説明

携帯電話機

【課題】 特殊なキー操作でキーのロックやアンロックを行うことは、誤操作や操作性の低下やキーロックをかけ忘れという問題があった。
また、電源のオフによって着信を禁止することも通勤時の車内など毎日同じ時間帯に操作をするわずらわしさがあり、キーロックと同様に、設定を忘れたり解除を忘れるという問題があった。
【解決手段】 タイマーや時計機能を利用して、フリップを閉じた後キーをロックする時間やロックする時間帯を設定し誤操作を防止する。
同様に着信を禁止する時間帯を設定し、その時間になったら自動的に着信を禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯電話機、さらに詳しくはフリップ機構又は折りたたみ機構を有する携帯電話機の誤操作防止に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フリップ付き携帯電話あるいは折りたたみ式携帯電話あるいはスライド式カバーを有する携帯電話のほとんどは、閉じた状態において全てのキーが隠れるため、キーの誤操作という問題は発生しなかった。
【0003】
しかし、操作性向上のために、閉じた状態でも着信を受けたり、電話帳を閲覧できるようにするため、例えば特開平9−321839のように一部のキーをフリップに隠れない外部に露出した構造とした携帯電話機が提案されている。
【0004】
また不用意にキーを誤操作することを防止するため、外部に露出したキーの操作、例えばキーを所定時間以上押下げていた時や複数キーの組み合わせ等によりキーのロックやアンロックを行うものが提案されている。
【0005】
また、車内や公共の場など携帯電話の使用を禁止されている場においては従来携帯電話の電源を切るなどにより着信を禁止していた。
【特許文献1】特開平9−321839号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1においてはいつでもキー操作を可能とするため、一部のキーを外部に露出しているが操作性向上に主眼をおき、キーの誤操作に関しては特に考慮されていなかった。
【0007】
そのため不用意にキーがオン操作されたりして意図しない動作をすることがあった。
【0008】
またキー操作でキーのロックやアンロックを行うことは、誤操作や操作性の低下やキーロックをかけ忘れという問題があった。
【0009】
また、電源のオフによって着信を禁止することも通勤時の車内など毎日同じ時間帯に操作をするわずらわしさがあり、キーロックと同様に、設定を忘れたり、解除を忘れるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明の携帯電話機は、
筐体が操作面を覆う状態で、少なくとも1つ以上のキーが外部に露出する構造を有する携帯電話機において、前記筐体と前記操作面との位置関係の変化を検出する位置関係検出手段と、キーの動作機能をロックすることに関するロック情報を設定するキーロック情報設定手段と、該ロック情報を記憶する記憶手段と、前記キーに対する操作を検出するキー操作検出手段を設け、前記筐体と前記操作面との位置関係の変化を検出後、前記ロック情報と前記キーに対する操作とに基づきキーのロックを制御するキーロック制御手段を備えることを特徴とする。
【0011】
また、前記キーロック制御手段は、前記位置関係検出手段が前記筐体と前記操作面との位置関係の変化を検出後、前記ロック情報に基づきタイマーを起動し、所定の時間を経過前に前記キー操作検出手段が前記キーに対する操作を検出した場合には再度タイマーを起動し、所定時間経過後に前記キーをロックすることを特徴とする。
【0012】
さらに、前記キーロック制御手段は、携帯電話機に対する着信の可否を制御し、前記キーロック情報設定手段は、前記着信の可否に関する着信可否情報を設定し、前記キーロック制御手段は、前記筐体と前記操作面との位置関係の変化を検出後、前記着信可否情報と前記キーに対する操作とに基づき着信の可否を制御することを特徴とする。
【0013】
そして、前記キーロック制御手段は、前記位置関係検出手段が前記筐体と前記操作面との位置関係の変化を検出後、前記ロック情報に基づきタイマーを起動し、所定の時間を経過後に、前記着信可否情報または前記ロック情報にもとづき、前記着信の可否または前記キーのロックを選択的に行うこととしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明においてはキーロックがかかるまでの時間をユーザが任意に設定でき、フリップを閉じて一定時間経過後にキーロックがかかるので未使用時の誤操作を防止することができる。
【0015】
また、設定した時刻からあるいは設定した時間帯にキーロックをかけたり着信を禁止したりできるので通勤時の車内など特定の時間帯のみに動作を禁止することが可能となり、操作が容易でかつ確実なロック機能を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面等を用いて、フリップタイプを例にして説明する。図1は携帯電話の外観構成図であり、(A)はフリップを閉じた状態、(B)はフリップを開いた状態を示す。図1において、1は携帯電話機本体、2は開閉可能なフリップ機構、3はフリップを閉じた状態でもキー入力可能な露出キー部、4はスピーカー、5は表示部、6はマイク、7は他の機能や数字キーで構成されるキー入力部でありフリップ2が閉じられた状態ではフリップ2の裏側に隠れている。
【0017】
図1に示すように、フリップ機構を有する携帯電話機は、不使用時や着信待機中には、不要なキーが動作しないように、フリップ2を閉じてキー入力部7に蓋がされており、着信時や発信時には、フリップ2が開けられて、携帯電話機本体1に設けられているスピーカー4やマイク6が使用可能な状態となり通話が行えるようになっている。
【0018】
図2は本発明の構成図、図3はタイマーによるキーロックのフローチャート、図4はキーアンロックのフローチャートである。フリップ2の開閉状態は、スイッチ等で構成された開閉検出手段20によって検出され、キーロック制御部21に送られる。キーロック制御部21はフリップ2の開状態を検出するとキーロックを解除し、すべてのキー操作を可能とする。
【0019】
キーロック情報記憶部22にはキーロックに関する情報が記憶されている。キー入力部7の機能キーや数字キーを用いて、キーロックを行うか否かの設定やフリップ2を閉じてからキーロックを開始するまでのタイマー値を設定し、設定した機能や値をキーロック情報記憶部22に記憶する。
【0020】
フリップ開閉検出手段20がフリップが閉じたことを検出した時、キーロック情報記憶部22にキーロックONが設定されていた場合、キーロック開始時間のタイマーを起動する。キーロック情報記憶部22にキーロックOFFが設定されていた場合、キーロックは行わず露出キー部3の操作可能状態を維持する。タイマーがタイムアウトした時にキーロックを行い露出キーの機能を禁止する。タイマーがタイムアウトする前にキー操作検出手段30でキー操作が検出された時はタイマーをリスタートし、設定したタイマー値に達するとキーロックを行い露出キーの機能を禁止する。
【0021】
前記説明はキーロックを開始するタイマー値を設定した場合で説明したが、キーロック開始時間あるいはキーロック時間帯を設定し、設定した機能や値をキーロック情報記憶部22に記憶した場合も同様である。例えば通勤時間帯である8:00から9:00をキーロック時間帯に設定し、その時間帯に不用意に露出キーが動作することを防止することも可能となる。この場合はキーロック開始時間になると露出キーのオンによる割り込み動作を禁止してキーロックし、キーロック終了時間になった時に割り込み禁止を解除してキー動作を可能とする。キーロック中にフリップ2が開となった時はロック機能設定の種類にかかわらずキーロックを解除する。
【0022】
同様にこの時間帯の着信を禁止する機能を設定することも可能である。キーロック設定の代わり着信禁止を設定し、設定した機能や値をキーロック情報記憶部22に記憶する。
【0023】
設定した時間になるとキーロック情報記憶部22に記憶された機能がキーロックであるか着信禁止機能であるかあるいは両者であるかを判別し、着信禁止機能が設定されている時は着信による割り込みを禁止して以後の着信を禁止し、設定した時間帯を過ぎると禁止を解除することにより目的を達成できる。
【0024】
また本実施例ではフリップタイプの携帯電話について述べているが、本発明はフリップタイプに限るものではなく、一部のキーを除いてキーを覆い隠すことが出来る折畳式やスライドカバー式などの携帯端末に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係わる携帯電話の外観構成図。(A)はフリップを閉じた状態、(B)はフリップを開いた状態を示す。
【図2】本発明の一実施形態に係わる構成図
【図3】本発明の一実施形態に係わるタイマーによるキーロックのフローチャート
【図4】本発明の一実施形態に係わるキーアンロックのフローチャート
【符号の説明】
【0026】
1 携帯電話機本体
2 開閉可能なフリップ
3 露出キー部
4 スピーカー
5 表示部
6 マイク
7 キー入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体が操作面を覆う状態で、少なくとも1つ以上のキーが外部に露出する構造を有する携帯電話機において、前記筐体と前記操作面との位置関係の変化を検出する位置関係検出手段と、キーの動作機能をロックすることに関するロック情報を設定するキーロック情報設定手段と、該ロック情報を記憶する記憶手段と、前記キーに対する操作を検出するキー操作検出手段を設け、前記筐体と前記操作面との位置関係の変化を検出後、前記ロック情報と前記キーに対する操作とに基づきキーのロックを制御するキーロック制御手段を備えることを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
前記キーロック制御手段は、前記位置関係検出手段が前記筐体と前記操作面との位置関係の変化を検出後、前記ロック情報に基づきタイマーを起動し、所定の時間を経過前に前記キー操作検出手段が前記キーに対する操作を検出した場合には再度タイマーを起動し、所定時間経過後に前記キーをロックすることを特徴とする請求項1に記載の携帯電話機。
【請求項3】
前記キーロック制御手段は、携帯電話機に対する着信の可否を制御し、
前記キーロック情報設定手段は、前記着信の可否に関する着信可否情報を設定し、
前記キーロック制御手段は、前記筐体と前記操作面との位置関係の変化を検出後、前記着信可否情報と前記キーに対する操作とに基づき着信の可否を制御することを特徴とする請求項1に記載の携帯電話機。
【請求項4】
前記キーロック制御手段は、前記位置関係検出手段が前記筐体と前記操作面との位置関係の変化を検出後、前記ロック情報に基づきタイマーを起動し、所定の時間を経過後に、前記着信可否情報または前記ロック情報にもとづき、
前記着信の可否または前記キーのロックを選択的に行うことを特徴とする請求項1または3に記載の携帯電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−99324(P2008−99324A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−308081(P2007−308081)
【出願日】平成19年11月28日(2007.11.28)
【分割の表示】特願2000−89538(P2000−89538)の分割
【原出願日】平成12年3月28日(2000.3.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】