説明

支持部材の制動装置及びこれを備えるサブボディーの支持装置

【課題】本発明は、支持部材を制動するための装置を提供する。
【解決手段】本発明の一実施例による制動装置は、支持ブラケットと、シャフトと、第1及び第2のプレートと、押圧部材と、移動部材とを備える。支持ブラケットは、機器のメインボディに装着されている。シャフトは、支持ブラケットの両端部に連結されている。第1のプレートは、シャフトの周りに配置されて、シャフトに対して上下に移動できる。第2のプレートは、シャフトの周りに配置されて、第1のプレートがその間に交互に位置する。制動位置で、押圧部材は、第1及び第2のプレートを押圧する。制動解除位置で、第1及び第2のプレートは、相互に離隔されている。移動部材は、押圧部材を制動位置と制動解除位置との間で移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持部材の制動装置及びこれを備えるサブボディーの支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置は、被検査体内部のイメージを表示してこれを用いて被検査体を診断するための医療映像機器として広く用いられて来ている。
【0003】
超音波診断装置は、超音波診断に必要な各種部品を収納しているメインボディと、メインボディの上部に配置されて超音波イメージを表示するための映像表示装置と、超音波診断を実行するための命令を入力して超音波診断装置を制御するための各種入力装置または制御装置が設けられるコントロールパネルとを備える。コントロールパネルは、超音波診断時にユーザの便宜のために、メインボディに対して上下移動できるようにメインボディ上に支持されている。
【0004】
図10は、下記特許文献1に示されている従来の超音波診断装置のコントロールパネル支持装置を示す側面図である。コントロールパネル支持装置20は、超音波診断装置のメインボディに結合するベースブラケット21と、ベースブラケット21に第1のヒンジ22a及び第3のヒンジ23aによってそれぞれ回動できるように結合する上部アーム22及び下部アーム23と、上部アーム22及び下部アーム23の他端に第2のヒンジ22b及び第4のヒンジ23bによってそれぞれ回動できるように結合し、コントロールパネルを支持する支持台26と、上部アーム22とベースブラケット21とに両端が結合しているガススプリング25とを備える。ガススプリング25は解除スイッチ(図示せず)によって開閉される弁(図示せず)によって作動する。解除スイッチはコントロールパネルに配置される。解除スイッチと弁とは、ケーブル(図示せず)によって連結されている。
【0005】
ユーザが解除スイッチを操作すれば、弁が開放されてガススプリング25のシリンダ25a内部や外部に作動流体が流れることができる。この状態で上部アーム22、下部アーム23は、ベースブラケット21に対して回動してコントロールパネルを上下に移動させることができる。ユーザがコントロールパネルを所望の位置に固定するために解除スイッチを解除すれば、弁が閉鎖されて作動流体はガススプリング25のシリンダ25a内部や外部に流れることができない。この状態で、上部アーム22、下部アーム23は、ベースブラケット21に対して移動することができない。その結果、コントロールパネル13が所望の位置に維持される。
【0006】
しかし、前記の従来のコントロールパネル支持装置20は、上部アーム22とベースブラケット21との間にアームの回動を拘束するためのガススプリング25と、これを作動するための解除スイッチと、ケーブルとを備えなければならない。従って、超音波診断装置の設計が制約される問題がある。また、ロッド25b及びシリンダ25aは、ガススプリング25の長時間使用によって互いに摩耗し得る。従って、ガススプリング25の制動力が顕著に悪化することがある。その上、ユーザがコントロールパネルをガススプリング25内の作動流体の圧力に対抗して移動させなければならない問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
米国特許第6,663,569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、前記のような問題を解決するため、簡単な構造に構成されて、作動信頼性が高く、制動力に優れた医療映像機器のコントロールパネル支持部材の制動装置を提供することにある。
【0009】
また、本発明の目的は、このような制動装置を備えるコントロールパネルの支持装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
支持部材を制動するための制動装置の多様な実施例が提供される。前記支持部材は、機器の一端部にあるメインボディと他端部にあるサブボディを連結する。本発明の一実施例による制動装置は、前記機器のメインボディに装着される支持ブラケットと、前記支持ブラケットの両端部(両側端部)に連結されるシャフトと、前記シャフトの周りに配置され、前記シャフトが貫通し、前記支持部材の一端部で前記支持部材の回動により上下移動できる複数の第1のプレートと、前記シャフトの周りに配置されて前記シャフトが貫通し、前記複数の第1のプレート間にそれぞれ交互に位置する複数の第2のプレートと、前記複数の第1及び前記複数の第2のプレートを押圧して、各前記複数の第1のプレートと各前記複数の第2のプレートとが相互に接触する制動位置と、各前記複数の第1のプレートと各前記複数の第2のプレートとが相互に離隔される制動解除位置との間で、前記シャフトに沿って移動可能である押圧ユニットとを備える。
【0011】
前記第1のプレートはガイドスリットを備え、前記シャフトは前記ガイドスリットを貫通する。
【0012】
前記押圧ユニットは、前記シャフトが貫通して第1及び第2のプレートに隣接するように位置する押圧部材と、前記押圧部材と結合して前記押圧部材を前記制動位置と前記制動解除位置との間で移動させる移動部材とを備える。
【0013】
前記制動装置は、前記押圧部材を前記制動位置に付勢するための付勢部材をさらに備えることができる。前記付勢部材は前記支持ブラケットと前記押圧部材との間に配置される圧縮スプリングを備えることができる。
【0014】
また、本発明によれば、機器のサブボディを前記機器のメインボディに対して支持するための支持装置の多様な実施例が提供される。本発明の一実施例による支持装置は、前記機器のメインボディに装着されるベースブラケットと、一端部で前記ベースブラケットに回動できるように連結して他端部で前記サブボディに連結し、前記一端部の回動によって上下移動するように前記一端部に装着されたガイドスリットを有する複数の第1のプレートを備える支持部材と、前記ベースブラケットに装着される支持ブラケットと、前記支持ブラケットの両端(両側端)に前記複数の第1のプレートの前記ガイドスリットを貫通して連結され、前記複数の第1のプレートの間に交互に配置される複数の第2のプレートとを有するシャフトと、前記複数の第1及び第2のプレートを押圧して各前記複数の第1のプレートと各前記複数の第2のプレートとが相互に面接触する制動位置と、各前記複数の第1及び第2のプレートが相互に離隔される制動解除位置の間で、前記シャフトに沿って移動できるように前記支持ブラケットに装着される押圧部材と、前記押圧部材を前記制動位置に付勢する付勢部材と、前記押圧部材に結合して前記押圧部材を前記制動位置と前記制動解除位置との間で移動させる移動部材とを備える。
【0015】
本発明の一実施例において、前記移動部材は、周面にネジが形成されたスピンドルと、前記スピンドルの周面とねじ結合するネジ孔を有して前記スピンドルの回転によって移動される移動ブラケットとを備える。
【0016】
本発明の一実施例において、前記制動装置及び前記支持装置は前記スピンドルを回転させるに駆動力を発生させるための駆動ギアを有する電動機と、前記駆動ギアと前記スピンドルに配置される被動ギアとを連結するギア列がさらに備えられる。また、前記駆動ギアはウォームギアを備え、前記ギア列は前記ウォームギアと噛み合うウォームホイールギアを備えることができる。また、前記電動機は無停電電源装置によって駆動できる。
【0017】
本発明の一実施例において、前記移動ブラケットは前記移動ブラケットに回動できるように設けられてカム要素をさらに有することができる。前記カム要素は、前記機器の前記メインボディに配置される接触部材と接触され得る。前記押圧部材は、前記接触部材に対する前記カム要素の回転によって前記制動位置と前記制動解除位置との間で移動可能である。
【発明の効果】
【0018】
本発明のコントロールパネル支持部材の制動装置によれば、第1のプレートと第2のプレートとの間の相互面接触により支持部材の回動が強力に制動できる。また、第1及び第2のプレートの個数を異にすることによって制動力を容易に増減することができる。また、制動に関与する第1及び第2のプレートが支持部材の外部に配置されるので、医療映像機器の設計に関連した制約を減少させることができる。また、移動部材によって押圧部材が制動位置と制動解除位置との間で移動するので、ユーザは支持部材を容易に制動または制動解除することができる。さらに、電動機またはカム要素によって、支持部材制動操作が一層容易に行われることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明における機器のサブボディーの支持装置を示す斜視図である。
【図2】本発明における制動装置を示す斜視図である。
【図3】図2に示す制動装置の第1及び第2のプレートを示す斜視図である。
【図4】図2に示す制動装置に用いられたギア列を示す平面図である。
【図5】図2に示す制動装置の移動ブラケット及びスピンドルを含む移動部材を示す分解斜視図である。
【図6】図2に示す制動装置の電動モードの構成を示すブロック図である。
【図7】図2に示す制動装置が手動モードで制動解除位置にある時を示す斜視図である。
【図8】図2に示す制動装置が手動モードで制動位置にある時を示す側面図である。
【図9】図2に示す制動装置が手動モードで制動解除位置にある時を示す側面図である。
【図10】従来のコントロールパネル支持装置を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付した図面を参照し、本発明の支持部材の制動装置及びコントロールパネル支持装置の実施例を説明する。
【0021】
図1は、本発明による機器のサブボディーの支持装置を示す斜視図である。多様な実施例において、前記機器は医療映像機器を含み、より具体的には超音波診断装置を備えることができる。また、前記機器の前記サブボディーは、前記医療映像機器のコントロールパネルを備えることができる。
【0022】
医療映像機器のコントロールパネルの支持装置90は、医療映像機器(図示せず)のメインボディ40に装着されたベースブラケット70と、ベースブラケット70とコントロールパネル30との間に配置された支持部材50、60とを備える。支持部材50、60は、その一端部でベースブラケット70に回動できるように結合し、その他端部でコントロールパネル30を回動できるように支持する。コントロールパネル30は、支持部材50、60の回動によってメインボディ40に対して上下に移動可能である。
【0023】
コントロールパネル30の支持部材の制動装置100は、メインボディ40のベースブラケット70付近に設けられる。制動装置100は、メインボディ40に対する支持部材50、60の回動を制御してコントロールパネル30を所望の位置に固定させる。一実施例において、支持部材50、60は、第1の支持部材50と第2の支持部材60からなっている。第1及び第2の支持部材50、60は、互いに平行な状態を維持しながらメインボディ40に対して回動する。他の実施例において、支持装置90はただ一つの支持部材を有してもよい。
【0024】
図2は、本発明による制動装置を示す斜視図である。図3は、図2に示す制動装置の第1及び第2のプレートを示す斜視図である。
【0025】
図2及び図3を参照すれば、本発明の一実施例による制動装置100は、支持ブラケット110と、シャフト120と、複数の第1のプレート131と、複数の第2のプレート132と、押圧ユニット(図示せず)と、付勢部材150とを備える。
【0026】
支持ブラケット110は、医療映像機器のメインボディ40のベースブラケット70に装着される。シャフト120は、支持ブラケット110に配置されてその周面に形成されているストッパ121を有する。第1のプレート131は、第2の支持部材60とシャフト120との間に配置され、支持部材50、60の回動によりシャフト120に対して上下に移動可能である。そして、その一部はシャフト120の周りに配置される。第2のプレート132は、シャフト120の周りに装着されており、シャフト120の長手方向に沿って隣接する第1のプレート131との間に位置している。押圧ユニットは、押圧部材141と、移動部材160とで構成できる。押圧部材141は、シャフト120が貫通して第1及び第2のプレート131、132に隣接するように位置する。また、押圧部材141は、支持ブラケット110に配置されて、シャフト120の長手方向に沿って制動位置と制動解除位置との間で移動可能である。移動部材160は、押圧部材141と結合して、押圧部材141を制動位置と制動解除位置との間に移動させる。付勢部材150は、押圧部材141を制動位置側にバイアスする。付勢部材150は、シャフト120を取り囲むように、支持ブラケット110と押圧部材141との間に配置される圧縮スプリングを備える。前記制動位置は、第1及び第2のプレート131、132をストッパ121側に押圧することによって、第1のプレート131と第2のプレート132とが相互に面接触している位置である。前記制動解除位置は、第1及び第2のプレート131、132がシャフト120の長手方向で互いに離隔されている位置である。
【0027】
一例として、ベースブラケット70と支持ブラケット110とは、金属板材を折り曲げて製作できる。ベースブラケット70と支持ブラケット110は、それぞれ折曲部70a、70b及び折曲部110a、110bを有することができる。この実施例において、ベースブラケット70は医療映像機器のメインボディ40上に装着されており、支持ブラケット110は折曲部70a、70bと折曲部110a、110bが互いに平行になるようにベースブラケット70上に装着されている。
【0028】
シャフト120の両端部は、支持ブラケット110の各折曲部110a、110bに位置する。図3に示す通り、ストッパ121は、シャフト120の周面に形成できる。ストッパ121は、別途に製作されてシャフト120に嵌合式で固定されることもできる。シャフト120は、付勢部材150と、押圧部材141と、第1及び第2のプレート131、132とを順に貫通する。
【0029】
押圧部材141は、シャフト120の長手方向に沿って移動可能である。図3に示す通り、押圧部材141は、第1のプレート131または第2のプレート132に面接触する押圧面141aと押圧面141aの両端から垂直に延びるレッグ141bを有する。押圧部材141のレッグ141bは、支持ブラケット110の折曲部110aを貫通するように配置される。押圧部材141が制動位置と制動解除位置との間で移動すれば、押圧部材141のレッグ141bはスライドして、支持ブラケット110の折曲部110aを貫通するように移動する。押圧部材141の移動により、第1及び第2のプレート131、132は、制動位置と制動解除位置に置かれる。
【0030】
図2に示す通り、支持装置90の第1及び第2の支持部材50、60は、それぞれ回動軸50a、60aによってベースブラケット70に回動できるように結合する。また、第2の支持部材60は、第1のプレート131によって支持ブラケット110に連結される。固定ブラケット60bが第2の支持部材60の他端に取り付けられ、支持シャフト60cが固定ブラケット60bに結合する。第1のプレート131は、ガイドスリット131a及び通孔131bを有する。第1のプレート131は、ガイドスリット131aを通じてシャフト120に回動できるように連結されており、通孔131bを通じて支持シャフト60cに回動できるように連結されている。また、第1のプレート131は、ガイドスリット131aの長さ範囲内でシャフト121に対して移動可能である。コントロールパネル30が上下に移動するに伴い、第2の支持部材60は、回動軸60aを中心にベースブラケット70に対して回動する。第2の支持部材60の回動時に、支持シャフト60cは、第2の支持部材60の一端と反対方向に回動する。ガイドスリット131aの長さは、支持シャフト60cの回動範囲に基づいて適切に決定できる。
【0031】
図3に示す通り、第1及び第2のプレート131、132は、交互に配置されている(図3では図示の便宜のために二つの第1のプレートと三つの第2のプレートのみが示されている)。即ち、第2のプレート132は、第1のプレート131のうち隣接した2つの間に介在している。第2のプレート132は、リング状からなり、シャフト120の長手方向に沿って移動可能である。
【0032】
押圧部材141の押圧面141aには、シャフト120が貫通する通孔141cが形成されている。ストッパ121は、第1及び第2のプレート131、132のうち押圧面141aから最も遠くにあるプレートの外側に配置される。付勢部材150は、圧縮された状態で押圧面141aと支持ブラケット110との間に介在する。従って、押圧部材141は、付勢部材150の復元力によって第1及び第2のプレート131、132をストッパ121側に付勢する。第1のプレート131は、押圧面141aとストッパ121との間で第2のプレート132と面接触する。例えば、図3において、一つの第1のプレート131の右側面が一つの第2のプレート132の左側面と接触し、前記一つの第1のプレート131の左側面は別の第2のプレート132の右側面と接触する。第1のプレート131が第2のプレート132と密着する時(例えば、“制動位置”として参照される)、第1及び第2のプレート131、132の摩擦力によって、第1のプレート131が第2のプレート132に対して移動することが許容されない。従って、第2の支持部材60は、制動位置でベースブラケット70に対し回動することができない。押圧部材141が付勢部材150の復元力に対抗してストッパ121から遠くなるように移動すれば(例えば、“制動解除位置”)、第1及び第2のプレート131、132は互いに離隔されて、第1のプレート131は第2のプレート132に対して移動することができる。従って、第2の支持部材60は、制動解除位置でベースブラケット70に対して回動することができる。付勢部材150の弾性係数は、制動位置で第2の支持部材60が移動できないように、第1及び第2のプレート131、132の個数に基づいて決定できる。
【0033】
図4は、図2に示す制動装置に用いられたギア列を概略的に示す平面図である。図5は、図2に示す制動装置の移動ブラケット及びスピンドルを含む移動部材を示す分解斜視図である。図6は図2に示す制動装置の電動モードの構成を示すブロック図である。
【0034】
図4及び図5に示す通り、移動部材160は、スピンドル164と移動ブラケット142を備える。スピンドル164は、被動ギア164aと被動ギア164aから延び、外周面にネジ山が形成されている駆動軸164bを有する。移動ブラケット142は、スピンドル164の駆動軸164bとネジ結合されるネジ孔142aとベースブラケット70の折曲部70aを貫通するレッグ142bとを有する。移動ブラケット142のレッグ142bは、ヒンジを通じて押圧部材141のレッグ141bに連結されている。スピンドル164が回転すれば、移動ブラケット142は、駆動軸164bとネジ孔142aとの間のネジ運動によって、シャフト120の長手方向に沿って移動するようになる。
【0035】
制動装置100は、スピンドル164を駆動するための装置であって、電動機161と、電動機161の回転軸に取り付けられた駆動ギアからスピンドル164の被動ギア164aまで駆動力を増加させて伝達するためのギア列170とをさらに備える。電動機161は、固定ブラケット161aを通じてベースブラケット70の折曲部70aに結合する。示される実施例において、電動機161の回転軸は、スピンドル164の回転軸に垂直に配置されている。駆動ギアはウォームギア162を備え、ギア列170はウォームギア162と噛み合うウォームホイールギア163を備える。
【0036】
ウォームギア162とウォームホイールギア163とは、電動機161の駆動力を一次的に増加させ、電動機161の回転速度を一次的に減速する。ギア列170は、ウォームホイールギア163とスピンドル164との間に配置される。ギア列170は、第1のギア171と、第2のギア172と、第3のギア173と、第4のギア174とを備える。ウォームホイールギア163は、ベースブラケット70の折曲部70aに取り付けられたウォームホイールギア163の回転軸163aを中心に回転する。第1乃至第4のギア171乃至174は、それぞれベースブラケット70の折曲部70aに取り付けられた第1乃至第4の回転軸171a乃至174aを中心に回転する。図4と図2に示す通り、ウォームホイールギア163は、ウォームギア162と噛み合う部分と第1のギア171と噛み合う部分とを有する2段ギアからなっている。第2のギア172は、第1のギア171と噛み合い電動機161の回転速度を二次的に減速する。第2のギア172は、第1のギア171と噛み合う部分と第3のギア173と噛み合う部分とを有する2段ギアからなっている。スピンドル164の被動ギア164aは、第3及び第4のギア173、174と噛み合う。第3のギア173は、駆動力を第2のギア172からスピンドル164に伝達して、第4のギア174と共にスピンドル164の回転を支持する。第3及び第4のギア173、174は、また、スピンドル164が駆動軸164bとネジ孔142aとの間の運動によってベースブラケット70の折曲部70a側に移動することを規制することができる。
【0037】
移動ブラケット142は、押圧部材141に結合して押圧部材141と共にシャフト120の長手方向に沿って移動することができる。スピンドル164と移動ブラケット142は、ネジ運動により互いに接離することができる。従って、スピンドル164と移動ブラケット142のうちいずれか一つが固定されれば、そのうちもう一つはシャフト120の長手方向に沿って移動することができる。この実施例において、スピンドル164が移動せずに回転するので、移動ブラケット142がシャフト120の長手方向に沿って移動する。
【0038】
押圧部材141を電動で移動させるために、本発明による制動装置100は、電源193と、電動機161の回転方向及び作動のための信号を発生させるための操作部194と、電動機161の回転方向及び作動を制御するための制御部191と、押圧部材141または移動ブラケット142の移動量を検出するためのセンサ192とをさらに備えることができる。図6を参照すれば、制御部191は、操作部194の信号に応じて電動機161を駆動して、センサ192で検出された信号によって電動機161の駆動を停止させるように構成できる。操作部194は、制動及び制動解除のためのボタンを備えることができる。例えば、これらのボタンは、コントロールパネル30または医療映像機器内の他の適した個所に設けられる。ベースブラケット70または支持ブラケット110に結合したセンサ192は、押圧部材141または移動ブラケット142の移動量を検出するのに、適した任意のセンサを備えることができる。
【0039】
本発明による医療映像機器は無停電電源装置(UPS、Uninterrupted Power Supply)を備えることができる。無停電電源装置とは、主電源の停電時に電源を供給する電源をいう。電動機161は、無停電電源装置によって駆動することができる。停電になった場合にも電動機161は無停電電源装置によって駆動されるので、ユーザは電動モードを実行することができる。
【0040】
第1及び第2のプレート131、132が制動位置にある時、本発明による制動装置100は電動モードにおいて次のように作動する。
【0041】
ユーザがコントロールパネル30の高さを調節するために操作部194を操作すれば、電動機161が一方向に駆動されてスピンドル164を回転させる。また、ウォームホイールギア163とスピンドル164との間に配置されたギア列170によって、電動機161の駆動力は増加し、電動機161の回転速度は減速される。押圧部材141及び移動ブラケット142は、スピンドル164の回転によってシャフト120の長手方向に沿ってストッパ121から遠くなるように移動し、第1及び第2のプレート131、132は互いに離隔される。センサ192が押圧部材141及び移動ブラケット142が所定の位置に到達したのを検出すれば、制御部191は電動機161の駆動を停止させる。従って、第1及び第2のプレート131、132は制動解除位置となる。この場合、第2の支持部材60がベースブラケット70に対して上下に移動可能であるので、ユーザはコントロールパネル30の高さを調整することができる。
【0042】
ユーザがコントロールパネル30を所望の位置で固定するために操作部194を操作すれば、電動機161が前記一方向と反対方向に駆動されてスピンドル164を回転させる。押圧部材141及び移動ブラケット142は、スピンドル164の反対の回転によってシャフト120の長手方向に沿ってストッパ121側に移動し、第1及び第2のプレート131、132を密着させる。センサ192が、押圧部材141及び移動ブラケット142が所定の位置に到達したのを検出すれば、制御部191は電動機161の駆動を停止させる。従って、第1及び第2のプレート131、132は制動位置になり、第2の支持部材60は、ベースブラケット70に対して上下に移動できないようにロッキングされる。
【0043】
図7は、図2に示す制動装置が手動モードで制動解除位置にある時を示す斜視図である。図8は、図2に示す制動装置が手動モードで制動位置にある時を示す側面図である。図9は、図2に示される制動装置が手動モードで制動解除位置にある時を示す側面図である。
【0044】
移動ブラケット142は、レッグ142bに装着されてカム面181を有するカム要素180をさらに備える。制動装置100は、カム要素180のカム面181と接触して移動ブラケット142の移動に対する支持台として機能できる接触部材をさらに備える。接触部材は、支持ブラケット110またはベースブラケット70に配置できる。この実施例において、接触部材は、移動ブラケット142のレッグ142bが貫通するベースブラケット70の折曲部70aである。カム要素180が一方向に回転すれば、カム面181が折曲部70aの一面と接触しながら、押圧部材141はストッパ121から遠くなるように移動する。
【0045】
カム要素180は、移動ブラケット142に回転できるように結合している。この実施例において、カム要素180は円板カムまたは接線カムからなることができ、カム面181は円板体の周面から出っ張った面(凸面)からなり得る。詳細には、カム面181は、頂面部181aと斜面部181bとからなっている。カム要素180が折曲部70aに対して回動することによって、カム面181の頂面部181aと斜面部181bとは、折曲部70aの一側面と接触する。例えば、第1及び第2のプレート131、132が制動解除位置にある時(図9)、カム面181の頂面部181aが折曲部70aの一側面と接触している。第1及び第2のプレート131、132が制動位置にある時(図8)、カム面181の斜面部181bが折曲部70aの一側面と接触している。制動装置100は、カム要素180の回動を容易にするためにカム要素180に結合するレバー182をさらに備えることができる。レバー182の位置は、カム要素180及びカム面181の構成によって多様に変形され得る。
【0046】
本発明による制動装置100は、手動モードで次の通り作動する。
【0047】
コントロールパネル30の高さを調整するために、カム要素180がベースブラケット70の折曲部70aに対して(例えば、制動位置から制動解除位置まで)回動すれば、カム面181の頂面部181aは折曲部70aの一側面と接触する。カム要素181と折曲部70aとの間の反作用によって、押圧部材141及び移動ブラケット142は、付勢部材150を圧縮しながらシャフト120の長手方向に沿ってストッパ121から遠くなるように移動し、第1及び第2のプレート131、132は互いに離隔される。従って、第1及び第2のプレート131、132は制動解除位置(図9参照)となる。この場合、第2の支持部材60がベースブラケット70に対して上下に移動可能であるので、ユーザはコントロールパネル30の高さを調整することができる。
【0048】
コントロールパネル30を所望の位置で固定するために、カム要素180がベースブラケット70の折曲部70aに対して(例えば、制動解除位置から制動位置まで)回動すれば、カム面181の斜面部181bが折曲部70aの一側面と接触する。付勢部材150の復元力によって、押圧部材141及び移動ブラケット142はシャフト120の長手方向に沿ってストッパ121側に移動し、第1のプレート131と第2のプレート132とは、押圧部材141の押圧面141aとストッパ121との間で圧着されて、互いに面接触する。従って、第1及び第2のプレート131、132は、制動位置(図8参照)となる。この場合、第2の支持部材60がベースブラケット70に対して上下に移動することができないので、コントロールパネル30は所定の高さでロッキングされる。
【0049】
以上で説明した本発明は前述した実施例及び添付された図面によって限定されるのではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更ができるということが本発明の属する分野で通常の知識を有する者において明白なものである。
【符号の説明】
【0050】
30:コントロールパネル
40:メインボディ
50:第1の支持部材
50a:回動軸
60:第2の支持部材
60a:回動軸
60b:固定ブラケット
60c:支持シャフト
70:ベースブラケット
70a、70b:折曲部
90:支持装置
100:制動装置
110:支持ブラケット
110a、110b:折曲部
120:シャフト
121:ストッパ
131:第1のプレート
131a:ガイドスリット
131b:通孔
132:第2のプレート
141:押圧部材
141a:押圧面
141b:レッグ
141c:通孔
142:移動ブラケット
142a:ネジ孔
142b:レッグ
150:付勢部材
160:移動部材
161:電動機
161a:固定ブラケット
162:ウォームギア
163:ウォームホイールギア
163a:回転軸
164:スピンドル
164a:被動ギア
164b:駆動軸
170:ギア列
171〜174:第1のギア〜第4のギア
171a〜174a:第1の回転軸〜第4の回転軸
180:カム要素
181:カム面
181a:頂面部
181b:斜面部
182:レバー
191:制御部
192:センサ
193:電源
194:操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の一端部にあるメインボディを他端部にあるサブボディと連結する支持部材を制動するための制動装置であって、
前記機器の前記メインボディに装着される支持ブラケットと、
前記支持ブラケットの両端部に連結されるシャフトと、
前記シャフトの周りに配置され、前記シャフトが貫通し、前記支持部材の一端部で前記支持部材の回動により上下移動できる複数の第1のプレートと、
前記シャフトの周りに配置され、前記シャフトが貫通し、前記複数の第1のプレート間にそれぞれ交互に位置する複数の第2のプレートと、
前記複数の第1及び第2のプレートを押圧して、各前記複数の第1のプレートと各前記複数の第2のプレートとが相互に接触する制動位置と、各前記複数の第1のプレートと各前記複数の第2のプレートとが相互に離隔される制動解除位置との間で、前記シャフトに沿って移動可能である押圧ユニットと、
を備えることを特徴とする制動装置。
【請求項2】
前記複数の第1のプレートはガイドスリットを備え、前記シャフトは前記ガイドスリットを貫通することを特徴とする請求項1に記載の制動装置。
【請求項3】
前記押圧ユニットは、
前記シャフトが貫通して、前記第1及び第2のプレートに隣接するように位置する押圧部材と、
前記押圧部材と結合して前記押圧部材を前記制動位置と前記制動解除位置との間で移動させる移動部材とを備えることを特徴とする請求項1に記載の制動装置。
【請求項4】
前記移動部材は、周面にネジが形成されたスピンドルと、前記スピンドルの周面とネジ結合するネジ孔を有する移動ブラケットとを備え、
前記移動ブラケットは、前記スピンドルの回転によって前記シャフトに沿って移動可能であることを特徴とする請求項3に記載の制動装置。
【請求項5】
前記スピンドルは、被動ギアを備え、
前記制動装置は、前記スピンドルを回転させるために駆動力を発生させるための駆動ギアを有する電動機と、前記駆動ギアを前記スピンドルに配置される前記被動ギアへ連結するギア列とをさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の制動装置。
【請求項6】
前記駆動ギアは、ウォームギアを備え、
前記ギア列は、前記ウォームギアと噛み合うウォームホイールギアとを備えることを特徴とする請求項5に記載の制動装置。
【請求項7】
前記押圧部材を前記制動位置に付勢する付勢部材をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の制動装置。
【請求項8】
前記付勢部材は、前記支持ブラケットと前記押圧部材との間に配置される圧縮スプリングを備えることを特徴とする請求項7に記載の制動装置。
【請求項9】
前記移動ブラケットは、前記移動ブラケットに対して回動できるように設けられた、カム面を有するカム要素をさらに備え、
前記制動装置は、接触部材をさらに備え、
前記カム面は、前記機器の前記メインボディに配置される前記接触部材と接触され、
前記押圧部材は、前記接触部材に対する前記カム要素の回転によって前記制動位置と前記制動解除位置との間で移動可能であることを特徴とする請求項7に記載の制動装置。
【請求項10】
機器のサブボディを前記機器のメインボディに対して支持する支持装置であって、
前記機器の前記メインボディに装着されるベースブラケットと、
一端部で前記機器の前記メインボディと連結し、他端部で前記機器の前記サブボディとを連結し、前記一端部の回動によって上下移動するように前記一端部に配置されたガイドスリットを有する複数の第1のプレートを備える支持部材と、
前記ベースブラケットに装着される支持ブラケットと、
前記支持ブラケットの両端部に前記第1のプレートの前記ガイドスリットを貫通して連結され、周面に備えられるストッパと、前記複数の第1のプレートとの間に交互に配置される複数の第2のプレートとを有するシャフトと、
前記複数の第1及び第2のプレートを押圧して各前記複数の第1のプレートと各前記複数の第2のプレートとが相互に接触する制動位置と、各前記複数の第1及び第2のプレートが相互に離隔される制動解除位置との間で、前記シャフトに沿って移動できるように前記支持ブラケットに装着される押圧部材と、
前記押圧部材を前記制動位置に付勢する付勢部材と、
前記押圧部材に結合して前記押圧部材を前記制動位置と前記制動解除位置との間で移動させる移動部材と
を備えることを特徴とする支持装置。
【請求項11】
前記移動部材は、周面にネジが形成されたスピンドルと、前記スピンドルの周面とネジ結合するネジ孔を有して、前記スピンドルの回転によって移動する移動ブラケットとを備えることを特徴とする請求項10に記載の支持装置。
【請求項12】
前記スピンドルは、被動ギアを備え、
前記支持装置は、前記スピンドルを回転させるために回転力を発生させるための駆動ギアを有する電動機と、前記駆動ギアを前記スピンドルに配置される前記被動ギアに連結するギア列とをさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の支持装置。
【請求項13】
前記駆動ギアはウォームギアを備え、前記ギア列は前記ウォームギアと噛み合うウォームホイールギアを備えることを特徴とする請求項12に記載の支持装置。
【請求項14】
前記移動ブラケットは、前記移動ブラケットに回動できるように装着されるカム要素をさらに備え、
前記支持装置は、接触部材をさらに備え、
前記カム要素は、前記機器の前記メインボディに配置される前記接触部材と接触され、
前記押圧部材は、前記接触部材に対する前記カム要素の回転によって前記制動位置と前記制動解除位置との間で移動可能であることを特徴とする請求項11に記載の支持装置。
【請求項15】
前記電動機は、無停電電源装置により駆動されることを特徴とする請求項12または13に記載の支持装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2010−121778(P2010−121778A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−259147(P2009−259147)
【出願日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(597096909)株式会社 メディソン (269)
【氏名又は名称原語表記】MEDISON CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】114 Yangdukwon−ri,Nam−myun,Hongchun−gun,Kangwon−do 250−870,Republic of Korea
【Fターム(参考)】