操作レバー
【課題】操作しにくい位置に配置される操作レバーの操作性を向上させる。
【解決手段】カメラボディの上面一端に配置され、カメラボディを把持した手の指で押し/引き操作されるズームレバー100において、押し操作よりも引き操作の方がしにくい場合、引き操作してズーム指令が出力されるまでに要するズームレバー100の操作量よりも、押し操作してズーム指令が出力されるまでに要するズームレバー100の操作量を少なくする設定する。
【解決手段】カメラボディの上面一端に配置され、カメラボディを把持した手の指で押し/引き操作されるズームレバー100において、押し操作よりも引き操作の方がしにくい場合、引き操作してズーム指令が出力されるまでに要するズームレバー100の操作量よりも、押し操作してズーム指令が出力されるまでに要するズームレバー100の操作量を少なくする設定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は操作レバーに係り、特に携帯機器本体を把持した手の指で押し/引き操作される操作レバーに関する。
【背景技術】
【0002】
コンパクトデジタルカメラのようにレンズ一体式のデジタルカメラの場合、通常、撮影レンズのズームは、モータ等のアクチュエータを用いて電動で行われる。この場合、撮影者は、カメラボディに備えられたズーム操作手段を操作して、デジタルカメラにズームの指示を与える。
【0003】
このズーム操作手段の一つとして、左右に揺動操作される中点復帰式のズームレバーが知られている(たとえば、特許文献1、2等)。そして、特許文献3、4には、このズームレバーをシャッタボタンと一体化し、シャッタボタンの周囲に揺動自在に設けることにより、機器の小型化を図る技術が提案されている。
【0004】
ところで、コンパクトデジタルカメラのように小型のデジタルカメラの場合、一般にシャッタボタンはカメラボディの上面に配置され、カメラボディを把持した手の人指し指で押下操作するように構成される。そして、このようなデジタルカメラにおいて、ズームレバーをシャッタボタンに一体化すると、ズームレバーは、カメラボディを把持した手の人指し指で押し/引き操作するように構成される。
【特許文献1】特開平10−339838号公報
【特許文献2】特開2000−122133号公報
【特許文献3】特開2007−42411号公報
【特許文献4】特開2006−351218号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、ズームレバーをシャッタボタンに一体化する場合、シャッタボタンは、ズームレバーの操作性も考慮して、ズームレバーを無理なく操作できる位置に配置される。たとえば、カメラボディを把持した手の人指し指が自然にかかり、無理なくズームレバーを押し/引きできる位置に配置される。
【0006】
しかしながら、近年、カメラボディの小型、薄型化に伴い、各種操作ボタン類のレイアウトに制限を受けるようになっており、操作性を考慮した操作ボタン類のレイアウトが困難な状況になっている。
【0007】
そして、ズームレバーを一体化したシャッタボタンをカメラボディの上面に配置する場合において、カメラボディを把持した手の人指し指が自然にかかる位置よりも外側(把持する方の端部側)にシャッタボタンを配置しなければならない場合、ズームレバーの引き操作の操作性が著しく低下するという問題があった。すなわち、カメラボディの端部に近づくほどカメラボディを把持した手の人指し指の引き方向の移動ストロークが短くなるため、引き操作する指の動きが窮屈になり、操作しづらくなるという問題があった。同様にカメラボディを把持した手の人指し指が自然にかかる位置よりも中側(把持しない方の端部側)にシャッタボタンを配置しなければならない場合、ズームレバーの押し操作の操作性が著しく低下するという問題があった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、操作しにくい位置に配置される操作レバーの操作性を向上させることができる操作レバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、前記目的を達成するために、携帯機器の機器本体の外装面上に配置され、その機器本体を把持した手の指で押し/引き操作される操作レバーにおいて、前記機器本体に揺動又はスライド自在に支持されるレバー本体と、前記レバー本体が押し/引き操作された際、操作方向とは逆方向に前記レバー本体を付勢して、前記レバー本体を中立点に復帰させる付勢手段と、前記レバー本体が引き方向に所定量操作されると、ONされる第1のスイッチと、前記レバー本体が押し方向に所定量操作されると、ONされる第2のスイッチと、を備え、前記第1のスイッチをONするのに要する前記レバー本体の操作量と、前記第2のスイッチをONするのに要する前記レバー本体の操作量とが異なる操作量で設定され、前記レバー本体を操作しにくい方向に操作する場合の操作量の方が前記レバー本体を操作しやすい方向に操作する場合の操作量よりも短く設定されることを特徴とする操作レバーを提供する。
【0010】
請求項1に係る発明によれば、第1のスイッチをONするのに要するレバー本体の操作量と、第2のスイッチをONするのに要するレバー本体の操作量とが異なる操作量で設定され、レバー本体を操作しにくい方向に操作する場合の操作量の方が操作しやすい方向に操作する場合の操作量よりも短く設定される。たとえば、押し操作よりも引き操作の方がしにくい場合は、第1のスイッチをONするのに要するレバー本体の操作量の方が第2のスイッチをONするのに要するレバー本体の操作量よりも短く設定される。逆に押し操作の方が引き操作よりもしにくい場合は、第2のスイッチをONするのに要するレバー本体の操作量の方が第1のスイッチをONするのに要するレバー本体の操作量よりも短く設定される。これにより、操作レバーが操作しにくい位置に配置された場合であっても、高い操作性を確保することができる。
【0011】
請求項2に係る発明は、前記目的を達成するために、前記第1のスイッチをONするのに要する前記レバー本体の操作量と、前記第2のスイッチをONするのに要する前記レバー本体の操作量に合わせて、前記レバー本体の可動範囲を規制する規制手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の操作レバーを提供する。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、第1、第2のスイッチをONするのに要するレバー本体の操作量に合わせて、レバー本体の可動範囲が規制手段で規制される。これにより、良好な操作感を確保することができる。
【0013】
請求項3に係る発明は、前記目的を達成するために、携帯機器の機器本体の外装面上に配置され、その機器本体を把持した手の指で押し/引き操作される操作レバーにおいて、前記機器本体に揺動又はスライド自在に支持されるレバー本体と、前記レバー本体が押し/引き操作された際、操作方向とは逆方向に前記レバー本体を付勢して、前記レバー本体を中立点に復帰させる付勢手段であって、操作しにくい方向に操作されたときに逆方向に付勢する力が、操作しやすい方向に操作されたときに逆方向に付勢する力よりも弱く設定される付勢手段と、を備えたことを特徴とする操作レバーを提供する。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、レバー本体を操作しにくい方向に操作したときにかかる反力が、操作しやすい方向に操作したときに係る反力よりも弱く設定される。これにより、操作レバーが操作しにくい位置に配置された場合であっても、高い操作性を確保することができる。
【0015】
請求項4に係る発明は、前記目的を達成するために、前記付勢手段は、前記レバー本体の引き方向の操作に対して前記レバー本体を逆方向に付勢する第1のバネ部材と、前記レバー本体の押し方向の操作に対して前記レバー本体を逆方向に付勢する第2のバネ部材と、からなり、操作しにくい方向に操作されたときに逆方向に付勢するバネ部材の付勢力が、操作しやすい方向に操作されたときに逆方向に付勢するバネ部材の付勢力よりも弱く設定されることを特徴とする請求項3に記載の操作レバーを提供する。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、付勢手段が、引き操作に対して逆方向に付勢する第1のバネ部材と、押し操作に対して逆方向に付勢する第2のバネ部材とで構成され、操作しにくい方向に操作したときに逆方向に付勢するバネ部材の付勢力が、操作しやすい方向に操作したときに逆方向に付勢するバネ部材の付勢力よりも弱く設定される。したがって、たとえば、引き操作の方が操作しにくい場合は、第1のバネ部材による付勢力の方が、第2のバネ部材による付勢力よりも弱く設定される。逆に押し操作の方が操作しにくい場合は、第2のバネ部材による付勢力の方が、第1のバネ部材による付勢力よりも弱く設定される。
【0017】
請求項5に係る発明は、前記目的を達成するために、前記付勢手段は、前記レバー本体の押し/引き操作のそれぞれに対して逆方向に均等に付勢する第1のバネ部材と、前記レバー本体が操作しやすい方向に操作されたときに逆方向に付勢する第2のバネ部材と、からなることを特徴とする請求項3に記載の操作レバーを提供する。
【0018】
請求項5に係る発明によれば、付勢手段は、レバー本体の押し/引き操作のそれぞれに対して逆方向に均等に付勢する第1のバネ部材と、レバー本体が操作しにくい方向に操作されたときに逆方向に付勢する第2のバネ部材とで構成される。したがって、たとえば、引き方向の方が押し方向よりも操作しにくい場合、第2のバネ部材は、押し操作されたとき逆方向に付勢するように設置され、押し方向よりも引き方向の方が操作しにくい場合は、引き操作されたとき逆方向に付勢するように設置される。このように、第2のバネ部材を付加することにより、簡単な構成で押し/引きの操作で付勢力に差を持たせることができる。
【0019】
請求項6に係る発明は、前記目的を達成するために、前記付勢手段は、前記レバー本体の引き方向の操作に対して前記レバー本体を逆方向に付勢する第1のバネ部と、前記レバー本体の押し方向の操作に対して前記レバー本体を逆方向に付勢する第2のバネ部とからなるトーションバネで構成される一方、前記機器本体には、前記レバー本体が操作しやすい方向に操作された際、該レバー本体に押されるバネ部が当接する当接部が形成されることを特徴とする請求項3に記載の操作レバーを提供する。
【0020】
請求項6に係る発明によれば、付勢手段が、レバー本体の引き方向の操作に対してレバー本体を逆方向に付勢する第1のバネ部と、レバー本体の押し方向の操作に対してレバー本体を逆方向に付勢する第2のバネ部とからなるトーションバネで構成される。そして、機器本体には、レバー本体が操作しやすい方向に操作された際、そのレバー本体に押されるバネ部が当接する当接部が形成される。したがって、たとえば、押し操作の方が操作しやすい場合は、第2のバネ部に当接するように当接部が形成され、引き操作の方が操作しやすい場合は、第1のバネ部に当接するように当接部が形成される。このように、当接部を形成することにより、レバー本体を操作しやすい方向に操作すると、そのレバー本体に押されたバネ部が当接部に当接し、それ以上操作しようとすると、バネ部に撓みが発生して、その撓みによる復元力が操作方向に対する逆方向の付勢力に加算される。これにより、簡単な構成で付勢力に差を持たせることができる。
【0021】
請求項7に係る発明は、前記目的を達成するために、前記レバー本体が操作しやすい方向に操作された際、該レバー本体に押されるバネ部に捲線部が形成されることを特徴とする請求項6に記載の操作レバーを提供する。
【0022】
請求項7に係る発明によれば、レバー本体が操作しやすい方向に操作された際、その該レバー本体に押されるバネ部に捲線部が形成される。したがって、たとえば、押し操作の方が操作しやすい場合は、第2のバネ部に捲線部が形成され、引き操作の方が操作しやすい場合は、第1のバネ部に捲線部が形成される。このように、捲線部を形成することにより、その捲線部を形成したバネ部は、当接部に当接すると、捲線部で変形するようになり、撓みで付勢力を加算するよりも、スムーズに付勢力を加算することができ、操作感を向上させることができる。
【0023】
請求項8に係る発明は、前記目的を達成するために、携帯機器の機器本体の外装面上に配置され、その機器本体を把持した手の指で押し/引き操作される操作レバーにおいて、前記機器本体に揺動又はスライド自在に支持されるレバー本体と、前記レバー本体が押し/引き操作された際、操作方向とは逆方向に前記レバー本体を付勢して、前記レバー本体を中立点に復帰させる付勢手段と、前記付勢手段による付勢力を調整する調整手段と、を備えたことを特徴とする操作レバーを提供する。
【0024】
請求項8に係る発明によれば、レバー本体が押し/引き操作された際に発生する反力を任意に設定することができる。これにより、操作レバーが操作しにくい位置に配置された場合であっても、高い操作性を確保することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、操作しにくい位置に配置される操作レバーの操作性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して本発明に係る操作レバーを実施するための最良の形態について説明する。
【0027】
図1、図2は、それぞれ本発明が適用されたデジタルカメラの一実施形態の外観構成を示す正面斜視図と背面斜視図である。
【0028】
同図に示すように、このデジタルカメラ10は、いわゆるコンパクトデジタルカメラであり、そのカメラボディ12は、厚みの薄い矩形の箱状に形成されている。
【0029】
カメラボディ12の正面には、図1に示すように、撮影レンズ14、フラッシュ16、AF補助光ランプ18、マイク20が設けられている。また、カメラボディ12の上面には、シャッタボタン22、ズームレバー100、電源ボタン26が設けられている。
【0030】
一方、カメラボディ12の背面には、図2に示すように、液晶モニタ28、モードダイヤル30、MENU/OKボタン32、十字ボタン34、再生ボタン36、ファンクションボタン38、DISP/BACKボタン40、露出補正ボタン42が設けられている。
【0031】
また、カメラボディ12の底面には、スピーカ44、三脚ネジ穴46、開閉自在なバッテリカバー48が設けられており、一方側の側面(背面側から見て左側の側面)には、開閉自在な端子カバー50、赤外線通信ポート54が設けられている。
【0032】
本実施の形態のデジタルカメラ10は、右利き用のデジタルカメラとして構成されており、カメラボディ12の左端(正面から見て左端)を右手で把持して撮影操作するように構成されている。すなわち、カメラボディ12の左端(正面から見て左端)には、カメラボディ12を右手で把持するための把持部56が形成されるとともに、その把持部56を把持した右手の人指し指で操作できるように、シャッタボタン22、ズームレバー(操作レバー)100、電源ボタン26がカメラボディ12の上面にレイアウトされるとともに、その把持部56を把持した右手の親指で操作できるように、モードダイヤル30、MENU/OKボタン32、十字ボタン34、再生ボタン36、ファンクションボタン38、DISP/BACKボタン40、露出補正ボタン42がカメラボディ12の裏面にレイアウトされている。
【0033】
撮影レンズ14は、カメラボディ12に一体的に組み込まれており、沈胴式のAFズームレンズで構成されている。この撮影レンズ14は、カメラボディ12の把持部56を確保するために、カメラボディ12を正面側から見て右端寄りの位置に配置されている。また、この撮影レンズ14の先端には、レンズカバー14Aが設けられており、レンズカバー14Aは、撮影レンズ14の沈胴/繰り出しに連動して自動で開閉する。
【0034】
デジタルカメラ10は、電源がONされると、撮影レンズ14が繰り出され、OFFされると、沈胴する。そして、撮影レンズ14が沈胴すると、図1に示すように、カメラボディ12の前面がフラットな状態となる。
【0035】
フラッシュ16は、カメラボディ12の正面右上隅に配置されている。このフラッシュ16は、キセノン管で構成されており、撮影時に必要に応じて発光される(暗い被写体を撮影する場合等)。
【0036】
AF補助光ランプ18は、フラッシュ16の下方位置に配置されている。このAF補助光ランプ18は、高輝度のLEDランプで構成されており、AF時に必要に応じて発光される(暗い被写体を撮影する場合等)。
【0037】
なお、このAF補助光ランプ18は、セルフタイマランプの機能も有しており、セルフタイマ撮影時に所定の態様で発光されて、被写体に撮影タイミングを告知する。
【0038】
マイク20は、撮影レンズ14の右下に配置されている。なお、本実施の形態のデジタルカメラ10は、動画撮影機能と音声メモの録音機能を備えており、マイク20は、この動画撮影時と音声メモの録音時に使用される。
【0039】
シャッタボタン22は、いわゆる「半押し」と「全押し」とからなる二段ストローク式の押下ボタンで構成されており、円形状に形成されている。このシャッタボタン22は、把持部56を把持した右手の人指し指が押下操作可能な位置に配置されており、カメラボディ12の上面左端近傍に配置されている。より具体的には、把持部56を把持した手の人指し指が自然にかかる位置よりも若干外側に配置されている(端部近傍に配置される)。撮影時、デジタルカメラ10は、このシャッタボタン22が半押しされると、AE/AF等の撮影準備処理を行い、全押しされると、画像の撮影、記録を行う。
【0040】
ズームレバー100は、二方向に揺動操作可能な中点復帰式の揺動型スイッチで構成されており、リング状に形成されて、シャッタボタン22の周囲を左右方向に揺動自在に設けられている。このズームレバー100は、無操作状態において、その外周部に突出して形成されたレバー部106が、カメラボディ12の正面側に位置するように配置されており(レバー部106が撮影レンズ14の光軸と同じ方向に向くように配置される。)、このレバー部106を左右に揺動操作することにより、デジタルカメラにズーム指令が入力される。
【0041】
図3に示すように、撮影者は、ズーム操作を行う場合、カメラボディ12を把持した右手の人差し指をレバー部106に掛け、そのレバー部106を指で押し/引き操作することにより、ズームレバー100を左右に揺動させて、ズーム指令を入力する。すなわち、撮影時は、このズームレバー100を押し方向に操作することにより、テレ方向へのズーム指令を入力し、引き方向に操作することにより、ワイド方向へのズーム指令を入力する。また、再生時は、押し操作することにより、再生画像の拡大表示の指示を入力し、引き操作することにより、再生画像の縮小表示の指示を入力する。
【0042】
なお、上記のように、シャッタボタン22は、把持部56を把持した手の人指し指が自然にかかる位置よりも若干外側に配置されることから、このシャッタボタン22に一体化されたズームレバー100も把持部56を把持した手の人指し指が自然にかかる位置よりも若干外側に配置される(端部近傍に配置される。)。このように、把持部側の端部近傍にズームレバー100を配置すると、引き操作がしにくくなる。
【0043】
そこで、本実施の形態のデジタルカメラ10では、ズームレバー100の操作性を向上させるため、ズームレバー100を引き操作したときにズーム指令が出力されるまでの操作量が、ズームレバー100を押し操作したときにズーム指令が出力されるまでの操作量よりも短く設定されている。すなわち、押し操作されたときよりも引き操作されたときの方が少ない操作量でズーム指令が出力されるように構成されている。この点については、のちに詳述する。
【0044】
電源ボタン26は、押下式のボタンで構成されており、カメラボディ12の上面ほぼ中央位置に配置されている。デジタルカメラ10は、この電源ボタン26が押下されることにより、電源がON/OFFされる。
【0045】
液晶モニタ28は、図2に示すように、カメラボディ12の背面左端に配置されている。この液晶モニタ28は、撮影済み画像を表示するための画像表示部として利用されるとともに、各種設定時にGUIとして利用される。また、撮影時には、撮像素子で捉えた画像がスルー表示されて、電子ファインダとして利用される。
【0046】
モードダイヤル30は、円盤状に形成されており、カメラボディ12の背面右上隅に配置されている。このモードダイヤル30は、図示しないクリック機構により、一定の回転角度間隔で回動操作可能に設けられている。デジタルカメラ10は、このモードダイヤル30の設定位置に応じた撮影モード(たとえば、オート撮影モード、動画撮影モード、マニュアル撮影モード、シーンプログラム撮影モード等)に設定される。
【0047】
なお、このモードダイヤル30は、カメラボディ12を把持する際、その把持した手の親指の指置きとして機能する。すなわち、撮影者は、カメラボディ12を把持する際、このモードダイヤル30の上に右手の親指を載せて、中指との間でカメラボディ12を把持する。このため、モードダイヤル30は、その表面が緩やかな弧を描くように凹んで形成されている。また、その外周面は、回転操作しやすいように、多数の溝が形成されている。
【0048】
MENU/OKボタン32は、押下式のボタンで構成されており、モードダイヤル30の下方位置に配置されている。このMENU/OKボタン32は、メニュー画面の呼び出しを指示する機能を有するとともに、そのメニュー画面等で選択した内容の確定や処理の実行を指示する機能を有しており、デジタルカメラ10の状態に応じて、割り当てられる機能が切り替えられる。
【0049】
本実施の形態のデジタルカメラ10では、このMENU/OKボタン32の押下によって液晶モニタ上に呼び出されるメニュー画面を利用して、デジタルカメラの各種設定が行われる。
【0050】
十字ボタン34は、ドーナツ状に形成されており、MENU/OKボタン32の周囲を囲うように取り付けられている。この十字ボタン34は、上下左右4方向に押下操作可能に設けられており、各方向には、デジタルカメラ10の状態に応じて、割り当てられる機能が切り替えられる。たとえば、撮影モード時には、左ボタンにマクロ機能のON/OFFを切り替える機能が割り当てられ、右ボタンにフラッシュのモード(たとえば、オート発光/強制発光/発光禁止/赤目軽減発光等)を切り替える機能が割り当てられる。また、上ボタンに液晶モニタ28の明るさを替える機能が割り当てられ、下ボタンにセルフタイマのON/OFFを切り替える機能が割り当てられる。また、再生モード時には、左ボタンにコマ送りの機能が割り当てられ、右ボタンにコマ戻しの機能が割り当てられる。また、上ボタンに液晶モニタ28の明るさを替える機能が割り当てられ、下ボタンに再生中の画像を削除する機能が割り当てられる。また、各種設定時には、液晶モニタ28に表示されたカーソルを各ボタンの方向に移動させる機能が割り当てられる。
【0051】
再生ボタン36は、押下式のボタンで構成されており、十字ボタン34の右上位置に配置されている。デジタルカメラ10は、撮影中、この再生ボタン36が押されると、再生モードに切り替えられる。また、電源OFFの状態でこの再生ボタン36が一定時間押されると、再生モードの状態で起動する。
【0052】
ファンクションボタン38は、押下式のボタンで構成されており、十字ボタン34の左上位置に配置されている。このファンクションボタン38には、デジタルカメラ10の状態に応じて、割り当てられる機能が切り替えられる。たとえば、撮影モード時には、画像サイズや感度等の設定画面を呼び出す機能が割り当てられ、再生モード時には、スライドショーやプリント予約の画面を呼び出す機能が割り当てられる。
【0053】
DISP/BACKボタン40は、押下式のボタンで構成されており、十字ボタン34の左下位置に配置されている。このDISP/BACKボタン40は、液晶モニタ28の表示内容の切り替え指示(DISP機能)に用いられるとともに、入力操作のキャンセル等の指示(BACK機能)に用いられ、デジタルカメラ10の状態に応じて割り当てられる機能が切り替えられる。
【0054】
露出補正ボタン42は、押下式のボタンで構成されており、十字ボタン34の右下位置に配置されている。この露出補正ボタン42は、撮影時に露出補正の設定画面の呼び出しの指示に用いられる。
【0055】
スピーカ44は、図2に示すように、カメラボディ12の底面中央やや左寄り位置に配置されている。このスピーカ44は、動画再生時における音声の出力やメモ録音された音声の再生出力に用いられる。
【0056】
三脚ネジ穴46は、カメラボディ12の底面左端寄りの位置に設けられており、デジタルカメラ10を三脚等に取り付ける際に使用される。
【0057】
バッテリカバー48は、カメラボディ12の底面右端に設けられており、長手方向の一端(図2において左端)を中心に揺動して開閉される。このバッテリカバー48を開くと、その内側には、バッテリを収納するためのバッテリ収納室及びメモリカードを装着するためのメモリカードスロットが設けられている。
【0058】
端子カバー50は、図2に示すように、カメラボディ12の側面下部近傍に形成された端子部52を開閉する。この端子部52には、図示しないPC接続端子と電源端子とが設けられている。
【0059】
赤外線通信ポート54は、図2に示すように、カメラボディ12の側面のほぼ中央位置に配置されている。この赤外線通信ポート54は、赤外線通信機能を有する外部機器との間で赤外線通信を行う際に使用される。
【0060】
さて、上記のように、本実施の形態のデジタルカメラ10では、ズームレバー100の操作性を向上させるため、押し操作されたときよりも引き操作されたときの方が、少ない操作量でズーム指令が出力されるように構成されている。以下、このズームレバー100の構成について説明する。
【0061】
図4は、ズームレバー100の概略構成を示す分解斜視図である。
【0062】
同図に示すように、ズームレバー100は、主として、円筒状に形成されたレバー本体102と、そのレバー本体102の上端部に一体的に形成されたリング状の外装リング部104と、外装リング部104の一部から外周方向に突出するように形成されたレバー部106とで構成される。
【0063】
レバー本体102は、カメラボディ12に設けられた円筒状のズームレバー取付部108に取り付けられる。このズームレバー取付部108の内径は、レバー本体102の外径とほぼ同径に形成されており、このズームレバー取付部108の内周部にレバー本体102を挿入することにより、ズームレバー100がカメラボディ12に取り付けられる。
【0064】
ズームレバー取付部108の内周面には、ズームレバー100の可動範囲を規制するためのストッパ溝110が形成されている。一方、レバー本体102の外周面には、ストッパリブ112が突出して形成されている。ズームレバー100の組み付け時は、このストッパリブ112が、ストッパ溝110に嵌まるようにして、レバー本体102をズームレバー取付部108の内周部に挿入する。これにより、ストッパリブ112とストッパ溝110の作用でレバー本体102の回動範囲が規制され、所定の回転角度の範囲内でのみズームレバー100が揺動可能に支持される。すなわち、ズームレバー100を一方側に揺動させると、ストッパリブ112がストッパ溝110の一方側の端部に当接して、それ以上の回動が規制される一方、他方側に揺動させると、ストッパリブ112がストッパ溝110の他方側の端部に当接して、それ以上の回動が規制される。これにより、ズームレバー100の可動範囲、すなわち、揺動可能な範囲が所定の回転角度の範囲に規制される。
【0065】
なお、本実施の形態では、撮影レンズ14の光軸を境として、レバー部106が左右に45°の範囲で揺動できるように、ズームレバー100の回動範囲が規制される。
【0066】
外装リング部104は、レバー本体102の上端部同軸上に一体的に形成されている。ズームレバー100は、ズームレバー取付部108に取り付けると、この外装リング部104が、カメラボディ12の外装面上に露出して取り付けられる(図1参照)。
【0067】
レバー部106は、矩形のブロック状に形成されており、外装リング部104の一部から突出するようにして、外装リング部104に一体形成されている。ズームレバー100は、無操作状態において、このレバー部106が撮影レンズ14の光軸の方向に向くように、カメラボディ12に取り付けられる(図1参照)。
【0068】
シャッタボタン22を構成するシャッタボタンユニット114は、外装リング部104の内側に収容され、ズームレバー取付部108の中央に垂直に立設された軸部116に固定して取り付けられる。ズームレバー100は、このシャッタボタン22の周囲を所定の可動範囲内で揺動自在に支持される。
【0069】
図5は、ズームレバーの中点復帰機構とスイッチ部の構成を示す平面図である。
【0070】
同図に示すように、ズームレバー取付部108の中央に立設された軸部116は、円柱状に形成されており、カメラボディ12に一体的に形成されている。この軸部116には、トーションバネ118が装着されている。
【0071】
トーションバネ118は、鋼線を複数回巻回して形成されており、コイル部118Aと、そのコイル部118Aの両端から所定の角度をもって直線状に延びるバネ部118L、118Rとで構成されている。トーションバネ118は、コイル部118Aを軸部116に嵌めることにより、軸部116に装着される。
【0072】
軸部116に装着されたトーションバネ118は、一方のバネ部118Rがズームレバー取付部108の内側に立設された固定リブ120Rに掛けられるとともに、他方側のバネ部118Lが、同じくズームレバー取付部108の内側に立設された固定リブ120Lに掛けられる。この固定リブ120R、120Lは、カメラボディ12に一体的に形成されており、軸部116と平行に立設されている。
【0073】
レバー本体102の内周部102Aの壁面には、扇状の凹部102Bが形成されており、この凹部102Bの両サイドの壁面102BR、102BLには、それぞれ軸部116に装着されたトーションバネ118のバネ部118R、118Lを押圧する押圧部122R、122Lが突出して形成されている。この押圧部122R、122Lは、それぞれ断面半円形状に形成されており、ズームレバー100を揺動操作すると、バネ部118R、118Lを押すように作用する。すなわち、ズームレバー100を左方向に揺動させると(押し操作すると)、図6(a)に示すように、図中右側の押圧部122Rがバネ部118Rを押圧し、右方向に揺動させると(引き操作すると)、図6(b)に示すように、図中左側の押圧部122Lがバネ部118Lを押圧する。ズームレバー100は、この押圧部122R、122Lが、バネ部118R、118Lを押圧することにより、バネ部118R、118Lから操作方向と逆方向の付勢力を受ける。すなわち、左方向に揺動操作すると(押し操作すると)、押圧部122Rがバネ部118Rを押圧して、バネ部118Rから中立点に引き戻そうとする反力を受け、右方向に揺動操作すると(引き操作すると)、押圧部122Lがバネ部118Lを押圧して、バネ部118Lから中立点に引き戻そうとする反力を受ける。この結果、ズームレバー100は、操作力を解除すると、常にレバー部106が中立点(レバー部106が光軸方向に向く位置)に復帰する。
【0074】
なお、レバー部106が中立点に位置した状態(図5の状態)において、左右の押圧部122R、122Lは共に左右のバネ部118R、118Lに当接するように設置される。これにより、無操作状態において、レバー部106は、常に中立点に位置する。一方、レバー部106を左方向に揺動させると(押し操作すると)、図中右側の押圧部122Rがバネ部118Rを押圧して、中立点に引き戻そうとする反力(操作方向と反対方向の付勢力)が発生するとともに、右方向に揺動させると(引き操作すると)、図中左側の押圧部122Lがバネ部118Lを押圧して、中立点に引き戻そうとする反力(操作法王と反対方向の付勢力)が発生する。
【0075】
このように、ズームレバー100は、揺動操作すると、その操作方向とは逆方向の付勢力を受け、常に中立点に復帰する動作を行う。
【0076】
このズームレバー100は、左方向に揺動操作すると(押し操作)すると、所定位置でテレズームスイッチがONされ、テレズームON信号が、カメラの制御手段(カメラ全体を統括制御する制御手段、例:CPU等)にテレズームON信号(テレ方向へのズームの指示を与える信号)が出力される。一方、右方向に揺動操作すると(引き操作)すると、所定位置でワイドズームスイッチ(ワイド方向へのズームの指示を与える信号)がONされ、カメラの制御手段にワイドズームON信号が出力される。
【0077】
ここで、上記のように、本実施の形態のデジタルカメラ10では、ズームレバー100の操作性を向上させるため、押し操作されたときよりも引き操作されたときの方が、少ない操作量でズーム指令が出力されるように構成されている。すなわち、ズームレバー100を左方向に揺動操作(押し操作)して、テレズームスイッチがONされるまでに要する操作量(回転量)よりも、ズームレバー100を右方向に揺動操作(引き操作)して、ワイドズームスイッチがONされるまでに要する操作量(回転量)の方が少なく設定されている。以下、この構成について説明する。
【0078】
図5に示すように、ズームレバー取付部108の内周部の底面には、ワイドズーム接点124Wとテレズーム接点124Tが設けられている(図示しない基板上に形成されている)。
【0079】
ワイドズーム接点124Wは、ワイドズーム検出接点124W1とワイドズーム共通接点124W2とで構成されており、それぞれズームレバー取付部108の中心(軸部116の中心)Oを中心とした半径r1、r2の円の一部として円弧状に形成されている。そして、その一端(始点)は、中立点から図中右左方向にα°回転した位置に形成しており、他端(終点)は、中立点から図中右方向に(α+Δ)°回転した位置(ズームレバー100の右方向の揺動範囲の終点位置)に形成されている。
【0080】
一方、テレズーム接点124Tは、テレズーム検出接点124T1とテレズーム共通接点124T2とで構成されており、それぞれズームレバー取付部108の中心(軸部116の中心)Oを中心とした半径r1、r2の円の一部として円弧状に形成されている。そして、その一端(始点)は、中立点から図中左方向にβ(>α)°回転した位置に形成しており、他端(終点)は、中立点から図中左方向に(β+Δ)°回転した位置(ズームレバー100の左方向の揺動範囲の終点位置)に形成されている。
【0081】
ワイドズーム検出接点124W1とテレズーム検出接点124T1は、それぞれ、ワイドズーム配線126Wとテレズーム配線126Tを介してスイッチ検出回路128に接続されている。また、テレズーム共通接点124T2とワイドズーム共通接点124W2は、共通配線126TWを介してスイッチ検出回路128に接続されている。
【0082】
共通配線126TWは通電されており、ワイドズーム共通接点124W2とワイドズーム検出接点124W1とが導通されると(ワイドズームスイッチON)、ワイドズーム共通接点124W2とワイドズーム検出接点124W1との間に電流が流れ、この通電状態がスイッチ検出回路128で検出される。そして、このワイドズーム共通接点124W2とワイドズーム検出接点124W1の通電を検出すると、スイッチ検出回路128は、カメラの制御手段にワイドズームON信号を出力する。同様にテレズーム共通接点124T2とテレズーム検出接点124T1とが導通されると(テレズームスイッチON)、テレズーム共通接点124T2とテレズーム検出接点124T1との間に電流が流れ、この通電状態がスイッチ検出回路128で検出される。そして、このテレズーム共通接点124T2とテレズーム検出接点124T1の通電を検出すると、スイッチ検出回路128は、カメラの制御手段にテレズームON信号を出力する。
【0083】
ズームレバー100のレバー本体102には、このワイドズーム検出接点124W1とテレズーム検出接点124T1を共通接点に導通させるためのブラシ130が設けられている。このブラシ130は導体で構成されており、レバー部106の中心と外装リング部104の中心を通る直線上に設置されている。
【0084】
図6(b)に示すように、ズームレバー100を中立点から右方向に揺動させると(引き操作すると)、所定位置、すなわち、α°回転させた位置でブラシ130がワイドズーム検出接点124W1とワイドズーム共通接点124W2に接触する。そして、このブラシ130がワイドズーム検出接点124W1とワイドズーム共通接点124W2に接触することにより、ワイドズーム検出接点124W1とワイドズーム共通接点124W2とが通電され、その通電状態がスイッチ検出回路128で検出される。そして、このワイドズーム共通接点124W2とワイドズーム検出接点124W1の通電を検出すると、スイッチ検出回路128は、カメラの制御手段にワイドズームON信号を出力する。
【0085】
一方、図6(a)に示すように、ズームレバー100を中立点から左方向に揺動させると(押し操作すると)、所定位置、すなわち、β°回転させた位置でブラシ130がテレズーム検出接点124T1とテレズーム共通接点124T2に接触する。そして、このブラシ130がテレズーム検出接点124T1とテレズーム共通接点124T2に接触することにより、テレズーム検出接点124T1とテレズーム共通接点124T2とが通電され、その通電状態がスイッチ検出回路128で検出される。そして、このテレズーム共通接点124T2とテレズーム検出接点124T1の通電を検出すると、スイッチ検出回路128は、カメラの制御手段にテレズームON信号を出力する。
【0086】
ここで、上記のように、ワイドズーム検出接点124W1とワイドズーム共通接点124W2の始点は、テレズーム検出接点124T1とテレズーム共通接点124T2の始点よりも中立点寄りの位置に形成されている(α<β)。
【0087】
したがって、ズームレバー100を右方向に揺動操作する場合の方が、左方向に揺動操作する場合よりも少ない操作量でズームON信号が出力され、この結果、押し操作されたときよりも引き操作されたときの方が少ない操作量でズーム指令が出力される。
【0088】
このように、本実施の形態のデジタルカメラ10では、ズームレバー100が、押し操作されたときよりも引き操作されたときの方が少ない操作量でズーム指令が出力される。これにより、本実施の形態のデジタルカメラ10のように、ズームレバー100がカメラボディ12の端部近傍(把持部56を把持した手の人指し指が自然にかかる位置よりも若干外側)に配置されることにより、引き操作しにくい場合であっても、ズーム操作を容易に行うことができるようになる。
【0089】
なお、上記実施の形態では、引き操作しにくい場合について説明したが、押し操作がしにくい場合は、上記と逆の設定にする。すなわち、ズームレバー100が、引き操作されたときよりも押し操作されたときの方が少ない操作量でズーム指令が出力されるように構成する。これにより、押し操作しにくい場合におけるズームレバー100の操作性が向上する。
【0090】
図7は、ズームレバーの第2の実施の形態の要部の構成を示す平面図である。
【0091】
上記実施の形態のズームレバー100は、中立点を境とした左右の揺動範囲(可動範囲)が同じに設定されていた。
【0092】
本実施の形態のズームレバー100は、テレズームスイッチをONするのに要するズームレバー100の操作量(回転量)とワイドズームスイッチをONするのに要するズームレバー100の操作量(回転量)に合わせて、レバー本体102の可動範囲が規制される。
【0093】
なお、ズームレバー100の可動範囲が異なるだけで、基本構成は上記実施の形態のズームレバー100と同じなので、上記実施の形態のズームレバー100と同一又は類似の部材には、同一符号を付して、その説明は省略する。
【0094】
上記のように、ズームレバー100は、中立点から右方向にα°揺動(回転)させると、ブラシ130がワイドズーム検出接点124W1とワイドズーム共通接点124W2に接触する(図8(b)参照)。また、中立点から左方向にβ(>α)°揺動(回転)させると、ブラシ130がテレズーム検出接点124T1とテレズーム共通接点124T2に接触する(図8(a)参照)。
【0095】
したがって、右方向への可動限界は、ブラシ130がワイドズーム検出接点124W1とワイドズーム共通接点124W2に接触する位置に設定され、左方向への可動限界は、ブラシ130がテレズーム検出接点124T1とテレズーム共通接点124T2に接触する位置に設定される。
【0096】
ここで、ズームレバー100の可動範囲は、レバー本体102に形成されたストッパリブ112と、ズームレバー取付部108に形成されたストッパ溝110によって規定されるので、ストッパ溝110を左右非対称に形成することにより、左右の揺動範囲を調整する。具体的には、図8(b)に示すように、右方向に回転させたブラシ130が、ワイドズーム検出接点124W1とワイドズーム共通接点124W2に接触すると(ズームレバー100を右方向にα°回転させると接触)、ストッパリブ112がストッパ溝110の右側の端部110Rに当接するように、ストッパ溝110の右端の位置を設定する。また、図8(a)に示すように、左方向に回転させたブラシ130が、テレズーム検出接点124T1とテレズーム共通接点124T2に接触すると(ズームレバー100を左方向にβ°回転させると接触)、ストッパリブ112がストッパ溝110の左側の端部110Lに当接するように、ストッパ溝110の左端の位置を設定する。
【0097】
このように、ズームレバー100の左右の揺動範囲を変えることにより、ズーム指令を出力するのに要する左右の操作量が明確になり、操作感が向上する。
【0098】
なお、上記例では、引き操作しにくい場合について説明したが、押し操作がしにくい場合は、上記と逆の設定にする。すなわち、押し操作の可動範囲を引き操作の可動範囲よりも狭くする。
【0099】
図9は、ズームレバーの第3の実施の形態の要部の構成を示す平面図である。
【0100】
本実施の形態のズームレバー100は、中立点を境とした左右の揺動範囲(可動範囲)が同じに設定されるとともに、テレズームスイッチをONするのに要する操作量(回転量)とワイドズームスイッチをONするのに要する操作量(回転量)も同じに設定される(ともに中立点を境にβ°回転させるとONされる)。
【0101】
しかしながら、ズームレバー100を中立点から右方向に操作(引き操作)した場合に受ける反力(操作方向とは逆方向の付勢力)が、中立点から左方向に操作(押し操作)した場合に受ける反力(操作方向とは逆方向の付勢力)よりも弱く設定されている。
【0102】
すなわち、本実施の形態のズームレバー100は、引き操作を押し操作よりも弱い力で行うことができるように構成されている。
【0103】
以下、この第3の実施の形態のズームレバー100の構成について説明する。なお、反力の付与機構以外の構成は、上記実施の形態のズームレバー100と同じなので、上記実施の形態のズームレバー100と同一又は類似の部材には、同一符号を付して、その説明は省略する。
【0104】
本実施の形態のズームレバー100では、ズームレバー100を中立点に復帰させるためのトーションバネが二本取り付けられている。
【0105】
すなわち、図10(a)に示すように、1本は上記実施の形態のトーションバネ118と同じトーションバネ(以下、第1のトーションバネ118という)が取り付けられており、これに加えて、第2のトーションバネ140が軸部116に取り付けられている。
【0106】
第1のトーションバネ118は、上記のように、鋼線を複数回巻回して形成されており、コイル部118Aと、そのコイル部118Aの両端から所定の角度をもって直線状に延びるバネ部118L、118Rとで構成されている。この第1のトーションバネ118は、コイル部118Aを軸部116に嵌めることにより、軸部116に装着される。軸部116に装着された第1のトーションバネ118は、図10(a)に示すように、右側のバネ部118Rが右側の固定リブ120Rに掛けられるとともに、左側のバネ部118Lが左側の固定リブ120Lに掛けられる。
【0107】
一方、第2のトーションバネ140も鋼線を複数回巻回して形成されており、コイル部140Aと、そのコイル部140Aの両端から所定の角度をもって直線状に延びるバネ部140L、140Rとで構成されている。しかしながら、この第2のトーションバネ140は、左側のバネ部140Lが右側のバネ部140Rよりも短く形成されている。
【0108】
この第2のトーションバネ140も第1のトーションバネ118と同様にコイル部140Aを軸部116に嵌めることにより軸部116に装着される(第1のトーションバネ118に重ねて装着される。)。そして、図10(b)に示すように、右側のバネ部140Rが右側の固定リブ120Rに掛けられるとともに、左側のバネ部140Lが左側の固定リブ120Lに掛けられる。
【0109】
このように装着された第2のトーションバネ140は、右側のバネ部140Rにのみレバー本体102に形成された左側の押圧部122Lが当接し、左側のバネ部140Lには、押圧部122Rが当接しないように設置される。この結果、第2のトーションバネ140は、ズームレバー100を左方向に操作(押し操作)したときにのみ作用する。
【0110】
以上のように構成される第3の実施の形態のズームレバー100の作用は次のとおりである。
【0111】
中立点に位置したズームレバー100を押し操作し、左方向に揺動させると、図11(a)に示すように、図中右側の押圧部122Rが、第1のトーションバネ118のバネ部118Rと第2のトーションバネ140のバネ部140Rを押圧する。この結果、ズームレバー100には、第1のトーションバネ118のバネ部118Rによる付勢力(反力)と、第2のトーションバネ140のバネ部140Rによる付勢力(反力)が、操作方向とは反対方向に付与される。
【0112】
一方、中立点に位置したズームレバー100を引き操作し、右方向に揺動させると、図11(b)に示すように、図中左側の押圧部122Lが、第1のトーションバネ118のバネ部118Lのみを押圧する。この結果、ズームレバー100には、第1のトーションバネ118のバネ部118Rによる付勢力(反力)のみが操作方向とは反対方向に付与される。
【0113】
このように、ズームレバー100を押し操作した場合は、二本のトーションバネ118、140による付勢力がズームレバー100に作用し、引き操作した場合は、一本のトーションバネ118による付勢力のみが、ズームレバー100に作用する。この結果、押し操作に対して引き操作を軽い力で行うことができ、引き操作しにくい位置にズームレバー100が配置された場合であっても、高い操作性を確保することができる。
【0114】
なお、上記例では、引き操作しにくい場合について説明したが、押し操作がしにくい場合は、上記と逆の設定にする。
【0115】
図12は、ズームレバーの第4の実施の形態の要部の構成を示す平面図である。
【0116】
本実施の形態のズームレバー100も上記第3の実施の形態のズームレバーと同様に、引き操作した場合に受ける反力が、押し操作した場合に受ける反力よりも弱く設定される。
【0117】
なお、反力の付与機構以外の構成は、上記実施の形態のズームレバー100と同じなので、上記実施の形態のズームレバー100と同一又は類似の部材には、同一符号を付して、その説明は省略する。
【0118】
図12に示すように、本実施の形態のズームレバー100には、右側の固定リブ120Rの近傍に第2の固定リブ150が立設される。この固定リブ150は、図13(a)に示すように、トーションバネ118の右側のバネ部118Rの左方向への移動を規制する。
【0119】
すなわち、トーションバネ118の右側のバネ部118Rは、ズームレバー100を右方向に揺動させると(押し操作すると)、レバー本体102に形成された右側の押圧部122Lに押されて、左方向に回転移動するが、一定量移動すると、第2の固定リブ150に当接し、移動が規制される。
【0120】
バネ部118Rが、第2の固定リブ150に当接した後も更にズームレバー100を右方向に揺動させると(更に押し操作すると)、図13(a)に示すように、バネ部118Rが撓みながら、ズームレバー100の揺動を許容する。この結果、バネ部118Rの撓みによる反力(復元力)が、トーションバネ自身による反力に上乗せされる。
【0121】
以上のように構成された第4の実施の形態のズームレバーの作用は次のとおりである。
【0122】
中立点に位置したズームレバー100を押し操作し、左方向に揺動させると、図13(a)に示すように、図中右側の押圧部122Rが、トーションバネ118のバネ部118Rを押圧する。この結果、トーションバネ118のバネ部118Rが左方向に回転移動する。バネ部118Rは所定量移動すると、第2の固定リブ150に当接する。このバネ部118Rが第2の固定リブ150に当接した後も更にズームレバー100を右方向に揺動させると(更に押し操作すると)、バネ部118Rが撓みながら、ズームレバー100の揺動を許容する。そして、このバネ部118Rの撓みによる反力(復元力)が上乗せされて、ズームレバー100の操作方向とは逆方向の付勢力が、ズームレバー100に付与される。
【0123】
一方、中立点に位置したズームレバー100を引き操作し、右方向に揺動させると、図13(b)に示すように、図中左側の押圧部122Lが、トーションバネ118の左側のバネ部118Lを押圧する。バネ部118Rは、移動が規制されていないので、トーションバネ118のバネ力のみがズームレバー100に付与される。
【0124】
このように、ズームレバー100を押し操作した場合は、バネ部118Rの撓みによる反力(復元力)が上乗せされて、ズームレバー100に作用するため、押し操作の方が引き操作よりも強い操作力が要求される。
【0125】
この結果、押し操作に対して引き操作を軽い力で行うことができ、引き操作しにくい位置にズームレバー100が配置された場合であっても、高い操作性を確保することができる。
【0126】
なお、上記例では、引き操作しにくい場合について説明したが、押し操作がしにくい場合は、上記と逆の設定にする。
【0127】
図14は、ズームレバーの第5の実施の形態の要部の構成を示す平面図である。
【0128】
本実施の形態のズームレバー100は、上記第4の実施の形態のズームレバーに対して、トーションバネ118の右側のバネ部118Rに捲線部118RCが形成されている。この捲線部118RCは、バネ部118Rの中間地点でバネ部118Rを構成する鋼線を巻回することにより形成され、固定リブ120R及び第2固定リブ150に当接する部位よりも先端側に形成される。
【0129】
なお、この右側のバネ部118Rに捲線部118RCが形成されている点以外は、上記第4の実施の形態のズームレバーの構成と同じである。
【0130】
このように構成された第5の実施の形態のズームレバー100の作用は次のとおりである。
【0131】
中立点に位置したズームレバー100を押し操作し、左方向に揺動させると、図中右側の押圧部122Rが、トーションバネ118のバネ部118Rを押圧する。この結果、トーションバネ118のバネ部118Rが左方向に回転移動する。バネ部118Rは所定量移動すると、第2の固定リブ150に当接する。
【0132】
バネ部118Rが第2の固定リブ150に当接した後も更にズームレバー100を右方向に揺動させると(更に押し操作すると)、図15(a)に示すように、バネ部118Rに形成された捲線部118RCの作用によって、バネ部118Rの先端が変形する。この結果、この変形したバネ部118Rの先端部の反力が、トーションバネ自体の反力に上乗せされて、ズームレバー100に付与される。
【0133】
一方、中立点に位置したズームレバー100を引き操作し、右方向に揺動させると、図15(b)に示すように、図中左側の押圧部122Lが、トーションバネ118の左側のバネ部118Lを押圧する。バネ部118Rは、移動が規制されていないので、トーションバネ自体の反力のみがズームレバー100に付与される。
【0134】
このように、ズームレバー100を押し操作した場合は、バネ部118Rに形成された捲線部118RCによる反力(復元力)が上乗せされて、ズームレバー100に作用するため、押し操作の方が引き操作よりも強い操作力が要求される。
【0135】
この結果、押し操作に対して引き操作を軽い力で行うことができ、引き操作しにくい位置にズームレバー100が配置された場合であっても、高い操作性を確保することができる。
【0136】
なお、上記例では、引き操作しにくい場合について説明したが、押し操作がしにくい場合は、上記と逆の設定にする。
【0137】
図16は、ズームレバーの第6の実施の形態の外観構成を示す斜視図である。
【0138】
本実施の形態のズームレバー100は、操作方向と逆方向に付勢する力(反力)をユーザが調整できるようにしている。この調整は、ズームレバー100の下部同軸上に装着された調整ダイヤル160を回転操作することにより行われる。すなわち、この調整ダイヤル160を右方向に回転させると、その回転量に応じて、ズームレバー100を左方向へ揺動操作(押し操作)した時に受ける反力が増し、左方向に回転させると、その回転量に応じて、ズームレバー100を右方向へ揺動操作(引き操作)した時に受ける反力が増す。
【0139】
図17は、ズームレバー100が受ける反力の調整機構の構成を示す平面図である。
【0140】
なお、反力の調整機構を有する点以外は、基本的に上述した実施の形態のズームレバーの構成と同じなので、ここでは、反力の調整機構についてのみ説明する。
【0141】
図17に示すように、調整ダイヤル160は、リング状に形成されており、ズームレバー取付部108の外周に回動自在に支持されている。
【0142】
この調整ダイヤル160の内周部には、アーム162が中心方向に向けて突出して形成されている。このためズームレバー取付部108には、アーム162を内周部に導くための切欠き部108Aが形成されている。なお、この切欠き部108Aは、ストッパ溝110と同じ範囲をもって形成される。すなわち、本例の場合、ストッパ溝110を形成しない代わりに、この切欠き部108Aが、ズームレバー100の可動範囲を規制する役割を果たす。
【0143】
また、レバー本体102にもアーム162を凹部102Bに導くための切欠き部102Cが形成されている。
【0144】
アーム162の先端部には、調整バネ164が取り付けられている。この調整バネ164は、両端部を屈曲させた板バネで構成されており、一対のバネ部164R、164Lを有している。そして、一方のバネ部164Rは、トーションバネ118の右側のバネ部118Rに押圧当接されており、他方のバネ部164Lはトーションバネ118の左側のバネ部118Lに押圧当接されている。
【0145】
調整ダイヤル160を図中左側に回転させると、図18(a)に示すように、調整バネ164の左側のバネ部164Lが、トーションバネ118の左側のバネ部118Lを右方向に押圧する。この結果、左側のバネ部118Lで発生する反力が増加する。そして、このトーションバネ118の左側のバネ部118Lで発生する反力が増加する結果、ズームレバー100を右方向に揺動させる際に要する操作力が増す。すなわち、引き操作に要する操作力が増す。
【0146】
一方、調整ダイヤル160を図中右側に回転させると、図18(b)に示すように、調整バネ164の右側のバネ部164Rが、トーションバネ118の右側のバネ部118Rを右方向に押圧する。この結果、右側のバネ部118Rで発生する反力が増化する。そして、このトーションバネ118の右側のバネ部118Rで発生する反力が増加する結果、ズームレバー100を左方向に揺動させる際に要する操作力が増す。すなわち、押し操作に要する操作力が増す。
【0147】
なお、調整ダイヤル160は、クリック機構が設けられており、一定ピッチで段階的に回転するように取り付けられている。すなわち、図17に示すように、ズームレバー取付部108の外周には、クリックピン166が付勢手段(図示せず)に付勢された状態で突出して設けられており、調整ダイヤル160の内周面には、このクリックピン166が嵌合するクリック溝168が一定ピッチで形成されている。調整ダイヤル160は、クリック溝168にクリックピン166が嵌合することにより係止され、所望の位置に停止させることができるようにされている。
【0148】
以上のように構成された本実施の形態のズームレバーの作用は次のとおりである。
【0149】
ズームレバー100を操作したときに受ける反力を左右で異なる値に設定したい場合、操作力を軽くしたい方向に調整ダイヤル160を回転させる。すなわち、右方向(引き方向)の操作力を軽くしたい場合は、調整ダイヤル160を右方向に回転させる。調整ダイヤル160を右方向に回転させると、図18(b)に示すように、調整バネ164の右側のバネ部164Rが、トーションバネ118の右側のバネ部118Rを右方向に押圧する。この結果、右側のバネ部118Rで発生する反力が増化する。そして、このトーションバネ118の右側のバネ部118Rで発生する反力が増加する結果、ズームレバー100を左方向に揺動させる際に要する操作力が増す。すなわち、押し操作に要する操作力が増す。
【0150】
一方、左方向(押し方向)の操作力を軽くしたい場合は、調整ダイヤル160を左方向に回転させる。調整ダイヤル160を左方向に回転させると、図18(a)に示すように、調整バネ164の左側のバネ部164Lが、トーションバネ118の左側のバネ部118Lを右方向に押圧する。この結果、左側のバネ部118Lで発生する反力が増加する。そして、このトーションバネ118の左側のバネ部118Lで発生する反力が増加する結果、ズームレバー100を右方向に揺動させる際に要する操作力が増す。すなわち、引き操作に要する操作力が増す。
【0151】
調整ダイヤル160は、回転量に応じて付与する力が増すので、ユーザは、所望の操作感が得られる位置まで調整ダイヤル160を回転させる。
【0152】
このように本実施の形態のズームレバーによれば、ズームレバー100の操作時に受ける反力を任意に設定することができる。これにより、ユーザが操作しやすい設定にすることができ、操作性を向上させることができる。
【0153】
なお、本実施の形態では、クリック機構により、調整ダイヤル160を一定ピッチで段階的に回転させることができるように構成しているが、無段階で回転させることができるようにしてもよい。また、調整ダイヤル160をロックするロック機構を備えてもよい。
【0154】
以上説明したように、本発明によれば、操作しにくい位置に配置される操作レバーの操作性を向上させることができる。なお、カメラの場合、カメラボディを把持する手の人指し指が自然に係る位置よりも外側(端部側)に配置されると、ズームレバーは引き操作がしにくくなり、内側に配置されると、押し操作がしにくくなる。このように、ズームレバーを操作しにくい位置に配置せざるを得ない場合、本発明は特に有効に作用する。特に、カメラボディの端部から25mm以内の位置にズームレバー(中立点)が配置される場合、引き操作が極めてしにくくなるため、このような配置をせざるを得ない場合、特に有効に作用する。
【0155】
なお、上記実施の形態では、ズームレバーをシャッタボタンと一体で構成したが、ズームレバーの形態は、これに限定されるものではない。
【0156】
また、上記実施の形態では、揺動させて操作する方式のズームレバーに本発明を適用した場合を例に説明したが、スライドさせて操作する方式のズームレバーにも同様に適用することができる。すなわち、スライドさせる場合も同じ押し引きの操作で行われるので、上記一連の実施の形態で示した構成にすることにより、操作しにくい位置に配置されたときの操作性を向上させることができる。
【0157】
また、上記一連の実施の形態では、ズームレバーを付勢する手段として、トーションバネを用いているが、ズームレバーを付勢する手段は、これ限定されるものではない。
【0158】
また、上記実施の形態では、本発明をデジタルカメラのズームレバーに適用した場合を例に説明したが、本発明の適用は、これに限定されるものではない。すなわち、揺動又はスライド自在に支持されて、押し/引き操作される操作レバーであれば、すべてに適用することができる。また、カメラに限らず、他の携帯機器にも同様に適用することができる。たとえば、携帯電話機等の操作レバー等にも同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】デジタルカメラの外観構成を示す正面斜視図
【図2】デジタルカメラの外観構成を示す背面斜視図
【図3】デジタルカメラのズームレバーの操作方法の説明図
【図4】ズームレバーの概略構成を示す分解斜視図
【図5】ズームレバーの中点復帰機構とスイッチ部の構成を示す平面図
【図6】第1の実施の形態のズームレバーの動作状態を示す平面図
【図7】第2の実施の形態のズームレバーの要部の構成を示す平面図
【図8】第2の実施の形態のズームレバーの動作状態を示す平面図
【図9】第3の実施の形態のズームレバーの要部の構成を示す平面図
【図10】第1のトーションバネと第1のトーションバネの構成を示す平面図
【図11】第3の実施の形態のズームレバーの動作状態を示す平面図
【図12】第4の実施の形態のズームレバーの要部の構成を示す平面図
【図13】第4の実施の形態のズームレバーの動作状態を示す平面図
【図14】第5の実施の形態のズームレバーの要部の構成を示す平面図
【図15】第5の実施の形態のズームレバーの動作状態を示す平面図
【図16】第6の実施の形態のズームレバーの外観構成を示す斜視図
【図17】第6の実施の形態のズームレバーの要部の構成を示す平面図
【図18】第6の実施の形態のズームレバーの動作状態を示す平面図
【符号の説明】
【0160】
10…デジタルカメラ、12…カメラボディ、14…撮影レンズ、シャッタボタン22、100…シャッタボタン、102…レバー本体、104…外装リング部、106…レバー部、108…ズームレバー取付部、110…ストッパ溝、112…ストッパリブ、114…シャッタボタンユニット、116…軸部、118…トーションバネ、118A…コイル部、118R、118L…バネ部、118RC…捲線部、120R,120L…固定リブ、122R、122L…押圧部、124W…ワイドズーム接点、124W1…ワイドズーム検出接点、124W2…ワイドズーム共通接点、124T…テレズーム接点、124T1…テレズーム検出接点、124T2…テレズーム共通接点、126W…ワイドズーム配線、126T…テレズーム配線、126TW…共通配線、128…スイッチ検出回路、130…ブラシ、140…第2のトーションバネ、140A…コイル部、140R、140L…バネ部、150…第2の固定リブ、160…調整ダイヤル、162…アーム、164…調整バネ、164R、164L…バネ部、166…クリックピン、168…クリック溝
【技術分野】
【0001】
本発明は操作レバーに係り、特に携帯機器本体を把持した手の指で押し/引き操作される操作レバーに関する。
【背景技術】
【0002】
コンパクトデジタルカメラのようにレンズ一体式のデジタルカメラの場合、通常、撮影レンズのズームは、モータ等のアクチュエータを用いて電動で行われる。この場合、撮影者は、カメラボディに備えられたズーム操作手段を操作して、デジタルカメラにズームの指示を与える。
【0003】
このズーム操作手段の一つとして、左右に揺動操作される中点復帰式のズームレバーが知られている(たとえば、特許文献1、2等)。そして、特許文献3、4には、このズームレバーをシャッタボタンと一体化し、シャッタボタンの周囲に揺動自在に設けることにより、機器の小型化を図る技術が提案されている。
【0004】
ところで、コンパクトデジタルカメラのように小型のデジタルカメラの場合、一般にシャッタボタンはカメラボディの上面に配置され、カメラボディを把持した手の人指し指で押下操作するように構成される。そして、このようなデジタルカメラにおいて、ズームレバーをシャッタボタンに一体化すると、ズームレバーは、カメラボディを把持した手の人指し指で押し/引き操作するように構成される。
【特許文献1】特開平10−339838号公報
【特許文献2】特開2000−122133号公報
【特許文献3】特開2007−42411号公報
【特許文献4】特開2006−351218号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、ズームレバーをシャッタボタンに一体化する場合、シャッタボタンは、ズームレバーの操作性も考慮して、ズームレバーを無理なく操作できる位置に配置される。たとえば、カメラボディを把持した手の人指し指が自然にかかり、無理なくズームレバーを押し/引きできる位置に配置される。
【0006】
しかしながら、近年、カメラボディの小型、薄型化に伴い、各種操作ボタン類のレイアウトに制限を受けるようになっており、操作性を考慮した操作ボタン類のレイアウトが困難な状況になっている。
【0007】
そして、ズームレバーを一体化したシャッタボタンをカメラボディの上面に配置する場合において、カメラボディを把持した手の人指し指が自然にかかる位置よりも外側(把持する方の端部側)にシャッタボタンを配置しなければならない場合、ズームレバーの引き操作の操作性が著しく低下するという問題があった。すなわち、カメラボディの端部に近づくほどカメラボディを把持した手の人指し指の引き方向の移動ストロークが短くなるため、引き操作する指の動きが窮屈になり、操作しづらくなるという問題があった。同様にカメラボディを把持した手の人指し指が自然にかかる位置よりも中側(把持しない方の端部側)にシャッタボタンを配置しなければならない場合、ズームレバーの押し操作の操作性が著しく低下するという問題があった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、操作しにくい位置に配置される操作レバーの操作性を向上させることができる操作レバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、前記目的を達成するために、携帯機器の機器本体の外装面上に配置され、その機器本体を把持した手の指で押し/引き操作される操作レバーにおいて、前記機器本体に揺動又はスライド自在に支持されるレバー本体と、前記レバー本体が押し/引き操作された際、操作方向とは逆方向に前記レバー本体を付勢して、前記レバー本体を中立点に復帰させる付勢手段と、前記レバー本体が引き方向に所定量操作されると、ONされる第1のスイッチと、前記レバー本体が押し方向に所定量操作されると、ONされる第2のスイッチと、を備え、前記第1のスイッチをONするのに要する前記レバー本体の操作量と、前記第2のスイッチをONするのに要する前記レバー本体の操作量とが異なる操作量で設定され、前記レバー本体を操作しにくい方向に操作する場合の操作量の方が前記レバー本体を操作しやすい方向に操作する場合の操作量よりも短く設定されることを特徴とする操作レバーを提供する。
【0010】
請求項1に係る発明によれば、第1のスイッチをONするのに要するレバー本体の操作量と、第2のスイッチをONするのに要するレバー本体の操作量とが異なる操作量で設定され、レバー本体を操作しにくい方向に操作する場合の操作量の方が操作しやすい方向に操作する場合の操作量よりも短く設定される。たとえば、押し操作よりも引き操作の方がしにくい場合は、第1のスイッチをONするのに要するレバー本体の操作量の方が第2のスイッチをONするのに要するレバー本体の操作量よりも短く設定される。逆に押し操作の方が引き操作よりもしにくい場合は、第2のスイッチをONするのに要するレバー本体の操作量の方が第1のスイッチをONするのに要するレバー本体の操作量よりも短く設定される。これにより、操作レバーが操作しにくい位置に配置された場合であっても、高い操作性を確保することができる。
【0011】
請求項2に係る発明は、前記目的を達成するために、前記第1のスイッチをONするのに要する前記レバー本体の操作量と、前記第2のスイッチをONするのに要する前記レバー本体の操作量に合わせて、前記レバー本体の可動範囲を規制する規制手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の操作レバーを提供する。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、第1、第2のスイッチをONするのに要するレバー本体の操作量に合わせて、レバー本体の可動範囲が規制手段で規制される。これにより、良好な操作感を確保することができる。
【0013】
請求項3に係る発明は、前記目的を達成するために、携帯機器の機器本体の外装面上に配置され、その機器本体を把持した手の指で押し/引き操作される操作レバーにおいて、前記機器本体に揺動又はスライド自在に支持されるレバー本体と、前記レバー本体が押し/引き操作された際、操作方向とは逆方向に前記レバー本体を付勢して、前記レバー本体を中立点に復帰させる付勢手段であって、操作しにくい方向に操作されたときに逆方向に付勢する力が、操作しやすい方向に操作されたときに逆方向に付勢する力よりも弱く設定される付勢手段と、を備えたことを特徴とする操作レバーを提供する。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、レバー本体を操作しにくい方向に操作したときにかかる反力が、操作しやすい方向に操作したときに係る反力よりも弱く設定される。これにより、操作レバーが操作しにくい位置に配置された場合であっても、高い操作性を確保することができる。
【0015】
請求項4に係る発明は、前記目的を達成するために、前記付勢手段は、前記レバー本体の引き方向の操作に対して前記レバー本体を逆方向に付勢する第1のバネ部材と、前記レバー本体の押し方向の操作に対して前記レバー本体を逆方向に付勢する第2のバネ部材と、からなり、操作しにくい方向に操作されたときに逆方向に付勢するバネ部材の付勢力が、操作しやすい方向に操作されたときに逆方向に付勢するバネ部材の付勢力よりも弱く設定されることを特徴とする請求項3に記載の操作レバーを提供する。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、付勢手段が、引き操作に対して逆方向に付勢する第1のバネ部材と、押し操作に対して逆方向に付勢する第2のバネ部材とで構成され、操作しにくい方向に操作したときに逆方向に付勢するバネ部材の付勢力が、操作しやすい方向に操作したときに逆方向に付勢するバネ部材の付勢力よりも弱く設定される。したがって、たとえば、引き操作の方が操作しにくい場合は、第1のバネ部材による付勢力の方が、第2のバネ部材による付勢力よりも弱く設定される。逆に押し操作の方が操作しにくい場合は、第2のバネ部材による付勢力の方が、第1のバネ部材による付勢力よりも弱く設定される。
【0017】
請求項5に係る発明は、前記目的を達成するために、前記付勢手段は、前記レバー本体の押し/引き操作のそれぞれに対して逆方向に均等に付勢する第1のバネ部材と、前記レバー本体が操作しやすい方向に操作されたときに逆方向に付勢する第2のバネ部材と、からなることを特徴とする請求項3に記載の操作レバーを提供する。
【0018】
請求項5に係る発明によれば、付勢手段は、レバー本体の押し/引き操作のそれぞれに対して逆方向に均等に付勢する第1のバネ部材と、レバー本体が操作しにくい方向に操作されたときに逆方向に付勢する第2のバネ部材とで構成される。したがって、たとえば、引き方向の方が押し方向よりも操作しにくい場合、第2のバネ部材は、押し操作されたとき逆方向に付勢するように設置され、押し方向よりも引き方向の方が操作しにくい場合は、引き操作されたとき逆方向に付勢するように設置される。このように、第2のバネ部材を付加することにより、簡単な構成で押し/引きの操作で付勢力に差を持たせることができる。
【0019】
請求項6に係る発明は、前記目的を達成するために、前記付勢手段は、前記レバー本体の引き方向の操作に対して前記レバー本体を逆方向に付勢する第1のバネ部と、前記レバー本体の押し方向の操作に対して前記レバー本体を逆方向に付勢する第2のバネ部とからなるトーションバネで構成される一方、前記機器本体には、前記レバー本体が操作しやすい方向に操作された際、該レバー本体に押されるバネ部が当接する当接部が形成されることを特徴とする請求項3に記載の操作レバーを提供する。
【0020】
請求項6に係る発明によれば、付勢手段が、レバー本体の引き方向の操作に対してレバー本体を逆方向に付勢する第1のバネ部と、レバー本体の押し方向の操作に対してレバー本体を逆方向に付勢する第2のバネ部とからなるトーションバネで構成される。そして、機器本体には、レバー本体が操作しやすい方向に操作された際、そのレバー本体に押されるバネ部が当接する当接部が形成される。したがって、たとえば、押し操作の方が操作しやすい場合は、第2のバネ部に当接するように当接部が形成され、引き操作の方が操作しやすい場合は、第1のバネ部に当接するように当接部が形成される。このように、当接部を形成することにより、レバー本体を操作しやすい方向に操作すると、そのレバー本体に押されたバネ部が当接部に当接し、それ以上操作しようとすると、バネ部に撓みが発生して、その撓みによる復元力が操作方向に対する逆方向の付勢力に加算される。これにより、簡単な構成で付勢力に差を持たせることができる。
【0021】
請求項7に係る発明は、前記目的を達成するために、前記レバー本体が操作しやすい方向に操作された際、該レバー本体に押されるバネ部に捲線部が形成されることを特徴とする請求項6に記載の操作レバーを提供する。
【0022】
請求項7に係る発明によれば、レバー本体が操作しやすい方向に操作された際、その該レバー本体に押されるバネ部に捲線部が形成される。したがって、たとえば、押し操作の方が操作しやすい場合は、第2のバネ部に捲線部が形成され、引き操作の方が操作しやすい場合は、第1のバネ部に捲線部が形成される。このように、捲線部を形成することにより、その捲線部を形成したバネ部は、当接部に当接すると、捲線部で変形するようになり、撓みで付勢力を加算するよりも、スムーズに付勢力を加算することができ、操作感を向上させることができる。
【0023】
請求項8に係る発明は、前記目的を達成するために、携帯機器の機器本体の外装面上に配置され、その機器本体を把持した手の指で押し/引き操作される操作レバーにおいて、前記機器本体に揺動又はスライド自在に支持されるレバー本体と、前記レバー本体が押し/引き操作された際、操作方向とは逆方向に前記レバー本体を付勢して、前記レバー本体を中立点に復帰させる付勢手段と、前記付勢手段による付勢力を調整する調整手段と、を備えたことを特徴とする操作レバーを提供する。
【0024】
請求項8に係る発明によれば、レバー本体が押し/引き操作された際に発生する反力を任意に設定することができる。これにより、操作レバーが操作しにくい位置に配置された場合であっても、高い操作性を確保することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、操作しにくい位置に配置される操作レバーの操作性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して本発明に係る操作レバーを実施するための最良の形態について説明する。
【0027】
図1、図2は、それぞれ本発明が適用されたデジタルカメラの一実施形態の外観構成を示す正面斜視図と背面斜視図である。
【0028】
同図に示すように、このデジタルカメラ10は、いわゆるコンパクトデジタルカメラであり、そのカメラボディ12は、厚みの薄い矩形の箱状に形成されている。
【0029】
カメラボディ12の正面には、図1に示すように、撮影レンズ14、フラッシュ16、AF補助光ランプ18、マイク20が設けられている。また、カメラボディ12の上面には、シャッタボタン22、ズームレバー100、電源ボタン26が設けられている。
【0030】
一方、カメラボディ12の背面には、図2に示すように、液晶モニタ28、モードダイヤル30、MENU/OKボタン32、十字ボタン34、再生ボタン36、ファンクションボタン38、DISP/BACKボタン40、露出補正ボタン42が設けられている。
【0031】
また、カメラボディ12の底面には、スピーカ44、三脚ネジ穴46、開閉自在なバッテリカバー48が設けられており、一方側の側面(背面側から見て左側の側面)には、開閉自在な端子カバー50、赤外線通信ポート54が設けられている。
【0032】
本実施の形態のデジタルカメラ10は、右利き用のデジタルカメラとして構成されており、カメラボディ12の左端(正面から見て左端)を右手で把持して撮影操作するように構成されている。すなわち、カメラボディ12の左端(正面から見て左端)には、カメラボディ12を右手で把持するための把持部56が形成されるとともに、その把持部56を把持した右手の人指し指で操作できるように、シャッタボタン22、ズームレバー(操作レバー)100、電源ボタン26がカメラボディ12の上面にレイアウトされるとともに、その把持部56を把持した右手の親指で操作できるように、モードダイヤル30、MENU/OKボタン32、十字ボタン34、再生ボタン36、ファンクションボタン38、DISP/BACKボタン40、露出補正ボタン42がカメラボディ12の裏面にレイアウトされている。
【0033】
撮影レンズ14は、カメラボディ12に一体的に組み込まれており、沈胴式のAFズームレンズで構成されている。この撮影レンズ14は、カメラボディ12の把持部56を確保するために、カメラボディ12を正面側から見て右端寄りの位置に配置されている。また、この撮影レンズ14の先端には、レンズカバー14Aが設けられており、レンズカバー14Aは、撮影レンズ14の沈胴/繰り出しに連動して自動で開閉する。
【0034】
デジタルカメラ10は、電源がONされると、撮影レンズ14が繰り出され、OFFされると、沈胴する。そして、撮影レンズ14が沈胴すると、図1に示すように、カメラボディ12の前面がフラットな状態となる。
【0035】
フラッシュ16は、カメラボディ12の正面右上隅に配置されている。このフラッシュ16は、キセノン管で構成されており、撮影時に必要に応じて発光される(暗い被写体を撮影する場合等)。
【0036】
AF補助光ランプ18は、フラッシュ16の下方位置に配置されている。このAF補助光ランプ18は、高輝度のLEDランプで構成されており、AF時に必要に応じて発光される(暗い被写体を撮影する場合等)。
【0037】
なお、このAF補助光ランプ18は、セルフタイマランプの機能も有しており、セルフタイマ撮影時に所定の態様で発光されて、被写体に撮影タイミングを告知する。
【0038】
マイク20は、撮影レンズ14の右下に配置されている。なお、本実施の形態のデジタルカメラ10は、動画撮影機能と音声メモの録音機能を備えており、マイク20は、この動画撮影時と音声メモの録音時に使用される。
【0039】
シャッタボタン22は、いわゆる「半押し」と「全押し」とからなる二段ストローク式の押下ボタンで構成されており、円形状に形成されている。このシャッタボタン22は、把持部56を把持した右手の人指し指が押下操作可能な位置に配置されており、カメラボディ12の上面左端近傍に配置されている。より具体的には、把持部56を把持した手の人指し指が自然にかかる位置よりも若干外側に配置されている(端部近傍に配置される)。撮影時、デジタルカメラ10は、このシャッタボタン22が半押しされると、AE/AF等の撮影準備処理を行い、全押しされると、画像の撮影、記録を行う。
【0040】
ズームレバー100は、二方向に揺動操作可能な中点復帰式の揺動型スイッチで構成されており、リング状に形成されて、シャッタボタン22の周囲を左右方向に揺動自在に設けられている。このズームレバー100は、無操作状態において、その外周部に突出して形成されたレバー部106が、カメラボディ12の正面側に位置するように配置されており(レバー部106が撮影レンズ14の光軸と同じ方向に向くように配置される。)、このレバー部106を左右に揺動操作することにより、デジタルカメラにズーム指令が入力される。
【0041】
図3に示すように、撮影者は、ズーム操作を行う場合、カメラボディ12を把持した右手の人差し指をレバー部106に掛け、そのレバー部106を指で押し/引き操作することにより、ズームレバー100を左右に揺動させて、ズーム指令を入力する。すなわち、撮影時は、このズームレバー100を押し方向に操作することにより、テレ方向へのズーム指令を入力し、引き方向に操作することにより、ワイド方向へのズーム指令を入力する。また、再生時は、押し操作することにより、再生画像の拡大表示の指示を入力し、引き操作することにより、再生画像の縮小表示の指示を入力する。
【0042】
なお、上記のように、シャッタボタン22は、把持部56を把持した手の人指し指が自然にかかる位置よりも若干外側に配置されることから、このシャッタボタン22に一体化されたズームレバー100も把持部56を把持した手の人指し指が自然にかかる位置よりも若干外側に配置される(端部近傍に配置される。)。このように、把持部側の端部近傍にズームレバー100を配置すると、引き操作がしにくくなる。
【0043】
そこで、本実施の形態のデジタルカメラ10では、ズームレバー100の操作性を向上させるため、ズームレバー100を引き操作したときにズーム指令が出力されるまでの操作量が、ズームレバー100を押し操作したときにズーム指令が出力されるまでの操作量よりも短く設定されている。すなわち、押し操作されたときよりも引き操作されたときの方が少ない操作量でズーム指令が出力されるように構成されている。この点については、のちに詳述する。
【0044】
電源ボタン26は、押下式のボタンで構成されており、カメラボディ12の上面ほぼ中央位置に配置されている。デジタルカメラ10は、この電源ボタン26が押下されることにより、電源がON/OFFされる。
【0045】
液晶モニタ28は、図2に示すように、カメラボディ12の背面左端に配置されている。この液晶モニタ28は、撮影済み画像を表示するための画像表示部として利用されるとともに、各種設定時にGUIとして利用される。また、撮影時には、撮像素子で捉えた画像がスルー表示されて、電子ファインダとして利用される。
【0046】
モードダイヤル30は、円盤状に形成されており、カメラボディ12の背面右上隅に配置されている。このモードダイヤル30は、図示しないクリック機構により、一定の回転角度間隔で回動操作可能に設けられている。デジタルカメラ10は、このモードダイヤル30の設定位置に応じた撮影モード(たとえば、オート撮影モード、動画撮影モード、マニュアル撮影モード、シーンプログラム撮影モード等)に設定される。
【0047】
なお、このモードダイヤル30は、カメラボディ12を把持する際、その把持した手の親指の指置きとして機能する。すなわち、撮影者は、カメラボディ12を把持する際、このモードダイヤル30の上に右手の親指を載せて、中指との間でカメラボディ12を把持する。このため、モードダイヤル30は、その表面が緩やかな弧を描くように凹んで形成されている。また、その外周面は、回転操作しやすいように、多数の溝が形成されている。
【0048】
MENU/OKボタン32は、押下式のボタンで構成されており、モードダイヤル30の下方位置に配置されている。このMENU/OKボタン32は、メニュー画面の呼び出しを指示する機能を有するとともに、そのメニュー画面等で選択した内容の確定や処理の実行を指示する機能を有しており、デジタルカメラ10の状態に応じて、割り当てられる機能が切り替えられる。
【0049】
本実施の形態のデジタルカメラ10では、このMENU/OKボタン32の押下によって液晶モニタ上に呼び出されるメニュー画面を利用して、デジタルカメラの各種設定が行われる。
【0050】
十字ボタン34は、ドーナツ状に形成されており、MENU/OKボタン32の周囲を囲うように取り付けられている。この十字ボタン34は、上下左右4方向に押下操作可能に設けられており、各方向には、デジタルカメラ10の状態に応じて、割り当てられる機能が切り替えられる。たとえば、撮影モード時には、左ボタンにマクロ機能のON/OFFを切り替える機能が割り当てられ、右ボタンにフラッシュのモード(たとえば、オート発光/強制発光/発光禁止/赤目軽減発光等)を切り替える機能が割り当てられる。また、上ボタンに液晶モニタ28の明るさを替える機能が割り当てられ、下ボタンにセルフタイマのON/OFFを切り替える機能が割り当てられる。また、再生モード時には、左ボタンにコマ送りの機能が割り当てられ、右ボタンにコマ戻しの機能が割り当てられる。また、上ボタンに液晶モニタ28の明るさを替える機能が割り当てられ、下ボタンに再生中の画像を削除する機能が割り当てられる。また、各種設定時には、液晶モニタ28に表示されたカーソルを各ボタンの方向に移動させる機能が割り当てられる。
【0051】
再生ボタン36は、押下式のボタンで構成されており、十字ボタン34の右上位置に配置されている。デジタルカメラ10は、撮影中、この再生ボタン36が押されると、再生モードに切り替えられる。また、電源OFFの状態でこの再生ボタン36が一定時間押されると、再生モードの状態で起動する。
【0052】
ファンクションボタン38は、押下式のボタンで構成されており、十字ボタン34の左上位置に配置されている。このファンクションボタン38には、デジタルカメラ10の状態に応じて、割り当てられる機能が切り替えられる。たとえば、撮影モード時には、画像サイズや感度等の設定画面を呼び出す機能が割り当てられ、再生モード時には、スライドショーやプリント予約の画面を呼び出す機能が割り当てられる。
【0053】
DISP/BACKボタン40は、押下式のボタンで構成されており、十字ボタン34の左下位置に配置されている。このDISP/BACKボタン40は、液晶モニタ28の表示内容の切り替え指示(DISP機能)に用いられるとともに、入力操作のキャンセル等の指示(BACK機能)に用いられ、デジタルカメラ10の状態に応じて割り当てられる機能が切り替えられる。
【0054】
露出補正ボタン42は、押下式のボタンで構成されており、十字ボタン34の右下位置に配置されている。この露出補正ボタン42は、撮影時に露出補正の設定画面の呼び出しの指示に用いられる。
【0055】
スピーカ44は、図2に示すように、カメラボディ12の底面中央やや左寄り位置に配置されている。このスピーカ44は、動画再生時における音声の出力やメモ録音された音声の再生出力に用いられる。
【0056】
三脚ネジ穴46は、カメラボディ12の底面左端寄りの位置に設けられており、デジタルカメラ10を三脚等に取り付ける際に使用される。
【0057】
バッテリカバー48は、カメラボディ12の底面右端に設けられており、長手方向の一端(図2において左端)を中心に揺動して開閉される。このバッテリカバー48を開くと、その内側には、バッテリを収納するためのバッテリ収納室及びメモリカードを装着するためのメモリカードスロットが設けられている。
【0058】
端子カバー50は、図2に示すように、カメラボディ12の側面下部近傍に形成された端子部52を開閉する。この端子部52には、図示しないPC接続端子と電源端子とが設けられている。
【0059】
赤外線通信ポート54は、図2に示すように、カメラボディ12の側面のほぼ中央位置に配置されている。この赤外線通信ポート54は、赤外線通信機能を有する外部機器との間で赤外線通信を行う際に使用される。
【0060】
さて、上記のように、本実施の形態のデジタルカメラ10では、ズームレバー100の操作性を向上させるため、押し操作されたときよりも引き操作されたときの方が、少ない操作量でズーム指令が出力されるように構成されている。以下、このズームレバー100の構成について説明する。
【0061】
図4は、ズームレバー100の概略構成を示す分解斜視図である。
【0062】
同図に示すように、ズームレバー100は、主として、円筒状に形成されたレバー本体102と、そのレバー本体102の上端部に一体的に形成されたリング状の外装リング部104と、外装リング部104の一部から外周方向に突出するように形成されたレバー部106とで構成される。
【0063】
レバー本体102は、カメラボディ12に設けられた円筒状のズームレバー取付部108に取り付けられる。このズームレバー取付部108の内径は、レバー本体102の外径とほぼ同径に形成されており、このズームレバー取付部108の内周部にレバー本体102を挿入することにより、ズームレバー100がカメラボディ12に取り付けられる。
【0064】
ズームレバー取付部108の内周面には、ズームレバー100の可動範囲を規制するためのストッパ溝110が形成されている。一方、レバー本体102の外周面には、ストッパリブ112が突出して形成されている。ズームレバー100の組み付け時は、このストッパリブ112が、ストッパ溝110に嵌まるようにして、レバー本体102をズームレバー取付部108の内周部に挿入する。これにより、ストッパリブ112とストッパ溝110の作用でレバー本体102の回動範囲が規制され、所定の回転角度の範囲内でのみズームレバー100が揺動可能に支持される。すなわち、ズームレバー100を一方側に揺動させると、ストッパリブ112がストッパ溝110の一方側の端部に当接して、それ以上の回動が規制される一方、他方側に揺動させると、ストッパリブ112がストッパ溝110の他方側の端部に当接して、それ以上の回動が規制される。これにより、ズームレバー100の可動範囲、すなわち、揺動可能な範囲が所定の回転角度の範囲に規制される。
【0065】
なお、本実施の形態では、撮影レンズ14の光軸を境として、レバー部106が左右に45°の範囲で揺動できるように、ズームレバー100の回動範囲が規制される。
【0066】
外装リング部104は、レバー本体102の上端部同軸上に一体的に形成されている。ズームレバー100は、ズームレバー取付部108に取り付けると、この外装リング部104が、カメラボディ12の外装面上に露出して取り付けられる(図1参照)。
【0067】
レバー部106は、矩形のブロック状に形成されており、外装リング部104の一部から突出するようにして、外装リング部104に一体形成されている。ズームレバー100は、無操作状態において、このレバー部106が撮影レンズ14の光軸の方向に向くように、カメラボディ12に取り付けられる(図1参照)。
【0068】
シャッタボタン22を構成するシャッタボタンユニット114は、外装リング部104の内側に収容され、ズームレバー取付部108の中央に垂直に立設された軸部116に固定して取り付けられる。ズームレバー100は、このシャッタボタン22の周囲を所定の可動範囲内で揺動自在に支持される。
【0069】
図5は、ズームレバーの中点復帰機構とスイッチ部の構成を示す平面図である。
【0070】
同図に示すように、ズームレバー取付部108の中央に立設された軸部116は、円柱状に形成されており、カメラボディ12に一体的に形成されている。この軸部116には、トーションバネ118が装着されている。
【0071】
トーションバネ118は、鋼線を複数回巻回して形成されており、コイル部118Aと、そのコイル部118Aの両端から所定の角度をもって直線状に延びるバネ部118L、118Rとで構成されている。トーションバネ118は、コイル部118Aを軸部116に嵌めることにより、軸部116に装着される。
【0072】
軸部116に装着されたトーションバネ118は、一方のバネ部118Rがズームレバー取付部108の内側に立設された固定リブ120Rに掛けられるとともに、他方側のバネ部118Lが、同じくズームレバー取付部108の内側に立設された固定リブ120Lに掛けられる。この固定リブ120R、120Lは、カメラボディ12に一体的に形成されており、軸部116と平行に立設されている。
【0073】
レバー本体102の内周部102Aの壁面には、扇状の凹部102Bが形成されており、この凹部102Bの両サイドの壁面102BR、102BLには、それぞれ軸部116に装着されたトーションバネ118のバネ部118R、118Lを押圧する押圧部122R、122Lが突出して形成されている。この押圧部122R、122Lは、それぞれ断面半円形状に形成されており、ズームレバー100を揺動操作すると、バネ部118R、118Lを押すように作用する。すなわち、ズームレバー100を左方向に揺動させると(押し操作すると)、図6(a)に示すように、図中右側の押圧部122Rがバネ部118Rを押圧し、右方向に揺動させると(引き操作すると)、図6(b)に示すように、図中左側の押圧部122Lがバネ部118Lを押圧する。ズームレバー100は、この押圧部122R、122Lが、バネ部118R、118Lを押圧することにより、バネ部118R、118Lから操作方向と逆方向の付勢力を受ける。すなわち、左方向に揺動操作すると(押し操作すると)、押圧部122Rがバネ部118Rを押圧して、バネ部118Rから中立点に引き戻そうとする反力を受け、右方向に揺動操作すると(引き操作すると)、押圧部122Lがバネ部118Lを押圧して、バネ部118Lから中立点に引き戻そうとする反力を受ける。この結果、ズームレバー100は、操作力を解除すると、常にレバー部106が中立点(レバー部106が光軸方向に向く位置)に復帰する。
【0074】
なお、レバー部106が中立点に位置した状態(図5の状態)において、左右の押圧部122R、122Lは共に左右のバネ部118R、118Lに当接するように設置される。これにより、無操作状態において、レバー部106は、常に中立点に位置する。一方、レバー部106を左方向に揺動させると(押し操作すると)、図中右側の押圧部122Rがバネ部118Rを押圧して、中立点に引き戻そうとする反力(操作方向と反対方向の付勢力)が発生するとともに、右方向に揺動させると(引き操作すると)、図中左側の押圧部122Lがバネ部118Lを押圧して、中立点に引き戻そうとする反力(操作法王と反対方向の付勢力)が発生する。
【0075】
このように、ズームレバー100は、揺動操作すると、その操作方向とは逆方向の付勢力を受け、常に中立点に復帰する動作を行う。
【0076】
このズームレバー100は、左方向に揺動操作すると(押し操作)すると、所定位置でテレズームスイッチがONされ、テレズームON信号が、カメラの制御手段(カメラ全体を統括制御する制御手段、例:CPU等)にテレズームON信号(テレ方向へのズームの指示を与える信号)が出力される。一方、右方向に揺動操作すると(引き操作)すると、所定位置でワイドズームスイッチ(ワイド方向へのズームの指示を与える信号)がONされ、カメラの制御手段にワイドズームON信号が出力される。
【0077】
ここで、上記のように、本実施の形態のデジタルカメラ10では、ズームレバー100の操作性を向上させるため、押し操作されたときよりも引き操作されたときの方が、少ない操作量でズーム指令が出力されるように構成されている。すなわち、ズームレバー100を左方向に揺動操作(押し操作)して、テレズームスイッチがONされるまでに要する操作量(回転量)よりも、ズームレバー100を右方向に揺動操作(引き操作)して、ワイドズームスイッチがONされるまでに要する操作量(回転量)の方が少なく設定されている。以下、この構成について説明する。
【0078】
図5に示すように、ズームレバー取付部108の内周部の底面には、ワイドズーム接点124Wとテレズーム接点124Tが設けられている(図示しない基板上に形成されている)。
【0079】
ワイドズーム接点124Wは、ワイドズーム検出接点124W1とワイドズーム共通接点124W2とで構成されており、それぞれズームレバー取付部108の中心(軸部116の中心)Oを中心とした半径r1、r2の円の一部として円弧状に形成されている。そして、その一端(始点)は、中立点から図中右左方向にα°回転した位置に形成しており、他端(終点)は、中立点から図中右方向に(α+Δ)°回転した位置(ズームレバー100の右方向の揺動範囲の終点位置)に形成されている。
【0080】
一方、テレズーム接点124Tは、テレズーム検出接点124T1とテレズーム共通接点124T2とで構成されており、それぞれズームレバー取付部108の中心(軸部116の中心)Oを中心とした半径r1、r2の円の一部として円弧状に形成されている。そして、その一端(始点)は、中立点から図中左方向にβ(>α)°回転した位置に形成しており、他端(終点)は、中立点から図中左方向に(β+Δ)°回転した位置(ズームレバー100の左方向の揺動範囲の終点位置)に形成されている。
【0081】
ワイドズーム検出接点124W1とテレズーム検出接点124T1は、それぞれ、ワイドズーム配線126Wとテレズーム配線126Tを介してスイッチ検出回路128に接続されている。また、テレズーム共通接点124T2とワイドズーム共通接点124W2は、共通配線126TWを介してスイッチ検出回路128に接続されている。
【0082】
共通配線126TWは通電されており、ワイドズーム共通接点124W2とワイドズーム検出接点124W1とが導通されると(ワイドズームスイッチON)、ワイドズーム共通接点124W2とワイドズーム検出接点124W1との間に電流が流れ、この通電状態がスイッチ検出回路128で検出される。そして、このワイドズーム共通接点124W2とワイドズーム検出接点124W1の通電を検出すると、スイッチ検出回路128は、カメラの制御手段にワイドズームON信号を出力する。同様にテレズーム共通接点124T2とテレズーム検出接点124T1とが導通されると(テレズームスイッチON)、テレズーム共通接点124T2とテレズーム検出接点124T1との間に電流が流れ、この通電状態がスイッチ検出回路128で検出される。そして、このテレズーム共通接点124T2とテレズーム検出接点124T1の通電を検出すると、スイッチ検出回路128は、カメラの制御手段にテレズームON信号を出力する。
【0083】
ズームレバー100のレバー本体102には、このワイドズーム検出接点124W1とテレズーム検出接点124T1を共通接点に導通させるためのブラシ130が設けられている。このブラシ130は導体で構成されており、レバー部106の中心と外装リング部104の中心を通る直線上に設置されている。
【0084】
図6(b)に示すように、ズームレバー100を中立点から右方向に揺動させると(引き操作すると)、所定位置、すなわち、α°回転させた位置でブラシ130がワイドズーム検出接点124W1とワイドズーム共通接点124W2に接触する。そして、このブラシ130がワイドズーム検出接点124W1とワイドズーム共通接点124W2に接触することにより、ワイドズーム検出接点124W1とワイドズーム共通接点124W2とが通電され、その通電状態がスイッチ検出回路128で検出される。そして、このワイドズーム共通接点124W2とワイドズーム検出接点124W1の通電を検出すると、スイッチ検出回路128は、カメラの制御手段にワイドズームON信号を出力する。
【0085】
一方、図6(a)に示すように、ズームレバー100を中立点から左方向に揺動させると(押し操作すると)、所定位置、すなわち、β°回転させた位置でブラシ130がテレズーム検出接点124T1とテレズーム共通接点124T2に接触する。そして、このブラシ130がテレズーム検出接点124T1とテレズーム共通接点124T2に接触することにより、テレズーム検出接点124T1とテレズーム共通接点124T2とが通電され、その通電状態がスイッチ検出回路128で検出される。そして、このテレズーム共通接点124T2とテレズーム検出接点124T1の通電を検出すると、スイッチ検出回路128は、カメラの制御手段にテレズームON信号を出力する。
【0086】
ここで、上記のように、ワイドズーム検出接点124W1とワイドズーム共通接点124W2の始点は、テレズーム検出接点124T1とテレズーム共通接点124T2の始点よりも中立点寄りの位置に形成されている(α<β)。
【0087】
したがって、ズームレバー100を右方向に揺動操作する場合の方が、左方向に揺動操作する場合よりも少ない操作量でズームON信号が出力され、この結果、押し操作されたときよりも引き操作されたときの方が少ない操作量でズーム指令が出力される。
【0088】
このように、本実施の形態のデジタルカメラ10では、ズームレバー100が、押し操作されたときよりも引き操作されたときの方が少ない操作量でズーム指令が出力される。これにより、本実施の形態のデジタルカメラ10のように、ズームレバー100がカメラボディ12の端部近傍(把持部56を把持した手の人指し指が自然にかかる位置よりも若干外側)に配置されることにより、引き操作しにくい場合であっても、ズーム操作を容易に行うことができるようになる。
【0089】
なお、上記実施の形態では、引き操作しにくい場合について説明したが、押し操作がしにくい場合は、上記と逆の設定にする。すなわち、ズームレバー100が、引き操作されたときよりも押し操作されたときの方が少ない操作量でズーム指令が出力されるように構成する。これにより、押し操作しにくい場合におけるズームレバー100の操作性が向上する。
【0090】
図7は、ズームレバーの第2の実施の形態の要部の構成を示す平面図である。
【0091】
上記実施の形態のズームレバー100は、中立点を境とした左右の揺動範囲(可動範囲)が同じに設定されていた。
【0092】
本実施の形態のズームレバー100は、テレズームスイッチをONするのに要するズームレバー100の操作量(回転量)とワイドズームスイッチをONするのに要するズームレバー100の操作量(回転量)に合わせて、レバー本体102の可動範囲が規制される。
【0093】
なお、ズームレバー100の可動範囲が異なるだけで、基本構成は上記実施の形態のズームレバー100と同じなので、上記実施の形態のズームレバー100と同一又は類似の部材には、同一符号を付して、その説明は省略する。
【0094】
上記のように、ズームレバー100は、中立点から右方向にα°揺動(回転)させると、ブラシ130がワイドズーム検出接点124W1とワイドズーム共通接点124W2に接触する(図8(b)参照)。また、中立点から左方向にβ(>α)°揺動(回転)させると、ブラシ130がテレズーム検出接点124T1とテレズーム共通接点124T2に接触する(図8(a)参照)。
【0095】
したがって、右方向への可動限界は、ブラシ130がワイドズーム検出接点124W1とワイドズーム共通接点124W2に接触する位置に設定され、左方向への可動限界は、ブラシ130がテレズーム検出接点124T1とテレズーム共通接点124T2に接触する位置に設定される。
【0096】
ここで、ズームレバー100の可動範囲は、レバー本体102に形成されたストッパリブ112と、ズームレバー取付部108に形成されたストッパ溝110によって規定されるので、ストッパ溝110を左右非対称に形成することにより、左右の揺動範囲を調整する。具体的には、図8(b)に示すように、右方向に回転させたブラシ130が、ワイドズーム検出接点124W1とワイドズーム共通接点124W2に接触すると(ズームレバー100を右方向にα°回転させると接触)、ストッパリブ112がストッパ溝110の右側の端部110Rに当接するように、ストッパ溝110の右端の位置を設定する。また、図8(a)に示すように、左方向に回転させたブラシ130が、テレズーム検出接点124T1とテレズーム共通接点124T2に接触すると(ズームレバー100を左方向にβ°回転させると接触)、ストッパリブ112がストッパ溝110の左側の端部110Lに当接するように、ストッパ溝110の左端の位置を設定する。
【0097】
このように、ズームレバー100の左右の揺動範囲を変えることにより、ズーム指令を出力するのに要する左右の操作量が明確になり、操作感が向上する。
【0098】
なお、上記例では、引き操作しにくい場合について説明したが、押し操作がしにくい場合は、上記と逆の設定にする。すなわち、押し操作の可動範囲を引き操作の可動範囲よりも狭くする。
【0099】
図9は、ズームレバーの第3の実施の形態の要部の構成を示す平面図である。
【0100】
本実施の形態のズームレバー100は、中立点を境とした左右の揺動範囲(可動範囲)が同じに設定されるとともに、テレズームスイッチをONするのに要する操作量(回転量)とワイドズームスイッチをONするのに要する操作量(回転量)も同じに設定される(ともに中立点を境にβ°回転させるとONされる)。
【0101】
しかしながら、ズームレバー100を中立点から右方向に操作(引き操作)した場合に受ける反力(操作方向とは逆方向の付勢力)が、中立点から左方向に操作(押し操作)した場合に受ける反力(操作方向とは逆方向の付勢力)よりも弱く設定されている。
【0102】
すなわち、本実施の形態のズームレバー100は、引き操作を押し操作よりも弱い力で行うことができるように構成されている。
【0103】
以下、この第3の実施の形態のズームレバー100の構成について説明する。なお、反力の付与機構以外の構成は、上記実施の形態のズームレバー100と同じなので、上記実施の形態のズームレバー100と同一又は類似の部材には、同一符号を付して、その説明は省略する。
【0104】
本実施の形態のズームレバー100では、ズームレバー100を中立点に復帰させるためのトーションバネが二本取り付けられている。
【0105】
すなわち、図10(a)に示すように、1本は上記実施の形態のトーションバネ118と同じトーションバネ(以下、第1のトーションバネ118という)が取り付けられており、これに加えて、第2のトーションバネ140が軸部116に取り付けられている。
【0106】
第1のトーションバネ118は、上記のように、鋼線を複数回巻回して形成されており、コイル部118Aと、そのコイル部118Aの両端から所定の角度をもって直線状に延びるバネ部118L、118Rとで構成されている。この第1のトーションバネ118は、コイル部118Aを軸部116に嵌めることにより、軸部116に装着される。軸部116に装着された第1のトーションバネ118は、図10(a)に示すように、右側のバネ部118Rが右側の固定リブ120Rに掛けられるとともに、左側のバネ部118Lが左側の固定リブ120Lに掛けられる。
【0107】
一方、第2のトーションバネ140も鋼線を複数回巻回して形成されており、コイル部140Aと、そのコイル部140Aの両端から所定の角度をもって直線状に延びるバネ部140L、140Rとで構成されている。しかしながら、この第2のトーションバネ140は、左側のバネ部140Lが右側のバネ部140Rよりも短く形成されている。
【0108】
この第2のトーションバネ140も第1のトーションバネ118と同様にコイル部140Aを軸部116に嵌めることにより軸部116に装着される(第1のトーションバネ118に重ねて装着される。)。そして、図10(b)に示すように、右側のバネ部140Rが右側の固定リブ120Rに掛けられるとともに、左側のバネ部140Lが左側の固定リブ120Lに掛けられる。
【0109】
このように装着された第2のトーションバネ140は、右側のバネ部140Rにのみレバー本体102に形成された左側の押圧部122Lが当接し、左側のバネ部140Lには、押圧部122Rが当接しないように設置される。この結果、第2のトーションバネ140は、ズームレバー100を左方向に操作(押し操作)したときにのみ作用する。
【0110】
以上のように構成される第3の実施の形態のズームレバー100の作用は次のとおりである。
【0111】
中立点に位置したズームレバー100を押し操作し、左方向に揺動させると、図11(a)に示すように、図中右側の押圧部122Rが、第1のトーションバネ118のバネ部118Rと第2のトーションバネ140のバネ部140Rを押圧する。この結果、ズームレバー100には、第1のトーションバネ118のバネ部118Rによる付勢力(反力)と、第2のトーションバネ140のバネ部140Rによる付勢力(反力)が、操作方向とは反対方向に付与される。
【0112】
一方、中立点に位置したズームレバー100を引き操作し、右方向に揺動させると、図11(b)に示すように、図中左側の押圧部122Lが、第1のトーションバネ118のバネ部118Lのみを押圧する。この結果、ズームレバー100には、第1のトーションバネ118のバネ部118Rによる付勢力(反力)のみが操作方向とは反対方向に付与される。
【0113】
このように、ズームレバー100を押し操作した場合は、二本のトーションバネ118、140による付勢力がズームレバー100に作用し、引き操作した場合は、一本のトーションバネ118による付勢力のみが、ズームレバー100に作用する。この結果、押し操作に対して引き操作を軽い力で行うことができ、引き操作しにくい位置にズームレバー100が配置された場合であっても、高い操作性を確保することができる。
【0114】
なお、上記例では、引き操作しにくい場合について説明したが、押し操作がしにくい場合は、上記と逆の設定にする。
【0115】
図12は、ズームレバーの第4の実施の形態の要部の構成を示す平面図である。
【0116】
本実施の形態のズームレバー100も上記第3の実施の形態のズームレバーと同様に、引き操作した場合に受ける反力が、押し操作した場合に受ける反力よりも弱く設定される。
【0117】
なお、反力の付与機構以外の構成は、上記実施の形態のズームレバー100と同じなので、上記実施の形態のズームレバー100と同一又は類似の部材には、同一符号を付して、その説明は省略する。
【0118】
図12に示すように、本実施の形態のズームレバー100には、右側の固定リブ120Rの近傍に第2の固定リブ150が立設される。この固定リブ150は、図13(a)に示すように、トーションバネ118の右側のバネ部118Rの左方向への移動を規制する。
【0119】
すなわち、トーションバネ118の右側のバネ部118Rは、ズームレバー100を右方向に揺動させると(押し操作すると)、レバー本体102に形成された右側の押圧部122Lに押されて、左方向に回転移動するが、一定量移動すると、第2の固定リブ150に当接し、移動が規制される。
【0120】
バネ部118Rが、第2の固定リブ150に当接した後も更にズームレバー100を右方向に揺動させると(更に押し操作すると)、図13(a)に示すように、バネ部118Rが撓みながら、ズームレバー100の揺動を許容する。この結果、バネ部118Rの撓みによる反力(復元力)が、トーションバネ自身による反力に上乗せされる。
【0121】
以上のように構成された第4の実施の形態のズームレバーの作用は次のとおりである。
【0122】
中立点に位置したズームレバー100を押し操作し、左方向に揺動させると、図13(a)に示すように、図中右側の押圧部122Rが、トーションバネ118のバネ部118Rを押圧する。この結果、トーションバネ118のバネ部118Rが左方向に回転移動する。バネ部118Rは所定量移動すると、第2の固定リブ150に当接する。このバネ部118Rが第2の固定リブ150に当接した後も更にズームレバー100を右方向に揺動させると(更に押し操作すると)、バネ部118Rが撓みながら、ズームレバー100の揺動を許容する。そして、このバネ部118Rの撓みによる反力(復元力)が上乗せされて、ズームレバー100の操作方向とは逆方向の付勢力が、ズームレバー100に付与される。
【0123】
一方、中立点に位置したズームレバー100を引き操作し、右方向に揺動させると、図13(b)に示すように、図中左側の押圧部122Lが、トーションバネ118の左側のバネ部118Lを押圧する。バネ部118Rは、移動が規制されていないので、トーションバネ118のバネ力のみがズームレバー100に付与される。
【0124】
このように、ズームレバー100を押し操作した場合は、バネ部118Rの撓みによる反力(復元力)が上乗せされて、ズームレバー100に作用するため、押し操作の方が引き操作よりも強い操作力が要求される。
【0125】
この結果、押し操作に対して引き操作を軽い力で行うことができ、引き操作しにくい位置にズームレバー100が配置された場合であっても、高い操作性を確保することができる。
【0126】
なお、上記例では、引き操作しにくい場合について説明したが、押し操作がしにくい場合は、上記と逆の設定にする。
【0127】
図14は、ズームレバーの第5の実施の形態の要部の構成を示す平面図である。
【0128】
本実施の形態のズームレバー100は、上記第4の実施の形態のズームレバーに対して、トーションバネ118の右側のバネ部118Rに捲線部118RCが形成されている。この捲線部118RCは、バネ部118Rの中間地点でバネ部118Rを構成する鋼線を巻回することにより形成され、固定リブ120R及び第2固定リブ150に当接する部位よりも先端側に形成される。
【0129】
なお、この右側のバネ部118Rに捲線部118RCが形成されている点以外は、上記第4の実施の形態のズームレバーの構成と同じである。
【0130】
このように構成された第5の実施の形態のズームレバー100の作用は次のとおりである。
【0131】
中立点に位置したズームレバー100を押し操作し、左方向に揺動させると、図中右側の押圧部122Rが、トーションバネ118のバネ部118Rを押圧する。この結果、トーションバネ118のバネ部118Rが左方向に回転移動する。バネ部118Rは所定量移動すると、第2の固定リブ150に当接する。
【0132】
バネ部118Rが第2の固定リブ150に当接した後も更にズームレバー100を右方向に揺動させると(更に押し操作すると)、図15(a)に示すように、バネ部118Rに形成された捲線部118RCの作用によって、バネ部118Rの先端が変形する。この結果、この変形したバネ部118Rの先端部の反力が、トーションバネ自体の反力に上乗せされて、ズームレバー100に付与される。
【0133】
一方、中立点に位置したズームレバー100を引き操作し、右方向に揺動させると、図15(b)に示すように、図中左側の押圧部122Lが、トーションバネ118の左側のバネ部118Lを押圧する。バネ部118Rは、移動が規制されていないので、トーションバネ自体の反力のみがズームレバー100に付与される。
【0134】
このように、ズームレバー100を押し操作した場合は、バネ部118Rに形成された捲線部118RCによる反力(復元力)が上乗せされて、ズームレバー100に作用するため、押し操作の方が引き操作よりも強い操作力が要求される。
【0135】
この結果、押し操作に対して引き操作を軽い力で行うことができ、引き操作しにくい位置にズームレバー100が配置された場合であっても、高い操作性を確保することができる。
【0136】
なお、上記例では、引き操作しにくい場合について説明したが、押し操作がしにくい場合は、上記と逆の設定にする。
【0137】
図16は、ズームレバーの第6の実施の形態の外観構成を示す斜視図である。
【0138】
本実施の形態のズームレバー100は、操作方向と逆方向に付勢する力(反力)をユーザが調整できるようにしている。この調整は、ズームレバー100の下部同軸上に装着された調整ダイヤル160を回転操作することにより行われる。すなわち、この調整ダイヤル160を右方向に回転させると、その回転量に応じて、ズームレバー100を左方向へ揺動操作(押し操作)した時に受ける反力が増し、左方向に回転させると、その回転量に応じて、ズームレバー100を右方向へ揺動操作(引き操作)した時に受ける反力が増す。
【0139】
図17は、ズームレバー100が受ける反力の調整機構の構成を示す平面図である。
【0140】
なお、反力の調整機構を有する点以外は、基本的に上述した実施の形態のズームレバーの構成と同じなので、ここでは、反力の調整機構についてのみ説明する。
【0141】
図17に示すように、調整ダイヤル160は、リング状に形成されており、ズームレバー取付部108の外周に回動自在に支持されている。
【0142】
この調整ダイヤル160の内周部には、アーム162が中心方向に向けて突出して形成されている。このためズームレバー取付部108には、アーム162を内周部に導くための切欠き部108Aが形成されている。なお、この切欠き部108Aは、ストッパ溝110と同じ範囲をもって形成される。すなわち、本例の場合、ストッパ溝110を形成しない代わりに、この切欠き部108Aが、ズームレバー100の可動範囲を規制する役割を果たす。
【0143】
また、レバー本体102にもアーム162を凹部102Bに導くための切欠き部102Cが形成されている。
【0144】
アーム162の先端部には、調整バネ164が取り付けられている。この調整バネ164は、両端部を屈曲させた板バネで構成されており、一対のバネ部164R、164Lを有している。そして、一方のバネ部164Rは、トーションバネ118の右側のバネ部118Rに押圧当接されており、他方のバネ部164Lはトーションバネ118の左側のバネ部118Lに押圧当接されている。
【0145】
調整ダイヤル160を図中左側に回転させると、図18(a)に示すように、調整バネ164の左側のバネ部164Lが、トーションバネ118の左側のバネ部118Lを右方向に押圧する。この結果、左側のバネ部118Lで発生する反力が増加する。そして、このトーションバネ118の左側のバネ部118Lで発生する反力が増加する結果、ズームレバー100を右方向に揺動させる際に要する操作力が増す。すなわち、引き操作に要する操作力が増す。
【0146】
一方、調整ダイヤル160を図中右側に回転させると、図18(b)に示すように、調整バネ164の右側のバネ部164Rが、トーションバネ118の右側のバネ部118Rを右方向に押圧する。この結果、右側のバネ部118Rで発生する反力が増化する。そして、このトーションバネ118の右側のバネ部118Rで発生する反力が増加する結果、ズームレバー100を左方向に揺動させる際に要する操作力が増す。すなわち、押し操作に要する操作力が増す。
【0147】
なお、調整ダイヤル160は、クリック機構が設けられており、一定ピッチで段階的に回転するように取り付けられている。すなわち、図17に示すように、ズームレバー取付部108の外周には、クリックピン166が付勢手段(図示せず)に付勢された状態で突出して設けられており、調整ダイヤル160の内周面には、このクリックピン166が嵌合するクリック溝168が一定ピッチで形成されている。調整ダイヤル160は、クリック溝168にクリックピン166が嵌合することにより係止され、所望の位置に停止させることができるようにされている。
【0148】
以上のように構成された本実施の形態のズームレバーの作用は次のとおりである。
【0149】
ズームレバー100を操作したときに受ける反力を左右で異なる値に設定したい場合、操作力を軽くしたい方向に調整ダイヤル160を回転させる。すなわち、右方向(引き方向)の操作力を軽くしたい場合は、調整ダイヤル160を右方向に回転させる。調整ダイヤル160を右方向に回転させると、図18(b)に示すように、調整バネ164の右側のバネ部164Rが、トーションバネ118の右側のバネ部118Rを右方向に押圧する。この結果、右側のバネ部118Rで発生する反力が増化する。そして、このトーションバネ118の右側のバネ部118Rで発生する反力が増加する結果、ズームレバー100を左方向に揺動させる際に要する操作力が増す。すなわち、押し操作に要する操作力が増す。
【0150】
一方、左方向(押し方向)の操作力を軽くしたい場合は、調整ダイヤル160を左方向に回転させる。調整ダイヤル160を左方向に回転させると、図18(a)に示すように、調整バネ164の左側のバネ部164Lが、トーションバネ118の左側のバネ部118Lを右方向に押圧する。この結果、左側のバネ部118Lで発生する反力が増加する。そして、このトーションバネ118の左側のバネ部118Lで発生する反力が増加する結果、ズームレバー100を右方向に揺動させる際に要する操作力が増す。すなわち、引き操作に要する操作力が増す。
【0151】
調整ダイヤル160は、回転量に応じて付与する力が増すので、ユーザは、所望の操作感が得られる位置まで調整ダイヤル160を回転させる。
【0152】
このように本実施の形態のズームレバーによれば、ズームレバー100の操作時に受ける反力を任意に設定することができる。これにより、ユーザが操作しやすい設定にすることができ、操作性を向上させることができる。
【0153】
なお、本実施の形態では、クリック機構により、調整ダイヤル160を一定ピッチで段階的に回転させることができるように構成しているが、無段階で回転させることができるようにしてもよい。また、調整ダイヤル160をロックするロック機構を備えてもよい。
【0154】
以上説明したように、本発明によれば、操作しにくい位置に配置される操作レバーの操作性を向上させることができる。なお、カメラの場合、カメラボディを把持する手の人指し指が自然に係る位置よりも外側(端部側)に配置されると、ズームレバーは引き操作がしにくくなり、内側に配置されると、押し操作がしにくくなる。このように、ズームレバーを操作しにくい位置に配置せざるを得ない場合、本発明は特に有効に作用する。特に、カメラボディの端部から25mm以内の位置にズームレバー(中立点)が配置される場合、引き操作が極めてしにくくなるため、このような配置をせざるを得ない場合、特に有効に作用する。
【0155】
なお、上記実施の形態では、ズームレバーをシャッタボタンと一体で構成したが、ズームレバーの形態は、これに限定されるものではない。
【0156】
また、上記実施の形態では、揺動させて操作する方式のズームレバーに本発明を適用した場合を例に説明したが、スライドさせて操作する方式のズームレバーにも同様に適用することができる。すなわち、スライドさせる場合も同じ押し引きの操作で行われるので、上記一連の実施の形態で示した構成にすることにより、操作しにくい位置に配置されたときの操作性を向上させることができる。
【0157】
また、上記一連の実施の形態では、ズームレバーを付勢する手段として、トーションバネを用いているが、ズームレバーを付勢する手段は、これ限定されるものではない。
【0158】
また、上記実施の形態では、本発明をデジタルカメラのズームレバーに適用した場合を例に説明したが、本発明の適用は、これに限定されるものではない。すなわち、揺動又はスライド自在に支持されて、押し/引き操作される操作レバーであれば、すべてに適用することができる。また、カメラに限らず、他の携帯機器にも同様に適用することができる。たとえば、携帯電話機等の操作レバー等にも同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】デジタルカメラの外観構成を示す正面斜視図
【図2】デジタルカメラの外観構成を示す背面斜視図
【図3】デジタルカメラのズームレバーの操作方法の説明図
【図4】ズームレバーの概略構成を示す分解斜視図
【図5】ズームレバーの中点復帰機構とスイッチ部の構成を示す平面図
【図6】第1の実施の形態のズームレバーの動作状態を示す平面図
【図7】第2の実施の形態のズームレバーの要部の構成を示す平面図
【図8】第2の実施の形態のズームレバーの動作状態を示す平面図
【図9】第3の実施の形態のズームレバーの要部の構成を示す平面図
【図10】第1のトーションバネと第1のトーションバネの構成を示す平面図
【図11】第3の実施の形態のズームレバーの動作状態を示す平面図
【図12】第4の実施の形態のズームレバーの要部の構成を示す平面図
【図13】第4の実施の形態のズームレバーの動作状態を示す平面図
【図14】第5の実施の形態のズームレバーの要部の構成を示す平面図
【図15】第5の実施の形態のズームレバーの動作状態を示す平面図
【図16】第6の実施の形態のズームレバーの外観構成を示す斜視図
【図17】第6の実施の形態のズームレバーの要部の構成を示す平面図
【図18】第6の実施の形態のズームレバーの動作状態を示す平面図
【符号の説明】
【0160】
10…デジタルカメラ、12…カメラボディ、14…撮影レンズ、シャッタボタン22、100…シャッタボタン、102…レバー本体、104…外装リング部、106…レバー部、108…ズームレバー取付部、110…ストッパ溝、112…ストッパリブ、114…シャッタボタンユニット、116…軸部、118…トーションバネ、118A…コイル部、118R、118L…バネ部、118RC…捲線部、120R,120L…固定リブ、122R、122L…押圧部、124W…ワイドズーム接点、124W1…ワイドズーム検出接点、124W2…ワイドズーム共通接点、124T…テレズーム接点、124T1…テレズーム検出接点、124T2…テレズーム共通接点、126W…ワイドズーム配線、126T…テレズーム配線、126TW…共通配線、128…スイッチ検出回路、130…ブラシ、140…第2のトーションバネ、140A…コイル部、140R、140L…バネ部、150…第2の固定リブ、160…調整ダイヤル、162…アーム、164…調整バネ、164R、164L…バネ部、166…クリックピン、168…クリック溝
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯機器の機器本体の外装面上に配置され、その機器本体を把持した手の指で押し/引き操作される操作レバーにおいて、
前記機器本体に揺動又はスライド自在に支持されるレバー本体と、
前記レバー本体が押し/引き操作された際、操作方向とは逆方向に前記レバー本体を付勢して、前記レバー本体を中立点に復帰させる付勢手段と、
前記レバー本体が引き方向に所定量操作されると、ONされる第1のスイッチと、
前記レバー本体が押し方向に所定量操作されると、ONされる第2のスイッチと、
を備え、前記第1のスイッチをONするのに要する前記レバー本体の操作量と、前記第2のスイッチをONするのに要する前記レバー本体の操作量とが異なる操作量で設定され、前記レバー本体を操作しにくい方向に操作する場合の操作量の方が前記レバー本体を操作しやすい方向に操作する場合の操作量よりも短く設定されることを特徴とする操作レバー。
【請求項2】
前記第1のスイッチをONするのに要する前記レバー本体の操作量と、前記第2のスイッチをONするのに要する前記レバー本体の操作量に合わせて、前記レバー本体の可動範囲を規制する規制手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の操作レバー。
【請求項3】
携帯機器の機器本体の外装面上に配置され、その機器本体を把持した手の指で押し/引き操作される操作レバーにおいて、
前記機器本体に揺動又はスライド自在に支持されるレバー本体と、
前記レバー本体が押し/引き操作された際、操作方向とは逆方向に前記レバー本体を付勢して、前記レバー本体を中立点に復帰させる付勢手段であって、操作しにくい方向に操作されたときに逆方向に付勢する力が、操作しやすい方向に操作されたときに逆方向に付勢する力よりも弱く設定される付勢手段と、
を備えたことを特徴とする操作レバー。
【請求項4】
前記付勢手段は、
前記レバー本体の引き方向の操作に対して前記レバー本体を逆方向に付勢する第1のバネ部材と、
前記レバー本体の押し方向の操作に対して前記レバー本体を逆方向に付勢する第2のバネ部材と、
からなり、操作しにくい方向に操作されたときに逆方向に付勢するバネ部材の付勢力が、操作しやすい方向に操作されたときに逆方向に付勢するバネ部材の付勢力よりも弱く設定されることを特徴とする請求項3に記載の操作レバー。
【請求項5】
前記付勢手段は、
前記レバー本体の押し/引き操作のそれぞれに対して逆方向に均等に付勢する第1のバネ部材と、
前記レバー本体が操作しやすい方向に操作されたときに逆方向に付勢する第2のバネ部材と、
からなることを特徴とする請求項3に記載の操作レバー。
【請求項6】
前記付勢手段は、前記レバー本体の引き方向の操作に対して前記レバー本体を逆方向に付勢する第1のバネ部と、前記レバー本体の押し方向の操作に対して前記レバー本体を逆方向に付勢する第2のバネ部とからなるトーションバネで構成される一方、前記機器本体には、前記レバー本体が操作しやすい方向に操作された際、該レバー本体に押されるバネ部が当接する当接部が形成されることを特徴とする請求項3に記載の操作レバー。
【請求項7】
前記レバー本体が操作しやすい方向に操作された際、該レバー本体に押されるバネ部に捲線部が形成されることを特徴とする請求項6に記載の操作レバー。
【請求項8】
携帯機器の機器本体の外装面上に配置され、その機器本体を把持した手の指で押し/引き操作される操作レバーにおいて、
前記機器本体に揺動又はスライド自在に支持されるレバー本体と、
前記レバー本体が押し/引き操作された際、操作方向とは逆方向に前記レバー本体を付勢して、前記レバー本体を中立点に復帰させる付勢手段と、
前記付勢手段による付勢力を調整する調整手段と、
を備えたことを特徴とする操作レバー。
【請求項1】
携帯機器の機器本体の外装面上に配置され、その機器本体を把持した手の指で押し/引き操作される操作レバーにおいて、
前記機器本体に揺動又はスライド自在に支持されるレバー本体と、
前記レバー本体が押し/引き操作された際、操作方向とは逆方向に前記レバー本体を付勢して、前記レバー本体を中立点に復帰させる付勢手段と、
前記レバー本体が引き方向に所定量操作されると、ONされる第1のスイッチと、
前記レバー本体が押し方向に所定量操作されると、ONされる第2のスイッチと、
を備え、前記第1のスイッチをONするのに要する前記レバー本体の操作量と、前記第2のスイッチをONするのに要する前記レバー本体の操作量とが異なる操作量で設定され、前記レバー本体を操作しにくい方向に操作する場合の操作量の方が前記レバー本体を操作しやすい方向に操作する場合の操作量よりも短く設定されることを特徴とする操作レバー。
【請求項2】
前記第1のスイッチをONするのに要する前記レバー本体の操作量と、前記第2のスイッチをONするのに要する前記レバー本体の操作量に合わせて、前記レバー本体の可動範囲を規制する規制手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の操作レバー。
【請求項3】
携帯機器の機器本体の外装面上に配置され、その機器本体を把持した手の指で押し/引き操作される操作レバーにおいて、
前記機器本体に揺動又はスライド自在に支持されるレバー本体と、
前記レバー本体が押し/引き操作された際、操作方向とは逆方向に前記レバー本体を付勢して、前記レバー本体を中立点に復帰させる付勢手段であって、操作しにくい方向に操作されたときに逆方向に付勢する力が、操作しやすい方向に操作されたときに逆方向に付勢する力よりも弱く設定される付勢手段と、
を備えたことを特徴とする操作レバー。
【請求項4】
前記付勢手段は、
前記レバー本体の引き方向の操作に対して前記レバー本体を逆方向に付勢する第1のバネ部材と、
前記レバー本体の押し方向の操作に対して前記レバー本体を逆方向に付勢する第2のバネ部材と、
からなり、操作しにくい方向に操作されたときに逆方向に付勢するバネ部材の付勢力が、操作しやすい方向に操作されたときに逆方向に付勢するバネ部材の付勢力よりも弱く設定されることを特徴とする請求項3に記載の操作レバー。
【請求項5】
前記付勢手段は、
前記レバー本体の押し/引き操作のそれぞれに対して逆方向に均等に付勢する第1のバネ部材と、
前記レバー本体が操作しやすい方向に操作されたときに逆方向に付勢する第2のバネ部材と、
からなることを特徴とする請求項3に記載の操作レバー。
【請求項6】
前記付勢手段は、前記レバー本体の引き方向の操作に対して前記レバー本体を逆方向に付勢する第1のバネ部と、前記レバー本体の押し方向の操作に対して前記レバー本体を逆方向に付勢する第2のバネ部とからなるトーションバネで構成される一方、前記機器本体には、前記レバー本体が操作しやすい方向に操作された際、該レバー本体に押されるバネ部が当接する当接部が形成されることを特徴とする請求項3に記載の操作レバー。
【請求項7】
前記レバー本体が操作しやすい方向に操作された際、該レバー本体に押されるバネ部に捲線部が形成されることを特徴とする請求項6に記載の操作レバー。
【請求項8】
携帯機器の機器本体の外装面上に配置され、その機器本体を把持した手の指で押し/引き操作される操作レバーにおいて、
前記機器本体に揺動又はスライド自在に支持されるレバー本体と、
前記レバー本体が押し/引き操作された際、操作方向とは逆方向に前記レバー本体を付勢して、前記レバー本体を中立点に復帰させる付勢手段と、
前記付勢手段による付勢力を調整する調整手段と、
を備えたことを特徴とする操作レバー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2008−242522(P2008−242522A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−77715(P2007−77715)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]