説明

携帯端末、情報表示方法及びプログラム

【課題】 携帯端末において、アドレス帳情報等の文字を含む情報に動画像の一シーンを関連付けて登録する際に、登録操作を容易に行えるようにするとともに、登録に係るメモリ消費を低減する。
【解決手段】本発明に係る携帯端末によれば、キー入力部9の操作により、アドレス帳データ格納領域に記憶されたアドレス帳情報から処理対象となるアドレス帳情報が選択され、動画像からの画像登録が指示されると、動画像メモリ領域154に記憶されている動画像データの一覧画面をメイン表示部8aに表示し、表示された動画像一覧画面から一の動画像が選択され、更に当該動画像において前記アドレス帳情報に関連付けるフレーム画像及び画像領域が選択されると、選択されたアドレス帳情報、選択された動画像の画像ファイル名、フレーム画像のフレーム再生開始時間、及び画像領域の位置座標を対応付けてリンク情報格納領域152に記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、名前、電話番号、電子メールアドレス等のアドレス帳情報とともに当該アドレス帳情報に関連付けられた画像を表示する携帯端末、情報表示方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯端末においては、名前、電話番号、電子メールアドレス等のアドレス帳情報を対応付けて記憶するアドレス帳機能を備えており、近年では、個々のアドレス帳情報に対応する顔画像等の画像を関連付けて登録、記憶しておくことにより、アドレス帳情報を表示する際に併せて画像を表示することも可能となっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004―336711号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、アドレス帳情報には静止画像のみでなく動画像を登録することができるが、動画像の中の一シーンを静止画像としてアドレス帳情報に登録したい場合、メモリに保存された動画像を読み出して、そのシーンのフレーム画像を静止画像としてメモリに保存し、保存した画像をアドレス帳情報に登録するといった作業が必要であり、手間がかかるとともに、静止画像として保存するためのメモリ容量も必要となっていた。
【0004】
本発明の課題は、携帯端末において、アドレス帳情報等の文字を含む情報に動画像の一シーンを関連付けて登録する際に、登録操作を容易に行えるようにするとともに、登録に係るメモリ消費を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の携帯端末は、
文字を含む一つ或いはそれ以上の情報を記憶する情報記憶手段と、
一つ或いはそれ以上の動画像を記憶する動画像記憶手段と、
前記情報記憶手段に記憶された情報から画像の関連付けの対象となる情報を選択する情報選択手段と、
前記動画像記憶手段に記憶された動画像から前記情報選択手段により選択された情報に関連付ける動画像を選択する動画像選択手段と、
前記動画像選択手段により選択された動画像から前記情報選択手段により選択された情報に関連付けるフレーム画像を選択するフレーム画像選択手段と、
前記動画像選択手段により選択された動画像を識別する動画像識別情報、及び、前記フレーム画像選択手段により選択されたフレーム画像を識別するフレーム画像識別情報を、前記情報選択手段により選択された情報と関連付けて記憶する関連情報記憶手段と、
前記情報記憶手段に記憶された文字を含む情報とともに前記関連情報記憶手段に基づいて関連付けられたフレーム画像を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記フレーム画像選択手段により選択されたフレーム画像から前記情報選択手段により選択された情報に関連付ける画像領域を所望の大きさ及び当該フレーム画像における所望の位置に設定する画像領域設定手段を更に備え、
前記関連情報記憶手段は、更に前記画像領域設定手段により設定された画像領域を識別する画像領域識別情報を前記情報選択手段により選択された情報と関連付けて記憶し、
前記表示手段は、前記情報記憶手段に記憶された文字を含む情報とともに前記関連情報記憶手段に基づいて関連付けられた画像領域を表示することを特徴としている。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
通信回線網に接続して通信を行う通信手段を更に備え、
前記文字を含む情報は、当該通信に用いる相手先情報であることを特徴としている。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、
前記フレーム画像識別情報は、前記動画像における前記フレーム画像選択手段により選択されたフレーム画像の再生開始時間又は再生順番を示す情報であることを特徴としている。
【0009】
請求項5に記載の発明の情報表示方法は、
予め記憶された文字を含む一つ或いはそれ以上の情報から画像の関連付けの対象となる情報を選択する情報選択ステップと、
予め記憶された一つ或いはそれ以上の動画像から前記情報選択ステップにおいて選択された情報に関連付ける動画像を選択する動画像選択ステップと、
前記動画像選択ステップにおいて選択された動画像から前記情報選択ステップにおいて選択された情報に関連付けるフレーム画像を選択するフレーム画像選択ステップと、
前記動画像選択ステップにおいて選択された動画像を識別する動画像識別情報、及び、前記フレーム画像選択ステップにおいて選択されたフレーム画像を識別するフレーム画像識別情報を、前記情報選択ステップにおいて選択された情報と関連付けて関連情報記憶手段に記憶する関連情報記憶ステップと、
前記予め記憶された文字を含む情報とともに前記関連情報記憶手段に基づいて関連付けられたフレーム画像を表示する表示ステップと、
を含むことを特徴としている。
【0010】
請求項6に記載の発明は、
コンピュータを、
予め記憶された文字を含む一つ或いはそれ以上の情報から画像の関連付けの対象となる情報を選択する情報選択手段と、
予め記憶された一つ或いはそれ以上の動画像から前記情報選択手段において選択された情報に関連付ける動画像を選択する動画像選択手段と、
前記動画像選択手段において選択された動画像から前記情報選択手段において選択された情報に関連付けるフレーム画像を選択するフレーム画像選択手段と、
前記動画像選択手段において選択された動画像を識別する動画像識別情報、及び、前記フレーム画像選択手段において選択されたフレーム画像を識別するフレーム画像識別情報を、前記情報選択手段において選択された情報と関連付けて記憶する関連情報記憶手段と、
前記予めメモリに記憶された文字を含む情報とともに前記関連情報記憶手段に基づいて関連付けられたフレーム画像を表示する表示手段と、
として機能させるためのプログラムであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1、5、6に記載の発明によれば、予め記憶された文字を含む情報から画像の関連付けの対象となる情報を選択し、この情報に関連付ける動画像を選択し、選択された動画像からこの選択された情報に関連付けるフレーム画像を選択すると、選択された動画像を識別する動画識別情報及び選択されたフレーム画像を識別するフレーム画像識別情報を選択された情報と関連付けて関連情報記憶手段に記憶する。そして、文字を含む情報を表示するときには、関連情報記憶手段に基づいて関連付けられたフレーム画像をともに表示する。従って、携帯端末において、文字を含む情報に動画像の一シーンを関連付けて登録する際の操作が容易になるとともに、登録に係るメモリ消費を低減することが可能となる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、文字を含む情報に動画像のフレーム画像内の画像領域を関連付けて登録することが可能となる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、携帯端末において、通信に用いる相手先情報に動画像の一シーンを関連付けて登録する際の操作が容易になるとともに、登録に係るメモリ消費を低減することが可能となる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、動画像における選択されたフレーム画像の再生開始時間又は再生順番を示す情報により動画像におけるフレーム画像を識別可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の実施形態においては、本発明に係る携帯端末を携帯電話機1とした場合を例にとり説明するが、PHS(Personal Handyphone System)端末やパソコン、PDA(Personal Digital Assistant)等としてもよい。
【0016】
まず、構成を説明する。
図1に、本実施形態における携帯電話機1の外観図を示す。
携帯電話機1は、図1に示すように本体が2分割され、その中央部に設けられた連結機構により折り畳み可能に構成されている、いわゆる折り畳み式の携帯電話機である。
【0017】
携帯電話機1を開いたその正面には、図1(a)に示すように、メイン表示部8a、キー入力部9が設けられている。メイン表示部8aは、操作画面や画像等を表示するディスプレイであり、ユーザが携帯電話機1の操作時に主に使用するディスプレイである。
【0018】
また、キー入力部9は、決定操作を行うための決定キー91、カーソル操作を行うための十字キー92、数字、文字等の入力を行うためのテンキー93、通話の開始及び終了を指示するためのオフフックキー(通話開始ボタン)94、オンフックキー(通話終了ボタン)95の他、各種アプリケーションを選択するためのメニューキー96、アドレス帳モードを起動させるためのアドレス帳キー97等の各種機能キーを備えている。さらに、携帯電話機1の側面に、撮影の指示操作を行うための撮影キー98が設けられている。
【0019】
また、メイン表示部8aの上部には受話スピーカ5が設けられており、キー入力部9の下部には送話マイク6が設けられている。
【0020】
携帯電話機1の背面には、図1(b)に示すように、サブ表示部8b及び撮像部10の撮像レンズ10aが設けられている。サブ表示部8bは、携帯電話機1を折り畳んだ際に補助的に使用されるディスプレイである。
【0021】
図2に、携帯電話機1の機能構成例を示す。
図2に示すように、携帯電話機1は、アンテナ2、無線通信部3、音声処理部4、受話スピーカ5、送話マイク6、CPU7、表示部8、キー入力部9、撮像部10、鳴音駆動部11、スピーカ12、ROM13、RAM14、メモリ15等を備える。
【0022】
無線通信部3は、アンテナ2を介して図示しない無線基地局から受信した無線通信信号を復調処理し、復調したベースバンド信号(デジタル信号)から通信制御データ、音声データ、通信データ等を取得する。この音声データは、音声処理部4を介してアナログ音声信号に変換され受話スピーカ5に出力される。また、通信データは、CPU7に読み込まれ、一時記憶メモリであるRAM14に出力される。一方、送話マイク6より入力されたアナログ音声信号が音声処理部4で所定のアルゴリズムによりコード化され音声データとして無線通信部3に出力されると、無線通信部3は、音声データに通信制御データ等を付加したベースバンド信号(デジタル信号)を変調処理し、アンテナ2を介して図示しない無線基地局に送信する。
【0023】
音声処理部4は、無線通信部3を介して入力された音声データをデコード(伸張処理)して、さらにアナログ音声信号に変換したのち、受話スピーカ5を介して出力する一方、送話マイク6を介して入力されたアナログ音声信号をコード化(圧縮処理)して音声データに変換して無線通信部3へ出力する。
【0024】
CPU7は、ROM13に記憶されている各種プログラムの中から指定されたプログラムを読み出し、RAM14内のワークエリアに展開し、上記プログラムとの協働によって各種処理を実行し、その処理結果をRAM14の所定の領域に格納するとともに、表示部8に表示させる。
【0025】
表示部8は、図1(a)に示すメイン表示部8a、図1(b)に示すサブ表示部8bを備えて構成され、CPU7からの表示指示に基づいて、各種プログラムの処理により得られた表示データを表示する。
【0026】
キー入力部9は図1(a)に示す決定キー91、十字キー92、テンキー93、オフフックキー94、オンフックキー95、メニューキー96、アドレス帳モードを起動させるためのアドレス帳キー97等の各種機能キーを備えて構成され、ユーザによるキー操作に応じた操作信号をCPU7に出力する。
【0027】
撮像部10は、図1(b)に示す撮像レンズ10a、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の光電変換素子、A/D変換部等を備えている。撮像部10では、撮像レンズ10aにより取り込まれた光学像を光電変換素子により画像信号に変換し、この画像信号をA/D変換部によりデジタル画像情報(以下、画像データ)に変換し、画像データを取得する。
【0028】
鳴音駆動部11は、携帯電話機1の着信時等にCPU7からの鳴音指示により鳴音信号をスピーカ12に出力し、鳴音によりユーザに通話やメールの着信等を報知する。
【0029】
ROM13は、CPU7により実行される各種プログラムや、プログラムの実行必要なパラメータ、データ等を記憶している。
RAM14は、CPU7により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係わるデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0030】
メモリ15は、電気的に内容を消去したり書き換えたりすることができる、半導体のメモリ等で構成され、CPU7から書き込まれた各種情報を記憶する。図3は、メモリ15の記憶領域の詳細を示す図である。同図において、メモリ15は、アドレス帳データ格納領域151、リンク情報格納領域152、静止画像メモリ領域153及び動画像メモリ領域154を有し、CPU7からの書き込み動作に応じて、通信の相手先情報としてのアドレス帳情報のデータをアドレス帳データ格納領域151に、アドレス帳情報と画像データとの関連付け情報(リンク情報)をリンク情報格納領域152に、撮像部10において撮影された静止画像の画像データや受信された静止画像の画像データを静止画像メモリ領域153に、撮像部10において撮影された動画像の画像データや受信された動画像の画像データを動画像メモリ領域154に記憶する。
【0031】
アドレス帳データ格納領域151は、図4(a)に示すように、各アドレス帳情報を識別するためのレコード番号を格納するための「レコード番号」領域、名前、名前カタカナ、電話番号、電子メールアドレス等のアドレス帳情報のデータを格納するための「アドレス帳情報」領域、このアドレス帳情報に画像データが関連付けられているか否か(リンクの有無)を示すフラグを格納するための「リンクの有無」領域とを有している。「リンクの有無」領域においては、画像データが関連付けられている、即ち、リンクがある場合はフラグ「1」を、無い場合はフラグ「0」を格納する。なお、デフォルトはフラグ「0」となっている。
【0032】
リンク情報格納領域152は、図4(b)に示すように、「アドレス帳データ格納領域のレコード番号」領域、「画像ファイル名」領域、「フレーム時間」領域及び「位置座標」領域を有し、「アドレス帳データ格納領域のレコード番号」領域で特定されるアドレス帳情報に関連付けられた画像データに関する情報を、そのアドレス帳情報のレコード番号と対応付けて記憶する。
【0033】
以上が携帯電話機1の機能構成例である。
次に、上記携帯電話機1の動作の詳細について説明する。
図5は、携帯電話機1において実行されるアドレス帳モード処理の流れを示すフローチャートである。アドレス帳モード処理は、着信待ち受け状態の時にアドレス帳キー97の操作がCPU7により検出されることによりROM13に記憶されているアドレス帳モードプログラムが起動され、CPU7と当該アドレス帳モードプログラムとの協働によるソフトウエア処理により実現される処理である。
【0034】
アドレス帳モード処理においては、まず、メイン表示部8aにアドレス帳データ格納領域151に記憶されているアドレス帳情報の一覧(例えば、アドレス帳情報の名前一覧)を表示したアドレス帳情報選択画面が表示され、表示されたアドレス帳情報から処理対象となる一のアドレス帳情報の選択を示すキー操作が検出されると(ステップS1)、選択されたアドレス帳情報の編集画面(以下、アドレス帳編集画面という。)81がメイン表示部8aに表示される(ステップS2)。
【0035】
図6に、アドレス帳編集画面81の一例を示す。図6に示すように、アドレス帳編集画面81には、処理対象となるアドレス帳情報を表示するための領域810と、表示されたアドレス帳情報に関連付けされている画像がある場合に、この関連付けされている画像を表示するための画像領域811を有している。
【0036】
アドレス帳編集画面81からステップS1で選択されたアドレス帳情報への画像の関連付け登録を指示するキー操作が検出されると(ステップS3;YES)、画像登録プログラムが起動され、ステップS4〜ステップS24の処理が実行される。
【0037】
まず、メイン表示部8aに静止画像から画像を登録するか動画像(ムービー)から画像を登録するかの選択画面(図示せず)が表示され、動画像の登録を選択することを示すキー操作が検出されると(ステップS4;YES)、動画像メモリ領域154に記憶されている各動画像データのファイル名又は各動画像の先頭フレーム画像のサムネイル画像を一覧表示した動画像一覧画面(図示せず)がメイン表示部8aに表示される(ステップS5)。この動画像一覧画面において、ステップS1で選択されたアドレス帳情報に関連付ける一の動画像の選択を示すキー操作が検出されると(ステップS6;YES)、選択された動画像がメイン表示部8a上に再生される(ステップS7)。
【0038】
動画像を再生している状態において、当該再生されている動画像の登録を指示するキー操作が検出されると(ステップS8;YES)、登録する動画像の画像編集を行うか否かを問い合わせる画面がメイン表示部8aに表示され、登録する動画像の画像編集を行わないことを指示するキー操作が検出されると(ステップS9;NO)、処理はステップS10に移行し、画像編集を行うことを指示するキー操作が検出されると(ステップS9;YES)、処理はステップS11に移行する。なお、動画像を再生している状態において、当該再生されている動画像の登録を行わず、動画像一覧画面に戻ることを指示するキー操作が検出されると(ステップS8;NO)、処理はステップS5に戻る。
【0039】
ステップS9において、画像編集を行わないことが指示されると、ステップS10においては、ステップS1で選択されたアドレス帳情報に、ステップS6で選択された動画像を識別するための識別情報として、その画像ファイル名が関連付けて記憶され、本処理は終了する。具体的には、図4(a)に示すアドレス帳データ格納領域151における、ステップS1で選択されたアドレス帳情報に対応する「リンクの有無」領域に、フラグ「1」が書き込まれるとともに、図4(b)に示すリンク情報格納領域152に新しいレコードが追加され、追加されたレコードの「アドレス帳データ格納領域のレコード番号」に、当該選択されたアドレス帳情報のレコード番号が書き込まれ、「画像ファイル名」領域にステップS6で選択された動画像のファイル名が書き込まれ、記憶される。
【0040】
ステップS9において、画像編集が指示されると、ステップS11において、ステップS6で選択された動画像がメイン表示部8aの再生画面上で再生される。
【0041】
図7に、動画像データの構成例を示す。図7に示すように、動画像データは、複数のフレーム画像のデータにより構成されている。動画像データは、この動画像データに関する情報を記録するヘッダ情報とともに動画像ファイルを構成している。動画像ファイルのヘッダ情報には、各フレーム画像を識別するためのフレーム画像識別情報として、フレーム画像の再生順番を示すフレーム番号と、そのフレーム画像の再生を開始するフレーム再生開始時間が対応付けて記録されている。また、各フレーム画像のデータには、フレーム番号が対応付けて記憶されている。動画像データに基づき動画像を再生する際には、ヘッダ情報に従って、各フレーム画像がその再生開始時間にメイン表示部8aに再生される。
【0042】
図8(a)に、ステップS11においてメイン表示部8aに表示される動画像の再生画面の一例を示す。図8(a)に示すように、ステップS11において表示される再生画面の右下には、「ここ」という操作キーが表示されており、アドレス帳情報に関連付けたいシーンが再生されているタイミングでこの操作キーに対応するキー、即ちアドレス帳キー97を押下することにより、ユーザは、処理対象のアドレス帳情報に関連付けるシーンのフレーム画像を選択することができる。
【0043】
ステップS6で選択された動画像データに基づく動画像の再生中に、アドレス帳キー97の押下操作が検出されることにより、フレーム画像の選択が検出されると(ステップS12;YES)、選択されたフレーム画像から、静止画像として切り出す画像領域の位置を指定するための位置指定画面(図8(b)参照)が表示される(ステップS13)。
なお、ステップS12で選択されたフレーム画像は、MEPG−2フォーマットのIピクチャ、Pピクチャ、およびBピクチャのような前後フレームとの差異を利用して圧縮された情報をもとに生成されたフレーム画像でもよく、フレームごとに独立した画像を形成しているフレーム画像でもよい。
【0044】
図8(b)に、位置指定画面の一例を示す。位置指定画面上には、図8(b)に示すように、アドレス帳情報に関連付けられた画像を表示するときと同等のサイズの画像領域枠Fが表示されており、ユーザは、十字キー92を操作して画像領域枠Fを移動させることにより、アドレス帳情報に関連付ける画像領域を指定することができる。なお、図8(b)に示すように、位置指定画面右下にはサイズキーが表示されており、サイズキーに対応するキー、即ちアドレス帳キー97を押下した後、十字キー92の上矢印キー又は下矢印キーを押下することにより、画像領域枠Fのサイズの変更、即ち、アドレス帳情報に関連付ける画像として切り出す画像領域のサイズ変更を行うことができる。
【0045】
位置指定画面からカーソルの移動操作が検出されると、カーソルの移動操作に応じて画像領域枠Fが移動される(ステップS14)。また、位置指定画面からアドレス帳キー97の押下が検出されることにより、画像領域枠Fのサイズ変更の指示が検出されると(ステップS15;YES)、十字キー92の上下矢印キーの操作の検出に応じて画像領域枠Fが拡大又は縮小され(ステップS16)、決定キー91の押下が検出されると(ステップS17;YES)、決定キー91の検出時のサイズに画像領域枠Fのサイズが決定される。ステップS13〜S17により画像領域枠Fのサイズ及び位置が指定され、決定キー91の押下が検出されると(ステップS18;YES)、ステップS1で選択されたアドレス帳情報に、ステップS6で選択された動画像の画像ファイル名、その動画像においてステップS12で選択されたフレーム画像のフレーム再生開始時間情報、そのフレーム画像において、前記アドレス帳情報に関連付けるものとして指定された画像領域の識別情報(ここでは、位置座標とする)が関連付けられて記憶され(ステップS19)、本処理は終了する。
【0046】
具体的には、図4(a)に示すアドレス帳データ格納領域151における、ステップS1で選択されたアドレス帳情報に対応する「リンクの有無」領域に、フラグ「1」が書き込まれるとともに、図4(b)に示すリンク情報格納領域152に新しいレコードが追加され、追加されたレコードの「アドレス帳データ格納領域のレコード番号」に、当該選択されたアドレス帳情報のレコード番号が書き込まれ、「画像ファイル名」領域にステップS6で選択された動画像のファイル名が書き込まれ、「フレーム時間」領域に、ステップS12で選択されたフレーム画像の再生開始時間が書き込まれ、「位置座標」領域にステップS18で決定された画像領域の位置座標が書き込まれ、記憶される。
【0047】
一方、ステップS4において、静止画像の登録を選択することを示すキー操作が検出されると(ステップS4;NO)、静止画像メモリ領域153に記憶されている各静止画像データのファイル名又は各静止画像のサムネイル画像を一覧表示した静止画像一覧画面(図示せず)がメイン表示部8aに表示される(ステップS20)。この静止画像一覧画面において、ステップS1で選択されたアドレス帳情報に関連付ける一の静止画像の選択を示すキー操作が検出されると(ステップS21;YES)、選択された静止画像がメイン表示部8a上に表示される(ステップS22)。
【0048】
静止画像を表示している状態において、当該静止画像の登録を指示するキー操作が検出されると(ステップS23;YES)、ステップS1で選択されたアドレス帳情報に、ステップS21で選択された静止画像を識別するための静止画識別情報としてのその画像ファイル名が関連付けて記憶され(ステップS24)、本処理は終了する。具体的には、図4(a)に示すアドレス帳データ格納領域151における、ステップS1で選択されたアドレス帳情報に対応する「リンクの有無」領域に、フラグ「1」が書き込まれるとともに、図4(b)に示すリンク情報格納領域152に新しいレコードが追加され、追加されたレコードの「アドレス帳データ格納領域のレコード番号」に、当該選択されたアドレス帳情報のレコード番号が書き込まれ、「画像ファイル名」領域にステップS21で選択された静止画像のファイル名が書き込まれて記憶され、本処理は終了する。
【0049】
一方、ステップS3において、画像登録以外の処理の指示を示すキー操作が検出されると、キー操作に応じた他の処理が実行され(ステップS25)、本処理は終了する。
【0050】
図9に、図5の処理により動画像の一シーンの静止画像が関連付けられたアドレス帳情報を表示した際の表示例を示す。図9に示すように、アドレス帳情報に関連付けられた動画像の一シーンは、アドレス帳情報を表示する際にともに表示される。またアドレス帳情報に関連付けられた画像は、当該アドレス帳情報を着信履歴や発信履歴を表示する際、アドレス帳情報の相手先からの着信があった場合等においても、画面上に表示される。
【0051】
以上説明したように、本発明に係る携帯電話機1によれば、キー入力部9の操作により、アドレス帳データ格納領域に記憶されたアドレス帳情報から処理対象となるアドレス帳情報が選択され、動画像の登録が指示されると、動画像メモリ領域154に記憶されている動画像データの一覧画面をメイン表示部8aに表示し、表示された動画像一覧画面から一の動画像が選択されると、選択された動画像をメイン表示部8aの再生画面上に再生する。この再生画面から処理対象として選択されたアドレス帳情報に関連付けるフレーム画像が選択されると、選択されたフレーム画像から画像領域の位置を指定するための位置指定画面を表示し、フレーム画像から切り出す画像領域が指定されると、処理対象のアドレス帳情報、選択された動画像の画像ファイル名、選択されたフレーム画像のフレーム再生開始時間、及び選択されたフレーム画像における画像領域の位置座標を対応付けてリンク情報格納領域152に記憶する。
【0052】
従って、携帯端末のアドレス帳情報に動画像の一シーンを登録する際に、従来のように、そのシーンのフレーム画像を静止画像としてメモリに保存し、保存した画像をアドレス帳情報に登録するといった煩雑な作業が必要なくなり、登録操作が容易になるとともに、フレーム画像を静止画像として保存するためのメモリ容量も必要なくなり、登録に係るメモリ消費を低減することが可能となる。
【0053】
また、位置指定画面において、選択されたフレーム画像からアドレス帳情報に対応付ける画像領域を指定することができるので、ユーザが動画像の中の所望のフレーム画像の所望の画像領域を関連付けて登録することが可能となる。
【0054】
なお、上記実施の形態における記述内容は、本発明に係る携帯電話機1の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0055】
例えば、上記実施の形態においては、動画像を構成するフレーム画像のうち選択されたフレーム画像を識別するためのフレーム画像識別情報として、フレーム再生開始時間を用いることとしたが、フレームの再生順番を示すフレーム番号等を用いても良い。また、動画像を識別するための動画識別情報としては、動画像の画像ファイル名の他、画像ファイルを格納している領域のアドレス、画像ファイルに一意に割り付けられたレコード番号等を用いても良い。
【0056】
また、上記実施の形態においては、画像を関連付ける対象となる、文字を含む情報として、アドレス帳情報を例にとり説明したが、これに限定されず、例えば、スケジュール情報等に画像を関連付ける場合に本発明を適用してもよい。
【0057】
さらに、アドレス帳、リンク情報、静止画、動画など本発明に係わる情報を記憶するメモリは、携帯電話機1の本体に内蔵されたメモリ15に限定するものではなく、外部インタフェイスを介して接続される、外部メモリや契約者情報を記憶した加入者識別カードに内蔵されたメモリとしてもよい。
【0058】
その他、携帯電話機1の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に係る携帯電話機1の外観を示す図である。
【図2】図1の携帯電話機1の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】図2のメモリ15の記憶領域の詳細を示す図である。
【図4】(a)は、図3のアドレス帳データ格納領域151のデータ格納例を示す図、(b)は、図3のリンク情報格納領域152のデータ格納例を示す図である。
【図5】図2のCPU7により実行されるアドレス帳モード処理を示すフローチャートである。
【図6】アドレス帳編集画面81の一例を示す図である。
【図7】動画像データの構成例を示す図である。
【図8】(a)は、図5のステップS11においてメイン表示部8aに表示される動画像の再生画面の一例を示す図、(b)は、図5のステップS13においてメイン表示部8aに表示される位置指定画面の一例を示す図である。
【図9】図5の処理により動画像の一シーンの静止画像が関連付けられたアドレス帳情報を表示した場合の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0060】
1 携帯電話機
2 アンテナ
3 無線通信部
4 音声処理部
5 受話スピーカ
6 送話マイク
7 CPU
8 表示部
8a メイン表示部
8b サブ表示部
9 キー入力部
10 撮像部
11 鳴音駆動部
12 スピーカ
13 ROM
14 RAM
15 メモリ
151 アドレス帳データ格納領域
152 リンク情報格納領域
153 静止画像メモリ領域
154 動画像メモリ領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字を含む一つ或いはそれ以上の情報を記憶する情報記憶手段と、
一つ或いはそれ以上の動画像を記憶する動画像記憶手段と、
前記情報記憶手段に記憶された情報から画像の関連付けの対象となる情報を選択する情報選択手段と、
前記動画像記憶手段に記憶された動画像から前記情報選択手段により選択された情報に関連付ける動画像を選択する動画像選択手段と、
前記動画像選択手段により選択された動画像から前記情報選択手段により選択された情報に関連付けるフレーム画像を選択するフレーム画像選択手段と、
前記動画像選択手段により選択された動画像を識別する動画像識別情報、及び、前記フレーム画像選択手段により選択されたフレーム画像を識別するフレーム画像識別情報を、前記情報選択手段により選択された情報と関連付けて記憶する関連情報記憶手段と、
前記情報記憶手段に記憶された文字を含む情報とともに前記関連情報記憶手段に基づいて関連付けられたフレーム画像を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記フレーム画像選択手段により選択されたフレーム画像から前記情報選択手段により選択された情報に関連付ける画像領域を所望の大きさ及び当該フレーム画像における所望の位置に設定する画像領域設定手段を更に備え、
前記関連情報記憶手段は、更に前記画像領域設定手段により設定された画像領域を識別する画像領域識別情報を前記情報選択手段により選択された情報と関連付けて記憶し、
前記表示手段は、前記情報記憶手段に記憶された文字を含む情報とともに前記関連情報記憶手段に基づいて関連付けられた画像領域を表示することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
通信回線網に接続して通信を行う通信手段を更に備え、
前記文字を含む情報は、当該通信に用いる相手先情報であることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記フレーム画像識別情報は、前記動画像における前記フレーム画像選択手段により選択されたフレーム画像の再生開始時間又は再生順番を示す情報であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の携帯端末。
【請求項5】
予め記憶された文字を含む一つ或いはそれ以上の情報から画像の関連付けの対象となる情報を選択する情報選択ステップと、
予め記憶された一つ或いはそれ以上の動画像から前記情報選択ステップにおいて選択された情報に関連付ける動画像を選択する動画像選択ステップと、
前記動画像選択ステップにおいて選択された動画像から前記情報選択ステップにおいて選択された情報に関連付けるフレーム画像を選択するフレーム画像選択ステップと、
前記動画像選択ステップにおいて選択された動画像を識別する動画像識別情報、及び、前記フレーム画像選択ステップにおいて選択されたフレーム画像を識別するフレーム画像識別情報を、前記情報選択ステップにおいて選択された情報と関連付けて関連情報記憶手段に記憶する関連情報記憶ステップと、
前記予め記憶された文字を含む情報とともに前記関連情報記憶手段に基づいて関連付けられたフレーム画像を表示する表示ステップと、
を含むことを特徴とする情報表示方法。
【請求項6】
コンピュータを、
予め記憶された文字を含む一つ或いはそれ以上の情報から画像の関連付けの対象となる情報を選択する情報選択手段と、
予め記憶された一つ或いはそれ以上の動画像から前記情報選択手段において選択された情報に関連付ける動画像を選択する動画像選択手段と、
前記動画像選択手段において選択された動画像から前記情報選択手段において選択された情報に関連付けるフレーム画像を選択するフレーム画像選択手段と、
前記動画像選択手段において選択された動画像を識別する動画像識別情報、及び、前記フレーム画像選択手段において選択されたフレーム画像を識別するフレーム画像識別情報を、前記情報選択手段において選択された情報と関連付けて記憶する関連情報記憶手段と、
前記予め記憶された文字を含む情報とともに前記関連情報記憶手段に基づいて関連付けられたフレーム画像を表示する表示手段と、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−166397(P2007−166397A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−361917(P2005−361917)
【出願日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】