説明

携帯電話の防水方法及び防水構造

【課題】携帯電話の本体に実装された内部回路が水でダメージを受けないようにすることができる、携帯電話の防水方法及び防水構造の提供。
【解決手段】防水方法は、コンタクト端子、接地端子、シール部材14と接続するための溝、及びPCB2に実装するための実装孔3Aを有するようインサート成形されるハウジング11の成形工程と、ハウジング11、シェル12及びシール部材14が組立体1になるよう組み立てられるシール部材組立工程と、ハウジング11の端子がPCBコネクタ21の接続端子21Aに接触するように組立体1がPCB2に実装されるコネクタ組立工程と、上側ケース100A及び下側ケース100Bがシール部材14に接続されるケース組立工程とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話の防水方法及び防水構造に関し、特に、携帯電話に防水機能を設けることにより、携帯電話が水浸しになり、水が充電コネクタに入り込む場合に水により生ずる、携帯電話の本体に実装された内部回路の損傷を防止することができる、携帯電話の防水方法及び防水構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、図1に示されるように、携帯電話は、互いに分離可能な上側ケース100A及び下側ケース100Bからなる本体と、本体に取り付けられた充電コネクタ200とを有する。カバー300を有することにより、充電コネクタ200は、水、塵埃、他の外部物質が入り込むことを防止できる。このようなカバー300は、充電コネクタが開いている場合であっても、本体から分離しないように、弾性材料製の連結シャフト300Aによって本体に結合されている。
【0003】
しかし、主に防塵目的で設けられたカバー300は、防水機能を有していない。このため、携帯電話が水浸しになった場合には、カバー300が充電コネクタ200を保護していたとしても携帯電話の本体への水の浸入が有効に防止されない。これにより、携帯電話の性能の深刻な影響を与えることになる。
【0004】
より具体的には、図2に示されるように、充電コネクタ200は、内部に複数のコンタクト端子13を有し、インサート成形で形成されたハウジング11と、ハウジング11の外側に結合された金属シェル12とを有することにより、コネクタ組立体1を構成する。シェル12は、充電コネクタ200のフックと係合するために、その上部に1対の固定穴121を有する。シェル12の接地端子123及びコンタクト端子13は、半田を介して印刷回路基板(PCB)200Aに電気的に接続される。コンタクト端子13の上部は、ハウジング11の前部に突出する支持突起114により支持される。
【0005】
すなわち、コンタクト端子13の先端が上方へ傾くと、コンタクト端子13の水平の延長部の後端が、PCB200Aに半田されるように垂直方向下方に曲げられる。ここで、半田付けは、表面実装(SMD)タイプを使用して行われる。
【0006】
表面実装半田付けによれば、小さなゲル粒子からなる半田ペースト200Bが、PCB200A上に形成されたパターンと、コンタクト端子13との間に介在し、次に、パターン及びコンタクト端子が互いに半田付けされるように半田槽内で加熱して半田ペースト200Bを溶融させる。ここで、半田ペースト200Bは、所定の粘性を有することにより、PCBのパターン及びコンタクト端子13に付着することができる。
【0007】
より具体的には、表面実装半田付けによれば、コネクタ組立体1がPCB200A上に最初に載置され、シェル12の接地端子123がPCB200Aに半田付けされるように、充電コネクタ200が構成される。次に、PCB200Aに形成されたパターン型の接続端子(図示せず)とコネクタ組立体1を構成するコンタクト端子13との間に半田ペースト200Bが介在し、その後、半田槽内で加熱される。従って、半田ペースト200Bは、接続端子及びコンタクト端子13の間で溶融し、半田接続が達成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−64615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、携帯電話の上述の構造の充電コネクタ200は、図2の矢印で示されるように、シェル12及び上下のケース100A,100Bの間の間隙を通って、さらにはシェル12の上部に形成された固定孔121、ハウジング11及びシェル12の間の間隙を通って、水が侵入するという問題がある。水がPCB200Aに入り込むと、携帯電話の動作に深刻な影響を与えるであろう。
【0010】
水の浸入による携帯電話のこのような損傷を防止するために、ゴム製のシール部材を使用することができる。しかし、シール部材は、携帯電話の組立中に変形又は損傷するおそれがある。
【0011】
より具体的には、コネクタ組立体1のコンタクト端子13をPCB200Aに電気的に接続する際に、PCBのパターン及びコンタクト端子13の間に介在する半田ペースト200Bは半田槽内で溶融する表面実装半田付け法が上述したように使用されることにより、半田接続が達成される。従って、コネクタ組立体1に実装されたゴム製シール部材は、熱により変形又は損傷するおそれがある。このため、ゴム製シール部材は、実際の使用には不適当である。
【0012】
シェル12は、その内側及び外側で発生する電磁波を遮断する接地機能を有する。従って、シェル12の下部に配置されPCB200Aに半田付けされた接地端子123は、シェル12の接地及び固定には不可欠な要素である。にもかかわらず、接地端子123は、充電コネクタ200の防水には障害物となる。
【0013】
水は通常、シェル12の上部に形成された固定孔121を通って携帯電話の本体に入り込む。この目的を達成するために、シール部材が使用される場合、シール部材はシェル12の固定孔121の後ろに配置される。しかし、この場合も同様に、PCB200Aに電気的に接続されたシェル12の接地端子123がシール部材の前方に配置されるので、シール部材を設けたにも関わらず、回路構造は接地端子123により深刻なダメージを受けるおそれがある。
【0014】
さらに、シェル12の下面が図2に示されるように接地端子123の全長にわたり接地端子123と接触しているので、シール部材を使用しているにも関わらず、水は接触領域に入り込むおそれがある。このため、実際の防水効果は殆ど期待できない。
【0015】
従って、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、携帯電話に防水機能を設けることにより、携帯電話が水浸しになり、水が充電コネクタに入り込む場合に、携帯電話の本体に実装された内部回路が水でダメージを受けないようにすることができる、携帯電話の防水方法及び防水構造を提供することを目的とする。
【0016】
また、本発明は、半田付け工程を要することなく、充電コネクタを構成するコンタクト端子のPCB(印刷回路基板)への接続を可能にすることにより、充電コネクタに実装されたゴム材料の防水機能が、コンタクト端子をPCBに半田付けする際に発生する熱により劣化することを防止することができる、携帯電話の防水方法及び防水構造を提供することを別の目的とする。
【0017】
本発明は、PCBの接続端子が別体の部品としてではなく、単にPCB上のパターンとして形成できる場合であっても、充電コネクタのコンタクト端子及びPCBの間の密着接続を改善することができる、携帯電話の防水方法及び防水構造を提供することをさらに別の目的とする。
【0018】
また、本発明は、コネクタ組立体の形態の充電コネクタを摺動によりPCBの実装位置に案内することができる、携帯電話の防水方法及び防水構造を提供することを別の目的とする。
【0019】
さらに、本発明は、シェルの接地端子がシール部材の前方に配置される場合に生じていたシール部材の防水機能の損失を防止することができる、携帯電話の防水方法及び防水構造を提供することを別の目的とする。
【0020】
さらにまた、本発明は、本体の上側ケース及び下側ケースの間の間隙を通って水が入り込むことを防止できる、携帯電話の防水方法及び防水構造を提供することを別の目的とする。
【0021】
また、本発明は、ボルトを用いることなくハウジングをPCBに接続することができ、この結果、ハウジング及びシール部材の間の防水効果を確保できる、携帯電話の防水方法及び防水構造を提供することをさらに別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明によれば、上述の目的は、携帯電話の防水方法を提供することにより達成することができる。この防水方法は、シール部材の外周に沿って形成された溝を有するシール部材を、ハウジングの前部に接続されたシェルと、ハウジングにインサート成形されたコンタクト端子及び接地端子とを有するハウジングの外側に挿入することによりコネクタ組立体を構成する第1工程と、印刷回路基板(PCB)の上面にPCBコネクタが設けられたPCBを下側ケースにボルトで固定する第2工程と、携帯電話の本体のコネクタ実装部に形成された、下側ケースの突起部をシール部材の溝に挿入し、次に、コネクタ組立体のハウジングをボルトで下側ケースに接続することにより、ハウジングにインサート成形されたコンタクト端子及び接地端子がPCBコネクタの加圧型の接続端子と接触するようになる第3工程と、携帯電話の本体のコネクタ実装部に形成された上側ケースの突起部を、シール部材の溝に挿入することにより、上側ケース及び下側ケースを組み立てる第4工程とを具備する。
【0023】
本発明の別の側面によれば、携帯電話の防水構造が提供される。この防水構造は、ハウジング内にインサート成形されたコンタクト端子及び接地端子を有するハウジング、ハウジングの外側に形成されたシール部材接続溝、シール部材接続溝に実装されたシール部材、及びハウジングの前部に接続されたシェルにより構成されたコネクタ組立体と、コンタクト端子と接続するための複数の加圧型の接続端子を有するPCBコネクタが設けられると共に下側ケースに実装されるPCBと、PCBと共にコネクタ組立体を下側ケースに固定するためにコネクタ組立体のハウジングの両側にそれぞれ形成された1対の実装部と、シール部材の外側に密着して接続されるよう互いに対応して上側ケース及び下側ケースにそれぞれ設けられた1対の気密突起部とを具備する。
【0024】
本発明のさらに別の側面によれば、携帯電話の防水方法が提供される。この防水方法は、シール部材の外周に沿って形成された溝を有するシール部材を、ハウジングの前部に接続されたシェルと、ハウジングにインサート成形されたコンタクト端子及び接地端子とを有するハウジングの外側に挿入することによりコネクタ組立体を構成する第1工程と、印刷回路基板(PCB)の上面にパターン型の接続端子が設けられたPCBを下側ケースにボルトで固定する第2工程と、携帯電話の本体のコネクタ実装部に形成された下側ケースの突起部をシール部材の溝に挿入し、次に、コネクタ組立体のハウジングをボルトで下側ケースに接続することにより、ハウジングにインサート成形されたコンタクト端子及び接地端子がパターン型の接続端子と接触するようになる第3工程と、携帯電話の本体のコネクタ実装部に形成された上側ケースの突起部を、シール部材の溝に挿入することにより、上側ケース及び下側ケースを組み立てる第4工程とを具備する。
【0025】
この第3工程において、ハウジングは、PCBにおける実装位置に案内されると共にボルトで下側ケースに接続されてもよい。
【0026】
本発明の別の側面によれば、携帯電話の防水構造が提供される。この防水構造は、ハウジング内にインサート成形された、後端に弾性支持部が形成されたコンタクト端子及び接地端子を有するハウジング、シール部材接続溝、シール部材接続溝に実装されたシール部材、及びハウジングの前部に接続されたシェルにより構成されたコネクタ組立体と、コンタクト端子及び接地端子と接続するための複数のパターン型接続端子が設けられると共に下側ケースに実装されるPCBと、PCBと共にコネクタ組立体を下側ケースに固定するためにコネクタ組立体のハウジングの両側にそれぞれ形成された1対の実装部と、シール部材の外側に密着して接続されるよう互いに対応して上側ケース及び下側ケースにそれぞれ設けられた1対の気密突起部とを具備する。
【0027】
このハウジングは、ハウジングの両側の後方に形成された1対のハウジング脚を有し、PCBに、1対の切欠きスリットがハウジング脚に対応して形成され、ハウジング脚が切欠きスリットにより案内されてもよい。
【0028】
これらのハウジング脚は、シェルの両側に形成された1対の補強片により支持されてもよい。
【0029】
シール部材は、上側ケース及び下側ケースに形成された気密突起部を挿入するための気密溝部をさらに有してもよい。上側ケース及び下側ケースは、気密突起部の前部及び後部に形成された前側凹部及び後側凹部をさらに有し、気密突起部によりそれぞれ区画される前側凹部及び後側凹部にシール部材の前側突起部及び後側突起部を挿入する。
【0030】
本発明のさらに別の側面によれば、上方へ開放すると共に一側面にコネクタ挿入孔が形成されたケース本体と、このケース本体に設けられるケースカバーとを有するように携帯電話の本体を成形する第1工程と、ハウジングの前部に接続されたシェルと、ハウジングにインサート成形されたコンタクト端子及び接地端子とを有するハウジングの外部にシール部材を挿入することによりコネクタ組立体を構成する第2工程と、ケース本体のコネクタ挿入孔にコネクタ組立体を挿入し、次に、ケース本体から内方へ突出するハウジングの後部にPCBを挿入する結果、コンタクト端子及び接地端子がPCBの下面に形成されたパターン型の接続端子と弾性接触するようになると同時に、PCBをボルトによってケース本体に接続する第3工程と、ケースカバーをケース本体の開放した上側に接続する第4工程とを具備する。
【0031】
本発明の別の側面によれば、携帯電話の防水構造が提供される。この防水構造は、ケース本体の開放した上側に接続されたケースカバー及びケース本体の一側面に形成されたコネクタ挿入孔を有するケース本体と、ケース本体に形成されたコネクタ挿入孔に挿入され、コンタクト端子及び接地端子がインサート成形されたハウジング、このハウジングの外部に実装されたシール部材、及びハウジングの前部に接続されたシェルを有するコネクタ組立体と、ハウジングのコンタクト端子及び接地端子と接触するためにPCBの下面にパターン型の接続端子が形成され、ケース本体の内部に形成された固定ボスに固定され、ハウジングの後部に嵌るPCBとを具備する。
【0032】
1対の後方突出部をハウジングの後部に形成してもよく、切欠き凹部の存在により弾性を有するロックフックは、後方突出部の上側部分が一体に形成され、他方、ロックフックを挿入するための固定孔はPCBに形成され、この結果、ロックフック及び固定孔によりハウジング及びPCBを互いに接続することができる。
【0033】
ケース本体は、コネクタ挿入孔の後方下部と一体に形成されたコネクタ下部支持部を有してもよく、このコネクタ下部支持部は、ハウジングの後方突出部の下面に形成されたコネクタ固定凹部と係合するためにコネクタ下部支持部の上面に形成されたコネクタ固定リブと、後方突出部の一端を支持する摺動防止ストッパとをさらに有する。
【0034】
ハウジングは、ハウジングの前側に一体形成された1対のアームを有してもよい。アームは、上面、下面及び一方の側面に形成された移動防止突起をそれぞれ有する。シェルは、シェルの後側に一体形成されると共にハウジングの前側に形成された実装孔に挿入された1対の固定片を有する。固定片は、固定片の下部に固定突起をそれぞれ有する。
【0035】
ハウジングのシール部材接続溝は少なくとも2個の環状気密突起を有するのに対し、シール部材は環状気密突起に挿入するためにシール部材の内面に形成された環状気密溝を有する。シール部材の外部は環状溝によって区分されるので、シール部材は、二重の気密構造を有する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】従来技術の携帯電話のコネクタカバー構造を示す斜視図である。
【図2】従来技術の携帯電話のコネクタカバー構造を示す断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に従ったコネクタ組立体を示す分解斜視図である。
【図4】図3のコネクタ組立体の組立状態を示す、前側から見た斜視図である。
【図5】携帯電話の本体の構造を示す分解斜視図である。
【図6】図3のコネクタ組立体の組立状態をより具体的に示すものであり、コンタクト端子の接続状態を示す断面図である。
【図7】図3のコネクタ組立体の組立状態をより具体的に示すものであり、接地端子の挿入状態を示す断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態に従った携帯電話の防水構造を示し、コネクタ組立体の分解斜視図である。
【図9】図8に示されたコネクタ組立体の組立状態を示す、前側から見た斜視図である。
【図10】携帯電話の本体の構造を示す分解斜視図である。
【図11】図8のコネクタ組立体の組立状態をより具体的に示すものであり、コンタクト端子の接続状態を示す断面図である。
【図12】図8のコネクタ組立体の組立状態をより具体的に示すものであり、接地端子の挿入状態を示す断面図である。
【図13】本発明の第3実施形態に従った携帯電話の防水構造を示し、コネクタ組立体の分解斜視図である。
【図14】図13に示されたコネクタ組立体の組立状態を示す斜視図である。
【図15】携帯電話の本体の構造を示す分解斜視図である。
【図16】本発明の第3実施形態に従った防水構造の形成過程を示す斜視図である。
【図17】本発明の第3実施形態に従った防水構造の形成過程を示す斜視図である。
【図18】本発明の第3実施形態に従った防水構造の形成過程を示す斜視図である。
【図19】本発明の第3実施形態に従った防水構造の形成後の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付図面を参照して本発明の典型的な実施形態を詳細に説明する。本実施形態の様々な変形構成を本発明の範囲に含めることができることに留意されたい。以下の説明は、当該技術分野で一般的に知られたものに対して本発明をより具体的に説明するために提供されている。従って、図面において、本実施形態の各要素は強調されているかもしれない。
【0038】
本発明の第1実施形態に従った携帯電話の防水構造を示す図3ないし図7を参照すると、携帯電話の充電コネクタは、樹脂製のハウジング11を具備する。このハウジング11は、射出成形で一体的に形成されたコンタクト端子13と、ハウジング11の前部に接続されたシェル12とを有し、これらによりコネクタ組立体1が構成される。
【0039】
上述の構造をなす充電コネクタにおいて、本発明の第1実施形態によれば、シール部材14は、図3に示されるハウジング11の外側に実装される。従って、上側ケース100A及び下側ケース100Bは、電話機本体に組み込まれると、図5に示されるように、シール部材14の外側を密に取り囲むようにシール部材14に接続される。
【0040】
この構造のために、ハウジング11は、図3に示されるように、シール部材14を内部に実装するためのシール部材接続溝111を有する。シール部材14は、ハウジング11のシール部材接続溝111に対応する貫通孔140と、上側ケース100A及び下側ケース100Bをシール部材14に挿入するようシール部材14の外周に沿って形成された気密溝部141とを有する。シール部材14の前側突起部142及び後側突起部142Aは、気密溝部141により区画されている。
【0041】
図5を参照すると、互いに対応して上側ケース100A及び下側ケース100Bにそれぞれ形成された1対の気密突起部4は、シール部材14の気密溝部141に密に挿入される。各気密突起部4の前側及び後側には、前側突起部142及び後側突起部142Aを挿入するために前側凹部5及び後側凹部5Aがそれぞれ形成されている。
【0042】
加えて、シール部材14の貫通孔140の内側に形成された凹部140A及び突起140B間の接続により、ハウジング11に形成されたシール部材接続溝111は、図6に示されるように、シール部材接続溝111の外側に実装されたシール部材14の貫通孔140と気密に係合することができる。
【0043】
シェル12は、充電コネクタのコネクタ(図示せず)のフックを固定するために、シェル12の上部に1対の固定孔121を有する。水は、固定孔121、ハウジング11、並びに上側ケース100A及び下側ケース100Bの間の間隙を通って、本体に実装された印刷回路基板(PCB)の内部まで入り込み、これにより、携帯電話の回路構造に深刻なダメージを生じさせる。
【0044】
しかし、シール部材14、上側ケース100A及び下側ケース100Bの組立を通して気密構造が達成される場合には、充電コネクタ200に入り込んだ水がシェル12の固定孔121を通ってさらに本体内に入り込むことを防止することができる。
【0045】
本発明はまた、半田工程を要することなく、充電コネクタ200のコンタクト端子13をPCBに接続することができることを特徴とする。このために、図5を参照すると、PCBコネクタ21がPCB3に設けられる。PCBコネクタ21は、複数の加圧型の接続する端子21Aを有する。端子21Aの一端は、図6に示されるように、上下方向に弾性を有するよう円弧状に湾曲する。
【0046】
上述の構造では、コネクタ組立体1は、ハウジング11の両側に形成された実装部3の固定孔3Aが、下側ケース100に形成された固定ボス100Cに対応し、次に図5に示されるようにねじを使用してPCBと共に固定される。
【0047】
コネクタ組立体1がこのように構成されると、PCBコネクタ21の加圧型の接続端子21Aは、図6に示されるようにコンタクト端子13A及びハウジング11内にインサート成形された接地端子123Aによって押圧されることにより、接続端子21A及び端子13A,123A間の接続が達成される。従って、接地端子123Aの先端は、図7に示されるようにシェル12の下側内面との接触を介して接地機能が与えられる。ここで、接地端子123Aはハウジング11にインサート成形されているので、コネクタ内に存在する水は、ハウジング11によってPCB2への入り込みを遮断される。
【0048】
本発明の第1実施形態に従った防水構造は、以下の工程により防水機能を得ることができる。以下、添付図面を参照して、その工程を詳細に説明する。
【0049】
(第1工程)
第1工程において、外周に沿って気密溝部141を有するシール部材14は、前部でシェル12に接続されコンタクト端子13A及び接地端子123Aが挿入されたハウジング11の外側に納まり、これによりコネクタ組立体1を構成する。特に、シェル12に接続されたハウジング11は、シール部材14の貫通孔140に挿入され、シール部材14は、ハウジング11のシール部材接続溝111内に嵌る。
【0050】
(第2工程)
上面にPCBコネクタ21が設けられたPCB2は、ボルトにより下側ケース100Bに固定される。PCBコネクタ21は、上方へ突出する加圧型の接続端子21Aを有する。PCB2は、図5に示されるように、ボルトを用いて下側ケース100Bに固定される。
【0051】
(第3工程)
第3工程において、コネクタ組立体1は、下側ケース100Bに接続される。このために、下側ケース100Bの気密突起部4は、ハウジング11に接続されたシール部材14の気密溝部141内に挿入される。シール部材14の前側突起部142及び後側突起部142Aは、下側ケース100Bに形成された前側凹部5及び後側凹部5A内にそれぞれ挿入される。
【0052】
次に、ハウジング11は、ハウジング11の実装部3に形成された固定孔3Aを介して下側ケース100Bの固定ボス100Cに固定される。このとき、ハウジング11に形成されたコンタクト端子13A及び接地端子123Aは、図6に示されるように、PCB2のPCBコネクタ21の加圧型の接続端子21Aに接触させられる。
【0053】
(第4工程)
第4工程において、上側ケース100A及び下側ケース100Bは、互いに接続される。第3工程と同様の方法で、上側ケース100Aの気密突起部4は、ハウジング11に接続されたシール部材14の気密溝部141内に挿入される。さらに、シール部材14の前側突起部142及び後側突起部142Aは、上側ケース100Aに形成された前側凹部5及び後側凹部5A内にそれぞれ挿入される。この状態において、上側ケース100A及び下側ケース100Bは、図5及び図6に示されるように互いに接続される。
【0054】
図8ないし図12は、本発明の第2実施形態に従った防水構造を示す。図8は、コネクタ組立体1を示す分解斜視図である。
【0055】
本実施形態において、図11に示されるように、コネクタ組立体1は、PCBに実装される際に、摺動してPCBの実装位置に案内される。これによれば、PCBの接続端子が別体の部品としてではなく、単にPCB上のパターンとして形成される場合であっても、コネクタ組立体1を構成するコンタクト端子13A及び接地端子123Aは、パターン型の接続端子22に密に接触することができる。
【0056】
この目的のために、図8に示されるように、1対のハウジング脚112,112Aが、ハウジング11の両側に後方を向いて形成されている。また、ハウジング脚112,112Aは、図10に示されるように、切欠きスリット23A,23BによってPCB2の実装位置に案内される。
【0057】
その結果、組立工程の利便性及び迅速性を改善することができる。また、ハウジング脚112,112Aは、ハウジング11の実装孔113に挿入されたシェル12の両側に形成された補強片122により支持されるので、ハウジング脚112,112Aの強度を増大させることができる。
【0058】
また、図8及び図9に示されるように、コネクタ組立体1のコンタクト端子13の後端は、下方に垂れて湾曲したばねの形態の弾性支持部130として構成されているので、弾性が下向きに及ぼされる。従って、PCB2に専用コネクタを設ける必要がなく、充電コネクタのコンタクト端子13A及びPCB2のパターン型の接続端子22の間の密な接触及び接続を達成することができる。接地に関する技術的な特徴について、詳細な説明は繰り返さない。
【0059】
第2実施形態に従った構造は、以下の工程により防水機能を得ることができる。以下、添付図面を参照して、その工程を詳細に説明する。
【0060】
(第1工程)
第1工程において、外周に沿って気密溝部141を有するシール部材14は、前部でシェル12に接続されコンタクト端子13A及び接地端子123Aが挿入されたハウジング11の外側に納まり、これによりコネクタ組立体1を構成する。特に、シェル12に接続されたハウジング11は、シール部材14の貫通孔140に挿入され、シール部材14は、ハウジング11のシール部材接続溝111内に嵌る。さらに、シェル12の補強片122は、図8及び図9に示されるように、ハウジング11の実装孔113内に挿入される。
【0061】
(第2工程)
第2工程において、上面に形成されたパターン型の接続端子22を有するPCB2は、ボルトにより下側ケース100Bに固定される。ここで、PCB2は、図10に示されるように切欠きスリット23A,23Bを有する。
【0062】
(第3工程)
第3工程において、コネクタ組立体1は、下側ケース100Bに接続される。より具体的には、下側ケース100Bの気密突起部4は、ハウジング11に接続されたシール部材14の気密溝部141内に挿入される。また、シール部材14の前側突起部142及び後側突起部142Aは、下側ケース100Bに形成された前側凹部5及び後側凹部5A内にそれぞれ挿入される。
【0063】
次に、ハウジング11は、PCB2と共に、ハウジング11の実装部3に形成された固定孔3Aを介して下側ケース100Bの固定ボス100Cに固定される。ここで、ハウジング11のハウジング脚112,112Aは、PCB2に形成された切欠きスリット23A,23Bに挿入され、PCB2の実装位置に摺動で案内される。
【0064】
さらに、弾性支持部130により、ハウジング11のコンタクト端子13A及び接地端子123Aは、PCB2の上面に形成されたパターン型の接続端子22に弾性接触させられる。(図10及び図11参照)
【0065】
(第4工程)
第4工程において、上側ケース100A及び下側ケース100Bは、互いに接続される。第3工程と同様の方法で、上側ケース100Aの気密突起部4は、ハウジング11に接続されたシール部材14の気密溝部141内に挿入される。さらに、シール部材14の前側突起部142及び後側突起部142Aは、上側ケース100Aに形成された前側凹部5及び後側凹部5A内にそれぞれ挿入される。この状態において、上側ケース100A及び下側ケース100Bは、図10及び図11に示されるように互いに接続される。
【0066】
図13ないし図19は、本発明の第3実施形態に従った防水構造を示す。特に、図13は、この防水構造の分解斜視図である。
【0067】
図13を参照すると、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、防水構造は、ハウジング11、シェル12及びシール部材14を具備する。ハウジング11は、上方へ突出して形成された弾性接触部130Aを有するコンタクト端子13A及び接地端子123Aを有し、これらの端子は、インサート射出成形によりハウジング11と一体にされる。平行なアーム115及び後方突出部116の対は、それぞれハウジング11の前部及び後部と一体に形成されている。また、ロックフック117が後方突出部116の各々と一体に形成されている。このロックフック117は、後方突出部116の上面に形成された切欠き凹部117Aの存在により弾性が付与され、上方へ開放している。後方突出部116は、その下部に形成されたコネクタ固定凹部118をさらに有する。
【0068】
ハウジング11において、シール部材接続溝111は、アーム115及び後方突出部116の間に形成されている。シール部材接続溝111は、少なくとも2本の環状気密突起111Aを有する。これらのアーム115は、その上面、下面及び一方の側面に形成された移動防止突起115Aをそれぞれ有する。さらに、1対の実装孔113は、ハウジング11の前部の両側にアーム115に隣接してそれぞれ形成されている。
【0069】
シェル12は、その上面に形成された固定孔121と、後側に形成されてハウジング11の実装孔113に挿入される1対の固定片124とを有する。固定片124の下端には固定突起124Aが形成されている。
【0070】
シール部材14は、中央に形成された貫通孔140と、内面に形成されてハウジング11の環状気密突起111Aに挿入する環状気密溝143とを有する。さらに、環状溝144は、シール部材14の上面に形成されていることにより、シール部材14を前部及び後部に区分する。この結果、シール部材14は、二重の気密構造に構成されている。
【0071】
図14は、本発明の第3実施形態に従ったコネクタ組立体の斜視図である。図14に示されるように、コンタクト端子13A及び接地端子123Aは、ハウジング11内に挿入されるよう射出成形によりハウジング11と一体に形成される。シェル12の後側に形成された固定片124は、ハウジング11の実装孔113に挿入される。シール部材14がハウジング11のシール部材接続溝111に嵌ると、コネクタ組立体1が構成される。
【0072】
図15に示されるように、第3実施形態に従った携帯電話の本体100は、上方に開放するケース本体101と、ケース本体101の開放側に接続されるケースカバー102とを具備する。ケース本体101の一側面にはコネクタ挿入孔103が形成される。このコネクタ挿入孔103を通ってコネクタ組立体1が挿入され、ケース本体101の内方へ延びる。
【0073】
ケース本体101の内部と一体に形成されたコネクタ下部支持部104が、ケース本体101のコネクタ挿入孔103の後方下部に形成される。コネクタ後方下部104は、その上面に形成されたコネクタ固定リブ105及び摺動防止ストッパ106を有する。さらに、ケース本体101の底面には、ボルト接続によりPCB2に実装される固定ボス100Cが一体に形成される。
【0074】
また、PCB2は、ハウジング11の後方突出部116に形成されたロックフック117を挿入するための固定孔24を有する。
【0075】
上述の第3実施形態の構造は、以下の工程により防水機能を得ることができる。以下、図14ないし図18を参照して、その工程を詳細に説明する。
【0076】
(第1工程)
第1工程において、図15に示されるように、携帯電話の本体100は、一側にコネクタ挿入孔103を有し上方に開放するケース本体101と、ケース本体101に取り付けられるケースカバー102とを具備するよう成形される。
【0077】
(第2工程)
図14に示されるように、ハウジング11は、その前部でコンタクト端子13A及び接地端子123Aと共に挿入されシェル12に接続される。シール部材14は、上述のように構成されたハウジング11の外側に納まるので、コネクタ組立体1が完成する。シェル12の固定片124は、ハウジング11の実装孔113に挿入された後、固定突起124Aにより固定される。
【0078】
次に、シール部材14は、貫通孔140を通ってハウジング11のシール部材接続溝111に実装される。ここで、シール部材接続溝111の環状気密突起111Aは、シール部材14の内面に形成された環状気密溝143に挿入される。
【0079】
(第3工程)
コネクタ組立体1は、図16に示されるように、ケース本体101のコネクタ挿入孔103に挿入される。その後、PCB2が、ケース本体101から内方に突出するハウジング11の後部に挿入されるので、コンタクト端子13A及び接地端子123Aは、PCB2の下面に形成されたパターン型の接続端子22と弾性的に接触するようになる。同時に、PCB2は、ボルトによりケース本体101に接続される。
【0080】
より具体的には、コネクタ組立体1は、コネクタ本体101のコネクタ挿入孔103に最初に挿入される。ここで、ハウジング11に接続されたシール部材14の外周はコネクタ挿入孔103の内周よりも大きいので、コネクタ組立体1は、コネクタ挿入孔103内に締まり嵌めされる。さらに、アーム115の移動防止突起115Aがコネクタ挿入孔103の内壁と接触するようになると、ハウジング11の移動を防止することができる。
【0081】
ハウジング11の後方突出部116の下部に形成されたコネクタ固定凹部118は、ケース本体101内のコネクタ下部支持部104に形成されたコネクタ固定リブ105と係合する。後方突出部116の一端は、コネクタ固定リブ105の後部付近に配置された摺動防止ストッパ106により係止されるので、コネクタ組立体1がコネクタ挿入孔103内に挿入され又はコネクタ挿入孔103を通って摺動することを防止する。
【0082】
また、コネクタ組立体1がケース本体101のコネクタ挿入孔103に挿入された後、PCB2に形成された固定孔24は、コネクタ組立体1の後方突出部116のロックフック117と係合する。ここで、切欠き凹部117Aの存在のため弾性を有するロックフック117は、固定孔24との接続の開始時において一時的に押圧され、その後、初期状態に戻り、PCB2及びコネクタ組立体1が接続される。
【0083】
(第4工程)
図18に示されるように、ケースカバー102がケース本体101の開放側に接続されることにより、ケース本体101の内部を外部から遮蔽する。一般的なシール材料(図示せず)を、ケース本体101及びケースカバー102間の接続のために介在させてもよい。シール材料を介在させる場合、ケース本体101及びケースカバー102間の気密性が確保できる。
【0084】
上述したように、本発明の第3実施形態によれば、携帯電話の本体100は、開放した上側を有するケース本体101とケースカバー102とを有する。また、ケース本体101の一側にコネクタ挿入孔103を設けることにより、コネクタ組立体1は、コネクタ挿入孔103を介して接続することができる。従って、本発明の第1実施形態及び第2実施形態は、本体100が別体の上側ケース及び下側ケースを有していたため、上側ケース及び下側ケース間の間隙を通って水が入り込むおそれがあったが、第3実施形態によれば、水が入り込むことを防止できる。
【0085】
また、本発明の第3実施形態によれば、ハウジング11のシール部材接続溝111に設けられた複数の環状気密突起111Aは、シール部材14の貫通孔140の内面に形成された環状気密溝143と係合する。その結果、ハウジング11及びシール部材14間の気密性が保証されるのみならず、ボルトを用いることなくPCB2をハウジング11に接続することができる。
【0086】
上述の説明から理解できるように、本発明の複数の実施形態に従った防水方法及び防水構造は、携帯電話の充電コネクタを通って水が入り込む場合に、携帯電話の本体の内部回路のダメージを防止することができる。従って、携帯電話の信頼性及び品質を改善する。
【0087】
さらに、充電コネクタのコンタクト端子は半田付けすることなくPCBの接続端子に接続できるので、充電コネクタに防水効果を与えるために実装されるゴム製シール部材が、半田付けにより生ずる熱で変形又は損傷することを防止することができる。
【0088】
本発明の複数の実施形態によれば、PCBの接続端子が別体部品ではなく、単にPCB上のパターンとして形成される場合であっても、充電コネクタのコンタクト端子はPCBと密に接続することができる。従って、簡単な構造にすることができる。
【0089】
コネクタ組立体の形態の充電コネクタは摺動でPCBの実装位置に案内することができるので、組立工程の利便性及び迅速性を向上させることができ、生産性を向上させることができる。
【0090】
シェルの接地端子を省略し、その代わりにコンタクト端子に沿ってハウジングに接地端子を挿入することにより、従来の構造においてシール部材の前方に接地端子が配置される場合に生ずるシール部材の防水機能の損失を防止することができる。
【0091】
本発明の複数の実施形態に従った本体はケース本体及びケースカバーで構成され、コネクタ挿入孔はケース本体に形成されるので、分離可能な上側ケース及び下側ケースを有する従来の本体に生じていた水の浸入を防止することができる。
【0092】
さらに、複数の環状気密突起はハウジングのシール部材接続溝に形成される一方、複数の環状気密溝は、対応して環状気密突起と係合するよう形成される。従って、防水効果が得られるばかりでなく、ボルトを用いることなくPCBをハウジングに接続することができる。この結果、組立工程の利便性が向上する。
【0093】
本発明の好適実施形態を例示目的で開示したが、当業者であれば、特許請求の範囲に開示された本発明の範囲及び真髄から逸脱することなく、種々の変形、追加及び置換が可能であることを理解しよう。
【符号の説明】
【0094】
1 コネクタ組立体
2 印刷回路基板
3 実装部
4 突起部(気密突起部)
5 前側凹部
5A 後側凹部
11 ハウジング
12 シェル
13,13A コンタクト端子
14 シール部材
21 PCBコネクタ
21A 加圧型の接続端子
22 パターン型の接続端子
23A,23B 切欠きスリット
24 固定孔
100 本体
100A 上側ケース
100B 下側ケース
101 ケース本体
102 ケースカバー
103 コネクタ挿入孔
104 コネクタ下部支持部
105 コネクタ固定リブ
106 摺動防止ストッパ
111 シール部材接続溝
111A 環状気密突起
112,112A ハウジング脚
113 実装孔
115 アーム
115A 移動防止突起
116 後方突出部
117 ロックフック
117A 切欠き凹部
118 コネクタ固定凹部
122 補強片
123A 接地端子
124 固定片
124A 固定突起
130 弾性支持部
141 溝(気密溝部)
143 環状気密溝
144 環状溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シール部材の外周に沿って形成された溝を有する前記シール部材を、ハウジングの前部に接続されたシェルと、前記ハウジングにインサート成形されたコンタクト端子及び接地端子とを有する前記ハウジングの外側に挿入することによりコネクタ組立体を構成する第1工程と、
印刷回路基板(PCB)の上面にPCBコネクタが設けられた前記PCBを下側ケースにボルトで固定する第2工程と、
携帯電話の本体のコネクタ実装部に形成された、前記下側ケースの突起部を前記シール部材の前記溝に挿入し、次に、前記コネクタ組立体の前記ハウジングをボルトで前記下側ケースに接続することにより、前記ハウジングにインサート成形された前記コンタクト端子及び前記接地端子が前記PCBコネクタの加圧型の接続端子と接触するようになる第3工程と、
前記携帯電話の前記本体の前記コネクタ実装部に形成された上側ケースの突起部を、前記シール部材の前記溝に挿入することにより、前記上側ケース及び前記下側ケースを組み立てる第4工程と
を具備することを特徴とする携帯電話の防水方法。
【請求項2】
ハウジング内にインサート成形されたコンタクト端子及び接地端子を有する前記ハウジング、該ハウジングの外側に形成されたシール部材接続溝、該シール部材接続溝に実装されたシール部材、及び前記ハウジングの前部に接続されたシェルにより構成されたコネクタ組立体と、
前記コンタクト端子と接続するための複数の加圧型の接続端子を有するPCBコネクタが設けられると共に下側ケースに実装されるPCBと、
該PCBと共に前記コネクタ組立体を前記下側ケースに固定するために前記コネクタ組立体の前記ハウジングの両側にそれぞれ形成された1対の実装部と、
前記シール部材の外側に密着して接続されるよう互いに対応して上側ケース及び前記下側ケースにそれぞれ設けられた1対の気密突起部と
を具備することを特徴とする携帯電話の防水構造。
【請求項3】
シール部材の外周に沿って形成された溝を有する前記シール部材を、ハウジングの前部に接続されたシェルと、前記ハウジングにインサート成形されたコンタクト端子及び接地端子とを有する前記ハウジングの外側に挿入することによりコネクタ組立体を構成する第1工程と、
印刷回路基板(PCB)の上面にパターン型の接続端子が設けられた前記PCBを下側ケースにボルトで固定する第2工程と、
携帯電話の本体のコネクタ実装部に形成された、前記下側ケースの突起部を前記シール部材の前記溝に挿入し、次に、前記コネクタ組立体の前記ハウジングをボルトで前記下側ケースに接続することにより、前記ハウジングにインサート成形された前記コンタクト端子及び前記接地端子が前記パターン型の接続端子と接触するようになる第3工程と、
前記携帯電話の前記本体の前記コネクタ実装部に形成された上側ケースの突起部を、前記シール部材の前記溝に挿入することにより、前記上側ケース及び前記下側ケースを組み立てる第4工程と
を具備することを特徴とする携帯電話の防水方法。
【請求項4】
前記第3工程において、前記ハウジングは、前記PCBにおける実装位置に案内されると共に前記ボルトで前記下側ケースに接続されることを特徴とする請求項3記載の携帯電話の防水方法。
【請求項5】
ハウジング内にインサート成形された、後端に弾性支持部が形成されたコンタクト端子及び接地端子を有する前記ハウジング、シール部材接続溝、該シール部材接続溝に実装されたシール部材、及び前記ハウジングの前部に接続されたシェルにより構成されたコネクタ組立体と、
前記コンタクト端子及び前記接地端子と接続するための複数のパターン型接続端子が設けられると共に下側ケースに実装されるPCBと、
該PCBと共に前記コネクタ組立体を前記下側ケースに固定するために前記コネクタ組立体の前記ハウジングの両側にそれぞれ形成された1対の実装部と、
前記シール部材の外側に密着して接続されるよう互いに対応して上側ケース及び前記下側ケースにそれぞれ設けられた1対の気密突起部と
を具備することを特徴とする携帯電話の防水構造。
【請求項6】
前記ハウジングは、該ハウジングの両側の後方に形成された1対のハウジング脚を有し、
前記PCBに、1対の切欠きスリットが前記ハウジング脚に対応して形成され、
前記ハウジング脚が前記切欠きスリットにより案内されることを特徴とする請求項5記載の携帯電話の防水構造。
【請求項7】
前記ハウジング脚は、前記シェルの両側に形成された1対の補強片により支持されることを特徴とする請求項6記載の携帯電話の防水構造。
【請求項8】
前記シール部材は、前記上側ケース及び前記下側ケースに形成された前記気密突起部を挿入するための気密溝部をさらに有し、
前記上側ケース及び前記下側ケースは、前記気密突起部の前部及び後部に形成された前側凹部及び後側凹部をさらに有し、前記気密突起部によりそれぞれ区画される前記前側凹部及び前記後側凹部に前記シール部材の前側突起部及び後側突起部を挿入することを特徴とする請求項2記載の携帯電話の防水構造。
【請求項9】
前記シール部材は、前記上側ケース及び前記下側ケースに形成された前記気密突起部を挿入するための気密溝部をさらに有し、
前記上側ケース及び前記下側ケースは、前記気密突起部の前部及び後部に形成された前側凹部及び後側凹部をさらに有し、前記気密突起部によりそれぞれ区画される前記前側凹部及び前記後側凹部に前記シール部材の前側突起部及び後側突起部を挿入することを特徴とする請求項5記載の携帯電話の防水構造。
【請求項10】
上方へ開放すると共に一側面にコネクタ挿入孔が形成されたケース本体と、該ケース本体に設けられるケースカバーとを有するように携帯電話の本体を成形する第1工程と、
ハウジングの前部に接続されたシェルと、前記ハウジングにインサート成形されたコンタクト端子及び接地端子とを有する前記ハウジングの外部にシール部材を挿入することによりコネクタ組立体を構成する第2工程と、
前記ケース本体の前記コネクタ挿入孔に前記コネクタ組立体を挿入し、次に、前記ケース本体から内方へ突出する前記ハウジングの後部にPCBを挿入する結果、前記コンタクト端子及び前記接地端子が前記PCBの下面に形成されたパターン型の接続端子と弾性接触するようになると同時に、前記PCBをボルトによって前記ケース本体に接続する第3工程と、
前記ケースカバーを前記ケース本体の開放した上側に接続する第4工程と
を具備することを特徴とする携帯電話の防水方法。
【請求項11】
ケース本体の開放した上側に接続されたケースカバー及び前記ケース本体の一側面に形成されたコネクタ挿入孔を有する前記ケース本体と、
該ケース本体に形成された前記コネクタ挿入孔に挿入され、コンタクト端子及び接地端子がインサート成形されたハウジング、該ハウジングの外部に実装されたシール部材、及び前記ハウジングの前部に接続されたシェルを有するコネクタ組立体と、
前記ハウジングの前記コンタクト端子及び前記接地端子と接触するためにPCBの下面にパターン型の接続端子が形成され、前記ケース本体の内部に形成された固定ボスに固定され、前記ハウジングの後部に嵌る前記PCBと
を具備することを特徴とする携帯電話の防水構造。
【請求項12】
1対の後方突出部が前記ハウジングの後部に形成され、
切欠き凹部の存在により弾性を有するロックフックが、前記後方突出部の上側部分が一体に形成され、
前記ロックフックを挿入するための固定孔が前記PCBに形成され、
前記ロックフック及び前記固定孔により、前記ハウジング及び前記PCBが互いに接続されることを特徴とする請求項11記載の携帯電話の防水構造。
【請求項13】
前記ケース本体は、前記コネクタ挿入孔の後方下部と一体に形成されたコネクタ下部支持部を有し、
該コネクタ下部支持部は、前記ハウジングの前記後方突出部の下面に形成されたコネクタ固定凹部と係合するために前記コネクタ下部支持部の上面に形成されたコネクタ固定リブと、前記後方突出部の一端を支持する摺動防止ストッパとをさらに有することを特徴とする請求項12記載の携帯電話の防水構造。
【請求項14】
前記ハウジングは、該ハウジングの前側に一体形成された1対のアームを有し、
該アームの各々は、上面、下面及び一方の側面に形成された移動防止突起を有し、
前記シェルは、該シェルの後側に一体形成されると共に前記ハウジングの前側に形成された実装孔に挿入された1対の固定片を有し、
該固定片の各々は、該固定片の下部に固定突起を有することを特徴とする請求項11記載の携帯電話の防水構造。
【請求項15】
前記ハウジングのシール部材接続溝は、少なくとも2個の環状気密突起を有し、
前記シール部材は、前記環状気密突起に挿入するために前記シール部材の内面に形成された環状気密溝を有し、
前記シール部材の外部は環状溝によって区分される結果、前記シール部材は二重の気密構造を有することを特徴とする請求項11記載の携帯電話の防水構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−176734(P2009−176734A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−11575(P2009−11575)
【出願日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(503473149)タイコ エレクトロニクス アンプ コリア リミテッド (21)
【Fターム(参考)】