撮像システム、その制御方法及びプログラム
【課題】監視精度の向上、監視員の負担の軽減、及び録画データを削減することが可能な撮像システムを提供する。
【解決手段】複数台の撮像装置15と撮像装置15を制御する制御装置16とを有する撮像システムにおいて、撮像装置15の撮影可能領域に撮影対象が進入した時間が、所定の時間帯に含まれるか否かを判定し、進入した時間が所定の時間帯に含まれない場合に、撮影対象を追跡、録画撮影するようにする。これにより、追跡すべき対象を自動的に特定し録画することができるため、事前に対象を把握しておくことや撮像装置15を追跡のために操作をすること等の作業についての負担が軽減される。また、追跡すべき対象のみを録画するようにすることができるため、不必要な映像を録画することを回避できる。
【解決手段】複数台の撮像装置15と撮像装置15を制御する制御装置16とを有する撮像システムにおいて、撮像装置15の撮影可能領域に撮影対象が進入した時間が、所定の時間帯に含まれるか否かを判定し、進入した時間が所定の時間帯に含まれない場合に、撮影対象を追跡、録画撮影するようにする。これにより、追跡すべき対象を自動的に特定し録画することができるため、事前に対象を把握しておくことや撮像装置15を追跡のために操作をすること等の作業についての負担が軽減される。また、追跡すべき対象のみを録画するようにすることができるため、不必要な映像を録画することを回避できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば監視カメラ等に用いて好適な撮像システム、その制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像装置が設置されている建物や部屋等において、不審人物等の追跡対象者を決定し、撮像装置に追跡対象者を追跡させる技術があった。例えば特許文献1には、システムの監視員等が追跡する人物を特定し、複数の撮像装置が連携して特定された人物を追跡する方法が開示されている。また、特許文献2には、撮像装置の台数と撮影対象者との関係が変わった場合でも、撮像装置を撮影対象者に順次割り当てる技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開平6−325180号公報
【特許文献2】特開2007−67963号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような主に監視を目的とするカメラシステムにおいては、追跡すべき人物を特定し、その人物を確実に監視してセキュリティ精度を向上させる必要がある。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されている技術では、特定された人物が本来追跡すべき人物か否かを判断する監視員が、対象となる建物や部屋の利用者や状況を熟知している必要があった。そのため、監視員の負担は大きく、また、監視員が正しい判断を下せない可能性があり、セキュリティ精度が十分であるとは言い難かった。
【0006】
また、特許文献2に記載されている技術では、撮像装置が撮影対象者に順次割り当てられるため、撮影中の人物が本来追跡すべき人物である場合であっても、撮像装置が別の人物に割り当てられる可能性があった。そのため、特定人物の追跡については不向きであり、セキュリティ精度が十分であるとは言い難かった。
【0007】
また、セキュリティが重視される建物や部屋等では撮像装置で撮影した映像を録画することで監視を強化することが可能である。しかし、常時録画を実行していると録画データが膨大に蓄積されることが問題となる。そのため、必要なときだけ自動的に録画を実行することができる仕組みが必要であった。
【0008】
本発明は係る実情に鑑みてなされたものであり、監視精度の向上、監視員の負担の軽減、及び録画データを削減することが可能な撮像システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の撮像システムは、一又は複数台の撮像装置と前記撮像装置を制御する制御装置とを有する撮像システムであって、前記撮像装置の撮影可能領域に撮影対象が進入した時間が所定の時間帯に含まれるか否かを判定する進入時間判定手段を有し、前記進入時間判定手段の判定結果に応じて、前記撮像装置の処理を変更することを特徴とする。
また、本発明の撮像システムは、一又は複数台の撮像装置と前記撮像装置を制御する制御装置とを有する撮像システムであって、前記撮像装置の撮影可能領域に撮影対象が進入した時間と所定の時間帯との時間差が大きいほど、撮影対象について高い優先度を設定する優先度設定手段を有し、前記優先度設定手段が設定した優先度に応じて、前記撮像装置の処理を変更することを特徴とする。
また、本発明の撮像システムの制御方法は、一又は複数台の撮像装置と前記撮像装置を制御する制御装置とを有する撮像システムの制御方法であって、前記撮像装置の撮影可能領域に撮影対象が進入した時間が所定の時間帯に含まれるか否かを判定するステップと、前記判定した結果に応じて、前記撮像装置の処理を変更するステップとを有することを特徴とする。
また、本発明の撮像システムの制御方法は、一又は複数台の撮像装置と前記撮像装置を制御する制御装置とを有する撮像システムの制御方法であって、前記撮像装置の撮影可能領域に撮影対象が進入した時間と所定の時間帯との時間差が大きいほど、撮影対象について高い優先度を設定するステップと、前記設定した優先度に応じて、前記撮像装置の処理を変更するステップとを有することを特徴とする。
また、本発明のプログラムは、一又は複数台の撮像装置と前記撮像装置を制御する制御装置とを有する撮像システムの制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記撮像装置の撮影可能領域に撮影対象が進入した時間が所定の時間帯に含まれるか否かを判定するステップと、前記判定した結果に応じて、前記撮像装置の処理を変更するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
また、本発明のプログラムは、一又は複数台の撮像装置と前記撮像装置を制御する制御装置とを有する撮像システムの制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記撮像装置の撮影可能領域に撮影対象が進入した時間と所定の時間帯との時間差が大きいほど、撮影対象について高い優先度を設定するステップと、前記設定した優先度に応じて、前記撮像装置の処理を変更するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、監視するべき対象の追跡、録画を自動かつ的確に行うことができ、監視精度の向上及び監視員の負担を軽減することが可能となる。また、監視するべき対象のみを録画することができるため、録画データを削減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段の一例であり、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で下記の実施の形態を修正又は変形したものにも適用可能である。
【0012】
(第1の実施の形態)
まず本発明の第1の実施の形態に係る入退室管理システム(撮像システム)について、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る入退室管理システムのシステム構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、本実施の形態に係る入退室管理システムは、部屋10において、認証装置11、入退室管理装置12、錠装置13、扉14、撮像装置15、及び監視装置16を有し、これらはネットワーク17介して相互に通信可能に接続されている。
【0014】
認証装置11は、認証情報読み取り部11a及び通信部11bを有し、部屋10に入室する利用者の認証を行い、認証結果から利用者を特定する。そして、認証が成功すると、通信部11bを介して各装置に認証の成功が送信されるように構成されている(認証装置11は、本発明でいう認証手段に対応する)。なお、本実施の形態における認証方法としては、例えばIDカード読取装置にIDカードをかざすことでIDカードに記録されている識別情報を読み取る方法を採用することができる。或いは、指紋、静脈、顔等の生体情報を識別情報として入力する方法やパスワードを識別情報として入力する方法等であってもよく、いかなる認証方法を用いても構成可能である。
【0015】
入退室管理装置12は、登録者情報記憶部12a、制御部12b、GUI(Graphical User Interface)部12c、通信部12d、RAM12e及びROM12fと、これら各要素を接続するためのバス12gを有する。
【0016】
登録者情報記憶部12aには、利用者のID、メールアドレス等の通知先、識別情報、図3に示すような利用者毎の入室可能時間、図4に示すような利用者毎の利用履歴、利用時間に関する情報等が記憶される。入室可能時間とは、ある部屋への入室が許可された際に付加されるものであり、その時間帯において認証装置11で認証されれば入室可能となるものである。また、登録情報記憶部12aには更に、利用履歴、利用時間から決定される利用時間帯や、図6に示すような該利用時間帯と入室可能時間との関係に関する情報も記憶される。利用時間帯とは、入室可能時間のうち頻繁に利用する時間帯であり、本実施の形態では利用履歴から取得される、過去の一定期間における単位時間帯あたりの入室回数(進入回数)が所定回数以上である場合、その時間帯を利用時間帯とする。具体的には、単位時間帯における入室回数が一定期間において2回以上であれば、その時間帯を利用時間帯と決定するようにするが、この他の方法或いは基準で決定しても構わない。
【0017】
ここで、登録者情報記憶部12aに記憶される情報について説明する。図3は、利用者毎の入室可能時間の一例を示す図である。この例においては、利用者Aの曜日毎の入室可能時間が示されており、具体的には、利用者Aは、月曜日〜金曜日において「7:00〜22:00」までの入室が許可されていることを示している。
【0018】
図4は、利用者毎の利用履歴、利用時間に関する情報の一例を示す図である。この例においては、利用者Aの月曜における利用履歴、その際の利用時間が示されており、登録情報記憶部12aには利用者が入室する度に逐次このような情報が記憶・蓄積される。
【0019】
図5は、利用者の所定の曜日における入室履歴(入室回数)を示す図であり、図4に示した利用履歴に基づき算出するものである。この例においては、利用者Aの月曜日における単位時間帯毎の入室回数が示されており、利用回数が2回以上である時間帯が、利用者Aの月曜日における利用時間帯と決定される。このような情報も登録情報記憶部12aには記憶される。
【0020】
図6は、利用者の入室可能時間と利用時間帯との関係に関する情報の一例を示す図である。この例においては、利用者Aの曜日毎の入室可能時間と利用時間帯との関係が示されており、具体的には、例えば月曜日は、「9:00〜10:00」及び「11:00〜19:00」が利用時間帯となっている。このような情報が入室可能時間と識別可能なように登録情報記憶部12aに記憶される。
【0021】
次に上記利用時間帯の算出方法を図7を用いて説明する。図7は、制御部12bが不図示のCPUとその上で実行されるプログラムによって、利用時間帯を算出する場合の動作を説明するフローチャートである。なお、以下で説明する処理は、本発明でいう時間帯算出手段の一処理例に対応する。
【0022】
まずステップS701において、入退室管理システムの管理者がGUI部12cから入力した単位時間帯あたりの入室回数の閾値に基づき、制御部12bは、該閾値を登録者情報記憶部12aに記録する。
【0023】
次にステップS702において、制御部12bは、利用者毎に登録情報記憶部12aに記憶した利用履歴、利用時間に基づき、利用者毎の単位時間帯毎の入室回数をカウントし、登録者情報記憶部12aに記録する。
【0024】
次にステップS703において、制御部12bは、利用者毎に設定されている入室可能時間における最初の単位時間帯を選択する(例えば「7:00〜8:00」等)。
【0025】
次にステップS704において、制御部12bは、ステップS703で選択した単位時間帯における入室回数と、ステップS701で記録した閾値とを比較する。ここで、入室回数が閾値以上であれば、制御部12bは、ステップS705に進み、閾値よりも小さければステップS706に進む。
【0026】
ステップS705において、制御部12bは、選択した単位時間帯が利用時間帯であることを登録者情報記憶部12aに記録し、ステップS706に進む。
【0027】
そしてステップS706において、制御部12bは、次に選択すべき単位時間帯があるか否かを判定する。次の単位時間帯があれば、ステップS707に進み、次の単位時間帯を選択し、ステップS704の処理に戻る。ステップS706において、次に選択すべき単位時間帯がなければ、利用時間帯の決定の処理を終了する。以上のようにして、本実施の形態では、利用者毎(撮影対象毎)の利用時間帯を決定するようにしている。
【0028】
図1の説明にもどり、制御部12bは、図7で説明した処理に加え、利用者の入室時間が利用時間帯に含まれるか否かを判定し、含まれていなければ、その利用者を追跡、録画する命令を、通信部12dを介して監視装置16に送信する処理も行う。この処理の詳細は後述する。GUI部12cは、入退室管理システムの監視者が操作のために用いるインタフェースであり、監視者からの入力をバス12gに出力する。通信部12dは、ネットワーク17を介して情報を監視装置16等に出力するものである。
【0029】
RAM12eは、任意のアドレスを指定して読み書きすることが可能な半導体メモリであり、入退室管理装置12用のアプリケーションプログラムがインストールされている。またRAM12eは、入退室管理装置12における処理に必要なデータ等を一時的に記憶し、必要に応じてバス12gに出力する。ROM12fは、制御部12bにおける処理に必要な制御用のプログラムを記憶している読み出し専用のメモリであり、所定のタイミングで必要なプログラムを読み出して、バス12gに出力する。なお、制御部12bは、RAM12eに記憶されているアプリケーションプログラムに基づいて自ら演算処理を行い、上述した入退室管理装置12に含まれる各構成要素を制御し、入退室管理装置12全体の制御も行う。
【0030】
錠装置13は、認証装置11からの命令を受信し、電子錠付きの扉14の開錠、施錠を行う。撮像装置15は、監視装置16からの命令に基づき所定の処理をする。本実施の形態においては、撮像装置15を複数台設置するものとするが、一台であってもよい。撮像装置15は、パン、チルト駆動、ズーム機構を備えている。
【0031】
監視装置16は、映像記録部16a、制御部16b、GUI部16c、通信部16d、RAM16e及びROM16fと、これら各要素を接続するためのバス16gを有する。
【0032】
映像記録部16aは、撮像装置15で撮像された映像を記録する。制御部16bは、管理者等がGUI部16cを用いて行った、例えば録画データを管理するための命令を受け付ける。また、制御部16bは、入退室管理装置12から受信した命令に従い、通信部16dを介して、撮像装置15に利用者の追跡、録画を実行させる。
【0033】
RAM16eは、任意のアドレスを指定して読み書きすることが可能な半導体メモリであり、監視装置16用のアプリケーションプログラムがインストールされている。また、監視装置16における処理に必要なデータ等を一時的に記憶し、必要に応じてバス16gに出力する。ROM16fは、制御部16bにおける処理に必要な制御用のプログラムを記憶している読み出し専用のメモリであり、所定のタイミングで必要なプログラムを読み出して、バス16gに出力する。なお、制御部16bは、RAM16eに記憶されているアプリケーションプログラムに基づいて自ら演算処理を行い、監視装置16に含まれる各構成要素を制御し、監視装置16全体の制御も行う。
【0034】
ネットワーク17は、本実施の形態においては、TCP/IPネットワークを用いているものとする。このため、インターネットやLAN(Local Area Network)等のいずれにおいても入退室管理システムを用いることを可能としている。また、通信プロトコルはTCP/IPに依存することなく、IPX/ISXやAppleTalkといった同様の機能を果たすプロトコルを用いてもよい。回線に関しても、これらのプロトコルを使用できるのであれば、有線及び無線等いかなる回線を用いてもよい。なお、入退室管理装置12や監視装置16はLAN等で接続されていれば、部屋10の室内に設置してもよいし、部屋10の室外に設置してもよい。
【0035】
図2は、本実施の形態に係る入退室管理システムの構成を模式的に示したイメージ図である。図2においては、部屋10、認証装置11、入退室管理装置12、扉14、3台の撮像装置15、監視装置16(映像記録部16aも含む)、及びネットワーク17が示されている。また、部屋10に入室している利用者A〜D、認証を成功して部屋10に入室しようとしている利用者E、Fが示されている。本実施の形態に係る入退室管理システムは、具体的には撮像装置15を用いて撮影可能な閉ざされたエリア(ここでは、部屋10)において適用される。
【0036】
上述のように構成された本実施の形態に係る入退室管理システムにおいては、利用者の入室時間が利用時間帯に含まれていない場合、その利用者を撮像装置15で追跡撮影、又は録画撮影する。この追跡、録画の際には、撮像装置15一台につき一人の利用者に割り当てられる。また、同時又は一定時間以内に、同じグループに対応付けられている複数の利用者が入室した場合、その入室時間が利用者のうち少なくとも一人の利用時間帯に含まれていれば、同時又は一定時間以内に入室した他の利用者全員は追跡対象者にならないものとする。なお、グループとは、例えば部署が同じであるといった意味であり、予め入退室管理装置12の登録情報記憶部12aに保持されている(本発明でいうグループ情報保持手段に対応)。以下、本実施の形態に係る入退室管理システムにおいて、利用者を追跡、録画する際に用いる追跡・録画管理テーブルについて説明する。
【0037】
図8は、利用者毎の入室時間、利用時間帯、及び入退室管理装置12が管理する追跡・録画管理テーブルの一例を示す図である。この例においては、図2に示した状況、即ち、利用者A〜Dが部屋10に入室していて、利用者E、Fが認証に成功して入室した後の状況を示している。図8において、入室時間801は、認証装置11による認証が成功であった場合に登録情報記憶部12aに記憶される情報である。利用時間帯802は、上述したように予め決定されているものであり、登録情報記憶部12aに記憶されているものである。追跡・録画管理テーブル803は、入退室管理部12の制御部12bが入室した利用者を撮像装置15により追跡、録画するか否かを管理する際に用いるテーブルである。追跡・録画管理テーブル803において、803aに示す時間差の列には、利用者の入室時間と利用時間帯との時間差が格納される。803bに示す追跡フラグの列には、入室した利用者を追跡、録画するか否かを決定するフラグが設定される。具体的には、利用者の入室時間がその利用者の利用時間帯に含まれない場合にはフラグを「True」に設定して追跡対象者とし、利用者の入室時間がその利用者の利用時間帯に含まれる場合にはフラグを「False」にして追跡対象者としないようにする。803cに示す追跡時間の列には、追跡撮影が開始されてからの経過時間が記録される。
【0038】
本例に示す追跡・録画管理テーブル803においては、入室時間が利用時間帯に含まれていない利用者A〜Cが追跡対象者となっているため、図2に示すように利用者A〜Cに撮像装置15が向けられている(図2中、点線を参照のこと)。また、利用者Fについては、その入室時間が利用時間帯に含まれていないが、入室時間が利用時間帯に含まれている利用者Eと同時に入室しており、同じグループであるため、追跡対象者となっていない。なお、利用者Fが利用者Eと同じグループでなかった場合、利用者Fは追跡対象者となるが、この際は本実施の形態では撮像装置15の台数が限られているため、追跡時間の最も長い利用者Aの追跡を中止する。そして、利用者Aを追跡していた撮像装置15を利用者Fに割り当てるようにする。
【0039】
次に、本実施の形態に係る入退室管理システムにおける追跡対象者の決定処理を図9を用いて説明する。図9は、制御部12bが不図示のCPUとその上で実行されるプログラムによって、追跡対象者を決定する場合の動作を説明するフローチャートである。
【0040】
まずステップS901において、入退室管理装置12の制御部12bは、認証装置11から認証成功の通知を受信する。
【0041】
次にステップS902において、制御部12bは、登録者情報記憶部12aに記憶されている利用時間帯を参照して、利用者の入室時間が利用時間帯内であるか否かを判定する。利用者の入室時間が利用時間帯内であれば、利用者を追跡対象者と決定せず、追跡撮影が行われないようにする。また、利用者の入室時間が利用時間帯内でない場合は、ステップS903に進む。なお、ステップS902の処理は、本発明でいう進入時間判定手段の一処理例に対応しており、進入時間判定手段に係る撮影可能領域は、本実施の形態では部屋10に対応し、また進入とは入室に対応するものである。
【0042】
次にステップS903において、制御部12bは、入室時間が利用時間帯内でないと判断した利用者と、同じグループに対応付けられ、同時又は一定時間以内に入室し、かつ入室時間が利用時間帯内の他の利用者がいるか否かを判定する。同じグループ、同時又は一定時間以内入室、かつ入室時間が利用時間帯の他の利用者がいた場合は、利用者を追跡対象者と決定せず、追跡処理は行わないようにする。同じグループ、同時又は一定時間以内入室、かつ入室時間が利用時間帯の他の利用者がいなかった場合はステップS904に進む。
【0043】
次にステップS904において、制御部12bは、追跡対象上限数と追跡対象者数とを比較する。追跡対象上限数は設置された撮像装置15の台数で決まる。追跡対象上限数が追跡対象者数より大きい場合はステップS905において、制御部12bは、利用者を追跡対象者に加え、登録者情報記憶部12aの記録を変更する。また、追跡対象者数が追跡対象上限数と等しい場合はステップS906において、制御部12bは、登録者情報記憶部12aに記録された追跡対象者のうち最も追跡時間が長い追跡対象者を追跡対象から外し、新しく入室した利用者を追跡対象者として記録する。
【0044】
そしてステップS907において、制御部12bは、登録者情報記憶部12aに記録されている追跡対象者の情報、及び追跡、録画命令を監視装置16に送信する。追跡対象者の追跡、録画処理は、監視装置16の制御部16bが入退室管理装置12から受信した情報に従い撮像装置15に実行させる。なお、以上の処理におけるステップS903〜S906の処理は、本発明でいう追跡対象決定手段の一処理例に対応する。
【0045】
以上、本実施の形態では、利用者の部屋10の利用履歴から利用者毎の利用時間帯を算出し利用時間帯と入室時間との差(判定結果)に応じて、具体的には利用者が部屋10に通常入室しない時間帯に入室した場合、撮像装置15に追跡、録画をさせるようにした。このような構成により、本実施の形態に係る入退室管理システムの監視者は、追跡すべき対象を自動的に特定し追跡、録画することができるため、事前に対象を把握しておくことや撮像装置15を追跡のために操作をすること等の作業についての負担が軽減される。また、本実施の形態に係る入退室管理システムでは、追跡すべき対象のみを録画するようにすることができるため、不必要な映像を録画することを回避でき、録画データの削減が可能となる。
【0046】
なお、本実施の形態では、利用者が部屋10に通常入室しないと考えられる時間帯に入室した場合に、その利用者を追跡撮影又は録画撮影するようにしたが、撮影処理において撮影画質の変更、録画画質の変更、又はフレームレートの変更をするようにしてもよい。この場合、特定すべき撮影対象を明確に撮影・録画することができる。
【0047】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る入退室管理システムは、利用者の入室時間と利用時間帯との時間差が大きいほど優先度が高くなるように、時間差に応じて優先度を設定し、優先度に応じて追跡対象者を変更する処理を実行するものである。なお、本実施の形態に係る入退室管理システムのシステム構成は、第1の実施の形態において図1、2を用いて説明したものと同様であるため説明は省略する。但し、第2の実施の形態に係る入退室管理装置12の制御部12bは上述した優先度を設定する処理を行うための機能を有する。以下、第2の実施の形態についての詳細を説明する。
【0048】
本実施の形態においては、撮像装置15の台数は複数台であり、撮像装置15一台につき一人を追跡するものとする。また、同時又は一定時間以内に、同じグループに対応付けられている複数の利用者が入室した場合、利用者の優先度を所定の値だけ下げるものとし、以下の説明では所定の値を「2」とする。図2に示したイメージ図の状況を例にとり、本実施の形態に係る入退室管理システムにおいて、利用者を追跡、録画する際に用いる、優先度を考慮した追跡・録画管理テーブル及びこのテーブルを用いた追跡、録画の処理について図10、11を用いて説明する。
【0049】
図10は、利用者毎の入室時間、利用時間帯、及び入退室管理装置12が管理する追跡・録画管理テーブルの一例を示す図である。この例においては、利用者A〜Dが部屋10に入室していて、利用者E、Fがまだ入室していない状況を示している。図10において、入室時間1001は、認証装置11による認証が成功であった場合に登録情報記憶部12aに記憶される情報である。利用時間帯1002は、予め決定されているものであり、登録情報記憶部12aに記憶されているものである。追跡・録画管理テーブル1003は、入退室管理部12の制御部12bが入室した利用者を撮像装置15により追跡、録画するか否かを管理する際に用いるテーブルである。追跡・録画管理テーブル1003において、1003aに示す時間差の列には、利用者の入室時間と利用時間帯との時間差が格納される。1003bに示す優先度の列には、時間差に応じて設定される優先度が記録される。ここで優先度とは、追跡対象者のうち、どの対象を優先的に追跡、録画するのかを決定する度合いである。本例においては、利用者Cの時間差が最も大きいため、優先度が最も高い「1」と設定され、続いて利用者B、Cの順に優先度「2」、「3」と設定されている。
【0050】
次に図11は、図10に示した状況から利用者E、Fが認証に成功して入室した後の利用者毎の入室時間、利用時間帯、及び入退室管理装置12が管理する追跡・録画管理テーブルの一例を示す図である。本例においては、時間差(1103a)に参照されるように利用者Eの時間差が最も大きいが、利用時間帯に入室している同じグループの利用者Fが同時に入室しているので、優先度を「2」だけ下げられる(即ち、1103bに参照される「3」)。この場合、利用者Aと利用者Fの優先度が「3」と同じになるが、本実施の形態では、時間差の小さい利用者Aを追跡対象者から外し、利用者Fを追跡対象者とするようにしている。なお、利用者Eと利用者Fが入室した後、撮像装置15が利用者Eと利用者Fとを判別して追跡する必要がある。この場合の人物の判別方法については、例えば管理エリア(即ち、部屋10)外にも撮像装置を設置し、利用者の顔から確実に人物を判別する手法を採用できる。また、認証の行為を行った順番で利用者が部屋に入室する場合は、扉14付近の撮像装置15が入室してくる人の順番に応じて判別するような方法であってもよい。また、複数の利用者を一つのグループとみなし、そのグループの先頭に入室する利用者を追跡対象者と判別するようにしてもよい。
【0051】
次に、本実施の形態に係る入退室管理システムにおける追跡対象者の決定処理を図12を用いて説明する。図12は、制御部12bが不図示のCPUとその上で実行されるプログラムによって、追跡対象者を決定する場合の動作を説明するフローチャートである。
【0052】
まずステップS1201において、入退室管理装置12の制御部12bは、認証装置11から認証成功の通知を受信する。
【0053】
次にステップS1202において、制御部12bは、登録者情報記憶部12aに記憶されている利用時間帯を参照して、入室時間が利用時間帯内であるか否かを判定する。利用者の入室時間が利用時間帯内であれば、利用者を追跡対象者と決定せず、追跡処理が行われないようにする。利用者の入室時間が利用時間帯内でない場合は、ステップS1203に進む。
【0054】
次にステップS1203において、制御部12bは、登録者情報記憶部12aに記憶されている利用時間帯のうち、利用者の入室時間と最も近い利用時間帯を参照し、入室時間との時間差を算出し、登録者情報記憶部12aに記録する。
【0055】
次にステップS1204において、制御部12bは、登録者情報記憶部12aに記録されている優先度の最も低い追跡対象者の時間差と新たに追跡対象とすべく利用者の時間差とを比較する。利用者の時間差が優先度の最も低い追跡対象者の時間差以上であった場合はステップS1205に進む。利用者の時間差が優先度の最も低い追跡対象者の時間差未満であった場合は利用者を追跡対象者とせずに処理を終了する。
【0056】
ステップS1205において、制御部12bは、同じグループに対応付けられ、同時又は一定時間以内に入室し、かつ入室時間が利用時間帯内の他の利用者がいるか否かを登録者情報記憶部12aから判定する。同じグループに対応付けられ、同時又は一定時間以内に入室し、かつ入室時間が利用の利用者がいる場合はステップS1206に進み、いない場合はステップS1208に進む。
【0057】
ステップS1206においては、制御部12bは、優先度をいくつ下げるかを確認する。続いて、ステップS1207において、制御部12bは、同じグループに対応付けられ、同時又は一定時間以内に入室し、かつ入室時間が利用時間帯内の他の利用者がいた利用者に対しての優先度を所定の値分下げる処理を行う。
【0058】
次に1208において、制御部12bは、登録者情報記憶部12aに記録されている追跡対象者の優先度を、時間差に応じて変更し、続いてステップS1209において、登録者情報記憶部12aに記録されている優先度に基づいて追跡対象者を決定する。なお、ステップS1208の処理は、本発明でいう優先度設定手段の一処理例である。
【0059】
そしてステップS1210において、制御部12bは、登録者情報記憶部12aに記録されている追跡対象者の情報を、監視装置16に送信する。追跡対象者の追跡、録画処理は、監視装置16の制御部16bが入退室管理装置12から受信した情報に従い、撮像装置15に実行させる。
【0060】
以上、本実施の形態では、利用者の部屋10の利用履歴から利用者毎の利用時間帯を算出し、利用時間帯と入室時間との差に応じて、追跡に係る優先度を決定し、優先度の高い利用者に対して撮像装置15による追跡、録画を実行するようにした。このような構成により、本実施の形態に係る入退室管理システムの監視者は、追跡すべき対象を自動的に特定し録画することができるため、事前に対象を把握しておくことや撮像装置15を追跡のために操作をすること等の作業に対する負担が軽減される。また、本実施の形態に係る入退室管理システムでは、追跡すべき対象のみを録画するようにすることができるため、不必要な映像を録画することを回避でき、録画データの削減が可能となる。更には、優先度を用いて管理することで、より的確に追跡対象を特定することができ、セキュリティ精度を向上させることができる。
【0061】
なお、本実施の形態では、利用者が部屋10に通常入室しないと考えられる時間帯に入室した場合に、その利用者を追跡撮影又は録画撮影するようにしたが、撮影処理において撮影画質の変更、録画画質の変更、又はフレームレートの変更をするようにしてもよい。この場合、特定すべき撮影対象を明確に撮影・録画することができる。
【0062】
なお、本発明を実現するために、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコード(コンピュータプログラム)を記録した記憶媒体を用いても良い。この場合には記憶媒体をシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによって本発明の目的が達成される。
【0063】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、プログラムコード自体及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0064】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0065】
また、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(基本システム或いはオペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行う場合も含まれることは言うまでもない。
【0066】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれてもよい。この場合には、書き込まれたプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る入退室管理システムのシステム構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る入退室管理システムの構成を模式的に示すイメージ図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る入退室管理システムにおいて用いる、利用者毎の入室可能時間の一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る入退室管理システムにおいて用いる、利用者毎の利用履歴、利用時間に関する情報の一例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る入退室管理システムにおいて用いる、利用者の所定の曜日における入室履歴(入室回数)を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る入退室管理システムにおいて用いる、利用者の入室可能時間と利用時間帯との関係に関する情報の一例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る入退室管理システムにおいて、利用時間帯を算出する場合の動作を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る入退室管理システムにおいて用いる、追跡・録画管理テーブルの一例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る入退室管理システムにおいて、追跡対象者を決定する場合の動作を説明するフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る入退室管理システムにおいて用いる、追跡・録画管理テーブルの一例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る入退室管理システムにおいて用いる、追跡・録画管理テーブルの一例を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る入退室管理システムにおいて、追跡対象者を決定する場合の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
10 部屋
11 認証装置
11a 認証情報読み取り部
11b 通信部
12 入退室管理装置
12a 登録者情報記憶部
12b 制御部
12c GUI部
12d 通信部
12e RAM
12f ROM
13 錠装置
14 扉
15 撮像装置
16 監視装置
16a 映像記録部
16b 制御部
16c GUI部
16d 通信部
16e RAM
16f ROM
17 ネットワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば監視カメラ等に用いて好適な撮像システム、その制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像装置が設置されている建物や部屋等において、不審人物等の追跡対象者を決定し、撮像装置に追跡対象者を追跡させる技術があった。例えば特許文献1には、システムの監視員等が追跡する人物を特定し、複数の撮像装置が連携して特定された人物を追跡する方法が開示されている。また、特許文献2には、撮像装置の台数と撮影対象者との関係が変わった場合でも、撮像装置を撮影対象者に順次割り当てる技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開平6−325180号公報
【特許文献2】特開2007−67963号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような主に監視を目的とするカメラシステムにおいては、追跡すべき人物を特定し、その人物を確実に監視してセキュリティ精度を向上させる必要がある。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されている技術では、特定された人物が本来追跡すべき人物か否かを判断する監視員が、対象となる建物や部屋の利用者や状況を熟知している必要があった。そのため、監視員の負担は大きく、また、監視員が正しい判断を下せない可能性があり、セキュリティ精度が十分であるとは言い難かった。
【0006】
また、特許文献2に記載されている技術では、撮像装置が撮影対象者に順次割り当てられるため、撮影中の人物が本来追跡すべき人物である場合であっても、撮像装置が別の人物に割り当てられる可能性があった。そのため、特定人物の追跡については不向きであり、セキュリティ精度が十分であるとは言い難かった。
【0007】
また、セキュリティが重視される建物や部屋等では撮像装置で撮影した映像を録画することで監視を強化することが可能である。しかし、常時録画を実行していると録画データが膨大に蓄積されることが問題となる。そのため、必要なときだけ自動的に録画を実行することができる仕組みが必要であった。
【0008】
本発明は係る実情に鑑みてなされたものであり、監視精度の向上、監視員の負担の軽減、及び録画データを削減することが可能な撮像システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の撮像システムは、一又は複数台の撮像装置と前記撮像装置を制御する制御装置とを有する撮像システムであって、前記撮像装置の撮影可能領域に撮影対象が進入した時間が所定の時間帯に含まれるか否かを判定する進入時間判定手段を有し、前記進入時間判定手段の判定結果に応じて、前記撮像装置の処理を変更することを特徴とする。
また、本発明の撮像システムは、一又は複数台の撮像装置と前記撮像装置を制御する制御装置とを有する撮像システムであって、前記撮像装置の撮影可能領域に撮影対象が進入した時間と所定の時間帯との時間差が大きいほど、撮影対象について高い優先度を設定する優先度設定手段を有し、前記優先度設定手段が設定した優先度に応じて、前記撮像装置の処理を変更することを特徴とする。
また、本発明の撮像システムの制御方法は、一又は複数台の撮像装置と前記撮像装置を制御する制御装置とを有する撮像システムの制御方法であって、前記撮像装置の撮影可能領域に撮影対象が進入した時間が所定の時間帯に含まれるか否かを判定するステップと、前記判定した結果に応じて、前記撮像装置の処理を変更するステップとを有することを特徴とする。
また、本発明の撮像システムの制御方法は、一又は複数台の撮像装置と前記撮像装置を制御する制御装置とを有する撮像システムの制御方法であって、前記撮像装置の撮影可能領域に撮影対象が進入した時間と所定の時間帯との時間差が大きいほど、撮影対象について高い優先度を設定するステップと、前記設定した優先度に応じて、前記撮像装置の処理を変更するステップとを有することを特徴とする。
また、本発明のプログラムは、一又は複数台の撮像装置と前記撮像装置を制御する制御装置とを有する撮像システムの制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記撮像装置の撮影可能領域に撮影対象が進入した時間が所定の時間帯に含まれるか否かを判定するステップと、前記判定した結果に応じて、前記撮像装置の処理を変更するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
また、本発明のプログラムは、一又は複数台の撮像装置と前記撮像装置を制御する制御装置とを有する撮像システムの制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記撮像装置の撮影可能領域に撮影対象が進入した時間と所定の時間帯との時間差が大きいほど、撮影対象について高い優先度を設定するステップと、前記設定した優先度に応じて、前記撮像装置の処理を変更するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、監視するべき対象の追跡、録画を自動かつ的確に行うことができ、監視精度の向上及び監視員の負担を軽減することが可能となる。また、監視するべき対象のみを録画することができるため、録画データを削減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段の一例であり、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で下記の実施の形態を修正又は変形したものにも適用可能である。
【0012】
(第1の実施の形態)
まず本発明の第1の実施の形態に係る入退室管理システム(撮像システム)について、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る入退室管理システムのシステム構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、本実施の形態に係る入退室管理システムは、部屋10において、認証装置11、入退室管理装置12、錠装置13、扉14、撮像装置15、及び監視装置16を有し、これらはネットワーク17介して相互に通信可能に接続されている。
【0014】
認証装置11は、認証情報読み取り部11a及び通信部11bを有し、部屋10に入室する利用者の認証を行い、認証結果から利用者を特定する。そして、認証が成功すると、通信部11bを介して各装置に認証の成功が送信されるように構成されている(認証装置11は、本発明でいう認証手段に対応する)。なお、本実施の形態における認証方法としては、例えばIDカード読取装置にIDカードをかざすことでIDカードに記録されている識別情報を読み取る方法を採用することができる。或いは、指紋、静脈、顔等の生体情報を識別情報として入力する方法やパスワードを識別情報として入力する方法等であってもよく、いかなる認証方法を用いても構成可能である。
【0015】
入退室管理装置12は、登録者情報記憶部12a、制御部12b、GUI(Graphical User Interface)部12c、通信部12d、RAM12e及びROM12fと、これら各要素を接続するためのバス12gを有する。
【0016】
登録者情報記憶部12aには、利用者のID、メールアドレス等の通知先、識別情報、図3に示すような利用者毎の入室可能時間、図4に示すような利用者毎の利用履歴、利用時間に関する情報等が記憶される。入室可能時間とは、ある部屋への入室が許可された際に付加されるものであり、その時間帯において認証装置11で認証されれば入室可能となるものである。また、登録情報記憶部12aには更に、利用履歴、利用時間から決定される利用時間帯や、図6に示すような該利用時間帯と入室可能時間との関係に関する情報も記憶される。利用時間帯とは、入室可能時間のうち頻繁に利用する時間帯であり、本実施の形態では利用履歴から取得される、過去の一定期間における単位時間帯あたりの入室回数(進入回数)が所定回数以上である場合、その時間帯を利用時間帯とする。具体的には、単位時間帯における入室回数が一定期間において2回以上であれば、その時間帯を利用時間帯と決定するようにするが、この他の方法或いは基準で決定しても構わない。
【0017】
ここで、登録者情報記憶部12aに記憶される情報について説明する。図3は、利用者毎の入室可能時間の一例を示す図である。この例においては、利用者Aの曜日毎の入室可能時間が示されており、具体的には、利用者Aは、月曜日〜金曜日において「7:00〜22:00」までの入室が許可されていることを示している。
【0018】
図4は、利用者毎の利用履歴、利用時間に関する情報の一例を示す図である。この例においては、利用者Aの月曜における利用履歴、その際の利用時間が示されており、登録情報記憶部12aには利用者が入室する度に逐次このような情報が記憶・蓄積される。
【0019】
図5は、利用者の所定の曜日における入室履歴(入室回数)を示す図であり、図4に示した利用履歴に基づき算出するものである。この例においては、利用者Aの月曜日における単位時間帯毎の入室回数が示されており、利用回数が2回以上である時間帯が、利用者Aの月曜日における利用時間帯と決定される。このような情報も登録情報記憶部12aには記憶される。
【0020】
図6は、利用者の入室可能時間と利用時間帯との関係に関する情報の一例を示す図である。この例においては、利用者Aの曜日毎の入室可能時間と利用時間帯との関係が示されており、具体的には、例えば月曜日は、「9:00〜10:00」及び「11:00〜19:00」が利用時間帯となっている。このような情報が入室可能時間と識別可能なように登録情報記憶部12aに記憶される。
【0021】
次に上記利用時間帯の算出方法を図7を用いて説明する。図7は、制御部12bが不図示のCPUとその上で実行されるプログラムによって、利用時間帯を算出する場合の動作を説明するフローチャートである。なお、以下で説明する処理は、本発明でいう時間帯算出手段の一処理例に対応する。
【0022】
まずステップS701において、入退室管理システムの管理者がGUI部12cから入力した単位時間帯あたりの入室回数の閾値に基づき、制御部12bは、該閾値を登録者情報記憶部12aに記録する。
【0023】
次にステップS702において、制御部12bは、利用者毎に登録情報記憶部12aに記憶した利用履歴、利用時間に基づき、利用者毎の単位時間帯毎の入室回数をカウントし、登録者情報記憶部12aに記録する。
【0024】
次にステップS703において、制御部12bは、利用者毎に設定されている入室可能時間における最初の単位時間帯を選択する(例えば「7:00〜8:00」等)。
【0025】
次にステップS704において、制御部12bは、ステップS703で選択した単位時間帯における入室回数と、ステップS701で記録した閾値とを比較する。ここで、入室回数が閾値以上であれば、制御部12bは、ステップS705に進み、閾値よりも小さければステップS706に進む。
【0026】
ステップS705において、制御部12bは、選択した単位時間帯が利用時間帯であることを登録者情報記憶部12aに記録し、ステップS706に進む。
【0027】
そしてステップS706において、制御部12bは、次に選択すべき単位時間帯があるか否かを判定する。次の単位時間帯があれば、ステップS707に進み、次の単位時間帯を選択し、ステップS704の処理に戻る。ステップS706において、次に選択すべき単位時間帯がなければ、利用時間帯の決定の処理を終了する。以上のようにして、本実施の形態では、利用者毎(撮影対象毎)の利用時間帯を決定するようにしている。
【0028】
図1の説明にもどり、制御部12bは、図7で説明した処理に加え、利用者の入室時間が利用時間帯に含まれるか否かを判定し、含まれていなければ、その利用者を追跡、録画する命令を、通信部12dを介して監視装置16に送信する処理も行う。この処理の詳細は後述する。GUI部12cは、入退室管理システムの監視者が操作のために用いるインタフェースであり、監視者からの入力をバス12gに出力する。通信部12dは、ネットワーク17を介して情報を監視装置16等に出力するものである。
【0029】
RAM12eは、任意のアドレスを指定して読み書きすることが可能な半導体メモリであり、入退室管理装置12用のアプリケーションプログラムがインストールされている。またRAM12eは、入退室管理装置12における処理に必要なデータ等を一時的に記憶し、必要に応じてバス12gに出力する。ROM12fは、制御部12bにおける処理に必要な制御用のプログラムを記憶している読み出し専用のメモリであり、所定のタイミングで必要なプログラムを読み出して、バス12gに出力する。なお、制御部12bは、RAM12eに記憶されているアプリケーションプログラムに基づいて自ら演算処理を行い、上述した入退室管理装置12に含まれる各構成要素を制御し、入退室管理装置12全体の制御も行う。
【0030】
錠装置13は、認証装置11からの命令を受信し、電子錠付きの扉14の開錠、施錠を行う。撮像装置15は、監視装置16からの命令に基づき所定の処理をする。本実施の形態においては、撮像装置15を複数台設置するものとするが、一台であってもよい。撮像装置15は、パン、チルト駆動、ズーム機構を備えている。
【0031】
監視装置16は、映像記録部16a、制御部16b、GUI部16c、通信部16d、RAM16e及びROM16fと、これら各要素を接続するためのバス16gを有する。
【0032】
映像記録部16aは、撮像装置15で撮像された映像を記録する。制御部16bは、管理者等がGUI部16cを用いて行った、例えば録画データを管理するための命令を受け付ける。また、制御部16bは、入退室管理装置12から受信した命令に従い、通信部16dを介して、撮像装置15に利用者の追跡、録画を実行させる。
【0033】
RAM16eは、任意のアドレスを指定して読み書きすることが可能な半導体メモリであり、監視装置16用のアプリケーションプログラムがインストールされている。また、監視装置16における処理に必要なデータ等を一時的に記憶し、必要に応じてバス16gに出力する。ROM16fは、制御部16bにおける処理に必要な制御用のプログラムを記憶している読み出し専用のメモリであり、所定のタイミングで必要なプログラムを読み出して、バス16gに出力する。なお、制御部16bは、RAM16eに記憶されているアプリケーションプログラムに基づいて自ら演算処理を行い、監視装置16に含まれる各構成要素を制御し、監視装置16全体の制御も行う。
【0034】
ネットワーク17は、本実施の形態においては、TCP/IPネットワークを用いているものとする。このため、インターネットやLAN(Local Area Network)等のいずれにおいても入退室管理システムを用いることを可能としている。また、通信プロトコルはTCP/IPに依存することなく、IPX/ISXやAppleTalkといった同様の機能を果たすプロトコルを用いてもよい。回線に関しても、これらのプロトコルを使用できるのであれば、有線及び無線等いかなる回線を用いてもよい。なお、入退室管理装置12や監視装置16はLAN等で接続されていれば、部屋10の室内に設置してもよいし、部屋10の室外に設置してもよい。
【0035】
図2は、本実施の形態に係る入退室管理システムの構成を模式的に示したイメージ図である。図2においては、部屋10、認証装置11、入退室管理装置12、扉14、3台の撮像装置15、監視装置16(映像記録部16aも含む)、及びネットワーク17が示されている。また、部屋10に入室している利用者A〜D、認証を成功して部屋10に入室しようとしている利用者E、Fが示されている。本実施の形態に係る入退室管理システムは、具体的には撮像装置15を用いて撮影可能な閉ざされたエリア(ここでは、部屋10)において適用される。
【0036】
上述のように構成された本実施の形態に係る入退室管理システムにおいては、利用者の入室時間が利用時間帯に含まれていない場合、その利用者を撮像装置15で追跡撮影、又は録画撮影する。この追跡、録画の際には、撮像装置15一台につき一人の利用者に割り当てられる。また、同時又は一定時間以内に、同じグループに対応付けられている複数の利用者が入室した場合、その入室時間が利用者のうち少なくとも一人の利用時間帯に含まれていれば、同時又は一定時間以内に入室した他の利用者全員は追跡対象者にならないものとする。なお、グループとは、例えば部署が同じであるといった意味であり、予め入退室管理装置12の登録情報記憶部12aに保持されている(本発明でいうグループ情報保持手段に対応)。以下、本実施の形態に係る入退室管理システムにおいて、利用者を追跡、録画する際に用いる追跡・録画管理テーブルについて説明する。
【0037】
図8は、利用者毎の入室時間、利用時間帯、及び入退室管理装置12が管理する追跡・録画管理テーブルの一例を示す図である。この例においては、図2に示した状況、即ち、利用者A〜Dが部屋10に入室していて、利用者E、Fが認証に成功して入室した後の状況を示している。図8において、入室時間801は、認証装置11による認証が成功であった場合に登録情報記憶部12aに記憶される情報である。利用時間帯802は、上述したように予め決定されているものであり、登録情報記憶部12aに記憶されているものである。追跡・録画管理テーブル803は、入退室管理部12の制御部12bが入室した利用者を撮像装置15により追跡、録画するか否かを管理する際に用いるテーブルである。追跡・録画管理テーブル803において、803aに示す時間差の列には、利用者の入室時間と利用時間帯との時間差が格納される。803bに示す追跡フラグの列には、入室した利用者を追跡、録画するか否かを決定するフラグが設定される。具体的には、利用者の入室時間がその利用者の利用時間帯に含まれない場合にはフラグを「True」に設定して追跡対象者とし、利用者の入室時間がその利用者の利用時間帯に含まれる場合にはフラグを「False」にして追跡対象者としないようにする。803cに示す追跡時間の列には、追跡撮影が開始されてからの経過時間が記録される。
【0038】
本例に示す追跡・録画管理テーブル803においては、入室時間が利用時間帯に含まれていない利用者A〜Cが追跡対象者となっているため、図2に示すように利用者A〜Cに撮像装置15が向けられている(図2中、点線を参照のこと)。また、利用者Fについては、その入室時間が利用時間帯に含まれていないが、入室時間が利用時間帯に含まれている利用者Eと同時に入室しており、同じグループであるため、追跡対象者となっていない。なお、利用者Fが利用者Eと同じグループでなかった場合、利用者Fは追跡対象者となるが、この際は本実施の形態では撮像装置15の台数が限られているため、追跡時間の最も長い利用者Aの追跡を中止する。そして、利用者Aを追跡していた撮像装置15を利用者Fに割り当てるようにする。
【0039】
次に、本実施の形態に係る入退室管理システムにおける追跡対象者の決定処理を図9を用いて説明する。図9は、制御部12bが不図示のCPUとその上で実行されるプログラムによって、追跡対象者を決定する場合の動作を説明するフローチャートである。
【0040】
まずステップS901において、入退室管理装置12の制御部12bは、認証装置11から認証成功の通知を受信する。
【0041】
次にステップS902において、制御部12bは、登録者情報記憶部12aに記憶されている利用時間帯を参照して、利用者の入室時間が利用時間帯内であるか否かを判定する。利用者の入室時間が利用時間帯内であれば、利用者を追跡対象者と決定せず、追跡撮影が行われないようにする。また、利用者の入室時間が利用時間帯内でない場合は、ステップS903に進む。なお、ステップS902の処理は、本発明でいう進入時間判定手段の一処理例に対応しており、進入時間判定手段に係る撮影可能領域は、本実施の形態では部屋10に対応し、また進入とは入室に対応するものである。
【0042】
次にステップS903において、制御部12bは、入室時間が利用時間帯内でないと判断した利用者と、同じグループに対応付けられ、同時又は一定時間以内に入室し、かつ入室時間が利用時間帯内の他の利用者がいるか否かを判定する。同じグループ、同時又は一定時間以内入室、かつ入室時間が利用時間帯の他の利用者がいた場合は、利用者を追跡対象者と決定せず、追跡処理は行わないようにする。同じグループ、同時又は一定時間以内入室、かつ入室時間が利用時間帯の他の利用者がいなかった場合はステップS904に進む。
【0043】
次にステップS904において、制御部12bは、追跡対象上限数と追跡対象者数とを比較する。追跡対象上限数は設置された撮像装置15の台数で決まる。追跡対象上限数が追跡対象者数より大きい場合はステップS905において、制御部12bは、利用者を追跡対象者に加え、登録者情報記憶部12aの記録を変更する。また、追跡対象者数が追跡対象上限数と等しい場合はステップS906において、制御部12bは、登録者情報記憶部12aに記録された追跡対象者のうち最も追跡時間が長い追跡対象者を追跡対象から外し、新しく入室した利用者を追跡対象者として記録する。
【0044】
そしてステップS907において、制御部12bは、登録者情報記憶部12aに記録されている追跡対象者の情報、及び追跡、録画命令を監視装置16に送信する。追跡対象者の追跡、録画処理は、監視装置16の制御部16bが入退室管理装置12から受信した情報に従い撮像装置15に実行させる。なお、以上の処理におけるステップS903〜S906の処理は、本発明でいう追跡対象決定手段の一処理例に対応する。
【0045】
以上、本実施の形態では、利用者の部屋10の利用履歴から利用者毎の利用時間帯を算出し利用時間帯と入室時間との差(判定結果)に応じて、具体的には利用者が部屋10に通常入室しない時間帯に入室した場合、撮像装置15に追跡、録画をさせるようにした。このような構成により、本実施の形態に係る入退室管理システムの監視者は、追跡すべき対象を自動的に特定し追跡、録画することができるため、事前に対象を把握しておくことや撮像装置15を追跡のために操作をすること等の作業についての負担が軽減される。また、本実施の形態に係る入退室管理システムでは、追跡すべき対象のみを録画するようにすることができるため、不必要な映像を録画することを回避でき、録画データの削減が可能となる。
【0046】
なお、本実施の形態では、利用者が部屋10に通常入室しないと考えられる時間帯に入室した場合に、その利用者を追跡撮影又は録画撮影するようにしたが、撮影処理において撮影画質の変更、録画画質の変更、又はフレームレートの変更をするようにしてもよい。この場合、特定すべき撮影対象を明確に撮影・録画することができる。
【0047】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る入退室管理システムは、利用者の入室時間と利用時間帯との時間差が大きいほど優先度が高くなるように、時間差に応じて優先度を設定し、優先度に応じて追跡対象者を変更する処理を実行するものである。なお、本実施の形態に係る入退室管理システムのシステム構成は、第1の実施の形態において図1、2を用いて説明したものと同様であるため説明は省略する。但し、第2の実施の形態に係る入退室管理装置12の制御部12bは上述した優先度を設定する処理を行うための機能を有する。以下、第2の実施の形態についての詳細を説明する。
【0048】
本実施の形態においては、撮像装置15の台数は複数台であり、撮像装置15一台につき一人を追跡するものとする。また、同時又は一定時間以内に、同じグループに対応付けられている複数の利用者が入室した場合、利用者の優先度を所定の値だけ下げるものとし、以下の説明では所定の値を「2」とする。図2に示したイメージ図の状況を例にとり、本実施の形態に係る入退室管理システムにおいて、利用者を追跡、録画する際に用いる、優先度を考慮した追跡・録画管理テーブル及びこのテーブルを用いた追跡、録画の処理について図10、11を用いて説明する。
【0049】
図10は、利用者毎の入室時間、利用時間帯、及び入退室管理装置12が管理する追跡・録画管理テーブルの一例を示す図である。この例においては、利用者A〜Dが部屋10に入室していて、利用者E、Fがまだ入室していない状況を示している。図10において、入室時間1001は、認証装置11による認証が成功であった場合に登録情報記憶部12aに記憶される情報である。利用時間帯1002は、予め決定されているものであり、登録情報記憶部12aに記憶されているものである。追跡・録画管理テーブル1003は、入退室管理部12の制御部12bが入室した利用者を撮像装置15により追跡、録画するか否かを管理する際に用いるテーブルである。追跡・録画管理テーブル1003において、1003aに示す時間差の列には、利用者の入室時間と利用時間帯との時間差が格納される。1003bに示す優先度の列には、時間差に応じて設定される優先度が記録される。ここで優先度とは、追跡対象者のうち、どの対象を優先的に追跡、録画するのかを決定する度合いである。本例においては、利用者Cの時間差が最も大きいため、優先度が最も高い「1」と設定され、続いて利用者B、Cの順に優先度「2」、「3」と設定されている。
【0050】
次に図11は、図10に示した状況から利用者E、Fが認証に成功して入室した後の利用者毎の入室時間、利用時間帯、及び入退室管理装置12が管理する追跡・録画管理テーブルの一例を示す図である。本例においては、時間差(1103a)に参照されるように利用者Eの時間差が最も大きいが、利用時間帯に入室している同じグループの利用者Fが同時に入室しているので、優先度を「2」だけ下げられる(即ち、1103bに参照される「3」)。この場合、利用者Aと利用者Fの優先度が「3」と同じになるが、本実施の形態では、時間差の小さい利用者Aを追跡対象者から外し、利用者Fを追跡対象者とするようにしている。なお、利用者Eと利用者Fが入室した後、撮像装置15が利用者Eと利用者Fとを判別して追跡する必要がある。この場合の人物の判別方法については、例えば管理エリア(即ち、部屋10)外にも撮像装置を設置し、利用者の顔から確実に人物を判別する手法を採用できる。また、認証の行為を行った順番で利用者が部屋に入室する場合は、扉14付近の撮像装置15が入室してくる人の順番に応じて判別するような方法であってもよい。また、複数の利用者を一つのグループとみなし、そのグループの先頭に入室する利用者を追跡対象者と判別するようにしてもよい。
【0051】
次に、本実施の形態に係る入退室管理システムにおける追跡対象者の決定処理を図12を用いて説明する。図12は、制御部12bが不図示のCPUとその上で実行されるプログラムによって、追跡対象者を決定する場合の動作を説明するフローチャートである。
【0052】
まずステップS1201において、入退室管理装置12の制御部12bは、認証装置11から認証成功の通知を受信する。
【0053】
次にステップS1202において、制御部12bは、登録者情報記憶部12aに記憶されている利用時間帯を参照して、入室時間が利用時間帯内であるか否かを判定する。利用者の入室時間が利用時間帯内であれば、利用者を追跡対象者と決定せず、追跡処理が行われないようにする。利用者の入室時間が利用時間帯内でない場合は、ステップS1203に進む。
【0054】
次にステップS1203において、制御部12bは、登録者情報記憶部12aに記憶されている利用時間帯のうち、利用者の入室時間と最も近い利用時間帯を参照し、入室時間との時間差を算出し、登録者情報記憶部12aに記録する。
【0055】
次にステップS1204において、制御部12bは、登録者情報記憶部12aに記録されている優先度の最も低い追跡対象者の時間差と新たに追跡対象とすべく利用者の時間差とを比較する。利用者の時間差が優先度の最も低い追跡対象者の時間差以上であった場合はステップS1205に進む。利用者の時間差が優先度の最も低い追跡対象者の時間差未満であった場合は利用者を追跡対象者とせずに処理を終了する。
【0056】
ステップS1205において、制御部12bは、同じグループに対応付けられ、同時又は一定時間以内に入室し、かつ入室時間が利用時間帯内の他の利用者がいるか否かを登録者情報記憶部12aから判定する。同じグループに対応付けられ、同時又は一定時間以内に入室し、かつ入室時間が利用の利用者がいる場合はステップS1206に進み、いない場合はステップS1208に進む。
【0057】
ステップS1206においては、制御部12bは、優先度をいくつ下げるかを確認する。続いて、ステップS1207において、制御部12bは、同じグループに対応付けられ、同時又は一定時間以内に入室し、かつ入室時間が利用時間帯内の他の利用者がいた利用者に対しての優先度を所定の値分下げる処理を行う。
【0058】
次に1208において、制御部12bは、登録者情報記憶部12aに記録されている追跡対象者の優先度を、時間差に応じて変更し、続いてステップS1209において、登録者情報記憶部12aに記録されている優先度に基づいて追跡対象者を決定する。なお、ステップS1208の処理は、本発明でいう優先度設定手段の一処理例である。
【0059】
そしてステップS1210において、制御部12bは、登録者情報記憶部12aに記録されている追跡対象者の情報を、監視装置16に送信する。追跡対象者の追跡、録画処理は、監視装置16の制御部16bが入退室管理装置12から受信した情報に従い、撮像装置15に実行させる。
【0060】
以上、本実施の形態では、利用者の部屋10の利用履歴から利用者毎の利用時間帯を算出し、利用時間帯と入室時間との差に応じて、追跡に係る優先度を決定し、優先度の高い利用者に対して撮像装置15による追跡、録画を実行するようにした。このような構成により、本実施の形態に係る入退室管理システムの監視者は、追跡すべき対象を自動的に特定し録画することができるため、事前に対象を把握しておくことや撮像装置15を追跡のために操作をすること等の作業に対する負担が軽減される。また、本実施の形態に係る入退室管理システムでは、追跡すべき対象のみを録画するようにすることができるため、不必要な映像を録画することを回避でき、録画データの削減が可能となる。更には、優先度を用いて管理することで、より的確に追跡対象を特定することができ、セキュリティ精度を向上させることができる。
【0061】
なお、本実施の形態では、利用者が部屋10に通常入室しないと考えられる時間帯に入室した場合に、その利用者を追跡撮影又は録画撮影するようにしたが、撮影処理において撮影画質の変更、録画画質の変更、又はフレームレートの変更をするようにしてもよい。この場合、特定すべき撮影対象を明確に撮影・録画することができる。
【0062】
なお、本発明を実現するために、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコード(コンピュータプログラム)を記録した記憶媒体を用いても良い。この場合には記憶媒体をシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによって本発明の目的が達成される。
【0063】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、プログラムコード自体及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0064】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0065】
また、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(基本システム或いはオペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行う場合も含まれることは言うまでもない。
【0066】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれてもよい。この場合には、書き込まれたプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る入退室管理システムのシステム構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る入退室管理システムの構成を模式的に示すイメージ図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る入退室管理システムにおいて用いる、利用者毎の入室可能時間の一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る入退室管理システムにおいて用いる、利用者毎の利用履歴、利用時間に関する情報の一例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る入退室管理システムにおいて用いる、利用者の所定の曜日における入室履歴(入室回数)を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る入退室管理システムにおいて用いる、利用者の入室可能時間と利用時間帯との関係に関する情報の一例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る入退室管理システムにおいて、利用時間帯を算出する場合の動作を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る入退室管理システムにおいて用いる、追跡・録画管理テーブルの一例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る入退室管理システムにおいて、追跡対象者を決定する場合の動作を説明するフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る入退室管理システムにおいて用いる、追跡・録画管理テーブルの一例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る入退室管理システムにおいて用いる、追跡・録画管理テーブルの一例を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る入退室管理システムにおいて、追跡対象者を決定する場合の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
10 部屋
11 認証装置
11a 認証情報読み取り部
11b 通信部
12 入退室管理装置
12a 登録者情報記憶部
12b 制御部
12c GUI部
12d 通信部
12e RAM
12f ROM
13 錠装置
14 扉
15 撮像装置
16 監視装置
16a 映像記録部
16b 制御部
16c GUI部
16d 通信部
16e RAM
16f ROM
17 ネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数台の撮像装置と前記撮像装置を制御する制御装置とを有する撮像システムであって、
前記撮像装置の撮影可能領域に撮影対象が進入した時間が所定の時間帯に含まれるか否かを判定する進入時間判定手段を有し、
前記進入時間判定手段の判定結果に応じて、前記撮像装置の処理を変更することを特徴とする撮像システム。
【請求項2】
撮影対象の前記撮影可能領域への進入の履歴から、前記所定の時間帯を算出する時間帯算出手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項3】
前記時間帯算出手段は、過去の一定期間における撮影対象の前記撮影可能領域への進入の履歴から、単位時間帯あたりの進入回数が所定回数以上である時間帯を前記所定の時間帯とすることを特徴とする請求項2に記載の撮像システム。
【請求項4】
前記撮像装置の処理の変更とは、撮影対象を追跡撮影するか否かについての変更であり、撮影対象の進入した時間が前記所定の時間帯に含まれない場合に該撮影対象を追跡対象とする追跡対象決定手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項5】
前記追跡対象決定手段は、新たに追跡対象を決定する際、追跡対象上限数と、既に決定している追跡対象の数とを比較し、前記追跡対象上限数が大きい場合は、前記新たに追跡対象とすべく撮影対象を追跡対象とし、前記追跡対象上限数が前記既に決定している追跡対象の数と等しい場合は、前記既に決定している追跡対象のうちの最も追跡時間の長い追跡対象に代えて、前記新たに追跡対象とすべく撮影対象を追跡対象とすることを特徴とする請求項4に記載の撮像システム。
【請求項6】
前記撮像装置の処理の変更とは、撮影対象を録画するか否かについての変更であり、撮影対象の進入した時間が前記所定の時間帯に含まれない場合に該撮影対象を録画することを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項7】
前記撮像装置の処理の変更とは、撮影画質の変更、録画画質の変更及びフレームレートの変更のうちの少なくともいずれかであり、撮影対象の進入した時間が前記所定の時間帯に含まれない場合に該撮影対象について撮影画質の変更、録画画質の変更及びフレームレートの変更のうちの少なくともいずれかを行うことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項8】
前記所定の時間帯は、撮影対象毎に設定されるものであり、
撮影対象が属するグループの情報を保持するグループ情報保持手段を更に有し、
前記撮影可能領域に進入した撮影対象が、該撮影対象と同じグループに属する他の撮影対象と同時又は一定時間以内に進入し、かつ該他の撮影対象の進入した時間が該他の撮影対象に設定された前記所定の時間帯に含まれる場合は、前記撮影可能領域に進入した撮影対象の進入した時間が該撮影対象に設定された前記所定の時間帯に含まれない場合であっても、前記撮像装置の処理の変更を行わないことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項9】
撮影対象が前記撮影可能領域へ進入する際に、認証を行い、認証結果に基づき該撮影対象を特定する認証手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項10】
一又は複数台の撮像装置と前記撮像装置を制御する制御装置とを有する撮像システムであって、
前記撮像装置の撮影可能領域に撮影対象が進入した時間と所定の時間帯との時間差が大きいほど、撮影対象について高い優先度を設定する優先度設定手段を有し、
前記優先度設定手段が設定した優先度に応じて、前記撮像装置の処理を変更することを特徴とする撮像システム。
【請求項11】
撮影対象の前記撮影可能領域への進入の履歴から、前記所定の時間帯を算出する時間帯算出手段を更に有することを特徴とする請求項10に記載の撮像システム。
【請求項12】
前記時間帯算出手段は、過去の一定期間における撮影対象の前記撮影可能領域への進入の履歴から、単位時間帯あたりの進入回数が所定回数以上である時間帯を前記所定の時間帯とすることを特徴とする請求項11に記載の撮像システム。
【請求項13】
前記撮像装置の処理の変更とは、撮影対象を追跡撮影するか否かについての変更であり、前記優先度が高い撮影対象を優先して追跡対象とする追跡対象決定手段を更に有することを特徴とする請求項10に記載の撮像システム。
【請求項14】
前記追跡対象決定手段は、新たに追跡対象を決定する際、追跡対象上限数と、既に決定している追跡対象の数とを比較し、前記追跡対象上限数が大きい場合は、前記新たに追跡対象とすべく撮影対象を追跡対象とし、前記追跡対象上限数が前記既に決定している追跡対象の数と等しい場合は、前記既に決定している追跡対象のうちの最も低い優先度を有する追跡対象の時間差を、前記新たに追跡対象とすべく撮影対象の時間差と比較し、時間差の大きいほうを追跡対象とすることを特徴とする請求項13に記載の撮像システム。
【請求項15】
前記撮像装置の処理の変更とは、撮影対象を録画するか否かについての変更であり、前記優先度に応じて録画するか否かを変更することを特徴とする請求項10に記載の撮像システム。
【請求項16】
前記撮像装置の処理の変更とは、撮影画質の変更、録画画質の変更及びフレームレートの変更のうちの少なくともいずれかであり、前記優先度に応じて該撮影対象について撮影画質の変更、録画画質の変更及びフレームレートの変更のうちの少なくともいずれかを行うことを特徴とする請求項10に記載の撮像システム。
【請求項17】
前記所定の時間帯は、撮影対象毎に設定されるものであり、
撮影対象が属するグループの情報を保持するグループ情報保持手段を更に有し、
前記撮影可能領域に進入した撮影対象が、該撮影対象と同じグループに属する他の撮影対象と同時又は一定時間以内に進入し、かつ該他の撮影対象の進入した時間が該他の撮影対象に設定された前記所定の時間帯に含まれる場合は、前記撮影可能領域に進入した撮影対象の進入した時間が該撮影対象に設定された前記所定の時間帯に含まれない場合であっても、前記優先度を下げることを特徴とする請求項10に記載の撮像システム。
【請求項18】
撮影対象が前記撮影可能領域へ進入する際に、認証を行い、認証結果に基づき該撮影対象を特定する認証手段を更に有することを特徴とする請求項10に記載の撮像システム。
【請求項19】
一又は複数台の撮像装置と前記撮像装置を制御する制御装置とを有する撮像システムの制御方法であって、
前記撮像装置の撮影可能領域に撮影対象が進入した時間が所定の時間帯に含まれるか否かを判定するステップと、
前記判定した結果に応じて、前記撮像装置の処理を変更するステップとを有することを特徴とする撮像システムの制御方法。
【請求項20】
一又は複数台の撮像装置と前記撮像装置を制御する制御装置とを有する撮像システムの制御方法であって、
前記撮像装置の撮影可能領域に撮影対象が進入した時間と所定の時間帯との時間差が大きいほど、撮影対象について高い優先度を設定するステップと、
前記設定した優先度に応じて、前記撮像装置の処理を変更するステップとを有することを特徴とする撮像システムの制御方法。
【請求項21】
一又は複数台の撮像装置と前記撮像装置を制御する制御装置とを有する撮像システムの制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記撮像装置の撮影可能領域に撮影対象が進入した時間が所定の時間帯に含まれるか否かを判定するステップと、
前記判定した結果に応じて、前記撮像装置の処理を変更するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項22】
一又は複数台の撮像装置と前記撮像装置を制御する制御装置とを有する撮像システムの制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記撮像装置の撮影可能領域に撮影対象が進入した時間と所定の時間帯との時間差が大きいほど、撮影対象について高い優先度を設定するステップと、
前記設定した優先度に応じて、前記撮像装置の処理を変更するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
一又は複数台の撮像装置と前記撮像装置を制御する制御装置とを有する撮像システムであって、
前記撮像装置の撮影可能領域に撮影対象が進入した時間が所定の時間帯に含まれるか否かを判定する進入時間判定手段を有し、
前記進入時間判定手段の判定結果に応じて、前記撮像装置の処理を変更することを特徴とする撮像システム。
【請求項2】
撮影対象の前記撮影可能領域への進入の履歴から、前記所定の時間帯を算出する時間帯算出手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項3】
前記時間帯算出手段は、過去の一定期間における撮影対象の前記撮影可能領域への進入の履歴から、単位時間帯あたりの進入回数が所定回数以上である時間帯を前記所定の時間帯とすることを特徴とする請求項2に記載の撮像システム。
【請求項4】
前記撮像装置の処理の変更とは、撮影対象を追跡撮影するか否かについての変更であり、撮影対象の進入した時間が前記所定の時間帯に含まれない場合に該撮影対象を追跡対象とする追跡対象決定手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項5】
前記追跡対象決定手段は、新たに追跡対象を決定する際、追跡対象上限数と、既に決定している追跡対象の数とを比較し、前記追跡対象上限数が大きい場合は、前記新たに追跡対象とすべく撮影対象を追跡対象とし、前記追跡対象上限数が前記既に決定している追跡対象の数と等しい場合は、前記既に決定している追跡対象のうちの最も追跡時間の長い追跡対象に代えて、前記新たに追跡対象とすべく撮影対象を追跡対象とすることを特徴とする請求項4に記載の撮像システム。
【請求項6】
前記撮像装置の処理の変更とは、撮影対象を録画するか否かについての変更であり、撮影対象の進入した時間が前記所定の時間帯に含まれない場合に該撮影対象を録画することを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項7】
前記撮像装置の処理の変更とは、撮影画質の変更、録画画質の変更及びフレームレートの変更のうちの少なくともいずれかであり、撮影対象の進入した時間が前記所定の時間帯に含まれない場合に該撮影対象について撮影画質の変更、録画画質の変更及びフレームレートの変更のうちの少なくともいずれかを行うことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項8】
前記所定の時間帯は、撮影対象毎に設定されるものであり、
撮影対象が属するグループの情報を保持するグループ情報保持手段を更に有し、
前記撮影可能領域に進入した撮影対象が、該撮影対象と同じグループに属する他の撮影対象と同時又は一定時間以内に進入し、かつ該他の撮影対象の進入した時間が該他の撮影対象に設定された前記所定の時間帯に含まれる場合は、前記撮影可能領域に進入した撮影対象の進入した時間が該撮影対象に設定された前記所定の時間帯に含まれない場合であっても、前記撮像装置の処理の変更を行わないことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項9】
撮影対象が前記撮影可能領域へ進入する際に、認証を行い、認証結果に基づき該撮影対象を特定する認証手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項10】
一又は複数台の撮像装置と前記撮像装置を制御する制御装置とを有する撮像システムであって、
前記撮像装置の撮影可能領域に撮影対象が進入した時間と所定の時間帯との時間差が大きいほど、撮影対象について高い優先度を設定する優先度設定手段を有し、
前記優先度設定手段が設定した優先度に応じて、前記撮像装置の処理を変更することを特徴とする撮像システム。
【請求項11】
撮影対象の前記撮影可能領域への進入の履歴から、前記所定の時間帯を算出する時間帯算出手段を更に有することを特徴とする請求項10に記載の撮像システム。
【請求項12】
前記時間帯算出手段は、過去の一定期間における撮影対象の前記撮影可能領域への進入の履歴から、単位時間帯あたりの進入回数が所定回数以上である時間帯を前記所定の時間帯とすることを特徴とする請求項11に記載の撮像システム。
【請求項13】
前記撮像装置の処理の変更とは、撮影対象を追跡撮影するか否かについての変更であり、前記優先度が高い撮影対象を優先して追跡対象とする追跡対象決定手段を更に有することを特徴とする請求項10に記載の撮像システム。
【請求項14】
前記追跡対象決定手段は、新たに追跡対象を決定する際、追跡対象上限数と、既に決定している追跡対象の数とを比較し、前記追跡対象上限数が大きい場合は、前記新たに追跡対象とすべく撮影対象を追跡対象とし、前記追跡対象上限数が前記既に決定している追跡対象の数と等しい場合は、前記既に決定している追跡対象のうちの最も低い優先度を有する追跡対象の時間差を、前記新たに追跡対象とすべく撮影対象の時間差と比較し、時間差の大きいほうを追跡対象とすることを特徴とする請求項13に記載の撮像システム。
【請求項15】
前記撮像装置の処理の変更とは、撮影対象を録画するか否かについての変更であり、前記優先度に応じて録画するか否かを変更することを特徴とする請求項10に記載の撮像システム。
【請求項16】
前記撮像装置の処理の変更とは、撮影画質の変更、録画画質の変更及びフレームレートの変更のうちの少なくともいずれかであり、前記優先度に応じて該撮影対象について撮影画質の変更、録画画質の変更及びフレームレートの変更のうちの少なくともいずれかを行うことを特徴とする請求項10に記載の撮像システム。
【請求項17】
前記所定の時間帯は、撮影対象毎に設定されるものであり、
撮影対象が属するグループの情報を保持するグループ情報保持手段を更に有し、
前記撮影可能領域に進入した撮影対象が、該撮影対象と同じグループに属する他の撮影対象と同時又は一定時間以内に進入し、かつ該他の撮影対象の進入した時間が該他の撮影対象に設定された前記所定の時間帯に含まれる場合は、前記撮影可能領域に進入した撮影対象の進入した時間が該撮影対象に設定された前記所定の時間帯に含まれない場合であっても、前記優先度を下げることを特徴とする請求項10に記載の撮像システム。
【請求項18】
撮影対象が前記撮影可能領域へ進入する際に、認証を行い、認証結果に基づき該撮影対象を特定する認証手段を更に有することを特徴とする請求項10に記載の撮像システム。
【請求項19】
一又は複数台の撮像装置と前記撮像装置を制御する制御装置とを有する撮像システムの制御方法であって、
前記撮像装置の撮影可能領域に撮影対象が進入した時間が所定の時間帯に含まれるか否かを判定するステップと、
前記判定した結果に応じて、前記撮像装置の処理を変更するステップとを有することを特徴とする撮像システムの制御方法。
【請求項20】
一又は複数台の撮像装置と前記撮像装置を制御する制御装置とを有する撮像システムの制御方法であって、
前記撮像装置の撮影可能領域に撮影対象が進入した時間と所定の時間帯との時間差が大きいほど、撮影対象について高い優先度を設定するステップと、
前記設定した優先度に応じて、前記撮像装置の処理を変更するステップとを有することを特徴とする撮像システムの制御方法。
【請求項21】
一又は複数台の撮像装置と前記撮像装置を制御する制御装置とを有する撮像システムの制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記撮像装置の撮影可能領域に撮影対象が進入した時間が所定の時間帯に含まれるか否かを判定するステップと、
前記判定した結果に応じて、前記撮像装置の処理を変更するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項22】
一又は複数台の撮像装置と前記撮像装置を制御する制御装置とを有する撮像システムの制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記撮像装置の撮影可能領域に撮影対象が進入した時間と所定の時間帯との時間差が大きいほど、撮影対象について高い優先度を設定するステップと、
前記設定した優先度に応じて、前記撮像装置の処理を変更するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−212845(P2009−212845A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−53951(P2008−53951)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]