説明

携帯電話機

【課題】ユーザの好みに応じて直感的な操作を可能とする携帯電話機を提供すること。
【解決手段】回転ダイヤル部41が回転されたときに、表示オブジェクト選択部73は、回転量検出部71により検出される回転量に対応するアプリケーションを特定し、特定されたアプリケーションとともに規定順序にしたがって当該特定されたアプリケーションに隣り合うアプリケーションに対応する表示オブジェクトを選択し、また、制御部74は、所定の待受画面に代えて、選択された表示オブジェクトをディスプレイ21に表示するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転ダイヤル部を有する携帯電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機の機能は、通信・通話のみならずテレビやラジオを視聴することもでき多機能化されている。ここで、携帯電話機においては、テレビ等の他の機能が選択されていない場合には、通信・通話の待受画面がトップ画面として表示され、当該待受画面から所定の操作を行うことにより他の機能を選択するメニュー選択画面に移行し、当該選択メニュー画面においてユーザが所定の操作を行うことにより他の機能の選択を行うことができる。しかし、当該メニュー選択画面には、多数の項目からなる選択メニューが表示されるため、例えば、操作に不慣れなユーザにとっては、このようなメニュー選択画面は使用上の抵抗を感じるものである。
【0003】
ところで、デジタルカメラにおいては、物理的な回転ダイヤルによって機能選択を行うものが知られている。この回転ダイヤルには、ムービー機能(動画を記録する機能)や、連写機能(静止画撮影を短時間に複数行う機能)等の撮影作業を補助するメニューが選択可能に割り当てられている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0004】
また、このような回転ダイヤルには、起動する機能に対応する指標(アイコン)が付されている。しかしながら、機能の数が多くなるとアイコンが小さくなり、視認性が悪化する問題がある。
【0005】
また、デジタルカメラにおいて、ダイヤルの回転操作に連動させて、当該ダイヤルに割り当てられている機能を表示部に表示する技術が提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。
【特許文献1】特開2001−245189号公報
【特許文献2】特開2006−191300号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在、携帯電話機においては、デジタルカメラに用いられているような回転ダイヤルによる複数メニューの選択方式は採用されていない。また、携帯電話機には、デジタルカメラにはない特有のアプリケーション(通信・通話機能)が含まれており、また、通信・通話機能以外のアプリケーションを選択し、その後、次のアプリケーションを選択する場合には、通信・通話の待受画面が表示される等の仕様上の相違点も存在する。したがって、特許文献1に示されているような技術を携帯電話機に単に応用しただけでは、携帯電話機の操作上及び使用上不都合を生ずる。
【0007】
また、携帯電話機の多機能化は進んでおり、ユーザの使用形態により即した機能操作の方法を有したものが求められている。
【0008】
本発明では、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、回転ダイヤル部を備えることにより、従来から用いられているメニュー選択画面と併用することにより、ユーザの好みに応じて直感的な操作を可能とする携帯電話機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明に係る携帯電話機は、上記課題を解決するために、所定方向に自在に回転するように筐体に取り付けられている回転ダイヤル部と、前記回転ダイヤル部の回転されたときの回転量を検出する回転量検出部と、前記回転量検出部により検出される回転量と起動するアプリケーションとを規定順序として対応付けて記憶する記憶部と、前記記憶部を参照して前記回転量検出部により検出される回転量に対応するアプリケーションを特定し、特定した当該アプリケーションに対応する表示オブジェクトを選択する表示オブジェクト選択部と、前記表示オブジェクトを表示部に表示する制御部と、を備え、前記回転ダイヤル部が回転されたときに、前記表示オブジェクト選択部は、前記回転量検出部により検出される回転量に対応するアプリケーションを特定し、特定されたアプリケーションとともに前記規定順序にしたがって当該特定されたアプリケーションに隣り合うアプリケーションに対応する表示オブジェクトを選択し、前記制御部は、選択された前記表示オブジェクトを前記表示部に表示するように制御することを特徴とする。
【0010】
(2)また、上記携帯電話機では、前記回転ダイヤル部の表面には、回転する方向において所定の間隔ごとにそれぞれ識別可能な抽象的な記号が付されていることが好ましい。
【0011】
(3)また、上記携帯電話機では、前記回転量検出部により回転量が検出され、当該回転量を記憶する回転量記憶部と、前記回転量記憶部に記憶されている回転量に対応するアプリケーションが起動され、その後前記回転ダイヤル部の回転に基づかないで他のアプリケーションが起動された場合、前記記憶部を参照して前記他のアプリケーションに対応する回転量を読み出し、前記回転量記憶部に記憶されている回転量を当該読み出した回転量に置き換える置換部と、を備えることが好ましい。
【0012】
(4)また、上記携帯電話機では、前記表示部を有する第1の筐体と、操作部を有する第2の筐体と、ヒンジ機構とにより構成されており、前記ヒンジ機構により前記第1の筐体と前記第2の筐体の状態を相対的に変化させることで当該筐体を開状態と閉状態に変移する構成であり、前記開状態と前記閉状態を検出する開閉検出部と、前記開閉検出部の検出結果に基づいて前記表示部に表示される前記表示オブジェクトの個数を決定する決定部と、を備え、前記制御部は、前記決定部により決定された個数の前記表示オブジェクトを前記表示部に表示するように制御することが好ましい。
【0013】
(5)また、上記携帯電話機では、前記回転ダイヤル部は、前記ヒンジ機構のヒンジ軸と同一軸に回転自在に取り付けられ、前記制御部は、前記表示部に表示されている前記表示オブジェクトを前記ヒンジ軸と直交する方向に移動するように制御することが好ましい。
【0014】
(6)また、本発明に係る携帯電話機は、上記課題を解決するために、表示部と、所定方向に回転自在に取り付けられている回転ダイヤル部と、前記回転ダイヤル部の回転を検出する回転検出部と、前記回転検出部により検出される回転に基づく位置に対して起動するアプリケーションを規定順序で対応付けて記憶する記憶部と、前記回転ダイヤル部の回転が生じると、その回転に基づく位置に対して前記記憶部にて対応付けられているアプリケーションを特定し、当該アプリケーションに対応する表示オブジェクトを、前記表示部に表示させる制御部と、を備え、前記制御部は、アプリケーションの起動あるいは終了を行う際、前記記憶部における回転に基づく位置と起動するアプリケーションとの対応関係について前記規定順序を維持したまま変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザの操作性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明に係る携帯電話機1の外観図を示す。また、図2は、携帯電話機1の閉状態における表示部側筐体部3から見たときの外観図を示す。また、図3は、携帯電話機1の閉状態における操作部側筐体部2から見たときの外観図を示す。また、図4は、回転ダイヤル部付近の拡大図を示す。また、図5は、回転ダイヤル部の機能を示す図である。なお、以下では、携帯電話機について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、回転ダイヤル部を有するものであり、なおかつ複数のアプリケーションを独立して起動可能であれば良く、例えば、PHS(Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、ノートパソコン等であっても良い。
【0017】
携帯電話機1は、図1に示すように、操作部側筐体部2と、表示部側筐体部3と、を備えて構成される。操作部側筐体部2は、表面部10に、操作キー群11と、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声が入力されるマイク12と、を備えて構成される。操作キー群11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を動作させるための機能設定操作ボタン13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作ボタン14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作ボタン15と、ボリュームコントロール等を行うコントロールボタン16と、から構成されている。
【0018】
また、表示部側筐体部3は、表面部20に、各種情報を表示するためのディスプレイ21と、通話の相手側の音声を出力する音声出力部22と、を備えて構成されている。
【0019】
また、操作部側筐体部2の上端部と表示部側筐体部3の下端部とは、ヒンジ機構4を介して連結されている。また、携帯電話機1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを相対的に回転することにより、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とが互いに開いた状態(開状態)にしたり、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とが折り畳まれた状態(閉状態)にしたりできる。
【0020】
なお、図1は、いわゆる折り畳み型の携帯電話機1の形態を示しているが、本発明に係る携帯電話機1の形態としては特にこれに限られない。例えば、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3との重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(ターンタイプ)や、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とが一つの筐体に配置され連結部を有さない型式(ストレートタイプ)等であっても良い。
【0021】
また、ヒンジ機構4が形成されている位置には、所定方向に自在に回転するように筐体に取り付けられている回転ダイヤル部41を備えている。なお、回転ダイヤル部41の操作及び機能については後述する。
【0022】
また、携帯電話機1は、図2に示すように、表示部側筐体部3のディスプレイ21が配置されている裏面側には、所定の情報が表示されるサブディスプレイ23を備えている。
【0023】
また、携帯電話機1は、図3に示すように、操作部側筐体部2の操作キー群11が配置されている裏面側には、被写体を撮像するCCD(Charge Coupled Device)カメラ等により構成される撮像部17と、一定の光量を出力する発光部18とを備えている。
【0024】
ここで、回転ダイヤル部41の操作及び機能について説明する。回転ダイヤル部41は、図4に示すように、ヒンジ機構4の回転軸Xに沿って、ユーザの指により所定方向(図4中のa方向(ヒンジ機構4の回転軸と直交する第1の方向)及びb方向(ヒンジ機構4の回転軸と直交する第2の方向))に自在に回転するように筐体に取り付けられている。なお、回転ダイヤル部41は、図4に示すような構成に限定されず、ユーザの操作によって回転自在な構成であれば良く、回転軸(ヒンジ軸)Xと直交する方向の軸に沿って所定方向に自在に回転するような構成等であっても良い。また、回転ダイヤル部41には、回転方向において所定の間隔ごとにそれぞれ識別可能な複数の抽象的な記号(例えば、丸、三角、四角等)Iが付されている。また、回転ダイヤル部41に付されている各記号は、回転ダイヤル部41に付されている記号をユーザが目視により確認する必要がないように、指の触覚で判断できるように加工(例えば、立体的な加工)が施されている。
【0025】
つぎに、ユーザにより回転ダイヤル部41が操作され、所定のアプリケーションが起動されるまでの流れについて簡略的に説明する。ユーザは、回転ダイヤル部41を回転し、当該回転に呼応してディスプレイ21にスクロール表示されるメニューを見ながら所望するアプリケーションを選択する。携帯電話機1は、選択されたアプリケーションを起動させる。
【0026】
また、回転ダイヤル部41は、例えば、図5に示すように、ユーザの回転操作によって、無操作時(ニュートラル(N))を基準として、a方向に45°(b方向に315°)回転されることにより、撮像部17のカメラ機能を概念的に示す表示オブジェクトをディスプレイ21に表示し、a方向に90°(b方向に270°)回転されることにより、メールの機能を概念的に示す表示オブジェクトをディスプレイ21に表示する。また、回転ダイヤル部41は、ユーザの回転操作によって、無操作時(N)を基準として、a方向に135°(b方向に225°)回転されることにより、カレンダー機能を概念的に示す表示オブジェクトをディスプレイ21に表示し、a方向に180°(b方向に180°)回転されることにより、ツールメニュー(携帯電話機1における音出力等に関する各種の設定を行うメニュー)を概念的に示す表示オブジェクトをディスプレイ21に表示する。また、回転ダイヤル部41は、ユーザの回転操作によって、無操作時(N)を基準として、a方向に225°(b方向に135°)回転されることにより、テレビ機能を概念的に示す表示オブジェクトをディスプレイ21に表示し、a方向に270°(b方向に90°)回転されることにより、メモ帳機能を概念的に示す表示オブジェクトをディスプレイ21に表示し、a方向に315°(b方向に45°)回転されることにより、アドレス帳を概念的に示す表示オブジェクトをディスプレイ21に表示する。
【0027】
なお、上述した回転ダイヤル部41の回転角度に応じて割り当てられているメニューは一例であって、これに限定されることは無い。例えば、ユーザ自身が頻繁に使用するメニューを登録可能な構成であっても良いし、また、所望のWebアドレスを登録しておき、当該Webアドレスを回転ダイヤル部41により選択することによって、Webブラウザが起動して当該WebアドレスのWebページを閲覧できるような構成であっても良い。また、メニューの数も上述した数(7つ)に限定されるものではない。
【0028】
また、無操作時(N)、すなわちメール等のアプリケーションが起動していない場合には、ディスプレイ21には所定の待受画面が表示される。また、各アプリケーションの起動操作に応じて当該アプリケーションに対応する表示画面がディスプレイ21に表示され、当該アプリケーションの終了操作(携帯電話機1では、一般的にオンフック操作を行うことによりアプリケーションの終了操作を行うことができる)が行われると、所定の待受画面がディスプレイ21に表示される。
【0029】
また、ユーザは、回転ダイヤル部41を直接操作することにより、一定条件下において、回転ダイヤル部41に割り当てられている各種機能を直接的に起動させることができ、従来のようにメインメニューを経由する必要がなく、簡易に所望するアプリケーションを起動することができる。
【0030】
また、本発明では、図6に示すように、携帯電話機1が開状態の場合において、回転ダイヤル部41を操作して所定のアプリケーションを選択する際に、回転ダイヤル部41が回転される状態を表示オブジェクトにより模式的にディスプレイ21に表示する機能を有している。このような機能を有することにより、回転ダイヤル部41の操作をディスプレイ21の表示によってアシストすることができるので、ユーザに対する操作性を向上することができる。
【0031】
なお、図6においては、現在選択位置(目印)Sにかかっている回転ダイヤル部41の記号Iに対応するアプリケーションに係る表示オブジェクトを、その前後の他のアプリケーションに係る表示オブジェクトよりも大きくなるようにディスプレイ21に表示している。また、図6中のYにおいて、回転ダイヤル部41を拡大表示している。
【0032】
つぎに、回転ダイヤル部41には抽象的な記号が付されている利点について説明する。例えば、回転ダイヤル部41の操作によってメールの機能が起動され、閲覧しているメールの本文中に所定のWebページにアクセス可能な機能(いわゆる、ハイパーリンク機能)が付されている場合に、当該機能を選択し当該所定のWebページを閲覧したような場合には、ブラウザ機能がアクティブになり、メールによる機能は終了又はノンアクティブ状態になる。このような状況下において、回転ダイヤル部41に起動対象となるアプリケーションに直結するような指標(例えば、絵で示したアイコン)が付されている場合には、回転ダイヤル部41の表示(メール機能)と現在アクティブになっているアプリケーション(ブラウザ機能)との間に不一致が生じ、ユーザに対して違和感を与える可能性がある。
【0033】
そこで、本発明では、回転ダイヤル部41には現在アクティブになっているアプリケーションに直結するような記号ではなく、抽象的な記号が付されているため、上述のような事態が生じてもユーザに対して違和感を与えることがない。
【0034】
また、以下に、図7を参照しながら、本発明に係る回転ダイヤル部41に付されている各記号と起動されるアプリケーションとの関係について説明する。例えば、図7(a)に示すように、選択位置(目印)Sに回転ダイヤル部41の三角記号が位置している場合には、当該三角記号にニュートラル(N)、すなわち待受画面を表示する機能が割り当てられる。また、a方向に45°回転させた位置に付されている星記号にカメラの機能が割り当てられる。また、b方向に45°回転させた位置に付されている丸記号にアドレス帳の機能が割り当てられる。また、b方向に90°回転させた位置に付されている四角記号にメモ帳の機能が割り当てられる。また、b方向に135°回転させた位置に付されている×(バツ)記号にテレビ機能が割り当てられる(図7(b)を参照。)。また、ユーザによる操作に応じて回転ダイヤル部41が回転動作されて、b方向に45°回転されて、所定の操作が行われることにより、丸記号に割り当てられているアドレス帳が起動する。
【0035】
そして、ユーザによるアドレス帳の終了操作(例えば、オンフックキーの押し下げ操作)が行われたときに、アドレス帳の機能が終了し、待受画面に戻る(図7(c)を参照。)。この場合には、丸記号に待受画面を表示する機能が割り当てられ、a方向に45°回転させた位置に付されている三角号にカメラの機能が割り当てられる。また、a方向に90°回転させた位置に付されている星記号にメール機能が割り当てられる。また、b方向に45°回転させた位置に付されている四角記号にアドレス帳の機能が割り当てられる。また、b方向に90°回転させた位置に付されている×(バツ)記号にメモ帳の機能が割り当てられる(図7(d)、(e)を参照。)。
【0036】
また、図8には、回転ダイヤル部41に付されている各記号に最初に割り当てられていたアプリケーションとの関係と、オンフック操作後において、各記号に割り当てられたアプリケーションとの関係を示す。
【0037】
このように構成されることにより、待受画面が表示されているときの選択位置(目印)Sに位置している記号に対して、待受画面を表示する機能が割り当てられるので、選択位置(目印)Sにある記号の種類にかかわらず、常に、待受画面からの一定の操作にしたがって所定のアプリケーションの起動が可能となり、操作性の向上を図ることができる。
【0038】
ここで、上述した機能を実現するための構成について説明する。携帯電話機1は、図9に示すように、所定の情報を表示するディスプレイ21と、所定の情報を表示するサブディスプレイ23と、ユーザの操作により回転される回転ダイヤル部41と、外部の端末と通信を行う通信部60と、所定の処理を行う処理部70と、所定容量を有する充電池80と、充電池80から供給される電源電圧を所定の電圧に変換し、変換後の電圧を通信部60や処理部70等に供給する電源回路部90と、を備えている。
【0039】
通信部60は、所定の使用周波数帯により外部装置と通信を行うメインアンテナ61と、変調処理又は復調処理等の信号処理を行う通信処理部62と、を備える。
【0040】
メインアンテナ61は、所定の使用周波数帯(例えば、800MHz)で外部装置(基地局)と通信を行う。なお、本実施の形態では、所定の使用周波数帯として、800MHzとしたが、これ以外の周波数帯であっても良い。また、メインアンテナ61は、所定の使用周波数帯の他に、第2の使用周波数帯(例えば、2GHz)に対応できる、いわゆるデュアルバンド対応型による構成であっても良いし、さらに、第3の使用周波数帯以上にも対応できる複数バンド対応型により構成されていても良い。
【0041】
通信処理部62は、メインアンテナ61によって受信した信号を復調処理し、処理後の信号を処理部70に供給し、一方、処理部70から供給された信号を変調処理し、メインアンテナ61を介して外部装置(基地局)に送信する。
【0042】
電源回路部90は、充電池80から供給される電源電圧を所定の電圧値に変圧し、変圧後の電源電圧を通信部60や処理部70等に供給する。
【0043】
処理部70は、図10に示すように、回転ダイヤル部41が回転されたときの回転量を検出する回転量検出部71と、回転量検出部71により検出される回転量と起動するアプリケーションとを規定順序として対応付けて記憶する記憶部72と、記憶部72を参照して回転量検出部71により検出される回転量に対応するアプリケーションを特定し、特定した当該アプリケーションに対応する表示オブジェクトを選択する表示オブジェクト選択部73と、表示オブジェクトを表示部に表示する制御部74と、を備える。
【0044】
また、回転ダイヤル部41が回転されたときに、表示オブジェクト選択部73は、回転量検出部71により検出される回転量に対応するアプリケーションを特定し、特定されたアプリケーションとともに規定順序にしたがって当該特定されたアプリケーションに隣り合うアプリケーションに対応する表示オブジェクトを選択する。また、制御部74は、所定の待受画面に代えて、選択された表示オブジェクトをディスプレイ21に表示するように制御する。
【0045】
なお、本実施例では、回転量検出部71は、回転ダイヤル部41の角度の変化量を回転量として検出しているが、これに限られず、回転ダイヤル部41の回転に応じた変化を検出できれば良く、例えば、抵抗率の変化等を回転量として検出しても良い。
【0046】
このように構成されることにより、本発明では、回転ダイヤル部41の回転に伴って、当該回転の様子をディスプレイ21により拡大表示させることができるので、回転ダイヤル部41による操作性を向上させることができる。
【0047】
また、上述したように、回転ダイヤル部41の表面には、回転する方向において所定の間隔ごとに抽象的な記号が付されている。また、処理部70は、図10に示すように、回転量記憶部75と、置換部76と、を備える。
【0048】
回転量記憶部75は、回転量検出部71により回転量が検出され、当該回転量を記憶する。
【0049】
置換部76は、回転量記憶部75に記憶されている回転量に対応するアプリケーションが起動され、その後回転量記憶部75に記憶されている回転量に基づかないで他のアプリケーションが起動された場合、記憶部72を参照して他のアプリケーションに対応する回転量を読み出し、回転量記憶部75に記憶されている回転量を当該読み出した回転量に置き換える。
【0050】
このように構成されることにより、本発明では、回転ダイヤル部41に付されている記号は、抽象的なもの(例えば、丸、三角、四角等)なので、起動されるアプリケーションに対応させる必要がないため、ユーザに対して、起動されているアプリケーションと回転ダイヤル部41の記号との不一致による違和感を与えることがない。
【0051】
また、処理部70は、図10に示すように、開閉検出部77と、決定部78と、を備える。
【0052】
開閉検出部77は、筐体の開状態と閉状態とを検出する。決定部78は、開閉検出部77の検出結果に基づいてディスプレイ21に表示される表示オブジェクトの個数を決定する。また、制御部74は、決定部78により決定された個数の表示オブジェクトをディスプレイ21に表示するように制御する。
【0053】
このように構成されることにより、本発明では、実際にユーザの視覚に映る回転ダイヤル部41の外観的なイメージが模式的にディスプレイ21に表示される。例えば、視覚に映る回転ダイヤル部41の数が3つであるならば、ディスプレイ21に表示される表意オブジェクトの数も3つである。したがって、本発明は、操作においてユーザに違和感を与えることがない。
【0054】
また、回転ダイヤル部41は、ヒンジ機構4のヒンジ軸と同一軸に回動自在に取り付けられている。また、制御部74は、ディスプレイ21に表示されている表示オブジェクトをヒンジ軸と直交する方向に移動する、すなわち回転ダイヤル部41に付されている記号Iが回転する方向と同一方向に移動するように制御する。
【0055】
このように構成されることにより、本発明では、回転ダイヤル部41の回動方向と、ディスプレイ21に表示される表示オブジェクトのスクロール方向をシンクロさせるので、操作においてユーザに違和感を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明に係る携帯電話機の外観を示す図である。
【図2】携帯電話機の閉状態における表示部側筐体部から見たときの外観を示す図である。
【図3】携帯電話機の閉状態における操作部側筐体部から見たときの外観を示す図である。
【図4】回転ダイヤル部付近を拡大したときの図である。
【図5】回転ダイヤル部の機能についての説明に供する図である。
【図6】回転ダイヤル部の回転と表示部の表示態様についての説明に供する図である。
【図7】回転ダイヤル部に付されている各記号と起動されるアプリケーションとの関係についての説明に供する図である。
【図8】回転ダイヤル部に付されている各記号と起動されるアプリケーションとの関係についての説明に供する図である。
【図9】携帯電話機の機能を示す機能ブロック図である。
【図10】携帯電話機に備えられている処理部の機能を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0057】
1 携帯電話機
2 操作部側筐体部
3 表示部側筐体部
4 ヒンジ機構
41 回転ダイヤル部
70 処理部
71 回転量検出部
72 記憶部
73 表示オブジェクト選択部
74 制御部
75 回転量記憶部
76 置換部
77 開閉検出部
78 決定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に自在に回転するように筐体に取り付けられている回転ダイヤル部と、
前記回転ダイヤル部の回転されたときの回転量を検出する回転量検出部と、
前記回転量検出部により検出される回転量と起動するアプリケーションとを規定順序として対応付けて記憶する記憶部と、
前記記憶部を参照して前記回転量検出部により検出される回転量に対応するアプリケーションを特定し、特定した当該アプリケーションに対応する表示オブジェクトを選択する表示オブジェクト選択部と、
前記表示オブジェクトを表示部に表示する制御部と、を備え、
前記回転ダイヤル部が回転されたときに、
前記表示オブジェクト選択部は、前記回転量検出部により検出される回転量に対応するアプリケーションを特定し、特定されたアプリケーションとともに前記規定順序にしたがって当該特定されたアプリケーションに隣り合うアプリケーションに対応する表示オブジェクトを選択し、
前記制御部は、選択された前記表示オブジェクトを前記表示部に表示するように制御することを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
前記回転ダイヤル部の表面には、回転する方向において所定の間隔ごとにそれぞれ識別可能な抽象的な記号が付されていることを特徴とする請求項1記載の携帯電話機。
【請求項3】
前記回転量検出部により回転量が検出され、当該回転量を記憶する回転量記憶部と、
前記回転量記憶部に記憶されている回転量に対応するアプリケーションが起動され、その後前記回転ダイヤル部の回転に基づかないで他のアプリケーションが起動された場合、前記記憶部を参照して前記他のアプリケーションに対応する回転量を読み出し、前記回転量記憶部に記憶されている回転量を当該読み出した回転量に置き換える置換部と、を備えることを特徴とする請求項2記載の携帯電話機。
【請求項4】
前記表示部を有する第1の筐体と、操作部を有する第2の筐体と、ヒンジ機構とにより構成されており、前記ヒンジ機構により前記第1の筐体と前記第2の筐体の状態を相対的に変化させることで当該筐体を開状態と閉状態に変移する構成であり、
前記開状態と前記閉状態を検出する開閉検出部と、
前記開閉検出部の検出結果に基づいて前記表示部に表示される前記表示オブジェクトの個数を決定する決定部と、を備え、
前記制御部は、前記決定部により決定された個数の前記表示オブジェクトを前記表示部に表示するように制御することを特徴とする請求項3記載の携帯電話機。
【請求項5】
前記回転ダイヤル部は、前記ヒンジ機構のヒンジ軸と同一軸に回転自在に取り付けられ、
前記制御部は、前記表示部に表示されている前記表示オブジェクトを前記ヒンジ軸と直交する方向に移動するように制御することを特徴とする請求項4記載の携帯電話機。
【請求項6】
表示部と、
所定方向に回転自在に取り付けられている回転ダイヤル部と、
前記回転ダイヤル部の回転を検出する回転検出部と、
前記回転検出部により検出される回転に基づく位置に対して起動するアプリケーションを規定順序で対応付けて記憶する記憶部と、
前記回転ダイヤル部の回転が生じると、その回転に基づく位置に対して前記記憶部にて対応付けられているアプリケーションを特定し、当該アプリケーションに対応する表示オブジェクトを、前記表示部に表示させる制御部と、を備え、
前記制御部は、アプリケーションの起動あるいは終了を行う際、前記記憶部における回転に基づく位置と起動するアプリケーションとの対応関係について前記規定順序を維持したまま変更することを特徴とする携帯電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−246556(P2009−246556A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−88717(P2008−88717)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】