説明

撮像装置

【課題】高速のコントラストAFと高解像度の表示用画像の取得との両立を図ることができる撮像装置を提供する。
【解決手段】画素部21からの画像信号をアナログ記憶するメモリ部22を有する撮像素子と、第1フレーム周期で画素部21の第1画素領域から第1画像信号を読み出し、第1フレーム周期よりも長い第2フレーム周期で第1画素領域を含む画素部21の第2画素領域から第2画像信号を読み出して、メモリ部22に各記憶させる第1読出制御部24および第1読出処理部25と、メモリ部22から第1画像信号に係る焦点検出用画像信号と第2画像信号に係る表示用画像信号とを読み出す第2読出制御部26および第2読出処理部27と、焦点検出用画像信号に基づいてコントラスト焦点検出を行う焦点検出部と、表示用画像信号に基づいて画像表示を行う画像表示部と、を備えた撮像装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像素子から得られた画像信号に基づき、コントラスト焦点検出および画像表示を行う撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子的な撮像装置においては、撮像素子から所定のフレームレートで出力される画像が、EVFや背面液晶パネルにおけるライブビューや、あるいは動画の撮像にも用いられることが多くなってきている。近年のデジタルカメラ等の撮像装置では、ライブビューはSVGA程度の画素数、動画としてはHD動画の画素数の画像を撮像することができる機種が普及しつつある。例えばHD動画は、記録や表示のフレームレートが規格化されており、HD撮像モードの撮像フレームレートは例えば60fpsとなっている。
【0003】
また、撮像素子から出力される画像に基づき焦点検出を行うコントラストAFは、別途の焦点検出デバイス等が不要である利点があるために、電子的な撮像装置において広く利用されている。
【0004】
このコントラストAFは、レンズのフォーカス位置を移動させながら画像信号中のコントラスト成分(例えば高周波成分)のピーク位置を山登り方式で探索するものであるために、合焦するまでに複数フレームの画像信号が必要となる。
【0005】
コントラストAFにおいては、信頼度の高いコントラスト成分を画像信号から抽出できる必要があるが、被写体の明るさが十分でない場合には、信号成分に対するノイズ成分の割合が大きくなるために、抽出されたコントラスト成分から算出されるAF評価値に誤差が生じる可能性がある。そこで、例えば特開2004-289870号公報には、被写体が暗い場合にフレームレートを低くして、よりノイズの少ない画像信号を取得しコントラストAFや画像表示を行う技術が記載されている。ただし、この技術では、コントラストAFのAF速度が遅くなってしまうことになる。
【0006】
一方、AF速度を早くするためには、焦点検出用に取得される画像のフレームレートを高くすると良い。例えばCMOS撮像素子においては、画像のフレームレートを高くするために、間引き読み出しや画素加算読み出し等を行って撮像素子から出力する画素数を少なくする技術が知られている。
【0007】
ところで、画素部と、この画素部から読み出したアナログの画像信号を記憶するアナログメモリと、を搭載する撮像素子が提案されており、例えば特開2010-252118号公報に記載された技術が一例として挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004-289870号公報
【特許文献2】特開2010-252118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、フレームレートを高くするために画素数を少なくした画像は、ライブビューや動画の撮像に利用するには、画像の解像度が低いという課題がある。
【0010】
これに対して、高解像度の画像を高速フレームレートで撮像素子から出力して、ASIC等で処理することも考えられるが、この場合には、撮像素子やASICの回路規模が大きくなり、かつ高速駆動が必要であるために消費電力も大きくなってしまう。しかも、コントラストAFとHD動画の撮像とを両立しようとすると、上述したように、HD撮像モードの撮像フレームレートが60fpsに制限されているために、コントラストAFのAF速度も制限を受けることになる。高速のコントラストAFもさらに両立させるために、撮像フレームレートを60fpsの整数倍、例えば120fpsにして、記録・表示用の画像をフレーム加算する案も考えられるが、この場合には回路規模や消費電力の増大がより顕著となってしまう。
【0011】
また、フレームレートが高速になると画像の電荷蓄積時間が短くなることになるために、被写体が暗い場合における上述したコントラストAFの信頼性の低下は、高速フレームレートである場合ほど顕著になる。従って、さらに、被写体が暗い場合におけるコントラストAFの信頼性を向上することができることが望ましい。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高速のコントラストAFと、高解像度の表示用画像の取得と、の両立を図ることができる撮像装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明の一態様による撮像装置は、2次元状に配置された画素を有する画素部と、該画素部から読み出した画像信号を記憶するアナログメモリと、を有する撮像素子と、第1のフレーム周期で上記画素部の第1画素領域から第1の画像信号を読み出して上記アナログメモリに記憶させるとともに、上記第1のフレーム周期よりも長い第2のフレーム周期で該第1画素領域を含みかつ該第1画素領域よりも画素数が多い上記画素部の第2画素領域から上記第1の画像信号を含む第2の画像信号を読み出して上記アナログメモリに記憶させる画像信号記憶制御部と、上記アナログメモリから、上記第1の画像信号に基づく焦点検出用画像信号を読み出すとともに、上記第2の画像信号に基づく表示用画像信号を読み出す画像信号読出制御部と、上記焦点検出用画像信号に基づいてコントラスト焦点検出を行う焦点検出部と、上記表示用画像信号に基づいて画像表示を行う画像表示部と、を具備したものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の撮像装置によれば、高速のコントラストAFと、高解像度の表示用画像の取得と、の両立を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態1における撮像装置の構成を示すブロック図。
【図2】上記実施形態1における撮像素子の構成を示す図。
【図3】上記実施形態1の画素部に構成されている単位画素の構成例を示す回路図。
【図4】上記実施形態1のメモリ部に構成されている単位メモリの構成例を示す回路図。
【図5】上記実施形態1の画素部における第1画素領域および第2画素領域の例を示す図。
【図6】上記実施形態1の撮像制御1においてメモリ部に蓄積される画像信号の様子を示す図。
【図7】上記実施形態1の撮像制御2においてメモリ部に蓄積される画像信号の様子を示す図。
【図8】上記実施形態1の撮像制御1におけるメモリ部からの画像信号の読み出しの様子を示す図。
【図9】上記実施形態1の撮像制御2におけるメモリ部からの画像信号の読み出しの様子を示す図。
【図10】上記実施形態1における撮像制御1の処理の例を示すタイミングチャート。
【図11】上記実施形態1における撮像制御2の処理の例を示すタイミングチャート。
【図12】上記実施形態1の撮像装置におけるLV表示処理を示すフローチャート。
【図13】上記実施形態1における撮像制御1の処理を示すフローチャート。
【図14】上記実施形態1における撮像制御2の処理を示すフローチャート。
【図15】上記実施形態1における撮像制御1aの処理を示すフローチャート。
【図16】上記実施形態1における撮像制御1bの処理を示すフローチャート。
【図17】上記実施形態1における撮像制御2aの処理を示すフローチャート。
【図18】上記実施形態1における撮像制御2bの処理を示すフローチャート。
【図19】上記実施形態1における撮像制御2cの処理を示すフローチャート。
【図20】上記実施形態1におけるメモリ制御1の処理を示すフローチャート。
【図21】上記実施形態1におけるメモリ制御2の処理を示すフローチャート。
【図22】上記実施形態1におけるメモリ制御3の処理を示すフローチャート。
【図23】上記実施形態1におけるメモリ制御4の処理を示すフローチャート。
【図24】上記実施形態1におけるメモリ制御5の処理を示すフローチャート。
【図25】上記実施形態1におけるメモリ制御6の処理を示すフローチャート。
【図26】上記実施形態1におけるメモリ制御7の処理を示すフローチャート。
【図27】上記実施形態1におけるメモリ制御8の処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[実施形態1]
【0017】
図1から図27は本発明の実施形態1を示したものであり、図1は撮像装置の構成を示すブロック図である。
【0018】
この撮像装置は、図1に示すように、レンズ1と、レンズ駆動部2と、撮像素子3と、撮像素子駆動部4と、信号処理部5と、AF処理部6と、画像処理部7と、操作部8と、AE処理部9と、メモリ部10と、画像表示部11と、記録部12と、データ・制御バス13と、CPU15と、を備えている。
【0019】
レンズ1は、被写体の光学像を撮像素子3の画素部21(図2参照)に結像するものである。このレンズ1は、焦点位置(ピント位置)を調節してフォーカシングを行うためのフォーカスレンズと、通過する光束の範囲を制御するための絞りと、を備えている。また、レンズ1は、焦点距離を可変なズームレンズとして構成されていても良い。
【0020】
レンズ駆動部2は、AF処理部6からのAF評価値やAE処理部9からの絞り値などを受けたCPU15の命令に基づいて、フォーカス位置や絞り(あるいは、電動ズームレンズである場合には焦点距離)等のレンズ光学条件を制御するものである。すなわち、レンズ駆動部2は、フォーカスレンズや絞りを駆動して、撮像素子3に結像される被写体像が適切な明るさで合焦に至るようにするものである。また、レンズ駆動部2は、レンズ位置や絞り駆動位置などのレンズ駆動情報をCPU15へ出力するようになっている。
【0021】
撮像素子3は、レンズ1により結像された被写体の光学像を光電変換して画像信号として出力するものである。この撮像素子3は、後で図2を参照して説明するように、光電変換を行う画素21a(図3参照)が2次元状に配置された画素部21と、この画素部21から読み出したアナログの画像信号を記憶するためのアナログメモリであるメモリ部22と、を備えている。
【0022】
撮像素子駆動部4は、CPU15からの命令を受けて、撮像駆動モード(例えば、静止画撮影モードにおける撮像駆動モード、LV(ライブビュー)モードにおける撮像駆動モードなど)に応じた画素部21のリセット・読出制御やメモリ部22の書込・読出制御等に必要な制御信号を生成し、撮像素子3を駆動するものである。例えば、撮像素子駆動部4は、AE処理部9により決定された露光時間に基づいて、CPU15の制御の下に、撮像素子3の素子シャッタを制御する。そして、撮像素子駆動部4が静止画撮影モードにおける撮像駆動モードで撮像素子3を駆動すると、撮像素子3からは静止画像信号が出力される。また、撮像素子駆動部4がLVモードにおける撮像駆動モードで撮像素子3を駆動すると、撮像素子3からは焦点検出用画像信号と表示用画像信号とが後述するように出力される。さらに、撮像素子駆動部4は、撮像素子3の駆動情報をCPU15へ出力するようになっている。
【0023】
信号処理部5は、撮像素子3から出力された画像信号に対してレベル補正や振幅調整等のアナログ信号処理を施した後に、A/D変換を行ってデジタル信号を生成するものである。
【0024】
AF処理部6は、撮像素子3から出力された焦点検出用画像信号に基づいて輝度信号のコントラスト情報等を検出し、AF評価値を算出してCPU15へ出力する焦点検出部である。すなわち、この撮像装置は、コントラストAFによる焦点検出が可能となるように構成されたものとなっている。
【0025】
画像処理部7は、撮像素子3から出力された画像信号に、デモザイキング等のカラー化処理、ノイズ補正処理、色補正処理、画像圧縮処理、記録画像フォーマット生成処理等の各種画像処理を行うものである。この画像処理部7は、撮像素子3から出力される画像信号が表示用画像信号である場合には、LV画像フォーマットのLV表示用画像を生成する処理を行う。さらに、画像処理部7は、表示用画像信号が後述するように分割して読み出された場合には、分割された表示用画像信号を合成する処理を行う。
【0026】
操作部8は、この撮像装置に対する各種の操作入力を行うための操作部である。この操作部8には、撮像装置の電源をオン/オフするための電源スイッチ、静止画撮影、動画撮影などを指示入力するためのレリーズボタン、静止画撮影モードや動画撮影モード、LVモードなどを設定するためのモードボタン等の操作部材(例えば、スイッチやタッチパネルなど)が含まれている。
【0027】
AE処理部9は、撮像素子3から出力された表示用画像信号等に基づいて、輝度レベルを検出し、絞り値や露光時間(いわゆるシャッタ速度であり、電荷蓄積時間となる)や感度等の設定に必要なAE制御情報を出力するものである。
【0028】
メモリ部10は、画像処理部7等が画像処理を行う際に必要なラインメモリやフレームメモリなどの揮発性メモリと、工場出荷時に書き込まれた撮像装置の制御プログラムや各種データなどを記録する不揮発性メモリと、を備えている。
【0029】
画像表示部11は、EVF(電子ビューファインダ)や背面液晶パネル等を備え、画像を表示するものである。すなわち、この画像表示部11は、撮像された静止画像の表示を行うとともに、上述した画像処理部7により表示用画像信号に基づき生成されたLV用画像をファインダ用画像として表示する。さらに、画像表示部11は、この撮像装置に係る各種の情報等も表示するようになっている。
【0030】
記録部12は、静止画像や動画像をメモリカード等の記録媒体に保存するためのものである。
【0031】
データ・制御バス13は、信号処理部5、AF処理部6、画像処理部7、操作部8、AE処理部9、メモリ部10、画像表示部11、記録部12、CPU15が双方向に接続されていて、各種のデータや制御信号を授受するためのものである。
【0032】
CPU15は、操作部8からの操作入力を受けて、この撮像装置全体を制御するものである。
【0033】
図2は、撮像素子3の構成を示す図である。
【0034】
撮像素子3は、画素部21と、メモリ部22と、出力アンプ23と、第1読出制御部24と、第1読出処理部25と、第2読出制御部26と、第2読出処理部27と、を備えている。
【0035】
画素部21は、露光量に応じた信号電荷を光電変換により発生させる複数の画素21a(図3参照)が2次元状(行列状:図5等参照)に配列されたものである。
【0036】
メモリ部22は、画素部21に配列された各画素21aの信号電荷を一時的に蓄積するアナログメモリであり、例えば画素部21に配列された各画素21aと同一数かつ同一配列のメモリを有して構成されている。一般的に、焦点検出用画像信号や表示用画像信号は静止画像信号に比して構成画素数が少ないために、このメモリ部22は、複数フレーム分の焦点検出用画像信号や表示用画像信号を記憶し得るものとなっている。
【0037】
第1読出制御部24は、画像信号記憶制御部を構成しており、画素部21および第1読出処理部25を制御するための制御信号を生成するものである。
【0038】
第1読出処理部25は、画像信号記憶制御部を構成しており、画素部21から読み出した信号を、行毎に加算したり、増幅したりする処理を行うものである。
【0039】
LVモードのときには、これら第1読出制御部24および第1読出処理部25により、第1のフレーム周期で画素部21の第1画素領域(図5参照)から第1の画像信号を読み出してメモリ部22に記憶させるとともに、第1のフレーム周期よりも長い第2のフレーム周期で第1画素領域を含みかつ第1画素領域よりも画素数が多い画素部21の第2画素領域(図5参照)から第1の画像信号を含む第2の画像信号を読み出してメモリ部22に記憶させるようになっている。
【0040】
第2読出制御部26は、画像信号読出制御部を構成しており、メモリ部22および第2読出処理部27を制御するための制御信号を生成するものである。
【0041】
第2読出処理部27は、画像信号読出制御部を構成しており、メモリ部22から読み出した信号に、CDS(相関2重サンプリング)等のノイズ低減処理を行ったり、水平方向や垂直方向の加算を行ったり、水平読出を行ったりするものである。
【0042】
LVモードのときには、これら第2読出制御部26および第2読出処理部27により、メモリ部22から、第1の画像信号に基づく焦点検出用画像信号を読み出すとともに、第2の画像信号に基づく表示用画像信号を読み出すようになっている。
【0043】
出力アンプ23は、第2読出処理部27から水平読出処理された信号を増幅するものである。
【0044】
図3は、画素部21に構成されている単位画素21aの構成例を示す回路図である。
【0045】
画素部21の画素21aは、光電変換部であるPD(フォトダイオード)と、この光電変換部PDの信号を電荷読み出しの際に一時的に保持する信号蓄積部であるFD(フローティングディフュージョン)と、を備えている。ここに、光電変換部PDは、入射した光に応じた信号電荷を生成し、生成した信号電荷を保持・蓄積するものである。また、信号蓄積部FDは、光電変換部PDから転送された信号電荷を一時的に保持・蓄積する容量である。これら光電変換部PDの一端と信号蓄積部FDの一端と、はそれぞれ接地されている。
【0046】
光電変換部PDの他端と信号蓄積部FDの他端との間には、光電変換部PDに蓄積された信号電荷を信号蓄積部FDへ転送するための転送トランジスタTXが直列に接続されている。この転送トランジスタTXの入力部であるゲート端子は第1読出制御部24に接続されており、第1読出制御部24から転送パルスが供給されて、転送トランジスタTXのオン/オフが制御されるようになっている。
【0047】
AMPは、増幅部として機能する増幅用トランジスタであり、ゲート端子に入力される、信号蓄積部FDに蓄積されている信号電荷に基づく信号を、増幅して出力するものである。すなわち、この増幅トランジスタAMPは、電圧源VDDにも接続されていて、さらに図示しない電流源とでソースフォロアンプを構成するようになっている。
【0048】
RSTは信号蓄積部FDおよび増幅トランジスタAMPの入力部をリセットするためのFDリセットトランジスタである。このFDリセットトランジスタRSTの入力部であるゲート端子は第1読出制御部24に接続されており、第1読出制御部24からFDリセットパルスが供給されて、FDリセットトランジスタRSTのオン/オフが制御されるようになっている。また、このような構成において、FDリセットトランジスタRSTと転送トランジスタTXとを同時にオンすることにより、信号蓄積部FDのリセットと同時に光電変換部PDのリセットも行うことができるようになっている。
【0049】
ROWSELは、信号蓄積部FDの信号を増幅トランジスタAMPを介して読み出す際にオンされる行選択トランジスタである。この行選択トランジスタROWSELの入力部であるゲート端子は第1読出制御部24に接続されており、第1読出制御部24から行選択パルスが供給されて、行選択トランジスタROWSELのオン/オフが制御されるようになっている。
【0050】
このような構成によって、光電変換部PDの信号は、信号蓄積部FDに一旦蓄積された後に、増幅トランジスタAMPにより増幅されて、メモリ部22側へ出力される。
【0051】
図4は、メモリ部22に構成されている単位メモリ22aの構成例を示す回路図である。
【0052】
メモリ部22は、コンデンサC1,C2と、スイッチSW1〜SW4と、増幅トランジスタAMP2と、を有している。
【0053】
コンデンサC1,C2は、画素部21から転送された電荷を一時的に保持・蓄積する容量である。コンデンサC1,C2の内の一方はリセットノイズを蓄積するのに使用され、他方は信号電荷を蓄積するのに使用される。ここでは例えば、コンデンサC1がリセットノイズを蓄積するのに使用され、コンデンサC2が信号電荷を蓄積するのに使用されるものとする。
【0054】
スイッチSW1は、画素部21からのリセットノイズをコンデンサC1へ転送する際にオンされるスイッチである。
【0055】
スイッチSW4は、画素部21からの信号電荷をコンデンサC2へ転送する際にオンされるスイッチである。
【0056】
スイッチSW2は、コンデンサC1に蓄積されたリセットノイズを読み出す際にオンされるスイッチである。
【0057】
スイッチSW3は、コンデンサC2に蓄積された信号電荷を読み出す際にオンされるスイッチである。
【0058】
増幅トランジスタAMP2は、上述した画素21a内の増幅トランジスタAMPと同様に増幅部として機能するものであり、ゲート端子に入力される、コンデンサC1に蓄積されているリセットノイズに基づく信号、またはコンデンサC2に蓄積されている信号電荷に基づく信号を、増幅して出力するものである。従って、この増幅トランジスタAMP2も、電圧源VDDと電流源とでソースフォロアンプを構成するようになっている。
【0059】
このようにメモリ部22は、非破壊読み出し可能なメモリとして構成されたものとなっている。
【0060】
図5は、画素部21における第1画素領域および第2画素領域の例を示す図である。なお、図5には、画素部21に配列された画素21aの行番号(ライン番号)を参照のために図示している。また、図5では、行については一般のN行の構成を図示しているものの、列については簡単のために4列の構成を図示している。しかし、実際の撮像素子は、一般にはより多くの列で構成されていることはいうまでもない。
【0061】
図5において、点線で囲んだ画素21aは、第1画素領域として使用されるとともに、第2画素領域としても使用されるようになっている。また、実線で囲んだ画素21aは、第2画素領域として使用されるが、第1画素領域としては使用されない画素である。さらに、実線または点線の何れでも囲まれていない画素21aは、第1画素領域、第2画素領域の何れに対しても使用されない。
【0062】
ここに、第1画素領域は、焦点検出用画像信号を生成するための第1の画像信号を読み出す画素領域である。
【0063】
また、第2画素領域は、表示用画像信号を生成するための第2の画像信号を読み出す画素領域である。
【0064】
図5に示す例においては、3iライン(iは1以上の整数)が第2画素領域、(3+12j)ラインおよび(6+12j)ライン(jは0以上の整数)が第1画素領域となっている。
【0065】
図6は、撮像制御1においてメモリ部22に蓄積される画像信号の様子を示す図である。
【0066】
撮像制御1は、後で図10等を参照して説明するように、第1画素領域からの第1の画像信号の読み出しと、第2画素領域からの第2の画像信号の読み出しと、を交互に行う撮像制御モードとなっている。
【0067】
例えば、まず、第1画素領域から第1の画像信号(後述する図10の例えばF1に相当)を読み出して、メモリ部22に記憶させる。ここに、第1画素領域の総ライン数はmであるものとしている。図5に示したような第1画素領域を採用する場合には、Nが大きければm≒N/6である。
【0068】
次に、第1画素領域を含む第2画素領域から、第1の画像信号を含む第2の画像信号を読み出して、メモリ部22に記憶させる。ここに、第2画素領域の総ライン数はk(k>m)であるものとしている。図5に示したような第2画素領域を採用する場合には、Nが大きければk≒N/3である。
【0069】
その後も引き続き、第1画素領域からの読み出しと、第2画素領域からの読み出しと、を交互に繰り返して行う。
【0070】
メモリ部22に構成された単位メモリ22aの数が画素部21に構成された単位画素21aの数と同じ場合には、図5に示したような第1画素領域および第2画素領域を採用すると、ほぼ、2フレーム分の第1の画像信号および2フレーム分の第2の画像信号をメモリ部22に記憶可能である。そして、メモリ部22の記憶容量の上限に達した場合には、最新のデータを最も古いデータに上書きするものとする。これにより、メモリ部22には最新の複数フレーム分のデータが記憶されることになる。
【0071】
図7は、撮像制御2においてメモリ部22に蓄積される画像信号の様子を示す図である。
【0072】
撮像制御2は、後で図11等を参照して説明するように、第1画素領域からの第1の画像信号の読み出しを3回行い、第2画素領域からの第2の画像信号の読み出しを1回行うことを、繰り返して実行する撮像制御モードとなっている。後で説明するように、上述した撮像制御1は被写体が通常の明るさである場合に適用される撮像制御モードであるのに対して、この撮像制御2は被写体が暗い場合に適用される撮像制御モードとなっている。そこで、第2の画像信号を読み出す第2のフレーム周期は、撮像制御1では第1の画像信号を読み出す第1のフレーム周期の2倍であったのに対し、この撮像制御2では4倍となっている。
【0073】
この場合には、mラインでなる第1の画像信号が3フレーム分記憶された後に、kラインでなる第2の画像信号が1フレーム分記憶され、その後もこのような記憶を行って、メモリ部22に最新の複数フレーム分の画像信号を記憶することになる。なお、メモリ部22に構成された単位メモリ22aの数が画素部21に構成された単位画素21aの数と同じ場合には、図5に示したような第1画素領域および第2画素領域を採用すると、この撮像制御2では、ほぼ、4フレーム分の第1の画像信号および1フレーム分の第2の画像信号をメモリ部22に記憶可能である。
【0074】
図8は、撮像制御1におけるメモリ部22からの画像信号の読み出しの様子を示す図である。なお、この図8および後述する図9〜図11には、後述するフローチャートにおいて対応しているステップ番号も記載している。
【0075】
撮像制御1において、第1画素領域からの第1の画像信号の読み出しと、第2画素領域からの第2の画像信号の読み出しと、を交互に繰り返して行うと、第1画素領域の平均の電荷蓄積時間は、第2画素領域の電荷蓄積時間の例えば半分となる。従って、第2画素領域から読み出した第2の画像信号をそのまま表示用画像信号にしようとすると、第1画素領域に該当する画素部分の信号レベルが低くなってしまう。そこで、対応する画素位置毎に第1の画像信号と第2の画像信号とを加算することにより、全ての画素についての電荷蓄積時間が同じとなる表示用画像信号を生成するようになっている。
【0076】
上述した画素加算は、撮像素子3の外部の画像処理部7等において行うことも不可能ではないが、撮像素子3から読み出す画素数を少なくして、低消費電力、低クロックでより高速な処理を可能とするために、撮像素子3内の第2読出制御部26の制御に基づき、撮像素子3内の第2読出処理部27により行われるようになっている。
【0077】
まず、あるフレームにおける第1の画像信号は、そのまま焦点検出用画像信号となり、AF用フレームに用いられる。続くフレームにおいて取得される第2の画像信号は、第2の画像信号に含まれる第1の画像信号の部分が焦点検出用画像信号となり、次のAF用フレームに用いられる。
【0078】
さらに、表示用画像信号の読み出しは、画像信号読出制御部により、AF用フレームの読み出し期間の合間の、複数期間に分割して行われるようになっている。この図8に示す例では、表示用画像信号は、LV用フレーム1とLV用フレーム2との2つに分割されて読み出される。より詳しくは、kラインでなる第2の画像信号は、例えば、奇数ラインがLV用フレーム1として読み出され、偶数ラインがLV用フレーム2として読み出される。そして、第2の画像信号中の第1の画像信号部分については、直前のフレームの第1の画像信号が対応する画素位置毎に加算され、表示用画像信号が生成される。
【0079】
図9は、撮像制御2におけるメモリ部22からの画像信号の読み出しの様子を示す図である。
【0080】
撮像制御2においては、第1のフレーム周期で第1画素領域から読み出される第1の画像信号の平均の電荷蓄積時間は、第2のフレーム周期で第2画素領域から読み出される第2の画像信号の電荷蓄積時間の例えば1/4となる。従って、第2の画像信号と、この第2の画像信号の直前の連続する3つの第1の画像信号と、を対応する画素位置毎に加算することにより、全ての画素についての電荷蓄積時間が同じとなる表示用画像信号を生成するようになっている。
【0081】
さらに、この撮像制御2においては、連続する2つの第1の画像信号(第1画素領域から読み出された第1の画像信号、または第2画素領域から読み出された第2の画像信号に含まれる第1の画像信号)を加算することにより、焦点検出用画像信号を生成するようになっている。これは、被写体が暗いと、第1のフレーム周期で読み出される第1の画像信号の信号レベルが低くなり、S/N比が低下して焦点検出精度が低下する可能性があるためであり、信号レベルを上げて焦点検出精度の向上が図られる。
【0082】
この第1の画像信号同士の画素加算も、上述と同様に、撮像素子3内の第2読出制御部26の制御に基づき、撮像素子3内の第2読出処理部27により行われる。
【0083】
なお、表示用画像信号の読み出しが、AF用フレームの読み出し期間の合間の複数期間に分割して行われるのは、撮像制御1と同様である。このときには、第2の画像信号中の第1の画像信号部分については、上述したように、直前の連続する3つのフレームの第1の画像信号が加算されて表示用画像信号が生成される。
【0084】
図10は撮像制御1の処理の例を示すタイミングチャート、図11は撮像制御2の処理の例を示すタイミングチャート、図12は撮像装置におけるLV表示処理を示すフローチャートである。図12および後述する図13〜図27のフローチャートにおいて、図10および図11を適宜参照しながら説明を行う。
【0085】
ここに、図10に示す例は、画素部21の第1画素領域から第1の画像信号を読み出す第1のフレーム周期が1/240秒、第1画素領域を含みかつ第1画素領域よりも画素数が多い画素部21の第2画素領域から第1の画像信号を含む第2の画像信号を読み出す第2のフレーム周期が1/120秒となっている。
【0086】
また、図11に示す例は、画素部21の第1画素領域から第1の画像信号を読み出す第1のフレーム周期が1/240秒、第2画素領域から第2の画像信号を読み出す第2のフレーム周期が1/60秒となっている。
【0087】
これらの例に限らず、第2のフレーム周期は、第1のフレーム周期よりも長くなるように撮像制御が行われる。なお、図10および図11に数値を記載した時間は1つの典型例を示したものであり、図示の時間に限るものではないことは勿論である。
【0088】
LVモードが設定されると図12に示す処理が開始され、まず、LV画像の蓄積時間(第2の画像信号の蓄積時間)が、AF画像(第1の画像信号)を撮像する期間(第1のフレーム周期)の4フレーム分よりも大きいか否かを判定する(ステップS1)。
【0089】
ここで、4フレーム分のAF画像撮像期間以下であると判定された場合には、さらに、LV画像の蓄積時間が、2フレーム分のAF画像撮像期間以下であるか否かを判定する(ステップS2)。
【0090】
ここで、2フレーム分のAF画像撮像期間以下であると判定された場合には撮像制御1を行い(ステップS3)、2フレーム分のAF画像撮像期間よりも大きいと判定された場合には撮像制御1を行う(ステップS4)。
【0091】
ステップS3の撮像制御1またはステップS4の撮像制御2から処理が戻ってきた場合には、LVを終了するか否かを判定して(ステップS5)、終了しない場合にはステップS1へ戻って上述した処理を繰り返して行う。
【0092】
また、ステップS5においてLVを終了すると判定された場合、または、ステップS1において、LV画像の蓄積時間が4フレーム分のAF画像撮像期間よりも大きいと判定された場合には、この処理を終了する。
【0093】
なお、本実施形態のLVモードにおいては、被写体の明るさに応じて撮像制御1または撮像制御2を行うようになっているが、LV画像の蓄積時間が4フレーム分のAF画像撮像期間よりも大きいときにLV表示が強制終了するのは使い勝手が良いとはいえない。そこで、LV画像の蓄積時間が4フレーム分のAF画像撮像期間よりも大きいと判定されて処理を終了した場合には、LV画像の蓄積時間を4フレーム分のAF画像撮像期間以下に再設定してからLVモードの処理を再び自動実行するようにしても良い。あるいは、LVモードを実行するに当たって、4フレーム分のAF画像撮像期間以下となるように予め制限を課した上でLV画像の蓄積時間を設定してから、LVモードを実行するようにしても良い。
【0094】
図13は撮像制御1の処理を示すフローチャートである。
【0095】
この処理に入ると、まず、後述する撮像制御1a(図15参照)を行う(ステップS11)。
【0096】
続いて、LV画像の蓄積時間が、2フレーム分のAF画像撮像期間よりも大きいか否かを判定する(ステップS12)。上述したステップS2の判定により、ステップS11を実行する前の時点ではLV画像の蓄積時間が2フレーム分のAF画像撮像期間以下であることが分かっているが、ステップS11を実行した後の時点で2フレーム分のAF画像撮像期間よりも大きくなっていないかどうかを判定するのがこの処理である。
【0097】
ここで、2フレーム分のAF画像撮像期間以下であると判定された場合には、さらに、LV画像の蓄積時間が、1フレーム分のAF画像撮像期間よりも大きいか否かを判定する(ステップS13)。
【0098】
そして、1フレーム分のAF画像撮像期間よりも大きいと判定された場合には撮像制御1aを行い(ステップS14)、1フレーム分のAF画像撮像期間以下であると判定された場合には撮像制御1b(図16参照)を行う(ステップS15)。
【0099】
そして、ステップS14またはステップS15の処理を終えたら、LV画像の蓄積時間が、2フレーム分のAF画像撮像期間よりも大きいか否かを再び判定する(ステップS16)。
【0100】
ここで、2フレーム分のAF画像撮像期間以下であると判定された場合には、ステップS13へ戻って上述したような処理を行う。
【0101】
また、このステップS16または上述したステップS12において、2フレーム分のAF画像撮像期間よりも大きいと判定された場合には、この処理から図12に示した処理にリターンする。
【0102】
図14は撮像制御2の処理を示すフローチャートである。
【0103】
この処理に入ると、まず、後述する撮像制御2a(図17参照)を行う(ステップS21)。
【0104】
続いて、LV画像の蓄積時間が、4フレーム分のAF画像撮像期間よりも大きいか否かを判定する(ステップS22)。ここで、4フレーム分のAF画像撮像期間以下であると判定された場合には、さらに、LV画像の蓄積時間が、2フレーム分のAF画像撮像期間以下であるか否かを判定する(ステップS23)。上述したステップS1およびステップS2の判定により、ステップS21を実行する前の時点ではLV画像の蓄積時間がAF画像撮像期間の2フレーム分よりも大きく4フレーム分以下であることが分かっているが、ステップS21を実行した後の時点でこの条件が満たされなくなっている可能性がある。そこでこの判定を行うようにしている。
【0105】
ステップS23において、2フレーム分のAF画像撮像期間よりも大きいと判定された場合には、さらに、LV画像の蓄積時間が、3フレーム分のAF画像撮像期間よりも大きいか否かを判定する(ステップS24)。
【0106】
そして、3フレーム分のAF画像撮像期間よりも大きいと判定された場合には撮像制御2b(図18参照)を行い(ステップS25)、3フレーム分のAF画像撮像期間以下であると判定された場合には撮像制御2c(図19参照)を行う(ステップS26)。
【0107】
そして、ステップS25またはステップS26の処理を終えたら、LV画像の蓄積時間が、2フレーム分のAF画像撮像期間以下であるか否かを再び判定する(ステップS27)。
【0108】
2フレーム分のAF画像撮像期間よりも大きいと判定された場合には、さらに、LV画像の蓄積時間が、4フレーム分のAF画像撮像期間よりも大きいか否かを判定する(ステップS28)。
【0109】
ここで、4フレーム分のAF画像撮像期間以下であると判定された場合には、ステップS24へ戻って上述したような処理を行う。
【0110】
一方、ステップS22もしくはステップS28において4フレーム分のAF画像撮像期間よりも大きいと判定されるか、または、ステップS23もしくはステップS27において2フレーム分のAF画像撮像期間以下であると判定された場合には、この処理から図12に示した処理にリターンする。
【0111】
図15は撮像制御1aの処理を示すフローチャートである。
【0112】
この処理を開始すると、第1読出制御部24が、図10に示すタイミングで、画素部21の第1画素領域を含む第2画素領域をライン単位で順次リセットする(ステップS31)。なお、ここでは少なくとも第1画素領域を含む第2画素領域のリセットが必要であるが、処理を複雑にしないために、画素部21の全画素をリセットしても構わない。
【0113】
次に、リセットを開始した時点から後に発生した垂直同期信号VDに同期して、第1読出制御部24の制御に基づき、第1読出処理部25が画素部21の第1画素領域から第1の画像信号をライン毎に順次読み出す(ステップS32)。このときのAF用露光時間(第1画素領域の電荷蓄積時間)は、第1のフレーム周期の時間、または表示用露光時間(第2画素領域の電荷蓄積時間)を第1のフレーム周期で割った余りの時間となる。こうして、第2画素領域の電荷蓄積時間が第1のフレーム周期よりも長い場合には、第2のフレーム周期における第1画素領域の電荷蓄積時間の合計が、第2画素領域の電荷蓄積時間と等しくなるようにしている。図10に示す具体例のAF用露光時間は、1回目の撮像制御1aでは第1のフレーム周期と等しい1/240秒となっているが、2回目の撮像制御1aでは表示用露光時間(第2画素領域の電荷蓄積時間)である1/160秒を第1のフレーム周期である1/240秒で割った余りである1/480秒となっている。
【0114】
そして、読み出された第1の画像信号は、第2読出制御部26の制御に基づき、メモリ部22に図6に示したように書き込まれる(ステップS33)。
【0115】
続いて、第2読出制御部26の制御に基づいて、第2読出処理部27がメモリ制御1を行う(ステップS34)。ここに、図20はメモリ制御1の処理を示すフローチャートである。このメモリ制御1では、メモリ部22から第1の画像信号を読み出して(ステップS161)、リターンする。
【0116】
読み出された第1の画像信号は、出力アンプ23により増幅されて(ステップS35)、撮像素子3から出力される。なお、第1の画像信号は、焦点検出用画像信号としてAF処理に用いられるために、AF処理に最適な信号レベルに増幅する必要があるが、アナログの信号増幅は信号処理部5においても行われるために、各増幅部により増幅された結果が最適な信号レベルとなれば良く、出力アンプ23のみで最適な信号レベルまで増幅する必要はない。
【0117】
こうして撮像素子3から出力された焦点検出用画像信号に基づき、AF処理部6が焦点検出処理を行い、焦点検出結果に基づいてCPU15がレンズ駆動部2を介してレンズ1のフォーカスレンズを駆動するAF処理を行う(ステップS36)。
【0118】
次に、画素部21の第2画素領域から第2の画像信号をライン毎に順次読み出し(ステップS37)、読み出した第2の画像信号をメモリ部22に図6に示したように書き込む(ステップS38)。
【0119】
そして、第2読出制御部26の制御に基づいて、第2読出処理部27がメモリ制御2を行う(ステップS39)。ここに、図21はメモリ制御2の処理を示すフローチャートである。このメモリ制御2では、メモリ部22に記憶された第2の画像信号中の、第1の画像信号を読み出して(ステップS171)、リターンする。
【0120】
読み出された第1の画像信号は、出力アンプ23により増幅されて(ステップS40)、撮像素子3から焦点検出用画像信号として出力される。
【0121】
こうして出力された焦点検出用画像信号に基づき、上述と同様に、AF処理を行う(ステップS41)。
【0122】
続いて、第2読出制御部26の制御に基づいて、第2読出処理部27がメモリ制御3を行う(ステップS42)。ここに、図22はメモリ制御3の処理を示すフローチャートである。このメモリ制御3では、メモリ部22に記憶された最新の第2の画像信号と、メモリ部22に記憶された1フレーム前の第1の画像信号とを対応する画素位置毎に加算して(ステップS181)、加算後の第2の画像信号である表示用画像信号を2つに分割した内の一方である(1/2)領域の画像信号をメモリ部22から読み出し(ステップS182)、その後に(焦点検出用画像信号の読み出し期間の合間となる次の期間に)、他方である(2/2)領域の画像信号をメモリ部22から読み出して(ステップS183)、リターンする。こうして、表示用画像信号の読み出しを、焦点検出用画像信号の読み出し期間の合間の、複数期間に分割して行うようにしている。
【0123】
撮像素子3から読み出された表示用画像信号は、AE処理部9に入力されてAE制御情報が算出され、算出されたAE制御情報に基づいてCPU15の制御により、絞り値や露光時間や感度等の設定、つまりAE処理が行われる(ステップS43)。
【0124】
また、撮像素子3から分割して読み出された表示用画像信号は、信号処理部5により処理されメモリ部10に記憶された後に、画像処理部7により1つの表示用画像信号として合成される(ステップS44)。
【0125】
そして、合成された表示用画像信号に対して、画像処理部7により上述した各種の画像処理が行われてLV画像フォーマットのLV表示用画像が生成される(ステップS45)。
【0126】
このLV表示用画像は、画像表示部11に表示され(ステップS46)、その後に元の処理にリターンする。
【0127】
図16は撮像制御1bの処理を示すフローチャートである。
【0128】
この処理を開始すると、第1読出制御部24が、図10に示すタイミングで、画素部21の第1画素領域を含む第2画素領域をライン単位で順次リセットする(ステップS51)。なお、ここでは第1画素領域を含む第2画素領域をリセットしているが、第1画素領域のみをリセットするようにしても構わない。また、上述したように、処理を複雑にしないために、画素部21の全画素をリセットしても構わない。
【0129】
次に、リセットを開始した時点から後に発生した垂直同期信号VDに同期して、第1読出制御部24の制御に基づき、第1読出処理部25が画素部21の第1画素領域から第1の画像信号をライン毎に順次読み出す(ステップS52)。このときのAF用露光時間(第1画素領域の電荷蓄積時間)は、表示用露光時間(第2画素領域の電荷蓄積時間)と等しく、図10に示す具体例では、1/385秒である。
【0130】
そして、読み出された第1の画像信号は、第2読出制御部26の制御に基づき、メモリ部22に書き込まれる(ステップS53)。
【0131】
続いて、第2読出制御部26の制御に基づいて、第2読出処理部27が上述したメモリ制御1を行う(ステップS54)。
【0132】
メモリ制御1により読み出された第1の画像信号は、出力アンプ23により増幅されて(ステップS55)撮像素子3から出力され、上述したようにAF処理が行われる(ステップS56)。
【0133】
続いて、第1読出制御部24が、図10に示すタイミングで、画素部21の第1画素領域を含む第2画素領域をライン単位で順次リセットする(ステップS57)。なお、ここでは少なくとも第1画素領域を含む第2画素領域のリセットが必要であるが、処理を複雑にしないために、画素部21の全画素をリセットしても構わない。
【0134】
そして、画素部21の第2画素領域から第2の画像信号をライン毎に順次読み出し(ステップS58)、読み出した第2の画像信号をメモリ部22に図6に示したように書き込む(ステップS59)。
【0135】
次に、第2読出制御部26の制御に基づいて、第2読出処理部27が上述したメモリ制御2を行う(ステップS60)。
【0136】
メモリ制御2により読み出された第1の画像信号は、出力アンプ23により増幅されて(ステップS61)撮像素子3から出力され、上述したようにAF処理が行われる(ステップS62)。
【0137】
続いて、第2読出制御部26の制御に基づいて、第2読出処理部27がメモリ制御7を行う(ステップS63)。ここに、図26はメモリ制御7の処理を示すフローチャートである。このメモリ制御7では、メモリ部22に記憶された最新の第2の画像信号である表示用画像信号を2つに分割した内の一方である(1/2)領域の画像信号をメモリ部22から読み出し(ステップS221)、その後に(焦点検出用画像信号の読み出し期間の合間となる次の期間に)、他方である(2/2)領域の画像信号をメモリ部22から読み出して(ステップS222)、リターンする。こうして、第2画素領域の電荷蓄積時間が第1のフレーム周期以下の場合には、第2の画像信号のみに基づき表示用画像信号を生成して読み出すようになっている。また、このメモリ制御7において、表示用画像信号の読み出しを、焦点検出用画像信号の読み出し期間の合間の、複数期間に分割して行うのは、上述したメモリ制御3と同様である。
【0138】
メモリ制御7により撮像素子3から読み出された表示用画像信号に基づき、上述したようにAE処理が行われる(ステップS64)。
【0139】
また、撮像素子3から分割して読み出された表示用画像信号は、信号処理部5により処理されメモリ部10に記憶された後に、画像処理部7により1つの表示用画像信号として合成される(ステップS65)。
【0140】
そして、合成された表示用画像信号に基づき、画像処理部7により上述したようにLV表示用画像が生成され(ステップS66)、画像表示部11に表示され(ステップS67)、その後に元の処理にリターンする。
【0141】
続いて、図17は撮像制御2aの処理を示すフローチャートである。
【0142】
この処理を開始すると、第1読出制御部24が、図11に示すタイミングで、画素部21の第1画素領域を含む第2画素領域をライン単位で順次リセットする(ステップS71)。なお、ここでは少なくとも第1画素領域を含む第2画素領域のリセットが必要であるが、上述したように処理を複雑にしないために、画素部21の全画素をリセットしても構わない。
【0143】
次に、リセットを開始した時点から後に発生した垂直同期信号VDに同期して、第1読出制御部24の制御に基づき、第1読出処理部25が画素部21の第1画素領域から第1の画像信号をライン毎に順次読み出す(ステップS72)。このときのAF用露光時間(第1画素領域の電荷蓄積時間)は、第1のフレーム周期の時間(図11に示す具体例では1/240秒)となる。
【0144】
読み出された第1の画像信号は、第2読出制御部26の制御に基づき、メモリ部22に書き込まれる(ステップS73)。
【0145】
そして、第2読出制御部26の制御に基づいて、第2読出処理部27が上述したメモリ制御1を行う(ステップS74)。
【0146】
続いて、ステップS72の読出時点から第1のフレーム周期が経過した時点で、第1読出制御部24の制御に基づき、第1読出処理部25が画素部21の第1画素領域から第1の画像信号をライン毎に順次読み出す(ステップS75)。
【0147】
読み出された第1の画像信号は、第2読出制御部26の制御に基づき、メモリ部22に書き込まれる(ステップS76)。
【0148】
そして、第2読出制御部26の制御に基づいて、第2読出処理部27がメモリ制御4を行う(ステップS77)。ここに、図23はメモリ制御4の処理を示すフローチャートである。このメモリ制御4では、メモリ部22に記憶された最新の第1の画像信号と、メモリ部22に記憶された1フレーム前の第1の画像信号とを対応する画素位置毎に加算して(ステップS191)、加算後の第1の画像信号である焦点検出用画像信号をメモリ部22から読み出し(ステップS192)、リターンする。こうして、画素部21により撮像された最新のフレームを含む連続する複数フレームに係る第1の画像信号を画素毎に加算した信号に基づき焦点検出用画像信号を生成して読み出すようになっている。
【0149】
メモリ制御4により読み出された焦点検出用画像信号は、出力アンプ23により増幅されて(ステップS78)撮像素子3から出力され、上述したようにAF処理が行われる(ステップS79)。
【0150】
続いて、ステップS75の読出時点から第1のフレーム周期が経過した時点で、第1読出制御部24の制御に基づき、第1読出処理部25が画素部21の第1画素領域から第1の画像信号をライン毎に順次読み出す(ステップS80)。
【0151】
読み出された第1の画像信号は、第2読出制御部26の制御に基づき、メモリ部22に書き込まれる(ステップS81)。
【0152】
そして、第2読出制御部26の制御に基づいて、第2読出処理部27が上述したメモリ制御4を行う(ステップS82)。
【0153】
メモリ制御4により読み出された焦点検出用画像信号は、出力アンプ23により増幅されて(ステップS83)撮像素子3から出力され、上述したようにAF処理が行われる(ステップS84)。
【0154】
次に、ステップS80の読出時点から第1のフレーム周期が経過した時点で、第1読出制御部24の制御に基づき、第1読出処理部25が画素部21の第2画素領域から第2の画像信号をライン毎に順次読み出す(ステップS85)。
【0155】
読み出された第2の画像信号は、第2読出制御部26の制御に基づき、メモリ部22に図7に示したように書き込まれる(ステップS86)。
【0156】
すると、第2読出制御部26の制御に基づいて、第2読出処理部27がメモリ制御5を行う(ステップS87)。ここに、図24はメモリ制御5の処理を示すフローチャートである。このメモリ制御5では、メモリ部22に記憶された最新の第2の画像信号中の第1の画像信号と、メモリ部22に記憶された1フレーム前の第1の画像信号とを対応する画素位置毎に加算して(ステップS201)、加算後の第1の画像信号である焦点検出用画像信号をメモリ部22から読み出し(ステップS202)、リターンする。
【0157】
メモリ制御5により読み出された焦点検出用画像信号は、出力アンプ23により増幅されて(ステップS88)撮像素子3から出力され、上述したようにAF処理が行われる(ステップS89)。
【0158】
さらに、第2読出制御部26の制御に基づいて、第2読出処理部27がメモリ制御6を行う(ステップS90)。ここに、図25はメモリ制御6の処理を示すフローチャートである。このメモリ制御6では、メモリ部22に記憶された最新の第2の画像信号と、メモリ部22に記憶された1フレーム前の第1の画像信号と、メモリ部22に記憶された2フレーム前の第1の画像信号と、メモリ部22に記憶された3フレーム前の第1の画像信号と、を対応する画素位置毎に加算して(ステップS211)、加算後の第2の画像信号である表示用画像信号を2つに分割した内の一方である(1/2)領域の画像信号をメモリ部22から読み出し(ステップS212)、その後に(焦点検出用画像信号の読み出し期間の合間となる次の期間に)、他方である(2/2)領域の画像信号をメモリ部22から読み出して(ステップS213)、リターンする。このメモリ制御6において、表示用画像信号の読み出しを、焦点検出用画像信号の読み出し期間の合間の、複数期間に分割して行うのは、上述したメモリ制御3と同様である。
【0159】
撮像素子3から分割して読み出された表示用画像信号は、信号処理部5により処理されメモリ部10に記憶された後に、画像処理部7により1つの表示用画像信号として合成される(ステップS91)。
【0160】
合成された表示用画像信号に基づき、上述したようにAE処理が行われるとともに(ステップS92)、画像処理部7により上述したようにLV表示用画像が生成され(ステップS93)、画像表示部11に表示される(ステップS94)。
【0161】
そして、その後に元の処理にリターンする。
【0162】
図18は撮像制御2bの処理を示すフローチャートである。
【0163】
この処理を開始すると、第1読出制御部24が、図11に示すタイミングで、画素部21の第1画素領域を含む第2画素領域をライン単位で順次リセットする(ステップS101)。なお、ここでは少なくとも第1画素領域を含む第2画素領域のリセットが必要であるが、上述したように処理を複雑にしないために、画素部21の全画素をリセットしても構わない。
【0164】
次に、リセットを開始した時点から後に発生した垂直同期信号VDに同期して、第1読出制御部24の制御に基づき、第1読出処理部25が画素部21の第1画素領域から第1の画像信号をライン毎に順次読み出す(ステップS102)。このときのAF用露光時間(第1画素領域の電荷蓄積時間)は、第1のフレーム周期の時間、または表示用露光時間(第2画素領域の電荷蓄積時間)を第1のフレーム周期で割った余りの時間となる。図11に示す具体例のAF用露光時間は、表示用露光時間(第2画素領域の電荷蓄積時間)である7/480秒を第1のフレーム周期である1/240秒で割った余りである1/480秒となっている。
【0165】
読み出された第1の画像信号は、第2読出制御部26の制御に基づき、メモリ部22に書き込まれる(ステップS103)。
【0166】
そして、第2読出制御部26の制御に基づいて、第2読出処理部27が上述したメモリ制御4を行う(ステップS104)。
【0167】
メモリ制御4により読み出された焦点検出用画像信号は、出力アンプ23により増幅されて(ステップS105)撮像素子3から出力され、上述したようにAF処理が行われる(ステップS106)。
【0168】
続いて、ステップS102の読出時点から第1のフレーム周期が経過した時点で、第1読出制御部24の制御に基づき、第1読出処理部25が画素部21の第1画素領域から第1の画像信号をライン毎に順次読み出す(ステップS107)。
【0169】
読み出された第1の画像信号は、第2読出制御部26の制御に基づき、メモリ部22に書き込まれる(ステップS108)。
【0170】
そして、第2読出制御部26の制御に基づいて、第2読出処理部27が上述したメモリ制御4を行う(ステップS109)。
【0171】
メモリ制御4により読み出された焦点検出用画像信号は、出力アンプ23により増幅されて(ステップS110)撮像素子3から出力され、上述したようにAF処理が行われる(ステップS111)。
【0172】
続いて、ステップS107の読出時点から第1のフレーム周期が経過した時点で、第1読出制御部24の制御に基づき、第1読出処理部25が画素部21の第1画素領域から第1の画像信号をライン毎に順次読み出す(ステップS112)。
【0173】
読み出された第1の画像信号は、第2読出制御部26の制御に基づき、メモリ部22に書き込まれる(ステップS113)。
【0174】
そして、第2読出制御部26の制御に基づいて、第2読出処理部27が上述したメモリ制御4を行う(ステップS114)。
【0175】
メモリ制御4により読み出された焦点検出用画像信号は、出力アンプ23により増幅されて(ステップS115)撮像素子3から出力され、上述したようにAF処理が行われる(ステップS116)。
【0176】
次に、ステップS112の読出時点から第1のフレーム周期が経過した時点で、第1読出制御部24の制御に基づき、第1読出処理部25が画素部21の第2画素領域から第2の画像信号をライン毎に順次読み出す(ステップS117)。
【0177】
読み出された第2の画像信号は、第2読出制御部26の制御に基づき、メモリ部22に図7に示したように書き込まれる(ステップS118)。
【0178】
すると、第2読出制御部26の制御に基づいて、第2読出処理部27が上述したメモリ制御5を行う(ステップS119)。
【0179】
メモリ制御5により読み出された焦点検出用画像信号は、出力アンプ23により増幅されて(ステップS120)撮像素子3から出力され、上述したようにAF処理が行われる(ステップS121)。
【0180】
さらに、第2読出制御部26の制御に基づいて、第2読出処理部27が上述したメモリ制御6を行う(ステップS122)。
【0181】
メモリ制御6により撮像素子3から分割して読み出された表示用画像信号は、信号処理部5により処理されメモリ部10に記憶された後に、画像処理部7により1つの表示用画像信号として合成される(ステップS123)。
【0182】
合成された表示用画像信号に基づき、上述したようにAE処理が行われるとともに(ステップS124)、画像処理部7により上述したようにLV表示用画像が生成され(ステップS125)、画像表示部11に表示される(ステップS126)。
【0183】
そして、その後に元の処理にリターンする。
【0184】
図19は撮像制御2cの処理を示すフローチャートである。
【0185】
この処理を開始すると、第1読出制御部24が、図11に示すタイミングで、画素部21の第1画素領域を含む第2画素領域をライン単位で順次リセットする(ステップS131)。なお、ここでは第1画素領域を含む第2画素領域をリセットしているが、第1画素領域のみをリセットするようにしても構わない。また、上述したように、処理を複雑にしないために、画素部21の全画素をリセットしても構わない。
【0186】
次に、リセットを開始した時点から後に発生した垂直同期信号VDに同期して、第1読出制御部24の制御に基づき、第1読出処理部25が画素部21の第1画素領域から第1の画像信号をライン毎に順次読み出す(ステップS132)。このときのAF用露光時間(第1画素領域の電荷蓄積時間)は、第1のフレーム周期の時間(図11に示す具体例では1/240秒)となる。
【0187】
読み出された第1の画像信号は、第2読出制御部26の制御に基づき、メモリ部22に書き込まれる(ステップS133)。
【0188】
そして、第2読出制御部26の制御に基づいて、第2読出処理部27が上述したメモリ制御4を行う(ステップS134)。
【0189】
メモリ制御4により読み出された焦点検出用画像信号は、出力アンプ23により増幅されて(ステップS135)撮像素子3から出力され、上述したようにAF処理が行われる(ステップS136)。
【0190】
続いて、第1読出制御部24が、図11に示すタイミングで、画素部21の第1画素領域を含む第2画素領域をライン単位で順次リセットする(ステップS137)。なお、ここでは少なくとも第1画素領域を含む第2画素領域のリセットが必要であるが、処理を複雑にしないために、画素部21の全画素をリセットしても構わない。
【0191】
次に、リセットを開始した時点から後に発生した垂直同期信号VDに同期して、第1読出制御部24の制御に基づき、第1読出処理部25が画素部21の第1画素領域から第1の画像信号をライン毎に順次読み出す(ステップS138)。このときのAF用露光時間(第1画素領域の電荷蓄積時間)は、第1のフレーム周期の時間、または表示用露光時間(第2画素領域の電荷蓄積時間)を第1のフレーム周期で割った余りの時間となる。図11に示す具体例では後者を示している。
【0192】
読み出された第1の画像信号は、第2読出制御部26の制御に基づき、メモリ部22に書き込まれる(ステップS139)。
【0193】
そして、第2読出制御部26の制御に基づいて、第2読出処理部27が上述したメモリ制御4を行う(ステップS140)。
【0194】
メモリ制御4により読み出された焦点検出用画像信号は、出力アンプ23により増幅されて(ステップS141)撮像素子3から出力され、上述したようにAF処理が行われる(ステップS142)。
【0195】
続いて、ステップS138の読出時点から第1のフレーム周期が経過した時点で、第1読出制御部24の制御に基づき、第1読出処理部25が画素部21の第1画素領域から第1の画像信号をライン毎に順次読み出す(ステップS143)。
【0196】
読み出された第1の画像信号は、第2読出制御部26の制御に基づき、メモリ部22に書き込まれる(ステップS144)。
【0197】
そして、第2読出制御部26の制御に基づいて、第2読出処理部27が上述したメモリ制御4を行う(ステップS145)。
【0198】
メモリ制御4により読み出された焦点検出用画像信号は、出力アンプ23により増幅されて(ステップS146)撮像素子3から出力され、上述したようにAF処理が行われる(ステップS147)。
【0199】
次に、ステップS143の読出時点から第1のフレーム周期が経過した時点で、第1読出制御部24の制御に基づき、第1読出処理部25が画素部21の第2画素領域から第2の画像信号をライン毎に順次読み出す(ステップS148)。
【0200】
読み出された第2の画像信号は、第2読出制御部26の制御に基づき、メモリ部22に図7に示したように書き込まれる(ステップS149)。
【0201】
すると、第2読出制御部26の制御に基づいて、第2読出処理部27が上述したメモリ制御5を行う(ステップS150)。
【0202】
メモリ制御5により読み出された焦点検出用画像信号は、出力アンプ23により増幅されて(ステップS151)撮像素子3から出力され、上述したようにAF処理が行われる(ステップS152)。
【0203】
さらに、第2読出制御部26の制御に基づいて、第2読出処理部27がメモリ制御8を行う(ステップS153)。ここに、図27はメモリ制御8の処理を示すフローチャートである。このメモリ制御8では、メモリ部22に記憶された最新の第2の画像信号と、メモリ部22に記憶された1フレーム前の第1の画像信号と、メモリ部22に記憶された2フレーム前の第1の画像信号と、を対応する画素位置毎に加算して(ステップS231)、加算後の第2の画像信号である表示用画像信号を2つに分割した内の一方である(1/2)領域の画像信号をメモリ部22から読み出し(ステップS232)、その後に(焦点検出用画像信号の読み出し期間の合間となる次の期間に)、他方である(2/2)領域の画像信号をメモリ部22から読み出して(ステップS233)、リターンする。このメモリ制御8において、表示用画像信号の読み出しを、焦点検出用画像信号の読み出し期間の合間の、複数期間に分割して行うのは、上述したメモリ制御3と同様である。
【0204】
メモリ制御8により撮像素子3から分割して読み出された表示用画像信号は、信号処理部5により処理されメモリ部10に記憶された後に、画像処理部7により1つの表示用画像信号として合成される(ステップS154)。
【0205】
合成された表示用画像信号に基づき、上述したようにAE処理が行われるとともに(ステップS155)、画像処理部7により上述したようにLV表示用画像が生成され(ステップS156)、画像表示部11に表示される(ステップS157)。
【0206】
そして、その後に元の処理にリターンする。
【0207】
なお、上述した撮像制御2においては、メモリに記憶した最新の第1の画像信号と1フレーム前の第1の画像信号との2フレームを順次に加算して焦点検出用画像信号として読み出しているが、より多くのフレーム数を加算してS/N比を向上し、信頼性の高い焦点検出を行うようにしても良いことは勿論である。
【0208】
このような実施形態1によれば、第1の画像信号の電荷蓄積と第2の画像信号の電荷蓄積とを同時に行い、かつ第2の画像信号の読み出しとは独立して第1の画像信号の読み出しを行う撮像制御を行っているために、高速なコントラスト焦点検出と、高精細なライブビュー表示と、を両立することが可能となる。
【0209】
また、必要に応じて、第1の画像信号と第2の画像信号とを対応する画素位置毎に加算した信号に基づき表示用画像信号を生成するようにしたために、表示用画像信号中の一部の画素の電荷蓄積時間が極端に短くなるのを回避することができ、S/N比を向上することができる。
【0210】
さらに、第2のフレーム周期における第1画素領域の電荷蓄積時間の合計が、第2画素領域の電荷蓄積時間と等しくなるようにしたために、異なる画素位置に対して異なる増幅率の信号増幅等を行う必要なく、第2の画像信号中の第1の画像信号の露出を第2の画像信号中の第1の画像信号以外の信号の露出に合わせることができる。こうして、全ての画素の電荷蓄積時間が等しい表示用画像信号を容易に得ることが可能となる。
【0211】
そして、最新のフレームを含む連続する複数フレームに係る第1の画像信号を画素毎に加算した信号に基づき焦点検出用画像信号を生成しているために、焦点検出用画像信号のフレームレートを低下させることなく(つまり、コントラスト焦点検出の高速性を維持しながら)、被写体が暗い場合でもノイズが少ない高精度なコントラスト焦点検出を行うことが可能となる。
【0212】
加えて、焦点検出用画像信号の読み出し期間の合間の期間を利用して、表示用画像信号を分割して読み出すようにしたために、焦点検出用画像信号の読み出しタイミングを一定に保ったまま、データ量の多い高精細な表示用画像信号を読み出すことが可能となる。
【0213】
また、画素部21の第1画素領域から第1の画像信号をフレーム読み出しするタイミングと、第2画素領域から第2の画像信号をフレーム読み出しするタイミングとが同期するように撮像制御を行っているために、第2の画像信号に含まれる第1の画像信号を、焦点検出用画像信号として用いることが可能となる。
【0214】
なお、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。このように、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0215】
1…レンズ
2…レンズ駆動部
3…撮像素子
4…撮像素子駆動部
5…信号処理部
6…AF処理部(焦点検出部)
7…画像処理部
8…操作部
9…AE処理部
10…メモリ部
11…画像表示部
12…記録部
13…データ・制御バス
15…CPU
21…画素部
21a…画素(単位画素)
22…メモリ部
22a…単位メモリ
23…出力アンプ
24…第1読出制御部(画像信号記憶制御部)
25…第1読出処理部(画像信号記憶制御部)
26…第2読出制御部(画像信号読出制御部)
27…第2読出処理部(画像信号読出制御部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元状に配置された画素を有する画素部と、該画素部から読み出した画像信号を記憶するアナログメモリと、を有する撮像素子と、
第1のフレーム周期で上記画素部の第1画素領域から第1の画像信号を読み出して上記アナログメモリに記憶させるとともに、上記第1のフレーム周期よりも長い第2のフレーム周期で該第1画素領域を含みかつ該第1画素領域よりも画素数が多い上記画素部の第2画素領域から上記第1の画像信号を含む第2の画像信号を読み出して上記アナログメモリに記憶させる画像信号記憶制御部と、
上記アナログメモリから、上記第1の画像信号に基づく焦点検出用画像信号を読み出すとともに、上記第2の画像信号に基づく表示用画像信号を読み出す画像信号読出制御部と、
上記焦点検出用画像信号に基づいてコントラスト焦点検出を行う焦点検出部と、
上記表示用画像信号に基づいて画像表示を行う画像表示部と、
を具備したことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
上記第2画素領域の電荷蓄積時間が上記第1のフレーム周期よりも長い場合には、上記画像信号読出制御部は、上記第1の画像信号と上記第2の画像信号とを対応する画素位置毎に加算した信号に基づき表示用画像信号を生成して読み出し、
上記第2画素領域の電荷蓄積時間が上記第1のフレーム周期以下の場合には、上記画像信号読出制御部は、上記第2の画像信号のみに基づき表示用画像信号を生成して読み出すことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
上記第2画素領域の電荷蓄積時間が上記第1のフレーム周期よりも長い場合には、上記第2のフレーム周期における上記第1画素領域の電荷蓄積時間の合計が、上記第2画素領域の電荷蓄積時間と等しいことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
上記画像信号読出制御部は、上記画素部により撮像された最新のフレームを含む連続する複数フレームに係る第1の画像信号を画素毎に加算した信号に基づき上記焦点検出用画像信号を生成して読み出すことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項5】
上記画像信号読出制御部は、上記表示用画像信号の読み出しを、上記焦点検出用画像信号の読み出し期間の合間の、複数期間に分割して行うことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2013−38597(P2013−38597A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173141(P2011−173141)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】