説明

撮像装置及び撮像装置の合焦方法

【課題】合焦動作時間を短くすることができる撮像装置及び撮像装置の合焦方法を提供する。
【解決手段】フォーカスレンズ2を透過した光をハーフミラー4で分割し、一方を撮像用に、他方を合焦補助用として使用し、フォーカスレンズ2側に所定距離隔てた位置とフォーカスレンズ2と反対側に同一距離隔てた位置に撮像センサ5と撮像センサ6を設けて、撮像用の撮像センサ1を含めた3信号で合焦方向を探索する。これにより、合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置と合焦点との距離が長い場合でもフォーカスレンズ2を前後方向に大きく移動させることなく山の方向を探索でき、早い段階で合焦点を求めることが可能となる。即ち合焦時間の短縮化が図れる。また、撮像センサ5及び6には、撮像センサ1よりも画素数の少ない撮像素子やフォトセンサを使用することができるため、比較的安価に実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオカメラ、ディジタルカメラ等の撮像装置及び該撮像装置の合焦方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の撮像センサを用いたカメラの自動焦点調節(オートフォーカス)機能については幾つかの方式が実施されている。その中の1つとしてカメラの撮像センサを用いて、該撮像センサの撮像信号の高周波成分を利用する所謂「山登り方式」がある(例えば、特許文献1参照)。この山登り方式は、合焦時におけるぼけのない鮮明な映像信号には高周波成分が多く存在し、ぼけた像になるに従って高周波成分が減少することを利用したものである。即ち、撮像信号を処理した映像信号をバンドパスフィルタに通して高周波成分を抽出する。抽出した高周波成分の信号を検波積分した出力は、例えば図22に示すように焦点の移動に従って山形の特性曲線となる。この特性曲線の最大となるときが合焦点であり、その最大点に向かってフォーカスレンズを移動させる。この山登り方式は撮像センサからの信号を処理することによって実現でき、他の方式のように合焦のためのセンサ類を必要としないために小型で且つ比較的安価にできるという特徴がある。
【0003】
【特許文献1】特開平2−140074号公報(第7−8頁、第1−2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の山登り方式を用いた撮像装置においては、図22に示すように焦点近傍の位置Hでのデフォーカスの場合は高周波成分は存在するが、位置Pのように焦点位置よりある程度離れた場所では大きくぼけた状態となり高周波成分が殆どない。このため山登り動作ができず、山を探すためにフォーカスレンズを前後方向に大きく移動させて山の裾野を探す必要がある。図22の移動経路はその一例であるが、山の裾野を探すまでに多くの時間を費やすために合焦動作時間が長くなるという問題がある。
【0005】
本発明は、係る事情に鑑みてなされたものであり、合焦動作時間を短くすることができる撮像装置及び撮像装置の合焦方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は下記構成及び方法により達成される。
(1) 合焦時におけるぼけのない鮮明な映像信号には高周波成分が多く存在し、ぼけた像になるに従って高周波成分が減少することを利用して合焦を行う撮像装置であって、フォーカスレンズと、前記フォーカスレンズをその光軸方向に前後に移動させるフォーカスレンズ駆動手段と、前記フォーカスレンズによる結像面と前記フォーカスレンズとの間に配置されるハーフミラーと、前記ハーフミラーを透過する透過光の光路又は反射する反射光の光路のいずれか一方の光軸上に配置される撮像用の第1の撮像センサと、前記ハーフミラーを透過する透過光の光路又は反射光の光路の他方の光軸上の結像点より前記フォーカスレンズ側に所定距離隔てた位置で且つ光軸より下方の部分で光軸に接するように設置される合焦補助用の第2の撮像センサと、前記ハーフミラーを透過する透過光の光路又は反射光の光路の他方の光軸上の結像点より前記フォーカスレンズと反対側に前記第2の撮像センサの配置と同一距離隔てた位置で且つ光軸と垂直に設置される合焦補助用の第3の撮像センサと、前記フォーカスレンズを動かして焦点を求める合焦時に、前記第1の撮像センサ、前記第2の撮像センサ及び前記第3の撮像センサ夫々の撮像信号に含まれる高周波成分の信号レベルを基に合焦方向を探索しながら前記フォーカスレンズ駆動手段を制御して合焦点を求める合焦点制御手段と、を備える。
【0007】
(2) 合焦時におけるぼけのない鮮明な映像信号には高周波成分が多く存在し、ぼけた像になるに従って高周波成分が減少することを利用して合焦を行う撮像装置であって、フォーカスレンズと、前記フォーカスレンズをその光軸方向に前後に移動させるフォーカスレンズ駆動手段と、前記フォーカスレンズによる結像面と前記フォーカスレンズとの間に配置されるハーフミラーと、前記ハーフミラーを透過する透過光の光路又は反射する反射光の光路のいずれか一方の光軸上に配置される撮像用の第1の撮像センサと、前記ハーフミラーを透過する透過光の光路又は反射する反射光の光路の他方の光軸上の結像点より前記フォーカスレンズ側又は前記フォーカスレンズと反対側に所定距離隔てた位置に配置される合焦補助用の第2の撮像センサと、前記フォーカスレンズを動かして焦点を求める合焦時に、前記第1の撮像センサ及び第2の撮像センサ夫々の撮像信号に含まれる高周波成分の信号レベルを基に合焦方向を探索しながら前記フォーカスレンズ駆動手段を制御して合焦点を求める合焦点制御手段と、を備える。
【0008】
(3) 合焦時におけるぼけのない鮮明な映像信号には高周波成分が多く存在し、ぼけた像になるに従って高周波成分が減少することを利用して合焦を行う撮像装置であって、フォーカスレンズと、前記フォーカスレンズをその光軸方向に前後に移動させるフォーカスレンズ駆動手段と、前記フォーカスレンズによる結像面と前記フォーカスレンズとの間に配置されるハーフミラーと、前記ハーフミラーを透過する透過光の光路又は反射する反射光の光路のいずれか一方の光軸上に配置される撮像用の撮像センサと、前記ハーフミラーを透過する透過光の光路又は反射する反射光の光路の他方の光軸上の可視光における結像点より前記フォーカスレンズ側又は前記フォーカスレンズと反対側に所定距離隔てた位置に配置される合焦補助用の赤外線撮像センサと、前記赤外線撮像センサが透過光の光路側に設けられた場合には前記ハーフミラーと前記赤外線撮像センサとの間に配置され、前記赤外線撮像センサが反射光の光路側に設けられた場合には前記ハーフミラーと前記赤外線撮像センサとの間で且つ透過光に触れない位置に配置される赤外線フィルタと、前記フォーカスレンズを動かして焦点を求める合焦時に、前記撮像センサ及び前記赤外線撮像センサ夫々の撮像信号に含まれる高周波成分の信号レベルを基に合焦方向を探索しながら前記フォーカスレンズ駆動手段を制御して合焦点を求める合焦点制御手段と、を備える。
【0009】
(4) 合焦時におけるぼけのない鮮明な映像信号には高周波成分が多く存在し、ぼけた像になるに従って高周波成分が減少することを利用して合焦を行う撮像装置であって、フォーカスレンズによる結像面と前記フォーカスレンズとの間にハーフミラーを配置して、撮像用の第1の撮像センサを前記ハーフミラーを透過する透過光の光路又は反射する反射光の光路のいずれか一方の光軸上に配置する一方、前記ハーフミラーを透過する透過光の光路又は反射光の光路の他方の光軸上の結像点より前記フォーカスレンズ側に所定距離隔てた位置で且つ光軸より下方の部分で光軸に接するように合焦補助用の第2の撮像センサを配置するとともに、前記ハーフミラーを透過する透過光の光路又は反射光の光路の他方の光軸上の結像点より前記フォーカスレンズと反対側に前記第2の撮像センサの配置と同一距離隔てた位置で且つ光軸より上方の部分で光軸に接するように合焦補助用の第3の撮像センサを配置し、前記フォーカスレンズを動かして焦点を求める合焦時に、前記第1の撮像センサ、前記第2の撮像センサ及び前記第3の撮像センサ夫々の撮像信号に含まれる高周波成分の信号レベルを基に合焦方向を探索しながら合焦点を求める。
【0010】
(5) 合焦時におけるぼけのない鮮明な映像信号には高周波成分が多く存在し、ぼけた像になるに従って高周波成分が減少することを利用して合焦を行う撮像装置の合焦方法であって、フォーカスレンズによる結像面と前記フォーカスレンズとの間にハーフミラーを配置して、撮像用の第1の撮像センサを前記ハーフミラーを透過する透過光の光路又は反射する反射光の光路のいずれか一方の光軸上に配置する一方、前記ハーフミラーを透過する透過光の光路又は反射する反射光の光路の他方の光軸上の結像点より前記フォーカスレンズ側又は前記フォーカスレンズと反対側に所定距離隔てた位置に合焦補助用の第2の撮像センサを配置し、前記フォーカスレンズを動かして焦点を求める合焦時に、前記第1の撮像センサ及び第2の撮像センサ夫々の撮像信号に含まれる高周波成分の信号レベルを基に合焦方向を探索しながら合焦点を求める。
【0011】
(6) 合焦時におけるぼけのない鮮明な映像信号には高周波成分が多く存在し、ぼけた像になるに従って高周波成分が減少することを利用して合焦を行う撮像装置の合焦方法であって、フォーカスレンズによる結像面と前記フォーカスレンズとの間にハーフミラーを配置して、撮像用の撮像センサを前記ハーフミラーを透過する透過光の光路又は反射する反射光の光路のいずれか一方の光軸上に配置する一方、前記ハーフミラーを透過する透過光の光路又は反射する反射光の光路の他方の光軸上の可視光における結像点より前記フォーカスレンズ側又は前記フォーカスレンズと反対側に所定距離隔てた位置に合焦補助用の赤外線撮像センサを配置するとともに、前記赤外線撮像センサが透過光の光路側に設けられた場合には前記ハーフミラーと前記赤外線撮像センサとの間に、前記赤外線撮像センサが反射光の光路側に設けられた場合には前記ハーフミラーと前記赤外線撮像センサとの間で且つ透過光に触れない位置に赤外線フィルタを配置し、前記フォーカスレンズを動かして焦点を求める合焦時に、前記撮像センサ及び前記赤外線撮像センサ夫々の撮像信号に含まれる高周波成分の信号レベルを基に合焦方向を探索しながら合焦点を求める。
【発明の効果】
【0012】
上記(1)に記載の撮像装置では、フォーカスレンズを透過した光をハーフミラーで分割し、一方を撮像用に、他方を合焦補助用として使用し、フォーカスレンズ側に所定距離隔てた位置とフォーカスレンズと反対側に同一距離隔てた位置に第2の撮像センサと第3の撮像センサを設けて、撮像用の第1の撮像センサを含めた3信号で合焦方向を探索するので、フォーカスレンズを前後方向に大きく移動させることなく山の方向を探索でき、早い段階で合焦点を求めることが可能となる。また、第2及び第3の撮像センサには第1の撮像センサよりも画素数の少ない撮像素子やフォトセンサを使用することができるため、比較的安価に実現できる。
【0013】
上記(2)に記載の撮像装置では、上記(1)の撮像装置における2個の第2及び第3の撮像センサの代わりに1個の全面使用の第2の撮像センサを用い、それを結像点よりフォーカスレンズ側又はフォーカスレンズと反対側に配置したので、上記(1)と同様に、フォーカスレンズを前後方向に大きく移動させることなく山の方向を探索でき、早い段階で合焦点を求めることが可能となる。また、第2の撮像センサには第1の撮像センサよりも画素数の少ない撮像素子やフォトセンサを使用することができるため、比較的安価に実現できる。
【0014】
上記(3)に記載の撮像装置では、撮像用の撮像センサに加え、赤外光を検出できる赤外線撮像センサを用い、それを可視光における結像点よりフォーカスレンズ側又はフォーカスレンズと反対側に配置し、更に赤外線撮像センサを透過光の光路側に設けた場合にはハーフミラーと赤外線撮像センサとの間に、反射光の光路側に設けた場合にはハーフミラーと赤外線撮像センサとの間で且つ透過光に触れない位置に赤外線フィルタを配置したので、上記(1)と同様に、フォーカスレンズを前後方向に大きく移動させることなく山の方向を探索でき、早い段階で合焦点を求めることが可能となる。また、赤外線撮像センサには撮像センサよりも画素数の少ない撮像素子やフォトセンサを使用することができるため、比較的安価に実現できる。更に赤外線撮像センサによる像を用いることにより夜間等には光の明暗に左右されない鮮明な像を得ることができる。
【0015】
上記(4)に記載の撮像装置の合焦方法では、フォーカスレンズを透過した光をハーフミラーで分割し、一方を撮像用に、他方を合焦補助用として使用し、フォーカスレンズ側に所定距離隔てた位置とフォーカスレンズと反対側に同一距離隔てた位置に設けた第2及び第3の撮像センサを設けて、撮像用の第1の撮像センサを含めた3信号で合焦方向を探索するので、フォーカスレンズを前後方向に大きく移動させることなく山の方向を探索でき、早い段階で合焦点を求めることが可能となる。また、第2及び第3の撮像センサには、第1の撮像センサよりも画素数の少ない撮像素子やフォトセンサを使用することができるため、比較的安価に実現できる。
【0016】
上記(5)に記載の撮像装置の合焦方法では、上記(4)の撮像装置における2個の半面使用の第2及び第3の撮像センサの代わりに1個の全面使用の第2の撮像センサを用い、それを結像点よりフォーカスレンズ側又はフォーカスレンズと反対側に配置したので、上記(4)と同様に、フォーカスレンズを前後方向に大きく移動させることなく山の方向を探索でき、早い段階で合焦点を求めることが可能となる。また、第2の撮像センサには第1の撮像センサよりも画素数の少ない撮像素子やフォトセンサを使用することができるため、比較的安価に実現できる。
【0017】
上記(6)に記載の撮像装置の合焦方法では、撮像用の撮像センサに加え、赤外光を検出できる赤外線撮像センサを用い、それを可視光における結像点よりフォーカスレンズ側又はフォーカスレンズと反対側に配置し、更に赤外線撮像センサを透過光の光路側に設けた場合にはハーフミラーと赤外線撮像センサとの間に反射光の光路側に設けた場合にはハーフミラーと赤外線撮像センサとの間で且つ透過光に触れない位置に赤外線フィルタを配置したので、上記(4)と同様に、フォーカスレンズを前後方向に大きく移動させることなく山の方向を探索でき、早い段階で合焦点を求めることが可能となる。また、赤外線撮像センサには撮像用の撮像センサよりも画素数の少ない撮像素子やフォトセンサを使用することができるため、比較的安価に実現できる。更に赤外線撮像センサによる像を用いることにより夜間等には光の明暗に左右されない鮮明な像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。この図において、本実施の形態の撮像装置は、撮像センサ1、5及び6と、フォーカスレンズ2と、フォーカスレンズ駆動部3と、ハーフミラー4と、増幅器7、8及び9と、カメラプロセス回路10と、バンドパスフィルタ11と、検波積分器12と、規格化回路13と、メモリ14と、比較器15と、合焦判定回路16と、山登りサーボ制御回路17と、絞り19と、絞り駆動部20と、オートアイリス制御部21と、ズームレンズ22と、ズームレンズ駆動部23と、ズーム駆動制御部24とを備えて構成される。なお、バンドパスフィルタ11、検波積分器12、規格化回路13、メモリ14、比較器15、合焦判定回路16及び山登りサーボ制御回路17は、合焦検出制御部18を構成する。また、合焦検出制御部18、オートアイリス制御部21及びズーム駆動制御部24は、カメラ合焦制御部25を構成する。
【0020】
撮像センサ1は、撮像対象物の映像を捉えるものであり、CCDやCMOS等が用いられる。撮像センサ1は、その撮像面を光軸に対して垂直で且つ撮像面の中心が光軸と一致するように配置されている。フォーカスレンズ2は、撮像センサ1に焦点を合わすものである。フォーカスレンズ駆動部3は、フォーカスレンズ2を光軸上の合焦位置に移動させるものであり、モータ及びカム等の機構部と駆動回路並びにレンズ位置センサを備えて構成される。ハーフミラー4は、フォーカスレンズ2と結像点E(フォーカスレンズ2の移動範囲の中心にフォーカスレンズ2がある場合の光軸上の結像点)との間に設けられ、フォーカスレンズ2からの光の約半分を透過し、残りの約半分を反射する。このハーフミラー4により反射側に新たな光軸とその光軸上に結像点Fが作られる。
【0021】
本実施の形態では、この結像点Fを中心として光軸と垂直な結像面に撮像センサ1を配置している。撮像センサ5は、光軸上の結像点Eよりフォーカスレンズ2側に距離Dだけ離れた位置Aで且つ光軸と垂直な平面のうち光軸で区切られた半平面即ち図では光軸より下方の部分で光軸に接するように設置される。撮像センサ6は、光軸上の結像点Eよりフォーカスレンズ2と反対側に距離Dだけ離れた位置Bで撮像面の中心を光軸とし、光軸と垂直な平面に設置する。撮像センサ5及び6は、フォーカスレンズ2の合焦状態を検知するためにA位置及びB位置で撮像及び光量検出を行うものであり、撮像センサ1と比べ画素数、画素密度が同等以下のものが用いられる。なお、方形状のフォトセンサを用いることも可能である。
【0022】
増幅器7は、撮像センサ1の出力信号を整形及び増幅するものであり、映像信号Smを出力する。増幅器8は、撮像センサ5の出力信号を整形及び増幅するものであり、映像信号Saを出力する。増幅器9は、撮像センサ6の出力信号を整形及び増幅するものであり、映像信号Spを出力する。カメラプロセス回路10は、増幅器7〜9からの撮像信号Sm、Sa、SpをNTSC方式やPAL方式等のテレビ映像信号に変換する。ここで、増幅器7〜9からの映像信号Sm、Sa、Spに対する輝度信号をYm、Ya、Ypとする。バンドパスフィルタ(以後BPFと言う)11は、合焦時のカメラプロセス回路10から出力されるYm、Ya、Ypの輝度信号のうち、合焦時に鮮明な映像成分として発生する数百KHz〜数MHzの周波数を通過させるものである。検波積分器12は、BPF11でフィルタリングされた3つの輝度信号Ym、Ya、Ypそれぞれを検波積分する。
【0023】
規格化回路13は、検波積分器12で信号処理された3つの輝度信号Ym、Ya、Ypについてそれぞれを規格化するものである。具体的には、撮像センサ1と撮像センサ5及び6との撮像素子間の出力形態、画素密度、ライン数等を見かけ上同一条件にするための規格化と、以下に示す出力の規格化を行う。この場合、出力の規格化とは、撮像センサ5と撮像センサ1(又は撮像センサ6と撮像センサ1)は、それぞれ撮像対象物の共通な部分をそれぞれ取得しているが、撮像センサ5及び6では撮像対象物の同じ部分を取得していないため、撮像センサ1の検波積分器12の出力信号を基準として、撮像センサ5及び6の夫々の検波積分器12の出力信号を規格化する。
【0024】
メモリ14は、フィールド間又はフレーム間の規格化された検波積分出力の3つの輝度信号Ym、Ya、Ypを保存する。比較器15は、取得したフィールド間又はフレーム間の規格化された検波積分出力の3つの輝度信号Ym、Ya、Ypを比較したり、前回取得したものや基準値等と比較する。合焦判定回路16は、比較器15の出力により合焦か否かを判定する。山登りサーボ制御回路17は、信号処理のタイミングや合焦動作を制御する。
【0025】
上述したBPF11、検波積分器12、規格化回路13、メモリ14、比較器15、合焦判定回路16及び山登りサーボ制御回路17を備えた合焦検出制御部18は、合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置で、もし、規格化された3つの輝度信号Ym、Ya、Ypより規格化回路13の出力が有意な値であるK値以上の場合はこの3個の輝度信号から合焦方向を検出し、フォーカスレンズ駆動部3を制御してフォーカスレンズ2を合焦方向に移動させ、いわゆる「山登り」動作をさせる。また合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置で規格化回路13の出力が有意な値であるK値とならず、合焦方向が検出されない場合は、移動規約経路により予め定められた方向へ規格化回路13の出力が有意な値となるまでフォーカスレンズ駆動部3を制御してフォーカスレンズ2を移動させ、いわゆる「裾野探し」動作を行い、規格化回路13の出力が有意な値であるK値以上となった時「山登り」動作をさせる山登り方式の合焦制御を行う。なお、この合焦検出制御部18は、BPF11、検波積分器12、規格化回路13、メモリ14、比較器15、合焦判定回路16及び山登りサーボ制御回路17による専用のハードウェア構成としても良いし、マイコンを使用してプログラム制御する構成としても良い。
【0026】
絞り駆動部20は、絞り調整をするモータ等の機構及び回路並びに絞り量センサで構成される。オートアイリス制御部21は、定められた増幅率に対し増幅器7からの撮像信号Smが適正な値となるように、絞り駆動部20を制御して絞り19を調整するオートアイリス動作を行う。オートアイリス制御部21は絞り優先のAGC(Automatic Gain Control)機能をも備えている。ズームレンズ22は、撮像倍率を変化させるためのレンズである。ズームレンズ駆動部23は、モータ等の機構部と駆動回路並びにレンズ位置センサを備えて構成され、ズームレンズ22を光軸上に移動させる。ズーム駆動制御部24は、外部からのWIDE、TELEのズーム指定によりズーム方向とズーム量を設定する。なお、カメラ合焦制御部25は、合焦検出制御部18、オートアイリス制御部21及びズーム駆動制御部24による専用のハードウェア構成としても良いし、マイコンを使用してプログラム制御する構成としても良い。
【0027】
以上のように構成された撮像装置について、図2から図7を用いてその動作を説明する。図1で対象物を撮像センサ1に結像するようにフォーカスレンズ2の位置をコントロールしているが、近い対象物の場合に撮像センサ1に結像させるためにフォーカスレンズ2を図面の左方向に移動させ、遠い対象物の場合はフォーカスレンズ2を図面の右方向に移動させる。図2及び図3はこの新たな対象物に焦点を移動させる場合の合焦動作の最初の段階である裾野探し動作において合焦動作前のフォーカスレンズ2が最短時間で裾野探し動作を行い規格化回路13の出力が有意な値であるK値以上になる裾野を見つける場合の移動規約経路を示す図であり、フォーカスレンズ2の移動方向を横方向にとり、フォーカスレンズ2の移動限界である、左端をNearリミット、右端をFarリミットとし、左端と右端の移動距離をL、フォーカス移動範囲Lの中心をCenterとしている。図2及び図3の移動規約経路図では図1で説明したフォーカスレンズ2の移動方向と一致している、つまり近い(Near)対象物に対しては左方向、遠い(Far)対象物に対しては右方向に移動するように描かれている。更にこの図2及び図3の移動規約経路図は図1の撮像センサ5,6のおかれている距離Dの大きさと合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置により裾野探しの経路が決定されることを示している。
【0028】
例えばD≦L/3の場合は図2に示すように先ず、NearリミットとそこからFar方向に距離D離れた点との間の範囲に合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置がある場合はNearリミットからFar方向に距離D離れた点まで裾野探し動作をせずに超高速で移動し、そこからFar方向に(L−2D)離れた点まで裾野探し動作をすれば、撮像センサ5はNearリミットからFar方向に(L−2D)の点まで裾野探し動作をし、撮像センサ6はNearリミットからFar方向2Dの距離からFarリミットまで裾野探し動作をするため結局撮像センサ1、5、6でNearリミットからFarリミットまで
裾野探し動作をすることになり、この動作により最短時間で必ず裾野を見つけることができる。なお裾野探し動作をせずに超高速で移動することを以後「超速移動」と呼ぶ。
【0029】
次に、合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置がNearリミットからFar方向に距離D離れた点とそこからFar方向に(L/2−D)の点つまりフォーカス移動範囲の中心であるCenterまでの範囲にある場合は、NearリミットからFar方向に距離D離れた点まで超速移動し、そこからFar方向に(L−2D)離れた点まで裾野探し動作をする。更にCenterとそこからFar方向に(L/2−D)の点つまり、FarリミットからNear方向に距離D離れた点までの範囲に合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置がある場合は、FarリミットからNear方向に距離D離れた点まで超速移動し、そこからNear方向に(L−2D)離れた点まで裾野探し動作をする。更にフォーカスレンズ2の位置がFarリミットからNear方向に距離D離れた点とFarリミットまでの範囲にある場合はFarリミットからNear方向に距離D離れた点まで超速移動し、そこからNear方向に(L−2D)離れた点まで裾野探し動作をする。このようにフォーカスレンズ2がFarリミットからNear方向に距離D離れた点から(L−2D)離れた点まで裾野探し動作をする間にフォーカスレンズ2と距離Dだけ離れた点に設置された撮像センサ5,6は夫々NearリミットとNearリミットから(L−2D)の距離の点までの範囲、及びNearリミットから(L−2D)の点からFarリミットまでの範囲を裾野探し動作をするために、3つの撮像センサ1,5,6ではNearリミットからFarリミットまでの全領域について裾野探し動作を最短時間で行う。
【0030】
次にL/3≦D≦L/2の場合についても図2に示すように先ず、NearリミットとそこからFar方向に距離D離れた範囲に合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置がある場合はNearリミットからFar方向に距離D離れた点まで超速移動し、そこからFar方向にD離れた点まで裾野探し動作をすれば、撮像センサ5はNearリミットからFar方向にDの点まで裾野探し動作をし、撮像センサ6はNearリミットからFar方向2Dの距離からFarリミットまで裾野探し動作をするため結局撮像センサ1、5、6でNearリミットからFarリミットまでの範囲Lの全ての点の裾野探し動作をすることになり、この動作により最短時間で必ず裾野を見つけることができる。次に、合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置がNearリミットからFar方向に距離D離れた点とそこからFar方向に(L/2−D)の点、つまりフォーカス移動範囲の中心であるCenterまでの範囲にある場合はNearリミットからFar方向に距離D離れた点まで超速移動し、そこからFar方向にD離れた点まで裾野探し動作をする。更にCenterとそこからFar方向に(L/2−D)の点、つまり、FarリミットからNear方向に距離D離れた点までの範囲に合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置がある場合は、FarリミットからNear方向に距離D離れた点まで超速移動し、そこからNear方向にD離れた点まで裾野探し動作をする。更にフォーカスレンズ2の位置がFarリミットからNear方向に距離D離れた点とFarリミットまでの範囲にある場合はFarリミットからNear方向に距離D離れた点まで超速移動し、そこからNear方向にD離れた点まで裾野探し動作をする。L/3≦D≦L/2の場合はフォーカスレンズ2の位置に対応して以上のような動作を行うことにより、最短時間で裾野を見つけることができる。
【0031】
次にL/2≦D≦Lの場合については図3に示すように先ず、NearリミットとそこからFar方向に距離(L−D)離れた点までの範囲に合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置がある場合はそこからFar方向にD離れた点まで裾野探し動作をすることにより、撮像センサ1、5、6でNearリミットからFarリミットまで裾野探し動作をすることになり、この動作により最短時間で必ず裾野を見つけることができる。
【0032】
次に、合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置がNearリミットからFar方向に距離(L−D)離れた点とそこからFar方向に(D−L/2)の点つまりフォーカス移動範囲の中心であるCenterまでの範囲にある場合はNearリミットからFar方向に距離(L−D)離れた点まで超速移動し、そこからFar方向にD離れた点つまり、Farリミットまで裾野探し動作をする。更にCenterとそこからFar方向に(D−L/2)の点つまり、FarリミットからNear方向に距離(L−D)離れた点までの範囲に合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置がある場合は、FarリミットからNear方向に距離(L−D)離れた点まで超速移動し、そこからNear方向にD離れた点つまり、Nearリミットまでまで裾野探し動作をする。更にフォーカスレンズ2の位置がFarリミットからNear方向に距離(L−D)離れた点とFarリミットまでの範囲にある場合は超速移動せず、そこからNear方向にD離れた点まで裾野探し動作をする。L/2<D≦Lの場合はフォーカスレンズ2の位置に対応して以上のような動作を行うことにより、最短時間で裾野を見つけることができる。
【0033】
図4は図2、図3において撮像センサ5及び6の設置距離DがD=L/2の場合の移動規約経路図である。ここではNearリミットからFarリミットまでの距離Lのフォーカスレンズ移動範囲を4等分し、領域A、B、C、Dとしている。NearリミットからFar方向にL/2離れた点までの範囲、つまり領域A、Bにフォーカスレンズ2がある場合は超速移動せずそのままFar方向にD=L/2裾野探し動作をする間に必ず裾野を探すことができる。またFarリミットからNear方向にL/2離れた点までの範囲、つまり領域C、Dにフォーカスレンズ2がある場合は超速移動せずそのままNear方向にD=L/2裾野探し動作をする間に必ず裾野を探すことができる。
【0034】
次に、上述したD=L/2のときの動作を図5を用いて説明する。図5は、図1における撮像センサ5,6をD=L/2として設置した場合、図4の移動規約経路図となるがこの経路図に基づいて、図22の従来例に適用した時の合焦経路図を示す。規格化回路13の出力値を縦軸にフォカースレンズ2の移動方向を横軸にしたときの出力特性を表した図である。この図において、横軸右方向は遠方向、左方向は近方向の合焦方向を示しており、横方向のディメンションについては図2から図4と同じである。ここでは合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置をP点、撮像センサ5に対する合焦動作前のフォーカスレンズ2の仮想位置をQ点、撮像センサ6に対する合焦動作前のフォーカスレンズ2の仮想位置をM点とし、撮像センサ1への合焦点をFp点、撮像センサ5への合焦点をFq点(図示略)、撮像センサ6への合焦点をFm点(図示略)とした場合について説明する。P点とQ点との間、P点とM点との間は夫々L/2であり、Fp点とFq点との間、Fp点とFm点との間は夫々L/2である。また、図中の規定値:Kは出力がノイズ成分よりも大きい有意な値であり、この値以上の特性値が得られたときに山登り方式による合焦動作を実行させる。
【0035】
図5において先ず、合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置がP点であり、このP点では撮像センサ1の輝度信号Ymの規格化回路の出力が規格値Kよりも小さい。更にD=L/2に設置かれた撮像センサ5,6に対応する点がQ点、M点でありこの点での、撮像センサ5,6の輝度信号Ya,Ypの規格化回路の出力も規格値Kよりも小さい。そこで次に裾野探しの動作に移る。図5で撮像センサ1の合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置P点が領域Cであるから図4の裾野探し動作の移動規約経路図からP点よりNear方向に裾野探し動作を開始する。フォーカスレンズ2がP点からS点に移動したとき撮像センサ1の輝度信号Ymの規格化回路の出力が規格値K以上になり、裾野を検出でき、S点からは山登り制御方式によりフォーカスレンズ2を合焦点であるFpまで移動させる。以上の動作により撮像センサ1のみの場合と比べて短時間で探索が終了する山登り動作を行い、合焦点Fpを検出できる。
【0036】
図6は図2、図3において撮像センサ5及び6の設置距離DがD=L/4の場合の移動規約経路図である。ここではNearリミットからFarリミットまでの距離Lのフォーカスレンズ移動範囲を4等分し、領域A、B、C、Dとしている。先ず、NearリミットからFar方向にL/4離れた点までの範囲、つまり領域Aにフォーカスレンズ2がある場合はその点からFar方向に領域Aと領域Bとの境界であるNearリミットからFar方向にL/4はなれた点まで超速移動し、そこからFar方向にL/2の距離だけ裾野探し動作をする間に必ず裾野を探すことができる。次に領域Bにフォーカスレンズ2がある場合はその点からNear方向に領域Aと領域Bとの境界であるL/4の点まで超速移動し、そこからFar方向にL/2の距離だけ裾野探し動作をする。更に領域Cにフォーカスレンズ2がある場合はその点からFar方向に領域Cと領域Dとの境界である3L/4の点まで超速移動し、そこからNear方向にL/2の距離だけ裾野探し動作をする。次に領域Dにフォーカスレンズ2がある場合はその点からNear方向に領域Cと領域Dとの境界である3L/4の点まで超速移動し、そこからNear方向にL/2の距離だけ裾野探し動作をする。以上のような動作をすることにより短時間で裾野を探すことができる。
【0037】
次に、上述したD=L/4のときの動作を図7を用いて説明する。図7は、図1における撮像センサ5,6をD=L/4として設置した場合、図6の移動規約経路図となるがこの経路図に基づいて、図22の従来例に適用した時の合焦経路図を示す。図7は、規格化回路13の出力値を縦軸に、フォカースレンズ2の移動方向を横軸にしたときの出力特性である。図7において縦方向、横方向のディメンションおよびM、P、Q、S、Fm、Fp、Fq(FmとFqは共に図示略)の各点については図5と同じであり、説明を省略する。P点とQ点との間、P点とM点との間は夫々L/4であり、Fp点とFq点との間、Fp点とFm点との間は夫々L/4である。また、図中の規定値:Kは出力がノイズ成分よりも大きい有意な値であり、この値以上の特性値が得られたときに山登り方式による合焦動作を実行させる。
【0038】
図7において先ず、合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置がP点であり、このP点では撮像センサ1の輝度信号Ymの規格化回路13の出力が規格値Kよりも小さい。更にD=L/4に設置かれた撮像センサ5,6に対応する点がM点、Q点でありこの点での,撮像センサ5,6の輝度信号Ya,Ypの規格化回路13の出力の内Q点の輝度信号Ypの規格化回路13の出力が規定値Kよりも大きいので合焦方向がNear方向であることが判明し、P点よりNear方向へ裾野探し動作を開始する。そしてフォーカスレンズ2がS点を通過した時に輝度信号Ymの規格化回路13の出力が規定値Kを超えるため裾野であることをを検出し、S点からは山登り制御方式によりフォーカスレンズ2を合焦点であるFpまで移動させる。以上のような動作により、撮像センサ1のみの場合と比べて短時間で裾野探しが終了する山登り動作を行い、合焦点Fpを検出する。このような方式によれば合焦動作時間を短縮させることができる。
【0039】
このように本実施の形態に係る撮像装置によれば、フォーカスレンズ2を透過した光をハーフミラー4で分割し、一方を撮像用に、他方を合焦補助用として使用し、フォーカスレンズ2側に所定距離隔てた位置とフォーカスレンズ2と反対側に同一距離隔てた位置に撮像センサ5と撮像センサ6を設けて、撮像用の撮像センサ1を含めた3信号で合焦方向を探索するので、合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置と合焦点との距離が長い場合でもフォーカスレンズ2を前後方向に大きく移動させることなく山の方向を探索でき、早い段階で合焦点を求めることが可能となる。即ち合焦時間の短縮化が図れる。また、撮像センサ5及び6には、撮像センサ1よりも画素数の少ない撮像素子やフォトセンサを使用することができるため、比較的安価に実現できる。
【0040】
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。なお、図1と同じ部分には同じ番号を付してある。本実施の形態の撮像装置は、上述した実施の形態1における図1の2個の撮像センサ5及び6の代わりに1個の全面使用の撮像センサ35を用い、それを結像点Eよりフォーカスレンズ2側に配置したものである。即ち、フォーカスレンズ2の結像点Eよりフォーカスレンズ2側に距離Dだけ離れた光軸上の点B上で且つ撮像面を光軸に対して垂直になるように配置した。撮像センサ35の出力信号は増幅器8に入力される。本実施の形態では、合焦補助用の撮像センサを2個から1個にしたので、実施の形態1の増幅器9が不要となり、またカメラプロセス回路10のY出力も1信号分不要になって2信号Ya、Ymとなる。
【0041】
以上のように構成された撮像装置について、図9から図11を用いてその動作を説明する。図8で対象物を撮像センサ1に結像するようにフォーカスレンズ2の位置をコントロールしているが、近い対象物の場合に撮像センサ1に結像させるためにフォーカスレンズ2を図面の左方向に移動させ、遠い対象物の場合はフォーカスレンズ2を図面の右方向に移動させる。図9はこの新たな対象物に焦点を移動させる場合の合焦動作の最初の段階である裾野探し動作において合焦動作前のフォーカスレンズ2が最短時間で裾野探し動作を行い規格化回路13の出力が有意な値であるK値以上になる場合の移動規約経路を示す図であり、フォーカスレンズ2の移動方向を横方向にとり、フォーカスレンズ2の移動限界である、左端をNearリミット、右端をFarリミットとし、左端と右端の移動距離をL、フォーカス移動範囲Lの中心をCenterとしている。図9の移動規約経路図は近い(Near)対象物に対しては左方向、遠い(Far)対象物に対しては右方向に移動するように描かれており、図8で説明したフォーカスレンズ2の移動方向と一致している。更にこの図9の移動規約経路図は図8の撮像センサ35のおかれている距離Dの大きさと合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置により裾野探しの経路が決定されることを示している。
【0042】
例えばD≦L/2の場合は図9に示すように先ず、NearリミットとそこからFar方向に距離D離れた範囲に合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置がある場合はNearリミットからFar方向に距離D離れた点まで超速移動し、そこからFar方向に(L−D)離れた点である裾野探し動作、つまり、撮像センサ1,35の2つの輝度信号Ym、Yaの規格化回路13からの信号が規定値K以上であるかを検出しながらFarリミットまで進むことにより範囲Lの全ての点の裾野探し動作をしたことになり、この動作をすることにより最短時間で必ず裾野を見つけることができる。次に、合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置がNearリミットからFar方向に距離D離れた点とそこからFar方向に(L−D)/2の点までの範囲にある場合はNearリミットからFar方向に距離D離れた点まで超速移動し、そこからFarリミットまで裾野探し動作をする。更にNearリミットからFar方向に(L+D)/2の点つまり、FarリミットからNear方向に(L−D)/2の点とそこからFarリミットまでの範囲に合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置がある場合は、Farリミットまで超速移動し、そこからNear方向に(L−D)離れた点まで裾野探し動作をする。この動作ではフォーカスレンズ2がFarリミットからNear方向に(L−D)離れた点まで裾野探し動作をする間にフォーカスレンズ2と距離Dだけ離れた点に設置された撮像センサ35はNearリミットから(L−2D)離れた点とNearリミットとの範囲を裾野探し動作をするために、2つの撮像センサ1,35ではNearリミットからFarリミットまでの全領域について裾野探し動作を行う。以上のようにD≦L/2の場合はフォーカスレンズ2の位置に対応して上述のような動作を行うことにより、最短時間で裾野を見つけることができる。
【0043】
次にL/2≦D≦Lの場合についても図9に示すように先ず、NearリミットとそこからFar方向に距離(L−D)離れた範囲に合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置がある場合はNearリミットからFar方向に距離(L−D)離れた点まで超速移動し、そこからFar方向にD離れた点つまりFarリミットまで裾野探し動作をすることにより、撮像センサ1,35の信号の規格化回路13の出力を見れば範囲Lの全ての点の裾野探し動作をしたことになり、この動作により必ず裾野を見つけることができる。次に、合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置がNearリミットからFar方向に距離(L−D)離れた点とそこからFar方向にD/2離れた点までの範囲にある場合はNearリミットからFar方向に距離(L−D)離れた点まで超速移動し、そこからFar方向にD離れた点つまりFarリミットまで裾野探し動作をする。更にNearリミットからFar方向に距離(L−D/2)離れた点とそこからFar方向にD/2の点つまり、Farリミットまでの範囲に合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置がある場合は、Farリミットまで超速移動し、そこからNear方向にD離れた点まで裾野探し動作をする。以上のようにL/2≦D≦Lの場合はフォーカスレンズ2の位置に対応して上述のような動作を行うことにより、最短時間で裾野を見つけることができる。
【0044】
図10は図9において撮像センサ35の設置距離DがD=L/2の場合の移動規約経路図である。ここではNearリミットからFarリミットまでの距離Lのフォーカスレンズ移動範囲を4等分し、領域A、B、C、Dとしている。NearリミットからFar方向にL/2離れた点までの範囲、つまり領域A、Bに合焦動作前のフォーカスレンズ2がある場合はNearリミットからFar方向にL/2はなれた点であるCenterまで超速移動し、そこからFar方向にD=L/2離れた点つまりFarリミットまで裾野探し動作をする間に短時間で必ず裾野を探すことができる。次にCenterとそこからD/2=L/4離れた点までの範囲、つまり領域Cに合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置がある場合はCenterまで超速移動しそこからFar方向にD=L/2離れた点つまりFarリミットまで裾野探し動作をする間に短時間で必ず裾野を探すことができる。更に領域Dに合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置がある場合はFarリミットまで超速移動しそこからNear方向にD=L/2離れた点つまりCenterまで裾野探し動作をする間に短時間で必ず裾野を探すことができる。
【0045】
次に、図8における撮像センサ35をD=L/2として設置した場合、図10の移動規約経路図となるがこの経路図に基づいて、図22の従来例に適用した時の合焦経路図を図11に示し、動作を説明する。図11は、規格化回路13の出力値を縦軸にフォカースレンズ2の移動方向を横軸にしたときの出力特性を表した図である。この図において、横軸右方向は遠方向、左方向は近方向の合焦方向を示しており、横方向のディメンションについては図9から図10と同じである。ここでは合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置をP点、撮像センサ35に対する合焦動作前のフォーカスレンズ2の仮想位置をQ点、撮像センサ1への合焦点をFp点、撮像センサ35への合焦点をFq点(図示略)とした場合について説明する。P点とQ点との間はL/2であり、Fp点とFq点との間もL/2である。また、図中の規定値:Kは出力がノイズ成分よりも大きい有意な値であり、この値以上の特性値が得られたときに山登り方式による合焦動作を実行させる。
【0046】
図11において先ず、合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置がP点であり、このP点では撮像センサ1の輝度信号Ymの規格化回路の出力が規格値Kよりも小さい。更にD=L/2に設置かれた撮像センサ35に対応する点がQ点でありこの点での、撮像センサ35の輝度信号Yaの規格化回路の出力も規格値Kよりも小さい。そこで次に裾野探しの動作に移る。撮像センサ1の合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置P点が領域Cであるから図10の裾野探し動作の移動規約経路図からP点よりCenterまで超速移動し、そこからFar方向に裾野探し動作をする。フォーカスレンズ2がT点に移動したとき、撮像センサ1よりフォーカスレンズ2側にL/2離れた撮像センサ35に対応する点が山の裾野であるR点に移動し撮像センサ35の輝度信号Yaの規格化回路の出力が規格値K以上になり、裾野を検出できたので、合焦判定回路16が合焦方向がNear方向であると判定し、撮像センサ1の規格化回路13の出力がK値以上になるS点までフォーカスレンズ2を速送りし、S点からは山登り制御方式によりフォーカスレンズ2を合焦点であるFpまで移動させる。以上の動作により撮像センサ1のみの場合と比べて合焦動作時間を短縮させることができる。
【0047】
このように本実施の形態の撮像装置によれば、上述した実施の形態1における2個の撮像センサ5及び6の代わりに1個の全面使用の撮像センサ35を用いて、それを結像点Eよりフォーカスレンズ2側に配置したので、上述した実施の形態1と同様に、合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置と合焦点との距離が長い場合でもフォーカスレンズ2を前後方向に大きく移動させることなく山の方向を探索でき、早い段階で合焦点を求めることが可能となる。即ち合焦時間の短縮化が図れる。また、1個の撮像センサ35で済ませたので、実施の形態1の増幅器9が不要となり、またカメラプロセス回路10のY出力も1信号分不要になって2信号Ya、Ymとなり、また撮像センサ1よりも画素数の少ない撮像素子やフォトセンサを使用することができるため、比較的安価に実現できる。
【0048】
(実施の形態3)
図12は、本発明の実施の形態3に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。なお、図1と同じ部分には同じ番号を付してある。本実施の形態の撮像装置は、上述した実施の形態1における図1の2個の撮像センサ5及び6の代わりに1個の全面使用の撮像センサ36を用い、それを結像点Eよりフォーカスレンズ2と反対側に配置したものである。即ち、フォーカスレンズ2の結像点Eよりフォーカスレンズ2の反対側に距離Dだけ離れた光軸上の点A上で且つ撮像面を光軸に対して垂直になるように配置した。撮像センサ36の出力信号は増幅器9に入力される。本実施の形態では、合焦補助用の撮像センサを2個から1個にしたので、実施の形態1の増幅器8が不要となり、またカメラプロセス回路10のY出力も1信号分不要になって2信号Yp、Ymとなる。
【0049】
以上のように構成された撮像装置について、図12から図15を用いてその動作を説明する。図12で対象物を撮像センサ1に結像するようにフォーカスレンズ2の位置をコントロールしているが、近い対象物の場合に撮像センサ1に結像させるためにフォーカスレンズ2を図面の左方向に移動させ、遠い対象物の場合はフォーカスレンズ2を図面の右方向に移動させる。図13はこの新たな対象物に焦点を移動させる場合の合焦動作の最初の段階である裾野探し動作について合焦動作前のフォーカスレンズ2が最短時間で裾野探し動作を行い規格化回路13の出力が有意な値であるK値以上になる場合の移動規約経路を示す図であり、フォーカスレンズ2の移動方向を横方向にとり、フォーカスレンズ2の移動限界である、左端をNearリミット、右端をFarリミットとし、左端と右端の移動距離をL、フォーカス移動範囲Lの中心をCenterとしている。図13の移動規約経路図は近い(Near)対象物に対しては左方向、遠い(Far)対象物に対しては右方向に移動するように描かれており、図12で説明したフォーカスレンズ2の移動方向と一致している。更にこの図13の移動規約経路図は図12の撮像センサ36のおかれている距離Dの大きさと合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置により裾野探しの経路が決定されることを示している
【0050】
例えばD≦L/2の場合は図13に示すように先ず、NearリミットとそこからFar方向に距離(L−D)/2離れた範囲に合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置がある場合はNearリミットまで超速移動し、そこからFar方向に(L−D)離れた点まで裾野探し動作、つまり、撮像センサ1,35の2つの輝度信号Ym、Yp信号の規格化回路13からの信号が規定値K以上であるかを検出しながらFarリミットまで進むことにより範囲Lの全ての点の裾野探し動作をしたことになり、この動作をすることにより最短時間で必ず裾野を見つけることができる。次に、合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置がNearリミットからFar方向に距離(L−D)/2離れた点とそこから更にFar方向に(L−D)/2の点までの範囲にある場合はNearリミットからFar方向に距離(L−D)離れた点まで超速移動し、そこからNearリミットまで裾野探し動作をする。更にNearリミットからFar方向に(L−D)離れた点つまり、FarリミットからNear方向にD離れた点とそこからFarリミットまでの範囲に合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置がある場合は、FarリミットからNear方向にD離れた点まで超速移動し、そこからNearリミットまで裾野探し動作をする。この動作ではフォーカスレンズ2がFarリミットからNear方向にD離れた点から更にD離れた点まで裾野探し動作をする間にフォーカスレンズ2と距離Dだけ離れた点に設置された撮像センサ36はFarリミットとそこからD離れた点との範囲を裾野探し動作をするために、2つの撮像センサ1,35ではNearリミットからFarリミットまでの全領域について裾野探し動作を行う。以上のようにD≦L/2の場合はフォーカスレンズ2の位置に対応して上述のような動作を行うことにより、最短時間で裾野を見つけることができる。
【0051】
次にL/2≦D≦Lの場合についても図13に示すように先ず、NearリミットとそこからFar方向に距離D/2離れた範囲に合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置がある場合はNearリミットまで超速移動し、そこからFar方向にD離れた点まで裾野探し動作をすることにより、撮像センサ1,36の信号の規格化回路13の出力を見れば範囲Lの全ての点の裾野探し動作をしたことになり、この動作により必ず裾野を見つけることができる。次に、合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置がNearリミットからFar方向に距離D/2離れた点とそこからFar方向にD/2離れた点までの範囲にある場合はNearリミットからFar方向に距離D離れた点まで超速移動し、そこからNearリミットまで裾野探し動作をする。更にNearリミットからFar方向に距離D離れた点とそこからFar方向に(L−D)離れた点つまり、Farリミットまでの範囲に合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置がある場合は、FarリミットからNear方向に(L−D)離れた点まで超速移動し、そこからNear方向にD離れた点つまりNearリミットまで裾野探し動作をする。以上のようにL/2≦D≦Lの場合はフォーカスレンズ2の位置に対応して上述のような動作を行うことにより、最短時間で裾野を見つけることができる。
【0052】
図14は図13において撮像センサ36の設置距離DがD=L/2の場合の移動規約経路図である。ここではNearリミットからFarリミットまでの距離Lのフォーカスレンズ移動範囲を4等分し、領域A、B、C、Dとしている。NearリミットからFar方向にL/4離れた点までの範囲、つまり領域Aに合焦動作前のフォーカスレンズ2がある場合はNearリミットまで超速移動し、そこからFar方向にD=L/2離れた点つまりCenterまで裾野探し動作をする間に短時間で必ず裾野を探すことができる。次にNearリミットからFar方向にL/4離れた点であるL/4とCenterまでの範囲、つまり領域Bに合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置がある場合はCenterまで超速移動しそこからNear方向にD=L/2離れた点つまりNearリミットまで裾野探し動作をする間に短時間で必ず裾野を探すことができる。更にCenterとそこからFar方向にL/2離れた点であるFarリミットまでの範囲つまり領域C、Dに合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置がある場合はCenterまで超速移動しそこからNear方向にD=L/2離れた点つまりNearリミットまで裾野探し動作をする間に短時間で必ず裾野を探すことができる。
【0053】
次に、図12における撮像センサ36をD=L/2として設置した場合、図14の移動規約経路図となるがこの経路図に基づいて、図22の従来例に適用した時の合焦経路図を図15に示し、動作を説明する。図15は、規格化回路13の出力値を縦軸にフォカースレンズ2の移動方向を横軸にした時の出力特性を表した図である。この図において、横軸右方向は遠方向、左方向は近方向の合焦方向を示しており、横方向のディメンションについては図13から図14と同じである。ここでは合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置をP点、撮像センサ36に対する合焦動作前のフォーカスレンズ2の仮想位置をM点、撮像センサ1への合焦点をFp点、撮像センサ36への合焦点をFm点(図示略)とした場合について説明する。P点とM点との間はL/2であり、Fp点とFm点との間もL/2である。また、図中の規定値:Kは出力がノイズ成分よりも大きい有意な値であり、この値以上の特性値が得られたときに山登り方式による合焦動作を実行させる。
【0054】
図15において先ず、合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置がP点であり、このP点では撮像センサ1の輝度信号Ymの規格化回路の出力が規格値Kよりも小さい。更にD=L/2に設置かれた撮像センサ36に対応する点がM点でありこの点での、撮像センサ36の輝度信号Ypの規格化回路の出力も規格値Kよりも小さい。そこで次に裾野探しの動作に移る。撮像センサ1の合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置P点が領域Cであるから図14の裾野探し動作の移動規約経路図からP点よりCenterまで超速移動し、そこからNear方向に裾野探し動作をする。Centerから裾野探し動作を開始し、フォーカスレンズ2がS点に移動したとき、撮像センサ1の輝度信号Ymの規格化回路の出力が規格値K以上になり、裾野を検出できたので、合焦判定回路16が合焦方向がNear方向であると判定し、S点からは山登り制御方式によりフォーカスレンズ2を合焦点であるFpまで移動させる。以上の動作により撮像センサ1のみの場合と比べて合焦動作時間を短縮させることができる。
【0055】
このように本実施の形態の撮像装置によれば、上述した実施の形態1における2個の撮像センサ5及び6の代わりに1個の全面使用の撮像センサ36を用いて、それを結像点Eよりフォーカスレンズ2の反対側に距離Dだけ離れた位置に配置したので、上述した実施の形態1と同様に、合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置と合焦点との距離が長い場合でもフォーカスレンズ2を前後方向に大きく移動させることなく山の方向を探索でき、早い段階で合焦点を求めることが可能となる。即ち合焦時間の短縮化が図れる。また、1個の撮像センサ36で済ませたので、実施の形態1の増幅器8が不要となり、またカメラプロセス回路10のY出力も1信号分不要になって2信号Yp、Ymとなり、また撮像センサ1よりも画素数の少ない撮像素子やフォトセンサを使用することができるため、比較的安価に実現できる。
【0056】
(実施の形態4)
図16は、本発明の実施の形態4に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。なお、この図において図12と共通する部分には同じ番号を付してある。
【0057】
図16において、本実施の形態は上述した実施の形態3の図12に示した全面撮像センサ36の代わりに赤外線撮像センサ37を用い、それを結像点Eよりフォーカスレンズ2と反対側に配置したものである。即ち、フォーカスレンズ2の結像点Eよりフォーカスレンズ2と反対側に距離Cだけ離れた光軸上の点RAで且つ撮像面を光軸に対して垂直になるように配置した。また、本実施の形態では、ハーフミラー4で赤外光を分離し通過させるために赤外線フィルタ(図示略)をハーフミラー4の赤外線撮像センサ37側に設けている。赤外線撮像センサ37の出力信号は増幅器9に入力される。なお、赤外線フィルタは、撮像センサ1と赤外線撮像センサ37の位置を交換した場合、ハーフミラー4による反射光側に配置することも可能である。この際、フォーカスレンズ2とハーフミラー4との間の光路に触れないように配置する必要がある。
【0058】
ここで、赤外線は可視光に比べ波長が長いために屈折率が小さくなり、フォーカスレンズ2を通過した後の結像点が可視光に比べ長くなる。この場合、可視光との差をYとする。ズームレンズ22の光学中心とフォーカスレンズ2を通過した後の可視光の結像予測点Eとの長さをWとすると、可視光で距離D離れた点は赤外光では[W+Y]/W倍になり、その値をZとすると、Z=D×[W+Y]/Wとなる。
【0059】
今、図16においてD=L/4のとき、つまり、
Z=L×[W+Y]/4W、C=Y+Z=Y+L×[W+Y]/4W
のときの動作について図17及び図18に従って説明する。
【0060】
図17は、赤外線撮像センサ37が、先に説明した距離Cに設置されたときの合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置と山形の合焦特性の裾野探しの移動経路を示したもので可視光ではD=L/4の場合と同じである。、これは図13の移動規約経路図においてD=L/4の移動規約経路図である。また横方向のディメンションは図13と同じである。
【0061】
先ず合焦動作前のフォーカスレンズ2がNearリミットとNearリミットからFar方向に3L/8の点までの範囲にある場合、図のようにNearリミットまで超速移動させ、そこから撮像センサ1、赤外線撮像センサ37よりの規格化回路13の各信号が規定値K以上になるかをセンシング(検出)しながら3L/4点まで移動させる。フォーカスレンズ2をセンタから3L/4点まで移動させたとき、赤外線撮像センサ37により3L/4点からFarリミットまでの合焦特性の裾野探索が行われるため、結局全域を探索したことになる。
【0062】
次に、合焦動作前のフォーカスレンズ2がNearリミットからFar方向に3L/8の点から3L/4の点までの範囲にある場合、超速移動で3L/4の点まで移動し、そこから撮像センサ1、赤外線撮像センサ37よりの規格化回路13の各信号が規定値K以上であるかを検出しながらNearリミットまで移動させる。この場合も前記NearリミットとNearリミットからFar方向に3L/8の点までの範囲にある場合と同様に3L/4の移動により全域を探索したことになる。
【0063】
次に合焦動作前のフォーカスレンズ2が領域Dにある場合は、図のように3L/4点まで超速移動させ、そこから撮像センサ1、赤外線撮像センサ37よりの規格化回路13の各信号が規定値K以上であるかを検出しながらNearリミットまで移動させる。
【0064】
そしてフォーカスレンズ2をセンタから3L/4点まで移動させたとき、撮像センサ1よりフォーカスレンズ側と逆方向にC(L/4相当)離れた赤外線撮像センサ37により3L/4点からFarリミットまでの合焦特性の裾野探索が行われるため、結局全域を探索したことになる。以上のように撮像センサ1だけのときと比べ裾野探し動作の探索時間が短縮される。
【0065】
次に、上述したD=L/4のときの動作を図18を用いて説明する。図18は、図16における映像のY信号のフィルタ及び検波積分後の規格化回路13の出力値を縦軸に、フォカースレンズ2の移動方向を横軸にしたときの出力特性である。図18において縦方向、横方向のディメンションおよびM、P、S、Fの各点については図15と同じであり、M点は赤外撮像センサ37の合焦動作前の仮想フォーカスレンズ位置であり、P点とM点との間はL/4である。また、図中の規定値:Kは出力がノイズ成分よりも大きい有意な値であり、この値以上の特性値が得られたときに山登り方式による合焦動作を実行させる。
【0066】
合焦前のフォーカスレンズ2の位置がP点であり、この位置ではP点、M点つまり撮像センサ1及びその合焦点EよりもL/4相当分だけフォーカスレンズ2と反対側に設置された赤外線撮像センサ37の両者で規定値K以上の出力が得られないために、図17の移動規約経路に従って3L/4点まで超速移動させ、そこからNearリミットに向かってセンシング移動つまり裾野探しの動作をさせる。S点で規定値K以上の出力が得られ、S点からは山登り制御方式によりフォーカスレンズ2を合焦点であるFpまで移動させる。このような方式によって合焦動作時間を短縮させることができる。
【0067】
このように本実施の形態に係る撮像装置によれば、フォーカスレンズ2を透過した光をハーフミラー4で分割し、反射光を可視用撮像センサ1に、透過光を赤外光の撮像センサ37に投影し、検出用としてフォーカスレンズ2の結像点より所定の長さだけフォーカスレンズ2と逆方向に離れた位置に赤外線撮像センサ37を配置し、可視光用と赤外光用の撮像センサ1及び37からの信号で合焦方向を探索するので、合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置と合焦点との距離が長い場合でもフォーカスレンズ2を前後方向に大きく移動させることなく山の方向を探索でき、早い段階で合焦点を求めることが可能となる。即ち合焦時間の短縮化が図れる。また、夜間には赤外線撮像センサ37からの撮像信号を用いることにより、暗闇でも鮮明な像を得ることができるために用途が広がり、特に監視用の撮像装置においては有効な手段となる。
【0068】
(実施の形態5)
図19は、本発明の実施の形態5に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。なお、この図において図8と共通する部分には同じ番号を付してある。本実施の形態は上述した実施の形態2の図8に示した全面撮像センサ35の代わりに赤外線撮像センサ38を用い、それを結像点Eよりフォーカスレンズ2側に配置したものである。即ち、フォーカスレンズ2の結像予測点Eよりフォーカスレンズ2側に距離Cだけ離れた光軸上の点RBで且つ撮像面を光軸に対して垂直になるように配置した。また、本実施の形態では、ハーフミラー4で赤外光を分離し通過させるために赤外線フィルタ(図示略)をハーフミラー4の赤外線撮像センサ38側に設けている。赤外線撮像センサ38の出力信号は増幅器8に入力される。なお、赤外線フィルタは、撮像センサ1と赤外線撮像センサ38の位置を交換した場合、ハーフミラー4による反射光側に配置することも可能である。この際、フォーカスレンズ2とハーフミラー4との間の光路に触れないように配置する必要がある。
【0069】
ここで、赤外線は可視光に比べ波長が長いために屈折率が小さくなり、フォーカスレンズ2を通過した後の結像点が可視光に比べ長くなる。この場合、可視光との差をYとする。ズームレンズ22の光学中心とフォーカスレンズ2を通過した後の可視光の結像予測点Eとの長さをWとすると、可視光で距離D離れた点は赤外光では[W+Y]/W倍になり、その値をZとすると、Z=D×[W+Y]/Wとなる。
【0070】
今、図19においてD=L/4のとき、つまり、
Z=L×[W+Y]/4W、C=|Y−Z|=|Y−L×[W+Y]/4W|ときの動作について図20、図21に従って説明する。
【0071】
図20は、赤外線撮像センサ38が先に説明した距離Cに設置されたときの合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置と山形の合焦特性の裾野探しの移動経路を示したもので、可視光ではD=L/4の場合と同じである。これは図9の移動規約経路図においてD=L/4の移動規約経路図である。また横方向のディメンションは図9と同じである。
【0072】
先ず合焦動作前のフォーカスレンズ2がNearリミットとNearリミットからFar方向にL/4の点までの範囲、つまり領域Aにある場合、図のようにL/4点まで超速移動させ、そこから撮像センサ1、赤外線撮像センサ38よりの規格化回路13の各信号が規定値K以上になるかをセンシング(検出)しながらFarリミットまで移動させる。フォーカスレンズ2をL/4点からセンタまで移動させたとき、赤外線撮像センサ38によりNearリミットからL/4点までの合焦特性の裾野探索が行われるため、結局全域を探索したことになる。
【0073】
次に、合焦動作前のフォーカスレンズ2がL/4点からFar方向に3L/8の点までの範囲にある場合、超速移動でL/4の点まで移動し、そこから撮像センサ1、赤外線撮像センサ37よりの規格化回路13の各信号が規定値K以上であるかを検出しながらFarリミットまで移動させる。この場合も前記NearリミットとNearリミットからFar方向にL/4の点までの範囲にある場合と同様に3L/4の移動により全域を探索したことになる。
【0074】
次に合焦動作前のフォーカスレンズ2がFarリミットとFarリミットからNear方向に3L/8の点までの範囲にある場合は、図のようにFarリミットまで超速移動させ、そこから撮像センサ1、赤外線撮像センサ37よりの規格化回路13の各信号が規定値K以上であるかを検出しながらNearリミットからFar方向にL/4の点まで移動させる。
【0075】
そしてフォーカスレンズ2をセンタからL/4点まで移動させたとき、撮像センサ1よりレンズ側にC(L/4相当)離れた赤外線撮像センサ38によりL/4点からNearリミットまでの合焦特性の裾野探索が行われるため、結局全域を探索したことになる。以上のように撮像センサ1だけのときと比べ裾野探し動作の探索時間が短縮される。
【0076】
次に、上述したD=L/4のときの動作を図21を用いて説明する。図21は、図19における映像のY信号のフィルタ及び検波積分後の規格化回路13の出力値を縦軸に、フォカースレンズ2の移動方向を横軸にしたときの出力特性である。図21において縦方向、横方向のディメンションおよび点F、Q、P、Sについては図5と同じであり、PとQとの間はL/4である。また、図中の規定値:Kは出力がノイズ成分よりも大きい有意な値であり、この値以上の特性値が得られたときに山登り方式による合焦動作を実行させる。
【0077】
合焦前のフォーカスレンズ2の位置がP点であり、この位置でQ点つまり撮像センサ1及びその合焦点EよりもL/4相当分だけレンズ側に設置された赤外線撮像センサ38で規定値K以上の出力が得られているため、フォーカスレンズ2を合焦方向であるNear方向へ裾野探しの動作をさせながら移動させるとS点で裾野が検出される。それゆえS点からは山登り制御方式によりレンズを合焦点であるFまで移動させる。このような方式によって合焦動作時間を短縮させることができる。
【0078】
このように本実施の形態に係る撮像装置によれば、フォーカスレンズ2を透過した光をハーフミラー4で分割し、反射光を可視用撮像センサ1に、透過光を赤外光の撮像センサ38に投影し、検出用としてフォーカスレンズ2の結像点より所定の長さだけフォーカスレンズ2側に赤外線撮像センサ38を配置し、可視光用と赤外光用の撮像センサ1及び38からの信号で合焦方向を探索するので、合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置と合焦点との距離が長い場合でもフォーカスレンズ2を前後方向に大きく移動させることなく山の方向を探索でき、早い段階で合焦点を求めることが可能となる。即ち合焦時間の短縮化が図れる。また、夜間には赤外線撮像センサ38からの撮像信号を用いることにより、暗闇でも鮮明な像を得ることができるために用途が広がり、特に監視用の撮像装置においては有効な手段となる。
【0079】
なお、上記実施の形態4及び5では、主に昼間の撮像について説明したが、夜間においては赤外線撮像センサ37及び38の信号を主撮像信号とし、撮像センサ1を補助用の撮像センサとして合焦の高速化に用いることができ、夜間の撮影に好適となる。
【0080】
また、上記実施の形態4及び5では、赤外線の波長が2ミクロン程度までであれば可視光用の材質のレンズを使用することができるが、それ以上になると透過率の関係上、8ミクロン程度までは可視光と、赤外光の両方を透過することができるCaF2のような材質を用いることにより実現できる。また、より長い波長の場合はアルカリハロライド系の材料や、レンズの代わりに凹面、凸面状の反射鏡を用いレンズと同じ、作用を行うことができる。
【0081】
また、上記実施の形態4及び5において、ハーフミラー4の代わりにダイクロイックミラーを用いることも可能である。そのダイクロイックミラーにて可視光と赤外光を分離することにより、ダイクロイックミラーに入射する光を波長に応じて光を反射、透過し、可視光と赤外光に分離することができるため、透過光、反射光に不必要な波長成分を含まず、それぞれの方向への光量が増加し、より鮮明な像を得ることができる。
【0082】
また、上記各実施の形態1〜5において、合焦動作時に超速移動を行ったが超速移動を裾野探し動作に変えることもできる。超速移動の区間は必ず裾野探し動作で通過す区間であるが、この区間で裾野を検出されることも想定されるので、超速移動を裾野探し動作に変えることにより更に早い合焦動作を得る場合もある。一方超速移動の区間には裾野がない場合は超速移動の方が早い合焦動作を行うことができる。
【0083】
また、上記各実施の形態1〜5において、ズームレンズ22とフォーカスレンズ2が分離独立して設けられている場合について説明したが、ズームレンズ22とフォーカスレンズ2とを1連のレンズ群としたインナーフォーカスズームレンズの使用が可能であり、このようなレンズを使用した場合においてもズーム動作、フォーカス動作、絞り動作は全く同じように扱うことができる。
【0084】
また、上記各実施の形態1〜5において、撮像用の撮像センサ1を反射側の光路上に配置し、合焦補助用の撮像センサ5、6、35、36、37及び38を透過側の光路上に配置したが、逆に配置しても構わない。例えば、実施の形態1において、撮像用の撮像センサ1を透過側の光路上に配置し、合焦補助用の撮像センサ5を反射側の光路上に配置する。但し、実施の形態4及び5では、上述したように赤外線フィルタを設ける関係上、反射側に合焦補助用の撮像センサ37及び38を配置した場合、赤外線フィルタがフォーカスレンズ2とハーフミラー4との間の光路に触れないようにする必要がある。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、合焦動作前でのレンズ位置と合焦点との距離が長い場合でも即座に山登り方式の合焦制御が可能となるために合焦動作時間を短縮することができるという効果を有し、合焦機能を必要とする監視用、一般用ビデオカメラ、ディジタルカメラ等へのオートフォーカス撮像装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の実施の形態1に係る撮像装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係る撮像装置の合焦特性検出時のレンズ移動経路を説明するための概略図
【図3】本発明の実施の形態1に係る撮像装置の合焦特性検出時のレンズ移動経路を説明するための概略図
【図4】本発明の実施の形態1に係る撮像装置の合焦特性検出時のレンズ移動経路を説明するための概略図
【図5】本発明の実施の形態1に係る撮像装置の合焦動作時のレンズ移動経路を説明するための概略図
【図6】本発明の実施の形態1に係る撮像装置の合焦特性検出時のレンズ移動経路を説明するための概略図
【図7】本発明の実施の形態1に係る撮像装置の合焦動作時のレンズ移動経路を説明するための概略図
【図8】本発明の実施の形態2に係る撮像装置の構成を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態2に係る撮像装置の合焦特性検出時のレンズ移動経路を説明するための概略図
【図10】本発明の実施の形態2に係る撮像装置の合焦特性検出時のレンズ移動経路を説明するための概略図
【図11】本発明の実施の形態2に係る撮像装置の合焦動作時のレンズ移動経路を説明するための概略図
【図12】本発明の実施の形態3に係る撮像装置の構成を示すブロック図
【図13】本発明の実施の形態3に係る撮像装置の合焦特性検出時のレンズ移動経路を説明するための概略図
【図14】本発明の実施の形態3に係る撮像装置の合焦特性検出時のレンズ移動経路を説明するための概略図
【図15】本発明の実施の形態3に係る撮像装置の合焦動作時のレンズ移動経路を説明するための概略図
【図16】本発明の実施の形態4に係る撮像装置の構成を示すブロック図
【図17】本発明の実施の形態4に係る撮像装置の合焦特性検出時のレンズ移動経路を説明するための概略図
【図18】本発明の実施の形態4に係る撮像装置の合焦動作時のレンズ移動経路を説明するための概略図
【図19】本発明の実施の形態5に係る撮像装置の構成を示すブロック図
【図20】本発明の実施の形態5に係る撮像装置の合焦特性検出時のレンズ移動経路を説明するための概略図
【図21】本発明の実施の形態5に係る撮像装置の合焦動作時のレンズ移動経路を説明するための概略図
【図22】従来の撮像装置の合焦動作時のレンズ移動経路を説明するための概略図
【符号の説明】
【0087】
1、5、6、35、36 撮像センサ
2 フォーカスレンズ
3 フォーカスレンズ駆動部
4 ハーフミラー
7、8、9 増幅器
10 カメラプロセス回路
11 BPF
12 検波積分器
13 規格化回路
14 メモリ
15 比較器
16 合焦判定回路
17 山登りサーボ制御回路
18 合焦検出制御部
20 絞り駆動部
21 オートアイリス制御部
22 ズームレンズ
23 ズームレンズ駆動部
24 ズーム駆動制御部
25 カメラ合焦制御部
37、38 赤外線撮像センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合焦時におけるぼけのない鮮明な映像信号には高周波成分が多く存在し、ぼけた像になるに従って高周波成分が減少することを利用して合焦を行う撮像装置であって、
フォーカスレンズと、
前記フォーカスレンズをその光軸方向に前後に移動させるフォーカスレンズ駆動手段と、
前記フォーカスレンズによる結像面と前記フォーカスレンズとの間に配置されるハーフミラーと、
前記ハーフミラーを透過する透過光の光路又は反射する反射光の光路のいずれか一方の光軸上に配置される撮像用の第1の撮像センサと、
前記ハーフミラーを透過する透過光の光路又は反射光の光路の他方の光軸上の結像点より前記フォーカスレンズ側に所定距離隔てた位置で且つ光軸より下方の部分で光軸に接するように設置される合焦補助用の第2の撮像センサと、
前記ハーフミラーを透過する透過光の光路又は反射光の光路の他方の光軸上の結像点より前記フォーカスレンズと反対側に前記第2の撮像センサの配置と同一距離隔てた位置で且つ光軸と垂直に設置される合焦補助用の第3の撮像センサと、
前記フォーカスレンズを動かして焦点を求める合焦時に、前記第1の撮像センサ、前記第2の撮像センサ及び前記第3の撮像センサ夫々の撮像信号に含まれる高周波成分の信号レベルを基に合焦方向を探索しながら前記フォーカスレンズ駆動手段を制御して合焦点を求める合焦点制御手段と、
を備える撮像装置。
【請求項2】
合焦時におけるぼけのない鮮明な映像信号には高周波成分が多く存在し、ぼけた像になるに従って高周波成分が減少することを利用して合焦を行う撮像装置であって、
フォーカスレンズと、
前記フォーカスレンズをその光軸方向に前後に移動させるフォーカスレンズ駆動手段と、
前記フォーカスレンズによる結像面と前記フォーカスレンズとの間に配置されるハーフミラーと、
前記ハーフミラーを透過する透過光の光路又は反射する反射光の光路のいずれか一方の光軸上に配置される撮像用の第1の撮像センサと、
前記ハーフミラーを透過する透過光の光路又は反射する反射光の光路の他方の光軸上の結像点より前記フォーカスレンズ側又は前記フォーカスレンズと反対側に所定距離隔てた位置に配置される合焦補助用の第2の撮像センサと、
前記フォーカスレンズを動かして焦点を求める合焦時に、前記第1の撮像センサ及び第2の撮像センサ夫々の撮像信号に含まれる高周波成分の信号レベルを基に合焦方向を探索しながら前記フォーカスレンズ駆動手段を制御して合焦点を求める合焦点制御手段と、
を備える撮像装置。
【請求項3】
合焦時におけるぼけのない鮮明な映像信号には高周波成分が多く存在し、ぼけた像になるに従って高周波成分が減少することを利用して合焦を行う撮像装置であって、
フォーカスレンズと、
前記フォーカスレンズをその光軸方向に前後に移動させるフォーカスレンズ駆動手段と、
前記フォーカスレンズによる結像面と前記フォーカスレンズとの間に配置されるハーフミラーと、
前記ハーフミラーを透過する透過光の光路又は反射する反射光の光路のいずれか一方の光軸上に配置される撮像用の撮像センサと、
前記ハーフミラーを透過する透過光の光路又は反射する反射光の光路の他方の光軸上の可視光における結像点より前記フォーカスレンズ側又は前記フォーカスレンズと反対側に所定距離隔てた位置に配置される合焦補助用の赤外線撮像センサと、
前記赤外線撮像センサが透過光の光路側に設けられた場合には前記ハーフミラーと前記赤外線撮像センサとの間に配置され、前記赤外線撮像センサが反射光の光路側に設けられた場合には前記ハーフミラーと前記赤外線撮像センサとの間で且つ透過光に触れない位置に配置される赤外線フィルタと、
前記フォーカスレンズを動かして焦点を求める合焦時に、前記撮像センサ及び前記赤外線撮像センサ夫々の撮像信号に含まれる高周波成分の信号レベルを基に合焦方向を探索しながら前記フォーカスレンズ駆動手段を制御して合焦点を求める合焦点制御手段と、
を備える撮像装置。
【請求項4】
合焦時におけるぼけのない鮮明な映像信号には高周波成分が多く存在し、ぼけた像になるに従って高周波成分が減少することを利用して合焦を行う撮像装置の合焦方法であって、フォーカスレンズによる結像面と前記フォーカスレンズとの間にハーフミラーを配置して、撮像用の第1の撮像センサを前記ハーフミラーを透過する透過光の光路又は反射する反射光の光路のいずれか一方の光軸上に配置する一方、前記ハーフミラーを透過する透過光の光路又は反射光の光路の他方の光軸上の結像点より前記フォーカスレンズ側に所定距離隔てた位置で且つ光軸より下方の部分で光軸に接するように合焦補助用の第2の撮像センサを配置するとともに、前記ハーフミラーを透過する透過光の光路又は反射光の光路の他方の光軸上の結像点より前記フォーカスレンズと反対側に前記第2の撮像センサの配置と同一距離隔てた位置で且つ光軸より上方の部分で光軸に接するように合焦補助用の第3の撮像センサを配置し、前記フォーカスレンズを動かして焦点を求める合焦時に、前記第1の撮像センサ、前記第2の撮像センサ及び前記第3の撮像センサ夫々の撮像信号に含まれる高周波成分の信号レベルを基に合焦方向を探索しながら合焦点を求める撮像装置の合焦方法。
【請求項5】
合焦時におけるぼけのない鮮明な映像信号には高周波成分が多く存在し、ぼけた像になるに従って高周波成分が減少することを利用して合焦を行う撮像装置の合焦方法であって、フォーカスレンズによる結像面と前記フォーカスレンズとの間にハーフミラーを配置して、撮像用の第1の撮像センサを前記ハーフミラーを透過する透過光の光路又は反射する反射光の光路のいずれか一方の光軸上に配置する一方、前記ハーフミラーを透過する透過光の光路又は反射する反射光の光路の他方の光軸上の結像点より前記フォーカスレンズ側又は前記フォーカスレンズと反対側に所定距離隔てた位置に合焦補助用の第2の撮像センサを配置し、前記フォーカスレンズを動かして焦点を求める合焦時に、前記第1の撮像センサ及び第2の撮像センサ夫々の撮像信号に含まれる高周波成分の信号レベルを基に合焦方向を探索しながら合焦点を求める撮像装置の合焦方法。
【請求項6】
合焦時におけるぼけのない鮮明な映像信号には高周波成分が多く存在し、ぼけた像になるに従って高周波成分が減少することを利用して合焦を行う撮像装置の合焦方法であって、フォーカスレンズによる結像面と前記フォーカスレンズとの間にハーフミラーを配置して、撮像用の撮像センサを前記ハーフミラーを透過する透過光の光路又は反射する反射光の光路のいずれか一方の光軸上に配置する一方、前記ハーフミラーを透過する透過光の光路又は反射する反射光の光路の他方の光軸上の可視光における結像点より前記フォーカスレンズ側又は前記フォーカスレンズと反対側に所定距離隔てた位置に合焦補助用の赤外線撮像センサを配置するとともに、前記赤外線撮像センサが透過光の光路側に設けられた場合には前記ハーフミラーと前記赤外線撮像センサとの間に、前記赤外線撮像センサが反射光の光路側に設けられた場合には前記ハーフミラーと前記赤外線撮像センサとの間で且つ透過光に触れない位置に赤外線フィルタを配置し、前記フォーカスレンズを動かして焦点を求める合焦時に、前記撮像センサ及び前記赤外線撮像センサ夫々の撮像信号に含まれる高周波成分の信号レベルを基に合焦方向を探索しながら合焦点を求める撮像装置の合焦方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2007−86434(P2007−86434A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−275363(P2005−275363)
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】