説明

操作装置

【課題】各ハードキーを手で探ることで操作手順を容易に把握することができ、素早く正確な操作を可能とする操作装置を提供する。
【解決手段】パネル表面20に装置の動作または機能を設定する複数の操作釦が配列された操作装置2であって、前記操作釦を装置の操作手順に沿った複数の操作グループに分けるとともに、前記パネル表面20に所定方向に沿って高さが異なる複数の段差領域21〜26を形成し、各操作グループに属する操作釦が前記操作手順に従って次第に高さが異なるように各段差領域21〜26に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル表面に装置の動作または機能を設定する複数の操作釦が配列された操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機等の画像形成装置には操作装置が備えられており、前記操作装置に設けられた多数のハードキーや、タッチパネル式の液晶表示部に表示されたメニューキーにより、前記画像形成装置において実現可能な機能が選択的に設定されるように構成されている。
【0003】
そして、前記ハードキーには、前記ハードキーを操作した場合の動作内容がわかるように、機能名称が前記ハードキーの表面または近傍にシルク印刷されており、前記メニューキーには、前記メニューキーを操作した場合の動作内容がわかるように、機能名称が前記表示部の前記メニューキー自体または近傍に液晶表示される。
【0004】
しかし、上述の画像形成装置の場合、前記ハードキーはシルク印刷のみで識別されるために、視覚に障害を持つ人には前記ハードキーの機能を識別することができなかった。また、視覚に障害を持たない健常者であっても、前記液晶表示部を参照しての操作中に前記ハードキーの操作が必要になった場合、前記液晶表示部から目を離して前記ハードキーの操作をすることが必要であったため、素早い操作が困難であった。
【0005】
上述の問題を解決するために、下記の〔特許文献〕では、操作装置の表面が凹凸を形成するように構成されている操作装置が提案されている。詳述すると、前記操作装置には、その基準面より1段低くなるような複数の凹状面が設けられており、前記凹状面の各々は前記基準面と略同じ高さの仕切り部によって仕切られている。このような構成とすることによって、前記操作装置を備えた画像形成装置のオペレータは、手探りで前記仕切り部を識別することで、前記凹状面の各々に備えられているハードキーを実際に見ることなく容易に識別することができるのである。
【0006】
【特許文献1】特開平10−109459号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述した〔特許文献〕では操作装置に設けられた各ハードキーの区別はできるが、操作手順を容易に把握することが困難であった。例えば、任意のハードキーを操作したときに、次に操作すべきハードキーを把握することは困難であり、健常者の場合は操作装置を参照せざるを得ず、視覚障害者の場合は音声ガイダンス等に頼らざるを得なかった。
【0008】
同様に、各ハードキーに点字を付した場合であっても、各ハードキーの区別はできるが、次に操作すべきハードキーを把握するために、各ハードキーに付されている点字を1個ずつ読む必要があり、操作手順を容易に把握することが困難であった。
【0009】
本発明の目的は、上述の問題に鑑み、各ハードキーを手で探ることで操作手順を容易に把握することができ、素早く正確な操作を可能とする操作装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達成するため、本発明による走査装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、パネル表面に装置の動作または機能を設定する複数の操作釦が配列された操作装置であって、前記操作釦を装置の操作手順に沿った複数の操作グループに分けるとともに、前記パネル表面に所定方向に沿って高さが異なる複数の段差領域を形成し、各操作グループに属する操作釦が前記操作手順に従って次第に高さが異なるように各段差領域に配置されている点にある。
【0011】
上述の構成によれば、オペレータは、自ら操作しようとしている操作釦が位置する領域の操作装置における高さを手探りで把握することで、前記操作釦が一連の操作の何れの段階のものであるのかを容易に把握することができる。
【0012】
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一特徴構成に加えて、各操作釦が各段差領域の表面より突出するように配置されている点にある。
【0013】
上述の構成によれば、段差領域を手探りすることで突出した操作釦を容易に把握することができるので、操作装置を素早く正確に操作できる。
【0014】
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第一または第二特徴構成に加えて、各段差領域に配置される操作釦の突出高さが機能に基づいて異なるように構成されている点にある。
【0015】
上述の構成によれば、各段差領域に複数の操作釦が配置されていても、各操作釦の突出高さを異なるものとすることで、手探りしたときの各操作釦の高さの相違によって各操作釦の機能を容易に把握することができる。
【0016】
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、各段差領域に配置される操作釦の形状またはサイズが機能に基づいて異なるように構成されている点にある。
【0017】
上述の構成によれば、各段差領域に複数の操作釦が配置されていても、各操作釦の形状またはサイズが異なるので、手探りしたときの各操作釦の形状やサイズの相違によって各操作釦の機能を容易に把握することができる。
【0018】
同第五の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述の第一から第四の何れかの特徴構成に加えて、各段差領域に配置された操作釦が最初に操作されたときに、当該操作グループの操作釦に対応する音声ガイダンスを出力する案内手段を備えている点にある。
【0019】
上述の構成によれば、最初に操作した操作釦が何れの段差領域に属している何れの操作釦であるかを認識することが困難であっても、音声ガイダンスによって、操作した操作釦や前記操作釦が属する段差領域の認識が可能となるので、操作装置をより素早く正確に操作できる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明した通り、本発明によれば、各ハードキーを手で探ることで操作手順を容易に把握することができ、素早く正確な操作を可能とする操作装置を提供することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に本発明による操作装置をデジタル複合機の操作部に適用した場合の実施形態について説明する。
【0022】
デジタル複合機1は、図3に示すように、各種のメニューを設定する複数のメニュー設定キーや設定されたメニューで複写、FAX動作等を起動するスタートキー等が配置された操作部2と、原稿載置部3にセットされた一連の原稿を順次読込んで電子データに変換する画像読取部4と、前記画像読取部4によって電子データに変換された画像データに基づいて用紙上にトナー像を形成して出力する電子写真方式の画像形成部5と、それぞれ異なるサイズまたは種類の用紙が収容された複数の給紙カセット6(6a〜6d)及び機械左側部に設けられた手差し給紙口(図示せず)を備えて構成されている。
【0023】
前記操作部2は、画像読取部4の手前側に配置されており、パネル表面に装置の動作または機能を設定する複数の操作釦が配列され、前記操作釦を装置の操作手順に沿った複数の操作グループに分けるとともに、前記パネル表面に所定方向に沿って高さが異なる複数の段差領域を形成し、各操作グループに属する操作釦が前記操作手順に従って次第に高さが異なるように各段差領域に配置されている。
【0024】
以下に詳述する。前記操作部2は、図2に示すように、前記パネル表面20が前記操作グループとしての六の段差領域に分割されており、前記段差領域は、中央部に配置されており複数のメニューキー等が表示され各メニューキーに対する操作を検出するタッチパネル式の表示部211、および、前記表示部211の上部に配置されておりプリント・送信・受信・メモリ・エラーの各状況をLED表示する状況表示部212が配置された表示領域21と、前記デジタル複合機1の給電切替関連の操作釦と前記操作部2における設定等の終了や取消関連の操作釦が配置された操作開始終了キー領域22と、前記デジタル複合機1の各種機能の切替のための操作釦が配置された機能切替キー領域23と、前記デジタル複合機1の複写機能のうちの色関係の操作釦が配置されたカラー機能キー領域24と、テンキー等が配置されたテンキー領域25と、前記デジタル複合機1の各動作の開始及び中止関連の操作釦が配置された動作開始中止キー領域26とを備えて構成されている。
【0025】
また、前記操作部2は、図2を矢印Xの方向から見た図である図1に示すように、前記操作開始終了キー領域22が前記機能切替キー領域23よりも1段高くなるように、前記機能切替キー領域23が前記カラー機能キー領域24よりも1段高くなるように、前記カラー機能キー領域24が前記表示領域21よりも1段高くなるように、前記表示領域21が前記テンキー領域25よりも1段高くなるように、そして、前記テンキー領域25が前記動作開始中止キー領域26よりも1段高くなるように、つまり、デジタル複合機1の操作において操作順序が先である操作釦が配置された領域のパネル表面20が高くなるように構成されている。
【0026】
前記表示部211は、図2に示すように、上部にデジタル複合機1の状態や操作メッセージを表示するメッセージ表示領域213を備え、前記メッセージ表示領域213の下方にメニュー設定キー領域214を備えている。前記メニュー設定キー領域214には、用紙サイズ、コピー倍率、コピー濃度、ソート等の基本的な複写メニューを設定するための基本モード設定タブ215と、頻繁に使用するメニューをユーザ側で個別に設定登録可能なユーザ機能タブ216と、当該デジタル複合機1に準備されている複数の応用機能を選択するための複数のメニューキーが表示される機能リストタブ217と、特定のメニュー画面にショートカットするためのショートカット操作を登録するプログラムタブ218とが設けられている。
【0027】
前記操作開始終了キー領域22は、前記デジタル複合機1の電源のオンオフを切り替える電源キー22aと、前記デジタル複合機1を省電力モードに移行させ、また、前記デジタル複合機1が省電力モードに移行している場合に前記デジタル複合機1を前記省電力モードから復帰させる節電キー22bと、前記ユーザ機能タブ216にて設定を個別登録するユーザ管理モードからログオフするためのログアウトキー22cと、各操作釦や前記表示部211上の操作によって設定された情報を前記デジタル複合機1にて予め設定されている標準設定に戻すリセットキー22dとを備えて構成されている。
【0028】
前記機能切替キー領域23は、操作したキーに応じた動作モードへ移行させる初期設定キー23a(初期設定モードへ移行)、プログラムキー23b(プログラミングモードへ移行)、コピーキー23c(複写モードへ移行)等のキー群で構成されており、例えば、前記コピーキー23cを操作する前記表示部211に複写機能の詳細画面が表示される。
【0029】
前記カラー機能キー領域24は、前記デジタル複合機1の複写機能を使用して用紙を複写する場合に、モノクロコピー、カラーコピー、及びモノクロコピーとカラーコピーの自動選択を切り替えるためのキー群24a〜24cで構成されている。
【0030】
なお、前記操作開始終了キー領域22、前記機能切替キー領域23、及び前記カラー機能キー領域24に配置されている各キー(リセットキーを除く)には、当該キーを操作しているときに点灯するLED(図中、円形で示された操作釦中の長方形で示される)が備えられている。
【0031】
前記テンキー領域25は、操作釦としてのテンキー25a等で構成されており、前記テンキー25aは、用紙を複写する際の複写枚数等の数値入力や、ファックス機能を利用する際の送信先の電話番号を入力する際に使用される。
【0032】
前記動作開始中止キー領域26は、複写機能における複写開始、ファックス機能におけるファックス送信開始、スキャナ機能におけるスキャン開始等の、前記デジタル複合機1における各機能の動作を開始させるためのスタートキー26aと、前記各機能の動作を中止させるためのストップキー26bで構成されている。
【0033】
上述した各段差領域21〜26では、各操作釦が各段差領域21〜26の表面より突出するように配置されている。
【0034】
詳述すると、図1に示すように、各操作釦(図1のリセットキー22d等)が、各段差領域21〜26における前記パネル表面20の高さを基準として凸状に構成されており、前記デジタル複合機1のオペレータは、各段差領域21〜26に配置されている操作釦を触感によって認識することができる。
【0035】
また、前記操作部2は、図4に示すように、各種操作釦および前記表示部211に表示される各種キーに対する操作を検出して、操作に対する結果を前記表示部211や各操作釦のLED等に表示出力する操作制御部30を備えている。
【0036】
前記操作制御部30は、所定の制御プログラムに基づいて前記表示部211や各種LEDを表示制御するCPU301と、前記制御プログラムが格納されるROM302と、ワーキングエリア等に使用されるRAM303と、前記表示部211への表示データを展開するVRAM304と、前記VRAM304の表示データに基づいて前記表示部211を駆動する液晶ドライバ305と、オペレータにより操作された前記表示部211の位置を検出する位置検出部306と、前記スタートキー26aや前記テンキー25a等の操作信号を入力する入力バッファ回路307と、前記入力バッファ回路307等と前記CPU301との間に設けられる入出力ポート308等を備えて構成され、前記CPU301は複写動作やファックス動作等を制御する本体制御部7と通信ラインを介して接続されている。
【0037】
前記操作制御部30は、各段差領域21〜26に配置された操作釦が最初に操作されたときに、当該操作グループの操作釦に対応する音声ガイダンスを出力する案内手段を備えて構成されており、前記案内手段は、前記制御プログラムが前記CPU301によって演算実行されることにより実現されている。なお、前記音声ガイダンスは、前記デジタル複合機1に何れかの位置に設けられたスピーカ(図示せず)を介して発せられる。
【0038】
例えば、前記操作開始終了キー領域22に配置されたリセットキー22dが前記デジタル複合機1のオペレータによって操作されると、前記操作開始終了キー領域22と前記リセットキー22dについての説明メッセージが、前記スピーカを介して前記オペレータに発せられる。
【0039】
前記操作開始終了キー領域22についての説明メッセージは、前記操作開始終了キー領域22に設けられたキー群の機能についての説明と、各キーの位置についての説明であり、前記リセットキー22dおよび他の任意のキーについての説明メッセージは、当該キーを操作することによるデジタル複合機1の動作についての説明である。
【0040】
また、前記デジタル複合機1において前記案内手段を動作させるか否かは、オペレータによって設定可能に構成されている。
【0041】
例えば、前記操作部2は、図2に示すように、前記表示領域21における前記表示部211の手前側に、前記案内手段の動作の有無の切替を行なう音声ガイダンス切替キー219を備えて構成されている。そして、前記電源キー22aがオンされた場合に、前記音声ガイダンス切替キー219の場所と機能についての説明メッセージが、前記スピーカを介して前記オペレータに発せられるように構成されている。
【0042】
以下、デジタル複合機1の起動から複写動作を開始するまでの処理について、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0043】
デジタル複合機1のオペレータは、操作部2の最も高い段差領域(操作開始終了キー領域22)に位置している電源キー22aを操作することで、前記デジタル複合機1の電源をオンとする(S1)。
【0044】
前記デジタル複合機1の電源がオンされると、音声ガイダンス機能を使用するか否かを問うメッセージと、前記音声ガイダンス機能の使用の有無の切替を行なう音声ガイダンス切替キー219の位置を知らせるメッセージが、前記スピーカを介して前記オペレータに発せられる(S2)。
【0045】
ここで、前記音声ガイダンス切替キー219を操作せずに他のキーを操作した場合は、音声ガイダンス機能は使用されない。つまり、前記案内手段は、各段差領域21〜26に配置された操作釦が最初に操作されたときに、当該操作グループの操作釦に対応する音声ガイダンスを出力することはない。しかし、本説明では、前記音声ガイダンス切替キー219が操作された場合の説明を行なう。
【0046】
前記音声ガイダンス切替キー219の操作後、前記オペレータは、2番目に高い段差領域を手探りで認識し、前記段差領域の任意のキーを操作する(S3)。すると、機能切替キー領域23についての説明メッセージが、前記案内手段によって、スピーカを介して前記オペレータに発せられる(S4)。
【0047】
ステップS4における説明メッセージによって、前記機能切替キー領域23が備えるキーの位置と機能について認識した前記オペレータは、目的の動作モードへ移行させるキー(本説明ではコピーキー23c)を操作する(S5)。
【0048】
前記コピーキー23cの操作後、前記オペレータは、3番目に高い段差領域を手探りで認識し、前記段差領域の任意のキーを操作する(S6)。するとカラー機能キー領域24についての説明メッセージが、前記案内手段によって、スピーカを介して前記オペレータに発せられる(S7)。
【0049】
ステップS7における説明メッセージによって、前記カラー機能キー領域24が備えるキーの位置と機能について認識した前記オペレータは、目的の複写モード(モノクロ、カラー、または自動選択。本説明では白黒キー24cを選択)を操作する(S8)。
【0050】
前記白黒キー24cの操作後、前記オペレータは、5番目に高い段差領域を手探りで認識し、前記段差領域の任意のキーを操作する(S9)。するとテンキー領域25についての説明メッセージが、前記案内手段によって、スピーカを介して前記オペレータに発せられる(S10)。
【0051】
なお、4番目に高い段差領域(表示領域21)は表示部211で構成されており、複写等についての詳細設定をする際は前記表示部211を操作するのであるが、本説明では詳細設定を行なわずにコピーするため、前記表示領域21を操作することなく前記テンキー領域25を操作している。
【0052】
ステップS10における説明メッセージによって、前記テンキー領域25が備えるキーの位置と機能について認識した前記オペレータは、目的の複写枚数に合致する数値キーを操作する(S11)。
【0053】
前記テンキーの何れかの数値キーの操作後、前記オペレータは、6番目に高い段差領域を手探りで認識し、前記段差領域の任意のキーを操作する(S12)。すると動作開始中止キー領域26についての説明メッセージが、前記案内手段によって、スピーカを介して前記オペレータに発せられる(S13)。
【0054】
ステップS13における説明メッセージによって、前記動作開始中止キー領域26が備えるキーの位置と機能について認識した前記オペレータは、スタートキー26aを操作して前記デジタル複合機1に複写動作を開始させる(S14)。
【0055】
なお、以上の動作において、オペレータが、操作部2から手を離してしまう等の原因で、段差領域を識別することができなくなった場合は、前記オペレータは全ての段差領域の任意のキーを操作するとよい。すると、任意のキーを操作することで発せられる説明メッセージによって、前記オペレータは目的とする段差領域を認識することができる。
【0056】
以下、別実施形態について説明する。上述の実施形態では、各操作釦が各段差領域21〜26のパネル表面20より突出するように配置されている構成について説明したが、各段差領域21〜26に配置される操作釦の突出高さが機能に基づいて異なる構成や、各段差領域21〜26に配置される操作釦の形状またはサイズが機能に基づいて異なる構成であってもよい。
【0057】
操作釦の突出高さが機能に基づいて異なる構成としては、図6(a)に示すように、操作開始終了キー領域22の各キー22a〜22dの凸部を異なった高さとすることで、各キーの機能を識別する構成が可能である。なお、図6(a)は、図2においてY1−Y2線の断面を矢印Yの方向から見た側面図である。例えば、図6(a)では、オペレータから見て奥側に位置する電源キー22aの凸部が最も高く、以下手前側の操作釦である程、凸部が低くなっていく構成となっている。
【0058】
操作釦の形状が機能に基づいて異なる構成としては、図6(b)に示すように、前記操作開始終了キー領域22の各キー22a〜22dの形状を異なるものとすることで、各キーの機能を識別する構成が可能である。なお、図6(b)は、図6(a)と同様に、図2においてY1−Y2線の断面を矢印Yの方向から見た側面図である。例えば、図6(b)では、電源キー22aの形状を半球形とし、節電キー22bの形状を直方体とし、ログアウトキー22cをその上面(タッチ面)に凹部を設けた形状とし、リセットキー22dを、前記ログアウトキー22cに設けたのと同様の凹部を設け、さらにその中央に凸部を設けた形状としている。
【0059】
操作釦のサイズが機能に基づいて異なる構成としては、図6(c)に示すように、前記操作開始終了キー領域22の各キー22a〜22dのサイズを異なるものとすることで、各キーの機能を識別する構成が可能である。なお、図6(c)は、図6(a)、(b)と同様に、図2においてY1−Y2線の断面を矢印Yの方向から見た側面図である。例えば、図6(c)では、オペレータから見て奥側に位置する電源キー22aのサイズが最も大きく、以下手前側の操作釦である程、サイズが小さくなっていく構成となっている。
【0060】
上述の実施形態では、案内手段は、各段差領域21〜26に配置された操作釦が最初に操作されたときに、当該操作グループの操作釦に対応する音声ガイダンスを出力する構成について説明したが、前記操作釦が最初に操作された場合以外であっても音声ガイダンスする構成であってもよい。
【0061】
例えば、図8に示すように、各段差領域21〜26の手前にガイダンスキー27を備え、前記ガイダンスキー27が操作されたときに音声ガイダンスを出力するように構成されている。前記音声ガイダンスの内容は、操作したガイダンスキー27が属する段差領域についての説明メッセージや前記段差領域に属する各キーについての説明メッセージであり、前記ガイダンスキー27を操作すると、前記説明メッセージがスピーカを介してオペレータに発せられる。
【0062】
オペレータが、操作部2上で現在触れている領域が何れの領域であるかを認識するためには、当該領域が何段目に属するかを調べる必要があり、そのためには最左領域(または最右領域)から手探りしていくことで調べる必要があるが、上述の構成によれば、各領域の最も手前側にあるガイダンスキー27を操作することで、現在触れている領域を即座に認識することができる。
【0063】
上述の実施形態では、デジタル複合機1の操作において操作順序が先である領域のパネル表面20が高くなる構成について説明したが、図7に示すように、操作順序が後である領域のパネル表面20が高くなる構成であってもよい。
【0064】
上述の実施形態では、本発明を適用した画像形成装置1として、デジタル複合機1について説明したが、前記画像形成装置1は、デジタル複合機1以外であってもよく、例えば複写機、FAX、またはプリンタ等であってもよい。
【0065】
上述した実施形態は何れも本発明の一実施例に過ぎず、当該記載により本発明の範囲が限定されるものではなく、各部の具体的構成は本発明による作用効果を奏する範囲において適宜変更することができることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明による操作装置を正面から見た場合の説明図
【図2】本発明による操作装置を上面から見た場合の説明図
【図3】デジタル複合機の外観図
【図4】操作制御部のブロック構成図
【図5】デジタル複合機の起動から複写動作を開始するまでの処理について説明するためのフローチャート
【図6】(a)は、操作釦の突出高さをキー毎に変えた場合を示し、(b)は、操作釦の形状をキー毎に変えた場合を示し、(c)は、操作釦のサイズをキー毎に変えた場合を示した操作装置の説明図
【図7】図1における段差の高低を左右逆にした場合の操作装置の説明図
【図8】ガイダンスキーを備えた本発明による操作装置を上面から見た場合の説明図
【符号の説明】
【0067】
2:操作装置(操作部)
20:パネル表面
21:表示領域(段差領域)
22:操作開始終了キー領域(段差領域)
23:機能切替キー領域(段差領域)
24:カラー機能キー領域(段差領域)
25:テンキー領域(段差領域)
26:動作開始中止キー領域(段差領域)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル表面に装置の動作または機能を設定する複数の操作釦が配列された操作装置であって、
前記操作釦を装置の操作手順に沿った複数の操作グループに分けるとともに、前記パネル表面に所定方向に沿って高さが異なる複数の段差領域を形成し、各操作グループに属する操作釦が前記操作手順に従って次第に高さが異なるように各段差領域に配置されている操作装置。
【請求項2】
各操作釦が各段差領域の表面より突出するように配置されている請求項1記載の操作装置。
【請求項3】
各段差領域に配置される操作釦の突出高さが機能に基づいて異なるように構成されている請求項1または2記載の操作装置。
【請求項4】
各段差領域に配置される操作釦の形状またはサイズが機能に基づいて異なるように構成されている請求項1から3の何れかに記載の操作装置。
【請求項5】
各段差領域に配置された操作釦が最初に操作されたときに、当該操作グループの操作釦に対応する音声ガイダンスを出力する案内手段を備えている請求項1から4の何れかに記載の操作装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図2】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−134771(P2008−134771A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−319721(P2006−319721)
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】