説明

携帯通信端末およびその情報表示方法

【課題】より有効な方位の情報をユーザに与える。
【解決手段】携帯通信端末は、現在の時刻を計る計時処理を行い、表示部155に表示されている地図が示す地域の中に現在の時刻において地磁気センサ158の検出値の精度が低下し易い精度低下地域が含まれるか否かを示す精度情報を所定の情報提供元から無線通信部150を介して取得し、該取得した精度情報を表示部155に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地理的方位を測定するための地磁気センサを備えた携帯電話機等の携帯通信端末およびその情報表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、現在地の地理的位置を確認したり、目的地までの道のりを地図によって案内する装置への要望があり、こうした要望を満たすものとして、カーナビゲーション装置が知られている。
【0003】
一般に、カーナビゲーション装置は、複数のGPS(global positioning system)衛星から送出される信号(以降、GPS信号と表記する)を受信して処理することにより現在地の地理的位置を割り出し、この現在地周辺の地図データを装置内の記憶部(DVDやハードディスク等)に格納されたデータベースから読み出して、ディスプレイに表示させている。また、車速センサとジャイロセンサを用いて車の移動軌跡を算出し、これと地図上における道路との一致程度を検出するマップマッチング処理を行って、測位の誤差を補正している。
【0004】
しかしながら、車に乗っていないときでも自らの位置を把握し、目的地までの道のりを知りたいという要望があり、こうした要望を満たすものとして、携帯電話機に簡易的なナビゲーション機能を搭載したものが登場している。
【0005】
当初、ナビゲーション機能付き携帯電話機には、方位を測定するための装置が省略されていたため、カーナビゲーション装置で一般的に行われているヘディングアップ表示(進行方向が画面の上部に向かうように地図を回転させる表示)のような使用者にとって分かり易い地図表示が困難であった。
【0006】
そこで、近年では、地磁気センサを用いて方位の測定を行い、ヘディングアップ表示を可能にしたナビゲーション機能付きの携帯電話機が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−28837号公報
【特許文献2】特開2002−328042号公報
【特許文献3】特開平10−197258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、磁気を帯びた鉄筋や鉄骨を多く使用している建築物、橋梁、地下街などや、大電流を使用する電車、発電所、工場などにおいては、地磁気センサの検出の妨げとなる強い磁界が生じている。市街地にはこうした外部磁界を生じる場所が多く存在しているため、街の中で歩行者が携帯電話機のナビゲーション機能を用いると、しばしば、外部磁界の影響によって方位の精度が低下してしまうことがある。
【0009】
一方、携帯電話機では、サイズやコストの制約から、例えばカーナビゲーション装置におけるジャイロセンサを用いた移動方向の検出などのように、地磁気センサ以外の検出方法を用いて方位の測定誤差を補正することが困難である。したがって、地磁気センサの検出誤差がそのまま方位の精度低下につながってしまうという不利益がある。
【0010】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より有効な方位の情報をユーザに与えることができる携帯通信端末およびその情報表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の観点に係る携帯通信端末は、無線通信手段と、地磁気を検出する地磁気センサと、現在地の地理的位置に関連する情報を取得する位置情報取得手段と、表示手段と、上記地磁気センサの検出値に基づいて地理的方位を算出し、該算出した方位の情報と、上記位置情報取得手段において取得される位置情報に基づいて特定される現在地の周辺の地図とを上記表示手段に表示させる制御手段と、を有する携帯通信端末であって、上記制御手段は、現在の時刻を計る計時処理を行い、上記表示手段に表示されている地図が示す地域の中に上記現在の時刻において上記地磁気センサの検出値の精度が低下し易い精度低下地域が含まれるか否かを示す精度情報を所定の情報提供元から上記無線通信手段を介して取得し、該取得した精度情報を上記表示手段に表示させる。
【0012】
本発明の第2の観点に係る携帯通信端末は、地磁気を検出する地磁気センサと、現在地の地理的位置に関連する情報を取得する位置情報取得手段と、表示手段と、上記地磁気センサの検出値に基づいて地理的方位を算出し、該算出した方位の情報と、上記位置情報取得手段において取得される位置情報に基づいて特定される現在地の周辺の地図とを上記表示手段に表示させる制御手段と、を有する携帯通信端末であって、時刻に応じた上記地磁気センサの検出値の精度が低下し易い精度低下地域の情報を記憶する記憶手段を有し、上記制御手段は、現在の時刻を計る計時処理を行い、上記計時処理により得られる現在の時刻において上記表示手段に表示されている地図が示す地域の中に上記精度低下地域が含まれるか否かを示す精度情報を上記表示手段に表示させる。
【0013】
好ましくは、上記制御手段は、上記方位の情報と上記地図とを上記表示手段に表示させる際に、上記方位の情報に応じて上記地図の向きを制御してよい。
【0014】
好ましくは、上記制御手段は、上記位置情報に基づいて特定される現在地が上記精度低下地域に含まれる場合に、上記地図を所定の方位に固定して上記表示手段に表示させてよい。
【0015】
好ましくは、上記制御手段は、上記位置情報に基づいて特定される現在地が上記精度低下地域に含まれるか否かを示す情報を上記表示手段に表示させてよい。
【0016】
好ましくは、上記制御手段は、上記方位の情報を上記表示手段に表示させているときに上記地磁気センサの検出値が所定の異常状態になった場合、該異常状態が発生した地点において上記位置情報取得手段により取得される位置情報を上記無線通信手段により上記所定の情報提供元に送信してよい。
【0017】
本発明の第3の観点に係る携帯通信端末の情報表示方法は、無線通信手段と、地磁気を検出する地磁気センサと、現在地の地理的位置に関連する情報を取得する位置情報取得手段と、上記地磁気センサの検出値に基づいて算出される地理的方位の情報と、上記位置情報取得手段において取得される位置情報に基づいて特定される現在地の周辺の地図とを表示する表示手段と、を有する携帯通信端末において情報を表示する携帯通信端末の情報表示方法であって、上記方位の情報と上記地図とを上記表示手段に表示させているときに、上記表示手段に表示されている地図が示す地域の中に現在の時刻において上記地磁気センサの検出値の精度が低下し易い精度低下地域が含まれるか否かを示す精度情報を所定の情報提供元から上記無線通信手段を介して取得する第1の工程と、上記第1の工程において取得した精度情報を上記表示手段に表示させる第2の工程とを有する。
【0018】
本発明の第4の観点に係る携帯通信端末の情報表示方法は、無線通信手段と、地磁気を検出する地磁気センサと、現在地の地理的位置に関連する情報を取得する位置情報取得手段と、上記地磁気センサの検出値に基づいて算出される地理的方位の情報と、上記位置情報取得手段において取得される位置情報に基づいて特定される現在地の周辺の地図とを表示する表示手段と、時刻に応じた上記地磁気センサの検出値の精度が低下し易い精度低下地域の情報を記憶する記憶手段と、を有する携帯通信端末において情報を表示する携帯通信端末の情報表示方法であって、現在の時刻を計る第1の工程と、上記第1の工程により得られる現在の時刻において上記表示手段に表示されている地図が示す地域の中に上記精度低下地域が含まれるか否かを示す精度情報を上記表示手段に表示させる第2の工程と、を有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、方位の精度に関連する情報を含んだ、より有効な方位の情報をユーザに与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯電話機において地理的位置および地図の情報を取得するためのシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】ナビゲーションサーバ装置が有する精度情報マップおよび補正情報マップの概念図である。
【図3】開状態にある携帯電話機の斜視図である。
【図4】閉状態にある携帯電話機の一側面からの斜視図である。
【図5】閉状態にある携帯電話機の他の側面からの斜視図である
【図6】基板実装筐体の内部における基板実装状態を示す斜視図である。
【図7】実施形態に係る携帯電話機の構成例を示すブロック図である。
【図8】GPS信号受信処理の一例を図解したフローチャートである。
【図9】第1の実施形態に係るナビゲーション処理の一例を図解したフローチャートである。
【図10】ナビゲーションサーバ装置から送信される地図情報の一例を示す図である。
【図11】携帯電話機における表示画像の回転処理の一例を図解したフローチャートである。
【図12】方位角の算出方法を説明するための図である。
【図13】第1の実施形態に係る方位算出処理の一例を図解したフローチャートである。
【図14】第2の実施形態に係る方位算出処理の一例を図解した第1のフローチャートである。
【図15】第2の実施形態に係る方位算出処理の一例を図解した第2のフローチャートである。
【図16】第3の実施形態に係るナビゲーション処理の一例を図解したフローチャートである。
【図17】第4の実施形態に係る携帯電話機において実行される地磁気検出値の異常通知処理の一例を図解したフローチャートである。
【図18】第4の実施形態に係るナビゲーションサーバ装置における精度情報の更新処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、ナビゲーション機能や撮像機能を有する多機能型の携帯電話機に本発明を適用した場合の4つの実施形態について、図面を参照しながら述べる。
【0022】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る携帯電話機100において地理的位置および地図の情報を取得するためのシステムの構成例を示すブロック図である。
【0023】
携帯電話機100は、既知の軌道を周回する3つまたはそれ以上のGPS衛星200から送信されるGPS信号を受信する。そして、受信したGPS信号に関する情報を、基地局300から通信網を経由してGPSサーバ装置401に送信し、現在地の位置情報をGPSサーバ装置401から取得する。
また、携帯電話機100は、GPSサーバ装置401から取得した現在地の位置情報を基地局300から通信網を経由してナビゲーションサーバ装置402に送信し、現在地周辺の地図の情報や、現在地における地磁気検出値の精度に関する情報(精度情報)、現在地における方位の補正に関する情報(補正情報)を、ナビゲーションサーバ装置402から取得する。
【0024】
GPSサーバ装置401は、通信網を介して携帯電話機100から送られてくるGPS信号の情報に基づいて、携帯電話機100の地理的な位置を算出する。そして、算出した位置情報を、通信網から基地局300を経由して携帯電話機100に送信する。
【0025】
ナビゲーションサーバ装置402は、通信網を介して携帯電話機100から送られてくる位置情報に基づいて、携帯電話機100周辺の地図の情報をデータベースから検索する。そして、検索した地図情報を、通信網から基地局300を経由して携帯電話機100に送信する。
【0026】
また、ナビゲーションサーバ装置402は、上述した精度情報および補正情報と位置情報とを対応付けてマップ化したデータベースである、精度情報マップMI1および補正情報マップMI2を有している。
【0027】
図2は、ナビゲーションサーバ装置402が有する精度情報マップMI1および補正情報マップMI2の概念図である。ナビゲーションサーバ装置402は、携帯電話機100から現在地の位置情報Pが与えられると、これに対応する精度情報I1(P)および補正情報I2(P)を精度情報マップMI1および補正情報マップMI2から読み出して、地図情報ともに携帯電話機100へ送信する。
なお、精度情報および補正情報のより詳しい内容と、これを用いた携帯電話機100の処理については、後ほど図9や図13を参照して説明する。
【0028】
図3、図4、および図5は、携帯電話機100の外観の一例を示す図である。
図3は、開いた状態にある携帯電話機100の斜視図であり、図4は、閉じた状態にある携帯電話機100の一側面からの斜視図であり、図5は、閉じた状態にある携帯電話機100の他の側面からの斜視図である。
【0029】
携帯電話機100は、図に示すように、第1筐体(上部筐体)2と、第2筐体(下部筐体)3とが、可動機構部4を介して開閉自在(回転自在)に連結されている。
なお、可動機構部4は、所定の回転軸を中心に、第1筐体2と第2筐体3の2つの筐体を相対的に回転可能に構成される。
【0030】
第1筐体2は、図3および図4に示すように、可動機構部4の作動状態(開状態、閉状態)にかかわりなく露出する第1面2aに例えばLCD(liquid crystal display)パネルや有機EL(electroluminescent)ディスプレイパネルからなる表示パネル21が配置される。この表示パネル21の図3中の上部には、スピーカ22が内蔵されている。
表示パネル21は、後述する表示部155に含まれる。また、スピーカ22は、後述する音声処理部156に含まれる。
【0031】
第2筐体3は、内部に基板が実装される基板実装筐体31と、基板実装筐体31の蓋体をなす蓋側筐体32とを重ね合わせて構成されている。
【0032】
第2筐体3の基板実装筐体31の外平面31a、すなわち閉状態時に第1筐体2の一面と対向する面31aには、テンキーボタン311aと、カーソルボタン311bと、決定ボタン311cとを有する操作キー311が配置されている。そして、操作キー311の図3中の下部には、マイクロフォン312が内蔵されている。
操作キー311は、後述するキー入力部154に含まれる。また、マイクロフォン312は、後述する音声処理部156に含まれる。
【0033】
第2筐体3の蓋側筐体32において開状態、閉状態にかかわりなく露出する外平面32bには、図5に示すように、その中央部より可動機構部4の連結部に近い側に、カメラモジュール34の光学系34aが配置されている。
また、第2筐体3の蓋側筐体32の外平面32aにおいて、光学系34aより更に連結部に近い側には、光学系34aと並列に、内蔵のフラッシュランプによる閃光を外部に放射するための発光窓321と、接写時等に撮影補助としての白色光を放射するための発光窓322が配置されている。
カメラモジュール34は、後述する撮像部157に含まれる。
【0034】
第2筐体3の一側部には、図3および図4に示すように、カメラモジュール用タクトスイッチ35が配置されており、第2筐体3の他方の側部には、連結部に近い側に、メモリカードを挿入するためのメモリカード用スロット33が形成されている。
【0035】
図6は、基板実装筐体31の内部31bにおける基板実装状態を示す斜視図である。
図6に示すように、基板実装筐体31の内部31bには、その底面部全体にわたって、メイン基板37が装着される。
メイン基板37上においてメモリカード用スロット33に面する位置には、着脱可能なメモリカードが装着されるメモリカード部159が実装される。
また、このメモリカード部159に隣接するメイン基板37の中央寄りの位置には、地磁気センサ158が実装される。
【0036】
図7は、本発明の実施形態に係る携帯電話機100の構成例を示すブロック図である。
図7に例示する携帯電話機100は、無線通信部150と、GPS信号受信部151と、記憶部152と、開閉判定部153と、キー入力部154と、表示部155と、音声入出力部156と、撮像部157と、地磁気センサ158と、メモリカード部159と、制御部160とを有する。
無線通信部150は、本発明の無線通信手段の一実施形態である。
GPS信号受信部151は、本発明の位置情報取得手段の一実施形態である。
記憶部152は、本発明の記憶手段の一実施形態である。
表示部155は、本発明の表示手段の一実施形態である。
地磁気センサ158は、本発明の地磁気センサの一実施形態である。
【0037】
無線通信部150は、基地局30との間の無線通信に関する処理を行う。例えば、制御部160から出力される送信データに所定の変調処理を施して無線信号に変換し、アンテナから送出する。また、アンテナにおいて受信された無線信号に所定の復調処理を施して受信データを再生し、制御部160に出力する。
【0038】
GPS信号受信部151は、GPS衛星20から送出されるGPS信号を受信して増幅、ノイズ除去、変調等の信号処理を施し、GPSサーバ装置401において位置情報を算出するために必要な情報を取得する。
【0039】
記憶部152は、制御部160において実行されるプログラムや、制御部160の処理で用いられる定数データ、一時的に記憶が必要な変数データ、撮像画像データなどを記憶する。
【0040】
開閉判定部153は、可動機構部4による第1筐体2および第2筐体3の回転の状態が、上述した開状態または閉状態の何れであるかを判定する。
例えば、開閉判定部153は、第1筐体2と第2筐体3とが重なった状態になる閉状態を検出するスイッチ等の検出器を含んでおり、閉状態とそれ以外の状態とを判別する。
【0041】
キー入力部154は、上述した操作キー311やカメラモジュール用タクトスイッチ35に対してキーを押下する等の入力操作が行われた場合、これに応じた信号を発生して制御部160に出力する。
【0042】
表示部155は、制御部160において生成される画像データに応じた画像を表示パネル21に表示させる。
【0043】
音声処理部156は、入力される音声をマイクロフォン312において電気的な音声信号に変換して増幅、アナログ−デジタル変換、符号化等の信号処理を施し、その処理結果の音声データを制御部160へ出力する。また、制御部160から入力される音声データに復号化、デジタル−アナログ変換、増幅等の信号処理を施して音声信号を生成し、これをスピーカ22において音声に変換する。
【0044】
撮像部157は、上述した光学系34aにおいて入射した像を撮像して静止画や動画の画像データを生成し、制御部160に出力する。また、制御部160の制御に従って、撮像時にフラッシュランプを点灯させ、発光窓321から放射させる。
【0045】
地磁気センサ158は、方位の算出に用いる地磁気を検出する。
例えば図6に示すように、地磁気センサ158は、メイン基板37上の固定された位置において、互いに直交する3つの方向の地磁気を検出する。すなわち、メイン基板37上に設定された所定の3軸の座標系を基準として、その各軸方向の地磁気を検出する。地磁気の検出には、例えばコイルの励磁を利用する方法や、ホール効果を利用する方法、磁気抵抗素子を利用する方法など、種々の方法が用いられる。
【0046】
本実施形態では、一例として、地磁気センサ158がアナログ−デジタル変換器を搭載しており、上述のような方法で得られる地磁気のアナログ信号を8ビットのデジタル信号に変換して出力するものとする。すなわち、3方向の地磁気の検出値を、それぞれ0から255までの整数値として出力するものとする。
【0047】
制御部160は、記憶部152に格納されるプログラムに基づいて処理を実行するコンピュータを有しており、携帯電話機100の全体的な動作に関わる種々の処理を行う。
例えば、電話機の機能に関連する処理として、キー入力部154におけるキー入力操作に応じて無線通信部150の発呼、着信のシーケンスを制御する処理や、音声処理部156において入出力される音声データを無線通信部150において送受信させる処理を行う。
データ通信機能に関連する処理としては、キー入力部154におけるキー入力操作に応じて無線通信部150を動作させて、所定のメールサーバ装置と通信を行い、電子メール等のデータのやりとりする処理を行う。
撮像機能に関連する処理としては、キー入力部154におけるキー入力操作に応じて撮像部157に静止画や動画の撮像処理を実行させる処理や、撮像された画像のデータに圧縮符号化等の画像処理を施して記憶部152に格納する処理などを行う。静止画の撮影時には、適切なタイミングでフラッシュランプを点灯させる処理も行う。
【0048】
また、制御部160は、ナビゲーション機能に関連する処理として、地磁気センサ158の検出値に基づいて地理的方位を算出する処理や、GPS信号受信部151で受信したGPS信号の情報をGPSサーバ装置401に送信して現在地の位置情報を取得する処理、この位置情報をナビゲーションサーバ装置402に送信して現在地周辺の地図の情報や精度情報、補正情報を取得する処理、取得した地図情報や精度情報を表示部155に表示させる処理、基地局300からの測位用信号と方位の算出結果とに基づいて現在地を割り出す処理、補正情報に基づいて補正された方位を算出する処理、方位の算出結果に応じて表示画面上における地図の向きを制御する処理(ヘディングアップ表示処理)などを行う。
【0049】
更に、制御部160は、ユーザに対する表示パネル21の向きが開状態と閉状態とで180度異なることに対処するため、開閉判定部153の判定結果に応じて表示部155の表示画像に回転を施す処理を行う。
【0050】
ここで、上述した構成を有する携帯電話機100の動作について、本発明に関連するナビゲーション機能を中心に説明する。
【0051】
まず、GPS信号の受信処理について述べる。
【0052】
図8は、携帯電話機100におけるGPS信号受信処理の一例を図解したフローチャートである。
【0053】
制御部160は、例えば2秒間隔といった一定のタイミングでGPS信号受信部151を制御して、衛星からのGPS信号のスキャンを行う(ステップST102,ST104)。スキャンの結果、GPS信号を受信できた場合には、その情報を記憶部152に格納する(ST106)。このようなGPS信号のスキャンと情報の格納を、受信可能な全ての衛星について繰り返す(ステップST108,ST104,ST106)。全ての衛星についてスキャンを行ったら、次のGPS信号受信タイミングまで待って、再びステップST104〜108の処理を行う。制御部160は、このようなGPS信号受信処理を、例えば電源がオンの期間において常に実行する。
【0054】
次に、ナビゲーション処理について述べる。
【0055】
図9は、携帯電話機100におけるナビゲーション処理の一例を図解したフローチャートである。
【0056】
制御部100は、例えばキー入力部154におけるキー入力操作等によってナビゲーション処理の開始が選択されると(ステップST122)、まず、上述したGPS受信処理によって得られた情報を無線通信部150から基地局300、通信網を介して、GPSサーバ装置401に送信する処理を行う(ステップST124)。
GPSサーバ装置401は、携帯電話機100からGPSの情報を受信すると、この受信したGPS情報に基づいて携帯電話機100の現在地の位置(例えば緯度、経度の情報)を算出し、その算出結果を通信網から基地局300を経由して、携帯電話機100に送信する。
携帯電話機100は、GPSサーバ装置401から送信される位置情報を受信して、記憶部152に格納する(ステップST126)。
【0057】
次に、制御部100は、無線通信部150から基地局300、通信網を介してナビゲーションサーバ装置402にアクセスし(ステップST128)、取得した位置情報をナビゲーションサーバ装置402へ送信する(ステップST130)。
ナビゲーションサーバ装置402は、携帯電話機100から位置情報を受信すると、この位置情報によって特定される携帯電話機100の現在地周辺の地図の情報をデータベースから検索し、該検索した地図情報を通信網から基地局300を経由して携帯電話機100に送信する。また、この現在地における精度情報および補正情報を図2に示すようにマップ化されたデータベースから読み出して、地図情報とともに携帯電話機100に送信する。
携帯電話機100は、ナビゲーションサーバ装置402から送信される地図情報、精度情報、補正情報を受信して、記憶部152に格納する(ステップST132)。
【0058】
図10は、ナビゲーションサーバ装置402から送信される地図情報の一例を示す図である。
本実施形態では、一例として、地図情報にそれぞれ固有の識別番号が割り当てられているものとする。ナビゲーションサーバ装置402は、この識別番号に基づいて、所定サイズ(例えば1km四方)ごとに地図のデータを管理しており、携帯電話機100へ地図情報を送信する場合には、この識別番号を地図のデータに添付して送信する。図10の例において、現在地周辺の地図は識別番号MP0であり、その四方の地図は識別番号MP1〜MP4である。
【0059】
このような地図情報を取得すると、制御部160は、取得した地図情報に基づいて現在地周辺の地図の画像データを生成し、表示部155の表示パネル21に地図を表示させる(ステップST134)。
【0060】
表示パネル21に表示される地図の領域は、例えば図10に示すように、ナビゲーションサーバ装置402から取得した1km四方の地図より狭い領域(例えば200m×300m)である。
【0061】
地図の表示方法は、例えばノースアップ表示(地図上の北を画面の上に向ける表示)とヘディングアップ表示(地図上の進行方向を画面の上に向ける表示)の何れかを選択することが可能である。
キー入力部154のキー操作によってノースアップ表示が選択された場合、制御部160は、地図の北方向を表示画面の上方向に固定させて表示部155に表示させる。
【0062】
一方、キー入力部154のキー操作によってヘディングアップ表示が選択された場合、制御部160は、後述する方位算出処理によって求めた方位に応じて、表示画面上における地図の向きを制御する処理を行う。例えば、第2筐体3のマイクロフォン312が配置される一方の端部から連結部を有する他方の端部へ向かう方向A(図3参照)を進行方向とした場合、この進行方向の方位が表示画面の上方に向かうように、表示画面上における地図の向きを制御する。
【0063】
なお、ここで述べている「表示画面の上方」は、第2筐体3を把持して携帯電話機100を利用するユーザの視点から見た場合のものであり、筐体の開、閉状態を変化させると、これに応じて「表示画面の上方」も変化する。すなわち、筐体が開状態の場合、第1筐体2におけるスピーカ22側が表示画面の上方になり、筐体が開状態の場合は、第1筐体2における連結部側が表示画面の上方になる。
制御部160は、後述するように、筐体の開、閉状態に応じて表示画面上における画像を回転させる処理を行い、ユーザに対して適切な向きに画像を表示させる。
【0064】
更に制御部160は、このステップST134において、地図の画像とともにナビゲーションサーバ装置402から取得した精度情報に基づく地磁気検出値の精度に関連する情報を、表示部155に表示させる。
【0065】
精度情報は、表示部155に表示中の地図が示す地域の中に、地磁気センサ158の検出値の精度が低下し易い精度低下地域が含まれるか否かを示す情報である。精度低下地域は地磁気検出の妨げとなる磁界の強い地域であり、例えばビルディングや地下鉄などのように、地上や地下に造られた建造物より発生する磁界の強い地域などがこれに含まれる。精度情報は、例えば、実地において地磁気以外の磁界ベクトルを測定する作業などによって予め取得されて、ナビゲーションサーバ装置402に登録される。
精度情報は、例えば、この精度情報と共にナビゲーションサーバ装置402から送信される地図の地域内に含まれる精度低下地域を、地図上の座標などによって示す。
【0066】
制御部160は、上記の精度情報を、例えば色や形などによって地図の上に視覚的に表示させる。すなわち、精度低下地域とその他の地域とが互いに異なる色や形態で表されるように構成された地図を表示部155に表示させる。
この場合、精度低下地域を含んだ地図の画像情報は、例えば予めナビゲーションサーバ装置402において生成したものを携帯電話機100に提供しても良いし、携帯電話機100の制御部160において精度情報と地図情報とを元に作成しても良い。
もしくは、単純に、ビルディングや駅の構内などの建造物の内部を精度低下地域であると仮定しても良い。この場合、精度情報は、精度低下地域としての建造物が存在する地域を示す情報であり、携帯電話機100の制御部160は、この精度情報と地図情報とを元に精度低下地域(すなわち建造物内部)とその他の地域とを互いに異なる色や形態で表示部155に表示させる。
【0067】
また、制御部160は、上記のように地図の中で精度低下地域を視覚的に表示させる他にも、例えば携帯電話機100の現在地が精度低下地域に含まれるか否かを文字や記号等により表示部155に表示させても良い。
【0068】
あるいは、表示部155に方位を表すコンパスの画像を表示させている場合、制御部160は、このコンパスが左右に振れるような動きを表示させることにより、現在地が精度低下地域内であることを示しても良い。また、コンパスの画像の形や色、サイズを変化させたり、精度低下地域内にあることを示す別の画像を表示させても良い。
【0069】
更には、ヘディングアップ表示を行っている際中に現在地が精度低下地域内に入った場合、制御部160は、ヘディングアップ表示からノースアップ表示に切り替えることによって、現在地が精度低下地域内であることをユーザに示しても良い。
【0070】
このようにして地図情報および精度情報の表示を始めると、制御部160は、キー入力部154のキー操作によってナビゲーション処理の終了が選択されるまでの間、次に述べるステップST138以降の処理を繰り返す(ステップST136)。
【0071】
まず、制御部160は、携帯電話機100周囲の複数(例えば3つ以上)の基地局300から送出される測位用の基準信号に基づいて、現在地の位置を算出する(ステップST138)。そして、現在地の算出結果から携帯電話機100の移動の有無を判定し(ステップST140)、携帯電話機100が移動していないと判定した場合は、基地局300からの基準信号に基づく現在地の算出を引き続き行う(ST138)。
【0072】
ステップST140において、携帯電話機100が移動したと判定した場合、制御部160は、その移動先の地点が現在取得している地図の端の領域にあるか否かを判定する(ステップST142)。例えば、表示部155に表示すべき地図の一部が、現在取得している地図に含まれておらず、これに隣接する地図に含まれている場合、現在地が地図の端の領域にあると判定する。
現在地が端領域にあると判定した場合、制御部160は、この端領域に隣接する地図をナビゲーションサーバ装置146に要求する(ステップST146)。例えば、現在取得中の地図の識別番号と、この地図に対して東西南北の何れの方位に隣接するかを指示する情報とを、ナビゲーションサーバ装置146に送信する。
ナビゲーションサーバ装置146は、携帯電話機100から送られるこれらの情報に応じた地図をデータベースから検出して、携帯電話機100に送信する。また、この地図情報に付随させて、新しい精度情報および補正情報を携帯電話機100に送信する。
携帯電話機100は、ナビゲーションサーバ装置402から送信される地図情報、精度情報および補正情報を受信して記憶部152に格納し(ステップST132)、この地図情報および精度情報を表示部155に表示させる(ステップST134)。その後は、ステップST138以降の処理を繰り返す。
また、現在地が端領域にないと判定した場合、制御部160は、算出した現在地に応じて、例えば現在地が地図の中心となるように地図の表示領域を移動させる処理を行い、その後は、ステップST138以降の処理を繰り返す。
【0073】
次に、筐体の開、閉状態に応じた表示画像の回転処理について述べる。
【0074】
図11は、携帯電話機100における表示画像の回転処理の一例を図解したフローチャートである。
【0075】
制御部160は、電源がオンの間、開閉判定部153において判定される開閉状態を常に監視する(ステップST162)。そして、開閉判定部153において閉状態でないこと(すなわち開状態)が判定されると、第1筐体2におけるスピーカ22側が画像の上方となる向きで、表示パネル21に画像を表示させる(ステップST166)。
この開状態における表示を通常表示とすると、開閉判定部153において閉状態が判定された場合、制御部160は、通常表示における画像を180度回転させて表示パネル21に表示させる(ステップST164)。すなわち、第1筐体2における連結部側が画像の上方となる向きで、表示パネル21に画像を表示させる。
このような表示画像の回転処理によって、筐体の開、閉状態によらず常にユーザの見易い向きで表示部155に画像を表示させることができる。
【0076】
次に、方位の算出処理について述べる。
ここでは、まず、図12を参照して方位の算出方法の概略を述べ、その後、図13を参照して制御部160における方位算出処理を述べる。
【0077】
図12は、方位角の算出方法を説明するための図である。
図12において、座標軸Hx、Hy、Hzを有する直角座標系は、地平面上に設定される基準の座標系である。すなわち、座標軸HxおよびHyは地平面に平行な座標軸であり、それぞれ所定の方位を向く。また、座標軸Hzは地平面に垂直な方向を向く座標軸である。
方位角θは、第2筐体3のメイン基板37上に設定される地磁気検出の基準方向(例えば図3における方向A)のベクトルを地平面に正射影した像Zxyと座標軸Hxとのなす角度である。傾斜角φは、この像Zxyと基準方向Aのベクトルとのなす角度である。また、ひねり角ηは、基準方向Aのベクトルを回転軸として携帯電話機100をその周りに回転させた角度である。
方位角θ、傾斜角φ、ひねり角ηが何れもゼロの場合、第2筐体3のメイン基板37上に設定される地磁気検出の座標系は、図12に示す座標軸Hx、Hy、Hzの座標系と一致する。
【0078】
ここで、座標軸Hxに対応する地磁気の検出値をα、座標軸Hyに対応する地磁気の検出値をβ、座標軸Hzに対応する地磁気の検出値をγとすると、図12に示す方位角θの正接tanθは次式で表される。
【0079】
(数1)
tanθ=β/(γ・sinφ−α・cosφ) … (1)
【0080】
ただし、式(1)において、ひねり角ηはゼロとしている。
制御部160は、例えば式(1)に示すような関係を用いて、地磁気センサ158から得られる3方向の地磁気の検出値から方位角を算出する。
【0081】
制御部160は、上述した方位の算出にあたって、地平面に対する表示パネル21の傾斜角も加味する。
一般のユーザは、表示パネル21を例えば45度程度の角度で傾けたときに、楽な姿勢で表示パネル21の画像を見ることができる。そこで、制御部160は、地平面に対する表示パネル21の傾斜角が例えば45度になるときの傾斜角φを用いて、式(1)により方位を算出する。
【0082】
なお、制御部160は、開状態と閉状態とにおいて地平面に対する地磁気センサ158の傾斜角が異なる場合、この傾斜角の違いを考慮して、それぞれの状態の方位角を算出しても良い。
例えば、閉状態において第1筐体2と第2筐体3とがほぼ平行に重なるのに対し、開状態において第1筐体2と第2筐体3とが相対的に傾斜する(例えば「く」字状に傾く)ように、2つの筐体が連結されているものとする。この場合、ユーザが、両方の操作スタイルで表示パネル21に対する視線の方向を一定に保とうとすると、地平面に対する第2筐体3の傾斜は、開状態と閉状態とで異なる。第2筐体3の傾斜が異なるということは、地平面に対する基準方向Aの傾斜が開,閉状態において異なることを意味する。そこで、制御部160は、開閉判定部153の判定結果に応じた所定の角度の傾斜角φを用いて、方位の算出を行う。この傾斜角φは、開状態および閉状態の何れにおいても、地平面に対する表示パネル21の傾斜角が例えば45度で一定となるように設定された角度である。
【0083】
傾斜角の情報は、例えばデータテーブルとして記憶部152に予め格納される。方位の検出が行われる場合、制御部160は、開閉判定部153の判定結果に関連付けられた傾斜角の情報をこのデータテーブルから読み出し、この情報に基づいて方位の算出を行う。
【0084】
図13は、携帯電話機100における方位算出処理の一例を図解したフローチャートである。
【0085】
キー入力部154におけるキー入力操作等によってナビゲーション処理の開始が選択されると(ステップST202)、制御部160は、ナビゲーションサーバ装置402から取得した精度情報に基づいて、携帯電話機100の現在地が精度低下地域に含まれるか否かを判定する(ステップST204)。
【0086】
ナビゲーションサーバ装置402から取得する精度情報は、例えば、ナビゲーションサーバ装置402から送られてくる地図上における精度低下地域の座標の情報(地図上の領域を示す座標範囲の情報など)を含んでいる。
この場合、制御部160は、精度情報に含まれる座標の情報から、携帯電話機100の現在地が精度低下地域に含まれるか否かを判定する。
【0087】
携帯電話機100の現在地が精度低下地域に含まれると判定した場合、制御部160は、ナビゲーションサーバ装置402から取得した補正情報に基づいて、現在地の磁界の状態が補正処理によって方位を算出できる状態にあるか否か判定し(ステップST206)、方位の算出が可能な状態と判定した場合、補正情報を用いて方位を算出する。
【0088】
補正情報は、携帯電話機100の現在地における磁界の状態に応じた方位の補正を行うための情報であり、例えば、現在地において方位の算出が可能であるか否かを示すフラグ情報と、方位の補正値とを含んでいる。
制御部160は、ステップST206において、方位の算出が可能であるか否かをフラグ情報に基づいて判定する。そして、算出可能と判定した場合、ステップST208において、補正値に基づいて補正された方位を算出する。
【0089】
制御部160は、補正された方位を算出する場合、例えば、式(1)に基づいて方位を算出した結果に、補正情報として取得した正または負の補正値を加える。この補正値は、例えば、実地において地磁気以外の磁界ベクトルを測定する作業などによって予め取得されて、ナビゲーションサーバ装置402に登録される。
【0090】
なお、補正情報は、上記のようなフラグ情報を持たずに、補正値を使ってフラグ情報と同等の内容を表しても良い。例えば、補正値が所定のしきい値より大きい(もしくは小さい)ことをもって、現在地における方位の算出ができないことを表しても良い。
【0091】
ステップST204において現在地が精度低下地域内にないと判定した場合、制御部160は、上述した補正情報の補正値を用いずに、例えば式(1)に基づいて方位を算出する。
ステップST206において現在地の方位算出の算出ができないと判定した場合、制御部160は、方位の算出を行わずに、次に述べるステップST212へ進む。
【0092】
ステップST208またはST201において方位を算出した後、もしくはステップST206において方位の算出をパスした後、制御部160は、キー入力部154の操作等によってナビゲーション処理の終了が選択されているかどうかを調べ(ステップST212)、当該処理が続くと確認した場合、上述したステップST204〜ST210の処理を繰り返す。
【0093】
以上説明したように、本実施形態によれば、方位の情報と地図とを表示部155に表示させているときに、表示中の地図が示す地域の中に地磁気センサ158の検出値の精度が低下し易い精度低下地域が含まれるか否かを示す精度情報がナビゲーションサーバ装置402から取得されて、表示部155に表示される。
これにより、現在表示されている方位の情報の精度が低いか否かをユーザが正しく把握できるようになる。例えば、方位の情報の精度が低い場合、画面に表示中の方位を参考にせずに、地図に表示されている情報と周囲の風景とを見比べて方位を把握するなど、別の方法により方位の見当を付けるべきことがユーザにとって明確になるため、ナビゲーション機能の使い易さを向上させることができる。
【0094】
また、本実施形態によれば、方位の情報と地図とを表示部155に表示させているときに、携帯電話機100の現在地における磁界の状態に応じた方位の補正情報がナビゲーションサーバ装置402から取得され、この補正情報に基づいて補正された方位が算出される。
したがって、街中でのナビゲーション時において問題となる、建物等が発生する磁界による方位の誤差を、精度良く補正することが可能になる。これにより、建物が密集するような地磁気検出にとって厳しい環境であっても、方位の情報を精度良くユーザに表示することが可能になり、ナビゲーション機能の使い易さをより一層向上させることができる。
【0095】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態を述べる。
第2の実施形態では、時間帯に応じて変化する磁界の状態が反映された精度情報や補正情報に基づいて方位の情報の表示や方位の補正が行われる。
【0096】
ここで、第2の実施形態に係るナビゲーションシステムは図1と同様な構成を有し、第2の実施形態に係る携帯電話機は図3〜図7に示す携帯電話機100と同様な構成を有するものとする。
以下では、第1の実施形態と異なる本実施形態のナビゲーション処理を説明する。
【0097】
図14および図15は、第2の実施形態に係る携帯電話機100のナビゲーション処理の一例を図解したフローチャートである。
図9と図14および図15とにおける同一の符号は、同一内容の処理を示す。両者の違いは、図9に示すステップST132が図14においてステップST148に置き換えられている点と、図15においてステップST150が追加されている点にある。
【0098】
ナビゲーションサーバ装置402は、例えば上述した精度情報マップや補正情報マップを、複数の異なる時間帯について有している。そして、携帯電話機100から地図情報、精度情報および補正情報の要求を受けると、GPS信号などに基づく計時処理によって計測した現在時刻に対応する精度情報マップおよび補正情報マップ精度情報から精度情報および補正情報を読み出して、地図情報とともに携帯電話機100に送信する。
携帯電話機100は、ナビゲーションサーバ装置402から送信される現在地周辺の地図情報ならびに現在時刻の精度情報および補正情報を受信して、記憶部152に格納し(ステップST148)、既に述べたステップST134以降の処理を行う。
【0099】
また、ステップST140において端末が移動していないと判定した場合や、ステップST142において現在地が地図の端領域にないと判定してステップST114の表示領域の移動を行った場合、制御部160は、ナビゲーションサーバ装置402から新たな精度情報および補正情報を取得すべきか否かの判定を行う(ステップST150)。
この処理は、時間帯に応じた適切な精度情報および補正情報をナビゲーションサーバ装置402から取得するための処理であり、例えば一定時間を経過する度に精度情報および補正情報を取得すべきとの判定を行う。
新たな精度情報および補正情報を取得すべきと判定した場合、制御部160は、ステップST148に処理を移して、ナビゲーションサーバ装置402から現在時刻の精度情報および補正情報の取得を行い、ステップST134以降の処理を繰り返す。
新たな精度情報および補正情報を取得する必要がないと判定した場合、制御部160は、ステップST136に処理を移して、ナビゲーション処理の終了が選択されたか否かの確認を行い、ナビゲーション処理が続行する場合には、ステップST138以降の処理を繰り返す。
【0100】
以上説明したように、本実施形態によれば、同一の地点や同一の地域においても時間帯に応じて異なる磁界の状態が反映された精度情報を用いて、精度低下地域の表示が行われるため、より正確な方位の精度をユーザに知らせることができる。例えば、通勤時間帯とそうでない時間帯における鉄道周辺や、稼動時間帯とそうでない時間帯における工場周辺の磁界の状態などが加味された、より正確な方位の精度をユーザに知らせることができる。
【0101】
また、時間帯に応じて異なる磁界の状態が反映された補正情報を用いて方位の補正が行われるため、より正確な方位の情報をユーザに提供することができる。
【0102】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態を述べる。
第3の実施形態では、精度情報や補正情報が端末側の記憶手段に記憶される。
【0103】
ここで、第3の実施形態に係る携帯電話機は図3〜図7に示す携帯電話機100と同様な構成を有するものとする。
ただし、第3の実施形態に係る携帯電話機は、図1に示すGPSサーバ装置401やナビゲーションサーバ装置402にアクセスせず、自端末内の記憶部152に、これらのサーバ装置で得られる情報(地図情報、精度情報、補正情報)を格納するものとする。
以下では、第1および第2の実施形態と異なる本実施形態のナビゲーション処理を説明する。
【0104】
図16は、第3の実施形態に係る携帯電話機100のナビゲーション処理の一例を図解したフローチャートである。
【0105】
制御部100は、例えばキー入力部154におけるキー入力操作等によってナビゲーション処理の開始が選択されると(ステップST302)、まず、図8と同様なGPS受信処理によって得られる情報に基づいて、携帯電話機100の現在地の位置(例えば緯度、経度の情報)を算出する(ステップST304)。
【0106】
次に、制御部100は、ステップST304で算出した位置情報によって特定される携帯電話機100の現在地周辺の地図の情報を記憶部152内のデータベースから取得する。
また、制御部100は、GPS信号等に基づいて現在時刻を計測する計時処理を行い、この計時処理で求めた現在時刻に対応する記憶部152内の精度情報マップおよび補正情報マップより、現在時刻における精度情報および補正情報を取得する(ステップST306)。
【0107】
記憶部152から地図情報を取得すると、制御部160は、取得した地図情報に基づいて現在地周辺の地図の画像データを生成し、表示部155の表示パネル21に地図を表示させる(ステップST308)。地図の表示方法は、例えばノースアップ表示やヘディングアップ表示といった表示方法から選択可能である。
【0108】
更に制御部160は、このステップST308において、地図の画像とともに記憶部152から取得した精度情報を表示部155に表示させる。例えば、精度低下地域とその他の地域とが互いに異なる色や形態で表されるように構成された地図を表示部155に表示させても良いし、携帯電話機100の現在地が精度低下地域に含まれるか否かを文字や記号等により表示部155に表示させても良い。
【0109】
このようにして地図情報および精度情報の表示を始めると、制御部160は、キー入力部154のキー操作によってナビゲーション処理の終了が選択されるまでの間、次に述べるステップST312以降の処理を繰り返す(ステップST310)。
【0110】
まず、制御部160は、携帯電話機100周囲の複数の基地局300から送出される測位用の基準信号に基づいて、現在地の位置を算出する(ステップST312)。
そして、現在地の算出結果から携帯電話機100の移動の有無を判定し(ステップST314)、携帯電話機100が移動したと判定した場合は、その移動先の地点が現在取得している地図の端の領域にあるか否かを更に判定する(ステップST142)。例えば、表示部155に表示すべき地図の一部が、現在取得している地図に含まれておらず、これに隣接する地図に含まれている場合、現在地が地図の端の領域にあると判定する。
現在地が端領域にあると判定した場合、制御部160は、この端領域に隣接する地図情報と、この地図の領域に対応する精度情報および補正情報を記憶部152から取得し(ステップST306)、取得した地図情報および精度情報を表示部155に表示させる(ステップST308)。その後は、ステップST312以降の処理を繰り返す。
現在地が端領域にないと判定した場合、制御部160は、算出した現在地に応じて、例えば現在地が地図の中心となるように地図の表示領域を移動させる処理を行った後(ステップST318)、後述するステップST320に移る。
【0111】
ステップST314において端末が移動していないと判定した場合や、ステップST316において現在地が地図の端領域にないと判定してステップST318の表示領域の移動を行った場合、制御部160は、記憶部152から新たな精度情報および補正情報を取得すべきか否かの判定を行う(ステップST320)。
この処理は、時間帯に応じた適切な精度情報および補正情報を記憶部152から取得するための処理であり、例えば一定時間を経過する度に精度情報および補正情報を取得すべきとの判定を行う。
新たな精度情報および補正情報を取得すべきと判定した場合、制御部160は、ステップST306に処理を移して、記憶部152から現在時刻の精度情報および補正情報の取得を行い、ステップST308以降の処理を繰り返す。
新たな精度情報および補正情報を取得する必要がないと判定した場合、制御部160は、ステップST310に処理を移して、ナビゲーション処理の終了が選択されたか否かの確認を行い、ナビゲーション処理が続行する場合には、ステップST312以降の処理を繰り返す。
【0112】
以上説明したように、精度情報や補正情報を端末側の記憶部に格納する場合においても、第1の実施形態や第2の実施形態と同様に、正確な方位の情報とその精度の情報をユーザに提供することができる。
【0113】
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態を述べる。
第4の実施形態では、端末において発生した地磁気検出値の異常の情報がサーバ装置に通知され、この通知情報に応じて、サーバ装置の精度情報が更新される。
【0114】
ここで、第4の実施形態に係るナビゲーションシステムは図1と同様な構成を有し、第4の実施形態に係る携帯電話機は図3〜図7に示す携帯電話機100と同様な構成を有するものとする。
以下では、第1または第2の実施形態に対して追加される処理である、本実施形態の地磁気検出値の異常通知処理および精度情報の更新処理について説明する。
【0115】
図17は、本実施形態に係る携帯電話機100において実行される地磁気検出値の異常通知処理の一例を図解したフローチャートである。
【0116】
キー入力部154におけるキー入力操作等によってナビゲーション処理の開始が選択されると(ステップST402)、制御部160は、地磁気センサ158の検出値が所定の異常状態になっているか調べる(ステップST404)。
例えば、'0'〜'255'までの整数値で表現される8ビットの地磁気検出値の何れか1つにオーバーフローが生じている状態(検出値が最小値'0'や最大値'255'に張り付く状態)や、地磁気検出値の何れか1つが所定の正常範囲を外れている状態を、異常状態として検知する。
【0117】
制御部160は、このような地磁気検出値の異常状態を検知すると、該検知の時点から異常状態が持続する時間を計測する(ステップST406)。そして、異常状態が所定時間(例えば5秒間)以内で終了した場合、制御部160は、外部磁界によって地磁気検出値に誤差が生じたと判断し(ステップST408)、現在地の位置情報をナビゲーションサーバ装置402に通知する(ステップST410)。
例えば携帯電話機100をスピーカ等の強い磁界を発生する物に近づけることによって携帯電話機100が磁気を帯びてしまった場合、地磁気センサ158の検出値は、定常的に誤差(オフセット誤差)を生じた状態になる。このようなオフセット誤差は、例えば携帯電話機100を回転させながら地磁気の検出を行い、回転に応じた地磁気センサ検出値のベクトル軌跡を求めることによって容易に算出することできる。制御部160は、オフセット誤差を算出して補正する処理を例えば一定時間ごとに実行して、携帯電話機100の着磁による方位算出値の精度低下を抑制する。
一方、外部磁界によって生じる地磁気検出値の異常は、オフセット誤差のように定常的に続くことはあまりなく、通常は一過性のものであることが多い。例えば、通過する車や電車が発生する磁界を地磁気センサ158において検出すると、その検出値は一時的に異常な状態(オーバーフロー状態等)になる。また、例えば、ユーザが歩行しながらナビゲーションを行う場合に磁界を発生する建物の横を通り過ぎるときなども、地磁気センサ158の検出値は一時的に異常な状態になる。
こうした外部磁界による地磁気検出値の誤差は、オフセット誤差のように携帯電話機100を回転させる方法では補正できないため、方位算出値の精度低下につながる。
そこで、制御部160は、地磁気検出値に一時的にオーバーフロー等の異常が起きる場合、外部磁界による地磁気検出値の異常が生じたと判断して、この異常が生じた位置をナビゲーションサーバ装置402に通知する。
【0118】
サーバ装置402に地磁気検出値の異常を通知した後、制御部160は、ナビゲーション処理の終了が選択されているかどうかを調べ(ステップST412)、当該処理が続くと確認された場合、上述したステップST404〜ST410の処理を繰り返す。
また、ステップST404において地磁気検出値の異常状態が検知されない場合や、ステップST408において所定時間以上にわたって地磁気検出値の異常状態が続いたと判定された場合、同様にナビゲーション処理の続行を確認した上で、ステップST404〜ST410の処理を繰り返す。
【0119】
図18は、本実施形態に係るナビゲーションサーバ装置402における精度情報の更新処理の一例を図解したフローチャートである。
ナビゲーションサーバ装置402は、携帯電話機100から地磁気検出値の異常発生地点の通知を受信し(ステップST502)、この受信した通知に基づいて、精度情報マップにおける精度情報を更新する(ステップST504)。例えば、所定サイズの範囲(数m四方などの範囲)において一定時間内に所定数の携帯電話機から地磁気検出値異常の通知を受けた場合、この異常発生頻度が高い範囲を精度低下地域として精度情報マップに登録する。このような登録処理を、例えば、所定の時間帯ごとに定めた精度情報マップに対して行う。
【0120】
以上説明したように、本実施形態によれば、方位の情報を表示部155に表示させているときに地磁気センサ158の検出値が所定の異常状態になった場合、この異常状態が発生した地点における位置情報が携帯電話機100からナビゲーションサーバ装置402に提供される。ナビゲーションサーバ装置402では、携帯電話機100から提供される地磁気検出値の異常状態発生地点の位置情報に基づいて、該地点について予め保持している精度情報が更新される。
そのため、新しい建造物の出現などによって刻々と変化する街中の磁界の状況を的確に精度情報に反映することができるため、より正確な方位の精度の情報をユーザに提供することができる。
また、ナビゲーションサーバ装置402において精度情報の更新状態を調べることにより、街中の磁界変化の状況を容易に把握することができるため、精度情報や補正情報を取得するための実地の磁界測定等を行う場合、磁界変化の著しい地域に絞って作業を行うことができるため、作業負担を軽減することができる。
【0121】
ここまで、本発明の幾つかの実施形態について述べてきたが、本発明は上述した形態にのみ限定されるものではなく、種々のバリエーションを含む。
【0122】
上述の実施形態では、地磁気センサ158において3方向の地磁気が検出される例を示したが、これに限らず、例えば2方向でも良い。
【0123】
図13に示す方位算出処理では、精度低下地域内でのみ補正情報に基づいた補正を行っているが、これに限らず、精度低下地域以外の通常地域において補正情報に基づいた補正を行っても良い。
【0124】
上述の実施形態では、携帯電話機100において地図の回転処理(例えばヘディングアップ表示など)を行っているが、これに限らず、例えば携帯電話機100がナビゲーションサーバ装置402に対して地図の表示の向きを指定して地図情報を要求し、ナビゲーションサーバ装置402が、携帯電話機100から要求に応じた向きの地図情報を生成して携帯電話機100に提供しても良い。
すなわち、制御部160は、地磁気検出値に基づき算出した方位に応じた地図の画像情報を、ナビゲーションサーバ装置402から取得して表示部155に表示させる処理を行い、この処理中に、現在地が精度低下地域内に入った場合、算出した方位とは関係なく予め設定された方位の地図の画像情報を、ナビゲーションサーバ装置402から取得して表示部155に表示させても良い。
【0125】
上述の実施形態では、制御部160の処理がコンピュータによってプログラムに基づいて実行される例を示したが、これらの処理の少なくとも一部をコンピュータによらずにハードウェアを用いて実行させることも可能である。
逆に、制御部160以外の他のユニットにおける少なくとも一部の処理を、制御部160のコンピュータにおいて実行させても良い。
【0126】
また、上述の実施形態では、第1筐体と第2筐体とが回転自在に連結される携帯電話機を例として示しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、2つの筐体が折り畳み可能やスライド可能に連結されていても良いし、1つの筐体に表示部とキー操作部とを備える構造でも良い。
【0127】
また、本発明の携帯通信端末は携帯電話機に限定されない。例えば、PDAなど、通信機能を有する携帯型の端末装置に広く本発明は適用可能である。
【0128】
なお、以上においては、説明の簡単化のために、本発明を第1乃至第4の実施形態に分けて述べているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明は、各々の形態を単独に有するものの他、これらの形態を任意に組み合わせたものも含む。
【符号の説明】
【0129】
2…第1筐体、3…第2の筐体、4…可動機構部、21…表示パネル、100…携帯電話機、200…GPS衛星、300…基地局、401…GPSサーバ装置、402…ナビゲーションサーバ装置、150…無線通信部、151…GPS信号受信部、152…記憶部、153…開閉判定部、154…キー入力部、155…表示部、156…音声処理部、157…撮像部、158…地磁気センサ、159…メモリカード部、160…制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信手段と、
地磁気を検出する地磁気センサと、
現在地の地理的位置に関連する情報を取得する位置情報取得手段と、
表示手段と、
上記地磁気センサの検出値に基づいて地理的方位を算出し、該算出した方位の情報と、上記位置情報取得手段において取得される位置情報に基づいて特定される現在地の周辺の地図とを上記表示手段に表示させる制御手段と、
を有する携帯通信端末であって、
上記制御手段は、現在の時刻を計る計時処理を行い、上記表示手段に表示されている地図が示す地域の中に上記現在の時刻において上記地磁気センサの検出値の精度が低下し易い精度低下地域が含まれるか否かを示す精度情報を所定の情報提供元から上記無線通信手段を介して取得し、該取得した精度情報を上記表示手段に表示させる
ことを特徴とする携帯通信端末。
【請求項2】
地磁気を検出する地磁気センサと、
現在地の地理的位置に関連する情報を取得する位置情報取得手段と、
表示手段と、
上記地磁気センサの検出値に基づいて地理的方位を算出し、該算出した方位の情報と、上記位置情報取得手段において取得される位置情報に基づいて特定される現在地の周辺の地図とを上記表示手段に表示させる制御手段と、
を有する携帯通信端末であって、
時刻に応じた上記地磁気センサの検出値の精度が低下し易い精度低下地域の情報を記憶する記憶手段を有し、
上記制御手段は、現在の時刻を計る計時処理を行い、上記計時処理により得られる現在の時刻において上記表示手段に表示されている地図が示す地域の中に上記精度低下地域が含まれるか否かを示す精度情報を上記表示手段に表示させる
ことを特徴とする携帯通信端末。
【請求項3】
上記制御手段は、上記方位の情報と上記地図とを上記表示手段に表示させる際に、上記方位の情報に応じて上記地図の向きを制御する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の携帯通信端末。
【請求項4】
上記制御手段は、上記位置情報に基づいて特定される現在地が上記精度低下地域に含まれる場合に、上記地図を所定の方位に固定して上記表示手段に表示させる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の携帯通信端末。
【請求項5】
上記制御手段は、上記位置情報に基づいて特定される現在地が上記精度低下地域に含まれるか否かを示す情報を上記表示手段に表示させる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の携帯通信端末。
【請求項6】
上記制御手段は、上記方位の情報を上記表示手段に表示させているときに上記地磁気センサの検出値が所定の異常状態になった場合、該異常状態が発生した地点において上記位置情報取得手段により取得される位置情報を上記無線通信手段により上記所定の情報提供元に送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯通信端末。
【請求項7】
無線通信手段と、地磁気を検出する地磁気センサと、現在地の地理的位置に関連する情報を取得する位置情報取得手段と、上記地磁気センサの検出値に基づいて算出される地理的方位の情報と、上記位置情報取得手段において取得される位置情報に基づいて特定される現在地の周辺の地図とを表示する表示手段と、を有する携帯通信端末において情報を表示する携帯通信端末の情報表示方法であって、
上記方位の情報と上記地図とを上記表示手段に表示させているときに、上記表示手段に表示されている地図が示す地域の中に現在の時刻において上記地磁気センサの検出値の精度が低下し易い精度低下地域が含まれるか否かを示す精度情報を所定の情報提供元から上記無線通信手段を介して取得する第1の工程と、
上記第1の工程において取得した精度情報を上記表示手段に表示させる第2の工程と
を有することを特徴とする携帯通信端末の情報表示方法。
【請求項8】
無線通信手段と、地磁気を検出する地磁気センサと、現在地の地理的位置に関連する情報を取得する位置情報取得手段と、上記地磁気センサの検出値に基づいて算出される地理的方位の情報と、上記位置情報取得手段において取得される位置情報に基づいて特定される現在地の周辺の地図とを表示する表示手段と、時刻に応じた上記地磁気センサの検出値の精度が低下し易い精度低下地域の情報を記憶する記憶手段と、を有する携帯通信端末において情報を表示する携帯通信端末の情報表示方法であって、
現在の時刻を計る第1の工程と、
上記第1の工程により得られる現在の時刻において上記表示手段に表示されている地図が示す地域の中に上記精度低下地域が含まれるか否かを示す精度情報を上記表示手段に表示させる第2の工程と、
を有することを特徴とする携帯通信端末の情報表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−154377(P2011−154377A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−38232(P2011−38232)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【分割の表示】特願2004−116776(P2004−116776)の分割
【原出願日】平成16年4月12日(2004.4.12)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】