説明

改良ジャスミン芳香化合物

式(I)
【化1】


(上記式中、Rは6−10個の炭素原子を含む分岐または直鎖状アルキル基であり、ZはOまたはN(適当な任意の他の原子が挙げられる)であり、XがOであるときには、そのアセタールまたはヘミアセタールである)を有し、香料および他の製品、例えば、蝋燭、エアフレッシュナー、香料、消毒薬組成物、次亜塩素酸塩(漂白剤)組成物、ビールおよびソーダーのような飲料、義歯クレンザー錠剤、ロゼンジ、キャンディーなどのようなフレーバー付けした経口送達製品であって、ハーブ臭のアンダートーンを有するマイルドで甘いフローラル臭を有するものを提供し、特にジャスミン、クチナシ、チュベローズおよびモクレンのフローラル主成分を必要とする用途で利用される、改良誘導体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般に芳香剤の分野に関する。更に詳細には、本発明はハーブ臭のアンダートーンを有するマイルドで甘いフローラル臭の香料および他の製品を提供する新規化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
環状アルデヒド、特にアルキル桂皮アルデヒドは、多くの香料の主成分であり、フレッシュなグリーンフローラルの芳香を有する。多くは、構造
−CH=C(CHO)−R
(上記式中、Rは直鎖または分岐鎖状アルキルであることができる)
に基づいている。一般に用いられるアルデヒドの例は、上式のものであって、RがC−Cアルキル基であるものであり、例えば、アミル桂皮アルデヒドである(米国特許第3,953,378号明細書参照)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
臭気強度が向上し且つ桂皮アルデヒドのフレッシュなフローラル特性が保持されている代替誘導体を開発することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の概要
本発明の一態様は、式
【化1】


(上記式中、Rは6−10個の炭素原子を有する分岐または直鎖状アルキル基であり、
ZはOまたはNであり、
ZがOであるときには、そのアセタールまたはヘミアセタールである)
を有する化合物または化合物の混合物に関する。
【0005】
本発明の第二の態様は、芳香、フラグランスまたは臭気特性が改良され、活性成分として上式の化合物または化合物の混合物を含む組成物、生成物、製剤または製品に関する。
【0006】
本発明のもう一つの態様は、フレーバーまたは風味特性が改良され、活性成分として上式の化合物または化合物の混合物を含む組成物、生成物、製剤または製品に関する。
【0007】
本発明のもう一つの態様は、組成物、生成物、製剤または製品の風味またはフレーバー特性を付与し、改良し、高め、または変更する方法であって、上式の化合物または化合物の混合物のフレーバー有効量を加えることを含んでなる方法に関する。
【0008】
本発明の更にもう一つの態様は、組成物、生成物、製剤または製品の芳香、フラグランスまたは臭気特性を付与し、改良し、高め、または変更する方法であって、上式の化合物または化合物の混合物の芳香、フラグランスまたは臭気有効量を加えることを含んでなる方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
発明の詳細な説明
本発明は、通常の桂皮アルデヒドと比較して着臭剤および/またはフレーバー物質の強度を増加させる改良フラグランスおよびフレーバリングの発見に基づいている。特に、本発明の化合物は、類似桂皮アルデヒドのフレーバーおよび/または香気特性を保持し、且つこれらの桂皮アルデヒドと比較して臭気特性を増加させる。また、化合物を製造し、フレーバー物質および/またはフラグランスとしての誘導体、およびこれらの誘導体を配合している組成物、生成物、製剤および製品を利用する方法も開示される。本発明の誘導体は、ジャスミン、クチナシ、チュベローズおよびモクレンのフローラル主成分を必要とする用途で利用される。本発明の化合物および誘導体を配合することができる組成物、生成物、製剤および製品としては、蝋燭、エアフレッシュナー、香水、フラグランス、コロン、石鹸、浴用またはシャワー用ゲル、シャンプーまたは他のヘアケア製品、化粧用製品、ボディー用着臭剤、脱臭剤または発汗抑制剤、液体または固形布帛洗浄剤または柔軟剤、漂白剤製品(次亜塩素酸塩)、消毒薬、汎用の家庭用または工業用クリーナー、食物、フレーバリング、ビールおよびソーダのような飲料、義歯クレンザー(錠剤)、ロゼンジ、キャンディー、チューインガム、マトリックス、医薬品のようなフレーバー付けした経口送達製品などが挙げられる。
【0010】
本発明の誘導体は、桂皮アルデヒドまたはその誘導体であって、桂皮誘導体のフェニル環がチオフェン環によって置換されているものとして考察することができる。例えば、本発明の2−および3−チオフェン誘導体は、式
【化2】


(上記式中、Rは6−10個の炭素原子を有する分岐または直鎖状アルキル基であり、
ZはOまたはNであり、
ZがOであるときには、そのアセタールまたはヘミアセタールである)
を有する。本発明の誘導体は桂皮アルデヒドに類似した着臭/フレーバー剤特性を有するが、これと比較して強度が増加しており、例えば、フラグランスおよび/またはフレーバー剤として用いることができる。本発明の誘導体のこの特有の特性は、第一に、改良誘導体が低濃度(<1%)であっても存在することによって、様々な種類のフラグランス組成物と比較して深み、鮮明度およびラジアンスが大きくなり、第二に、改良誘導体を低濃度であっても長時間匂いを嗅ぐことによって、総ての周囲の嗅覚刺激に対する嗅覚が高くなるという2つの背景において明らかである。
【0011】
本明細書で説明するため、本発明の誘導体を「ジャスフェン(jasphenes)」と呼ぶ。更に、当然のことながら、官能基は誘導体の着臭剤または他の所望な特性を実質的に妨げないという条件で、以下に例示される誘導体のアルデヒド基をアセタール、ニトリルまたは他の官能基で置換することができることも当業者であれば理解されるであろう。ジャスフェン誘導体は、以下に例示される方法を用いて調製することができる。
【実施例】
【0012】
実施例
下記のものは、典型的な反応工程図の式である。
【化3】


オクタナール(2.6ml,17.1ミリモル)と2−チオフェン−カルボキサルデヒド(1.8ml,19.6ミリモル)をエタノール(20ml)と水(100ml)に溶解したものに、NaOH(5ml,10%水性溶液)を加え、混合物を室温で2日間攪拌した。混合物を酢酸で酸性にし、エーテルで抽出した。一緒に合わせた有機層を水(2x50ml)と飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空留去して、アルケン比5:8の粗生成物を得た。石油エーテル/酢酸エチル(8:2)を用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーを行い、無色液体として生成物[2−ヘキシル−3−チオフェン−2−イルプロペナール]を得た。この行程を3−チオフェン−カルボキサルデヒドを用いて繰り返し、生成物[2−ヘキシル−3−チオフェン−3−イルプロペナール]を生成することができる。
【0013】
ジャスフェン誘導体は、これと適合し、天然または人工に関わらず他のフラグランスを含む組成物、生成物、製剤または製品に実質的に含めることができる。例としては、漂白剤、洗浄剤、フレーバリングおよびフラグランス、アルコール飲料などの飲料などが挙げられる。ジャスフェン誘導体は、石鹸、シャンプー、ボディー用脱臭剤および発汗抑制剤、織物を処理するための固形または液体洗浄剤、布帛柔軟剤、洗浄剤組成物、および/または皿または様々な表面をクリーニングするための家庭用および工業用の汎用クリーナーのような用途に用いることができる。当然のことながら、化合物は、他の用途、すなわち石鹸およびシャワーゲル、衛生またはヘアケア製品、並びにボディー用脱臭剤、エアフレッシュナーおよび化粧用製品の付香、および上品な香料、すなわち香水およびコロンで用いることもできるので、これらの化合物の使用は上記の製品に限定されない。これらの使用を、以下において更に詳細に説明する。
【0014】
化合物は、芳香成分として、単一化合物としてまたはそれらの混合物として、好ましくは香料組成物の少なくとも約30重量%の範囲で、更に好ましくは組成物の少なくとも約60重量%の範囲で用いることができる。化合物は、それらの純粋な状態で、または混合物として、添加成分なしで用いることもできる。個々の化合物の嗅覚特性はそれらの混合物でも存在し、これらの化合物の混合物は芳香成分として用いることができる。これは、化合物の混合物を用いることによって分離および/または精製段階を行わずに済むことができる場合には、特に有利なことがある。
【0015】
総ての引用した用途において、ジャスフェン誘導体は、単独でまたは当該技術分野で現在用いられている他の相溶性成分、溶媒またはアジュバントと混合して用いることができる。これらの共同成分の性質および多様性は、本明細書では更に包括的とはならないような更なる詳細な説明の必要はなく、当業者であれば過度の実験なしに付香しおよび/またはフレーバー付けする製品の性質および所望な嗅覚/フレーバー効果に基づいて共同成分を選択することができるであろう。
【0016】
典型的な芳香成分は、例えば、典型的にはアルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、アセテート、ニトリル、テルペン炭化水素、硫黄および窒素含有複素環式化合物、並びに天然または合成起源の精油などの化学的クラスに属する。これらの成分の多くが、S.Arctander著の「香料およびフレーバー化学製品(Perfume and Flavor Chemicals)」、1969年、モントクレア、ニュージャージー、アメリカ合衆国という書物(この書物の内容および開示は、引用することにより全体として本明細書に取り込まれている)のような参考書、またはその更に最近の版、または類似の性質の他の著作に記載されている。
【0017】
ジャスフェン誘導体を様々な生成物に配合することができる比率は、広範囲の値内で変動する。これらの値は、付香しまたはフレーバー付けすることが所望な組成物、製剤、製品また生成物の性質、および意図した臭気またはフレーバー効果、並びに化合物が当該技術分野で現在用いられている共同成分、溶媒またはアジュバントと混合して用いられるときには、所定の組成物における共同成分の性質によって変化する。
【0018】
一例として、ジャスフェン誘導体は、典型的にはそれらを配合する芳香組成物の重量に対して約0.1−約10重量%、または更に多くのこれらの化合物の濃度で存在する。化合物を上記に挙げた様々な消費者製品を付香するために直接加えるときには、上記の濃度よりずっと低い濃度を用いることができる。
【0019】
化合物は、概して香料に対する刺激的媒質では比較的安定である。従って、それらは、例えば、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、次亜ハロゲン酸塩、特に次亜塩素酸塩、過酸化漂白剤、例えば、過ホウ酸塩などのような漂白剤および活性剤を含む洗浄剤に用いることができる。化合物は、ボディー用脱臭剤および発汗抑制剤、例えば、アルミニウム塩を含むものに用いることもできる。これらの態様を、以下において更に詳細に説明する。
【0020】
本明細書に記載の誘導体の他に、本発明による洗浄剤およびクレンザー組成物は、洗浄性界面活性剤と、場合によってはクリーニング性能、クリーニングを行う物質の処理を補助しまたは高める、または洗浄剤組成物(例えば、香料、着色料、色素など)の美観を変更するための材料などの1種類以上の追加の洗浄剤成分を含む。本明細書で典型的に約0.5重量%−約90重量%の濃度で用いられる合成洗浄性界面活性剤の非制限的例としては、通常のC1−18アルキルベンゼンスルホン酸塩(「LAS」)、および第一、分岐鎖状およびランダムC10−20アルキル硫酸塩(「AS」)などが挙げられる。
【0021】
合成洗浄剤のみを配合している好ましい組成物は、洗浄剤濃度が約0.5%−50%である。石鹸を含む組成物は、好ましくは約10%−約90%の石鹸を含んでなる。
【0022】
洗浄剤/クリーナー処方物は、酵素、漂白剤、布帛柔軟剤、色素移動抑制剤、起泡抑制剤、およびキレート化剤のようないずれも当該技術分野で周知の他成分を含むこともできる。
【0023】
本明細書に記載のジャスフェン誘導体は飲料に配合して、飲料に様々なフレーバリングを付与することができる。飲料組成物はコーラ飲料組成物であることができ、コーヒー、茶、酪農飲料、フルーツジュース飲料、オレンジ飲料、レモンライム飲料、ビール、麦芽飲料、または他の芳香付けした飲料であることもできる。飲料は、液状または粉末化形態であることができる。飲料組成物は、1種類以上のフレーバー剤、人工着色料、ビタミン添加物、防腐剤、カフェイン添加物、水、酸性化剤(acidulants)、増粘剤、緩衝剤、乳化剤、および/またはフルーツジュース濃縮物を含むこともできる。
【0024】
用いることができる人工着色料としては、カラメルカラー、イエロー6およびイエロー5が挙げられる。有用なビタミン添加物としては、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC(アスコルビン酸)、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、および葉酸が挙げられる。適当な防腐剤としては、安息香酸ナトリウムまたはカリウムが挙げられる。用いることができる塩としては、塩化ナトリウム、カリウムおよびマグネシウムが挙げられる。典型的な乳化剤はアラビアゴムおよびピューリティーゴム(purity gum)であり、有用な増粘剤はペクチンである。適当な酸性化剤としては、クエン酸、リン酸およびリンゴ酸が挙げられ、有力な緩衝剤としてはクエン酸ナトリウムおよびカリウムが挙げられる。
【0025】
一態様では、飲料は炭酸コーラ飲料である。pHは一般に約2.8であり、これらの組成物のシロップを作製するために、下記の成分、すなわち1種類以上の本明細書に記載の誘導体(22.22ml)、80%リン酸(5.55g)、クエン酸(0.267g)、カフェイン(1.24g)、人工甘味料、砂糖またはコーンシロップ(実際の甘味料によって加減する)、およびクエン酸カリウム(4.07g)を含むフレーバー濃縮物を用いることができる。飲料組成物は、例えば、上記シロップを炭酸水とシロップ50ml対炭酸水250mlの比で混合することによって調製することができる。
【0026】
もう一つの態様では、飲料はビールまたは麦芽飲料である。有利には、フレーバリングはジャスフェン誘導体であって、二重結合の一つ又は両方が、シクロプロパン基であって、独立して未置換であるか、または1または2個のアルキル若しくは置換アルキル基、好ましくはメチル基を含むことができるシクロプロパン基で置換されているジャスフェン誘導体が挙げられる。フレーバリングの量は、風味によって調整することができる。
【0027】
本明細書に記載の誘導体の1個以上を含むフレーバー付けした食品および医薬組成物を調製することもできる。誘導体は、当業者に周知の手法を用いて通常の食料品に配合することができる。あるいは、誘導体をポリマー粒子中に配合することができ、これを次に、通常は固形または半固形状基質である経口送達可能なマトリックス材料の表面内および/または上に分散させることができる。咀嚼可能な組成物に用いるときには、組成物は咀嚼されて口中に保持されるので、誘導体を経口送達可能なポリマーマトリックス材料中に放出することができ、これにより組成物のフレーバーを長くすることができる。乾燥粉末および混合物の場合には、組成物が更に加工されるので、生成物を消費しまたはマトリックス材料中に放出するときにフレーバーを利用可能にすることができる。2種類のフレーバーをポリマー粒子と混合するときには、添加物の相対量を選択して、化合物が同時に放出され、消費されるようにすることができる。
【0028】
一態様では、フレーバー付けした組成物は、経口送達可能なマトリックス材料、経口送達可能なマトリックス材料に分散された複数の水不溶性ポリマー粒子であって、個々に内部細孔のネットワークを画定し且つ消化管で分解されないポリマー粒子、および内部細孔ネットワーク内に閉じ込められた1種類以上の本明細書に記載の誘導体を包含する。誘導体は、マトリックスを咀嚼し、口中で溶解し、または液体添加、乾式ブレンディング、攪拌、混合、加熱、ベーキング、および加熱調理からなる群から選択される更なる加工を行うときに、放出される。経口送達可能なマトリックス材料は、ガム、ラテックス材料、結晶化した砂糖、非晶質砂糖、フォンダン、ヌガー、ジャム、ゼリー、ペースト、粉末、乾燥混合物、脱水した食料混合物、焼き菓子(baked goods)、バター、ドー、錠剤、およびロゼンジからなる群から選択することができる。
【0029】
無芳香ガムベースを本明細書に記載のジャスフェンまたは他の適当な誘導体と混合して、所望なフレーバー濃度とすることができる。典型的には、ブレードミキサーを約110°Fに加熱し、ガムベースを予熱して、柔らかくなるようにした後、ガムベースをミキサーに加え、約30秒間混合する。次に、フレーバー付けした誘導体をミキサーに加え、適当な時間混合する。次に、ガムをミキサーから取り出し、加温しながら巻いてロウ紙上に厚く貼り付けることができる。
【0030】
一態様では、本明細書に記載の誘導体を、フラグランスを制御した方法で放出することができる系に配合する。これらの誘導体としては、エアフレッシュナー、洗濯洗剤、布帛柔軟剤、脱臭剤、ローション、および他の家庭用品のような基剤が挙げられる。フラグランスは、一般的には1種類以上の本明細書に記載の誘導体または精油であり、それぞれ異なる量で含まれている。米国特許第4,587,129号明細書(その内容および開示は全体として参照することにより本明細書に引用されるものとする)には、フラグランスまたは香料油を90重量%まで含むゲル製品を調製する方法が記載されている。このゲルは、ヒドロキシ(低級アルコキシ)2−アルケノエート、ヒドロキシ(低級アルコキシ)低級アルキル2−アルケノエート、またはヒドロキシポリ(低級アルコキシ)低級アルキル2−アルケノエートを有するポリマーと、ポリエチレン性不飽和架橋剤から調製される。これらの材料は連続的徐放特性を有し、すなわちそれらはフラグランス成分を長時間にわたって連続的に放出する。
【0031】
有利には、アルデヒド基を含む誘導体の総てまたは一部を修飾して、アセタール基を含むようにし、アセタールが加水分解してアルデヒド化合物を生成するので、処方物にフラグランスを長時間にわたって放出させることができる。
【0032】
本発明の主題を開示してきたが、本発明の多くの修飾、置換、および変更は本発明を考慮すれば可能であることは明らかであろう。本発明は、特に記載される場合を除き、実施することができることを理解すべきである。このような修飾、置換および変更は、本出願の範囲内にあると解釈される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】


(上記式中、Rは6−10個の炭素原子を有する分岐または直鎖状アルキル基であり、
ZはOまたはN(適当な任意の他の原子が挙げられる)であり、
ZがOであるときには、そのアセタールまたはヘミアセタールである)
の化合物または化合物の混合物。
【請求項2】
XがOであり、Rがn−ヘキシルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】

【化2】


(上記式中、Rは6−10個の炭素原子を有する分岐または直鎖状アルキル基であり、
ZはOまたはNであり、
ZがOであるときには、そのアセタールまたはヘミアセタールである)の化合物または化合物の混合物を活性成分として含む、芳香、フラグランスまたは臭気特性が改良された組成物、生成物、製剤または製品。
【請求項4】
化合物または化合物の混合物が少なくとも30重量%の量で含まれる、請求項3に記載の組成物、生成物、製剤または製品。
【請求項5】
化合物または化合物の混合物が少なくとも60重量%の量で含まれる、請求項2に記載の組成物、生成物、製剤または製品。
【請求項6】
香料、フラグランスまたはコロン、石鹸、浴用またはシャワー用ゲル、シャンプーまたは他のヘアケア製品、化粧用製品、ボディー用着臭剤、脱臭剤または発汗抑制剤、エアフレッシュナー、液体または固形布帛洗浄剤または柔軟剤、漂白剤製品、消毒薬、または汎用の家庭用または工業用クリーナーの形態の、請求項3に記載の組成物、生成物、製剤または製品。
【請求項7】
化合物または化合物の混合物を他の芳香成分、溶媒またはアジュバントと混合した香料の形態の、請求項7に記載の組成物、生成物、製剤または製品。
【請求項8】
化合物または化合物の混合物を他のボディー用着臭剤、脱臭剤または発汗抑制剤成分、溶媒またはアジュバントと混合したボディー用着臭剤、脱臭剤または発汗抑制剤の形態の、請求項6に記載の組成物、生成物、製剤または製品。
【請求項9】
化合物または化合物の混合物を他の洗浄剤成分、溶媒またはアジュバントと混合した洗浄剤の形態の、請求項6に記載の組成物、生成物、製剤または製品。
【請求項10】
化合物または化合物の混合物を他の漂白剤成分、溶媒またはアジュバントと混合した漂白剤製品の形態の、請求項6に記載の組成物、生成物、製剤または製品。
【請求項11】
化合物または化合物の混合物を他の消毒薬成分、溶媒またはアジュバントと混合した消毒薬の形態の、請求項6に記載の組成物、生成物、製剤または製品。
【請求項12】

【化3】


(上記式中、Rは6−10個の炭素原子を有する分岐または直鎖状アルキル基であり、
ZはOまたはNであり、
ZがOであるときには、そのアセタールまたはヘミアセタールである)の化合物または化合物の混合物を活性成分として含む、フレーバーまたは風味特性が改良された組成物、生成物、製剤または製品。
【請求項13】
化合物または化合物の混合物を他の飲料成分、溶媒またはアジュバントと混合した飲料の形態の、請求項12に記載の組成物、生成物、製剤または製品。
【請求項14】
化合物または化合物の混合物を他のフレーバリング成分、溶媒またはアジュバントと混合したフレーバリングの形態の、請求項12に記載の組成物、生成物、製剤または製品。
【請求項15】
化合物または化合物の混合物を他の食品成分、溶媒またはアジュバントと混合した食品の形態の、請求項12に記載の組成物、生成物、製剤または製品。
【請求項16】
化合物または化合物の混合物を他のチューインガム成分、溶媒またはアジュバントと混合したチューインガムの形態の、請求項12に記載の組成物、生成物、製剤または製品。
【請求項17】
化合物または化合物の混合物を他の医薬品成分、溶媒またはアジュバントと混合した医薬品の形態の、請求項12に記載の組成物、生成物、製剤または製品。
【請求項18】
化合物または化合物の混合物を他のマトリックス材料成分、溶媒またはアジュバントと混合した経口送達可能なマトリックス材料の形態の、請求項12に記載の組成物、生成物、製剤または製品。
【請求項19】
組成物、生成物、製剤または製品の風味またはフレーバー特性を付与し、改良し、高め、または変更する方法であって、組成物、生成物、製剤または製品に式
【化4】


(上記式中、Rは6−10個の炭素原子を有する分岐または直鎖状アルキル基であり、
ZはOまたはNであり、
ZがOであるときには、そのアセタールまたはヘミアセタールである)の化合物または化合物の混合物のフレーバー有効量を添加することを含んでなる、上記方法。
【請求項20】
上記組成物、生成物、製剤または製品が飲料の形態をしている、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
上記組成物、生成物、製剤または製品がフレーバリングの形態をしている、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
上記組成物、生成物、製剤または製品が食品の形態をしている、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
上記組成物、生成物、製剤または製品がチューインガムの形態をしている、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
上記組成物、生成物、製剤または製品が医薬品の形態をしている、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
上記組成物、生成物、製剤または製品が経口送達可能なマトリックスの形態をしている、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
組成物、生成物、製剤または製品の芳香、フラグランスまたは臭気特性を付与し、改良し、高め、または変更する方法であって、組成物、生成物、製剤または製品に式
【化5】


(上記式中、Rは6−10個の炭素原子を有する分岐または直鎖状アルキル基であり、
ZはOまたはNであり、
ZがOであるときには、そのアセタールまたはヘミアセタールである)の化合物または化合物の混合物の芳香、フラグランスまたは臭気有効量を添加することを含んでなる、上記方法。
【請求項27】
上記組成物、生成物、製剤または製品が香料の形態をしている、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
上記組成物、生成物、製剤または製品がボディー用着臭剤、脱臭剤または発汗抑制剤の形態をしている、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
上記組成物、生成物、製剤または製品が洗浄剤の形態をしている、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
上記組成物、生成物、製剤または製品が漂白剤生成物の形態をしている、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
上記組成物、生成物、製剤または製品が消毒薬の形態をしている、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
包装材料と、該包装材料中に含まれる芳香、臭気、フラグランス、風味またはフレーバー増強剤を含んでなる製品であって、上記増強剤が、これが添加される組成物、製剤、生成物または製品の芳香、臭気、フラグランス、風味またはフレーバーを高めるのに有効であり、且つ上記包装材料が、芳香、臭気、フラグランス、風味またはフレーバーを高める目的で上記医薬品を用いることができることを示すラベルを含んでなり、且つ上記医薬品が式
【化6】


(上記式中、Rは6−10個の炭素原子を有する分岐または直鎖状アルキル基であり、
ZはOまたはN(適当な任意の他の原子が挙げられる)であり、
ZがOであるときには、そのアセタールまたはヘミアセタールである)の化合物または化合物の混合物である、上記製品。

【公表番号】特表2006−519773(P2006−519773A)
【公表日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501024(P2006−501024)
【出願日】平成16年1月21日(2004.1.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/001304
【国際公開番号】WO2004/067481
【国際公開日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願人】(505274829)フレシトラル、インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】