説明

撮像装置および撮像方法ならびにプログラム

【課題】撮影を開始してから次の撮影が可能となるまでの期間を短縮することが可能な、カメラを内蔵する携帯端末を提供する。
【解決手段】携帯端末に内蔵された撮像装置10は、カメラ12、カメラ12によって撮像された画像をエンコードする制御部11、ディスプレイ13、および鳴動部14、発光部15を備え、カメラ12の再起動と制御部11によるエンコードとを並列に処理するように構成される。また、ディスプレイ部13には、エンコード画像を表示するとともにカメラ12および制御部11における処理の状況を表示する。鳴動部14は、撮像の際にシャッター音を鳴動し、カメラ12の使用を周囲に知らせ、盗撮を防止する。発光部15は、撮像の際に発光し、カメラ12の使用を周囲に知らせ、盗撮を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置および撮像方法ならびにプログラムに関し、特に、携帯電話その他の携帯端末における撮像装置および撮像方法ならびにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯端末(例えば、携帯電話)に設けられた撮像装置について図面を参照して説明する。図3は、従来の撮像装置の構成を示すブロック図である。図3を参照すると、撮像装置110は、制御部111、カメラ112、ディスプレイ113、鳴動部114、および発光部115を備える。
【0003】
図4は、撮像装置110の動作を示すフローチャートである。図4を参照すると、携帯端末に設けられた撮像装置110においては、撮影開始後、鳴動部114はシャッター音を鳴動し、ディスプレイ113は、ユーザに対する撮影中である旨の表示を行い、発光部115は発光する(ステップS31)。その後、制御部111は、カメラ112へ撮影画像取得要求を行い(ステップS32)、画像取得が完了するまでポーリングを実施する(ステップS33)。
【0004】
次に、制御部111は、取得した画像をエンコードし(ステップS34)、エンコードの完了までポーリングを行う(ステップS35)。制御部111は、エンコードが完了した画像をディスプレイ113に撮影画像として表示させる(ステップS36)。その後、制御部111は、カメラ112を初期化するため、カメラ112を再起動し(ステップS37)、再起動の完了後(ステップS38のYes)、撮像装置110は次の画像を撮影することができる状態となる。
【0005】
特許文献1において、複数ある不揮発性メモリに、バッファに蓄積されている画像を含むデータから、それぞれ異なる画像を含むデータを同時に記録することで、見かけ上一つの不揮発性メモリだけに記録させていたとき以上の速さで不揮発性メモリに記録し、次の撮影への待ち時間の短縮を実現する撮影装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−174252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以下の分析は、本発明者によってなされたものである。上記の撮像装置110のカメラ112による撮影処理においては、撮影画像の取得、シャッター音の鳴動、発光部の発光、撮影画像のエンコード、カメラ112の再起動を含む一連の処理が順番に(逐次的に)実施されており、撮影の開始から次の撮影が可能となるまでに長い期間を要していた。したがって、撮像装置110を備える携帯電話のカメラによって連写を行うことは困難であった。
【0008】
そこで、カメラを有する携帯端末において、撮影を開始してから次の撮影が可能となるまでの期間を短縮することが課題となる。本発明の目的は、かかる課題を解決する撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の視点に係る撮像装置は、
カメラと、
前記カメラによって撮像された画像をエンコードしてエンコード画像とする制御部と、を備え、
前記カメラの再起動と前記制御部によるエンコードとを並列に処理するように構成される。
【0010】
本発明の第2の視点に係る撮像方法は、
携帯端末のカメラによって撮像された画像をエンコードする工程と、
前記カメラを再起動する工程と、を並列に行う。
【0011】
本発明の第3の視点に係るプログラムは、
携帯端末のカメラによって撮像された画像をエンコード化する処理と、
前記カメラを再起動する処理と、を前記携帯端末に設けたコンピュータに並列に処理させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の撮像装置、撮像方法およびプログラムによると、カメラを有する携帯端末において、撮影を開始してから次の撮影が可能となるまでの期間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例に係る撮像装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】従来の撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図4】従来の撮像装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態に係る撮像装置について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。
【0015】
図1を参照すると、撮像装置10は、カメラ12、及び制御部11を備える。制御部11は、カメラ12によって撮像された画像をエンコードしてエンコード画像とする。撮像装置10は、カメラ12の再起動と制御部11によるエンコードとを並列に処理するように構成される。これによって、カメラ12による撮像と次の撮像との期間を短縮することができる。
【0016】
また、制御部11は、エンコード画像を圧縮するようにしてもよい。画像データの容量を削減することができるからである。
【0017】
撮像装置10は、さらにディスプレイ13を備えることが好ましい。ディスプレイ13は、エンコード画像を表示する。これにより、撮像装置10の利用者の利便性を向上させることができる。
【0018】
ディスプレイ13は、カメラ12及び制御部11における処理の状況を表示することが好ましい。これにより、撮像装置10の利用者の利便性をさらに向上させることができる。
【0019】
撮像装置10は、さらに、鳴動部14を備えることが好ましい。鳴動部14は、カメラ12による撮像の際に鳴動する。また、鳴動部14は、シャッター音を鳴動するようにしてもよい。撮像装置10の周囲の者に対して、カメラ12が使用されたことを鳴動により知らせて、盗撮を防止することができるからである。
【0020】
撮像装置10は、さらに発光部15を備えることが好ましい。発光部15は、カメラ12による撮像の際に発光する。発光部15はLEDを備えるようにしてもよい。撮像装置10の周囲の者に対して、カメラ12が使用されたことを発光により知らせて、盗撮を防止することができるからである。
【0021】
また、携帯端末において、上記の撮像装置10を備えることが好ましい。また、携帯端末は、さらに電話の機能を備えることが好ましい。このとき、携帯端末(例えば、携帯電話)に設けたカメラによる撮影と撮影との間隔を短縮することができる。
【実施例1】
【0022】
(構成)
図1は、本発明の一実施例に係る撮像装置について図面を参照して説明する。図1は、本実施例に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。図1を参照すると、撮像装置10は、制御部11、カメラ12、ディスプレイ13、鳴動部14、および発光部15を備える。
【0023】
制御部11は、カメラ12、鳴動部14、発光部15、ディスプレイ13の制御を行う。また、制御部11は、カメラ12から取得した画像を、ディスプレイ13への表示データとして処理するとともに、エンコード処理を実施して、例えばJPEG等の保存用のデータへ変換する。
【0024】
カメラ12は、周囲の画像を取得し、制御部11へ画像データを転送する。
【0025】
ディスプレイ13は、携帯電話の状態をユーザへ表示するとともに、撮影中またはエンコード中であることをMMI(Man−Machine Interface)としてユーザへ表示する。また、ディスプレイ13は、撮影中の画像または撮影された画像を確認するために、これらの画像を表示する。
【0026】
鳴動部14は、シャッター音鳴動を行う。鳴動部14は、特に、撮影時においてシャッター音の鳴動を行う。
【0027】
発光部15は、撮影時に撮影中であることを周囲に通知し、盗撮を防止するために発光を行う。発光部15は、一例として、LEDであってもよい。
【0028】
(動作)
次に、本実施例に係る撮像装置10の動作を、図面を参照して説明する。図2は、本実施例の撮像装置の動作を示すフローチャートである。
【0029】
本実施例に係る撮像装置においては、カメラ12に撮影画像取得要求を行い(ステップS11)、撮影画像取得完了のポーリングの前に、鳴動部14はシャッター音を鳴動し、ディスプレイ13は撮影中のユーザ表示を行い、発光部15は発行し(ステップS12)、その後、撮影画像取得完了のポーリングを行う(ステップS13)。
【0030】
画像取得の完了後、カメラ12の再起動を開始し(ステップS14)、再起動の完了のポーリングを開始する前に、制御部11はエンコードを実施する(ステップS15、S16)。ディスプレイ13は撮影画像を表示する(ステップS17)。次に、カメラ12の再起動完了のポーリングを実施し(ステップS18)、再起動の完了後(ステップS18のYes)、撮像装置10は、次の画像を撮影することができる状態となる。
【0031】
(効果)
このように、撮影画像の取得要求から取得完了処理の間にシャッター音鳴動、ディスプレイへの撮影中表示処理、発光部の点灯処理を実施し、画像取得完了後にカメラの再起動を開始し、再起動処理までの間に撮影画像のエンコード処理、ディスプレイへの撮影画像表示を行うことにより、一連の処理が並列に実行され、次の撮影が可能となるまでの時間を短縮することができる。
【実施例2】
【0032】
本発明の第2の実施例について、説明する。本実施例は、上記の第1の実施例において並列に実行される処理の起動の順序を変更したものである。
【0033】
例えば、制御部11によるエンコードに要する時間がカメラ12の再起動に要する時間よりも長い場合には、カメラ12からの画像取得後、制御部11による画像のエンコードを先に開始し、その後、カメラ12の再起動を開始するようにしてもよい。
【0034】
以上の記載は実施例に基づいて行ったが、本発明は、上記実施例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0035】
10、110 撮像装置
11、111 制御部
12、112 カメラ
13、113 ディスプレイ
14、114 鳴動部
15、115 発光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラと、
前記カメラによって撮像された画像をエンコードしてエンコード画像とする制御部と、を備え、
前記カメラの再起動と前記制御部によるエンコードとを並列に処理するように構成されたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記エンコード画像を圧縮することを特徴とする、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記エンコード画像を表示するディスプレイをさらに備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記ディスプレイは、前記カメラ及び前記制御部における処理の状況を表示することを特徴とする、請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記カメラによる撮像の際に鳴動する鳴動部をさらに備えることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記鳴動部は、シャッター音を鳴動することを特徴とする、請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記カメラによる撮像の際に発光する発光部をさらに備えることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記発光部はLEDを備えることを特徴とする、請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の撮像装置を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項10】
前記携帯端末は、さらに通話の機能を備えることを特徴とする、請求項9に記載の携帯端末。
【請求項11】
携帯端末のカメラによって撮像された画像をエンコードする工程と、
前記カメラを再起動する工程と、を並列に行うことを特徴とする撮像方法。
【請求項12】
携帯端末のカメラによって撮像された画像をエンコード化する処理と、
前記カメラを再起動する処理と、を前記携帯端末に設けたコンピュータに並列に処理させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−183428(P2010−183428A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−26188(P2009−26188)
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】