説明

携帯電話装置

【課題】 基地局の設備を変更することなく、人為的な操作なしで着信音量の設定変更等ができるようにする。
【解決手段】 自装置の置かれる位置と当該位置で設定すべき着信音量と着信時に自装置を振動させるかどうかの情報と着信時に発信者からの伝言を録音するかどうかの情報と通話を禁止してメールの送受信だけを許可するかどうかの情報とを一対で登録するデータベース103と、少なくとも3つ以上の全地球測位システム(Global Positioning System :GPS)衛星からの電波や基地局からの電波に基づいて自装置が実際に置かれている位置を検索する検索手段101と、検索手段101によって検索された位置に基づいてデータベース103を参照し当該位置に対応して登録されている着信音量を読み出すデータ制御手段102と、データ制御手段102で読み出された着信音量に設定する設定手段104とを備える。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話装置に関し、特に、着信音量の大小やバイブレータのオン/オフを設定する携帯電話装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、職場や公共施設などでは、携帯電話装置の利用者が、携帯電話装置の着信音量の大小を変更したり、バイブレータをオンに設定していた。これらの操作を忘れると周囲に迷惑がかかるので、人為的な操作なしで、着信音量の大小の変更等ができることが望まれる。
【0003】そのため、例えば特開2001−160985号公報(GPSを利用した携帯電話システム及びその使用方法)や、特開平11−18159号公報(GPS装置付携帯電話)には、携帯電話装置の着信呼を強制的に遮断する技術が記載されている。
【0004】また、特開2000−224661号公報には、移動端末にGPS受信手段と、GPS受信手段からの現在地情報が入力されると現在地の情報をネットワークを介して基地局に送信する手段を有し、基地局に移動端末の機能を制御したいエリアを記憶するデータベースと、端末側に対して利用制限などの機能制御信号を送出する手段を有することで、エリア内での移動端末の利用制限などの機能制御を可能にした移動端末の機能制御方法について記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の技術は、携帯電話装置の着信呼を強制的に遮断するために、また移動端末の利用制限などの機能制御を可能にするために、基地局の設備を変更することが必要であり、新たに設備投資を強いられていた。
【0006】また、携帯電話装置の着信呼を強制的に遮断するだけまでもなく、着信音量を小さくしたり、バイブレータをオンに設定するだけでよい場合もある。
【0007】そこで、本発明は、基地局の設備を変更することなく、人為的な操作なしで着信音量の設定変更等ができる携帯電話装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の携帯電話装置は、自装置の置かれる位置と当該位置で設定すべき着信音量とを一対で登録しておくデータベースと、自装置が実際に置かれている位置を検索する検索手段と、前記検索手段によって検索された位置に基づいて前記データベースを参照し当該位置に対応して登録されている着信音量に設定する設定手段とを備える。
【0009】また、本発明の着信音量設定方法は、自装置の置かれる位置と当該位置で設定すべき着信音量とを一対で登録しておき、自装置が実際に置かれている位置を検索したときに、検索結果に基づいて前記データベースを参照し当該位置に対応して登録されている着信音量に設定する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】(実施形態1)
[構成の説明]図1は、本発明の実施形態1の携帯電話装置の模式的な構成を示すブロック図である。
【0012】図1には、自装置の置かれる位置と当該位置で設定すべき着信音量と着信時に自装置を振動させるかどうかの情報と着信時に発信者からの伝言を録音するかどうかの情報と通話を禁止してメールの送受信だけを許可するかどうかの情報とを一対で登録するデータベース103と、少なくとも3つ以上の全地球測位システム(Global Positioning System :GPS)衛星からの電波や基地局からの電波に基づいて自装置が実際に置かれている位置を検索する検索手段101と、検索手段101によって検索された位置に基づいてデータベース103を参照し当該位置に対応して登録されている着信音量を読み出すデータ制御手段102と、データ制御手段102で読み出された着信音量に設定する設定手段104とを示している。
【0013】[動作の説明]図2は、図1の携帯電話装置の動作を示すフローチャートである。
【0014】あらかじめ携帯電話装置の利用者に、例えば頻繁に滞在する位置とその位置で設定すべき着信音量と着信時に自装置を振動させるかどうかの情報と着信時に発信者からの伝言を録音するかどうかの情報とを一対でデータベース103に登録させておく(ステップS201)。
【0015】そして、検索手段101によって、例えば5分など所定の時間間隔で、後述する要求手段からの要求に応じて、GPS衛星等からの電波に基づいて自装置の現在の位置情報を検索し、検索結果をデータ制御手段102へ出力する(ステップS202)。
【0016】つぎに、データ制御手段102は、検索手段101で検索した位置情報に基づいてデータベース103を参照する(ステップS203)。
【0017】そして、その位置情報がデータベース103に登録してあるかどうかを判別し、データベース103にその位置情報が登録してあると判別されれば、対応して登録されている着信音量等のデータを読み出して、設定手段104へ出力する(ステップS204)。
【0018】設定手段104は、データ制御手段102で読み出された着信音量等のデータに従って、現在設定されている着信音量又はバイブレータ設定を変更する(ステップS205)。
【0019】なお、データベース103を参照したときに、位置情報に対応したデータが登録されていない場合には、ステップS202に戻り、所定時間後に、位置情報の検索を行う。
【0020】また、自装置が移動しているかどうかを検知する検知手段と、検知手段によって自装置が移動しなくなったことを検知した場合に検索手段101に対して自装置の位置を検索するように要求する要求手段とを備えておき、要求手段からの要求を待って自装置が現在置かれている位置情報を検索するようにしてもよい。
【0021】(実施形態2)
[構成の説明]図3は、本発明の実施形態2の携帯電話装置の模式的な構成を示すブロック図である。図3には、データ制御手段102がデータベース103を無用に参照しないようにするために、検索手段101で検索した自装置の位置情報を保存するメモリ105を備えている。
【0022】なお、図3において、図1と同様の部分には同一符号を付しているが、データ制御手段102に、検索手段101で自装置が実際に置かれている位置を検索したときにその検索結果とメモリ105に保存されている検索結果とを比較する比較手段と、比較手段による比較の後にメモリ105の内容を新らしい検索結果に更新する更新手段とを備えている。
【0023】[動作の説明]図4は、図3の携帯電話装置の動作を示すフローチャートである。
【0024】実施形態1と同様に、あらかじめ携帯電話装置の利用者に、設定すべき着信音量などのデータをデータベース103に登録させておき(ステップS401)、検索手段101によって、所定時間間隔で自装置の現在の位置情報を検索し、検索結果をデータ制御手段102へ出力する(ステップS402)。
【0025】つぎに、データ制御手段102は、検索手段101で検索した位置情報に基づいてメモリ105を参照して、前回検索したときの自装置の位置情報を読み出す(ステップS403)。
【0026】そして、検索手段101で検索された位置情報とメモリ105に格納されている位置情報とが一致しているかどうかを判別する(ステップS404)。
【0027】判別の結果、検索手段101で検索された位置情報とメモリ105に格納されている位置情報とが一致している場合には、データベース103を参照することなく、メモリ105に現在の位置情報と時刻とを記憶して、ステップS402へ戻る(ステップS405)。
【0028】一方、検索手段101で検索された位置情報とメモリ105に格納されている位置情報とが一致していない場合には、メモリ105に現在の位置情報と時刻とを記憶してから(ステップS406)、検索手段101で検索された位置情報に基づいてデータベース103を参照して(ステップS407)、データベース103にその位置情報が登録してあると判別されれば、対応して登録されている着信音量等のデータを読み出して、設定手段104へ出力する。
【0029】設定手段104は、データ制御手段102で読み出された着信音量等のデータに従って、現在設定されている着信音量またはバイブレータ設定を変更する(ステップS408)。
【0030】なお、データベース103を参照したときに、位置情報に対応したデータが登録されていない場合には、ステップS402に戻り、所定時間後に、位置情報の検索を行う。
【0031】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によると、基地局の設備を変更することなく、人為的な操作なしで着信音量の設定変更等ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の携帯電話装置の模式的な構成を示すブロック図である。
【図2】図1の携帯電話装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態2の携帯電話装置の模式的な構成を示すブロック図である。
【図4】図3の携帯電話装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
101 検索手段
102 データ制御手段
103 データベース
104 設定手段
105 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 自装置の置かれる位置と当該位置で設定すべき着信音量とを一対で登録しておくデータベースと、自装置が実際に置かれている位置を検索する検索手段と、前記検索手段によって検索された位置に基づいて前記データベースを参照し当該位置に対応して登録されている着信音量に設定する設定手段とを備えることを特徴とする携帯電話装置。
【請求項2】 前記検索手段は、全地球測位システム衛星からの電波又は基地局からの電波に基づいて自装置が実際に置かれている位置を検索することを特徴とする請求項1記載の携帯電話装置。
【請求項3】 さらに、前記データベースには、着信時に自装置を振動させるかどうかの情報を登録できることを特徴とする請求項1又は2記載の携帯電話装置。
【請求項4】 さらに、前記データベースには、着信時に発信者からの伝言を録音するかどうかの情報を登録できることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の携帯電話装置。
【請求項5】 自装置が移動しているかどうかを検知する検知手段と、前記検知手段によって自装置が移動しなくなったことを検知した場合に前記検索手段に対して自装置の位置を検索するように要求する要求手段とを備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の携帯電話装置。
【請求項6】 前記検索手段の検索結果を保存しておくメモリと、前記検索手段で自装置が実際に置かれている位置を検索したときに当該検索結果と前記メモリに保存してある前の検索結果とを比較する比較手段と、前記比較手段による比較の後に前記メモリの内容を新らしい検索結果に更新する更新手段とを備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の携帯電話装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2003−152823(P2003−152823A)
【公開日】平成15年5月23日(2003.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−346185(P2001−346185)
【出願日】平成13年11月12日(2001.11.12)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】