説明

携帯通信端末

【課題】携帯通信端末が不適当な状況下で使用されていることを通信相手にも知らせることのできる携帯通信端末を提供する。
【解決手段】携帯電話1の移動速度が人間の歩行速度の最大値に匹敵する20km/h程度の速度閾値を超えているか否かを判定し、移動速度が閾値を超え、かつ、携帯電話1が通信状態にあることが確認された場合に限り、当該携帯電話1における現在の通信先に対し、この時点で確立されている通信状態を利用して、当該携帯電話1が不適当な使用状況にあることを示す音声メッセージ等の使用状況情報を送信する。送信側と受信側の相互理解により電車内や車の運転中等のような不適当な状況下での携帯電話1の使用を自粛する気運を高める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話やPHS等を始めとする携帯通信端末の改良、特に、利用マナーを向上させるための改良に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やPHS等を始めとする携帯通信端末の利用マナーを向上させるための技術としては、たとえば、電車内や車の運転中等に着信を制限するマナーモードやドライビングモードの機能が既に公知である。
【0003】
これらの機能は何れも外部からの着信を制限して他の乗客に迷惑をかけることを回避したり運転の安全を確保するためのものに過ぎず、電車に乗ったり車を運転しているユーザ当人が携帯通信端末から送信操作を行うことを禁止するものではない。
また、この種のモードを適切に選択した上で電車や車を利用するかどうかは全てユーザの判断に一任されており、ユーザが電車や車を利用するからといってユーザが必ずしもマナーモードやドライビングモードを設定するといった保証はない。
【0004】
一方、電車や車を利用しているユーザが濫りに携帯通信端末を利用することを防止する技術としては、たとえば、特許文献1に開示されるように、携帯通信端末の移動速度を検知し、その移動速度が、予め決められた速度閾値たとえば車の運行速度に匹敵する30km/h〜40km/hに到達した時点で強制的に携帯通信端末の電源スイッチをオフ状態として携帯通信端末の使用自体を禁止するものが提案されている。
更に、特許文献1では、そのバリエーションとして、実質的な停止状態で通話が開始された後に携帯通信端末の移動速度が増大して設定速度を超えた場合に限り其の通話が完了するまで電源スイッチのオン状態を保持して通話を許容するようにした携帯通信端末と、携帯通信端末の移動速度が増大して設定速度を超えた段階で、音声等により電源がオフとされる旨の警告を出力し、然る後に携帯通信端末の電源をオフとするようにしたものが開示されている。
但し、特許文献1の携帯通信端末においては、音声等による警告は当該携帯通信端末から出力されるに過ぎず、通信先の端末には送られないので、相手側では当該携帯通信端末が、電車の中や車の運転中といった本来は携帯通信端末の利用自体が憚られるような不適当な状況下で使用されているといったことまでは知り得ない。
【0005】
特許文献1で開示される携帯通信端末は、電車に乗ったり車を運転しているユーザの携帯通信端末自体の機能を強制的に停止させるものであるから、電車に乗ったり車を運転しているユーザが不適当な使用状況で携帯通信端末を利用することを確実に防止できる点で極めて効果的であるが、そこまで制限を強化してしまうと、たとえば、緊急の場合の通信ができなくなるといったように、携帯通信端末本来の利便性が損なわれるといった弊害も生じてくる。
【0006】
【特許文献1】特開2001−127848号(段落0011−0013)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の課題は、前記従来技術の不都合を改善し、携帯通信端末が電車の中や車の運転中といった不適当な状況下で使用されることを強制的に禁止するのではなく、携帯通信端末が不適当な状況下で使用されていることを通信相手にも知らせることのできる携帯通信端末を提供すること、更に、精神作用をも含めていえば、送信側と受信側の相互理解によって不適当な状況下における携帯通信端末の使用を自粛する環境を提供することが可能な携帯通信端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の携帯通信端末は、前記課題を達成するため、GPS信号を受信して現在位置を特定する位置検出手段と、前記位置検出手段によって特定される現在位置の変化と経過時間との関係から当該携帯通信端末の移動速度を求める速度算出手段と、前記速度算出手段で求められた移動速度が予め設定された速度閾値を超えているか否かを判定する速度判定手段と、当該携帯通信端末が通信状態にあるか否かを判定する通信判定手段と、前記速度判定手段によって前記移動速度が予め設定された速度閾値を超えていることが確認され、かつ、前記通信判定手段によって当該携帯通信端末が通信状態にあることが確認された場合に限り、当該携帯通信端末における現在の通信先に対し、前記通信状態を利用して、当該携帯通信端末が不適当な使用状況にあることを示す使用状況情報を送信する使用状況送信手段とを備えことを特徴とする構成を有する。
【0009】
以上の構成において、位置検出手段がGPS信号を受信して携帯通信端末の現在位置を特定し、速度算出手段は、位置検出手段によって特定される現在位置の変化と経過時間との関係から当該携帯通信端末の移動速度を求め、速度判定手段は、速度算出手段で求められた移動速度が予め設定された速度閾値、具体的には、人間の歩行速度の最大値に匹敵する20km/h程度の速度を超えているか否かを判定する。
また、通信判定手段は、当該携帯通信端末が通信状態にあるか否かを判定し、使用状況送信手段は、当該携帯通信端末の移動速度が予め設定された速度閾値を超え、かつ、当該携帯通信端末が通信状態にあることが確認された場合に限り、当該携帯通信端末における現在の通信先に対し、この時点で確立されている通信状態を利用して、当該携帯通信端末が不適当な使用状況にあることを示す使用状況情報を送信し、相手側の通信端末を介して通信相手に知らせる。
これにより携帯通信端末のユーザとその通信相手は共に当該携帯通信端末が不適当な使用状況で利用されていることを知ることができ、ひいては、送信側と受信側の相互理解によって、不適当な状況下における携帯通信端末の使用を自粛する環境が形成され得る。
【0010】
音声通話が可能な携帯通信端末、たとえば、携帯電話やPHS等にあっては、前記使用状況送信手段に、通信先に送信される音声に使用状況情報となる音声メッセージを添付して送信する音声データ送信機能を備えた構成を適用する。
【0011】
音声通話のみに依存した構成で使用状況情報を相手側に伝達することができるので、使用状況情報を伝達するための格別な通信手段を携帯通信端末に配備する必要がなく、所望する機能を有する携帯通信端末を安価に提供できる。
【0012】
あるいは、音声メッセージを添付して送信する音声データ送信機能に代えて、使用状況情報となる電子音、たとえば、ビープ音を送信する電子音送信機能を備えた構成としてもよい。
【0013】
不適当な使用状況を知らせるといった作用の点からみれば、音声メッセージも電子音も同等である。
【0014】
特に、電子音を送信する電子音送信機能を備えた構成にあっては、無音通信時間を利用して電子音を送信するように構成を採用することが望ましい。
【0015】
相互間の音声通信の合間を縫うようにして電子音が送信されるので、止むを得ず不適当な使用状況の下で緊急の連絡を行なっているような場合に、この重要な連絡が電子音で聞き取りにくくなるといった弊害を防止できる。
また、無音通信時間を利用して電子音を送信するようにしているので、使用状況情報となる電子音を送信するために通信時間を延長する必要がなく、新たな情報すなわち使用状況情報の付加によって通話料の課金が増大するといった弊害も未然に防止される。
【0016】
更に、電子メールの送受信が可能な携帯通信端末、たとえば、メール機能付きの携帯電話等にあっては、前記使用状況送信手段に、通信先に送信される電子メールに使用状況情報となる文字情報を添付して送信するテキストデータ送信機能を備えた構成を適用することが望ましい。
【0017】
メール機能のみに依存した構成で使用状況情報を相手側に伝達することができるので、使用状況情報を伝達するための格別な通信手段を携帯通信端末に配備する必要がなく、所望する機能を有する携帯通信端末を安価に提供できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の携帯通信端末は、携帯通信端末が不適当な使用状況にあることを示す使用状況情報を相手側の通信端末に送信して通信相手にも知らせる構成であるので、携帯通信端末のユーザとその通信相手が共に当該携帯通信端末が不適当な使用状況で利用されていることを知ることができる。従って、送信側と受信側の相互理解さえ得られれば、不適当な状況下、たとえば、電車内や車の運転中等における携帯通信端末の使用を自粛する気運を高めることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して具体的に説明する。
【0020】
図1は携帯通信端末の一種である携帯電話に対して本発明を適用した場合の一実施形態について示したブロック図、また、図2は同携帯電話1の機能について簡略化して示した機能ブロック図である。
【0021】
携帯電話1は、図2に示されるように、GPS信号を受信して現在位置を特定する位置検出手段Aと、位置検出手段Aによって特定される現在位置の変化と経過時間との関係から携帯電話1の移動速度を求める速度算出手段Bと、速度算出手段Bで求められた移動速度が予め設定された速度閾値を超えているか否かを判定する速度判定手段Cと、携帯電話1が通信状態にあるか否かを判定する通信判定手段Dと、速度判定手段Cによって移動速度が速度閾値を超えていることが確認され、かつ、通信判定手段Dによって携帯電話1が通信状態にあることが確認された場合に限り、携帯電話1における現在の通信先に対して、当該携帯電話1が不適当な使用状況にあることを示す使用状況情報を送信する使用状況送信手段Eとを備え、使用状況送信手段Eには、通信先に送信される音声に使用状況情報となる音声メッセージを添付して送信する音声データ送信機能f1と、通信先に送信される電子メールに使用状況情報となる文字情報を添付して送信するテキストデータ送信機能f2とが設けられている。
【0022】
図1に示される通り、位置検出手段Aは携帯電話1のGPS受信器2によって構成され、携帯電話1のマイクロプロセッサ3と其の制御プログラムを格納したROM4によって、速度算出手段B,速度判定手段C,通信判定手段D,使用状況送信手段Eの主要部が構成されている。
【0023】
また、携帯電話1は、図1に示されるように、通話用のマイク5およびスピーカ6とキー操作部7ならびに送受信用アンテナ8とGPSアンテナ9およびディスプレイ10を備える。
【0024】
ディスプレイ10は液晶パネルあるいは有機EL等によって構成され、電話番号の選択表示や着信履歴等の表示、更には、作成過程にあるメールや受信メールの表示等に利用される。
【0025】
キー操作部7は、電話番号の入力操作等の場合にはテンキーとして使用され、また、電子メールの作成等に際してはテキストデータ入力用のカナキー等として利用される。
【0026】
ROM4には、通話や電子メールの送受信等に必要とされる処理をマイクロプロセッサ3に実行させるための制御プログラムの他、マイクロプロセッサ3を速度算出手段B,速度判定手段C,通信判定手段D,使用状況送信手段Eとして機能させるための制御プログラムが格納され、更には、使用状況情報となる音声メッセージ、たとえば、「通話相手は不適切な利用状況である可能性があります。」といった音声メッセージや、使用状況情報となる文字情報、たとえば、「通信相手は不適切な利用状況である可能性があります。」といった文字情報などのデータが格納されている。
【0027】
RAM11は作業用のメモリであり、マイクロプロセッサ3がプログラムを実行する上で一時的に必要とされるデータを格納するようになっている。
【0028】
タイマ12は現在時刻の把握や経過時間の計測、さらには、設定した時間あるいは時刻でイベントを通知する場合等に使用されるもので、その構造は独立したデバイスであっても、或いは、マイクロプロセッサ3のマシンクロックを計数する計数器のようなものであっても構わない。
【0029】
データメモリ部13は長期の記憶を必要とする各種の設定データやパラメータ等を書き換え可能に保存するためのメモリであり、メールのテキストデータや登録済電話番号および電子メールアドレス等が記憶されるようになっている。
【0030】
従来と同様、携帯電話1を通話に使用する場合においては、マイク5から入力された音声が音声処理部14でA/D変換されてマイクロプロセッサ3に転送され、更に、マイクロプロセッサ3の処理で通信形式データに変換された後、送受信部15で変調されて内蔵式もしくは伸縮式の送受信用アンテナ8を介して最寄の基地局に送信される。
【0031】
また、送受信用アンテナ8で受信された通信電波は送受信部15で復調されてマイクロプロセッサ3に転送され、マイクロプロセッサ3の処理で音声データに変換されてから、音声処理部14でD/A変換等の処理操作を受けてスピーカ6から音声として出力される。
【0032】
GPS信号を受信して現在位置を特定するGPS受信器2と内蔵式のGPSアンテナ9に関しては既に公知である。
【0033】
以上に述べた通り、携帯電話1のハードウェア上の基本構成に関しては従来のものと同様である。
【0034】
図3は速度算出手段B,速度判定手段C,通信判定手段D,使用状況送信手段Eとして機能するマイクロプロセッサ3が所定周期毎に繰り返し実行する使用状況情報送信処理の概略について示したフローチャートであり、音声通話や電子メールの作成および電子メールの送受信のための制御プログラムと略並列的にマルチタスク処理の一つとして実行されるようになっている。
【0035】
携帯電話1に電源が投入されると、マイクロプロセッサ3は、まず、携帯電話1の移動速度の計算に必要とされるデータの収集が完了していることを示すデータ収集完了フラグFのリセット状態が保持されているか否かを判定するが(ステップa1)、電源投入直後の現時点ではデータ収集完了フラグFのリセット状態が保持されているので、ステップa1の判定結果は真となる。
【0036】
従って、この場合、マイクロプロセッサ3は、携帯電話1の移動速度が速度閾値を超えていることを記憶する速度超過記憶フラグGをリセットし(ステップa2)、位置検出手段Aとして機能するGPS受信器2から携帯電話1の現在位置を読み込み(ステップa3)、この現在位置をRAM11の現在位置記憶レジスタPに更新記憶して(ステップa4)、データ収集完了フラグFをセットし(ステップa5)、タイマ12をリスタートさせて現在位置を記憶してからの経過時間の計測を開始した後(ステップa6)、速度超過記憶フラグGのリセット状態が保持されているか否かを判定して(ステップa7)、当該処理周期の使用状況情報送信処理を終了する。
速度超過記憶フラグGは当該処理周期におけるステップa2の処理でリセットされているので、当該処理周期におけるステップa7の判定結果は必然的に真となる。
【0037】
次周期以降の使用状況情報送信処理においては既にデータ収集完了フラグFがセットされているのでステップa1の判定結果は偽となり、マイクロプロセッサ3は、タイマ12によって計測されている経過時間が予め設定された移動速度のサンプリング周期たとえば1秒に達しているか否かを判定する(ステップa10)。
【0038】
そして、経過時間が移動速度のサンプリング周期に達していなければ、マイクロプロセッサ3は、前記と同様にして、速度超過記憶フラグGのリセット状態が保持されているか否かを判定するが(ステップa7)、この段階では未だ速度超過記憶フラグGをセットする処理は行なわれていないので、ステップa7の判定結果は真となり、マイクロプロセッサ3は、このまま当該処理周期の使用状況情報送信処理を終了する。
【0039】
以下、経過時間が移動速度のサンプリング周期に達するまでの間、前記と同様にして、ステップa1,ステップa10,ステップa7の判定処理のみが繰り返し実行されることになる。
【0040】
そして、経過時間が移動速度のサンプリング周期に達したことがステップa10の判定処理で確認されると、マイクロプロセッサ3は、この時点で現在位置記憶レジスタPに記憶されている位置すなわち1サンプリング周期前の位置をRAM11の過去位置記憶レジスタP’に更新記憶した上で(ステップa11)、改めて、位置検出手段Aとして機能するGPS受信器2から携帯電話1の現在位置を読み込み(ステップa12)、この現在位置を現在位置記憶レジスタPに更新記憶する(ステップa13)。
【0041】
次いで、速度算出手段Bとして機能するマイクロプロセッサ3が、位置検出手段Aとして機能するGPS受信器2によって特定される現在位置の変化と経過時間との関係、すなわち、1サンプリング周期前の携帯電話1の位置P’と携帯電話1の現在位置Pとの間の移動量および当該移動量に相当する距離の移動に要した1サンプリング周期の時間幅たとえば1秒とに基いて、携帯電話1の平均移動速度を求め(ステップa14)、この値をRAM11の現在速度記憶レジスタVに更新記憶する(ステップa15)。
【0042】
そして、速度判定手段Cとして機能するマイクロプロセッサ3が、携帯電話1の平均移動速度Vと予めROM4に記憶されている速度閾値Vsたとえば人間の歩行速度の最大値に匹敵する20km/hとの大小関係を比較し(ステップa16)、平均移動速度Vが速度閾値Vsを上回っていれば速度超過記憶フラグGをセットする一方(ステップa17)、平均移動速度Vが速度閾値Vsを上回っていなければ、速度超過記憶フラグGのリセット状態を其のまま保持し、あるいは、これまでセットされていた速度超過記憶フラグGをリセットする(ステップa18)。
【0043】
次いで、マイクロプロセッサ3が、タイマ12を改めてリスタートさせて経過時間の計測を開始し(ステップa6)、前記と同様にして、速度超過記憶フラグGのリセット状態が保持されているか否かを判定する(ステップa7)。
【0044】
ここで、ステップa7の判定結果が真となって速度超過記憶フラグGのリセット状態が確認された場合には、携帯電話1の平均移動速度Vが速度閾値Vsの範囲内にあること、要するに、当該携帯電話1が電車内や運転中の車の中等にはなくユーザが自由に操作して構わない状況下にあること意味するので、マイクロプロセッサ3は、このまま当該処理周期の使用状況情報送信処理を終了する。
【0045】
一方、ステップa7の判定結果が偽となって速度超過記憶フラグGのセット状態が確認された場合には、携帯電話1の平均移動速度Vが速度閾値Vsを上回っていること、すなわち、当該携帯電話1が電車内や運転中の車の中等にあってユーザが自由に操作することが憚られるような状況下にあること意味するので、通信判定手段Dとして機能するマイクロプロセッサ3は、更に、携帯電話1が通話状態にあるか否かを判定する(ステップa8)。
【0046】
ステップa8の判定結果が真となって携帯電話1が通話状態にあることが確認された場合には、電車内や運転中の車の中等にある携帯電話1を利用して通話が行なわれていることを意味するので、使用状況送信手段Eにおける音声データ送信機能f1の機能実現手段として機能するマイクロプロセッサ3が、使用状況情報となる音声メッセージ、たとえば、「通話相手は不適切な利用状況である可能性があります。」といった音声メッセージをROM4から読み出し、当該携帯電話1における現在の通信先に対し、現在の通話の接続状態を利用して、音声からなる使用状況情報を送信する(ステップa9)。
【0047】
また、ステップa7の判定結果が偽となって携帯電話1の平均移動速度Vが速度閾値Vsを上回っていることが明らかとなった状況下でステップa8の判定結果が偽となった場合つまり携帯電話1が通話状態にないことが判明した場合には、通信判定手段Dとして機能するマイクロプロセッサ3は、更に、携帯電話1がメール送信の前処理状態にあるか否かを判定する(ステップa19)。なお、ここでいうメール送信の前処理状態とは、メールの作成が完了してユーザによるメールの送信操作は行われているが、内部処理によるメール本文の編集は許容され得るといった状態である。
【0048】
ステップa19の判定結果が真となって携帯電話1がメール送信の前処理状態にあることが確認された場合には、電車内や運転中の車の中等にある携帯電話1を利用してメールの送信が行なわれようとしていることを意味するので、使用状況送信手段Eにおけるテキストデータ送信機能f2の機能実現手段として機能するマイクロプロセッサ3が、使用状況情報となる文字情報、たとえば、「通信相手は不適切な利用状況である可能性があります。」といった文字情報をROM4から読み出し、この文字情報を当該時点でメール送信の前処理対象となっている全てのメールの本文に添付して、通信先に宛てて送信する(ステップa20)。
【0049】
また、ステップa7の判定結果が偽となって携帯電話1の平均移動速度Vが速度閾値Vsを上回っていることが明らかとなった状況下でステップa8とステップa19の判定結果が共に偽となった場合には、携帯電話1による通話もメールの送信操作も行われていないことを意味するので、マイクロプロセッサ3は、実質的な使用状況情報送信処理を非実行としたまま当該処理周期の使用状況情報送信処理を終了することになる。
【0050】
図4は本発明を適用した他の一実施形態の携帯電話16について示したブロック図、また、図5は同携帯電話16の機能について簡略化して示した機能ブロック図である。
【0051】
携帯電話16のハードウェア上の構成に関しては、加速度センサ17を追加して配備した点を除けば図1の携帯電話1と同等である。
【0052】
携帯電話16は、図5に示されるように、GPS信号を受信して現在位置を特定する位置検出手段Aと、携帯電話16に作用する加速度を検出する加速度検出手段Hと、位置検出手段Aによって特定される現在位置と加速度検出手段Aで検出される加速度とに基いて現在位置を補正して正確に現在位置を特定する誤差補正手段Iと、誤差補正手段Iによって特定される現在位置の変化と経過時間との関係から携帯電話16の移動速度を求める速度算出手段Bと、速度算出手段Bで求められた移動速度が予め設定された速度閾値を超えているか否かを判定する速度判定手段Cと、携帯電話16が通信状態にあるか否かを判定する通信判定手段Dと、速度判定手段Cによって移動速度が速度閾値を超えていることが確認され、かつ、通信判定手段Dによって携帯電話16が通信状態にあることが確認された場合に限り、携帯電話16における現在の通信先に対して、当該携帯電話16が不適当な使用状況にあることを示す使用状況情報を送信する使用状況送信手段Jとを備え、使用状況送信手段Jには、通信先に送信される音声に使用状況情報となる電子音を添付して送信する電子音送信機能j1と、通信先に送信される電子メールに使用状況情報となる文字情報を添付して送信するテキストデータ送信機能j2とが設けられている。
【0053】
図4に示される通り、位置検出手段Aは携帯電話16のGPS受信器2によって構成され、加速度検出手段Hは携帯電話16の加速度センサ17によって構成されている。また、携帯電話16のマイクロプロセッサ3と其の制御プログラムを格納したROM4によって、誤差補正手段I,速度算出手段B,速度判定手段C,通信判定手段D,使用状況送信手段Jの主要部が構成されている。
【0054】
携帯電話16のマイク5,スピーカ6,音声処理部14,RAM11,キー操作部7,データメモリ部13,タイマ12,ディスプレイ10,送受信部15,送受信用アンテナ8,GPS受信器2,GPSアンテナ9の構成に関しては図1に示した実施形態の携帯電話1の場合と同様である。
【0055】
ROM4には、通話や電子メールの送受信等に必要とされる処理をマイクロプロセッサ3に実行させるための制御プログラムの他、マイクロプロセッサ3を誤差補正手段I,速度算出手段B,速度判定手段C,通信判定手段D,使用状況送信手段Jとして機能させるための制御プログラムが格納され、更には、使用状況情報となる文字情報、たとえば、「通信相手は不適切な利用状況である可能性があります。」といった文字情報などのデータが格納されている。
【0056】
図6および図7は誤差補正手段I,速度算出手段B,速度判定手段C,通信判定手段D,使用状況送信手段Jとして機能するマイクロプロセッサ3が所定周期毎に繰り返し実行する使用状況情報送信処理の概略について示したフローチャートであり、音声通話や電子メールの作成および電子メールの送受信のための制御プログラムと略並列的にマルチタスク処理の一つとして実行されるようになっている。
【0057】
携帯電話16に電源が投入されると、マイクロプロセッサ3は、まず、携帯電話16の移動速度の計算に必要とされるデータの収集が完了していることを示すデータ収集完了フラグFのリセット状態が保持されているか否かを判定するが(ステップb1)、電源投入直後の現時点ではデータ収集完了フラグFのリセット状態が保持されているので、ステップb1の判定結果は真となる。
【0058】
従って、この場合、マイクロプロセッサ3は、携帯電話16の移動速度が速度閾値を超えていることを記憶する速度超過記憶フラグGをリセットし(ステップb2)、位置検出手段Aとして機能するGPS受信器2から携帯電話16の現在位置を読み込み(ステップb3)、この現在位置をRAM11の現在位置記憶レジスタPに更新記憶して(ステップb4)、データ収集完了フラグFをセットし(ステップb5)、タイマ12をリスタートさせて現在位置を記憶してからの経過時間の計測を開始した後(ステップb6)、速度超過記憶フラグGのリセット状態が保持されているか否かを判定して(ステップb7)、当該処理周期の使用状況情報送信処理を終了する。
速度超過記憶フラグGは当該処理周期におけるステップb2の処理でリセットされているので、当該処理周期におけるステップb7の判定結果は必然的に真となる。
【0059】
次周期以降の使用状況情報送信処理においては既にデータ収集完了フラグFがセットされているのでステップb1の判定結果は偽となり、マイクロプロセッサ3は、タイマ12によって計測されている経過時間が予め設定された移動速度のサンプリング周期たとえば1秒に達しているか否かを判定する(ステップb11)。
【0060】
そして、経過時間が移動速度のサンプリング周期に達していなければ、誤差補正手段Iとして機能するマイクロプロセッサ3は、加速度検出手段Hとして機能する加速度センサ17から現時点で携帯電話16に作用している加速度αを読み込み(ステップb26)、RAM11の現在速度記憶レジスタVに現時点で記憶されている平均移動速度Vと使用状況情報送信処理の繰り返し周期Δtとに基いて、1処理周期前から当該処理周期に至る1処理周期分の移動量VΔt+(αΔt2)/2を求め、この移動量を積算することによって、タイマ12をリスタートさせた時点、言い換えれば、最後に実行されたステップb4あるいはステップb14の処理で携帯電話16の位置を現在位置記憶レジスタPに記憶させた時点からの携帯電話16のインクリメンタルな移動量を求め(ステップb27)、この値をRAM11の補正値記憶レジスタΔPに更新記憶した後(ステップb28)、速度超過記憶フラグGのリセット状態が保持されているか否かを判定するが(ステップb7)、この段階では未だ速度超過記憶フラグGをセットする処理は行なわれていないので、ステップb7の判定結果は真となり、マイクロプロセッサ3は、このまま当該処理周期の使用状況情報送信処理を終了する。
【0061】
これ以降、ステップb11の判定処理でタイマ12の計測時間が移動速度のサンプリング周期に達したことが確認されるまでの間、前記と同様にしてステップb1,ステップb11,ステップb26〜ステップb28,ステップb7の処理が繰り返し実行され、携帯電話16の位置が現在位置記憶レジスタPに記憶された最後の時点からの1処理周期毎の移動量が順に積算されて、その値が補正値記憶レジスタΔPに保持される。
【0062】
そして、ステップb11の判定処理でタイマ12の計測時間が移動速度のサンプリング周期たとえば1秒に達したことが確認されると、マイクロプロセッサ3は、この時点で現在位置記憶レジスタPに記憶されている位置すなわち1サンプリング周期前の位置をRAM11の過去位置記憶レジスタP’に更新記憶した上で(ステップb12)、改めて、位置検出手段Aとして機能するGPS受信器2から携帯電話16の現在位置を読み込み(ステップb13)、この現在位置を現在位置記憶レジスタPに更新記憶する(ステップb14)。
【0063】
次いで、誤差補正手段Iとして機能するマイクロプロセッサ3が補正値記憶レジスタΔPの値すなわち1サンプリング周期間の携帯電話16のインクリメンタルな移動量を読み込み(ステップb15)、1サンプリング周期前の携帯電話16の位置P’と携帯電話16のインクリメンタル移動量ΔPとに基いて、加速度センサ17が検出した加速度に依存した携帯電話16の現在位置P”を求め(ステップb16)、GPS受信器2のみに依存して求められた携帯電話16の現在位置Pと加速度センサ17が検出した加速度に依存した携帯電話16の現在位置P”との間の偏差を算出し(ステップb17)、この偏差が予め設定された許容値εの範囲内にあるか否かを判定する(ステップb18)。
【0064】
偏差が許容値εの範囲内にあることがステップb18の判定処理で確認された場合には、GPS受信器2が適切に衛星電波を受信しており、現在位置Pが携帯電話16の適正な現在位置であることを意味するので、誤差補正手段Iとして機能するマイクロプロセッサ3はステップb14の処理で読み込んだ現在位置記憶レジスタPの値を其のまま保持する。一方、この偏差が許容値εの範囲を超えていることがステップb18の判定処理で確認された場合には、GPS受信器2の受信状態などに不具合があり現在位置記憶レジスタPに携帯電話16の現在位置が適切に読み込まれなかった可能性が高いので、誤差補正手段Iとして機能するマイクロプロセッサ3は、加速度センサ17が検出した加速度に基いて補正された携帯電話16の現在位置P”を携帯電話16の適正な現在位置と見做して、この値を現在位置記憶レジスタPに更新記憶する(ステップb19)。
【0065】
次いで、速度算出手段Bとして機能するマイクロプロセッサ3は、誤差補正手段Iによって特定された現在位置の変化と経過時間との関係、すなわち、1サンプリング周期前の携帯電話16の位置P’と携帯電話16の現在位置Pとの間の移動量および当該移動量に相当する距離の移動に要した1サンプリング周期の時間幅たとえば1秒とに基いて、携帯電話16の平均移動速度を求め(ステップb20)、この値をRAM11の現在速度記憶レジスタVに更新記憶する(ステップb21)。同時に、誤差補正手段Iとして機能するマイクロプロセッサ3が、1処理周期毎に移動量を積算して記憶する補正値記憶レジスタΔPの値を0に初期化する(ステップb22)。
【0066】
そして、速度判定手段Cとして機能するマイクロプロセッサ3が、携帯電話16の平均移動速度Vと予めROM4に記憶されている速度閾値Vsたとえば人間の歩行速度の最大値に匹敵する20km/hとの大小関係を比較し(ステップb23)、平均移動速度Vが速度閾値Vsを上回っていれば速度超過記憶フラグGをセットする一方(ステップb24)、平均移動速度Vが速度閾値Vsを上回っていなければ、速度超過記憶フラグGのリセット状態を其のまま保持し、あるいは、これまでセットされていた速度超過記憶フラグGをリセットする(ステップb25)。
【0067】
次いで、マイクロプロセッサ3が、タイマ12を改めてリスタートさせて経過時間の計測を開始し(ステップb6)、前記と同様にして、速度超過記憶フラグGのリセット状態が保持されているか否かを判定する(ステップb7)。
【0068】
ここで、ステップb7の判定結果が真となって速度超過記憶フラグGのリセット状態が確認された場合には、携帯電話16の平均移動速度Vが速度閾値Vsの範囲内にあること、要するに、当該携帯電話16が電車内や運転中の車の中等にはなくユーザが自由に操作して構わない状況下にあること意味するので、マイクロプロセッサ3は、このまま当該処理周期の使用状況情報送信処理を終了する。
【0069】
一方、ステップb7の判定結果が偽となって速度超過記憶フラグGのセット状態が確認された場合には、携帯電話16の平均移動速度Vが速度閾値Vsを上回っていること、すなわち、当該携帯電話16が電車内や運転中の車の中等にあってユーザが自由に操作することが憚られるような状況下にあること意味するので、通信判定手段Dとして機能するマイクロプロセッサ3は、更に、携帯電話16が通話状態にあるか否かを判定する(ステップb8)。
【0070】
ステップb8の判定結果が真となって携帯電話16が通話状態にあることが確認された場合には、電車内や運転中の車の中等にある携帯電話16を利用して通話が行なわれていることを意味するので、使用状況送信手段Jにおける電子音送信機能j1の機能実現手段として機能するマイクロプロセッサ3は、音声処理部14による音声の変換処理が行なわれているか否か、要するに、携帯電話16から通信相手への音声の送信もしくは通信相手から携帯電話16への音声の受信が行なわれているか否かを判定する(ステップb9)。そして、ステップb9の判定結果が偽となって音声の送受信が行なわれていない無音通信状態であることが確認された場合に限り、使用状況情報となる電子音たとえばビープ音を当該携帯電話16における現在の通信先に対し、現在の通話の接続状態を利用して、電子音からなる使用状況情報として送信する(ステップb10)。
【0071】
この結果、使用状況情報として機能する電子音は、図8のタイミングチャートに示されるように、相互間の音声通信の合間を縫うようにして送信されることになる。
従って、止むを得ず不適当な使用状況の下で緊急の連絡を行なうような場合に、この重要な連絡が電子音で聞き取りにくくなるといった弊害は発生しない。
また、使用状況情報となる電子音を送信するために通信時間を延長する必要はないので、新たな情報すなわち使用状況情報の付加によって通話料の課金が増大するといった弊害も未然に防止される。
あるいは、ステップb10の処理において、最初に説明した実施形態の場合と同様に、「通話相手は不適切な利用状況である可能性があります。」といった音声メッセージを使用状況情報として送信するようにしてもよい。
【0072】
一方、ステップb7の判定結果が偽となって携帯電話16の平均移動速度Vが速度閾値Vsを上回っていることが明らかとなった状況下でステップb8の判定結果が偽となった場合つまり携帯電話16が通話状態にないことが判明した場合には、通信判定手段Dとして機能するマイクロプロセッサ3は、更に、携帯電話16がメール送信の前処理状態にあるか否かを判定する(ステップb29)。
【0073】
ここで、ステップb29の判定結果が真となって携帯電話16がメール送信の前処理状態にあることが確認された場合には、電車内や運転中の車の中等にある携帯電話16を利用してメールの送信が行なわれようとしていることを意味する。
この場合、使用状況送信手段Jにおけるテキストデータ送信機能j2の機能実現手段として機能するマイクロプロセッサ3は、まず、メール送信の前処理状態にあるメールの本文の容量を求め(ステップb30)、このメールの本文に使用状況情報となる文字情報を添付することが送信容量の観点から可能であるか否かを判定し(ステップb31)、文字情報を添付することが可能であれば、使用状況情報となる文字情報、たとえば、「通信真相手は不適切な利用状況である可能性があります。」といった文字情報をROM4から読み出し、この文字情報を当該時点でメール送信の前処理対象となっている全てのメールの本文に添付して、通信先に宛てて送信する(ステップb32)。
一方、ステップb31の判定結果が偽となり、メールの容量が大きくメールの本文に使用状況情報となる文字情報を添付することが不可能であることが判明した場合には、テキストデータ送信機能j2の機能実現手段として機能するマイクロプロセッサ3は、使用状況情報となる文字情報、たとえば、「通信真相手は不適切な利用状況である可能性があります。」といった文字情報をROM4から読み出し、この文字情報をメール本文とした新たな電子メールを作成し(ステップb33)、この電子メールに対してメール送信の前処理を行い、当該時点でメール送信の前処理対象となっているメールと共にメールの送信対象となっている通信先に宛てて送信する(ステップb34)。
この場合、本来は1件で済むメールが同一の宛先に当てて2件分送信されることになるので、無音通信状態を利用して使用状況情報となる電子音を送信する場合とは相違し、使用状況情報の送信に要するコストが多少は増大する場合がある。
【0074】
また、ステップb7の判定結果が偽となって携帯電話16の平均移動速度Vが速度閾値Vsを上回っていることが明らかとなった状況下でステップb8とステップb29の判定結果が共に偽となった場合には、携帯電話16による通話もメールの送信操作も行われていないことを意味するので、マイクロプロセッサ3は、実質的な使用状況情報送信処理を非実行としたまま当該処理周期の使用状況情報送信処理を終了することになる。
【0075】
ここでは、一例として、メールの容量が大きくメールの本文に使用状況情報となる文字情報を添付することが不可能な場合に、同じ宛先に対して使用状況情報となる文字情報のみを含んだ別メールを送信するようにした例について説明したが、使用状況情報となる文字情報を添付することができるように予めメールの作成時点で本文の入力容量を規制するように構成することもある。
その場合は、ステップb30〜ステップb31,ステップb33〜ステップb34の処理は不要であり、使用状況情報の送信に要するコストの増大も解消することが可能である。
【0076】
以上に述べた通り、何れの実施形態においても、携帯電話1,16のユーザとその通信相手は共に携帯電話1,16が不適当な使用状況で利用されていることを知ることができる。従って、送信側と受信側の相互理解さえ得られれば、不適当な状況下における携帯電話1,16に対して実質的な機能の制限を加えることなく携帯電話1,16が不適当な利用を効果的に抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】携帯通信端末の一種である携帯電話に対して本発明を適用した場合の一実施形態について示したブロック図である。
【図2】同携帯電話の機能について簡略化して示した機能ブロック図である。
【図3】同実施形態の速度算出手段,速度判定手段,通信判定手段,使用状況送信手段として機能するマイクロプロセッサが所定周期毎に繰り返し実行する使用状況情報送信処理の概略について示したフローチャートである。
【図4】本発明を適用した他の一実施形態の携帯電話について示したブロック図である。
【図5】同携帯電話の機能について簡略化して示した機能ブロック図である。
【図6】同実施形態の誤差補正手段,速度算出手段,速度判定手段,通信判定手段,使用状況送信手段として機能するマイクロプロセッサが所定周期毎に繰り返し実行する使用状況情報送信処理の概略について示したフローチャートである。
【図7】使用状況情報送信処理の概略について示したフローチャートの続きである。
【図8】同実施形態における電子音の送信態様の一例を示したタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0078】
1 携帯電話
2 GPS受信器(位置検出手段)
3 マイクロプロセッサ(速度算出手段,速度判定手段,通信判定手段,使用状況送信手段,音声データ送信機能実現手段,電子音送信機能実現手段,テキストデータ送信機能実現手段,)
4 ROM
5 マイク
6 スピーカ
7 キー操作部
8 送受信用アンテナ
9 GPSアンテナ
10 ディスプレイ
11 RAM
12 タイマ
13 データメモリ部
14 音声処理部
15 送受信部
16 携帯電話
17 加速度センサ
A 位置検出手段
B 速度算出手段
C 速度判定手段
D 通信判定手段
E 使用状況送信手段
f1 音声データ送信機能
f2 テキストデータ送信機能
H 加速度検出手段
I 誤差補正手段
J 使用状況送信手段
j1 電子音送信機能
j2 テキストデータ送信機能

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPS信号を受信して現在位置を特定する位置検出手段と、前記位置検出手段によって特定される現在位置の変化と経過時間との関係から当該携帯通信端末の移動速度を求める速度算出手段と、前記速度算出手段で求められた移動速度が予め設定された速度閾値を超えているか否かを判定する速度判定手段と、当該携帯通信端末が通信状態にあるか否かを判定する通信判定手段と、前記速度判定手段によって前記移動速度が予め設定された速度閾値を超えていることが確認され、かつ、前記通信判定手段によって当該携帯通信端末が通信状態にあることが確認された場合に限り、当該携帯通信端末における現在の通信先に対し、前記通信状態を利用して、当該携帯通信端末が不適当な使用状況にあることを示す使用状況情報を送信する使用状況送信手段とを備えことを特徴とする携帯通信端末。
【請求項2】
前記使用状況送信手段が、前記通信先に送信される音声に使用状況情報となる音声メッセージを添付して送信する音声データ送信機能を備えたことを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末。
【請求項3】
前記使用状況送信手段が、前記通信先に使用状況情報となる電子音を送信する電子音送信機能を備えたことを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末。
【請求項4】
前記使用状況送信手段が、無音通信時間を利用して前記電子音を送信するように構成されていることを特徴とする請求項3記載の携帯通信端末。
【請求項5】
前記使用状況送信手段が、前記通信先に送信される電子メールに使用状況情報となる文字情報を添付して送信するテキストデータ送信機能を備えていることを特徴とする請求項1,請求項2,請求項3または請求項4記載の携帯通信端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−236080(P2008−236080A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−69583(P2007−69583)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】