説明

携帯機器システム

【課題】携帯機器の発熱を少なくしながら、内蔵される二次電池を充電する。過放電された二次電池を内蔵する携帯機器にACアダプタを接続して、正常に充電する。
【解決手段】携帯機器システムは、定電流充電される二次電池11を内蔵する携帯機器10と、携帯機器10に脱着自在に接続されて二次電池11を充電するACアダプタ30とを備えている。携帯機器10は、二次電池11の満充電を検出して充電を停止するコントロール回路12を内蔵している。ACアダプタ30は、商用電源を直流に変換して二次電池11の充電電圧に変換するDC/DCコンバータ31を内蔵している。DC/DCコンバータ31は、二次電池11を定電流充電する定電流回路32を備え、携帯機器10のコントロール回路12が二次電池11の充電電流を制御することなく、ACアダプタ30に内蔵される定電流回路32が二次電池11の充電電流を制御して二次電池11を満充電する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定電流充電して満充電される二次電池、主としてニッケル水素電池を内蔵する携帯機器と、この携帯機器に内蔵している二次電池を充電するACアダプタとを備える携帯機器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯機器の内蔵電池は、脱着自在に接続されるACアダプタから入力される直流電力で充電される。このことを実現する携帯機器システムに使用されるACアダプタは、商用電源を直流に変換し、直流を所定の電圧と電流に制御して出力するDC/DCコンバータを内蔵している。携帯機器は、ACアダプタから出力される電力をコントロールして二次電池を充電している。このことを実現するシステムとして、ACアダプタから出力される直流を、携帯機器に内蔵している定電流充電回路で制御して二次電池を充電する携帯機器システムが開発されている。(特許文献1及び2参照)
【特許文献1】特開平9−308122号公報
【特許文献2】特開2000−278877号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献に記載されるシステムは、携帯機器にACアダプタから出力される電力をコントロールする定電流回路を内蔵するので、この回路の発熱が大きく、小型の携帯機器にあっては、放熱が難しくなる弊害がある。それは、ACアダプタから一定の電力を出力し、携帯機器に内蔵している定電流回路で電力の一部を消費して出力電流を一定に保持するからである。
【0004】
本発明の第1の目的は、この欠点を解決すること、すなわち、携帯機器の発熱を少なくしながら、簡単な回路構成で携帯機器に内蔵している二次電池を充電できる携帯機器システムを提供することにある。
【0005】
さらに、ACアダプタは、出力の短絡状態で出力電圧をほぼ0Vに低下させる保護回路を内蔵している。したがって、このACアダプタで直接に二次電池を充電するとき、充電される二次電池の電圧がほぼ0Vまで低下していると、ACアダプタは出力電圧を0Vに低下させる。ACアダプタの負荷が二次電池となるからである。ACアダプタの出力電圧が0Vとなり、さらに、二次電池の電圧も0Vであると、携帯機器に内蔵している二次電池の充電を制御するコントロール回路は動作しなくなる。携帯機器のコントロール回路は、二次電池の充電を制御するので、この回路が動作しない状態で二次電池を正常に充電できない。したがって、過放電された二次電池を内蔵する携帯機器にACアダプタを接続し、このACアダプタで直接に二次電池を充電するシステムは、0Vまで過放電された二次電池を安全に充電できない欠点がある。
【0006】
本発明の第2の目的は、さらにこの欠点を解決すること、すなわち、過放電された二次電池を内蔵する携帯機器にACアダプタを接続し、ACアダプタの出力電流で二次電池を充電しながら、0V付近まで過放電された二次電池を簡単な回路構成で正常に充電できる携帯機器システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
本発明の携帯機器システムは、定電流充電して満充電される二次電池11を内蔵する携帯機器10と、この携帯機器10に脱着自在に接続されて内蔵する二次電池11を充電するACアダプタ30とを備えている。携帯機器10は、ACアダプタ30から供給される電力で二次電池11を充電して、二次電池11の満充電を検出して二次電池11の充電を停止するコントロール回路12を内蔵している。ACアダプタ30は、入力される商用電源を直流に変換して二次電池11の充電電圧に変換するDC/DCコンバータ31を内蔵すると共に、このDC/DCコンバータ31は、携帯機器10に内蔵される二次電池11を定電流充電する定電流回路32を備えており、携帯機器10のコントロール回路12が二次電池11の充電電流を制御することなく、ACアダプタ30に内蔵される定電流回路32が二次電池11の充電電流を一定の電流に制御して二次電池11を満充電する。
【0008】
以上の携帯機器システムは、携帯機器の発熱を少なくしながら、簡単な回路構成で携帯機器に内蔵している二次電池を充電できる特徴がある。それは、以上の携帯機器システムが、二次電池を定電流充電するための定電流回路を、携帯機器ではなく、ACアダプタに内蔵して、ACアダプタ側で充電電流をコントロールして、携帯機器側では二次電池の充電電流を制御しないからである。とくに、この回路構成は、ACアダプタに内蔵しているDC/DCコンバータに簡単な定電流特性を実現する定電流フィードバック回路を設けることで実現できることから、回路構成を簡単にしながら、二次電池を一定の電流で満充電できる特徴がある。
【0009】
本発明の携帯機器システムは、携帯機器10が、二次電池11の電圧が設定電圧よりも低い状態で、二次電池11を定電流充電する電流よりも小さい電流で設定電圧まで予備充電する電流制限抵抗14と、コントロール回路12に制御されて電流制限抵抗14の両端を短絡して二次電池11を定電流充電する急速充電スイッチ15と、二次電池11から供給される電力を変圧してコントロール回路12の電源回路に供給する昇圧DC/DCコンバータ16とを備えることができる。コントロール回路12は、昇圧DC/DCコンバータ16の出力電圧と、ACアダプタ30からの出力電圧を電源回路に供給して、昇圧DC/DCコンバータ16の出力電圧と、ACアダプタ30の出力電圧のいずれかが供給される状態で動作状態とすることができる。さらに、コントロール回路12は、二次電池11の電圧が最低電圧よりも低い状態では、急速充電スイッチ15をオフに保持して二次電池11をトリクル充電すると共に、コントロール回路12の電源回路にACアダプタ30の出力電圧を供給してコントロール回路12を動作状態とし、動作状態のコントロール回路12が二次電池11の充電を制御することができる。
【0010】
以上の携帯機器システムは、過放電された二次電池を内蔵する携帯機器にACアダプタを接続し、ACアダプタの出力電流で二次電池を充電しながら、簡単な回路構成で0V付近まで過放電された二次電池を正常に充電できる。それは、過放電された二次電池を内蔵する携帯機器にACアダプタが接続されると、急速充電スイッチがオフに保持されるからである。この状態で、ACアダプタの負荷は二次電池と電流制限抵抗との直列回路となる。すなわち、ACアダプタの負荷は0Vに過放電された二次電池でショート状態とはならず、電流制限抵抗がACアダプタの負荷となる。たとえば、電流制限抵抗を50Ω、ACアダプタの出力電圧を3Vとするとき、ACアダプタの電流はわずかに60mAと小さくなる。この状態でACアダプタの出力電圧は低下することなく、コントロール回路の電源回路に動作電力を供給する。したがって、コントロール回路はACアダプタから供給される電源電圧で動作して、0Vまで過放電された二次電池も正常に状態する。とくに、0Vまで過放電された二次電池は、たとえば電圧が1Vに上昇するまでは、電流制限抵抗を介してトリクル充電によって安全に充電される。二次電池の電圧が設定電圧の1Vまで上昇すると、コントロール回路は急速充電スイッチをオンに切り換えて、二次電池をACアダプタの出力電流で定電流充電する。この状態で、コントロール回路は二次電池とACアダプタのいずれか又は高電圧の一方から電源電圧が供給され、二次電池の満充電を検出して充電を停止する。
【0011】
本発明の携帯機器システムは、携帯機器10を、ヒーター21を内蔵する懐炉20として、コントロール回路12が、ヒーター21を制御する回路を備えることができる。
【0012】
本発明の携帯機器システムは、DC/DCコンバータ31が、出力電流を一定に保持する定電流フィードバック回路でもって定電流回路32を実現することができる。
【0013】
本発明の携帯機器システムは、コントロール回路12の電源回路に、ダイオード17を介して昇圧DC/DCコンバータ16と電流制限抵抗14の出力側から電力を供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための携帯機器システムを例示するものであって、本発明は携帯機器システムを以下のものに特定しない。また、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに、以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
【0015】
図1に示す携帯機器システムは、定電流充電して満充電される二次電池11を内蔵する携帯機器10と、この携帯機器10に脱着自在に接続されて内蔵する二次電池11を充電するACアダプタ30とを備える。
【0016】
携帯機器10は、定電流充電して満充電される二次電池11として、ニッケル水素電池を内蔵している。ただし、携帯機器は、二次電池として、ニッケル水素電池に代わって、ニッケルカドミウム電池等の定電流充電して満充電できる全ての電池を使用できる。図の携帯機器10は、ヒーター21を内蔵する懐炉20である。ただし、本発明の携帯機器システムは、携帯機器を懐炉20に特定しない。携帯機器には、定電流充電して満充電される二次電池を電源として内蔵する全ての機器、たとえば携帯電話等とすることもできる。
【0017】
携帯機器10は、ACアダプタ30から供給される電力で二次電池11を充電して、二次電池11の満充電を検出して二次電池11の充電を停止するコントロール回路12を内蔵している。このコントロール回路12は、二次電池11の充電を制御する充電スイッチ13をオンオフに制御して、満充電された二次電池11の充電を停止する。充電スイッチ13は、ACアダプタ30の出力側と二次電池11との間に接続されて、オン状態でACアダプタ30の電力を二次電池11に供給して二次電池11を充電し、オフ状態で二次電池11の充電を停止する。コントロール回路12は、充電している二次電池11の満充電を検出して、充電スイッチ13をオンからオフに切り換えて充電を停止する。コントロール回路12は、充電している二次電池11の電圧がピーク電圧に上昇したことを検出し、あるいはピーク電圧からの電圧がΔV低下することを検出して満充電と判定する。定電流充電して満充電されるニッケル水素電池が、満充電された状態で電圧がピーク電圧となり、または、ピーク電圧からΔV低下する特性を示すからである。
【0018】
さらに、図の携帯機器10は、充電を開始する二次電池11の電圧が設定電圧よりも低い状態で、二次電池11を定電流充電する電流よりも小さいトリクル充電電流で設定電圧まで予備充電する電流制限抵抗14と、コントロール回路12に制御されて電流制限抵抗14の両端を短絡して二次電池11を定電流充電する急速充電スイッチ15と、二次電池11の電圧を昇圧してコントロール回路12の電源回路に供給する昇圧DC/DCコンバータ16とを備えている。
【0019】
電流制限抵抗14は、過放電された二次電池11をトリクル充電するトリクル充電電流を特定する。たとえば、電流制限抵抗14は、10Ω〜100Ωとして、二次電池11の充電電流を低減する。電流制限抵抗14は、電気抵抗を大きくしてトリクル充電する電流を小さくでき、また、電気抵抗を小さくしてトリクル充電する電流を大きくして、過放電された二次電池11を速やかに設定電圧、たとえば1Vまで上昇できる。したがって、電流制限抵抗14の電気抵抗は、過放電された二次電池11を安全に速やかにトリクル充電して設定電圧まで上昇できるように設定される。電流制限抵抗14は、これと並列に接続している急速充電スイッチ15がオフの状態で、二次電池11をトリクル充電する。急速充電スイッチ15がオンに切り換えられると、電流制限抵抗14は両端が短絡される。したがって、急速充電スイッチ15をオンに切り換える状態で、二次電池11はACアダプタ30の出力電流で定電流充電される。
【0020】
コントロール回路12は、二次電池11の電圧で急速充電スイッチ15をオンオフに制御する。コントロール回路12は、たとえば、ニッケル水素電池からなる二次電池11の電圧が1V/セルよりも低い状態で、急速充電スイッチ15をオフに保持して、二次電池11をトリクル充電する。二次電池11が充電されて電圧が設定電圧、たとえば1Vよりも高くなると、コントロール回路12は急速充電スイッチ15をオンに切り換えて、電流制限抵抗14の両端を短絡してACアダプタ30から供給される電流で二次電池11を充電する。
【0021】
さらに、このコントロール回路12は、携帯機器10の制御にも使用される。図1の携帯機器10はヒーター21を内蔵する懐炉20であるから、コントロール回路12はヒーター21の通電を制御する。すなわち、コントロール回路12は、ヒーター21の通電を制御するヒータースイッチ22のオンオフを制御して、懐炉20の発熱量をコントロールする。ヒータースイッチ22は、トランジスタやFET等の半導体スイッチング素子である。コントロール回路12は、ヒーター21や懐炉20のケース温度を温度センサ23で検出して、スイッチング素子をオンオフに制御して、ヒーター21や懐炉20のケース温度を設定温度に制御する。
【0022】
昇圧DC/DCコンバータ16は、ACアダプタ30を接続しない状態で、コントロール回路12を二次電池11で正常に動作させるための回路である。したがって、昇圧DC/DCコンバータ16は、二次電池11の電圧をコントロール回路12の電源電圧まで昇圧してコントロール回路12の電源回路に供給する。たとえば、ニッケル水素電池の二次電池11は、出力電圧が約1.2Vであるから、この電圧をコントロール回路12の動作電圧の約3〜5Vまで昇圧して供給する。
【0023】
この昇圧DC/DCコンバータ16は、ACアダプタ30を接続して二次電池11を充電する時も、コントロール回路12を動作状態とする電源回路に併用される。このことを実現するために、図1の回路図に示す携帯機器10は、コントロール回路12の電源回路に、昇圧DC/DCコンバータ16の出力電圧を供給している。昇圧DC/DCコンバータ16は、二次電池11が過放電されて電圧が異常に低下する状態では動作しない。この状態でコントロール回路12を動作状態とするために、コントロール回路12の電源回路には、昇圧DC/DCコンバータ16の出力電圧に加えて、ACアダプタ30からの出力電圧も供給している。昇圧DC/DCコンバータ16と、ACアダプタ30の出力電圧は、ダイオード17を介してコントロール回路12の電源回路に供給している。このコントロール回路12は、昇圧DC/DCコンバータ16の出力電圧と、ACアダプタ30の出力電圧のいずれかが供給される状態で動作状態となる。二次電池11が過放電されて0V付近まで低下する状態で、昇圧DC/DCコンバータ16は正常に電圧を出力しなくなる。この状態で、ACアダプタ30からコントロール回路12に動作電圧が供給される。二次電池11が過放電される状態で急速充電スイッチ15がオフに保持されて、ACアダプタ30の出力電圧が高くなるからである。
【0024】
ACアダプタ30は、入力される商用電源を直流に変換して二次電池11の充電電圧に変換するDC/DCコンバータ31を内蔵すると共に、このDC/DCコンバータ31は、携帯機器10に内蔵される二次電池11を定電流充電する定電流回路32を備えている。DC/DCコンバータ31は、出力電流を一定に保持する定電流フィードバック回路でもって定電流回路32を実現している。定電流フィードバック回路は、DC/DCコンバータ31の出力電流を一定に保持するように、スイッチング素子(図示せず)をオンオフに切り換えるデューティーをコントロールして出力電流を一定電流に安定化する。
【0025】
以上の携帯機器システムは、以下の動作をして二次電池11を充電し、また携帯機器10として使用される。
[0V付近まで過放電された二次電池を充電する状態]
この状態で携帯機器10にACアダプタ30が接続されると、携帯機器10のコントロール回路12は急速充電スイッチ15をオフに保持する。急速充電スイッチ15がオフ状態にあるので、ACアダプタ30の負荷は電流制限抵抗14と二次電池11の直列回路となる。二次電池11が0V付近まで過放電される状態においても、ACアダプタ30の負荷は電流制限抵抗14となる。電流制限抵抗14は大きな電気抵抗であるから、ACアダプタ30は出力が短絡された状態とならず、所定の電圧を出力する。この状態でACアダプタ30の出力電圧はコントロール回路12を動作状態とする。正常に動作するコントロール回路12は、二次電池11の電圧を検出しながら、二次電池11を電流制限抵抗14で充電電流をトリクル充電電流に制限して安全に充電する。ACアダプタ30は、電流制限抵抗14を負荷とする状態では出力電圧を0Vまで低下させないが、仮に出力が短絡される状態では出力電圧を0Vに低下して安全性を向上できる。このACアダプタ30を使用しても、0V付近まで過放電された二次電池11が負荷になる状態で、ACアダプタ30の負荷は電流制限抵抗14によってショートされた状態とはならず、出力電圧でコントロール回路12を動作状態にできる。この状態は、二次電池11の電圧が0V付近にあるので、昇圧DC/DCコンバータ16の出力電圧でコントロール回路12を動作状態にはできないが、ACアダプタ30の出力電圧で動作状態にできるので、過放電された二次電池11は正常にトリクル充電される。
【0026】
[二次電池の電圧が設定電圧まで上昇した状態]
この状態になると、コントロール回路12は急速充電スイッチ15をオンに切り換えて、二次電池11をACアダプタ30の出力電流で定電流充電する。このとき、二次電池11の充電電流は携帯機器10側でコントロールせず、ACアダプタ30に内蔵されるDC/DCコンバータ31の定電流回路32でコントロールされる。二次電池11が満充電されると、コントロール回路12がこのことを検出して、充電スイッチ13をオフに切り換えて二次電池11の充電を停止する。
【0027】
[携帯機器を懐炉として使用する状態]
この状態で、昇圧DC/DCコンバータ16が二次電池11の電圧を昇圧してコントロール回路12に供給して、コントロール回路12を動作状態とする。動作状態にあるコントロール回路12は、ヒーター21の通電を制御して、懐炉20を設定温度に保持する。二次電池11は放電されるにしたがって電圧が低下するが、昇圧DC/DCコンバータ16は出力電圧を安定化することで、コントロール回路12を正常に動作状態に保持する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施例にかかる携帯機器システムのブロック回路図である。
【符号の説明】
【0029】
10…携帯機器
11…二次電池
12…コントロール回路
13…充電スイッチ
14…電流制限抵抗
15…急速充電スイッチ
16…昇圧DC/DCコンバータ
17…ダイオード
20…懐炉
21…ヒーター
22…ヒータースイッチ
23…温度センサ
30…ACアダプタ
31…DC/DCコンバータ
32…定電流回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
定電流充電して満充電される二次電池(11)を内蔵する携帯機器(10)と、この携帯機器(10)に脱着自在に接続されて内蔵する二次電池(11)を充電するACアダプタ(30)とを備える携帯機器システムであって、
前記携帯機器(10)は、ACアダプタ(30)から供給される電力で前記二次電池(11)を充電して、二次電池(11)の満充電を検出して二次電池(11)の充電を停止するコントロール回路(12)を内蔵しており、
前記ACアダプタ(30)は、入力される商用電源を直流に変換して二次電池(11)の充電電圧に変換するDC/DCコンバータ(31)を内蔵すると共に、このDC/DCコンバータ(31)は、携帯機器(10)に内蔵される二次電池(11)を定電流充電する定電流回路(32)を備えており、前記携帯機器(10)のコントロール回路(12)が二次電池(11)の充電電流を制御することなく、前記ACアダプタ(30)に内蔵される定電流回路(32)が二次電池(11)の充電電流を一定の電流に制御して二次電池(11)を満充電するようにしてなる携帯機器システム。
【請求項2】
前記携帯機器(10)が、二次電池(11)の電圧が設定電圧よりも低い状態で、二次電池(11)を定電流充電する電流よりも小さい電流で設定電圧まで予備充電する電流制限抵抗(14)と、前記コントロール回路(12)に制御されて電流制限抵抗(14)の両端を短絡して二次電池(11)を定電流充電する急速充電スイッチ(15)と、前記二次電池(11)から供給される電力を変圧して前記コントロール回路(12)の電源回路に供給する昇圧DC/DCコンバータ(16)とを備えており、
前記コントロール回路(12)は、前記昇圧DC/DCコンバータ(16)の出力電圧と、前記ACアダプタ(30)からの出力電圧を電源回路に供給しており、昇圧DC/DCコンバータ(16)の出力電圧と、ACアダプタ(30)の出力電圧のいずれかが供給される状態で動作状態となり、
前記コントロール回路(12)は、二次電池(11)の電圧が最低電圧よりも低い状態では、急速充電スイッチ(15)をオフに保持して二次電池(11)をトリクル充電すると共に、コントロール回路(12)の電源回路にACアダプタ(30)の出力電圧を供給してコントロール回路(12)を動作状態とし、動作状態のコントロール回路(12)が二次電池(11)の充電を制御するようにしてなる請求項1に記載される携帯機器システム。
【請求項3】
前記携帯機器(10)がヒーター(21)を内蔵する懐炉(20)で、前記コントロール回路(12)は、前記ヒーター(21)を制御する回路を備えている請求項1または2に記載される携帯機器システム。
【請求項4】
前記DC/DCコンバータ(31)が、出力電流を一定に保持する定電流フィードバック回路でもって定電流回路(32)を実現している請求項1に記載される携帯機器システム。
【請求項5】
前記コントロール回路(12)の電源回路に、ダイオードを介して昇圧DC/DCコンバータ(16)と電流制限抵抗(14)の出力側から電力が供給される請求項2に記載される携帯機器システム。

【図1】
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【公開番号】特開2010−136511(P2010−136511A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−309150(P2008−309150)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】