説明

携帯電子機器

【課題】落下等の衝撃が加わっても蓋体が脱落し難い携帯電子機器を提供する。
【解決手段】電子部品を収納する収納スペース27の凹設された筐体20と、前記収納スペースを覆い、筺体に着脱可能に取り付けられる蓋体30と、を具え、該蓋体は、第1端部30aと、該第1端部と対向する第2端部30bとを具え、第1端部及び第2端部に夫々第1係合部31と第2係合部33を有しており、前記筺体は、前記第1係合部及び第2係合部が係合可能な第1受部21及び第2受部23を有してなる携帯電子機器10において、前記蓋体は、前記第1端部と第2端部との間に、筺体に向けて屈曲する湾曲部39が形成され、第1係合部と湾曲部を挟んだ位置に、筺体に向けて形成された第3係合部35を有し、前記筺体は、前記第3係合部が係合可能な第3受部25を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筺体にバッテリ等の電子部品を収納する収納スペースを有し、該収納スペースを覆う着脱可能な蓋体を具える携帯電子機器に関するものであり、より具体的には、落下等の衝撃が加わっても蓋体が脱落し難い携帯電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機は、筺体にバッテリ等の電子部品を収納する収納スペースを有し、該収納スペースを蓋体により覆っている。
【0003】
蓋体は、前記電子部品を取り付けたり、交換等するために、筺体に着脱可能となっている。例えば、特許文献1では、蓋体を筐体に対してスライドさせることにより装着しており、特許文献2では、ロック用のつまみやレバーを別途設けることで蓋体を筐体に装着している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−255749号公報
【特許文献2】特開2000−269655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
蓋体をスライドさせて装着する場合、筺体と蓋体が相対的にスライドする面は平坦とする必要があるから、このスライド面には、コネクタやボタン等を配置するために凹凸のある形状とすることはできない。
また、ロック用のつまみやレバーを別途設けた場合には、部品点数が多くなり、機器の組立てが煩雑となる。また、蓋体の着脱の際にロック用のつまみやレバーを操作する必要があり手間が掛かる。
【0006】
そこで、蓋体の両端縁に夫々爪片を設け、筺体に前記各爪片が嵌合する凹部を形成した携帯電子機器も提案されている。該携帯電子機器によれば、一方の端縁の爪片を凹部に嵌めた状態で、蓋体の他方の端縁を筺体に向けて押し付けることにより、蓋体を撓み変形させつつ前記他方の端縁の爪片を凹部に嵌めて、蓋体を筺体に装着できる。
しかしながら、爪片は蓋体の両端縁に離れて存在するから、蓋体が筺体に対してガタツキ易く、また、携帯電子機器が落下等により衝撃を受けると、蓋体が撓んで爪片が凹部から外れ、蓋体が筺体から脱落する虞がある。
【0007】
本発明の目的は、落下等の衝撃が加わっても蓋体が脱落し難い携帯電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る携帯電子機器は、
電子部品を収納する収納スペースの凹設された筐体と、
前記収納スペースを覆い、筺体に着脱可能に取り付けられる蓋体と、を具え、
該蓋体は、第1端部と、該第1端部と対向する第2端部とを具え、第1端部及び第2端部に夫々第1係合部と第2係合部を有しており、
前記筺体は、前記第1係合部及び第2係合部が係合可能な第1受部及び第2受部を有してなる携帯電子機器において、
前記蓋体は、前記第1端部と第2端部との間に、筺体に向けて屈曲する湾曲部が形成され、第1係合部と湾曲部を挟んだ位置に、筺体に向けて形成された第3係合部を有し、
前記筺体は、前記第3係合部が係合可能な第3受部を有するものである。
【発明の効果】
【0009】
蓋体は、第2係合部を第2受部に係合させた後、第3係合部を第3受部に係合させた状態で、蓋体を筺体に向けて押し込むことで、第3係合部と第3受部との当接面を支点として湾曲部を撓み変形させることにより、第1係合部が第1受部と係合して、蓋体が筺体に装着される。
また、蓋体を筺体から取り外すには、第3係合部と第3受部との当接面を支点として、第1係合部が第1受部から外れる方向に第1端部を引っ張ることで、湾曲部を撓み変形させ、第1係合部を第1受部から外すだけでよい。
【0010】
本発明の形態電子機器では、湾曲部を挟んで第1係合部と第3係合部を設けているから、蓋体の着脱は、湾曲部のみに生ずる撓み変形により規制される。蓋体全体よりも領域の狭い湾曲部の方が撓み変形し難いから、一旦撓み変形させて筺体に装着された場合、取り外しを困難とすることができ、より強固に蓋体を筺体に装着できる。
従って、落下等の衝撃が蓋体に加わって、蓋体全体に撓み変形力を受けたとしても、その力は蓋体全体に分散されて、湾曲部に集中することはない。つまり、湾曲部の撓み変形は小さいから、湾曲部の第1係合部と第3係合部が第1受部と第3受部から外れ難く、蓋体が筺体から脱落してしまうことを防止できる。
【0011】
また、湾曲部にて第1係合部と第3係合部が第1受部と第3受部で強固に蓋体を筺体に固定しているから、装着時に蓋体が筺体に対してガタつくことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の一実施形態である携帯電子機器の背面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態である携帯電子機器の底面図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態である携帯電子機器の右側面図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態である携帯電子機器から蓋体を取り外した状態を示す筐体の背面図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態である携帯電子機器の蓋体を内側から見た図である。
【図6】図6は、図4及び図5の線6−6に沿う断面図であって、蓋体を筺体から取り外した状態を示している。
【図7】図7は、蓋体を筺体に取り付ける過程を示す拡大断面図である。
【図8】図8は、蓋体を筺体に取り付けた状態を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の携帯電子機器を携帯電話機に実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。なお、携帯電子機器は、携帯電話機に限定されるものではなく、例えば携帯ゲーム機、デジタルカメラ、リモートコントローラ等の携帯型の電子機器も含まれる。
【0014】
図1乃至図3は、本発明の携帯電話機(10)を示している。携帯電話機(10)は、樹脂製の筺体(20)と該筺体(20)の一部を覆う樹脂製の蓋体(30)によって外装が形成されている。
【0015】
より具体的には、筺体(20)は、樹脂を一体成形して得られる2つの半体(20a)(20b)を結合して形成される。
【0016】
前側に位置する前半体(20a)には、図6に示すように、前面に携帯電話機(10)の各種操作を行なう操作部(60)及び液晶表示パネル等の表示部(70)が配置されている。なお、操作部(60)と表示部(70)は、液晶表示パネルにタッチパネルを設けることで一体化することもできる。
【0017】
後側に位置する後半体(20b)は、中央よりもやや上部から下端まで蓋体(30)が装着される蓋体取付面(28)を有している。
【0018】
蓋体取付面(28)の側縁は、図3に示すように、後半体(20b)の一部が蓋体(30)側に向けて突出しており、この突出部分(20c)に外部接続用のコネクタ(50)が形成されている。
【0019】
蓋体取付面(28)は、図4及び図6に示すように、中央にバッテリ(41)やSIMカード(Subscriber Identity Module Card)等の電子部品を着脱可能に収納する収納スペース(27)が設けられており、蓋体取付面(28)の側部及び下部は、側縁及び下端縁に向けて湾曲している。蓋体取付面(28)の下部湾曲部分を内部湾曲部(28a)と称する。
【0020】
また、蓋体取付面(28)には、蓋体(30)を取り付けるための複数の受部(21)(23)(25)が形成されている。
受部(21)(23)(25)は、凹形状とすることができ、より具体的には、図4及び図6に示すように、筺体(20)の下端に設けられた第1凹部(21)と、収納スペース(27)の上側に設けられた第2凹部(23)、第1凹部(21)と第2凹部(23)の間に設けられた第3凹部(25)とすることができる。なお、凹部(21)(23)(25)の形状及び配置は後述する。
【0021】
収納スペース(27)の下方には、収納スペース(27)に連続して、バッテリ(41)を取り外す際に指先を挿入する凹み(29)が形成されている。
【0022】
上記前半体(20a)と後半体(20b)から構成される筺体(20)の内部には、図6に示すように、信号送受信用のアンテナ(42)やその他携帯電話機(10)の制御、通信等に必要な電子部品(44)が収容される。
【0023】
蓋体(30)は、図1乃至図3、図5、図6等に示すように、前記筺体(20)の蓋体取付面(28)に着脱可能となっている。蓋体(30)は、樹脂を一体成形することにより形成することができる。
蓋体(30)は、外装が装着時に後半体(20b)となめらかに連続する形状に形成され、蓋体(30)の下端となる第1端部(30a)と蓋体(30)の両側は、筺体(20)に向けて屈曲している。なお、第1端部(30a)側の屈曲部分を湾曲部(39)と称する。
該湾曲部(39)は、図8に示すように、前記蓋体取付面(28)の内部湾曲部(28a)に沿うよう、略一致した形状に湾曲している。
【0024】
図5及び図6に示すように、蓋体(30)は、第1端部(30a)に前記蓋体取付面(28)に形成された複数の受部(21)(23)(25)に夫々係合可能な係合部(31)(33)(35)を有する。
受部(21)(23)(25)を凹形状とした場合には、係合部(31)(33)(35)は突形状とすることができ、より具体的には、係合部は、前記第1凹部(21)に嵌まる第1突部(31)、第2凹部(23)に嵌まる第2突部(33)、第3凹部(25)に嵌まる第3突部(35)とすることができる。
【0025】
第1突部(31)は、第1端部(30a)の近傍から内向きに突設され、図示の実施例では、第1端部(30a)の左右に間隔を存して2箇所に第1突部(31)を形成している。各第1突部(31)は、図8に示すように、第1凹部(21)と当接する第1当接面(32)が斜め上方に向くように形成している。
【0026】
第2突部(33)は、蓋体(30)の第2端部(30b)となる上端の内側に延び、先端が上向きに屈曲した差込片(33a)を有する。図示の実施例では、第2突部(33)は第2端部(30b)の中央と左右の3箇所に形成している。
【0027】
第3突部(35)は、前記第1突部(31)に対して、湾曲部(39)を挟んだ位置に設けている。より具体的には、第3突部(35)は、第1突部(31)に対して蓋体(30)に沿った上位置に配置することが望ましい。これにより、突部(31)(35)を凹部(21)(25)に係合したときに、蓋体(30)を筺体(20)からより外れ難くすることができる。
【0028】
各第3突部(35)は、図8に示すように、第3凹部(25)と当接する第3当接面(36)が前記第1当接面(32)と略平行となるように形成することが望ましい。より具体的には、図8に示すように、第1当接面(32)が斜め上方に向けて形成されている場合、第3当接面(36)も斜め上方に向くよう形成する。
【0029】
また、蓋体(30)には、第1突部(31)(31)間に蓋体(20)を取り外す際に、作業者の指爪などを挿入してこじ開けるための凹み(37)が形成されている。凹み(37)は左右方向に長い凹溝形状又は貫通開設した形状を例示することができる。
その他、前記後半体(20b)の側縁に設けられた突出部分(20c)に対応して、蓋体(30)の側縁には、切欠き(38)が形成されている。
【0030】
前述した筺体(20)に設けられた凹部(21)(23)(25)は、上記した突部(31)(33)(35)が係合可能となる位置に形成される。
より具体的には、図4に示すように、第1突部(31)と係合する第1凹部(21)は、筺体(21)の下端側に凹設される。第1凹部(21)は、図6及び図8に示すように、第1突部(31)の第1当接面(32)に当たる側の第1当接面(22)が斜め下方に向くように形成されている。
【0031】
第2突部(33)と係合する第2凹部(23)は、蓋体取付面(28)の上端近傍に凹設される。第2凹部(23)は、図6に示すように、第2突部(33)の先端の差込片(36)が引っ掛かる係止部(24)が下向きに突出している。
【0032】
第3突部(35)と係合する第3凹部(25)は、第1凹部(21) に対して筺体(20)の内部湾曲部(28a)に沿った上位置に形成される。図示の実施例では、第3凹部(25)は、収納スペース(27)に連続して形成されている。第3凹部(25)は、図6及び図8に示すように、第3突部(35)の第3当接面(36)に当る側の第3当接面(26)が斜め下方に向くように形成されている。
【0033】
上記構成の携帯電話機(10)において、蓋体(30)は、以下の要領で筐体(20)に取り付けられる。
【0034】
まず、蓋体(30)を、第2端部(30b)が筺体(20)側に傾斜するように傾けて持ち、第2突部(33)を第2凹部(23)に位置合わせして、第2突部(33)の差込片(36)を第2凹部(23)に挿入する。次に、このまま少し上向きに蓋体(20)をスライドさせて、差込片(36)を第2凹部(23)の係止部(24)に引っ掛ける。
【0035】
次に、蓋体(30)を第1端部(30a)が筺体(20)に近づくように押さえ付けることで、図7に示すように、第3突部(35)が第3凹部(25)に嵌まる。
【0036】
この状態では、蓋体(30)は、筺体(20)に対して傾斜した状態にある。湾曲部(39)は屈曲しており、さらに湾曲部(39)を挟んで形成された第1突部(31)と第3突部(35)は、第1当接面(32)と第3当接面(36)が略平行となるように設けられているから、図7に示すように、第1突部(31)は、第1凹部(21)には嵌まらず、第1凹部(21)の先端は蓋体取付面(28)の内部湾曲部(28a)に当たった状態にある。
【0037】
そこで、さらに、蓋体(30)の第1端部(30a)側を図7の矢印A方向に強く押し付ける。これにより、蓋体(30)は、第3突部(35)が第3凹部(25)に当接した状態でこの第3当接面(26)(36)を支点として、第1突部(31)の先端が内部湾曲部(28a)に沿って移動し、湾曲部(39)が広がるよう撓み変形する。
【0038】
その結果、図8に示すように、第1突部(31)が蓋体取付面(28)の下端を乗り越えて、第1凹部(21)に嵌まる。
これにより、蓋体(30)は、第1突部(31)が第1凹部(21)、第2突部(33)が第2凹部(23)、第3突部(35)が第3凹部(25)に嵌まった状態で固定されて、蓋体(30)が筺体(20)に装着される。
【0039】
より具体的には、蓋体(30)の筺体(20)の上下方向に対する移動は、第1突部(31)と第1凹部(21)、第2突部(33)と第2凹部(23)、第3突部(35)と第3凹部(25)の係合により規制される。従って、蓋体(30)は筺体(20)に対して上下方向にガタつくことはない。
【0040】
また、蓋体(30)の筺体(20)に対する後方への移動は、第1突部(31)と第1凹部(21)、第2突部(33)と第2凹部(23)の係合により規制されるから、蓋体(30)は筺体(20)に対して後方に向けて外れることもない。
【0041】
然して、蓋体(30)は筺体(20)に対してガタつくことなく強固に装着できる。
【0042】
蓋体(30)の湾曲部(39)と蓋体取付面(28)の内部湾曲部(28a)の湾曲形状は略同じであるから、蓋体(30)が筺体(20)に装着され、第1突部(31)が第1凹部(21)に嵌まった状態では、湾曲部(39)の撓み変形は解放され、湾曲部(39)には撓み力は残留しない。
【0043】
蓋体(30)が筺体(20)に装着された状態から、湾曲部(39)に形成された凹み(37)に作業者の指爪等を挿入し、図8の矢印B方向に蓋体(30)を引っ張ることで、蓋体(30)を筺体(20)から取り外すことができる。より具体的には、蓋体(30)は、湾曲部(39)が矢印B方向に撓み変形し、第1突部(31)が第1凹部(21)から外れる。この状態でさらに蓋体(30)を矢印B方向に引き上げると、次に第3突部(35)が第3凹部(25)から外れ、さらに第2突部(33)を第2凹部(23)から外せばよい。
【0044】
なお、蓋体(30)を矢印B方向に引っ張ったときに、蓋体(30)は、上下方向の移動が第3突部(35)と第3凹部(25)との係合により規制される。即ち、蓋体(30)の全体に引っ張り力が作用して蓋体(30)全体が撓み変形するのではなく、湾曲部(39)のみがその湾曲を広げる方向に撓み変形するのみとなる。従って、同じ引っ張り力を加えた場合でも、可撓性を有する蓋体(30)の全体の撓み量に比べて、湾曲部(39)のみの撓み量は小さくなるから、第1突部(31)を第1凹部(21)から外すためには、より大きな引っ張り力が必要となる。従って、蓋体(30)を外し難くすることができる。
【0045】
携帯電話機(10)を落下等してしまい、衝撃を受けた場合にも同様のことが言える。即ち、蓋体(30)が落下等の衝撃により撓み変形を受けた場合であっても、本発明の携帯電話機(10)であれば、蓋体(30)の湾曲部(39)に大きな撓み変形力が作用しない限り第1突部(31)は第1凹部(21)から外れることはない。従って、落下等の衝撃を受けても、蓋体(30)は筺体(20)から脱落し難い携帯電話機(10)を提供できる。
【0046】
なお、上記では、第1係合部(31)、第2係合部(33)、第3係合部(35)を突部、第1受部(21)、第2受部(23)、第3受部(25)を凹形状としているが、何れか又は全ての凹凸を逆に形成することもできる。また、係合部(31)(33)(35)、受部(21)(23)(25)の位置及びその数は上記実施例に限定されるものではないことは明らかである。また、これら係合部や受部以外に追加の係合部や受部を設けてもよいことは勿論である。例えば、蓋体(30)及び筺体(20)の側面に係合部や受部をさらに配置することができる。
【0047】
さらに、本実施例では、蓋体(30)は、筺体(20)の後面の一部を覆った構成としているが、筺体(20)の後面全体を覆う構成としてもよい。この場合、蓋体(30)の一方又は両方に第1係合部(31)及び第3係合部(35)を設けることができ、さらに、湾曲部(39)は、蓋体(30)の両方に形成することもできる。蓋体(30)の両方にこれらを設けた場合には、上記した第2係合部(33)は第1係合部(31)とすればよい。
【0048】
本発明の携帯電話機(10)によれば、ロック用のつまみやレバーを別途設けていないから、部品点数増や着脱時の手間の煩雑さとはならず、一体成形による比較的簡略な構造の蓋体(30)で、筺体(20)への強固な装着を実現できる。
また、蓋体(30)と筺体(20)が対向する側面に外部接続用のコネクタ(50)やボタン等を配置して、凹凸形状を採ることができるから、種々の設計上の制約を低減でき、デザインのバリエーションも増大できる。
【0049】
なお、携帯電話機(10)の形状や蓋体(30)の着脱方法は上記に限定されるものではなく、例えば折り畳み型の携帯電子機器等にも本発明を適用することができることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、落下等の衝撃が加わっても蓋体が脱落し難い携帯電子機器として有用である。
【符号の説明】
【0051】
(10) 携帯電話機
(20) 筐体
(21) 第1凹部
(23) 第2凹部
(25) 第3凹部
(27) 収納スペース
(28) 蓋体取付面
(30) 蓋体
(30a) 第1端部
(30b) 第2端部
(31) 第1突部
(33) 第2突部
(35) 第3突部
(37) 凹部
(39) 湾曲部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を収納する収納スペースの凹設された筐体と、
前記収納スペースを覆い、筺体に着脱可能に取り付けられる蓋体と、を具え、
該蓋体は、第1端部と、該第1端部と対向する第2端部とを具え、第1端部及び第2端部に夫々第1係合部と第2係合部を有しており、
前記筺体は、前記第1係合部及び第2係合部が係合可能な第1受部及び第2受部を有してなる携帯電子機器において、
前記蓋体は、前記第1端部と第2端部との間に、筺体に向けて屈曲する湾曲部が形成され、第1係合部と湾曲部を挟んだ位置に、筺体に向けて形成された第3係合部を有し、
前記筺体は、前記第3係合部が係合可能な第3受部を有することを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
蓋体は、第2係合部を第2受部に係合させた後、第3係合部を第3受部に係合させた状態で、蓋体を筺体に向けて押し込むことで前記湾曲部が撓み変形して第1係合部が第1受部と係合する請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
第1係合部及び第3係合部は蓋体から突設された突部であり、第1受部及び第3受部は筺体に凹設された凹部である請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
第1係合部と第1受部が係合により当接する第1当接面と、第3係合部と第3受部が係合により当接する第3当接面は、略平行である請求項1乃至請求項3の何れかに記載の携帯電子機器。
【請求項5】
蓋体は、前記湾曲部の端縁に蓋体をこじ開けるための凹みが形成されている請求項1乃至請求項4の何れかに記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−26999(P2013−26999A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162882(P2011−162882)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】