説明

携帯通信端末

【課題】通信における受信効率の低下を防止する観点からすれば、携帯通信端末にアンテナを内蔵する場合には、内蔵するアンテナは、その一部が携帯端末筐体外部に露出するように配置されることが望ましい。一方、携帯通信端末は、携帯通信端末を利用するユーザの手等によって支持、又は/及び操作されることで利用されるため、内蔵するアンテナの一部が露出していると、アンテナの露出部分にユーザの手等が接触してしまうことがある。
そこで、受信品質が比較的大きく低下してしまう可能性を低減することができる携帯通信端末を提供することを目的とする。
【解決手段】
一部が携帯端末筐体外部に露出するように配置されているアンテナを複数備え、受信品質に応じて、通信に利用するアンテナを切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯通信端末についての技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1、特許文献2に記載されているように、内蔵するアンテナを利用して外部の機器と通信を行う携帯通信端末が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−284062号公報
【特許文献2】特開平7−99403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、通信機器がアンテナを利用して外部の機器と通信する場合において、そのアンテナとその外部の機器との間に障害物が存在すると、通信に利用される電磁波が、その障害物によって吸収、或いは反射されてしまい、そのアンテナを利用して行う通信における送信・受信効率が低下してしまうことが知られている。
従って、通信における送信・受信効率の低下を防止する観点からすれば、携帯通信端末にアンテナを内蔵する場合には、内蔵するアンテナは、その一部が携帯端末筐体外部に露出するように配置されることが望ましい。
【0005】
しかしながら、携帯通信端末は、携帯通信端末を利用するユーザの手等によって支持、或いは操作されることで利用されるため、内蔵するアンテナの一部が露出している場合、アンテナの露出部分にユーザの手等が接触してしまうことがある。そのため、アンテナの一部にユーザの手等が接触した場合、そのアンテナのアンテナ特性が比較的大きく変化することにより、通信品質が比較的大きく低下することになる。
【0006】
そこで、本発明は係る問題に鑑みてなされたものであり、内蔵するアンテナの一部が露出している携帯通信端末であって、アンテナの露出部分にユーザの手等が接触した場合において、従来よりも、通信品質が比較的大きく低下してしまう可能性を低減することができる携帯通信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明に係る携帯通信端末は、アンテナを利用して外部から送信される信号を受信する携帯通信端末であって、それぞれ少なくとも一部が露出している複数の同種アンテナと、前記複数の同種アンテナの全部又は一部を利用して、外部から送信される信号を受信する受信手段と、前記受信手段が行う受信における受信品質を示す受信品質情報を算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された、前記受信手段が前記複数の同種アンテナのうちの1つである第1のアンテナを利用して受信する場合における受信品質情報と前記受信手段が前記複数の同種アンテナのうちの他の1つである第2のアンテナを利用して受信を行う場合における受信品質情報とを利用して、前記受信手段が受信を継続するために利用するアンテナを特定する特定手段とを備え、前記受信手段は、前記特定手段が受信を継続するために利用するアンテナを特定した場合に、当該特定されたアンテナを利用して受信を行うことを特徴とする。
【0008】
ここで、複数の同種アンテナとは、互いに同じ周波数帯の信号を受信するために利用されるアンテナのことをいう。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る携帯通信端末は、第1のアンテナを利用して受信する場合における受信品質情報と、第2のアンテナを利用して受信する場合における受信品質情報とを利用して、通信状態を維持するために利用するアンテナを特定する特定手段とを備える。
このことにより、この携帯通信端末は、ユーザの手等が、第1のアンテナの露出部に接触してしまうこと等が原因で、第1のアンテナを利用して送・受信する場合における通信品質が低下する場合でも、第1のアンテナ以外のアンテナを利用して通信状態を維持することができる。
【0010】
従って、この携帯通信端末は、アンテナの露出部分にユーザの手等が接触した場合において、従来よりも、通信品質が比較的大きく低下してしまう可能性を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】携帯電話機100の斜視図
【図2】携帯電話機100の回路図
【図3】通信用LSI210の回路図
【図4】アンテナ選択処理のフローチャート
【図5】第1変形アンテナ選択処理のフローチャート
【図6】第2変形携帯電話機600の斜視図
【図7】第2変形携帯電話機600の回路図
【図8】通信用LSI710の回路図
【図9】第2変形アンテナ選択処理のフローチャート
【図10】初期選択処理のフローチャート
【図11】第1選択処理のフローチャート
【図12】第2選択処理のフローチャート
【図13】第3選択処理のフローチャート
【図14】第3変形携帯電話機の回路図
【図15】通信用LSI1410の回路図
【図16】第3変形アンテナ選択処理のフローチャート
【図17】第4変形携帯電話機1700の斜視図
【図18】第4変形携帯電話機1700の回路図
【図19】800MHz帯通信用LSI1811の回路図
【図20】BT通信用LSI1812の回路図
【図21】GPS通信用LSI1813の回路図
【図22】第5変形携帯電話機2200の斜視図
【図23】第6変形携帯電話機2300の斜視図
【図24】第7変形携帯電話機2400の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施の形態>
<概要>
以下、本発明に係る携帯通信端末の一例として、1.9GHz帯の信号を利用して外部の基地局等と通信する携帯電話機100について説明する。
この携帯電話機100は、筐体表面に、1.9GHz帯の信号を受信するために利用される、ステンレス製薄膜からなる第1アンテナ110と第2アンテナ120とを備える。そして、携帯電話機100の状態が通信状態である場合において、第1アンテナ110を利用して通信しているときに、第1アンテナ110を利用して行う受信におけるRSSI(Received Signal Strength Indication)値が所定の閾値を下回ったときに、通信に利用するアンテナを第1アンテナ110から第2アンテナ120へと切り替えて、通信を継続する。
【0013】
ここで、携帯電話機100が通信状態であるとは、携帯電話機100が外部の基地局等と継続的に通信を行っている状態のことをいう。但し、ここでいう外部の基地局等との継続的な通信は、携帯電話機100が待ち受け状態の場合に行う、外部の基地局等との間欠的な通信を含まない。
以下、この携帯電話機100の構成の詳細について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
<構成>
図1は、携帯電話機100の斜視図である。同図では、実際には視認することができない部分についても、破線を用いてあたかも視認することができるかのように表示されている。
同図に示されるように、携帯電話機100は、略直方体の形状をした筐体を有するいわゆるタブレット型携帯電話機であり、筐体の主平面の表面左上隅に第1アンテナ110を備え、主平面に対向する面(以下、「裏面」と呼ぶ。)の表面において、第1アンテナ110に対して、略直方体である筐体の中心点を中心として略点対象となる位置に第2アンテナ120を備える。さらに、主平面に、タッチパネル160の操作面とレシーバ孔140とマイク孔150とを備える。
【0015】
図2は、携帯電話機100の回路図である。
同図に示されるように、携帯電話機100は、第1アンテナ110と第2アンテナ120とCPU(Central Processing Unit)200と通信用LSI(Large Scale Integration)210とレシーバ240とマイク250とメモリ230とタッチパネルコントローラ220とタイマ260とタッチパネル160とから構成される。そして、タッチパネル160は、タッチパッド161とLCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)162とから構成される。
【0016】
通信用LSI210は、CPU200と第1アンテナ110と第2アンテナ120とに接続され、CPU200によって制御され、第1アンテナ110又は第2アンテナ120を利用して、1.9GHz帯の電磁波を用いて外部の基地局等と通信する機能と、受信した受信信号の電界強度を測定する機能とを有する。
図3は、通信用LSI210の主要な構成要素を示す回路図である。
【0017】
同図に示されるように、通信用LSI210は、セレクタ310と送受信切替スイッチ320と受信回路330と復調回路340と送信回路350と変調回路360とRSSI値測定回路370とから構成される。
セレクタ310は、第1アンテナ110と第2アンテナ120とCPU200と送受信切替スイッチ320とに接続され、CPU200から出力されるアンテナ選択信号が論理値“0”の場合に第1アンテナ110と送受信切替スイッチ320とを電気的に接続する状態となり、アンテナ選択信号が論理値“1”の場合に第2アンテナ120と送受信切替スイッチ320とを電気的に接続する状態となる機能を有する。
【0018】
送受信切替スイッチ320は、セレクタ310と受信回路330と送信回路350とに接続され、送信回路350からの送信経路と、受信回路330への受信経路とを時分割もしくは周波数で切り替える機能を有する。
受信回路330は、送受信切替スイッチ320と復調回路340とRSSI値測定回路370とに接続され、第1アンテナ110又は第2アンテナ120を利用して外部の基地局等から送信される1.9GHz帯の信号を受信する機能と、受信した受信信号を復調回路340に送る機能とを有する。
【0019】
復調回路340は、受信回路330とCPU200とに接続され、受信回路330から送られてきた受信信号を復調する機能と、復調した信号をCPU200に送る機能とを有する。
送信回路350は、送受信切替スイッチ320と変調回路360とに接続され、変調回路360から送られてきた信号を、第1アンテナ110又は第2アンテナ120を利用して外部の基地局等へ送信する機能を有する。
【0020】
変調回路360は、送信回路350とCPU200とに接続され、CPU200から送られてきた信号を、1.9GHz帯の信号に変調する機能と、変調した信号を送信回路350に送る機能とを有する。
RSSI値測定回路370は、受信回路330とCPU200とに接続され、受信回路330が受信した受信信号の電界強度を測定する機能と、測定した電界強度をRSSI値としてCPU200へ送る機能とを有する。ここで、電界強度を測定するとは、受信信号における振幅を測定することをいう。
【0021】
再び図2に戻って、携帯電話機100の構成要素の説明を続ける。
第1アンテナ110は、受信回路330と送信回路350とが行う通信に利用される、ステンレス製薄膜からなるモノポールアンテナであって、セレクタ310に接続される。そして、この第1アンテナ110は、その長さが1.9GHz帯電磁波の波長の略1/4となっていて、携帯電話機100の筐体主平面の表面に配置される。
【0022】
第2アンテナ120は、受信回路330と送信回路350とが行う通信に利用される、金属製(例えば、ステンレス製)薄膜からなるモノポールアンテナであって、セレクタ310に接続される。そして、この第2アンテナ120は、第1アンテナ110と同様に、その長さが1.9GHz帯電磁波の波長の略1/4となっていて、携帯電話機100の筐体裏面の表面に配置される。
【0023】
タッチパッド161は、タッチパネルコントローラ220に接続され、タッチパネルコントローラ220によって制御され、透明電極(例えば、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)製)を備える透明なタッチパッドであって、LCD162と互いに重ね合わさることでタッチパネル160を形成する。
LCD162は、タッチパネルコントローラ220に接続され、タッチパネルコントローラ220によって制御される液晶ディスプレイであって、タッチパッド161と互いに重ね合わさることでタッチパネル160を形成する。
【0024】
タッチパネルコントローラ220は、CPU200とタッチパッド161とLCD162とに接続され、CPU200によって制御され、CPU200から送られてくる画像信号に基づく画像を、LCD162に表示させる機能と、携帯電話機100を利用するユーザが、タッチパッド161を用いて行うユーザ操作を、電気信号に変換してCPU200に送る機能とを有する。
【0025】
メモリ230は、CPU200に接続され、CPU200の動作を規定するプログラムと、CPU200が利用するデータとを記憶する。
また、メモリ230は、所定のRSSI値の閾値(以下、「RSSI閾値」と呼ぶ。)を記憶している。
レシーバ240は、CPU200に接続され、CPU200から送られる電気信号を、音声に変換する機能を有する。
【0026】
マイク250は、CPU200に接続され、入力される音声を電気信号に変換してCPU200へ送る機能を有する。
タイマ260は、CPU200に接続され、CPU200によって制御され、時間を計測する機能を有する。
CPU200は、通信用LSI210とタッチパネルコントローラ220とメモリ230とレシーバ240とマイク250とタイマ260とに接続され、メモリ230に記憶されているプログラムを実行することとで、通信用LSI210とタッチパネルコントローラ220とタイマ260とを制御して、以下の3つの機能を実現する。
【0027】
携帯電話機制御機能:携帯電話機100を制御して、携帯電話機100に、従来のタブレット型携帯電話機が有する携帯電話機としての一般的な機能と同等な機能、例えば、通話機能、インターネットサイト閲覧機能、メール送受信機能、待ち受け機能等を実現させる機能。
アンテナ選択信号生成機能:RSSI値測定回路370から送られるRSSI値に基づいて、論理値“0”又は“1”のいずれかとなるアンテナ選択信号を生成し、生成したアンテナ選択信号をセレクタ310に出力する機能。このアンテナ選択信号生成機能は、CPU200が後述のアンテナ選択処理を実行することで実現される。なお、アンテナ選択処理については、後程<アンテナ選択処理>の項目において、フローチャートを用いて詳細に説明する。
【0028】
初期状態設定機能:携帯電話機100が起動された場合に、携帯電話機100を待ち受け状態にして、論理値“0”のアンテナ選択信号を出力する機能。
なお、CPU200は、この初期状態設定機能、及びCPU200によって実行される後述のアンテナ選択処理により、携帯電話機100の状態が待ち受け状態である場合には、論理値“0”のアンテナ選択信号を出力する。
【0029】
以下、図面を参照しながら、上記構成の携帯電話機100の行う動作について説明する。
<動作>
ここでは、携帯電話機100の行う動作のうち、特徴的な動作である、アンテナ選択処理について説明する。
【0030】
<アンテナ選択処理>
アンテナ選択処理は、通信状態である携帯電話機100が行う処理であって、通信用LSI210が通信に利用するアンテナを、第1アンテナ110と第2アンテナ120との間で動的に切り替える処理である。
図4は、アンテナ選択処理のフローチャートである。
【0031】
アンテナ選択処理は、CPU200が、携帯電話機100の状態が待ち受け状態から通信状態へと状態遷移したことを検知することで開始される。
携帯電話機100の状態が待ち受け状態から通信状態へと状態遷移したことの検知は、例えば、CPU200において、通信に係る所定のアプリケーションプログラムが新たに起動されたことを検知すること等で実現できる。
【0032】
アンテナ選択処理が開始されると、CPU200は、携帯電話機100の状態が待ち受け状態である時期からの論理値“0”のアンテナ継続信号の出力を維持しながら、タイマ260を初期化して、所定期間T1(例えば1秒)の計測を開始し(ステップS400)、RSSI値測定回路370から送られるRSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値よりも大きいか否かを調べる(ステップS405)。
【0033】
ここでは、RSSI値測定回路370から送られるRSSI値は、CPU200が論理値“0”のアンテナ選択信号を出力しているため、受信回路330が第1アンテナ110を利用して行う受信におけるRSSI値(以下、「第1RSSI値」という。)となっている。
ステップS405の処理において、RSSI値測定回路370から送られる第1RSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値よりも大きい場合に(ステップS405:Yes)、CPU200は、所定時間T1が経過するまで論理値“0”のアンテナ選択信号の出力を維持して、再びタイマ260を初期化して、新たな所定期間T1の計測を開始する(ステップS410)。
【0034】
新たな所定期間T1の計測を開始すると、CPU200は、携帯電話機100の状態が通信状態であるか否かを調べる(ステップS415)。
携帯電話機100の状態が通信状態であるか否かは、例えば、CPU200において、通信に係る所定のアプリケーションプログラムが起動されているか否かを検知することで実現できる。
【0035】
ステップS415の処理において、携帯電話機100の状態が通信状態である場合に(ステップS415:Yes)、CPU200は、再びステップS405の処理に戻り、ステップS405以下の処理を続ける。
ステップS405の処理において、RSSI値測定回路370から送られる第1RSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値よりも大きくない場合に(ステップS405:No)、CPU200は、出力するアンテナ選択信号の論理値を論理値“0”から論理値“1”に変更して、受信回路330が利用するアンテナを、第1アンテナ110から第2アンテナ120へと変更する(ステップS420)。そして、RSSI値測定回路370から送られるRSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値よりも大きいか否かを調べる(ステップS425)。
【0036】
ここでは、CPU200が論理値“1”のアンテナ選択信号を出力しているため、RSSI値測定回路370から送られるRSSI値は、受信回路330が第2アンテナ120を利用して行う受信におけるRSSI値(以下、「第2RSSI値」という。)となっている。
ステップS425の処理において、RSSI値測定回路370から送られる第2RSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値よりも大きい場合に(ステップS425:Yes)、CPU200は、所定時間T1が経過するまで論理値“1”のアンテナ選択信号の出力を維持して、再びタイマ260を初期化して、新たな所定期間T1の計測を開始する(ステップS430)。
【0037】
新たな所定期間T1の計測を開始すると、CPU200は、携帯電話機100の状態が通信状態であるか否かを調べる(ステップS435)。
ステップS435の処理において、携帯電話機100の状態が通信状態である場合に(ステップS435:Yes)、CPU200は、RSSI値測定回路370から送られる第2RSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値よりも大きいか否かを調べる(ステップS455)。
【0038】
ステップS455の処理において、RSSI値測定回路370から送られる第2RSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値よりも大きい場合に(ステップS455:Yes)、CPU200は、再びステップS430の処理に戻り、ステップS430以下の処理を続ける。
ステップS425の処理において、RSSI値測定回路370から送られる第2RSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値よりも大きくない場合に(ステップS425:No)、CPU200は、直近のステップS405の処理において、メモリ230の記憶するRSSI閾値との比較対象となった第1RSSI値の方が、本ステップS425の処理において、メモリ230の記憶するRSSI閾値との比較対象となった第2RSSI値よりも大きいか否かを調べる(ステップS445)。
【0039】
ステップS445の処理において、第1RSSI値の方が第2RSSI値よりも大きい場合に(ステップS445:Yes)、CPU200は、出力するアンテナ選択信号の論理値を論理値“1”から論理値“0”に変更して、受信回路330が利用するアンテナを、第2アンテナ120から第1アンテナ110へと変更する(ステップS450)。そして、CPU200は、ステップS410以降の処理を行う。
【0040】
ステップS445の処理において、第1RSSI値の方が第2RSSI値よりも大きくない場合に(ステップS445:No)、CPU200は、ステップS430以降の処理を行う。
ステップS455の処理において、RSSI値測定回路370から送られる第2RSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値よりも大きくない場合に(ステップS455:No)、CPU200は、出力するアンテナ選択信号の論理値を論理値“1”から論理値“0”に変更して、受信回路330が利用するアンテナを、第2アンテナ120から第1アンテナ110へと変更する(ステップS460)。そして、RSSI値測定回路370から送られる第1RSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値よりも大きいか否かを調べる(ステップS465)。
【0041】
ステップS465の処理において、RSSI値測定回路370から送られる第1RSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値よりも大きい場合に(ステップS465:Yes)、CPU200は、ステップS410以降の処理を行う。
ステップS465の処理において、RSSI値測定回路370から送られる第1RSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値よりも大きくない場合に(ステップS465:No)、CPU200は、本ステップS465の処理において、メモリ230の記憶するRSSI閾値との比較対象となった第1RSSI値の方が、直近のステップS455の処理において、メモリ230の記憶するRSSI閾値との比較対象となった第2RSSI値よりも大きいか否かを調べる(ステップS470)。
【0042】
ステップS470の処理において、第1RSSI値の方が第2RSSI値よりも大きい場合に(ステップS470:Yes)、CPU200は、ステップS410以降の処理を行う。
ステップS470の処理において、第1RSSI値の方が第2RSSI値よりも大きくない場合に(ステップS470:No)、CPU200は、出力するアンテナ選択信号の論理値を論理値“0”から論理値“1”に変更して、受信回路330が利用するアンテナを、第1アンテナ110から第2アンテナ120へと変更する(ステップS475)。そして、CPU200は、ステップS430以降の処理を行う。
【0043】
ステップS435の処理において、携帯電話機100の状態が通信状態でない場合に(ステップS435:No)、CPU200は、出力するアンテナ選択信号の論理値を論理値“1”から論理値“0”に変更して、受信回路330が利用するアンテナを、第2アンテナ120から第1アンテナ110へと変更する(ステップS450)。
このステップS450の処理は、CPU200が出力するアンテナ選択信号の論理値を、携帯電話機100が受け状態である場合に論理値“0”とするための処理である。
【0044】
ステップS415の処理において、携帯電話機100の状態が通信状態でない場合、又はステップS450の処理が終了した場合に、携帯電話機100は、そのアンテナ選択処理を終了する。
<考察>
上記構成の携帯電話機100は、筐体表面に第1アンテナ110と第2アンテナ120とを備えている。このため、外部の基地局等との通信を、筐体内部にアンテナを備える構成の携帯電話機に比べてより良好に行うことができる。
【0045】
しかしながら、筐体表面にアンテナが配置されているため、携帯電話機100を利用するユーザは、携帯電話機100の利用中に、手等の人体の一部が、第1アンテナ110、又は第2アンテナ120に接触してしまうことがある。
一般に、人体は比較的大きな電気容量を持っている。このため、人体の一部がアンテナに接触してしまうと、そのアンテナは、アンテナ特性が比較的大幅に変化してしまうこととなる。
【0046】
ユーザが、携帯電話機100を用いて行う通信中に、通信用LSI210が通信に利用しているアンテナに接触してしまうと、そのアンテナのアンテナ特性が比較的大幅に変化する。そして、このことによって、RSSI値測定回路370から出力されるRSSI値が比較的大幅に低下して、メモリ230の記憶するRSSI閾値よりも低くなる。すると、携帯電話機100は、通信用LSI210が通信に利用するアンテナを切り替える。
【0047】
従って、この携帯電話機100は、携帯電話機100を用いて行う通信中に、通信用LSI210が通信に利用しているアンテナの一方にユーザが接触してしまったとしても、利用するアンテナを他方のアンテナに切り替えて通信を継続することができる。
一方で、携帯電話機100は、第1アンテナ110と第2アンテナ120とが、略直方体である筐体の中心点を中心として略点対象となる位置に配置されている。これは、第1アンテナ110と第2アンテナ120とを互いに離れた位置に配置することで、これらのアンテナにユーザの指等が同時に接触する可能性を比較的低く抑えるためである。
<実施の形態2>
<概要>
以下、本発明に係る携帯通信端末の一例として、実施の形態1に係る携帯電話機100の一部を変形した第1変形携帯電話機について説明する。
【0048】
実施の形態2に係る第1変形携帯電話機は、そのハードウエア構成が、実施の形態1に係る携帯電話機100と同様の構成のものとなっているが、実行されるソフトウエアの一部が、実施の形態1に係る携帯電話機100から変形されている。
実施の形態1に係る携帯電話機100は、選択中のアンテナを利用して行う受信におけるRSSI値がメモリ230の記憶するRSSI閾値よりも大きくなくなった場合に、その後の通信に利用するアンテナを切り替えるという構成の例であった。これに対して、実施の形態2に係る第1変形携帯電話機は、第1アンテナ110を利用して行う受信における第1RSSI値と、第2アンテナ120を利用して行う受信における第2RSSI値とを定期的に比較して、その比較結果に基づいて、その後の通信に利用するアンテナを選択するという構成の例である。
【0049】
以下、本実施の形態2に係る第1変形携帯電話機について、実施の形態1に係る携帯電話機100との相違点を中心に、図面を参照しながら説明する。
<構成>
第1変形携帯電話機は、実施の形態1に係る携帯電話機100と同様のハードウエア構成となっている。よって、ここでは説明を省略する。
【0050】
また、以下では、第1変形携帯電話機のハードウエアを構成する各構成要素に係る説明は、実施の形態1における説明で用いた符号と同じものを用いて説明する。
<動作>
第1変形携帯電話機は、実施の形態1に係る携帯電話機100の行うアンテナ選択処理に替えて、第1変形アンテナ選択処理を行う。
【0051】
よって、ここでは、この第1変形アンテナ選択処理について説明する。
<第1変形アンテナ選択処理>
第1変形アンテナ選択処理は、実施の形態1に係るアンテナ選択処理と同様に、通信状態である第1変形携帯電話機が行う処理であって、通信用LSI210が通信に利用するアンテナを、第1アンテナ110と第2アンテナ120との間で動的に切り替える処理である。
【0052】
図5は、第1変形アンテナ選択処理のフローチャートである。
第1変形アンテナ選択処理は、実施の形態1に係るアンテナ選択処理と同様に、CPU200が、第1変形携帯電話機の状態が待ち受け状態から通信状態へと状態遷移したことを検知することで開始される。
アンテナ選択処理が開始されると、CPU200は、第1変形携帯電話機の状態が待ち受け状態である時期からの論理値“0”のアンテナ継続信号の出力を維持しながら、タイマ260を初期化して、所定期間T2(例えば1秒)の計測を開始し(ステップS500)、RSSI値測定回路370から送られる第1RSSI値を一時的に記憶する(ステップS510)。そして、CPU200は、出力するアンテナ選択信号の論理値を論理値“0”から論理値“1”に変更して、受信回路330が利用するアンテナを、第1アンテナ110から第2アンテナ120へと変更して(ステップS520)、RSSI値測定回路370から送られる第2RSSI値を一時的に記憶する。
【0053】
次に、CPU200は、一時的に記憶した第1RSSI値が一時的に記憶した第2RSSI値よりも大きいか否かを調べる(ステップS540)。
ステップS540の処理において、第1RSSI値が第2RSSI値よりも大きい場合に(ステップS540:Yes)、CPU200は、出力するアンテナ選択信号の論理値を論理値“1”から論理値“0”に変更して、受信回路330が利用するアンテナを、第2アンテナ120から第1アンテナ110へと変更する(ステップS550)。
【0054】
ステップS550の処理が終了した場合、又はステップS540の処理において、第1RSSI値が第2RSSI値よりも大きくない場合に(ステップS540:No)、CPU200は、所定時間T2が経過するまで、出力するアンテナ選択信号の論理値を維持して、再びタイマ260を初期化して、新たな所定期間T1の計測を開始する(ステップS560)。
【0055】
新たな所定期間T1の計測を開始すると、CPU200は、出力するアンテナ選択信号の論理値が“1”であるか否か、すなわち、現在選択中のアンテナが第2アンテナ120であるか否かを調べる(ステップS570)。
ステップS580の処理において、出力するアンテナ選択信号の論理値が“1”である場合に(ステップS570:No)、CPU200は、出力するアンテナ選択信号の論理値を論理値“1”から論理値“0”に変更して、受信回路330が利用するアンテナを、第2アンテナ120から第1アンテナ110へと変更する(ステップS580)。
【0056】
ステップS570の処理において、出力するアンテナ選択信号の論理値が“1”でない場合、すなわち、現在選択中のアンテナが第1アンテナ110である場合(ステップS570:No)、又はステップS580の処理が終了した場合に、CPU200は、第1変形携帯電話機の状態が通信状態であるか否かを調べる(ステップS590)。
ステップS590の処理において、第1変形携帯電話機の状態が通信状態である場合に(ステップS590:Yes)、CPU200は、再びステップS510の処理に戻り、ステップS510以下の処理を続ける。
【0057】
ステップS590の処理において、第1変形携帯電話機の状態が通信状態でない場合に(ステップS590:No)、第1変形携帯電話機は、その第1変形アンテナ選択処理を終了する。
なお、この第1変形アンテナ選択処理によると、CPU200は、第1変形アンテナ選択処理の終了時点で、論理値“0”となるアンテナ選択信号を出力する。
【0058】
<考察>
実施の形態1において考察したように、ユーザが、第1変形携帯電話機を用いて行う通信中に、通信用LSI210が通信に利用しているアンテナに接触してしまうと、そのアンテナのアンテナ特性が比較的大幅に変化する。
この第1変形携帯電話機は、周期的(所定時間T2おき)に、第1アンテナ110を利用して行う受信における第1RSSI値と、第2アンテナ120を利用して行う受信における第2RSSI値とを比較して、RSSI値が大きくなる方のアンテナを選択して、通信を継続する。
【0059】
従って、この第1変形携帯電話機は、第1変形携帯電話機を用いて行う通信中に、通信用LSI210が通信に利用しているアンテナの一方にユーザが接触してしまったとしても、利用するアンテナを他方のアンテナに切り替えて通信を継続することができる。
<実施の形態3>
<概要>
以下、本発明に係る携帯通信端末の一例として、実施の形態1に係る携帯電話機100の一部を変形した第2変形携帯電話機600について説明する。
【0060】
実施の形態3に係る第2変形携帯電話機600は、そのハードウエア構成の一部と、実行されるソフトウエアの一部とが、実施の形態1に係る携帯電話機100から変形されている。
実施の形態1に係る携帯電話機100は、第1アンテナ110と第2アンテナ120とを備え、これら2つのアンテナのうちのいずれか1つ選択して通信を行うという構成の例であった。これに対して、実施の形態3に係る第2変形携帯電話機600は、第1アンテナ610と第2アンテナ620と第3アンテナ630とを備え、これら3つのアンテナのうちのいずれか1つを選択して通信を行うという構成の例である。
【0061】
以下、本実施の形態3に係る第2変形携帯電話機600について、実施の形態1に係る携帯電話機100との相違点を中心に、図面を参照しながら説明する。
<構成>
図6は、第2変形携帯電話機600の斜視図である。同図では、図1と同様に、実際には視認することができない部分についても、破線を用いてあたかも視認することができるかのように表示されている。
【0062】
同図に示されるように、第2変形携帯電話機600は、実施の形態1に係る携帯電話機100が備える第1アンテナ110と第2アンテナ120との替わりに、筐体の主平面の表面左上隅に第1アンテナ610と、筐体の下側面の表面右手前に第2アンテナ620と、裏面の表面右端中央に第3アンテナ630とを備える。
図7は、第2変形携帯電話機600の回路図である。
【0063】
同図に示されるように、第2変形携帯電話機600は、実施の形態1に係る携帯電話機100から、CPU200がCPU700に変更され、通信用LSI210が通信用LSI710に変更され、第1アンテナ110と第2アンテナ120とが第1アンテナ610と第2アンテナ620と第3アンテナ630とに変更されるように変形されている。
通信用LSI710は、実施の形態1に係る通信用LSI210から、その一部が変形されたものであり、CPU700と第1アンテナ610と第2アンテナ620と第3アンテナ630に接続され、CPU700によって制御され、第1アンテナ610、第2アンテナ620、又は第3アンテナ630を利用して、1.9GHz帯の電磁波を用いて外部の基地局等と通信する機能と、受信した受信信号の電界強度を測定する機能とを有する。
【0064】
図8は、通信用LSI710の主要な構成要素を示す回路図である。
同図に示されるように、通信用LSI710は、実施の形態1に係る通信用LSI210から、セレクタ310がセレクタ810に変更されるように変形されている。
セレクタ810は、実施の形態1に係るセレクタ310から、その一部が変形されたものであり、第1アンテナ610と第2アンテナ620と第3アンテナ630とCPU700と送受信切替スイッチ320とに接続され、CPU700から出力される変形アンテナ選択信号が論理値“0”の場合に第1アンテナ610と送受信切替スイッチ320とを電気的に接続する状態となり、変形アンテナ選択信号が論理値“1”の場合に第2アンテナ620と送受信切替スイッチ320とを電気的に接続する状態となり、変形アンテナ選択信号が論理値“2”の場合に第3アンテナ630と送受信切替スイッチ320とを電気的に接続する状態となる機能を有する。
【0065】
再び図7に戻って、第2変形携帯電話機600の構成要素の説明を続ける。
第1アンテナ610は、受信回路330と送信回路350とが行う通信に利用される、ステンレス製薄膜からなるモノポールアンテナであって、セレクタ810に接続される。そして、この第1アンテナ610は、その長さが1.9GHz帯電磁波の波長の略1/4となっていて、第3変形携帯電話機600の筐体主平面の表面に配置される。
【0066】
第2アンテナ620は、受信回路330と送信回路350とが行う通信に利用される、ステンレス製薄膜からなるモノポールアンテナであって、セレクタ810に接続される。そして、この第2アンテナ620は、第1アンテナ610と同様に、その長さが1.9GHz帯電磁波の波長の略1/4となっていて、第3変形携帯電話機600の筐体下側面の表面に配置される。
【0067】
第3アンテナ630は、受信回路330と送信回路350とが行う通信に利用される、ステンレス製薄膜からなるモノポールアンテナであって、セレクタ810に接続される。そして、この第3アンテナ630は、第1アンテナ610と同様に、その長さが1.9GHz帯電磁波の波長の略1/4となっていて、第3変形携帯電話機600の筐体裏面の表面に配置される。
【0068】
CPU700は、実施の形態1に係るCPU200から、その一部が変形されたものであり、通信用LSI710とタッチパネルコントローラ220とメモリ230とレシーバ240とマイク250とタイマ260とに接続され、メモリ230に記憶されているプログラムを実行することとで、通信用LSI710とタッチパネルコントローラ220とタイマ260とを制御して、実施の形態1に係る携帯電話機制御機能と初期状態設定機能とに加えて、実施の形態1に係るアンテナ選択信号生成機能の一部が変形された第1変形アンテナ選択信号生成機能を有する。
【0069】
第1変形アンテナ選択信号生成機能:RSSI値測定回路370から送られるRSSI値に基づいて、論理値“0”、“1”、又は“2”のいずれかとなる第1変形アンテナ選択信号を生成し、生成した第1変形アンテナ選択信号をセレクタ810に出力する機能。この第1変形アンテナ選択信号生成機能は、CPU700が後述の第2変形アンテナ選択処理を実行することで実現される。なお、第2変形アンテナ選択処理については、後程<第2変形アンテナ選択処理>の項目において、フローチャートを用いて詳細に説明する。
【0070】
<動作>
第2変形携帯電話機600は、実施の形態1に係る携帯電話機100の行うアンテナ選択処理に替えて、第2変形アンテナ選択処理を行う。
よって、ここでは、この第2変形アンテナ選択処理について説明する。
<第2変形アンテナ選択処理>
第2変形アンテナ選択処理は、通信状態である第2変形携帯電話機600が行う処理であって、通信用LSI710が通信に利用するアンテナを、第1アンテナ610と第2アンテナ620と第3アンテナ630との間で動的に切り替える処理である。
【0071】
図9は、第2変形アンテナ選択処理のフローチャートである。
第2変形アンテナ選択処理は、CPU700が、第2変形携帯電話機600の状態が待ち受け状態から通信状態へと状態遷移したことを検知することで開始される。
第2変形アンテナ選択処理が開始されると、CPU700は、第2変形携帯電話機600の状態が待ち受け状態である時期からの論理値“0”のアンテナ継続信号の出力を維持しながら、タイマ260を初期化して、所定期間T3(例えば1秒)の計測を開始して(ステップS900)、初期選択処理を開始する(ステップS910)。
【0072】
初期選択処理は、第2変形アンテナ選択処理の開始後最初に行うアンテナの選択処理であって、第1アンテナ610と第2アンテナ620と第3アンテナ630との3つのアンテナから、その後の通信に利用するアンテナを選択する処理である。
図10は、初期選択処理のフローチャートである。
初期選択処理が開始されると、CPU700は、RSSI値測定回路370から送られる第1RSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値よりも大きいか否かを調べる(ステップS1000)。
【0073】
ステップS1000の処理において、RSSI値測定回路から送られてくる第1RSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値よりも大きくない場合に(ステップS1000:No)、CPU700は、出力する変形アンテナ選択信号の論理値を論理値“0”から論理値“1”に変更して、受信回路330が利用するアンテナを、第1アンテナ610から第2アンテナ620へと変更する(ステップS1010)。そして、RSSI値測定回路370から送られる第2RSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値よりも大きいか否かを調べる(ステップS1020)。
【0074】
ステップS1020の処理において、RSSI値測定回路から送られてくる第2RSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値よりも大きくない場合に(ステップS1020:No)、CPU700は、出力する変形アンテナ選択信号の論理値を論理値“1”から論理値“2”に変更して、受信回路330が利用するアンテナを、第2アンテナ620から第3アンテナ630へと変更する(ステップS1030)。そして、RSSI値測定回路370から送られるRSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値よりも大きいか否かを調べる(ステップS1040)。
【0075】
ここでは、CPU700が論理値“2”の変形アンテナ選択信号を出力しているため、RSSI値測定回路370から送られるRSSI値は、受信回路330が第3アンテナ630を利用して行う受信におけるRSSI値(以下、「第3RSSI値」という。)となっている。
ステップS1040の処理において、RSSI値測定回路から送られてくる第3RSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値よりも大きくない場合に(ステップS1040:No)、CPU700は、ステップS1000の処理においてメモリ230の記憶するRSSI閾値との比較対象となった第1RSSI値と、ステップS1020の処理においてメモリ230の記憶するRSSI閾値との比較対象となった第2RSSI値と、ステップS1040の処理においてメモリ230の記憶するRSSI閾値との比較対象となった第3RSSI値との比較を行い、最大のRSSI値となるときに出力していた変形アンテナ選択信号の論理値を、新たな変形アンテナ選択信号の論理値として出力する。すなわち、最大のRSSI値となるときに選択していたアンテナを選択する(ステップS1050)。
【0076】
ステップS1000の処理において、RSSI値測定回路から送られてくる第1RSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値よりも大きい場合(ステップS1000:Yes)、ステップS1020の処理において、RSSI値測定回路から送られてくる第2RSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値よりも大きい場合(ステップS1020:Yes)、ステップS1040の処理において、RSSI値測定回路から送られてくる第3RSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値よりも大きい場合に(ステップS1040:Yes)、又はステップS1050の処理が終了した場合に、CPU700は、その初期選択処理を終了する。
【0077】
再び図9に戻って、第2変形アンテナ選択処理の説明を続ける。
ステップS910の初期選択処理が終了すると、CPU700は、所定時間T3が経過するまで出力する変形アンテナ選択信号の論理値を維持して、再びタイマ260を初期化して、新たな所定期間T3の計測を開始する(ステップS920)。
新たな所定期間T3の計測を開始すると、CPU700は、第2変形携帯電話機600の状態が通信状態であるか否かを調べる(ステップS930)。
【0078】
ステップS930の処理において、第2変形携帯電話機600の状態が通信状態である場合に(ステップS930:Yes)、CPU700は、RSSI値測定回路370から送られるRSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値以下であるか否かを調べる(ステップS940)。
ステップS940の処理において、RSSI値測定回路370から送られるRSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値以下でない場合に(ステップS940:No)、CPU700は、再びステップS920の処理に戻り、ステップS920以下の処理を続ける。
【0079】
ステップS940の処理において、RSSI値測定回路370から送られるRSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値以下である場合に(ステップS940:Yes)、CPU700は、出力中の変形アンテナ選択信号の論理値が“0”であるか否か、すなわち、選択中のアンテナが第1アンテナ610であるか否かを調べる(ステップS950)。
【0080】
ステップS950の処理において、選択中のアンテナが第1アンテナ610である場合に(ステップS950:Yes)、CPU700は、第1選択処理を開始する(ステップS970)。
第1選択処理は、第1RSSI値がメモリ230の記憶するRSSI閾値以下である場合において、第1アンテナ610と第2アンテナ620と第3アンテナ630との3つのアンテナから、その後の通信に利用するアンテナを決定して選択する処理である。
【0081】
ステップS950の処理において、選択中のアンテナが第1アンテナ610でない場合に(ステップS950:No)、CPU700は、出力中の変形アンテナ選択信号の論理値が“1”であるか否か、すなわち、選択中のアンテナが第2アンテナ620であるか否かを調べる(ステップS960)。
ステップS960の処理において、選択中のアンテナが第2アンテナ610である場合に(ステップS960:Yes)、CPU700は、第2選択処理を開始する(ステップS980)。
【0082】
第2選択処理は、第2RSSI値がメモリ230の記憶するRSSI閾値以下である場合において、第1アンテナ610と第2アンテナ620と第3アンテナ630との3つのアンテナから、その後の通信に利用するアンテナを決定して選択する処理である。
ステップS960の処理において、選択中のアンテナが第2アンテナ620でない場合に(ステップS960:No)、CPU700は、第3選択処理を開始する(ステップS990)。
【0083】
第3選択処理は、第3RSSI値がメモリ230の記憶するRSSI閾値以下である場合において、第1アンテナ610と第2アンテナ620と第3アンテナ630との3つのアンテナから、その後の通信に利用するアンテナを決定して選択する処理である。
以下、第1選択処理、第2選択処理、及び第3選択処理について説明する。
図11は、第1選択処理のフローチャートである。
【0084】
第1選択処理が開始されると、CPU700は、出力する変形アンテナ選択信号の論理値を論理値“0”から論理値“1”に変更して、受信回路330が利用するアンテナを、第1アンテナ610から第2アンテナ620へと変更する(ステップS1100)。そして、RSSI値測定回路370から送られる第2RSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値よりも大きいか否かを調べる(ステップS1110)。
【0085】
ステップS1110の処理において、RSSI値測定回路から送られてくる第2RSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値よりも大きくない場合に(ステップS1110:No)、CPU700は、出力する変形アンテナ選択信号の論理値を論理値“1”から論理値“2”に変更して、受信回路330が利用するアンテナを、第2アンテナ620から第3アンテナ630へと変更する(ステップS1120)。そして、RSSI値測定回路370から送られる第3RSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値よりも大きいか否かを調べる(ステップS1130)。
【0086】
ステップS1130の処理において、RSSI値測定回路から送られてくる第3RSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値よりも大きくない場合に(ステップS1130:No)、CPU700は、直近のステップS930の処理においてメモリ230の記憶するRSSI閾値との比較対象となった第1RSSI値と、直近のステップS1110の処理においてメモリ230の記憶するRSSI閾値との比較対象となった第2RSSI値と、直近のステップS1120の処理においてメモリ230の記憶するRSSI閾値との比較対象となった第3RSSI値との比較を行い、最大のRSSI値となるときに出力していた変形アンテナ選択信号の論理値を、新たな変形アンテナ選択信号の論理値として出力する。すなわち、最大のRSSI値となるときに選択していたアンテナを選択する(ステップS1140)。
【0087】
ステップS1110の処理において、RSSI値測定回路から送られてくる第2RSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値よりも大きい場合(ステップS1110:Yes)、ステップS1110の処理において、RSSI値測定回路から送られてくる第3RSSI値が、メモリ230の記憶するRSSI閾値よりも大きい場合(ステップS1130:Yes)、又はステップS1140の処理が終了した場合に、CPU700は、その第1選択処理を終了する。
【0088】
図12は、第2選択処理のフローチャートである。
同図に示されるように、第2選択処理は、第1選択処理から、第2アンテナ620を第3アンテナ630に読み替えて、第3アンテナ630を第1アンテナ610に読み替えて、第2RSSI値を第3RSSI値に読み替えて、第3RSSI値を第1RSSI値に読み替えたものと同等の処理となっている。
【0089】
よってここでは、その説明を省略する。
図13は、第3選択処理のフローチャートである。
同図に示されるように、第3選択処理は、第1選択処理から、第2アンテナ620を第1アンテナ610に読み替えて、第3アンテナ630を第2アンテナ620に読み替えて、第2RSSI値を第1RSSI値に読み替えて、第3RSSI値を第2RSSI値に読み替えたものと同等の処理となっている。
【0090】
よってここでは、その説明を省略する。
再び図9に戻って、第2変形アンテナ選択処理の説明を続ける。
ステップS970の第1選択処理が終了した場合、ステップS980の第2選択処理が終了した場合、又はステップS990の第3選択処理が終了した場合に、CPU700は、再びステップS920の処理に戻って、ステップS920以下の処理を行う。
【0091】
ステップS930の処理において、第2変形携帯電話機600の状態が通信状態でない場合に(ステップS930:No)、第2変形携帯電話機600は、その第2変形アンテナ選択処理を終了する。
<考察>
この第2変形携帯電話機600は、3つのアンテナを備える。そして、ユーザが、第2変形携帯電話機600を用いて行う通信中に、これら3つのアンテナのうちの2つのアンテナに同時に接触してしまっても、接触されていないアンテナを利用して通信を継続することができる。
<実施の形態4>
<概要>
以下、本発明に係る携帯通信端末の一例として、実施の形態1に係る携帯電話機100の一部を変形した第3変形携帯電話機について説明する。
【0092】
実施の形態4に係る第3変形携帯電話機は、そのハードウエア構成の一部と、実行されるソフトウエアの一部とが、実施の形態1に係る携帯電話機100から変形されている。
実施の形態1に係る携帯電話機100は、RSSI値測定回路370の出力するRSSI値に応じて、利用するアンテナを切り替えるという構成の例であった。これに対して実施の形態4に係る第3変形携帯電話機は、RSSI値測定回路370の替わりに送信回路350の消費電流を測定する電流測定回路1570を備え、この電流測定回路1570の測定する電流に応じて、利用するアンテナを切り替えるという構成の例である。
【0093】
一般に、携帯電話機と通信する基地局は、通信相手の携帯電話機から受信する信号の電界強度が弱くなると、その携帯電話機に対して、送信出力を大きくする旨の信号を出力する。そして、携帯電話機は、送信出力を大きくする旨の信号を受信すると、送信回路の出力を大きくするために、送信回路における送信信号の増幅率を増加させる。そして、このことによって、送信回路の消費電流が増加することとなる。
【0094】
以下、本実施の形態4に係る第3変形携帯電話機について、実施の形態1に係る携帯電話機100との相違点を中心に、図面を参照しながら説明する。
<構成>
図14は、第3変形携帯電話機の回路図である。
同図に示されるように、第3変形携帯電話機は、実施の形態1に係る携帯電話機100から、CPU200がCPU1400に変更され、通信用LSI210が通信用LSI1410に変更されるように変形されている。
【0095】
通信用LSI1410は、実施の形態1に係る通信用LSI210から、その一部が変形されたものであり、CPU1400と第1アンテナ110と第2アンテナ120とに接続され、CPU1400によって制御され、第1アンテナ110、又は第2アンテナ120を利用して、1.9GHz帯の電磁波を用いて外部の基地局等と通信する機能と、内蔵する送信回路350の消費電流を測定する機能とを有する。
【0096】
図15は、通信用LSI1410の主要な構成要素を示す回路図である。
同図に示されるように、通信用LSI1410は、実施の形態1に係る通信用LSI210から、RSSI値測定回路370が削除され、電流測定回路1570が追加されるように変形されている。
電流測定回路1570は、送信回路350とCPU1400とに接続され、送信回路350の消費電流を測定する機能と、測定した消費電流を消費電流値としてCPU1400に送る機能とを有する。
【0097】
再び図14に戻って、第3変形携帯電話機の構成要素の説明を続ける。
CPU1400は、実施の形態1に係るCPU200から、その一部が変形されたものであり、通信用LSI1410とタッチパネルコントローラ220とメモリ230とレシーバ240とマイク250とタイマ260とに接続され、メモリ230に記憶されているプログラムを実行することとで、通信用LSI1410とタッチパネルコントローラ220とタイマ260とを制御して、実施の形態1に係る携帯電話機制御機能と初期状態設定機能とに加えて、実施の形態1に係るアンテナ選択信号生成機能の一部が変形された第2変形アンテナ選択信号生成機能を有する。
【0098】
第2変形アンテナ選択信号生成機能:電流測定回路1570から送られる消費電流値に基づいて、論理値“0”、又は“1”のいずれかとなる第2変形アンテナ選択信号を生成し、生成した第2変形アンテナ選択信号をセレクタ310に出力する機能。この第2変形アンテナ選択信号生成機能は、CPU1400が後述の第3変形アンテナ選択処理を実行することで実現される。なお、第3変形アンテナ選択処理については、後程<第3変形アンテナ選択処理>の項目において、フローチャートを用いて詳細に説明する。
【0099】
また、メモリ230は、RSSI閾値の替わりに、所定の消費電流の閾値(以下、「消費電流閾値」と呼ぶ。)を記憶する。
<動作>
第3変形携帯電話機は、実施の形態1に係る携帯電話機100の行うアンテナ選択処理に替えて、第3変形アンテナ選択処理を行う。
【0100】
よって、ここでは、この第3変形アンテナ選択処理について説明する。
<第3変形アンテナ選択処理>
第3変形アンテナ選択処理は、通信状態である第3変形携帯電話機が行う処理であって、通信用LSI1410が通信に利用するアンテナを、第1アンテナ110と第2アンテナ120との間で動的に切り替える処理である。
【0101】
図16は、第3変形アンテナ選択処理のフローチャートである。
同図に示されるように、第3変形アンテナ選択処理は、実施の形態1に係るアンテナ選択処理(図4参照)の一部が変形された処理である。具体的には、ステップS405の処理がステップS1605の処理に変更され、ステップS425の処理がステップS1625の処理に変更され、ステップS445の処理がステップS1645の処理に変更され、ステップS455の処理がステップS1655の処理に変更され、ステップS465の処理がステップS1665の処理に変更され、ステップS470の処理がステップS1670の処理に変更されるように変形されている。
【0102】
ここでは、これら変更された処理についてのみ説明を行う。
ステップS1605の処理は、CPU1400が、電流測定回路1570から送られてくる第1消費電流値がメモリ230の記憶する消費電流閾値以下であるか否かを調べる処理である。ここで、第1消費電流値とは、CPU1400が論理値“0”の第2変形アンテナ選択信号を出力している場合において、電流測定回路1570から送られてくる消費電流値のことである。
【0103】
ステップS1625の処理は、CPU1400が、電流測定回路1570から送られてくる第2消費電流値がメモリ230の記憶する消費電流閾値以下であるか否かを調べる処理である。ここで、第2消費電流値とは、CPU1400が論理値“1”の第2変形アンテナ選択信号を出力している場合において、電流測定回路1570から送られてくる消費電流値のことである。
【0104】
ステップS1645の処理は、CPU1400が、直近のステップS1605の処理において、メモリ230の記憶する消費電流閾値との比較対象となった第1消費電流値の方が、本ステップS1625の処理において、メモリ230の記憶する消費電流閾値との比較対象となった第2消費電流値以下であるか否かを調べる処理である。
ステップS1655の処理は、CPU1400が、電流測定回路1570から送られてくる第2消費電流値がメモリ230の記憶する消費電流閾値以下であるか否かを調べる処理である。
【0105】
ステップS1665の処理は、CPU1400が、電流測定回路1570から送られてくる第1消費電流値がメモリ230の記憶する消費電流閾値以下であるか否かを調べる処理である。
ステップS1670の処理は、CPU1400が、直近のステップS1665の処理において、メモリ230の記憶する消費電流閾値との比較対象となった第1消費電流値の方が、本ステップS1655の処理において、メモリ230の記憶する消費電流閾値との比較対象となった第2消費電流値以下であるか否かを調べる処理である。
【0106】
<考察>
上記構成の第3変形携帯電話機は、ユーザが、第3変形携帯電話機を用いて行う通信中に、通信用LSI210が通信に利用しているアンテナに接触してしまうと、そのアンテナのアンテナ特性が比較的大幅に変化する。そして、このことによって、第3変形携帯電話機と通信する基地局における受信信号の電界強度が弱くなる。このため、その基地局は、第3変形携帯電話機に対して、送信出力を大きくする旨の信号を出力する。すると、第3変形携帯電話機は、送信回路350の増幅率を増加させる。送信回路350の増幅率が増加すると、送信回路350の消費電流が大きくなるため、電流測定回路1570の出力する消費電流値も大きくなる。そして、そのうち、電流測定回路1570の出力する消費電流値がメモリ230の記憶する消費電流閾値よりも大きくなる。すると、第3変形携帯電話機は、通信用LSI210が通信に利用するアンテナを切り替える。
【0107】
従って、この第3変形携帯電話機は、第3変形携帯電話機を用いて行う通信中に、通信用LSI210が通信に利用しているアンテナの一方にユーザが接触してしまったとしても、利用するアンテナを他方のアンテナに切り替えて通信を継続することができる。
<実施の形態5>
<概要>
以下、本発明に係る携帯通信端末の一例として、実施の形態1に係る携帯電話機100の一部を変形した第4変形携帯電話機1700について説明する。
【0108】
実施の形態5に係る第4変形携帯電話機1700は、そのハードウエア構成の一部と、実行されるソフトウエアの一部とが、実施の形態1に係る携帯電話機100から変形されている。
実施の形態1に係る携帯電話機100は、1.9GHz帯の信号を利用して外部の基地局等と通信する携帯電話機であった。これに対して、実施の形態5に係る第4変形携帯電話機1700は、さらに、800MHz帯の信号を利用して外部の基地局等と通信し、Bluetooth(登録商標:以下、単に「BT」と呼ぶ。)規格の周波数帯の信号を利用して外部のBT機器と通信し、Global Positioning System(以下、単に「GPS」と呼ぶ。)が利用する周波数帯の信号を利用して外部のGPS衛星からの信号を受信する。
【0109】
以下、本実施の形態5に係る第4変形携帯電話機1700について、実施の形態1に係る携帯電話機100との相違点を中心に、図面を参照しながら説明する。
<構成>
図17は、第4変形携帯電話機1700の斜視図である。同図では、図1と同様に、実際には視認することができない部分についても、破線を用いてあたかも視認することができるかのように表示されている。
【0110】
同図に示されるように、第4変形携帯電話機1700は、実施の形態1に係る携帯電話機100が備える第1アンテナ110と第2アンテナ120とに加えて、筐体の右側面の表面下手前に第3アンテナ1713と、筐体の左側面の表面上奥に第4アンテナ1714と、筐体の主平面の表面下左隅に第5アンテナ1715と、筐体の裏面の表面上右隅に第6アンテナ1716と、筐体の上側面の表面手前右隅に第7アンテナ1717と、筐体の下側面の表面奥左隅に第8アンテナ1718とを備える。
【0111】
これらのうち、第3アンテナ1713と第4アンテナ1714と、第5アンテナ1715と第6アンテナ1716と、及び第7アンテナ1717と第8アンテナ1718とは、それぞれ、略直方体である筐体の中心点を中心として略点対象となる位置に配置されている。
図18は、第4変形携帯電話機1700の回路図である。
【0112】
同図に示されるように、第4変形携帯電話機1700は、実施の形態1に係る携帯電話機100から、800MHz帯通信用LSI1811とBT通信用LSI1812とGPS通信用LSI1813と第3アンテナ1713と第4アンテナ1714と第5アンテナ1715と第6アンテナ1716と第8アンテナ1718とが追加され、CPU200がCPU1800に変更されるように変形されている。
【0113】
800MHz帯通信用LSI1811は、実施の形態1に係る通信用LSI210から、その一部が変形されたものであり、CPU1800と第3アンテナ1713と第4アンテナ1714とに接続され、CPU1800によって制御され、第3アンテナ1713又は第4アンテナ1714を利用して、800MHz帯の電磁波を用いて外部の基地局等と通信する機能と、受信した受信信号の電界強度を測定する機能とを有する。
【0114】
BT通信用LSI1812は、実施の形態1に係る通信用LSI210から、その一部が変形されたものであり、CPU1800と第5アンテナ1715と第6アンテナ1716とに接続され、CPU1800によって制御され、第5アンテナ1715又は第6アンテナ1716を利用して、BT規格の周波数帯の電磁波を用いて外部のBT機器と通信する機能と、受信した受信信号の電界強度を測定する機能とを有する。
【0115】
GPS通信用LSI1813は、実施の形態1に係る通信用LSI210から、その一部が変形されたものであり、CPU1800と第7アンテナ1717と第8アンテナ1718とに接続され、CPU1800によって制御され、第7アンテナ1717又は第8アンテナ1718を利用して、GPSが利用する周波数帯の信号を利用してGPS衛星からの信号を受信する機能と、受信した受信信号の電界強度を測定する機能とを有する。
【0116】
図19は、800MHz帯通信用LSI1811の主要な構成要素を示す回路図である。
同図に示されるように、800MHz帯通信用LSI1811は、実施の形態1に係る通信用LSI210から、受信回路330が受信回路1930に変更され、復調回路340が復調回路1940に変更され、送信回路350が送信回路1950に変更され、変調回路360が変調回路1960に変更されるように変形されている。
【0117】
受信回路1930は、送受信切替スイッチ320と復調回路1940とRSSI値測定回路370とに接続され、第3アンテナ1713又は第4アンテナ1714を利用して外部の基地局等から送信される800MHz帯の信号を受信する機能と、受信した受信信号を復調回路1940に送る機能とを有する。
復調回路1940は、受信回路1930とCPU1800とに接続され、受信回路1930から送られてきた受信信号を復調する機能と、復調した信号をCPU1800に送る機能とを有する。
【0118】
送信回路1950は、送受信切替スイッチ320と変調回路1960とに接続され、変調回路1960から送られてきた信号を、第3アンテナ1713又は第4アンテナ1714を利用して外部の基地局等へ送信する機能を有する。
変調回路1960は、送信回路1950とCPU1800とに接続され、CPU1800から送られてきた信号を、800MHz帯の信号に変調する機能と、変調した信号を送信回路1950に送る機能とを有する。
【0119】
図20は、BT通信用LSI1812の主要な構成要素を示す回路図である。
同図に示されるように、BT通信用LSI1812は、実施の形態1に係る通信用LSI210から、受信回路330が受信回路2030に変更され、復調回路340が復調回路2040に変更され、送信回路350が送信回路2050に変更され、変調回路360が変調回路2060に変更されるように変形されている。
【0120】
受信回路2030は、送受信切替スイッチ320と復調回路2040とRSSI値測定回路370とに接続され、第5アンテナ1715又は第6アンテナ1716を利用して外部のBT機器から送信されるBT規格の周波数帯の信号を受信する機能と、受信した受信信号を復調回路2040に送る機能とを有する。
復調回路2040は、受信回路2030とCPU1800とに接続され、受信回路2030から送られてきた受信信号を復調する機能と、復調した信号をCPU1800に送る機能とを有する。
【0121】
送信回路2050は、送受信切替スイッチ320と変調回路2060とに接続され、変調回路2060から送られてきた信号を、第5アンテナ1715又は第6アンテナ1716を利用して外部の基地局等へ送信する機能を有する。
変調回路2060は、送信回路2050とCPU1800とに接続され、CPU1800から送られてきた信号を、BT規格の周波数帯の信号に変調する機能と、変調した信号を送信回路2050に送る機能とを有する。
【0122】
図21は、GPS通信用LSI1813の主要な構成要素を示す回路図である。
同図に示されるように、GPS通信用LSI1813は、実施の形態1に係る通信用LSI210から、受信回路330が受信回路2130に変更され、復調回路340が復調回路2140に変更され、送信回路350と変調回路360とが削除されるように変形されている。
【0123】
受信回路2130は、送受信切替スイッチ320と復調回路2140とRSSI値測定回路370とに接続され、第7アンテナ1717又は第8アンテナ1718を利用してGPS衛星から送信されるGPSが利用する周波数帯の信号を受信する機能と、受信した受信信号を復調回路2140に送る機能とを有する。
復調回路2140は、受信回路2130とCPU1800とに接続され、受信回路2130から送られてきた受信信号を復調する機能と、復調した信号をCPU1800に送る機能とを有する。
【0124】
再び図18に戻って、第4変形携帯電話機1700の説明を続ける。
第3アンテナ1713は、受信回路1930と送信回路1950とが行う通信に利用される、ステンレス製薄膜からなるモノポールアンテナであって、800MHz帯通信用LSI1811のセレクタ310に接続される。そして、この第3アンテナ1713は、その長さが800Hz帯電磁波の波長の略1/4となっていて、第4変形携帯電話機1700の筐体右側面の表面に配置される。
【0125】
第4アンテナ1714は、受信回路1930と送信回路1950とが行う通信に利用される、ステンレス製薄膜からなるモノポールアンテナであって、800MHz帯通信用LSI1811のセレクタ310に接続される。そして、この第4アンテナ1714は、第3アンテナ1713と同様に、その長さが800MHz帯電磁波の波長の略1/4となっていて、第4変形携帯電話機1700の筐体左側面の表面に配置される。
【0126】
第5アンテナ1715は、受信回路2030と送信回路2050とが行う通信に利用される、ステンレス製薄膜からなるモノポールアンテナであって、BT通信用LSI1812のセレクタ310に接続される。そして、この第5アンテナ1715は、その長さがBT規格の周波数帯電磁波の波長の略1/4となっていて、第4変形携帯電話機1700の筐体主平面の表面に配置される。
【0127】
第6アンテナ1716は、受信回路2030と送信回路2050とが行う通信に利用される、ステンレス製薄膜からなるモノポールアンテナであって、BT通信用LSI1812のセレクタ310に接続される。そして、この第6アンテナ1716は、第5アンテナ1715と同様に、その長さがBT規格の周波数帯電磁波の波長の略1/4となっていて、第4変形携帯電話機1700の筐体裏面の表面に配置される。
【0128】
第7アンテナ1717は、受信回路2130が行う通信に利用される、ステンレス製薄膜からなるモノポールアンテナであって、GPS通信用LSI1813のセレクタ310に接続される。そして、この第7アンテナ1717は、その長さがGPS規格の周波数帯電磁波の波長の略1/4となっていて、第4変形携帯電話機1700の筐体上側面の表面に配置される。
【0129】
第8アンテナ1718は、受信回路2130が行う通信に利用される、ステンレス製薄膜からなるモノポールアンテナであって、GPS通信用LSI1813のセレクタ310に接続される。そして、この第8アンテナ1718は、第7アンテナ1717と同様に、その長さがGPS規格の周波数帯電磁波の波長の略1/4となっていて、第4変形携帯電話機1700の筐体下側面の表面に配置される。
【0130】
CPU1800は、実施の形態1に係るCPU200から、その一部が変形されたものであり、通信用LSI210と800MHz帯通信用LSI1811とBT通信用LSI1812とGPS通信用LSI1813とタッチパネルコントローラ220とメモリ230とレシーバ240とマイク250とタイマ260とに接続され、メモリ230に記憶されているプログラムを実行することとで、通信用LSI210と800MHz帯通信用LSI1811とBT通信用LSI1812とGPS通信用LSI1813とタッチパネルコントローラ220とタイマ260とを制御して、実施の形態1に係る携帯電話機制御機能とアンテナ選択信号生成機能と初期状態設定機能に加えて、800MHz帯アンテナ選択信号生成機能とBTアンテナ選択信号生成機能とGPSアンテナ選択信号生成機能とを有する。
【0131】
800MHz帯アンテナ選択信号生成機能:実施の形態1に係るアンテナ選択信号生成機能と同等な機能であって、800MHz帯通信用LSI1811のRSSI値測定回路370から送られるRSSI値に基づいて、論理値“0”又は“1”のいずれかとなるアンテナ選択信号を生成し、生成したアンテナ選択信号を800MHz帯通信用LSI1811のセレクタ310に出力する機能。
【0132】
BTアンテナ選択信号生成機能:実施の形態1に係るアンテナ選択信号生成機能と同等な機能であって、BT通信用LSI1812のRSSI値測定回路370から送られるRSSI値に基づいて、論理値“0”又は“1”のいずれかとなるアンテナ選択信号を生成し、生成したアンテナ選択信号をBT通信用LSI1812のセレクタ310に出力する機能。
【0133】
GPSアンテナ選択信号生成機能:実施の形態1に係るアンテナ選択信号生成機能と同等な機能であって、GPS通信用LSI1813のRSSI値測定回路370から送られるRSSI値に基づいて、論理値“0”又は“1”のいずれかとなるアンテナ選択信号を生成し、生成したアンテナ選択信号をGPS通信用LSI1813のセレクタ310に出力する機能。
【0134】
<考察>
上記構成の第4変形携帯電話機1700は、1.9GHz帯の信号を利用する通信と、800MHz帯の信号を利用する通信と、BT規格の周波数帯の信号を利用する通信と、GPSが利用する周波数帯の信号を利用する受信とのそれぞれについて、通信中に、通信に利用するアンテナの一方にユーザが接触してしまったとしても、利用するアンテナを他方のアンテナに切り替えて通信を継続することができる。
<補足>
以上、本発明に係る携帯通信端末の一実施形態として、実施の形態1〜実施の形態5において、携帯電話機100、第1変形携帯電話機、第2変形携帯電話機600、第3変形携帯電話機、及び第4変形携帯電話機1700を例として説明したが、以下のように変形することも可能であり、本発明は上述した実施の形態通りの携帯通信端末に限られないことはもちろんである。
(1)実施の形態1において、携帯電話機100は、略直方体の形状をした筐体を有するいわゆるタブレット型携帯電話機である構成の例であったが、第1アンテナ110と第2アンテナ120とのそれぞれが、少なくとも一部を露出している構成であれば、必ずしも、略直方体の形状をした筐体を有するいわゆるタブレット型携帯電話機である必要はない。
【0135】
一例として、下記に示す第5変形携帯電話機2200等が考えられる。
図22は、第5変形携帯電話機2200の斜視図である。同図では、図1と同様に、実際には視認することができない部分についても、破線を用いてあたかも視認することができるかのように表示されている。
同図に示されるように、第5変形携帯電話機2200は、主平面の表面にタッチパネル160の操作面とレシーバ孔2240とを有する第1筐体2201と、主平面の表面に操作キー群2270とスピーカ孔2250とを有する第2筐体2202とを備える、いわゆる折り畳み型携帯電話機である。そして、第1筐体2201の主平面の表面に第1アンテナ110を備え、第2筐体の主平面の表面に第2アンテナ120と備えている。
(2)実施の形態1において、携帯電話機100は、図1に示されるように、第1アンテナ110と第2アンテナ120とが、略直方体である筐体の中心点を中心として略点対象となる位置に配置されている構成の例であった。しかしながら、第1アンテナ110と第2アンテナ120とが、携帯電話機100を利用するユーザによって、第1アンテナ110と第2アンテナ120とに同時に接触される可能性が比較的低くなる位置に配置されていれば、第1アンテナ110と第2アンテナ120とが、必ずしも図1に示される通りの位置に配置される構成に限られる必要はない。
【0136】
一例として、下記に示す第6変形携帯電話機2300が考えられる。
図23は、第6変形携帯電話機2300の斜視図である。同図では、図1と同様に、実際には視認することができない部分についても、破線を用いてあたかも視認することができるかのように表示されている。
同図に示されるように、第6変形携帯電話機2300は、筐体の主平面の表面左上隅に第1アンテナ110を備え、主平面の表面において、第1アンテナ110に対して、主表面の中心点を中心として略点対象となる位置に第2アンテナ120を備える。
【0137】
これは、ユーザからの操作を受け付けるタッチパネル160を備える筐体の主平面において、タッチパネル160を挟む両対向辺は、ユーザの指等が同時に接触する可能性が比較的低いことを反映している。
また、別の一例として、下記に示す第7変形携帯電話機2400が考えられる。
図24は、第7変形携帯電話機2400の斜視図である。同図では、図1と同様に、実際には視認することができない部分についても、破線を用いてあたかも視認することができるかのように表示されている。
【0138】
同図に示されるように、第7変形携帯電話機2400は、筐体の主平面の表面左上隅に第1アンテナ110を備え、筐体の上側面右奥に第2アンテナ120を備える。
これは、ユーザからの操作を受け付けるタッチパネル160を備える筐体の主平面、と筐体の上側面とに、ユーザの指等が同時に接触する可能性が比較的低いことを反映している。
(3)実施の形態1において、第1アンテナ110の長さと第2アンテナ120の長さとが、1.9GHz帯電磁波の波長の略1/4となっている構成の例について説明したが、アンテナの実行長が1.9GHz帯電磁波の波長の略1/4となっていれば、必ずしも、第1アンテナ110の長さと第2アンテナ120の長さとが、1.9GHz帯電磁波の波長の略1/4となっている構成に限られない。
【0139】
一例として、第1アンテナ110を、比較的高い誘電率を有する樹脂上に配置することで、アンテナ110の長さが1.9GHz帯電磁波の波長の略1/4より小さいにも関わらず、第1アンテナ110の実効長を1.9GHz帯電磁波の波長の略1/4とする構成の例が考えられる。
さらには、第1アンテナ110に対して直列にインダクタを接続することで、アンテナ110の長さが1.9GHz帯電磁波の波長の略1/4より小さいにも関わらず、第1アンテナ110の実効長を1.9GHz帯電磁波の波長の略1/4とする構成の例等も考えられる。
(4)実施の形態1において、第1アンテナ110と第2アンテナ120とのそれぞれがステンレス製薄膜からなるモノポールアンテナである構成の例について説明したが、通信に効率的に利用することができるアンテナであれば、必ずしもモノポールアンテナである構成に限らず、アンテナの材質についてもステンレスとは限らない。例えば、ダイポールアンテナであっても、他方式のアンテナであっても構わない。材質はアンテナに適した他の金属や耐性を高くするためにメッキが施されても構わない。例えば、ケースに直接金属蒸着やメッキすることでアンテナとして利用してもよい。
(5)実施の形態3において、第2変形携帯電話機600は、第1アンテナ610と第2アンテナ620と第3アンテナ630とを備え、これら3つのアンテナのうちのいずれか1つを選択して受信を行うという構成の例であった。しかしながら、受信品質が比較的悪くなるアンテナを利用せずに受信を行う構成であれば、必ずしも、1つのアンテナを選択して受信を行う構成に限られる必要はない。
【0140】
一例として、受信品質が比較的悪くなるアンテナ以外の2つのアンテナを用いて、合成ダイバーシティ受信を行う構成の例等が考えられる。
(6)実施の形態1において、携帯電話機100は、RSSI値測定回路370の出力するRSSI値に応じて、利用するアンテナを切り替えるという構成の例であった。そして、実施の形態4において、第3変形携帯電話機は、送信回路350の消費電流に応じて、利用するアンテナを切り替えるという構成の例であった。これらの構成の例に加えて、例えば、受信回路330が受信する帯域幅内のノイズも含めた全電力に対する希望波の電力の比率に応じて、利用するアンテナを切り替えるという構成の例も考えられる。
(7)実施の形態において、携帯通信端末が携帯電話機である場合の例について説明したが、通信機能を備える携帯端末であれば、必ずしも携帯電話機に限られる必要はなく、例えば、通信機能を有するPDA(Personal Digital Assistant:携帯情報端末)、通信機能を有するポータブル音楽プレイヤ、トランシーバ等であっても構わない。
(8)また、携帯通信端末は、表面にディスプレイが配置されてなる主面を有する略直方体の筐体を備え、第1のアンテナと第2のアンテナとは、それぞれ、主面以外の面(例えば、筐体の側面)に配置されるとしても良いし、さらに、これらの第1のアンテナと第2のアンテナとは、それぞれ、ディスプレイを挟んで互いに対向する位置に配置されるとしても良い。
(9)上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
(10)以下、さらに本発明の一実施形態に係る携帯通信端末の構成及びその変形例と各効果について説明する。
(a)本発明の一実施形態に係る携帯通信端末は、アンテナを利用して外部から送信される信号を受信する携帯通信端末であって、それぞれ少なくとも一部が露出している複数の同種アンテナと、前記複数の同種アンテナの全部又は一部を利用して、外部から送信される信号を受信する受信手段と、前記受信手段が行う受信における受信品質を示す受信品質情報を算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された、前記受信手段が前記複数の同種アンテナのうちの1つである第1のアンテナを利用して受信する場合における受信品質情報と前記受信手段が前記複数の同種アンテナのうちの他の1つである第2のアンテナを利用して受信を行う場合における受信品質情報とを利用して、前記受信手段が受信を継続するために利用するアンテナを特定する特定手段とを備え、前記受信手段は、前記特定手段が受信を継続するために利用するアンテナを特定した場合に、当該特定されたアンテナを利用して受信を行うことを特徴とする。
【0141】
上述の構成を備える本実施形態に係る携帯通信端末は第1のアンテナを利用して受信する場合における受信品質情報と、第2のアンテナを利用して受信する場合における受信品質情報とを利用して、通信状態を維持するために利用するアンテナを特定する特定手段とを備える。
このことにより、この携帯通信端末は、ユーザの手等が、第1のアンテナの露出部に接触してしまうこと等が原因で、第1のアンテナを利用して送・受信する場合における通信品質が低下する場合でも、第1のアンテナ以外のアンテナを利用して通信状態を維持することができる。
【0142】
従って、この携帯通信端末は、アンテナの露出部分にユーザの手等が接触した場合において、従来よりも、通信品質が比較的大きく低下してしまう可能性を低減することが可能となる。
(b)また、前記特定手段は、前記算出手段によって算出された、前記受信手段が前記第1のアンテナを利用して受信する場合における受信品質情報によって示される受信品質が、前記算出手段によって算出された、前記受信手段が前記第2のアンテナを利用して受信する場合における受信品質情報によって示される受信品質よりも低いときに、前記特定するアンテナとして、前記第1のアンテナ以外のアンテナを特定するとしてもよい。
【0143】
これにより、携帯通信端末は、第1のアンテナを利用して通信している場合において、第1のアンテナを利用して行う通信における受信品質が、第2のアンテナを利用して行う通信における受信品質よりも悪くなったとき、通信に利用するアンテナを第1のアンテナ以外のアンテナに切り替えて通信を継続することができる。
(c)また、前記特定手段は、前記算出手段によって算出された、前記受信手段が前記第1のアンテナを利用して受信する場合における受信品質情報によって示される受信品質が所定の閾値以下となるときに、前記特定するアンテナとして、前記第1のアンテナ以外のアンテナを特定するとしてもよい。
【0144】
これにより、携帯通信端末は、第1のアンテナを利用して通信している場合において、第1のアンテナを利用して行う通信における受信品質が所定の品質以下となったとき、通信に利用するアンテナを第1のアンテナ以外のアンテナに切り替えて通信を継続することができる。
(d)また、前記携帯通信端末は、略直方体の筐体を備え、前記第1のアンテナは、前記筐体の第1の面の表面に配置され、前記第2のアンテナは、前記筐体の面のうち、前記第1の面以外の第2の面の表面に配置されるとしてもよい。
【0145】
これにより、携帯通信端末は、携帯通信端末を利用するユーザによって、第1のアンテナと第2のアンテナとを同時に接触されてしまう可能性を比較的低くすることができる。
(e)また、前記第2の面は、前記第1の面に対向する面であるこれにより、携帯通信端末は、携帯通信端末を利用するユーザによって、第1のアンテナと第2のアンテナとを同時に接触されてしまう可能性をさらに低くすることができる。
【0146】
(f)また、前記携帯通信端末は、表面にディスプレイが配置されてなる主面を有する略直方体の筐体を備え、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとは、それぞれ、前記主面のうち、前記ディスプレイを挟んで互いに対向する位置に配置されるとしてもよい。
これにより、携帯通信端末は、携帯通信端末を利用するユーザによって、第1のアンテナと第2のアンテナとを同時に接触されてしまう可能性を比較的低くすることができる。
【0147】
(g)また、前記携帯通信端末は、第1の筐体と、当該第1の筐体に連結される第2の筐体とを備え、前記第1のアンテナは、前記第1の筐体の表面に配置され、前記第2のアンテナは、前記第2の筐体の表面に配置されるとしてもよい。
これにより、携帯通信端末は、携帯通信端末を利用するユーザによって、第1のアンテナと第2のアンテナとを同時に接触されてしまう可能性を比較的低くすることができる。
【0148】
(h)また、前記受信品質情報は、前記受信手段が行う受信における受信強度を示す情報であるとしてもよい。
これにより、通信における受信品質を示す指標として、比較的容易に算定することができる受信強度を用いることができる。
(i)また、前記複数の同種アンテナのそれぞれは、前記携帯通信端末の表面に形成された、薄膜状の金属からなるとしてもよい。
【0149】
これにより、携帯通信端末の表面におけるアンテナ起因の凹凸を、比較的小さなものとすることができる。
(j)また、前記金属は、ステンレスであるとしてもよい。
これにより、アンテナにおける酸素や水等による腐食に対する耐性を、比較的高くすることができる。
【0150】
(k)また、前記携帯通信端末は、表面にディスプレイが配置されてなる主面を有する略直方体の筐体を備え、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとは、それぞれ、前記主面以外の面に配置されるとしてもよい。
これにより、携帯通信端末は、携帯通信端末を利用するユーザによって、第1のアンテナと第2のアンテナとを同時に接触されてしまう可能性を比較的低くすることができる。
【0151】
(l)また、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとは、それぞれ、前記ディスプレイを挟んで互いに対向する位置に配置されるこれにより、携帯通信端末は、携帯通信端末を利用するユーザによって、第1のアンテナと第2のアンテナとを同時に接触されてしまう可能性をさらに低くすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0152】
本発明は、携帯通信端末に広く利用することができる。
【符号の説明】
【0153】
100 携帯電話機
110 第1アンテナ
120 第2アンテナ
200 CPU
210 通信用LSI
230 メモリ
240 タイマ
310 セレクタ
320 送受信切替スイッチ
330 受信回路
350 送信回路
370 RSSI値測定回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナを利用して外部から送信される信号を受信する携帯通信端末であって、
それぞれ少なくとも一部が露出している複数の同種アンテナと、
前記複数の同種アンテナの全部又は一部を利用して、外部から送信される信号を受信する受信手段と、
前記受信手段が行う受信における受信品質を示す受信品質情報を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された、前記受信手段が前記複数の同種アンテナのうちの1つである第1のアンテナを利用して受信する場合における受信品質情報と前記受信手段が前記複数の同種アンテナのうちの他の1つである第2のアンテナを利用して受信を行う場合における受信品質情報とを利用して、前記受信手段が受信を継続するために利用するアンテナを特定する特定手段とを備え、
前記受信手段は、前記特定手段が受信を継続するために利用するアンテナを特定した場合に、当該特定されたアンテナを利用して受信を行う
ことを特徴とする携帯通信端末。
【請求項2】
前記特定手段は、前記算出手段によって算出された、前記受信手段が前記第1のアンテナを利用して受信する場合における受信品質情報によって示される受信品質が、前記算出手段によって算出された、前記受信手段が前記第2のアンテナを利用して受信する場合における受信品質情報によって示される受信品質よりも低いときに、前記特定するアンテナとして、前記第1のアンテナ以外のアンテナを特定する
ことを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末。
【請求項3】
前記特定手段は、前記算出手段によって算出された、前記受信手段が前記第1のアンテナを利用して受信する場合における受信品質情報によって示される受信品質が所定の閾値以下となるときに、前記特定するアンテナとして、前記第1のアンテナ以外のアンテナを特定する
ことを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末。
【請求項4】
前記携帯通信端末は、略直方体の筐体を備え、
前記第1のアンテナは、前記筐体の第1の面の表面に配置され、
前記第2のアンテナは、前記筐体の面のうち、前記第1の面以外の第2の面の表面に配置される
ことを特徴とする請求項2又は3記載の携帯通信端末。
【請求項5】
前記第2の面は、前記第1の面に対向する面である
ことを特徴とする請求項4記載の携帯通信端末。
【請求項6】
前記携帯通信端末は、表面にディスプレイが配置されてなる主面を有する略直方体の筐体を備え、
前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとは、それぞれ、前記主面のうち、前記ディスプレイを挟んで互いに対向する位置に配置される
ことを特徴とする請求項2又は3記載の携帯通信端末。
【請求項7】
前記携帯通信端末は、第1の筐体と、当該第1の筐体に連結される第2の筐体とを備え、
前記第1のアンテナは、前記第1の筐体の表面に配置され、
前記第2のアンテナは、前記第2の筐体の表面に配置される
ことを特徴とする請求項2又は3記載の携帯通信端末。
【請求項8】
前記受信品質情報は、前記受信手段が行う受信における受信強度を示す情報である
ことを特徴とする請求項4、6又は7記載の携帯通信端末。
【請求項9】
前記複数の同種アンテナのそれぞれは、前記携帯通信端末の表面に形成された、薄膜状の金属からなる
ことを特徴とする請求項8記載の携帯通信端末。
【請求項10】
前記金属は、ステンレスである
ことを特徴とする請求項9記載の携帯通信端末。
【請求項11】
前記携帯通信端末は、表面にディスプレイが配置されてなる主面を有する略直方体の筐体を備え、
前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとは、それぞれ、前記主面以外の面に配置されることを特徴とする、請求項2又は3に記載の携帯通信端末。
【請求項12】
前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとは、それぞれ、前記ディスプレイを挟んで互いに対向する位置に配置されることを特徴とする請求項11記載の携帯通信端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−110706(P2013−110706A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256439(P2011−256439)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】