説明

携帯端末装置及びプログラム

【課題】カメラ構成ユニットを保護しなければ、非接触ICユニットを使用できないようにする。
【解決手段】CPU11は、非接触ICユニット21を構成するアンテナの配置位置の近傍に設けられたカメラ構成ユニット19が外界から保護されているか否かを判別し、カメラ構成ユニット19が保護されていない場合には、非接触ICユニット21の非接触通信動作を無効に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、外部機器との間で非接触通信を行う非接触ICユニットを有した携帯端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯端末装置としての携帯電話装置には、カメラ機能が標準装備されているほか、外部機器との間で非接触通信を行う非接触ICユニット、つまり、非接触ICチップとその専用アンテナとを搭載して、電子マネーや電子切符などとして使用可能な機種も多く存在している(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−229730号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この種の携帯電話装置にあっては、実装スペースやデザインの観点から非接触通信専用のアンテナとカメラ用のレンズとの設置位置が制約されてしまい、同一面上で互いに近い位置に配置されることも多い。このように専用アンテナとカメラ用レンズとが接近していると、非接触通信を行うために専用アンテナを外部機器であるリーダライタに接触させた際に、カメラ用レンズが外部機器に誤って衝突し、カメラレンズを傷つけたり、その取り付け部分を破損したりする危険性が高かった。
【0004】
この発明の課題は、所定ユニット構成部品を保護しなければ、非接触ICユニットを使用できないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、外部機器との間で非接触通信を行う非接触ICユニットを有した携帯端末装置であって、前記非接触ICユニットを構成するアンテナの配置位置の近傍に設けられた所定ユニット構成部品が外界から保護されているか否かを判別する判別手段と、この判別手段によって所定ユニット構成部品が保護されていないことが判別された場合に、前記非接触ICユニットの非接触通信動作を無効に設定する設定手段と、を具備したことを特徴とする。
更に、コンピュータに対して、上述した請求項1記載の発明に示した主要機能を実現させるためのプログラムを提供する(請求項12記載の発明)。
【0006】
なお、上述した請求項1記載の発明は次のようなものであってもよい。
前記設定手段によって前記非接触ICユニットの非接触通信動作が無効に設定されている状態を報知する報知手段を更に設けた(請求項2記載の発明)。
【0007】
前記所定ユニット構成部品を外界から保護する保護カバーを有し、前記判別手段は、前記所定ユニット構成部品が前記保護カバーによって保護されているか否かを判別し、前記設定手段は、前記判別手段による判別結果、前記保護カバーによって所定ユニット構成部品が保護されていなければ、前記非接触ICユニットの非接触通信動作を無効に設定し、前記保護カバーによって所定ユニット構成部品が保護されていれば、前記非接触ICユニットの非接触通信動作を有効に設定する(請求項3記載の発明)。
【0008】
前記非接触ICユニットの非接触通信動作に先立って外部機器からの電磁誘導で当該非接触ICユニットが起動された際に、前記判別手段は、前記所定ユニット構成部品が保護されているか否かを判別する(請求項4記載の発明)。
【0009】
前記非接触ICユニットを電子マネー機能として使用する場合に、電子マネーに関連するユーザ操作が行われた際に、前記判別手段は、前記所定ユニット構成部品が保護されているか否かを判別する(請求項5記載の発明)。
【0010】
前記所定ユニット構成部品の保護は、当該ユニットを覆う保護カバーによる保護、突出状態にある当該ユニットを引き込むことによる保護の何れかである(請求項6記載の発明)。
【0011】
請求項7記載の発明は、外部機器との間で非接触通信を行う非接触ICユニットを有した携帯端末装置であって、前記非接触ICユニットを構成するアンテナの配置位置の近傍に設けられた所定ユニット構成部品が外界から保護されているか否かを判別する判別手段と、この判別手段によって所定ユニット構成部品が保護されていないことが判別されている場合において所定状態が検出された際に、前記所定ユニット構成部品を保護する動作を開始する制御手段と、を具備したことを特徴とする。
更に、コンピュータに対して、上述した請求項7記載の発明に示した主要機能を実現させるためのプログラムを提供する(請求項13記載の発明)。
【0012】
なお、上述した請求項7記載の発明は次のようなものであってもよい。
前記所定状態の検出は、外部機器からの電磁誘導による前記非接触ICユニットの起動、ユーザ操作による前記非接触ICユニットの起動の何れかである(請求項8記載の発明)。
【0013】
前記所定状態の検出は、当該端末装置本体が手で把持されている状態において端末装置本体が下側に向けられたことの検出、端末装置本体が振り下げられたときの加速度変化の検出のうち、少なくともその何れかである(請求項9記載の発明)。
【0014】
前記所定ユニット構成部品を保護する動作は、当該ユニットを覆う保護カバーを駆動させて保護する動作、突出状態にある当該ユニットを引き込んで保護する動作の何れかである(請求項10記載の発明)。
【0015】
請求項11記載の発明は、外部機器との間で非接触通信を行う非接触ICユニットを有した携帯端末装置であって、前記非接触ICユニットとその近傍に設けられたカメラ構成ユニットとの何れか一方を選択的に覆い、かつ、電磁波の透過を防止する電磁波シールド部材によって構成された保護カバーが前記非接触ICユニットを覆っているか、前記所定ユニット構成部品を覆っているかを判別する判別手段と、この判別手段による判別結果に応じた処理を実行する処理実行手段と、を具備したことを特徴とする。
更に、コンピュータに対して、上述した請求項11記載の発明に示した主要機能を実現させるためのプログラムを提供する(請求項14記載の発明)。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、所定ユニット構成部品を保護しなければ、非接触ICユニットを使用することができず、非接触ICユニットの使用時にカメラレンズを傷つけたり、その取り付け部分を破損したりすることを確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(実施形態1)
以下、図1〜図3を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
この実施形態は、携帯端末装置として携帯電話装置に適用した場合を例示したもので、図1は、この携帯電話装置の外観図である。
携帯電話装置は、例えば、装置本体1を構成する2つの長方形の筐体(操作部筐体、表示部筐体)が開閉可能に取り付けられた折り畳み自在なもので、通話機能(音声電話機能)、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)、カメラ機能、非接触ICカード機能などを備え、図1は、長方形の各筐体を閉じた状態(クローズスタイル)において装置本体1を横長に向けた状態を示している。
【0018】
装置本体1の外表面(例えば、表示部筐体の外表面)には底浅状の段部2が形成されている。この段部2は、装置本体1を横長に向けた状態で横長となるもので、その段部2内において図中、左側領域には所定ユニット構成部品として、カメラ機能を構成するカメラ構成ユニットのレンズ3及びフラッシュ4が配置され、また、その右側領域には非接触ICカード機能を構成する非接触ICユニットのアンテナ5が配置されている。すなわち、段部2内にはカメラ構成ユニットのレンズ3と非接触ICユニットのアンテナ5とが近い位置に配置されている。
【0019】
また、この段部2の内壁面にはレール用の溝2aが形成されており、この溝2aを介して保護カバー6がスライド可能に取り付けられている。保護カバー6は、硬質な板部材から構成され、カメラ構成ユニットの不使用時にそのレンズ2などを覆うことによって外界からカメラ構成ユニットを保護するもので、その横サイズは、段部2の長さの略1/2の大きさとなっている。これによって保護カバー6は、そのスライド移動によって非接触ICユニットとその近傍に設けられたカメラ構成ユニットとの何れか一方を選択的に覆うようにしている。なお、保護カバー6は電磁波を透過することが可能な部材によって構成されている。
【0020】
図1(1)は、保護カバー6を段部2の図中左側に位置させた状態を示し、保護カバー6を非接触ICユニットのアンテナ5側に位置させることによってレンズ2が外部に露出した状態(カメラオープン状態)となる。図1(2)は、保護カバー6を段部2の図中右側に位置させた状態を示し、保護カバー6がレンズ2側に位置させることによってレンズ2が覆い隠された状態(カメラクローズ状態)となる。このカメラオープン状態(開)とカメラクローズ状態(閉)との変更は、保護カバー6をユーザ操作によって移動させることによって可能となっている。カバー開閉センサ7は、光センサ、マイクロスイッチなどによって構成され、保護カバー6の位置に応じてカメラオープン状態にあるか、カメラクローズ状態にあるかの検出を行う。なお、装置本体1設けられているサイドキー8は、カメラ構成ユニットが使用可能な状態においてシャッターボタンとして機能する。
【0021】
図2は、携帯電話装置の基本的な構成要素を示したブロック図である。
CPU11は、記憶部12内の各種のプログラムに応じて携帯電話装置の全体動作を制御する中核的な中央演算処理装置である。記憶部12は、内部メモリであり、プログラム領域とデータ領域とを有し、このプログラム領域には、後述する図3に示す動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムが格納されている。記録メディア13は、着脱自在な可搬型メモリで、例えば、SDカード、ICカードなどによって構成されている。メモリ14は、ワーク領域を有する内部メモリである。
【0022】
無線通信部15は、無線部、ベースバンド部、多重分離部などを備え、例えば、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能の動作時などで最寄りの基地局との間でデータの送受信を行うもので、通話機能の動作時にはベースバンド部の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調したのち、音声信号処理部16を介して送話スピーカSPから音声出力させ、また、受話マイクMCからの入力音声データを音声信号処理部16から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化したのち、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナから発信出力させる。
【0023】
操作部17は、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを行うもので、CPU11は、キー操作部17からのキー入力信号に応じた処理を実行する。報知部18は、サウンドスピーカ、LED(発光ダイオード)、振動モータを備え、電話・メール着信時に駆動されて着信報知を行うほか、アラーム報知時にも駆動される。カメラ構成ユニット19は、静止画撮影のほかに動画撮影も可能なもので、上述したレンズ3、フラッシュ4のほか、撮像素子、その駆動系のほか、測距センサ、光量センサ、アナログ処理回路、信号処理回路、圧縮伸張回路等を備え、光学ズームの調整制御、オートフォーカス時の駆動制御、シャッター駆動制御、露出、ホワイトバランスなどを制御するもので、その撮影画像は、高精細液晶あるいは有機ELなどを使用した表示部20から表示される。
【0024】
非接触ICユニット21は、電子マネー利用機能、交通機関の改札通過機能などの非接触ICカード機能を構成するもので、ICチップ、コイルアンテナを有し、ICリーダライタ付き外部機器30との間で非接触通信動作(データの送受信動作)を行うようにしている。なお、コイルアンテナは、電波を送受信すると共に、受信電波によって電磁誘導される起電力を非接触ICユニット21の動作電力とするもので、非接触ICユニット21は、コイルアンテナからの起電力に基づいて起動状態となる。
【0025】
非接触ICユニット21がICリーダライタ付き外部機器30からの電磁波を受信して起動状態となると、CPU11は、ICリーダライタ付き外部機器30との間で非接触ICカード処理(電子マネー支払い処理、入退場処理など)を行い、また、非接触ICユニット21がユーザ操作に応じて起動された場合には、電子マネー残高照会処理などを行う。また、CPU11は、上述のカバー開閉センサ7からの検出信号に基づいてカメラ構成ユニット19が外界から保護されているか、つまり、非接触ICユニット21のアンテナ5の近傍に設けられたカメラ構成ユニット19が保護カバー6によって外界から保護されているか否かを判別し、カメラ構成ユニット19が保護されていなければ、非接触ICユニット21の非接触通信動作を無効に設定して、それをロック状態にするようにしている。
【0026】
次に、この第1実施形態における携帯電話装置の動作概念を図3に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、このフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施形態においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用してこの実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0027】
図3は、電源投入に伴って実行開始される携帯電話装置の全体動作を示したフローチャートである。
先ず、CPU11は、電源ON(オン)操作に応じた初期化処理を実行したのち(ステップA1)、カバー開閉センサ7をアクセスして保護カバー6はカメラオープン状態であるかをチェックする(ステップA2)。ここで、カメラオープン状態であれば、非接触ICユニット21の非接触通信動作を無効に設定してロック状態としたのち(ステップA3)、報知部18を駆動してロック状態を報知するほか、ロックアイコン表示を行わせる(ステップA4)。そして、待ち受け処理に移り(ステップA5)、電話通信部5を作動させて現在位置を登録すると共に、所定の待受画像を読み出して表示出力させながら電話の着信待ち受け状態となる。この待ち受け状態において電話着信を検出すると(ステップA6でYES)、着信メロディなどを発生出力させる着信報知を行って通話可能状態とする通話処理を実行する(ステップA7)。
【0028】
待ち受け状態において保護カバー6を開閉させるユーザ操作が行われると(ステップA8でYES)、カバー開閉センサ7からの検出信号に基づいてカメラクローズ状態からカメラオープン状態への変化(閉から開への変化)であるかを調べる(ステップA9)。いま、保護カバー6を閉から開に変化させた場合、つまり、図1(2)の状態から図1(1)の状態に変化させた場合には(ステップA9でYES)、非接触ICユニット21の非接触通信動作を無効に設定してそれをロックしたのち(ステップA10)、報知部18を駆動してそのロック状態を報知するほか、ロックアイコン表示を行わせる(ステップA11)。その後、上述のステップA2に戻ってカメラオープン状態であるかを調べる。
【0029】
また、保護カバー6を“開”から“閉”に変化させた場合、つまり、図1(1)の状態から図1(2)の状態に変化させた場合には(ステップA9でNO)、非接触ICユニット21に対する自動ロック解除の設定有無を調べる(ステップA12)。この自動ロック解除設定は、保護カバー6の現在位置に応じて非接触ICユニット21を自動的にロックする機能を解除することを示す解除設定であり、この自動ロック解除が予め設定されていれば、非接触ICユニット21のロック状態を解除したのち(ステップA13)、上述のステップA2に戻る。なお、上述したロックアイコン表示は、ロック解除に応じて非表示となる。
【0030】
一方、ICリーダライタ付き外部機器30からの電磁誘導で非接触ICユニット21が起動されたときには(ステップA14でYES)、カバー開閉センサ7をアクセスしてカメラオープン状態であるかを調べ(ステップA15)、カメラクローズ状態であれば、ICカード処理を実行したのち(ステップA16)、上述のステップA2に戻るが、カメラオープン状態であれば(ステップA15でYES)、カメラクローズ状態に変更すべきことをアラーム報知すると共にその旨をメッセージ表示させたのち(ステップA20)、上述のステップA2に戻る。
【0031】
また、外部機器30からの電磁誘導によって非接触ICユニット21が起動されていなければ(ステップA14でNO)、何らかの操作が行われたかを調べる(ステップA17)。ここで、電子マネーに関連するユーザ操作として、例えば、非接触ICユニット21のロック状態を解除する操作、あるいは電子マネー残高を照会する操作などが行われた場合には(ステップA18でYES)、カバー開閉センサ7をアクセスしてカメラオープン状態かを調べ(ステップA19)、カメラオープン状態であれば、カメラクローズ状態に変更すべきことをアラーム報知すると共にその旨をメッセージ表示させたのち(ステップA20)、上述のステップA2に戻る。なお、その他の操作が行われたときには(ステップA18でNO)、その操作に対応する処理の実行に移る(ステップA21)。
【0032】
以上のように、この第1実施形態においてCPU11は、非接触ICユニット21を構成するアンテナ5の配置位置の近傍に設けられたカメラ構成ユニット19が外界から保護されているか否かを判別し、カメラ構成ユニット19が保護されていない場合には、非接触ICユニット21の非接触通信動作を無効に設定するようにしたので、非接触ICユニット21を外部機器30に接近させて非接触IC通信を行おうとしても、それを使用することができないことから、その非接触ICユニッ21の近傍位置に配置されて剥き出し状態にあるカメラ構成ユニット19を外部機器30にぶつけてカメラレンズ3を傷つけたり、その取り付け部分を破損したりすることを未然に回避することができる。言い換えれば、カメラ構成ユニット19を保護しなければ、非接触ICユニット21を使用することができず、非接触ICユニット21を使用する際にはカメラ構成ユニット19を保護することができる。
【0033】
非接触ICユニット21の非接触通信動作が無効に設定されている状態を報知するようにしたので、を保護しなければ、非接触ICユニット21を使用することができないことを知ることができる。
【0034】
保護カバー6によってカメラ構成ユニットが保護されていなければ、非接触ICユニット21の非接触通信動作を無効(ロック)に設定し、保護カバー6によってカメラ構成ユニット19が保護されていれば、非接触ICユニット21の非接触通信動作を有効(ロック解除)に設定するようにしたので、保護カバー6に連動して非接触ICユニット21のロック/ロック解除が可能となる。
【0035】
非接触ICユニット21の非接触通信動作に先立って、ICリーダライタ付き外部機器30からの電磁誘導で当該非接触ICユニット21が起動された際に、カメラ構成ユニット19が保護されているか否かを判別するようにしたので、非接触ICユニット21を使用するタイミングでカメラ構成ユニット19を保護することができる。
【0036】
非接触ICユニット21を電子マネー機能として使用する場合に、電子マネーに関連するユーザ操作が行われた際に、カメラ構成ユニット19が保護されているか否かを判別するようにしたので、非接触ICユニット21を使用するタイミングでカメラ構成ユニット19を保護することができる。
【0037】
なお、上述した第1実施形態においては、カメラ構成ユニット19を覆う保護カバー6によって当該ユニット19を保護するようにしたが、カメラ構成ユニット19の保護はこれに限らず、例えば、カメラ構成ユニット19を進退動可能に構成し、装置本体1の外表面から突出している状態から内部に引き込んだ状態とすることによってカメラ構成ユニット19を保護するようにしてもよい。
【0038】
(実施形態2)
以下、この発明の第2実施形態について図4〜図6を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態においては、カメラ構成ユニット19が保護されていない場合には、非接触ICユニット21の非接触通信動作を無効に設定するようにしたが、この第2実施形態においては、カメラ構成ユニット19が保護されていない場合において所定状態が検出した際に、カメラ構成ユニット19を保護する動作を開始するようにしたものである。
ここで、両実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0039】
図4は、第2実施形態における携帯電話装置の特徴的な構成要素を示したブロック図である。
この第2実施形態の携帯電話装置は、図示省略したが、第1実施形態と同様に、CPU11、記憶部12、記録メディア13、メモリ14、無線通信部15、音声信号処理部16、受話マイクMC、送話スピーカSP、操作部17、報知部18、カメラ構成ユニット19、表示部20、非接触ICユニット21、フラッシュ44、カバー開閉センサ7を有しているが、更に、この第2実施形態では、保護カバー6を駆動するカバー駆動部22と、装置本体1の両側に配置した両側部センサ23と、装置本体の向きを検出するほか、その加速度変化を検出する加速度センサ24を有している。
【0040】
カバー駆動部22は、例えば、保護カバー6の一端部に一方向(例えば、図1の左側方向)に引っ張るバネを設け、このバネに抗して保護カバー6を反対方向(例えば、図1の右側方向)にモータ駆動で引っ張ることで保護カバー6をスライド移動させるようにしている。図5は、両側部センサ23を説明するための図で、両側部センサ23は、装置本体1の両側にそれぞれ配置されたもので、装置本体1を手で把持した際に人体を介して当該両側部センサ23が電気的に導通することによって装置本体1が把持されたことを検出するようにしている。加速度センサ24は、非接触ICユニット21のアンテナ5が配置されている面(アンテナ面)が下側に向いていることを検出したり、このアンテナ面が下側に向いている状態での加速度変化を検出したりするようにしている。
【0041】
図6は、第2実施形態において電源投入に伴って実行開始される携帯電話装置の全体動作を示したフローチャートである。
先ず、CPU11は、上述した第1実施形態と同様に、電源ON(オン)操作に応じた初期化処理を実行したのち(ステップB1)、待ち受け処理に移り(ステップB2)、電話通信部5を作動させて現在位置を登録すると共に、所定の待受画像を読み出して表示出力させながら電話の着信待ち受け状態となる。この待ち受け状態において電話着信を検出すると(ステップB3でYES)、着信メロディなどを発生出力させる着信報知を行って通話可能状態とする通話処理を実行する(ステップB4)。
【0042】
また、待ち受け状態において何らかの操作が行われると(ステップB5でYES)、その操作に対応した処理を実行する(ステップB6)。また、待ち受け状態においてICリーダライタ付き外部機器30からの電磁誘導で非接触ICユニット21が起動されたときには(ステップB7でYES)、カバー開閉センサ7をアクセスしてカメラオープン状態かを調べ(ステップB8)、カメラオープン状態であれば、カバー駆動部22に対してクローズ指示を与えて保護カバー6を移動させ、カメラオープン状態からクローズ状態に変更させる(ステップB9)。そして、ICカード処理を実行したのち(ステップB10)、上述のステップB2に戻って待ち受け状態となる。
【0043】
また、非接触ICユニット21が起動されていなければ(ステップB7でNO)、非接触ICユニット21のアンテナ5が配置されている面(アンテナ面)が下側に向いているかを加速度センサ24からの検出信号に基づいて調べ(ステップB11)、アンテナ面が下向きであれば、両側部センサ23が導通しているか、つまり、手で装置本体1を把持しているかを調べる(ステップB12)。ここで、アンテナ面を下に向けた状態において装置本体1が手で把持されていれば(ステップB12でYES)、非接触ICユニット21を外部機器30に接近させて非接触IC通信を行おうとしている可能性が高いと判断して、ステップB13に移り、カバー開閉センサ7をアクセスしてカメラオープン状態にあるかを調べる。
【0044】
ここで、保護カバー6がカメラクローズ状態にあれば(ステップB13でNO)、上述のステップB2に戻って待ち受け状態となるが、カメラオープン状態にあれば(ステップB13でYES)、カバー駆動部22に対してクローズ指示を与えて保護カバー6を移動させ、カメラオープン状態からクローズ状態に変更させたのち(ステップB14)、カメラオープン状態からクローズ状態に変更した旨をアラーム報知させる(ステップB15)。その後、上述のステップB2に戻って待ち受け状態となる。
【0045】
また、アンテナ面を下に向けた状態であっても両側部センサ23が導通していなければ(ステップB12でNO)、加速度センサ24からの検出信号に基づいて下方向への加速度変化の有無を調べ(ステップB16)、振り下げられたときの加速度変化を検出したときには、非接触ICユニット21を外部機器30に接近させて非接触IC通信を行おうとしている可能性が高いと判断して、上述のステップB13に移る。ここで、カメラオープン状態であれば、保護カバー6を駆動させてカメラオープン状態からクローズ状態に変更させると共に、アラーム報知を行う(ステップB14、B15)。
【0046】
以上のように、この第2実施形態においてCPU11は、非接触ICユニット21を構成するアンテナ5の配置位置の近傍に設けられたカメラ構成ユニット19が外界から保護されているか否かを判別し、カメラ構成ユニット19が保護されていない場合において所定状態が検出された際に、カメラ構成ユニット19を保護する動作を開始するようにしたので、非接触ICユニッ21の近傍位置に配置されて剥き出し状態にあるカメラ構成ユニット19を外部機器30にぶつけてカメラレンズ3を傷つけたり、その取り付け部分を破損したりすることを未然に回避することができるほか、ユーザが誤って非接触ICユニット21を使用した場合でもカメラ構成ユニット19を確実に保護することができる。
【0047】
所定状態の検出を外部機器30からの電磁誘導による非接触ICユニット21の起動としたので、非接触ICユニット21の起動時にはカメラ構成ユニット19を確実に保護することができる。
【0048】
所定状態の検出を装置本体1が手で把持されている状態において装置本体1が下側に向けられたことの検出と装置本体1が振り下げられたときの加速度変化の検出としたので、装置本体1を下側に向けて振り下げた場合に、非接触ICユニット21を外部機器30に接近させて非接触IC通信を行おうとしている可能性が高いと判断してカメラ構成ユニット19を保護することができる。
【0049】
カメラ構成ユニット19を保護する動作を当該ユニット19を覆う保護カバー6を駆動させて保護する動作としたので、ユーザによる操作が不要となり、確実な保護が可能となる。
【0050】
なお、上述した第2実施形態においては、所定状態の検出を外部機器30からの電磁誘導による非接触ICユニット21の起動としたが、ユーザ操作による非接触ICユニット21の起動であってもよく、非接触ICユニット21の起動時にはカメラ構成ユニット19を確実に保護することができる。
【0051】
また、上述した第2実施形態においては、カメラ構成ユニット19を保護する動作を当該ユニット19を覆う保護カバー6を駆動させて保護する動作としたが、カメラ構成ユニット19を進退動可能に構成し、装置本体1の外表面から突出している状態から内部に引き込んだ状態とすることによってカメラ構成ユニット19を保護するようにしてもよい。これによっても特別なユーザ操作が不要となって確実な保護が可能となる。
【0052】
また、上述した第1及び第2実施形態においては、保護カバー6を非接触ICユニット21側に位置している状態で非接触ICユニット21は保護カバー6によって覆われるようになるが、保護カバー6の外表面に非接触ICユニット21のアンテナ3を配置するようにしてもよい。この場合、内部の非接触ICチップとその専用のアンテナ3とを電気的に接続するようにすればよいが、非接触ICユニット21自体を保護カバー6の外表面に配置した構成としてもよい。
【0053】
また、各実施形態に限らず、例えば、非接触ICユニット21とその近傍に設けられたカメラ構成ユニット19との何れか一方を選択的に覆い、かつ、電磁波の透過を防止する電磁波シールド部材によって構成された保護カバー6が非接触ICユニット21を覆っている状態か、カメラ構成ユニット19を覆っている状態かを判別し、その判別結果に応じた処理を行うようにしてもよい。すなわち、上述した各実施形態において保護カバー6は、図1に示すように装置本体1の外表面に形成した底浅状の段部2にスライド可能に取り付け、そのスライド移動に応じて非接触ICユニット21とカメラ構成ユニット19との何れか一方を選択的に覆うようにしたが、この保護カバー6を電磁波の透過を防止する電磁波シールド部材(例えば、銀などのコーティング)によって構成することで、保護カバー6が非接触ICユニット21を覆っている状態においては外部機器30からの電磁波を保護カバー6によって遮断する結果、その非接触通信動作を無効とする状態としてもよい。
【0054】
この場合、上述した第1実施形態と同様に、保護カバー6が非接触ICユニット21を覆っているのか、カメラ構成ユニット19を覆っているかの判別結果をメッセージ表示などによって報知するようにしてよく、また、上述した第2実施形態と同様に、保護カバー6を駆動してスライド移動させるようにしてもよい。このように保護カバー6を電磁波シールド部材で構成することで上述した第1及び第2実施形態と同様の効果を有するほか、非接触ICユニット21の非接触通信動作の無効を機械的に行うことが可能となる。
【0055】
また、上述した各実施形態においては、装置本体1の外表面に底浅状の段部2を形成して保護カバー6をスライド可能に取り付けたが、保護カバー6は、カメラ構成ユニット19のレンズ3の前面を覆う構成としてもよい。例えば、レンズ3の前面部分にそれを覆う専用の保護カバーを左右あるいは上下に移動可能に設けるようにしてもよい。
【0056】
また、上述した各実施形態においては、所定ユニット構成部品として、カメラ機能を構成するカメラ構成ユニットのレンズ3などを例示したが、所定ユニット構成部品は、カメラ構成ユニットの部品に限らず、ユーザ認証ユニットを構成する指紋センサであったり、読み取りユニットを構成する読み取りセンサなどであってよもい。
【0057】
また、上述した各実施形態においては、折りたたみ式の携帯電話装置に適用した場合を示したが、ストレート型、フリップ型、リボルバー型、回転2軸型など、そのスタイルは任意である。
その他、携帯電話装置に限らず、例えば、カメラ構成ユニット19及び非接触ICユニット21を備えたPDA、デジタルカメラ、電子腕時計、音楽再生機などの携帯端末装置であっても同様に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】携帯端末装置として適用した携帯電話装置の外観図で、(1)は、保護カバー6を段部2の図中左側に位置させた状態を示し、(2)は、保護カバー6を段部2の図中右側に位置させた状態を示した図。
【図2】携帯電話装置の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図3】電源投入に伴って実行開始される携帯電話装置の全体動作を示したフローチャート。
【図4】第2実施形態における携帯電話装置の特徴的な構成要素を示したブロック図。
【図5】両側部センサ23を説明するための図。
【図6】第2実施形態において電源投入に伴って実行開始される携帯電話装置の全体動作を示したフローチャート。
【符号の説明】
【0059】
1 装置本体
2 段部
3 レンズ
4 フラッシュ
5 アンテナ
6 保護カバー
7 カバー開閉センサ
11 CPU
12 記憶部
17 操作部
18 報知部
19 カメラ構成ユニット
20 表示部
21 非接触ICユニット
22 カバー駆動部
23 両側部センサ
24 加速度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器との間で非接触通信を行う非接触ICユニットを有した携帯端末装置であって、
前記非接触ICユニットを構成するアンテナの配置位置の近傍に設けられた所定ユニット構成部品が外界から保護されているか否かを判別する判別手段と、
この判別手段によって所定ユニット構成部品が保護されていないことが判別された場合に、前記非接触ICユニットの非接触通信動作を無効に設定する設定手段と、
を具備したことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記設定手段によって前記非接触ICユニットの非接触通信動作が無効に設定されている状態を報知する報知手段を更に設けた、
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記所定ユニット構成部品を外界から保護する保護カバーを有し、
前記判別手段は、前記所定ユニット構成部品が前記保護カバーによって保護されているか否かを判別し、
前記設定手段は、前記判別手段による判別結果、前記保護カバーによって所定ユニット構成部品が保護されていなければ、前記非接触ICユニットの非接触通信動作を無効に設定し、前記保護カバーによって所定ユニット構成部品が保護されていれば、前記非接触ICユニットの非接触通信動作を有効に設定する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記非接触ICユニットの非接触通信動作に先立って外部機器からの電磁誘導で当該非接触ICユニットが起動された際に、前記判別手段は、前記所定ユニット構成部品が保護されているか否かを判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記非接触ICユニットを電子マネー機能として使用する場合に、電子マネーに関連するユーザ操作が行われた際に、前記判別手段は、前記所定ユニット構成部品が保護されているか否かを判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項6】
前記所定ユニット構成部品の保護は、当該ユニットを覆う保護カバーによる保護、突出状態にある当該ユニットを引き込むことによる保護の何れかである、
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項7】
外部機器との間で非接触通信を行う非接触ICユニットを有した携帯端末装置であって、
前記非接触ICユニットを構成するアンテナの配置位置の近傍に設けられた所定ユニット構成部品が外界から保護されているか否かを判別する判別手段と、
この判別手段によって所定ユニット構成部品が保護されていないことが判別された場合において所定状態が検出された際に、前記所定ユニット構成部品を保護する動作を開始する制御手段と、
を具備したことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項8】
前記所定状態の検出は、外部機器からの電磁誘導による前記非接触ICユニットの起動、ユーザ操作による前記非接触ICユニットの起動の何れかである、
ことを特徴とする請求項7記載の携帯端末装置。
【請求項9】
前記所定状態の検出は、当該端末装置本体が手で把持されている状態において端末装置本体が下側に向けられたことの検出、端末装置本体が振り下げられたときの加速度変化の検出のうち、少なくともその何れかである、
ことを特徴とする請求項7記載の携帯端末装置。
【請求項10】
前記所定ユニット構成部品を保護する動作は、当該ユニットを覆う保護カバーを駆動させて保護する動作、突出状態にある当該ユニットを引き込んで保護する動作の何れかである、
ことを特徴とする請求項7記載の携帯端末装置。
【請求項11】
外部機器との間で非接触通信を行う非接触ICユニットを有した携帯端末装置であって、
前記非接触ICユニットとその近傍に設けられた所定ユニット構成部品との何れか一方を選択的に覆い、かつ、電磁波の透過を防止する電磁波シールド部材によって構成された保護カバーが前記非接触ICユニットを覆っているか、前記所定ユニット構成部品を覆っているかを判別する判別手段と、
この判別手段による判別結果に応じた処理を実行する処理実行手段と、
を具備したことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項12】
コンピュータに対して、
外部機器との間で非接触通信を行う非接触ICユニットを構成するアンテナの配置位置の近傍に設けられた所定ユニット構成部品が外界から保護されているか否かを判別する機能と、
前記所定ユニット構成部品が保護されていないことが判別された場合に、前記非接触ICユニットの非接触通信動作を無効に設定する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項13】
コンピュータに対して、
外部機器との間で非接触通信を行う非接触ICユニットを構成するアンテナの配置位置の近傍に設けられた所定ユニット構成部品が外界から保護されているか否かを判別する機能と、
前記所定ユニット構成部品が保護されていないことが判別されている場合において所定状態が検出された際に、前記所定ユニット構成部品を保護する動作を開始する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項14】
コンピュータに対して、
外部機器との間で非接触通信を行う非接触ICユニットとその近傍に設けられた所定ユニット構成部品との何れか一方を選択的に覆い、かつ、電磁波の透過を防止する電磁波シールド部材によって構成された保護カバーが前記非接触ICユニットを覆っているか、前記所定ユニット構成部品を覆っているかを判別する機能と、
この判別結果に応じた処理を実行する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−134483(P2009−134483A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−309591(P2007−309591)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】