説明

放射線治療システム

【課題】放射線治療される患者の負担をより軽減すること。
【解決手段】放射線治療に利用される第1治療用放射線を発生させる第1治療用放射線照射装置16−1と、第2治療用放射線を発生させる第2治療用放射線照射装置16−2と、第1治療用放射線と第2治療用放射線が一部分に照射されるように第2治療用放射線照射装置16−2と第1治療用放射線照射装置16−1を支持する支持装置15−1〜15−3と、第1治療用放射線が発生する第1タイミングと第2治療用放射線が発生する第2タイミングとを制御するタイミング制御装置6をさらに備えている。このとき、放射線照射装置を1つだけ備えている装置に比較して、被検体の一部分に照射される治療用放射線の線量率をより大きくすることができ、放射線治療を短時間化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線治療システムに関し、特に、患部に放射線を照射することにより患者を治療するときに利用される放射線治療システムに関する。
【背景技術】
【0002】
患部(腫瘍)に治療用放射線を照射することにより患者を治療する放射線治療が知られている。その治療用放射線としては、制動放射により生成される放射線が例示される。その治療用放射線を発生させるX線照射ヘッドは、荷電粒子を加速する加速管と、その荷電粒子が照射されるX線ターゲットとを備えている。このようなX線照射ヘッドがその患部に照射することができる治療用放射線の線量率は、荷電粒子を加速するための電力とその荷電粒子が照射されるX線ターゲットを冷却する能力とにより、上限界(たとえば、500〜1000cGr/min程度)がある。
【0003】
その放射線治療は、治療効果が高いことが望まれ、その治療用放射線は、患部の細胞に照射される線量に比較して、正常な細胞に照射される線量がより小さいことが望まれている。患者は、呼吸により患部位置が治療中に動く恐れがある場合に、正常部位に過照射される危険性を低減するために、その治療用放射線が照射される維持時間(たとえば、約30秒)内に息を止める必要がある場合がある。患者の負担をより軽減するために放射線治療にかかる時間をより低減することが望まれ、患部に照射される治療用放射線の線量率がより大きい放射線治療装置が望まれている。
【0004】
特開2002−248176号公報には、照射部本体の回転範囲が広く、患者の患部に十分に放射線を集中させることが可能な放射線治療装置が開示されている。その放射線治療装置は、回転中心としてのアイソセンタと該アイソセンタを通り互いに直交する第一から第三の軸とが規定され、上記第一の軸回りに回転する照射部本体と、該照射部本体を支持するとともに上記第二の軸回りに回転する照射部支持体とを備えた放射線治療装置において、上記照射部本体は、上記第一の軸回りに、上記第三の軸から上記第二の軸の正側及び負側に向かって回転することを特徴としている。
【0005】
特許第3746744号公報には、優れた治療性能を有する放射線治療装置が開示されている。その放射線治療装置は、電子銃、線形加速器及びターゲットからなる治療用放射線発生部と同治療用放射線発生部を首振りさせるジンバル機構を有する照射ヘッドと、この照射ヘッドを予め定めた球面座標上で支持し且つ移動させる支持移動機構と、前記照射ヘッドに供給すべきマイクロ波を発生する、静止位置に配置されるマイクロ波発振器と、一端部が前記マイクロ波発振器に電磁気的に接続され、他端部が前記線形加速器に電磁気的に接続される導波管部とを具備する放射線治療装置において、前記ジンバル機構に搭載される前記導波管部の導波管と、前記マイクロ波発振器からの前記導波管部の導波管とを、フレキシブル導波管により連結したことを特徴としている。
【0006】
【特許文献1】特開2002−248176号公報
【特許文献2】特許第3746744号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、放射線治療される患者の負担をより軽減する放射線治療システムを提供することにある。
本発明の他の課題は、被検体の一部分に照射される治療用放射線の線量率をより大きくする放射線治療システムを提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、被検体の一部分に照射される複数の治療用放射線が発生するタイミングをより安定して制御する放射線治療システムを提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、複数の治療用放射線が被検体の一部分に同時に照射されることをより確実に防止する放射線治療システムを提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、より軽量化される放射線治療システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に、発明を実施するための最良の形態・実施例で使用される符号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を記載する。この符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態・実施例の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0009】
本発明による放射線治療システム(1)は、放射線治療に利用される第1治療用放射線(23−1)を発生させる第1治療用放射線照射装置(16−1)(105)(115)(125)と、その放射線治療に利用される第2治療用放射線(23−2)を発生させる第2治療用放射線照射装置(16−2)(106)(116)(126)と、第1治療用放射線(23−1)が被検体(43)の一部分に照射されるように第1治療用放射線照射装置(16−1)(105)(115)(125)を支持し、かつ、第2治療用放射線(23−2)が一部分に照射されるように第2治療用放射線照射装置(16−2)(106)(116)(126)を支持する支持装置(11,12,14,15−1〜15−3)(102〜104)(112〜113)(122〜124)と、第1治療用放射線(23−1)が発生する第1タイミング(72)と第2治療用放射線(23−2)が発生する第2タイミング(73)とを制御するタイミング制御装置(6)(82)をさらに備えている。このとき、放射線治療システム(1)は、放射線照射装置を1つだけ備えている装置に比較して、被検体(43)の一部分に照射される治療用放射線の線量率をより大きくすることができる。放射線治療システム(1)は、さらに、被検体(43)の一部分に第1治療用放射線(23−1)と第2治療用放射線(23−2)とを同時に照射しないように制御することができる。
【0010】
本発明による放射線治療システム(1)は、第1高周波電力を生成する第1高周波電源(5−1)と、第2高周波電力を生成する第2高周波電源(5−2)とをさらに備えている。第1治療用放射線照射装置(16−1)(105)(115)(125)は、第1高周波電力を用いて第1治療用放射線(23−1)を発生させ、第2治療用放射線照射装置(16−2)(106)(116)(126)は、第2高周波電力を用いて第2治療用放射線(23−2)を発生させ、タイミング制御装置(6)(82)は、第1治療用放射線照射装置(16−1)(105)(115)(125)に第1高周波電力を供給するタイミング(62)と第2治療用放射線照射装置(16−2)(106)(116)(126)に第2高周波電力を供給するタイミング(63)とを制御する。このとき、放射線治療システム(1)は、第1治療用放射線(23−1)が発生する第1タイミング(72)と第2治療用放射線(23−2)が発生する第2タイミング(73)とをより安定して制御することができる。
【0011】
本発明による放射線治療システム(1)は、高周波電力を生成する高周波電源(81)と、第1治療用放射線照射装置(16−1)(105)(115)(125)と第2治療用放射線照射装置(16−2)(106)(116)(126)とのうちの一方に高周波電力を供給する電力分岐供給回路(84)とをさらに備えている。第1治療用放射線照射装置(16−1)(105)(115)(125)は、高周波電力を用いて第1治療用放射線(23−1)を発生させ、第2治療用放射線照射装置(16−2)(106)(116)(126)は、高周波電力を用いて第2治療用放射線(23−2)を発生させる。このとき、放射線治療システム(1)は、被検体(43)の一部分に第1治療用放射線(23−1)と第2治療用放射線(23−2)とを同時に照射しないことをより確実にすることができる。
【0012】
第1タイミング(72)と第2タイミング(73)とは、第1治療用放射線(23−1)の発生が停止してから第2治療用放射線(23−2)が発生するまでの期間(74)が第2治療用放射線(23−2)の発生が停止してから第1治療用放射線(23−1)が発生するまでの期間(75)に等しくなるように制御される。このとき、放射線治療システム(1)は、各照射間でのノイズ干渉が低減し、誤動作する可能性を低減することができ、被検体(43)の一部分に第1治療用放射線(23−1)と第2治療用放射線(23−2)とをより安定して照射することができる。
【0013】
本発明による放射線治療システム(1)は、第1治療用放射線(23−1)に基づいて被検体(43)の第1透過画像を作成する第1撮像パネル(31−1)と、第2治療用放射線(23−2)に基づいて被検体(43)の第2透過画像を作成する第2撮像パネル(31−2)とをさらに備えている。このとき、放射線治療システム(1)は、透過画像の撮像に専用される診断撮像装置を備える必要がない。放射線治療システム(1)は、その専用の診断撮像装置を省略したときに、軽量化されることができ、または、放射線治療に利用される治療用放射線を発生させる治療用放射線照射装置をさらに増設することができる。
【0014】
本発明による放射線治療システム(1)は、その第1透過画像または第2透過画像に基づいて第1治療用放射線照射装置(16−1)または第2治療用放射線照射装置(16−2)を駆動する駆動制御装置(8)をさらに備えていることが好ましい。
【0015】
本発明による放射線治療システム(1)は、その第1透過画像または第2透過画像に基づいて被検体(43)の内部の状態を示している3次元データを生成する画像処理装置(7)をさらに備えていることが好ましい。
【0016】
本発明による放射線治療システム(1)は、放射線治療に利用される治療用放射線(23−1〜23−3)を発生させる治療用放射線照射装置(16−1〜16−3)の個数が複数且つ奇数である。本発明による放射線治療システム(1)は、その複数の治療用放射線照射装置(16−1〜16−3)と、複数の治療用放射線照射装置(16−1〜16−3)に対向する複数の撮像パネル(31−1〜31−3)とをリング状の支持体(14)に支持するときに、複数の治療用放射線照射装置(16−1〜16−3)と複数の撮像パネル(31−1〜31−3)とを支持体に等間隔に配置することができ、好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明による放射線治療システムは、放射線照射装置を1つだけ備えている装置に比較して、被検体の一部分に照射される治療用放射線の線量率をより大きくすることができ、被検体の一部分に複数の治療用放射線を同時に照射しないように制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図面を参照して、本発明による放射線治療システムの実施の形態を記載する。その放射線治療システム1は、図1に示されているように、放射線治療装置3とクライストロン5−1とクライストロン5−2とタイミング制御装置6と画像処理装置7と駆動制御装置8とを備えている。タイミング制御装置6は、クライストロン5−1とクライストロン5−2とを制御する。クライストロン5−1は、タイミング制御装置6により制御されて所定の電力の高周波電力を所定のタイミングで生成し、導波管8−1を介してその高周波電力を放射線治療装置3に出力する。クライストロン5−2は、タイミング制御装置6により制御されて所定の電力の高周波電力を所定のタイミングで生成し、導波管8−2を介してその高周波電力を放射線治療装置3に出力する。画像処理装置7は、パーソナルコンピュータに例示されるコンピュータであり、双方向に情報を伝送することができるように放射線治療装置3と駆動制御装置8とに接続されている。駆動制御装置8は、パーソナルコンピュータに例示されるコンピュータであり、双方向に情報を伝送することができるように放射線治療装置3とに接続されている。
【0019】
図2は、放射線治療装置3を示している。放射線治療装置3は、旋回駆動装置11とOリング12と走行ガントリ14と首振り機構15−1と首振り機構15−2と治療用放射線照射装置16−1と治療用放射線照射装置16−2とを備えている。旋回駆動装置11は、回転軸17を中心に回転可能にOリング12を土台に支持し、駆動制御装置8により制御されて回転軸17を中心にOリング12を回転させ、土台に対するOリング12の旋回角を出力する。回転軸17は、鉛直方向に平行である。Oリング12は、回転軸18を中心とするリング状に形成され、回転軸18を中心に回転可能に走行ガントリ14を支持している。回転軸18は、鉛直方向に垂直であり、回転軸17に含まれるアイソセンタ19を通る。回転軸18は、さらに、Oリング12に対して固定され、すなわち、Oリング12とともに回転軸17を中心に回転する。走行ガントリ14は、回転軸18を中心とするリング状に形成され、Oリング12のリングと同心円になるように配置されている。放射線治療装置3は、さらに、図示されていない走行駆動装置を備えている。その走行駆動装置は、駆動制御装置8により制御されて回転軸18を中心に走行ガントリ14を回転させ、Oリング12に対する走行ガントリ14の走行角を出力する。
【0020】
首振り機構15−1は、走行ガントリ14のリングの内側に固定され、治療用放射線照射装置16−1が走行ガントリ14の内側に配置されるように、治療用放射線照射装置16−1を走行ガントリ14に支持している。首振り機構15−1は、パン軸およびチルト軸を有している。パン軸は、走行ガントリ14に対して固定され、回転軸18に交差しないで回転軸18に平行である。チルト軸は、パン軸に直交している。首振り機構15−1は、駆動制御装置8により制御されて、パン軸を中心に治療用放射線照射装置16−1を回転させ、チルト軸を中心に治療用放射線照射装置16−1を回転させる。
【0021】
首振り機構15−2は、走行ガントリ14のリングの内側に固定され、治療用放射線照射装置16−2が走行ガントリ14の内側に配置されるように、治療用放射線照射装置16−2を走行ガントリ14に支持している。首振り機構15−2は、パン軸およびチルト軸を有している。パン軸は、走行ガントリ14に対して固定され、回転軸18に交差しないで回転軸18に平行である。チルト軸は、パン軸に直交している。首振り機構15−2は、駆動制御装置8により制御されて、パン軸を中心に治療用放射線照射装置16−2を回転させ、チルト軸を中心に治療用放射線照射装置16−2を回転させる。
【0022】
治療用放射線照射装置16−1は、タイミング制御装置6により制御されて、治療用放射線23−1を放射する。治療用放射線23−1は、パン軸とチルト軸とが交差する交点を通る直線に概ね沿って放射される。治療用放射線23−1は、一様強度分布を持つように形成されている。治療用放射線23−1は、さらに、一部が遮蔽されて治療用放射線23−1が患者に照射されるときの照射野の形状が制御されている。
【0023】
治療用放射線照射装置16−2は、タイミング制御装置6により制御されて、治療用放射線23−2を放射する。治療用放射線23−2は、パン軸とチルト軸とが交差する交点を通る直線に概ね沿って放射される。治療用放射線23−2は、一様強度分布を持つように形成されている。治療用放射線23−2は、さらに、一部が遮蔽されて治療用放射線23−2が患者に照射されるときの照射野の形状が制御されている。
【0024】
治療用放射線23−1と治療用放射線23−2とは、このように治療用放射線照射装置16−1と治療用放射線照射装置16−2とが走行ガントリ14に支持されることにより、首振り機構15−1と首振り機構15−2とで治療用放射線照射装置16−1と治療用放射線照射装置16−2とがアイソセンタ19に向かうように一旦調整されると、旋回駆動装置11によりOリング12が回転し、または、その走行駆動装置により走行ガントリ14が回転しても、常に概ねアイソセンタ19を通る。即ち、走行・旋回を行うことで任意方向からアイソセンタ19に向けて治療用放射線23−1と治療用放射線23−2との照射が可能になる。
【0025】
放射線治療装置3は、さらに、イメージャシステムを備えている。すなわち、放射線治療装置3は、センサアレイ31−1とセンサアレイ31−2とを備えている。センサアレイ31−1は、センサアレイ31−1と治療用放射線照射装置16−1を結ぶ線分がアイソセンタ19を通るように配置されて、走行ガントリ14のリングの内側に固定されている。センサアレイ31−1は、治療用放射線照射装置16−1により放射されてアイソセンタ19の周辺の被写体を透過した治療用放射線23−1を受光して、その被写体の透過画像を生成する。センサアレイ31−1としては、FPD(Flat Panel Detector)、X線II(Image Intensifier)が例示される。センサアレイ31−2は、センサアレイ31−2と治療用放射線照射装置16−2を結ぶ線分がアイソセンタ19を通るように配置されて、走行ガントリ14のリングの内側に固定されている。センサアレイ31−2は、治療用放射線照射装置16−2により放射されてアイソセンタ19の周辺の被写体を透過した治療用放射線23−2を受光して、その被写体の透過画像を生成する。センサアレイ31−2としては、FPD(Flat Panel Detector)、X線II(Image Intensifier)が例示される。
【0026】
このようなイメージャシステムによれば、センサアレイ31−1とセンサアレイ31−2とにより得た画像信号に基づき、アイソセンタ19を中心とする透過画像を生成することができる。このとき、画像処理装置7は、センサアレイ31−1により生成された透過画像とセンサアレイ31−2により生成された透過画像とに基づいて、患者の患部の位置を算出する。その患部位置算出は、患部と異なるランドマークの位置に基づくものでもよい。そのランドマークとしては、その患部と連動して運動する臓器、物体が例示される。その臓器としては、骨(肋骨)、横隔膜、膀胱が例示される。その物体は、イメージャシステムにより検出される材料から形成され、その患部と連動して運動するようにその患者の体内に埋め込まれる。その物体としては、金から形成される球である金マーカが例示される。画像処理装置7は、さらに、センサアレイ31−1により生成された透過画像とセンサアレイ31−2により生成された透過画像とに基づいて、の内部の状態を示している3次元データを生成する。
【0027】
放射線治療装置3は、さらに、カウチ41とカウチ駆動装置42とを備えている。カウチ41は、放射線治療システム1により治療される患者43が横臥することに利用される。カウチ41は、図示されていない固定具を備えている。その固定具は、その患者が動かないように、その患者をカウチ41に固定する。カウチ駆動装置42は、カウチ41を土台に支持し、駆動制御装置8により制御されてカウチ41を移動させる。
【0028】
クライストロン5−1とクライストロン5−2とは、図3に示されているように、Oリング12とともに回転軸17を中心に回転可能に、旋回駆動装置11に支持されている。導波管8−1は、固定導波管51−1、52−1とロータリージョイント53−1とを備えている。固定導波管52−1は、変形しない導波路を形成し、クライストロン5−1とともに回転軸17を中心に回転可能に、旋回駆動装置11に支持されている。固定導波管51−1は、変形しない導波路を形成し、走行ガントリ14に支持され、走行ガントリ14と同体に運動する。ロータリージョイント53−1は、変形可能である導波路を形成し、回転軸18に重なるように配置されている。ロータリージョイント53−1は、一端が固定導波管51−1に接続され、他端が固定導波管52−1に接続されている。すなわち、導波管8−1は、クライストロン5−1により生成される高周波電力が治療用放射線照射装置16−1に伝播するように形成されている。
【0029】
導波管8−2は、固定導波管51−2、52−2とロータリージョイント53−2とを備えている。固定導波管52−2は、変形しない導波路を形成し、クライストロン5−2とともに回転軸17を中心に回転可能に、旋回駆動装置11に支持されている。固定導波管51−2は、変形しない導波路を形成し、走行ガントリ14に支持され、走行ガントリ14と同体に運動する。ロータリージョイント53−2は、変形可能である導波路を形成し、回転軸18に重なるように配置されている。ロータリージョイント53−2は、一端が固定導波管51−2に接続され、他端が固定導波管52−2に接続されている。すなわち、導波管8−2は、クライストロン5−2により生成される高周波電力が治療用放射線照射装置16−2に伝播するように形成されている。
【0030】
放射線治療システム1を用いた放射線治療では、ユーザが、まず、治療計画を作成する。その治療計画は、患者43の患部に治療用放射線23−1と治療用放射線23−2とを照射する照射角度と、その各照射角度から照射する治療用放射線23−1と治療用放射線23−2との線量および性状とを示している。ユーザは、放射線治療装置3のカウチ41に患者43を固定する。駆動制御装置8は、その治療計画により示される照射角度で治療用放射線23−1、23−2が患者43に照射されるように、旋回駆動装置11と走行駆動装置とカウチ駆動装置42とを用いて、治療用放射線照射装置16−1、16−2と患者43とを位置合わせする。
【0031】
次いで、画像処理装置7と駆動制御装置8は、追尾動作と照射動作とを繰り返して実行する。その追尾動作では、画像処理装置7は、放射線治療装置3のイメージャシステムにより撮像された画像に基づいて患部位置を算出する。駆動制御装置8は、治療用放射線23−1がその患部位置を透過するように首振り機構15−1を用いて治療用放射線照射装置16−1を駆動し、治療用放射線23−2がその患部位置を透過するように首振り機構15−2を用いて治療用放射線照射装置16−2を駆動する。
【0032】
その照射動作では、駆動制御装置8は、その追尾動作により治療用放射線照射装置16−1と治療用放射線照射装置16−2とが移動した直後に治療用放射線照射装置16−1と治療用放射線照射装置16−2とを用いて治療用放射線23−1と治療用放射線23−2とをその患部に照射する。
【0033】
タイミング制御装置6は、その照射動作と並行して動作する。タイミング制御装置6は、所定の高周波電力が所定のタイミングで治療用放射線照射装置16−1に供給されるようにクライストロン5−1を制御し、かつ、所定の高周波電力が所定のタイミングで治療用放射線照射装置16−2に供給されるようにクライストロン5−2を制御する。すなわち、タイミング制御装置6は、治療用放射線照射装置16−1が所定のタイミングで治療用放射線23−1を放射するように、かつ、治療用放射線照射装置16−2が所定のタイミングで治療用放射線23−2を放射するように放射線治療装置3を制御する。
【0034】
図4は、治療用放射線照射装置16−1が治療用放射線23−1を放射するタイミングを示している。そのタイミングは、周期61ごとに周期的に実行されている。周期61としては、3300μ秒が例示される。その周期61は、照射期間62と休止期間63とから形成されている。照射期間62としては、4μ秒が例示される。休止期間63としては、3296μ秒が例示される。
【0035】
図5は、治療用放射線照射装置16−2が治療用放射線23−2を放射するタイミングを示している。そのタイミングは、周期65ごとに周期的に実行されている。周期65は、周期61に一致している。その周期65は、照射期間66と休止期間67とから形成されている。照射期間66は、照射期間62と重なりがないように設定される。照射期間66としては、4μ秒が例示される。休止期間67としては、3296μ秒が例示される。
【0036】
図6は、図4と図5とに示されるように、タイミング制御装置6が放射線治療装置3を制御したときに、患者43の患部に照射される治療用放射線23−1と治療用放射線23−2との線量の変化を示している。その線量は、周期71ごとに繰り返し、同様に変化している。周期71は、第1照射期間72と第2照射期間73と第1休止期間74と第2休止期間75とから形成されている。第1照射期間72は、治療用放射線23−1が患者に照射される期間を示している。第2照射期間73は、治療用放射線23−2が患者に照射される期間を示している。第1休止期間74は、治療用放射線23−1の照射が停止してから治療用放射線23−2の照射が開始するまでの期間を示している。第2休止期間75は、治療用放射線23−2の照射が停止してから治療用放射線23−1の照射が開始するまでの期間を示している。すなわち、図6のグラフは、放射線治療システム1が治療用放射線23−1と治療用放射線23−2とを患者43に同時に照射することがないことを示している。
【0037】
放射線治療システム1は、治療用放射線23−1と治療用放射線23−2とを患者43に同時に照射したときに、治療用放射線照射装置16−1と治療用放射線照射装置16−2とにノイズ干渉が発生する可能性がある。放射線治療システム1は、治療用放射線23−1と治療用放射線23−2とが発生するタイミングをこのように制御することにより、ノイズ干渉が発生する可能性を低減することができる。
【0038】
治療用放射線照射装置は、一般に、発生させることができる治療用放射線の線量率に上限界(500〜1000cGy/min程度)があり、例えば、1回10Gyの照射には照射治療に1〜2分の時間を必要としている。放射線治療システム1は、2個の治療用放射線照射装置16−1、16−2を備えていることにより、実質2倍の線量率を患者43に照射することができ、30〜60秒での照射治療が可能になる。このため、放射線治療システム1によれば、たとえば、放射線治療に息止めする必要があるときには、患者43が息止めする時間を短縮することができ、患者の負担を軽減することができる。
【0039】
放射線治療システム1は、第1休止期間74または第2休止期間75が短いときに、治療用放射線照射装置16−1と治療用放射線照射装置16−2とにノイズ干渉が発生する可能性が増加する。放射線治療システム1は、さらに、第1休止期間74の長さと第2休止期間75の長さとが一致するように、照射動作を実行することができる。このとき、放射線治療システム1は、第1休止期間74の長さと第2休止期間75の長さとが異なる場合に比較して、治療用放射線照射装置16−1と治療用放射線照射装置16−2とにノイズ干渉が発生する可能性を低減し、誤動作する可能性を抑制することができ、安定した照射治療が可能となる。
【0040】
なお、クライストロン5−1とクライストロン5−2とは、他の高周波源に置換することができる。その高周波源としては、マグネトロン、多極管が例示される。さらに、高周波電力は、マイクロ波と異なる電波に置換されることもできる。
【0041】
図7は、本発明による放射線治療システムの実施の他の形態を示している。その放射線治療システムは、既述の実施の形態における放射線治療システム1が導波管83、88−1、88−2とクライストロン81と電力分岐供給回路84とタイミング制御装置82とを備えている。導波管83は、クライストロン81により生成される高周波電力が電力分岐供給回路84に伝播するように形成されている。導波管88−1は、電力分岐供給回路84から供給される高周波電力が治療用放射線照射装置16−1に伝播するように形成されている。導波管88−2は、電力分岐供給回路84から供給される高周波電力が治療用放射線照射装置16−2に伝播するように形成されている。クライストロン81は、タイミング制御装置82により制御されて所定の電力の高周波電力を所定のタイミングで生成し、その高周波電力を導波管83に出力する。
【0042】
電力分岐供給回路84は、導波管83から供給される高周波電力の進行方向に対して垂直方向に電磁石による磁場が配置されたサーキュレータを備えている。電力分岐供給回路84は、タイミング制御装置82により電磁石に印加される電圧の向きが制御され、その磁場方向を正逆方向に切り替える事により、導波管83から供給される高周波電力を導波管88−1、88−2のうちの一方に供給する。
【0043】
タイミング制御装置82は、第1休止期間74と第2休止期間75とが一致するように、クライストロン81と電力分岐供給回路84とタイミング制御装置82とを制御する。
【0044】
このような放射線治療システムによれば、既述の実施の形態における放射線治療システム1と同様にして、実質2倍の線量率を患者43に照射することができ、たとえば、放射線治療に息止めする必要があるときには、患者43が息止めする時間を短縮することができ、患者の負担を軽減することができる。このような放射線治療システムによれば、治療用放射線照射装置16−1と治療用放射線照射装置16−2とのうちの一方にのみ高周波電力が供給され、治療用放射線23−1と治療用放射線23−2とのうちの一方にのみが患者43に照射される。すなわち、このような放射線治療システムは、患者に治療用放射線23−1と治療用放射線23−2とを同時に照射しないことをより確実にすることができる。
【0045】
図8は、本発明による放射線治療システムの実施のさらに他の形態を示している。その放射線治療システムは、既述の実施の形態における放射線治療装置3が他の放射線治療装置に置換されているその放射線治療装置91は、放射線治療装置3がさらに首振り機構15−3と治療用放射線照射装置16−3とセンサアレイ31−3とを備えている。首振り機構15−3は、走行ガントリ14のリングの内側に固定され、治療用放射線照射装置16−3が走行ガントリ14の内側に配置されるように、治療用放射線照射装置16−3を走行ガントリ14に支持している。首振り機構15−3は、パン軸およびチルト軸を有している。パン軸は、走行ガントリ14に対して固定され、回転軸18に交差しないで回転軸18に平行である。チルト軸は、パン軸に直交している。首振り機構15−3は、駆動制御装置8により制御されて、パン軸を中心に治療用放射線照射装置16−3を回転させ、チルト軸を中心に治療用放射線照射装置16−3を回転させる。治療用放射線照射装置16−3は、タイミング制御装置6により制御されて、治療用放射線23−3を放射する。治療用放射線23−3は、パン軸とチルト軸とが交差する交点を通る直線に概ね沿って放射される。治療用放射線23−3は、一様強度分布を持つように形成されている。治療用放射線23−3は、さらに、一部が遮蔽されて治療用放射線23−3が患者に照射されるときの照射野の形状が制御されている。センサアレイ31−3は、センサアレイ31−3と治療用放射線照射装置16−3を結ぶ線分がアイソセンタ19を通るように配置されて、走行ガントリ14のリングの内側に固定されている。センサアレイ31−3は、治療用放射線照射装置16−3により放射されてアイソセンタ19の周辺の被写体を透過した治療用放射線23−3を受光して、その被写体の透過画像を生成する。センサアレイ31−3としては、FPD(Flat Panel Detector)、X線II(Image Intensifier)が例示される。
【0046】
このような放射線治療システムは、放射線照射装置を2つだけ備えている装置に比較して、患者43の患部に照射される治療用放射線の線量率をより大きくすることができる。すなわち、放射線治療システムは、放射線照射装置を増設すればするほど、患者43の患部に照射される治療用放射線の線量率をより大きくすることができ、好ましい。
【0047】
2つの治療用放射線照射装置は、接近して配置されると、ノイズ干渉が低減し、誤動作する可能性がある。治療用放射線照射装置とセンサアレイとは、接近して配置されると、ノイズ干渉が低減し、誤動作する可能性がある。本実施の形態における放射線治療システムは、奇数個の複数の治療用放射線照射装置を備えることにより、複数の治療用放射線照射装置をリング状の走行ガントリ14に等間隔に配置することができ、複数の治療用放射線照射装置と複数のセンサアレイとをリング状の走行ガントリ14に等間隔に配置することができる。このため、本実施の形態における放射線治療システムは、各照射間でのノイズ干渉が低減し、誤動作する可能性が抑制でき、被検体の一部分に複数の治療用放射線23−1〜23−3をより安定して照射することができる。
【0048】
なお、本発明による放射線治療システムは、複数の治療用放射線照射装置を支持する走行ガントリ14が他の支持体に置換されることもできる。その支持体は、複数の治療用放射線照射装置からそれぞれ放射される複数の治療用放射線が患者43の患部に照射されるように、複数の治療用放射線照射装置を支持することができるものであればよい。このような支持体としては、ロボットアーム、リング形状と異なる形状に形成されているものが例示される。その形状としては、C型、Ω型、π型が例示される。
【0049】
図9は、走行ガントリ14と異なる形状に形成されている支持装置を備える放射線治療装置の例を示している。その放射線治療装置101は、支持体102〜104と複数の照射ヘッド105〜106とを備えている。支持体102は、土台に支持されている。支持体103は、ベアリング107を介して、回転軸108を中心に回転可能に支持体102に支持されている。回転軸108は、水平方向に平行である。支持体104は、回転軸109を中心に回転可能に支持体103に支持されている。回転軸109は、水平方向に平行であり、回転軸108に垂直である。照射ヘッド105〜106は、支持体104に支持されている。照射ヘッド105は、放射線治療装置制御装置2により制御されて治療用放射線を放射する。照射ヘッド106は、放射線治療装置制御装置2により制御されて治療用放射線を放射する。
【0050】
放射線治療装置101が適用された放射線治療システムは、治療計画により示される照射角度で治療用放射線が患者に照射されるように、支持体102に対して支持体103を駆動し、支持体103に対して支持体104を駆動して、複数の照射ヘッド105〜106を位置合わせする。その放射線治療システムは、さらに、複数の照射ヘッド105〜106から所定のタイミングで治療用放射線を患者に照射する。
【0051】
このような放射線治療システムは、既述の実施の形態における放射線治療システム1と同様にして、より大きい線量率の治療用放射線を患者に照射することができ、患者の負担を軽減することができる。放射線治療装置101は、さらに、既述の実施の形態と同様にして、治療用放射線を患者に照射するタイミングを制御することにより、ノイズ干渉が発生する可能性を低減することができる。
【0052】
図10は、走行ガントリ14と異なる形状に形成されている支持装置を備える放射線治療装置の他の例を示している。その放射線治療装置111は、支持体112、113とベアリング114と複数の照射ヘッド115〜116とを備えている。支持体112は、土台に支持されている。ベアリング114は、支持体112に対して、回転軸117を中心に回転可能に支持体113を支持している。回転軸117は、水平方向に平行である。照射ヘッド115〜116は、支持体113に支持されている。照射ヘッド115は、放射線治療装置制御装置2により制御されて治療用放射線を放射する。照射ヘッド116は、放射線治療装置制御装置2により制御されて治療用放射線を放射する。
【0053】
放射線治療装置111が適用された放射線治療システムは、治療計画により示される照射角度で治療用放射線が患者に照射されるように、支持体112に対して支持体113を駆動して、複数の照射ヘッド115〜116を位置合わせする。その放射線治療システムは、さらに、複数の照射ヘッド115〜116から所定のタイミングで治療用放射線を患者に照射する。
【0054】
このような放射線治療システムは、既述の実施の形態における放射線治療システム1と同様にして、より大きい線量率の治療用放射線を患者に照射することができ、患者の負担を軽減することができる。放射線治療装置111は、さらに、既述の実施の形態と同様にして、治療用放射線を患者に照射するタイミングを制御することにより、ノイズ干渉が発生する可能性を低減することができる。
【0055】
図11は、走行ガントリ14と異なる形状に形成されている支持装置を備える放射線治療装置のさらに他の例を示している。その放射線治療装置121は、支持体122〜124と複数の照射ヘッド125〜126とを備えている。支持体122は、土台に支持されている。支持体123は、ベアリング127を介して、水平方向に平行である回転軸を中心に回転可能に支持体122に支持されている。支持体123は、レール128が形成されている。支持体124は、レール128に沿って移動可能に支持体123に支持されている。照射ヘッド125〜126は、支持体124に支持されている。照射ヘッド125は、放射線治療装置制御装置2により制御されて治療用放射線を放射する。照射ヘッド126は、放射線治療装置制御装置2により制御されて治療用放射線を放射する。
【0056】
放射線治療装置121が適用された放射線治療システムは、治療計画により示される照射角度で治療用放射線が患者に照射されるように、支持体122に対して支持体123を駆動し、支持体123に対して支持体124を駆動して、複数の照射ヘッド125〜126を位置合わせする。その放射線治療システムは、さらに、複数の照射ヘッド125〜126から所定のタイミングで治療用放射線を患者に照射する。
【0057】
このような放射線治療システムは、既述の実施の形態における放射線治療システム1と同様にして、より大きい線量率の治療用放射線を患者に照射することができ、患者の負担を軽減することができる。放射線治療装置121は、さらに、既述の実施の形態と同様にして、治療用放射線を患者に照射するタイミングを制御することにより、ノイズ干渉が発生する可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】図1は、本発明による放射線治療システムの実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図2は、放射線治療装置を示す斜視図である。
【図3】図3は、導波管を示す斜視図である。
【図4】図4は、一方のクライストロンの出力を示すグラフである。
【図5】図5は、他方のクライストロンの出力を示すグラフである。
【図6】図6は、患者に照射される治療用放射線の線量の変化を示すグラフである。
【図7】図7は、本発明による放射線治療システムの実施の他の形態を示すブロック図である。
【図8】図8は、本発明による放射線治療システムの実施のさらに他の形態を示すブロック図である。
【図9】図9は、他の放射線治療装置を示す斜視図である。
【図10】図10は、さらに他の放射線治療装置を示す斜視図である。
【図11】図11は、さらに他の放射線治療装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0059】
1 :放射線治療システム
3 :放射線治療装置
5−1:クライストロン
5−2:クライストロン
6 :タイミング制御装置
7 :画像処理装置
8 :駆動制御装置
8−1:導波管
8−2:導波管
11:旋回駆動装置
12:Oリング
14:走行ガントリ
15−1:首振り機構
15−2:首振り機構
15−3:首振り機構
16−1:治療用放射線照射装置
16−2:治療用放射線照射装置
16−3:治療用放射線照射装置
17:回転軸
18:回転軸
19:アイソセンタ
23−1:治療用放射線
23−2:治療用放射線
23−3:治療用放射線
31−1:センサアレイ
31−2:センサアレイ
31−3:センサアレイ
41:カウチ
42:カウチ駆動装置
43:患者
51−1:固定導波管
51−2:固定導波管
52−1:固定導波管
52−2:固定導波管
53−1:ロータリージョイント
53−2:ロータリージョイント
61:周期
62:照射期間
63:休止期間
65:周期
66:照射期間
67:休止期間
71:周期
72:第1照射期間
73:第2照射期間
74:第1休止期間
75:第2休止期間
81:クライストロン
82:タイミング制御装置
83:導波管
84:電力分岐供給回路
88−1:導波管
88−2:導波管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線治療に利用される第1治療用放射線を発生させる第1治療用放射線照射装置と、
前記放射線治療に利用される第2治療用放射線を発生させる第2治療用放射線照射装置と、
前記第1治療用放射線が被検体の一部分に照射されるように前記第1治療用放射線照射装置を支持し、かつ、前記第2治療用放射線が前記一部分に照射されるように前記第2治療用放射線照射装置を支持する支持装置と、
前記第1治療用放射線が発生する第1タイミングと前記第2治療用放射線が発生する第2タイミングとを制御するタイミング制御装置
を更に具備する放射線治療システム。
【請求項2】
請求項1において、
第1高周波電力を生成する第1高周波電源と、
第2高周波電力を生成する第2高周波電源とを更に具備し、
前記第1治療用放射線照射装置は、前記第1高周波電力を用いて前記第1治療用放射線を発生させ、
前記第2治療用放射線照射装置は、前記第2高周波電力を用いて前記第2治療用放射線を発生させ、
前記タイミング制御装置は、前記第1治療用放射線照射装置に前記第1高周波電力を供給するタイミングと前記第2治療用放射線照射装置に前記第2高周波電力を供給するタイミングとを制御する
放射線治療システム。
【請求項3】
請求項1において、
高周波電力を生成する高周波電源と、
前記第1治療用放射線照射装置と前記第2治療用放射線照射装置とのうちの一方に前記高周波電力を供給する電力分岐供給回路とを更に具備し、
前記第1治療用放射線照射装置は、前記高周波電力を用いて前記第1治療用放射線を発生させ、
前記第2治療用放射線照射装置は、前記高周波電力を用いて前記第2治療用放射線を発生させる
放射線治療システム。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかにおいて、
前記第1タイミングと前記第2タイミングとは、前記第1治療用放射線の発生が停止してから前記第2治療用放射線が発生するまでの期間が前記第2治療用放射線の発生が停止してから前記第1治療用放射線が発生するまでの期間に等しくなるように制御される
放射線治療システム。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかにおいて、
前記第1治療用放射線に基づいて前記被検体の第1透過画像を作成する第1撮像パネルと、
前記第2治療用放射線に基づいて前記被検体の第2透過画像を作成する第2撮像パネル
とを更に具備する放射線治療システム。
【請求項6】
請求項5において、
前記第1透過画像または前記第2透過画像に基づいて前記第1治療用放射線照射装置または前記第2治療用放射線照射装置を駆動する駆動制御装置
を更に具備する放射線治療システム。
【請求項7】
請求項5〜請求項6のいずれかにおいて、
前記第1透過画像または前記第2透過画像に基づいて前記被検体の内部の状態を示す3次元データを生成する画像処理装置
を更に具備する放射線治療システム。
【請求項8】
請求項5〜請求項7のいずれかにおいて、
前記放射線治療に利用される治療用放射線を発生させる治療用放射線照射装置の個数が複数且つ奇数である
放射線治療システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−106695(P2009−106695A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−284886(P2007−284886)
【出願日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】