説明

携帯端末装置

【課題】 携帯電話機に設けられているバイブレーションユニット及びハードディスク装置で一つのモータ装置を兼用可能として、部品点数の削減及び当該携帯電話機の製造コストのローコスト化を図る。
【解決手段】 モータ装置13でハードディスク装置10を回転駆動する場合には空回りをする接続子15を介して、該モータ装置13とバイブレーションユニット9とを接続する。また、モータ装置13でバイブレーションユニット9を回転駆動する場合には空回りする接続子14を介して、該モータ装置13とハードディスク装置10とを接続する。これにより、一つのモータ装置13を兼用してバイブレーションユニット9及びハードディスク装置10を排他的に駆動することができる。従って、必要とするモータ装置を一つに削減することができ、この部品点数の削減を通じて当該携帯電話機の製造コストのローコスト化を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯電話機、PHS電話機(PHS:Personal Handyphone System)、PDA装置(PDA:Personal Digital Assistant)、ノート型のパーソナルコンピュータ装置等に適用して好適な携帯端末装置に関し、特にハードディスクドライブ装置やバイブレーションユニット等のモータ装置を用いて駆動する2つの機能(装置)を一つのモータ装置を兼用して駆動可能とした携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2003−179671号の公開特許公報(特許文献1)に、バイブレータ及びハードディスク装置が設けられている通信装置において、バイブレータによる着信通知を行った際に、その振動で、ハードディスク装置のデータの入出力に異常を発生させる不都合等を防止した通信装置が開示されている。
【0003】
この通信装置の場合、着信を検出すると、ハードディスク装置のヘッドを所定の退避位置に退避させると共に、ハードディスク装置に対するアクセスを禁止したうえでバイブレータを駆動する。これにより、着信通知用のバイブレータとハードディスク装置とを排他的に動作させることができ、バイブレータによる着信通知を行う際に、その振動で、ハードディスク装置のデータの入出力に異常を発生させる不都合を防止することができる。
【0004】
【特許文献1】特開2003−179671号公報(第5頁〜第6頁:図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述の特許文献1に開示されている通信装置の場合、バイブレータを駆動させるためのモータ装置、及びハードディスク装置を駆動させるためのモータ装置の計2つのモータ装置が必要となる。このため、必要とするモータ装置の数が多い分、部品点数の増加から通信装置の製造コストが高くなる問題がある。
【0006】
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、例えばバイブレータとハードディスク装置等のように、駆動の際にモータ装置を必要とする2つの機能を、一つのモータ装置を兼用して排他的に駆動可能とすることで、必要とするモータ装置を一つとし、この部品点数の削減を通じて製造コストのローコスト化を図った携帯端末装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る携帯端末装置は、全体的或いは部分的に回転することで機能する第1の機能、及び全体的或いは部分的に回転することで機能する第2の機能を備えた携帯端末装置であって、上述の課題を解決するための手段として、
回転駆動時にそれぞれ同方向に回転する第1の回転子及び第2の回転子を備えたモータ装置と、
上記モータ装置の上記第1の回転子と上記第1の機能との間に挿入接続された第1の接続子と、
上記モータ装置の上記第2の回転子と上記第2の機能との間に挿入接続された第2の接続子と
を有する。
【0008】
そして、上記第1の機能を機能させる際に上記モータ装置が第1の回転方向に回転駆動された場合、上記第1の接続子は、上記モータ装置の第1の回転子の回転力を該第1の機能に伝達するのに対して、上記第2の接続子は、上記モータ装置の第2の回転子から上記第2の機能に伝達される回転力を遮断するように動作し、上記第2の機能を機能させる際に上記モータ装置が上記第1の回転方向とは反対の回転方向である第2の回転方向に回転駆動された場合、上記第1の接続子は、上記モータ装置の第1の回転子から上記第1の機能に伝達される回転力を遮断するのに対して、上記第2の接続子は、上記モータ装置の第2の回転子の回転力を該第2の機能に伝達するように動作する。
【0009】
これにより、一つのモータ装置を兼用して上記第1の機能及び第2の機能を排他的に動作させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、一つのモータ装置を兼用して2つの機能を排他的に駆動することができるため、2つの機能を駆動するために必要となるモータ装置を一つに削減することができ、この部品点数の削減を通じて製造コストのローコスト化を図ることができる。
【0011】
また、一方の機能に対してモータ装置の回転による駆動力を伝達している場合は、他方の機能に対するモータ装置の回転による駆動力の伝達を遮断するようになっている。このため、一方の機能を例えば右回り方向に回転駆動した際に、通常駆動時には右回り方向に回転駆動する他方の機能に対して、左回り方向の駆動力(=通常駆動時の反対回り方向の駆動力)が与えられ、他方の機能に対して過大な負荷がかかる不都合を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、携帯電話機に適用することができる。
【0013】
[携帯電話機の構成]
この本発明の実施の形態となる携帯電話機は、図1に示すように基地局との間で無線通信を行うアンテナ1及び通信回路2と、着信音や受話音声等の音響出力を得るためのスピーカ部3と、送話音声を集音するマイクロホン部4と、画像(動画像、静止画像等)や文字等を表示するための表示部5と、文字等の入力操作や所定のメニューの選択操作等を行うための操作部6、発着信等を光で知らせるための発光部7(LED:Light Emitting Diode)とを有している。
【0014】
また、この携帯電話機は、所望の被写体の静止画像或いは動画像を撮像するためのカメラ部8と、当該携帯電話機の筐体を振動させて発着信等をユーザに知らせるためのバイブレーションユニット9と、大容量メモリとしてのハードディスク装置10と、各種プログラムや情報等が記憶されたメモリ11と、当該携帯電話機全体の動作を制御する制御部12とを有している。
【0015】
上記メモリ11には、基地局を介した無線通信処理を行うための通信処理プログラム(コミュニケーションプログラム)、カメラ部8を撮像制御するためのカメラ制御プログラム、音楽データを再生するための音楽プレーヤプログラム、この音楽プレーヤプログラムで再生される音楽データ、スケジュール帳、電話帳、発着信した電子メールのデータ、電話や電子メールの発着信履歴等が記憶されている。
【0016】
[一つのモータ装置を2つの機能で兼用した構成]
バイブレーションユニット9を駆動するためのモータ装置、及びハードディスク装置10を駆動するためのモータ装置は、一つのモータ装置13で兼用されている。具体的には、図2に示すように、このモータ装置13の回転子21は、当該モータ装置13の筐体の上面部及び底面部からそれぞれ突出しており、このうち、モータ装置13の筐体の上面部から突出した回転子21は、接続子14を介してハードディスク装置10の磁気ディスクの回転軸部に接続されている。また、モータ装置13の筐体の底面部から突出した回転子21は、接続子15を介してバイブレーションユニット9の振動子に接続されている。
【0017】
〔接続子の構成〕
図3に、ハードディスク装置10側に設けられている接続子14の要部が見えるように輪切りにした状態の図を示す。この図3に示すように接続子14は、円筒形状の外部回転筐体31と、この外部回転筐体31内に設けられた内部回転筐体32とを有している。
【0018】
内部回転筐体32は、モータ装置13の回転子21に固定して設けられた回転軸部34と、モータ装置13の回転子21を中心として放射状に位置するように回転軸部34に設けられた4枚の回転羽33とを有している。一例ではあるが、この回転羽33は、楕円形状の円板部材を、それぞれ当該円板部材の中心を通り、かつ、直交する2本の直線に沿って切断した形状を有しており、それぞれ回転子21近傍となる部分を介して回転接続ピン35により回転軸部34に接続されている。
【0019】
また、回転軸部34にはストッパ36が設けられており、各回転羽33は、バネ部材により、各ストッパ36に対してそれぞれ当接する方向に付勢されている。そして、各回転羽33は、このストッパ36により、時計回り方向(図3中A方向)への回転移動が規制されるようになっている。
【0020】
一方、外部回転筐体31には、その内周壁に沿って、上記内部回転筐体32に設けられた各回転羽33と当接する当接部37が設けられている。図3の例の場合、この当接部37は、回転軸部34が図中A方向に回転した場合及び図中B方向に回転した場合のいずれの場合も各回転羽33に当接するのであるが、回転軸部34が図中B方向に回転した場合には、当接部37に当接した回転羽33の回転移動がストッパ36により規制され、回転軸部34の回転力が回転羽33及び当接部37を介して外部回転筐体31に伝達され、回転軸部34の回転と共に外部回転筐体31が回転するようになっている。
【0021】
これに対して、回転軸部34が図中A方向に回転した場合には、当接部37に当接した回転羽33が、上記バネ部材により付勢されている方向と反対の方向である図中Cの矢印で示す方向に回転移動し、回転軸部34の回転力が外部回転筐体31には伝達されず、内部回転筐体32のみが回転するようになっている。
【0022】
一方、図4は、バイブレーションユニット9側に設けられている接続子15の要部が見えるように輪切りにした状態の図である。この図4及び上記図3を見比べてわかるように、接続子14及び接続子15共に構成部材は同じなのであるが、この接続子15は接続子14に対して反対の動作を示すようになっている。
【0023】
具体的には、図4に示す接続子15の回転軸部34が図4中A方向に回転した場合には、当接部37に当接した回転羽33の回転移動がストッパ36により規制され、回転軸部34の回転力が回転羽33及び当接部37を介して外部回転筐体31に伝達され、回転軸部34の回転と共に外部回転筐体31が回転するようになっている。
【0024】
また、図4に示す接続子15の回転軸部34が図中B方向に回転した場合には、当接部37に当接した回転羽33が、上記バネ部材により付勢されている方向と反対の方向である図中Cの矢印で示す方向に回転移動し、回転軸部34の回転力が外部回転筐体31には伝達されず、内部回転筐体32のみが回転するようになっている。
【0025】
なお、図3及び図4に示した接続子14,15の例では、内部回転筐体32に設けられる回転羽33は4枚であり、この回転羽33の枚数に対応させて、外部回転筐体31には4つの当接部37を設けることとしたが、例えば「回転羽33の枚数を2枚とし当接部37の数を2つ」とし、或いは「回転羽33の枚数を6枚とし当接部37の数を6つ」とする等のように、回転羽33や当接部37の数を複数とするのであれば、設計等に応じて任意の数に変更してもよい。
【0026】
このような接続子14及び接続子15は、ハードディスク装置10を駆動するようにモータ装置13を回転駆動した場合には、このモータ装置13の回転力がハードディスク装置10にのみ伝達され(=バイブレーションユニット9にはモータ装置13の回転力が伝達されず)、バイブレーションユニット9を駆動するようにモータ装置13を回転駆動した場合には、このモータ装置13の回転力がバイブレーションユニット9にのみ伝達されるように(=ハードディスク装置10にはモータ装置13の回転力が伝達されないように)、上記ハードディスク装置10及びバイブレーションユニット9にそれぞれ設けられている。
【0027】
すなわち、ハードディスク装置10の磁気ディスクは、接続子14の外部回転筐体31に接続されており、図3に示すB方向にモータ装置13が回転駆動された場合に、内部回転筐体32の各回転羽33が外部回転筐体31の当接部37と当接し、モータ装置13の回転力が、接続子14の内部回転筐体32を介して外部回転筐体31に伝達されるように、ハードディスク装置10に対して接続子14が設けられている。
【0028】
これに対して、バイブレーションユニット9の振動子は、接続子15の外部回転筐体31に接続されているのであるが、上記ハードディスク装置10の駆動方向である上記B方向にモータ装置13が回転駆動された場合には、内部回転筐体32の各回転羽33が外部回転筐体31の当接部37に当接した際に図3中C方向に回転移動し、外部回転筐体31内を内部回転筐体32が空回りすることで、モータ装置13の回転力が外部回転筐体31に伝達されないように、バイブレーションユニット9に対して接続子15が設けられている。
【0029】
簡言すれば、ハードディスク装置10を回転駆動するようにモータ装置13を回転駆動した場合には、バイブレーションユニット9側の接続子15の内部回転筐体32が空回りするように、また、バイブレーションユニット9を回転駆動するようにモータ装置13を回転駆動した場合には、ハードディスク装置10側の接続子14の内部回転筐体32が空回りするように、該ハードディスク装置10に対しては接続子14が設けられ、バイブレーションユニット9に対しては接続子15が設けられている。
【0030】
[接続子の動作]
このような実施の形態の携帯電話機において、制御部12は、バイブレーションユニット9を振動駆動する場合と、ハードディスク装置10を回転駆動する場合とで、それぞれ極性を反転させた制御電圧をモータ装置13に供給するようになっており、例えばハードディスク装置10を回転駆動する場合には、モータ装置13を例えば「反時計回り方向」に回転駆動し、バイブレーションユニット9を回転駆動する場合には、モータ装置13を例えば「時計回り方向」に回転駆動するようになっている。
【0031】
〔ハードディスク装置を回転駆動する場合〕
まず、所定のデータの書き込み時や読み出し時にハードディスク装置10を回転駆動する場合、制御部12は、モータ装置13を上記「反時計回り方向」に回転駆動制御する。上述のように、ハードディスク装置10の磁気ディスクは、図3に示す接続子14の外部回転筐体31に接続されている。このため、モータ装置13を「反時計回り方向」に回転駆動すると、このモータ装置13の回転子21に接続された上記接続子14の内部回転筐体32が図3に示すB方向に回転駆動され、各回転羽33が外部回転筐体31の当接部37に当接する。この際、各回転羽33の回転移動は、ストッパ36により規制される。
【0032】
このため、モータ装置13の回転力が、各回転羽33及び当接部37を介して、内部回転筐体32から外部回転筐体31に伝達され、内部回転筐体32と共に外部回転筐体31が「反時計回り方向」に回転する。
【0033】
これにより、外部回転筐体31に接続されているハードディスク装置10の磁気ディスクが「反時計回り方向」に回転駆動され、所定のデータの書き込み時や読み出しが可能となる。
【0034】
一方、バイブレーションユニット9側に設けられている接続子15は、ハードディスク装置10の回転駆動時にモータ装置13の回転子21が上記「反時計回り方向」に回転駆動されると、該モータ装置13の回転子21に接続された接続子15の内部回転筐体32が、図4に示すB方向に回転する。この回転により、接続子15の内部回転筐体32に設けられている各回転羽33は、外部回転筐体31の当接部37に当接するのであるが、この当接の度合いに応じて各回転羽33は矢印C方向に回転移動し、該各回転羽33が当接部37に引っ掛かることなく、外部回転筐体31内を内部回転筐体32が空回りする。
【0035】
このため、モータ装置13の回転力は、接続子15の外部回転筐体31に接続されているバイブレーションユニット9の振動子に対しては伝達されず、バイブレーションユニット9は、見かけ上、停止状態となる。
【0036】
これにより、バイブレーションユニット9及びハードディスク装置10で、一つのモータ装置13を兼用したことで、ハードディスク装置10の回転駆動時にバイブレーションユニット9までもが振動駆動されてしまい、このバイブレーションユニット9の振動の影響で、ハードディスク装置10に対するデータの書き込みや読み出しに支障を来す不都合を防止することができる。
【0037】
〔バイブレーションユニットを振動駆動する場合〕
次に、電話着信時や携帯メールの着信時等にバイブレーションユニット9を振動駆動する場合、制御部12は、モータ装置13を上記「時計回り方向」に回転駆動制御する。上述のように、バイブレーションユニット9の振動子は、図4に示す接続子15の外部回転筐体31に接続されている。このため、モータ装置13を「時計回り方向」に回転駆動すると、このモータ装置13の回転子21に接続された上記接続子15の内部回転筐体32が図4に示すA方向に回転駆動され、各回転羽33が外部回転筐体31の当接部37に当接する。この際、各回転羽33の回転移動は、ストッパ36により規制される。
【0038】
このため、モータ装置13の回転力が、各回転羽33及び当接部37を介して、内部回転筐体32から外部回転筐体31に伝達され、内部回転筐体32と共に外部回転筐体31が「時計回り方向」に回転する。
【0039】
これにより、外部回転筐体31に接続されているバイブレーションユニット9の振動子が「時計回り方向」に回転駆動され、この振動子により、当該携帯電話機の筐体が振動されることとなる。
【0040】
一方、ハードディスク装置10側に設けられている接続子14は、バイブレーションユニット9の回転駆動時にモータ装置13の回転子21が上記「時計回り方向」に回転駆動されると、該モータ装置13の回転子21に接続された接続子14の内部回転筐体32が、図4に示すA方向に回転する。この回転により、接続子14の内部回転筐体32に設けられている各回転羽33は、外部回転筐体31の当接部37に当接するのであるが、この当接の度合いに応じて各回転羽33は矢印C方向に回転移動し、該各回転羽33が当接部37に引っ掛かることなく、外部回転筐体31内を内部回転筐体32が空回りする。
【0041】
このため、モータ装置13の回転力は、接続子14の外部回転筐体31に接続されているハードディスク装置10の磁気ディスクに対しては伝達されず、ハードディスク装置10は、見かけ上、停止状態となる。
【0042】
これにより、バイブレーションユニット9の振動駆動時には、ハードディスク装置10を停止状態とすることができ、一つのモータ装置13を兼用したことで、バイブレーションユニット9の振動駆動とハードディスク装置10の回転駆動を同時に行うことで、バイブレーションユニット9の振動の影響で、ハードディスク装置10に対するデータの書き込みや読み出しに支障を来す不都合を防止することができる。
【0043】
[実施の形態の効果]
以上の説明から明らかなように、この実施の形態の携帯電話機は、モータ装置13の筐体の上面部から突出した回転子21を、接続子14の内部回転筐体32に接続し、接続子14の外部回転筐体31をハードディスク装置10に接続し、モータ装置13の筐体の底面部から突出した回転子21を、上記接続子14とは反対の動作を行う接続子15の内部回転筐体32に接続し、接続子15の外部回転筐体31をバイブレーションユニット9に接続する。
【0044】
これにより、ハードディスク装置10を回転駆動するようにモータ装置13を回転駆動した場合には、バイブレーションユニット9側に設けられた接続子15の内部回転筐体32が外部回転筐体31内を空回りするため、モータ装置13の回転力がバイブレーションユニット9には伝達されず、ハードディスク装置10のみを回転駆動してバイブレーションユニット9を停止状態とすることができる。
【0045】
また、バイブレーションユニット9を回転駆動するようにモータ装置13を回転駆動した場合には、ハードディスク装置10側に設けられた接続子14の内部回転筐体32が外部回転筐体31内を空回りするため、モータ装置13の回転力がハードディスク装置10には伝達されず、バイブレーションユニット9のみを回転駆動してハードディスク装置10を停止状態とすることができる。
【0046】
このため、一つのモータ装置13を用いてバイブレーションユニット9及びハードディスク装置10を排他的に駆動することができる。従って、バイブレーションユニット9及びハードディスク装置10を駆動するために必要となるモータ装置を一つに削減することができ、この部品点数の削減を通じて当該携帯電話機の製造コストのローコスト化を図ることができる。
【0047】
また、バイブレーションユニット9及びハードディスク装置10を排他的に駆動することができるため、例えばバイブレーションユニット9を回転駆動した場合に、ハードディスク装置10に対して、通常の回転方向の反対方向に回転させる回転力が加わり、ハードディスク装置10に対して過大な負荷がかかる不都合を防止することができる。
【0048】
また、ハードディスク装置10の回転駆動時には、バイブレーションユニット9を停止状態とすることができるため、バイブレーションユニット9の振動がハードディスク装置10に対するデータの書き込みや読み出しに悪影響を与える不都合を防止することができる。
【0049】
[変形例]
上述の実施の形態の説明では、バイブレーションユニット9及びハードディスク装置10の2つの機能を一つのモータ装置13を兼用して駆動することとしたが、この他、例えばハードディスク装置10とDVD装置を一つのモータ装置13を兼用して駆動する等のように、他の2つの機能を一つのモータ装置を兼用して駆動するようにしてもよい。この場合でも、上述と同じ効果を得ることができる。
【0050】
また、図3を用いて説明した各接続子14、15の構成はあくまでも一例であり、一方の機能を回転駆動した場合には他方の機能に対するモータ装置の回転力の伝達を規制し、反対に他方の機能を回転駆動した場合には一方の機能に対するモータ装置の回転力の伝達を規制するような構成の手段を用いればよい。これにより、2つの機能を排他的に動作させることができるため、上述と同じ効果を得ることができる。
【0051】
また、上述の実施の形態の説明では、本発明を携帯電話機に適用することとしたが、本発明は、この携帯電話機の他、PHS電話機(PHS:Personal Handyphone System)、通信機能を有するPDA装置(PDA:Personal Digital Assistant)やノート型のパーソナルコンピュータ装置等の他の携帯端末装置に適用してもよい。この場合でも、上述と同じ効果を得ることができる。
【0052】
最後に、本発明は、本発明の一例として開示したに過ぎない上述の実施の形態に限定されることはない。このため、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、上述の実施の形態以外であっても設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論であることを付け加えておく。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明を適用した実施の形態となる携帯電話機のブロック図である。
【図2】実施の形態の携帯電話機において、バイブレーションユニット及びハードディスク装置で、一つのモータ装置が兼用されている様子を示す図である。
【図3】実施の形態の携帯電話機に設けられているハードディスク装置とモータ装置とを接続する接続子を示す図である。
【図4】実施の形態の携帯電話機に設けられているバイブレーションユニットとモータ装置とを接続する接続子を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
1 アンテナ、2 通信回路、3 スピーカ部、4 マイクロホン部、5 表示部、6 操作部、7 発光部(LED)、8 カメラ部、9 バイブレーションユニット、10 ハードディスク装置、11 メモリ、12 制御部、13 モータ装置、14 バイブレーションユニットとモータ装置とを接続する接続子、15 ハードディスク装置とモータ装置とを接続する接続子、21 モータ装置の回転子、31 外部回転筐体、32 内部回転筐体、33 内部回転筐体に設けられた回転羽、34 モータ装置の回転子に接続される内部回転筐体の回転軸部、35 回転軸部に回転羽を接続する回転接続ピン、36 回転羽の所定方向の回転移動を規制するストッパ、37 回転羽が当接する外部回転筐体の当接部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体的或いは部分的に回転することで機能する第1の機能、及び全体的或いは部分的に回転することで機能する第2の機能を備えた携帯端末装置であって、
回転駆動時にそれぞれ同方向に回転する第1の回転子及び第2の回転子を備えたモータ装置と、
上記モータ装置の上記第1の回転子と上記第1の機能との間に挿入接続された第1の接続子と、
上記モータ装置の上記第2の回転子と上記第2の機能との間に挿入接続された第2の接続子と
を有し、
上記第1の機能を機能させる際に上記モータ装置が第1の回転方向に回転駆動された場合、上記第1の接続子は、上記モータ装置の第1の回転子の回転力を該第1の機能に伝達するのに対して、上記第2の接続子は、上記モータ装置の第2の回転子から上記第2の機能に伝達される回転力を遮断するように動作し、上記第2の機能を機能させる際に上記モータ装置が上記第1の回転方向とは反対の回転方向である第2の回転方向に回転駆動された場合、上記第1の接続子は、上記モータ装置の第1の回転子から上記第1の機能に伝達される回転力を遮断するのに対して、上記第2の接続子は、上記モータ装置の第2の回転子の回転力を該第2の機能に伝達するように動作すること
を特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末装置であって、
上記第1の接続子は、
上記第1の機能に接続された第1の回転部材と、
上記モータ装置の上記第1の回転子に接続され、上記第1の機能を機能させる際に上記モータ装置が上記第1の回転方向に回転駆動された場合、該モータ装置の回転力を上記第1の回転部材に伝達し、上記第2の機能を機能させる際に上記モータ装置が上記第2の回転方向に回転駆動された場合、上記第1の回転部材に対する上記モータ装置の回転力の伝達を遮断する回転力伝達/遮断機構を備えた第2の回転部材と
を有し、
上記第2の接続子は、
上記第2の機能に接続された第1の回転部材と、
上記モータ装置の上記第2の回転子に接続され、上記第2の機能を機能させる際に上記モータ装置が上記第2の回転方向に回転駆動された場合、該モータ装置の回転力を上記第1の回転部材に伝達し、上記第1の機能を機能させる際に上記モータ装置が上記第1の回転方向に回転駆動された場合、上記第1の回転部材に対する上記モータ装置の回転力の伝達を遮断する回転力伝達/遮断機構を備えた第2の回転部材と
を有すること
を特徴とする携帯端末装置。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯端末装置であって、
上記第1の接続子の上記第1の回転部材は当接部を有し、
上記第1の接続子の上記第2の回転部材の回転力伝達/遮断機構は、上記モータ装置が上記第1の回転方向に回転駆動された場合、上記当接部に当接して、該モータ装置の回転力を上記第1の回転部材に伝達し、上記モータ装置が上記第2の回転方向に回転駆動された場合、上記当接部に当接した際に該第2の回転方向に回転移動することで、上記モータ装置から上記第1の回転部材に伝達される回転力を遮断し、
上記第2の接続子の上記第1の回転部材は当接部を有し、
上記第2の接続子の上記第2の回転部材の回転力伝達/遮断機構は、上記モータ装置が上記第2の回転方向に回転駆動された場合、上記当接部に当接して、該モータ装置の回転力を上記第1の回転部材に伝達し、上記モータ装置が上記第1の回転方向に回転駆動された場合、上記当接部に当接した際に該第1の回転方向に回転移動することで、上記モータ装置から上記第1の回転部材に伝達される回転力を遮断すること
を特徴とする携帯端末装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2007−306151(P2007−306151A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−130660(P2006−130660)
【出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【出願人】(501431073)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 (810)
【Fターム(参考)】