携帯情報端末装置及びコンテンツ配信システム
【課題】ユーザに煩雑な操作を強いることなくユーザの商品等に関する嗜好性を判別することが可能な携帯情報端末装置の提供、また、ユーザの商品等に関する嗜好性に即したCMを表示することが可能な携帯情報端末装置の提供。
【解決手段】商品に関する支払い履歴情報若しくは照会履歴情報である商品照会履歴等情報をメモリカード103に蓄積させ、当該情報に基づいてユーザの商品等の嗜好性の判別を行い、当該嗜好性とチューナ部105によって受信されるCMに対応付けられたCM情報とを比較し、嗜好性に即したCMを優先的に表示部109に表示させる。
【解決手段】商品に関する支払い履歴情報若しくは照会履歴情報である商品照会履歴等情報をメモリカード103に蓄積させ、当該情報に基づいてユーザの商品等の嗜好性の判別を行い、当該嗜好性とチューナ部105によって受信されるCMに対応付けられたCM情報とを比較し、嗜好性に即したCMを優先的に表示部109に表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯情報端末装置に関し、主に、商品情報の参照履歴や商品の購入履歴に基づいてユーザの商品等に関する嗜好性を判別することが可能な携帯情報端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、放送波はアナログからデジタルへ順次移行しており、また、現在では放送波に限らずインターネット等のネットワークを介してコンテンツを配信することなどが行われており、当該配信されたコンテンツを受信するための装置として携帯電話に代表される携帯情報端末装置も使用されている。このようにコンテンツの配信方式(及び受信装置)は時代と共に変化しているが、このようなコンテンツの伝送媒体や装置の相違に拘わらず、コマーシャルを配信することでコンテンツ配信者側が収益を得ることは行われている。
【0003】
コマーシャル(以下単にCMとする場合がある)とは企業等が自己の商品やサービス(以下商品等とする場合や単に商品と記載する場合がある)を宣伝することで消費者に自己の商品等を購入してもらうことが主な目的となるものであるため、各視聴者(消費者)に対し、それぞれの視聴者が関心を持っている商品等やよく購入する商品等に関するCM(ユーザの嗜好性に即したCM)を視聴してもらうことが、CM提供者側にとっては好ましいことであり、又、ユーザにとっても有益なものとなる。
【0004】
このような、ユーザの嗜好性に即したCMを判別・表示する技術に関する従来技術が、特許文献1〜特許文献3などによって開示されている。また、ユーザ(お客)の買い物履歴に基づいてこれに応じた広告をショッピングカートに送信するショッピング情報提供システムに関する技術が特許文献4によって開示されており、ユーザの嗜好性に即したコンテンツの抽出をする方送受信機能付きの携帯電話装置に関する技術が特許文献5によって開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−111921号公報
【特許文献2】特開2001−275052号公報
【特許文献3】特開2002−218377号公報
【特許文献4】特開2002−304671号公報
【特許文献5】特開2006−74376号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したユーザの嗜好性に即したCMを判別・表示するための従来技術(特許文献1〜特許文献3)は、CM等の視聴履歴を残すことにより当該視聴履歴に基づいてユーザの嗜好性を判断するものと、ユーザにCMの嗜好性に関する何らかの入力を行わせることによりユーザの嗜好性を判断するものに大別される。
【0007】
CM等の視聴履歴を残すものの場合、ユーザが視聴したCM(装置に表示されたCM)が必ずしもそのユーザが興味を持っているものであるとは限らず(単に装置にCMが表示されたというだけであり、ユーザが興味を持って視聴したか否かは不明)、また、仮にユーザがそのCMに興味を持っていたとしても、そのCMに係る商品等に興味を持っていたか否かは不明である(例えば、単にCMで使用された曲や出演者に興味があったにすぎない場合もある)。従って、必ずしもユーザの商品等に関する嗜好性を判別することができるものではなかった。また、ユーザにCMの嗜好性に関する何らかの入力をさせるものは、操作が煩雑となるものであり、且つ、誤操作や入力漏れを生じ得るという問題を有するものであった。
【0008】
特許文献4によって開示される従来技術によれば、商品の買い物履歴に基づいて広告がショッピングカートに表示されるものであるが、当該処理に関しては店内に閉じたシステムであり、商品の買い物履歴をユーザが店を離れて(当該システムを備える店に限定されずに)利用できるものではなかった。
【0009】
本発明は、上記した点に鑑み、ユーザに煩雑な操作を強いることなくユーザの商品等に関する嗜好性を判別することが可能な携帯情報端末装置の提供、また、ユーザの商品等に関する嗜好性に即したCMを表示することが可能な携帯情報端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る第1の携帯情報端末装置は、商品に付されている商品情報を読取り可能な情報読取部と、記憶部と、を備えることにより、前記読取った商品情報を商品照会履歴情報として前記記憶部に蓄積することを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、例えば、店舗に陳列されている商品に付されている商品情報(例えばICタグやバーコードとして付されている情報等)を、携帯情報端末装置によって読取ることで、当該商品情報が携帯情報端末装置に蓄積される。なお「記憶部」とは、装置固有に備えられるものに限られず、着脱可能なもの(例えばメモリカード等)であってもよい。また、「商品」とは、有体物に限るものではなく、サービス等も含む概念であり、“商品に付されている商品情報”とは、商品に直接付されているものの他、パンフレットなどに付されているものも含むものである。
【0012】
本発明に係る第2の携帯情報端末装置は、商品に対する決済機能と記憶部を備えることにより、前記決済の履歴を商品支払い履歴情報として前記記憶部に蓄積することを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、決済機能を有する携帯情報端末装置において、商品(サービス含む)に対する決済が行われた場合には、決済の履歴が蓄積される。なお「記憶部」とは、装置固有に備えられるものに限られず、着脱可能なもの(例えばメモリカード等)であってもよい。
【0014】
本発明に係る第3の携帯情報端末装置は、上記第1又は第2の携帯情報端末装置であって、前記商品照会履歴情報又は前記商品支払い履歴情報から、ユーザの商品等の嗜好性を判別する嗜好性判別部を備えることにより、前記商品照会履歴情報又は前記商品支払い履歴情報に基づいてユーザの商品の嗜好性を判別可能としたことを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、商品に関する支払い履歴情報若しくは照会履歴情報を利用してユーザの商品等の嗜好性が判別される。
【0016】
本発明に係る第4の携帯情報端末装置は、商品に付されている商品情報を読取り可能な情報読取部と、商品が有する属性に対応した構成を有する履歴テーブルを備える記憶部と、嗜好性判別部と、を備えることにより、前記情報読取部によって取得される商品情報に基づいて前記履歴テーブルの対応する商品の属性に履歴情報を蓄積し、前記嗜好性判別部によって前記履歴テーブルに蓄積された情報に基づいたユーザの商品の嗜好性の判別を可能としたことを特徴とする。
【0017】
上記構成によれば、商品(サービス含む)に関する情報が情報読取部によって取得され、当該情報に基づいて、商品が有する属性に対応した構成を有する履歴テーブルに情報が蓄積され、当該商品の属性別に情報が蓄積された履歴テーブルに基づいてユーザの商品の嗜好性が判別される。
【0018】
本発明に係る第5の携帯情報端末装置は、商品に対する決済機能と、決済情報取得部と、商品が有する属性に対応した構成を有する履歴テーブルを備える記憶部と、嗜好性判別部と、を備えることにより、前記決済情報取得部によって商品に関する支払い履歴情報を取得し、当該支払い履歴情報に基づいて前記履歴テーブルの対応する商品の属性に履歴情報を蓄積し、前記嗜好性判別部によって前記履歴テーブルに蓄積された情報に基づいたユーザの商品の嗜好性の判別を可能としたことを特徴とする。
【0019】
上記構成によれば、商品(サービス含む)に関する支払い履歴情報が決済情報読取部によって取得され、当該情報に基づいて、商品が有する属性に対応した構成を有する履歴テーブルに情報が蓄積され、当該商品の属性別に情報が蓄積された履歴テーブルに基づいてユーザの商品の嗜好性が判別される。
【0020】
本発明に係る第6の携帯情報端末装置は、上記第3乃至第5の携帯情報端末装置の何れか1つであって、配信されるコマーシャル及びコマーシャルの内容を示すコマーシャル情報を受信可能な受信部と、表示部と、前記コマーシャル情報に基づいて前記ユーザの商品等の嗜好性に適合するコマーシャルを判別する嗜好CM判別部と、を備えることにより、配信されるコマーシャルの中にユーザの商品等の嗜好性に適合するコマーシャルがあるか否かを判別可能とし、嗜好性に適合するコマーシャルがあった場合にはこれを優先的に前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0021】
上記構成によれば、携帯情報端末装置によって判別されたユーザの商品の嗜好性に基づいて、これとコマーシャル情報とを比較することにより、ユーザの商品の嗜好性に適合するコマーシャルがあるか否かが判別され、これがあった場合には当該コマーシャルが優先的に表示される。なお、「優先的に表示させる」とは、例えば、デジタル放送においてCMが同時に複数配信されているような場合に、ユーザの嗜好性に適合したものを選択して表示させるようなものや、インターネット等によるインタラクティブなコンテンツ配信がなされるような場合に、ユーザの嗜好性に適合したCMの配信要求を行ってこれを表示させるようなもの等であり、なんらかの形で優先的に表示させるものをいう。
【0022】
本発明に係る第7の携帯情報端末装置は、上記第3乃至第5の携帯情報端末装置の何れか1つであって、配信されるコマーシャル及びコマーシャルの内容を示すコマーシャル情報を受信可能な受信部と、表示部と、当該受信したコマーシャル及びコマーシャル情報を記録する記録媒体と、前記コマーシャル情報に基づいて前記ユーザの商品等の嗜好性に適合するコマーシャルを判別する嗜好CM判別部と、を備えることにより、前記記録媒体に記録されたコマーシャルの中にユーザの商品等の嗜好性に適合するコマーシャルがあるか否かを判別可能とし、嗜好性に適合するコマーシャルがあった場合にはこれを優先的に前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0023】
上記構成によれば、記録媒体にコマーシャル及びコマーシャルの内容を示すコマーシャル情報が記録され、当該記録されたコマーシャルの中から、携帯情報端末装置によって判別されたユーザの商品の嗜好性に基づいてこれとコマーシャル情報とを比較することにより、ユーザの商品の嗜好性に適合するコマーシャルがあるか否かが判別され、これがあった場合には当該コマーシャルが優先的に表示される。なお、「優先的に表示させる」とは、例えば、現在放送されている番組のCM部分を、記録媒体に記録されたものの中から選択されたCMで置き換えるものや、記録媒体に記録されているコンテンツの再生処理中に強制的に選択されたCMを挿入するもの等であり、なんらかの形で優先的に表示させるものをいう。「記録媒体」とは、装置固有に備えられるものに限られず、着脱可能なもの(例えばメモリカード等)であってもよい。また、「配信」とは無線や有線を介して行われるもののみならず、記録媒体を介して行われるもの(この場合には「受信部」とは記録媒体から情報を読取るものを指す場合がある)等であってもよい。
【0024】
本発明に係る第8の携帯情報端末装置は、上記第7の携帯情報端末装置であって、前記嗜好CM判別部によって抽出したコマーシャルのリストを作成する抽出CMリスト作成部を備えることにより、当該作成した抽出CMリストを前記表示部に表示させ、ユーザから再生要求のあったコマーシャルを再生させる処理を実行する、若しくは、ユーザから詳細情報表示要求のあったコマーシャルについて前記コマーシャル情報に基づいた情報を表示させることを特徴とする。
【0025】
上記構成によれば、記録媒体に記録されたコマーシャルの中から抽出されたユーザの商品の嗜好性に適合するコマーシャルのリストが表示され、当該リスト中のCMに対するユーザの再生要求や詳細情報表示要求があった場合には、これに応じた処理が記録媒体に記録されているコマーシャル又はコマーシャル情報に基づいて実行される。
【0026】
本発明に係る第9の携帯情報端末装置は、上記第6乃至第8の携帯情報端末装置の何れか1つであって、予め定められた若しくはユーザによって設定された商品を前記記憶部に格納しておき、前記商品支払い履歴情報に基づいて所定期間内に前記記憶部に設定された商品についての購入履歴があったと判断された場合には、所定期間にわたり当該商品に関するコマーシャルの表示優先度を下げることを特徴とする。
【0027】
上記構成によれば、予め定められた若しくはユーザによって設定された商品について、支払い履歴情報に基づいて所定期間内に購入履歴があったと判断された場合には、所定期間にわたり当該商品に関するコマーシャルの表示優先度が下げられる。なお、「所定期間」とは、予め装置に設定されている若しくはユーザによって設定されたもの等であり、「所定期間内に前記記憶部に」と「所定期間にわたり」における“所定期間”は同一のものであっても良いし、異なる期間であっても構わない。
【0028】
本発明に係る第10の携帯情報端末装置は、上記第6乃至第9の携帯情報端末装置の何れか1つであって、所定の商品と所定期間とが対応付けられて格納された商品購入サイクルテーブルを備えることにより、若しくは、前記商品に関する支払い履歴情報に基づいて得られる各商品の購入サイクル情報により、各商品の次回の購入予定時期前後の所定期間に該当すると判断される場合には、当該商品に関するコマーシャルの表示優先度を上げることを特徴とする。
【0029】
上記構成によれば、商品購入サイクルテーブルの設定、若しくは、支払い履歴情報に基づいて得られる各商品の購入サイクル情報に基づいて、ある商品が次回の購入予定時期前後の所定期間に該当すると判断される場合には、当該商品に関するコマーシャルの表示優先度が上げられる。
【0030】
本発明に係る第11の携帯情報端末装置は、上記第3乃至第10の携帯情報端末装置の何れか1つであって、コンテンツ配信側の装置へネットワークを介して情報を送信する情報送信部を備えることにより、前記ユーザの商品等の嗜好性に関する情報をコンテンツ配信側へと送信することを特徴とする。
【0031】
上記構成によれば、携帯情報端末装置によって判別されたユーザの商品等の嗜好性に関する情報が、コンテンツ配信側の装置へと送信される。
【0032】
本発明に係る第12の携帯情報端末装置は、上記第11の携帯情報端末装置であって、ユーザによる予めの設定若しくは前記送信時の随時の設定により、送信が許可された情報のみを送信することを特徴とする。
【0033】
本発明に係る第1のコンテンツ配信システムは、コマーシャルを配信するコンテンツ配信装置と、当該コンテンツ配信装置へ通信回線を介して情報を送信する情報送信部を備え且つ自己の識別情報を有する上記第3乃至第5の何れか1つの携帯情報端末装置と、を備えるコンテンツ配信システムであって、前記嗜好性判別部によって判別されたユーザの商品の嗜好性に関する情報を前記自己の識別情報と共に前記情報送信部から前記コンテンツ配信装置へと送信し、当該情報を受信した前記コンテンツ配信装置において、前記嗜好性情報に適合するコマーシャルを前記識別情報に従って各携帯情報端末装置へと配信することを特徴とする。
【0034】
上記構成によれば、携帯情報端末装置によって判別されたユーザの商品の嗜好性に関する情報が、当該装置の識別情報と共にコンテンツ配信側の装置へと送信され、これを受信したコンテンツ配信装置において、嗜好性情報に適合するコマーシャルを判別し、当該コマーシャルが該当する装置へと配信される。
【0035】
本発明に係る第1の商品の嗜好性判別プログラムは、商品に付されている商品情報を読取り可能な情報読取部と、商品が有する属性に対応した構成を有する履歴テーブルを備える記憶部と、嗜好性判別部と、を備える携帯情報端末装置、又は、商品に対する決済機能と、決済情報取得部と、商品が有する属性に対応した構成を有する履歴テーブルを備える記憶部と、嗜好性判別部と、を備える携帯情報端末装置に、前記情報読取部によって商品情報を取得させるステップ又は前記決済情報取得部によって商品に関する支払い履歴情報を取得させるステップと、当該取得した情報に基づいて前記履歴テーブルの対応する商品属性に履歴情報を蓄積するステップと、当該履歴テーブルの全体の中で履歴の多いもの、若しくは、各属性ごとに履歴の多いものを、ユーザの商品の嗜好性情報として、前記嗜好性判別部によって算出させるステップと、を実行させることを特徴とする。
【0036】
本発明に係る第2の商品の嗜好性判別プログラムは、上記第1の商品の嗜好性判別プログラムであって、配信されるコマーシャル及びコマーシャルの内容を示すコマーシャル情報を受信可能な受信部を備える前記携帯情報端末装置に、前記受信部によって前記配信される複数のコマーシャル及びコマーシャル情報を受信させるステップと、当該受信した複数のコマーシャル情報と前記算出したユーザの商品の嗜好性情報とを比較して最も適合するコマーシャルを判別するステップと、これにより取得されたコマーシャルを優先的に表示させるステップと、を実行させることを特徴とする。
【0037】
本発明に係る第3の商品の嗜好性判別プログラムは、上記第1の商品の嗜好性判別プログラムであって、配信されるコマーシャル及びコマーシャルの内容を示すコマーシャル情報を受信可能な受信部と、当該受信したコマーシャル及びコマーシャル情報を記録する記録媒体と、を備える前記携帯情報端末装置に、前記受信部によって前記配信されるコマーシャル及びコマーシャル情報を受信しこれらを対応付けて前記記録媒体に記録させるステップと、当該記録媒体に記録されたコマーシャル情報と前記算出したユーザの商品の嗜好性情報とを比較して適合するコマーシャルを判別するステップと、これにより取得されたコマーシャルを優先的に表示させるステップと、を実行させることを特徴とする。
【0038】
本発明に係る第4の商品の嗜好性判別プログラムは、上記第2又は第3の商品の嗜好性判別プログラムであって、予め定められた若しくはユーザによって設定された商品が格納されている前記携帯情報端末装置に、前記商品に関する支払い履歴情報に基づいて所定期間内に前記格納された商品についての購入履歴があるか否かを判別するステップと、これがあったと判断された場合に所定期間にわたり当該商品に関するコマーシャルの表示優先度を下げるステップと、を実行させることを特徴とする。
【0039】
本発明に係る第5の商品の嗜好性判別プログラムは、上記第2乃至第4の商品の嗜好性判別プログラムの何れか1つであって、所定の商品と所定期間とが対応付けられて格納された商品購入サイクルテーブルを備える前記携帯情報端末装置に、前記商品に関する支払い履歴情報と前記購入サイクルテーブルを比較することにより各商品の次回の購入予定時期を判別するステップと、当該購入予定時期前後の所定期間において該当する商品に関するコマーシャルの表示優先度を上げるステップと、を実行させることを特徴とする。
【0040】
本発明に係る第6の商品の嗜好性判別プログラムは、上記第2乃至第5の商品の嗜好性判別プログラムの何れか1つであって、前記商品に関する支払い履歴情報に基づいて、各商品の購入サイクルを判別するステップと、当該購入サイクル情報に基づいて、各商品の次回の購入予定時期を判別するステップと、当該購入予定時期前後の所定期間に該当する商品に関するコマーシャルの表示優先度を上げるステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0041】
本発明に係る第1の携帯情報端末装置によれば、例えば、店舗に陳列されている商品に付されている商品情報(例えばICタグやバーコードとして付されている情報等)を、携帯情報端末装置によって読取ることで、当該商品情報が携帯情報端末装置に蓄積されるため、携帯情報端末装置において商品情報を確認することが可能となり、又、蓄積された商品情報をユーザの商品に関する嗜好性を判断するために利用することが可能となる。また、携帯情報端末装置に情報が蓄積される為、特定のシステムを備える店舗に限定されることなくユーザが訪れた各店舗などで商品情報を取得でき、より多種多様の情報を蓄積させることができる。従って、当該情報をユーザの商品に関する嗜好性を判断するために利用することでより高精度にユーザの商品に関する嗜好性を判断することが可能となる。
【0042】
本発明に係る第2の携帯情報端末装置によれば、商品に対する決済が行われた場合には、決済の履歴が蓄積されるため、蓄積された決済の履歴情報をユーザの商品に関する嗜好性を判断するために利用することが可能となる。
【0043】
本発明に係る第3の携帯情報端末装置によれば、ユーザの商品等に関する関心度を色濃く反映するものである商品に関する支払い履歴情報若しくは商品照会履歴情報に基づいてユーザの商品の嗜好性を判別することができる。
【0044】
本発明に係る第4又は第5携帯情報端末装置によれば、商品情報又は商品に関する支払い履歴情報に基づいて、商品が有する属性に対応した構成を有する履歴テーブルに情報が蓄積されるため、商品のそれぞれの属性情報に基づいてユーザの商品に関する関心度を判別することが可能であり、より詳細な嗜好性の判断が可能となる。
【0045】
本発明に係る第6の携帯情報端末装置によれば、携帯情報端末装置によって判別されたユーザの商品の嗜好性に基づいて、これとコマーシャル情報とを比較することにより、ユーザの商品の嗜好性に適合するコマーシャルがあるか否かが判別され、これがあった場合には当該コマーシャルが優先的に表示される。従って、ユーザの商品に関する関心度を色濃く反映するものである商品に関する支払い履歴情報等に基づいて判断されたユーザの商品の嗜好性を用いてCMが選択され、個々のユーザの商品に対するニーズに適合したCMが優先的に表示されることとなる。よって、CM提供者側にとってもユーザ側にとっても有益なものとなる。
【0046】
本発明に係る第7の携帯情報端末装置によれば、コマーシャルを一旦記録媒体に蓄積した後に、蓄積されたコマーシャルの中からユーザの商品に対するニーズに適合したCMが選択されて優先的に表示されることとなる。よって、CMの蓄積量が増加すればユーザのニーズに適合するCMも多くなり、また、個人情報たる嗜好性に関する情報は携帯情報端末装置内のみで処理されるため、個人情報保護の観点において優れる。
【0047】
本発明に係る第8の携帯情報端末装置によれば、記録媒体に記録されたコマーシャルの中から抽出されたユーザの商品等の嗜好性に適合するコマーシャルのリストが表示され、当該リスト中のCMに対するユーザの再生要求や詳細情報表示要求に従ってCMの再生処理や商品等の詳細情報の表示処理が実行される。よって、自己の商品等の嗜好性に適合したCMを見たいような場合の操作性に優れ、且つ、CMに付加されて配信されるコマーシャル情報についても表示させることが出来るため、ユーザにとっての利便性に優れると共に、CM提供者側にとっても、種々の情報をコマーシャル情報として付加して配信させることにより“単に放送されるCM”に比してより効果的な宣伝や情報提供を行うことが可能となる。
【0048】
本発明に係る第9の携帯情報端末装置によれば、予め定められた若しくはユーザによって設定された商品について、支払い履歴情報に基づいて所定期間内に購入履歴があったと判断された場合には、所定期間にわたり当該商品に関するコマーシャルの表示優先度が下げられる。例えば、車などの商品は一度購入した後はしばらく購入しないのが一般的である(即ち、購入直後のユーザに対して車に関するCMを流しても宣伝効果がほとんど無いと考えられるし、ユーザにとっても興味の無いCMであると判断し得る)ため、このような性格の商品を予め登録しておくことにより、支払い履歴情報に基づいて“車の購入が最近あった”と判断されたような場合には、所定期間(商品の性格などに応じて適宜定め得る)にわたって車に関するCMの表示の優先度が下げられるものであり、CM提供者側にとってもユーザ側にとっても有益なものとなる。
【0049】
本発明に係る第10の携帯情報端末装置によれば、商品購入サイクルテーブルの設定、若しくは、支払い履歴情報に基づいて得られる各商品の購入サイクル情報に基づいて、ある商品が、次回の購入予定時期前後の所定期間に該当すると判断される場合には、当該商品に関するコマーシャルの表示優先度が上げられる。ユーザがほぼ同一サイクルで購入しているような商品がある場合(支払い履歴情報に基づいて判断される場合)には、購入時期に合わせて当該商品のCMを流すことで、CM提供者側にとっては大きな宣伝効果が得られるものであり、且つ、ユーザにとっても有益なものとなり得る。また、商品の性格によっては、常に一定期間で購入することとなるもの(例えば、自動車保険など)も存在する。このような商品については、予め商品購入サイクルテーブルに購入周期を設定して格納しておくことにより、支払い履歴情報に基づいて次回の購入時期を正確に予想することが可能であり、当該時期にCMを優先的に流すことで、CM提供者側にとってもユーザ側にとっても有益なものとなる。
【0050】
本発明に係る第1のコンテンツ配信システムによれば、携帯情報端末装置によって判別されたユーザの商品の嗜好性に関する情報が、当該装置の識別情報と共にコンテンツ配信側の装置へと送信され、これを受信したコンテンツ配信装置において、嗜好性情報に適合するコマーシャルが判別され、当該コマーシャルが該当する装置へと配信されるため、個々のユーザの商品に対するニーズに適合したCMだけを配信させることも可能であり、CM提供者側にとってもユーザ側にとっても有益なものとなり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
以下、本発明の具体的実施例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施態様は、本発明を具体化する際の一形態であって、本発明をその範囲内に限定するためのものではない。
【実施例1】
【0052】
図1は本実施例の携帯電話(携帯情報端末装置)について、商品情報や支払い履歴情報を取得する態様を示した模式図である。図2は同携帯電話の本発明に関する構成の概略を示したブロック図である。
【0053】
図2に示されるように、携帯電話1は、装置全体の制御や各種演算処理などを行う制御部101と、各種データの保存などを行う記憶部102と、電話機能を実現する電話機能部104と、ユーザに対する入出力インターフェースとなる操作部108及び表示部109と、各周波数のデジタル放送波を受信するチューナ部105と、チューナ部105によって受信された信号のデジタル復調処理や、H.264規格に準じた複号化処理などを行うデコーダ部106と、デコーダ部106から出力された映像データを表示部109へと表示させる処理を行う表示処理部110と、メモリカード103に対する情報の読み書き等を行うメモリリーダ/ライタ部107と、当該メモリリーダ/ライタ部107に対して脱着されるメモリカード103と、電子マネーの決済機能を実現する決済機能部112と、商品等に付されている情報を読取る為の情報読取部111と、などを備える。なお、「商品等に付されている情報」とは、なんらかの形で電子化された情報若しくは商品等に記載されている文字情報そのものなどであってもよく、情報読取部111はこれらの情報を光学的手法や電磁波を利用すること等によって読取るものである。具体的には例えば、商品やカタログなどに付されたバーコード情報を、光学的手法を用いて読取るものや、商品に付されたICタグから電磁波を利用することによって情報を読取るもの等である。
【0054】
図3〜8は、携帯電話1の本発明に関する動作の概略を示すフローチャートである。
【0055】
図3は、商品情報又は支払い履歴情報の取得動作の概略を示したフローチャートである。ステップ301とステップ302では、商品情報の読取要求の有無と電子マネーによる決済の有無を判別する。「商品情報の読み取り」とは、前述したように、商品等に付されている情報(例えばバーコードやICタグ等)から情報読取部111によって情報を読取るものであり、商品情報とは、例えば、商品名(“ビール”などの商品の普通名称や、例えば“北海道生絞りのどごし一番”などの個別の商品名である場合がある)や、商品のカテゴリ(例えば、“食品”などの各属性)、商品のスペック情報、商品の産地・販売地・原材料などの情報、販売者情報、製造者情報、価格情報などである。「電子マネーによる決済」とは、商品に対する対価の支払い方法の一形態である。なお、“商品”とは有体物に限定されるものではなく、サービス等も含むものである(サービスに関する情報の読み取りや、サービスに対する対価の決済も同様の概念たり得る)。
【0056】
商品情報の読み取り要求があった場合には(ステップ301)、商品に付されているICタグ等から情報読取部111によって情報を読取り(ステップ303)、当該読取った商品情報を読取った日の日時情報と対応付けてメモリカード103に蓄積する(ステップ304)。なお、商品情報の読取りは、以下に説明する本発明の利用のためのみに行うものであっても構わないが、現在では商品にトレーサビリティ情報をICタグ等によって付すことも行われており、「これらの情報を見る」という行為に伴って商品情報を取得できるため、ユーザの普段の生活の中で自然に蓄積され得るものである。なお、当該処理によって取得された情報を以下「商品照会履歴情報」と称する。
【0057】
電子マネーによる決済があった場合には(ステップ302)、決済機能部112による決済処理(電子マネー決済端末3との間でデータの送受信を行って決済を実行する処理)を行い(ステップ305)、電子マネー決済端末3を介してPOSシステム4から商品名等の商品情報と購入数量情報などを取得して、当該情報(支払い履歴情報)を読取った日の日時情報(POSシステム4から取得される決済日時情報であってもよい)と対応付けてメモリカード103に蓄積する(ステップ306)。当該処理によって取得された情報(支払い履歴情報)を以下「購入履歴情報」と称する。又、「商品照会履歴情報」と「購入履歴情報」の総称として「商品照会履歴等情報」という語を用いる場合がある。なお、上述からも明らかなように、電子マネー決済端末3は、POSシステム4から必要な情報を取得できるように構成されるものであり、決済機能部112は当該電子マネー決済端末3から商品に関する支払い履歴情報を取得できる(決済機能部112は“決済情報取得部”としても機能する)ものである。
【0058】
本実施例の携帯電話1は、図1の模式図に示されるように、ユーザによって使用されることで、店頭にある商品2に付されている商品情報21から商品情報を取得してメモリカード103に蓄積した情報、若しくは、商品購入時の電子マネー決済の際に電子マネー決済端末3を介してPOSシステム4から情報を取得してメモリカード103に蓄積した情報に基づいて、以下で説明するように、ユーザの商品に関する嗜好性を判別しこれを利用するものである。なお、本発明の携帯電話1は、判別されたユーザの商品に関する嗜好性に基づいて、嗜好性に適合するCMの選択を行うことを主たる目的としており、その前提として、配信されるコマーシャルにはその内容を示すコマーシャル情報が対応付けられて配信されているものとする。
【0059】
次に、携帯電話1の本発明に関する動作の概略を、図4を参照しつつ説明する。前述のごとくユーザによる携帯電話1の使用により蓄積された情報から、ユーザの商品に関する嗜好性を判別するための情報を定期的に抽出するために、計時機能を有する制御部101によって午前0時の到来を判別し(ステップ401)、午前0時が到来するごとに、ステップ406へと移行して「履歴テーブル更新処理」を実行する。
【0060】
図5は、図4のステップ406で実行される「履歴テーブル更新処理」の動作の概略を示したフローチャートである。
【0061】
ステップ501では、メモリリーダ/ライタ部107によってメモリカード103に蓄積されている商品照会履歴等情報を取得し、続くループ1の処理へと移行する。ループ1の処理は、各商品照会履歴情報、購入履歴情報に基づき、それぞれの属性に応じて各テーブルに履歴として情報を蓄積するものである。
【0062】
図9・図10は、携帯電話1の記憶部102に備えられるテーブルの構成(若しくはその概念)を示す図である。図10は商品が有する各属性ごとの履歴が蓄積される履歴テーブルの一例を示したものである。図9は、これらの各属性の相関関係を示した図であり、“カテゴリテーブル”の設定により、このように各属性が階層化されたカテゴリに分類される(なお、“カテゴリテーブル”の具体的な構成については特に図示しないが、本明細書の趣旨に沿って各属性が相互に関連付けられるものであればよい)。図9・図10に示されるように、本実施例では商品等の属性がカテゴリ1〜カテゴリ5(カテゴリ5は個別の商品名である)に階層化されており、カテゴリ1が最も上位概念となり“食品”や“家電”といった項目(属性)が存在する。下位の階層は上位の階層の項目の何れかに属することとなる(例えば“ビール”は、“アルコール”・“飲料”・“食品”に属する)。なお、商品が有する属性の中には、図9の階層構造になじまないものも存在する(例えば、図10(c)に示した“メーカ”という属性)ため、全ての属性が階層化されて関連付けられる必要は無い。また、ここで示したものはあくまで一例であり、これとは異なる概念で各属性が関連付けられるものであっても構わない。なお、図10の各履歴テーブルは各階層に属する項目を全て有するものである(例えば、カテゴリ4テーブル1002は、カテゴリ3の“アルコール”に属するカテゴリ4の項目のみを有するのではなく、カテゴリ4の階層に該当する全ての項目を有するものである)。
【0063】
図5に戻って処理の説明を続ける。ループ1内のステップ502では、処理対象が商品照会履歴情報であるか購入履歴情報であるかを判別し、商品照会履歴情報であった場合には、当該商品照会履歴情報(前述したように商品名や、商品のカテゴリ情報などが含まれる)とカテゴリテーブルに基づいて、当該商品(商品情報を読取られた商品)が図9のどの項目に該当するかを判別し、該当する項目が属する上位のカテゴリの項目も取得する(ステップ505)。例えば、“商品照会履歴情報”に、商品がビールで商品名がBBBである旨の情報が含まれていた場合には、“食品”・“飲料”・“アルコール”・“ビール”・“BBB”の各項目が取得されることとなり、続くステップ506で、これらの各項目について各履歴テーブルに履歴が蓄積される。なお、メーカテーブル1003についても該当する情報があった場合には履歴が蓄積される。カテゴリテーブルに無い新しい情報が含まれている場合には、適宜カテゴリテーブル及び履歴テーブルの構成を更新するものであってよい(例えば、“ビール”について新しい商品名“ZZZ”があった場合には、カテゴリ5にZZZを追加するなど)。
【0064】
一方、ステップ502の判断において処理対象が購入履歴情報であった場合にはステップ503へと移行する。ステップ503の処理概念はステップ505と同様である。続くステップ504では、ステップ503で取得した各項目について、該当商品の購入数量に応じた履歴を各履歴テーブルに蓄積する(例えばビールを5本以上買った場合には2ポイント履歴を増加させるなど)。なお、商品の金額に応じて履歴の増加量を変化させるものや、数量及び金額の双方を加味して履歴の増加量を変化させるもの等であってもよいし、特にこのような増減は行わず常に一定の加算処理としても構わない。
【0065】
ループ1では、メモリカード103に蓄積されていた全ての商品照会履歴等情報に対して上記ステップ502〜ステップ506の処理を繰返すことにより、全ての商品照会履歴等情報に基づいて履歴情報を抽出し(日付情報に基づくなどして既に履歴情報が抽出されたと判断される商品照会履歴等情報については、履歴情報の抽出は行わない)、各履歴テーブル(図10)に情報が蓄積される(当該情報はユーザの商品などに対する嗜好性を反映している情報といえる)。
【0066】
ループ1の処理が終了すると、ループ2の処理へと移行する。ループ2の処理は、各履歴テーブルに蓄積された情報に基づいて、各カテゴリごとの上位5項目を抽出して優先ポイントテーブル(図11)に格納する処理である。ステップ507とステップ508の処理により、カテゴリnの履歴テーブルの中から上位の5項目が抽出されて優先ポイントテーブル1100に格納され、当該処理がnが1〜6となるまで繰返されることで、各カテゴリの上位5項目が抽出されて優先ポイントテーブル1100に格納されるのである。なお、ここでは便宜的にメーカをカテゴリ6とすることで処理の説明を簡略化している。
【0067】
以上のような「履歴テーブル更新処理」により、日付が変わる度に、各履歴テーブルの更新処理が行われ、当該各履歴テーブルに基づいて優先ポイントテーブル1100が更新される。なお、本実施例では、上位5項目を抽出して優先ポイントテーブルに格納するものとしているが、これに限るものではなく、さらに多数(若しくは少数)の項目を抽出するものであってもよい。
【0068】
図4に戻って説明を続ける。ステップ402〜ステップ405は、それぞれ、CM放送受信の有無(ステップ402)、抽出CMリスト表示要求の有無(ステップ403)、多重CM放送受信の有無(ステップ404)、録画コンテンツ再生要求の有無(ステップ405)、を判別するものである。
【0069】
チューナ部105によってCM放送が受信されているとデコーダ部106及び制御部101によって判断された場合には(ステップ402)、CMとCM情報とを対応付けて、メモリリーダ/ライタ部107によってメモリカード103に記録する(ステップ407)。当該処理により、チューナ部105によって受信されたCM(及びCM情報)が記録媒体に蓄積されていく。なお、CM情報とは、例えば、各CMのタイトル情報や、ジャンル情報、出演者情報、長さ(時間)情報、などであり、商品情報や企業情報なども含まれるものである。本発明では主に商品情報や企業情報を利用するものである。なお、CMの録画時に録画日時情報を付加しておき(若しくはCM情報に含まれる情報を利用することで)、古くなったCMは自動的に削除するような処理としても良い。また、同一のCMが複数蓄積されてしまうことを防止するために、ステップ407の処理において、CM情報に基づいて既に記録媒体に蓄積されているCMと同一のものであると判断される場合には、これを蓄積しないようにしても良い。
【0070】
ユーザが操作部108を操作することなどにより抽出CMリスト表示要求を行った場合には(ステップ403)、「抽出CMリスト表示処理」が実行される(ステップ408)。なお、“抽出CMリスト”とは、上記処理によって記録媒体(メモリカード103)に蓄積されているCMの中からユーザの嗜好性に適合するものを抽出したリストである。
【0071】
図6は、図4のステップ408で実行される「抽出CMリスト表示処理」の動作の概略を示したフローチャートである。ステップ601では、記録媒体に記録されている各CMに対して、対応するCM情報に基づいて優先ポイントテーブル1100に適合する項目があった場合にはこれらのポイントを合算して各CMに対してポイントを付与する処理を行う。例えば、CM情報から当該CMが、A社の商品名がBBBのビールに関するCMであると判断された場合には、図9より当該商品は“食品”・“飲料”・“アルコール”・“ビール”・“BBB”の属性を有し、且つ“A社”という属性を有することとなるため、これらの項目を優先ポイントテーブル1100と照合し、適合する項目があった場合には該当するポイントを合算する処理を行うものである(例えば、カテゴリ1で食品が1位であり、カテゴリ4でビールが5位であった場合には6ポイントとなる)。
【0072】
続くステップ602では、上記処理によってポイントが付加された各CMを、ポイントの大きな順に並べた「抽出CMリスト画面」を表示部109に表示する処理を行う。図12(a)と(c)にはそれぞれ、20代女性の商品等の嗜好性に基づいて作成された「抽出CMリスト画面」の一例と、50代男性の商品等の嗜好性に基づいて作成された「抽出CMリスト画面」の一例を示した。
【0073】
ステップ603〜ステップ605では、「抽出CMリスト画面」に対するユーザの操作を待ち、ユーザの操作が、CM再生指示であった場合には(ステップ603)、選択されたCM(記録媒体に記録されているCM)の再生処理を実行し(ステップ606)、商品に関する詳細情報表示要求であった場合には(ステップ604)、CM情報に含まれている商品に関する情報を表示させる処理を実行させる(ステップ607)。図12の(b)と(d)には詳細情報表示画面の一例を示した。ユーザから“終了”の指示があった場合には、「抽出CMリスト表示処理」の処理を終了する(ステップ605)。
【0074】
図4に戻って説明を続ける。チューナ部105によって多重CM放送が受信されている(ユーザによって多重CM放送が視聴されている)とデコーダ部106及び制御部101によって判断された場合には(ステップ404)、「嗜好CM選択・表示処理」を実行する(ステップ409)。“多重CM放送”とは、複数のCMが同時に配信されるものであり、「嗜好CM選択・表示処理」とは、当該複数のCMの中から最も嗜好性に適合するCMを選択して表示させるものである。
【0075】
図7は、図4のステップ408で実行される「嗜好CM選択・表示処理」の動作の概略を示したフローチャートである。ステップ701の処理概念は図6のステップ601と同様であり、受信される複数のCMに対して行うものである。続くステップ702では、ステップ701の結果、最もポイントの大きなCMを選択しこれを表示部109に表示させる処理が実行される。これらの処理によって、複数のCMの中から最もユーザの嗜好性に適合するCMが選択されて表示される。
【0076】
図4に戻って説明を続ける。ユーザから録画コンテンツの再生要求があった場合には(ステップ405)、「嗜好CM選択・挿入処理」を実行する(ステップ410)。録画コンテンツの再生とは、記録媒体に記録されているコンテンツの再生である。
【0077】
図8は、図4のステップ410で実行される「嗜好CM選択・挿入処理」の動作の概略を示したフローチャートである。ステップ801の処理は図6のステップ601と同様である。続くステップ802とステップ803では、コンテンツの再生が終了するまで、所定期間ごと(例えば15分おき)にCMを(ステップ801によって得られた最もポイントの大きなCMから順番に)挿入する処理を実行する。これらの処理によって、録画コンテンツの再生中に、記録媒体に記録されたCMの中からユーザの嗜好性に適合するCMが選択されて表示されることとなる。
【0078】
以上のごとく、本実施例の携帯電話1によれば、商品(サービス含む)に関する支払い履歴情報(購入履歴情報)若しくは照会履歴情報を取得・蓄積することができ、ユーザの商品に関する関心度を色濃く反映するものである商品に関する支払い履歴情報若しくは照会履歴情報に基づいてユーザの商品の嗜好性を判別することができる。また、商品が有する属性に対応した構成を有する履歴テーブルに情報が蓄積されるため、それぞれの商品の属性情報に基づいてユーザの商品に関する関心度を判別することが可能であり、より詳細な嗜好性の判断が可能となる。当該嗜好性の判断の基礎となる情報(支払い履歴情報若しくは商品照会履歴情報)は、ユーザの日常の行動の中で自然に蓄積し得る情報(特定の店舗内の商品に関する情報に限られず、様々な状況での情報の蓄積が可能)であるため、ユーザに煩雑な操作を強いることなく、ユーザの商品に関する嗜好性の判断を行わせることが可能である。
【0079】
さらに、ユーザの商品等の嗜好性を示す情報(優先ポイントテーブル)に基づいて、これとコマーシャル情報とを比較することにより、ユーザの商品の嗜好性に適合するコマーシャルがあるか否かが判別され、これがあった場合には当該コマーシャルが優先的に表示されるため、個々のユーザの商品に対するニーズに適合したCMが優先的に表示(例えば、多重CM放送の中から嗜好性に適合するCMを選択して表示すること等)されることとなる。
【0080】
また、記録媒体に記録されたコマーシャルの中から抽出されたユーザの商品の嗜好性に適合するコマーシャルのリストが表示され、当該リスト中のCMに対するユーザの再生要求や詳細情報表示要求に従ってCMの再生処理や商品の詳細情報の表示処理が実行される。よって、自己の商品の嗜好性に適合したCMを見たいような場合の操作性に優れ、且つ、CMに付加されて配信されるコマーシャル情報についても表示させることが出来るため、ユーザにとっての利便性に優れると共に、CM提供者側にとっても、種々の情報をコマーシャル情報として付加して配信させることにより単に“放送されるCM”に比してより多様で効果的な宣伝や情報提供を行うことが可能となる。
【0081】
なお、本実施例では携帯情報端末装置の一例として放送波を受信可能な携帯電話を使用して説明したが、図13に示したように、インターネット等のネットワークを介してコンテンツを受信する装置等(携帯電話に限られずPDAや携帯型のゲーム機などであってよい)であっても本発明を有効に適用することができる。即ち、携帯情報端末装置6において判断されたユーザの嗜好性情報に基づいて、コンテンツ配信サーバ7の記憶部73に格納されているCM情報DB731に蓄積されているCM情報を参照して、ユーザの嗜好性に適合するCMの配信要求をコンテンツ配信サーバ7に送信するようなもの等であってもよい。また、本実施例では決済がある度に決済機能部112によって“購入履歴情報”を取得するものとしている(図3:ステップ302〜ステップ306)が、各店舗内のサーバ(POSシステム等)若しくはカード会社(電子マネーの決済を行う企業)のシステムが許すのであれば、これらのシステムから“購入履歴情報”をインターネット8を介してまとめて収集するようなものであっても構わない。
【0082】
また、携帯電話1によって取得した購入履歴情報若しくは照会履歴情報に基づいて、ユーザの商品の嗜好性を判別する具体的な手法については上記に例示したものに限られず、適宜異なる手法を採用することができる(例えば、本実施例では、一定期間ごとに商品照会履歴等情報から必要な情報を抽出して履歴テーブルに蓄積するものとしているが、所定期間を経過した商品照会履歴等情報については削除するものとし、これらの商品照会履歴等情報に基づいて必要に応じて履歴テーブルを更新する処理とすることで、新しい情報のみが反映されるようにしたり、商品照会履歴等情報から必要な情報を抽出して履歴テーブルに蓄積(更新)する際に、更新前の履歴データ(度数)に対して1以下の係数(例えば0.9)を乗算した後に、新たな度数を加算するようにすることで、古い情報の相対的な重み付けを小さくするようにする等してもよいし、優先ポイントテーブルのポイントの付加の仕方や構成を変更したり、優先ポイントテーブルによらない方法であってよい)。同様に嗜好性に適合するCMを選択する具体的な手法についても適宜異なる手法を採用してよい(例えば、本実施例では優先ポイントテーブルに適合する最も大きなポイントを有するCMが常に選択されるものとしたが、当該ポイントに応じて異なる確率でCMが選択されるように(大きなポイントのCM程高確率でヒットするように)係数を付してランダムでCMを抽出するようにしてもいいし、ユーザの選択などに従って特定のカテゴリのみに基づいて嗜好性を判別するようにする等してもよい)。
【0083】
上記した実施例の説明からも明らかなように、本実施例の携帯電話1では、制御部101と記憶部102に格納される各種データ及び制御部101によって実行されるプログラム等によって、“嗜好性判別部”や“嗜好CM判別部”や“抽出CMリスト作成部”が構成される(各構成部材がソフトウェア的に構成される)ものであるが、こられの構成部材を専用のハードウェアで構成するものであっても構わない。
【実施例2】
【0084】
図14は、本実施例の携帯電話が備えるテーブルの構成の一例を示した図であり、図15は、同携帯電話の本発明に関する動作の概略を示すフローチャートである。なお、本実施例の携帯電話の構成は実施例1の携帯電話と同様であるため、ここでの説明を省略し、必要があるときは、図2等を参照しつつ説明する。
【0085】
本実施例の携帯電話は、図14に示されるような特定商品テーブル1400を備えており、商品若しくはサービス(図9に示されるカテゴリ4と同レベルの情報)と、期間情報と、マイナスポイント情報と、が予め若しくはユーザによる設定によって格納されている。
【0086】
上記構成のテーブルを備える本実施の携帯電話の処理動作は、基本的には実施例1の携帯電話と同様であるが、本実施例の携帯電話における「履歴テーブル更新処理」は、図15に示したような処理となる。なお、実施例1(図5)と同様の処理概念となるものについては同一の符号を使用し、ここでの説明を省略する(ループ2内の処理については同一の処理であるため、記載を省略している)。
【0087】
ステップ502における判断の結果、処理対象のデータが「購入履歴情報」であった場合には、ステップ503〜ステップ504の処理の後のステップ1501において、特定商品テーブル1400を参照して、購入履歴情報に基づいて当該商品(購入された商品)が特定商品テーブル1400に設定されている商品に該当するか否かを、制御部101によって判別する。当該判別の結果、特定商品テーブル1400に設定されている商品に該当する場合には、特定商品テーブル1400の当該商品に対応する“最終購入日”を更新する(ステップ1502)。
【0088】
上記処理によって、特定商品テーブル1400に設定されている商品について、外部装置(携帯電話2)から得られる購入履歴情報に基づき、購入があったと判断された場合には、直近の購入日が特定商品テーブル1400に格納されることとなる。
【0089】
本実施例のデジタルテレビでは、「抽出CMリスト表示処理」(図6)のステップ601、「嗜好CM選択・表示処理」(図7)のステップ701、「嗜好CM選択・挿入処理」(図8)のステップ801の各処理における、各CMのポイント合算(優先ポイントテーブル1100と適合するポイントの合算)処理において、特定商品テーブル1400を参照して当該テーブルに設定されている商品であって当該商品の最終購入日から所定期間(特定商品テーブル1400に設定されている“期間”)を経過していないものに該当するCMであるか否かを判別し、これに該当する場合には、特定商品テーブル1400に設定されているマイナスポイントを各CMに付与されたポイントから減ずる処理が実行される。なお、当該処理を行うための構成として、制御部101は時計機能を備えているものとする(制御部101とは別に、専用の“タイマ部”が備えられるものであっても構わない)。
【0090】
以上の構成を備える本実施例の携帯電話によれば、特定商品テーブル1400に設定された商品(サービス含む)について購入履歴があり、且つ、当該購入日から特定商品テーブル1400に設定された期間を経過していない場合には、当該商品に該当するCMの表示優先度が下げられることとなる(“合算ポイント”が減少するため)。例えば、車などの商品は一度購入した後はしばらく購入しないのが一般的である(即ち、購入直後のユーザに対して車に関するCMを流しても宣伝効果がほとんど無いと考えられるし、ユーザにとっても関心度の低いCMになっていると判断し得る)ため、このような性格の商品を予め登録しておくことにより、支払い履歴情報(購入履歴情報)に基づいて“車の購入が最近あった”と判断されたような場合には、所定期間(商品の性格などに応じて適宜定め得る)にわたって車に関するCMの表示の優先度が下げられるものであり、CM提供者側にとってもユーザ側にとっても有益なものとなるのである。
【0091】
なお、本実施例では、マイナスポイントを一定の値としているが、例えば、最終購入日からの期間の経過に応じてマイナスポイント(CM表示の優先度)を変化させるような処理(購入直後は大きなマイナスポイントとし、以降徐々にマイナス量を減らす処理など)としてもよく、特定商品テーブルに設定された商品についてCM表示の優先度を下げる具体的な手法については適宜選択可能である(例えば、所定期間内は該当CMが全く表示されないようにするもの等であってもよい)。
【0092】
また、本発明が適用される装置が該当する商品(本実施例では“携帯電話”)については、工場出荷後の始めての電源投入時をもって、自動的に特定商品テーブル1400の最終購入日を更新する処理(例えば、本実施例の携帯電話が購入された場合には、購入後(工場出荷後)の最初の電源投入時に、特定商品テーブル1400における“携帯電話”の最終購入日を更新することで、以後所定期間の間携帯電話に関するCMの表示優先度を下げるようにするもの)としてもよい。
【実施例3】
【0093】
図16・図17は、本実施例の携帯電話の本発明に関する動作の概略を示すフローチャートである。なお、本実施例の携帯電話の構成は実施例1の携帯電話と同様であるため、ここでの説明を省略し、必要があるときは、図2等を参照しつつ説明する。
【0094】
図16は、本実施例の携帯電話における「履歴テーブル更新処理」である。なお、実施例1(図5)と同様の処理概念となるものについては、実施例1と同一の符号を使用し(ループ2内の処理については同一の処理であるため、記載を省略している)、ここでの説明を省略する。
【0095】
ステップ502における判断の結果、処理対象のデータが「購入履歴情報」であった場合には、ステップ503〜ステップ504の処理の後のステップ1601において、カテゴリ4の履歴テーブルに、該当する商品の購入日時情報を蓄積する処理を行う。
【0096】
図18には、当該処理によって作成されるカテゴリ4テーブルの構成の一例を示した。このように、カテゴリ4テーブル1800には、該当する商品の購入履歴が蓄積されて保持されることとなる。
【0097】
図17は、優先商品テーブル更新処理の動作の概略を示すフローチャートである。ステップ1701では、制御部101によって午前0時の経過を監視し、日付が変わったと判断された場合にはステップ1702へと移行して、カテゴリ4テーブル1800に蓄積されたデータに基づいて各商品(サービス含む)の購入サイクルを判別する。なお、当該購入サイクルの算出方法は適宜採択可能な方式によればよい(例えば、単純に各購入日の間隔の平均値を取るものであっても構わないし、確率統計学に基づく算出方法を採用するもの等であってよい)。
【0098】
続くステップ1703では、購入サイクルを算出できた商品の中で、当該算出された購入サイクルと最終購入日とから次回購入予定時期を算出し当該次回購入予定時期の前後の所定期間内(“所定期間”に関する情報は予め若しくはユーザによって設定されて記憶部102に格納されているものであり、商品の別に応じて異なる期間とされるものなどであってよい。また、前記算出された購入サイクルに応じて自動的に算出するもの等(例えば購入サイクルの30%を“所定期間”とする等)であってもよい)に該当するものを、優先商品テーブルに格納する処理を実行する。当該処理によって生成される優先商品テーブル1900の構成の一例を図19に示した。
【0099】
本実施例の携帯電話では、「抽出CMリスト表示処理」(図6)のステップ601、「嗜好CM選択・表示処理」(図7)のステップ701、「嗜好CM選択・挿入処理」(図8)のステップ801の各処理における、各CMのポイント合算(優先ポイントテーブル1100と適合するポイントの合算)処理において、優先商品テーブル1900を参照して当該テーブルに設定されている商品に該当するCMであるか否かを判別し、これに該当する場合には、優先商品テーブル1900に設定されているプラスポイントを各CMに付与されたポイントに加算する処理が実行される。
【0100】
以上の構成を備える本実施例の携帯電話によれば、支払い履歴情報(購入履歴情報)に基づいて得られる各商品の購入サイクル情報に基づいて、ある商品が、次回の購入予定時期前後の所定期間に該当すると判断される場合には、当該商品に関するコマーシャルの表示優先度が上げられることとなる(“合算ポイント”が増加するため)。ユーザがほぼ同一サイクルで購入しているような商品がある場合(購入履歴情報に基づいて判断される場合)には、購入時期に合わせて当該商品のCMを流すことで、CM提供者側にとっては大きな宣伝効果が得られるものであり、且つ、ユーザにとっても有益となるものである。
【0101】
なお、商品の性格によっては、常に一定周期で購入することとなるもの(例えば、自動車保険など)も存在する。このような商品については、予め商品購入サイクルテーブル(図20にその構成の一例を示した)に購入周期を設定して格納しておくことにより、支払い履歴情報に基づいて次回の購入時期をかなり正確に予想することが可能であり、当該時期の前後に該当するCMを優先的に流すことで、CM提供者側にとってもユーザ側にとっても有益なものとなる。なお、図20に示される商品購入サイクルテーブル2000では、上記説明した“装置によって判別される商品購入サイクルに基づいてポイントを付与するもの”(図19)に比して高いポイントが付与されている。これは、装置によって購入サイクルが判別されたものに比してより高い確率で該当商品の購入が予想されるため、CMの効果なども高くなることが期待されるため、より優先的に該当CMを表示させるものである。なお、本実施例(図19・図20)では、いずれの商品も同じポイントが付加されるものとしているが、商品の別や購入サイクルの別などに応じて異なるポイントを付与するようにしても構わない。
【実施例4】
【0102】
図21は、本実施例のコンテンツ配信システムの本発明に関する構成の概略を示したブロック図であり、図22・図23は、同システムの本発明に関する動作の概略を示したフローチャートである。なお、図13と同様の構成要素については図13と同一の符号を使用し、ここでの説明を簡略化若しくは省略する。
【0103】
本実施例のコンテンツ配信システムは、複数の携帯情報端末装置6と、コンテンツ配信サーバ9とが、インターネット8を介して相互に接続されることで、コンテンツ配信サーバのコンテンツDB732に蓄積されているコンテンツ(CMを含む)を、各携帯情報端末装置6へと配信するものである。コンテンツ配信サーバ9は、装置全体の制御や各種演算処理などを行う制御部71と、各種データの保存などを行う記憶部73と、データの送受信を行う通信部72などを備え、記憶部73には、各種コンテンツ(CMを含む)が蓄積されているコンテンツDB732と、CM情報が蓄積されるCM情報DB731と、各携帯情報端末装置6から収集した嗜好情報が蓄積される嗜好情報DB739等が備えられる。
【0104】
図22は、本実施例のコンテンツ配信システムを構成する携帯情報端末装置6の本発明に関する動作の概略を示したフローチャートである。なお、携帯情報端末装置6には、装置を一意に定める“装置識別情報”が予め付与されて記憶部102に格納されているものとする。ステップ2201とステップ2202は、商品情報等に基づいてユーザの商品に対する嗜好性に関する情報を取得するための処理であり、実施例1(図4)のステップ401とステップ406(図5の処理)と同様の処理概念であるため、ここでの説明を省略する。
【0105】
続くステップ2203では、ステップ2201〜ステップ2202の処理によって取得した嗜好情報(即ち、実施例1で説明した各履歴テーブルの情報、若しくは、優先ポイントテーブルの情報等)を、自己の“装置識別情報”と共に通信部601からコンテンツ配信サーバ9へと送信する。
【0106】
上記した情報を受信したコンテンツ配信サーバ9では(図23:ステップ2301)、受信した嗜好情報と装置識別情報とを対応付けて嗜好情報DB739に格納する(ステップ2302)。そして、各携帯情報端末装置6にCMを配信する際には、嗜好情報DB739を参照して、各携帯情報端末装置6に適合するCMを判別し(当該判別処理の概念は上記で説明してきたものと同様である)、これを配信する(ステップ2303)。
【0107】
上記構成のコンテンツ配信システムによれば、携帯情報端末装置6によって判別されたユーザの商品の嗜好性に関する情報が、当該装置の識別情報と共にコンテンツ配信サーバ9へと送信され、これを受信したコンテンツ配信サーバ9において、嗜好性情報に適合するコマーシャルが判別され、当該コマーシャルが該当する携帯情報端末装置へと配信されるため、個々のユーザの商品に対するニーズに適合したCMだけを配信させることも可能であり、CM提供者側にとってもユーザ側にとっても有益なものとなり得る。
【0108】
なお、本実施例では、得られたユーザの商品の嗜好性に関する情報について、特に制限を設けずにコンテンツ配信サーバに送信するものとしたが、ユーザによる予めの設定若しくは送信時の随時の指示(送信処理時にユーザに指示を求める画面を表示させる等)に従って、送信が許可された情報のみを送信するようにしてもよい。
【0109】
実施例中では、携帯情報端末装置の具体例として携帯電話を使用し、商品情報の読み取りも電子マネーによる決済処理も可能なものを例として説明したが、商品情報の読み取り機能若しくは決済機能の何れか一方のみを有する装置であってよく、また、携帯情報端末装置を携帯電話に限るものではなく、上記で説明した趣旨に沿った機能を備える装置であれば、他の装置(例えばPDAや携帯ゲーム機など)であって良い。
【0110】
また、実施例中では、携帯電話におけるCMなどの記録先としてメモリカード103を例として説明したが、他の着脱可能な記録媒体であっても構わないし、装置内に固有に備えられる記録媒体(例えば記憶部102)に対して情報を記録するものであっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の携帯電話において商品情報などを取得する態様を示した模式図
【図2】携帯電話の本発明に関する構成の概略を示したブロック図
【図3】商品情報などの取得動作の概略を示したフローチャート
【図4】実施例1の携帯電話の本発明に関する動作の概略を示すフローチャート
【図5】履歴テーブル更新処理の動作の概略を示したフローチャート
【図6】抽出CMリスト表示処理の動作の概略を示したフローチャート
【図7】嗜好CM選択・表示処理の動作の概略を示したフローチャート
【図8】嗜好CM選択・挿入処理の動作の概略を示したフローチャート
【図9】カテゴリテーブルによって定められる商品等が有する属性の関係を示す図
【図10】各カテゴリごとに設けられる履歴テーブルの一例を示す図
【図11】優先ポイントテーブルの構成の一例を示す図
【図12】表示画面の一例を示す図
【図13】コンテンツ配信システムの構成の概略を示すブロック図
【図14】特定商品テーブルの構成の一例を示す図
【図15】実施例2の履歴テーブル更新処理の動作の概略を示したフローチャート
【図16】実施例3の履歴テーブル更新処理の動作の概略を示したフローチャート
【図17】優先商品テーブル更新処理の動作の概略を示したフローチャート
【図18】実施例3のカテゴリ4テーブルの構成の一例を示す図
【図19】優先商品テーブルの構成の一例を示す図
【図20】商品購入サイクルテーブルの構成の一例を示す図
【図21】実施例4のコンテンツ配信システムの構成の概略を示すブロック図
【図22】実施例4における携帯情報端末装置の本発明に関する動作の概略を示したフローチャート
【図23】実施例4におけるコンテンツ配信サーバの本発明に関する動作の概略を示したフローチャート
【符号の説明】
【0112】
1 携帯電話(携帯情報端末装置)
9 コンテンツ配信サーバ(コンテンツ配信装置)
101 制御部
102 記憶部
103 メモリカード(記録媒体)
105 チューナ部(受信部)
107 メモリリーダ/ライタ部
109 表示部
111 情報読取部
112 決済機能部(決済情報取得部)
601 通信部(情報送信部)
2000 商品購入サイクルテーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯情報端末装置に関し、主に、商品情報の参照履歴や商品の購入履歴に基づいてユーザの商品等に関する嗜好性を判別することが可能な携帯情報端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、放送波はアナログからデジタルへ順次移行しており、また、現在では放送波に限らずインターネット等のネットワークを介してコンテンツを配信することなどが行われており、当該配信されたコンテンツを受信するための装置として携帯電話に代表される携帯情報端末装置も使用されている。このようにコンテンツの配信方式(及び受信装置)は時代と共に変化しているが、このようなコンテンツの伝送媒体や装置の相違に拘わらず、コマーシャルを配信することでコンテンツ配信者側が収益を得ることは行われている。
【0003】
コマーシャル(以下単にCMとする場合がある)とは企業等が自己の商品やサービス(以下商品等とする場合や単に商品と記載する場合がある)を宣伝することで消費者に自己の商品等を購入してもらうことが主な目的となるものであるため、各視聴者(消費者)に対し、それぞれの視聴者が関心を持っている商品等やよく購入する商品等に関するCM(ユーザの嗜好性に即したCM)を視聴してもらうことが、CM提供者側にとっては好ましいことであり、又、ユーザにとっても有益なものとなる。
【0004】
このような、ユーザの嗜好性に即したCMを判別・表示する技術に関する従来技術が、特許文献1〜特許文献3などによって開示されている。また、ユーザ(お客)の買い物履歴に基づいてこれに応じた広告をショッピングカートに送信するショッピング情報提供システムに関する技術が特許文献4によって開示されており、ユーザの嗜好性に即したコンテンツの抽出をする方送受信機能付きの携帯電話装置に関する技術が特許文献5によって開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−111921号公報
【特許文献2】特開2001−275052号公報
【特許文献3】特開2002−218377号公報
【特許文献4】特開2002−304671号公報
【特許文献5】特開2006−74376号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したユーザの嗜好性に即したCMを判別・表示するための従来技術(特許文献1〜特許文献3)は、CM等の視聴履歴を残すことにより当該視聴履歴に基づいてユーザの嗜好性を判断するものと、ユーザにCMの嗜好性に関する何らかの入力を行わせることによりユーザの嗜好性を判断するものに大別される。
【0007】
CM等の視聴履歴を残すものの場合、ユーザが視聴したCM(装置に表示されたCM)が必ずしもそのユーザが興味を持っているものであるとは限らず(単に装置にCMが表示されたというだけであり、ユーザが興味を持って視聴したか否かは不明)、また、仮にユーザがそのCMに興味を持っていたとしても、そのCMに係る商品等に興味を持っていたか否かは不明である(例えば、単にCMで使用された曲や出演者に興味があったにすぎない場合もある)。従って、必ずしもユーザの商品等に関する嗜好性を判別することができるものではなかった。また、ユーザにCMの嗜好性に関する何らかの入力をさせるものは、操作が煩雑となるものであり、且つ、誤操作や入力漏れを生じ得るという問題を有するものであった。
【0008】
特許文献4によって開示される従来技術によれば、商品の買い物履歴に基づいて広告がショッピングカートに表示されるものであるが、当該処理に関しては店内に閉じたシステムであり、商品の買い物履歴をユーザが店を離れて(当該システムを備える店に限定されずに)利用できるものではなかった。
【0009】
本発明は、上記した点に鑑み、ユーザに煩雑な操作を強いることなくユーザの商品等に関する嗜好性を判別することが可能な携帯情報端末装置の提供、また、ユーザの商品等に関する嗜好性に即したCMを表示することが可能な携帯情報端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る第1の携帯情報端末装置は、商品に付されている商品情報を読取り可能な情報読取部と、記憶部と、を備えることにより、前記読取った商品情報を商品照会履歴情報として前記記憶部に蓄積することを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、例えば、店舗に陳列されている商品に付されている商品情報(例えばICタグやバーコードとして付されている情報等)を、携帯情報端末装置によって読取ることで、当該商品情報が携帯情報端末装置に蓄積される。なお「記憶部」とは、装置固有に備えられるものに限られず、着脱可能なもの(例えばメモリカード等)であってもよい。また、「商品」とは、有体物に限るものではなく、サービス等も含む概念であり、“商品に付されている商品情報”とは、商品に直接付されているものの他、パンフレットなどに付されているものも含むものである。
【0012】
本発明に係る第2の携帯情報端末装置は、商品に対する決済機能と記憶部を備えることにより、前記決済の履歴を商品支払い履歴情報として前記記憶部に蓄積することを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、決済機能を有する携帯情報端末装置において、商品(サービス含む)に対する決済が行われた場合には、決済の履歴が蓄積される。なお「記憶部」とは、装置固有に備えられるものに限られず、着脱可能なもの(例えばメモリカード等)であってもよい。
【0014】
本発明に係る第3の携帯情報端末装置は、上記第1又は第2の携帯情報端末装置であって、前記商品照会履歴情報又は前記商品支払い履歴情報から、ユーザの商品等の嗜好性を判別する嗜好性判別部を備えることにより、前記商品照会履歴情報又は前記商品支払い履歴情報に基づいてユーザの商品の嗜好性を判別可能としたことを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、商品に関する支払い履歴情報若しくは照会履歴情報を利用してユーザの商品等の嗜好性が判別される。
【0016】
本発明に係る第4の携帯情報端末装置は、商品に付されている商品情報を読取り可能な情報読取部と、商品が有する属性に対応した構成を有する履歴テーブルを備える記憶部と、嗜好性判別部と、を備えることにより、前記情報読取部によって取得される商品情報に基づいて前記履歴テーブルの対応する商品の属性に履歴情報を蓄積し、前記嗜好性判別部によって前記履歴テーブルに蓄積された情報に基づいたユーザの商品の嗜好性の判別を可能としたことを特徴とする。
【0017】
上記構成によれば、商品(サービス含む)に関する情報が情報読取部によって取得され、当該情報に基づいて、商品が有する属性に対応した構成を有する履歴テーブルに情報が蓄積され、当該商品の属性別に情報が蓄積された履歴テーブルに基づいてユーザの商品の嗜好性が判別される。
【0018】
本発明に係る第5の携帯情報端末装置は、商品に対する決済機能と、決済情報取得部と、商品が有する属性に対応した構成を有する履歴テーブルを備える記憶部と、嗜好性判別部と、を備えることにより、前記決済情報取得部によって商品に関する支払い履歴情報を取得し、当該支払い履歴情報に基づいて前記履歴テーブルの対応する商品の属性に履歴情報を蓄積し、前記嗜好性判別部によって前記履歴テーブルに蓄積された情報に基づいたユーザの商品の嗜好性の判別を可能としたことを特徴とする。
【0019】
上記構成によれば、商品(サービス含む)に関する支払い履歴情報が決済情報読取部によって取得され、当該情報に基づいて、商品が有する属性に対応した構成を有する履歴テーブルに情報が蓄積され、当該商品の属性別に情報が蓄積された履歴テーブルに基づいてユーザの商品の嗜好性が判別される。
【0020】
本発明に係る第6の携帯情報端末装置は、上記第3乃至第5の携帯情報端末装置の何れか1つであって、配信されるコマーシャル及びコマーシャルの内容を示すコマーシャル情報を受信可能な受信部と、表示部と、前記コマーシャル情報に基づいて前記ユーザの商品等の嗜好性に適合するコマーシャルを判別する嗜好CM判別部と、を備えることにより、配信されるコマーシャルの中にユーザの商品等の嗜好性に適合するコマーシャルがあるか否かを判別可能とし、嗜好性に適合するコマーシャルがあった場合にはこれを優先的に前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0021】
上記構成によれば、携帯情報端末装置によって判別されたユーザの商品の嗜好性に基づいて、これとコマーシャル情報とを比較することにより、ユーザの商品の嗜好性に適合するコマーシャルがあるか否かが判別され、これがあった場合には当該コマーシャルが優先的に表示される。なお、「優先的に表示させる」とは、例えば、デジタル放送においてCMが同時に複数配信されているような場合に、ユーザの嗜好性に適合したものを選択して表示させるようなものや、インターネット等によるインタラクティブなコンテンツ配信がなされるような場合に、ユーザの嗜好性に適合したCMの配信要求を行ってこれを表示させるようなもの等であり、なんらかの形で優先的に表示させるものをいう。
【0022】
本発明に係る第7の携帯情報端末装置は、上記第3乃至第5の携帯情報端末装置の何れか1つであって、配信されるコマーシャル及びコマーシャルの内容を示すコマーシャル情報を受信可能な受信部と、表示部と、当該受信したコマーシャル及びコマーシャル情報を記録する記録媒体と、前記コマーシャル情報に基づいて前記ユーザの商品等の嗜好性に適合するコマーシャルを判別する嗜好CM判別部と、を備えることにより、前記記録媒体に記録されたコマーシャルの中にユーザの商品等の嗜好性に適合するコマーシャルがあるか否かを判別可能とし、嗜好性に適合するコマーシャルがあった場合にはこれを優先的に前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0023】
上記構成によれば、記録媒体にコマーシャル及びコマーシャルの内容を示すコマーシャル情報が記録され、当該記録されたコマーシャルの中から、携帯情報端末装置によって判別されたユーザの商品の嗜好性に基づいてこれとコマーシャル情報とを比較することにより、ユーザの商品の嗜好性に適合するコマーシャルがあるか否かが判別され、これがあった場合には当該コマーシャルが優先的に表示される。なお、「優先的に表示させる」とは、例えば、現在放送されている番組のCM部分を、記録媒体に記録されたものの中から選択されたCMで置き換えるものや、記録媒体に記録されているコンテンツの再生処理中に強制的に選択されたCMを挿入するもの等であり、なんらかの形で優先的に表示させるものをいう。「記録媒体」とは、装置固有に備えられるものに限られず、着脱可能なもの(例えばメモリカード等)であってもよい。また、「配信」とは無線や有線を介して行われるもののみならず、記録媒体を介して行われるもの(この場合には「受信部」とは記録媒体から情報を読取るものを指す場合がある)等であってもよい。
【0024】
本発明に係る第8の携帯情報端末装置は、上記第7の携帯情報端末装置であって、前記嗜好CM判別部によって抽出したコマーシャルのリストを作成する抽出CMリスト作成部を備えることにより、当該作成した抽出CMリストを前記表示部に表示させ、ユーザから再生要求のあったコマーシャルを再生させる処理を実行する、若しくは、ユーザから詳細情報表示要求のあったコマーシャルについて前記コマーシャル情報に基づいた情報を表示させることを特徴とする。
【0025】
上記構成によれば、記録媒体に記録されたコマーシャルの中から抽出されたユーザの商品の嗜好性に適合するコマーシャルのリストが表示され、当該リスト中のCMに対するユーザの再生要求や詳細情報表示要求があった場合には、これに応じた処理が記録媒体に記録されているコマーシャル又はコマーシャル情報に基づいて実行される。
【0026】
本発明に係る第9の携帯情報端末装置は、上記第6乃至第8の携帯情報端末装置の何れか1つであって、予め定められた若しくはユーザによって設定された商品を前記記憶部に格納しておき、前記商品支払い履歴情報に基づいて所定期間内に前記記憶部に設定された商品についての購入履歴があったと判断された場合には、所定期間にわたり当該商品に関するコマーシャルの表示優先度を下げることを特徴とする。
【0027】
上記構成によれば、予め定められた若しくはユーザによって設定された商品について、支払い履歴情報に基づいて所定期間内に購入履歴があったと判断された場合には、所定期間にわたり当該商品に関するコマーシャルの表示優先度が下げられる。なお、「所定期間」とは、予め装置に設定されている若しくはユーザによって設定されたもの等であり、「所定期間内に前記記憶部に」と「所定期間にわたり」における“所定期間”は同一のものであっても良いし、異なる期間であっても構わない。
【0028】
本発明に係る第10の携帯情報端末装置は、上記第6乃至第9の携帯情報端末装置の何れか1つであって、所定の商品と所定期間とが対応付けられて格納された商品購入サイクルテーブルを備えることにより、若しくは、前記商品に関する支払い履歴情報に基づいて得られる各商品の購入サイクル情報により、各商品の次回の購入予定時期前後の所定期間に該当すると判断される場合には、当該商品に関するコマーシャルの表示優先度を上げることを特徴とする。
【0029】
上記構成によれば、商品購入サイクルテーブルの設定、若しくは、支払い履歴情報に基づいて得られる各商品の購入サイクル情報に基づいて、ある商品が次回の購入予定時期前後の所定期間に該当すると判断される場合には、当該商品に関するコマーシャルの表示優先度が上げられる。
【0030】
本発明に係る第11の携帯情報端末装置は、上記第3乃至第10の携帯情報端末装置の何れか1つであって、コンテンツ配信側の装置へネットワークを介して情報を送信する情報送信部を備えることにより、前記ユーザの商品等の嗜好性に関する情報をコンテンツ配信側へと送信することを特徴とする。
【0031】
上記構成によれば、携帯情報端末装置によって判別されたユーザの商品等の嗜好性に関する情報が、コンテンツ配信側の装置へと送信される。
【0032】
本発明に係る第12の携帯情報端末装置は、上記第11の携帯情報端末装置であって、ユーザによる予めの設定若しくは前記送信時の随時の設定により、送信が許可された情報のみを送信することを特徴とする。
【0033】
本発明に係る第1のコンテンツ配信システムは、コマーシャルを配信するコンテンツ配信装置と、当該コンテンツ配信装置へ通信回線を介して情報を送信する情報送信部を備え且つ自己の識別情報を有する上記第3乃至第5の何れか1つの携帯情報端末装置と、を備えるコンテンツ配信システムであって、前記嗜好性判別部によって判別されたユーザの商品の嗜好性に関する情報を前記自己の識別情報と共に前記情報送信部から前記コンテンツ配信装置へと送信し、当該情報を受信した前記コンテンツ配信装置において、前記嗜好性情報に適合するコマーシャルを前記識別情報に従って各携帯情報端末装置へと配信することを特徴とする。
【0034】
上記構成によれば、携帯情報端末装置によって判別されたユーザの商品の嗜好性に関する情報が、当該装置の識別情報と共にコンテンツ配信側の装置へと送信され、これを受信したコンテンツ配信装置において、嗜好性情報に適合するコマーシャルを判別し、当該コマーシャルが該当する装置へと配信される。
【0035】
本発明に係る第1の商品の嗜好性判別プログラムは、商品に付されている商品情報を読取り可能な情報読取部と、商品が有する属性に対応した構成を有する履歴テーブルを備える記憶部と、嗜好性判別部と、を備える携帯情報端末装置、又は、商品に対する決済機能と、決済情報取得部と、商品が有する属性に対応した構成を有する履歴テーブルを備える記憶部と、嗜好性判別部と、を備える携帯情報端末装置に、前記情報読取部によって商品情報を取得させるステップ又は前記決済情報取得部によって商品に関する支払い履歴情報を取得させるステップと、当該取得した情報に基づいて前記履歴テーブルの対応する商品属性に履歴情報を蓄積するステップと、当該履歴テーブルの全体の中で履歴の多いもの、若しくは、各属性ごとに履歴の多いものを、ユーザの商品の嗜好性情報として、前記嗜好性判別部によって算出させるステップと、を実行させることを特徴とする。
【0036】
本発明に係る第2の商品の嗜好性判別プログラムは、上記第1の商品の嗜好性判別プログラムであって、配信されるコマーシャル及びコマーシャルの内容を示すコマーシャル情報を受信可能な受信部を備える前記携帯情報端末装置に、前記受信部によって前記配信される複数のコマーシャル及びコマーシャル情報を受信させるステップと、当該受信した複数のコマーシャル情報と前記算出したユーザの商品の嗜好性情報とを比較して最も適合するコマーシャルを判別するステップと、これにより取得されたコマーシャルを優先的に表示させるステップと、を実行させることを特徴とする。
【0037】
本発明に係る第3の商品の嗜好性判別プログラムは、上記第1の商品の嗜好性判別プログラムであって、配信されるコマーシャル及びコマーシャルの内容を示すコマーシャル情報を受信可能な受信部と、当該受信したコマーシャル及びコマーシャル情報を記録する記録媒体と、を備える前記携帯情報端末装置に、前記受信部によって前記配信されるコマーシャル及びコマーシャル情報を受信しこれらを対応付けて前記記録媒体に記録させるステップと、当該記録媒体に記録されたコマーシャル情報と前記算出したユーザの商品の嗜好性情報とを比較して適合するコマーシャルを判別するステップと、これにより取得されたコマーシャルを優先的に表示させるステップと、を実行させることを特徴とする。
【0038】
本発明に係る第4の商品の嗜好性判別プログラムは、上記第2又は第3の商品の嗜好性判別プログラムであって、予め定められた若しくはユーザによって設定された商品が格納されている前記携帯情報端末装置に、前記商品に関する支払い履歴情報に基づいて所定期間内に前記格納された商品についての購入履歴があるか否かを判別するステップと、これがあったと判断された場合に所定期間にわたり当該商品に関するコマーシャルの表示優先度を下げるステップと、を実行させることを特徴とする。
【0039】
本発明に係る第5の商品の嗜好性判別プログラムは、上記第2乃至第4の商品の嗜好性判別プログラムの何れか1つであって、所定の商品と所定期間とが対応付けられて格納された商品購入サイクルテーブルを備える前記携帯情報端末装置に、前記商品に関する支払い履歴情報と前記購入サイクルテーブルを比較することにより各商品の次回の購入予定時期を判別するステップと、当該購入予定時期前後の所定期間において該当する商品に関するコマーシャルの表示優先度を上げるステップと、を実行させることを特徴とする。
【0040】
本発明に係る第6の商品の嗜好性判別プログラムは、上記第2乃至第5の商品の嗜好性判別プログラムの何れか1つであって、前記商品に関する支払い履歴情報に基づいて、各商品の購入サイクルを判別するステップと、当該購入サイクル情報に基づいて、各商品の次回の購入予定時期を判別するステップと、当該購入予定時期前後の所定期間に該当する商品に関するコマーシャルの表示優先度を上げるステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0041】
本発明に係る第1の携帯情報端末装置によれば、例えば、店舗に陳列されている商品に付されている商品情報(例えばICタグやバーコードとして付されている情報等)を、携帯情報端末装置によって読取ることで、当該商品情報が携帯情報端末装置に蓄積されるため、携帯情報端末装置において商品情報を確認することが可能となり、又、蓄積された商品情報をユーザの商品に関する嗜好性を判断するために利用することが可能となる。また、携帯情報端末装置に情報が蓄積される為、特定のシステムを備える店舗に限定されることなくユーザが訪れた各店舗などで商品情報を取得でき、より多種多様の情報を蓄積させることができる。従って、当該情報をユーザの商品に関する嗜好性を判断するために利用することでより高精度にユーザの商品に関する嗜好性を判断することが可能となる。
【0042】
本発明に係る第2の携帯情報端末装置によれば、商品に対する決済が行われた場合には、決済の履歴が蓄積されるため、蓄積された決済の履歴情報をユーザの商品に関する嗜好性を判断するために利用することが可能となる。
【0043】
本発明に係る第3の携帯情報端末装置によれば、ユーザの商品等に関する関心度を色濃く反映するものである商品に関する支払い履歴情報若しくは商品照会履歴情報に基づいてユーザの商品の嗜好性を判別することができる。
【0044】
本発明に係る第4又は第5携帯情報端末装置によれば、商品情報又は商品に関する支払い履歴情報に基づいて、商品が有する属性に対応した構成を有する履歴テーブルに情報が蓄積されるため、商品のそれぞれの属性情報に基づいてユーザの商品に関する関心度を判別することが可能であり、より詳細な嗜好性の判断が可能となる。
【0045】
本発明に係る第6の携帯情報端末装置によれば、携帯情報端末装置によって判別されたユーザの商品の嗜好性に基づいて、これとコマーシャル情報とを比較することにより、ユーザの商品の嗜好性に適合するコマーシャルがあるか否かが判別され、これがあった場合には当該コマーシャルが優先的に表示される。従って、ユーザの商品に関する関心度を色濃く反映するものである商品に関する支払い履歴情報等に基づいて判断されたユーザの商品の嗜好性を用いてCMが選択され、個々のユーザの商品に対するニーズに適合したCMが優先的に表示されることとなる。よって、CM提供者側にとってもユーザ側にとっても有益なものとなる。
【0046】
本発明に係る第7の携帯情報端末装置によれば、コマーシャルを一旦記録媒体に蓄積した後に、蓄積されたコマーシャルの中からユーザの商品に対するニーズに適合したCMが選択されて優先的に表示されることとなる。よって、CMの蓄積量が増加すればユーザのニーズに適合するCMも多くなり、また、個人情報たる嗜好性に関する情報は携帯情報端末装置内のみで処理されるため、個人情報保護の観点において優れる。
【0047】
本発明に係る第8の携帯情報端末装置によれば、記録媒体に記録されたコマーシャルの中から抽出されたユーザの商品等の嗜好性に適合するコマーシャルのリストが表示され、当該リスト中のCMに対するユーザの再生要求や詳細情報表示要求に従ってCMの再生処理や商品等の詳細情報の表示処理が実行される。よって、自己の商品等の嗜好性に適合したCMを見たいような場合の操作性に優れ、且つ、CMに付加されて配信されるコマーシャル情報についても表示させることが出来るため、ユーザにとっての利便性に優れると共に、CM提供者側にとっても、種々の情報をコマーシャル情報として付加して配信させることにより“単に放送されるCM”に比してより効果的な宣伝や情報提供を行うことが可能となる。
【0048】
本発明に係る第9の携帯情報端末装置によれば、予め定められた若しくはユーザによって設定された商品について、支払い履歴情報に基づいて所定期間内に購入履歴があったと判断された場合には、所定期間にわたり当該商品に関するコマーシャルの表示優先度が下げられる。例えば、車などの商品は一度購入した後はしばらく購入しないのが一般的である(即ち、購入直後のユーザに対して車に関するCMを流しても宣伝効果がほとんど無いと考えられるし、ユーザにとっても興味の無いCMであると判断し得る)ため、このような性格の商品を予め登録しておくことにより、支払い履歴情報に基づいて“車の購入が最近あった”と判断されたような場合には、所定期間(商品の性格などに応じて適宜定め得る)にわたって車に関するCMの表示の優先度が下げられるものであり、CM提供者側にとってもユーザ側にとっても有益なものとなる。
【0049】
本発明に係る第10の携帯情報端末装置によれば、商品購入サイクルテーブルの設定、若しくは、支払い履歴情報に基づいて得られる各商品の購入サイクル情報に基づいて、ある商品が、次回の購入予定時期前後の所定期間に該当すると判断される場合には、当該商品に関するコマーシャルの表示優先度が上げられる。ユーザがほぼ同一サイクルで購入しているような商品がある場合(支払い履歴情報に基づいて判断される場合)には、購入時期に合わせて当該商品のCMを流すことで、CM提供者側にとっては大きな宣伝効果が得られるものであり、且つ、ユーザにとっても有益なものとなり得る。また、商品の性格によっては、常に一定期間で購入することとなるもの(例えば、自動車保険など)も存在する。このような商品については、予め商品購入サイクルテーブルに購入周期を設定して格納しておくことにより、支払い履歴情報に基づいて次回の購入時期を正確に予想することが可能であり、当該時期にCMを優先的に流すことで、CM提供者側にとってもユーザ側にとっても有益なものとなる。
【0050】
本発明に係る第1のコンテンツ配信システムによれば、携帯情報端末装置によって判別されたユーザの商品の嗜好性に関する情報が、当該装置の識別情報と共にコンテンツ配信側の装置へと送信され、これを受信したコンテンツ配信装置において、嗜好性情報に適合するコマーシャルが判別され、当該コマーシャルが該当する装置へと配信されるため、個々のユーザの商品に対するニーズに適合したCMだけを配信させることも可能であり、CM提供者側にとってもユーザ側にとっても有益なものとなり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
以下、本発明の具体的実施例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施態様は、本発明を具体化する際の一形態であって、本発明をその範囲内に限定するためのものではない。
【実施例1】
【0052】
図1は本実施例の携帯電話(携帯情報端末装置)について、商品情報や支払い履歴情報を取得する態様を示した模式図である。図2は同携帯電話の本発明に関する構成の概略を示したブロック図である。
【0053】
図2に示されるように、携帯電話1は、装置全体の制御や各種演算処理などを行う制御部101と、各種データの保存などを行う記憶部102と、電話機能を実現する電話機能部104と、ユーザに対する入出力インターフェースとなる操作部108及び表示部109と、各周波数のデジタル放送波を受信するチューナ部105と、チューナ部105によって受信された信号のデジタル復調処理や、H.264規格に準じた複号化処理などを行うデコーダ部106と、デコーダ部106から出力された映像データを表示部109へと表示させる処理を行う表示処理部110と、メモリカード103に対する情報の読み書き等を行うメモリリーダ/ライタ部107と、当該メモリリーダ/ライタ部107に対して脱着されるメモリカード103と、電子マネーの決済機能を実現する決済機能部112と、商品等に付されている情報を読取る為の情報読取部111と、などを備える。なお、「商品等に付されている情報」とは、なんらかの形で電子化された情報若しくは商品等に記載されている文字情報そのものなどであってもよく、情報読取部111はこれらの情報を光学的手法や電磁波を利用すること等によって読取るものである。具体的には例えば、商品やカタログなどに付されたバーコード情報を、光学的手法を用いて読取るものや、商品に付されたICタグから電磁波を利用することによって情報を読取るもの等である。
【0054】
図3〜8は、携帯電話1の本発明に関する動作の概略を示すフローチャートである。
【0055】
図3は、商品情報又は支払い履歴情報の取得動作の概略を示したフローチャートである。ステップ301とステップ302では、商品情報の読取要求の有無と電子マネーによる決済の有無を判別する。「商品情報の読み取り」とは、前述したように、商品等に付されている情報(例えばバーコードやICタグ等)から情報読取部111によって情報を読取るものであり、商品情報とは、例えば、商品名(“ビール”などの商品の普通名称や、例えば“北海道生絞りのどごし一番”などの個別の商品名である場合がある)や、商品のカテゴリ(例えば、“食品”などの各属性)、商品のスペック情報、商品の産地・販売地・原材料などの情報、販売者情報、製造者情報、価格情報などである。「電子マネーによる決済」とは、商品に対する対価の支払い方法の一形態である。なお、“商品”とは有体物に限定されるものではなく、サービス等も含むものである(サービスに関する情報の読み取りや、サービスに対する対価の決済も同様の概念たり得る)。
【0056】
商品情報の読み取り要求があった場合には(ステップ301)、商品に付されているICタグ等から情報読取部111によって情報を読取り(ステップ303)、当該読取った商品情報を読取った日の日時情報と対応付けてメモリカード103に蓄積する(ステップ304)。なお、商品情報の読取りは、以下に説明する本発明の利用のためのみに行うものであっても構わないが、現在では商品にトレーサビリティ情報をICタグ等によって付すことも行われており、「これらの情報を見る」という行為に伴って商品情報を取得できるため、ユーザの普段の生活の中で自然に蓄積され得るものである。なお、当該処理によって取得された情報を以下「商品照会履歴情報」と称する。
【0057】
電子マネーによる決済があった場合には(ステップ302)、決済機能部112による決済処理(電子マネー決済端末3との間でデータの送受信を行って決済を実行する処理)を行い(ステップ305)、電子マネー決済端末3を介してPOSシステム4から商品名等の商品情報と購入数量情報などを取得して、当該情報(支払い履歴情報)を読取った日の日時情報(POSシステム4から取得される決済日時情報であってもよい)と対応付けてメモリカード103に蓄積する(ステップ306)。当該処理によって取得された情報(支払い履歴情報)を以下「購入履歴情報」と称する。又、「商品照会履歴情報」と「購入履歴情報」の総称として「商品照会履歴等情報」という語を用いる場合がある。なお、上述からも明らかなように、電子マネー決済端末3は、POSシステム4から必要な情報を取得できるように構成されるものであり、決済機能部112は当該電子マネー決済端末3から商品に関する支払い履歴情報を取得できる(決済機能部112は“決済情報取得部”としても機能する)ものである。
【0058】
本実施例の携帯電話1は、図1の模式図に示されるように、ユーザによって使用されることで、店頭にある商品2に付されている商品情報21から商品情報を取得してメモリカード103に蓄積した情報、若しくは、商品購入時の電子マネー決済の際に電子マネー決済端末3を介してPOSシステム4から情報を取得してメモリカード103に蓄積した情報に基づいて、以下で説明するように、ユーザの商品に関する嗜好性を判別しこれを利用するものである。なお、本発明の携帯電話1は、判別されたユーザの商品に関する嗜好性に基づいて、嗜好性に適合するCMの選択を行うことを主たる目的としており、その前提として、配信されるコマーシャルにはその内容を示すコマーシャル情報が対応付けられて配信されているものとする。
【0059】
次に、携帯電話1の本発明に関する動作の概略を、図4を参照しつつ説明する。前述のごとくユーザによる携帯電話1の使用により蓄積された情報から、ユーザの商品に関する嗜好性を判別するための情報を定期的に抽出するために、計時機能を有する制御部101によって午前0時の到来を判別し(ステップ401)、午前0時が到来するごとに、ステップ406へと移行して「履歴テーブル更新処理」を実行する。
【0060】
図5は、図4のステップ406で実行される「履歴テーブル更新処理」の動作の概略を示したフローチャートである。
【0061】
ステップ501では、メモリリーダ/ライタ部107によってメモリカード103に蓄積されている商品照会履歴等情報を取得し、続くループ1の処理へと移行する。ループ1の処理は、各商品照会履歴情報、購入履歴情報に基づき、それぞれの属性に応じて各テーブルに履歴として情報を蓄積するものである。
【0062】
図9・図10は、携帯電話1の記憶部102に備えられるテーブルの構成(若しくはその概念)を示す図である。図10は商品が有する各属性ごとの履歴が蓄積される履歴テーブルの一例を示したものである。図9は、これらの各属性の相関関係を示した図であり、“カテゴリテーブル”の設定により、このように各属性が階層化されたカテゴリに分類される(なお、“カテゴリテーブル”の具体的な構成については特に図示しないが、本明細書の趣旨に沿って各属性が相互に関連付けられるものであればよい)。図9・図10に示されるように、本実施例では商品等の属性がカテゴリ1〜カテゴリ5(カテゴリ5は個別の商品名である)に階層化されており、カテゴリ1が最も上位概念となり“食品”や“家電”といった項目(属性)が存在する。下位の階層は上位の階層の項目の何れかに属することとなる(例えば“ビール”は、“アルコール”・“飲料”・“食品”に属する)。なお、商品が有する属性の中には、図9の階層構造になじまないものも存在する(例えば、図10(c)に示した“メーカ”という属性)ため、全ての属性が階層化されて関連付けられる必要は無い。また、ここで示したものはあくまで一例であり、これとは異なる概念で各属性が関連付けられるものであっても構わない。なお、図10の各履歴テーブルは各階層に属する項目を全て有するものである(例えば、カテゴリ4テーブル1002は、カテゴリ3の“アルコール”に属するカテゴリ4の項目のみを有するのではなく、カテゴリ4の階層に該当する全ての項目を有するものである)。
【0063】
図5に戻って処理の説明を続ける。ループ1内のステップ502では、処理対象が商品照会履歴情報であるか購入履歴情報であるかを判別し、商品照会履歴情報であった場合には、当該商品照会履歴情報(前述したように商品名や、商品のカテゴリ情報などが含まれる)とカテゴリテーブルに基づいて、当該商品(商品情報を読取られた商品)が図9のどの項目に該当するかを判別し、該当する項目が属する上位のカテゴリの項目も取得する(ステップ505)。例えば、“商品照会履歴情報”に、商品がビールで商品名がBBBである旨の情報が含まれていた場合には、“食品”・“飲料”・“アルコール”・“ビール”・“BBB”の各項目が取得されることとなり、続くステップ506で、これらの各項目について各履歴テーブルに履歴が蓄積される。なお、メーカテーブル1003についても該当する情報があった場合には履歴が蓄積される。カテゴリテーブルに無い新しい情報が含まれている場合には、適宜カテゴリテーブル及び履歴テーブルの構成を更新するものであってよい(例えば、“ビール”について新しい商品名“ZZZ”があった場合には、カテゴリ5にZZZを追加するなど)。
【0064】
一方、ステップ502の判断において処理対象が購入履歴情報であった場合にはステップ503へと移行する。ステップ503の処理概念はステップ505と同様である。続くステップ504では、ステップ503で取得した各項目について、該当商品の購入数量に応じた履歴を各履歴テーブルに蓄積する(例えばビールを5本以上買った場合には2ポイント履歴を増加させるなど)。なお、商品の金額に応じて履歴の増加量を変化させるものや、数量及び金額の双方を加味して履歴の増加量を変化させるもの等であってもよいし、特にこのような増減は行わず常に一定の加算処理としても構わない。
【0065】
ループ1では、メモリカード103に蓄積されていた全ての商品照会履歴等情報に対して上記ステップ502〜ステップ506の処理を繰返すことにより、全ての商品照会履歴等情報に基づいて履歴情報を抽出し(日付情報に基づくなどして既に履歴情報が抽出されたと判断される商品照会履歴等情報については、履歴情報の抽出は行わない)、各履歴テーブル(図10)に情報が蓄積される(当該情報はユーザの商品などに対する嗜好性を反映している情報といえる)。
【0066】
ループ1の処理が終了すると、ループ2の処理へと移行する。ループ2の処理は、各履歴テーブルに蓄積された情報に基づいて、各カテゴリごとの上位5項目を抽出して優先ポイントテーブル(図11)に格納する処理である。ステップ507とステップ508の処理により、カテゴリnの履歴テーブルの中から上位の5項目が抽出されて優先ポイントテーブル1100に格納され、当該処理がnが1〜6となるまで繰返されることで、各カテゴリの上位5項目が抽出されて優先ポイントテーブル1100に格納されるのである。なお、ここでは便宜的にメーカをカテゴリ6とすることで処理の説明を簡略化している。
【0067】
以上のような「履歴テーブル更新処理」により、日付が変わる度に、各履歴テーブルの更新処理が行われ、当該各履歴テーブルに基づいて優先ポイントテーブル1100が更新される。なお、本実施例では、上位5項目を抽出して優先ポイントテーブルに格納するものとしているが、これに限るものではなく、さらに多数(若しくは少数)の項目を抽出するものであってもよい。
【0068】
図4に戻って説明を続ける。ステップ402〜ステップ405は、それぞれ、CM放送受信の有無(ステップ402)、抽出CMリスト表示要求の有無(ステップ403)、多重CM放送受信の有無(ステップ404)、録画コンテンツ再生要求の有無(ステップ405)、を判別するものである。
【0069】
チューナ部105によってCM放送が受信されているとデコーダ部106及び制御部101によって判断された場合には(ステップ402)、CMとCM情報とを対応付けて、メモリリーダ/ライタ部107によってメモリカード103に記録する(ステップ407)。当該処理により、チューナ部105によって受信されたCM(及びCM情報)が記録媒体に蓄積されていく。なお、CM情報とは、例えば、各CMのタイトル情報や、ジャンル情報、出演者情報、長さ(時間)情報、などであり、商品情報や企業情報なども含まれるものである。本発明では主に商品情報や企業情報を利用するものである。なお、CMの録画時に録画日時情報を付加しておき(若しくはCM情報に含まれる情報を利用することで)、古くなったCMは自動的に削除するような処理としても良い。また、同一のCMが複数蓄積されてしまうことを防止するために、ステップ407の処理において、CM情報に基づいて既に記録媒体に蓄積されているCMと同一のものであると判断される場合には、これを蓄積しないようにしても良い。
【0070】
ユーザが操作部108を操作することなどにより抽出CMリスト表示要求を行った場合には(ステップ403)、「抽出CMリスト表示処理」が実行される(ステップ408)。なお、“抽出CMリスト”とは、上記処理によって記録媒体(メモリカード103)に蓄積されているCMの中からユーザの嗜好性に適合するものを抽出したリストである。
【0071】
図6は、図4のステップ408で実行される「抽出CMリスト表示処理」の動作の概略を示したフローチャートである。ステップ601では、記録媒体に記録されている各CMに対して、対応するCM情報に基づいて優先ポイントテーブル1100に適合する項目があった場合にはこれらのポイントを合算して各CMに対してポイントを付与する処理を行う。例えば、CM情報から当該CMが、A社の商品名がBBBのビールに関するCMであると判断された場合には、図9より当該商品は“食品”・“飲料”・“アルコール”・“ビール”・“BBB”の属性を有し、且つ“A社”という属性を有することとなるため、これらの項目を優先ポイントテーブル1100と照合し、適合する項目があった場合には該当するポイントを合算する処理を行うものである(例えば、カテゴリ1で食品が1位であり、カテゴリ4でビールが5位であった場合には6ポイントとなる)。
【0072】
続くステップ602では、上記処理によってポイントが付加された各CMを、ポイントの大きな順に並べた「抽出CMリスト画面」を表示部109に表示する処理を行う。図12(a)と(c)にはそれぞれ、20代女性の商品等の嗜好性に基づいて作成された「抽出CMリスト画面」の一例と、50代男性の商品等の嗜好性に基づいて作成された「抽出CMリスト画面」の一例を示した。
【0073】
ステップ603〜ステップ605では、「抽出CMリスト画面」に対するユーザの操作を待ち、ユーザの操作が、CM再生指示であった場合には(ステップ603)、選択されたCM(記録媒体に記録されているCM)の再生処理を実行し(ステップ606)、商品に関する詳細情報表示要求であった場合には(ステップ604)、CM情報に含まれている商品に関する情報を表示させる処理を実行させる(ステップ607)。図12の(b)と(d)には詳細情報表示画面の一例を示した。ユーザから“終了”の指示があった場合には、「抽出CMリスト表示処理」の処理を終了する(ステップ605)。
【0074】
図4に戻って説明を続ける。チューナ部105によって多重CM放送が受信されている(ユーザによって多重CM放送が視聴されている)とデコーダ部106及び制御部101によって判断された場合には(ステップ404)、「嗜好CM選択・表示処理」を実行する(ステップ409)。“多重CM放送”とは、複数のCMが同時に配信されるものであり、「嗜好CM選択・表示処理」とは、当該複数のCMの中から最も嗜好性に適合するCMを選択して表示させるものである。
【0075】
図7は、図4のステップ408で実行される「嗜好CM選択・表示処理」の動作の概略を示したフローチャートである。ステップ701の処理概念は図6のステップ601と同様であり、受信される複数のCMに対して行うものである。続くステップ702では、ステップ701の結果、最もポイントの大きなCMを選択しこれを表示部109に表示させる処理が実行される。これらの処理によって、複数のCMの中から最もユーザの嗜好性に適合するCMが選択されて表示される。
【0076】
図4に戻って説明を続ける。ユーザから録画コンテンツの再生要求があった場合には(ステップ405)、「嗜好CM選択・挿入処理」を実行する(ステップ410)。録画コンテンツの再生とは、記録媒体に記録されているコンテンツの再生である。
【0077】
図8は、図4のステップ410で実行される「嗜好CM選択・挿入処理」の動作の概略を示したフローチャートである。ステップ801の処理は図6のステップ601と同様である。続くステップ802とステップ803では、コンテンツの再生が終了するまで、所定期間ごと(例えば15分おき)にCMを(ステップ801によって得られた最もポイントの大きなCMから順番に)挿入する処理を実行する。これらの処理によって、録画コンテンツの再生中に、記録媒体に記録されたCMの中からユーザの嗜好性に適合するCMが選択されて表示されることとなる。
【0078】
以上のごとく、本実施例の携帯電話1によれば、商品(サービス含む)に関する支払い履歴情報(購入履歴情報)若しくは照会履歴情報を取得・蓄積することができ、ユーザの商品に関する関心度を色濃く反映するものである商品に関する支払い履歴情報若しくは照会履歴情報に基づいてユーザの商品の嗜好性を判別することができる。また、商品が有する属性に対応した構成を有する履歴テーブルに情報が蓄積されるため、それぞれの商品の属性情報に基づいてユーザの商品に関する関心度を判別することが可能であり、より詳細な嗜好性の判断が可能となる。当該嗜好性の判断の基礎となる情報(支払い履歴情報若しくは商品照会履歴情報)は、ユーザの日常の行動の中で自然に蓄積し得る情報(特定の店舗内の商品に関する情報に限られず、様々な状況での情報の蓄積が可能)であるため、ユーザに煩雑な操作を強いることなく、ユーザの商品に関する嗜好性の判断を行わせることが可能である。
【0079】
さらに、ユーザの商品等の嗜好性を示す情報(優先ポイントテーブル)に基づいて、これとコマーシャル情報とを比較することにより、ユーザの商品の嗜好性に適合するコマーシャルがあるか否かが判別され、これがあった場合には当該コマーシャルが優先的に表示されるため、個々のユーザの商品に対するニーズに適合したCMが優先的に表示(例えば、多重CM放送の中から嗜好性に適合するCMを選択して表示すること等)されることとなる。
【0080】
また、記録媒体に記録されたコマーシャルの中から抽出されたユーザの商品の嗜好性に適合するコマーシャルのリストが表示され、当該リスト中のCMに対するユーザの再生要求や詳細情報表示要求に従ってCMの再生処理や商品の詳細情報の表示処理が実行される。よって、自己の商品の嗜好性に適合したCMを見たいような場合の操作性に優れ、且つ、CMに付加されて配信されるコマーシャル情報についても表示させることが出来るため、ユーザにとっての利便性に優れると共に、CM提供者側にとっても、種々の情報をコマーシャル情報として付加して配信させることにより単に“放送されるCM”に比してより多様で効果的な宣伝や情報提供を行うことが可能となる。
【0081】
なお、本実施例では携帯情報端末装置の一例として放送波を受信可能な携帯電話を使用して説明したが、図13に示したように、インターネット等のネットワークを介してコンテンツを受信する装置等(携帯電話に限られずPDAや携帯型のゲーム機などであってよい)であっても本発明を有効に適用することができる。即ち、携帯情報端末装置6において判断されたユーザの嗜好性情報に基づいて、コンテンツ配信サーバ7の記憶部73に格納されているCM情報DB731に蓄積されているCM情報を参照して、ユーザの嗜好性に適合するCMの配信要求をコンテンツ配信サーバ7に送信するようなもの等であってもよい。また、本実施例では決済がある度に決済機能部112によって“購入履歴情報”を取得するものとしている(図3:ステップ302〜ステップ306)が、各店舗内のサーバ(POSシステム等)若しくはカード会社(電子マネーの決済を行う企業)のシステムが許すのであれば、これらのシステムから“購入履歴情報”をインターネット8を介してまとめて収集するようなものであっても構わない。
【0082】
また、携帯電話1によって取得した購入履歴情報若しくは照会履歴情報に基づいて、ユーザの商品の嗜好性を判別する具体的な手法については上記に例示したものに限られず、適宜異なる手法を採用することができる(例えば、本実施例では、一定期間ごとに商品照会履歴等情報から必要な情報を抽出して履歴テーブルに蓄積するものとしているが、所定期間を経過した商品照会履歴等情報については削除するものとし、これらの商品照会履歴等情報に基づいて必要に応じて履歴テーブルを更新する処理とすることで、新しい情報のみが反映されるようにしたり、商品照会履歴等情報から必要な情報を抽出して履歴テーブルに蓄積(更新)する際に、更新前の履歴データ(度数)に対して1以下の係数(例えば0.9)を乗算した後に、新たな度数を加算するようにすることで、古い情報の相対的な重み付けを小さくするようにする等してもよいし、優先ポイントテーブルのポイントの付加の仕方や構成を変更したり、優先ポイントテーブルによらない方法であってよい)。同様に嗜好性に適合するCMを選択する具体的な手法についても適宜異なる手法を採用してよい(例えば、本実施例では優先ポイントテーブルに適合する最も大きなポイントを有するCMが常に選択されるものとしたが、当該ポイントに応じて異なる確率でCMが選択されるように(大きなポイントのCM程高確率でヒットするように)係数を付してランダムでCMを抽出するようにしてもいいし、ユーザの選択などに従って特定のカテゴリのみに基づいて嗜好性を判別するようにする等してもよい)。
【0083】
上記した実施例の説明からも明らかなように、本実施例の携帯電話1では、制御部101と記憶部102に格納される各種データ及び制御部101によって実行されるプログラム等によって、“嗜好性判別部”や“嗜好CM判別部”や“抽出CMリスト作成部”が構成される(各構成部材がソフトウェア的に構成される)ものであるが、こられの構成部材を専用のハードウェアで構成するものであっても構わない。
【実施例2】
【0084】
図14は、本実施例の携帯電話が備えるテーブルの構成の一例を示した図であり、図15は、同携帯電話の本発明に関する動作の概略を示すフローチャートである。なお、本実施例の携帯電話の構成は実施例1の携帯電話と同様であるため、ここでの説明を省略し、必要があるときは、図2等を参照しつつ説明する。
【0085】
本実施例の携帯電話は、図14に示されるような特定商品テーブル1400を備えており、商品若しくはサービス(図9に示されるカテゴリ4と同レベルの情報)と、期間情報と、マイナスポイント情報と、が予め若しくはユーザによる設定によって格納されている。
【0086】
上記構成のテーブルを備える本実施の携帯電話の処理動作は、基本的には実施例1の携帯電話と同様であるが、本実施例の携帯電話における「履歴テーブル更新処理」は、図15に示したような処理となる。なお、実施例1(図5)と同様の処理概念となるものについては同一の符号を使用し、ここでの説明を省略する(ループ2内の処理については同一の処理であるため、記載を省略している)。
【0087】
ステップ502における判断の結果、処理対象のデータが「購入履歴情報」であった場合には、ステップ503〜ステップ504の処理の後のステップ1501において、特定商品テーブル1400を参照して、購入履歴情報に基づいて当該商品(購入された商品)が特定商品テーブル1400に設定されている商品に該当するか否かを、制御部101によって判別する。当該判別の結果、特定商品テーブル1400に設定されている商品に該当する場合には、特定商品テーブル1400の当該商品に対応する“最終購入日”を更新する(ステップ1502)。
【0088】
上記処理によって、特定商品テーブル1400に設定されている商品について、外部装置(携帯電話2)から得られる購入履歴情報に基づき、購入があったと判断された場合には、直近の購入日が特定商品テーブル1400に格納されることとなる。
【0089】
本実施例のデジタルテレビでは、「抽出CMリスト表示処理」(図6)のステップ601、「嗜好CM選択・表示処理」(図7)のステップ701、「嗜好CM選択・挿入処理」(図8)のステップ801の各処理における、各CMのポイント合算(優先ポイントテーブル1100と適合するポイントの合算)処理において、特定商品テーブル1400を参照して当該テーブルに設定されている商品であって当該商品の最終購入日から所定期間(特定商品テーブル1400に設定されている“期間”)を経過していないものに該当するCMであるか否かを判別し、これに該当する場合には、特定商品テーブル1400に設定されているマイナスポイントを各CMに付与されたポイントから減ずる処理が実行される。なお、当該処理を行うための構成として、制御部101は時計機能を備えているものとする(制御部101とは別に、専用の“タイマ部”が備えられるものであっても構わない)。
【0090】
以上の構成を備える本実施例の携帯電話によれば、特定商品テーブル1400に設定された商品(サービス含む)について購入履歴があり、且つ、当該購入日から特定商品テーブル1400に設定された期間を経過していない場合には、当該商品に該当するCMの表示優先度が下げられることとなる(“合算ポイント”が減少するため)。例えば、車などの商品は一度購入した後はしばらく購入しないのが一般的である(即ち、購入直後のユーザに対して車に関するCMを流しても宣伝効果がほとんど無いと考えられるし、ユーザにとっても関心度の低いCMになっていると判断し得る)ため、このような性格の商品を予め登録しておくことにより、支払い履歴情報(購入履歴情報)に基づいて“車の購入が最近あった”と判断されたような場合には、所定期間(商品の性格などに応じて適宜定め得る)にわたって車に関するCMの表示の優先度が下げられるものであり、CM提供者側にとってもユーザ側にとっても有益なものとなるのである。
【0091】
なお、本実施例では、マイナスポイントを一定の値としているが、例えば、最終購入日からの期間の経過に応じてマイナスポイント(CM表示の優先度)を変化させるような処理(購入直後は大きなマイナスポイントとし、以降徐々にマイナス量を減らす処理など)としてもよく、特定商品テーブルに設定された商品についてCM表示の優先度を下げる具体的な手法については適宜選択可能である(例えば、所定期間内は該当CMが全く表示されないようにするもの等であってもよい)。
【0092】
また、本発明が適用される装置が該当する商品(本実施例では“携帯電話”)については、工場出荷後の始めての電源投入時をもって、自動的に特定商品テーブル1400の最終購入日を更新する処理(例えば、本実施例の携帯電話が購入された場合には、購入後(工場出荷後)の最初の電源投入時に、特定商品テーブル1400における“携帯電話”の最終購入日を更新することで、以後所定期間の間携帯電話に関するCMの表示優先度を下げるようにするもの)としてもよい。
【実施例3】
【0093】
図16・図17は、本実施例の携帯電話の本発明に関する動作の概略を示すフローチャートである。なお、本実施例の携帯電話の構成は実施例1の携帯電話と同様であるため、ここでの説明を省略し、必要があるときは、図2等を参照しつつ説明する。
【0094】
図16は、本実施例の携帯電話における「履歴テーブル更新処理」である。なお、実施例1(図5)と同様の処理概念となるものについては、実施例1と同一の符号を使用し(ループ2内の処理については同一の処理であるため、記載を省略している)、ここでの説明を省略する。
【0095】
ステップ502における判断の結果、処理対象のデータが「購入履歴情報」であった場合には、ステップ503〜ステップ504の処理の後のステップ1601において、カテゴリ4の履歴テーブルに、該当する商品の購入日時情報を蓄積する処理を行う。
【0096】
図18には、当該処理によって作成されるカテゴリ4テーブルの構成の一例を示した。このように、カテゴリ4テーブル1800には、該当する商品の購入履歴が蓄積されて保持されることとなる。
【0097】
図17は、優先商品テーブル更新処理の動作の概略を示すフローチャートである。ステップ1701では、制御部101によって午前0時の経過を監視し、日付が変わったと判断された場合にはステップ1702へと移行して、カテゴリ4テーブル1800に蓄積されたデータに基づいて各商品(サービス含む)の購入サイクルを判別する。なお、当該購入サイクルの算出方法は適宜採択可能な方式によればよい(例えば、単純に各購入日の間隔の平均値を取るものであっても構わないし、確率統計学に基づく算出方法を採用するもの等であってよい)。
【0098】
続くステップ1703では、購入サイクルを算出できた商品の中で、当該算出された購入サイクルと最終購入日とから次回購入予定時期を算出し当該次回購入予定時期の前後の所定期間内(“所定期間”に関する情報は予め若しくはユーザによって設定されて記憶部102に格納されているものであり、商品の別に応じて異なる期間とされるものなどであってよい。また、前記算出された購入サイクルに応じて自動的に算出するもの等(例えば購入サイクルの30%を“所定期間”とする等)であってもよい)に該当するものを、優先商品テーブルに格納する処理を実行する。当該処理によって生成される優先商品テーブル1900の構成の一例を図19に示した。
【0099】
本実施例の携帯電話では、「抽出CMリスト表示処理」(図6)のステップ601、「嗜好CM選択・表示処理」(図7)のステップ701、「嗜好CM選択・挿入処理」(図8)のステップ801の各処理における、各CMのポイント合算(優先ポイントテーブル1100と適合するポイントの合算)処理において、優先商品テーブル1900を参照して当該テーブルに設定されている商品に該当するCMであるか否かを判別し、これに該当する場合には、優先商品テーブル1900に設定されているプラスポイントを各CMに付与されたポイントに加算する処理が実行される。
【0100】
以上の構成を備える本実施例の携帯電話によれば、支払い履歴情報(購入履歴情報)に基づいて得られる各商品の購入サイクル情報に基づいて、ある商品が、次回の購入予定時期前後の所定期間に該当すると判断される場合には、当該商品に関するコマーシャルの表示優先度が上げられることとなる(“合算ポイント”が増加するため)。ユーザがほぼ同一サイクルで購入しているような商品がある場合(購入履歴情報に基づいて判断される場合)には、購入時期に合わせて当該商品のCMを流すことで、CM提供者側にとっては大きな宣伝効果が得られるものであり、且つ、ユーザにとっても有益となるものである。
【0101】
なお、商品の性格によっては、常に一定周期で購入することとなるもの(例えば、自動車保険など)も存在する。このような商品については、予め商品購入サイクルテーブル(図20にその構成の一例を示した)に購入周期を設定して格納しておくことにより、支払い履歴情報に基づいて次回の購入時期をかなり正確に予想することが可能であり、当該時期の前後に該当するCMを優先的に流すことで、CM提供者側にとってもユーザ側にとっても有益なものとなる。なお、図20に示される商品購入サイクルテーブル2000では、上記説明した“装置によって判別される商品購入サイクルに基づいてポイントを付与するもの”(図19)に比して高いポイントが付与されている。これは、装置によって購入サイクルが判別されたものに比してより高い確率で該当商品の購入が予想されるため、CMの効果なども高くなることが期待されるため、より優先的に該当CMを表示させるものである。なお、本実施例(図19・図20)では、いずれの商品も同じポイントが付加されるものとしているが、商品の別や購入サイクルの別などに応じて異なるポイントを付与するようにしても構わない。
【実施例4】
【0102】
図21は、本実施例のコンテンツ配信システムの本発明に関する構成の概略を示したブロック図であり、図22・図23は、同システムの本発明に関する動作の概略を示したフローチャートである。なお、図13と同様の構成要素については図13と同一の符号を使用し、ここでの説明を簡略化若しくは省略する。
【0103】
本実施例のコンテンツ配信システムは、複数の携帯情報端末装置6と、コンテンツ配信サーバ9とが、インターネット8を介して相互に接続されることで、コンテンツ配信サーバのコンテンツDB732に蓄積されているコンテンツ(CMを含む)を、各携帯情報端末装置6へと配信するものである。コンテンツ配信サーバ9は、装置全体の制御や各種演算処理などを行う制御部71と、各種データの保存などを行う記憶部73と、データの送受信を行う通信部72などを備え、記憶部73には、各種コンテンツ(CMを含む)が蓄積されているコンテンツDB732と、CM情報が蓄積されるCM情報DB731と、各携帯情報端末装置6から収集した嗜好情報が蓄積される嗜好情報DB739等が備えられる。
【0104】
図22は、本実施例のコンテンツ配信システムを構成する携帯情報端末装置6の本発明に関する動作の概略を示したフローチャートである。なお、携帯情報端末装置6には、装置を一意に定める“装置識別情報”が予め付与されて記憶部102に格納されているものとする。ステップ2201とステップ2202は、商品情報等に基づいてユーザの商品に対する嗜好性に関する情報を取得するための処理であり、実施例1(図4)のステップ401とステップ406(図5の処理)と同様の処理概念であるため、ここでの説明を省略する。
【0105】
続くステップ2203では、ステップ2201〜ステップ2202の処理によって取得した嗜好情報(即ち、実施例1で説明した各履歴テーブルの情報、若しくは、優先ポイントテーブルの情報等)を、自己の“装置識別情報”と共に通信部601からコンテンツ配信サーバ9へと送信する。
【0106】
上記した情報を受信したコンテンツ配信サーバ9では(図23:ステップ2301)、受信した嗜好情報と装置識別情報とを対応付けて嗜好情報DB739に格納する(ステップ2302)。そして、各携帯情報端末装置6にCMを配信する際には、嗜好情報DB739を参照して、各携帯情報端末装置6に適合するCMを判別し(当該判別処理の概念は上記で説明してきたものと同様である)、これを配信する(ステップ2303)。
【0107】
上記構成のコンテンツ配信システムによれば、携帯情報端末装置6によって判別されたユーザの商品の嗜好性に関する情報が、当該装置の識別情報と共にコンテンツ配信サーバ9へと送信され、これを受信したコンテンツ配信サーバ9において、嗜好性情報に適合するコマーシャルが判別され、当該コマーシャルが該当する携帯情報端末装置へと配信されるため、個々のユーザの商品に対するニーズに適合したCMだけを配信させることも可能であり、CM提供者側にとってもユーザ側にとっても有益なものとなり得る。
【0108】
なお、本実施例では、得られたユーザの商品の嗜好性に関する情報について、特に制限を設けずにコンテンツ配信サーバに送信するものとしたが、ユーザによる予めの設定若しくは送信時の随時の指示(送信処理時にユーザに指示を求める画面を表示させる等)に従って、送信が許可された情報のみを送信するようにしてもよい。
【0109】
実施例中では、携帯情報端末装置の具体例として携帯電話を使用し、商品情報の読み取りも電子マネーによる決済処理も可能なものを例として説明したが、商品情報の読み取り機能若しくは決済機能の何れか一方のみを有する装置であってよく、また、携帯情報端末装置を携帯電話に限るものではなく、上記で説明した趣旨に沿った機能を備える装置であれば、他の装置(例えばPDAや携帯ゲーム機など)であって良い。
【0110】
また、実施例中では、携帯電話におけるCMなどの記録先としてメモリカード103を例として説明したが、他の着脱可能な記録媒体であっても構わないし、装置内に固有に備えられる記録媒体(例えば記憶部102)に対して情報を記録するものであっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の携帯電話において商品情報などを取得する態様を示した模式図
【図2】携帯電話の本発明に関する構成の概略を示したブロック図
【図3】商品情報などの取得動作の概略を示したフローチャート
【図4】実施例1の携帯電話の本発明に関する動作の概略を示すフローチャート
【図5】履歴テーブル更新処理の動作の概略を示したフローチャート
【図6】抽出CMリスト表示処理の動作の概略を示したフローチャート
【図7】嗜好CM選択・表示処理の動作の概略を示したフローチャート
【図8】嗜好CM選択・挿入処理の動作の概略を示したフローチャート
【図9】カテゴリテーブルによって定められる商品等が有する属性の関係を示す図
【図10】各カテゴリごとに設けられる履歴テーブルの一例を示す図
【図11】優先ポイントテーブルの構成の一例を示す図
【図12】表示画面の一例を示す図
【図13】コンテンツ配信システムの構成の概略を示すブロック図
【図14】特定商品テーブルの構成の一例を示す図
【図15】実施例2の履歴テーブル更新処理の動作の概略を示したフローチャート
【図16】実施例3の履歴テーブル更新処理の動作の概略を示したフローチャート
【図17】優先商品テーブル更新処理の動作の概略を示したフローチャート
【図18】実施例3のカテゴリ4テーブルの構成の一例を示す図
【図19】優先商品テーブルの構成の一例を示す図
【図20】商品購入サイクルテーブルの構成の一例を示す図
【図21】実施例4のコンテンツ配信システムの構成の概略を示すブロック図
【図22】実施例4における携帯情報端末装置の本発明に関する動作の概略を示したフローチャート
【図23】実施例4におけるコンテンツ配信サーバの本発明に関する動作の概略を示したフローチャート
【符号の説明】
【0112】
1 携帯電話(携帯情報端末装置)
9 コンテンツ配信サーバ(コンテンツ配信装置)
101 制御部
102 記憶部
103 メモリカード(記録媒体)
105 チューナ部(受信部)
107 メモリリーダ/ライタ部
109 表示部
111 情報読取部
112 決済機能部(決済情報取得部)
601 通信部(情報送信部)
2000 商品購入サイクルテーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品に付されている商品情報を読取り可能な情報読取部と、商品が有する属性に対応した構成を有する履歴テーブルを備える記憶部と、嗜好性判別部と、を備えることにより、前記情報読取部によって取得される商品情報に基づいて前記履歴テーブルの対応する商品の属性に履歴情報を蓄積し、前記嗜好性判別部によって前記履歴テーブルに蓄積された情報に基づいたユーザの商品の嗜好性の判別を可能としたことを特徴とする携帯情報端末装置。
【請求項2】
商品に対する決済機能と、決済情報取得部と、商品が有する属性に対応した構成を有する履歴テーブルを備える記憶部と、嗜好性判別部と、を備えることにより、前記決済情報取得部によって商品に関する支払い履歴情報を取得し、当該支払い履歴情報に基づいて前記履歴テーブルの対応する商品の属性に履歴情報を蓄積し、前記嗜好性判別部によって前記履歴テーブルに蓄積された情報に基づいたユーザの商品の嗜好性の判別を可能としたことを特徴とする携帯情報端末装置。
【請求項3】
配信されるコマーシャル及びコマーシャルの内容を示すコマーシャル情報を受信可能な受信部と、表示部と、前記コマーシャル情報に基づいて前記ユーザの商品等の嗜好性に適合するコマーシャルを判別する嗜好CM判別部と、を備えることにより、配信されるコマーシャルの中にユーザの商品等の嗜好性に適合するコマーシャルがあるか否かを判別可能とし、嗜好性に適合するコマーシャルがあった場合にはこれを優先的に前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の携帯情報端末装置。
【請求項4】
配信されるコマーシャル及びコマーシャルの内容を示すコマーシャル情報を受信可能な受信部と、表示部と、当該受信したコマーシャル及びコマーシャル情報を記録する記録媒体と、前記コマーシャル情報に基づいて前記ユーザの商品等の嗜好性に適合するコマーシャルを判別する嗜好CM判別部と、を備えることにより、前記記録媒体に記録されたコマーシャルの中にユーザの商品等の嗜好性に適合するコマーシャルがあるか否かを判別可能とし、嗜好性に適合するコマーシャルがあった場合にはこれを優先的に前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の携帯情報端末装置。
【請求項5】
前記嗜好CM判別部によって抽出したコマーシャルのリストを作成する抽出CMリスト作成部を備えることにより、当該作成した抽出CMリストを前記表示部に表示させ、ユーザから再生要求のあったコマーシャルを再生させる処理を実行する、若しくは、ユーザから詳細情報表示要求のあったコマーシャルについて前記コマーシャル情報に基づいた情報を表示させることを特徴とする請求項4記載の携帯情報端末装置。
【請求項6】
予め定められた若しくはユーザによって設定された商品を前記記憶部に格納しておき、前記商品支払い履歴情報に基づいて所定期間内に前記記憶部に設定された商品についての購入履歴があったと判断された場合には、所定期間にわたり当該商品に関するコマーシャルの表示優先度を下げることを特徴とする請求項3乃至請求項5の何れか1つに記載の携帯情報端末装置。
【請求項7】
コマーシャルを配信するコンテンツ配信装置と、当該コンテンツ配信装置へ通信回線を介して情報を送信する情報送信部を備え且つ自己の識別情報を有する請求項1又は請求項2に記載の携帯情報端末装置と、を備えるコンテンツ配信システムであって、前記嗜好性判別部によって判別されたユーザの商品の嗜好性に関する情報を前記自己の識別情報と共に前記情報送信部から前記コンテンツ配信装置へと送信し、当該情報を受信した前記コンテンツ配信装置において、前記嗜好性情報に適合するコマーシャルを前記識別情報に従って各携帯情報端末装置へと配信することを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項1】
商品に付されている商品情報を読取り可能な情報読取部と、商品が有する属性に対応した構成を有する履歴テーブルを備える記憶部と、嗜好性判別部と、を備えることにより、前記情報読取部によって取得される商品情報に基づいて前記履歴テーブルの対応する商品の属性に履歴情報を蓄積し、前記嗜好性判別部によって前記履歴テーブルに蓄積された情報に基づいたユーザの商品の嗜好性の判別を可能としたことを特徴とする携帯情報端末装置。
【請求項2】
商品に対する決済機能と、決済情報取得部と、商品が有する属性に対応した構成を有する履歴テーブルを備える記憶部と、嗜好性判別部と、を備えることにより、前記決済情報取得部によって商品に関する支払い履歴情報を取得し、当該支払い履歴情報に基づいて前記履歴テーブルの対応する商品の属性に履歴情報を蓄積し、前記嗜好性判別部によって前記履歴テーブルに蓄積された情報に基づいたユーザの商品の嗜好性の判別を可能としたことを特徴とする携帯情報端末装置。
【請求項3】
配信されるコマーシャル及びコマーシャルの内容を示すコマーシャル情報を受信可能な受信部と、表示部と、前記コマーシャル情報に基づいて前記ユーザの商品等の嗜好性に適合するコマーシャルを判別する嗜好CM判別部と、を備えることにより、配信されるコマーシャルの中にユーザの商品等の嗜好性に適合するコマーシャルがあるか否かを判別可能とし、嗜好性に適合するコマーシャルがあった場合にはこれを優先的に前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の携帯情報端末装置。
【請求項4】
配信されるコマーシャル及びコマーシャルの内容を示すコマーシャル情報を受信可能な受信部と、表示部と、当該受信したコマーシャル及びコマーシャル情報を記録する記録媒体と、前記コマーシャル情報に基づいて前記ユーザの商品等の嗜好性に適合するコマーシャルを判別する嗜好CM判別部と、を備えることにより、前記記録媒体に記録されたコマーシャルの中にユーザの商品等の嗜好性に適合するコマーシャルがあるか否かを判別可能とし、嗜好性に適合するコマーシャルがあった場合にはこれを優先的に前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の携帯情報端末装置。
【請求項5】
前記嗜好CM判別部によって抽出したコマーシャルのリストを作成する抽出CMリスト作成部を備えることにより、当該作成した抽出CMリストを前記表示部に表示させ、ユーザから再生要求のあったコマーシャルを再生させる処理を実行する、若しくは、ユーザから詳細情報表示要求のあったコマーシャルについて前記コマーシャル情報に基づいた情報を表示させることを特徴とする請求項4記載の携帯情報端末装置。
【請求項6】
予め定められた若しくはユーザによって設定された商品を前記記憶部に格納しておき、前記商品支払い履歴情報に基づいて所定期間内に前記記憶部に設定された商品についての購入履歴があったと判断された場合には、所定期間にわたり当該商品に関するコマーシャルの表示優先度を下げることを特徴とする請求項3乃至請求項5の何れか1つに記載の携帯情報端末装置。
【請求項7】
コマーシャルを配信するコンテンツ配信装置と、当該コンテンツ配信装置へ通信回線を介して情報を送信する情報送信部を備え且つ自己の識別情報を有する請求項1又は請求項2に記載の携帯情報端末装置と、を備えるコンテンツ配信システムであって、前記嗜好性判別部によって判別されたユーザの商品の嗜好性に関する情報を前記自己の識別情報と共に前記情報送信部から前記コンテンツ配信装置へと送信し、当該情報を受信した前記コンテンツ配信装置において、前記嗜好性情報に適合するコマーシャルを前記識別情報に従って各携帯情報端末装置へと配信することを特徴とするコンテンツ配信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
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【図14】
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【図22】
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【公開番号】特開2008−152564(P2008−152564A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−340295(P2006−340295)
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【出願人】(390001959)オリオン電機株式会社 (427)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【出願人】(390001959)オリオン電機株式会社 (427)
【Fターム(参考)】
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