説明

携帯電子機器

【課題】操作部の操作性を向上させることが可能な携帯電子機器を提供する。
【解決手段】携帯電子機器は、筐体と、筐体に配置された複数の操作部14と、複数の操作部14に含まれる各操作部14への操作を検出する操作検出部16と、複数の操作部14に含まれる各操作部14に対して異なる操作内容が対応付けられた第1対応データと、複数の操作部14に含まれる各操作部14であって筐体における配置が互いに隣接し合う関係にあるものに対して同一の操作内容が対応付けられた第2対応データと、を記憶するメモリ44と、所定の条件に応じてメモリ44に記憶された第1対応データ及び第2対応データからいずれか一方を選択すると共に、選択された第1対応データ又は第2対応データに基づいて、操作部14への操作が操作検出部16により検出された場合に操作内容を実行する制御部45とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の操作部を備える携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等の携帯電子機器は、筐体と、この筐体の表面に配置される複数の操作部(キー)とを備える(例えば、特許文献1を参照)。携帯電子機器は、複数の操作部のうちのいずれかが操作された場合には、例えば、操作された操作部に対応付けられた文字又は数字等をエディタプリケーションに入力させて、文字又は数字が入力されたエディタアプリケーションを表示部に表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−187519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、複数の操作部を有する携帯電子機器においては、操作のさらなる向上が望まれている。
【0005】
本発明は、操作部の操作性を向上させることが可能な携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の携帯電子機器は、筐体と、前記筐体に配置された複数の操作部と、前記複数の操作部に含まれる各操作部への操作を検出する操作検出部と、前記前記複数の操作部に含まれる各操作部に対して異なる操作内容が対応付けられた第1対応データと、前記複数の操作部に含まれる各操作部であって前記筐体における配置が互いに隣接し合う関係にあるものに対して同一の操作内容が対応付けられた第2対応データと、を記憶する記憶部と、所定の条件に応じて前記記憶部に記憶された前記第1対応データ及び前記第2対応データからいずれか一方を選択すると共に、当該選択された前記第1対応データ又は前記第2対応データに基づいて、前記操作部への操作が前記操作検出部により検出された場合に操作内容を実行する制御部と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、前記操作部は、前記第1対応データ及び前記第2対応データのうち一方の選択を指示するための指示操作部を有し、前記制御部は、前記操作検出部により検出される前記指示操作部への操作に応じて、前記記憶部に記憶された前記第1対応データ及び前記第2対応データからいずれか一方を選択すると共に、当該選択された前記第1対応データ又は前記第2対応データに基づいて、前記操作部への操作が前記操作検出部により検出された場合に操作内容を実行することが好ましい。
【0008】
また、前記携帯電子機器は、温度を検出する温度検出部を備え、前記制御部は、前記温度検出部により所定の温度以下の温度が検出されると、前記記憶部に記憶された前記第2対応データを選択すると共に、当該選択された前記第2対応データに基づいて、前記操作部への操作が前記操作検出部により検出された場合に操作内容を実行することが好ましい。
【0009】
また、前記筐体は、前記第2対応データに対応付けられて前記複数の操作部に含まれる各操作部であって前記筐体における配置が互いに隣接し合う関係にあるものの少なくとも一つに対して操作可能なケース部材が、着脱可能とされることが好ましい。
【0010】
また、前記制御部は、前記ケース部材が前記筐体に装着されると、前記記憶部に記憶された前記第2対応データを選択すると共に、当該選択された前記第2対応データに基づいて、前記操作部への操作が前記操作検出部により検出された場合に操作内容を実行する
ことが好ましい。
【0011】
また、前記筐体には、バッテリを収容するバッテリ収容空間が形成され、前記ケース部材は、前記バッテリ収容空間を閉塞可能に構成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、操作部の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】携帯電子機器の一実施形態に係る携帯電話機の外観斜視図である。
【図2】携帯電話機の分解斜視図である。
【図3】携帯電話機の機能を示す機能ブロック図である。
【図4】文字を入力する場合のキーアサインについて説明するための図である。
【図5】電話機能を使用する場合のキーアサインについて説明するための図である。
【図6】ブラウザアプリケーションを使用する場合のキーアサインについて説明するための図である。
【図7】ケース部材が装着された携帯電話機の外観斜視図である。
【図8】ケース部材の断面図である。
【図9】ケース部材がバッテリリッドを兼ねる場合の、携帯電話機の後部外観斜視図である。
【図10】縦方向及び横方向に開閉可能な折り畳み式の携帯電話機を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、本発明の携帯電子機器の一実施形態に係る携帯電話機1の基本構造について、図1を参照しながら説明する。図1は、携帯電子機器の一実施形態に係る携帯電話機1の外観斜視図である。
【0015】
携帯電話機1は、筐体2を備えると共に、この筐体2の前面10に配置された複数のキー(操作部)と、表示部21と、スピーカ22と、マイク23とを備える。
上述した複数のキーは、各種設定機能や辞書機能やメール機能等の各種機能を作動させるための複数の機能設定キー13と、数字や文字を入力するための複数の第1入力キー14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定キー15とから構成される。
【0016】
表示部21は、通話の相手側の電話番号やメールアドレス、及びメールの内容等の各種情報(文字情報や画像情報)を表示する。表示部21は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ等から構成される。
スピーカ22は、通話の相手側の音声を出力する。
マイク23は、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声を入力するために用いられる。
【0017】
次に、携帯電話機1の内部構成について説明する。図2は、携帯電話機1の分解斜視図である。
筐体2は、フロントケース2aと、リアケース2bと、バッテリリッド2cとを備える。フロントケース2aとリアケース2bとは、互いの凹状の内側面が向き合うように配置され、互いの外周縁が重なり合うようにして結合される。リアケース2bには、バッテリ81を収容するバッテリ収容空間2eが形成されている。また、リアケース2bの外面には、バッテリリッド2cがリアケース2bに対して着脱可能に結合される。バッテリリッド2cは、リアケース2bに装着された場合に、バッテリ収容空間2eを閉じるようになっている。
【0018】
筐体2の内部には、表示部21と、キー基板50を備える回路基板51と、バッテリ81とが配置される。回路基板51には、種々の電子部品(図示せず)が実装され、また電子部品を電気的に接続する回路パターン(図示せず)が形成されている。
【0019】
図3は、携帯電話機1の機能を示す機能ブロック図である。携帯電話機1は、図3に示すように、第1入力キー14と、操作検出部16と、表示部21と、スピーカ22と、マイク23と、ドライバIC24と、通信部46(メインアンテナ40及びRF回路部41)と、画像処理部42と、音声処理部43と、メモリ44と、温度検出部47と、制御部45とを備える。
【0020】
第1入力キー14は、後述する第1対応データ及び後述する第2対応データのうち一方の選択を指示するための指示操作部12を有する。
操作検出部16は、複数の第1入力キー14に含まれる各第1入力キーへの操作を検出する。また、操作検出部16は、第1入力キー14が操作された場合に、第1入力キー14の位置情報を検出することができる。すなわち、操作検出部16は、いずれの第1入力キー14が操作されたかを検出することができる。
【0021】
通信部46を構成するメインアンテナ40は、所定の使用周波数帯(例えば、800MHz)で基地局等の外部装置と通信を行う構成である。なお、本実施形態では、所定の使用周波数帯として、800MHzとしたが、これ以外の周波数帯であってもよい。
【0022】
通信部46を構成するRF回路部41は、メインアンテナ40によって受信した信号を復調処理し、処理後の信号を制御部45に供給する。そして、RF回路部41は、制御部45から供給された信号を変調処理し、メインアンテナ40を介して外部装置に送信する。また、その一方で、RF回路部41は、メインアンテナ40によって受信している信号の強度を制御部45に通知する。
【0023】
画像処理部42は、制御部45の制御にしたがって、所定の画像処理を行い、処理後の画像データをドライバIC24に出力する。ドライバIC24は、画像処理部42から供給された画像データをフレームメモリに蓄え、所定のタイミングで表示部21に出力する。
【0024】
音声処理部43は、制御部45の制御にしたがって、RF回路部41から供給された信号に対して所定の音声処理を行い、処理後の信号をスピーカ22に出力する。スピーカ22は、音声処理部43から供給された信号を外部に出力する。
【0025】
また、音声処理部43は、制御部45の制御にしたがって、マイク23から入力された信号を処理し、処理後の信号をRF回路部41に出力する。RF回路部41は、音声処理部43から供給された信号に所定の処理を行い、処理後の信号をメインアンテナ40に出力する。
【0026】
メモリ44は、例えば、ワーキングメモリを含み、制御部45による演算処理に利用される。また、メモリ44には、複数のアプリケーションやこのアプリケーションが必要とする各種のテーブル等が記憶されている。また、メモリ44は、着脱可能な外部メモリを兼ねていてもよい。
温度検出部47は、温度を検出する。
制御部45は、携帯電話機1の全体を制御しており、中央処理装置(CPU)等を用いて構成される。
【0027】
このように構成される携帯電話機1は、第1入力キー14の操作性を向上させることができるよう構成されている。
以下に、携帯電話機1に係る上記機能を発揮するための構成について詳述する。図4は、文字を入力する場合のキーアサインについて説明するための図である。図5は、電話機能を使用する場合のキーアサインについて説明するための図である。図6は、ブラウザアプリケーションを使用する場合のキーアサインについて説明するための図である。
【0028】
上述したメモリ44は、複数の第1入力キー14に含まれる各第1入力キー14に対して異なる操作内容が対応付けられた第1対応データを記憶する。また、メモリ44は、複数の第1入力キー14に含まれる各第1入力キー14であって筐体2における配置が互いに隣接し合う関係にあるものに対して同一の操作内容が対応付けられた第2対応データを記憶する。
【0029】
第1対応データとは、第1入力キー14(図4(a)に示す第1入力キー14の位置情報と)と、複数の第1入力キー14のそれぞれに割り当てられた文字とを対応付けたキーアサインテーブル(図4(b)参照)のことである。なお、本発明の第1対応データは、図4(b)に示すキーアサインテーブルに限定されることはなく、他のキーアサインテーブルであってもよい。
【0030】
また、第2対応データとは、複数の第1入力キー14のうち互いに隣接し合う第1入力キー14に対して同一の数字や記号や機能を対応付けたキーアサインテーブル(図5(a)、図6(a)参照)のことである。
【0031】
図5(a)に示すキーアサインテーブルは、位置情報(X1、Y1)(図4(a)に示す文字「Q」が印刷された第1入力キー14)と、位置情報(X1、Y2)(図4(a)に示す文字「W」が印刷された第1入力キー14)と、位置情報(X1、Y3)(図4(a)に示す文字「E」が印刷された第1入力キー14)とのそれぞれに数字「1」を割り当てたものである。ここで、各第1入力キー14には、図5(b)に示すように数字及び記号が割り当てられる。図5(a)に示すキーアサインテーブルは、電話機能を利用する場合に使用される。
【0032】
また、図6(a)に示すキーアサインテーブルは、位置情報(X1、Y1)(図4(a)に示す文字「Q」が印刷された第1入力キー14)と、位置情報(X1、Y2)(図4(a)に示す文字「W」が印刷された第1入力キー14)と、位置情報(X1、Y3)(図4(a)に示す文字「E」が印刷された第1入力キー14)とのそれぞれにカーソル(表示部21における現在の入力位置を示す図形のこと)を左上方向に移動させる機能を割り当てたものである。ここで、各第1入力キー14には、図6(b)に示すように機能が割り当てられている。図6(a)に示すキーアサインテーブルは、ブラウザアプリケーションを利用する場合に使用される。
なお、本発明の第2対応データは、図5(a)や図6(a)に示すキーアサインテーブルに限定されることはなく、他のキーアサインテーブルであってもよい。
【0033】
制御部45は、所定の条件に応じてメモリ44に記憶された第1対応データ及び第2対応データからいずれか一方を選択すると共に、選択された第1対応データ又は第2対応データに基づいて、第1入力キー14への操作が操作検出部16により検出された場合に操作内容を実行する。
【0034】
すなわち、制御部45は、所定の条件に応じて第1対応データ(図4(b)に示すキーアサインテーブル)を選択した場合において、例えば、図4(a)に示す第1行第1列の第1入力キー14(「Q」が表面に印刷されている第1入力キー14)の操作が操作検出部16により検出されたときには、メモリ44を参照することにより、操作された第1入力キー14の位置情報(X1、Y1)に対応する文字「Q」を読み出し、エディタアプリケーションに文字「Q」を入力させると共に、文字「Q」が入力されたエディタアプリケーションを表示部21に表示させる。
【0035】
また、制御部45は、所定の条件に応じて第2対応データ(図5(a)に示すキーアサインテーブル)を選択した場合において、例えば、図4(a)に示す第1行第1列の第1入力キー14の操作が検出されたときには、メモリ44を参照することにより、操作された第1入力キー14の位置情報(X1、Y1)に対応する数字「1」を読み出して、数字「1」を表示部21に表示させる。さらに、制御部45は、複数の数字が表示部21に表示された状態において、電話発信キーが操作された場合には、表示部21に表示された数字を電話番号として電話発信を行わせる。
【0036】
また、制御部45は、所定の条件に応じて第2対応データ(図6(a)に示すキーアサインテーブル)を選択した場合において、例えば、図4(a)に示す第1行第1列の第1入力キー14の操作が検出されたときには、メモリ44を参照することにより、操作された第1入力キー14の位置情報(X1、Y1)に対応する機能(カーソルを左上に移動させる機能)を実行する。
【0037】
なお、上述した複数の第2対応データ(図5(a)に示すキーアサインテーブル及び図6(a)に示すキーアサインテーブル)のうちいずれかを選択する場合、第2対応データは、起動されているアプリケーションや機能等に応じて選択されればよい。すなわち、制御部45は、電話機能が利用されるときには、図5(a)に示すキーアサインテーブルを選択すればよく、ブラウザアプリケーションが起動されているときには、図6(a)に示すキーアサインテーブル選択すればよい。
【0038】
ところで、制御部45により第2対応データが選択されている場合、ユーザによる1回の操作によって、同一の操作内容が割り当てられている複数の第1入力キー14が押下されたときには、第1入力キー14毎の操作内容が実行される。例えば、ユーザが表示部21に数字「1」を表示させたい場合において、ユーザによる1回の操作によって数字「1」が割り当てられている複数の第1入力キー14(位置情報(X1、Y1)及び位置情報(X1、Y2)の第1入力キー14)のそれぞれが押下されたときには、表示部21には数字「11」が表示される。このため、制御部45は、第2対応データを選択する場合には、所定の期間内に同一の操作内容が割り当てられた第1入力キー14の操作を1回のみ受け付けるようにすれば、携帯電話機1のユーザが意図していない操作内容が実行されることを防ぐことができる。例えば、数字「1」が割り当てられている第1入力キーが所定の期間内に複数押下された場合でも、表示部21には数字「1」が表示される。
【0039】
上述したように、携帯電話機1は、所定の条件に応じて第2対応データが選択された場合には、隣接する第1入力キー14に対して同一の操作内容が割り当てられる。したがって、携帯電話機1は、同一の操作内容が割り当てられたいずれの第1入力キー14が操作された場合でも、その操作内容を実行するので、第1入力キー14の操作性を向上させたり、誤操作を抑制したりすることができる。
【0040】
また、制御部45は、操作検出部16により検出される指示操作部12への操作に応じて、メモリ44に記憶された第1対応データ及び第2対応データからいずれか一方を選択すると共に、選択された第1対応データ又は第2対応データに基づいて、第1入力キー14への操作が操作検出部16により検出された場合に操作内容を実行する。
【0041】
指示操作部12は、例えば、第1対応データ及び第2対応データのうち一方を選択するためのスイッチやボタン等であればよい。この場合、操作検出部16は、指示操作部12の操作としてのスイッチの切り替えやボタンの押下を検出する。制御部45は、操作検出部16により検出されたスイッチの切り替えやボタンの押下に基づいて、第1対応データ及び第2対応データを選択する。例えば、制御部45は、ボタンが押下されていない場合には第1対応データを選択し、ボタンが押下されている場合には第2対応データを選択する。
【0042】
したがって、携帯電話機1は、操作検出部16により検出される指示操作部12への操作に応じて、メモリ44に記憶された第1対応データ及び第2対応データからいずれか一方を選択するので、ユーザの意思により第1入力キー14に対する文字や数字等の割り当てを切り替えることができる。
【0043】
また、制御部45は、温度検出部47により所定の温度以下の温度が検出されると、メモリ44に記憶された第2対応データを選択すると共に、選択された第2対応データに基づいて、第1入力キー14への操作が操作検出部16により検出された場合に操作内容を実行するように構成してもよい。
【0044】
所定の温度とは、例えば、5℃程度の温度のことである。5℃以下の温度になれば、携帯電話機1のユーザは、手袋を着用する可能性がある。あるいは、手がかじかんで思うように操作ができなくなる場合も考えられる。手袋を着用した状態で第1入力キー14を操作する場合には、1回の操作で隣接する複数の第1入力キー14をほぼ同時に押下する可能性が高くなる。手がかじかんでいると、操作するつもりの第1入力キー14に隣接する第1入力キー14を操作する場合もある。この場合、第1対応データが選択されているときには、1回の操作で複数の第1入力キー14を押下したり、操作するつもりの第1入力キー14に隣接する第1入力キー14を押下したりすると、例えば、表示部21には、複数の文字が表示されたり、意図せぬ文字が表示されたりして、ユーザが違和感をおぼえる可能性がある。このため、制御部45は、温度検出部47により検出される温度が所定の温度以下になった場合には、第2対応データを選択すれば、1回の操作で同一の数字等が割り当てられた第1入力キー14を押下することになり、手袋を着用した状態や手がかじかんだ状態で第1入力キー14を操作したときでも、例えば、表示部21には、1つの文字が表示され、ユーザが所望する文字の入力を行うことが可能になる。なお、所定の温度は、上記の一例(5℃)に限定されることはなく、他の温度であってもよい。
【0045】
したがって、携帯電話機1は、温度検出部47により所定の温度以下の温度が検出された場合に、メモリ44に記憶された第2対応データを選択するので、携帯電話機1のユーザが意図していない操作内容が実行されることを抑制することができる。
【0046】
なお、所定の温度以下の温度となった場合に字が表示される(浮かび上がる)塗料を用いて、第1入力キーに第2対応データに対応する数字が印刷されてもよい。
これにより、第1対応データが選択される場合(温度検出部47により所定の温度以下の温度が検出されない場合)に、第1入力キー14の表面には文字が表示される一方、第2対応データが選択される場合(温度検出部47により所定の温度以下の温度が検出される場合)に、第1入力キー14の表面には文字及び数字が表示される。ここで、第1入力キー14の表面に文字及び数字が表示される場合、文字と数字とは異なる色で表示されてもよい。
【0047】
図7は、ケース部材2dが装着された携帯電話機1の外観斜視図である。
筐体2は、複数の第1入力キー14に含まれる各第1入力キー14であって筐体2における配置が互いに隣接し合う関係にあるものの少なくとも一つに対して操作可能なケース部材2dが、着脱可能とされる。
【0048】
ケース部材2dには、第2対応データに対応すると共に、同一の操作内容が割り当てられた第1入力キー14に対応する第2入力キー17が設けられている。複数の第2入力キー17のうちいずれか1つが押下された場合には、押下された第2入力キー17に対応する第1入力キー14のうち、単数又は複数の第1入力キー14が押下される。例えば、図7に示す複数の(少なくとも1つの)第2入力キー17のうち、左上の第2入力キー17aが押下された場合には、押下された第2入力キー17aの下側に配置される第1入力キー14(図4(a)に示す場合では、位置情報(X1、Y1)、位置情報(X1、Y2)及び位置情報(X1、Y3)の各第1入力キー14)のうちいずれかの第1入力キー14が第2入力キー17aによって押下される。
【0049】
したがって、携帯電話機1は、ケース部材2dが筐体2に装着された場合には、第2入力キー17を操作することにより、操作された第2入力キー17に対応する第1入力キー14を押下することができる。
【0050】
また、制御部45は、ケース部材2dが筐体2に装着されると、メモリ44に記憶された第2対応データを選択すると共に、選択された第2対応データに基づいて、第1入力キー14への操作が操作検出部16により検出された場合に操作内容を実行する。
【0051】
図8は、ケース部材2dの断面図である。図8(a)に示す場合、ケース部材2dには、その裏面の端部に突起部2fが配置されている。ケース部材2dが携帯電話機1に装着された場合には、ケース部材2dに配置された突起部2fが携帯電話機1に配置されたスイッチ(指示操作部12:図8(a)には図示せず)を押下する。この場合、制御部45は、操作検出部16によりスイッチが押下されたことを検出し、第2対応データを選択する。
【0052】
また、図8(b)に示す場合、ケース部材2dには、その裏面に突起部2fが配置されている。ケース部材2dが携帯電話機1に装着された場合には、ケース部材2dに配置された突起部2fが携帯電話機1の指示操作部12としての第1入力キー(図8(b)には図示せず)を押下する。この場合、突起部2fによって押下される第1入力キーには、操作内容を実行させる機能が割り当てられてなく、第2対応データを選択させるための機能が割り当てられている。そして、制御部45は、指示操作部12としての第1入力キーが操作検出部16によって押下されたことを検出し、第2対応データを選択する。
【0053】
したがって、携帯電話機1は、ケース部材2dが筐体2に装着された場合に第2対応データを選択するので、ケース部材2dの装着に応じて第1入力キー14に対する文字や数字等の割り当てを切り替えることができる。
【0054】
図9は、ケース部材2dがバッテリリッド2cを兼ねる場合の、携帯電話機1の後部外観斜視図である。
上述したケース部材2dは、バッテリリッド2cを兼ねてもよい。図9に示すように、第1入力キー14が配置されている筐体2の前面10にケース部材2dが装着されない場合には、ケース部材2dは、バッテリリッド2cとして利用される。一方、ケース部材2dに配置された第2入力キー17を使用して数字の入力等を行う場合には、ケース部材2dは、筐体2の背面から取り外されて、図7に示すように筐体2の前面10に装着される。
【0055】
したがって、携帯電話機1は、ケース部材2dがバッテリリッド2cを兼ねるので、ケース部材2dを筐体2の前面10に装着しない場合にはリアケースに装着して、ケース部材2dが紛失等することを抑制することができる。
【0056】
なお、携帯電話機は、図1に示す形態に限定されることはない。例えば、携帯電話機は、図10に示すように、縦方向及び横方向のいずれにも開閉することが可能な折り畳み式の携帯電話機100であてもよい。図10(a)に示すように、携帯電話機100を横方向に開いた場合、制御部45は、第1対応データを選択する。すなわち、携帯電話機100を横方向に開いた場合には、電話機能が利用される可能性がないので、携帯電話機100の第1入力キー101には、図10(a)に一例を示すように文字や記号や機能が割り当てられる。
【0057】
一方、図10(b)に示すように、携帯電話機100を縦方向に開いた場合、制御部45は、第2対応データを選択する。すなわち、携帯電話機100を縦方向に開いた場合には、電話機能が利用される可能性があるので、携帯電話機100の第1入力キー101には、図10(b)に一例を示すように、電話機能が利用される場合に使用される数字や記号や機能が割り当てられる。
【0058】
また、携帯電話機は、操作部側筐体と表示部側筐体とを重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式(図示せず)や、重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(図示せず)や、操作部側筐体と表示部側筐体とを2軸ヒンジを介して連結したもの(図示せず)であってもよい。
【0059】
また、上述の実施形態では、第1入力キー14の表面に文字を印刷した形態について説明した。しかしながら、第1入力キーの表面には、文字と共に数字等を印刷してもよい。この場合、文字及び数字のうちの一方を、夜光塗料を用いて印刷してもよい。
【0060】
また、上述した実施形態では、本発明が携帯電話機1に適用される場合を例示して説明した。しかしながら、本発明は、この実施形態に限定されることはなく、例えば、PHS(Personal Handyphone System)やPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯電子機器にも適用することができる。
【符号の説明】
【0061】
1 携帯電話機(携帯電子機器)
2 筐体
14 第1入力キー(操作部)
16 操作検出部
44 メモリ(記憶部)
45 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に配置された複数の操作部と、
前記複数の操作部に含まれる各操作部への操作を検出する操作検出部と、
前記前記複数の操作部に含まれる各操作部に対して異なる操作内容が対応付けられた第1対応データと、前記複数の操作部に含まれる各操作部であって前記筐体における配置が互いに隣接し合う関係にあるものに対して同一の操作内容が対応付けられた第2対応データと、を記憶する記憶部と、
所定の条件に応じて前記記憶部に記憶された前記第1対応データ及び前記第2対応データからいずれか一方を選択すると共に、当該選択された前記第1対応データ又は前記第2対応データに基づいて、前記操作部への操作が前記操作検出部により検出された場合に操作内容を実行する制御部と、を有する携帯電子機器。
【請求項2】
前記操作部は、前記第1対応データ及び前記第2対応データのうち一方の選択を指示するための指示操作部を有し、
前記制御部は、前記操作検出部により検出される前記指示操作部への操作に応じて、前記記憶部に記憶された前記第1対応データ及び前記第2対応データからいずれか一方を選択すると共に、当該選択された前記第1対応データ又は前記第2対応データに基づいて、前記操作部への操作が前記操作検出部により検出された場合に操作内容を実行する請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
温度を検出する温度検出部を備え、
前記制御部は、前記温度検出部により所定の温度以下の温度が検出されると、前記記憶部に記憶された前記第2対応データを選択すると共に、当該選択された前記第2対応データに基づいて、前記操作部への操作が前記操作検出部により検出された場合に操作内容を実行する請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記筐体は、前記第2対応データに対応付けられて前記複数の操作部に含まれる各操作部であって前記筐体における配置が互いに隣接し合う関係にあるものの少なくとも一つに対して操作可能なケース部材が、着脱可能とされる請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記ケース部材が前記筐体に装着されると、前記記憶部に記憶された前記第2対応データを選択すると共に、当該選択された前記第2対応データに基づいて、前記操作部への操作が前記操作検出部により検出された場合に操作内容を実行する請求項4に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記筐体には、バッテリを収容するバッテリ収容空間が形成され、
前記ケース部材は、前記バッテリ収容空間を閉塞可能に構成される請求項4又は5に記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−211284(P2011−211284A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−74340(P2010−74340)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】