説明

携帯端末および制御方法

【課題】周辺機器と物理的な接続が可能な携帯端末において、周辺機器との物理的な接続を実際に行う前に、接続の可否をユーザに報知することのできる技術を提供する。
【解決手段】携帯端末1の制御部11は、要求部10から周辺機器接続要求を受け付けると、受け付けた周辺機器接続要求に含まれる情報をもとに、自装置の動作状態に対応する機器情報を周辺機器リスト15から取得する。携帯端末1の通信モジュール16は周辺機器2と近距離無線通信を行って周辺機器2を特定する機器情報を受け取る。制御部11は、通信モジュール16が受け取った機器情報とリストから取得した機器情報とを比較し、比較結果に応じて、周辺機器2の接続の可否を判定する。接続制御部13は、制御部11の判定結果が肯定的である場合には周辺機器2の接続を受け入れるための処理を実行する一方、判定結果が否定的である場合にはその旨をユーザへ通知するための処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周辺機器と接続する携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やPDA、デジタルカメラ等の携帯端末の高性能化、高機能化はめざましいものがある。しかしながら、携帯端末においては電池の持ちや小型化・軽量化も求められており、工場出荷時から高い性能・多くの機能を搭載しようとすると携帯端末の開発コストを増大させてしまう。このような背景から、さまざまな周辺機器と接続して機能拡張を行うことが可能な携帯端末が提案されている(例えば、特許文献1)。また、数ある周辺機器から必要な周辺機器を選択する方法が提案されている(例えば、特許文献2)。また、携帯端末に備える複数のインタフェースに対して同時に複数のインタフェースを利用する際にシステム上問題となるパタンと合致した場合に、利用していたインタフェースを物理的に、電気的に遮断するクレードルやカメラが提案されている(例えば、特許文献3、特許文献4)。
【特許文献1】特開2007−81872号公報
【特許文献2】特開2007−67723号公報
【特許文献3】特開2002−252801号公報
【特許文献4】特開2008−199150号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に記載している携帯端末は、周辺機器と接続した後に携帯端末の入出力インタフェースを周辺機器に移行する技術を開示しているにすぎず、携帯端末のもつリソースの制限を考慮していない。また、特許文献2に記載している方法は、無線通信エリアに存在する周辺機器の中から、起動中あるいは通信中のアプリケーションに対応する周辺機器を選択可能とする方法を開示しているが、無線通信を用いた周辺機器接続を想定しており方向や距離を表示することはできるものの、周辺機器とケーブルなどで物理的に接続する携帯端末においては、指示された場所に複数の周辺機器がある場合にどの機器を接続するのが適切か判断することがユーザにとって困難である。
【0004】
また、特許文献3に記載しているクレードルは、クレードルに携帯端末を装着した際に利用できるインタフェースを物理的に限定する形状をとるための装置を開示しているが、携帯端末の形状が限定されるという問題があった。また、特許文献4に記載しているカメラは、携帯端末の形状を限定することなく、利用できるインタフェースを電気的に遮断するための装置を開示しているが、接続が適切かを判断するステップは周辺機器を接続してからとなり、利用者にとって不便であった。
本発明は上記問題を鑑みて発明されたものであり、周辺機器と物理的な接続が可能な携帯端末において、周辺機器との物理的な接続を実際に行う前に、接続の可否をユーザに報知することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、周辺機器が物理的に接続される接続部と、自装置の動作状態と前記周辺機器を識別する機器情報との対応関係を記憶する記憶手段と、前記周辺機器との物理的な接続を要求する旨を示す接続要求を受け付ける受付手段と、前記受付手段が前記接続要求を受け付けたときに、自装置の動作状態を特定する動作状態特定手段と、前記受付手段が前記接続要求を受け付けたときに、近距離無線通信を行い前記周辺機器から機器情報を取得する通信手段と、前記動作状態特定手段によって特定された動作状態に対応する機器情報を前記記憶手段の記憶内容を参照して特定する機器情報特定手段と、前記機器情報特定手段によって特定された機器情報と前記通信手段によって取得された機器情報とを比較し、比較結果に応じて、前記通信手段によって取得された機器情報に対応する周辺機器の接続の可否を判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果が肯定的である場合には、前記周辺機器の接続を受け入れるための処理を実行する一方、該判定結果が否定的である場合には、その旨をユーザへ通知するための処理を実行する接続制御手段とを具備することを特徴とする携帯端末を提供する。
【0006】
この構成によれば、電力的に効率よく周辺機器の物理的な接続兆候を把握でき、かつ、接続をする前に、適切な周辺機器が接続されようとすると受け入れ、不適切な周辺機器が接続されようとするとユーザへ不適切であることを通知することが出来る。
【0007】
本発明の好ましい態様において、磁力を発生させる駆動手段を具備し、前記接続制御手段は、前記判定手段の判定結果に応じて前記駆動手段の発生磁力を制御してもよい。
この態様によれば、ディスプレイなどの表示デバイスを持たない携帯端末においてもユーザへ通知することが可能となる。
【0008】
また、本発明の別の好ましい態様において、自装置を振動させる駆動手段を具備し、前記接続制御手段は、前記判定手段の判定結果に応じて前記駆動手段の振動態様を制御してもよい。
この態様によれば、ディスプレイなどの表示デバイスを持たない携帯端末においてもユーザへ通知することが可能となる。
【0009】
また、本発明の別の好ましい態様において、前記通信手段は、取得した機器情報に対応する周辺機器が自装置から離れた場合にその旨を前記接続制御手段に通知し、前記通信制御手段は、前記判定手段による判定結果が否定的である場合に、該判定がなされてから予め定められた期間が経過するまでの間に前記通信手段から通知を受けない場合には、前記ユーザへの通知のために消費する電力を低くしてもよい。
【0010】
この構成によれば、携帯端末の拒否の意図に反してユーザが周辺機器を接続することのユーザの意図を考慮した受け入れを実現でき、ユーザ通知に費やす電力の浪費を押さえるとともに、拒否状態から受入れ状態に移行したことを直感的に通知する携帯端末を提供できる。
【0011】
また、本発明の更に好ましい態様において、夫々異なる通信方式で近距離無線通信を行う複数の通信モジュールを備え、前記記憶手段は、前記動作状態と前記通信モジュールとの対応関係を記憶し、前記通信手段は、前記受付手段が前記接続要求を受け付けたときに、前記動作状態特定手段によって特定された動作状態に対応する通信モジュールを前記記憶手段を参照して特定し、特定した通信モジュールを用いて前記近距離無線通信を行い前記周辺機器から機器情報を取得してもよい。
【0012】
また、本発明の更に好ましい態様において、前記記憶手段は、前記通信モジュールの優先度を特定するための優先度特定情報を記憶し、前記通信手段は、前記動作状態特定手段によって特定された動作状態に対応する通信モジュールが複数ある場合には、前記記憶手段に記憶された優先度特定情報に基づいて複数の通信モジュールを優先度の高い順に起動してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、周辺機器と物理的な接続が可能な携帯端末において、周辺機器との物理的な接続を実際に行う前に、接続の可否をユーザに報知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
<第1実施形態>
(携帯端末1および周辺機器2の構成例)
図1は本発明の第1の実施形態に係る携帯端末1の構成例および携帯端末1に接続される周辺機器2の構成例を示すブロック図である。携帯端末1は、例えば、携帯電話、Smart Phone(スマートフォン)、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラなど、可搬性がありかつネットワークとの接続が可能な携帯端末である。携帯端末1は、要求部10、制御部11、通信部12、接続制御部13、通知部14、通信モジュール16A、16B、接続部17、および記憶部19から構成される。また、携帯端末1に接続される周辺機器2は、通信モジュール20、接続部21、および記憶部23から構成される。
【0015】
要求部10は、周辺機器2との物理的な接続を要求する旨を示す周辺機器接続要求を制御部11に通知する。より具体的には、要求部10は、携帯端末1の状態を特定する情報を含む周辺機器接続要求を制御部11へ通知する。要求部10が制御部11へ周辺機器接続要求を通知するタイミングとしては、携帯端末1に周辺機器2が接続されることで機能するソフトウェアからの要求があるタイミングや、周辺機器2を携帯端末1に接続する旨の要求がユーザからあったタイミングなどである。このタイミングで要求部10は携帯端末1の状態を特定する情報を生成する。当該情報は例えば周辺機器2を接続する要求をするソフトウェアを特定する情報や、携帯端末1が管理の対象となるリソースを保有し、前記リソースを管理するリソース管理手段を備えており、切り替えることが可能であり、かつ前記リソース管理手段が管理可能なリソースが異なる複数の動作モードを備えている場合は,動作モードを特定する情報である。当該情報の生成方法は、例えば、起動しているソフトウェアを特定する情報をソフトウェアからの接続要求に含め、当該要求から抽出する、ソフトウェア接続要求などで実現可能である。さらには,接続要求があったタイミングで動作モードを特定する情報を、携帯端末1の記憶領域から取得するなどで実現可能である。
【0016】
動作モードを特定する情報を周辺機器接続要求に含めることで、例えば企業の秘密情報を取り扱う動作モードである場合に、当該企業が接続を許可する周辺機器2(例えば、暗号処理が行われた外部記憶媒体や、プロジェクタやディスプレイなどの表示デバイス)のみの接続を受入れ、それ以外は拒否するなどの対応が可能な携帯端末1を提供できる。本実施形態では、起動しているソフトウェアを特定する情報を周辺機器接続要求に含める場合について説明するが、この情報が動作モードを特定する情報であった場合でも同様の方法で実施が可能であり、ここではその詳細な説明を割愛する。
【0017】
制御部11は、要求部10から周辺機器接続要求を受け付ける受付手段として機能する。また、制御部11は、周辺機器接続要求に含まれる情報を参照して自装置の動作状態を特定し、特定した動作状態に対応する機器情報を周辺機器リスト15の内容を参照して特定する機器情報特定手段として機能する。また、制御部11は、特定した機器情報と後述する通信部12によって取得された機器情報とを比較し、比較結果に応じて、通信部12によって取得された機器情報に対応する周辺機器2の接続の可否を判定する判定手段として機能する。すなわち、制御部11は、要求部10からの周辺機器接続要求を受理し、周辺機器2との通信を制御し、かつ、携帯端末1の状態と携帯端末1の状態の下で適切な周辺機器2との関係から、周辺機器2の接続の可否を決定する。動作の詳細は後述する。
【0018】
通信部12は、制御部11が要求部10から周辺機器接続要求を受け付けたときに、通信モジュール16A,16Bを用いて近距離無線通信を行い、周辺機器2から機器を識別する機器情報を取得する。通信部12は、制御部11からの、起動するべき通信モジュールを特定する情報を含む周辺機器接続準備要求を受理した時に限り、通信モジュール16Aや16Bを起動し、周辺機器2を特定する情報を接続前に取得し、制御部11へ通知する。また、通信部12は制御部11からの中断要求を受理したときに、通信モジュール16Aや16Bを一時的に停止する。その後中断解除要求が受理された場合には、通信部12は通信モジュール16Aや16Bを起動する。動作の詳細は後述する。
【0019】
接続制御部13は、制御部11によって周辺機器2の接続が適切であると判定された場合には、周辺機器2の接続を受け入れるための処理を実行する一方、それ以外の場合には、その旨をユーザへ通知するための処理を実行する。より具体的には、接続制御部13は、制御部11からの受入要求を受理すると、受入要求に従って当該周辺機器2の接続が適切であるか否かを通知部14へ通知する。さらに、接続制御部13は、接続部17から周辺機器2接続検知イベントを受理すると、接続結果を制御部11へ通知するとともに、周辺機器2を接続したことを接続履歴18に格納する。動作の詳細は後述する。
【0020】
通知部14は、接続制御部13からの要求に従い、周辺機器2の接続が適切である場合は周辺機器2を受け入れる旨をユーザへ通知する一方、接続が適切でない場合は周辺機器2の接続が適切でない旨をユーザへ通知する。ユーザへ通知する方法は、周辺機器2を受け入れることや接続が適切でないことをユーザに直感的に判断させる方法であればよく、例えば、ディスプレイなどの表示デバイスを携帯端末1が搭載しているのであれば、当該ディスプレイへ通知メッセージを表示する。
【0021】
さらに別の例では、携帯端末1のキートップなどに照明デバイスが搭載されており、照明の点灯・消灯や色などを制御出来る場合は、その制御によって受け入れる旨の時は消灯し、周辺機器2が適切でない旨の時は点灯させたり、赤色灯を点灯させたりする。
【0022】
ユーザへの通知の他の態様として、自装置を振動させるアクチュエータ(駆動手段)を携帯端末1が備える構成とし、接続制御部13が駆動手段を制御して自装置を振動させることによってユーザに通知するようにしてもよい。より具体的には、バイブレータなどの振動デバイスを携帯端末1が備える構成とし、接続制御部13がこのバイブレータを制御して、受け入れる旨の時は振動させずに、周辺機器2が適切でない旨の時は振動させる。また、例えば、接続を許可する場合には弱く振動させる一方、それ以外の場合には強く振動させるといったように、接続制御部13がアクチュエータを制御して、接続を許可する場合とそれ以外の場合とで振動の態様を異ならせることによってユーザに通知するようにしてもよい。
【0023】
また、例えば、携帯端末1が特定の方向に磁力を発生させる駆動手段を備える構成とし、接続制御部13がこの駆動手段を制御して磁力を発生させることによってユーザに通知するようにしてもよい。より具体的には、例えば、携帯端末1の接続部17付近に電磁石を備える構成とし、一つまたは複数の電磁石の極性を制御するようにしてもよい。この場合は、周辺機器2の接続部21付近に一つまたは複数の磁石を搭載しておく構成とし、周辺機器2の接続を許可しない場合には、接続制御部13が、予め定められた極性の磁力(すなわち周辺機器2の備える磁石の極性と同じ極性の磁力)を発生させる。予め定められた極性としては、どの周辺機器2に対しても同一の極性の磁力を発生させるようにしてもよく、また、例えば、周辺機器2の機器の種別と極性との対応関係を記憶部19に予め記憶しておく構成とし、接続制御部13が、記憶部19の記憶内容を参照して、接続を要求された周辺機器2に対応する極性の磁力を発生させるようにしてもよい。このように、携帯端末1は、周辺機器2が適切でない旨の時は周辺機器2の備える磁石に対して斥力を発生させるよう当該電磁石の極性を制御する。磁石を活用することで、ユーザが周辺機器2を接続する前に、ユーザに対して周辺機器2が適切でない旨を直感的に伝えることができる。
【0024】
ユーザへの通知の他の態様として、例えば、携帯端末1の設置面に対して何らかの力を加えるアクチュエータを備える構成とし、接続制御部13がこのアクチュエータを制御して携帯端末1を移動させることによってユーザに通知するようにしてもよい。この場合は、携帯端末1の接続部17付近に、接続部17に周辺機器2が接続される場合の周辺機器2の方向と反対方向に周辺機器2を移動させるようにアクチュエータを駆動するようにしてもよい。この場合、携帯端末1が、自装置に対する周辺機器2の方向を検出する検出手段を備える構成とし、検出した方向と反対方向に自装置が移動するようにアクチュエータを駆動するようにしてもよい。周辺機器2の方向を検出する態様としては、例えば、携帯端末1に、周辺機器2から出力される信号を受信する信号受信手段を異なる位置に複数設ける構成とし、複数の信号受信手段で受信された信号に応じて周辺機器2の方向を検出するようにしてもよく、自装置に対する周辺機器2の方向を検出するものであればどのようなものであってもよい。
【0025】
ユーザへの通知の他の態様としては、以上に挙げた方法例以外にも、音を発生させるなど、さまざまな方法が考えられる。また、ユーザへの通知は、周辺機器2を受け入れるときに行ってもよく、例えば、電磁石を活用する場合、周辺機器2の備える磁石に対して引力を発生させるよう当該電磁石の極性を操作することで、受け入れることを直感的にユーザへ伝えることが出来る。
【0026】
記憶部19は、EEPROMやハードディスク装置等の記憶手段であり、図示のように、周辺機器リスト15と接続履歴18とを記憶している。周辺機器リスト15は、制御部11が携帯端末1の状態に適した周辺機器2を特定する情報を取得するために利用するリストである。すなわち、周辺機器リスト15は、携帯端末1の動作状態と周辺機器2を識別する機器情報との対応関係を示すリストである。図2に周辺機器リスト15の例を示す。本実施形態における周辺機器リスト15は、ソフトウェア名列150、周辺機器2を特定する周辺機器名列151、および通信モジュールを特定する通信モジュール列152から構成される。ソフトウェア名列150には、ソフトウェアを特定する情報が記憶される。周辺機器名列151には、周辺機器2を特定する情報が記憶される。通信モジュール列152には、通信モジュールを特定する情報が記憶される。周辺機器リスト15が更新されるタイミングは、ソフトウェアと周辺機器2との関係が更新されるタイミングであり、例えば工場出荷時や、周辺機器2を利用するソフトウェアをインストール・アンインストールするタイミングや、周辺機器2を利用するソフトウェアのバージョンアップがされるタイミングや、携帯端末1が接続するネットワークにある管理サーバからの更新指示があるタイミングなどである。
【0027】
なお、図2に示す例では、ソフトウェアを特定する情報、周辺機器を特定する情報、及び通信モジュールを特定する情報としてテキストデータが記憶される場合を例示しているが、各列に記憶される情報はテキストデータに限らない。ソフトウェアを特定する情報は、制御部11がソフトウェアを特定できればよく、ソフトウェアのバイナリーデータのハッシュ値や、ソフトウェアのメタ情報であってもよい。また、周辺機器2を特定する情報は、制御部11が周辺機器2を特定ができればよく、USB機器で用いられているデバイスディスクリプタの情報であったり、MACアドレスであったり、IPアドレス(アドレス空間のことを鑑みるとIPv6であることが望ましい)であってもよい。また、通信モジュールを特定する情報は、制御部11が通信モジュールを特定できればよく、通信モジュールが周辺機器2と確立可能な通信ベアラ名や、通信モジュールがソフトウェア側に提供しているデバイスIDであってもよい。
当該周辺機器リストの利用のされ方については制御部11の動作説明の際に述べる。
【0028】
通信モジュール16Aおよび16Bは、それぞれ周辺機器2と近距離無線通信を行うための通信モジュールであり、それぞれ異なる通信ベアラを扱う。通信モジュール16A,16Bは、通信部12によって起動と停止を制御される。図1に示す例では、携帯端末1が通信モジュール16Aと通信モジュール16Bとの2つの通信モジュールを備える構成を図示しているが、携帯端末1が備える通信モジュールの数はこれに限らず、これより多くても少なくてもよい。また、通信モジュールは周辺機器2が保有する機器を特定する情報(第2の機器情報)を近距離通信によって取得するモジュールであればよく、例えば、赤外線、非接触型ICリーダ/ライタ、NFCリーダ/ライタ、RFIDリーダ/ライタ、Wireless-USB(登録商標)、TransferJet(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、人体通信などが考えられる。要は、携帯端末1が、夫々異なる通信方式で近距離無線通信を行う複数の通信モジュールを備える構成となっていればよい。なお、以下の説明では、説明の便宜上、通信モジュール16A,16Bを各々区別する必要がない場合には、これらを「通信モジュール16」と称して説明する。
【0029】
接続部17は周辺機器2が物理的に接続されるコネクタである。携帯端末1と周辺機器2とは、ケーブルやフォトカプラ等によって物理的に接続される。周辺機器2との接続を検知すると、接続部17は接続制御部13に対して接続した周辺機器2を特定する情報を通知する。
【0030】
接続履歴18は周辺機器2を携帯端末1にそれぞれ接続した回数を保持した履歴である。図3に接続履歴18の例を示す。接続履歴18は周辺機器2を特定する情報列180と接続回数列181とで構成される。この接続履歴18は通信モジュール16の優先度を特定するための優先度特定情報として用いられる。接続履歴18の利用のされ方については制御部11と接続制御部13の動作説明の際に述べる。
【0031】
(周辺機器2の構成要素説明)
通信モジュール20は、携帯端末1に対して近距離通信を用いて機器情報22を通知するためのモジュールである。接続部21は、携帯端末1と物理的に接続するコネクタである。記憶部23は、EEPROMやハードディスク等の記憶手段であり、機器情報22を記憶している。機器情報22は、周辺機器2を特定する情報であり、例えばデバイスディスクリプタである。
【0032】
(携帯端末1の動作詳細説明)
図4は、携帯端末1における制御部11、通信部12、および接続制御部13の全体の動作を示す図である。制御部11は、要求部10からソフトウェアを特定する情報を含む周辺機器接続要求を受理する(S1)と、ソフトウェアを特定する情報をもとに、当該ソフトウェアに適した周辺機器2を特定する情報(第1の機器情報)を周辺機器リスト15から取得する(S2)。周辺機器リスト15が例えば図2であり、周辺機器接続要求に含まれるソフトウェアを特定する情報が健康管理システムであったとすると、制御部11は、周辺機器2を特定する情報(第1の機器情報)として、“バイタルセンサー”を取得する。さらに、バイタルセンサーの備える通信モジュール16を特定する“非接触型ICカード”を取得する。通信モジュール16を特定する情報を取得することで、携帯端末1が通信モジュール16を複数備えている場合に、制御部11がどの通信モジュール16を起動すればよいか通信部12に対して指示を出すことができる。通信モジュール16が一つである場合には、周辺機器リストから取得する情報に、通信モジュール16を特定する情報を含める必要はない。本実施形態では、携帯端末1が複数の通信モジュール16を備えていることを想定し説明をする。
【0033】
また、例えば、周辺機器リストが図2であり、周辺機器接続要求に含まれるソフトウェアを特定する情報が“シアター”であった場合、制御部11は周辺機器2を特定する情報(第1の機器情報)として、“プロジェクタ”、“ディスプレイ”を取得する。あわせて、通信モジュール16を特定する情報として、それぞれの周辺機器2に対して“非接触型ICカード”、“近距離無線通信”を取得する。
【0034】
また、例えば、周辺機器リストが図2であり、周辺機器接続要求に含まれるソフトウェアを特定する情報が“電話アプリ”であった場合、制御部11は周辺機器2を特定する情報として“N/A”を取得する。この場合は電話アプリが起動している状態で周辺機器2が接続されようとした場合は、常に適切でないことをユーザへ通知することを表現している。本実施形態では説明を簡略化するため、常に通信部12により接続兆候を検知してから接続制御部13へ対して受入判断結果を通知するよう設計しているが、周辺機器2を特定する情報(第1の機器情報)としてN/Aを取得した時点で接続制御部13に対して受入判断結果として接続拒否を伝える動作となるよう制御部11を設計してもよい。このように設計することで、通信部12を稼働させる必要がなくなるため、効率的である。
【0035】
図4に説明を戻す。制御部11は、周辺機器リスト15から第1の機器情報と、場合によっては通信モジュール16を特定する情報とを取得し、通信部12に対して周辺機器接続準備要求を通知する(S3)。携帯端末1が複数の通信モジュール16を備えている場合には、通信モジュール16を特定する情報を周辺機器接続準備要求に含めてもよい。通信モジュール16を特定する情報が複数ある場合は、優先度という観点でそれぞれが同等の通信モジュール16であるように周辺機器接続準備要求に含めてもよいし、優先的に起動する通信モジュール16が明確となるように、周辺機器接続準備要求に含めてもよい。通信モジュール16が複数ある場合、携帯端末1はどの周辺機器2がこれから接続されようとしているのかわからないため、携帯端末1の電力効率という観点から考慮すると、通信モジュール16を順番に起動・停止をすることになる。しかし、通信モジュール16が多数になると、順番に起動・停止していては無駄な(すなわちユーザが接続を試みる周辺機器2が備える通信モジュール20と通信を行えない)通信モジュール16を起動してしまう可能性が高く効率が悪くなってしまう。そこで、優先的に起動する通信モジュール16を明確とすることで、通信部12が通信モジュール16を起動するスケジュールを決定することが出来る。スケジューリングについては通信部12の動作を説明する際にあわせて説明をする。
【0036】
優先的に起動する通信モジュール16を決定する方法は、ユーザがよく用いる周辺機器2を優先的に起動するよう決定すればよい。その実現方法としては、例えば接続履歴18にて記録された周辺機器2を携帯端末1にそれぞれ接続した回数を用いて、接続回数の多い順に優先度をつけるなどで実現できる。図3は接続履歴18の例である。周辺機器リスト15が図2であり、接続履歴18が図3であり、周辺機器接続要求に含まれるソフトウェアを特定する情報が“演奏ソフトウェア”である場合に、制御部11は、周辺機器リスト15から“フルート”、“サックス”、“バイオリン”を、周辺機器2を特定する情報(第1の機器情報)として取得するとともに、通信モジュール16を特定する情報として、それぞれ“非接触型ICカード”、“無線ICタグ”、“赤外線”を取得する。制御部11は通信モジュール16を特定する情報が複数あるため、それぞれの通信モジュール16の起動優先度を決定するために、さらに接続履歴18から、それぞれの周辺機器2の接続回数として“20”、“3”、“1”を取得する。この場合、制御部11は、接続回数から、“非接触型ICカード”、“無線ICタグ”、“赤外線”の順で通信モジュール16の起動優先度を決定する。制御部11は周辺機器接続準備要求に、“非接触型ICカード”、“無線ICタグ”、“赤外線”の順序に起動するべき通信モジュール16を特定する情報を含めることで、通信部12に起動優先度を伝えることが出来る。通信モジュール16を特定する情報とともに、それぞれの接続回数をさらに周辺機器接続準備要求に含めてもよい。このように接続回数を含めることで、各起動モジュールの優先度合いを通信部12に伝えることが可能となる。本実施形態では、説明を詳細にするために、周辺機器接続準備要求に通信モジュール16を特定する情報、優先順、接続回数を含めたものとして説明をする。
【0037】
周辺機器接続準備要求を受理した通信部12は、当該要求に含まれる、通信モジュール16を特定する情報、優先順、接続回数を取得し、通信モジュール16の起動スケジュールを決定する(S4)。例えば、通信モジュール16を特定する情報が“非接触型ICカード”、“無線ICタグ”、“赤外線”で、この順番に優先度が高く、接続回数がそれぞれ“20”、“3”、“1”とする。この場合、通信部12は、通信モジュール16を起動するスケジューリングをするが、そのスケジュール方法は、起動優先度順に起動している時間を長くするよう設計することが望ましく、例えば、優先度順に決められた起動時間を設定してもよいし、接続回数の総和と比較したそれぞれの接続回数の割合で通信モジュール16を起動する時間を決定するよう設定してもよい。後者の方式を例で説明すると、例えばそれぞれの通信モジュール16を順番に起動して一巡するまでの時間を30秒とすると、非接触型ICカードの通信モジュール16を起動しておく時間を20/24×30秒、無線ICタグを3/24×30秒、赤外線を1/24×30秒と設定することで実現できる。
【0038】
ここで、通信モジュール16が電力管理を可能とする場合、通信部12は、通信モジュール16の電波(赤外線も含む)の有効伝達距離を短くするように、当該通信モジュール16を駆動させる通常の電力よりも弱い電力が掛かるよう電力管理してもよい。近年のモバイル端末では、電力の浪費を押さえるためにハードウェアや電力管理の仕組みが搭載されていることが多い。近距離通信は周辺機器2との接続兆候を検知するために利用しているが、接続兆候があることは、携帯端末1と周辺機器2とがかなり接近していることが予想される。そのため、伝達距離を短くしたとしても要件を満足する。携帯端末1の電力効率という観点で考えると、伝達距離を短くすることで、通常よりも弱い電力で通信モジュール16を駆動させることができるため、このように構成するほうが望ましい。
【0039】
通信モジュール16を起動中に通信モジュール20を備える周辺機器2が携帯端末1に近づけると、携帯端末1の通信モジュール16と、周辺機器2の通信モジュール20とが通信を行い、周辺機器2を特定する情報(第2の機器情報)を、携帯端末1の通信モジュール16が受け取る。通信部12は、通信モジュール16が受け取った第2の機器情報を制御部11に通知する(S5)。
【0040】
第2の機器情報を取得した制御部11は、第1の機器情報の中に第2の機器情報が含まれているか判断をする(S7)。判断をする際に、通信部12に対して通信モジュール16の起動を中断するための中断要求を通知してもよい(S6)。周辺機器2の接続が適切であるか否かを制御部11が判断することとなるが、その間も、通信部12は制御部11に対して第2の機器情報を通知し続けることとなり、電力的に効率的ではない。制御部11が通信モジュール16の起動を中断するための中断要求を通信部12に通知することで、上記の問題を解決することが出来る。
【0041】
制御部11は第1の機器情報の中に第2の機器情報が含まれているかの判断の結果、含まれている場合は接続を受け入れることを、第2の機器情報が第1の機器情報の中に含まれていない場合は当該周辺機器2の接続が不適切であることを含む受入判断結果を接続制御部13へ通知する(S8)。
【0042】
接続制御部13は、受入判断結果を受理すると、周辺機器2を受け入れるのか、周辺機器2の接続が不適切であるのかを当該結果に基づいて判定し(S9)、判定結果に応じてそれぞれの場合で動作する。周辺機器2を受け入れる場合は、周辺機器2の物理的な接続を待って、接続結果を制御部11へ通知する(S10)。このとき、周辺機器2の物理的な接続を受け入れる場合に、接続制御部13(又は制御部11)がその旨をユーザに通知してもよい。また、周辺機器2の物理的な接続を契機に、接続制御部13(又は制御部11)が接続履歴18を更新してもよい。一方、周辺機器2の接続が不適切である場合は、接続制御部13は、接続が不適切である旨をユーザ通知し(S11)、ユーザ通知を行ったことを示すユーザ通知応答を制御部11へ通知する(S12)。
【0043】
接続結果あるいは、ユーザ通知応答を受理した制御部11は、受理したメッセージを判定し(S13)、受理したメッセージが前者の場合は、周辺機器2が接続されたこと通知し、通信部12や接続制御部13の処理を完了させるための周辺機器2接続完了要求を、通信部12と接続制御部13へ通知する(S23,S24)。その後、通信部12や接続制御部13からの完了応答を受理する(S25,S26)と、制御部11は要求部10に対して周辺機器2接続応答を通知する(S27)。
【0044】
一方、制御部11が接続制御部13から受理したメッセージがユーザ通知応答であった場合には、制御部11は、通信モジュール16の起動を再開するための中断解除要求を通信部12へ通知する(S14)。中断解除要求を受理した通信部12は、通信モジュール16の起動を再開し、近傍にいる周辺機器2から周辺機器2を特定する情報(第2の機器情報)を受理するタイミングで、第2の機器情報を制御部11へ通知する。
【0045】
なお、接続制御部13が磁力でユーザ通知を行っている場合、通信部12が管理する通信モジュール16が電磁誘導を原理として動作する近距離通信モジュールである場合は、磁石が起こす磁力と電磁誘導波の干渉を起こす可能性がある。この干渉を避けるために磁石によるユーザ通知と、近距離通信は交互にオン、オフがなされるよう設計してもよい。その場合は通信部12の通信モジュール起動スケジュールを接続制御部13へ通知し、接続制御部が通信モジュール起動スケジュールに従ってユーザ通知を行えるよう設計してもよいし、通信部12が近距離通信モジュールを起動するときに接続制御部13へ起動通知を行う。接続制御部13は起動通知を受理するとユーザ通知の中断をし、中断通知を通信部12へ行う。通信部12は中断通知を受理すると近距離通信モジュールを起動し、起動スケジュールに従って一定時間起動し、停止する。この時点で停止通知を接続制御部13へ行う。接続制御部は停止通知を受理するとユーザ通知を再開し、再開通知を通信部12へ行う。といった手続きをとるよう設計してもよい。
【0046】
ここで、制御部11は中断解除要求を通信部12へ通知する(S14)とともに、タイマーを起動する(S15)。このタイマーは、周辺機器2が離れたか否かを判断するために予め定められた時間の超過を判断するためのタイマーである。通信部12は、近距離通信により周辺機器2が離れたことをイベントとしてとらえることが可能である。通信部12は当該イベントを検知すると制御部11へ通知する(S16)。制御部11は、通信部12から周辺機器2が離れた旨を通知されると、タイマーからの信号に応じて予め定められた時間が経過したか否かを判定する(S17)。予め定められた時間を超過していなければ、接続が不適切であった周辺機器2が接続されることはないとして、制御部11は接続制御部13に対してユーザ通知完了要求を行う(S21)。接続制御部13は当該要求を受け付けるとユーザ通知を完了して、ユーザ通知完了応答を制御部11へ通知する(S22)。制御部11は当該応答を受け付けると、通信部12から周辺機器2を特定する情報(第2の機器情報)の通知を待機する状態に移行する。
【0047】
一方、周辺機器2が離れた旨を示すイベントを予め定められた時間を超過しても検知しない場合、制御部11はユーザ通知を弱めるための弱化要求を接続制御部13へ通知する(S18)。接続制御部13は弱化要求を受け付けると、ユーザ通知のために費やしている電力を弱めるための設定を行う(S19)。すなわち、予め定められた期間が経過するまでの間に周辺機器2が離れた旨を示すイベントが検知されなかった場合に、接続制御部13はユーザの通知のために消費する電力を低くする。具体的には、例えばユーザ通知の方法が音やバイブレータである場合は、接続制御部13は音やバイブレータの強さを弱める設定をする。さらに例えばユーザの通知の方法が光(点灯)である場合は、接続制御部13は光源の点灯パターンを点滅にする。さらに例えばユーザの通知の方法が磁石による斥力である場合は、接続制御部13は斥力の強さを弱める設定をする。このように携帯端末1を構成することによって、携帯端末1の拒否の意図に反してユーザが周辺機器2を接続することのユーザの意図を考慮した受け入れを実現でき、ユーザ通知に費やす電力の浪費を押さえるとともに、拒否状態から受入れ状態に移行したことを直感的に通知する携帯端末1を提供できる。
【0048】
なお、弱化要求はユーザ通知処理における弱化のための設定値を含んでもよい。このように構成することによって、制御部11が、周辺機器2に応じてユーザ通知の弱め方を接続制御部13へ通知することが出来るため、例えば外部記録媒体など状況によってはセキュリティ的に問題となる可能性が高い周辺機器2を接続しようとしているときは、出来る限り弱化をしないように設定することができる。この設定値を含めることは、弱化の時に限らず受入判断結果を接続制御部13へ通知するときにも行ってかまわない。このように構成することで、外部記録媒体などはユーザ通知を強く、楽器などのエンターテイメント系の周辺機器2はユーザ通知を弱く設定することが可能な携帯端末1を提供できる。
【0049】
また、弱化要求はユーザ通知の設定値の推移の仕方を含めてもよい。接続制御部13は、当該推移の仕方に従って、ユーザ通知の設定値を弱化させていく。このように構成することによって、徐々に受入状態に移行していることをユーザに直感的に伝えることが可能となる。
【0050】
また、弱化要求は停止要求であってもよい。停止要求を受理した接続制御部13はユーザ通知を終了する。このように構成することによってさらに電力効率を上げることが可能となる。
【0051】
弱化処理を行った接続制御部13は弱化応答を制御部11へ通知し(S20)、周辺機器2の接続を待機する状態になる。制御部11は弱化応答を受理すると、周辺機器2が接続されるイベントである接続結果を待機する状態になる。
【0052】
(作用・効果)
以上のように携帯端末1を構成することによって、携帯端末1の状態において接続するべき周辺機器2を、効率よく直感的にユーザへ伝えることができる。
【0053】
<変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。以下にその例を示す。なお、以下の各態様を適宜に組み合わせてもよい。
(1)上述の実施形態では、携帯端末1の状態を特定するための情報(以下「状態特定情報」という)を周辺機器接続要求に含める場合について説明したが、周辺機器接続要求に状態特定情報を含めないようにしてもよい。この場合は、例えば、記憶部19の所定の記憶領域に状態特定情報を記憶しておく構成とし、制御部11が記憶部19の所定の記憶領域から状態特定情報を取得するようにしてもよい。要は、制御部11が自装置の動作状態を特定し、特定した動作状態に対応する機器情報を、周辺機器リスト15の内容を参照して特定するようにすればよい。
【0054】
(2)上述の実施形態では、携帯端末1の動作状態を特定するための情報として、ソフトウェアを特定する情報を用いたが、動作状態を特定するための情報はこれに限らず、例えば、CPUの動作モードを示す情報や、通信部12の通信モードを示す情報等であってもよく、携帯端末1の動作状態を示す情報であればよい。要は、周辺機器2の接続要求を受け付けたタイミングにおいて、携帯端末1に物理的な接続が許可される周辺機器2を特定するための情報であればどのようなものであってもよい。
【0055】
(3)上述の実施形態では、通信モジュールの優先度を特定するための情報として接続履歴18に記憶された情報を用いたが、通信モジュールの優先度を特定するための情報はこれに限らず、例えば、通信モジュール毎に優先度を予め設定しておくようにしてもよく、通信モジュールの優先度を示す情報であればどのようなものであってもよい。
【0056】
また、上述の実施形態では、制御部11が、接続履歴18の記憶内容を参照して起動する通信モジュール16の優先度を決定するようにしたが、優先度を決定しないようにしてもよい。この場合は、通信部12は、通信モジュール16が複数ある場合に、通信モジュール16を順番に起動・停止する。
【0057】
(4)上述の実施形態では、ソフトウェア名と周辺機器名と通信モジュール名とを対応付けた周辺機器リスト15を携帯端末1の記憶部19に記憶しておく構成としたが、周辺機器リスト15の内容はこれに限らず、ソフトウェア名(動作状態を特定する情報)と周辺機器名(周辺機器を特定する)とを対応付けて記憶しておくようにしてもよい。この場合は、制御部11が、自装置の動作状態を特定し、特定した動作状態に対応する周辺機器を、周辺機器リスト15を参照して特定するようにすればよい。
【0058】
(5)上述の実施形態において、携帯端末1の各部は、ハードウェアとして構成されていてもよく、また、CPU等の制御手段がHDDやROM等の記憶手段に記憶されたコンピュータプログラムを読み出して実行することによってソフトウェアとして実現されてもよい。携帯端末1の各部がソフトウェアとして実現される場合においては、携帯端末1の制御手段によって実行されるコンピュータプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で提供し得る。また、インターネットのようなネットワーク経由で携帯端末1にダウンロードさせることも可能である。なお、このような制御を行う制御手段としてはCPU以外にも種々の装置を適用することができ、例えば、専用のプロセッサなどを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明第1の実施形態における携帯端末例の機能ブロック図である。
【図2】本発明第1の実施形態における周辺機器リスト例である。
【図3】本発明第1の実施形態における接続履歴例である。
【図4】本発明第1の実施形態における制御部、通信部、接続制御部の動作を示す図である。
【符号の説明】
【0060】
1…携帯端末、2…周辺機器、10…要求部、11…制御部、12…通信部、13…接続制御部、14…通知部、15…周辺機器リスト、16,16A,16B,20…通信モジュール、17,21…接続部、18…接続履歴、19,23…記憶部、22…機器情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周辺機器が物理的に接続される接続部と、
自装置の動作状態と前記周辺機器を識別する機器情報との対応関係を記憶する記憶手段と、
前記周辺機器との物理的な接続を要求する旨を示す接続要求を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が前記接続要求を受け付けたときに、自装置の動作状態を特定する動作状態特定手段と、
前記受付手段が前記接続要求を受け付けたときに、近距離無線通信を行い前記周辺機器から機器情報を取得する通信手段と、
前記動作状態特定手段によって特定された動作状態に対応する機器情報を前記記憶手段の記憶内容を参照して特定する機器情報特定手段と、
前記機器情報特定手段によって特定された機器情報と前記通信手段によって取得された機器情報とを比較し、比較結果に応じて、前記通信手段によって取得された機器情報に対応する周辺機器の接続の可否を判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果が肯定的である場合には、前記周辺機器の接続を受け入れるための処理を実行する一方、該判定結果が否定的である場合には、その旨をユーザへ通知するための処理を実行する接続制御手段と
を具備することを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
磁力を発生させる駆動手段
を具備し、
前記接続制御手段は、前記判定手段の判定結果に応じて前記駆動手段の発生磁力を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
自装置を振動させる駆動手段
を具備し、
前記接続制御手段は、前記判定手段の判定結果に応じて前記駆動手段の振動態様を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記通信手段は、取得した機器情報に対応する周辺機器が自装置から離れた場合にその旨を前記接続制御手段に通知し、
前記接続制御手段は、前記判定手段による判定結果が否定的である場合に、該判定がなされてから予め定められた期間が経過するまでの間に前記通信手段から通知を受けない場合には、前記ユーザへの通知のために消費する電力を低くする
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項5】
夫々異なる通信方式で近距離無線通信を行う複数の通信モジュールを備え、
前記記憶手段は、前記動作状態と前記通信モジュールとの対応関係を記憶し、
前記通信手段は、前記受付手段が前記接続要求を受け付けたときに、前記動作状態特定手段によって特定された動作状態に対応する通信モジュールを前記記憶手段を参照して特定し、特定した通信モジュールを用いて前記近距離無線通信を行い前記周辺機器から機器情報を取得する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記通信モジュールの優先度を特定するための優先度特定情報を記憶し、
前記通信手段は、前記動作状態特定手段によって特定された動作状態に対応する通信モジュールが複数ある場合には、前記記憶手段に記憶された優先度特定情報に基づいて複数の通信モジュールを優先度の高い順に起動する
ことを特徴とする請求項5に記載の携帯端末。
【請求項7】
周辺機器が物理的に接続される接続部と、自装置の動作状態と前記周辺機器を識別する機器情報との対応関係を記憶する記憶手段とを備える携帯端末の制御方法であって、
前記周辺機器との物理的な接続を要求する旨を示す接続要求を受け付けるステップと、
前記接続要求を受け付けたときに、自装置の動作状態を特定するステップと、
前記接続要求を受け付けたときに、近距離無線通信を行い前記周辺機器から機器情報を取得するステップと、
前記特定した動作状態に対応する機器情報を前記記憶手段の記憶内容を参照して特定するステップと、
前記特定された機器情報と前記取得された機器情報とを比較し、比較結果に応じて、前記取得された機器情報に対応する周辺機器の接続の可否を判定するステップと、
前記判定結果が肯定的である場合には、前記周辺機器の接続を受け入れるための処理を実行する一方、該判定結果が否定的である場合には、その旨をユーザへ通知するための処理を実行するステップと
を具備することを特徴とする制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−114694(P2010−114694A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−285886(P2008−285886)
【出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】