勢を矯正するために、ローラ113の回転速度をローラ112の回転速度よりも速くする。これにより、カセット200は回転し、正常な姿勢に戻るように回転すると共に、今度は、第1搬送台110側に変位する。ここで、カセット200の回転速度およびカセット200の幅方向の変位速度は、ローラ112およびローラ113の回転速度や速度差を適宜調整することで変更することができる。
【0069】
そこで、カセット200の姿勢自体は正常であっても、カセット200の位置が幅方向にずれている場合には、ローラ112の回転速度をローラ113の回転速度よりも速めることと、ローラ113の回転速度をローラ112の回転速度よりも速めることを繰り返すことで、カセット200の幅方向の中央部が、第1搬送台110および第2搬送台111の幅方向の中央部に位置するように調整することができる。この結果、カセット200を正常な姿勢に矯正することができると共に、第1距離L1と第2距離L2と第3距離L3と第4距離L4とが略等しくなるようにカセット200の幅方向の位置を修正することができる。
【0070】
なお、制御部260は、カセット200の姿勢を矯正するために、ローラ112およびローラ113の回転速度を変更してから所定時間経過すると、ローラ112およびローラ113の回転速度を通常の回転速度に戻す。カセット200の姿勢を矯正し始めてから所定時間経過すると、カセット200は、第1搬送台110および第2搬送台111から次の搬送台に差し掛かる。そこで、カセット200が次の搬送台に差し掛かるときに、ローラ112およびローラ113の回転速度を定常状態に戻し、次に搬送されるカセット200の矯正の準備をする。
【0071】
搬送装置100は、第1搬送台110に連設され、搬送方向P前方側に位置する第3搬送台210と、第2搬送台111に連設され、搬送方向P前方側に位置する第4搬送台211とを備える。
【0072】
第3搬送台210および第4搬送台211は、第1搬送台110等と同様に構成されており、回転可能に設けられたローラ212,213と、ローラ212,213を回転駆動する駆動部230,231とを備える。
【0073】
第3搬送台210の外側面には、センサ250と、センサ250より搬送方向前方側に配置されたセンサ251とが設けられている。
【0074】
第4搬送台211の外側面には、センサ252と、センサ252よりも搬送方向P前方側に配置されたセンサ253とが設けられている。
【0075】
そして、制御部260は、センサ250,センサ251,センサ252およびセンサ253からの出力に基づいて、カセット200の姿勢を判断し、駆動部230および駆動部231の駆動を制御することで、カセット200の姿勢を矯正する。
【0076】
このように、搬送装置100は、複数の区間でカセット200の姿勢を判定し、カセット200が所定の状態から回転している場合には、搬送装置100の姿勢を矯正する制御を行う。
【0077】
この搬送装置100においては、第1搬送台110および第2搬送台111によって構成される区間には、1つのカセット200が位置するように、カセット200間の間隔が設定されている。
【0078】
このため、たとえば、第1搬送台110および第2搬送台111によって構成される区間に複数のカセット200が配置されることを抑制されており、1つのカセット200の姿勢を矯正することで、他のカセット200の姿勢が崩れることが抑制されている。
【0079】
これにより、搬送装置100が複数のカセット200を搬送する際においても、各カセット200の姿勢を矯正することができる。
【0080】
なお、図4に示す例においては、複数のセンサを用いて、カセット200の側面部からの距離を測定して、カセット200の姿勢を判断しているが、カセット200の姿勢の判断方向としては、上記の方法に限られない。
【0081】
たとえば、センサ150のみを用いて、カセット200の姿勢を判断するようにしてもよい。
【0082】
制御部260には、基準変動率が格納されている。センサ150は常時、距離のセンシングを行っている。カセット200がセンサ150に達すると、センサ150からの出力値は大きく変動する。制御部260は、センサ150から出力の変動率が上記基準変動率よりも大きくなったと判断すると、当該時刻を初期基準時とする。
【0083】
そして、制御部260は、上記初期基準時から第2期間経過した第2基準時におけるセンサ150の出力を第2距離L2とする。この際、第2検査位置Q12とセンサ150との間の距離が測定される。その後、制御部260は、上記初期基準時から第1期間経過した第1基準時におけるセンサ150の出力を第1距離L1とする。この際、第1検査位置Q11とセンサ150との間の距離が測定される。なお、第2期間は、第1期間よりも短い。そして、第1距離L1および第2距離L2に基づいて、ローラ112およびローラ113の回転速度を制御する。
【0084】
なお、上記変形例においては、第1検査位置Q11および第2検査位置Q12の2点と、センサ150との距離に基づいて、カセット200の傾斜状態を判断しているが、これに限られない。たとえば、さらに複数の位置でカセット200とセンサ150との間の距離を測定するようにしてもよい。
【0085】
たとえば、センサ150は、カセット200の側面部205がセンサ150の側方に達してから、少なくとも所定期間、第1距離L1を測定し、制御部260に測定結果を時々刻々出力する。
【0086】
たとえば、第1距離L1が時間がたつにつれて大きくなる場合には、図4に示すように、カセット200が傾斜しているものと考えられる。この場合には、制御部260はローラ112の回転速度を上昇させると共に、ローラ113の回転速度を低下させる。
【0087】
その一方で、第1距離L1が時間がたつにつれて、小さくなる場合には、制御部260は、ローラ112の回転速度を低下させると共に、ローラ113の回転速度を上昇させる。このような例においても、カセット200の姿勢を判断することができると共に、カセット200の姿勢を矯正することができる。
【0088】
(実施の形態2)
図6から図8を用いて、本実施の形態2に係る搬送装置100について説明する。なお、図6および図7に示す構成のうち、上記図1から図5に示された構成と同一または相当する構成については、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0089】
図6は、第2搬送台111の一部を断面視した正面図である。この図6に示すように、ローラ113は、回転軸120によって、筐体118に回転可能に設けられている。
【0090】
回転軸120には、図7に示すように、ベアリング320が装着されている。ここで、ベアリング320は、間隔をあけて2つ配置されており、各ベアリング320の間に、ローラ112が配置されている。
【0091】
ベアリング301のアウターレースは、筐体118に形成された穴部の内周面に装着されており、ベアリング301のインナーレースには、回転軸120が固定されている。ベアリング301のアウターレースの外周面のうち、下端部側には圧力センサ300が配置されている。
【0092】
これにより、ローラ112に加えられた荷重は、2つの圧力センサ300によって検知することができる。
【0093】
図8は、本実施の形態2に係る搬送装置100の平面図である。この図8に示すように、第1搬送台110には、上記圧力センサ300と、圧力センサ300より搬送方向P前方側に位置するローラ112のベアリングに設けられた2つの圧力センサ301とを備えている。第2搬送台111には、ローラ113のベアリングに設けられた圧力センサ302と、この圧力センサ302に対して搬送方向P前方側に位置する2つの圧力センサ303とを備えている。
【0094】
なお、圧力センサ302と圧力センサ300とは、第1搬送台110および第2搬送台111の配列方向に配列している。圧力センサ303と圧力センサ301も、第1搬送台110と第2搬送台111との配列方向に配列している。
【0095】
制御部260には、カセット200が正常な姿勢の際に、各圧力センサ300〜圧力センサ303に加えられる荷重が記憶されている。
【0096】
そして、制御部260は、各圧力センサ300〜圧力センサ303から出力値を受け取り、各荷重センサからの出力が所定の閾値の範囲内であれば、カセット200の姿勢が正常なものと判断し、ローラ112およびローラ113の回転速度を維持する。
【0097】
その一方で、圧力センサ300〜圧力センサ303から出力された出力値が閾値を越えるときには、カセット200の姿勢を矯正するために、ローラ112およびローラ113の回転速度を調整する。
【0098】
たとえば、図8に示す例においては、側面部205が搬送方向P前方側に向かうにしたがって、第2搬送台111から離れるように傾斜し、側面部204が搬送方向P前方側に向かうにしたがって、第1搬送台110に近接するように傾斜している。
【0099】
このようにカセット200が傾斜した状態においては、圧力センサ300および圧力センサ303に加えられる荷重は、カセット200が正常な姿勢のときよりも小さくなる。圧力センサ301および圧力センサ302に加えられる荷重は、カセット200が正常な姿勢のときよりも大きくなる。
【0100】
このように、圧力センサ300および圧力センサ303が出力する出力値が閾値を超えて小さく、圧力センサ301および圧力センサ303が出力する出力値が閾値を大きい時には、制御部260は、ローラ112の回転速度を大きくするとともに、ローラ113の回転速度を低下させる。
【0101】
その一方で、圧力センサ300および圧力センサ303の出力値が閾値を超えて大きく、圧力センサ301および圧力センサ302の出力値が閾値をより小さいときには、制御部260は、ローラ112の回転速度を低下させるとともに、ローラ113の回転速度を上昇させる。本実施の形態2に係る搬送装置100においては、第3搬送台210にも、圧力センサ450および圧力センサ450より搬送方向P前方側に設けられた圧力センサ451とが設けられている。
【0102】
なお、本実施の形態2に係る搬送装置100においては、複数の圧力センサ300〜
圧力センサ303を用いて、カセット200の姿勢を検知しているが、圧力センサ300のみを用いて、検知するようにしてもよい。
【0103】
たとえば、カセット200が正常な姿勢の時には、圧力センサ300に加えられる荷重は、カセット200が通過する過程において、大きくは変動しない。
【0104】
その一方で、図8に示すように、カセット200が傾斜しているときには、圧力センサ300に加えられる荷重は、始め閾値よりも大きく、カセット200が通過するにつれて、小さくなる。
【0105】
この場合には、制御部260は、ローラ112の回転速度を上昇させると共に、ローラ113の回転速度を低下させる。
【0106】
反対に、側面部205が搬送方向P前方側に向かうにつれて、第2搬送台111に近接するように傾斜している場合には、圧力センサ300に加えられる荷重は、始め閾値よりも小さく、カセット200が通過するにつれて大きくなる。
【0107】
この場合には、制御部260は、ローラ113の回転速度を上昇させると共に、ローラ112の回転速度を低下させる。このように、圧力センサ300のみで、カセット200の姿勢を矯正することもできる。
【0108】
なお、本実施の形態2に係る搬送装置100においても、第3搬送台210および
第4搬送台211にも複数圧力センサ450〜圧力センサ453が設けられている。
【0109】
(実施の形態3)
図9および図10を用いて、本実施の形態3に係る搬送装置100について説明する。なお、図9および図10に示す構成のうち、上記図1から図8に示す構成と同一または相当する構成については、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0110】
図9は、本実施の形態3に係る搬送装置100の正面図である。この図9に示すように、搬送されるカセット200の上方に間隔をあけて複数のセンサ311、312、313が配置されている。
【0111】
図10は、図9に示す搬送装置100を模式的に示す平面図である。この図10に示すように、複数のセンサ311〜センサ313が仮想垂直線L5上に間隔をあけて配列している。仮想垂直線L5は、搬送方向Pと直行する仮想直線であり、複数のセンサ311〜センサ313は、第1搬送台110および第2搬送台111の配列方向に配列している。なお、センサ311は、センサ313,312よりも第1搬送台110側に位置しており、センサ312は、センサ313,311間に配置されている。なお、センサ311〜センサ313は、カセット200の上方に配置されている。
【0112】
そして、センサ311〜センサ313は、下方をカセット200が位置しているか否かを判断する。そして、制御部260は、センサ311〜センサ313からの出力に基づいて、カセット200の姿勢を判断し、カセット200の姿勢が傾いているときには、ローラ112およびローラ113の回転速度を調整する。
【0113】
たとえば、図10に示す例においては、カセット200が搬送される過程において、カセット200の正面部202のうち、側面部204側に位置する部分が仮想垂直線L5を通過する。カセット200が搬送されるにつれて、正面部202のうち、側面部204側から側面部205側に位置する部分が順次仮想垂直線L5を通過する。
【0114】
このため、センサ313がまず、カセット200が下方に達したことを検知し、その後、センサ312およびセンサ311が順次、カセット200を検知する。
【0115】
ここで、制御部260は、センサ313がカセット200を検知した後、センサ312がカセット200を検知するまでの時間およびセンサ313が検知した後、センサ311がカセット200を検知するまでの時間を算出する。
【0116】
そして、制御部260は、センサ311がカセット200を検知してからセンサ312がカセット200を検知するまでの時間が所定の閾値を越えており、さらに、センサ311がカセット200を検知してからセンサ311がカセット200を検知するまでの時間が所定の閾値を越えている場合には、ローラ112の回転を上昇させ、ローラ113の回転を低下させる。
【0117】
その一方で、センサ311がカセット200を最初に検知し、その後、センサ312およびセンサ313が順次カセット200を検知した場合には、制御部260は、次のようにローラ112およびローラ113の回転速度を調整する。
【0118】
センサ311がカセット200を検知してからセンサ312がカセット200を検知するまでの時間および、センサ311がカセット200を検知してからセンサ313がカセット200を検知するまでの時間が所定の閾値を超えている場合には、ローラ112の回転速度を低下させると共に、ローラ113の回転速度を上昇させる。
【0119】
このように各ローラの駆動を制御することで、良好にカセットの姿勢を矯正することができる。
【0120】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。さらに、上記数値などは、例示であり、上記数値および範囲にかぎられない。
【符号の説明】
【0121】
100 搬送装置、110,111 搬送台、112 ローラ、150,151 センサ、200 カセット、202 正面部、203 底部、204 側面部、205 側面部、206 天面部、207 背面部、210,211 搬送台、212,213 ローラ、230,231 駆動部、250,251,251,253 センサ、F1,F2 仮想基準線、L5 仮想垂直線、P 搬送方向。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向に配列する第1側面および第2側面を含むカセットを搬送する搬送装置であって、
前記カセットの底面のうち、前記第1側面側に位置する部分が配置され、搬送方向に延びる第1搬送台と、
前記第1搬送台の上面に回転可能に設けられ、前記カセットを搬送する複数の第1ローラと、
前記第1ローラを回転させる第1駆動部と、
前記カセットの底面のうち、前記第2側面側に位置する部分が配置され、前記第1搬送台と平行に延びる第2搬送台と、
前記第2搬送台の上面に回転可能に設けられ、前記カセットを搬送する複数の第2ローラと、
前記第2ローラを回転させる第2駆動部と、
前記第1側面との距離を検知可能な検知部と、
前記検知部からの出力に基づいて前記第1駆動部および前記第2駆動部を制御して、前記第1ローラと前記第2ローラの回転速度を調整する制御部とを備え、
前記検知部は、前記第1側面に位置する第1検出位置との間の第1距離と、
前記第1側面のうち、前記第1検出位置よりも前記搬送方向前方側に位置する第2検出位置との間の第2距離とを検知し、
前記制御部は、前記第1距離と前記第2距離との差が所定の閾値より小さくなるように、前記第1ローラと、前記第2ローラとの少なくとも一方の回転速度を上昇または低下させる、搬送装置。
【請求項2】
前記検知部は、前記搬送方向に延びる第1仮想基準線と前記第1側面との間の距離を測定可能とされた、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記検知部は、前記第1センサと、前記第1センサよりも前記搬送方向前方側に位置する第2センサとを含み、
前記第1センサおよび前記第2センサとは、前記第1仮想基準線上に配列された、請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記検知部からの出力の変動率が基準変動率を超えたときを初期基準時とし、
前記制御部は、前記初期基準時から第1期間経過した第1基準時における前記検知部の出力を前記第1距離とし、
前記制御部は、前記初期基準時から第2期間経過した第2基準時における前記検知部の出力を前記第2距離とする、請求項1または請求項2に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第1距離が前記第2距離よりも大きいと判断すると、前記第1ローラの回転速度を上昇させ、
前記第2距離が前記第1距離よりも大きいと判断すると、前記第2ローラの回転速度を上昇させる、請求項1から請求項4のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第1距離が前記第2距離よりも大きいと判断すると、前記第2ローラの回転速度を低下させ、
前記第2距離が前記第1距離よりも大きいと判断すると、前記第1ローラの回転速度を低下させる、請求項1から請求項5のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項7】
前記検知部は、
前記第2側面に位置する第3検出位置との間の第3距離と、
前記第2側面のうち、前記第3検出位置よりも前記搬送方向前方側に位置する第4検出位置との間の第4距離とを検知し、
前記制御部は、前記第3距離と前記第4距離との差が所定の閾値よりも大きいと判断すると、前記第3距離と前記第4距離との差が所定の閾値より小さくなるように、前記第1ローラと、前記第2ローラとの少なくとも一方の回転速度を上昇または低下させる、請求項1から請求項6のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第3距離が前記第4距離よりも大きいと判断すると、前記第1ローラの回転速度を低下させ、
前記制御部は、前記第4距離が前記第3距離よりも大きいと判断すると、前記第2ローラの回転速度を低下させる、請求項7に記載の搬送装置。
【請求項9】
カセットを搬送する搬送装置であって、
搬送方向に延びる第1搬送台と、
前記第1搬送台の上面に回転可能に設けられ、前記カセットを搬送する複数の第1ローラと、
前記第1ローラを回転させる第1駆動部と、
前記第1搬送台と平行に延びる第2搬送台と、
前記第2搬送台の上面に回転可能に設けられ、前記カセットを搬送する複数の第2ローラと、
前記第2ローラを回転させる第2駆動部と、
前記第1ローラに加えられる荷重を計測可能な荷重センサと、
前記荷重センサからの出力に基づいて前記第1ローラと前記第2ローラの回転速度を調整する制御部とを備える、搬送装置。
【請求項10】
幅方向に配列する第1側面および第2側面と正面および背面とを含むカセットを搬送する搬送装置であって、
前記カセットの底面のうち、前記第1側面側に位置する部分が配置され、搬送方向に延びる第1搬送台と、
前記第1搬送台の上面に回転可能に設けられ、前記カセットを搬送する複数の第1ローラと、
前記第1ローラを回転させる第1駆動部と、
前記カセットの底面のうち、前記第2側面側に位置する部分が配置され、前記第1搬送台と平行に延びる第2搬送台と、
前記第2搬送台の上面に設けられ、前記カセットを搬送する複数の第2ローラと、
前記第2ローラを回転させる第2駆動部と、
前記カセットの上方に配置され、前記第1搬送台および第2搬送台の配列方向に配列する第1正面検知部、および前記第1正面検知部よりも前記第2搬送台側に位置する第2正面検知部と、
前記第1正面検知部および第2正面検知部からの出力に基づいて、前記第1駆動部および前記第2駆動部を制御し、前記第1ローラと前記第2ローラの回転速度を調整する制御部とを備え、
前記第1正面検知部は、該第1正面検知部の下方を前記正面が通過したことを検知可能とされ、
前記第2正面検知部は、該第2正面検知部の下方を前記正面が通過したことを検知可能とされ、
前記制御部は、
前記正面が前記第1正面検知部を前記第2正面検知部よりも先に通過した場合に、前記第1ローラの回転速度を低下させると共に、前記第2ローラの回転速度を上昇させ、
前記正面が前記第1正面検知部を前記第2正面検知部よりも後に通過した場合に、前記第1ローの回転速度を上昇させると共に、前記第2ローラの回転速度を低下させる、搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−111289(P2011−111289A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−269580(P2009−269580)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】