説明

携帯型電子装置

【課題】画像形成装置(複写機もしくは複合機)や画像読取り装置等の外部装置に格別の機能を設けなくても、画面の表示内容の複写禁止等を行うことが可能な携帯型電子装置を提供する。
【解決手段】表示データによって示される表示内容が液晶表示部3の画面3aに表示されている状態で、表示データと共に読取りもしくは複写の禁止を示す制御データがメモリ4に記憶されている場合は、各センサ7〜12の検出信号の監視を継続的に行って、各センサ7〜12の検出信号に基づき画像形成装置(複写機もしくは複合機)や画像読取り装置等の外部装置による読取り動作が行われているか否かを判定し、読取り動作が行われていると判定したときに、液晶表示部3の画面3aに表示されている表示内容を規制している。このため、外部装置に格別の機能を設けなくても、外部装置による画面の表示内容の読取りや複写等を規制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯情報端末、携帯電話機、電子辞書、電子ペーパ等の携帯型電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の携帯型電子装置においては、例えば文字や図形等を入力して、テキスト等のコンテンツを作成したり、コンテンツをメモリから読み出して、これらのコンテンツを画面に表示することができる。また、複写機を用いることにより、携帯型電子装置の画面に表示されている表示内容を複写することが可能である。
【0003】
例えば、特許文献1では、複写機が電子ブック端末(携帯型電子装置)に対して頁要求を通知すると、電子ブック端末が画面に表示されている表示内容を更新して、複写機に対して表示内容の更新完了を通知し、これに応答して複写機が電子ブック端末の表示内容を読取って複写しており、この一連の動作を繰返して、複写機が電子ブック端末の画面に順次表示される複数頁の表示内容を逐次読取って複写するようにしている。
【0004】
また、表示内容が個人情報や社外秘である場合は、表示内容の複写を禁止することが好ましく、このために携帯型電子装置の画面に表示される表示内容の複写を禁止するための技術が提案されている。
【0005】
例えば、特許文献2では、複写機が電子ペーパに内蔵のICから情報を読取り、情報によって複写許可が示されている場合に、電子ペーパに表示されている表示内容を複写し、また情報によって複写禁止が示されている場合に、電子ペーパに表示されている表示内容の複写を行わないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−254224号公報
【特許文献2】特開2005−12701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献2では、電子ペーパに内蔵のICに複写の許可又は禁止を示す情報を書き込んで、複写機で電子ペーパのICからその情報を読取ることから、ICを電子ペーパに内蔵し、かつICの情報を読取る機能を複写機に設けておく必要があり、電子ペーパ側のIC及び複写機側の情報を読取る機能のいずれか一方が欠けても、複写の許可及び禁止を適確に実施することができない。従って、電子ペーパ(携帯型電子装置)及び複写機が特定され、利用状況が限られてしまう。
【0008】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、画像形成装置(複写機もしくは複合機)や画像読取り装置等の外部装置に格別の機能を設けなくても、画面の表示内容の複写禁止等を行うことが可能な携帯型電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、表示内容を画面に表示する表示部と、前記表示部を制御する制御部とを備えた携帯型電子装置であって、外部装置による前記画面上の表示内容の読取り動作を検出する読取り動作検出部を備え、前記制御部は、前記読取り動作検出部により前記外部装置の読取り動作が検出されると、前記表示部の画面に表示されている表示内容を規制している。
【0010】
このような本発明の携帯型電子装置では、読取り動作検出部により外部装置の読取り動作が検出されると、制御部により表示部の画面に表示されている表示内容が規制される。すなわち、携帯型電子装置では、外部装置の読取り動作を検出して、画面の表示内容を規制する。従って、画像形成装置(複写機もしくは複合機)や画像読取り装置等の外部装置に格別の機能を設けなくても、画面の表示内容の複写禁止等を行うことができる。
【0011】
尚、携帯型電子装置としては、携帯情報端末、携帯電話機、電子辞書、電子ペーパ等があり、画面を有する表示部と、この画面に表示されている表示内容を制御する制御部とを備える構成であれば、如何なる種類の装置であってもよい。
【0012】
また、本発明の携帯型電子装置においては、前記読取り動作検出部は、前記外部装置からの電磁波ノイズのレベルを検出し、前記制御部は、前記読取り動作検出部により検出された電磁波ノイズのレベルが予め設定されたノイズ閾値以上になると、前記表示部の画面に表示されている表示内容を規制している。
【0013】
例えば、画像形成装置(複写機もしくは複合機)や画像読取り装置等の外部装置による読取り動作が行われているときには、インバータの出力を光源に加えて、光源を発光させ、読取り対象を照明することから、インバータから高レベルの電磁波ノイズが発生する。このため、読取り動作検出部により電磁波ノイズのレベルを検出し、この検出した電磁波ノイズのレベルがノイズ閾値以上になったときに、外部装置の読取り動作が行われているとみなして、表示部の画面に表示されている表示内容を規制している。
【0014】
更に、本発明の携帯型電子装置においては、前記読取り動作検出部は、前記外部装置からの機械的な振動のレベルを検出し、前記制御部は、前記読取り動作検出部により検出された機械的な振動のレベルが予め設定された振動閾値以上になると、前記表示部の画面に表示されている表示内容を規制している。
【0015】
例えば、携帯型電子装置が電子ペーパである場合は、複数の電子ペーパを重ねたりあるいは電子ペーパを一般的な原稿と共に重ねて画像形成装置(複写機もしは複合機)や画像読取り装置等の外部装置にセットし、電子ペーパもしくは原稿を順次引出して搬送しつつ読取ることができ、このときには電子ペーパや原稿を引出して搬送するための搬送機構、例えば搬送ローラ、モータ、ギアユニット等から機械的な振動が発生し、この機械的な振動が電子ペーパに伝達される。このため、読取り動作検出部により機械的な振動のレベルを検出し、この検出した機械的な振動のレベルが振動閾値以上になったときに、外部装置の読取り動作が行われているとみなして、表示部の画面に表示されている表示内容を規制している。
【0016】
また、本発明の携帯型電子装置においては、前記読取り動作検出部は、前記外部装置からの入射光のレベルを検出し、前記制御部は、前記読取り動作検出部により検出された入射光のレベルが予め設定された光閾値以上になると、前記表示部の画面に表示されている表示内容を規制している。
【0017】
例えば、画像形成装置(複写機もしくは複合機)や画像読取り装置等の外部装置による読取り動作が行われているときには、光源を発光させ、読取り対象を照明することから、光源の高レベルの光が携帯型電子装置に入射する。このため、読取り動作検出部により入射光のレベルを検出し、この検出した入射光のレベルが光閾値以上になったときに、外部装置の読取り動作が行われているとみなして、表示部の画面に表示されている表示内容を規制する。
【0018】
更に、本発明の携帯型電子装置においては、前記読取り動作検出部は、前記外部装置で加えられた圧力のレベルを検出し、前記制御部は、前記読取り動作検出部により検出された圧力のレベルが予め設定された圧力閾値以上になると、前記表示部の画面に表示されている表示内容を規制している。
【0019】
例えば、携帯型電子装置が電子ペーパである場合は、電子ペーパを画像形成装置(複写機もしくは複合機)や画像読取り装置等の外部装置のプラテンガラス上にセットし、外部装置のカバーを閉じて、プラテンガラスとカバーの間に電子ペーパを挟み込んで、電子ペーパを読取ることができ、このときには電子ペーパに圧力が加わる。このため、読取り動作検出部により圧力のレベルを検出し、この検出した圧力のレベルが圧力閾値以上になったときに、外部装置の読取り動作が行われているとみなして、表示部の画面に表示されている表示内容を規制している。
【0020】
また、本発明の携帯型電子装置においては、前記読取り動作検出部は、前記外部装置による読取り動作が行われるときに設定される前記携帯型電子装置の動作モードを検出し、前記制御部は、前記読取り動作検出部により前記動作モードが検出されると、前記表示部の画面に表示されている表示内容を規制している。
【0021】
このように外部装置による読取り動作が行われるときに設定される携帯型電子装置の動作モードを検出して、表示部の画面に表示されている表示内容を規制してもよい。
【0022】
更に、本発明の携帯型電子装置においては、前記表示部の画面が下方に向けられたか否かを検出する画面方向検出部を備え、前記制御部は、前記読取り動作検出部により前記外部装置の読取り動作が検出され、かつ前記画面方向検出部により前記表示部の画面が下方に向けられたことが検出されると、前記表示部の画面に表示されている表示内容を規制している。
【0023】
画像形成装置(複写機もしくは複合機)や画像読取り装置等の外部装置においては、読取り対象の読取り面を下方に向けた状態で読取り動作を行うことが多く、よって読取り対象となる携帯型電子装置の画面を下方に向ける必用がある。このため、読取り動作検出部により外部装置の読取り動作が検出され、かつ画面方向検出部により表示部の画面が下方に向けられたことが検出されたときに、外部装置の読取り動作が行われているとみなして、表示部の画面に表示されている表示内容を規制している。これにより、外部装置の読取り動作が行われているか否かの判定精度を向上させることができる。
【0024】
また、本発明の携帯型電子装置においては、前記制御部は、前記表示部の画面に予め設定された文字、記号、もしくは符号を表示することにより前記画面に表示されている表示内容の規制を行っている。
【0025】
例えば、文字、記号、もしくは符号として、複写禁止を示すメッセージ、記号、符号等を適用する。このようなメッセージ、記号、符号等を表示内容に重ねて表示すると、外部装置により読取られた表示内容の規制を行うと同時に、利用者に対して表示内容の読取りもしくは複写の禁止を知らせることができる。
【0026】
更に、本発明の携帯型電子装置においては、前記制御部は、前記表示部の画面に表示されている表示内容を消去するか、又は前記表示内容の解像度を低下させることにより前記画面に表示されている表示内容の規制を行っている。
【0027】
このように表示部の画面に表示されている表示内容を消去したり解像度を低下させて、表示内容の規制を行った場合は、外部装置により表示内容が全く読取られなかったり、外部装置により読取られた表示内容の解像度が低下して、表示内容が規制され、また利用者に対して表示内容の読取りもしくは複写の禁止を知らせることができる。
【0028】
また、本発明の携帯型電子装置においては、前記制御部は、前記表示部の画面に表示されている表示内容を頁単位で規制している。
【0029】
複数頁の表示内容が表示部の画面に表示される場合は、頁毎に、表示内容を規制するのが好ましい。
【0030】
更に、本発明の携帯型電子装置においては、前記制御部は、前記表示部の画面に表示されている表示内容の一部を規制している。
【0031】
表示内容によっては、その一部だけの規制が必要なことがある。この場合は、その一部だけを規制すればよい。
【発明の効果】
【0032】
本発明の携帯型電子装置では、外部装置の読取り動作を検出して、画面の表示内容を規制している。従って、画像形成装置(複写機もしくは複合機)や画像読取り装置等の外部装置に格別の機能を設けなくても、画面の表示内容の複写禁止等を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の携帯型電子装置の第1実施形態である電子ペーパの構成を示すブロック図である。
【図2】画像読取り装置を搭載した画像形成装置を示す断面図である。
【図3】(a)は図1の電子ペーパの画面に表示された表示内容の一例を示す図であり、(b)は規制符号が重ねられた表示内容を示す図である。
【図4】(a)は図1の電子ペーパの画面に表示された表示内容の他の例を示す図であり、(b)は解像度が低くされた表示内容を示す図である。
【図5】(a)は図1の電子ペーパの画面に表示された表示内容の別の例を示す図であり、(b)は表示内容の一部の解像度を低くして示す図である。
【図6】電子ペーパの表示内容を規制するための制御を示すフローチャートである。
【図7】本発明の携帯型電子装置の第2実施形態である携帯情報端末を示す平面図である。
【図8】携帯情報端末の構成を示すブロック図である。
【図9】携帯情報端末の複写モードでのコンテンツの表示制御を示すフローチャートである。
【図10】(a)は定型サイズと縦横比率が略同一であるコンテンツを定型サイズに収まるように拡大して示す図であり、(b)は横幅に対する縦幅の比が定型サイズよりも小さいコンテンツを拡大して示す図である。
【図11】(a)は携帯情報端末の表示画面を上方に向けた状態を示す斜視図であり、(b)は表示画面のコンテンツを示す図である。
【図12】(a)は携帯情報端末の表示画面を下方に向けた状態を示す斜視図であり、(b)は表示画面のコンテンツを示す図である。
【図13】携帯情報端末の表示画面上で規制符号をコンテンツに重ねて示す図である。
【図14】携帯情報端末の変形例で用いられるデータテーブルを概念的に示す図である。
【図15】携帯情報端末の他の変形例の表示画面に表示される任意設定ウィンドウを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0035】
図1は、本発明の携帯型電子装置の第1実施形態である電子ペーパを示すブロック図である。第1実施形態の電子ペーパ1は、画像表示用の液晶層を一対の樹脂フィルムで挟んだものであって、薄い平板状でかつフレキシブルな可撓性を有する装置である。図1に示すように電子ペーパ1は、制御部2、液晶表示部3、メモリ4、操作部5、通信部6、方向センサ7、電磁波ノイズセンサ8、振動センサ9、光センサ10、複数の表面圧力センサ11、及び複数の背面圧力センサ12を備えている。また、電子ペーパ1には、電子ペーパ1の駆動電力を供給する電池(図示せず)も内蔵されている。
【0036】
制御部2は、電子ペーパ1を統括的に制御するものであって、ICチップからなる。液晶表示部3は、電子ペーパ1の表面の殆どを覆う画面に表示内容を表示するディスプレイであり、画面の表示内容の書き換え時のみ電力を必要とし、電圧無印加で画面の表示内容の表示を維持し続けるメモリ性を有し、例えばカイラルネマティック液晶が適用される。液晶表示部3としては、他の種類の液晶あるいは他の方式のものを適用してもよい。
【0037】
メモリ4は、ROMやRAM等であって、各種のプログラムや各種のデータを記憶する。例えば、メモリ4には、液晶表示部3の画面に表示される表示内容を示す表示データ、及び表示データの読取りもしくは複写の禁止を示す制御データ等が記憶される。操作部5は、電子ペーパ1の表面端部に配置された複数の入力キーである。通信部6は、外部から表示データや制御データを受信入力するインターフェースである。通信部6の通信方式は、有線、電波、光、及び音等のいずれを用いたものであってもよい。
【0038】
方向センサ7及び振動センサ9は、例えば加速度センサであり、1つの加速度センサを方向センサ7及び振動センサ9として共用することができる。方向センサ7は、液晶表示部3の画面の向き(上方又は下方)を検出して、画面の向きを示す検出信号を出力する。また、振動センサ9は、電子ペーパ1に加えられた機械的な振動のレベルを検出して、機械的な振動のレベルを示す検出信号を出力する。
【0039】
電磁波ノイズセンサ8は、電磁波ノイズを受信するアンテナを有し、アンテナの受信入力レベルを電子ペーパ1付近の電磁波ノイズのレベルとして検出して、電磁波ノイズのレベルを示す検出信号を出力する。光センサ10は、液晶表示部3の画面と同じ方向に向く受光面を有する受光素子であり、液晶表示部3の画面に対する入射光のレベルを検出し、入射光のレベルを示す検出信号を出力する。
【0040】
各表面圧力センサ11及び各背面圧力センサ12は、例えば圧電センサであり、電子ペーパ1の表面(液晶表示部3の画面と同じ面)に加えられた圧力及び電子ペーパ1の裏面に加えられた圧力をそれぞれ検出して、各圧力を示すそれぞれの検出信号を出力する。各表面圧力センサ11及び各背面圧力センサ12のいずれも、電子ペーパ1の各辺に沿って配置され、電子ペーパ1の一部に圧力が作用したのか、電子ペーパ1の全体に圧力が作用したのかを判別することができるようにしている。
【0041】
電子ペーパ1の全体が均一な厚みであることが望ましく、各センサ7〜12としては、電子ペーパ1の表面及び裏面から突出しない程度の厚みのものが好ましいが、電子ペーパ1の厚みより僅かに厚いものであっても適用可能である。また、各センサ7〜12は、電子ペーパ1の表面の殆どを覆う液晶表示部3の画面に重ならないように該画面の外周もしくは電子ペーパ1の各辺近傍に配置するのがよい。
【0042】
このような構成の電子ペーパ1においては、例えば、表示データを外部から通信部6に受信入力して、表示データをメモリ4に記憶する。制御部2は、メモリ4内の表示データに基づき液晶表示部3を駆動制御して、表示データによって示される表示内容を液晶表示部3の画面に表示する。
【0043】
こうして液晶表示部3の画面に表示された表示内容は、制御部2により消去されるまで表示され続け、利用者による閲覧が何時でも可能になっている。
【0044】
また、表示データと共に読取りもしくは複写の禁止を示す制御データを通信部6に受信入力したならば、表示データだけではなく制御データもメモリ4に記憶する。制御部2は、読取りもしくは複写の禁止を示す制御データをメモリ4から読出すと、各センサ7〜12の検出信号を監視して、各センサ7〜12の検出信号に基づき画像形成装置(複写機もしくは複合機)や画像読取り装置等の外部装置による読取り動作が行われているか否かを判定し、外部装置の読取り動作が行われていないと判定すると、液晶表示部3の画面に表示されている表示内容を維持し続け、また外部装置の読取り動作が行われていると判定すると、液晶表示部3を駆動制御して、液晶表示部3の画面に表示されている表示内容を規制する。
【0045】
このような表示内容の規制により、画像形成装置(複写機もしくは複合機)や画像読取り装置等の外部装置による画面上の個人情報や社外秘等の読取りや複写を禁止することができる。次に、画像形成装置及び画像読取り装置を説明する。
【0046】
図2は、画像読取り装置を搭載した画像形成装置を示す断面図である。この画像形成装置20は、スキャナ機能、複写機能、プリンタ機能、及びファクシミリ機能等を有する所謂複合機であり、画像読取り装置51により読取られた原稿の画像を外部に送信したり、この読取られた原稿の画像又は外部から受信した画像をカラーもしくは単色で記録用紙に記録形成する。
【0047】
画像形成装置20は、画像を記録用紙に印刷するべく、光走査装置21、現像装置22、感光体ドラム23、ドラムクリーニング装置24、帯電器25、中間転写ベルト装置26、定着装置27、用紙搬送経路S、給紙トレイ28、及び用紙排出トレイ29等を備えている。
【0048】
画像形成装置20において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたもの、又は単色(例えばブラック)を用いたモノクロ画像に応じたものである。このため、現像装置22、感光体ドラム23、ドラムクリーニング装置24、及び帯電器25は、各色に応じた4種類のトナー像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローに対応付けられて、4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdが構成されている。
【0049】
各感光体ドラム23は、それらの表面に光感光層を有している。各帯電器25は、それぞれの感光体ドラム23の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、接触型であるローラ型やブラシ型の帯電器のほか、チャージャー型の帯電器が用いられる。
【0050】
光走査装置21は、レーザダイオード及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)であり、帯電された各感光体ドラム23表面を画像データに応じて露光して、それらの表面に画像データに対応する静電潜像を形成する。
【0051】
各現像装置22は、それぞれの感光体ドラム23表面に形成された静電潜像を各色のトナーにより現像し、これらの感光体ドラム23表面にトナー像を形成する。各ドラムクリーニング装置24は、現像及び画像転写後にそれぞれの感光体ドラム23表面に残留したトナーを除去及び回収する。
【0052】
中間転写ベルト装置26は、各感光体ドラム23の上方に配置されており、中間転写ベルト31、中間転写ベルト駆動ローラ32、従動ローラ33、4つの中間転写ローラ34、及びベルトクリーニング装置35を備えている。
【0053】
中間転写ベルト31は、フィルムを無端ベルト状に形成したものである。中間転写ベルト駆動ローラ32、従動ローラ33、各中間転写ローラ34等は、中間転写ベルト31を張架して支持し、中間転写ベルト31を矢印C方向に周回移動させる。
【0054】
各中間転写ローラ34は、中間転写ベルト31近傍に回転可能に支持され、中間転写ベルト31を介してそれぞれの感光体ドラム23に押圧されている。各感光体ドラム23表面のトナー像が中間転写ベルト31に順次重ねて転写されて、中間転写ベルト31上にカラーのトナー像(各色のトナー像)が形成される。各感光体ドラム23から中間転写ベルト31へのトナー像の転写は、中間転写ベルト31裏面に圧接されている各中間転写ローラ34によって行われる。各中間転写ローラ34には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されており、その導電性の弾性材により高電圧が記録用紙に対して均一に印加される。
【0055】
こうして各感光体ドラム23表面のトナー像は、中間転写ベルト31で転写積層され、画像データによって示されるカラーのトナー像となる。このカラーのトナー像は、中間転写ベルト31と共に搬送され、中間転写ベルト31と二次転写装置36の転写ローラ36a間のニップ域で記録用紙上に転写される。
【0056】
二次転写装置36の転写ローラ36aには、中間転写ベルト31上のカラーのトナー像を記録用紙に転写させるための電圧(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。
【0057】
また、二次転写装置36によって中間転写ベルト31上のトナー像が記録用紙上に完全に転写されず、中間転写ベルト31表面にトナーが残留することがあり、この残留トナーが次工程でトナーの混色を発生させる原因となる。このため、ベルトクリーニング装置35によって中間転写ベルト31表面の残留トナーを除去及び回収する。
【0058】
記録用紙は、中間転写ベルト31と二次転写装置36の転写ローラ36a間のニップ域でカラーのトナー像を転写された後、定着装置27へと搬送される。定着装置27は、加熱ローラ41及び加圧ローラ42等を備えており、加熱ローラ41と加圧ローラ42間に記録用紙を挟み込んで搬送する。
【0059】
加熱ローラ41は、所定の定着温度となるように制御されており、加圧ローラ42と共に記録用紙を熱圧着することにより、記録用紙に転写されたカラーのトナー像を溶融、混合、圧接し、記録用紙に対して熱定着させる。
【0060】
また、画像形成装置20の下部には、記録用紙を供給する給紙トレイ28が設けられている。画像形成装置20には、給紙トレイ28から供給された記録用紙を二次転写装置36や定着装置27を経由させて用紙排出トレイ29に送るための、用紙搬送経路Sが設けられている。
【0061】
給紙トレイ28の端部には用紙ピックアップローラ43が設けられており、この用紙ピックアップローラ43により給紙トレイ28から記録用紙が1枚ずつ引出されて用紙搬送経路Sへと搬送される。
【0062】
用紙搬送経路Sに沿って、用紙レジストローラ44、定着装置27、搬送ローラ45、及び排紙ローラ46等が配置されている。搬送ローラ45は、記録用紙の搬送を促進補助するための小型のローラであり、複数組設けられている。
【0063】
用紙レジストローラ44は、搬送されて来た記録用紙を一旦停止させて、記録用紙の先端を揃え、中間転写ベルト31と二次転写装置36の転写ローラ36a間のニップ域で中間転写ベルト31上のカラーのトナー像が記録用紙に転写されるように、各感光体ドラム23及び中間転写ベルト31の回転にあわせて、記録用紙をタイミングよく搬送する。
【0064】
更に、記録用紙は、定着装置27でカラーのトナー像を定着され、定着装置27を通過した後、排紙ローラ46によって用紙排出トレイ29上にフェイスダウンで排出される。
【0065】
また、記録用紙の表面だけではなく、裏面の印字を行う場合は、記録用紙を排紙ローラ46により搬送する途中で、排紙ローラ46を停止させてから逆回転させ、記録用紙を反転経路Srに通して、記録用紙の表裏を反転させ、記録用紙を用紙レジストローラ44へと導き、記録用紙の表面と同様に、記録用紙の裏面に画像を記録して定着し、記録用紙を用紙排紙トレイ29に排出する。
【0066】
次に、画像形成装置20の本体上部に搭載されている画像読取り装置51について説明する。画像読取り装置51は、読取り本体部51aと、原稿搬送部51bとを備えており、原稿を読取り本体部51aのプラテンガラス54上に載置して読取る原稿固定方式、及び原稿を原稿搬送部51bで搬送しつつ読取るシートスルー方式のいずれかにより原稿の読取り動作を行う。
【0067】
ここで、原稿をプラテンガラス54上に載置して読取る原稿固定方式では、開閉自在に支持されている原稿搬送部51bを開いて、読取り本体部51aのプラテンガラス54を開放させ、プラテンガラス54上に原稿を載置し、この後に原稿搬送部51bを閉じる。
【0068】
読取り本体部51aの第1走査ユニット55は、光源61及び第1反射ミラー62を備えており、副走査方向Yに原稿サイズに応じた距離だけ一定速度Vで移動しながら、プラテンガラス54上の原稿を光源61によって露光し、その反射光を第1反射ミラー62により反射して第2走査ユニット56へと導き、これにより原稿表面の画像を副走査方向Yに走査する。第2走査ユニット56は、第2及び第3反射ミラー63、64を備えており、第1走査ユニット55に追従して速度V/2で移動しつつ、原稿からの反射光を第2及び第3反射ミラー63、64により反射して結像レンズ57へと導く。結像レンズ57は、原稿からの反射光をCCD58に集光して、原稿表面の画像をCCD58上に結像させる。CCD58は、原稿の画像を繰返し主走査方向(副走査方向Yと直交する方向)に走査する。
【0069】
また、原稿を搬送しつつ読取るシートスルー方式では、原稿搬送部51bを閉じた状態で、原稿を原稿トレイ67にセットする。また、第1走査ユニット55を原稿読取りガラス65下方の読取り定位置に移動させ、第1走査ユニット55の位置に応じて第2走査ユニット56を位置決めする。
【0070】
原稿搬送部51bでは、ピックアップローラ66を原稿トレイ67上の原稿に押し当て回転させて、原稿を引き出し、原稿を原稿搬送路68を通じて搬送し、原稿を原稿読取りガラス65と読取りガイド板69間に通過させ、更に原稿を排紙ローラ71から排紙トレイ72へと搬送する。原稿搬送路68に沿って、原稿をその先端を揃えてから搬送するレジストローラ73や、原稿を搬送する搬送ローラ74が配置されている。
【0071】
読取り本体部51aでは、原稿が原稿読取りガラス65と読取りガイド板69間を通過するときに、第1走査ユニット55の光源61により原稿表面を原稿読取りガラス65を介して照明し、原稿表面からの反射光を第1及び第2走査ユニット55、56の各反射ミラーにより結像レンズ57へと導き、原稿表面からの反射光を結像レンズ57によりCCD58に集光させ、原稿表面の画像をCCD58上に結像させ、CCD58により原稿の画像を読取る。
【0072】
また、原稿の裏面を読取る場合は、中間トレイ77をその軸周りで点線で示すように回転させておき、原稿を排紙ローラ71から排紙トレイ72へと排出する途中で、排紙ローラ71を停止させて、原稿を中間トレイ77上に受け、排紙ローラ71を逆回転させて、原稿を反転搬送路78を介してレジストローラ73へと導いて、原稿の表裏を反転させ、原稿表面の画像と同様に、原稿裏面の画像を読取り、中間トレイ77を実線で示す元の位置に戻して、原稿を排紙ローラ71から排紙トレイ72へと排出する。
【0073】
このように原稿固定方式又はシートスルー方式で原稿画像が読取られると、CCD58から原稿画像を示すアナログ画像信号が出力され、アナログ画像信号がデジタル画像信号(画像データ)にA/D変換される。そして、画像データは、種々の画像処理を施されて画像形成装置20の光走査装置21へと送受され、画像形成装置20において画像が記録用紙に記録され、この記録用紙が複写原稿として出力される。
【0074】
さて、図1の電子ペーパ1の液晶表示部3の画面に表示されている表示内容は、画像読取り装置51により読取ることが可能であり、かつ画像形成装置20により記録用紙に印刷して複写することも可能である。
【0075】
例えば、原稿固定方式では、原稿搬送部51bを開き、電子ペーパ1の液晶表示部3の画面を下方に向けて、電子ペーパ1をプラテンガラス54上に載置し、原稿搬送部51bを閉じる。このとき、電子ペーパ1の液晶表示部3の画面には表示内容が表示されているものとする。
【0076】
読取り本体部51aでは、第1走査ユニット55の光源61を点灯して、光源61の光によって電子ペーパ1の液晶表示部3の画面を照明し、第1及び第2走査ユニット55、56を副走査方向に移動させつつ、電子ペーパ1の液晶表示部3の画面からの反射光を第1及び第2走査ユニット55、56及び結像レンズ57を経てCCD58に入射させ、CCD58により電子ペーパ1の液晶表示部3の画面を走査する。CCD58からは電子ペーパ1の液晶表示部3の画面に表示されている表示内容を示すアナログ画像信号が出力され、アナログ画像信号が画像データに変換され、画像形成装置20において画像データによって示される表示内容が記録用紙に記録される。こうして電子ペーパ1の表示内容が記録用紙に複写される。
【0077】
また、シートスルー方式でも、電子ペーパ1が薄い平板状でかつフレキシブルな可撓性を有するものであることから、電子ペーパ1を原稿搬送部51bで搬送しつつ読取ることができる。この場合、電子ペーパ1の液晶表示部3の画面に表示内容を表示した状態で、電子ペーパ1を原稿トレイ67にセットする。
【0078】
原稿搬送部51bでは、ピックアップローラ66により電子ペーパ1を原稿トレイ67から引き出し、電子ペーパ1を原稿搬送路68を通じて搬送し、電子ペーパ1を原稿読取りガラス65と読取りガイド板69間に通過させ、更に電子ペーパ1を排紙ローラ71を介して排紙トレイ72へと搬送する。
【0079】
読取り本体部51aでは、第1走査ユニット55を原稿読取りガラス65下方の読取り定位置に移動させ、第1走査ユニット55の位置に応じて第2走査ユニット56を位置決めしておき、電子ペーパ1が原稿読取りガラス65と読取りガイド板69間を通過するときに、第1走査ユニット55の光源61により電子ペーパ1の液晶表示部3の画面を原稿読取りガラス65を介して照明し、電子ペーパ1の液晶表示部3の画面からの反射光を第1及び第2走査ユニット55、56及び結像レンズ57を経てCCD58に入射させ、CCD58により電子ペーパ1の画面の表示内容を読取る。この読取られた電子ペーパ1の画面の表示内容は、画像形成装置20において記録用紙に記録されて複写される。
【0080】
また、電子ペーパ1においては、先に述べたように表示データと共に読取りもしくは複写の禁止を示す制御データがメモリ4に記憶されていた場合は、制御部2により制御データがメモリ4から読出されて、制御部2による各センサ7〜12の検出信号の監視が継続的に行われる。そして、制御部2は、原稿固定方式及びシートスルー方式のいずれであるかにかかわらず、各センサ7〜12の検出信号に基づき画像読取り装置51による読取り動作が行われているか否かを判定し、画像読取り装置51の読取り動作が行われていると判定すると、液晶表示部3の画面に表示されている表示内容を規制する。
【0081】
従って、読取りもしくは複写の禁止を示す制御データが電子ペーパ1のメモリ4に記憶されていない場合は、電子ペーパ1の液晶表示部3の画面に表示されている表示内容が維持され、この画面の表示内容を読取って複写することができる。また、制御データが電子ペーパ1のメモリ4に記憶されている場合は、電子ペーパ1の制御部2により画像読取り装置51の読取り動作が行われていると判定されたときに、電子ペーパ1の液晶表示部3の画面に表示されている表示内容が規制されて、この画面の表示内容を正常に読取って複写することができなくなる。
【0082】
次に、各センサ7〜12の検出信号に基づく画像読取り装置51による読取り動作の検出方法を説明する。
【0083】
まず、一般に、利用者が電子ペーパ1の液晶表示部3の画面に表示されている表示内容を目視しているときには、電子ペーパ1の液晶表示部3の画面が上方向に向けられ、また明る過ぎず又暗過ぎることもない適宜の照明下であることが多い。また、通常の環境では、電子ペーパ1付近の電磁波ノイズのレベルが高くなく、電子ペーパ1に機械的な振動が加えられることがなく、電子ペーパ1の端部が手で把持されることにより電子ペーパ1の端部に圧力が加わっても、電子ペーパ1の全体に圧力が加わることがない。従って、電子ペーパ1の表示内容が目視されるときには、方向センサ7の検出信号によって示される液晶表示部3の画面の向きが上方向となり、また光センサ10の検出信号によって示される液晶表示部3の画面への入射光のレベルが適宜範囲にあり、また電磁波ノイズセンサ8の検出信号によって示される電子ペーパ1付近の電磁波ノイズのレベルが低く、また振動センサ9の検出信号によって示される電子ペーパ1の機械的な振動のレベルが低く、また各表面圧力センサ11の検出信号及び各背面圧力センサ12の検出信号によって示されるそれぞれの圧力レベルの全てが高くなることはない。
【0084】
一方、原稿固定方式では、原稿搬送部51bを開いて、電子ペーパ1の液晶表示部3の画面を下方に向けた状態で、電子ペーパ1をプラテンガラス54上に載置し、原稿搬送部51bを閉じる。このため、電子ペーパ1の方向センサ7の検出信号によって示される向きが下方向となる。また、原稿搬送部51bとプラテンガラス54の間に電子ペーパ1が挟み込まれるため、電子ペーパ1の全体に圧力がかかり、各表面圧力センサ11の検出信号及び各背面圧力センサ12の検出信号によって示されるそれぞれの圧力レベルの全てが高くなる。
【0085】
また、光源61の光により電子ペーパ1の液晶表示部3の画面を照明するため、光センサ10の検出信号によって示される入射光のレベルが高くなる。更に、インバータ(図示せず)の高周波出力を光源61に加えて、光源61を発光させ、読取り対象を照明することから、インバータから高レベルの電磁波ノイズが発生する。このため、電磁波ノイズセンサ8の検出信号によって示される電磁波ノイズのレベルが高くなる。
【0086】
従って、原稿固定方式で電子ペーパ1の液晶表示部3の画面の表示内容が読取られるときには、その表示内容が目視されるときと比較すると、方向センサ7の検出信号によって示される向きが下方向となり、各表面圧力センサ11の検出信号及び各背面圧力センサ12の検出信号によって示されるそれぞれの圧力レベルの全てが高くなり、光センサ10の検出信号によって示される入射光のレベルが高くなり、電磁波ノイズセンサ8の検出信号によって示される電磁波ノイズのレベルが高くなる。ただし、原稿固定方式では、機械的な振動を電子ペーパ1に殆ど受けることがないため、振動センサ9によって検出される電子ペーパ1の機械的な振動のレベルが大きく変化することはない。
【0087】
そこで、電子ペーパ1の制御部2は、方向センサ7によって検出された向きが下方向であるか否かを判定し、各表面圧力センサ11及び各背面圧力センサ12によって検出されたそれぞれの圧力レベルの全てが予め設定された圧力閾値以上であるか否かを判定し、光センサ10によって検出された入射光のレベルが予め設定された光閾値以上であるか否かを判定し、電磁波ノイズセンサ8によって検出された電磁波ノイズのレベルが予め設定されたノイズ閾値以上であるか否かを判定する。そして、制御部2は、方向センサ7によって検出された向きが下方向であり、かつ各表面圧力センサ11及び各背面圧力センサ12によって検出されたそれぞれの圧力レベルの全てが圧力閾値以上であり、かつ光センサ10によって検出された入射光のレベルが光閾値以上であり、かつ電磁波ノイズセンサ8によって検出された電磁波ノイズのレベルがノイズ閾値以上であり、このような状態が一定時間以上継続したときに、画像読取り装置51による読取り動作が行われていると判定し、この判定をなすと、液晶表示部3の画面に表示されている表示内容を規制する。
【0088】
次に、シートスルー方式では、ピックアップローラ66により電子ペーパ1を原稿トレイ67から引き出し、電子ペーパ1を原稿搬送路68を通じて搬送する。このため、電子ペーパ1は、ピックアップローラ66や原稿搬送路68の搬送ローラ45、用紙レジストローラ44等から機械的な振動を直接受けたり、あるいは各ローラの駆動機構から機械的な振動を間接的に受け、振動センサ9検出信号によって示される機械的な振動レベルが高くなる。
【0089】
また、電子ペーパ1が原稿読取りガラス65と読取りガイド板69間を通過するときには、電子ペーパ1の液晶表示部3の画面が下方に向くため、電子ペーパ1の方向センサ7の検出信号によって示される向きが下方向となる。
【0090】
また、光源61の光により電子ペーパ1の液晶表示部3の画面を照明するため、光センサ10の検出信号によって示される入射光のレベルが高くなる。更に、光源61に高周波出力を加えるインバータから高レベルの電磁波ノイズが発生するため、電磁波ノイズセンサ8の検出信号によって示される電磁波ノイズのレベルが高くなる。
【0091】
従って、シートスルー方式で電子ペーパ1の液晶表示部3の画面の表示内容が読取られるときには、その表示内容が目視されるときと比較すると、振動センサ9の検出信号によって示される機械的な振動レベルが高くなり、方向センサ7の検出信号によって示される向きが下方向になり、光センサ10の検出信号によって示される入射光のレベルが高くなり、電磁波ノイズセンサ8の検出信号によって示される電磁波ノイズのレベルが高くなる。ただし、シートスルー方式では、電子ペーパ1が各ローラ間に挟み込まれることから、各表面圧力センサ11の一部及び各背面圧力センサ12の一部によって検出された圧力レベルが高くなることがあっても、電子ペーパ1の全体に圧力がかかることはなく、各表面圧力センサ11及び各背面圧力センサ12によって検出されたそれぞれの圧力レベルの全てが高くなることはない。
【0092】
そこで、電子ペーパ1の制御部2は、振動センサ9によって検出された機械的な振動レベルが予め設定された振動閾値以上であるか否かを判定し、方向センサ7によって検出された向きが下方向であるか否かを判定し、光センサ10によって検出された入射光のレベルが光閾値以上であるか否かを判定し、電磁波ノイズセンサ8によって検出された電磁波ノイズのレベルがノイズ閾値以上であるか否かを判定する。そして、制御部2は、振動センサ9によって検出された機械的な振動レベルが振動閾値以上であり、かつ方向センサ7によって検出された向きが下方向であり、かつ光センサ10によって検出された入射光のレベルが光閾値以上であり、かつ電磁波ノイズセンサ8によって検出された電磁波ノイズのレベルがノイズ閾値以上であり、このような状態が一定時間以上継続すると、画像読取り装置51による読取り動作が行われていると判定し、液晶表示部3の画面に表示されている表示内容を規制する。
【0093】
従って、電子ペーパ1では、方向センサ7によって検出された向きが下方向であり、かつ各表面圧力センサ11及び各背面圧力センサ12によって検出されたそれぞれの圧力レベルの全てが高く、かつ光センサ10によって検出された入射光のレベルが光閾値以上であり、かつ電磁波ノイズセンサ8によって検出された電磁波ノイズのレベルがノイズ閾値以上である状態が一定時間以上継続したときか(原稿固定方式での読取り動作のときか)、又は振動センサ9によって検出された機械的な振動レベルが振動閾値以上であり、かつ方向センサ7によって検出された向きが下方向であり、かつ光センサ10によって検出された入射光のレベルが光閾値以上であり、かつ電磁波ノイズセンサ8によって検出された電磁波ノイズのレベルがノイズ閾値以上である状態が一定時間以上継続したときに(シートスルー方式での読取り動作のときに)、画像読取り装置51による読取り動作が行われていると判定して、液晶表示部3の画面に表示されている表示内容を規制する。
【0094】
尚、画像読取り装置51による読取り動作が行われているか否かの判定に用いられる各センサの検出信号の組み合わせを適宜に変更したり、一部のセンサを省略してもよい。勿論、判定に用いられるセンサの検出信号の種類もしくは数が多くなるほど、判定精度が高くなる。
【0095】
次に、電子ペーパ1の液晶表示部3の画面に表示されている表示内容の規制方法について説明する。
【0096】
例えば、表示データと共に読取りもしくは複写の禁止を示す制御データがメモリ4に記憶されていない場合、電子ペーパ1の制御部2は、図3(a)に示すような表示データに対応する表示内容C1を電子ペーパ1の液晶表示部3の画面3aに継続的に表示し、また各センサ7〜12の検出信号の監視を行わない。このため、画像読取り装置51による読取り動作が行われても、液晶表示部3の画面3aの表示内容C1が維持されて、表示内容C1の読取りもしくは複写が行われる。
【0097】
また、表示データと共に読取りもしくは複写の禁止を示す制御データがメモリ4に記憶されている場合、電子ペーパ1の制御部2は、図3(a)に示すような表示データに対応する表示内容C1を電子ペーパ1の液晶表示部3の画面3aに継続的に表示しながらも、メモリ4内の制御データに応じて各センサ7〜12の検出信号を監視し続け、各センサ7〜12の検出信号に基づき画像読取り装置51による読取り動作が行われているか否かを判定する。そして、制御部2は、各センサ7〜12の検出信号に基づき画像読取り装置51の読取り動作が行われていると判定したときに、図3(b)に示すような規制符号D1の表示データをメモリ4から読出して、規制符号D1を表示内容C1に重ねて画面3aに表示する。この規制符号D1を示す表示データは、電子ペーパ1のメモリ4に予め記憶されている。
【0098】
このため、図3(b)の規制符号D1を表示内容C1に重ねた画像が画像読取り装置51により読取られ、この画像が画像形成装置20で記録用紙に記録されて複写される。
【0099】
このようにメモリ4内の読取りもしくは複写の禁止を示す制御データに応じて規制符号D1を表示内容C1に重ねて表示することにより、表示内容C1を規制することができ、これと同時に、利用者に対しては、記録用紙に記録された規制符号D1により表示内容C1の読取りもしくは複写の禁止を知らせることができる。
【0100】
尚、規制符号D1の代わりに、他の文字、記号、符号等、もしくはそれらを組み合わせて画面3aに表示しても構わない。例えば、読取りもしくは複写禁止を示すエラーメッセージ(文字列)を表示内容に重ねて表示してもよい。また、文字、記号、符号等、もしくはそれらを組み合わせたものをウォータマークにして表示内容に重ねて表示してもよい。
【0101】
あるいは、文字、記号、符号等の代わりに、電子ペーパ1の液晶表示部3の画面3aに表示されている表示内容を消去したり、表示内容の解像度を低くしても構わない。例えば、読取りもしくは複写の禁止を示す制御データがメモリ4に記憶されており、図4(a)に示す表示内容C2が電子ペーパ1の液晶表示部3の画面3aに表示されているものとすると、制御部2は、画像読取り装置51による読取り動作が行われていると判定したときに、画面3a上の表示内容C2の解像度を低下させて、図4(b)に示すような表示内容C3を表示する。この表示内容C3は、画像読取り装置51により読取られ、画像形成装置20で記録用紙に記録されて複写される。利用者は、記録用紙上の解像度が低下した表示内容C3を見て、図4(a)の表示内容C2の読取りもしくは複写が禁止されていることを知ることができる。
【0102】
また、複数頁の表示内容を示すそれぞれの表示データを電子ペーパ1のメモリ4に記憶しておき、各頁の表示内容を電子ペーパ1の液晶表示部3の画面に選択的に表示するときには、頁毎に、表示内容の規制を行ってもよい。この場合、読取りもしくは複写が禁止されている頁の表示内容の表示データに対応付けて、その禁止を示す制御データをメモリ4に記憶しておく。電子ペーパ1の制御部2は、表示データをメモリ4から読出して、この表示データによって示される頁の表示内容を液晶表示部3の画面に表示しているときに、この表示データに対応する制御データをメモリ4内で検索し、制御データを検索することができなければ、各センサ7〜12の検出信号の監視を行わず、頁の表示内容の表示を維持する。また、制御部2は、制御データを検索することができたならば、各センサ7〜12の検出信号の監視を継続的に行って、画像読取り装置51による読取り動作が行われているか否かを判定し、読取り動作が行われていると判定すると、頁の表示内容を規制する。これにより、頁毎に、表示内容の規制を行うことができる。
【0103】
更に、表示内容を部分的に規制することも可能である。この場合、表示内容における読取りもしくは複写が禁止されている表示部分を示す表示データ部分に対応付けて、その禁止を示す制御データをメモリ4に記憶しておく。電子ペーパ1の制御部2は、表示データをメモリ4から読出して、表示データによって示される表示内容を液晶表示部3の画面に表示しているときに、読取りもしくは複写が禁止されている表示部分に対応する制御データをメモリ4内で検索し、制御データを検索することができなければ、各センサ7〜12の検出信号の監視を行わず、表示内容の表示を維持する。また、制御部2は、制御データを検索することができたならば、各センサ7〜12の検出信号の監視を継続的に行って、画像読取り装置51による読取り動作が行われているか否かを判定し、読取り動作が行われていると判定すると、読取りもしくは複写が禁止されている表示データ部分によって示される表示部分だけを規制する。これにより、表示内容を部分的に規制することができる。例えば、図5(a)に示す表示内容C4が電子ペーパ1の液晶表示部3の画面3aに表示され、表示内容C4の表示部分C4aを示す表示データ部分に対応付けて読取りもしくは複写の禁止を示す制御データがメモリ4に記憶されているものとすると、画像読取り装置51による読取り動作が行われていると判定したときに、図5(b)に示すように画面3a上の表示内容C4の表示部分C4aの解像度を低下させる。
【0104】
次に、電子ペーパ1の制御部2による液晶表示部3の画面の表示内容の規制制御を、図6のフローチャートを参照しつつ整理して説明する。
【0105】
まず、電子ペーパ1の制御部2は、液晶表示部3の画面に表示内容が表示されている状態であるか否かを判定し(ステップS201)、例えば表示内容が表示されている状態であると判定すると(ステップS201で「No」)、ステップS202以降の処理を行わずに、図6のフローチャートの処理を終了する。
【0106】
また、制御部2は、液晶表示部3の画面に表示内容が表示されている状態であると判定すると(ステップS201で「Yes」)、読取りもしくは複写の禁止を示す制御データが表示内容の表示データと共にメモリ4に記憶されているか否かを判定し(ステップS202)、例えば制御データがメモリ4に記憶されていなければ(ステップS202で「No」)、ステップS201に戻る。従って、液晶表示部3の画面に表示内容が表示されている状態であって、読取りもしくは複写の禁止を示す制御データがメモリ4に記憶されていない場合は、ステップ201、S202が繰返されて、液晶表示部3の画面に表示内容が継続して表示され、ステップSステップS203以降の処理、すなわち外部装置による読取り動作が行われているか否かの判定等の処理が行われない。
【0107】
また、制御部2は、制御データがメモリ4に記憶されていると判定したならば(ステップS202で「Yes」)、各センサ7〜12の検出信号の監視を開始して継続する。そして、制御部2は、方向センサ7によって検出された液晶表示部3の画面の向きが下方向であるか否かを判定し(ステップS203)、また電磁波ノイズセンサ8によって検出された電磁波ノイズのレベルがノイズ閾値以上であるか否か、振動センサ9によって検出された機械的な振動のレベルが振動閾値以上であるか否か、光センサ10によって検出された入射光のレベルが光閾値以上であるか否か、各表面圧力センサ11及び各背面圧力センサ12によって検出されたそれぞれの圧力レベルの全てが圧力閾値以上であるか否かをそれぞれ判定する(ステップS204)。
【0108】
そして、先に述べたように原稿固定方式での読取り動作に伴い、方向センサ7によって検出された向きが下方向となり、かつ各表面圧力センサ11及び各背面圧力センサ12によって検出されたそれぞれの圧力レベルの全てが高くなり、かつ光センサ10によって検出された入射光のレベルが光閾値以上となり、かつ電磁波ノイズセンサ8によって検出された電磁波ノイズのレベルがノイズ閾値以上になった状態が一定時間以上継続すると、制御部2は、読取り動作が行われていると判定し(ステップS203で「Yes」、S204で「Yes」)、液晶表示部3の画面に表示されている表示内容を規制する(ステップS205)。この結果、例えば読取りもしくは複写禁止を示すエラーメッセージが液晶表示部3の画面の表示内容に重ねて表示され、画像読取り装置51によりエラーメッセージ及び表示内容が読取られて、画像形成装置20によりエラーメッセージ及び表示内容が記録用紙に記録される(ステップS206)。
【0109】
また、先に述べたようにシートスルー方式での読取り動作に伴い、振動センサ9によって検出された機械的な振動レベルが振動閾値以上となり、かつ方向センサ7によって検出された向きが下方向となり、かつ光センサ10によって検出された入射光のレベルが光閾値以上となり、かつ電磁波ノイズセンサ8によって検出された電磁波ノイズのレベルがノイズ閾値以上になった状態が一定時間以上継続すると、制御部2により読取り動作が行われていると判定され(ステップS203で「Yes」、S204で「Yes」)、制御部2により液晶表示部3の画面に表示されている表示内容が規制され(ステップS205)、この規制された表示内容が画像読取り装置51により読取られて画像形成装置20により記録用紙に記録される(ステップS206)。
【0110】
このように第1実施形態の電子ペーパ1では、表示データによって示される表示内容が液晶表示部3の画面3aに表示されている状態で、表示データと共に読取りもしくは複写の禁止を示す制御データがメモリ4に記憶されている場合は、各センサ7〜12の検出信号の監視を継続的に行って、各センサ7〜12の検出信号に基づき画像形成装置や画像読取り装置等の外部装置による読取り動作が行われているか否かを判定し、読取り動作が行われていると判定したときに、液晶表示部3の画面3aに表示されている表示内容を規制している。このため、外部装置に格別の機能を設けなくても、外部装置による画面の表示内容の読取りや複写等を規制することができる。
【0111】
次に、本発明の携帯型電子装置の第2実施形態である携帯情報端末を説明する。図7は、第2実施形態の携帯情報端末を概略的に示す平面図である。図7に示すように携帯情報端末81は、本体筐体81aの表側に液晶表示部の表示画面83aと、複数の操作キー84と、光センサ85とが配置されている。光センサ85は、液晶表示部の画面83aの側辺近傍に配置されており、その受光面が液晶表示部の画面83aと同一方向に向き、液晶表示部の画面83aに対する入射光のレベルを検出して、入射光のレベルを示す検出信号を出力する。
【0112】
また、液晶表示部の画面83aには透明なタッチパネル(図示せず)が重ねられており、画面3aに表示された操作ボタン等が指示されると、この指示された操作ボタン等がタッチパネルで検出される。
【0113】
図8は、携帯情報端末81の構成を示すブロック図である。図8に示すように携帯情報端末81は、制御部82、液晶表示部83、光センサ85、操作部86、メモリ87、通信部88、及び方向センサ89を備えている。また、携帯情報端末81には、携帯情報端末81の駆動電力を供給する電池(図示せず)も内蔵されている。
【0114】
制御部82は、携帯情報端末81を統括的に制御するものであって、CPU、各種のインターフェース等からなる。操作部86は、複数の操作キー84(図6に示す)及び液晶表示部83(図6に示す)の画面83aに重ねられたタッチパネル等を備え、各操作キー84に対する入力操作を検出したり、液晶表示部83の画面83a上の操作ボタンに対する入力操作をタッチパネルを介して検出し、その入力操作された操作キーや操作ボタンを示す操作信号を出力する。
【0115】
メモリ87は、RAM、ROM等からなり、各種のプログラムを記憶したり、液晶表示部3の画面83aに表示されるコンテンツを示す表示データを記憶するものであって、表示データの書き換えが可能である。また、表示データの読取りもしくは複写が禁止されている場合には、読取りもしくは複写の禁止を示す制御データが表示データと共にメモリ87に記憶される。通信部88は、外部から表示データや制御データを受信入力するインターフェースである。通信部88の通信方式は、有線、電波、光、及び音等のいずれを用いたものであってもよい。
【0116】
光センサ85は、先に述べたように液晶表示部83の画面83aに対する入射光のレベルを検出して、入射光のレベルを示す検出信号を出力する。方向センサ89は、例えば加速度センサであり、液晶表示部83の画面83aが下方及び上方のいずれに向いているかを検出して、下方及び上方のいずれかを示す検出信号を出力する。
【0117】
このような構成の携帯情報端末81において、制御部82は、例えば操作キー84や画面83a上の操作ボタンの入力操作に応答してメモリ87からテキスト等のコンテンツを示す表示データを読み出して、コンテンツを画面83aに表示する。
【0118】
また、制御部82は、操作キー84や画面83a上の操作ボタンの入力操作に応答して画面83aのコンテンツをスクロール表示する。携帯情報端末81が携帯型のものであって、画面83aのサイズが小さく、コンテンツ全体を画面83aに一度で表示することができない。このため、画面83aのコンテンツをスクロール表示する必要がある。
【0119】
更に、コンテンツの表示データと共に読取りもしくは複写の禁止を示す制御データがメモリ4に記憶されている場合、制御部82は、携帯情報端末81においてコンテンツの複写モード(動作モード)が設定されているか否かを判定し、複写モードが設定されていなければ、画面83aに表示されているコンテンツをそのまま維持し、また複写モードが設定されていれば、画面83aに表示されているコンテンツを規制する。
【0120】
次に、図7及び図8の携帯情報端末81を図1の画像形成装置20の画像読取り装置51にセットして、画像読取り装置51により携帯情報端末81の画面83aに表示されているコンテンツを読取って、画像形成装置20によりそのコンテンツを記録用紙に複写したり、あるいはメモリ87内の制御データに基づき画面83aに表示されているコンテンツを規制する手順を、図9のフローチャートを参照して説明する。
【0121】
まず、携帯情報端末81の操作キー84や画面83a上の操作ボタンの操作により、メモリ87からコンテンツを読み出して液晶表示部83の画面83aに表示する。
【0122】
コンテンツは、その全体が画面83aに一括的に表示可能であっても表示不可能であってもよい。コンテンツ全体が一括的に表示されていなくても、画面83a上でコンテンツがスクロール表示されるためである。
【0123】
この状態で、操作キー84や画面83a上の操作ボタンを操作して、コンテンツの複写モード(動作モード)を指示すると、操作部86により複写モードが検出され、複写モードが制御部82に通知される。これに応答して制御部82は、画像読取り装置51の原稿搬送部51bによる原稿の搬送速度をメモリ87から読出して、この原稿の搬送速度を、画面83a上でコンテンツをスクロール表示するときのスクロール速度として設定する(ステップS301)。メモリ87には、画像読取り装置51の原稿搬送部51bによる原稿の搬送速度が予め記憶されており、携帯情報端末81で複写モードが設定されたときに、この原稿の搬送速度がメモリ87から読出されてスクロール速度として設定される。
【0124】
また、制御部82は、拡大されたコンテンツのサイズが記録用紙の定型サイズに収まるような該コンテンツの拡大倍率を算出して求める。例えば、記録用紙の定型サイズをA4(JIS)に規定しておき、コンテンツの縦横比率と定型サイズA4の縦横比率が略同一である場合は、図10(a)に示すように拡大されたコンテンツK1のサイズが定型サイズA4に収まるような拡大倍率を算出して求める。また、コンテンツの縦横比率と定型サイズA4の縦横比率が異なり、コンテンツの横幅に対する縦幅の比が定型サイズA4の横幅に対する縦幅の比よりも小さい場合は、図10(b)に示すように拡大されたコンテンツK2の横幅が定型サイズA4の横幅に収まるような拡大倍率を算出して求め、またその拡大倍率で拡大されたコンテンツK2が記録用紙に印刷されたときに生じる余白S1に対応するスペースを元のコンテンツに付加する。更に、コンテンツの横幅に対する縦幅の比が定型サイズA4の横幅に対する縦幅の比よりも大きい場合は、コンテンツの縦幅が定型サイズA4の縦幅に収まるような拡大倍率を算出して求める。
【0125】
このとき、利用者が携帯情報端末81の画面83aを見ており、画面83aが上方に向けられている。制御部82は、方向センサ89の検出信号に基づき画面83aが上方に向いていると判定し、この判定をなすと、画面83a上のコンテンツを一旦消去し、算出して求めた拡大倍率等を画面83aに表示する(ステップS302)。例えば、図11(a)に示すように携帯情報端末81の画面83aが上方に向けられた状態で、図11(b)に示すように画像形成装置(又は画像読取り装置)の型番、原稿搬送速度、拡大倍率を画面83aに表示する。
【0126】
利用者は、画面83aに表示された拡大倍率を確認し、画像形成装置20の入力操作部(図示せず)を操作して、記録用紙の定型サイズA4と拡大倍率を指定して設定する(ステップS303)。
【0127】
尚、拡大倍率だけではなく、記録用紙の定型サイズも表示して指定するようにしても構わない。例えば、操作キー84や画面83a上の操作ボタンを操作して、複数種の定型サイズのいずれかを指定し、拡大されたコンテンツのサイズがその指定された記録用紙の定型サイズに収まるような該コンテンツの拡大倍率を算出して求め、画面83aに拡大倍率と記録用紙の定型サイズとを表示する。利用者は、画像形成装置20の入力操作部(図示せず)を操作して、拡大倍率と記録用紙の定型サイズとを指定して設定する。
【0128】
この後、利用者は、原稿搬送部51bを開き、携帯情報端末81の表裏を反転させて、画面83aを下方に向け、画面83aを原稿読取りガラス65に重ね合わせ、携帯情報端末81を載置して、原稿搬送方向(副走査方向Y)と携帯情報端末81の画面83aの縦方向を一致させる。この状態では、画面83aの側辺近傍に配置された光センサ85の受光面も下方に向き、光センサ85が原稿読取りガラス65に重ね合わされる。
【0129】
このとき、制御部82は、方向センサ89の検出信号に基づき画面83aが下方に向いていると判定し、この判定をなすと、先に表示した拡大倍率等を画面83aから消去して、コンテンツを画面83aに再表示する(ステップS304)。例えば、図12(a)に示すように携帯情報端末81の画面83aが下方に向けられた状態で、図12(b)に示すように画面83aにコンテンツK3を再表示する。
【0130】
また、制御部82は、ステップS301で複写モード(動作モード)が検出されて設定されたことから、コンテンツK3に対応する読取りもしくは複写の禁止を示す制御データをメモリ87内で検索する。そして、制御部82は、制御データを検索することができなければ、画面83aのコンテンツK3の表示をそのまま維持する。また、御部82は、制御データを検索することができたならば、画面83aのコンテンツK3を規制する。
【0131】
例えば、読取りもしくは複写の禁止を示す制御データがメモリ4に記憶されていない場合は、図12(b)に示すような画面83aのコンテンツK3がそのまま維持される。また、読取りもしくは複写の禁止を示す制御データがメモリ87に記憶されている場合は、図13に示すような規制符号D1の表示データがメモリ87から読出されて、規制符号D1がコンテンツK3に重ねて画面83aに表示される。
【0132】
引き続いて、利用者は、画像形成装置20の入力操作部(図示せず)を操作して、シートスルー方式での読取りと複写の開始を指示する。画像読取り装置51では、シートスルー方式での読取り指示に応答して第1走査ユニット55を原稿読取りガラス65下方の読取り定位置に移動させ、第1走査ユニット55の位置に応じて第2走査ユニット56を位置決めし、第1走査ユニット55の光源61により携帯情報端末81の画面83aを原稿読取りガラス65を介して照明し、画面83aからの反射光を第1及び第2走査ユニット55、56の各反射ミラーにより結像レンズ57へと導き、画面83aからの反射光を結像レンズ57によりCCD58に集光させ、画面83aに表示されている図12(b)のコンテンツK3又は図13の規制符号D1が重ねられたコンテンツK3をCCD58上に結像させ、CCD58によりコンテンツK3又は規制符号D1が重ねられたコンテンツK3を読取る(ステップS305)。
【0133】
このとき、携帯情報端末81では、光センサ85により光源61の光を受光し、光センサ85の受光信号が制御部82に加えられる。制御部82は、受光信号を入力すると、この受光信号の入力タイミングに基づき画像読取り装置51による読取り開始タイミングを求め、この読取り開始タイミングから、画面83a上で、図12(b)のコンテンツK3又は図13の規制符号D1が重ねられたコンテンツK3を画像読取り装置51の原稿搬送部51bによる原稿の搬送速度と同一のスクロール速度で該画面83aの縦方向にスクロール表示する(ステップS306)。また、図10(b)に示すような余白S1が生じている場合は、余白S1に対応するスペースもスクロール表示する。
【0134】
例えば、画像読取り装置51において光源61の点灯開始と同時に読取り動作が開始されるならば、携帯情報端末81において光センサ85からの受光信号の出力時点が画像読取り装置51による読取り開始タイミングとして求められて、この読取り開始タイミングから図12(b)のコンテンツK3又は図13の規制符号D1が重ねられたコンテンツK3のスクロール表示が開始される。また、画像読取り装置51において光源61の点灯開始から一定時間後に読取り動作が開始されるならば、携帯情報端末81において光センサ85からの受光信号の出力時点から一定時間後のタイミングが画像読取り装置51による読取り開始タイミングとして求められて、この読取り開始タイミングからコンテンツK3又は規制符号D1が重ねられたコンテンツK3のスクロール表示が開始される。
【0135】
そして、携帯情報端末81では、画面83a上で、図12(b)のコンテンツK3又は図13の規制符号D1が重ねられたコンテンツK3をその終端までスクロール表示して、コンテンツK3又は規制符号D1が重ねられたコンテンツK3の表示を終了する。
【0136】
画像読取り装置51では、光源61の点灯を一定期間継続させてから、光源61を消灯させ、読取り動作を終了する。例えば、一定期間がデフォルト設定されていてもよい。また、コンテンツの記録に用いられる記録用紙の定型サイズとコンテンツの拡大倍率からコンテンツの副走査方向長さを求め、コンテンツの副走査方向長さと原稿の搬送速度から光源61の点灯を継続すべき一定期間を求めることができる。
【0137】
このように画面83a上でコンテンツK3又は規制符号D1が重ねられたコンテンツK3が、原稿の搬送速度と同一のスクロール速度で該画面83aの縦方向にスクロール表示されると、画面83a上のコンテンツK3又は規制符号D1が重ねられたコンテンツK3が原稿搬送方向(副走査方向Y)に搬送されているような状態となって、画像読取り装置51により画面83a上のコンテンツK3又は規制符号D1が重ねられたコンテンツK3が原稿と同様に読取られ、画像読取り装置51により読取られたコンテンツK3又は規制符号D1が重ねられたコンテンツK3が副走査方向で長くなったり短くなったりしない。また、画面83aよりも大きなサイズのコンテンツK3又は規制符号D1が重ねられたコンテンツK3を読取ることができる。
【0138】
画像形成装置20では、コンテンツK3又は規制符号D1が重ねられたコンテンツK3を示すアナログ画像信号がCCD58から出力され、このアナログ画像信号が画像データに変換され、画像データに対する画像処理により、画像データによって示されるコンテンツK3又は規制符号D1が重ねられたコンテンツK3が先に入力指示された拡大倍率で拡大され、拡大されたコンテンツK3又は規制符号D1が重ねられたコンテンツK3を示す画像データが光走査装置21に入力され、静電潜像が各感光体ドラム23に書き込まれ、各感光体ドラム23の潜像が現像されてそれぞれのトナー像となり、各トナー像が中間転写ベルト31に重ねて転写されてカラー画像となり、また記録用紙として先に指定された定型サイズA4の記録用紙が選択され、中間転写ベルト31上のカラー画像が定型サイズA4の記録用紙に転写され、定着装置27により定型サイズA4の記録用紙上にカラー画像が定着される。これにより、拡大されたコンテンツK3又は規制符号D1が重ねられたコンテンツK3が定型サイズA4の記録用紙に記録される。例えば、図12(b)のコンテンツK3が拡大されて定型サイズA4の記録用紙に記録される。又は、図13の規制符号D1が重ねられたコンテンツK3が拡大されて定型サイズA4の記録用紙に記録される。
【0139】
以降、携帯情報端末81の画面83aに複数のコンテンツを順次表示してそれぞれの記録用紙に複写する場合は、ステップS301〜ステップS307の処理が繰返される。
【0140】
また、画像形成装置20において、シートスルー方式での読取りと複写を設定した状態で、画像形成装置20の入力操作部(図示せず)のスタートキーが操作される度に、画像読取り装置51の光源61が一定期間だけ点灯して、画像読取り装置51の読取り動作が繰返される場合は、携帯情報端末81において、画像読取り装置51の光源61が点灯される度に、光源61の光を光センサ85で受光し、光センサ85の受光信号に応答して携帯情報端末81の画面83aのコンテンツを切替え表示し、ステップS305〜S307を繰返してもよい。これにより、複数のコンテンツをそれぞれの記録用紙に順次記録することができる。
【0141】
また、携帯情報端末81において、画面83a上でコンテンツをその終端までスクロール表示すると、コンテンツの表示を終了すると同時に、コンテンツを消去して、画面83a全体に空白領域を表示しても構わない。
【0142】
更に、画像読取り装置51の光源61の光を携帯情報端末81の光センサ85で受光し、光センサ85の受光信号の出力時点に基づき画面83a上のスクロール表示の開始タイミングを決定しているが、携帯情報端末81の操作キーの操作によりスクロール表示の開始タイミングを指示しても構わない。
【0143】
このように第2実施形態の携帯情報端末81では、携帯情報端末81の画面83aを下方に向け、画面83aを原稿読取りガラス65に重ね合わせて、携帯情報端末81を載置し、画面83aのコンテンツを原稿搬送方向(副走査方向Y)にスクロール表示している。また、コンテンツに対応する制御データがメモリ87に記憶されている場合は、携帯情報端末81においてコンテンツの複写モードが設定されたときに、画面83aに表示されているコンテンツに規制符号を重ね、規制符号が重ねられたコンテンツをスクロール表示している。このため、画像読取り装置51によりコンテンツ又は規制符号を重ねたコンテンツが読取られ、画像形成装置20によりコンテンツ又は規制符号を重ねたコンテンツが記録用紙に記録される。従って、画像読取り装置51もしくは画像形成装置20に格別の機能を設けなくても、外部装置による画面のコンテンツの読取りや複写等を規制することができる。
【0144】
尚、規制符号の代わりに、他の文字、記号、符号等、もしくはそれらを組み合わせて表示したり、読取りもしくは複写禁止を示すエラーメッセージ(文字列)をコンテンツに重ねて表示したり、文字、記号、符号等、もしくはそれらを組み合わせたものをウォータマークにして表示したり、電子ペーパ1の液晶表示部3の画面3aに表示されているコンテンツを消去したり、あるいはコンテンツの解像度を低くしても構わない。
【0145】
次に、携帯情報端末81の変形例について説明する。第2実施形態では、1種類の画像読取り装置51もしくは画像形成装置20が前提となっており、画像読取り装置51による原稿搬送速度が一定速度であって、携帯情報端末81の画面83aでのスクロール速度がその一定速度に一致させられる。これに対して変形例では、複数種の画像読取り装置51もしくは画像形成装置20の利用が前提となっており、画像読取り装置51もしくは画像形成装置20の種類により原稿搬送速度が変わることから、携帯情報端末81の画面83a上のスクロール速度がそれぞれの原稿搬送速度に一致するように変更される。
【0146】
例えば、図14に示すような各種の画像読取り装置51もしくは画像形成装置20の識別情報とそれぞれの原稿搬送速度を対応付けたデータテーブル101をメモリ87に予め記憶しておき、各種の画像読取り装置51もしくは画像形成装置20の識別情報を画面83aに表示し、利用者が画面83a上で識別情報を選択すると、この選択した識別情報に対応する原稿搬送速度をデータテーブル101から選択して読取り、この選択した原稿搬送速度と同一となるように携帯情報端末81の画面83aでのスクロール速度を設定する。これにより、画像読取り装置51もしくは画像形成装置20の機種が変わっても、携帯情報端末81の画面83aでのスクロール速度を適確に設定することができる。
【0147】
また、原稿搬送速度をデータテーブル101から選択して読取るだけではなく、利用者が調べた画像読取り装置51もしくは画像形成装置20の型番や原稿搬送速度を設定することができるようにしてもよい。
【0148】
例えば、制御部82は、図15に示すような画像読取り装置51の原稿搬送速度の任意設定ウィンドウ111を画面83aに表示する。この任意設定ウィンドウ111では、3種類の原稿搬送速度を表示したそれぞれの欄112〜114、及び画像読取り装置51もしくは画像形成装置20の識別情報を記入する欄115が表示されている。各原稿搬送速度は、高速、中速、低速であり、多様な画像読取り装置51の原稿搬送速度を参考にして予め設定されたものである。利用者は、画面83a上で各欄112〜114のいずれかを指やペン先で選択してから、操作キー84や画面83a上の操作ボタンの操作により、この選択した欄の原稿搬送速度を指示する。あるいは、画面83a上で各欄112〜114のいずれかを選択した後に、操作キー84や画面83a上の操作ボタンの操作により、その選択した欄の原稿搬送速度を任意の値に書き換え修正して指示する。また、利用者は、操作キー84や画面83a上の操作ボタンの操作により、画像読取り装置51もしくは画像形成装置20の識別情報を欄115に記入する。これにより、任意の原稿搬送速度を指示することができ、任意の原稿搬送速度と識別情報を対応付けることができる。識別情報は、例えば画像読取り装置51もしくは画像形成装置20の型番であってもよいし、利用者が識別できるのであれば、如何なる文字列、符号等であっても構わない。
【0149】
こうして任意設定ウィンドウ111上で原稿搬送速度と識別情報が設定されて指示されると、制御部82は、これらの原稿搬送速度と識別情報をデータテーブル101に新たに記録して、データテーブル101を更新する。これにより、新たに記録された原稿搬送速度と識別情報が画面83aに表示されて選択指示の対象となる。
【0150】
尚、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0151】
1 電子ペーパ(携帯型電子装置)
2 制御部
3 液晶表示部
4 メモリ
5 操作部
6 通信部
7 方向センサ(画面方向検出部)
8 電磁波ノイズセンサ(読取り動作検出部)
9 振動センサ(読取り動作検出部)
10 光センサ(読取り動作検出部)
11 表面圧力センサ(読取り動作検出部)
12 背面圧力センサ(読取り動作検出部)
20 画像形成装置(外部装置)
51 画像読取り装置(外部装置)
81 携帯情報端末(携帯型電子装置)
82 制御部
83 液晶表示部
84 操作キー
85 光センサ
86 操作部(読取り動作検出部)
87 メモリ
88 通信部
89 方向センサ(画面方向検出部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示内容を画面に表示する表示部と、前記表示部を制御する制御部とを備えた携帯型電子装置であって、
外部装置による前記画面上の表示内容の読取り動作を検出する読取り動作検出部を備え、
前記制御部は、前記読取り動作検出部により前記外部装置の読取り動作が検出されると、前記表示部の画面に表示されている表示内容を規制することを特徴とする携帯型電子装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯型電子装置であって、
前記読取り動作検出部は、前記外部装置からの電磁波ノイズのレベルを検出し、
前記制御部は、前記読取り動作検出部により検出された電磁波ノイズのレベルが予め設定されたノイズ閾値以上になると、前記表示部の画面に表示されている表示内容を規制することを特徴とする携帯型電子装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の携帯型電子装置であって、
前記読取り動作検出部は、前記外部装置からの機械的な振動のレベルを検出し、
前記制御部は、前記読取り動作検出部により検出された機械的な振動のレベルが予め設定された振動閾値以上になると、前記表示部の画面に表示されている表示内容を規制することを特徴とする携帯型電子装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の携帯型電子装置であって、
前記読取り動作検出部は、前記外部装置からの入射光のレベルを検出し、
前記制御部は、前記読取り動作検出部により検出された入射光のレベルが予め設定された光閾値以上になると、前記表示部の画面に表示されている表示内容を規制することを特徴とする携帯型電子装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の携帯型電子装置であって、
前記読取り動作検出部は、前記外部装置で加えられた圧力のレベルを検出し、
前記制御部は、前記読取り動作検出部により検出された圧力のレベルが予め設定された圧力閾値以上になると、前記表示部の画面に表示されている表示内容を規制することを特徴とする携帯型電子装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の携帯型電子装置であって、
前記読取り動作検出部は、前記外部装置による読取り動作が行われるときに設定される前記携帯型電子装置の動作モードを検出し、
前記制御部は、前記読取り動作検出部により前記動作モードが検出されると、前記表示部の画面に表示されている表示内容を規制することを特徴とする携帯型電子装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の携帯型電子装置であって、
前記表示部の画面が下方に向けられたか否かを検出する画面方向検出部を備え、
前記制御部は、前記読取り動作検出部により前記外部装置の読取り動作が検出され、かつ前記画面方向検出部により前記表示部の画面が下方に向けられたことが検出されると、前記表示部の画面に表示されている表示内容を規制することを特徴とする携帯型電子装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つに記載の携帯型電子装置であって、
前記制御部は、前記表示部の画面に予め設定された文字、記号、もしくは符号を表示することにより前記画面に表示されている表示内容の規制を行うことを特徴とする携帯型電子装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1つに記載の携帯型電子装置であって、
前記制御部は、前記表示部の画面に表示されている表示内容を消去するか、又は前記表示内容の解像度を低下させることにより前記画面に表示されている表示内容の規制を行うことを特徴とする携帯型電子装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1つに記載の携帯型電子装置であって、
前記制御部は、前記表示部の画面に表示されている表示内容を頁単位で規制することを特徴とする携帯型電子装置。
【請求項11】
請求項1〜10に記載の携帯型電子装置であって、
前記制御部は、前記表示部の画面に表示されている表示内容の一部を規制することを特徴とする携帯型電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−150225(P2012−150225A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−8032(P2011−8032)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】