説明

撮像機器及びその認証方法

【課題】撮像機器間で安全にかつ容易に画像の交換を行えるようにすること。
【解決手段】撮像機器間で無線による画像の送受信を行うことが可能な撮像システムにおける上記撮像機器は、上記画像の送受信を行う発光素子24及び受光素子26と、上記画像を受信する側の撮像機器が、上記画像を送信する側の撮像機器の認証を行うための認証情報を表示するモニタ40と、上記画像を受信する側の撮像機器の上記モニタで表示された上記認証情報を撮像するレンズ部14及び撮像素子70と、上記撮像された上記認証情報を用いて、上記画像を受信する側の撮像機器に対して送信する画像の加工を行う情報加工部80Bと、上記画像を送信する側の撮像機器から送信された画像を元の画像に復元する主制御部80と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像機器間で安全にかつ容易に画像の交換を行うことができる撮像機器、及びその撮像機器の認証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラの進歩は目覚しく、撮影した画像はデジタル情報としてカメラ内のメモリに記録されるとともに、カメラに付属する通信機能を用いて他のデジタル機器、例えばパーソナルコンピュータ、プリンタ、テレビジョン、あるいはインターネットを介して画像サーバやプリントサービスステーションなどに送ることが出来るようになった。また、デジタルカメラならびにデジタルカメラ機能を持った携帯電話や情報端末の普及率も向上してきた。今日では、多くの人が通信機能を持ったデジタルカメラを携帯している状況である。
【0003】
こうした日常の中で、自分のカメラで撮影した画像以外の、他のカメラで撮影した画像を簡単に自分のカメラに取込みたいという場面が増えてきた。具体的には、友人との旅行やパーティ等で他の人が撮った画像を自分のカメラに送信して貰うケースである。例えば、旅行先で友人が取った美しい景色や相手のカメラで撮って貰った自分の写真、あるいは自分のカメラより高性能のカメラを持っている人の写真を転送して貰う場合のような1対1の画像交換、写真教室で先生が取ったお手本の写真を生徒に配信するような1対Nの画像送信、複数の人が撮影した画像を一箇所に集めてスクリーンに映して楽しむようなN対1のケース、パーティや団体旅行などで各自が撮った写真をその場で交換するようなN対Nのケースである。
【0004】
従前よりカメラの通信機能や表示及び撮像機能を使って画像の転送や交換を行う方法がいくつも提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1には、次のような方法が提案されている。即ち、相手機器は、当該相手機器に対してデジタルカメラが通信を行なう許可を得るためのバーコード情報を画像表示部に表示し、デジタルカメラは相手機器の画像表示部に表示されたバーコード情報を撮像素子によって取得し、取得されたバーコード情報は、情報認識部により解析され、最終的に数値または文字情報として認識される。認識された情報は、相手機器に対するデータの送受信を行なう許可を得るための認証パスワードとして通信部から相手機器の通信部に送信され、相手機器の認証部はデジタルカメラの通信部から送信された情報を用いて認証を行う。
【0006】
また、特許文献2では、LCDなどの表示装置を持つデジタルカメラを、所定のケーブル又は赤外線を用いて、複数台の記録または再生装置と同時に接続し、デジタルカメラは、所定の通信プロトコルを用いて、接続している機器群から画像データを受信し、機器毎に別々の画像メモリ領域に格納し、デジタルカメラには、これらのメモリ領域から画像を読み出し、表示装置にまとめて表示する、或いは機器毎に切り替えて表示できるような機能が備わっており、これらの機能を用いることによって、機器群の画像を閲覧することが可能となることが提案されている。
【0007】
また、特許文献3には、次のような方法が提案されている。即ち、デジタルカメラ1Aはデジタルカメラ1Bに対してリスト送信要求を行なう。デジタルカメラ1Bは要求送信を受けると画像リストを生成し、デジタルカメラ1Aに対して画像リストを送信する。デジタルカメラ1Aは画像リストを受信すると、画像リストを表示させ、画像データの選択操作を受け付ける。画像データが選択されると選択画像データ要求送信が行われる。デジタルカメラ1Bは、選択画像データの要求送信を受けると選択画像データのフォーマット変換を行い、変換後の画像データをデジタルカメラ1Aに送信する。デジタルカメラ1Aは画像データを受信し、受信した画像データを表示部に表示する。
【0008】
また、特許文献4では、認証を行う情報端末に認証を要求する携帯端末と、携帯端末からの要求を受けて認証を行う情報端末とを備える認証システムであって、携帯端末は、情報端末から認証情報を受信する情報受信手段と、受信した認証情報を変換する変換手段と、変換した情報を表示する画像表示手段と、を備え、情報端末は、認証情報を送信する情報送信手段と、携帯端末が表示する情報を撮像する撮像素子と、撮像した情報を認証情報に変換する変換手段と、変換した認証情報と送信した認証情報との比較により認証を行う認証手段と、を備える情報端末が提案されている。
【0009】
また、特許文献5では、デジタルカメラにより、撮像によって取得された画像データに基づくデータを登録用データとしてサーバ装置に送信すると共に、送信した登録用データを認証用データとして記憶する一方、サーバ装置に対して認証を行わせる際に上記認証用データをサーバ装置に送信し、サーバ装置により、デジタルカメラから上記登録用データが受信された時に当該登録用データをハードディスクにより記憶する一方、デジタルカメラから上記認証用データが受信された時に上記登録用データをハードディスクから読み出して受信された認証用データと照合することにより、デジタルカメラの使用者を認証する方法が提案されている。
【特許文献1】特開2004−178187号公報
【特許文献2】特開2004−328038号公報
【特許文献3】特開2005−79622号公報
【特許文献4】特開2006−236119号公報
【特許文献5】特開2006−345430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記特許文献1では、相手機器の表示部に表示された情報を読み解き、データの送受信を行う許可を得るための認証パスワードとして使用することが提案されている。この方法の場合、相手が画像表示部に表示した画像から抽出したパスワードを持っている相手であるか否かは確認できるが、相手機器との画像の通信を行う通信路の確保のためのアドレスの取得や通信方式の決定、あるいは通信暗号化の方式などは事前に設定しておかなければならず複雑な操作を必要とする。また、送信される画像情報自身のセキュリティ確保については開示されていない。
【0011】
また、上記特許文献2では、他の機器群から取得した画像を一括管理する方法が提案されているが、画像交換のセキュリティ確保については開示されていない。
【0012】
また、上記特許文献3では、デジタルカメラの画像リストを送信し、画像リストによって選択された画像を送信することや、適切なフォーマットに変換して送信することが提案されているが、送信する画像情報のセキュリティ確保については開示されていない。
【0013】
また、上記特許文献4では、相手から受信した認証情報を変換して、画像として表示し、相手が撮像して認証を行うことが提案されているが、認証の対象が正規の変換機能を有しているか否かを検証しているのみで、交換される画像情報の安全確保については開示されていない。
【0014】
また、上記特許文献5では、画像を認証用の識別情報としてサーバに送って登録しておき、その後画像が送られてきた時、照合して使用者の確認を行うことが提案されているが、送受信する画像情報そのもののセキュリティの確保については開示されていない。
【0015】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、撮像機器間で安全にかつ容易に画像の交換を行うことができる撮像機器及びその認証方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の撮像機器の一態様は、撮像機器間で無線による画像の送受信を行うことが可能な撮像システムにおける上記撮像機器であって、
上記画像の送受信を行う画像送受信手段と、
上記画像を受信する側の撮像機器が上記画像を送信する側の撮像機器の認証を行うための認証情報を表示する認証情報表示手段と、
上記画像を受信する側の撮像機器の上記認証情報表示手段で表示された上記認証情報を撮像する撮像手段と、
上記撮像手段で撮像された上記認証情報を用いて、上記画像を受信する側の撮像機器に対して送信する画像の加工を行う加工手段と、
上記画像を送信する側の撮像機器から送信された画像を元の画像に復元する復元手段と、
を具備することを特徴とする。
【0017】
また本発明の画像送信方法の一態様は、撮像機器間で無線による画像の送受信を行うことが可能な撮像システムにおける上記撮像機器のための認証方法であって、
上記画像を受信する側の撮像機器が上記画像を送信する側の撮像機器の認証を行うための認証情報を表示するステップと、
上記画像を受信する側の撮像機器で表示された上記認証情報を、上記画像を送信する側の撮像機器で撮像するステップと、
上記撮像された上記認証情報を用いて、上記画像を送信する側の撮像機器が、上記画像を受信する側の撮像機器に対して送信する画像の加工を行うステップと、
上記画像を送信する側の撮像機器から送信された画像を、上記画像を受信する側の撮像機器で元の画像に復元するステップと、
を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、画像送受信のための画像送受信手段とは別の認証情報表示手段が出力した認証情報を直接撮像することにより、画像送受信手段による送受信が傍受されていても安全に認証情報を取得でき、なおかつ取得した認証情報を用いて上記画像送受信手段により送受信する画像情報を加工して送信することにより、撮像機器間で安全にかつ容易に画像の交換を行うことができる撮像機器及びその認証方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
【0020】
本発明の一実施形態に係る撮像機器は、撮像機器間で無線による画像の送受信を行うことが可能な撮像システムにおける上記撮像機器である。
【0021】
図1(A)及び(B)は、上記撮像機器の一例としてのデジタルカメラ10の外観構成を示す斜視図である。
【0022】
即ち、図1(A)に示すように、該デジタルカメラ10のカメラ本体12の前面には、撮影用のレンズ部14、撮影補助光発光用のフラッシュ16、指令機器、例えば光学式のリモコンよりの指令受光用の受光素子18、タイマ撮影時の予告表示や指令機器よりの指令確認、あるいは警告出力用の発光素子20、撮影状態での録音や撮影後の音声メッセージ付加に用いるマイクロフォン22、光通信用の発光素子24、同じく受光素子26が配置されている。
【0023】
また、カメラ本体12の上面には、シャッタスイッチ28が設けられている。このシャッタスイッチ28は、静止画撮影状態では、2段モーションスイッチとなり、その半押しでピント合わせ、全押しでシャッタを切ることが出来る。これに対して、動画撮影状態では、1回押すと撮影を開始し、2回目を押すと撮影を停止する。また、カメラ本体12の上面には更に、電源のオン、オフのスイッチであるパワースイッチ30、電源オン時に点灯するパワーランプ32、3位置切り替えのスライドスイッチであって、静止画撮影状態、動画撮影状態、画像再生状態が選択できるセレクトスイッチ34、通常の画像撮影を行う普通位置と、認証情報を取得するための撮影を行う認証位置、とを切り替える認証スイッチ36、等が配置されている。
【0024】
また、カメラ本体12の内部には、図1(A)に破線で示すように、電波での通信を行うためのアンテナ38が設置されている。なお、上記光通信用の発光素子24及び受光素子26と、アンテナ38とは、当該デジタルカメラ10の無線通信機能が光学式であるのか電波式であるのかに応じて、何れか一方が有れば良いものである。勿論、両方式を備えてあれば相手機器がどちらの方式であっても通信が出来る。
【0025】
一方、カメラ本体12の背面には、図1(B)に示すように、モニタ40が設けられている。このモニタ40は、1.8乃至は3インチ超で11万画素乃至は23万画素超の液晶等の表示器が用いられ、通常の撮影時の画像確認、撮影後の画像の表示、撮影シーン選択用の撮影例画像表示、撮影条件等の設定メニュー、撮影枚数や電池残量の表示などを行なう。また、認証情報を他の撮像機器に受け渡すための認証画像の表示を行う。
【0026】
更に、カメラ本体12の背面には、十字スイッチ42、OKボタン44、メニューボタン46、ズームスイッチ48、消去ボタン50、プリントボタン52、発光表示素子54、発光表示器56、情報ボタン58、保護ボタン60、回転ボタン62等が配置されている。
【0027】
ここで、十字スイッチ42は、上下左右に押すことが出来る4箇所シーソスイッチであり、モニタ40上に表示された複数項目の選択時に上下、左右に選択項目を移動する場合や、再生画像の前後の駒送りなどに用いる。OKボタン44は、条件設定時にモニタ40上の選択項目を決定するスイッチであり、メニューボタン46は、条件設定用の各種メニュー、あるいは認証情報の表示、あるいは画像送信などのメニューを表示させるためのスイッチである。ズームスイッチ48は、左右2箇所のシーソスイッチであり、撮影状態においては、T側を押すとレンズ部14のズームレンズを望遠側に動かし、W側を押すと広角側にズームレンズを駆動する。また、このズームスイッチ48は、再生状態では、画像の拡大や縮小、あるいはマルチ画面表示の制御にも使われる。再生状態で、消去ボタン50を押すと、モニタ40に消去の実行確認の表示が現れて、十字スイッチ42により消去を選択してOKボタン44を押すと、表示されている画像が消去される。また、再生状態で、プリントボタン52を押すと、モニタ40にプリントメニューを表示し、該デジタルカメラ10とプリンタ(図示せず)が接続されていれば、当該デジタルカメラ10内の画像を印刷することが出来る。
【0028】
また、発光表示素子54は、認証情報を表示素子の表示パターン即ち各発光素子のオンオフの組み合わせで出力し、他の撮像機器に受け渡す。また、発光表示器56は、認証情報を表示器の表示セグメントの点灯パターン即ち各発光セグメントのオンオフの組み合わせで出力し、他の撮像機器に受け渡す。なお、上記発光表示素子54、あるいは発光表示器56は、何れか一つあれば良い。あるいはモニタ40のみを認証情報の表示に使用する場合は無くても良い。
【0029】
情報ボタン58は、モニタ40に表示されている画像に関する情報を表示させるためのスイッチである。保護ボタン60は、モニタ40に表示されている画像に保護フラグを付ける、あるいは解除するためのスイッチである。回転ボタン62は、モニタ40に表示されている画像を回転させるためのスイッチである。
【0030】
また、カメラ本体12の側面には、警告音や確認音の発生や、再生状態で録音されている音を再生するスピーカ64が設けられている。
【0031】
図2は、撮像機器の別の例としてのデジタルムービカメラ66の外観構成を示す斜視図である。ここで、上記デジタルカメラ10と同様の機能部材については、同一の参照符号を付す。
【0032】
即ち、このデジタルムービカメラ66においては、そのカメラ本体12の前面には、撮影用のレンズ部14、撮影補助光発光用のフラッシュ16、指令機器よりの指令受光用の受光素子18、タイマ撮影時の予告表示や指令機器よりの指令確認、あるいは警告出力用の発光素子20、撮影状態での録音や撮影後の音声メッセージ付加に用いるマイクロフォン22、光通信用の発光素子24、同じく受光素子26が配置されている。
【0033】
また、カメラ本体12の側面には、モニタ40が回動自在に取り付けられており、撮影中の画像や撮影後の再生画像が表示、撮影シーン選択用の撮影例画像表示、撮影条件等の設定メニュー、撮影枚数や電池残量の表示ができ、使わない時にはカメラ本体12に密着収納できる。更に、このモニタ40に、認証情報を他の撮像機器に受け渡すための認証画像の表示を行う。また、カメラ本体12の側面には、電源のオン、オフと、撮影や再生のモード切り替えが出来る電源モードスイッチ68が配置されている。
【0034】
カメラ本体12の上面には、ズームスイッチ48が設けられている。このズームスイッチ48は、左右2箇所のシーソスイッチであり、撮影状態でT側を押すとレンズ部14のズームレンズを望遠側に動かし、W側を押すと広角側にズームレンズを駆動する。また、再生状態では、モニタ40における画像の拡大や縮小、あるいはマルチ画面表示の制御にも使われる。また、認証スイッチ36は、通常の画像撮影を行う普通位置と、認証情報を取得するための撮影を行う認証位置、とを切り替える。また、本体内部にはアンテナ38が設置されている。
【0035】
この他に、特に図示はしていないが、カメラ本体12の側面や背面などに、各種接続コネクタ、メニューボタン、シャッタスイッチなどがある。
【0036】
図3(A)及び(B)は、認証スイッチ36の機能を説明する図である。
上記認証スイッチ36は、その操作部36Aの位置により普通位置36Bと認証位置36Cを切り替える。その位置が普通位置36Bの場合は、カメラの撮影機能は、セレクトスイッチ34の位置に応じて、普通の静止画撮影あるいは動画撮影あるいは再生を行う。その位置が認証位置36Cの場合は、認証情報の取得即ち、他の撮像機器の表示した認証情報の撮影を静止画あるいは動画で行う。また、再生状態では取得した認証情報を再生することが出来る。
【0037】
図4は、上記デジタルカメラ10の電気的な構成を示すブロック図である。
上記レンズ部14は、被写体の像を撮像素子70上に結像させる。撮像機器の種類によって一眼レフタイプやレンズシャッタタイプ、あるいはズーム機能、オートフォーカス機能、明るさ絞り機能などを含む。撮像素子70は、被写体の像を電気信号に変換するもので、CCDタイプやCMOSタイプの撮像素子が用いられ、画素数は100万画素クラスから1000万画素超クラスが用いられる。撮像処理回路72は、撮像素子70からの信号を処理しA/D変換して、メニュー等で設定されている所定のフォーマットで内蔵メモリ74あるいは着脱メモリ76に記録する。そのフォーマットとしては、画像圧縮しないRAWデータ形式や標準圧縮方式によるJPEG形式あるいは動画の場合はモーションJPEG形式やMPEG2、MPEG4形式などが用いられる。
【0038】
電波通信部78は、他の撮像機器との通信を電波で行うための送受信回路で、アンテナ38で受信した信号を、増幅、復調し、主制御部80と協調して画像情報等に変換する。また、主制御部80と協調して、送信する画像をデジタル信号として変調及び増幅してアンテナ38より送信する。
【0039】
光通信部82は、他の撮像機器との通信を光で行うための送受信回路で、受光素子26で電気信号に変換し、増幅、復調し、主制御部80と協調してデコードして画像情報等に変換する。また、主制御部80と協調して、送信する画像をデジタル信号として変調及び増幅して発光素子24より送信する。
【0040】
ズーム制御部84は、静止画あるいは動画撮影が可能な場合に、カメラ本体12のズームスイッチ48のT側もしくはW側が操作されたとき、レンズ部14のズームレンズを駆動する。露光制御部86は、デジタルカメラ10に設定されている撮影条件にしたがって被写体の明るさに応じて絞りの制御や撮像素子70の制御を行なう。測距制御部88は、撮像素子70からの信号を用いてレンズ部14の駆動及び合焦検出制御を行なう。
【0041】
画像処理回路90は、主制御部80のCPU及びプログラムと協調して、画像の拡大縮小、圧縮伸長、歪補正、色補正、ノイズ除去、合成、回転などの処理を行なう。着脱メモリ76は、画像記録用のメモリであり、半導体メモリカードやハードディスクドライブで構成され、カメラ本体12のコネクタ(図示せず)に着脱できる。この着脱メモリ76としては、数十メガバイトから数ギガバイトのものが用いられ、画像やその属性情報が記録される。暗号化・復号化回路92は、着脱メモリ76に画像を記録する際に暗号化して記録する場合及び暗号化された画像を復号化する場合に用いる。更に、認証情報を用いて送信画像を暗号化あるいは復号化する場合にも用いることが出来る。ただし、処理を主制御部80のCPUにおいてプログラムで行なう場合は省略することができる。音声処理部94は、撮影時にマイクロフォン22で拾った音を処理して記録させることや、再生時に記録されている音を再生処理してスピーカ64に供給したり、警報音等をスピーカ64に供給する。
【0042】
外部インターフェイス96は、デジタルカメラ10とプリンタやパソコンあるいはハードディスクなどの外部記憶装置やテレビジョン受像機(以下、テレビと略記する)などとの接続のための信号変換機能とコネクタを含む。プリンタとの接続にはピクトブリッジ、パソコンや外部記憶装置とはUSB、テレビとはビデオケーブル等で接続することが出来る。
【0043】
バス98は、各部を結ぶ共通信号線群であり、データバス、アドレスバス、コントロールバスなどである。主制御部80は、特に図示はしていないが、CPU、ROM、RAM、レジスタ、カウンタ、タイマ、書き換え可能な不揮発性メモリなどを含むマイクロコンピュータシステムであり、当該デジタルカメラ10全体の制御や表示、データ処理を司る。また、この主制御部80には、該主制御部80内の不揮発性メモリに他の撮像機器から取得した認証情報を記憶しておく認証情報記憶部80A、ならびに取得した認証情報を用いて送信する画像情報等を加工するための、情報加工部80Bがある。
【0044】
内蔵メモリ74は、撮影した画像を記録する、当該デジタルカメラ10から取り出し出来ないメモリである。この内蔵メモリ74としては、数十メガバイトから数ギガバイトの半導体メモリあるいは数百メガバイトから十ギガバイトクラスの超小型ハードディスクが好適である。
【0045】
フラッシュ16は、静止画撮影時に、メニューで設定されたフラッシュモード、例えば暗い時や逆光で自動発光するモード、弱く発光するソフト発光モード、本発光前に数回の予備発光をする赤目軽減モード、必ず発光する強制発光モード、発光しない発光禁止モード、にしたがってフラッシュ発光を行なう。発光部100は、発光素子20の点灯を制御する。受光部102は、受光素子18よりの電気信号を増幅し復調する。表示制御部104は、モニタ40に撮影画像や再生画像、メニューや情報及び警報用の文字や記号の表示制御を行なう。更に認証情報としての認証画像等を表示する。更に、認証情報出力用の発光表示素子54、発光表示器56の駆動制御を行う。
【0046】
電源回路106は、電池108あるいは外部の電源(図示せず)からの電力を、各部に必要な電圧に変換して供給する。電池108は交換可能で、リチュームイオン充電電池や乾電池が用いられる。パワースイッチ30でカメラ本体12の電源のオン、オフを行い、オンのときはパワーランプ32が点灯している。
【0047】
シャッタスイッチ28、セレクトスイッチ34、認証スイッチ36、十字スイッチ42、OKボタン44、メニューボタン46、ズームスイッチ48、消去ボタン50、プリントボタン52、情報ボタン58、保護ボタン60、回転ボタン62は、図1(A)及び(B)を参照して説明した通りである。各スイッチ及びボタンは、主制御部80のCPUの割り込みライン及び/又は入出力ポートに接続されている。
【0048】
なお、デジタルムービカメラ66の場合、外観等は長時間の動画撮影時の操作性等を考慮した形状になっているが、基本的な機能構成は、図4に示したデジタルカメラ10のそれと同様である。
【0049】
図5は、カメラ本体12に設けられたスイッチ及びボタンの動作対応表である。
カメラ本体12のスイッチやボタンが押された場合、カメラ本体12の主制御部80のCPUに割り込みやリセットが掛かり、対応した動作が行なわれる。各対応動作については図5中にそれぞれの対応動作として説明しているので、ここでは対応の概要をデジタルカメラ10の場合を例に説明する。なお、撮像機器の種類により、対応するスイッチやボタンが無いもの、別の名称となっているもの、等もある。
【0050】
カメラ本体12が電源オフの状態で、パワースイッチ30が押されると電源が入り、主制御部80のCPUにリセットが掛かり動作が開始される。また、電源がオンの状態でパワースイッチ30が押されると、動作を終了し電源がオフとなる。
【0051】
セレクトスイッチ34が切り替わると、割り込み処理により現在の状態を終了し、新たな状態に移行する。認証スイッチ36が切り替わると、割り込み処理により現在の状態を終了し、他の状態に移行する。
【0052】
シャッタスイッチ28が押されると、シャッタスイッチオンのフラグを立てる。このフラグはプログラムで読み取られ、撮像動作の開始や終了動作を行なう。メニューボタン46が押されると、モニタ40にメニューを表示し、十字スイッチ42やOKボタン44での設定変更ができる。メニュー表示中に再度メニューボタン46が押されると、メニュー動作は終了する。ズームスイッチ48がT側あるいはW側に押されると、ズーム制御部84を駆動する。十字スイッチ42の何れかが押されると、対応するスイッチフラグを立てる。OKボタン44が押されると、OKボタンフラグを立てる。消去ボタン50が押されると、モニタ40に消去の確認メニューを表示し、対応する確認のスイッチが押されると消去を実行する。プリントボタン52が押されると、モニタ40にプリントメニューを表示し、以降所定の印刷動作を行なう。情報ボタン58が押されると、情報ボタンフラグを立てる。保護ボタン60が押されると、保護ボタンフラグのオン、オフ及びメッセージの表示を行う。回転ボタン62が押されると、回転ボタンフラグを立てる。上記で立てられたフラグは、用途によって読み取られた段階でクリアされる場合と、スイッチやボタンが押し続けられている間(オンの間)は立てておきオフでクリアされる場合がある。
【0053】
図6A乃至図6Cは、撮像機器における状態遷移とプロセスを説明する一連のフローチャートを示している。なお、ここでは撮像機器がデジタルカメラ10の場合を例に説明するが、デジタルムービカメラ66の場合も、スイッチ操作等が異なること以外は同様である。
【0054】
図6Aに示すように、電源オフの状態において(ステップS10)、パワースイッチ30が押されると(ステップS12)、カメラ本体12の電源がオンとなり(ステップS14)、モニタ40に初期画面が表示される(ステップS16)。この初期画面には、電池残量を示すマーク等が表示される。
【0055】
そしてその後、認証スイッチ36の位置を読み取り、位置にしたがって分岐する(ステップS18)。
【0056】
以下、認証スイッチ36が普通位置36Bにある場合を説明する。
即ち、認証スイッチ36が普通位置36B(N0)であると判断された場合には、セレクトスイッチ34の状態を読み取り(ステップS20)、静止画撮影状態J1か、動画撮影状態J2か、再生状態J3かにより分岐する。
【0057】
まず、撮影状態を中心に説明する。
セレクトスイッチ34により静止画撮影状態J1が選択されている場合には、モニタ40にライブ画像を表示し、また、現在の撮影画素数や撮影可能枚数なども表示する(ステップS22)。そして、シャッタスイッチ28の1段目がオンになったか否かを判別する(ステップS24)。なお、特に図示はしていないが、上記ステップS22及びステップS24のループ実行中に、ズームスイッチ48等、他のスイッチやボタンの操作がなされれば、その操作に応じた動作を行うことは勿論である。
【0058】
上記ステップS24において、シャッタスイッチ28の1段目がオンになったと判断したならば、フォーカス合わせを行って(ステップS26)、シャッタスイッチ28の2段目がオンになるのを待つ(ステップS28)。而して、シャッタスイッチ28の2段目がオンになったならば、静止画を撮影する(ステップS30)。その後、連写モードに設定されているか否かを確認する(ステップS32)。ここで、連写モードに設定されていない場合には、短時間、撮影した画像をモニタ40に表示した後(ステップS34)、上記ステップS18に戻る。
【0059】
これに対して、連写モードに設定されていた場合には、内蔵メモリ74及び/又は着脱メモリ76のメモリ残量が所定量以上有るか否か確認し(ステップS36)、メモリ残量が無い場合は、モニタ40にメモリフルの警告を表示して(ステップS38)、上記ステップS18に戻る。また、メモリ残量が有る場合には、シャッタスイッチ28がオンのままか否かを確認し(ステップS40)、オフされていれば上記ステップS18に戻る。また、シャッタスイッチ28がオンされている場合には、上記ステップS30に戻り、次の静止画を撮影する。
【0060】
一方、上記ステップS20において、セレクトスイッチ34により動画撮影状態J2が選択されている場合には、モニタ40にライブ画像を表示し、また、現在の撮影画素数での撮影可能時間なども表示する(ステップS42)。そして、シャッタスイッチ28が押されるとオンするシャッタスイッチフラグによりシャッタスイッチ28がオンされたか否かを判別する(ステップS44)。ここで、シャッタスイッチフラグがオンになっていないと判別した場合には、上記ステップS42に戻って、ライブ画像の表示を続ける。なお、特に図示はしていないが、上記ステップS42及びステップS44のループ実行中に、ズームスイッチ48等、他のスイッチやボタンの操作がなされれば、その操作に応じた動作を行うことは勿論である。
【0061】
而して、シャッタスイッチフラグがオンになったならば、そのシャッタスイッチフラグをクリアした後(ステップS46)、フォーカス合わせを行い、動画の撮影を開始する(ステップS48)。この動画撮影中は、内蔵メモリ74及び/又は着脱メモリ76のメモリ残量をチェックし(ステップS50)、メモリ残量が無い場合はモニタ40にメモリフルの警告を表示した上で(ステップS52)、動画撮影を終了して(ステップS54)、上記ステップS18に戻る。これに対して、まだメモリ残量が有る場合には、シャッタスイッチフラグがオンとなったかどうかを確認し(ステップS56)、それがオフのままである場合は上記ステップS48に戻って、動画の撮影を続ける。そして、上記シャッタスイッチフラグがオンになった場合は、上記ステップS54に進んで動画撮影を終了して、上記ステップS18に戻る。このように、シャッタスイッチ28が押されてから再度押されるまでの間、動画が撮影される。
【0062】
次に、再生状態について説明する。
上記ステップS20において、セレクトスイッチ34により再生状態J3が選択されている場合には、図6Bに示すような再生状態に移行する。即ち、先ず内蔵メモリ74及び着脱メモリ76の内、最後に記録した最終画像をモニタ40に表示する(ステップS58)。次に、スイッチやボタン類が押されたかどうかをチェックし(ステップS60)、押された場合には、以下のように該当する動作を行なう。
【0063】
即ち、カメラ本体12の十字スイッチ42が押された場合(ステップS62)、その内の下スイッチ(アルバム)であれば(ステップS64)、アルバムに記録されている画像のモニタ40への表示を行う(ステップS66)。そして、その表示中にメニューボタン46が押されると(ステップS68)、アルバム表示機能を終了して、上記ステップS60に戻る。なお、アルバムとは、あるイベントに関する画像群を纏めて取り扱えるように、画像群とは別にインデックス情報を持って、そこに画像へのアクセスポインタを書いておき、アルバム名を指定すると一連の画像が一括して表示等できる機能のことである。
【0064】
また、十字スイッチ42の内の上スイッチ(カレンダ)が押された場合には(ステップS70)、当月一か月分の記録画像をカレンダ形式でモニタ40に表示する(ステップS72)。更に十字スイッチ42で、前月以前の表示を行なったり、日にちを選択してその日の撮影画像を表示することなどもできる。表示中にメニューボタン46が押されると(ステップS74)、カレンダ表示機能を終了して、上記ステップS60に戻る。
【0065】
また、十字スイッチ42の内の右スイッチ(+)が押された場合には(ステップS76)、次の画像を表示した後(ステップS78)、上記ステップS60に戻る。なお、現在の画像が最終画像の場合は、最初の画像を表示する。
【0066】
また、十字スイッチ42の内の左スイッチ(−)が押された場合には(ステップS80)、前の画像を表示した後(ステップS82)、上記ステップS60に戻る。なお、現在の画像が最初画像の場合は、最後の画像を表示する。
【0067】
OKボタン44が押された場合には(ステップS84)、現在の画像が動画であるか否かを確認し(ステップS86)、動画でない場合には、そのOKボタン44の押下は無視して、上記ステップS60に戻る。これに対して、現在の画像が動画である場合には、動画を表示して(ステップS88)、上記ステップS60に戻る。
【0068】
ズームスイッチ48が押された場合には(ステップS90)、T側であれば(ステップS92)、表示されている画像を拡大表示して(ステップS94)、上記ステップS60に戻る。拡大表示中にW側を押すと、画像の一駒表示に戻る。また、W側の場合には(ステップS96)、表示画像を縮小してインデックス表示をして(ステップS98)、上記ステップS60に戻る。W側を押すたびに、4駒、9駒、16駒、25駒に順次一覧表示ができる。縮小一覧表示中にT側を押すと、押すたびに25駒、16駒、9駒、4駒、1駒の表示に戻る。
【0069】
消去ボタン50が押された場合には(ステップS100)、モニタ40に本当に消去するかの確認表示を行い(ステップS102)、消去中止が選択された場合は消去せずに、上記ステップS60に戻る。これに対して、消去実行が選択された場合には、その駒を消去して、一つ前の画像を表示して(ステップS104)、上記ステップS60に戻る。なお、消去対象の画像が保護されている場合は、保護画像であることをモニタ40に警告表示して、消去の実行は無視される。
【0070】
プリントボタン52が押された場合には(ステップS106)、プリンタへの画像送信等の必要な印刷動作を行なって(ステップS108)、上記ステップS60に戻る。
【0071】
情報ボタン58が押された場合には(ステップS110)、モニタ40に表示されている画像の情報を表示して(ステップS112)、上記ステップS60に戻る。
【0072】
保護ボタン60が押された場合には(ステップS114)、モニタ40に表示されている画像が保護されていない場合は保護フラグを付けて、「画像を保護しました」というメッセージを表示し、画像が既に保護されている場合は、保護フラグを解除して、「画像の保護を解除しました」というメッセージを表示して、(ステップS116)、上記ステップS60に戻る。もし、保護されている画像を誤って解除してしまった場合でも、「画像の保護を解除しました」というメッセージを見て、再度保護ボタンを押すことで保護できる。
【0073】
回転ボタン62が押された場合には(ステップS118)、モニタ40に表示されている画像を左90度回転させて(ステップS120)、上記ステップS60に戻る。但し、このステップS60に戻ってからの表示は、上記ステップS120で回転された画像の表示が維持される。なお、再度、回転ボタン62が押されると、ステップS120では元の画像の右90度回転画像の表示を行い、もう一度押されると、元の画像に戻す。
【0074】
メニューボタン46が押された場合には(ステップS122)、メニューの表示と設定ができる。メニュー機能は多数ある。メニュー設定はトップメニューから階層的に細部の設定が出来る様になっている。トップメニューは、セレクトスイッチ34の位置によって表示内容が異なるので、セレクトスイッチ34の位置を読み取り(ステップS124)、対応するメニューをモニタ40に表示する(ステップS126)。
【0075】
静止画撮影状態J1の場合、VOICE録音、マクロ、シーン選択、モードメニューを表示する。動画撮影状態J2の場合、VOICE録音、マクロ、手振れ補正、モードメニューを表示する。再生状態J3の場合は、再生内容により表示されるメニューが異なる。即ち、静止画再生時は、ストレージ再生、情報表示、スライドショー、モードメニューを表示する。動画再生時は、ストレージ再生、情報表示、動画再生終了、モードメニューを表示する。VOICE再生時には、ストレージ再生、情報表示、VOICE再生終了、モードメニューを表示する。カレンダ再生時には、カレンダ再生終了、情報表示、スライドショー、モードメニューを表示する。アルバム再生時には、アルバム選択、情報表示、アルバム再生終了、モードメニューを表示する。それぞれの下位メニューの操作、表示の詳細は省略するが、共通的なモードメニューについて説明する。
【0076】
即ち、モードメニューは更にセレクトスイッチ34の位置により表示内容が異なる。静止画撮影状態J1の場合、画質モード切り替え、連写設定、露出補正、デジタルズーム設定、ホワイトバランス設定、画像等を記録するメモリの選択の設定等ができる。動画撮影状態J2の場合、画質モード切り替え、露出補正、デジタルズーム設定、ホワイトバランス設定、フルタイムオートフォーカスの設定、画像等を記録するメモリの選択の設定等ができる。再生状態J3の場合は、回転表示、録音、画像編集、画像補正、画像合成ができる。
【0077】
メニュー操作を終了するには、メニューボタン46を再度押すことで(ステップS128)、上記ステップS60に戻る。
【0078】
また、図6Aに示すように、初期画面表示(ステップS16)以降に、認証スイッチ36が切り替えられた場合(ステップS130)、並びにセレクトスイッチ34が切り替えられた場合(ステップS132)には、割り込み処理により実行中の処理は中止され、認証スイッチ36読み取り(ステップS18)に移行する。
【0079】
次に、認証スイッチ36が認証位置36Cにある場合を説明する。
即ち、認証スイッチ36の読み取り(ステップS18)で認証位置36C(N1)であった場合には、図6Cに示すように、セレクトスイッチ34の位置を読み取り(ステップS134)、静止画撮影状態J1、動画撮影状態J2、再生状態J3の選択に従って分岐する。
【0080】
セレクトスイッチ34により静止画撮影状態J1が選択されている場合は、静止画撮影及び認証情報記憶処理を実行する(ステップS136)。この静止画撮影及び認証情報記憶処理における静止画の撮影動作については、図6Aの静止画撮影の動作(ステップS22からステップS40)と同様の動作であるので、その詳細説明は省略する。また、認証情報記憶の動作は、撮影された静止画を解析して認証情報を取得し、記憶するものであり、その詳細は後述する。そして、撮影が完了したならば(ステップS138)、上記ステップS134に戻る。これに対して、撮影途中で警報が出た場合には(ステップS140)、撮影を中止して、上記ステップS134に戻る。
【0081】
セレクトスイッチ34により動画撮影状態J2が選択されている場合は、動画撮影及び認証情報記憶処理を実行する(ステップS142)。この動画撮影及び認証情報記憶処理は、図6Aの動画撮影の動作(ステップS42からステップS54)と同様の動作であるので、その詳細説明は省略する。また、認証情報記憶の動作は、撮影された動画を解析して認証情報を取得し、記憶するものであり、その詳細は後述する。そして、撮影が完了したならば(ステップS144)、上記ステップS134に戻る。撮影途中で警報が出た場合には(ステップS146)、撮影を中止して、上記ステップS134に戻る。
【0082】
上記認証情報の記憶先は、所定のメモリに認証情報であることがわかる形で記憶しておく。具体的には、認証情報の記憶リストを作成して管理すること、情報に特定のフラグを付けること、あるいは所定のアドレス以降に記憶することなどで、普通位置36Bで撮影した画像とは区別出来る様にしておく。
【0083】
セレクトスイッチ34により再生状態J3が選択されている場合は、記憶されている認証情報の最新のものをモニタ40に表示して(ステップS148)、図6Bの動作(ステップS60からステップS128)と同様の動作を行う(ステップS150、ステップS152)。動作途中で認証スイッチ36が切り替えられたときは、動作を中止して図6AのステップS18に戻る。
【0084】
なお、再生状態J3での画像表示や各ボタン操作への対応は、上記認証情報のみを対象として行う。即ち、前述のように認証情報のリストを作成しておく場合は、このリストに載っている情報を順次読み出して表示したり、消去したり印刷したりすることが出来る。なお個々の動作については必要に応じて後の図面で追加の説明を行う。
【0085】
図7は、撮像機器よりの画像送信について説明するためのフローチャートを示す図である。
撮像機器よりの画像送信を認証位置36Cでのメニューの一つとして行う場合、図6CのステップS150でメニューボタンが押されて(ステップS152A)、メニューの表示及び選択が行われた際(ステップS152B)、画像送信メニューを選択する(ステップS152C)。
【0086】
この画像送信メニューが選択されると、まず、送信相手先の選択処理が実行される(ステップS152D)。これは、送信相手先のリストの表示、あるいは図42で説明するような認証情報の順次表示、あるいは図43で説明するような認証情報一覧などにより、送信相手先を選択する。続いて、送信する画像の選択が行われる(ステップS152E)。この画像の選択は、画像を順次モニタ40に表示してOKボタン44を押して選択する、あるいはカレンダ表示で十字スイッチ42でカーソルを動かしOKボタン44を押して選択することなどが出来る。送信相手先と送信する画像が決まると、上記図6Cで説明したようにして取得した相手先の認証情報を用いて、送信する画像を加工する(ステップS152F)。加工が出来たら画像を送信して(ステップS152G)、上記ステップS152Dに戻る。なお、メニューボタン46が押された場合は、上記ステップS152Bに戻る。
【0087】
また、上記ステップS152Bにおいて、送信以外のメニューが選択された場合には(ステップS152H)、対応するメニューの処理を行う(ステップS152I)。この場合、メニューボタン46が押されたら(ステップS152J)、上記ステップS150に戻る。
【0088】
図8は、認証情報の作成メニュー処理を説明するためのフローチャートを示す図である。
認証情報の作成を認証位置36Cでのメニューの一つとして行う場合、図6CのステップS150でメニューボタンが押されて(ステップS152A)、メニューの表示及び選択処理が行われた際(ステップS152B)、認証情報作成メニューが選択される(ステップS152K)。
【0089】
この認証情報作成メニューが選択されると、まず、表示形式の選択処理が実行される(ステップS152L)。後述の図14(A)乃至図20で説明するように認証情報の表示形式には、モニタ40への表示、発光表示素子54への表示、発光表示器56への表示がある。モニタ40へは、静止画表示、静止画複数順次表示、動画表示が出来る。表示内容は、画像、文字、バーコードや二次元コードなどのパターン、あるいはカラーバーやカラーマトリックスなどが選べる。また、発光表示素子54へは、点灯の有無によるビットパターンの固定表示あるいは順次表示が出来る。または発光表示器56へは、数字や文字や記号の固定表示あるいは順次表示ができる。表示形式の選択は、撮像機器の有する表示機能に合わせて選択できる。
【0090】
次に、表示する情報を選択決定する(ステップS152M)。表示する情報は自己の認証情報を表示するが、認証情報以外の補助的な情報を併せて表示してもかまわない。表示する情報の選択は、後述する画像送信の通信手段に合わせて行う。例えば、IEEE802.11b形式の無線LANの場合は、自己のMAC(Media Access Control)アドレスやSSID(Service Set IDentifier)、WEP(Wired Equivalent Privacy)キーなどを表示する。IrDA(Infrared Data Association)形式の光通信の場合はその仕様やバージョンに合わせて表示データを選択する。相手の撮像機器が送信する画像を加工するために用いる認証情報として、暗号キーを表示することも出来る。また、暗号形式が秘密に保たれている場合は、秘密でない表示データの一部を暗号キーとして用いて画像を加工することもできる。
【0091】
続いて、認証情報以外の補足情報の追加選択を行う(ステップS152N)。補足情報は、認証情報の識別を容易にするための情報として、自己の顔写真やマーク、ニックネームや名前、あるいはID番号などが好適である。あるいは補足情報として、通信データの信頼性チェックのためのデータ、例えばハッシュ関数により圧縮したデータや、エラー訂正用の情報を付加しても良い。補足情報は無くても良い。
【0092】
次に、情報をモニタ40に表示して確認し(ステップS152O)、OKボタン44が押されたら(ステップS152P)、認証情報記憶部80Aに記憶して(ステップS152Q)、上記ステップS152Bに戻る。また、上記ステップS152Oで内容が満足できない時はメニューボタン46を押して(ステップS152R)、上記ステップS152Bに戻る。
【0093】
また、上記ステップS152Bにおいて、認証情報作成以外のメニューが選択された場合には(ステップS152S)、対応するメニューの処理を行う(ステップS152I)。この場合、メニューボタン46が押されたら(ステップS152J)、上記ステップS150に戻る。
【0094】
図9は、認証情報の表示メニュー処理について説明するためのフローチャートを示す図である。
図6CのステップS150でメニューボタンが押されて(ステップS152A)、メニューの表示及び選択処理が行われた際(ステップS152B)、認証情報表示メニューが選択されると(ステップS152T)、まず、認証情報記憶部80Aに記憶されている自己の認証情報を読み出し(ステップS152U)、対応する表示手段、即ち発光表示素子54、あるいは発光表示器56、あるいはモニタ40に表示する(ステップS152V)。そして、ボタン及びスイッチのセンスを行い(ステップS152W)、メニューボタン46が押されたら(ステップS152X)、上記ステップS152Bに戻る。また、ステップS152Wで十字スイッチが押されたら(ステップS152Y)、上記ステップS152Uに戻って、複数の認証情報が認証情報記憶部80Aにある場合は順次表示する。
【0095】
また、上記ステップS152Bにおいて、認証情報送信以外のメニューが選択された場合には(ステップS152Z)、対応するメニューの処理を行う(ステップS152I)。この場合、メニューボタン46が押されたら(ステップS152J)、上記ステップS150に戻る。
【0096】
このようにして、認証情報記憶部80Aに認証情報が複数ある場合に、相手の撮像機器の撮像性能に合わせて選択する際などに、認証情報を表示して確認することが出来る。また、このメニューを用いて認証情報を表示し、相手機器が撮影することにより認証情報を受け渡すことができる。
【0097】
なお、上記説明は、認証情報の作成や表示、あるいは画像送信をメニューの一つとして実行する場合を例に説明したが、メニューとしてではなくカメラ本体12に専用のボタンを設けてボタンが押された時に上記のように実行しても良い。
【0098】
以上は、撮像機器単体での動作について説明してきたが、ここ以降では相手の撮像機器との関係を含めての説明も行う。
【0099】
図10は、第1の撮像機器が画像を送信する相手の第2の撮像機器から認証情報を取得する手順を説明するためのフローチャートを示す図である。なお、ここでは、認証情報を取得する第1の撮像機器と、認証情報を表示して第1の撮像機器に受け渡す第2の撮像機器の2台の場合について説明する。3台以上の場合でも基本的な手順は同様になる。
【0100】
まず、第2の撮像機器が、自己の認証情報を図9で示した手順で表示する(ステップS200)。第1の撮像機器は、第2の撮像機器の撮像機器が表示した認証情報を図6Cで示した手順で撮影し(ステップS202)、撮影した認証情報を所定のルールで解析する(ステップS204)。そして、認証情報として十分な情報が得られたか判断し(ステップS206)、得られた場合は認証情報を自己の表示手段に表示すると共に所定のメモリに記憶する(ステップS208)。もし、上記ステップS206で十分な情報が得られていないと判断した場合は、上記ステップS202に戻って、再度、認証情報の撮影を行う。
【0101】
図11は、第1の撮像機器110が、第2の撮像機器112がモニタ40に表示した認証情報114を撮影する場合の状態を説明するための図である。
【0102】
第1の撮像機器110は、レンズ部14を通して第2の撮像機器112のモニタ40に表示された認証情報114を撮影して自己のモニタ40に表示し、ズーム機能や焦点調節により適切な撮影を行う。モニタ40が液晶表示器のようなドットの集合による表示の場合、撮像側の状態によりモアレ縞などの撮像に邪魔なノイズが発生する場合があるので、撮像機器同士の間隔や撮影倍率などを調整して、よい条件で撮影することが望ましい。この例では、第2の撮像機器112の撮像機器のモニタ40に認証情報114を表示して撮影する場合を例示しているが、第2の撮像機器112の表示を、発光表示素子54に行う場合、あるいは発光表示器56に行う場合は、それぞれの表示にあわせて撮影条件を調整する。また、第2の撮像機器112が静止画を表示する場合は、第1の撮像機器110は静止画で、第2の撮像機器112が動画あるいは静止画の順次表示や連続表示を行う場合は、第1の撮像機器110は動画撮影あるいは静止画の連写、あるいは静止画のインターバル撮影を行う。
【0103】
図12は、撮像機器間での画像の送受信手順を説明するためのフローチャートを示す図である。
先ず、画像を受信する側の第2の撮像機器112が自己の認証情報を表示手段に表示し(ステップS200)、画像を送信する側の第1の撮像機器110が、図10のステップS202乃至ステップS208で説明したような、認証情報の撮影、解析、記憶を行う(ステップS210)。その後、第1の撮像機器110が画像を送信する際に、送信先の選択として第2の撮像機器112の送信アドレス等を選択し、送信する画像の選択を行う(ステップS212)。そして、送信先である第2の撮像機器112の認証情報を読み出して、送信する画像の加工を行い(ステップS214)、加工した画像を送信する(ステップS216)。
【0104】
画像を受信する側の第2の撮像機器112は、第1の撮像機器110から送信された加工画像を受信して、認証情報を確認する(ステップS218)。そして、加工された画像を、認証情報を用いて加工を解き、画像を再生して(ステップS220)、画像の保存と表示を行う(ステップS222)。
【0105】
なお、画像の加工方法は種々あるが、暗号化を用いる場合には、第1の撮像機器110での加工は暗号化であり、第2の撮像機器112での加工を解く方法は復号化となる。
【0106】
図13(A)及び(B)は、第1の撮像機器110と第2の撮像機器112との間での画像の送受信の状態を示す図である。
【0107】
ここで、図13(A)は、画像の交換を電波で行う場合のイメージを示した図である。即ち、撮像機器110,112間で、点線で示したように、電波116により画像の送受信を行う。
【0108】
また、図13(B)は、画像の交換をIrDAなどの光通信で行う場合のイメージを示した図である。即ち、第1の撮像機器110の光通信用の発光素子24と受光素子26を、第2の撮像機器112の受光素子26と発光素子24に対向させて、図中の実線矢印によって模式的に示すように、光線118によって光通信を行う。
【0109】
次に、撮像機器での認証情報等の情報表示方法を説明する。
まず、発光表示素子54による情報表示を説明する。
図14(A)は、発光表示素子54の実装例を示す図で、8個のLED120を2列に配置した例である。これによって、16ビットの情報表示が出来る。16ビットのバイナリー表示、あるいは2バイト表示が出来る。また、順次情報を表示することで多くの情報を表示することが出来る。撮像側での情報解析を容易にするために、最初に全てのLED120を点灯しその位置を示した後に、送信する情報を表示することが望ましい。あるいは、順次表示で少なくとも一回はどのLED120も点灯するようにして全てのLED120の位置を撮像側が認識できるようにしても良い。撮像する側は、撮像機器が余りぶれないように、ぶれはLED120の間隔の半分以下に抑えて撮影できることが望ましい。
【0110】
図14(B)は、発光表示素子54の他の実装例を示す図で、4個のLED120を4列に配置した例である。これによって16ビットのバイナリー表示、あるいは2バイト表示が出来る。他の特徴は図14(A)と同様である。
【0111】
次に、発光表示器56による情報表示を説明する。
図15(A)は、発光表示器56の実装例を示す図であり、発光表示器56を7セグメントの発光表示器として構成している。これにより、数字や記号を1桁表示できる。より多くの情報の表示は、間隔を置いて順次情報を表示することで出来る。情報表示は、図15(B)や図15(C)に示すような点灯パターンによって行う。このように、発光表示器56は、セグメントのオン,オフの組み合わせで情報の表示を行うので、最初に全セグメントを点灯して、各セグメントの位置を示した後に送信する情報を表示することが望ましい。あるいは、順次表示で少なくとも一回はどのセグメントも点灯するようにしても良い。撮像する側は、撮像機器が余りぶれないように、ぶれはセグメントの間隔の半分以下に抑えて撮影できることが望ましい。
【0112】
図16(A)は、発光表示器56の他の実装例を示す図で、7セグメントの発光表示器を2個、配置した例である。これによって、図16(B)に示すように、数字や記号を2桁表示できる。他の特徴は図15(A)と同様である。
【0113】
次に、モニタ40への認証情報の表示について説明する。
図17(A)は、認証情報としてモニタ40に、画像122、相手の識別符号124、相手のアドレス126、認証情報の有効期限128、暗号化用の情報130などを表示した例である。画像122は、目視で相手が識別できる顔写真やシンボルマークなどが便利である。識別符号124は、相手のID番号や一時的に割り振った登録番号などを用いる。相手のアドレス126は、通信に使う方式に見合ったものとなる。有効期限128は、短時間あるいは一日、あるいは一定期間で開始と終了の両方を指定しても良い。暗号化用の情報130は、数字6桁の暗号キーと暗号化の方式を示す記号Zとで構成した例である。情報の桁数は、通信方式や暗号化、復号化に要する機器の能力及び所要時間を考慮して適切なものを使用する。
【0114】
図17(B)は、他の認証情報の表示例で、バーコード132を用いた例である。一次元バーコードに十分な情報が入りきらない場合は、暗号化用の情報130のみ、あるいはアドレス情報を加えてバーコード化し、残りは記号で表示しても良い。
【0115】
図17(C)は、バーコード132を二次元バーコードとした例で、一次元バーコードに比べてより多くの情報がコード化できるが、表示並びに読取り及び解読の性能は一次元バーコードに比べて高機能が要求される。この場合も記号での情報表示を併用しても良い。
【0116】
図17(D)は、バーコード132を二次元ドットコードとした例で、一次元バーコードに比べてより多くの情報がコード化できるが、表示並びに読取り及び解読の性能は一次元バーコードに比べて高機能が要求される。この場合も記号での情報表示を併用しても良い。
【0117】
図18(A)乃至(C)は、カラー表示画面の例で、表示内容は図17(A)と同様であるが、背景の色を相手先によって区別し易いように使い分ける場合である。識別符号AX01は赤、AX02は黄色、AX03は青色のように、直感的に相手が識別できる色を用いる。
【0118】
図19(A)は、認証情報としてモニタ40に、カラーバー134などを表示した例である。カラーバー134の8本の色の組み合わせで認証情報を表す。例えば、2色の場合、赤を「1」、青を「0」とすれば、8ビットの情報を一画面で表すことが出来る。3色の場合は、赤を「2」、緑を「1」、青を「0」とすれば3値のデジタルコードとなり、8本のバーで、6560までの値を表現できるので、暗号キーの受け渡しに利用できる。更に、記号表示領域136として、相手のアドレス126、認証情報の有効期限128などを表示しても良い。一画面で足りない場合は、複数画面表示により受け渡す情報を増やすことが出来る。
【0119】
また、図19(B)のように、識別用の画像122をカラーバー134の一部に表示しても良い。
【0120】
図20は、モニタ40に、マトリックス表示を行う場合の例である。モニタ40の表示領域を縦5、横8の小領域138に分割し、それぞれの小領域138の白黒、あるいは色により情報を表示する。白と黒の場合は40ビット、カラーの場合は3色であれば3値デジタルコードとして更に多くの情報を表現できる。また、色情報に加えて記号を重ねたり、右下の小領域138Aのように画像122を重ねて表示することも出来る。複数画面の順次表示により情報量を増やすことが出来る。
【0121】
以上の情報表示は、一画面に限らず違う情報の順次表示や動画的な表示でも良い。
【0122】
図21は、認証情報の解析について説明するためのフローチャートを示す図である。これは、図10のステップS204で実行される認証情報の解析処理の具体的なステップに相当する。
【0123】
即ち、撮影された認証情報は、色情報の解析、明るさに関するヒストグラム解析、2値化、エッジの抽出、などの画像処理が施された後(ステップS204A)、取得画像の分析処理が行われる(ステップS204B)。この分析処理は、画像の中にどのような種類の情報が含まれているか、記号等のパターン認識あるいはマッチング、バーコード及び2次元コードのデコード、濃淡あるいは色情報によるデジタル情報の解析等を行うものである。そして、その分析の結果、所定の認証情報の表示ルールに則った情報が含まれているかを判定し(ステップS204C)、ルールに該当する認証情報を抽出する(ステップS204D)。
【0124】
次に、動画による連続解析を説明する。図22は、第1の撮像機器110が動画撮影状態J2で、第2の撮像機器112が順次表示している認証情報を連続して撮影した場合の内蔵メモリ74または着脱メモリ76(以下、単にメモリ140と記す)に記憶された画像群を模式的に示す図である。
【0125】
第2の撮像機器112が認証情報A,B,Cの3枚の画像を順次モニタ40に表示して、第1の撮像機器110が動画で撮影した場合、第1の撮像機器110のメモリ140に記憶される画像情報は、静止画の連続でもある。模式的には、この静止画の連続の中で、認証情報画像142Aが表示される前の画像、例えばメニュー選択画像などの前画像144があり、その後に、認証情報画像142Aが続き、次は画像の切り替わりのブランクあるいは意味無し画像が続き、認証情報画像142Bが続いた後、再びブランクあるいは意味無し画像が続き、認証情報画像142Cが続く。
【0126】
認証情報表示の切り替え時には、ブランクではなく特定の画像、例えば全画面赤色のように容易に判別できる仕切画像を挟んでも良い。認証情報の解析時には、この画像群の内容分析により認証情報を持った画像を判別する。
【0127】
図23は、動画による連続解析の他の方法の説明図である。図22では、動画の全ての画像を解析する場合を説明したが、毎秒30フレームの動画撮影、例えばモーションJPEGで撮影した場合、毎秒30枚の静止画を解析することになり、処理量は膨大になる。そこで、第1の撮像機器110で撮影した動画が静止画の連続であることに着目して、第2の撮像機器112が表示する認証情報の表示切り替えのタイミング及び表示時間を考慮して、認証情報の撮影漏れが無い程度の間隔で画像をサンプリングして、そのサンプリングした画像(サンプリング画像146)を解析することにより、処理する情報量を少なくすることが出来る。
【0128】
図24は、画像の加工について説明するためのフローチャートを示す図である。図12を参照して説明したように、上記ステップS212で第1の撮像機器110が送信先の選択及び送信画像の選択を行った後、上記ステップS214で認証情報の読出しと送信画像の加工を行って、上記ステップS216で加工画像の送信を行うという画像送信手順となっている。上記ステップS214においては、図24に示すように、まず、認証情報の読出しを行った後(ステップS214A)、画像の加工を行う(ステップS214B)。
【0129】
上記ステップS214Bの画像の加工処理としては、加工方法の選択、画像の加工、画像以外の付加情報追加、送信データ作成、などが行われる。
【0130】
加工方法の選択は、撮像機器の仕様によって予め決まった方式、あるいは認証情報の撮影の際に加工方式も併せて取得される場合などがある。
【0131】
加工方法は、認証情報を用いた暗号化、あるいは認証情報で指定されたアルゴリズムに基づく画像データの変換などが用いられる。認証情報を用いた暗号化の例として、認証情報に暗号キーを含ませておき、米国の暗号標準であるDES(Data Encryption Standard)、あるいはAES(Advanced Encryption Standard)等により暗号化を行うことが出来る。また、認証情報で指定されたアルゴリズムに基づく画像データの変換を用いる場合は、各画素の値のMSB(Most Significant Bit)とLSB(Least Significant Bit)を入れ替える、あるいは、画素の値を他の位置の画素の値と乱数表を用いて入れ替える、など簡単な方法でも、送信する画像の重要度が比較的軽い場合は目的を達成することが出来る。どの程度の暗号化、あるいは画像の変換を行うかは、撮像機器のCPUや暗号化回路の性能、使用できるメモリの容量、通信速度などと、盗聴リスクの大小や画像の重要度に応じて決めると良い。
【0132】
付加情報の追加は、画像に関する付加情報、例えば撮影日時や撮影場所など、送信データのエラー訂正情報、画像データの再生が正しく行われたかを検証するためのハッシュ値、などが用いられる。
【0133】
送信データ作成は、上記のようにした加工され付加情報が追加された画像を送信のための所定のフォーマットに整えた送信データとするものである。
【0134】
次に、通信部を説明する。
図25(A)は、図4のブロック図中の電波通信部78の具体例を示す図である。無線LAN方式の一つである、IEEE802.11bを用いる場合、市販の無線LANモジュール、例えば、シャープ株式会社製DC2J1DZ120を使用すると、電波通信部78は、ベースバンドIC78Aと、無線IC78Bとで構成することが出来る。
【0135】
図25(B)は、図4のブロック図中の光通信部82の具体例を示す図である。光通信方式の一つである、IrDAを用いる場合、光通信部82は、IrDAコントローラ82AとIrDAモジュール82Bとで構成される。例えば、市販のモジュールとして、IrDAコントローラ82Aをローム株式会社製BU92004KS、IrDAモジュール82Bをローム株式会社製IrDA赤外線通信モジュールRPM971−H14で構成することが出来、その場合、通信速度は最大で4Mビット/秒までの通信が出来る。
【0136】
次に、認証情報を画像加工のための暗号キーとして用いる場合の処理の流れを説明する。
【0137】
図26は、認証情報を秘密鍵に用いる場合を説明するためのフローチャート示す図である。図10を参照して説明したように、第2の撮像機器112が認証情報を表示し(ステップS200)、第1の撮像機器110が認証情報の撮影を行い(ステップS202)、認証情報の解析(ステップS204)と認証情報取得の確認を行い(ステップS206)、認証情報の表示と記憶を行う(ステップS208)。
【0138】
上記ステップS204の認証情報の解析を更に3ステップに分けると、図26に示すように、撮影した画像の画像処理、濃淡分析、色分析を行うステップ(ステップS204A)、画像に含まれるパターンの分析を行うパターン認識ステップ(ステップS204B)、処理された情報の中に認証情報に該当する情報が含まれているか解析する認証情報マッチングと抽出ステップ(ステップS204C)、などで構成される。
【0139】
また、画像の送信は、図24を参照して説明したように、送信先の選択と送信画像の選択(ステップS212)、認証情報の読出しを行って(ステップS214A)、送信画像の加工を行い(ステップS214B)、加工画像を送信する(ステップS216)。この送信画像の加工(ステップS214B)を、第2の撮像機器112より取得した認証情報に含まれる秘密鍵あるいは認証情報に基づく暗号化のための情報、例えば暗号化方式や暗号キーの算出方法などによって暗号化を実施する。
【0140】
第2の撮像機器112は、第1の撮像機器110より送信された加工画像を受信し、該当する認証情報を確認し(ステップS218)、該当する秘密鍵あるいは暗号キーの算出を行い画像を復号化して再生し(ステップS220)、画像の保存、表示を行う(ステップS222)。
【0141】
図27は、認証情報に公開鍵を用いる場合を説明するためのフローチャートを示す図である。この例では、図26とは反対に、第1の撮像機器110が認証情報を表示し、第2の撮像機器112が画像を送信する場合である。
【0142】
即ち、第1の撮像機器110が秘密鍵と公開鍵のペアを作成し(ステップS224)、作成した公開鍵を含む認証情報を表示する(ステップS226)。
【0143】
第2の撮像機器112は、その第1の撮像機器110が表示した認証情報を撮像し(ステップS228)、認証情報と公開鍵の再生と記憶を行う(ステップS230)。その後、画像を送信する際には、送信先の選択として第1の撮像機器110を選び、送信する画像の選択を行う(ステップS232)。そして、上記記憶した公開鍵を読出し(ステップS234)、その公開鍵で送信する画像を暗号化して(ステップS236)、暗号化結果としての加工画像を送信する(ステップS238)。
【0144】
第1の撮像機器110は、上記加工画像を受信し、公開鍵を確認し(ステップS240)、対応する秘密鍵で受信画像を復号化して再生し(ステップS242)、その再生した画像の保存と表示を行う(ステップS244)。
【0145】
ここで公開鍵を使うメリットは、公開鍵で暗号化された画像を復号化できるのは、ペアの秘密鍵を持っている撮像機器だけであるので、大勢の人からの画像を受信する場合に、秘密鍵を配って行う場合は人数分の秘密鍵を秘密裏に配りかつ管理しなければならない煩雑さがあるが、公開鍵の場合は公開鍵を一つを受け渡しておき、公開鍵で暗号化された画像を秘密に管理してある秘密鍵で復号化すれば良いので、取り扱いが容易であるということである。勿論、公開鍵で暗号化された画像を第三者が傍聴しても秘密鍵を持っていないので復号化することは出来ない。
【0146】
次に、認証情報に、撮像機器が撮像した画像を利用する場合を説明する。
図28(A)は、撮像機器が撮像して、メモリ140に保存してある画像群を模式的に表した図で、メモリ140に画像122A,122B,122C,122D,122E,122Fのように記憶されているとする。図17(A)を例にとると、認証情報としてモニタ40に、画像122、相手の識別符号124、相手のアドレス126、認証情報の有効期限128、暗号化用の情報130などを表示している。上記画像122として撮像機器のメモリ140に保存されている画像122Aを用いて認証情報114の一部とする。この画像122Aには、目視で相手が識別できる顔写真やシンボルマークなどが便利である。例えば、あるパーティでその日の共通の画像を決めて参加者が各自の撮像機器で撮影しておき、画像交換の際の認証情報の一部として用いることにより、参加者であることが直感的に把握できる。あるいは、事前に参加者のみに特定の情報や画像を送信して、参加者は自身の撮像機器のメモリにダウンロードしておき、参加して認証情報として使用することも出来る。図28(B)は、図28(C)の文字情報も含めて画像122Aを表示した例である。
【0147】
次に、上記ステップS200の認証情報の表示での画像の表示において、複数の静止画を認証情報として表示する場合について説明する。
【0148】
モニタ40に、図29に示すように、まず画像122Gを表示し、次に画像122Hを表示し、次に画像122Iを表示する。一例として、画像122Gは撮像機器が撮影した持ち主の画像、画像122Hは認証情報のうちの文字情報、画像122Iはカラーコードを用いたマトリックス画像として横6、縦5の小領域1番(小領域138−1)から小領域30番(小領域138−30)の30分割された表示領域を用いる、あるいはバーコードなどのコード化された情報、のように性質の揃った画像を順次表示しても良い。表示方法としては、一枚を一定時間表示して次の画像を表示する場合、あるいは一枚表示してOKボタンが押されるなど切り替え指示があった場合に次の画像を表示することもできる。前者は取得する側が動画撮影の場合に向いており、後者は静止画撮影の場合に向いている。
【0149】
図30は、動画撮影状態J2で認証情報を取得する場合の説明図である。図29で説明したように、認証情報を複数の静止画で順次表示し、撮像機器で動画として撮影した場合の模式図である。
【0150】
認証情報114A,114B,114Cを撮影した画像がメモリ140に蓄積され、それら認証情報画像142A,142B,142Cが画像切替部分148と共に記録される。認証情報の表示が間をおかずにされる場合は、画像切替部分148は1フレームあるいは2フレーム程度の短いものとなる。
【0151】
次に、認証情報を共有する場合を説明する。
まず、図31(A)に示すように、第2の撮像機器112がモニタ40に表示した認証情報を第1の撮像機器110が撮像する。次に、図31(B)では、第1の撮像機器110が撮像した認証情報をモニタ40に表示し、第2の撮像機器112が撮像する。そして、第2の撮像機器112が撮像した認証情報を自身が表示した認証情報と比較して、同一あるいは許容範囲内であれば、その認証情報を第1の撮像機器110と第2の撮像機器112の共通の認証情報として用いる。
【0152】
これは、合言葉のようなものであり、送信先のアドレスなどはそれぞれ相手のものを用いるが、画像を加工するための情報は共通化しておく場合に便利である。その場限りの、あるいはその日限りの認証情報として使う場合など、また多くの人で共有化して用いる場合に便利である。
【0153】
図32は、第1の撮像機器110が表示する複数の認証情報を、複数(この例では3つ)の第2の撮像機器112(第2の撮像機器112A,112B,112C)が撮像する場合の説明図である。
【0154】
第1の撮像機器110の表示した第2の撮像機器112A用の認証情報を第2の撮像機器112Aが撮像して、次に第1の撮像機器110は第2の撮像機器112B用の認証情報を表示して第2の撮像機器112Bが撮影し、次に第1の撮像機器110は第2の撮像機器112C用の認証情報を表示して第2の撮像機器112Cが撮影する。この後、第2の撮像機器112A,112B,112Cはそれぞれ受信した認証情報を用いて画像を加工して第1の撮像機器110に送信する。
【0155】
このように、撮像機器ごとに異なった認証情報を受け渡しておくことにより、異なった撮像機器から送信されてくる画像情報を容易に識別することが出来る。
【0156】
次に、図32の説明に加えて画像送受信も含めた手順を説明する。
図33(A)に示すように、第1の撮像機器110の表示する認証情報を、第2の撮像機器112A,112B,112Cが順次撮影し、図33(B)に示すように、それぞれ認証情報画像142a、認証情報画像142b、認証情報画像142cをそれぞれで取得しモニタ40に表示するとともに、認証情報を抽出する。次に、この抽出した認証情報を用いて画像を加工し第1の撮像機器110にそれぞれ送信する。
【0157】
図34は、第2の撮像機器112A,112B,112Cが送信する場合のフォーマットの例を示す図である。ヘッダ150A,150B,150C、認証情報152A,152B,152C、送信画像154A.154B,154Cなどで構成される。なお、認証情報152A,152B,152Cは送信側の認証情報であり、第1の撮像機器110が第2の撮像機器112A,112B,112Cからの情報であることを確認するためのものであるが、ヘッダ150A,150B,150Cのみでも良い。
【0158】
図35(A)は、第1の撮像機器110が、第2の撮像機器112A,112B,112Cから受信した画像を再生して表示する場合の表示例を示す図である。モニタ40に、まず第2の撮像機器112Aから受信した受信画像156Aを表示し、次に第2の撮像機器112Bから受信した受信画像156Bを表示し、次に第2の撮像機器112Cから受信した受信画像156Cを表示することが出来る。あるいは、図35(B)に示すように、受信画像156A,156B,156Cをそれぞれ縮小して、縮小画像158A,158B,158Cとして一画面の表示にしても良い。
【0159】
なお、第2の撮像機器112A,112B,112Cの通信先アドレスなどはそれぞれ異なるが、認証情報の一部、例えば暗号キーは同じでも良い。
【0160】
以上、図32乃至図35(B)で説明した方法により、撮影会での生徒たちの作品を先生の第1の撮像機器110に集めて評価したり、パーティ会場で参加者に異なった認証情報を受け渡しておき、会場で撮影された画像を第1の撮像機器110に集める場合などに便利である。
【0161】
図36は、図35(A)及び(B)で説明したような受信画像の表示を、第1の撮像機器110のモニタ40に表示するだけではなく、別の表示機器に表示する例を示す図である。
【0162】
第1の撮像機器110のモニタ40としては数インチの液晶表示が用いられており、大勢で同時に見るには小さい。そこで、第1の撮像機器110で受信した画像を、大型テレビモニタなどの大画面表示装置160に通信手段162で送信して供覧することが出来る。また、中型のモニタを有するパソコンのモニタに通信手段162で送信して、画像164A,164B,164Cとして順次表示することも出来る。パーティの会場などで参加者が撮影した画像を大画面に写して楽しむ場合などに好適である。なお、第1の撮像機器110はデジタルカメラとは限らず、携帯電話など撮像機能と通信機能を有する機器であれば利用できる。
【0163】
次に、第2の撮像機器112が複数の第1の撮像機器110に画像を送信するために、複数の第1の撮像機器110の認証情報を取得して、それぞれに画像を送信する場合を説明する。
【0164】
図37(A)では、第2の撮像機器112は、第1の撮像機器110A,110B,110Cが表示する認証情報を取得する。その後、図37(B)に示すように、取得した認証情報画像142a,142b,142cをモニタ40に表示すると共に、認証情報を抽出して記憶する。そして、それら取得した認証情報を用いて、第1の撮像機器110A,110B,110Cに送信する画像を加工して、図38に示すような送信データフォーマットに従った送信データ166A,166B,166Cを作成して、第1の撮像機器110A,110B,110Cに送信する。
【0165】
図39(A)は、第2の撮像機器112より、第1の撮像機器110A,110B,110Cへの画像送信を、電波により行う場合を模式的に示した図である。図39(B)に示すように、第1の撮像機器110A,110B,110Cは、アンテナ38で受信した受信画像156A,156B,156Cを再生して、それぞれのモニタ40に表示する。
【0166】
図40は、複数の撮像機器の間で認証情報を交換し、画像を交換する場合の説明図である。撮像機器168A,168B,168Cは、第1の撮像機器110及び第2の撮像機器112の何れとしても機能する。即ち、同図に実線矢印で示すように、撮像機器168A,168B,168Cはそれぞれ認証情報を取得する。画像送信の際は、相手の認証情報を用いて画像を加工して送信する。このようにして、複数の撮像機器間で画像の交換が安全に出来る。例えば、複数人で旅行に出かける際に認証情報を交換しておき、相手のカメラで撮った自分の画像を送って貰う場合、自分が撮りそびれた景色の画像を送って貰う場合、自分のカメラより性能の良いカメラで撮影された画像を送って貰う場合、などに便利である。
【0167】
画像の交換は、画像のサイズなどの調整や変換が必要な場合は、認証情報に付帯情報としてカメラ性能等に関する情報も含めておくと便利である。
【0168】
なお、一時的な画像の交換のみを行う場合は、交換する認証情報に有効期限を例えば旅行期間中に限るというように設けておくことが望ましい。
【0169】
図17(A)を例にとると、認証情報の表示画面に、有効期限128が表示されている。図41に示すように、送信先選択と送信画像を選択して(ステップS212)、認証情報を読み出した時に(ステップS214A)、この有効期限を確認し(ステップS246)、期限内の場合のみ、その認証情報を使用して画像を加工し(ステップS214B)、加工画像を送信する(ステップS216)。これに対して、有効期限内でない場合には、モニタ40、あるいはスピーカ64、あるいは発光素子20などに警報を出力する(ステップS248)。
【0170】
次に、送信先の選択を、認証情報を表示して選択する場合について説明する。
即ち、図42に示すように、モニタ40に認証情報152a,152b,152c,…を順次表示して選択する。この場合、認証情報152a,152b,152c,…に送信先の判別が容易な画像や色が含まれていると選択し易い。
【0171】
また、図43に示すように、モニタ40に認証情報152を複数表示して選択するようにしても良い。画像に特徴がある場合、例えば送信先の人の顔写真やシンボルマークなどが表示されていると選び易い。
特に、初対面の人もいるパーティや、写真教室、あるいは旅行などの際は便利である。
【0172】
なお、図1(B)のモニタ40には、液晶表示器が用いられることが多い。液晶表示器の場合、表示のためのバックライトに要する電力は明るくするほど大きくなる傾向にあり、乾電池あるいは充電電池のように限られた電力の電源では、モニタ40の明るさを上げると電池寿命は短くなるという相反する関係にある。一方、認証情報をモニタ40に表示し他の撮像機器がその表示された認証情報を撮像することにより認証情報を受け渡す場合は、モニタ40を出来るだけ明るくして認証情報の撮影を容易に行えるようにしておきたい。
【0173】
そこで、主制御部80は、認証情報以外の画像やメニューの表示を行う際には、表示制御部104により、モニタ40の明るさを所定の明るさとなるように制御させておく。この所定の明るさは、メニューボタン46の操作により上記ステップS126で設定できる。そして、上記ステップS148で認証情報を表示する場合は、表示制御部104により、モニタ40の表示の明るさを明るくするように制御させることにより、認証情報の撮像を容易にすることができる。認証情報の受け渡しは、比較的短時間で済むので、認証情報の表示の際に明るさを上げても、電池の消耗への影響は少なくて済む。
【0174】
以上のように、本発明の一実施形態によれば、撮像機器間で無線により画像を交換する際に、画像情報を加工しておき、そのまま傍受されても加工方法や加工に用いた値などが分からないと再生できないようにすること、また、画像の送受信手段とは別の撮像機器の撮像手段により取得した認証情報を、上記値として用いて画像加工を行うことや、送信先の確認等を行うように構成することにより、操作容易でかつ安全な画像の交換を行うことができる。例えば、加工方法を暗号化とした場合、暗号キーを含む認証情報を撮像機器のモニタに表示し、他の撮像機器が直接撮影することにより認証情報を安心して受け渡すことで、相手先への鍵配送を至近距離で行い、例え汎用性のある画像送受信手段を用いて仮に傍受されていても安全に画像を送信できるようになる。
【0175】
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した一実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0176】
例えば、複数の第2の撮像機器として2つまたは3つの場合を例に説明したが、それ以上であっても構わない。
【0177】
また、送信データフォーマットとして、認証情報をヘッダと送信画像とは別に示したが、認証情報をヘッダの一部としたり、送信画像に埋め込むようにしても良い。
【0178】
(付記)
前記の具体的実施形態から、以下のような構成の発明を抽出することができる。
【0179】
(1) 撮像機器間で無線による画像の送受信を行うことが可能な撮像システムにおける上記撮像機器であって、
上記画像の送受信を行う画像送受信手段と、
上記画像を受信する側の撮像機器が、上記画像を送信する側の撮像機器の認証を行うための認証情報を表示する認証情報表示手段と、
上記画像を受信する側の撮像機器の上記認証情報表示手段で表示された上記認証情報を撮像する撮像手段と、
上記撮像手段で撮像された上記認証情報を用いて、上記画像を受信する側の撮像機器に対して送信する画像の加工を行う加工手段と、
上記画像を送信する側の撮像機器から送信された画像を元の画像に復元する復元手段と、
を具備することを特徴とする撮像機器。
【0180】
(実施形態との対応)
発光素子24及び受光素子26と光通信部82、アンテナ38と電波通信部78が上記画像送受信手段に、第1の撮像機器110、110A〜110C、168A〜168Cが上記画像を受信する側の撮像機器に、第2の撮像機器112、112A〜112C、168A〜168Cが上記画像を送信する側の撮像機器に、モニタ40、発光表示素子54、発光表示器56、表示制御部104が上記認証情報表示手段に、レンズ部14、撮像素子70が上記撮像手段に、情報加工部80Bが上記加工手段に、主制御部80が上復元手段に、それぞれ対応する。
【0181】
(作用効果)
この(1)に記載の撮像機器によれば、画像送受信のための画像送受信手段とは別の認証情報表示手段が表示した認証情報を直接撮像することにより、画像送受信手段が傍受されていても安全に認証情報を取得でき、なおかつ取得した認証情報を用いて上記画像送受信手段により送受信する画像情報を加工して送信することにより、撮像機器間で安全にかつ容易に画像の交換を行うことができる。
【0182】
(2) 上記認証情報表示手段は、上記撮像機器の画像表示手段であることを特徴とする(1)に記載の撮像機器。
【0183】
(実施形態との対応)
モニタ40が上記画像表示手段に対応する。
【0184】
(作用効果)
この(2)に記載の撮像機器によれば、更に、認証情報出力手段として、撮像機器の画像表示手段を用いることにより、画像交換を行う者同士が、対面状態で直接認証情報を目視確認することが出来るので、第三者に盗み見られることなく安全な認証情報の取得が出来る。
【0185】
(3) 上記認証情報表示手段は、上記撮像機器の発光手段であることを特徴とする(1)に記載の撮像機器。
【0186】
(実施形態との対応)
発光表示素子54、発光表示器56が上記発光手段に対応する。
【0187】
(作用効果)
この(3)に記載の撮像機器によれば、認証情報出力手段として、撮像機器の発光手段を用いることにより、光の直進性などの特性を利用して、認証情報を発信する領域を限定することが出来るので、第三者に盗用される恐れをなくして、安全な認証情報の取得が出来る。
【0188】
(4) 上記認証情報表示手段は、上記画像表示手段の表示領域を複数に分割し、上記複数に分割された領域内は同じ色情報を表示することを特徴とする(2)に記載の撮像機器。
【0189】
(実施形態との対応)
図19(A)及び(B)、図20が対応する。
【0190】
(作用効果)
この(4)に記載の撮像機器によれば、認証情報出力手段として、上記画像表示手段の表示領域を複数に分割し、上記複数に分割された領域内は同じ色情報を表示することにより、画像表示手段の性能、あるいは撮像手段の性能が低い機器の場合でも、認証情報として必要な情報量を交換することが出来るので、簡単で安全な認証情報の取得が出来る。
【0191】
(5) 上記認証報は、縞模様のコード化された色情報であることを特徴とする(4)に記載の撮像機器。
【0192】
(実施形態との対応)
図19(A)及び(B)が対応する。
【0193】
(作用効果)
この(5)に記載の撮像機器によれば、上記認証情報として、縞模様のコード化された色情報を用いることにより、解像度の低いあるいは画像歪が大きい機器の場合でも、色情報を利用して判別性能を確保することにより、認証情報として必要な情報量を交換することが出来るので、簡単で安全な認証情報の取得が出来る。
【0194】
(6) 上記認証情報は、マトリックス模様のコード化された色情報であることを特徴とする(4)に記載の撮像機器。
【0195】
(実施形態との対応)
図20が対応する。
【0196】
(作用効果)
この(6)に記載の撮像機器によれば、上記認証情報として、マトリックス模様のコード化された色情報を用いることにより、解像度の低いあるいは画像歪が大きい機器の場合でも、色情報を利用して判別性能を確保することにより、認証情報として十分な情報量を交換することが出来るので、簡単で安全な認証情報の取得が出来る。
【0197】
(7) 上記認証情報は、自身の属性に関する情報を含むことを特徴とする(1)に記載の撮像機器。
【0198】
(実施形態との対応)
図17(A)乃至図19(B)が対応する。
【0199】
この(7)に記載の撮像機器に関する実施形態は、第実施形態が対応する。
【0200】
(作用効果)
この(7)に記載の撮像機器によれば、上記認証情報として、自身の属性に関する情報を含ませることにより、例えば、縮小した顔画像で顔の識別には十分なレベルの画像を用いることにより、誰の認証情報であるか直感的に把握でき、送信されて来た情報の取り扱いが容易に出来、また簡単で安全な認証情報の取得が出来る。
【0201】
(8) 上記認証情報は、自身の無線通信に関する属性情報を含むことを特徴とする(7)に記載の撮像機器。
【0202】
(実施形態との対応)
図17(A)、図17(C)、図18(A)乃至図19(B)が対応する。
【0203】
(作用効果)
この(8)に記載の撮像機器によれば、上記認証情報として、自身の無線通信に関する属性情報を含ませることにより、例えば、受信アドレスや通信設定に関する情報を用いるにより、送信先の設定と送受信手順や条件の設定を自動化あるいは簡単化でき、容易で安全な画像の送信が出来る。
【0204】
(9) 上記認証情報は、当該撮像機器の使用者の個人情報を含むことを特徴とする(7)に記載の撮像機器。
【0205】
(実施形態との対応)
図17(A)、図18(A)乃至(C)、図19(B)、図20が対応する。
【0206】
(作用効果)
この(9)に記載の撮像機器によれば、上記認証情報として、当該撮像機器の使用者の個人情報を含ませることにより、例えば、氏名やニックネームあるいは顔写真などを用いることにより、直感的に相手を識別することが出来るので、容易で安全な画像の送信が出来る。
【0207】
(10) 上記認証情報表示手段は、上記画像表示手段の一部に、上記認証情報を表示した撮像機器が判別できる情報を表示する手段を有することを特徴とする(2)に記載の撮像機器。
【0208】
(実施形態との対応)
識別符号124が上記認証情報を表示した撮像機器が判別できる情報に対応する。
【0209】
(作用効果)
この(10)に記載の撮像機器によれば、上記認証情報表示手段として、上記画像表示手段の一部に認証情報を出力した撮像機器が判別できる情報を表示する手段を設けることにより、視認により直感的に相手を識別することが出来るので、容易で安全な画像の送信が出来る。
【0210】
(11) 上記画像送受信手段は、電波或いは光を用いた通信手段であることを特徴とする(1)に記載の撮像機器。
【0211】
(実施形態との対応)
発光素子24及び受光素子26と光通信部82、アンテナ38と電波通信部78が上記通信手段に対応する。
【0212】
(作用効果)
この(11)に記載の撮像機器によれば、上記画像送受信手段として、電波或いは光を用いた通信手段を用いることにより、本方式を採用する撮像機器の特徴に合わせ画像通信ができる。
【0213】
(12) 上記加工手段は、上記認証情報を暗号キーとして用いることを特徴とする(1)に記載の撮像機器。
【0214】
(実施形態との対応)
図26が対応する。
【0215】
(作用効果)
この(12)に記載の撮像機器によれば、上記加工手段として、上記認証情報を暗号キーとして用いることにより、画像通信路とは別チャネルで暗号化のキーの受け渡しが確実に出来るので、容易で安全な画像の送信が出来る。
【0216】
(13) 上記加工手段は、上記認証情報を公開鍵として用いることを特徴とする(1)に記載の撮像機器。
【0217】
(実施形態との対応)
図27が対応する。
【0218】
(作用効果)
この(13)に記載の撮像機器によれば、上記加工手段として、上記認証情報を公開鍵として用いることにより、暗号キー自身は公然と受け渡しが出来るので、混雑している会場などでも、操作容易でなおかつ安全な認証情報及び画像の送受信が出来る。
【0219】
(14) 上記認証情報は、上記認証情報表示手段に表示するより以前に、当該撮像機器により撮影された画像を含むことを特徴とする(1)に記載の撮像機器。
【0220】
(実施形態との対応)
図28(A)乃至(C)が対応する。
【0221】
(作用効果)
この(14)に記載の撮像機器によれば、上記認証情報として、認証情報表示手段に表示するより以前に当該撮像機器で撮影した画像を含めることにより、例えばそれぞれのカメラがそれぞれ撮ったユニークな画像、あるいはあるグループに属するカメラでは同一の被写体を撮影した画像、を用いることにより、場面に合った認証情報を使用でき、操作容易でなおかつ安全な画像の送受信が出来る。
【0222】
(15) 上記認証情報は、上記認証情報表示手段に表示する際に、連続した複数の静止画として表示されることを特徴とする(1)に記載の撮像機器。
【0223】
(実施形態との対応)
図29が対応する。
【0224】
(作用効果)
この(15)に記載の撮像機器によれば、上記認証情報として、上記認証情報表示手段に表示する際に、連続した複数の静止画として出力することにより、例えば性質の異なった画像群を用いて相手の特定がし易い個人情報と秘匿性の高いランダム情報を組み合わせることが出来る。また、解像度の低い機器でも、複数枚の静止画を用いることにより認証情報として十分な情報量を得ることが出来る。よって、操作容易でなおかつ安全な画像の送受信が出来る。
【0225】
(16) 上記撮像機器は、上記認証情報を撮像する際に、動画撮影状態で撮像することを特徴とする(1)に記載の撮像機器。
【0226】
(実施形態との対応)
図30が対応する。
【0227】
(作用効果)
この(16)に記載の撮像機器によれば、上記撮像機器が上記認証情報を撮像する際に、動画撮影状態で撮像することにより、相手機器が複数の連続した静止画を表示した場合でもその都度シャッタスイッチを押す煩わしさが無く、また、取りこぼしも防げるので、認証情報を確実に取得することが出来る。
【0228】
(17) 上記画像を受信する側の撮像機器である第1の撮像機器が表示した認証情報を、上記画像を送信する側の撮像機器である第2の撮像機器が撮像した後、当該撮像した認証情報を上記第2の撮像機器の認証情報表示手段に表示し、上記第1の撮像機器の撮像手段で撮像して、上記第1の撮像機器が表示した認証情報と撮像した認証情報とが一致した時には、上記第1の撮像機器と上記第2の撮像機器で共有の認証情報として用いることを特徴とする(1)に記載の撮像機器。
【0229】
(実施形態との対応)
図31(A)及び(B)が対応する。
【0230】
(作用効果)
この(17)に記載の撮像機器によれば、第1の撮像機器が出力した認証情報を、第2の撮像機器が撮像した後、第2の撮像機器の認証情報出力手段に出力し、第1の撮像機器の撮像手段で撮像して確認することにより、両者間の認証情報の受け渡しが確実に出来たかどうかを検証することが出来る。また、一致した認証情報を両者の共有の認証情報として使用することが出来る。よって、操作容易でなおかつ安全な画像の送受信が出来る。
【0231】
(18) 上記画像を受信する側の撮像機器である第1の撮像機器は、上記認証情報を複数有し、上記画像を送信する側の撮像機器である第2の少なくとも2台の撮像機器に対して異なった認証情報を表示することを特徴とする(1)に記載の撮像機器。
【0232】
(実施形態との対応)
図32が対応する。
【0233】
(作用効果)
この(18)に記載の撮像機器によれば、第1の撮像機器が認証情報を複数用意して、第2の撮像機器の少なくとも2台に対して異なった認証情報を出力することにより、複数の相手機器に対して認証情報を使い分けることが出来るので、相手の識別が容易でかつ安全な画像の送受信が出来る。
【0234】
(19) 上記第2の撮像機器は、上記第1の撮像機器より取得した認証情報を用いて画像を加工したのち上記第1の撮像機器に画像を送信し、
上記第1の撮像機器は上記複数の第2の撮像機器より受信した画像を画像表示手段に表示することを特徴とする(18)に記載の撮像機器。
【0235】
(実施形態との対応)
図33(A)乃至図35(B)が対応する。
【0236】
(作用効果)
この(19)に記載の撮像機器によれば、上記第2の撮像機器は、上記第1の撮像機器より取得した認証情報を用いて画像を加工したのち上記第1の撮像機器に画像を送信し、上記第1の撮像機器は上記複数の第2の撮像機器より受信した画像を画像表示手段に表示することにより、複数の相手機器より送られてくる画像の識別が容易でかつ安全な画像の取得が出来る。
【0237】
(20) 上記第1の撮像機器は、上記複数の第2の撮像機器より受信した画像を、上記第1の撮像機器の画像表示手段とは別の表示手段に表示することを特徴とする(18)に記載の撮像機器。
【0238】
(実施形態との対応)
大画面表示装置160が上記別の表示手段に対応する。
【0239】
(作用効果)
この(20)に記載の撮像機器によれば、上記第1の撮像機器は、上記複数の第2の撮像機器より受信した画像を、上記第1の撮像機器の画像表示手段とは別の表示手段に表示することにより、撮像機器の限られた表示機能の制約を受けることなく、集めた画像を大画面に表示するなどにより共に楽しむことが出来る。
【0240】
(21) 上記画像を送信する側の撮像機器である第2の撮像機器は、上記画像を受信する側の撮像機器である第1の少なくとも2台以上の撮像機器が表示する認証情報を撮像して記憶する手段を更に具備することを特徴とする(1)に記載の撮像機器。
【0241】
(実施形態との対応)
図37(A)及び(B)が対応する。レンズ部14、撮像素子70、撮像処理回路72、主制御部80、内蔵メモリ74、等が上記認証情報を撮像して記憶する手段に対応する。
【0242】
(作用効果)
この(21)に記載の撮像機器によれば、上記第2の撮像機器は、上記第1の少なくとも2台以上の撮像機器が表示する認証情報を撮像して記憶する手段を具備することにより、例えば撮影教室において先生が生徒に手本画像を配信する場合に、個別の生徒への画像送信や生徒全員への同報送信などを簡単にかつ安全に行うことが出来る。
【0243】
(22) 上記第2の撮像機器は、上記第1の少なくとも2台以上の撮像機器が表示した認証情報を取得し、上記取得した認証情報を用いて画像を加工して上記第1の撮像機器に送信することを特徴とする(21)に記載の撮像機器。
【0244】
(実施形態との対応)
図38が対応する。
【0245】
(作用効果)
この(22)に記載の撮像機器によれば、上記第2の撮像機器は、上記第1の少なくとも2台以上の撮像機器が出力した認証情報を取得し、上記取得した認証情報を用いて画像を加工して上記第1の撮像機器に送信することにより、個別の生徒への画像送信や生徒全員への同報送信などを安全に行うことが出来る。
【0246】
(23) 少なくとも3台以上の撮像機器間で、上記認証情報を交換したのち、取得した認証情報を用いて画像の加工を行うことを特徴とする(1)に記載の撮像機器。
【0247】
(実施形態との対応)
図40が対応する。撮像機器168A〜168Cが上記少なくとも3台以上の撮像機器に対応する。
【0248】
(作用効果)
この(23)に記載の撮像機器によれば、少なくとも3台以上の撮像機器間で、上記認証情報を交換し、取得した認証情報を用いて画像の加工を行って画像の交換を行うことにより、同窓会のようにその場限りで別れてしまう友人たちとお互いに撮影した画像を簡単かつ安全に交換でき、後日交換する場合の煩わしさがない。
【0249】
(24) 上記認証情報は、有効期限を持ち、期限が過ぎると無効とすることを特徴とする(1)に記載の撮像機器。
【0250】
(実施形態との対応)
図17(A)、図17(C)、図18(A)乃至図19(B)、図41が対応する。
【0251】
(作用効果)
この(24)に記載の撮像機器によれば、上記認証情報は、有効期限を持ち、期限が過ぎると無効とすることにより、認証情報を発信した人が意図した範囲を超えた認証情報の使用を防止できる。
【0252】
(25) 相手機器から取得した認証情報を自身のモニタに表示して、指定することにより相手機器に画像を送信できることを特徴とする(1)、(19)、(22)、又は(23)に記載の撮像機器。
【0253】
(実施形態との対応)
図42及び図43が対応する。モニタ40が上記モニタに対応する。
【0254】
(作用効果)
この(25)に記載の撮像機器によれば、相手機器から取得した認証情報を自身のモニタに表示して指定することで相手機器に画像を送信できることにより、送信相手の確認と送信手順の簡略化が出来るので、容易でかつ安全な画像の送受信が出来る。
【0255】
(26) 上記相手機器から取得した認証情報を自身のモニタに複数表示して選択することで相手機器に画像を送信できることを特徴とする(25)に記載の撮像機器。
【0256】
(実施形態との対応)
図43が対応する。
【0257】
(作用効果)
この(26)に記載の撮像機器によれば、相手機器から取得した認証情報を自身のモニタに複数表示して選択することで相手機器に画像を送信できることにより、送信相手の確認と送信手順の簡略化が出来るので、容易でかつ安全な画像の送受信が出来る。
【0258】
(27) 上記画像表示手段は、認証情報出力時には出力を上げることを特徴とする(2)に記載の撮像機器。
【0259】
(実施形態との対応)
図4、図6B、図6Cが対応する。
【0260】
(作用効果)
この(27)に記載の撮像機器によれば、上記画像表示手段は、上記認証情報の表示時には出力を上げることにより、モニタ撮影時の周囲の明るさによる反射などの影響を軽減できるので、より確実な認証情報の取得が出来る。
【0261】
(28) 撮像機器間で無線による画像の送受信を行うことが可能な撮像システムにおける上記撮像機器のための認証方法であって、
上記画像を受信する側の撮像機器が上記画像を送信する側の撮像機器の認証を行うための認証情報を表示するステップと、
上記画像を受信する側の撮像機器で表示された上記認証情報を、上記画像を送信する側の撮像機器で撮像するステップと、
上記撮像された上記認証情報を用いて、上記画像を送信する側の撮像機器が、上記画像を受信する側の撮像機器に対して送信する画像の加工を行うステップと、
上記画像を送信する側の撮像機器から送信された画像を、上記画像を受信する側の撮像機器で元の画像に復元するステップと、
を具備することを特徴とする認証方法。
【0262】
(実施形態との対応)
図11、図12が対応する。
【0263】
(作用効果)
この(28)に記載の撮像機器によれば、画像を受信する側の撮像機器が表示した認証情報を画像を送信する側の撮像機器が直接撮像することにより、無線による画像の送受信が傍受されていても安全に認証情報を取得でき、なおかつ取得した認証情報を用いて上記無線により送受信する画像情報を加工して送信することにより、撮像機器間で安全にかつ容易に画像の交換を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0264】
【図1】本発明の一実施形態に係る撮像機器の一例としてのデジタルカメラの外観構成を示す図である。
【図2】撮像機器の別の例としてのデジタルムービカメラの外観構成を示す斜視図である。
【図3】認証スイッチの機能を説明する図である。
【図4】図1のデジタルカメラの電気的な構成を示すブロック図である。
【図5】カメラ本体に設けられたスイッチ及びボタンの動作対応表を示す図である。
【図6A】撮像機器における状態遷移とプロセスを説明するための一連のフローチャートの第1の部分を示す図である。
【図6B】撮像機器における状態遷移とプロセスを説明するための一連のフローチャートの第2の部分を示す図である。
【図6C】撮像機器における状態遷移とプロセスを説明するための一連のフローチャートの第3の部分を示す図である。
【図7】撮像機器よりの画像送信について説明するためのフローチャートを示す図である。
【図8】認証情報の作成メニュー処理を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図9】認証情報の表示メニュー処理について説明するためのフローチャートを示す図である。
【図10】第1の撮像機器が画像を送信する相手の第2の撮像機器から認証情報を取得する手順を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図11】第2の撮像機器がモニタに表示した認証情報を第1の撮像機器が撮影する場合の状態を説明するための図である。
【図12】撮像機器間での画像の送受信手順を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図13】第1の撮像機器と第2の撮像機器との間での画像の送受信の状態を示す図である。
【図14】発光表示素子の実装例を示す図である。
【図15】発光表示器の実装例とその表示例を示す図である。
【図16】発光表示器の他の実装例とその表示例を示す図である。
【図17】モニタへの認証情報の表示例を示す図である。
【図18】カラー表示の場合のモニタへの認証情報の表示例を示す図である。
【図19】カラー表示の場合のモニタへの認証情報の他の表示例を示す図である。
【図20】カラー表示の場合のモニタへの認証情報の更に別の表示例を示す図である。
【図21】認証情報の解析について説明するためのフローチャートを示す図である。
【図22】動画による連続解析の方法を説明するための、第1の撮像機器のメモリの記憶状態を模式的に示す図である。
【図23】動画による連続解析の他の方法を説明するための、第1の撮像機器のメモリの記憶状態を模式的に示す図である。
【図24】画像の加工について説明するためのフローチャートを示す図である。
【図25】電波通信部及び光通信部の具体例を示す図である。
【図26】認証情報を秘密鍵に用いる場合を説明するためのフローチャート示す図である。
【図27】認証情報に公開鍵を用いる場合を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図28】認証情報に、撮像機器が撮像した画像を利用する場合を説明するための図である。
【図29】複数の静止画を認証情報として表示する場合を説明するための図である。
【図30】動画撮影状態で認証情報を取得する場合の説明図である。
【図31】認証情報を共有する場合の認証情報の撮像状態を示す図である。
【図32】第1の撮像機器が表示する複数の認証情報を、複数の第2の撮像機器が撮像する場合を説明するための図である。
【図33】複数の第2の撮像機器での認証情報の撮影とそれぞれの認証情報の表示を説明するための図である。
【図34】第2の撮像機器が送信する場合のフォーマットの例を示す図である。
【図35】第1の撮像機器が第2の撮像機器から受信した画像を再生して表示する場合の表示例を示す図である。
【図36】受信画像の他の表示機器への表示を説明するための図である。
【図37】複数の第1の撮像機器の認証情報の取得状態と、それにより取得した認証情報とを示す図である。
【図38】第1の撮像機器への送信データフォーマットの例を示す図である。
【図39】電波を用いた複数の第1の撮像機器への画像送信状態と、受信画像とを示す図である。
【図40】複数の撮像機器の間で認証情報を交換し、画像を交換する場合を説明するための図である。
【図41】認証情報に有効期限を含めた場合を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図42】複数の認証情報を表示して送信先を選択する場合の表示例を示す図である。
【図43】複数の認証情報を表示して送信先を選択する場合の他の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0265】
10…デジタルカメラ、 12…カメラ本体、 14…レンズ部、 16…フラッシュ、 18,26…受光素子、 20,24…発光素子、 22…マイクロフォン、 28…シャッタスイッチ、 30…パワースイッチ、 32…パワーランプ、 34…セレクトスイッチ、 36…認証スイッチ、 36A…操作部、 36B…普通位置、 36C…認証位置、 38…アンテナ、 40…モニタ、 42…十字スイッチ、 44…OKボタン、 46…メニューボタン、 48…ズームスイッチ、 50…消去ボタン、 52…プリントボタン、 54…発光表示素子、 56…発光表示器、 58…情報ボタン、 60…保護ボタン、 62…回転ボタン、 64…スピーカ、 66…デジタルムービカメラ、 68…電源モードスイッチ、 70…撮像素子、 72…撮像処理回路、 74…内蔵メモリ、 76…着脱メモリ、 78…電波通信部、 78A…ベースバンドIC、 78B…無線IC、 80…主制御部、 80A…認証情報記憶部、 80B…情報加工部、 82…光通信部、 82A…IrDAコントローラ、 82B…IrDAモジュール、 84…ズーム制御部、 86…露光制御部、 88…測距制御部、 90…画像処理回路、 92…暗号化・復号化回路、 94…音声処理部、 96…外部インターフェイス、 98…バス、 100…発光部、 102…受光部、 104…表示制御部、 106…電源回路、 108…電池、 110,110A,110B,110C…第1の撮像機器、 112,112A,112B,112C…第2の撮像機器、 114,114A,114B,152,152A,152B,152C,152a,152b,152c…認証情報、 116…電波、 118…光線、 120…LED、 122,122A,122B,122C,122D,122E,122F,122G,122H,122I,164A,164B,164C…画像、 126…アドレス、 128…有効期限、 130…暗号化用の情報、 132…バーコード、 134…カラーバー、 136…記号表示領域、 138,138−1,138−30,138A…小領域、 140…メモリ、 142A,142B,142C…認証情報画像、 144…前画像、 146…サンプリング画像、 148…画像切替部分、 150A,150B,150C…ヘッダ、 154A,154B,154C…送信画像、 156A,156B,156C…受信画像、 158A,158B,158C…縮小画像、 160…大画面表示装置、 162…通信手段、 166A,166B,166B…送信データ、 168A,168B,168C…撮像機器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像機器間で無線による画像の送受信を行うことが可能な撮像システムにおける上記撮像機器であって、
上記画像の送受信を行う画像送受信手段と、
上記画像を受信する側の撮像機器が上記画像を送信する側の撮像機器の認証を行うための認証情報を表示する認証情報表示手段と、
上記画像を受信する側の撮像機器の上記認証情報表示手段で表示された上記認証情報を撮像する撮像手段と、
上記撮像手段で撮像された上記認証情報を用いて、上記画像を受信する側の撮像機器に対して送信する画像の加工を行う加工手段と、
上記画像を送信する側の撮像機器から送信された画像を元の画像に復元する復元手段と、
を具備することを特徴とする撮像機器。
【請求項2】
上記認証情報表示手段は、上記撮像機器の画像表示手段であることを特徴とする請求項1に記載の撮像機器。
【請求項3】
上記認証情報表示手段は、上記撮像機器の発光手段であることを特徴とする請求項1に記載の撮像機器。
【請求項4】
上記認証情報表示手段は、上記画像表示手段の表示領域を複数に分割し、上記複数に分割された領域内は同じ色情報を表示することを特徴とする請求項2に記載の撮像機器。
【請求項5】
上記認証情報は、縞模様のコード化された色情報であることを特徴とする請求項4に記載の撮像機器。
【請求項6】
上記認証情報は、マトリックス模様のコード化された色情報であることを特徴とする請求項4に記載の撮像機器。
【請求項7】
上記認証情報は、自身の属性に関する情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の撮像機器。
【請求項8】
上記認証情報は、自身の無線通信に関する属性情報を含むことを特徴とする請求項7に記載の撮像機器。
【請求項9】
上記認証情報は、当該撮像機器の使用者の個人情報を含むことを特徴とする請求項7に記載の撮像機器。
【請求項10】
上記認証情報表示手段は、上記画像表示手段の一部に、上記認証情報を表示した撮像機器が判別できる情報を表示する手段を有することを特徴とする請求項2に記載の撮像機器。
【請求項11】
上記画像送受信手段は、電波或いは光を用いた通信手段であることを特徴とする請求項1に記載の撮像機器。
【請求項12】
上記加工手段は、上記認証情報を暗号キーとして用いることを特徴とする請求項1に記載の撮像機器。
【請求項13】
上記加工手段は、上記認証情報を公開鍵として用いることを特徴とする請求項1に記載の撮像機器。
【請求項14】
上記認証情報は、上記認証情報表示手段に表示するより以前に、当該撮像機器により撮影された画像を含むことを特徴とする請求項1に記載の撮像機器。
【請求項15】
上記認証情報は、上記認証情報表示手段に表示する際に、連続した複数の静止画として表示されることを特徴とする請求項1に記載の撮像機器。
【請求項16】
上記撮像機器は、上記認証情報を撮像する際に、動画撮影状態で撮像することを特徴とする請求項1に記載の撮像機器。
【請求項17】
上記画像を受信する側の撮像機器である第1の撮像機器が表示した認証情報を、上記画像を送信する側の撮像機器である第2の撮像機器が撮像した後、当該撮像した認証情報を上記第2の撮像機器の認証情報表示手段に表示し、上記第1の撮像機器の撮像手段で撮像して、上記第1の撮像機器が表示した認証情報と撮像した認証情報とが一致した時には、上記第1の撮像機器と上記第2の撮像機器で共有の認証情報として用いることを特徴とする請求項1に記載の撮像機器。
【請求項18】
上記画像を受信する側の撮像機器である第1の撮像機器は、上記認証情報を複数有し、上記画像を送信する側の撮像機器である第2の少なくとも2台の撮像機器に対して異なった認証情報を表示することを特徴とする請求項1に記載の撮像機器。
【請求項19】
上記第2の撮像機器は、上記第1の撮像機器より取得した認証情報を用いて画像を加工したのち上記第1の撮像機器に画像を送信し、
上記第1の撮像機器は上記複数の第2の撮像機器より受信した画像を画像表示手段に表示することを特徴とする請求項18に記載の撮像機器。
【請求項20】
上記第1の撮像機器は、上記複数の第2の撮像機器より受信した画像を、上記第1の撮像機器の画像表示手段とは別の表示手段に表示することを特徴とする請求項18に記載の撮像機器。
【請求項21】
上記画像を送信する側の撮像機器である第2の撮像機器は、上記画像を受信する側の撮像機器である第1の少なくとも2台以上の撮像機器が表示する認証情報を撮像して記憶する手段を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の撮像機器。
【請求項22】
上記第2の撮像機器は、上記第1の少なくとも2台以上の撮像機器が表示した認証情報を取得し、上記取得した認証情報を用いて画像を加工して上記第1の撮像機器に送信することを特徴とする請求項21に記載の撮像機器。
【請求項23】
少なくとも3台以上の撮像機器間で、上記認証情報を交換したのち、取得した認証情報を用いて画像の加工を行うことを特徴とする請求項1に記載の撮像機器。
【請求項24】
上記認証情報は、有効期限を持ち、期限が過ぎると無効とすることを特徴とする請求項1に記載の撮像機器。
【請求項25】
相手機器から取得した認証情報を自身のモニタに表示して、指定することにより相手機器に画像を送信できることを特徴とする請求項1、19、22、又は23に記載の撮像機器。
【請求項26】
上記相手機器から取得した認証情報を自身のモニタに複数表示して選択することで相手機器に画像を送信できることを特徴とする請求項25に記載の撮像機器。
【請求項27】
上記画像表示手段は、上記認証情報の表示時には出力を上げることを特徴とする請求項2に記載の撮像機器。
【請求項28】
撮像機器間で無線による画像の送受信を行うことが可能な撮像システムにおける上記撮像機器のための認証方法であって、
上記画像を受信する側の撮像機器が上記画像を送信する側の撮像機器の認証を行うための認証情報を表示するステップと、
上記画像を受信する側の撮像機器で表示された上記認証情報を、上記画像を送信する側の撮像機器で撮像するステップと、
上記撮像された上記認証情報を用いて、上記画像を送信する側の撮像機器が、上記画像を受信する側の撮像機器に対して送信する画像の加工を行うステップと、
上記画像を送信する側の撮像機器から送信された画像を、上記画像を受信する側の撮像機器で元の画像に復元するステップと、
を具備することを特徴とする認証方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【公開番号】特開2008−269486(P2008−269486A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−114425(P2007−114425)
【出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】