説明

撮像装置および撮像装置の制御方法

【課題】動画像の撮像時に、被写体の輝度変化に伴う露出変化を抑制する。
【解決手段】被写体の輝度が変化すると、絞り値およびシャッタ速度が変更される。シャッタ速度は、電子シャッタの場合、直ちに変更される。一方、絞り値は、レンズとカメラボディ間の通信の遅延や、メカ的な遅延により数フレームに亘り駆動される。絞り駆動期間中は、絞り値がプログラム線図に従わないため、露出が適切にならず、画質が低下する。プログラム線図に従い適切に露光されたフレームと、絞り駆動期間中の、プログラム線図から外れ不適切な露光がなされたフレームについて、所定領域の輝度値の比から、補正係数Bを算出する。そして、不適切な露光がなされたフレームの画像信号に対して、補正係数Bを用いてゲイン補正を行い、不適切な露光による画質劣化が抑制された出力画像信号を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画像を撮像可能な撮像装置および撮像装置の制御方法に関し、特には、撮像画像に基づき絞り駆動を行い露光を自動制御する撮像装置および撮像装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、レンズ交換式で一眼レフタイプのデジタルカメラにおいて動画像を撮像可能とし、ライブビュー機能を実現している。一眼レフタイプのデジタルカメラ用の交換レンズには、絞り駆動を、交換レンズ内に絞り可変手段を設けて行う第1のタイプと、カメラボディから機械的な伝達機構を介して行う第2のタイプとがある。第1のタイプの交換レンズは、細かい段数で絞りが駆動可能とされ、露出条件の滑らかな変化が実現されている。第2のタイプの交換レンズは、絞りを滑らかに駆動制御することが難しい。
【0003】
第2のタイプの交換レンズにおけるこの問題を解決するために、特許文献1には、駆動する絞り値の段数に制限を与えて同一の絞り値においてシャッタ速度制御を行い、絞り駆動の発生を抑制するようにした技術が提案されている。この特許文献1によれば、第2のタイプの交換レンズを用いた場合の露出条件を、第1のタイプの交換レンズに近い使用感で、被写体の明るさの変化に対して滑らかに変化させることが可能となる。
【0004】
【特許文献1】特開2002−290828号公報
【0005】
一方、近年では、上述のレンズ交換式で一眼レフタイプのデジタルカメラに対し、従来からのCCDに代わり、CMOSイメージセンサを撮像素子として用いる例が増えてきている。なお、CMOSは、Complementary Metal-Oxide Semiconductorの略称である。このCMOSイメージセンサは、CCDに比べ、消費電力が小さい、駆動電圧が低い、電荷読み出しの高速化が可能などの利点を有している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、周知のように、カメラの自動露光制御は、レンズの絞り値、シャッタ速度およびEV値の関係を示すプログラム線図に従い行われる。あるEV値の被写体に対して、プログラム線図に従い、当該EV値に適合するように絞り駆動およびシャッタ速度の制御を行うことで、適切な露光が行われる。
【0007】
一方、絞り駆動に係る絞り駆動期間は、カメラボディとレンズ間の通信の遅延や、絞り駆動自体のメカ的な遅延が発生するため、動画像の複数フレーム分に亘ることがある。シャッタ速度制御は、カメラボディ側において、撮像素子に対する電荷の蓄積時間を制御することで電子的に行うことが可能である。この場合、シャッタ速度制御に対して絞り駆動制御が遅延することになり、シャッタ速度と絞り値とがプログラム線図に乗らなくなる。これにより、適切な露光制御を行うことができず、撮像された動画像の品質が低下するという問題点があった。
【0008】
例えば、上述の特許文献1の方法を用いた場合、絞り駆動時にシャッタ速度と絞り値とがプログラム線図に乗らなくなり、露光制御が適切に行われない状態が発生してしまう。これは、特に、撮像素子としてCMOSイメージセンサを用い、ローリング電子シャッタによりシャッタ制御を行う場合に顕著である。
【0009】
この問題点について、図11を用いて説明する。図11は、動画像の撮影中における被写体の輝度(EV値)の変化に対応して、絞り値およびシャッタ速度をプログラム線図に従って制御する例を示す。
【0010】
図11において、右方向に時間が進行し、番号#1〜#6は、それぞれ対応するフレームを示す。図11(a)は、被写体の輝度変化をフレーム単位で表す。図11(b)は、ローリング電子シャッタによる撮像素子の駆動の例を示し、縦方向は撮像素子のライン順を表す。斜線を付して示した部分は、電荷の蓄積期間をライン順に示す。1ラインの蓄積期間は、シャッタ速度に対応する。図11(c)は、絞りを示し、上側が絞り値が小さい開放状態である。すなわち、図11(c)は、絞りが絞る方向に1段階だけ駆動されたことを表している。図11(d)は、撮像素子に対する露光により得られたフレーム毎の画像および露光状態を概略的に示す。また、図11(e)は、撮像素子に対する露光に応じて最終的に表示や記録される画像データの例を、フレーム毎に示す。
【0011】
撮像素子の駆動をローリング電子シャッタにより行うため、被写体の輝度変化に対して、フレーム遅延が発生する。図11の例では、図11(a)〜図11(d)に例示されるように、撮像素子において走査が開始されてから撮像画像が得られるまで、2フレーム分の遅延が生じている。
【0012】
ここで、図11(a)に例示されるように、フレーム#2において被写体の輝度が大きく変化し、この変化に応じて、プログラム線図に従ってシャッタ速度と絞り値とを制御する場合について考える。輝度変化があったフレーム#2で読み出された撮像信号に基づき、プログラム線図に従いシャッタ速度と絞り値とが算出され、算出された値に基づきシャッタ速度および絞り駆動の制御が行われる。
【0013】
ローリング電子シャッタの場合、シャッタ速度は、直ちに反映される。図11(b)に例示されるように、時点Aでは既に次のフレーム#3の走査および読み出しが行われているので、その次のフレーム#4から、シャッタ速度がプログラム線図に従った値に変更される。
【0014】
一方、絞り駆動は、上述したように、通信やメカ的な要因による遅延があるため、制御が開始されてから目的の絞り値に到達するまでに、例えば数フレーム分を要する。図11(c)の例では、目的の絞り値に到達するまで、制御が開始された時点Aから1.5フレーム分の時間を費やしており、プログラム線図に従った目的の絞り値が得られるフレームは、フレーム#5となる。
【0015】
そのため、絞り値が目的の値に到達するフレーム#5までは、プログラム線図に従った露光制御が行われず、露光オーバー(または露光アンダー)の撮像画像となってしまう。これにより、撮像画像の画質が低下し、表示や記録を行う画像も露光オーバー(または露光アンダー)となってしまう問題点があった。
【0016】
したがって、本発明の目的は、動画像の撮像時に、被写体の輝度変化に伴う露出変化を抑制できる撮像装置および撮像装置の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、上述した課題を解決するために、撮像素子と、撮像素子に入射する光量を調節する絞り機構を駆動する駆動手段と、撮像素子から所定間隔で連続的にフレーム画像信号を読み出して出力する撮像手段と、撮像手段から出力されたフレーム画像信号の輝度成分を検出する輝度検出手段と、輝度検出手段でフレーム画像信号から検出された輝度成分と、輝度検出手段でフレーム画像信号の直前のフレーム画像信号から検出された輝度成分との間の変化に応じて絞り機構による調節を行うように、駆動手段を制御する制御手段と、直前のフレーム画像信号から検出された輝度成分と、輝度検出手段で駆動手段による絞り機構の駆動が開始した直後のフレーム画像信号から検出された輝度成分とを用いて、駆動手段が絞り機構を駆動する駆動期間を含むフレーム画像信号に対する輝度成分に対して、輝度成分と、直前のフレーム画像から検出された輝度成分との差が小さくなるように補正を行う補正手段とを有することを特徴とする撮像装置である。
【0018】
また、本発明は、撮像素子に入射する光量を調節する絞り機構を駆動する駆動ステップと、撮像素子から所定間隔で連続的にフレーム画像信号を読み出して出力する撮像ステップと、撮像ステップにより出力されたフレーム画像信号の輝度成分を検出する輝度検出ステップと、輝度検出ステップでフレーム画像信号から検出された輝度成分と、輝度検出ステップでフレーム画像信号の直前のフレーム画像信号から検出された輝度成分との間の変化に応じて絞り機構による調節を行うように、駆動ステップを制御する制御ステップと、直前のフレーム画像信号から検出された輝度成分と、輝度検出ステップで駆動ステップによる絞り機構の駆動が開始した直後のフレーム画像信号から検出された輝度成分とを用いて、駆動ステップが絞り機構を駆動する駆動期間を含むフレーム画像信号に対する輝度成分に対して、輝度成分と、直前のフレーム画像から検出された輝度成分との差が小さくなるように補正を行う補正ステップとを有することを特徴とする撮像装置の制御方法である。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、動画像の撮像時に、被写体の輝度変化に伴う露出変化を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施形態を適用可能なデジタル一眼レフカメラ100の一例の構成を示す。全体制御・演算部109は、例えばCPU、ROMおよびRAMを有し、ROMに予め記憶されたプログラムに従い、RAMをワークメモリとして用いてCPUが動作し、このデジタル一眼レフカメラ100の全体を制御する。ROMには、さらに、露出制御を行うためのプログラム線図が予め記憶されている。また、補正手段としての全体制御・演算部109は、プログラムに従い、撮影パラメータや画像データの補正処理の係数を演算する。
【0021】
レンズ部101は、例えばカメラボディに対して交換可能に構成され、光学絞り機構を含み、入射された光を後述する撮像素子105に照射させる。駆動手段としてのレンズ駆動部102は、制御手段としての全体制御・演算部109の制御に従いレンズ部101が有する光学絞り機構(図示を省略する)を駆動することで、絞り調節を行う。レンズ駆動部102による光学絞り機構の駆動は、段階的になされる。さらに、レンズ駆動部102は、全体制御・演算部109の制御に従い、レンズ部101が有するズーム光学系および結像光学系(それぞれ図示を省略する)を駆動することで、ズーム制御やフォーカス制御を行う。
【0022】
レンズ駆動部102は、例えばカメラボディ側に組み込まれ、レンズ部101の各機構に対して機械的に駆動力を伝達してこれらの制御を行う。これに限らず、レンズ駆動部102をレンズ部101側に内蔵させ、カメラボディ側と通信を行うことで、これらの制御を行うようにしてもよい。
【0023】
シャッタ部103は、例えばメカニカルシャッタであって、撮影時において、全体制御・演算部109の制御によりシャッタ駆動部104に駆動されて撮像素子105を遮光する。シャッタ部103は、動画像の撮像時には、非遮光状態、すなわち跳ね上がった状態を維持するように、シャッタ駆動部に駆動される。撮像手段としての撮像素子105は、XYアドレス型の走査方法を用いる素子を有し、被写体からの光束を受光することにより、その光量に応じて電荷を蓄積し、蓄積された電荷に基づき被写体の画像信号を生成する。本発明の第1の実施形態では、撮像素子105が有する素子としてCMOSイメージセンサを用いる。
【0024】
画像信号処理部106は、撮像素子105より出力される画像信号に対してノイズ除去、増幅処理などを施し、さらにA/D変換を施してデジタル画像データとする。さらに、この画像データに対してγ補正、ホワイトバランス補正などの各種画像処理を施す。また、画像信号処理部106は、画像処理を施した画像データに対して、所定の方式により圧縮符号化処理を施すことができる。
【0025】
なお、全体制御・演算部109は、画像信号処理部106に供給された画像信号に対して輝度検出を行い輝度成分を検出し、この輝度成分に基づき測光を行うことができる。また、全体制御・演算部109は、当該輝度成分に基づき画像の鮮鋭度を求め、合焦情報を取得することができる。
【0026】
タイミング発生部107は、全体制御・演算部109の制御に従い、撮像素子105および画像信号処理部106に対するタイミング信号を生成する。撮像素子105は、このタイミング発生部107から供給されたタイミング信号に基づき駆動される。また、画像信号処理部106は、タイミング発生部107から供給されたタイミング信号に基づき、例えば撮像素子105から出力される画像信号に対して同期的に処理を行うことができる。
【0027】
メモリ108は、画像信号処理部106から出力された圧縮若しくは非圧縮の出力画像データを一時的に記憶する。記録媒体制御インターフェイス(I/F)110は、記録媒体111に対するデータの記録および再生を制御する。例えば、記録媒体制御I/F110は、メモリ108から画像データを読み出し、記録媒体111に記録する。記録媒体111は、例えば、デジタル一眼レフカメラ100に対して着脱可能な書き換え可能な不揮発性メモリである。
【0028】
表示部115は、例えばLCDといった表示デバイスとその駆動回路とからなり、画像信号処理部106から出力された出力画像データによる画像を表示デバイスに表示させる。メモリ108に記憶された画像データを読み出して表示デバイスに表示させてもよい。例えば、撮像素子105から所定間隔、例えばフレーム周期で連続的にフレーム画像信号を出力し、そのフレーム画像信号を画像信号処理部106で順次処理して表示部115に表示させることで、ライブビューが実現される。
【0029】
外部I/F112は、外部の機器とデータ通信を行うためのインターフェイスである。デジタル一眼レフカメラ100は、この外部I/F112を介して外部のコンピュータなどとデータ通信を行うことができる。
【0030】
測光部113は、被写体の輝度を測定する。また、測距部114は、被写体までの距離を測定する。測光部113および測距部114の測定結果は、それぞれ全体制御・演算部109に供給される。静止画像の撮像時において、全体制御・演算部109は、測光部113から出力された輝度の測定結果に基づきEV値を算出する。それと共に、全体制御・演算部109は、測距部114から出力された測距結果に基づき被写体の焦点状態を検出する。
【0031】
次に、XYアドレス型の撮像素子である撮像素子105の構成と走査方法について説明する。撮像素子105の走査は、先ず、画素毎またはライン毎に、蓄積された不要電荷を除去する走査(以下、リセット動作と称する)を実行する。リセット動作後、撮像素子105の受光に応じて、光電変換により画素毎に電荷が蓄積される。そして、画素毎またはライン毎に、信号電荷を読み出す走査を行うことで蓄積動作を終了する。このように、リセット走査と読み出し走査とを撮像素子の領域別に時間差で行う機能を、ローリング電子シャッタと称する。読み出し走査の開始タイミングを制御することで、シャッタ速度を設定することができる。
【0032】
図2は、撮像素子105の一例の構成を示す。単位画素201において、フォトダイオード(PD)202、転送スイッチ203、電荷検出部(FD)204、アンプ205、選択スイッチ206およびリセットスイッチ207が設けられる。
【0033】
PD202は、受光した光を電荷に変換する。転送スイッチ203は、転送パルスφTXによって、PD202で発生した電荷をFD204に転送する。FD204は、PD202から転送された電荷を一時的に蓄積する。アンプ205は、ソースフォロアとして機能する増幅MOSアンプである。選択スイッチ206は、選択パルスφSELVによって画素201を選択する。リセットスイッチ207は、リセットパルスφRESによってFD204に蓄積された電荷を除去する。FD204、増幅MOSアンプ205および後述する定電流源209でフローティングディフュージョンアンプが構成される。
【0034】
垂直方向に並んだ画素201、201、…それぞれの選択スイッチ206、206、…が信号出力線208に接続される。選択スイッチ206、206、…で選択された画素201、201、…に蓄積された電荷が電圧に変換され、信号出力線208を介して読み出し回路213に出力される。信号出力線208に対して、増幅MOSアンプ205の負荷となる定電流源209が接続される。
【0035】
読み出し回路213から出力信号を選択する選択スイッチ210、210、…が、タイミング発生部107からのタイミング信号に基づき、水平走査回路214によって駆動される。また、垂直走査回路212は、タイミング発生部107から供給されるタイミング信号に基づき転送パルスφTX、選択パルスφSELVおよびリセットパルスφRESを出力する。これにより、垂直走査回路212は、画素201、201、…のそれぞれにおいて、スイッチ203、206および207を選択する。
【0036】
なお、パルスφTX、φRESおよびφSELVが供給されるラインのそれぞれにおいて、垂直走査回路212によって走査選択されたn番目の走査ラインを、走査ラインφTXn、走査ラインφRESnおよび走査ラインφSELVnとする。
【0037】
図3は、ローリング電子シャッタ動作における駆動パルスと動作シーケンスの例を示す。なお、図3では、煩雑さを避けるため、垂直走査回路212によって走査選択されたn番目のラインからn+3番目のラインに関して示している。
【0038】
第nラインにおいて、先ず時刻t41から時刻t42の間、走査ラインφRESnおよびφTXnにリセットパルスφRESおよび転送パルスφTXをそれぞれ印加し、転送スイッチ203およびリセットスイッチ207をオンにする。これにより、第nラインの画素201、201、…のそれぞれにおいてリセット動作が行われ、PD202およびFD204に蓄積されている不要電荷が除去される。
【0039】
リセット動作が行われると、時刻t42で転送スイッチ203をオフとして、PD202に発生した光電荷がFD204に蓄積される蓄積動作が開始される。次に、時刻t44において走査ラインφTXnに転送パルスφTXを印加して転送スイッチ203をオンにし、PD202に蓄積された光電荷をFD204に転送する転送動作を行う。転送スイッチ203がオフとされる時刻t42から、転送スイッチ203が再びオンとされる時刻t44までが、FD204に対する電荷の蓄積時間となる。
【0040】
なお、リセットスイッチ207は、この転送動作に先んじてオフにする必要があり、図3の例では、時刻t42で転送スイッチ203をオフにするのと同時にリセットスイッチ207をオフにしている。
【0041】
第nラインの転送動作の終了後、走査ラインφSELVnに選択パルスφSELVが印加され、選択スイッチ206がオンにされる。これにより、FD204に蓄積された電荷が電圧に変換され、信号出力線208を介して読み出し回路213に出力される。読み出し回路213は、信号出力線208を介して供給された信号を一時的に保持する。
【0042】
読み出し回路213で一時的に保持されたこの信号は、水平走査回路214により選択スイッチ210、210、…が制御されることで読み出され、時刻t46より、画素毎の信号として順次出力される。
【0043】
時刻t44の転送開始から時刻t47の読み出し終了までの時間を、第nラインでの読み出し期間T4readとし、時刻t41から時刻t43までの時間を、第n+1ラインでの待機期間T4waitとする。他のラインにおいても同様に、転送開始から読み出し終了までの時間が読み出し期間T4readとなり、あるラインのリセット開始から次のラインのリセット開始までの時間が待機期間T4waitとなる。
【0044】
このように、ローリング電子シャッタ動作では、撮像素子の垂直方向の位置に応じて電荷が蓄積されるタイミングが異なる。一方、それぞれの画素における電荷の蓄積に要する時間は、撮像素子の垂直方向の位置に関わらず等しくすることが可能である。
【0045】
図4は、本発明に適用可能な、ライブビューや動画記録のための動画像撮像におけるプログラム線図の一例を示す。図4において、縦軸は絞り値、横軸はシャッタ速度(露出時間)、斜め線は輝度(EV値)を示す。絞り値は、下側に向けてFナンバが小さくなり、シャッタ速度は右側に向けて高速になる。また、EV値は、左下から右上に向けて大きな値となる。
【0046】
本第1の実施形態では、図4に例示されるように、駆動する絞り値の段数に制限を与え、同一の絞り値における露出制御は、ローリング電子シャッタによって行う。ローリング電子シャッタは、シャッタ速度のフレーム毎の変更や、細かい時間制御が可能であり、滑らかな露出制御が可能である。図4に「○(丸印)」から「●(黒丸印)」への矢印で示されるように、輝度の変化に対し、同一の絞り値においてシャッタ速度が設定された上限または下限に達したら、絞り値が次段に遷移され、EV値(輝度)が同一になるようにシャッタ速度が制御される。
【0047】
<第1の実施形態の処理について>
図5および図6を用いて、本発明の第1の実施形態による処理について説明する。本第1の実施形態では、プログラム線図に従い適切に露光されたフレームの輝度成分と、絞り駆動期間中の、プログラム線図から外れ不適切に露光されたフレームの輝度成分との差が小さくなるように、不適切な露光がなされたフレームの画像信号を補正する。より具体的には、当該適切に露光されたフレームと、当該不適切に露光されたフレームとについて、所定領域内の輝度値の比から、補正係数Bを算出する。そして、不適切な露光がなされたフレームの画像信号に対して、補正係数Bを用いてゲイン補正を行い、不適切な露光による画質劣化が抑制された出力画像信号を得る。
【0048】
図5は、本第1の実施形態による、動画像の撮影中に被写体の輝度が変化して絞り値が次段に遷移した場合の一例の動作を示す。図5において、右方向に時間が進行し、番号#1〜#6は、それぞれ対応するフレームを示す。図5(a)は、被写体の輝度変化をフレーム単位で表す。
【0049】
図5(b)は、ローリング電子シャッタによる撮像素子105の駆動の例を示し、縦方向は撮像素子のライン順を表す。斜線を付して示した部分は、電荷の蓄積期間をライン順に示す。1ラインの蓄積期間は、シャッタ速度に対応する。図3を用いて説明したように撮像素子105が駆動され、この例では、最初のラインの走査が終了してから最後のラインの走査が終了するまで、1フレーム分の時間を要している。
【0050】
図5(c)は、絞りを示し、上側が絞り値が小さい開放状態である。すなわち、図5(c)は、絞りが絞る方向に駆動され、絞り値が1段大きな値に遷移したことを表している。図5(d)は、撮像素子に対する露光により得られたフレーム毎の画像信号および露光状態を概略的に示す。図5(e)は、本第1の実施形態で算出された補正係数Bをフレーム毎に示す。また、図5(f)は、図5(d)に示されるフレーム毎の画像信号に対して補正係数Bによるゲイン補正がなされた結果の画像信号を概略的に示す。この図5(f)に示される画像信号が、最終的に表示や記録に用いられる。
【0051】
ここでは、図5(a)に例示されるように、フレーム#1とフレーム#2との間で輝度変化が生じ、フレーム#1に対してフレーム#2の画像が明るくなっているものとする。例えば、画像信号処理部106は、画像信号の輝度成分をフレーム毎に順次比較し、フレーム間での輝度変化を検出する。
【0052】
この場合、例えば以下のように一連の制御がなされる。すなわち、この輝度変化は、例えば撮像素子105から画像信号処理部106に供給された画像信号の輝度成分に基づき全体制御・演算部109に検知される。全体制御・演算部109は、被写体の輝度変化が検知されると、現在のシャッタ速度、絞り値、プログラム線図などから、絞り値を次段に遷移させるか否かを判定する。若し、絞り値を遷移させると判定したら、レンズ駆動部102に対して、絞り値を変更させるような制御信号を出力する。
【0053】
レンズ駆動部102は、供給された制御信号に応じて、絞り値が指示された値になるように光学絞り機構を駆動する。その結果、例えば図5(c)に例示されるように、駆動が開始されてから所定の絞り値が得られるまで、1.5フレーム分の時間を要している。本第1の実施形態においては、絞り駆動は、例えばオープン制御で行われる。一例として、絞り駆動が開始されてから所定の絞り値が得られるまでの絞り駆動期間は、例えば第1の絞り値および第2の絞り値と、第1の絞り値から第2の絞り値へと絞り駆動を行う場合の絞り駆動期間とを対応付けたテーブルを参照して求められる。
【0054】
一方、シャッタ速度に関しては、図5(b)に例示されるように、フレーム#2の読み出しの完了時には、既に次のフレーム#3の読み出しが開始されている。そこで、全体制御・演算部109は、タイミング発生部107を制御して、その次のフレーム#4からシャッタ速度が所定の値になるように、撮像素子105に対するタイミング信号を出力させる。撮像素子105では、このタイミング信号に応じて、フレーム#4で直ちにシャッタ速度が変更される。
【0055】
上述のような、輝度値の変化に対する絞り値およびシャッタ速度の制御の結果、図5(d)に例示されるように、絞り値が変動している絞り駆動期間を含むフレームにおいては、絞り値およびシャッタ速度がプログラム線図に乗らず、適切な露出が行われない。図5(d)の例では、実際に輝度変化が生じたフレーム#2と、絞り値が変動している期間を含むフレーム#3および#4とで、露光オーバーとなっている。
【0056】
そこで、本第1の実施形態では、図6に例示されるように、絞り値およびシャッタ速度がプログラム線図に乗り適切に露光された適露光フレームについて、所定領域の輝度値の平均値を求める。適露光フレームとしては、例えば輝度変化が検出されたフレーム#2の直前のフレーム#1を適用することができる。また、絞り駆動期間中の、絞り値およびシャッタ速度がプログラム線図に乗らず適切に露光されない不適露光フレームについて、所定領域の輝度値の平均値を求める。不適露光フレームとしては、例えば輝度変化が検出されたフレーム#2の直後のフレーム#3を適用することができる。そして、適露光フレームについて求められた第1の平均値と、不適露光フレームについて求められた第2の平均値との比から、補正係数Bを算出する。図6の例では、第2の平均値を第1の平均値で除した値の逆数を、補正係数Bとして用いている。
【0057】
ここで、輝度値の平均値を求める所定領域は、例えば、図6の例のように、画面の中央部分に予め決められた領域として設定することが考えられる。これに限らず、当該所定領域を、現在のデジタル一眼レフカメラ100に設定された測光モードに応じた領域に対応して設定してもよい。この場合には、部分測光、スポット測光など測光モードによって当該領域を変更するようにできる。さらには、単に画面全体を当該所定領域とすることも考えられる。
【0058】
例えば、全体制御・演算部109は、撮像素子105から画像信号処理部106に供給された画像信号に基づき、補正係数Bを求める。この補正係数Bは、画像信号処理部106に渡される。画像信号処理部106は、この補正係数Bを、図5(e)に例示されるように、撮像素子105から供給された、絞り駆動期間を含むフレーム(この例ではフレーム#3および#4)の画像信号に対して乗ずる。他のフレームの画像信号に対しては、補正係数を1とする。補正係数Bを画像信号処理部106に直接的に求めるようにしてもよい。一例として、この補正係数Bに基づき、撮像素子105から供給された画像信号に対する増幅処理のゲインを設定し、絞り駆動期間のフレームの輝度補正を行う。
【0059】
そして、画像信号処理部106は、この補正係数Bが乗じられた画像信号に対し、A/D変換や所定の画像処理を施して出力し、表示部115への表示や、記録媒体111への記録に供する。これにより、図5(f)に例示されるように、表示部115に表示される画像や、記録媒体111に記録される画像は、輝度変化が発生したフレーム#2の画像を除き、輝度の変化が抑制された画像となる。
【0060】
なお、上述では、補正係数Bによる補正を、画像信号処理部106において、撮像素子105から供給された画像信号に対するゲインを設定することで行うように説明したが、これはこの例に限定されない。例えば、画像信号処理部106において、A/D変換を行った後に、補正係数Bによる補正を行ってもよい。さらには、メモリ108に記憶された出力画像データに対して全体制御・演算部109が補正係数Bによる補正を行うことも考えられる。
【0061】
また、上述では、補正係数Bを、該当フレームの所定領域における輝度値の平均値を用いて算出したが、これはこの例に限定されない。例えば、該当フレームの所定領域における輝度値の積分値を用いて、補正係数Bの算出を行ってもよい。
【0062】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。絞り駆動期間は、本体とレンズが一体的とされ、共通したシステムで制御されているコンパクトデジタルカメラのような撮像装置では、正確なタイミングを知ることは容易である。一方、レンズの交換が可能なデジタル一眼レフカメラのような、レンズが別システムとされ、カメラボディとレンズとで通信を行いをレンズの制御を行う場合には、実際の絞り駆動期間のタイミングを正確に知ることは難しい。
【0063】
図7は、本第2の実施形態によるデジタル一眼レフカメラ300の一例の構成を示す。本第2の実施形態によるデジタル一眼レフカメラ300は、図1に示した第1の実施形態によるデジタル一眼レフカメラ100に対して、駆動検出手段および振動検出手段としての振動検出部116が追加されている。デジタル一眼レフカメラ300の他の部分は、図1のデジタル一眼レフカメラ100と同一の構成なので、共通する部分には同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。また、撮像素子105の構成および駆動方法、プログラム線図についても、上述した第1の実施形態と共通であるので、ここでの説明を省略する。
【0064】
なお、デジタル一眼レフカメラ300は、レンズ交換が可能なタイプであって、レンズ部101とレンズ駆動部102とが交換レンズ側に内蔵されるものとする。そして、レンズ駆動部102と全体制御・演算部109とは、レンズマウント部における電気的な接触により通信を行うものとする。振動検出部116の設置位置は、デジタル一眼レフカメラ300のボディ上であれば特に限定されないが、レンズ部101で発生する振動を検出容易な箇所、例えばレンズマウントの近傍などに設置すると、より好ましい。
【0065】
振動検出部116は、例えば圧電素子などを振動センサとして用い、出力を画像信号処理部106に供給する。画像信号処理部106は、供給された振動センサ出力に基づき絞り駆動期間を検出する。
【0066】
図8は、本第2の実施形態による、動画像の撮影中に被写体の輝度が変化して絞り値が次段に遷移した場合の一例の動作を示す。図8において、右方向に時間が進行し、番号#1〜#6は、それぞれ対応するフレームを示す。図8(a)、図8(b)、図8(d)および図8(g)は、上述した図5の図5(a)、図5(b)、図5(c)および図5(d)にそれぞれ対応する。
【0067】
すなわち、図8(a)は、被写体の輝度変化をフレーム単位で表す。図8(b)は、ローリング電子シャッタによる撮像素子105の駆動の例を示す。図8(d)は、絞りを示す。この図8の例では、測光結果に基づく全体制御・演算部109から発行される絞り駆動命令(図8(c))に応じて、絞り駆動が開始される。例えばフレーム内の所定領域における測光結果に基づき絞り駆動を開始する場合、図8(c)のように、フレーム内の全ての信号が揃わない時点に絞り駆動命令を発行できる。
【0068】
図8(e)は、振動検出部116による振動センサの出力の例を示す。絞り駆動命令により絞り駆動が開始されると、絞りを駆動する際に発生する振動が振動センサに検出される。例えば、絞り駆動命令が発行されると、所定の時間枠内で振動の検出が行われる。一例として、絞り駆動期間が50msec程度として既知であれば、100msecの時間枠内で振動の検出が行われる。
【0069】
振動センサの出力は、比較器(図示しない)で所定値±aと比較される。全体制御・演算部109により絞り駆動命令が発行されていれば、振動センサの所定値±aとの比較の結果に基づき、振動検出部116の出力信号の振幅が所定値±aより大きいと判断される期間を、絞り駆動期間と判定する。図8(f)は、このようにして振動センサ出力に基づき求められた補正タイミングの例を示す。撮像素子105から出力された画像信号のフレームにおいて、この補正タイミングを含むフレーム(この例では、フレーム#3および#4)が補正係数Bによる補正対象となる。
【0070】
なお、補正係数Bの算出方法および算出された補正係数Bの適用方法は、上述した第1の実施形態と同一のため、ここでの説明を省略する。
【0071】
上述のように、本第2の実施形態によれば、絞り駆動による振動を検出することによって、絞り駆動期間を直接的に知ることができる。したがって、フレームタイミングに同期した絞り制御を必要としないシステムを提供できる。
【0072】
なお、本第2の実施形態では、絞り駆動期間の検出を、振動検出部116を用い、絞りを駆動する際に発生する振動を検出することで行うようにしているが、これはこの例に限定されるものではなく、他の方法を用いて絞り駆動期間を検出してもよい。例えば、絞り駆動の際に発生する音を検出して絞り駆動期間を検出することが考えられる。
【0073】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。上述の第1の実施形態では、絞り駆動期間に係る不適露光フレームの補正に用いる補正係数Bを、該当フレームの所定領域における輝度値の平均値または積分値を用いて算出していた。これに対して、本第3の実施形態では、当該補正係数を、撮像素子105から出力される画像信号による画像の水平方向の射影に基づき求める。
【0074】
なお、本第3の実施形態において、デジタル一眼レフカメラ100や撮像素子105の構成、撮像素子105の駆動方法、プログラム線図は、上述の第1の実施形態と同一のものを適用可能なので、ここでの説明を省略する。
【0075】
図9は、本第3の実施形態による、動画像の撮影中に被写体の輝度が変化して絞り値が次段に遷移した場合の一例の動作を示す。なお、図9において、図9(a)〜図9(d)および図9(f)は、第1の実施形態で説明した図5(a)〜図5(d)および図5(f)と同一であるので、詳細な説明を省略する。
【0076】
図10を用いて、画像の水平方向の射影に基づき垂直方向ゲイン補正地G(v)を求める一例の方法について説明する。フレーム#2で輝度変化が生じたものとし、適露光フレームであるフレーム#1の画像信号と、絞り駆動期間中で不適露光フレームとなっているフレーム#3とで、各画像信号の水平方向の射影を算出する(図10(a)および図10(b))。そして、フレーム#1の画像信号の水平方向の射影と、フレーム#3の画像信号の水平方向の射影との比を取り、垂直方向ゲイン補正値G(v)を求める(図10(c))。すなわち、垂直方向ゲイン補正値G(v)は、画像信号に対するライン毎の補正係数である。
【0077】
例えば、画像信号処理部106は、撮像素子105から供給される画像信号について、画素毎の輝度値を各ラインについて累積し、当該画像信号の水平射影を求める。そして、輝度変化が検出され絞り駆動が開始されると、絞り駆動期間中の画像信号から求めた水平方向の射影と、絞り駆動が行われる前に画像信号から求めた水平方向の射影との比を算出する。そして、この比に基づき垂直方向ゲイン補正値G(v)を求める(図9(e))。この垂直方向ゲイン補正値G(v)を、絞り駆動期間を含むフレーム(この例ではフレーム#3および#4)の画像信号に対して、垂直方向ゲイン補正値G(v)を乗ずる。この場合には、当該フレームの画像信号の各ラインに対して、それぞれ対応する垂直方向ゲイン補正値G(v)が画素毎に乗じられることになる。
【0078】
そして、画像信号処理部106は、この垂直方向ゲイン補正値G(v)が乗じられた画像信号に対し、A/D変換や所定の画像処理を施して出力し、表示部115への表示や、記録媒体111への記録に供する。これにより、図9(f)に例示されるように、表示部115に表示される画像や、記録媒体111に記録される画像は、輝度変化が発生したフレーム#2の画像を除き、輝度の変化が抑制された画像となる。
【0079】
本第3の実施形態では、絞り駆動期間のフレームの画像信号に対して、水平方向の射影に基づくゲイン補正を行う。これにより、絞り駆動期間のフレームの露出ずれを抑制することができると共に、露出ムラの補正の効果もあり、更なる高画質な動画像を得ることができる。
【0080】
なお、上述では、絞り駆動期間に露出オーバーになる場合について説明したが、絞り駆動期間に露出アンダーになる場合についても、本発明の各実施形態は、同様に適用できることは勿論である。
【0081】
さらに、上述では、撮像素子105としてCMOSイメージセンサを適用したが、本発明の各実施形態は、撮像素子105がCCDの場合にも適用可能である。
【0082】
さらにまた、上述の各実施形態では、補正係数Bまたは垂直ゲイン補正値G(v)を、輝度変化が検出されたフレームの直前のフレームと、輝度変化が検出されたフレームの直後のフレームとに基づき求めている。そして、絞り駆動期間に含まれるフレームに対し、求められた補正係数Bまたは垂直ゲイン補正値G(v)を、一律に用いて補正を行っている。これは、この例に限定されず、例えば、補正係数Bまたは垂直方向ゲイン補正値G(v)を、絞り駆動期間に含まれる各フレームについて順次、求め、フレーム毎に補正を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1の実施形態を適用可能なデジタル一眼レフカメラの一例の構成を示すブロック図である。
【図2】撮像素子の一例の構成を示す図である。
【図3】ローリング電子シャッタ動作における駆動パルスと動作シーケンスの例を示す図である。
【図4】本発明に適用可能な、ライブビューや動画記録のための動画像撮像における一例のプログラム線図を示す。
【図5】本発明の第1の実施形態による、動画像の撮影中に被写体の輝度が変化して絞り値が次段に遷移した場合の一例の動作を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態による補正係数Bの算出方法を説明するための図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に適用可能なるデジタル一眼レフカメラの一例の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施形態による、動画像の撮影中に被写体の輝度が変化して絞り値が次段に遷移した場合の一例の動作を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施形態による、動画像の撮影中に被写体の輝度が変化して絞り値が次段に遷移した場合の一例の動作を示す図である。
【図10】本発明の第3の実施形態による垂直方向ゲイン補正地G(v)を求める一例の方法について説明するための図である。
【図11】従来技術の問題点を説明するための、動画像の撮影中に被写体の輝度が変化して絞り値が次段に遷移した場合の一例の動作を示す図である。
【符号の説明】
【0084】
100,300 デジタル一眼レフカメラ
101 レンズ部
102 レンズ駆動部
105 撮像素子
106 画像信号処理部
107 タイミング発生部
108 メモリ
109 全体制御・演算部
113 測光部
114 測距部
115 表示部
116 振動検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子と、
前記撮像素子に入射する光量を調節する絞り機構を駆動する駆動手段と、
前記撮像素子から所定間隔で連続的にフレーム画像信号を読み出して出力する撮像手段と、
前記撮像手段から出力された前記フレーム画像信号の輝度成分を検出する輝度検出手段と、
前記輝度検出手段で前記フレーム画像信号から検出された輝度成分と、前記輝度検出手段で該フレーム画像信号の直前の前記フレーム画像信号から検出された輝度成分との間の変化に応じて前記絞り機構による調節を行うように、前記駆動手段を制御する制御手段と、
前記直前のフレーム画像信号から検出された輝度成分と、前記輝度検出手段で前記駆動手段による前記絞り機構の駆動が開始した直後の前記フレーム画像信号から検出された輝度成分とを用いて、前記駆動手段が前記絞り機構を駆動する駆動期間を含む前記フレーム画像信号に対する輝度成分に対して、該輝度成分と、前記直前のフレーム画像から検出された輝度成分との差が小さくなるように補正を行う補正手段と
を有する
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記補正手段は、前記フレーム画像信号の所定領域内での、前記直前のフレーム画像信号から検出された輝度成分と、前記直後のフレーム画像信号から検出された輝度成分とを用いて前記補正を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記補正手段は、前記直前のフレーム画像信号から検出された輝度成分の水平射影と、前記直後のフレーム画像信号から検出された輝度成分の水平射影とを用いて前記補正を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
第1の絞り値および第2の絞り値と、該第1の絞り値から該第2の絞り値へと絞り駆動を行う場合の絞り駆動期間とを対応付けたテーブルをさらに有し、
前記補正手段は、前記駆動手段が前記絞り機構を駆動する前記駆動期間を、前記テーブルを参照することで取得する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記駆動手段による前記絞り機構の駆動を検出する駆動検出手段をさらに有し、
前記補正手段は、前記駆動手段が前記絞り機構を駆動する前記駆動期間を、前記駆動検出手段による検出の結果に基づき判定する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記駆動検出手段は、前記絞り機構の駆動に伴い発生する振動を検出する振動検出手段である
ことを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記撮像素子は、ローリング電子シャッタを用いて露出時間を制御する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記制御手段は、
輝度の変化に対し、同一の絞り値で前記撮像素子のシャッタ速度が設定された上限または下限に達したら、該絞り値が次段に遷移され、同一の該輝度に該シャッタ速度が設定されるプログラム線図に従い、前記シャッタ速度および前記駆動手段を制御する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記補正手段は、前記直前のフレーム画像信号から検出された輝度成分と、前記直後のフレーム画像信号から検出された輝度成分との比に基づき前記補正を行う
ことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項10】
撮像素子に入射する光量を調節する絞り機構を駆動する駆動ステップと、
前記撮像素子から所定間隔で連続的にフレーム画像信号を読み出して出力する撮像ステップと、
前記撮像ステップにより出力された前記フレーム画像信号の輝度成分を検出する輝度検出ステップと、
前記輝度検出ステップで前記フレーム画像信号から検出された輝度成分と、前記輝度検出ステップで該フレーム画像信号の直前の前記フレーム画像信号から検出された輝度成分との間の変化に応じて前記絞り機構による調節を行うように、前記駆動ステップを制御する制御ステップと、
前記直前のフレーム画像信号から検出された輝度成分と、前記輝度検出ステップで前記駆動ステップによる前記絞り機構の駆動が開始した直後の前記フレーム画像信号から検出された輝度成分とを用いて、前記駆動ステップが前記絞り機構を駆動する駆動期間を含む前記フレーム画像信号に対する輝度成分に対して、該輝度成分と、前記直前のフレーム画像から検出された輝度成分との差が小さくなるように補正を行う補正ステップと
を有する
ことを特徴とする撮像装置の制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2010−74313(P2010−74313A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−237185(P2008−237185)
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】